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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-20
(45)【発行日】2024-10-01
(54)【発明の名称】送信装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/438 20110101AFI20240924BHJP
   H04N 21/436 20110101ALI20240924BHJP
【FI】
H04N21/438
H04N21/436
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2020015882
(22)【出願日】2020-01-31
(65)【公開番号】P2021125723
(43)【公開日】2021-08-30
【審査請求日】2023-01-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000214984
【氏名又は名称】TVS REGZA株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】廣田 敦志
【審査官】富樫 明
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-052122(JP,A)
【文献】高度広帯域衛星デジタル放送用受信装置,ARIB STD-B63,第1.9版,日本,一般社団法人電波産業会,2019年12月,pp. 61-77
【文献】高度広帯域衛星デジタル放送運用規定,ARIB TR-B39,第2.3版, 第三分冊,日本,一般社団法人電波産業会,2019年12月,pp.4-57 - 4-71
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 21/00-21/858
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
MMT/TLV方式に基づく放送信号を受信する手段と、
受信した放送信号からTLVストリームを得るTLVストリーム抽出手段と、
前記TLVストリームからNTPデータが含まれる第1TLVパケットを抽出するNTP抽出手段と、
前記放送信号から取得した制御信号(MMT―SI)からPLT及びMPTを含む第2UDP/IPパケットを抽出するMMT―SI抽出部と、
前記第2UDP/IPパケットのペイロードを更新して第2パーシャルMMT―SIをUDP/IPパケットとして生成するMMT―SI更新手段と、
前記第2UDP/IPパケットに含まれる第2UDP/IPヘッダ情報に基づいて生成する第3UDP/IPヘッダ情報とMH-SIT(Selection Information Table)とMH-DIT(Discontinuity Information Table)とを含めて第3パーシャルMMT―SIをUDP/IPパケットとして生成するIP/UDPパケット生成手段と、
前記NTPデータが含まれる前記第1TLVパケットと前記第2パーシャルMMT―SIと前記第3パーシャルMMT―SIとを含めてパーシャルTLVストリームを生成するパーシャルTLVストリーム生成手段とを具備し、
前記IP/UDPパケット生成手段は、前記第1TLVパケットに含まれる第1UDP/IPヘッダ情報と前記第2UDP/IPヘッダ情報に含まれる識別子CIDもしくはSNとに基づいて第3UDP/IPヘッダ情報を生成する、送信装置。
【請求項2】
前記第1TLVパケットに含まれる第1UDP/IPパケットの第1UDP/IPヘッダ情報に基づいて前記第2UDP/IPヘッダ情報を更新するIP/UDPパケットヘッダ伸長手段を備える請求項1に記載の送信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施形態は、送受信方法、送受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
高度広帯域衛星デジタル放送は、受信対応のテレビ受信装置において、PLTを伝送するUDP/IPパケットの送信元IPアドレスを含むマルチキャストグループを特定するためにAMTが送出運用されている。ところが、テレビ受信装置が高速デジタルインターフェースなどを通じて外部装置に出力するパーシャルTLVストリームにおいては、現在の標準規格や運用規定においてはAMTの出力は必須とされていない。例えばサービスの信号源が高度BSの場合には、MMTPパケット伝送用のIPデータフローが1つしか存在しないために、MMTPパケットのパケットIDが一意に決まっているからである。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】ARIB STD-B39 2.3版 「高度広帯域衛星デジタル放送運用規定」
【文献】ARIB STD-B63 1.9版 「高度広帯域衛星デジタル放送用受信装置 標準規格」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、パーシャルTLVストリームで出力するサービスの信号源が高度110度CSの場合には、MMTPパケット伝送用のIPデータフローが複数存在する。この場合、同じMMTPパケットのパケットIDが異なるIPデータフローで使われている可能性があるため、UDP/IP情報(以下で単にIP情報と記載する)と組み合わせて識別しないと常に一意には特定することができない。このため、PLTを伝送するUDP/IPパケットの送信元IPアドレスなどのIP情報を示すAMTが必要となる。以上のように、パーシャルTLVストリームにAMTがある場合とない場合とが混在する状況が発生し、パーシャルTLVストリームを受信する外部装置は、両方の場合に対応するなどの必要がある。
【0005】
本発明の目的は、パーシャルTLVストリームの送信を適格なものとする送信装置を提供することにある
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態によれば、MMT/TLV方式に基づく放送信号を受信する手段と、
受信した放送信号からTLVストリームを得るTLVストリーム抽出手段と、
前記TLVストリームからNTPデータが含まれる第1TLVパケットを抽出するNTP抽出手段と、
前記放送信号から取得した制御信号(MMT―SI)からPLT及びMPTを含む第2UDP/IPパケットを抽出するMMT―SI抽出部と、
前記第2UDP/IPパケットのペイロードを更新して第2パーシャルMMT―SIをUDP/IPパケットとして生成するMMT―SI更新手段と、
前記第2UDP/IPパケットに含まれる第2UDP/IPヘッダ情報に基づいて生成する第3UDP/IPヘッダ情報とMH-SIT(Selection Information Table)とMH-DIT(Discontinuity Information Table)とを含めて第3パーシャルMMT―SIをUDP/IPパケットとして生成するIP/UDPパケット生成手段と、
前記NTPデータが含まれる前記第1TLVパケットと前記第2パーシャルMMT―SIと前記第3パーシャルMMT―SIとを含めてパーシャルTLVストリームを生成するパーシャルTLVストリーム生成手段とを具備し、
前記IP/UDPパケット生成手段は、前記第1TLVパケットに含まれる第1UDP/IPヘッダ情報と前記第2UDP/IPヘッダ情報に含まれる識別子CIDもしくはSNとに基づいて第3UDP/IPヘッダ情報を生成する、送信装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、実施形態に係るMMT/TLV方式に基づくデジタル放送対応のテレビ受信装置とパーシャルTLVストリームを受信する電子機器の例を示す図である。
図2図2は、同実施形態に係るMMT/TLV方式に基づくデジタル放送対応のテレビ受信装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
図3図3は、同実施形態に係るテレビ受信装置におけるTLV/MMT分離処理部の機能構成の一例を示すブロック図である。
図4A図4Aは、同実施形態に係るテレビ受信装置が処理するTLVストリームの多重構成の一例を示す図である。
図4B図4Bは、同実施形態に係るTLVストリームに格納される各パケットの構成の一例を示す図である。
図4C図4Cは、同実施形態に係るTLVストリームに格納されるUDP/IPパケットのヘッダ情報の一例を示す図である。
図5図5は、同実施形態に係るテレビ受信装置におけるパーシャルTLVストリーム生成部の機能構成の一例を示すブロック図である。
