(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-20
(45)【発行日】2024-10-01
(54)【発明の名称】判定装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
A61B 5/372 20210101AFI20240924BHJP
A61B 5/16 20060101ALI20240924BHJP
【FI】
A61B5/372
A61B5/16 120
(21)【出願番号】P 2020177101
(22)【出願日】2020-10-22
【審査請求日】2023-09-20
(73)【特許権者】
【識別番号】520412431
【氏名又は名称】PGV株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100190621
【氏名又は名称】崎間 伸洋
(72)【発明者】
【氏名】水原 善史
(72)【発明者】
【氏名】吉本 秀輔
(72)【発明者】
【氏名】江連 耕太郎
(72)【発明者】
【氏名】劉 イ直
【審査官】後藤 昌夫
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-506691(JP,A)
【文献】特表2015-533559(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2020-0052205(KR,A)
【文献】S.R,「機械学習の評価指標- ROC曲線とAUC」,[online],2018年12月14日,インターネット<URL: https://web.archive.org/web/20181213235927/https://techblog.gmo-ap.jp/2018/12/14/%E6%A9%9F%E6%A2%B0%E5%AD%A6%E7%BF%92%E3%81%AE%E8%A9%95%E4%BE%A1%E6%8C%87%E6%A8%99-roc%E6%9B%B2%E7%B7%9A%E3%81%A8auc/>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/00-5/398
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの事象を体験した被験者の事象ごとの脳波について、前記2つの事象を分類可能か否か判定する判定装置であって、
前記被験者の脳波データを取得する脳波データ取得部と、
2つの前記事象について、取得した前記脳波データを用いて分類を試行する分類部と、
試行された分類結果について、前記事象ごとに、取得された脳波の特徴を分類可能であるか分類不能であるかを判定する判定部と、
分類可能な前記被験者について、分類に寄与した脳波の特徴を特定する特定部と、を備え、
前記判定部が取得された脳波の特徴を分類可能であると判定した場合、前記特定部は分類に寄与した脳波の特徴を特定し、前記判定部が取得された脳波の特徴を分類不能と判定した場合、前記判定部は分類不能と出力する
判定装置。
【請求項2】
前記判定部は、複数の前記被験者に関して特定された前記脳波の特徴に基づいて、複数
の前記被験者に共通する特徴があるか否かを判定する請求項1に記載の判定装置。
【請求項3】
2つの事象を体験した被験者の事象ごとの脳波について、前記2つの事象を分類可能か分類不能であるかを判定する判定装置としてコンピュータを動作させるプログラムであって、
前記コンピュータを、
前記被験者の脳波データを取得する脳波データ取得部、
2つの前記事象について、取得した前記脳波データを用いて分類を試行する分類部、
試行された分類結果について、前記事象ごとに、取得された脳波の特徴を分類可能であるか分類不能であるかを判定する判定部、
分類可能な前記被験者について、分類に寄与した脳波の特徴を特定する特定部、として機能させ、
前記判定部が取得された脳波の特徴を分類可能であると判定した場合、前記特定部は分類に寄与した脳波の特徴を特定させ、前記判定部が取得された脳波の特徴を分類不能と判定した場合、前記判定部は分類不能と出力させる
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、判定装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、被験者から計測された脳波を用いて、被験者の状態を判断することが実施されている。例えば、人から得られた脳波を用いて、人の感性を評価する評価装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、同じ事象を経験した被験者から得られる脳波について、被験者ごとに異なるのが一般的である。そのため、単純に、脳波から特定の事象を体験しているか否かを判断することは難しい。一方で、特定の事象に対して脳波による分類を可能か否かが判定できれば、特定の事象に対する脳波の傾向を見る上で有効である。そして、脳波の傾向を用いることができれば、例えば、脳波によって事象を判定するAIモデルを構築することが可能になる。
【0005】
