(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-20
(45)【発行日】2024-10-01
(54)【発明の名称】在庫管理サーバ及び在庫管理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/087 20230101AFI20240924BHJP
【FI】
G06Q10/087
(21)【出願番号】P 2020141064
(22)【出願日】2020-08-24
【審査請求日】2023-05-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 克典
【審査官】阿部 潤
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-77160(JP,A)
【文献】特開2019-191757(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
店舗に設けられた情報処理装置から商品の在庫移動を依頼する依頼情報を受信する依頼受信手段と、
複数の前記店舗に設けられた前記情報処理装置に対して前記在庫移動の可否を問う通知を送信する通知送信手段と、
前記通知に対する応答情報を前記情報処理装置から受信する応答受信手段と、
前記応答受信手段が、前記商品の在庫移動が可能である旨の情報を含む応答情報を受信した場合、前記依頼情報を送信した前記情報処理装置が設けられた前記店舗と前記応答情報を送信した前記情報処理装置が設けられた前記店舗との間で前記商品の在庫移動を行うための発送伝票を印字するための印字情報を生成する生成手段と、
前記生成手段が生成した前記印字情報を前記商品の発送元となる前記店舗に設けられた前記情報処理装置に送信する印字情報送信手段と、
前記依頼情報に含まれる在庫移動に係る前記商品の個数または前記応答情報に含まれる在庫移動に係る前記商品の個数に基づき、前記商品の発送方法を決定する決定手段と、
を備え、
前記依頼情報または前記応答情報は、前記商品の発送方法に関する情報を含む、
在庫管理サーバ。
【請求項2】
店舗に設けられた情報処理装置から商品の在庫移動を依頼する依頼情報を受信する依頼受信手段と、
複数の前記店舗に設けられた前記情報処理装置に対して前記在庫移動の可否を問う通知を送信する通知送信手段と、
前記通知に対する応答情報を前記情報処理装置から受信する応答受信手段と、
前記応答受信手段が、前記商品の在庫移動が可能である旨の情報を含む応答情報を受信した場合、前記依頼情報を送信した前記情報処理装置が設けられた前記店舗と前記応答情報を送信した前記情報処理装置が設けられた前記店舗との間で前記商品の在庫移動を行うための発送伝票を印字するための印字情報を生成する生成手段と、
前記生成手段が生成した前記印字情報を前記商品の発送元となる前記店舗に設けられた前記情報処理装置に送信する印字情報送信手段と、
を備え、
前記依頼情報または前記応答情報は、前記商品の発送方法に関する情報を含み、
前記通知送信手段は、前記応答情報に含まれる在庫移動に係る前記商品の個数が、前記依頼情報に含まれる在庫移動に係る前記商品の個数未満のとき、前記依頼情報に含まれる在庫移動に係る前記商品の個数から前記応答情報に含まれる在庫移動に係る前記商品の個数を減算した前記商品の個数を含む前記通知を再送信する、
在庫管理サーバ。
【請求項3】
店舗に設けられた情報処理装置から商品の在庫移動を依頼する依頼情報を受信する依頼受信手段と、
複数の前記店舗に設けられた前記情報処理装置に対して前記在庫移動の可否を問う通知を送信する通知送信手段と、
前記通知に対する応答情報を前記情報処理装置から受信する応答受信手段と、
前記応答受信手段が、前記商品の在庫移動が可能である旨の情報を含む応答情報を受信した場合、前記依頼情報を送信した前記情報処理装置が設けられた前記店舗と前記応答情報を送信した前記情報処理装置が設けられた前記店舗との間で前記商品の在庫移動を行うための発送伝票を印字するための印字情報を生成する生成手段と、
前記生成手段が生成した前記印字情報を前記商品の発送元となる前記店舗に設けられた前記情報処理装置に送信する印字情報送信手段と、
前記商品の在庫移動に関する地理的制限を示す制限情報と、店舗の所在地に関する情報を示す所在地情報とに基づき、前記商品の在庫移動に関する地理的制限により前記商品の在庫移動が不可の前記店舗を前記商品の在庫移動の対象から除外する除外手段と、
を備え、
前記依頼情報または前記応答情報は、前記商品の発送方法に関する情報を含む、
在庫管理サーバ。
【請求項4】
在庫管理サーバによる在庫管理方法であって、
店舗に設けられた情報処理装置から商品の在庫移動を依頼する依頼情報を受信し、
複数の前記店舗に設けられた前記情報処理装置に対して前記在庫移動の可否を問う通知を送信し、
前記通知に対する応答情報を前記情報処理装置から受信し、
前記商品の在庫移動が可能である旨の情報を含む応答情報を受信した場合、前記依頼情報を送信した前記情報処理装置が設けられた前記店舗と前記応答情報を送信した前記情報処理装置が設けられた前記店舗との間で前記商品の在庫移動を行うための発送伝票を印字するための印字情報を生成し、
生成した前記印字情報を前記商品の発送元となる前記店舗に設けられた前記情報処理装置に送信し、
前記依頼情報に含まれる在庫移動に係る前記商品の個数または前記応答情報に含まれる在庫移動に係る前記商品の個数に基づき、前記商品の発送方法を決定し、
前記依頼情報または前記応答情報は、前記商品の発送方法に関する情報を含む、
在庫管理方法。
【請求項5】
在庫管理サーバによる在庫管理方法であって、
店舗に設けられた情報処理装置から商品の在庫移動を依頼する依頼情報を受信する依頼受信し、
複数の前記店舗に設けられた前記情報処理装置に対して前記在庫移動の可否を問う通知を送信し、
前記通知に対する応答情報を前記情報処理装置から受信し、
前記商品の在庫移動が可能である旨の情報を含む応答情報を受信した場合、前記依頼情報を送信した前記情報処理装置が設けられた前記店舗と前記応答情報を送信した前記情報処理装置が設けられた前記店舗との間で前記商品の在庫移動を行うための発送伝票を印字するための印字情報を生成し、
生成した前記印字情報を前記商品の発送元となる前記店舗に設けられた前記情報処理装置に送信し、
前記応答情報に含まれる在庫移動に係る前記商品の個数が、前記依頼情報に含まれる在庫移動に係る前記商品の個数未満のとき、前記依頼情報に含まれる在庫移動に係る前記商品の個数から前記応答情報に含まれる在庫移動に係る前記商品の個数を減算した前記商品の個数を含む前記通知を再送信し、
前記依頼情報または前記応答情報は、前記商品の発送方法に関する情報を含む、
在庫管理方法。
【請求項6】
在庫管理サーバによる在庫管理方法であって、
店舗に設けられた情報処理装置から商品の在庫移動を依頼する依頼情報を受信し、
複数の前記店舗に設けられた前記情報処理装置に対して前記在庫移動の可否を問う通知を送信し、
前記通知に対する応答情報を前記情報処理装置から受信し、
前記商品の在庫移動が可能である旨の情報を含む応答情報を受信した場合、前記依頼情報を送信した前記情報処理装置が設けられた前記店舗と前記応答情報を送信した前記情報処理装置が設けられた前記店舗との間で前記商品の在庫移動を行うための発送伝票を印字するための印字情報を生成し、
生成した前記印字情報を前記商品の発送元となる前記店舗に設けられた前記情報処理装置に送信し、
前記商品の在庫移動に関する地理的制限を示す制限情報と、店舗の所在地に関する情報を示す所在地情報とに基づき、前記商品の在庫移動に関する地理的制限により前記商品の在庫移動が不可の前記店舗を前記商品の在庫移動の対象から除外し、
