(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-20
(45)【発行日】2024-10-01
(54)【発明の名称】プログラム、情報処理方法及び情報処理装置
(51)【国際特許分類】
A63F 13/52 20140101AFI20240924BHJP
A63F 13/69 20140101ALI20240924BHJP
A63F 13/45 20140101ALI20240924BHJP
A63F 13/822 20140101ALI20240924BHJP
【FI】
A63F13/52
A63F13/69
A63F13/45
A63F13/822
(21)【出願番号】P 2019153164
(22)【出願日】2019-08-23
【審査請求日】2022-07-13
(73)【特許権者】
【識別番号】595000427
【氏名又は名称】株式会社コーエーテクモゲームス
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】片岡 宏
(72)【発明者】
【氏名】青野 元彦
【審査官】相川 俊
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-051493(JP,A)
【文献】特開2017-064092(JP,A)
【文献】特開2005-007088(JP,A)
【文献】特開2019-130105(JP,A)
【文献】電撃PlayStation,メディアワークス,2005年12月09日,Vol.333,p.108-111
【文献】"Blazing Soul Accerlate Old Road puzzle 1",YouTube[online][video],2011年01月10日,[2023年12月20日検索], <https://www.youtube.com/watch?v=uvpFylmPkVQ>
【文献】BLAZING SOULS The Complete Guide,初版,株式会社メディアワークス,2006年05月20日,p.27
【文献】株式会社キュービスト ,ワイルドアームズ ザ フィフスヴァンガード ザ・マスターガイド 初版,株式会社メディアワークス ,2006年12月31日,p.90
【文献】タイムクライシス5 / Time Crisis 5 2P [ 日本語ボイス/ Japanes Voice ],YouTube[online][video],2018年11月17日,[2023年7月10日検索],https://www.youtube.com/watch?v=Q-D805nXm3M
【文献】"メタルマックスリターンズ おまけ/ビッグキャノン",ニコニコ動画[online][video],2008年08月27日,[2023年12月14日検索], <https://www.nicovideo.jp/watch/sm4430584>
【文献】"ピカブイ攻略 | カビゴンの起こし方 ポケモンのふえの入手方法",ハジプロ![online],2018年11月19日,[2023年12月14日検索], <https://hajipro.com/game/pika_vee-snorlax-wake-up>
【文献】"[ポケモンレッツゴー ピカブイ攻略]カビゴンの起こし方!カビゴンを起こす笛の入手方法",GAME魂.com[online],2018年11月20日,[2023年12月14日検索], <https://gametamashii.com/pika_vee-17/>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/52
A63F 13/69
A63F 13/45
A63F 13/822
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲームの進行に応じて敵キャラクタにエンカウントする移動用のフィールドとエンカウントした前記敵キャラクタと戦う戦闘用のフィールドとを表示し、前記移動用のフィールドと前記戦闘用のフィールドとにおいてプレイヤにゲームをプレイさせる情報処理装置を、
前記移動用のフィールドにおいて前記敵キャラクタにエンカウントした場合に、前記移動用のフィールドから前記戦闘用のフィールドに表示を切り替え、前記戦闘用のフィールドでの戦闘後に前記戦闘用のフィールドから前記移動用のフィールドに表示を切り替える表示切替部、