図6図6は、同実施形態に係るパーシャルTLVストリームを受信する電子機器の機能構成の一例を示すブロック図である。
図7図7は、同実施形態に係る電子機器のパーシャルTLVストリーム処理部の機能構成の一例を示すブロック図である。
図8図8は、同実施形態に係るテレビ受信装置におけるTLV/MMT分離処理部の処理動作の一例を示すフローチャートである。
図9図9は、同実施形態に係るテレビ受信装置におけるパーシャルTLV生成部の処理動作の一例を示すフローチャートである。
図10図10は、同実施形態に係る電子機器におけるパーシャルTLVストリーム処理部の処理動作の一例を示すフローチャートである。
図11A図11Aは、同実施形態に係るAMTのデータ構造を示す図である。
図11B図11Bは、同実施形態に係るIPバージョンを示す図である。
図11C図11Cは、同実施形態に係るPLTのデータ構造を示す図である。
図11D図11Dは、同実施形態に係るPLTとMPTの参照関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して実施形態を説明する。
(実施形態)
図1は、実施形態に係るMMT/TLV方式に基づくデジタル放送対応のテレビ受信装置とパーシャルTLVストリームを受信する電子機器の例を示す図である。
【0009】
テレビ受信装置1は、MMT/TLV方式に基づくデジタル放送の放送信号を受信し、放送信号で送信されてきたコンテンツ(もしくはサービスとも記載する)を得る。電子機器2A、2B、2C(特に区別の必要ない場合は電子機器2と称する)は、テレビ受信装置1とそれぞれ通信可能なインターフェース3A,3B、3C(特に区別の必要ない場合はインターフェース3と称する)を持ち、インターフェース3を介して放送信号で送信されてきたコンテンツを得て、表示出力する。また、本実施形態では電子機器2を3つとするが、テレビ受信装置1が有するインターフェースによっては、1つ以上の任意の数とすることができる。
【0010】
電子機器2はテレビ受信装置1が送信するコンテンツの全てもしくは一部を利用可能な能力(解像度、フレームレート、その他)を有している。電子機器2は、例えば、タブレット端末、モニタ、テレビ受信装置などでもよい。また、テレビ受信装置1と通信可能なインターフェースを有していれば電子機器2をスマートフォンとしてもよい。
【0011】
インターフェース3A,3B、3C(特に区別の必要ない場合はインターフェース3と称する)は、テレビ受信装置1と電子機器2とがデータ通信をするためのインターフェースであり、有線でも無線でもよい。また、インターフェース3として、DLNA(登録商標)(Digital Living Network Alliance)もしくはその拡張方式に準拠したネットワークを用い、テレビ受信装置1と電子機器2とが通信可能としても良い。
【0012】
図2は、同実施形態に係るMMT/TLV方式に基づくデジタル放送対応のテレビ受信装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
【0013】
テレビ受信装置1は、MMT/TLV方式に基づくデジタル放送の放送信号を受信し、モニタやスピーカから放送信号によって送信されるコンテンツをユーザに提示する。
【0014】
TLVストリーム抽出部11は、チューナ部111、復調部112、デスクランブル部113、CASモジュール114を含み、放送信号を受信し、デジタルデータであるTLVストリームを出力する。
【0015】
チューナ部111は、図示せぬアンテナまたはケーブル放送による光回線などの有線で受信した放送信号から、所望の周波数帯(放送チャネル)の信号を抽出し、必要に応じて周波数変換などをし、復調部112へ出力する。復調部112は、入力された放送信号に対して復調や誤り訂正復号などを行い、TLV(Type Length Value)形式のデジタルデータを取得し、出力する。取得したデジタルデータは通常はスクランブルによる暗号化が施されており、デスクランブル部113は、スクランブルされたデジタルデータ(スクランブルデータ)をデスクランブルし、TLVストリームとして出力される。CASモジュール114は、デスクランブル部113がスクランブルデータをデスクランブルする際に必要となる暗号キーなどを所有しており、必要に応じてデスクランブル部113に提供する。
【0016】
TLV/MMT分離処理部12は、TLVストリーム抽出部11が出力するTLVストリームから各種制御信号やサービス(コンテンツ)を構成する符号化されたアセットデータ(以降、符号化アセットデータと称する)を取得し、出力する。TLV/MMT分離処理部12は、入力されたTLVストリームをIP/UDPストリーム、さらにはMMT(MPEG Media Transport)ストリームへと変換し、符号化アセットデータと制御情報データであるSI(Signaling Information)データに分離することでもよい。また、TLV/MMT分離処理部12は、TLVストリームからIP/UDP形式で格納されているNTP形式の時刻情報データを分離し、出力することでもよい。また、TLV/MMT分離処理部12は、入力されたTLVストリームから抽出したTLVパケット(もしくは抽出したTLVストリーム)を出力することもある。
【0017】
コンテンツ出力部15は、符号化アセットデータをデコードし、音声、映像、文字などのコンテンツデータを出力する。
【0018】
音声デコード部131は、符号化アセットデータのうち符号化された音声データを復号再生し、音声コンテンツデータを出力する。映像デコード部132は、符号化アセットデータのうち符号化された映像データを復号再生し、映像コンテンツデータを出力する。
【0019】
また、符号化アセットデータのうち符号化された文字データは、図示せぬ文字デコード部にて復号再生され、文字コンテンツデータとして出力される。
【0020】
出力処理部133は、映像コンテンツデータ(音声コンテンツデータ、文字コンテンツデータなども含めてよい)の出力タイミング、表示方法などを調整して、出力する。なお、出力処理部133は、TLV/MMT分離処理部12が出力するNTPデータ(時刻情報データ)を取得し、クロック同期信号を再生し、タイミング制御に利用してもよい。
【0021】
上記の各種デコード部には符号化アセットデータの他、制御データや後述する制御部163から各種コマンドが入力されてもよい。制御データは、放送番組に関する情報や、UDP/IPパケットの多重に関する制御情報などの放送システムに関する制御情報であってもよい。各種デコード部は、SIデータを利用して、制御部163が指定する番組やコンテンツデータのアセットデータを選択し、選択したアセットデータをデコードしコンテンツデータを得てもよい。
【0022】
パーシャルTLVストリーム生成部14は、TLV/MMT分離処理部12にて分離取得されたTVLストリームやMMTストリームから、選択されたコンテンツ(放送番組)を構成するアセットデータや制御情報データを抽出、編集してパーシャルTLVストリームを生成する。
【0023】
提示部15は、コンテンツ出力部13が出力するコンテンツデータを、コンテンツとしてユーザに提示する。スピーカ部151は、音声コンテンツデータや文字コンテンツデータなどを音声として出力する。表示部152は、例えばモニタであり、映像コンテンツデータや文字コンテンツデータなどを表示する。
【0024】
周辺機能16は、ユーザインターフェース部161、制御部162、インターフェース部163を含む。
【0025】
ユーザインターフェース部161は、例えば、テレビ受信装置1の本体、スピーカ部151や表示部152などに設置されているスイッチ、ボタンなどである。ユーザは、ユーザインターフェース部161を介して、画面調整、音量調整、チャネル選択などテレビ受信装置1に対してさまざまな設定、調整などができることでもよい。
【0026】
インターフェース部162は、テレビ受信装置1の外部との各種インターフェースであり、例えば、赤外線通信、マウス、キーボード、イーサーネット、DLNA(登録商標)、HDMI(登録商標)、Wifi(登録商標)、第5世代移動体通信(5G)などの有線、無線の各種通信インターフェースなどを含んでもよい。インターフェース部162は、インターフェース3による通信インターフェースを含む。インターフェース部162は、入力されたデジタルデータに対して、予め決められた通信規約に応じたフレームデータの生成を行い、有線や無線などの媒体による送信を行う。また、有線や無線などの媒体により受信した信号を復調してデジタルデータを取得し、通信規約に応じたフレームデータの分解を行い、デジタルデータを出力する。インターフェース部162は、デジタルデータに対してスクランブルなどの暗号化及び暗号化復号機能を有していても良い。
