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特許7558753情報処理装置、制御方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-20
(45)【発行日】2024-10-01
(54)【発明の名称】情報処理装置、制御方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20240924BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20240924BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20240924BHJP
【FI】
G06F3/12 356
G06F3/12 373
G06F3/12 305
H04N1/00 127B
B41J29/38 204
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020181048
(22)【出願日】2020-10-29
(65)【公開番号】P2022071917
(43)【公開日】2022-05-17
【審査請求日】2023-10-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100223941
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100159695
【弁理士】
【氏名又は名称】中辻 七朗
(74)【代理人】
【識別番号】100172476
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 一史
(74)【代理人】
【識別番号】100126974
【弁理士】
【氏名又は名称】大朋 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】小川 延宏
【審査官】征矢 崇
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-095358(JP,A)
【文献】特開2018-050284(JP,A)
【文献】特開2017-021486(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F3/12
B41J29/00-29/70
H04N1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像出力装置と通信可能な情報処理装置であって、
印刷が指示された印刷ジョブに対応する印刷設定情報を履歴情報として記憶部に記憶する記憶制御手段と、
前記履歴情報を使った印刷が指示され、かつ、前記情報処理装置において使用可能な画像出力装置に関する情報が前記履歴情報に含まれる一部の設定値に対応しない状況で、かつ、前記画像出力装置が前記履歴情報を用いて実行する印刷処理の印刷結果が所定の条件を満足する場合、前記一部の設定値に対応する項目に前記画像出力装置に関する情報が反映され、その他の項目に前記履歴情報の設定値が反映された第1の印刷設定画面を表示し、
前記状況で、かつ、前記画像出力装置が前記履歴情報を用いて実行する印刷処理の印刷結果が前記所定の条件を満足しない場合、前記履歴情報に含まれる設定値が反映されない第2の印刷設定画面を表示するように制御する表示制御手段と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記履歴情報は前記印刷が指示された印刷ドキュメントに関わる情報と印刷設定情報を含み、
前記所定の条件は、前記画像出力装置が前記履歴情報を用いて実行する印刷処理の印刷結果において前記印刷ドキュメントの少なくとも一部が欠落しないことであることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記所定の条件は、前記画像出力装置が前記履歴情報を用いて実行する印刷処理の印刷結果において使用される用紙種類と、前記履歴情報に含まれる前記印刷設定情報の用紙種類が同一属性であることを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記状況で、かつ、前記画像出力装置が前記履歴情報を用いて実行する印刷処理の印刷結果が前記所定の条件を満足する場合、前記表示制御手段は、前記履歴情報の前記一部の設定値が設定できない旨の情報を表示するように制御することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
画像出力装置と通信可能な情報処理装置において実行される制御方法であって、
印刷が指示された印刷ジョブに対応する印刷設定情報を履歴情報として記憶部に記憶する記憶制御工程と、
前記履歴情報を使った印刷が指示され、かつ、前記情報処理装置において使用可能な画像出力装置に関する情報が前記履歴情報に含まれる一部の設定値に対応しない状況で、かつ、前記画像出力装置が前記履歴情報を用いて実行する印刷処理の印刷結果が所定の条件を満足する場合、前記一部の設定値に対応する項目に前記画像出力装置に関する情報が反映され、その他の項目に前記履歴情報の設定値が反映された第1の印刷設定画面を表示し、
前記状況で、かつ、前記画像出力装置が前記履歴情報を用いて実行する印刷処理の印刷結果が前記所定の条件を満足しない場合、前記履歴情報に含まれる設定値が反映されない第2の印刷設定画面を表示するように制御する表示制御工程と、
を有することを特徴とする制御方法。
【請求項6】
少なくとも1つのコンピュータを、請求項1乃至のいずれか1項に記載された情報処理装置の各手段として機能させるためのプログラム。