前記戦闘用のフィールドにおけるプレイの内容に基づき、前記戦闘用のフィールドから遷移する前記移動用のフィールドの表示態様を変化させる処理として、前記戦闘用のフィールドにおいて地形オブジェクト及び建物オブジェクトの少なくとも一方に形状の変化があれば、前記戦闘用のフィールドから遷移する前記移動用のフィールドにおける前記地形オブジェクト及び前記建物オブジェクトの少なくとも一方の形状に、前記戦闘用のフィールドにおける前記地形オブジェクト及び前記建物オブジェクトの少なくとも一方の形状の変化を反映させる処理を行い、表示態様を変化させた前記移動用のフィールドを、前記ゲームにおけるプレイヤの行動
として前記ゲーム内の通貨を支払うこと又は前記ゲーム内における奉仕活動が行われた場合に、元の表示形態に戻す表示態様制御部、
として機能させるためのプログラム。
【請求項2】
前記表示態様制御部は、前記戦闘用のフィールドで行われた攻撃の属性に基づき、前記戦闘用のフィールドから遷移する前記移動用のフィールドの表示態様を変化させること
を特徴とする請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記表示態様制御部は、前記戦闘用のフィールドにおけるプレイの内容に基づき、前記表示切替部が前記移動用のフィールドを生成する際に利用するオブジェクトの形状を表すデータを更新すること
を特徴とする請求項1又は2に記載のプログラム。
【請求項4】
ゲームの進行に応じて敵キャラクタにエンカウントする移動用のフィールドとエンカウントした前記敵キャラクタと戦う戦闘用のフィールドとを表示し、前記移動用のフィールドと前記戦闘用のフィールドとにおいてプレイヤにゲームをプレイさせる情報処理装置の情報処理方法であって、
前記移動用のフィールドにおいて前記敵キャラクタにエンカウントした場合に、前記移動用のフィールドから前記戦闘用のフィールドに表示を切り替え、前記戦闘用のフィールドでの戦闘後に前記戦闘用のフィールドから前記移動用のフィールドに表示を切り替える表示切替ステップと、
前記戦闘用のフィールドにおけるプレイの内容に基づき、前記戦闘用のフィールドから遷移する前記移動用のフィールドの表示態様を変化させる処理として、前記戦闘用のフィールドにおいて地形オブジェクト及び建物オブジェクトの少なくとも一方に形状の変化があれば、前記戦闘用のフィールドから遷移する前記移動用のフィールドにおける前記地形オブジェクト及び前記建物オブジェクトの少なくとも一方の形状に、前記戦闘用のフィールドにおける前記地形オブジェクト及び前記建物オブジェクトの少なくとも一方の形状の変化を反映させる処理を行い、表示態様を変化させた前記移動用のフィールドを、前記ゲームにおけるプレイヤの行動
として前記ゲーム内の通貨を支払うこと又は前記ゲーム内における奉仕活動が行われた場合に、元の表示形態に戻す表示態様制御ステップと、
を有する情報処理方法。
【請求項5】
ゲームの進行に応じて敵キャラクタにエンカウントする移動用のフィールドとエンカウントした前記敵キャラクタと戦う戦闘用のフィールドとを表示し、前記移動用のフィールドと前記戦闘用のフィールドとにおいてプレイヤにゲームをプレイさせる情報処理装置であって、
前記移動用のフィールドにおいて前記敵キャラクタにエンカウントした場合に、前記移動用のフィールドから前記戦闘用のフィールドに表示を切り替え、前記戦闘用のフィールドでの戦闘後に前記戦闘用のフィールドから前記移動用のフィールドに表示を切り替える表示切替部と、
前記戦闘用のフィールドにおけるプレイの内容に基づき、前記戦闘用のフィールドから遷移する前記移動用のフィールドの表示態様を変化させる処理として、前記戦闘用のフィールドにおいて地形オブジェクト及び建物オブジェクトの少なくとも一方に形状の変化があれば、前記戦闘用のフィールドから遷移する前記移動用のフィールドにおける前記地形オブジェクト及び前記建物オブジェクトの少なくとも一方の形状に、前記戦闘用のフィールドにおける前記地形オブジェクト及び前記建物オブジェクトの少なくとも一方の形状の変化を反映させる処理を行い、表示態様を変化させた前記移動用のフィールドを、前記ゲームにおけるプレイヤの行動
として前記ゲーム内の通貨を支払うこと又は前記ゲーム内における奉仕活動が行われた場合に、元の表示形態に戻す表示態様制御部と、
を有する情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プログラム、情報処理方法及び情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プレイヤキャラクタと敵キャラクタとの戦闘を実現させるバトルシステムには、プレイヤキャラクタの移動や位置に応じて、敵キャラクタが出現する仕様が採用されているものがある。
【0003】