【0027】
制御部163は、ユーザインターフェース部161やインターフェース部162などから入力される制御信号に基づいて、テレビ受信装置1内部の各種機能を制御することでも良い。
【0028】
システムバス17は、テレビ受信装置1内部の各種機能間のデータのやり取りをするためのデータ伝送路であり、例えばシリアルバスである。なお、テレビ受信装置1内部の各種機能間のデータのやり取りは、システムバス17に限定されず、他の伝送路があってもよい。
【0029】
リモコン18は、テレビ受信装置1に付属のリモートコントローラであり、ユーザはリモコン18を用いて、テレビ受信装置1に対して各種操作が可能である。例えば、ユーザがリモコン18で操作指定すると、リモコンから制御コマンドが出力される。制御コマンドは、インターフェース部162の赤外線通信を介してテレビ受信装置1で受信される。インターフェース部162は受信した制御コマンドを制御部161に出力し、制御部161は、受信した制御コマンドを解析し、制御情報として取り出し、制御情報に基づいてテレビ受信装置1内部の各種機能を制御することでもよい。
【0030】
図3は、同実施形態に係るテレビ受信装置におけるTLV/MMT分離処理部の機能構成の一例を示すブロック図である。
【0031】
TLV/MMT分離処理部12は、TLVストリームをIP/UDPパケットやMMTパケットへと分離し、符号化アセットデータと制御情報データであるSIデータに分離する機能であることから、各ストリーム、パケット、データなどの関係を用いて、機能構成を説明する。
【0032】
図4Aは、同実施形態に係るテレビ受信装置が処理するTLVストリームの多重構成の一例を示す図であり、ARIB TR-B39 2.3版(第五分冊)第四編 高度広帯域CSデジタル放送SI運用規定 13章に準拠する。
【0033】
表示枠50は、物理層であるトランスポンダを示している。トランスポンダはCS衛星(Communication Satellite衛星)に設置され、高度広帯域CSデジタル放送の放送電波信号を出力する。
【0034】
表示枠51は、表示枠50に示すトランスポンダによって送信されるTLVストリームのレイヤを示している。
【0035】
表示枠52は、表示枠51に示すTLVストリームに格納されるUDP/IPのレイヤを示している。
【0036】
表示枠53は、表示枠51に示すTLVストリームに格納されるTLV-NIT(Network Information Table)を示している。TLV-NITは、TLVストリームに格納されるTLV-SIの一部である。TLV-NITには、放送メディア内の各トランスポンダ、さらにはそこで伝送されるTLVストリームの物理的な構成や、指定サービスまたは指定コンテンツがどのTLVストリームに属するかなど、TLVストリームのロケーション解決のための情報が格納されている。
【0037】
表示枠54は、表示枠51に示すTLVストリームに格納されるAMT(Address Map Table)を示している。AMTも、TLVストリームに格納されるTLV-SIの一部である。AMTには、TLVストリーム内の全サービスを記述するとともに、PLTを伝送するIPデータフロー(IPプロトコル種別、送信元および宛先IPアドレス、送信元および宛先UDPポート番号がすべて同一のUDP/IPパケットの集合)の送信元IPアドレスなどのIP情報が格納されている。
【0038】
表示枠55は、表示枠52に示すUDP/IPストリームのレイヤで送信されるNTP形式専用のUDP/IPパケットのストリームを示している。表示枠55のうち、表示枠52に重なる部分を、UDP/IPパケットのヘッダ(単にIPヘッダと称する場合もある)とみなしてもよい。表示枠551は、UDP/IPパケットのペイロードとみなしてもよく、表示枠551にNTPデータが格納される。
【0039】
表示枠56は、表示枠52に示すUDP/IPストリームのレイヤで送信されるMMTPのレイヤを示している。
【0040】
表示枠57は、表示枠51に示すTLVストリームに格納されるSIデータ専用のUDP/IPストリーム(IPデータフロー)を示している。特に表示枠55のうち、表示枠52に重なる部分は、UDP/IPパケットのヘッダ(IPヘッダと称する場合もある)とみなしてもよい。また、表示枠57の表示枠56より上部は、UDP/IPパケットのペイロードとしてMMTPパケットの形式で送信されるデータとみなしてもよい。PLTをはじめとするTLVストリーム内の全サービス、すなわちコンテンツ(番組)に共通する制御信号データが格納されて伝送される。
【0041】
表示枠58A、表示枠58B、表示枠58C(特に区別しない場合は、表示枠58と称する)は、それぞれTLVストリームに格納されるサービスごとのUDP/IPストリーム(IPデータフロー)を示している。特に表示枠55のうち、表示枠52に重なる部分は、UDP/IPパケットのヘッダ(IPヘッダと称する場合もある)とみなしてもよい。表示枠58において表示枠56より上部は、UDP/IPパケットのペイロードとしてMMTPパケットの形式で送信されるデータとみなしてもよい。表示枠58A、表示枠58B、表示枠58CのUDP/IPストリーム(IPデータフロー)は、通常、それぞれ異なるサービス(図ではそれぞれサービス1、サービス2、サービス3)、すなわち異なるコンテンツ(番組)に関連するデータが格納される。表示枠58A、表示枠58B、表示枠58CのUDP/IPストリーム(IPデータフロー)はIP情報、特にそれぞれ送信元のIPアドレスが異なる。
【0042】
表示枠59は、表示枠58同様のUDP/IPストリームを示しているが、特にサービス共用のUDP/IPストリームを示している。例えば、表示枠58A、表示枠58B、表示枠58CのUDP/IPストリームには、それぞれサービス1、サービス2、サービス3が送信されるが、表示枠59のUDP/IPストリームには、サービス1、サービス2、サービス3の全部または一部で共用されるデータ(図では文字スーパMPUが示されている)が送信される。表示枠59のUDP/IPストリームのIP情報、特に送信元のIPアドレスは、表示枠58A、表示枠58B、表示枠58CのUDP/IPストリームの送信元のIPアドレスと異なる。
【0043】
図3に戻り、TLV/MMT分離処理部12の機能構成を説明する。
【0044】
TLVストリーム選択処理部120は、例えば、1つのトランスポンダ上に複数のTLVストリームが送信されている場合に、TLV-NITのデータを基にユーザが指定したコンテンツ(番組)が送信されているTLVストリームを選択する。
【0045】
TLVパケット分離部121は、TLVストリーム選択処理部120が出力するTLVストリームをTLVパケットごとに、TLV-SIデータ(表示枠53、表示枠54)と、NTPデータ(表示枠55)を格納するUDP/IPパケットと、MMTPパケット(表示枠53、表示枠54)を格納したUDP/IPパケットとの3つの系統に分離する。TLVパケット分離部121は、表示枠51のTLVストリームのレイヤにおける図示せぬTLVストリームのヘッダ(TLVヘッダと称する場合もある)に格納されているパケット識別(識別子:packet_type)に基づき、TLVストリームを3つの系統に分ける。
【0046】
TLV-SI抽出部122は、TLVパケット分離部121が出力するTLV-NITとAMTを抽出し、出力する。
【0047】
NTP抽出処理部123は、TLVパケット分離部121が出力する表示枠55のUDP/IPパケットからNTPの情報を抽出し、出力する。抽出されたNTPの情報は、受信機のシステムクロック再生に利用される。
【0048】
IPパケットヘッダ伸長部124は、TLVパケット分離部121が出力するMMTPパケット(表示枠53、表示枠54)を格納したヘッダ圧縮方式のUDP/IPパケットのIPヘッダ(表示枠52に相当)を処理する。具体的には、MMTPパケットに付加されるIPヘッダは、IPアドレスやポート番号のIP情報を含むヘッダ(図4C下段、フルヘッダと称する場合もある)と、IP情報を含まないヘッダ(図4C中段、圧縮ヘッダと称する場合もある)との2種類ある。フルヘッダのIPパケットは少なくとも500[msec]に1回は伝送する規定になっている。IPパケットヘッダ伸長部124は、同じIP情報を持つUDP/IPパケット(IPデータフロー)ごとに、過去に受信したフルヘッダの情報を利用して、圧縮ヘッダを持つUDP/IPパケット(圧縮UDP/IPパケットと称する場合もある)をフルヘッダのUDP/IPパケット(単にUDP/IPパケットと称する場合もある)に変換して、出力する。もしくはIPデータフローごとに圧縮UDP/IPパケットのまま一連のUDP/IPストリームとして出力してもよい。