本発明は、上記従来の実状に鑑みてなされたものであり、特定の事象を経験した被験者の脳波の傾向を容易に判定できる判定装置及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、2つの事象を体験した被験者の事象ごとの脳波について、前記2つの事象を分類可能か否か判定する判定装置であって、記被験者の脳波データを取得する脳波データ取得部と、2つの前記事象について、取得した前記脳波データを用いて分類を試行する分類部と、試行された分類結果について、前記事象ごとに、取得された脳波の特徴を分類可能であるか否かを判定する判定部と、を備える判定装置に関する。
【0007】
また、判定装置は、分類可能な前記被験者について、分類に寄与した脳波の特徴を特定する特定部をさらに備えるのが好ましい。
【0008】
また、前記判定部は、複数の前記被験者に関して特定された前記脳波の特徴に基づいて、複数の前記被験者に共通する特徴があるか否かを判定するのが好ましい。
【0009】
また、本発明は、2つの事象を体験した被験者の事象ごとの脳波について、前記2つの事象を分類可能か否か判定する判定装置としてコンピュータを動作させるプログラムであって、前記コンピュータを、前記被験者の脳波データを取得する脳波データ取得部、2つの前記事象について、取得した前記脳波データを用いて分類を試行する分類部、試行された分類結果について、前記事象ごとに、取得された脳波の特徴を分類可能であるか否かを判定する判定部、として機能させるプログラムに関する。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、特定の事象を経験した被験者の脳波の傾向を容易に判定できる判定装置及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る判定装置によって判定される脳波データの取得態様を示す概略図である。
【
図2】第1実施形態の判定装置の構成を示すブロック図である。
【
図3】第1実施形態の判定装置の脳波データ取得部によって取得される脳波データを示すグラフである。
【
図4】第1実施形態の判定装置の特徴量生成部によって作成される各特徴量の内容を示す表である。
【
図5】第1実施形態の判定装置の特徴量作成部によって作成される周波数に関して特徴量を示すグラフである。
【
図6】第1実施形態の判定装置の判定部によって判定された結果を示す表である。
【
図7】第1実施形態の判定装置の特定部によって特定された特徴量を示すグラフである。
【
図8】第1実施形態の判定装置の動作を示すフローチャートである。本発明の第2実施形態に係る判定装置の構成を示すブロック図である。
【
図9】本発明の第2実施形態に係る判定装置の構成を示すブロック図である。
【
図10】第2実施形態の判定装置の分類について動作の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の各実施形態に係る判定装置1及びプログラムについて、
図1から
図10を参照して説明する。
まず、各実施形態に係る判定装置1及びプログラムの概要について説明する。
【0013】
判定装置1は、被験者Pによって体験された事象について、脳波を用いて分類可能か否かを判定する装置である。判定装置1は、例えば、被験者Pによって体験された2つの事象について、脳波を用いて分類可能か否かを判定する装置である。換言すると、判定装置1は、2つの事象に対応する脳波について、違いを検出できるか否かを判定する装置である。
【0014】
判定装置1は、
図1に示すように、1つめの事象として暗算が実施された例を示す。また、以下の各実施形態では、2つめの事象としてストループテストが実施された例を示す。
【0015】
[第1実施形態]
次に、本発明の第1実施形態に係る判定装置1及びプログラムについて、
図1から
図8を参照して説明する。
判定装置1は、2つの事象を体験した被験者Pの事象ごとの脳波について、2つの事象を分類可能な否か判定する装置である。判定装置1は、
図1に示すように、脳波データ取得部11と、脳波データ格納部12と、特徴量生成部13と、分類部14と、判定部15と、特定部16と、出力部17と、を備える。
【0016】
脳波データ取得部11は、例えば、CPUが動作することにより実現される。脳波データ取得部11は、被験者Pの脳波データを取得する。脳波データ取得部11は、被験者Pごとに、例えば、2つの脳波データを取得する。脳波データ取得部11は、例えば、
図2に示すような脳波データを取得する。また、脳波データ取得部11は、2つの脳波と事象との対応関係を示す識別情報を取得する。脳波データ取得部11は、例えば、事象の体験時刻を識別情報として取得する。また、脳波データ取得部11は、例えば、被験者Pの性別、事象の試行回数、年齢等を識別情報として取得する。
【0017】
脳波データ格納部12は、例えば、ハードディスクなどの記憶媒体である。脳波データ格納部12は、取得した脳波データを格納する。また、脳波データ格納部12は、脳波データに紐づけて、取得した識別情報を格納する。
【0018】
特徴量生成部13は、例えば、CPUが動作することにより実現される。特徴量生成部13は、取得した脳波に基づいて、特徴量を生成する。特徴量生成部13は、例えば、
図4に示すように、ガンマ波、ハイ-ベータ波、ロー-ベータ波、ハイ-アルファ波、ミドル-アルファ、ロー-アルファ波、シータ波、PGV、Elapse、Cycle、Sex、及びGenの各項目に関する特徴量を生成する。特徴量生成部13は、ガンマ波からシータ波までの各項目について、