こうしたバトルシステムでは、プレイヤキャラクタが移動フィールド(プレイヤキャラクタが移動を行うフィールド)を移動しているときに、敵キャラクタと遭遇したことに応じて戦闘フィールド(プレイヤキャラクタと敵キャラクタとが戦闘を行うフィールド)に移行して戦闘が開始されるという実現方法をとっているものがあった(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のバトルシステムでは、敵キャラクタと遭遇したことにより移動フィールドから戦闘フィールドに移行し、戦闘が終了したことにより戦闘フィールドから移動フィールドに戻る。従来のバトルシステムでは、移動フィールドと戦闘フィールドとの連続性をプレイヤが認識しづらい場合があった。
【0006】
本開示は、ゲームの進行に応じて遷移する異なる種類のフィールドの表示にプレイヤが連続性を認識しやすい新たな仕組みを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一の態様によれば、ゲームの進行に応じて異なる種類のフィールドを表示し、前記フィールドにおいてプレイヤにゲームをプレイさせる情報処理装置を、複数の種類のフィールドをゲームの進行に応じて切り替えて表示する表示切替部、表示中の前記フィールドにおけるプレイの内容に基づき、表示中の前記フィールドから遷移する次のフィールドの表示態様を変化させる表示態様制御部、として機能させるためのプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0008】
一の側面によれば、ゲームの進行に応じて遷移する異なる種類のフィールドの表示にプレイヤが連続性を認識しやすい新たな仕組みを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】一実施形態に係るゲームシステムの一例を示す図である。
【
図2】情報処理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図3】情報処理装置の機能構成の一例を示す図である。
【
図4】本実施形態で利用するフィールドテーブルの一例の構成図である。
【
図5】本実施形態に係るゲームシステムの処理の一例のフローチャートである。
【
図7】本実施形態に係る戦闘処理の一例のフローチャートである。
【
図8】破壊フラグが変更されたフィールドテーブルの一例の構成図である。
【
図9】本実施形態に係る移動画面の表示処理の一例のフローチャートである。
【
図10】破壊状態のオフジェクトを含む移動画面の一例のイメージ図である。
【
図11】戦闘画面で行われた戦闘の影響が、戦闘画面から遷移する移動画面に反映される例の説明図である。
【
図12】戦闘画面で行われた戦闘の影響が、戦闘画面から遷移する移動画面に反映される例の説明図である。
【
図13】屋内移動画面で行われたプレイヤの行動の影響が、屋内移動画面から遷移する野外移動画面に反映される例の説明図である。
【
図14】一実施形態に係るゲームシステムの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示を実施するための形態について図面を参照して説明する。なお、本実施形態では、2次元のロールプレイングゲームの例を説明するが、2次元のロールプレイングゲームに限定するものでなく、3次元のロールプレイングゲームや、2次元又は3次元のロールプレイングゲーム以外のゲームであってもよい。
【0011】
[ゲームシステム]
まず、一実施形態に係るゲームシステム1について、
図1を参照して説明する。
図1は一実施形態に係るゲームシステムの一例を示す図である。一実施形態に係るゲームシステム1は、情報処理装置10に表示装置12と入力装置14とが通信可能に無線又は有線で接続されている。
【0012】
ゲームシステム1は、例えば据え置き型のゲーム機により実現される。また、ゲームシステム1は情報処理装置10、表示装置12、及び入力装置14を一体に備えた携帯型のゲーム機であってもよい。また、ゲーム機に限定されるものではなく、例えばゲームシステム1は、スマートフォン、携帯電話、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、等であってもよい。
【0013】
入力装置14は、プレイヤの入力する各種の操作を受け付ける。入力装置14は例えば十字キー、ジョイスティック、ボタン、又はタッチパッド等を有する。情報処理装置10は入力装置14が受け付けたプレイヤの入力した各種の操作に基づき、ゲームに関する処理を実行する。表示装置12は、情報処理装置10の制御に従い、ゲームに関する各種の画面を表示する。