【0049】
IP/UDPパケット分離部125は、IPパケットヘッダ伸長部124から入力からUDP/IPストリーム(IPデータフロー)を選択し、選択したUDP/IPストリームのUDP/IPパケットを分離して、MMTPパケットを抽出し、MMTPパケットのストリーム(MMTPストリームと称する場合もある)を出力する。より詳細にはIP/UDPパケット分離部125は、IPヘッダに含まれるCIDを利用してUDP/IPストリーム(IPデータフロー)を選択する。図4Aにおいては、表示枠57、58、59がMMTPストリームを伝送している。IP/UDPパケット分離部125は、UDP/IPパケットを選択分離する際に、AMTに格納されているIP情報や、後段処理で得られるPLT、MPTなどに格納されるIP情報を用いる場合もある。
【0050】
IP/UDPパケット分離部125は、受信したTLVパケットから選択したTLVパケットの形でも出力する。出力されるTLVパケットは、IP/UDPヘッダ伸長部124へ入力されたTLVパケット(フルヘッダに変換されていない圧縮IPパケットが格納されているTLVパケット)でもよい。
【0051】
MMTPパケット分離部126は、IP/UDPパケット分離部125から入力されるMMTPストリームから制御信号データや符号化アセットデータを出力する。図4Aにおいては、表示枠58の映像MPU、音声MPU、字幕MPU、アプリケーションMPU、表示枠59の文字スーパーMPUが符号化アセットデータに相当する。また、表示枠58の符号化アセットデータ以外のデータや、表示枠57のデータが制御信号データに相当する。
【0052】
MMT-SI抽出部127は、MMTPパケット分離部126から入力される制御信号データであるMMT-SIから、PLT、MPTなどの制御情報を抽出して、出力する。PLTには、TLVストリーム内の全サービス(またはコンテンツ)に対し、対応するMPTを伝送するMMTPパケットのパケットID(図4BのMMTPパケット63を参照)、さらにはそれを格納するUDP/IPパケットの送信元IPアドレスをはじめとするIP情報といったMPT伝送のロケーション解決のための情報が格納されている。MPTには、サービスを構成する各アセットに対するMMTPのパケットIDなど、アセット伝送に対するロケーション解決のための情報が格納されている。PLTやMPTに格納されている情報は、IP/UDPパケット分離部125にて用いられてもよい。またMMT-SI抽出部127は、MMT-SIからEPG情報などを抽出し、出力する。
【0053】
サービス/アセット選択制御部128は、テレビ受信装置1内の各機能から、情報を受信し、受信した情報に基づいて制御信号を出力したり、さらなる詳細情報を抽出して出力したりする。またユーザがリモコン18を介してテレビ受信装置1に制御命令をした場合に、制御部163が解釈した制御命令をサービス/アセット選択制御部128に出力する。サービス/アセット選択制御部128は、制御命令に従って、各機能に制御信号や詳細情報を出力する。
【0054】
図4Bは、同実施形態に係るTLVストリームに格納される各パケットの構成の一例を示す図である。
【0055】
TLVパケット61は、ヘッダとペイロードから構成され、ヘッダには固定ビット、識別子であるpacket_type、lengthが格納されている。
【0056】
UDP/IPパケット62は、IP/UDPヘッダとIP/UDPペイロードから構成され、特にヘッダ圧縮IPパケットのIP/UDPヘッダには識別子CID、SN、CID_header_typeが格納されている。IP/UDPヘッダの「部分IPv6ヘッダ/部分/UDPヘッダ」には、フルヘッダ時に使用されるヘッダ情報が含まれている。
【0057】
MMTPパケット63は、MMTPヘッダとMMTPペイロードから構成され、MMTPヘッダには識別子であるpacket_idが格納されている。
TLVパケット61のペイロードには、UDP/IPパケット62が格納され、IP/UDPペイロードには、MMTPパケット63が格納される。MMTPペイロードには、アセットデータ、SIデータなどのデータが格納される。
【0058】
図4Cは、同実施形態に係るTLVストリームに格納されるUDP/IPパケットのヘッダ情報の一例を示す図であり、図4BのUDP/IPパケット62のヘッダ情報の詳細である。図4Cに示されるようにヘッダ圧縮IP/UDPパケットにはIP/UDPヘッダ部に送信元IPアドレス(source_address)、宛先IPアドレス(destination_address)が配置されている。又, 通常のIP/UDPパケットはIPヘッダ部に送信元IPアドレス(source_address)、宛先IPアドレス(destination_address)が配置されている。NTP伝送はIPヘッダ圧縮を適用せず、通常、33msec間隔で伝送される。MMTPパケット伝送はIPヘッダ圧縮を適用し、500msec間隔でフルヘッダで伝送される。
【0059】
NTP専用IPデータフローにおける送信元IPアドレス(source_address)とSI専用IPデータフローにおけるソースアドレスとは同一の送信元IPアドレス(source_address)とが用いられる。
【0060】
具体的には、図4AのNTP専用IPデータフローとSI専用IPデータフローには送信元IPアドレスとしてSrc.add0が用いられ、図4Aのサービス1のデータフローには送信元IPアドレスとしてSrc.add1が用いられ、サービス2のデータフローには送信元IPアドレスとしてSrc.add2が用いられ、サービス3のデータフローには送信元IPアドレスとしてSrc.add3が用いられる。
【0061】
よって、NTP専用IPデータフローのIP/UDPパケット送信元IPアドレス(source_address)に基づいて、多重化されたストリームの中からSIのIP/UDPパケットを特定することができる。
【0062】
図5は、同実施形態に係るテレビ受信装置におけるパーシャルTLVストリーム生成部の機能構成の一例を示すブロック図である。
【0063】
本実施形態のパーシャルTLVストリーム生成部14は、符号化アセットデータ、MMT-SIの制御信号データの他、NTPデータを含めて、TLVパケットを生成し、パーシャルTLVストリームとして出力する。
【0064】
MMT-SI生成部141は、MMT-SI抽出部127が抽出し、出力した制御情報から必要な情報を選択、抽出し、抽出した情報からパーシャルTLVストリーム用の制御情報(TLV/MMT分離処理部12の制御信号データと区別する場合は、パーシャル制御信号データと称する)を生成する。具体的には、例えば、ARIB STD-B63に規定されるMH-SIT(Selection Information Table)やMH-DIT(Discontinuity Information Table)である。通常は、パーシャルTLVストリーム用の制御情報は、MMT-SI抽出部127が抽出する制御情報(すなわち、放送信号が送信する制御情報)よりも少ない。
【0065】
MMT-SI更新部142は、UDP/IPパケットのペイロード(MMTPパケット)に格納されているPLTまたはMPTの内容を更新する。TLVストリーム抽出部11が出力するTLVストリーム(放送信号で送信されてきたTLVストリーム)に含まれるPLTには、全サービスの情報が記載されおり、パーシャルTLVストリームとして送信する際には含まれる指定されたサービスだけの情報にPLTを更新する必要がある。MPTについても同様に、パーシャルTLVストリームとして送信する際には含まれる指定されたアセットデータだけの情報にMPTを更新する必要がある。
【0066】
MMTPパケット生成部143は、MMT-SI生成部141から入力されるパーシャルTLVストリーム用の制御信号データをペイロードとして、所定のMMTPのヘッダ情報を付加して、MMTPパケットを生成し、出力する。
【0067】
IP/UDPパケット生成部144は、MMT-SI更新部142から入力されるUDP/IPパケットはそのまま出力する。また、MMTPパケット生成部143から入力したMMTPパケットをペイロードとして、MMT-SI更新部142から入力されるUDP/IPパケットのヘッダ情報を参照してCIDやSNの値の整合を取りながら、IPヘッダ、UDPヘッダを付加して、UDP/IPパケットを生成し、出力する。
【0068】
TLVパケット生成部145は、IP/UDPパケット生成部144から入力されるUDP/IPパケットにTLVのヘッダを付加して、TLVパケットを生成し、出力する。
【0069】