前記依頼情報または前記応答情報は、前記商品の発送方法に関する情報を含む、
在庫管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、在庫管理サーバ及び在庫管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
店舗のオーナは、店舗において商品等の余剰在庫が発生した場合、別の店舗に当該商品等を引き取ってもらうことがある。他店舗に商品を引取ってもらう方法として、従来、店舗から登録された商品在庫等の商品情報をコンピュータネットワーク上で管理し、店舗間で在庫商品の売買やトレ-ドを行うことが可能な技術が提案されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の技術では、例えば、店舗間での在庫商品の発送方法をどうするか(元払いか着払いか等)等を確認することはできず、別途、交渉や確認が必要になる等利便性の面で改善の余地がある。
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、店舗間で在庫移動を簡単に行うことができる在庫管理サーバ及び在庫管理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の在庫管理サーバは、店舗に設けられた情報処理装置から商品の在庫移動を依頼する依頼情報を受信する依頼受信手段と、複数の前記店舗に設けられた前記情報処理装置に対して前記在庫移動の可否を問う通知を送信する通知送信手段と、前記通知に対する応答情報を前記情報処理装置から受信する応答受信手段と、前記応答受信手段が、前記商品の在庫移動が可能である旨の情報を含む応答情報を受信した場合、前記依頼情報を送信した前記情報処理装置が設けられた前記店舗と前記応答情報を送信した前記情報処理装置が設けられた前記店舗との間で前記商品の在庫移動を行うための発送伝票を印字するための印字情報を生成する生成手段と、前記生成手段が生成した前記印字情報を前記商品の発送元となる前記店舗に設けられた前記情報処理装置に送信する印字情報送信手段と、前記依頼情報に含まれる在庫移動に係る前記商品の個数または前記応答情報に含まれる在庫移動に係る前記商品の個数に基づき、前記商品の発送方法を決定する決定手段と、を備え、前記依頼情報または前記応答情報は、前記商品の発送方法に関する情報を含む。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、本実施形態に係る在庫管理システムの一例を示す説明図である。
【
図2】
図2は、管理サーバのハードウェアの構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、店舗マスタのデータ構成の一例を示す説明図である。
【
図4】
図4は、依頼テーブルのデータ構成の一例を示す説明図である。
【
図5】
図5は、POS端末のハードウェアの構成の一例を示すブロック図である。
【
図6】
図6は、在庫管理システムが有する各装置の特徴的な機能構成を示すブロック図である。
【
図7】
図7は、依頼入力画面の一例を示す説明図である。
【
図8】
図8は、引取入力画面の一例を示す説明図である。
【
図9】
図9は、発送伝票の一例を示す説明図である。
【
図10】
図10は、本実施形態に係る在庫管理システムの各装置が実行する処理の一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、添付図面を参照して、在庫管理システムの実施形態を詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、在庫管理システムの一実施形態であって、その構成や仕様等を限定するものではない。
【0008】
図1は、本実施形態に係る在庫管理システム1の一例を示す説明図である。在庫管理システム1は、管理サーバ10と、POS(Point Of Sales)端末20と備える。そして、管理サーバ10と、POS端末20は、ネットワーク40を介して通信可能に接続されている。なお、
図1に示す各装置の台数は一例であって任意に変更してもよい。
【0009】
管理サーバ10は、パーソナルコンピュータや、クラウドコンピューティング等のサーバ装置である。また、管理サーバ10は、一台のサーバ装置に限らず、複数台のサーバ装置により構成されていてもよい。
【0010】
管理サーバ10は、各店舗が有する商品の在庫を管理する。更に詳しくは、管理サーバ10は、各店舗が有している商品の在庫数を管理する。また、ある店舗で余剰となった商品を、他の店舗に引取ってもらう場合等に、管理サーバ10は、店舗間における在庫移動を管理する。
【0011】
POS端末20は、販売対象の商品の登録や会計処理を実行する販売データ処理装置である。また、POS端末20は、店舗間における商品の在庫移動に関する入力に使用される。なお、POS端末20は、店舗の商品の在庫を管理する店舗サーバ等のサーバ装置や、パーソナルコンピュータであってもよい。
【0012】
なお、夫々のPOS端末20は、夫々経営資本(オーナ)が異なる店舗に設置されていてもよいし、夫々経営資本が同じ店舗に設置されていてもよい。また、在庫管理システム1には、経営資本が異なる店舗に設置されるPOS端末20と経営資本が同じ店舗に設置されるPOS端末20が混在していてもよい。したがって、本実施形態に係る在庫管理システム1は、経営資本が異なる店舗間での在庫移動を行うことも可能である。
【0013】
POS端末20は、「情報処理装置」の一例である。また、商品の引取を依頼する依頼元の店舗で使用される場合、POS端末20は、「第1の情報処理装置」の一例である。また、商品を引取る場合に、POS端末20は、「第2の情報処理装置」の一例である。
【0014】
このような在庫管理システム1において、店舗の管理者は、商品の在庫が余剰となった場合に、POS端末20に他店舗に引取って欲しい商品の情報を入力する。POS端末20は、商品の引取を依頼する依頼情報(「商品の在庫移動を依頼する依頼情報」の一例)を管理サーバ10に送信する。依頼情報には、例えば、他店舗に引取って欲しい商品の商品コード、他店舗に引取って欲しい商品の個数(余剰数)等の情報が含まれる。
【0015】
管理サーバ10は、依頼情報の商品の引取の対象となる対象店舗を選定する。管理サーバ10は、選定した店舗のPOS端末20に対して、商品を引取ることが可能か否かを問い合わせる引取照会通知(「在庫移動の可否を問う通知」の一例)を送信する。
【0016】
引取照会通知を受信したPOS端末20は、管理サーバ10に対して、引取照会通知に対する応答情報を送信する。応答情報には、例えば、商品の引取が可能であるか否か、商品の引取が可能な場合は、引取可能な商品の個数(引取数)等の情報が含まれる。
【0017】
管理サーバ10は、商品の引取が可能である旨の情報を含む応答情報を受信した場合、当該応答情報を送信したPOS端末20が設けられた店舗について、余剰数と引取数とに基づき、商品の引取が可能か否かを判断する。管理サーバ10は、商品の引取が可能だと判断した場合、応答情報を送信したPOS端末20に対して、引取成立通知を送信する。
【0018】
また、管理サーバ10は、商品の引取が可能だと判断した場合、商品の引取を依頼する依頼元の店舗に設けられたPOS端末20に対して、商品の発送伝票を印字するための印字情報を送信する。商品の引取を依頼する依頼元の店舗に設けられたPOS端末20は、印字情報を受信すると、印字情報に基づいて商品の発送伝票を後述するプリンタ270等を用いて印字する。
【0019】
さらに、管理サーバ10は、商品の引取が可能だと判断した場合、商品の引取依頼に関する情報を更新する。
【0020】