【0014】
図2は、情報処理装置10のハードウェア構成の一例を示す図である。情報処理装置10は、CPU(Central Processing Unit)131、記憶装置132、及び通信装置133を有する。CPU131は、情報処理装置10を制御する。記憶装置132は、例えばROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などのメモリ、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)などのストレージである。通信装置133は、通信を制御するネットワークカードなどの通信デバイスである。
【0015】
図3は情報処理装置10の機能構成の一例を示す図である。情報処理装置10は、記憶部21、制御部22、通信部23、及び接続部24を有する。記憶部21は、ゲームプログラム31などのプログラム、プログラムが利用するデータ、後述するフィールドテーブル32、及び戦闘テーブル33などを記憶している。記憶部21は、記憶装置132により実現されてもよいし、通信部23又は接続部24を介して接続された記憶装置により実現されてもよい。
【0016】
制御部22は情報処理装置10の全体の制御を行う。情報処理装置10の全体の制御にはプレイヤがプレイするゲーム全般に関する制御が含まれる。制御部22はCPU131がゲームプログラム31に記載された処理を実行することにより実現される。
【0017】
制御部22は、ゲーム進行部41、フィールド表示切替部42、戦闘処理部43、表示制御部44、及び操作受付部45を有する。また、表示制御部44はフィールド表示態様制御部51を有する。
【0018】
ゲーム進行部41は、ゲームの進行に関する処理を行う。フィールド表示切替部42はゲームの進行に応じて、異なる種類のフィールドに切り替えて表示する。例えばフィールド表示切替部42は、移動用のフィールドで敵キャラクタと遭遇(エンカウント)した場合に、移動用のフィールドから戦闘用のフィールドに表示を切り替える。なお、エンカウントには、いわゆるランダムエンカウント方式のエンカウント(以下、ランダムエンカウントと呼ぶ)、いわゆるシンボルエンカウント方式のエンカウント(以下、シンボルエンカウントと呼ぶ)、いわゆる強制エンカウント方式のエンカウント(以下、強制エンカウント方式と呼ぶ)などが含まれる。
【0019】
ランダムエンカウントとは、敵キャラクタが表示されていない移動用のフィールドにおいて、確率で敵キャラクタと遭遇することにより戦闘用のフィールドに切り替わるエンカウント方式である。シンボルエンカウントとは、敵キャラクタが表示されている移動用のフィールドにおいて、敵キャラクタと接触することにより戦闘用のフィールドに切り替わるエンカウント方式である。強制エンカウントとは、確率や敵キャラクタとの接触の有無に関係なく、強制的に戦闘用のフィールドに切り替わるエンカウント方式である。戦闘処理部43は、プレイヤキャラクタと敵キャラクタとの戦闘に関する処理を行う。
【0020】
表示制御部44はゲームに関する各種の画面を表示装置12に表示する。フィールド表示態様制御部51は、ゲームの進行に応じて異なる種類のフィールドを切り替えて表示する場合に、表示中のフィールドにおけるプレイヤのプレイ内容(例えば、攻撃の威力、攻撃の属性、プレイヤキャラクタの行動)に基づき、次のフィールドの表示形態を後述のように変化させる。
【0021】
操作受付部45は入力装置14に対するプレイヤの各種操作を受け付ける。なお、表示制御部44はCPU131が表示装置12を制御することで実現される。また、操作受付部45はCPU131が入力装置14を制御することで実現される。
【0022】
ここで入力装置14に対するプレイヤの各種操作とは、CPU131に処理を実行させるため、プレイヤが操作受付部45を操る操作をいう。情報処理装置10は通信部23又は接続部24を介して表示装置12及び入力装置14等と通信可能に接続されている。
【0023】
なお、
図3に示した情報処理装置10の機能構成は一例であって、例えば
図3に示した情報処理装置10の機能構成の少なくとも一つが通信部23又は接続部24を介して接続された他の情報処理装置の機能構成に含まれていてもよい。
【0024】
次に、情報処理装置10の記憶部21に記憶されたフィールドテーブル32の構成例について説明する。フィールドテーブル32は、移動用のフィールドの生成に利用される地形オブジェクトや建物オブジェクトに関する情報が設定されている。
図4は本実施形態で利用するフィールドテーブルの一例の構成図である。フィールドテーブル32は、戦闘用のフィールドの生成に利用してもよい。