TLVパケット多重部146は、各機能から入力されるTLVパケットを多重して、パーシャルTLVストリームとして出力する。具体的には、NTPデータが含まれたTLVパケット、TLVパケット生成部145が出力するTLVパケット、アセットデータが含まれたTLVパケットが、TLVパケット多重部146に入力され、パーシャルTLVストリームとして出力される。パーシャルTLVストリームは、インターフェース部163から既定の通信方法によってパーシャルTLVストリーム信号として送信される。
【0070】
TLV―SI生成部147は、AMTの情報を含めて、TLV-SI情報を生成しTLVパケット多重部146へ出力することがある。ただし、本実施形態においては、パーシャルTLVストリームにTLV-SI情報を多重しないため本機能は設けなくてもよい。またTLV-SI情報をパーシャルTLVストリームに含めるか含めないかを、例えば、リモコン18からユーザが設定できるようにしてもよい。
【0071】
図6は、同実施形態に係るパーシャルTLVストリームを受信する電子機器の機能構成の一例を示すブロック図である。
【0072】
電子機器2は、テレビ受信装置1が送信するパーシャルTLVストリーム信号をインターフェース部21で受信する。インターフェース部21は、インターフェース3による通信インターフェースを含む。インターフェース部21は、受信したパーシャルTLVストリーム信号からデジタルデータを抽出し、パーシャルTLVストリームとして出力する。インターフェース部21は、入力されたデジタルデータに対して、予め決められた通信規約に応じたフレームデータの生成を行い、有線や無線などの媒体による送信を行う。また、有線や無線などの媒体により受信した信号を復調してデジタルデータを取得し、通信規約に応じたフレームデータの分解を行い、デジタルデータを出力する。インターフェース部21は、スクランブルなどの暗号化及び暗号化復号機能を有していても良い。本実施形態におけるインターフェース部21は、インターフェース部162と例えばDLNA(登録商標)もしくはその拡張方式による通信が可能である。
【0073】
パーシャルTLVストリーム処理部22は、インターフェース部21から入力されるパーシャルTLVストリームを処理し、符号化アセットデータやSIデータを得て出力する。
符号化アセットデータはSIデータとともにデコード処理部23に入力されて、映像、音声、文字などのコンテンツデータに変換される。変換されたコンテンツデータは出力処理部24に出力される。出力処理部24は、コンテンツデータに対して出力タイミング、表示方法などを調整し、提示部25に出力する。
【0074】
提示部25は、例えば、信号表示装置(モニター)やスピーカなどであり、入力されたコンテンツデータに基づいて、映像やオーディオ、文字などとして出力する。
【0075】
制御部26は、電子機器2の各機能の制御を実施する。例えば、制御部26は、インターフェース部21を含む各種インターフェースを介した外部通信の接続確立を実施する。
【0076】
なお、図6において、制御部26との間で結線がなされていない機能ブロックとの間においてもデータのやり取り(制御を含む)がされてもよい。
【0077】
図7は、同実施形態に係る電子機器のパーシャルTLVストリーム処理部の機能構成の一例を示すブロック図である。
【0078】
図4AのTLVストリームのデータ階層を用いながら、図7のパーシャルTLVストリーム処理部22の機能構成を説明する。
【0079】
パーシャルTLVストリーム処理部22は、パーシャルTLVストリームをIP/UDPパケットやMMTパケットへと分離し、符号化アセットデータと制御信号データであるSIデータを取得して出力する。パーシャルTLVストリーム処理部22の機能は、テレビ受信装置1のTLV/MMT分離処理部12の機能と同様である。
【0080】
TLVパケット分離部221は、TLVパケットごとに、インターフェース部21から入力されるパーシャルTLVストリームをTLV-SIデータ(図4Aの表示枠53、表示枠54に相当)と、NTPデータ(表示枠55に相当)を格納するUDP/IPパケットと、MMTPパケット(表示枠56に相当)を格納したUDP/IPパケットとの3つの系統に分離する。TLVパケット分離部221は、表示枠51のTLVストリームのレイヤにおけるTLVヘッダ(図4BのTLVパケット参照)に格納されているパケット識別(識別子:packet_type)に基づき、パーシャルTLVストリームを3つの系統に分ける。
【0081】
TLV-SI抽出部222は、TLVパケット分離部221が出力するTLV-SIが存在すればそこから必要な情報を抽出し、出力することでもよい。ただし、本実施形態においてはTLV-SIは必要なく、また通常TLV-SIはパーシャルTLVストリームに含まないためこの機能はなくてもよい。
【0082】
NTP抽出処理部223は、TLVパケット分離部221が出力する表示枠55のUDP/IPパケットからNTPデータを抽出し、出力する。また、NTP抽出処理部223は、NTPデータが格納されているUDP/IPパケットからNTPデータの送信元のIPアドレスを抽出する。
【0083】
IPパケットヘッダ伸長部224は、TLVパケット分離部221が出力するMMTPパケット(表示枠56に相当)を格納したヘッダ圧縮形式のUDP/IPパケットのIPヘッダ(表示枠52に相当)を処理する。具体的には、MMTPパケットに付加されるIPヘッダは、IPアドレスやポート番号のIP情報を含むヘッダ(フルヘッダと称する場合もある)と、IP情報を含まないヘッダ(圧縮ヘッダと称する場合もある)との2種類ある。IPパケットヘッダ伸長部224は、同じIP情報を持つUDP/IPパケット(IPデータフロー)ごとに、過去に受信したフルIPヘッダの情報を利用して、圧縮ヘッダを持つUDP/IPパケット(圧縮UDP/IPパケットと称する場合もある)をフルヘッダのUDP/IPパケット(UDP/IPパケットと称する場合もある)に変換して、出力する。もしくはIPデータフローごとに圧縮UDP/IPパケットのまま一連のUDP/IPストリームとして出力してもよい。
【0084】
IP/UDPパケット分離部225は、IPパケットヘッダ伸長部224から入力されるUDP/IPパケットを分離して、MMTPパケットを抽出し、MMTPパケットのストリーム(MMTPストリームと称する場合もある)を出力する。本実施形態におけるIP/UDPパケット分離部225は、UDP/IPパケットを選択分離する際に、NTPを伝送するUDP/IPパケットに格納されているIPアドレス情報や、後段処理で得られるPLT、MPTなどに格納される情報を用いる。
【0085】
MMTPパケット分離部226は、IP/UDPパケット分離部225から入力されるMMTPストリームから制御信号データや符号化アセットデータを出力する。
【0086】
MMT-SI抽出部227は、MMTPパケット分離部226から入力される制御信号データであるMMT-SIから、PLT、MPTなどの制御情報を抽出して、出力する。PLTやMPTに格納されている情報は、IP/UDPパケット分離部225にて用いられてもよい。
【0087】
本実施形態に係るシステムの動作例を説明する。
図8は、同実施形態に係るテレビ受信装置におけるTLV/MMT分離処理部の処理動作の一例を示すフローチャートである。
【0088】
テレビ受信装置1からパーシャルTLVストリームとして出力するためのサービス(コンテンツ)を指定するために、ユーザがリモコン18で指定操作をする。リモコン18はサービスを指定するための制御コマンドを出力し、テレビ受信装置1のインターフェース部162が、制御コマンドを受信する。インターフェース部162は、受信した制御コマンドを制御部163に出力し、制御部163は、制御コマンドを解析してユーザが指定したサービスの情報(指定サービス情報)を抽出し、サービス/アセット選択制御部128へ出力する。サービス/アセット選択制御部128は、指定サービス情報(service_id)をTLV/MMT分離処理部12に出力する(ステップS11)。TLV/MMT分離処理部12において、TLVストリーム選択処理部120は、TLV-SI抽出部122が抽出したTLV-NITと指定サービス情報とに基づいて指定されたサービスが格納されているTLVストリームを選択し、TLVパケット分離部121に出力する(ステップS12)。
【0089】
TLVパケット分離部121は、図4BのTLVパケット61に示されるヘッダに格納されているパケット識別(識別子:packet_type)に基づいて、TLVストリーム選択処理部120から入力されたTLVストリームを3つの系統に分離する(ステップS13)。具体的にはTLVパケットのペイロードに格納されているデータの種類の違いに応じて、TLV-SIデータと、NTPデータを格納するUDP/IPパケットと、MMTPパケットを格納したヘッダ圧縮UDP/IPパケットとの3つの系統に分離し、それぞれTLV-SI抽出部122、NTP抽出処理部123、IPパケットヘッダ伸長部124に入力される。