次に、在庫管理システム1が備える各種装置のハードウェア構成について説明する。
【0021】
図2は、管理サーバ10のハードウェアの構成の一例を示すブロック図である。管理サーバ10は、制御部100と、記憶部110と、通信部120と、表示部130と、操作部140とを備える。これら各部は、データバスやアドレスバス等のシステムバス150を介して相互に接続している。
【0022】
制御部100は、管理サーバ10の全体の動作を制御し、管理サーバ10が有する各種の機能を実現するコンピュータである。制御部100は、CPU(Central Processing Unit)101と、ROM(Read Only Memory)102と、RAM(Random Access Memory)103とを備える。
【0023】
CPU101は、管理サーバ10の動作を統括的に制御する。ROM102は、各種プログラムやデータを記憶する記憶媒体である。RAM103は、各種プログラムや各種データを一時的に記憶する記憶媒体である。そして、CPU101は、RAM103をワークエリア(作業領域)としてROM102又は記憶部110等に格納されたプログラムを実行する。
【0024】
記憶部110は、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)などの記憶装置である。記憶部110は、制御プログラム111、店舗マスタ112を記憶する。店舗マスタ112は、管理サーバ10に限らず、他の装置に記憶されていてもよい。また、店舗マスタ112は、一台の装置に限らず、複数の装置に分散して記憶されていてもよい。
【0025】
制御プログラム111は、オペレーティングシステムや、管理サーバ10が備えている機能を発揮させるためのプログラムである。制御プログラム111には、本実施形態に係る特徴的な機能を発揮させるプログラムが含まれる。
【0026】
店舗マスタ112は、各店舗の商品の在庫数を有する情報マスタである。
図3は、店舗マスタ112のデータ構成の一例を示す説明図である。店舗マスタ112には、店舗コードと、電話番号と、所在地情報と、オーナ情報と、複数の在庫情報とが関連付けられている。
【0027】
店舗コードは、店舗を識別するための識別情報である。電話番号は、店舗の電話番号である。所在地情報は、店舗の所在地に関する情報を示す情報である。本実施形態において、所在地情報は、店舗の住所を示す情報であるが、所在地情報は、店舗の座標等の位置を示す情報等であってもよい。オーナ情報は、店舗の経営者を示す情報である。オーナ情報は、例えばオーナを識別するオーナコード、オーナの名称(氏名)等により構成される。
【0028】
在庫情報は、商品ごとの在庫を示す情報である。在庫情報には、商品コードと、商品名称と、商品性質と、在庫数と、制限情報とが関連付けられている。商品コードは、商品を識別するための識別情報である。商品名称は、商品の名称である。商品性質は、商品の性質である。商品性質は、例えば商品が服の場合には色や、サイズ等である。在庫数は、店舗が有している商品の個数である。
【0029】
制限情報は、商品の在庫移動に関する地理的制限を示す情報である。制限情報は、例えば、「S県限定販売」といった、販売可能地域が限定されていることを示す情報である。なお、本実施形態では、制限情報は、商品の在庫移動に関する地理的制限を示す情報であるものとして説明するが、これに限定されない。
【0030】
例えば、制限情報は、「○○グループ限定販売」といった、商品の在庫移動に関する資本的関係による制限を示す情報であっても構わない。この場合、店舗マスタ112には、資本的関係に関する情報(例えば、〇〇グループ所属等)が含まれるものとする。
【0031】
選定条件113は、商品の引取先の候補となる店舗を選定するための条件を示す情報である。選定条件113は、例えば、「半径10キロ以内に存在する店舗」、「同一市内に存在する店舗」、「同一県内に存在する店舗」等といった条件を示す情報である。
【0032】
依頼テーブル114は、商品の引取依頼についての情報が記録された情報テーブルである。なお、依頼テーブル114は、POS端末20から受信した依頼情報に含まれる情報を全て含むため、「依頼情報」の一例であると言うこともできる。
【0033】
図4は、依頼テーブル114のデータ構成の一例を示す説明図である。依頼テーブル114には、依頼コード、状態情報、店舗コード、所在地情報、オーナ情報、及び商品情報が関連付けられている。依頼テーブル114の情報は、リアルタイムで更新される。
【0034】
依頼コードは、商品の引取依頼を識別するための識別情報である。依頼コードは、商品の引取依頼ごとに付される重複しない情報である。なお、依頼コードは、文字列であっても、記号であっても、数字であっても、これらの組み合わせであっても構わない。
【0035】
状態情報は、商品の引取依頼の進捗状態(継続中か完了しているか等)を示す情報である。店舗コード、所在地情報、オーナ情報については、店舗マスタ112で説明したため、説明を省略する。
【0036】
商品情報は、他店舗に引取ってもらいたい商品に関する情報である。商品情報には、商品コードと、商品名称と、商品性質と、余剰数と、引取金額と、制限情報とが関連付けられている。商品コード、商品名称、商品性質、制限情報については、店舗マスタ112で説明したため、説明を省略する。
【0037】
余剰数は、他店舗に引取ってもらいたい商品の個数である。余剰数は、引取が成立する度に更新される。また、余剰数が0になると、状態情報は、「継続中」から「完了」に更新される。引取金額は、商品を1個引取るために必要な金額を示す情報である。なお、引取金額は、依頼元の店舗のPOS端末20の操作者が決定する。
【0038】
図2に戻って説明を続ける。通信部120は、ネットワーク40を介して、他の装置と通信するためのインタフェースである。例えば、通信部120は、有線又は無線によりネットワーク40に接続するネットワークカードである。
【0039】
表示部130は、液晶ディスプレイ同や有機EL(Electro Luminescent)ディスプレイ等の表示装置である。操作部140は、キーボードやマウス等の入力装置である。
【0040】
次に、在庫管理システム1が有する各装置のハードウェア構成について説明する。
【0041】
図5は、POS端末20のハードウェアの構成の一例を示すブロック図である。POS端末20は、制御部200と、記憶部210と、通信部220と、表示部230と、操作部240と、スキャナ250と、カードリーダライタ260と、プリンタ270と、入出金部280とを備える。これら各部は、データバスやアドレスバス等のシステムバス290を介して相互に接続している。
【0042】
制御部200は、POS端末20の全体の動作を制御し、POS端末20が有する各種の機能を実現するコンピュータである。制御部200は、CPU201と、ROM202と、RAM203とを備える。
【0043】
CPU201は、POS端末20の動作を統括的に制御する。ROM202は、各種プログラムやデータを記憶する記憶媒体である。RAM203は、各種プログラムや各種データを一時的に記憶する記憶媒体である。そして、CPU201は、RAM203をワークエリア(作業領域)としてROM202又は記憶部210等に格納されたプログラムを実行する。
【0044】
記憶部210は、HDDやSSDなどの記憶装置である。記憶部210は、制御プログラム211を記憶する。制御プログラム211は、オペレーティングシステムや、POS端末20が備えている機能を発揮させるためのプログラムである。制御プログラム211には、本実施形態に係る特徴的な機能を発揮させるプログラムが含まれる。
【0045】