【0025】
フィールドテーブル32は、移動用のフィールドの生成に利用される地形オブジェクトや建物オブジェクトごとに、オブジェクト名、オブジェクトID、位置、耐久値、及び破壊フラグなどが設定されている。
【0026】
オブジェクト名は、オブジェクトの名称である。オブジェクトIDはオブジェクトを識別する情報であり、オブジェクトの画像データなどと対応付けられている。位置は、オブジェクトが表示される移動用のフィールド上の位置を示している。耐久値は、攻撃値に対してオブジェクトが破壊されずに耐えられる程度を表している。戦闘用のフィールドの範囲に含まれるオブジェクトは、その戦闘用のフィールドで行われた攻撃値よりも小さな耐久値である場合に、破壊状態となる。破壊フラグは、そのオブジェクトが破壊状態であるか否かを示す情報であって、破壊状態である場合に「ON」が設定され、破壊状態でない場合に「OFF」が設定される。戦闘テーブル33はプレイヤキャラクタや敵キャラクタによる攻撃値の計算などに利用される情報が設定されている。
【0027】
[ゲーム動作]
次に、ゲーム内でプレイヤキャラクタと敵キャラクタとが戦闘を行う処理について説明する。例えば本実施形態では、移動用のフィールド(移動画面)で敵キャラクタとエンカウントすることで戦闘用のフィールド(戦闘画面)に遷移し、戦闘を開始する。戦闘が終了すると、本実施形態では戦闘画面から移動画面に戻る。
【0028】
図5は本実施形態に係るゲームシステム1の処理の一例のフローチャートである。情報処理装置10の制御部22は、プレイヤから移動画面を表示するための操作を受け付けることで、
図5のフローチャートに示した処理を開始する。ステップS10において制御部22の表示制御部44は移動画面の表示処理を後述のように行う。プレイヤは表示された例えば
図6のような移動画面において、エンカウントなどの戦闘画面への切り替えが発生するか(S12においてYES)、移動画面の表示終了(S22においてYES)までステップS20の移動処理によりプレイヤキャラクタを移動させる。
【0029】
図6は移動画面の一例のイメージ図である。
図6の移動画面はシンボルエンカウントでなくランダムエンカウントの例を示しているため、敵キャラクタが移動画面上に表示されていない。プレイヤは
図6の移動画面の中央に表示されたプレイヤキャラクタを移動させることができ、エンカウントにより戦闘画面に遷移できる。
【0030】
図6の移動画面には、建物オブジェクトの一例の城、地形オブジェクトの一例の山、平地、水、及び橋が表示されている。なお、以前の戦闘画面で破壊状態となったオブジェクトは後述するように破壊状態で表示される。
【0031】
ステップS12においてエンカウントなどの戦闘画面への切り替えが発生すると、制御部22のフィールド表示切替部42はステップS14において移動画面から戦闘画面へ遷移させる。ステップS16において、表示制御部44は戦闘画面の表示処理を行う。プレイヤは表示された戦闘画面において、プレイヤキャラクタと敵キャラクタとに戦闘を行わせる戦闘処理の為の操作を行う。
【0032】
戦闘が終了すると、表示制御部44はステップS18に進み、移動画面の表示処理を後述のように行う。詳細は後述するが、ステップS16の戦闘処理でプレイヤキャラクタや敵キャラクタが威力の大きい攻撃を行ったり、特定の属性を持つ攻撃を行ったり、特定の行動を行ったりすると、その影響が、戦闘の終了により遷移する(戻る)移動画面に反映される。例えばステップS18で表示される移動画面は、ステップS16で行われた戦闘の影響による建物オブジェクトや地形オブジェクトの変化が視覚的に分かるように、壊れた城、崩れた山、水浸しの平野など、建物オブジェクトや地形オブジェクトの表示態様を変化させる。
【0033】
ステップS16の戦闘処理は、例えば
図7に示すように行われる。
図7は本実施形態に係る戦闘処理の一例のフローチャートである。ステップS50において、制御部22の戦闘処理部43は例えば戦闘テーブル33を利用し、プレイヤキャラクタ及び敵キャラクタによる攻撃値を算出する。
【0034】
ステップS52において、戦闘処理部43は算出した攻撃値に応じた攻撃処理をプレイヤキャラクタ及び敵キャラクタに対して行う。ステップS54において、表示制御部44のフィールド表示態様制御部51は
図4のフィールドテーブル32を参照し、ステップS50で算出された攻撃値よりも耐久値の低いオブジェクトが戦闘画面の範囲に含まれているか判定する。
【0035】