【0090】
TLV-SI抽出部122は、TLV-NITデータやAMTデータを抽出し、サービス/アセット選択制御部128へ出力する(ステップS14)。NTP抽出処理部123は、UDP/IPパケットに格納されているNTPデータを抽出し、サービス/アセット選択制御部128へ出力する(ステップS15)。また同時に、NTP抽出処理部123は、入力されたTLVパケットをそのまま出力する(ステップS15)。MMTPパケットを格納したヘッダ圧縮UDP/IPパケットを含むTLVパケットは、IPパケットヘッダ伸長部124およびIP/UDPパケット分離部125に入力され、処理される(ステップS16)。IP/UDPパケット分離部125は、入力されたTLVパケットのIPヘッダ情報のCID(図4BのUDP/IPパケット62参照)とサービス/アセット選択制御部128から入力されるIP情報とを用いて、IPデータフローを確認する(ステップS17)。入力するIP情報とCIDの対応関係はフルヘッダに記載されるIP情報と照合することにより判明する。もしIPデータフローがIP情報により選択されたIPデータフローではないことが確認されなかった場合、次のTLVパケットを確認する(ステップS18のNO、S13)。もしIPデータフローがIP情報により選択されたIPデータフローであることが確認された場合、後段の処理を実施する(ステップS18のYES)。選択されたIPデータフローのTLVパケットは、MMTPパケット分離部126に入力され、MMTPヘッダのpacket_idが確認される(ステップS19)。MMTPパケット分離部126は、packet_idを確認し、入力されたTLVパケットに選択されたMMT-SIが格納されている場合、すなわちPLTやユーザが指定したservice_idに関わるMPT、さらに所定のMMT-SIが格納されている場合は、入力されたTLVパケットに格納されているUDP/IPパケットを出力する(ステップS20のYES、S21)。MMTPパケット分離部126は、packet_idを確認し、入力されたTLVパケットに選択されたMMT-SIが格納されていない場合、入力されたTLVパケットに選択されたアセットが格納されているかどうかを確認する(S20のNO、ステップS22)。MMTPパケット分離部126は、ステップS20で抽出したMMT-SIのPLTからユーザが選択したサービスを識別するservice_idのMPTを抽出する。MMTPパケット分離部126は、抽出したMPTの情報からユーザが指定したサービスを構成するアセットを特定することができる。MMTPパケット分離部126は、ステップS20で抽出したMMT-SIのMPTの情報と入力されたTLVパケットのpacket_idとを確認し、入力されたTLVパケットに選択されたアセットが格納されている場合、すなわちユーザが指定したservice_idのアセットが格納されている場合は、入力されたTLVパケットを出力する(ステップS22のYES、ステップS23)。ステップS23においてMMTPパケット分離部126が出力するTLVパケットは、IPパケットヘッダ伸長部124に入力されたTLVパケットである。一方、MMTPパケット分離部126は、ステップS20で抽出したMMT-SIのMPTの情報と入力されたTLVパケットのpacket_idとを確認し、入力されたTLVパケットに選択されたアセットが格納されていない場合、そのTLVパケットは廃棄する(ステップS24)。
【0091】
なお、上記フローのステップS18からS20にかけての説明を補足する。まず、PLTを取得するために、AMTの情報を基にSI専用IPデータフローのIP情報を特定しこれを選択する。PLTのpacket_idは0x0000(固定値)と決まっているため、MMTPパケット分離部126およびMMT-SI抽出部127の処理を経てPLTの抽出が可能になる。
【0092】
次に、得られたPLTを基に、ユーザが指定するサービスのMPTを伝送するIPデータフローのIP情報を特定し、これを選択する。MPTのpacket_idもPLTに記載されているため、MMTPパケット分離部126およびMMT-SI抽出部127の処理を経て当該MPTの抽出が可能になる。また、当該サービスを構成する各アセットも同じIPデータフローに含まれており、それぞれのpacket_idもMPTに記載されているため、MMTPパケット分離部126の処理を経てアセットの抽出が可能になる。
【0093】
また、必要に応じ、MPTを参照してサービス共用IPデータフローのIP情報を特定し、これを選択する。このIP情報およびpacket_idもMPTに記載されているため、MMTPパケット分離部126の処理を経てアセットの抽出が可能になる。
上記フローのステップS20を詳細に説明する。MMTPパケット分離部126は、入力されたTLVパケットやUDP/IPヘッダの解析情報などから制御信号データを抽出し、出力する。出力された制御信号データは、MMT-SI抽出部127に入力され、MMT-SI抽出部127は、AMTに格納されている指定サービス送信元のIPアドレスなどのIP情報をサービス/アセット選択制御部128からを受信し、受信した情報に基づいて、PLTを抽出する。MMT-SI抽出部127は、サービス/アセット選択制御部128から入力されたPLTをサービス/アセット選択制御部128に出力する。さらにMMT-SI抽出部127は、抽出したPLTに基づいて、MPTを抽出する。
上記フローのステップS22を詳細に説明する。MMT-SI抽出部127は、抽出したMPTをサービス/アセット選択制御部128に出力する。MMTPパケット分離部126は、抽出されたMPTに基づいて、入力されたMMTPパケット(TLVパケット)から符号化アセットデータを抽出する。
【0094】
図9は、同実施形態に係るテレビ受信装置におけるパーシャルTLV生成部の処理動作の一例を示すフローチャートである。
【0095】
パーシャルTLVストリーム生成部14において、アセットデータのTLVパケットはTLVパケット多重部146に入力される(ステップS101)。パーシャルTLVストリーム生成部14において、制御信号データはMMT-SI生成部141に入力される。MMT-SI生成部141は、パーシャルTLVストリームに含めて出力するためのパーシャル制御信号データであるMH-SITやMH-DITなどを生成し、MMTPパケット生成部143へ出力する(ステップS102A)。また、パーシャルTLVストリーム生成部14に入力される制御信号データのうちPLTやMPTは、MMT―SI更新部142に入力されて、必要に応じて内容が更新され、IP/UDPパケット生成部144へ出力される(ステップS102B)。パーシャルTLVストリーム生成部14は、受信したNTPデータの格納されたTLVパケットをTLVパケット多重部146へ入力する(ステップS103)。
【0096】
MMTPパケット生成部143は、入力されたパーシャル制御信号データをMMTPパケットに変換し、IP/UDPパケット生成部144に出力する(ステップS104)。ここでMMTPパケット分離部126に入力されるMMTPパケットと区別する場合は、ステップS104において出力されるMMTPパケットをパーシャルMMTPパケットと称する。IP/UDPパケット生成部144は、入力されるパーシャルMMTPパケットに対して、IPヘッダ、UDPヘッダを付加するなどし、UDP/IPパケットを生成し、UDP/IPパケットをTLVパケット生成部145へ出力する(ステップS105)。また、ステップS102BにおいてMMT―SI更新部142から入力されるUDP/IPパケットは、そのまま出力する(ステップS105)。IP/UDPパケット分離部125に入力されるUDP/IPパケットと区別する場合、ステップS105において出力されるUDP/IPパケットをパーシャルUDP/IPパケットと称する。
【0097】
パーシャルUDP/IPパケットは、TLVパケット生成部145に入力され、TLVパケット生成部145は、パーシャルUDP/IPパケットをペイロードとして、必要なTLV-SIやTLVヘッダを付加して、TLVパケットを生成する(ステップS106)。TLVパケット分離部121に入力されるTLVパケットと区別する場合、ステップS106において出力されるTLVパケットをパーシャルTLVパケットと称する。生成されたパーシャルTLVパケットや、ステップS101A、ステップS103で取得したアセットデータやNTPの含まれたTLVパケットはTLVパケット多重部146に入力される。TLVパケット多重部146は、入力されたTLVパケットをパーシャルTLVストリームとして出力する。パーシャルTLVストリームは、インターフェース部162からインターフェース3を介して、例えばDLNA(登録商標)もしくは拡張方式のような通信方式を用いて、パーシャルTLVストリーム信号として出力される(ステップS107)。