通信部220は、ネットワーク40を介して、他の装置と通信するためのインタフェースである。例えば、通信部220は、有線又は無線によりネットワーク40に接続するネットワークカードである。
【0046】
表示部230は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等の表示装置である。操作部240は、キーボードやマウス等の入力装置である。
【0047】
スキャナ250は、バーコードや2次元コード等の画像情報を読み取る。スキャナ250は、レーザ光の反射によりバーコードや2次元コード等の画像情報を読み取る読取装置であってもよいし、CMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)やCCD(Charge Coupled Device)等の撮像素子が撮像した画像からバーコードや2次元コード等の画像情報を読み取る読取装置であってもよい。
【0048】
カードリーダライタ260は、クレジットカード等のカードに対して、情報の読み取り及び書き込みを実行する。
【0049】
プリンタ270は、一取引における品目や金額等が示されたレシートを印字する印字装置である。また、プリンタ270は、発送伝票等を印字する。
【0050】
入出金部280は、投入口に投入された金銭の収納や、排出口への金銭の排出を実行する。
【0051】
次に、在庫管理システム1が有する各装置の特徴的な機能について説明する。ここで、
図6は、在庫管理システム1が有する各装置の特徴的な機能構成を示すブロック図である。
【0052】
まず、POS端末20の機能について説明する。POS端末20の制御部200は、記憶部210に記憶された制御プログラム211をRAM203に展開し、制御プログラム211に従って動作することで、各機能部をRAM203に生成する。
【0053】
具体的には、制御部200は、機能部として、通信制御部2001、表示制御部2002、操作制御部2003、依頼制御部2004、引取制御部2005、及び印字制御部2006を備える。
【0054】
通信制御部2001は、通信部220を制御して、管理サーバ10との通信を実行する。通信制御部2001は、店舗が商品の引取を依頼する場合と、商品の引取の依頼を受けた場合とで異なる情報を送受信する。
【0055】
商品の引取を依頼する場合、通信制御部2001は、商品の引取を依頼する依頼情報を送信する。また、通信制御部2001は、他の店舗との間で引取が成立した場合、引取成立通知を受信する。また、通信制御部2001は、商品の発送伝票を印字するための情報である印字情報受信する。また、通信制御部2001は、引取依頼が完了した場合、引取完了通知を受信する。
【0056】
商品の引取の依頼を受けた場合、通信制御部2001は、引取照会通知を受信する。また、通信制御部2001は、応答情報を送信する。また、通信制御部2001は、依頼元の店舗との間で商品の引取が成立した場合、引取成立通知を受信する。
【0057】
表示制御部2002は、表示部230を制御して、各種画面を表示させる。商品の引取を依頼する場合には、表示制御部2002は、余剰在庫が発生した商品の引取を依頼する依頼入力画面300を表示させる。
【0058】
図7は、商品の引取を依頼する依頼入力画面300の一例を示す図である。依頼入力画面300は、商品情報欄301、入力ボタン302、余剰数入力欄303、引取金額入力欄304、及び依頼ボタン305を備える。商品情報欄301は、引取を希望する商品に関する情報を表示する。また、商品情報欄301は、商品コード入力欄3011を備える。
【0059】
商品コード入力欄3011は、店舗のオーナ等のPOS端末20の操作者から、商品コードの入力を受付ける。これにより、引取を希望する商品が特定され、商品名称等の情報が商品情報欄301に表示される。なお、商品コードの入力は、スキャナ250に商品に付されたバーコードや2次元コード等の画像情報を読み取らせることで行ってもよい。
【0060】
この例では、商品情報欄301には、商品名称の他、評価原価、売価金額、在庫数、最終売上日、制限情報が表示されている。なお、制限情報の「S県」は、S県のみで販売可能な商品であることを示している。言い換えると、制限情報の「S県」は、S県限定販売の商品であることを示している。
【0061】
入力ボタン302は、数値を入力するためのボタンである。余剰数入力欄303は、引取って欲しい個数の入力を受付ける。引取金額入力欄304は、商品1個あたりの引取希望価格の入力を受付ける。依頼ボタン305は、依頼を確定するためのボタンである。操作者により依頼ボタン305が押されると、通信制御部2001は、商品の引取を依頼する依頼情報を管理サーバ10に送信する。依頼情報については後述する。
【0062】
また、商品の引取の依頼を受けた場合、表示制御部2002は、商品を引取るか否かを入力する引取入力画面400を表示させる。
【0063】
図8は、商品を引取るか否かを入力する引取入力画面400の一例である。引取入力画面400は、商品情報欄401、入力ボタン402、引取情報欄403、引取数入力欄404、引取ボタン405、及び不可ボタン406を備える。
【0064】
商品情報欄401は、引取が依頼されている商品に関する情報を表示する。管理サーバ10から受信した引取照会通知に含まれる商品コードにより引取が依頼されている商品が特定され、商品名称等の情報が商品情報欄401に表示される。この例では、依頼入力画面300の商品情報欄301と同様に、商品情報欄401には、商品名称の他、評価原価、売価金額、在庫数、最終売上日、制限情報が表示されている。
【0065】
入力ボタン402は、数値を入力するためのボタンである。引取情報欄403は、商品の引取に関する情報を表示する。具体的には、引取情報欄403は、引取可能数、引取金額、発送方法を表示する。
【0066】
引取可能数は、例えば引取可能な商品の最大数を示す情報である。引取可能数は、管理サーバ10に記憶された依頼テーブル114に含まれる商品の余剰数と同数である。なお、依頼テーブル114の余剰数が更新されると、引取可能数もリアルタイムで更新される。
【0067】
引取金額は、引取が依頼されている商品を1個引取るために必要な金額である。引取金額は、依頼テーブル114に含まれる取引金額である。発送方法は、引取る商品の発送方法が元払いであるか着払いであるかを示す情報である。発送方法は、引取数入力欄404に入力された引取数に応じて変化する。発送方法の決定は、後述する管理サーバ10の決定部1004が行う。
【0068】
引取数入力欄404は、引取可能な数の入力を受付ける。通信制御部2001は、引取数入力欄404に入力された数値(以下、仮の応答情報と言う場合がある)を管理サーバ10に送信する。なお、仮の応答情報の送信は、引取ボタン405が押される前であっても行われる。管理サーバ10の決定部1004により発送方法の決定が行われるため、引取情報欄403の発送方法の表示は、引取数の入力に応じてリアルタイムに変化する。
【0069】
引取ボタン405は、商品の引取を確定するためのボタンである。操作者により引取ボタン405が押されると、通信制御部2001は、応答情報を送信する。応答情報については後述する。不可ボタン406は、引取が不可能であると応答するためのボタンである。操作者により不可ボタン406が押された場合も、引取ボタン405が押された場合と同様に通信制御部2001は、応答情報を送信する。
【0070】
操作制御部2003は、操作部240を制御して、各種操作を受け付ける。
【0071】
依頼制御部2004は、余剰在庫が発生した商品の引取依頼を制御する。更に詳しくは、依頼制御部2004は、依頼入力画面300において、引取って欲しい商品を特定するための商品コード、余剰数、引取金額が入力され、依頼ボタン305が押された場合に、依頼情報を生成する。
