(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-20
(45)【発行日】2024-10-01
(54)【発明の名称】バイオメトリックの個人化オーディオ処理システム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/16 20060101AFI20240924BHJP
G06F 3/01 20060101ALI20240924BHJP
G10K 15/00 20060101ALI20240924BHJP
H04R 3/00 20060101ALI20240924BHJP
【FI】
G06F3/16 540
G06F3/16 610
G06F3/01 510
G10K15/00
H04R3/00 310
(21)【出願番号】P 2019000273
(22)【出願日】2019-01-04
【審査請求日】2022-01-04
【審判番号】
【審判請求日】2023-08-02
(32)【優先日】2018-01-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】592051453
【氏名又は名称】ハーマン インターナショナル インダストリーズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】ライリー ウィントン
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー トレステン
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー ルドウィグ
(72)【発明者】
【氏名】エリザベス シボー
(72)【発明者】
【氏名】ジェフリー ペイル
【合議体】
【審判長】篠塚 隆
【審判官】富澤 哲生
【審判官】村松 貴士
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-6355(JP,A)
【文献】特許第3978548(JP,B2)
【文献】特開2009-266005(JP,A)
【文献】特開平9-51239(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01, 3/16
G10K 15/00
H04R 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
音声信号を使用者に再生するためのコンピュータ実装方法であって、
使用者に関連するバイオメトリックデータまたは1つ以上の使用者アプリケーションからの二次使用者パラメータのうちの少なくとも1つを含む第1の使用者パラメータセットを受信することと、
第1のオーディオトラックを受信することと、
前記第1のオーディオトラックの音響特性を反映する第1の値のセットを生成することと、
前記第1の使用者パラメータセットと、
前記第1の値のセットと、所与の使用者パラメータを対応する気分パラメータとマッピングするエントリを含む第1のルックアップテーブルとに基づいて、価数値および覚醒値を含む第1の気分パラメータセットを判定することと、
前記第1の気分パラメータセットと、価数値および覚醒値の範囲を対応する所定の気分とマッピングするエントリを含む第2のルックアップテーブルとに基づいて、第1の所定の気分を判定することと、
前記第1の所定の気分に基づいて、第1の音響プロファイルを選択することであって、前記第1の音響プロファイルは、第1の音響パラメータセットを含む、ことと、
前記第1の音響パラメータセットに基づいて、音声出力デバイスに第1の音声信号を再生させることと
を含む、コンピュータ実装方法。
【請求項2】
前記音声出力デバイスに前記第1の音声信号を再生させた後、
第2の使用者パラメータセットを受信することと、
前記第2の使用者パラメータセットと、前記第1のルックアップテーブルとに基づいて、価数値および覚醒値を含む第2の気分パラメータセットを判定することと、
前記第2の気分パラメータセットと、前記第2のルックアップテーブルとに基づいて、第2の所定の気分を判定することであって、前記第2の所定の気分は前記第1の所定の気分とは異なる、ことと、
前記第2の所定の気分に基づいて、第2の音響プロファイルを選択することであって、前記第2の音響プロファイルは第2の音響パラメータセットを含む、ことと、
前記第2の音響パラメータセットに基づいて、前記音声出力デバイスに第2の音声信号を再生させることと
を実行することを更に含む、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項3】
前記使用者に関連する前記バイオメトリックデータは、少なくとも1つのセンサによって提供されるセンサデータを含む、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項4】
前記使用者に関連する前記バイオメトリックデータは、心拍数、瞳孔サイズ、電気皮膚反応、血圧のレベル、または平均血糖濃度の少なくとも1つを含む、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項5】
前記使用者に対する目標気分に基づいて、第2の音響プロファイルを判定することであって、前記第2の音響プロファイルは、第2の音響パラメータセットを含む、ことと、
前記第1の音響パラメータセットの代わりに前記第2の音響パラメータセットに基づいて前記音声出力デバイスに第2の音声信号を再生させることと
を更に含む、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項6】
前記第1の値のセットに基づいて、前記第1のオーディオトラックを前記第1の所定の気分と関連付けることと、
前記第1のオーディオトラックと前記第1の所定の気分との間のマッピングを記憶することと
を更に含む、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項7】
1つ以上のプロセッサによって実行されるとき、前記1つ以上のプロセッサに、
使用者に関連するバイオメトリックデータまたは1つ以上の使用者アプリケーションからの二次使用者パラメータのうちの少なくとも1つを含む第1の使用者パラメータセットを受信するステップと、
第1のオーディオトラックを受信するステップと、
前記第1のオーディオトラックの音響特性を反映する第1の値のセットを生成するステップと、
前記第1の使用者パラメータセットと、
前記第1の値のセットと、所与の使用者パラメータを対応する気分パラメータとマッピングするエントリを含む第1のルックアップテーブルとに基づいて、価数値および覚醒値を含む第1の気分パラメータセットを判定するステップと、
前記第1の気分パラメータセットと、価数値および覚醒値の範囲を対応する所定の気分とマッピングするエントリを含む第2のルックアップテーブルとに基づいて、第1の所定の気分を判定するステップと、
前記第1の所定の気分に関連する第1の音響プロファイルを選択するステップであって、前記第1の音響プロファイルが第1の音響パラメータセットを含む、ステップと、
前記第1の音響パラメータセットに基づいて、音声出力デバイスに第1の出力音声信号を出力させるステップと
を実行させる命令を含む、1つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項8】
前記1つ以上のプロセッサによって実行されるとき、前記1つ以上のプロセッサに、前記第1の所定の気分に基づいて
前記第1のオーディオトラックの推奨を提供するステップであって、前記第1の出力音声信号が前記第1のオーディオトラックに対応する、ステップを実行させる命令を更に含む、請求項
7に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項9】
前記第1の音響プロファイルが複数の所定の音響プロファイルに含まれ、各所定の音響プロファイルが少なくとも1つの所定の気分に対応する、請求項
7に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項10】
前記第1の音響パラメータセットが、前記音声出力デバイスに含まれる第1のフィルタの少なくとも1つの動作特性を修正し、前記第1の音響パラメータセットが、中央周波数パラメータ、Q係数パラメータ、または利得パラメータセットの少なくとも1つを含む、請求項
7に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項11】
前記第1の音響パラメータセットが少なくとも1つの空間化パラメータを含み、前記音声出力デバイスが、前記少なくとも1つの空間化パラメータに基づいて前記第1の出力音声信号を出力して、前記使用者により知覚される第1の発生源のポイントを示す、請求項
7に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項12】
前記音声出力デバイスに前記第1の出力音声信号を出力させた後、
価数値および覚醒値を含む第2の気分パラメータセットと、前記第2のルックアップテーブルとに基づいて、第2の所定の気分を判定することであって、前記第2の所定の気分は前記第1の所定の気分とは異なり、前記第2の気分パラメータセットは、受信された第2の使用者パラメータセットと、前記第1のルックアップテーブルとに基づいて判定される、ことと、
前記第2の所定の気分に関連する第2の音響プロファイルを選択することであって、前記第2の音響プロファイルは第2の音響パラメータセットを含む、ことと、
前記第2の音響パラメータセットに基づいて、前記音声出力デバイスに第2の出力音声信号を出力させることと
を実行することを更に含む、請求項
7に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項13】
個人化オーディオシステムであって、
第1のバイオメトリックデータを生成するように構成された少なくとも1つのセンサと、
第1の音響プロファイルを記憶するように構成されているメモリと、
前記少なくとも1つのセンサと前記メモリとに連結されたプロセッサと
を含み、前記プロセッサは、
前記第1のバイオメトリックデータを受信すること
と、
第1のオーディオトラックを受信することと、
前記第1のオーディオトラックの音響特性を反映する第1の値のセットを生成することと、
前記第1のバイオメトリックデータと、
前記第1の値のセットと、所与の使用者パラメータを対応する気分パラメータとマッピングするエントリを含む第1のルックアップテーブルとに基づいて、価数値および覚醒値を含む第1の気分パラメータセットを判定することと、
前記第1の気分パラメータセットと、価数値および覚醒値の範囲を対応する所定の気分とマッピングするエントリを含む第2のルックアップテーブルとに基づいて、第1の所定の気分を判定することと、
前記第1の所定の気分に基づいて、前記第1の音響プロファイルを選択することであって、前記第1の音響プロファイルは、第1の音響パラメータセットを含む、ことと、
前記第1の音響パラメータセットに基づいて、音声出力デバイスに第1の音声信号を再生させることと
を実行するように構成される、個人化オーディオシステム。
【請求項14】
前記第1のバイオメトリックデータが、心拍数、瞳孔サイズ、電気皮膚反応、血圧のレベル、または平均血糖濃度の少なくとも1つを含む、請求項
13に記載の個人化オーディオシステム。
【請求項15】
前記プロセッサが更に、
前記音声出力デバイスに前記第1の音声信号を再生させた後、
第2のバイオメトリックデータを受信することと、