【0098】
図10は、同実施形態に係る電子機器におけるパーシャルTLVストリーム処理部の処理動作の一例を示すフローチャートである。
【0099】
テレビ受信装置1から出力されたパーシャルTLVストリーム信号は、電子機器2において、インターフェース部21によって受信される。インターフェース部21は、パーシャルTLVストリーム信号に対して復調などの処理により、パーシャルTLVストリームを得る。得られたパーシャルTLVストリームは、パーシャルTLVストリーム処理部22のTLVパケット分離部221に入力される。(ステップS201)。TLVパケット分離部221は、パーシャルTLVストリームのTLVヘッダに格納されているパケット識別(識別子:packet_type)に基づき、パーシャルTLVストリームをTLV-SIデータと、NTPデータのUDP/IPパケットのストリームと、MMTPパケットを格納したUDP/IPパケットのストリームなどの系統に分ける(ステップS202)。TLV-SIデータは、TLV-SI抽出部222に入力され、TLV-SI抽出部222は、パーシャルTLVストリームの処理に必要なデータを抽出する。なお本実施形態の例では、TLV-SIデータはパーシャルTLVストリームに含まれない。
【0100】
NTPデータのUDP/IPパケットは、NTP抽出処理部223に入力され、NTP抽出処理部223は、NTPデータを抽出する(ステップS203)。また、NTP抽出処理部223は、NTPデータを格納するUDP/IPパケットのIPヘッダからNTPデータの送信元IPアドレスを抽出する(ステップS204)。ステップS203、S204と同時に、MMTPパケットを格納したUDP/IPストリームは、IPパケットヘッダ伸長部224に入力され、フルヘッダのUDP/IPパケットに変換される。変換されたフルヘッダのUDP/IPパケットは、IP/UDPパケット分離部225に入力され、IP/UDPパケット分離部225は、MMTPパケットを抽出し、MMTPパケット分離部226へ出力する(ステップS205)。MMTPパケット分離部226は、入力されたMMTPパケットのうち、NTPデータの送信元IPアドレスに一致するIPアドレスを格納していたIPヘッダが付与されていたMMTPパケットをMMT-SI抽出部227に出力する(ステップS206)。ステップS206によってSIデータ(制御情報データ)専用IPデータフローのUDP/IPパケットが抽出される。より詳細には、運用規定において、NTPデータの送信元IPアドレスとPLTを伝送するSIデータ(制御情報データ)専用IPデータフローのUDP/IPパケットの送信元アドレスは同一であり、その他のIP情報は固定値であることが規定されている。そのためNTPデータの送信元IPアドレスに一致するIPヘッダが付与されていた、packet_idが0x0000のMMTPパケットを抽出することでPLTを抽出することができる。なお、PLTを伝送するSIデータ(制御情報データ)専用のIPデータフローの選択には、上記したNTPデータを格納するUDP/IPパケットのIPヘッダの代わりにAMTを使うこともできる。従って、パーシャルTLVストリーム22は、受信したパーシャルTLVストリームからAMTが検知できない場合に、NTPデータを格納するUDP/IPパケットのIPヘッダを使うようにしてもよい。
【0101】
MMT-SI抽出部227は、入力されたMMTPパケットから、PLTを抽出する(ステップS207)。より詳細には、ステップS206において抽出した所望のSIデータ専用のUDP/IPパケットからパケットIDを用いて、PLTを抽出する。
【0102】
さらにMMT-SI抽出部227は、抽出したPLTに記載されている情報に基づいて、MPTを抽出する(ステップS208)。MMTPパケット分離部226は、抽出されたMPTに基づいて、入力されたMMTPパケットから符号化アセットデータを抽出する(ステップS209)。抽出された符号化アセットデータはコンテンツ出力部24に出力される(ステップS210)。
【0103】
コンテンツ出力部24は、符号化アセットデータをデコードなどし、音声、映像、文字などのコンテンツデータを出力する(ステップS210)。出力されたコンテンツデータは提示部25から、スピーカやモニタから映像、音声、文字などのコンテンツとしてユーザに提示される(ステップS211)。
【0104】
以上の手順により、電子機器2は、テレビ受信装置1が送信したパーシャルTLVストリームを受信し、ユーザは、電子機器2によりコンテンツを視聴できる。本実施形態においては、ソース機器であるテレビ受信装置1は、パーシャルTLVストリームをSI専用IPデータフローの送信元IPアドレスが格納されているAMTを含めずに送信したが、電子機器2は、パーシャルTLVストリームに含まれるNTPが格納されているUDP/IPパケットのIPヘッダ情報からSI専用IPデータフローの送信元IPアドレスを取り出すことによって、パーシャルTLVストリームにて送信されるコンテンツデータを取得することができる。高度広帯域衛星デジタル放送の規格においては、パーシャルTLVストリームにAMTを含めることは必須でない。そのため、パーシャルTLVストリームにAMTがある場合とない場合とが発生する。本実施形態によれば、パーシャルTLVストリーム中のAMTの有無に関わらず、入力対応するパーシャルTLVストリームの受信再生処理では当該サービスの受信再生処理が可能になる。
【0105】
また、パーシャルTLVストリームを受信する電子機器2に、AMTに対応している場合としていない場合が発生する可能性がある。本実施形態によれば、そのような場合においても、AMTに関する機能を実装しない電子機器によってパーシャルTLVストリームの受信が可能とする。
【0106】
また、AMTの送出間隔(10秒)に比べNTPの送出間隔(33msec)が格段に短いことから、それに要する時間が大幅に短縮できる。
【0107】
以下に、上記した実施形態に関連するAMT、PLTについて示す。ARIB STD-B60に基づく。
【0108】
図11Aは、同実施形態に係るAMTのデータ構造を示す図であり、AMTに含まれるデータが行ごとに、ビット数、データ表記とともに示されている。各データの内容は下記のようになる。
・table_id(テーブル識別):テーブル識別拡張の値によりテーブルを識別することを示す0xFEとする。
・section_syntax_indicator(セクションシンタクス指示):拡張形式を示す「1」とする。
・section_length(セクション長):セクション長フィールドの直後からCRC_32を含む最後までのセクションのバイト数を規定する。
・table_id_extension(テーブル識別拡張):アドレスマップテーブルを示す0x0000とする。
・version_number(バージョン番号):テーブルのバージョン番号を書き込む領域とする。テーブル内の情報に変化があった場合に1加算される。その値が31になった場合は、その次は0に戻る。
・current_next_indicator(カレントネクスト指示):「1」の場合はそのテーブルが現在有効であることを示す。「0」の場合は、送られているテーブルはまだ適用されず、次に有効となる予定のテーブルであることを示す。
・section_number(セクション番号):セクションの番号を表す。最初のセクションのセクション番号は0x00である。セクション番号は同一のテーブル識別とテーブル識別拡張を持つセクションの追加ごとに1加算される。
・last_section_number(最終セクション番号):そのセクションが属するテーブルの最後のセクション(すなわち、最大のセクション番号を持つセクション)の番号を規定する。
・num_of_service_id(サービス識別数):このアドレスマップテーブルに記述されるservice_idの数を示す。
・service_id(サービス識別):サービスを識別するためのラベルの役割をする。サービスリスト記述子に記述されるサービス識別と同一の役割を持つ。
・ip_version(IPバージョン):リストに記述するIPパケットのバージョンを示し、表5-3に従って符号化される。
【0109】
図11Bは、同実施形態に係るIPバージョンを示す図である。
【0110】
IPバージョンが0の場合は、IPv4を示し、IPバージョンが1の場合は、IPv6を示す。
・service_loop_length(サービスループ長):このフィールドの直後から、次のサービス識別フィールドの直前までのバイト長を示す。