なお、ステップS50で算出された攻撃値よりも耐久値の低いオブジェクトが戦闘画面の範囲に含まれていなければ、フィールド表示態様制御部51はステップS56の処理をスキップする。
【0036】
ステップS50で算出された攻撃値よりも耐久値の低いオブジェクトが戦闘画面の範囲に含まれていれば、フィールド表示態様制御部51はステップS56において、戦闘画面の範囲に含まれており、且つステップS50で算出された攻撃値よりも耐久値の低いオブジェクトの破壊フラグをOFFからONに変更する。
【0037】
図8は破壊フラグが変更されたフィールドテーブルの一例の構成図である。
図8に示したフィールドテーブル32は
図4に示したフィールドテーブル32のオブジェクト名「A帝国城」の建物オブジェクトとオブジェクト名「山」の地形オブジェクトの破壊フラグがOFFからONに変更されている。つまり、
図8のフィールドテーブル32は戦闘により
図6の城と山とが破壊状態となったことを表している。
【0038】
なお、ステップS54で耐久値と比較する攻撃値は、一回ごとの攻撃値であっても
図7の戦闘処理における累積の攻撃値であってもよい。また、ステップS50~S58の処理は敵キャラクタの全滅など、戦闘処理が終了するまで繰り返される。
【0039】
ステップS10及びS18の移動画面の表示処理は、例えば
図9に示すような手順に行われる。
図9は本実施形態に係る移動画面の表示処理の一例のフローチャートである。ステップS70において、表示制御部44はプレイヤキャラクタの位置から作成する移動画面の範囲を決定する。
【0040】
ステップS72において、表示制御部44は例えば
図4又は
図8のフィールドテーブルを参照し、作成する移動画面の範囲に含まれるオブジェクトの情報を取得する。取得したオブジェクトに破壊フラグがONのオブジェクトが含まれていれば(S74においてYES)、表示制御部44はステップS76において、破壊フラグがONのオブジェクトを破壊状態で移動画面に表示する。取得したオブジェクトに破壊フラグがONのオブジェクトが含まれていなければ(S74においてNO)、表示制御部44はステップS76の処理をスキップする。
【0041】
ステップS78において、表示制御部44は破壊フラグがOFFのオブジェクトを
図4又は
図8のフィールドテーブルのオブジェクトIDで識別される通常状態のオブジェクトの画像データにより移動画面に表示する。
【0042】
図4のフィールドテーブルの場合、表示制御部44は
図9の移動画面の表示処理により例えば
図6に示す破壊状態のオブジェクトの無い移動画面を表示する。
図8のフィールドテーブルの場合、表示制御部44は
図9の移動画面の表示処理により例えば
図10に示す破壊状態のオブジェクトの有る移動画面を表示する。
図10は破壊状態のオフジェクトを含む移動画面の一例のイメージ図である。
【0043】
図11は戦闘画面で行われた戦闘の影響が、戦闘画面から遷移する移動画面に反映される例の説明図である。本実施形態では
図4又は
図8のフィールドテーブル32に示したようにオブジェクトごとに耐久値を設けたことで、戦闘画面で行われた戦闘の攻撃値よりも大きい耐久値のオブジェクトを通常状態、戦闘画面で行われた戦闘の攻撃値よりも小さい耐久値のオブジェクトを破壊状態と判断できる。
【0044】
戦闘後に表示される移動画面では、破壊状態と判断されたオブジェクトの表示態様を破壊状態であると認識できる表示態様に変化させることで、戦闘画面における戦闘の影響を視覚的に反映されることができ、戦闘画面と移動画面との連続性を認識しやすい。
【0045】
上記では戦闘画面で行われた戦闘の影響により移動画面のオブジェクトが破壊状態となる例を説明したが、破壊に限定するものではなく、水、火、風、土などの属性のある魔法などの属性攻撃の影響により、移動画面のオブジェクトを視覚的に変化させるようにしてもよい。
【0046】
図12は戦闘画面で行われた戦闘の影響が、戦闘画面から遷移する移動画面に反映される例の説明図である。例えば
図12ではオブジェクトの耐久値を超える属性攻撃があった場合に、耐久値を超える属性攻撃がされたオブジェクトの表示形態を、属性攻撃があったと認識できる表示形態で移動画面に表示させる。
【0047】
例えば戦闘画面で水属性の大魔法が使用された場合、戦闘画面から遷移した移動画面においてプレイヤキャラクタの周りは、水浸しの平野のオブジェクトに変化していたり、川や湖を表す水のオブジェクトに変化していたり、する。また、戦闘画面で土属性の大魔法が使用された場合、戦闘画面から遷移した移動画面においてプレイヤキャラクタの周りにあった川や湖を表す水のオブジェクトが土のオブジェクトに変化していてもよい。
【0048】