前記第2のバイオメトリックデータと、前記第1のルックアップテーブルとに基づいて、価数値および覚醒値を含む第2の気分パラメータセットを判定することと、
前記第2の気分パラメータセットと、前記第2のルックアップテーブルとに基づいて、第2の所定の気分を判定することであって、前記第2の所定の気分は前記第1の所定の気分とは異なる、ことと、
前記第2の所定の気分に基づいて、第2の音響プロファイルを選択することであって、前記第2の音響プロファイルは、第2の音響パラメータセットを含む、ことと、
前記第2の音響パラメータセットに基づいて第2の音声信号を前記音声出力デバイスに再生させることと
を実行するように構成されている、請求項
13に記載の個人化オーディオシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2018年1月4日に出願された、出願番号62/613,708を有する、「Biometric Personalized Music Recommendation and Audio Processing System」という名称の米国仮特許出願の優先権を主張するものである。この関連出願の主題は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示の実施形態は、概してオーディオシステムに関し、より具体的には、バイオメトリックの個人化オーディオ処理システムに関する。
【背景技術】
【0003】
車両、家庭、及び/または家庭用電気機器に含まれるオーディオシステムなどの消費者向けオーディオシステムにより、使用者は様々なタイプのオーディオコンテンツを楽しむことが可能になる。特定のオーディオシステムは調整可能であり、オーディオシステムが入力された音声信号を再生するときに、使用者の好みに基づいてオーディオシステムの音響パラメータを使用者が変更することが可能になる。
【0004】
一般に、オーディオシステムの様々な使用者は通常異なる音響パラメータを好む。例えば、ある使用者は、入力された音声信号の無修正の再生を提供する音響パラメータをオーディオシステムが使用することを好むが、一方で他の使用者は入力された音声信号の再生を著しく変える異なる音響パラメータセットをオーディオシステムが使用することを好む可能性がある。オーディオシステムがいかに入力された音声信号を再生するかを制御するために、使用者は、オーディオシステムの周波数応答を制御するために特定の音響パラメータを選択することができる。例えば、使用者は、入力された音声信号の低周波数部分を強調するようにオーディオシステムの周波数応答を調整するために、低音が重い音響パラメータセットを選択することができる。別の例では、使用者は、空間化音響パラメータセットを選択し、オーディオシステムに音声信号を出力させて、出力される音が特定の種類の環境をエミュレートさせること、及び/または聴取りをしている環境の特定の場所(複数可)から出力される音が生じていると知覚されるようにすることができる。
【0005】
そのようなオーディオシステムの1つの欠点は、オーディオシステムによって採用されるべき音響パラメータを使用者が手動で選択しなければならないことである。代替として、使用者が音響パラメータを調整しない場合、使用者は、劣悪な聴取り体験をする可能性がある。デフォルトの音響パラメータが、使用者の満喫する音声出力を生成しない可能性があるからである。例えば、使用者は、例として低周波数範囲への+6dBのブースト(例えば、「低音ブースト」)を選択することによって、低周波数を強調する音響パラメータセットを最初に選択することができる。しかし、使用者がその後音響パラメータを再調整することなく異なる入力音声信号を聴取る場合、出力される音が低音ブースト音響パラメータによって歪められる可能性がある。その結果、使用者は劣悪な聴取り体験をする可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記に照らすと、オーディオシステムの音響パラメータを自動的に修正するためのより効果的な技術が有用である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の実施形態は、個人化音声信号を使用者に提供するためのコンピュータ実装方法であって、第1の使用者パラメータセットに基づいて使用者の第1の気分を判定すること、使用者の第1の気分に基づいて、第1の音響プロファイルを選択することであって、第1の音響プロファイルは、第1の音響パラメータセットを含む、選択すること、及び第1の音響パラメータセットに基づいて、音声出力デバイスに第1の入力音声信号を再生させることを含む方法を記載している。
【0008】
更なる実施形態が、とりわけ、上述の方法の態様を実施するための方法及びコンピュータ可読記憶媒体を提供している。
【0009】
開示された技術の少なくとも1つの技術的な利点は、オーディオシステムが、使用者による手動の入力を必要とせずに、入力された音声信号を再生するときに使用される音響パラメータを動的に制御できることである。更に、開示された技術は、使用者の気分を判定して、その後、判定された気分に対応する音響プロファイルを選択することができる。したがって、開示された技術により、オーディオシステムが、使用者が満喫する可能性のより高い方法で、入力された音声信号を再生することが可能になり、それによって使用者の聴取り体験が向上する。
【0010】
様々な実施形態の上記の特徴を詳細に理解することができるように、上で簡単に要約した本発明の概念のより詳細な説明は、様々な実施形態を参照することによって得ることができる。その一部は添付の図面において図解されている。しかし、添付の図面は本発明の概念の典型的な実施形態を例示しているにすぎず、したがって、決して範囲を限定するものとみなすべきではないこと、及び他に等しく有効な実施形態があることに留意されたい。
例えば、本願は以下の項目を提供する。
(項目1)
個人化音声信号を使用者に提供するためのコンピュータ実装方法であって、
第1の使用者パラメータセットに基づいて上記使用者の第1の気分を判定すること、
上記使用者の上記第1の気分に基づいて、第1の音響プロファイルを選択することであって、上記第1の音響プロファイルは、第1の音響パラメータセットを含む、上記選択すること、及び
上記第1の音響パラメータセットに基づいて、音声出力デバイスに第1の入力音声信号を再生させること
を含む上記方法。
(項目2)
第1のオーディオトラックを受信すること、及び
上記第1のオーディオトラックの音響特性を反映する第1の値のセットを生成することであって、上記第1の値のセットは、上記第1の使用者パラメータセットに含まれる、上記生成すること
を更に含む、上記項目に記載のコンピュータ実装方法。
(項目3)
上記音声出力デバイスに上記第1の音声信号を再生させた後、第2の使用者パラメータセットに基づいて上記使用者の第2の気分を判定することであって、上記第2の気分は上記第1の気分とは異なる、上記判定すること、
上記使用者の上記第2の気分に基づいて、第2の音響プロファイルを選択することであって、上記第2の音響プロファイルは第2の音響パラメータセットを含む、上記選択すること、及び
上記第2の音響パラメータセットに基づいて、上記音声出力デバイスに第2の音声信号を再生させること
を更に含む、上記項目のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
(項目4)
上記第1の使用者パラメータセットは、少なくとも1つのセンサによって提供されるセンサデータを含み、上記センサデータは、上記使用者の位置、上記使用者の場所、温度、上記使用者の周囲の騒音レベル、及び上記使用者の周囲の光量の少なくとも1つを示す、上記項目のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
(項目5)
上記第1の使用者パラメータセットは、上記使用者に関連するバイオメトリックデータを含み、上記バイオメトリックデータは、心拍数、瞳孔サイズ、電気皮膚反応、血圧のレベル、及び平均血糖濃度の少なくとも1つを含む、上記項目のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
(項目6)
上記第1の使用者パラメータセットは、第2のアプリケーションから受信された第1の使用者データセットを含み、上記第1の使用者データセットが所定の気分に対応する、上記項目のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
(項目7)
上記使用者の上記第1の気分を判定することは、
上記第1の使用者パラメータセットに基づいて、第1の気分パラメータセットを判定することであって、第1の気分パラメータの上記セットは、覚醒値及び価数値を含む、上記判定すること、及び
上記第1の気分パラメータセットに基づいて上記使用者の上記第1の気分を判定すること
を含む、上記項目のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
(項目8)
第2の使用者パラメータセットに基づいて、上記使用者の目標気分を判定することであって、上記目標気分は上記使用者の上記第1の気分とは異なる、上記判定すること、
上記使用者の上記目標気分に基づいて、第2の音響プロファイルを判定することであって、上記第2の音響プロファイルは、第2の音響パラメータセットを含む、上記判定すること、及び
上記第1の音響パラメータセットの代わりに上記第2の音響パラメータセットに基づいて上記音声出力デバイスに上記第2の音声信号を再生させること
を更に含む、上記項目のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
(項目9)
第1のオーディオトラックの上記音響特性を反映する第1の値のセットを生成すること、
上記第1の値のセットに基づいて、上記第1のオーディオトラックを第1の所定の気分と関連付けること、及び
上記第1のオーディオトラックと上記第1の所定の気分との間のマッピングを記憶すること
を更に含む、上記項目のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
(項目10)
1つ以上のプロセッサによって実行されるとき、上記1つ以上のプロセッサに、
上記使用者の第1の気分を示す第1の入力を受信するステップ、
上記使用者の上記第1の気分に関連する第1の音響プロファイルを選択するステップであって、上記第1の音響プロファイルが第1の音響パラメータセットを含む、上記選択するステップ、及び
上記第1の音響パラメータセットに基づいて、音声出力デバイスに第1の出力音声信号を出力させるステップ
を実行させる命令を含む、1つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体。
(項目11)
上記1つ以上のプロセッサによって実行されるとき、上記1つ以上のプロセッサに、上記第1の入力に基づいて上記使用者の上記第1の気分を判定するステップであって、上記第1の入力が第1の使用者パラメータセットを含む、上記判定するステップを実行させる命令を更に含む、上記項目に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
(項目12)
上記1つ以上のプロセッサによって実行されるとき、上記1つ以上のプロセッサに、
上記第1の使用者パラメータセットに基づいて、
第1の覚醒値及び第1の価数値を含む第1の気分パラメータセット、
第2の覚醒値及び第2の価数値を含む第2の気分パラメータセット、
を判定するステップ、