【0072】
依頼情報には、自装置が設置されている店舗を示す店舗コード、商品コード、余剰数、引取金額等が含まれている。そして、依頼制御部2004は、依頼情報を通信制御部2001に送信させる。
【0073】
引取制御部2005は、他の店舗から商品の引取を依頼された場合に、商品の引取を制御する。引取制御部2005は、通信制御部2001が引取照会通知を受信した場合に、引取入力画面400を介し、引取照会通知の商品を引取ることが可能か否か、可能な場合はいくつ引取可能かの入力を求める。そして、引取制御部2005は、入力された情報を基に応答情報を生成する。
【0074】
応答情報には、応答情報を送信する店舗の店舗コード、依頼コード、商品の引取が可能か否かの情報が含まれており、引取が可能である場合には、引取数、発送方法等の情報も含まれている。そして、引取制御部2005は、応答情報を通信制御部2001に送信させる。
【0075】
印字制御部2006は、プリンタ270を制御して、依頼情報を送信したPOS端末20が設けられた店舗と応答情報を送信したPOS端末20が設けられた店舗との間で商品の在庫移動を行うための発送伝票(
図9参照)を印字する。具体的には、通信制御部2001が管理サーバ10から受信した印字情報に基づき、発送伝票500を印字する。
【0076】
図9は、発送伝票500の一例を示す説明図である。発送伝票500は、届先情報欄501、発送元情報欄502、説明欄503、バーコード印字欄504、伝票番号欄505、発送方法欄506を備える。
【0077】
届先情報欄501は、商品の引取先の店舗及びオーナを示す情報が印字される。届先情報欄501は、郵便番号欄、電話番号欄、住所欄、氏名欄を備える。
【0078】
郵便番号欄には、店舗マスタ112において、商品の引取先の店舗の店舗コードに関連付けられた所在地情報から特定した郵便番号が印字される。電話番号欄には、店舗コードと関連付けられた電話番号が印字される。住所欄には、店舗コードと関連付けられた所在地情報が印字される。氏名欄には、店舗コードと関連付けられたオーナ情報のオーナの名称が印字される。
【0079】
発送元情報欄502は、商品の引取依頼の依頼元の店舗及びオーナを示す情報が印字される。発送元情報欄502は、郵便番号欄、電話番号欄、住所欄、氏名欄を備える。これらには、届先情報欄501と同様に、店舗マスタ112において、商品の引取依頼の依頼元の店舗コードに関連付けられた情報が印字される。
【0080】
説明欄503は、引取ってもらう商品の名称や個数等を示す情報が印字される。説明欄503には、依頼情報に含まれる商品コードから特定される商品名称、応答情報に含まれる引取数等が印字される。
【0081】
バーコード印字欄504は、商品の発送を識別する情報を示す伝票番号を符号化した画像情報が印字される。伝票番号欄505は、商品の発送を識別する情報が印字される。発送方法欄506は、発送方法が元払いであるか着払いであるかを示す情報が印字される。発送方法欄506には、応答情報に含まれる発送方法に関する情報(例えば、元払いまたは着払い)が印字される。
【0082】
次に、管理サーバ10の機能について説明する。管理サーバ10の制御部100は、記憶部110に記憶された制御プログラム111をRAM103に展開し、制御プログラム111に従って動作することで、各機能部をRAM103に生成する。具体的には、制御部100は、機能部として、通信制御部1001、選定部1002、除外部1003、決定部1004、判断部1005、生成部1006、及び更新部1007を備える。
【0083】
通信制御部1001は、通信部120を制御して、店舗に設けられたPOS端末20との通信を実行する。例えば、通信制御部1001は、POS端末20からから商品の在庫移動を依頼する依頼情報を受信する。
【0084】
具体的には、通信制御部1001は、余剰在庫が発生した商品の引取を依頼する依頼情報を受信する。なお、管理サーバ10は、受信した依頼情報から、依頼元の店舗の情報(店舗コード、所在地情報、オーナ情報)及び引取を依頼された商品の情報(商品コード、商品名称、商品性質、制限情報)を特定する。
【0085】
そして、管理サーバ10は、特定した情報を、依頼情報を受信する度に自動的に生成される依頼コード及び状態情報(「継続中」)と関連付けて記憶部110の依頼テーブル114に記憶する。
【0086】
また、通信制御部1001は、複数の店舗に設けられたPOS端末20に対して在庫移動の可否を問う通知を送信する。具体的には、通信制御部1001は、商品の引取先の候補となる店舗のPOS端末20に対して、引取照会通知を送信する。引取照会通知には、依頼コード、商品コード、余剰数、引取金額等が含まれている。
【0087】
また、通信制御部1001は、POS端末20から応答情報を受信する。また、通信制御部1001は、商品の引取依頼が成立した場合に、引取成立通知を依頼元のPOS端末20及び引取先のPOS端末20に送信する。
【0088】
また、通信制御部1001は、依頼情報の商品の余剰数が0になった場合に、商品の引取依頼が完了したことを示す依頼完了通知を、依頼元の店舗のPOS端末20に送信する。また、通信制御部1001は、生成部1006が生成した印字情報を商品の発送元となる店舗に設けられたPOS端末20に送信する。
【0089】
選定部1002は、依頼情報を送信したPOS端末20が設けられた店舗の所在地と、当該店舗以外の他の店舗の所在地に基づいて、商品の在庫移動の対象の候補となる対象店舗を選定する。具体的には、選定部1002は、依頼情報を送信したPOS端末20が設けられた店舗の所在地情報と選定条件113とに基づいて、商品の引取先の候補となる対象店舗を選定する。
【0090】
より具体的には、例えば、選定条件113に「半径10キロ以内に存在する店舗」という条件が設定されていた場合、選定部1002は、まず、店舗マスタ112を参照し、依頼情報に含まれる店舗コードで特定される店舗の所在地情報を特定する。
【0091】
そして、選定部1002は、店舗マスタ112の所在地情報を基に、特定した依頼元の店舗の所在地から半径10キロ以内に存在する店舗に該当する店舗を選定する。なお、選定条件113には、店舗ごとに異なる条件を設定することが可能である。
【0092】
除外部1003は、制限情報と所在地情報とに基づき、商品の在庫移動に関する地理的制限により商品の在庫移動が不可の店舗を商品の在庫移動の対象から除外する。
【0093】
具体的には、除外部1003は、依頼テーブル114を参照し、引取が依頼されている商品の制限情報を確認する。制限情報が存在する場合、除外部1003は、店舗マスタ112を参照し、当該商品の販売が認められない店舗を対象店舗から除外する。
【0094】
より具体的には、例えば、制限情報が「S県」であった場合、除外部1003は、店舗マスタ112を参照し、選定部1002が選定した対象店舗のうち、所在地情報がS県以外の地域となっている店舗を除外する。つまり、除外部1003は、例えば、選定部1002が選定した対象店舗の中にK県に存在する店舗があれば、当該店舗を対象店舗から除外することになる。
【0095】
なお、本実施形態では、除外部1003は、選定部1002が選定した対象店舗のうち、商品の引取が不可能な店舗を除外しているが、除外部1003は、選定部1002が対象店舗を選定する前に商品の引取が不可能な店舗を除外してもよい。
【0096】
この場合、除外部1003は、店舗マスタ112に登録されている全店舗のうち、商品の引取が不可能な店舗を除外し、選定部1002は、除外部1003に除外されなかった店舗の中から選定条件113に基づいて、対象店舗を選定する。
【0097】