図5に示すような周波数ごとに分類したグラフを特徴量として生成する。特徴量生成部13は、例えば、事象を体験中の所定の時間(例えば、2秒間隔で1秒間オーバーラップするような間隔)で、複数の特徴量を生成する。また、特徴量生成部13は、2つの事象を複数回繰り返すことにより、複数の特徴量を生成する。
【0019】
分類部14は、例えば、CPUが動作することにより実現される。分類部14は、2つの事象について、取得した脳波データを用いて分類を試行する。分類部14は、例えば、生成された特徴量に対して任意に重み付けを実施することにより、2つの事象間の脳波データの違いを分類する。分類部14は、例えば、脳波の違いを比較的よく示すと思われる特徴量について、重要度の重み付けを実施する。分類部14は、特徴量に重み付けを実施することにより、2つの脳波データの違いをより顕在化する修正を実施する。
【0020】
判定部15は、例えば、CPUが動作することにより実現される。判定部15は、試行された分類結果について、事象ごとに、取得された脳波の特徴を分類可能であるか否かを判定する。判定部15は、例えば、
図6に示すように、生成された複数の特徴量について、2つの事象ごとに、いずれの事象であるかの予想と、正しい予想であったか否かについて判定する。判定部15は、例えば、分類結果である暗算の特徴量について、暗算の事象と合致する場合に、暗算に関して、予想値と実際とが合致していると判定する。一方、判定部15は、分類結果であるストループテストの特徴量について、ストループテストの事象と合致する場合に、ストループテストに関して、予想値と実際とが合致していると判定する。判定部15は、全ての特徴量の判定の結果、合致していると判定される特徴量が所定の閾値よりも大きい場合に、分類可能であると判定する。判定部15は、例えば、実際の値と、予想値との比較から出力されてもよい。
【0021】
特定部16は、例えば、CPUが動作することにより実現される。特定部16は、分類可能な被験者Pについて、分類に寄与した脳波の特徴を特定する。特定部16は、例えば、
図4に示す特徴量に関して、
図7に示すように、実際に重み付けを実施した特徴量について特定する。
【0022】
出力部17は、例えば、CPUが動作することにより実現される。出力部17は、例えば、ディスプレイ、プリンタ等の出力装置に対して、判定結果を出力する。また、出力部17は、特定された特徴量について出力する。
【0023】
次に、判定装置1の動作について、
図8のフローチャートを用いて説明する。
まず、脳波データ取得部11は、脳波を取得する(ステップS1)。次いで、特徴量生成部13は、特徴量を生成する(ステップS2)。次いで、分類部14は、特徴量の分類を実施する(ステップS3)。
【0024】
次いで、判定部15は、分類可能であるか否かを判定する(ステップS4)。分類可能である場合(ステップS4:YES)、処理は、ステップS5に進む。一方、分類可能でない場合(ステップS5:NO)、処理は、ステップS8に進む。
【0025】
ステップS5において、判定部15は、分類可能であると判定する。次いで、特定部16は、分類に寄与した特徴量を特定する(ステップS6)。次いで、出力部17は、分類結果及び特定した特徴量を出力する(ステップS7)。これにより、本フローによる処理は終了する。
【0026】
ステップS8において、判定部15は、分類不能であると判定する。処理は、ステップS7に進む。
【0027】
次に、プログラムについて説明する。
判定装置1に含まれる各構成は、ハードウェア、ソフトウェア又はこれらの組み合わせによりそれぞれ実現することができる。ここで、ソフトウェアによって実現されるとは、コンピュータがプログラムを読み込んで実行することにより実現されることを意味する。
【0028】
プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えば、フレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば、光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(random access memory))を含む。また、表示プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0029】
以上、本実施形態に係る判定装置1及びプログラムによれば、以下の効果を奏する。
(1)2つの事象を体験した被験者Pの事象ごとの脳波について、2つの事象を分類可能か否か判定する判定装置1であって、被験者Pの脳波データを取得する脳波データ取得部11と、2つの事象について、取得した脳波データを用いて分類を試行する分類部14と、試行された分類結果について、事象ごとに、取得された脳波の特徴を分類可能であるか否かを判定する判定部15と、を備える。
また、2つの事象を体験した被験者Pの事象ごとの脳波について、2つの事象を分類可能か否か判定する判定装置1としてコンピュータを動作させるプログラムであって、コンピュータを、被験者Pの脳波データを取得する脳波データ取得部11、2つの事象について、取得した脳波データを用いて分類を試行する分類部14、試行された分類結果について、事象ごとに、取得された脳波の特徴を分類可能であるか否かを判定する判定部15、として機能させる。