少なくとも上記第1の気分パラメータセットと上記第2の気分パラメータセットとに基づいて複合気分パラメータセットを生成するステップ、及び
上記複合気分パラメータセットに基づいて上記使用者の上記第1の気分を判定するステップ
を実行させる命令を更に含む、上記項目のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
(項目13)
上記1つ以上のプロセッサによって実行されるとき、上記1つ以上のプロセッサに、上記使用者の上記第1の気分に基づいて第1のオーディオトラックの推奨を提供するステップであって、上記第1の出力音声信号が上記第1のオーディオトラックに対応する上記提供するステップを実行させる命令を更に含む、上記項目のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
(項目14)
上記第1の音響プロファイルが複数の所定の音響プロファイルに含まれ、各所定の音響プロファイルが少なくとも1つの所定の気分に対応する、上記項目のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
(項目15)
上記第1の音響パラメータセットが、上記音声出力デバイスに含まれる第1のフィルタの少なくとも1つの動作特性を修正し、上記第1のセットの音響パラメータが、中央周波数パラメータ、Q係数パラメータ、及び利得パラメータセットの少なくとも1つを含む、上記項目のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
(項目16)
上記第1の音響パラメータセットが少なくとも1つの空間化パラメータを含み、上記音声デバイスが、上記少なくとも1つの空間化パラメータに基づいて上記第1の出力音声信号を出力して、上記使用者により知覚される第1の発生源のポイントを示す、上記項目のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
(項目17)
上記音声出力デバイスに上記第1の出力音声信号を出力させた後、上記使用者の第2の気分を判定することであって、上記第2の気分は上記第1の気分とは異なる、上記判定すること、
上記使用者の上記第2の気分に関連する第2の音響プロファイルを選択することであって、上記第2の音響プロファイルは第2の音響パラメータセットを含む、上記選択すること、
上記第2の音響パラメータセットに基づいて、上記音声出力デバイスに第2の出力音声信号を出力させること
を更に含む、上記項目のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
(項目18)
個人化オーディオシステムであって、
第1のバイオメトリックデータを生成するように構成された少なくとも1つのセンサ、
第1の音響プロファイルを記憶するように構成されているメモリ、及び
上記少なくとも1つのセンサと上記メモリとに連結されたプロセッサであって、
上記第1のバイオメトリックデータを受信すること、
上記第1のバイオメトリックデータに基づいて上記使用者の上記第1の気分を判定すること、
上記使用者の上記第1の気分に基づいて、上記第1の音響プロファイルを選択することであって、上記第1の音響プロファイルは、第1の音響パラメータセットを含む、上記選択すること、及び
上記第1の音響パラメータセットに基づいて、音声出力デバイスに第1の入力音声信号を再生させること
をするように構成される上記プロセッサ
を含む上記個人化オーディオシステム。
(項目19)
上記第1のバイオメトリックデータが、心拍数、瞳孔サイズ、皮膚電気反応、血圧のレベル、及び平均血糖濃度の少なくとも1つを含む、上記項目に記載の個人化オーディオシステム。
(項目20)
上記プロセッサが更に、
上記音声出力デバイスに上記第1の音声信号を再生させた後、第1の使用者パラメータセット及び第2のバイオメトリックデータの少なくとも1つに基づいて上記使用者の第2の気分を判定することであって、上記第2の気分は上記第1の気分とは異なる、判定すること、
上記使用者の上記第2の気分に基づいて、第2の音響プロファイルを選択することであって、上記第2の音響プロファイルは、第2の音響パラメータセットを含む、上記選択すること、及び
上記第2の音響パラメータセットに基づいて第2の音声信号を上記音声出力デバイスに再生させること
をするように構成されている、上記項目のいずれか一項に記載の個人化オーディオシステム。
(摘要)
本開示の実施形態は、個人化音声信号を使用者に提供するためのコンピュータ実装技術を記載している。この技術は、第1の使用者パラメータセットに基づいて使用者の第1の気分を判定すること、使用者の第1の気分に基づいて第1の音響プロファイルを選択することを含む。第1の音響プロファイルは、第1の音響パラメータセットを含み、音響出力デバイスに、第1の音響パラメータセットに基づいて第1の入力音声信号を再生させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本開示の1つ以上の態様を実施するように構成された、バイオメトリック個人化システムのブロック図を示す。
【
図2】本開示の様々な実施形態による、
図1のバイオメトリック個人化システムを使用して個人化出力音声信号を生成するためのブロック図を示す。
【
図3】本開示の様々な実施形態による、
図1のバイオメトリック個人化システムを使用して使用者の気分に関する使用者パラメータを受信するための技術を示す。
【
図4】本開示の様々な実施形態による、使用者の気分を判定するための
図1のバイオメトリック個人化システムによって実施され得るグラフを示す。
【
図5】本開示の様々な実施形態による、
図1のバイオメトリック個人化システムを使用して個人化出力音声信号を提供するための技術を示す。
【
図6】本開示の様々な実施形態による、個人化音声出力を提供するための方法ステップのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下の説明では、様々な実施形態のより十分な理解をもたらすために、多数の具体的な詳細が述べられている。しかし、本発明の概念をこれらの具体的な詳細の1つ以上がなくとも実施できることは、当業者に明らかである。
【0013】
図1は、本開示の1つ以上の態様を実施するように構成されたバイオメトリック個人化システムのブロック図を示す。バイオメトリック個人化システム100は、コンピューティングデバイス110、1つ以上のセンサ(複数可)120、及び1つ以上の入出力(I/O)デバイス130を含む。コンピューティングデバイス110は、処理装置112及びメモリ114を含む。メモリ114は、バイオメトリック個人化アプリケーション140及びデータベース142を記憶する。
【0014】
動作中、処理装置112は、センサ(複数可)120からセンサデータを受信する。処理装置112は、バイオメトリック個人化アプリケーション140を実行して、使用者の気分に関連する1つ以上の使用者パラメータを受信する。1つ以上の使用者パラメータを受信すると、バイオメトリック個人化アプリケーション140は、次いで、1つ以上の使用者パラメータに基づいて使用者の気分を判定する。例えば、バイオメトリック個人化アプリケーション140は、複数の所定の気分の中から、1つ以上の使用者パラメータに対応する特定の所定の気分を選択することができる。
【0015】
いくつかの実施形態では、1つ以上の使用者パラメータは、センサデータ、場所データ、活動データ、及びカレンダデータ、及び/または使用者の気分を反映する他のデータのうちの1つ以上を含むことができる。更に、バイオメトリック個人化アプリケーション140は、例えば、使用者によって選択されたオーディオトラックを受信することができ、そのオーディオトラックの特性を判定することができる。バイオメトリック個人化アプリケーション140は、次いで、使用者の気分に関するデータとしてオーディオトラック特性を含み得る。
【0016】
いくつかの実施形態では、バイオメトリック個人化アプリケーション140は、判定された気分に基づいて特定のオーディオトラックを選択することができる。そのとき、バイオメトリック個人化アプリケーション140は、特定のオーディオトラックを使用者に推奨し得る。使用者が再生のために特定のオーディオトラックを選択した場合、バイオメトリック個人化アプリケーション140は、音声出力デバイスにオーディオトラックを出力させることができる。
【0017】
使用者の気分を判定すると、バイオメトリック個人化アプリケーション140は、複数の所定の音響プロファイルの中から、使用者の気分に対応する音響プロファイルを選択することができる。様々な実施形態において、音響プロファイルは、音声出力デバイスが入力音声信号をいかに再生するかを指定する1つ以上の音響パラメータを含み得る。例えば、音響プロファイルは、入力音声信号を再生するときに音声出力デバイスの1つ以上のフィルタをいかに調整するべきかを指定する音響パラメータを含み得る。バイオメトリック個人化アプリケーション140が対応する音響プロファイルを選択すると、音声出力デバイスに含まれるダイナミックイコライザ(EQ)は、音響プロファイルに含まれる音響パラメータを使用する。例えば、ダイナミックEQには複数のフィルタを含めることができる。ダイナミックEQに含まれるフィルタの動作は、出力される音声信号を提供するときに、音響パラメータによって指定された方法で修正され得る。
【0018】
上述のように、コンピューティングデバイス110は、処理装置112及びメモリ114を含み得る。コンピューティングデバイス110は、1つ以上の処理装置112、例えばシステムオンチップ(SoC)、またはモバイルコンピューティングデバイス、例えばタブレットコンピュータ、携帯電話、メディアプレーヤーなどを含むデバイスであり得る。一般に、コンピューティングデバイス110は、バイオメトリック個人化システム100の全体的な動作を調整するように構成することができる。本明細書で開示される実施形態は、コンピューティングデバイス110を介してバイオメトリック個人化システム100の機能を実装するように構成された任意の技術的に実現可能なシステムを企図している。
【0019】
メモリ114は、メモリモジュールまたはメモリモジュールの集合体を含むことができる。メモリ114内のバイオメトリック個人化アプリケーション140は、コンピューティングデバイス110の全体的な機能を実施するために、したがってバイオメトリック個人化システム100の動作を全体として調整するために、処理装置112により実行できる。
【0020】
処理装置112は、中央処理装置(CPU)、デジタル信号処理装置(DSP)、マイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、ニューラル処理装置(NPU)、グラフィック処理装置(GPU)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)などを含むことができる。いくつかの実施形態では、処理装置112は、使用者の気分に関する1つ以上の使用者パラメータを分析し、1つ以上の使用者パラメータに基づいて使用者の気分を判定し、判定された気分に対応し、音声出力デバイスに音響プロファイルに含まれる1つ以上の音響パラメータを採用させる音響プロファイルを選択するためにバイオメトリック個人化アプリケーション140を実行するように構成できる。
【0021】