決定部1004は、応答情報に含まれる引取数(在庫移動に係る商品の個数)に基づき、前記商品の発送方法を決定する。具体的には、決定部1004は、引取入力画面400の引取数入力欄404に入力された引取数が引取数の閾値を超えた場合に、発送方法を元払いに決定し、入力された引取数が引取数の閾値以下の場合には、発送方法を着払いに決定する。
【0098】
より具体的には、例えば、
図8の例で引取数の閾値が「19」に設定されていた場合を考える。この場合、POS端末20の操作者が引取入力画面400の引取数入力欄404に「20」を入力した場合、通信制御部2001は、「引取数20」という情報が含まれる仮の応答情報を管理サーバ10に送信する。
【0099】
通信制御部1001は、仮の応答情報を受信する。決定部1004は、仮の応答情報に含まれる引取数が閾値の「19」を超えているため、発送方法を元払いに決定する。ここで、本実施形態では、仮の応答情報も「応答情報」に含まれるものとする。
【0100】
なお、引取数の閾値は、各店舗で商品ごとに設定することが可能である。また、本実施形態では、決定部1004は、取引数の閾値を超えるか否かで発送方法を決定しているが、発送方法の決定する方法はこれに限定されない。
【0101】
例えば、依頼情報に含まれる余剰数(在庫移動に係る商品の個数)に閾値を設定し、余剰数に応じて発送方法を決定してもよい。また、例えば、商品の価格や発送元の店舗と発送先の店舗との距離等に基づいて発送方法を決定してもよい。
【0102】
判断部1005は、対象店舗で商品の引取が可能か否かを判断する。具体的には、判断部1005は、通信制御部1001が受信した応答情報から対象店舗で商品の引取が可能か否かを判断する。
【0103】
より具体的には、取引照会通知を受信したPOS端末20の操作者が引取入力画面400で不可ボタン406を押した場合、POS端末20の通信制御部2001は、管理サーバ10に商品の引取が不可能である旨の情報を含む応答情報を送信する。判断部1005は、通信制御部1001が商品の引取が不可能である旨の情報を含む応答情報を受信した場合、対象店舗で商品の引取が不可能と判断する。
【0104】
一方、POS端末20の操作者が引取数を入力した上で、引取ボタン405を押した場合、POS端末20から管理サーバ10に商品の引取が可能である旨の情報を含む応答情報が送信され、判断部1005は、対象店舗で商品の引取が可能と判断する。
【0105】
また、判断部1005は、店舗が商品の引取を希望した場合、依頼情報に含まれる余剰数と応答情報に含まれる引取数とに基づき、在庫移動の可否を判断する。例えば、判断部1005は、応答情報に含まれる引取数が、依頼情報に含まれる余剰数以下のとき、前記在庫移動が可能であると判断する。
【0106】
さらに、判断部1005は、応答情報に含まれる引取数が、依頼情報に含まれる余剰数未満だった場合は、通信制御部1001に、POS端末20に対して依頼情報に含まれる余剰数から応答情報に含まれる引取数を減算した商品の個数を余剰数とした引取照会通知を再送信させる。
【0107】
具体的には、通信制御部1001が商品の引取が可能である旨の情報を含む応答情報を受信した場合、判断部1005は、依頼テーブル114を参照し、応答情報に含まれる依頼コードで識別される依頼の余剰数を確認し、応答情報に含まれる引取数と比較する。
【0108】
そして、判断部1005は、応答情報に含まれる引取数が依頼テーブル114に含まれる余剰数以下である場合、商品の引取が可能であると判断する。さらに、判断部1005は、応答情報に含まれる引取数が依頼テーブル114に含まれる余剰数未満である場合、通信制御部1001に、POS端末20に対して後述する更新部1007が更新した依頼テーブル114に含まれる余剰数を含む引取照会通知を再送信させる。
【0109】
一方、判断部1005は、応答情報に含まれる引取数が余剰数を超えている場合、商品の引取が不可能であると判断する。この場合、判断部1005は、通信制御部1001に、入力した引取数が余剰数を超えている旨のエラー通知を応答情報の送信元のPOS端末20に対して送信させる。
【0110】
生成部1006は、通信制御部1001が、商品の在庫移動が可能である旨の情報を含む応答情報を受信した場合、発送伝票500を印字するための印字情報を生成する。
【0111】
具体的には、生成部1006は、判断部1005により商品の引取が可能と判断された場合、依頼テーブル114に含まれる店舗コードから発送伝票500の発送元情報欄502に印字すべき情報を特定する。また、生成部1006は、応答情報から届先情報欄501、説明欄503、及び発送方法欄506に印字すべき情報を特定する。
【0112】
そして、生成部1006は、特定した情報に基づいて発送伝票500を印字するための印字情報を生成する。また、生成部1006は、通信制御部1001に生成した印字情報を送信させる。
【0113】
更新部1007は、判断部1005により商品の在庫移動が可能と判断された場合、依頼テーブル114を更新する。具体的には、更新部1007は、判断部1005により商品の引取が可能と判断された場合、依頼テーブル114の余剰数を更新する。また、更新部1007は、余剰数が0になった場合、依頼テーブル114の状態情報を「継続中」から「完了」に更新する。
【0114】
より具体的には、例えば、余剰数が「15」の状態において、引取数「15」の応答情報を受信した場合、判断部1005は商品の引取可能と判断する。このとき、更新部1007は、依頼テーブル114の余剰数を「15」から「0」に更新する。また、更新部1007は、余剰数が0になったため、依頼テーブル114の状態情報を「継続中」から「完了」に更新する。
【0115】
次に、在庫管理システム1の動作について説明する。
【0116】
図10は、本実施形態に係る在庫管理システム1の各装置が実行する処理の一例を示すシーケンス図である。
【0117】
POS端末20の依頼制御部2004は、余剰在庫が発生した商品の引取を依頼する入力を受け付ける(ステップS1)。具体的には、依頼制御部2004は、依頼入力画面300を介し、引取って欲しい商品の商品コード、余剰数、及び引取金額を受け付ける。
【0118】
POS端末20の通信制御部2001は、依頼情報を管理サーバ10に送信する(ステップS2)。依頼情報には、店舗コード、商品コード、余剰数、及び引取金額が含まれる。
【0119】
管理サーバ10の通信制御部1001は、依頼情報を受信する(ステップS3)。受信した依頼情報は、依頼コード、状態情報等と関連付けられて依頼テーブル114として管理サーバ10の記憶部110に記憶される。
【0120】
管理サーバ10の選定部1002は、商品の引取先となる店舗の候補となる対象店舗を選定する(ステップS4)。具体的には、選定部1002は、依頼情報に含まれる店舗コードで特定される店舗の所在地情報と、選定条件113とに基づき、対象店舗を選定する。
【0121】
管理サーバ10の除外部1003は、選定部1002が選定した対象店舗のうち、商品の引取が不可能な店舗を対象店舗から除外する(ステップS5)。具体的には、除外部1003は、依頼テーブル114を参照し、引取が依頼された商品に制限情報が存在する場合、制限情報に合致しない店舗を対象店舗から除外する。
【0122】
管理サーバ10の通信制御部1001は、対象店舗のPOS端末20に対して、引取照会通知を送信する(ステップS6)。具体的には、通信制御部1001は、依頼コード、商品コード、余剰数、及び引取金額を含む引取照会通知を送信する。
【0123】
対象店舗が有するPOS端末20の通信制御部2001は、引取照会通知を受信する(ステップS7)。引取制御部2005は、引取照会通知に対する応答情報の入力を受付ける(ステップS8)。具体的には、引取制御部2005は、引取入力画面400を介し、不可ボタン406の入力、または、引取数の入力を受付ける。このとき、管理サーバ10の決定部1004は、商品の発送方法を決定する。