これにより、特定の事象を経験した被験者Pの脳波の傾向を容易に判定できる。また、2つの事象に対して興味を示す被験者Pを容易に判定することができる。例えば、2つの事象についてあまり興味がない被験者Pにとって、2つの事象の体験には大きな差がない場合がある。この場合、脳波に大きな差が表れず、脳波の分類について判定できないことを容易に判定できる。一方、この逆であれば、2つの事象ごとに脳波の違いを判定することにより、興味のある被験者Pであることを容易に判定することができる。
(2)また、判定装置1は、分類可能な被験者Pについて、分類に寄与した脳波の特徴を特定する特定部16をさらに備える。これにより、分類部14によって試行された分類に関して、実際に分類できた脳波について、その分類に寄与した特徴量を容易に認識することができる。
【0030】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係る判定装置1及びプログラムについて、
図9及び
図10を参照して説明する。第2実施形態の説明にあたって、前述の実施形態と同一の構成要件については同一符号を付し、その説明を省略もしくは簡略化する。
【0031】
第2実施形態に係る判定装置1及びプログラムは、判定部15によって判定可能とされた被験者Pのうち、複数の被験者Pについて、分類可能か否かを判定するものである。
第2実施形態に係る判定装置1は、
図9に示すように、抽出部18をさらに備える点で、第1実施形態と異なる。
【0032】
抽出部18は、例えば、CPUが動作することにより実現される。抽出部18は、2つの事象に関して分類可能と判定された被験者Pについて、脳波データを抽出する。抽出部18は、例えば、脳波データ格納部12に格納されている脳波データのうち、分類可能と判定された脳波データを抽出する。
【0033】
判定部15は、複数の被験者Pに関して特定された脳波の特徴に基づいて、複数の被験者Pに共通する特徴があるか否かを判定する。判定部15は、例えば、複数の被験者Pについて、特定された特徴のうち、共通の特徴があるか否かを判定する。
【0034】
次に、判定装置1の分類動作について、
図10のフローチャートを用いて説明する。
まず、抽出部18は、脳波を抽出する(ステップS11)。次いで、判定部15は、共通する特徴があるか否かを判定する(ステップS12)。共通する特徴がある場合(ステップS12:YES)、処理は、ステップS13に進む。一方、共通の特徴がない場合(ステップS12:NO)、処理は、ステップS15に進む。
【0035】
ステップS13において、判定部15は、分類可能と判定する。次いで、出力部17は、判定結果を出力する(ステップS14)。これにより、本フローによる処理は、終了する。
【0036】
ステップS15において、判定部15は、分類不能と判定する。次いで、処理は、ステップS14に進む。
【0037】
以上、本実施形態に係る判定装置1及びプログラムによれば、以下の効果を奏する。
(3)判定部15は、複数の被験者Pに関して特定された脳波の特徴に基づいて、複数の被験者Pに共通する特徴があるか否かを判定する。これにより、複数の被験者Pに共通の特徴があるか否かを容易に判定できる。例えば、1つの事象に対して、多くの被験者Pに総じてみられる特徴を抽出することが可能となる。一方、逆に、共通の特徴がない場合、2つの事象を判定できるものの、1つの事象については、被験者Pごとに多様性があることを容易に判定することができる。
【0038】
以上、本発明の判定装置及びプログラムの好ましい各実施形態につき説明したが、本開示は、上述の実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。
【0039】
例えば、上記第1実施形態において、判定装置1は、特定部16を備えるとしたが、これに制限されない。判定装置1は、特定部16を備えずともよい。特定部16は、判定装置1とは別に設けられてもよい。
【0040】
また、上記各実施形態において、判定装置1は、味覚分類装置、嗅覚分類装置等として用いられ得る。判定装置1は、例えば、食料、飲料等の評価装置として用いられ得る。
【0041】
また、上記実施形態において、脳波データは、時系列データに限らず、周波数データに変換されたデータとして取得されてもよい。
【0042】
また、上記実施形態において、判定装置は、例えば、2種類の甘いものについて、2つの事象として捉えて脳波を判定する。被験者Pが甘いもの好きである場合、2種類の甘いものごとに味の違いを判別でき、脳波に違いが出ることが期待される。一方、被験者Pが甘いものを好きでない場合、2種類の甘いものごとに味の違いを判別できない可能性がある。判定装置1は、このような被験者Pの趣向に応じた脳波の違いについて、分類可能か否かを判定するものである。これにより、被験者Pの趣向を判定することができる。
【0043】
また、上記実施形態において、分類部14は、過去の分類に基づいて分類を試行してもよい。また、分類部14は、判定部として動作する装置とは別の装置で実行されてもよい。分類部14は、いわゆる前向き試験として、分類方法を別のデータとして作成してもよい。また、分類部14は、例えば、2つの事象のそれぞれに関する脳波データの特徴の出現傾向が予めわかっている場合に、出現傾向に関する情報を取得して、取得した出現傾向に基づいて脳波データの分類を試行してもよい。
【符号の説明】
【0044】
1 判定装置
11 脳波データ取得部
14 分類部
15 判定部
16 特定部
P 被験者