様々な実施形態において、処理装置112は、バイオメトリック個人化アプリケーション140を実行して、使用者の気分に関連する1つ以上の使用者パラメータを受信することができる。いくつかの実施形態では、バイオメトリック個人化アプリケーション140は、複数の使用者パラメータの中から1つの使用者パラメータを選択し、選択された使用者パラメータのみに基づいて使用者の気分を判定することができる。いくつかの実施形態では、バイオメトリック個人化アプリケーション140は、2つ以上の使用者パラメータの組み合わせに基づいて使用者の気分を判定することができる。
【0022】
バイオメトリック個人化アプリケーション140は、使用者パラメータを、気分パラメータセットに含まれる1つ以上の気分パラメータにマッピングすることができる。次いで、各使用者パラメータについて、バイオメトリック個人化アプリケーション140は、1つ以上の対応する気分パラメータ値を判定することができる。各気分パラメータは感情の測定値を明示する。例えば、気分パラメータセットは、覚醒のレベルに関する定量的な値(例えば、0~10の間の覚醒値)及び価数のレベルに関する定量的な値(例えば、0~10の間の価数値)を含むことができる。したがって、バイオメトリック個人化アプリケーション140は、気分パラメータセットに基づいて、使用者の気分を判定することができる。様々な実施形態において、バイオメトリック個人化アプリケーション140は、複数の所定の気分の中から、使用者の気分を反映する特定の気分を選択することができる。例えば、バイオメトリック個人化アプリケーション140は、気分パラメータセットを所定の気分の気分パラメータと比較することによって特定の気分を選択することができる。
【0023】
様々な実施形態において、バイオメトリック個人化アプリケーション140は、オーディオトラックを使用者に推奨することができる。例えば、バイオメトリック個人化アプリケーション140は、判定された気分に基づいて推奨するために特定のオーディオトラックを選択することができる。いくつかの実施形態では、バイオメトリック個人化アプリケーション140は、1つ以上のオーディオトラックのオーディオトラック特性を判定し、判定された気分に一致する特性の特定のオーディオトラックを選択することができる。
【0024】
バイオメトリック個人化140は、所定の音響プロファイルを選択するために判定された気分を使用し得る。この場合、所定の音響プロファイルは、所与の入力音声信号を再生するときに使用する音声出力デバイス用の1つ以上の音響パラメータを含む。音響プロファイルは、音声出力デバイスが入力音声信号をいかに再生するかを明示する1つ以上の音響パラメータを含む。例えば、バイオメトリック個人化アプリケーション140は、音響出力デバイスに含まれる1つ以上のフィルタに、音響パラメータによって明示されるように入力音声信号を修正させることができる。そのような実施形態では、音声出力デバイスが入力音声信号を受信したとき、音声出力デバイスは、選択された音響プロファイルに含まれる音響パラメータに従って、入力音声信号を再生する。
【0025】
データベース142は、バイオメトリック個人化アプリケーション140の動作を調整するために処理装置112によって取得された値及び他のデータを記憶することができる。動作中、処理装置112はデータベース142に値を記憶する及び/またはデータベース142に記憶された値を取得するように構成できる。例えば、データベース142は、気分パラメータ、気分パラメータに対する使用者パラメータのマッピング、所定の気分、所定の音響プロファイルなどを記憶することができる。様々な実施形態では、データベース142は1つ以上のルックアップテーブルを含むことができ、ルックアップテーブルは値と値との間のマッピングを含むエントリを記憶する。例えば、データベース142は、気分パラメータ(例えば、覚醒値、価数値)への使用者パラメータ(例えば、バイオメトリック測定値、キーワード値、オーディオトラック特性値)のマッピングのエントリを含む気分パラメータルックアップテーブルを含むことができる。追加的または代替的に、データベース142は、気分パラメータを所定の気分にマッピングする気分ルックアップテーブル、及び/または所定の気分を所定の音響プロファイルにマッピングするルックアップテーブルを含むことができる。
【0026】
センサ(複数可)120は、測定を実行し、及び/または環境内の特定の対象に関するデータを収集する1つ以上のデバイスを含むことができる。いくつかの実施形態では、センサ(複数可)120は、使用者の気分に関連するセンサデータを生成することができる。例えば、センサ(複数可)120は、使用者に関連するバイオメトリックデータ(例えば、心拍数、脳活動、皮膚コンダクタンス、血中酸素化、瞳孔サイズ、皮膚電気反応、血圧レベル、平均血糖濃度など)を収集することができる。追加的または代替的に、センサ(複数可)120は、使用者ではない環境内の対象に関連するセンサデータを生成することができる。例えば、センサ(複数可)120は、車両の速度、車両の周囲温度、車両内の光量などを含む、車両の動作に関するセンサデータを生成することができる。いくつかの実施形態では、センサ(複数可)120は、コンピューティングデバイス110に連結されてもよく、及び/またはその中に含まれてもよく、センサデータを処理装置112に送信し得る。処理装置112は、バイオメトリック個人化アプリケーション140を実行し、受信したセンサデータに基づいて使用者の気分を判定する。
【0027】
様々な実施形態において、1つ以上のセンサ120は、RGBカメラ、飛行時間型センサ、赤外線(IR)カメラ、深度カメラ、及び/またはクイックレスポンス(QR)コード追跡システムなどの光学センサを含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のセンサ120は、加速度計及び/または慣性測定装置(IMU)などの位置センサを含むことができる。IMUは、三軸加速度計、ジャイロセンサ、及び/または磁力計のような装置であり得る。更に、いくつかの実施形態では、1つ以上のセンサ120は、オーディオセンサ、無線センサ、例えば高周波(RF)センサ(例えばソナー及びレーダ)、超音波ベースのセンサ、容量センサ、レーザベースのセンサ、及び/または無線通信プロトコル、例えばブルートゥース(登録商標)、ブルートゥース(登録商標)低エネルギー(BLE)、無線ローカルエリアネットワーク(WiFi)セルラプロトコル、及び/または近距離無線通信(NFC)を含むことができる。
【0028】
I/Oデバイス(複数可)130は、キーボード、マウス、タッチセンサ式スクリーン、マイクロフォンなどの入力を受信することができるデバイス、並びに表示画面、スピーカなど出力をもたらすことができるデバイスを含み得る。1つ以上のI/Oデバイス130は、コンピューティングデバイス110に組み込むことができ、またはコンピューティングデバイス110の外部にあってもよい。様々な実施形態では、I/Oデバイス130(複数可)は、バイオメトリック個人化アプリケーション140によって提供される1つ以上の音響パラメータを使用しながら音声信号を出力する音声出力デバイスを含む。
【0029】
図2は、本開示の様々な実施形態による、
図1のバイオメトリック個人化システムを使用して個人化出力音声信号を生成するためのブロック図を示す。示されるように、バイオメトリック個人化システム200は、バイオメトリック個人化アプリケーション140及び音声出力デバイス250を含む。バイオメトリック個人化アプリケーション140は、気分収集モジュール210、気分分類モジュール220、オーディオトラックセレクタ230、及びオーディオ特性モジュール240を含む。
【0030】
動作中、気分収集モジュール210は、使用者の気分に関連する使用者パラメータ202を受信する。いくつかの実施形態では、気分収集モジュール210はまた、使用者によって選択されたオーディオトラック204、オーディオトラックセレクタ230によって判定された選択されたオーディオトラック232を受信することができる。そのような場合、気分収集モジュール210は受信したオーディオトラック204、232を分析し、その分析に基づいて気分パラメータセット212及び/または気分222を、受信したオーディオトラックと関連付けることができる。例えば、気分収集モジュール210は、1つ以上の機械学習技法を実行して、オーディオトラック204、232のオーディオトラック特性を推定することができる。オーディオトラック特性を判定すると、気分収集モジュール210は、判定されたオーディオトラック特性を使用者の特定の気分に関連するように分類することができる。そのような場合、気分収集モジュール210は、オーディオトラック特性を使用者パラメータセット202に含めることができる。
【0031】
気分収集モジュール210は、使用者パラメータ202を気分パラメータセット212にマッピングする。例えば、気分収集モジュール210は、所与の使用者パラメータを1つ以上の気分パラメータ値にマッピングすることができる。使用者パラメータ202の各々を1つ以上の気分パラメータ値にマッピングすると、気分収集モジュール210は、次いで特定の気分パラメータセット212を選択し、気分パラメータセット212を気分分類モジュール220に提供することができる。追加的または代替的に、気分収集モジュール210は、気分分類モジュール220に提供するための複合気分パラメータセット212を生成するために、2つ以上の気分パラメータ値を組み合わせることができる。
【0032】
気分分類モジュール220は、気分収集モジュール210によって提供された気分パラメータ212を受信し、その気分パラメータ212を特定の所定の気分222に対応するものとして分類する。いくつかの実施形態では、各所定の気分222は、特定の気分パラメータ値の範囲を含んでもよい。例えば、所定の気分222(例えば、冷静)は、気分パラメータ値、例えば5未満の覚醒値の範囲、及び/または6を超える価数値についての1つ以上の範囲により定義することができる。気分パラメータ212が所定の気分222の範囲内にあるかどうかを判定するために、気分分類モジュール220は気分パラメータ212を所定の気分222の気分パラメータ値の範囲と比較することができる。例えば、気分分類モジュールが、7の価数値及び2の覚醒値を含む気分パラメータ212を受信する場合、気分分類モジュール220は、気分パラメータセットが所定の気分222(例えば、冷静)の範囲内にあると判定することができる。
【0033】
いくつかの実施形態では、所定の気分222の各々はデータベース142に記憶される。いくつかの実施形態では、気分分類モジュール220はルックアップテーブルを参照して気分パラメータ212の値に一致するエントリを見つけ、エントリに含まれる対応する所定の気分222を判定する。追加的または代替的に、気分パラメータ212のセットを分類すると、気分分類モジュール220は、対応する所定の気分222をオーディオトラックセレクタ230及び/またはオーディオ分類モジュール240に提供する。
【0034】
オーディオトラックセレクタ230は、気分分類モジュール220によって提供された特定の気分222を受信し、その気分222に対応する選択されたオーディオトラック232を提供することができる。いくつかの実施形態では、バイオメトリック個人化アプリケーション140は複数のオーディオトラック204のオーディオトラック特性を記憶することができる。更に、バイオメトリック個人化アプリケーション140は、複数のオーディオトラック204についての対応する気分パラメータセット212、及び/または複数のオーディオトラック204についての対応する所定の気分222を記憶することができる。そのような場合、トラックセレクタ230は、気分222と一致する特性を有する1つ以上のオーディオトラック204を取得し、選択されたオーディオトラック232として、一致するオーディオトラック204のうちの1つを選択することができる。いくつかの実施形態では、オーディオトラックセレクタ230は、音声出力デバイス250に、選択されたオーディオトラック232を自動的に再生させることができる。代替として、いくつかの実施形態では、オーディオトラックセレクタ230は、選択されたオーディオトラック232に対する推奨を生成し、使用者に推奨事項を提供することができる。そのような場合、バイオメトリック個人化アプリケーション140は、音声出力デバイス250に選択されたオーディオトラック232を再生させる前に、使用者が推奨を選択するのを待つのでもよい。