【0124】
さらに、引取制御部2005が引取ボタン405の入力を受付けると、通信制御部2001は、応答情報を管理サーバ10に送信する(ステップS9)。具体的には、通信制御部2001は、対象店舗の店舗コード、依頼コード、商品コード、引取数、及び発送方法を含む応答情報を管理サーバ10に送信する。
【0125】
管理サーバ10の通信制御部1001は、応答情報を受信する(ステップS10)。管理サーバ10の判断部1005は、応答情報を送信元の店舗で商品の引取が可能か否かを判断する(ステップS11)。商品の引取が不可能と判断した場合(ステップS11:No)、ステップS10に戻る。
【0126】
一方、ステップS11で商品の引取が可能と判断した場合(ステップS11:Yes)、判断部1005は、依頼テーブル114の余剰数と応答情報の引取数とから、対象店舗における商品の引取の可否を判断する。
【0127】
判断部1005が商品の引取が可能と判断した場合、通信制御部1001は、依頼元の店舗のPOS端末20及び対象店舗のPOS端末20に対して、引取成立通知を送信する(ステップS12)。依頼元の店舗のPOS端末20の通信制御部2001は、引取成立通知を受信する(ステップS13)。また、対象店舗のPOS端末20の通信制御部2001は、引取成立通知を受信する(ステップS14)。
【0128】
なお、判断部1005が商品の引取が不可能と判断した場合、通信制御部1001は、対象店舗のPOS端末20に対して、入力した引取数が余剰数を上回っている旨のエラーメッセージを送信する。
【0129】
また、判断部1005が商品の引取が可能と判断した場合、管理サーバ10の生成部1006は、依頼テーブル114及び応答情報に基づき、発送伝票500を印字するための印字情報を生成する(ステップ15)。
【0130】
具体的には、生成部1006は、依頼テーブル114から発送伝票500の発送元情報欄502に印字すべき情報を特定し、応答情報から届先情報欄501、説明欄503、及び発送方法欄506に印字すべき情報を特定し、発送伝票500を印字するための印字情報を生成する。
【0131】
管理サーバ10の通信制御部1001は、生成部1006が生成した印字情報を依頼元のPOS端末20へ送信する(ステップS16)。依頼元のPOS端末20の通信制御部2001は、印字情報を受信する(ステップS17)。依頼元のPOS端末20の印字制御部2006は、受信した印字情報に基づき、プリンタ270を制御して商品の発送伝票500を印字する(ステップS18)。
【0132】
また、判断部1005が商品の引取が可能と判断した場合、管理サーバ10の更新部1007は、依頼テーブル114の余剰数を更新する(ステップS19)。そして、更新部1007は、余剰数が0になったか否かを確認する(ステップS20)。
【0133】
余剰数が0でない場合(ステップS20:No)、通信制御部1001は、対象店舗のPOS端末20に対して更新された依頼テーブル114の余剰数を含む引取照会通知を再送信し、ステップS10に戻る。
【0134】
一方、ステップS20で余剰数が0であった場合(ステップS20:Yes)、管理サーバ10の通信制御部1001は、依頼元のPOS端末20へ依頼完了通知を送信する(ステップS21)。依頼元のPOS端末20の通信制御部2001は、依頼完了通知を受信する(ステップS22)。管理サーバ10の更新部1007は、依頼テーブル114の状態情報を継続中から完了に更新する(ステップS23)。
【0135】
以上により、在庫管理システム1は、本処理を終了する。
【0136】
以上のように、本実施形態に係る管理サーバ10は、POS端末20から商品の引取を依頼する依頼情報を受信する通信制御部1001と、通信制御部1001が、商品の引取が可能である旨の情報を含む応答情報を受信した場合、依頼情報を送信したPOS端末20が設けられた店舗と応答情報を送信した店舗との間で商品の在庫移動を行うための発送伝票500を印字するための印字情報を生成する生成部1006と、を備える。
【0137】
また、通信制御部1001は、複数の店舗に設けられたPOS端末20に引取照会通知を送信する。また、通信制御部1001は、応答情報を受信する。さらに、通信制御部1001は、生成部1006が生成した印字情報を商品の引取を依頼した店舗に設けられたPOS端末20に送信する。また、通信制御部1001が受信した応答情報には、商品の発送方法に関する情報が含まれている。
【0138】
一般的に、商品の余剰在庫が発生した場合、他の店舗に対して、電話をかけたり、メールを送ったりするなどして商品を引取ってもらえないか交渉する必要がある。
【0139】
これに対して、本実施形態に係る管理サーバ10は、余剰在庫が発生した店舗のPOS端末20から商品の引取を依頼する依頼情報を受信し、他店舗のPOS端末20に対して引取照会通知を送信する。そして、他店舗のPOS端末20から商品の引取が可能である旨の応答情報を受信した場合、依頼元の店舗と当該店舗との間で商品の引取が成立する。したがって、依頼元の店舗は、他店舗に対して商品を引取ってもらえるよう交渉することなく、商品を引取ってもらうことができる。
【0140】
また、生成部1006は、依頼元の店舗から引取先の店舗へ商品を発送するための発送伝票500を印字するための印字情報を生成し、通信制御部1001は、依頼元の店舗へ印字情報を送信するため、依頼元の店舗は、発送伝票を作成する必要がなくなる。
【0141】
また、通信制御部1001が受信した応答情報には、商品の発送方法に関する情報が含まれているため、店舗間で商品の在庫移動を行う際、発送方法は元払いにするか着払いにするかの交渉や確認等を行う必要がなくなる。つまり、本実施形態に係る管理サーバ10によれば、店舗のオーナやスタッフが、スムーズに商品の在庫移動を行うことができるようになる。これは、経営資本が異なる店舗同士で商品の在庫移動を行うような場合に特に有用である。
【0142】
また、本実施形態に係る管理サーバ10は、依頼テーブル114に含まれる商品の在庫移動に関する地理的制限を示す制限情報と、店舗マスタ112に含まれる所在地情報とに基づき、複数の店舗のうち、商品の在庫移動に関する地理的制限により商品の在庫移動が不可の店舗を除外する除外部1003を備える。
【0143】
これにより、限定情報に合致しない店舗は、引取照会通知を送信する店舗の候補から除外される。したがって、地域限定販売の商品(例えば、S県限定販売の商品)が当該地域以外の地域の店舗(例えば、K県の店舗)に発送されてしまうような事態を自動的に防止することができる。
【0144】
また、本実施形態に係る管理サーバ10は、依頼情報を送信したPOS端末20が設けられた店舗の所在地と、当該店舗以外の他の店舗の所在地とに基づいて、商品の引取の対象の候補となる対象店舗を選定する選定部1002を備える。これにより、商品の引取を依頼する店舗のオーナやスタッフは、自らが定めた条件に合致する店舗にのみ引取照会通知を送信することができる。
【0145】
したがって、本実施形態に係る管理サーバ10によれば、例えば、商品の引取を依頼する店舗から遠く離れた店舗が商品の引取先の候補として選定されるような事態を予め回避することが可能である。
【0146】
また、本実施形態に係る管理サーバ10は、店舗が商品の引取を希望した場合、応答情報に含まれる引取数が依頼テーブル14に含まれる余剰数以下のとき、商品の引取が可能であると判断する判断部1005を備える。また、判断部1005は、通信制御部1001に、応答情報に含まれる引取数が依頼テーブル14に含まれる余剰数未満のとき、依頼テーブル14に含まれる余剰数から応答情報に含まれる引取数を減算した商品の数を余剰数とした引取照会通知を再送信させる。