・src_address_32(送信元IPv4アドレス):サービスを構成するIPv4パケットの送信元IPアドレスを記述する。
・src_address_mask_32(送信元IPv4アドレスマスク):送信元IPv4アドレスに指定するIPアドレスに対し、有効となる先頭(MSB)からのビット数を指定する。32より大きな値を取らない。
・dst_address_32(宛先IPv4アドレス):サービスを構成するIPv4パケットの宛先IPアドレスを記述する。
・dst_address_mask_32(宛先IPv4アドレスマスク):宛先IPv4アドレスに指定するIPアドレスに対し、有効となる先頭(MSB)からのビット数を指定する。32より大きな値を取らない。なお、サービスを構成するマルチキャストグループは、送信元IPv4アドレスマスクにより有効と識別される送信元IPv4アドレス及び宛先IPv4アドレスマスクにより有効と識別される宛先IPv4アドレスの両方のアドレスに合致するマルチキャストグループとする。
・src_address_128(送信元IPv6アドレス):サービスを構成するIPv6パケットの送信元IPアドレスを記述する。
・src_address_mask_128(送信元IPv6アドレスマスク):送信元IPv6アドレスに指定するIPアドレスに対し、有効となる先頭(MSB)からのビット数を指定する。128より大きな値を取らない。
・dst_address_128(宛先IPv6アドレス):サービスを構成するIPv6パケットの宛先IPアドレスを記述する。
・dst_address_mask_128(宛先IPv6アドレスマスク):宛先IPv6アドレスに指定するIPアドレスに対し、有効となる先頭(MSB)からのビット数を指定する。128より大きな値を取らない。なお、サービスを構成するマルチキャストグループは、送信元IPv6アドレスマスクにより有効と識別される送信元IPv6アドレス及び宛先IPv6アドレスマスクにより有効と識別される宛先IPv6アドレスの両方のアドレスに合致するマルチキャストグループとする。
・private_data_byte:個別に定義されたデータを格納する。
CRC_32(CRC):ITU-T勧告H.222.0に従うものとする。
【0111】
図11Cは、同実施形態に係るPLT(パッケージリストテーブル)のデータ構造を示す図であり、PLTに含まれるデータが行ごとに、ビット数、データ表記とともに示されている。PLTは、放送サービスとして提供されるMMTパッケージのPAメッセージを伝送するIPデータフロー及びパケットID並びにIPサービスを伝送するIPデータフローの一覧を示す。PLTに格納する記述子は、規格に規定の記述子とする。
【0112】
PLTに含まれる各データの内容は下記のようになる。
・num_of_package(パッケージ数):本テーブルにロケーション情報を記載するパッケージの数を示す。
・MMT_package_id_length(パッケージID長):パッケージIDバイトの長さをバイト単位で示す。
・MMT_package_id_byte(パッケージIDバイト):パッケージIDを示す。
・MMT_general_location_info(ロケーション情報):パッケージIDで示すパッケージのPAメッセージを伝送するロケーション情報を示す。
・num_of_ip_delivery(IP配信フロー数):本テーブルにロケーション情報を記載するIPサービスの数を示す。
・transport_file_id(トランスポートファイル識別):伝送するファイルを一意に識別するためのラベルを示す。
・location_type(ロケーションタイプ):ロケーション情報の種類を示す。0x01はIPv4データフロー、0x02はIPv6データフロー、0x05はURLを示す。
・ipv4_src_addr(送信元IPv4アドレス):IPv4データフローの送信元アドレスを示す。
・ipv4_dst_addr(宛先IPv4アドレス):IPv4データフローの宛先アドレスを示す。
・dst_port(宛先ポート番号):IPデータフローの宛先ポート番号を示す。
・ipv6_src_addr(送信元IPv6アドレス):IPv6データフローの送信元アドレスを示す。
・ipv6_dst_addr(宛先IPv6アドレス):IPv6データフローの宛先アドレスを示す。
・URL_length(URL長):ロケーション情報をURLで示す場合のURLのバイト長を示す。
・URL_byte(URLバイト):IPサービスのURLを示す。
・descriptor_loop_length(記述子長):後続の記述子の全バイト長を示す。
・descriptor(記述子領域):IPサービスの詳細な情報を示す記述子のための領域とする。
【0113】
図11Dは、同実施形態に係るPLTとMPTの参照関係を示す図である。
【0114】
パケットIDが0x0000のMMTPパケットは、PAメッセージを伝送することを示す(図11Dの左側に示すPAメッセージ)。複数のパッケージを多重する場合、このPAメッセージにパッケージリストテーブル(PLT)が含まれる。パッケージリストテーブルは、他のパッケージのMPTを含むPAメッセージを伝送するMMTPパケットのパケットIDのリストを与える。そのため、パッケージリストテーブルを解析することで、パッケージIDから、そのサービスのエントリーポイントとなるMPTを含むPAメッセージを伝送するMMTPパケットを特定することができる。
【0115】
以上述べた実施形態によれば、パーシャルTLVストリームの送受信を簡易にする送受信方法、送受信装置を提供する。
【0116】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。さらにまた、請求項の各構成要素において、構成要素を分割して表現した場合、或いは複数を合わせて表現した場合、或いはこれらを組み合わせて表現した場合であっても本発明の範疇である。また、複数の実施形態を組み合わせてもよく、この組み合わせで構成される実施例も発明の範疇である。
【0117】
また、図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べて、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合がある。ブロック図においては、結線されていないブロック間もしくは、結線されていても矢印が示されていない方向に対してもデータや信号のやり取りを行う場合もある。ブロック図に示される各機能や、フローチャート、シーケンスチャートに示す処理は、ハードウェア(ICチップなど)もしくはソフトウェア(プログラムなど)もしくはハードウェアとソフトウェアの組み合わせによって実現してもよい。また請求項を制御ロジックとして表現した場合、コンピュータを実行させるインストラクションを含むプログラムとして表現した場合、及び前記インストラクションを記載したコンピュータ読み取り可能な記録媒体として表現した場合でも本発明の装置を適用したものである。また、使用している名称や用語についても限定されるものではなく、他の表現であっても実質的に同一内容、同趣旨であれば、本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0118】
1…テレビ受信装置、2A…電子機器、3A…インターフェース、11…TLVストリーム抽出部、12…TLV/MMT分離処理部、13…コンテンツ出力部、14…パーシャルTLVストリーム生成部、15…提示部、16…周辺機能、17…システムバス、18…リモコン、21…インターフェース部、22…パーシャルTLVストリーム処理部、23…デコード処理部、24…コンテンツ出力部、25…提示部、26…制御部、120…TLVストリーム選択処理部、121…TLVパケット分離部、122…TLV-SI抽出部、123…NTP抽出処理部、124…IP/UDPパケットヘッダ伸長部、125…IP/UDPパケット分離部、126…MMTPパケット分離部、127…MMT-SI抽出部、128…サービス/アセット選択制御部、141…MMT-SI生成部、142…MMT-SI更新部、143…MMTPパケット生成部、144…IP/UDPパケット生成部、145…TLVパケット生成部、146…TLVパケット多重部、147…TLV-SI生成部、221…TLVパケット分離部、222…TLV-SI抽出部、223…NTP抽出処理部、224…IP/UDPパケットヘッダ伸長部、225…IP/UDPパケット分離部、226…MMTPパケット分離部、227…MMT-SI抽出部。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11A
図11B
図11C
図11D