【0035】
追加的または代替的に、オーディオトラックセレクタ230は、選択されたオーディオトラック232を気分収集モジュール210に提供することができる。例えば、オーディオトラックセレクタ230は、選択されたオーディオトラック232を気分収集モジュール210に提供し、使用者の気分に関する追加データを提供することができる。そのような場合、気分収集モジュール210は、対応する気分パラメータ212を判定するために、選択されたオーディオトラック232のオーディオトラック特性を使用することができる。
【0036】
オーディオ特性モジュール240は、気分分類モジュール220によって提供された所定の気分222を受信し、所定の気分222に対応する所定の音響プロファイルを選択する。各所定の音響プロファイルは、音声出力デバイス250が所与の入力信号をいかに再生するかを制御する1つ以上の音響パラメータセットを含む。例えば、所定の音響プロファイルは、音声出力デバイス250の音響フィルタ応答を特定する一群の音響パラメータ(例えば、所与のフィルタに対して中心周波数、周波数範囲、利得、Q係数などを特定するオーディオパラメータ)を含むことができる。所定の音響プロファイルを選択するとき、いくつかの実施形態で、オーディオ特性モジュール240は、気分222を使用して特定の所定の音響プロファイルを取得することができる。追加的または代替的に、オーディオ特性モジュール240は、各所定の気分222を対応する音響プロファイルにマッピングするエントリを含むルックアップテーブルを参照することができ、それを選択された音響プロファイル242としてオーディオ特性モジュール240が取得する。選択された音響プロファイル242を識別し取得すると、オーディオ特性モジュール240は、選択された音響プロファイル242を音声出力デバイス250に提供することができる。
【0037】
音声出力デバイス250は、入力音声信号を再生するときに、選択された音響プロファイル242に含まれる音響パラメータの1つ以上を使用する。様々な実施形態において、音声出力デバイス250は、選択された音響プロファイル242に関連する指示を受信し、音声出力デバイス250に含まれる1つ以上のフィルタの動作パラメータを修正する。フィルタは、音響パラメータの仕様に準拠する方法で動作する。1つ以上のフィルタを修正すると、音声出力デバイス250は入力音声信号を再生して個人化出力音声信号252を使用者に提供する。様々な実施形態において、音声出力デバイス250は、オーディオトラック204及び/または選択されたトラック232を直接受信してもよい。そのような場合、音声出力デバイス250は、含まれるデジタルアナログ変換器を使用して、受信したオーディオトラック204、232のフィルタ処理されたものからアナログ信号を生成し得る。
【0038】
例えば、選択された音響プロファイル242は、低域フィルタに対するパラメータを指定する音響パラメータセットを含むことができる。音声出力デバイス250が、選択された音響プロファイル242を使用するという指示を受信したとき、低周波帯域フィルタの動作パラメータは、選択されたオーディオプロファイル242に含まれる仕様と一致するように低周波帯域フィルタが動作するよう修正される。次いで、音声出力デバイス250は、オーディオトラック204を受信することができる。音声出力デバイス250は、次に、オーディオトラック204の低周波帯域フィルタをフィルタ処理し、オーディオトラック204のフィルタ処理されたものに基づいて個人化出力音声信号252を提供することができる。
【0039】
図3は、本開示の様々な実施形態による、
図1のバイオメトリック個人化システムを使用して、使用者の気分に関する使用者パラメータを受信するための技術を示す。示されるように、バイオメトリック個人化システム300は、センサ(複数可)120、データベース142、気分収集モジュール210、及び気分分類モジュール220を含む。
【0040】
動作中、気分収集モジュール210は1つ以上の入力を受信する。気分収集モジュール210は、使用者パラメータセット202における入力の1つ以上を含む。様々な実施形態では、入力は、オーディオトラック204、バイオメトリックデータ314、二次使用者パラメータ322、及び/または二次気分パラメータ324の少なくとも1つを含む。気分収集モジュール210は、1つ以上の入力を使用者パラメータセット202に組み込み、使用者パラメータセット202に含まれる各使用者パラメータについて、対応する気分パラメータセット212を判定する。
【0041】
様々な実施形態において、センサ(複数可)120は、使用者の気分を反映するバイオメトリックデータ314を提供することができる。いくつかの実施形態において、バイオメトリックデータ314は、使用者に関する特定の測定値を含み得る。例えば、気分収集モジュール210は、使用者の現在のセロトニン、ノルアドレナリン、及び/またはドーパミンのレベルの測定値を各々含むバイオメトリックデータ314を受信することができる。そのような場合、気分収集モジュール210は、受信したバイオメトリックデータ314を処理して気分パラメータ212を生成することができる。別の例では、気分収集モジュール210は、使用者の現在の心拍の測定値(例えば80bpm)を含むバイオメトリックデータ314を受信できる。バイオメトリックデータ314は、心拍測定値を特定の気分パラメータ値(例えば、価数値5と覚醒値6)にマッピングし、それらの値を含む気分パラメータセット212を生成することができる。
【0042】
様々な実施形態において、使用者アプリケーション(複数可)320は、1つ以上の二次使用者パラメータ322及び/または二次気分パラメータ324を気分収集モジュール210に提供することができる。使用者アプリケーション(複数可)320は、バイオメトリック個人化アプリケーション140と通信する1つ以上のアプリケーションとすることができ、使用者の気分に関連するデータを提供できる。例えば、使用者アプリケーション320は、現在の気分または目標気分を入力するように使用者を促し得る。使用者は現在の気分または目標気分を手動で入力することができる。次いで、使用者アプリケーション320は、使用者の入力に基づいて二次気分パラメータセット324を送信することができる。
【0043】
いくつかの実施形態では、使用者アプリケーション(複数可)320は、気分収集モジュール210が気分パラメータセット212にマッピングする1つ以上のデータセットを含む二次使用者パラメータ322を提供する。例えば、スケジューリングアプリケーションが、二次使用者パラメータ322として1つ以上のカレンダ予約を提供することができる。気分収集モジュール210は、カレンダ予約の内容を分析し(例えば、運動、昼食、ハッピーアワーなどの特定のキーワードを検索する)、次いで1つ以上の気分パラメータ値にカレンダ予約をマッピングすることができる。いくつかの実施形態では、使用者アプリケーション(複数可)320は、他の種類の使用者パラメータ322を提供することができ、例えば非限定的にタスクデータ(例えば完了する保留タスクの数)、場所データ(例えば、GPS、位置/方位など)、履歴データ、活動データまたは使用者の気分に関連付けることができる任意の他の技術的に実行可能なデータセットを含む。様々な実施形態において、気分収集モジュール210は、二次使用者パラメータ322に含まれるデータを気分パラメータセット212にマッピングすることができる。
【0044】
いくつかの実施形態では、気分収集モジュール210は、使用者パラメータ202を分析し、少なくとも使用者の現在の気分に関連する第1の気分パラメータセット212、及び使用者の目標気分に関連する気分パラメータの第2の気分パラメータセットを含む別個の気分パラメータセット212を判定することができる。例えば、気分収集モジュール210は、使用者パラメータ202を受信することができ、それは使用者が最近快活ではないことを示すバイオメトリックデータ314を含むことができる。使用者パラメータ202はまた、エクササイズセッションのためのカレンダ予約と、使用者がジムに向かっていることを示す場所/位置データとを含むことができる。気分収集モジュール210は、使用者パラメータ202を分析し、使用者の現在の気分が冷静である(例えば、バイオメトリックデータ314に基づいて判定を下す)ことや、使用者の目標気分が怒りである(例えば、カレンダ予約及び場所/位置データに基づいて判定を下す)ことを判定できる。そのような場合、気分収集モジュール210は、別個の気分パラメータセット212を送信することができる。別個の気分パラメータセット212を受信すると、気分分類モジュール220は、現在の気分を示す第1の気分222と、目標気分を示す第2の気分222とを含む別個の気分222を判定することができる。
【0045】
気分収集モジュール210は、少なくとも1つの使用者パラメータに対応する1つ以上の気分パラメータ212を生成する。気分パラメータ212は、使用者の気分に関連する1つ以上の値を含む。例えば、気分パラメータセット212は、覚醒のレベルに関する定量的な値(例えば、0~10の間の覚醒値)、及び価数のレベルに関連する定量的な値(例えば、0~10の間の価数値)を含むことができる)。いくつかの実施形態では、気分収集モジュール210は、価数値及び覚醒値を含む座標のセットとして気分パラメータ212を生成する。例えば、気分収集モジュール210は、座標対(2,3)として、価数値2及び覚醒レベル3を含む気分パラメータ212を生成することができる。追加的または代替的に、気分収集モジュール210は、1つ以上の他の値を使用して気分パラメータ212を生成することができる。例えば、気分収集モジュール210は、セロトニンや、ノルアドレナリン、ドーパミンなどの神経伝達物質の濃度に対応する1つ以上の値を含む気分パラメータセットを、(6,40,4)として生成することができる。追加的または代替的に、気分収集モジュール210は、他の定量的及び/または定性的な気分パラメータ値を、気分パラメータセット212に含めることができる。
【0046】
様々な実施形態では、気分収集モジュール210は、1つ以上の気分パラメータ値に対する所与の使用者パラメータの先行して記憶したマッピングを取得することができる。そのような場合、気分収集モジュール210は、データベース142に記憶されている気分パラメータルックアップテーブルを参照して、所与の使用者パラメータと一致するエントリを見つけ、一致するエントリに含まれる対応する気分パラメータ値を取得することができる。追加的または代替的に、気分収集モジュール210は、気分パラメータ値に対する所与の使用者パラメータの新しいマッピング(複数可)を生成し、次いで、その新しいマッピング(複数可)を気分パラメータのルックアップテーブルのエントリとして記憶するために、1つ以上の機械学習技法を適用することができる。
【0047】