図12の場合は、例えばフィールドテーブル32の破壊フラグを変更フラグに替えると共に、変更後のオブジェクトの情報(オブジェクトIDなど)を示す項目を追加することで対応できる。
【0049】
上記では移動画面と戦闘画面との遷移について説明したが、移動用の野外フィールドと移動用の屋内フィールドとの遷移にも適用が可能である。本実施形態において移動用の野外フィールド(野外移動画面)及び移動用の屋内フィールド(屋内移動画面)は、異なる種類のフィールドの一例である。
【0050】
図13は屋内移動画面で行われたプレイヤの行動の影響が、屋内移動画面から遷移する野外移動画面に反映される例の説明図である。例えば
図13では屋内移動画面において野外移動画面のオブジェクトの表示形態を変化させるプレイヤの行動があれば、屋内移動画面から遷移した野外移動画面のオブジェクトの表示形態を、プレイヤの行動に従って変化させる。このような屋内移動画面から遷移した野外移動画面のオブジェクトの表示形態の変化には、アイテムや隠しダンジョン、特別な敵キャラクタの出現など、が含まれていてもよい。アイテムや隠しダンジョン、特別な敵キャラクタの出現は
図11及び
図12の場合にも適用できる。
【0051】
図13の場合も、例えばフィールドテーブル32の破壊フラグを変更フラグに替えると共に、変更後のオブジェクトの情報(オブジェクトIDなど)を示す項目を追加することで対応できる。
【0052】
上記の例では遷移前のフィールドにおけるプレイヤのプレイの内容に応じて、遷移後のフィールドの表示形態を変化させているが、フィールドを元の表示形態に戻す方法をプレイヤに提供するようにしてもよい。例えばプレイヤはゲーム内の通貨を支払うことで元の表示形態に戻せるようにしてもよいし、ゲーム内における特定の行動(例えば奉仕活動など)を行うことで元の表示形態に戻せるようにしてもよい。
【0053】
以上、本実施形態によれば、ゲームの進行に応じて遷移する移動画面と戦闘画面、屋外移動画面と屋内移動画面などの異なる種類のフィールドの表示にプレイヤが連続性を認識しやすい新たな仕組みを提供できる。
【0054】
図1では据え置き型のゲーム機により実現されるゲームシステム1を一例として説明したが、例えば
図14に示すようなゲームシステム200でも実現できる。
図14は一実施形態に係るゲームシステムの一例を示す図である。
【0055】
ゲームシステム200は、サーバ210とクライアント220とがネットワーク230を介して通信可能に接続された構成である。
【0056】
クライアント220はプレイヤがゲームをプレイする情報処理装置の一例である。クライアント220はスマートフォン、携帯電話、ゲーム機、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、家庭用のゲーム機、業務用のゲーム機等である。クライアント220はプレイヤからの操作をタッチパネル、コントローラ、マウス、キーボード等で受け付け、プレイヤにゲームをプレイさせる。なお、クライアント220の個数は3つに限定されるものではなく、3つ以外であってもよい。
【0057】
サーバ210はクライアント220との間でデータを送受信することで、ゲームに必要な機能をクライアント220に提供する情報処理装置の一例である。サーバ210はクラウドコンピュータにより実現してもよい。なお、
図14に示したサーバ210の個数は1つに限定されるものではなく、2つ以上で分散処理してもよい。例えばサーバ210はクライアント220へのゲームプログラム(アプリケーション)などのダウンロード処理やプレイヤのログイン処理、各種テーブルの管理などに利用される。
【0058】
開示した一実施形態のゲームシステム1及び200は例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。上記の実施形態は添付の請求の範囲及びその主旨を逸脱することなく、様々な形態で変形及び改良が可能である。また、上記した複数の実施形態に記載された事項は、矛盾しない範囲で他の構成も取り得ることができ、また、矛盾しない範囲で組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0059】
1、200 ゲームシステム
10 情報処理装置
12 表示装置
14 入力装置
21 記憶部
22 制御部
23 通信部
24 接続部
31 ゲームプログラム
32 フィールドテーブル
33 戦闘テーブル
41 ゲーム進行部
42 フィールド表示切替部
43 戦闘処理部
44 表示制御部
45 操作受付部
51 フィールド表示態様制御部
210 サーバ
220 クライアント