【0147】
これにより、本実施形態に係る管理サーバ10は、依頼元の店舗が引取を依頼した個数を超える個数の商品の引取が成立してしまうような事態を防止することができる。
【0148】
また、本実施形態に係る管理サーバ10は、応答情報に含まれる引取数に基づいて、商品の発送方法を決定する決定部1004を備える。これにより、本実施形態に係る管理サーバ10は、商品の引取数に応じて発送方法が元払いか着払いかを自動的に決定することができる。
【0149】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0150】
例えば、上記実施形態では、商品の余剰在庫が発生した場合、他の店舗に商品の引取を依頼する形態について説明したが、在庫管理システム1は、商品が不足した場合、他の店舗に商品の提供を依頼する形態であっても構わない。なお、商品の提供を依頼することは、「商品の在庫移動を依頼する」ことの一例である。
【0151】
また、以下で説明する形態については、主に商品の引取を依頼する場合について説明するが、商品の提供を依頼する場合についても同様に適用可能であるものとする。
【0152】
また、例えば、上記実施形態では、引取先における商品の引取数に応じて発送方法が決定される形態について説明したが、発送方法は、依頼元または引取先が元払いか着払いかを決定する形態であっても構わない。依頼元が元払いか着払いかを決定する場合、依頼情報には、発送方法に関する情報が含まれる。
【0153】
また、引取照会通知を受信した店舗のオーナが依頼元の店舗のオーナと同一だった場合のみ、引取先で発送方法を決定できる形態であっても構わない。この形態では、例えば、依頼元の店舗と引取先の店舗のオーナが同一である場合に、オーナ自身が夫々の店舗の売上の状況等を考慮した上でどちらの店舗に商品の送料を負担させるかを決定できる。
【0154】
また、例えば、上記実施形態では、引取照会通知を受信した場合、提示された金額、発送方法で商品を引取るか否かについて応答する形態について説明した。しかしながら、引取照会通知を受信した店舗のオーナ等は、「発送方法が元払いなら引取ってもよい」と思ったり、「引取金額が100円安ければ引取ってもよい」と思ったりする場合も考えられる。そこで、在庫管理システム1は、商品を引取る条件を交渉可能な形態としてもよい。
【0155】
具体的には、例えば、引取入力画面400に引取ボタン405、不可ボタン406以外に「交渉ボタン」を設ける。POS端末20の操作者により交渉ボタンが押された場合は、条件提示画面に遷移する。条件提示画面では、希望の金額、希望の発送方法、依頼元に対するメッセージの入力を受付ける。入力内容は、依頼元のPOS端末20に送信される。
【0156】
そして、依頼元のPOS端末20の操作者が提示された条件を承認した場合、商品の引取が成立する構成とする。かかる構成により、商品の引取がより成立しやすくなる効果が期待できる。
【0157】
また、例えば、上記実施形態では、余剰在庫が発生した店舗のPOS端末20で商品の引取に関する依頼の情報を入力すると、依頼情報が管理サーバ10に送信される形態について説明した。しかしながら、在庫管理システム1は、商品の在庫数が予め定めた在庫数を超えた場合、POS端末20が自動的に依頼情報を管理サーバ10に送信する形態であってもよい。
【0158】
また、例えば、上記実施形態では、引取照会通知を受信したPOS端末20の操作者が引取入力画面400で引取数を入力し、引取ボタン405を押した場合であって、かつ、引取数が余剰数以下であれば引取が成立する形態について説明した。
【0159】
しかしながら、在庫管理システム1は、引取照会通知を受信した店舗において、当該商品の在庫が予め定めた在庫数の閾値を下回っている場合、自動的に引取が成立する形態であっても構わない。なお、引取可能な店舗が複数ある場合は、在庫数が少ない店舗から優先的に引取が成立するものとする。
【0160】
なお、自動的に依頼情報を送信する形態と自動的に商品の引取が成立する形態を組み合わせると、一連の処理を人間の手を介することなく行うことが可能になり、店舗のオーナやスタッフの手間をさらに軽減させることができる。
【0161】
また、例えば、上記実施形態では、依頼元のPOS端末20から、依頼情報が管理サーバ10に送信されると、管理サーバ10が選定した店舗に引取照会通知を送信する形態について説明した。
【0162】
しかしながら、管理サーバ10は、依頼元のPOS端末20から、依頼情報を受信した場合、受信した情報を余剰商品情報として記憶部110に記憶し、余剰商品情報を基に余剰商品リスト(例えば、依頼コード、商品名称、余剰数、引取価格、店舗名、引取数の入力欄、引取ボタン等を表示するリスト)を生成し、当該リストを管理サーバ10に接続された全てのPOS端末20で常に閲覧可能な状態にする形態であっても構わない。
【0163】
この形態では、例えば、余剰商品リストを表示したPOS端末20の操作者が、リスト内の引取数の入力欄に引取数が入力し、引取ボタンを押した場合であって、かつ、引取数が余剰数以下であれば引取が成立する。また、制限情報がある商品の場合は、引取可能な店舗以外では、引取ボタンがグレーアウトして引取ができないようにする。
【0164】
なお、余剰商品リストに加えて、不足している商品の提供を依頼する依頼情報を基に不足商品リストを生成して全POS端末20で常に閲覧可能にしてもよい。
【0165】
かかる構成により、店舗のオーナ等は、他の店舗で余っている商品や不足している商品をリアルタイムで確認することができる。そして、店舗のオーナ等は、リスト内に引取って欲しい商品や提供して欲しい商品があれば、数を入力してボタンを押すだけで商品を引取ってもらったり、商品の提供を受けたりすることができる。つまり、この形態では、店舗間の在庫移動がより行いやすくなる効果が期待できる。
【0166】
上記実施形態や変形例の各装置で実行されるプログラムは、各装置が備える記憶媒体(ROM又は記憶部)に予め組み込んで提供するものとするが、これに限らないものとする。例えば、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。さらに、記憶媒体は、コンピュータ或いは組み込みシステムと独立した媒体に限らず、LANやインターネット等により伝達されたプログラムをダウンロードして記憶又は一時記憶した記憶媒体も含まれる。
【0167】
また、上記実施形態や変形例の各装置で実行されるプログラムをインターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよいし、インターネット等のネットワーク経由で提供又は配布するように構成してもよい。
【符号の説明】
【0168】
1 在庫管理システム
10 管理サーバ
20 POS端末
112 店舗マスタ
113 選定条件
114 依頼テーブル
300 依頼入力画面
301 商品情報欄
302 入力ボタン
303 余剰数入力欄
304 引取金額入力欄
305 依頼ボタン
400 引取入力画面
401 商品情報欄
402 入力ボタン
403 引取情報欄
404 引取数入力欄
405 引取ボタン
406 不可ボタン
500 発送伝票
1001 通信制御部
1002 選定部
1003 除外部
1004 決定部
1005 判断部
1006 生成部
1007 更新部
2001 通信制御部
2002 表示制御部
2003 操作制御部
2004 依頼制御部
2005 引取制御部
2006 印字制御部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0169】