気分分類モジュール220は、気分パラメータ212を受信し、気分パラメータ212に基づいて気分を判定する。気分分類モジュール220は、気分パラメータ212を分析し、気分パラメータ212を1つの特定の気分に含まれるものとして分類し、その場合特定の気分は複数の所定の気分222の1つである。様々な実施形態において、バイオメトリック個人化アプリケーション140は、1つ以上の所定の気分222を記憶する。1つ以上の所定の気分222の各々は、ある範囲の気分パラメータ値を包含する。例えば、所定の気分222は、5未満の価数値及び5を超える覚醒値の範囲を含むことができる。気分収集モジュール210は、気分パラメータ212を座標対(6,8)として提供する。気分分類モジュール220は、気分パラメータ212が所定の気分222の範囲内にあると判断することができる。
【0048】
様々な実施形態において、気分分類モジュール220は、所定の気分222に対する気分パラメータ212の先行して記憶されたマッピングを取得することができる。そのような場合、気分分類モジュール220は、データベース142に記憶された気分ルックアップテーブルを参照して、気分パラメータ212に一致するエントリを見つけ、次に、一致するエントリにおいて特定された対応する所定の気分222を取得することができる。追加的または代替的に、気分収集モジュール210は、1つ以上の所定の気分に関連するデータを取得し、取得されたデータと気分パラメータセットを比較し、気分222として1つ以上の所定の気分の1つを選択する。
【0049】
図4は、本開示の様々な実施形態による、使用者の気分を判定するための
図1のバイオメトリック個人化システムによって実施され得るグラフを示す。示されるように、グラフ400は、x軸に沿った価数値410及びy軸に沿った覚醒値420についての座標プロットを示す。グラフは、所定の気分402~408、及び複数の気分パラメータセット212の座標432(例えば、431-1~431-9)という範囲を含む。
【0050】
動作中、気分分類モジュール220は、気分パラメータ212を1つ以上の所定の気分222の特性と比較することによって、気分パラメータセット212を分類することができる。グラフ400は、第1の気分(例えば「楽しい」)402、第2の気分(例えば「怒っている」)404、第3の気分(例えば「悲しい」)406、及び第4の気分(例えば「冷静」)408を含む4つの所定の気分222を示す。様々な実施形態で、バイオメトリック個人化モジュール140は、様々な数の所定の気分222を記憶することができる。追加的または代替的に、バイオメトリック個人化モジュール140は、所与の所定の気分222を異なる範囲の気分パラメータ値(例えば、覚醒、価数、喜び、優位性、セロトニン、ノルアドレナリン、アセチルコリン、及び/またはドーパミンなど)と関連付けることができる。
【0051】
一部の実施形態では、気分分類モジュール220は、気分パラメータ212を座標のセット432として受信してもよい。例えば、気分分類モジュール220は、気分パラメータ212を座標432-1として受信してもよい。座標432-1の値が(1.5,9)であることを理由に、気分分類モジュール220は、座標432-1を予め定義された気分402~408のうちの1つ以上と比較してもよく、座標432-1が第2の気分404の範囲内にあると判定してもよい。この判定に基づいて、気分分類モジュール220は、気分パラメータ212の受信されたセットについての対応する予め定義された気分222が第2の気分404であると判定してもよい。気分分類モジュール220は次いで、オーディオトラックセレクタ230及び/またはオーディオ分類モジュール240に、第2の気分404を選択された気分222として提供してもよい。
【0052】
図5は、本開示の様々な実施形態に従った、
図1のバイオメトリック個人化システムを使用して個人化された出力音声信号を提供する技術を例示する。図示されるように、バイオメトリック個人化システム500は、データベース142、オーディオ特性モジュール240、及び音声出力デバイス250を含む。データベース142は、複数の音響プロファイル542~548を記憶する。音声出力デバイス250は、ダイナミックイコライザ510及びデジタル-アナログ変換器(DAC)520を含む。
【0053】
動作中、オーディオ特性モジュール240は、気分分類モジュール220によって提供された気分222を受信する。オーディオ特性モジュール240は、データベース142に記憶された複数の音響プロファイル542~548の中から特定の音響プロファイルを選択するために、受信された気分222を使用する。オーディオ特性モジュール240は、選択された音響プロファイル242が採用されることになることを音声出力デバイス250に示す。音声出力デバイス250は、選択された音響プロファイル242によって指定された方式で動作するようにダイナミックイコライザ510を修正することによって、選択された音響プロファイル242のインジケーションに応答する。音声出力デバイス250がオーディオトラック204を受信するとき、ダイナミックイコライザ510は、オーディオトラック204をフィルタリングする。DAC520は、フィルタリングされたオーディオトラック204を変換する。音声出力デバイスは次いで、フィルタリングされたオーディオトラックに基づいて、個人化された出力音声信号252を生成する。
【0054】
音響プロファイル542~548は、1つ以上の音響パラメータのセットを各々が含む予め定義された音響プロファイルである。図示されるように、予め定義された音響プロファイル542~548のグループは、喜び音響プロファイル542、怒り音響プロファイル544、悲しさ音響プロファイル546、及び冷静音響プロファイル548を含む。動作中、音声出力デバイス250は、所与の音響プロファイルに含まれる1つ以上の音響パラメータに順守する方式で、その周波数応答を変更する。一部の実施形態では、バイオメトリック個人化アプリケーション140は、ダイナミックイコライザ510の動作を動的に修正するために、1つの予め定義された音響プロファイル542~548を継続的に取り出してもよい。
【0055】
予め定義された音響プロファイル542~548のうちの1つに含まれる音響パラメータは、ダイナミックイコライザ510に含まれる1つ以上のフィルタによって採用されることになる特定の動作パラメータ(例えば、所与のフィルタについて、中心周波数、周波数範囲、利得、Q値などを指定する音声パラメータ)によって採用されることになると指定する。例えば、怒り音響プロファイル544は、3つの別個のパラメトリックフィルタについての動作パラメータを指定する音響パラメータのセット(例えば、表I)を含む。そのような音響パラメータは、例えば、中心周波数、周波数範囲(すなわち、フィルタが修正する周波数範囲)、利得(すなわち、所与のステップについての出力における増加若しくは減少)、Q値(すなわち、中心周波数と比較したフィルタの帯域幅の比率)、及び/またはフィルタのタイプ(例えば、ピークフィルタ、シェルフフィルタ、ノッチフィルタなどとしてのフィルタの選択)を含む。
【表1】
【0056】
一部の実施形態では、音響パラメータは、空間形成パラメータを含むことができる。空間形成パラメータは、例えば、使用者によって感知されるようなサウンドの発生源のポイントを指定することができる。そのような空間形成パラメータは、例えば、スピーカと使用者との間の距離、環境の次元などを含む。選択された音響プロファイル242が1つ以上の空間形成パラメータを含むとき、音声出力デバイス250は、個人化された出力音声信号252の1つ以上の部分が特定の源のポイントから発生するように聞こえるように、ダイナミックEQ510を修正してもよい。
【0057】
オーディオ特性モジュール240は、予め定義された気分222を受信し、複数の予め定義された音響プロファイル542~548の中から特定の音響プロファイルを選択する。一部の実施形態では、オーディオ特性モジュール240は、データベース142に含まれる音響プロファイルルックアップテーブル(例えば、表II)を参照することができる。音響プロファイルルックアップテーブルは、所与の予め定義された気分222を予め定義された音響プロファイル542~548のうちの1つにマッピングするエントリを含む。例えば、データベース142は、予め定義された気分402~408を予め定義された音響プロファイル542~548にマッピングする音響プロファイルルックアップテーブルを含んでもよい。
【表2】
【0058】
音響プロファイルルックアップテーブルから一致したエントリを取り出すと、オーディオ特性モジュール240は、データベース142から一致した音響プロファイルを取り出すことができる。音響プロファイルを取り出すと、オーディオ特性モジュール240は、取り出された音響プロファイルを選択された音響プロファイル242として提供することができる。
【0059】
音声出力デバイス250は、個人化された出力252を出力するときに、選択された音響プロファイル242に含まれる音響パラメータのうちの1つ以上を採用する。様々な実施形態では、音声出力デバイス250は、選択された音響プロファイル242が採用されることになることのインジケーションを受信することができる。音声出力デバイス250は、ダイナミックイコライザ510に含まれる1つ以上のフィルタの動作パラメータを修正する。ダイナミックイコライザ510を修正することは、音声出力デバイス250の周波数応答を修正する。音声出力デバイス250がその後、オーディオトラック204、232をフィルタリングするとき、音声出力デバイス250の修正された周波数応答は、フィルタリングされたオーディオトラックに基づいて、個人化された出力音声信号252を提供する。
【0060】
例えば、音声出力デバイス250は、怒り音響プロファイル544が選択された音響プロファイル242であることのインジケーションを受信してもよい。怒り音響プロファイル544は、3つの別個のパラメトリックフィルタについての音響パラメータを含んでもよい。音声出力デバイス250は、音響パラメータによって指定された方式でフィルタを動作させるために、3つのパラメトリックフィルタの1つ以上の動作パラメータ(例えば、中心周波数、利得、Q値など)を修正することによって、インジケーションに応答してもよい。音声出力デバイス250は次いで、修正されたフィルタに基づく修正された周波数応答を有し、修正された周波数応答によってフィルタリングされた、フィルタリングされたオーディオトラックに基づいて、個人化された出力音声信号252を提供する。
【0061】
様々な実施形態では、音声出力デバイス250は、フィルタリングされたオーディオトラックをアナログ信号に変換するDAC520を含むことができる。音声出力デバイス250は、DAC520によって生成されたアナログ信号に基づいて、個人化された出力音声信号252を提供する。音声出力デバイス250は、個人化された出力音声信号252に対応するサウンド出力を生成するために、1つ以上の増幅器及び/または1つ以上のスピーカを使用する。
【0062】
図6は、本開示の様々な実施形態に従った、個人化された音声出力を提供する方法のステップのフローチャートである。方法のステップが
図1~5のシステムに関して説明されるが、いずれかの順序で方法のステップを実行するように構成されたいずれかのシステムが、様々な実施形態の範囲内にあることを当業者は理解するであろう。
【0063】
図示されるように、方法600は、ステップ601において開始し、そこでは、バイオメトリック個人化アプリケーション140に含まれる気分収集モジュール210は、使用者の気分と関連付けられた使用者パラメータ202を受信する。一部の実施形態では、使用者パラメータ202は、使用者と関連付けられたバイオメトリックデータ314を含んでもよい。加えてまたは代わりに、気分収集モジュール210は、1つ以上の使用者アプリケーション320から二次使用者パラメータ322及び/または二次気分パラメータ324を受信してもよい。一部の実施形態では、気分収集モジュール210は、オーディオトラック204、232を受信してもよく、オーディオトラック204についての1つ以上のオーディオトラック特性を判定してもよい。
【0064】
ステップ603において、バイオメトリック個人化アプリケーション140は、使用者パラメータ202に基づいて、使用者の気分を判定する。様々な実施形態では、気分収集モジュール210は、使用者パラメータ202に含まれる1つ以上の使用者パラメータについて、1つ以上の気分パラメータ値を最初に判定してもよい。一部の実施形態では、気分収集モジュール210は、適用可能な気分パラメータ値(複数可)を識別するために、データベース142に記憶された気分パラメータルックアップテーブルにおいて、所与の使用者パラメータに一致する1つ以上のエントリを取り出してもよい。気分パラメータ値に基づいて、気分分類モジュール220は、1つ以上の気分パラメータ値を予め定義された気分222にマッピングすることができる。
【0065】
ステップ605において、バイオメトリック個人化アプリケーション140は任意選択で、オーディオトラックを推薦するかどうかを判定することができる。様々な実施形態では、オーディオトラックセレクタ230は、気分分類モジュール220によって提供された予め定義された気分222に一致する特性を有するオーディオトラックを推薦することができる。バイオメトリック個人化アプリケーション140が推薦を提供すると判定するとき、バイオメトリック個人化アプリケーション140は、ステップ611に進み、そうでない場合、バイオメトリック個人化アプリケーション140は、ステップ607に進む。
【0066】
ステップ607において、バイオメトリック個人化アプリケーション140は、使用者の気分に基づいて、音響プロファイルを選択する。バイオメトリック個人化アプリケーション140に含まれるオーディオ特性モジュール240は、気分分類モジュール220から予め定義された気分222を受信し、データベース142に記憶された複数の予め定義された音響プロファイル542~548から対応する音響プロファイルを選択する。一部の実施形態では、オーディオ特性モジュール240は、気分222に対応する予め定義された音響プロファイルを指定するエントリを発見するために、音響プロファイルルックアップテーブルを参照することができる。ステップ609において、音声出力デバイス250は、選択された音響プロファイル242に含まれる音響パラメータを採用する。バイオメトリック個人化アプリケーション140は、音声出力デバイス250に、音声出力デバイス250のときに選択された音響プロファイル242において指定された音響パラメータを採用させる。
【0067】
ステップ605に戻ると、バイオメトリック個人化アプリケーション140が推薦を提供することになると判定すると、ステップ611において、バイオメトリック個人化アプリケーション140は、使用者に、選択されたオーディオトラック232についての推薦を提供する。様々な実施形態では、気分個人化アプリケーション140に含まれるオーディオトラックセレクタ230は、使用者に推薦するオーディオトラックを選択することができる。オーディオトラックセレクタ230は、予め定義された気分222に基づいて、選択されたオーディオトラック232を推薦する。例えば、オーディオトラックセレクタ230は、気分分類モジュール220から気分222を受信してもよく、予め定義された気分222に対応するオーディオトラック特性(例えば、テンポ、ピッチ、音の強さなど)を有する選択されたオーディオトラック232を推薦してもよい。
【0068】
ステップ613において、バイオメトリック個人化アプリケーション140は、使用者が推薦を選択したかどうかを判定する。バイオメトリック個人化アプリケーション140が、使用者が推薦を選択したと判定するとき(例えば、インジケーションを受信する)、バイオメトリック個人化アプリケーション140は、ステップ517に進み、そこでは、バイオメトリック個人化アプリケーション140は、選択されたオーディオトラック232を取り出す。そうでない場合、バイオメトリック個人化アプリケーション140は、ステップ615に進み、そこでは、バイオメトリック個人化アプリケーション140は、使用者が再生するオーディオトラックを選択することを待つ。
【0069】
ステップ615において、バイオメトリック個人化アプリケーション140は、使用者が再生するオーディオトラック204を選択することを待つ。様々な実施形態では、バイオメトリック個人化アプリケーション140は、使用者によって指定されるように、再生するオーディオトラック204を受信することを待つ。バイオメトリック個人化アプリケーション140は、音声出力デバイス250に、オーディオトラック204に対応する入力音声信号を再生させる。一部の実施形態では、バイオメトリック個人化アプリケーション140は、オーディオトラック204を最初に受信してもよく、オーディオトラック204の特性に基づいて、使用者の予め定義された気分222を判定してもよい。
【0070】
ステップ617において、バイオメトリック個人化アプリケーション140は、オーディオトラックを受信する。様々な実施形態では、バイオメトリック個人化アプリケーション140は、使用者から、選択されたオーディオトラック232を再生するインジケーションを受信する。一部の実施形態では、バイオメトリック個人化アプリケーション140は、使用者によって手動で選択されたオーディオトラック204を受信する。バイオメトリック個人化アプリケーション140は、音声出力デバイス250についての音響プロファイル542~548を判定し、音声出力デバイス250に、受信されたオーディオトラック204、232に基づいて、個人化された出力音声信号252を生成させる。
【0071】
つまり、バイオメトリック個人化アプリケーションは、使用者の気分に関連する1つ以上の使用者パラメータを受信する。例えば、バイオメトリック個人化アプリケーションは、使用者の気分を反映したバイオメトリックデータ、センサデータ、位置/場所データ、及び/またはカレンダデータを受信してもよい。バイオメトリック個人化アプリケーションは、1つ以上の使用者パラメータに基づいて、使用者についての気分を判定する。例えば、バイオメトリック個人化アプリケーションは、1つ以上の使用者パラメータに対応する気分パラメータを判定してもよく、気分パラメータに基づいて、使用者の予め定義された気分を判定してもよい。一部の実施形態では、バイオメトリック個人化アプリケーションは、再生するオーディオトラックを推薦することができ、推薦されたオーディオトラックは、判定された気分に対応する。
【0072】
判定された気分に基づいて、バイオメトリック個人化アプリケーションは、判定された気分に対応する音響プロファイルを選択する。音響プロファイルは、音声出力デバイスが入力音声信号をどのように再生するかを指定する1つ以上の音響パラメータを含む。例えば、音響プロファイルは、音声出力デバイスに含まれる1つ以上のフィルタの動作パラメータがどのように修正されることになるかを指定する音響パラメータを含む。音声出力デバイスに含まれる動的等価器は、音響プロファイルに含まれる音響パラメータの指定に順守するように修正される。音声出力デバイスが入力音声信号を受信するとき、音声出力デバイスは、出力音声信号を再生すると共に、選択された音響プロファイルに含まれる音響パラメータを採用する。
【0073】
開示される技術の少なくとも1つの技術的利点は、使用者による手動入力を必要とすることなく、オーディオシステムが入力音声信号を再生するときに使用される音響パラメータを動的に制御することができることである。更に、開示される技術は、使用者の気分を判定し、次いで、判定された気分に対応する音響プロファイルを選択することが可能である。したがって、開示される技術は、オーディオシステムが、使用者によってより楽しまれる可能性が高い方式で入力音声信号を再生することを可能にし、それによって、使用者の傾聴経験を高める。
【0074】
1.一部の実施形態では、個人化音声信号を使用者に提供するためのコンピュータ実装方法であって、第1の使用者パラメータセットに基づいて前記使用者の第1の気分を判定すること、前記使用者の前記第1の気分に基づいて、第1の音響プロファイルを選択することであって、前記第1の音響プロファイルは、第1の音響パラメータセットを含む、前記選択すること、及び前記第1の音響パラメータセットに基づいて、音声出力デバイスに第1の入力音声信号を再生させることを含む前記方法。
【0075】
2.第1のオーディオトラックを受信すること、及び前記第1のオーディオトラックの音響特性を反映する第1の値のセットを生成することであって、前記第1の値のセットは、前記第1の使用者パラメータセットに含まれる、前記生成することを更に含む、条項1に記載のコンピュータ実施方法。
【0076】
3.前記音声出力デバイスに前記第1の音声信号を再生させた後、第2の使用者パラメータセットに基づいて前記使用者の第2の気分を判定することであって、前記第2の気分は前記第1の気分とは異なる、前記判定すること、前記使用者の前記第2の気分に基づいて、第2の音響プロファイルを選択することであって、前記第2の音響プロファイルは第2の音響パラメータセットを含む、前記選択すること、及び前記第2の音響パラメータセットに基づいて、前記音声出力デバイスに第2の音声信号を再生させること、を更に含む、条項1または2に記載のコンピュータ実施方法。
【0077】
4.前記第1の使用者パラメータセットは、少なくとも1つのセンサによって提供されるセンサデータを含み、前記センサデータは、前記使用者の位置、前記使用者の場所、温度、前記使用者の周囲の騒音レベル、及び前記使用者の周囲の光量の少なくとも1つを示す、条項1~3のいずれかに記載のコンピュータ実施方法。
【0078】
5.前記第1の使用者パラメータセットは、前記使用者に関連するバイオメトリックデータを含み、前記バイオメトリックデータは、心拍数、瞳孔サイズ、電気皮膚反応、血圧のレベル、及び平均血糖濃度の少なくとも1つを含む、条項1~4のいずれかに記載のコンピュータ実施方法。
【0079】
6.前記第1の使用者パラメータセットは、第2のアプリケーションから受信された第1の使用者データセットを含み、前記第1の使用者データセットが所定の気分に対応する、条項1~5のいずれかに記載のコンピュータ実施方法。
【0080】
7.前記使用者の前記第1の気分を判定することは、前記第1の使用者パラメータセットに基づいて、第1の気分パラメータセットを判定することであって、第1の気分パラメータの前記セットは、覚醒値及び価数値を含む、前記判定すること、及び前記第1の気分パラメータセットに基づいて前記使用者の前記第1の気分を判定することを含む、条項1~6のいずれかに記載のコンピュータ実施方法。
【0081】
8.第2の使用者パラメータセットに基づいて、前記使用者の目標気分を判定することであって、前記目標気分は前記使用者の前記第1の気分とは異なる、前記判定すること、前記使用者の前記目標気分に基づいて、第2の音響プロファイルを判定することであって、前記第2の音響プロファイルは、第2の音響パラメータセットを含む、前記判定すること、及び前記第1の音響パラメータセットの代わりに前記第2の音響パラメータセットに基づいて前記音声出力デバイスに前記第2の音声信号を再生させることを更に含む、条項1~7のいずれかに記載のコンピュータ実施方法。
【0082】
9.第1のオーディオトラックの前記音響特性を反映する第1の値のセットを生成すること、前記第1の値のセットに基づいて、前記第1のオーディオトラックを第1の所定の気分と関連付けること、及び前記第1のオーディオトラックと前記第1の所定の気分との間のマッピングを記憶することを更に含む、条項1~8のいずれかに記載のコンピュータ実施方法。
【0083】
10.一部の実施形態では、1つ以上のプロセッサによって実行されるとき、前記1つ以上のプロセッサに、前記使用者の第1の気分を示す第1の入力を受信するステップ、前記使用者の前記第1の気分に関連する第1の音響プロファイルを選択するステップであって、前記第1の音響プロファイルが第1の音響パラメータセットを含む、前記選択するステップ、及び前記第1の音響パラメータセットに基づいて、音声出力デバイスに第1の出力音声信号を出力させるステップを実行させる命令を含む、1つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体。
【0084】
11.前記1つ以上のプロセッサによって実行されるとき、前記1つ以上のプロセッサに、前記第1の入力に基づいて前記使用者の前記第1の気分を判定するステップであって、前記第1の入力が第1の使用者パラメータセットを含む、前記判定するステップを実行させる命令を更に含む、条項10に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【0085】
12.前記1つ以上のプロセッサによって実行されるとき、前記1つ以上のプロセッサに、前記第1の使用者パラメータセットに基づいて、第1の覚醒値及び第1の価数値を含む第1の気分パラメータセット、第2の覚醒値及び第2の価数値を含む第2の気分パラメータセット、を判定するステップ、少なくとも前記第1の気分パラメータセットと前記第2の気分パラメータセットとに基づいて複合気分パラメータセットを生成するステップ、及び前記複合気分パラメータセットに基づいて前記使用者の前記第1の気分を判定するステップを実行させる命令を更に含む、条項10または11に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【0086】
13.前記1つ以上のプロセッサによって実行されるとき、前記1つ以上のプロセッサに、前記使用者の前記第1の気分に基づいて第1のオーディオトラックの推奨を提供するステップであって、前記第1の出力音声信号が前記第1のオーディオトラックに対応する前記提供するステップを実行させる命令を更に含む、条項10~12のいずれかに記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【0087】
14.前記第1の音響プロファイルが複数の所定の音響プロファイルに含まれ、各所定の音響プロファイルが少なくとも1つの所定の気分に対応する、条項10~13のいずれかに記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【0088】
15.前記第1の音響パラメータセットが、前記音声出力デバイスに含まれる第1のフィルタの少なくとも1つの動作特性を修正し、前記第1のセットの音響パラメータが、中央周波数パラメータ、Q係数パラメータ、及び利得パラメータセットの少なくとも1つを含む、条項10~14のいずれかに記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【0089】
16.前記第1の音響パラメータセットが少なくとも1つの空間化パラメータを含み、前記音声デバイスが、前記少なくとも1つの空間化パラメータに基づいて前記第1の出力音声信号を出力して、前記使用者により知覚される第1の発生源のポイントを示す、条項10~15のいずれかに記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【0090】
17.前記音声出力デバイスに前記第1の出力音声信号を出力させた後、前記使用者の第2の気分を判定することであって、前記第2の気分は前記第1の気分とは異なる、前記判定すること、前記使用者の前記第2の気分に関連する第2の音響プロファイルを選択することであって、前記第2の音響プロファイルは第2の音響パラメータセットを含む、前記選択すること、前記第2の音響パラメータセットに基づいて、前記音声出力デバイスに第2の出力音声信号を出力させることを更に含む、条項10~16のいずれかに記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【0091】
18.一部の実施形態では、個人化オーディオシステムであって、第1のバイオメトリックデータを生成するように構成された少なくとも1つのセンサ、第1の音響プロファイルを記憶するように構成されているメモリ、及び前記少なくとも1つのセンサと前記メモリとに連結されたプロセッサであって、前記第1のバイオメトリックデータを受信すること、前記第1のバイオメトリックデータに基づいて前記使用者の前記第1の気分を判定すること、前記使用者の前記第1の気分に基づいて、前記第1の音響プロファイルを選択することであって、前記第1の音響プロファイルは、第1の音響パラメータセットを含む、前記選択すること、及び前記第1の音響パラメータセットに基づいて、音声出力デバイスに第1の入力音声信号を再生させることをするように構成される前記プロセッサを含む前記個人化オーディオシステム。
【0092】
19.前記第1のバイオメトリックデータが、心拍数、瞳孔サイズ、皮膚電気反応、血圧のレベル、及び平均血糖濃度の少なくとも1つを含む、条項18に記載の個人化オーディオシステム。
【0093】
20.前記プロセッサが更に、前記音声出力デバイスに前記第1の音声信号を再生させた後、第1の使用者パラメータセット及び第2のバイオメトリックデータの少なくとも1つに基づいて前記使用者の第2の気分を判定することであって、前記第2の気分は前記第1の気分とは異なる、判定すること、前記使用者の前記第2の気分に基づいて、第2の音響プロファイルを選択することであって、前記第2の音響プロファイルは、第2の音響パラメータセットを含む、前記選択すること、及び前記第2の音響パラメータセットに基づいて第2の音声信号を前記音声出力デバイスに再生させることをするように構成されている、条項18または19に記載の個人化オーディオシステム。
【0094】
いずれかの方式にある、請求項のいずれかに記載された特許請求される要素のいずれか及びいずれかの全ての組み合わせ並びに/または本出願で説明されたいずれかの要素は、本開示及び保護の考慮される範囲内にある。
【0095】
様々な実施形態の説明が例示を目的として提示されてきたが、包括的であり、または開示される実施形態に限定されることを意図していない。多くの修正及び変形が、説明された実施形態の範囲及び精神から逸脱することなく当業者にとって明らかであろう。
【0096】
本実施形態の態様は、システム、方法、またはコンピュータプログラム製品として具体化されてもよい。したがって、本開示の態様は、全体的なハードウェアの実施形態、全体的なソフトウェアの実施形態(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)、または本明細書で「モジュール」若しくは「システム」と一般的に全てが称されることがあるソフトウェア及びハードウェアの態様を組み合わせた実施形態の形式をとってもよい。加えて、本開示において説明されたいずれかのハードウェア及び/若しくはソフトウェアの技術、処理、機能、構成要素、エンジン、モジュール、またはシステムは、回路または回路のセットとして実施されてもよい。更に、本開示の態様は、そこで具体化されたコンピュータ可読プログラムコードを有する1つ以上のコンピュータ可読媒体(複数可)において具体化されたコンピュータプログラム製品の形式をとってもよい。
【0097】
1つ以上のコンピュータ可読媒体(複数可)のいずれかの組み合わせが利用されてもよい。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読信号媒体またはコンピュータ可読記憶媒体であってもよい。コンピュータ可読記憶媒体は、例えば、電機、磁気、光学、電磁気、赤外線、若しくは半導体システム、装置、若しくはデバイス、または上記のいずれかの適切な組み合わせであってもよいが、それらに限定されない。コンピュータ可読記憶媒体の更なる特定の例(非包括的なリスト)は、1つ以上のワイヤを有する電機接続、ポータブルコンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROM若しくはフラッシュメモリ)、光ファイバ、ポータブルコンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、光学式記憶装置、磁気記憶装置、または上記のいずれかの適切な組み合わせを含む。この文書のコンテキストでは、コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行システム、装置、またはデバイスによってまたはそれらと共に使用するためのプログラムを含むことができ、またはプログラムを記憶することができるいずれかの有形媒体であってもよい。
【0098】
本開示の態様は、開示の実施形態に従った方法、装置(システム)、及びコンピュータプログラム製品のフローチャートの例示及び/またはブロック図を参照して上記説明された。フローチャートの例示及び/またはブロック図の各々のブロック、並びにフローチャートの例示及び/またはブロック図におけるブロックの組み合わせは、コンピュータプログラム命令によって実施されてもよい。それらのコンピュータプログラム命令は、汎用コンピュータ、特殊目的コンピュータ、またはマシンを生成するための他のプログラム可能データ処理装置のプロセッサに提供されてもよい。命令は、コンピュータまたは他のプログラム可能データ処理装置のプロセッサを介して実行されるとき、フローチャート及び/またはブロック図のブロックまたはブロック(複数可)において指定された機能/動作の実装態様を可能にする。そのようなプロセッサは、限定することなく、汎用プロセッサ、特殊目的プロセッサ、特定用途プロセッサ、またはフィールドプログラマブルゲートアレイであってもよい。
【0099】
図におけるフローチャート及びブロック図は、本開示の様々な実施形態に従ったシステム、方法、及びコンピュータプログラム製品の可能な実装態様のアーキテクチャ、機能性、及び動作を例示する。このことについて、フローチャートまたはブロック図における各々のブロックは、指定された論理機能(複数可)を実施するための1つ以上の実行可能命令を含む、モジュール、セグメント、またはコードの一部を表すことができる。また、一部の代替的な実装態様では、ブロックにおいて記される機能は、図において記される順序以外で行われてもよいことに留意されるべきである。例えば、含まれる機能性に応じて、連続して示される2つのブロックは、実際には、実質的に同時に実行されてもよく、またはブロックはときに、逆の順序で実行されてもよい。また、ブロック図及び/またはフローチャートの例示の各々のブロック、並びにブロック図及び/またはフローチャートの例示におけるブロックの組み合わせは、指定された機能若しくは動作を実行する特殊目的ハードウェアベースシステム、または特殊目的ハードウェア及びコンピュータ命令の組み合わせによって実施されてもよい。
【0100】
上述したことは、本開示の実施形態に向けられるが、開示の他の実施形態及び更なる実施形態が、その基本的な範囲から逸脱することなく考案されてもよく、その範囲は、以下の特許請求の範囲によって判定される。