【請求項7】
少なくとも1つのコンピュータを、請求項1乃至のいずれか1項に記載された情報処理装置の各手段として機能させるためのプログラムを格納したコンピュータが読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、制御方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザの利便性向上のために履歴情報を使って再印刷を指示する形態が考えられる。特許文献1では、保存されたジョブ情報を使って印刷する形態が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-101016
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら特許文献1には、画像出力装置が、保存されたジョブ情報を使って印刷できない場合に、保存されたジョブ情報の中で使用できない設定情報により処理を切り替えることまでは開示されていない。
【0005】
本実施形態では、履歴情報を使った印刷におけるユーザの利便性を向上することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の情報処理装置は、
画像出力装置と通信可能な情報処理装置であって
印刷が指示された印刷ジョブに対応する印刷設定情報を履歴情報として記憶部に記憶する記憶制御手段と、
前記履歴情報を使った印刷が指示され、かつ、前記情報処理装置において使用可能な画像出力装置に関する情報が前記履歴情報に含まれる一部の設定値に対応しない状況で、かつ、前記画像出力装置が前記履歴情報を用いて実行する印刷処理の印刷結果が所定の条件を満足する場合、前記一部の設定値に対応する項目に前記画像出力装置に関する情報が反映され、その他の項目に前記履歴情報の設定値が反映された第1の印刷設定画面を表示し、
前記状況で、かつ、前記画像出力装置が前記履歴情報を用いて実行する印刷処理の印刷結果が前記所定の条件を満足しない場合、前記履歴情報に含まれる設定値が反映されない第2の印刷設定画面を表示するように制御する表示制御手段と、
を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明では、履歴情報を使った印刷におけるユーザの利便性を向上することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】印刷システムの一例を示す図
図2】画像出力装置100のハードウェア構成の一例を示す図
図3】印刷PC102のハードウェア構成の一例を示す図
図4】印刷システムの機能ブロックの一例を示す図
図5】印刷履歴情報の一例を示す図
図6】印刷設定情報の表示画面の一例を示す図
図7】印刷履歴選択画面の一例を示す図
図8】印刷設定情報の表示画面の一例を示す図
図9】印刷設定情報の表示画面600を表示するフローチャート
図10】履歴項目のグループ化の一例を示す図
図11】入稿済ドキュメントに基づく処理を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施の形態を詳しく説明する。尚、以下の実施の形態は特許請求の範囲に係る本発明を限定するものでなく、また本実施の形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。
【0010】
<実施形態1>
まず、本実施形態に係る印刷システムについて説明する。本実施形態に係る印刷システムは、印刷を指示する情報処理装置(印刷PC)と、複数台の画像出力装置から構成される。図1の印刷システムでは、印刷PC102が印刷ジョブの作成及び画像出力装置へ印刷ジョブの送信を実施する。
【0011】
印刷ジョブ作成時において、ユーザは、必要に応じて印刷PC102の画面上で印刷設定情報の設定処理を行う。ユーザにより行われる印刷設定情報の設定処理において、画像出力装置における印刷ミスの発生を軽減するために、印刷PC102は、各画像出力装置の状態情報を取得する。そして、印刷PC102は、ユーザにより設定された印刷設定情報と画像出力装置から取得された状態情報が整合しているかを確認する。なお、状態情報には、例えば、画像出力装置100の名称、給紙部にセットされている用紙の情報、用紙の残量、インクタンクの識別情報、インクの残量、使用可能なスタッカの情報などが含まれる。
【0012】
図1は、本システムのネットワーク環境におけるシステム構成の一例を示す図である。図1に示すように、印刷PC102は、ネットワーク103を介して、画像出力装置(100乃至101)と接続可能である。印刷PC102は印刷ジョブを作成し、画像出力装置(100乃至101)に対して印刷ジョブを送信する。本実施形態では、画像出力装置を2つとしたが、これに限定されず、1つでも3つ以上でもよい。印刷PCについても1つとしたが、2つ以上であってもよい。画像出力装置(100乃至101)は、例えばユーザによりセットされる用紙が変更されたり、デバイス情報が変更された場合、変更された状態情報を記憶する。
【0013】
なお、本実施形態では、印刷PC102にインストールされた印刷用アプリケーションからプリンタドライバを介して画像出力装置に対して印刷ジョブを送信する。例えば印刷PC102には印刷用アプリケーションとプリンタドライバがインストールされている。印刷用アプリケーションは、プリンタドライバに対応する画像出力装置(100)の用紙種類や用紙サイズ、印刷品質などの印刷パラメータを取得し、印刷設定情報を設定する表示画面600を表示する。ユーザは、表示画面600を操作することで、PDFファイルやTIFFファイルなどの印刷ドキュメントを印刷用アプリケーションに入稿する。入稿された印刷ドキュメントの例えばファイル名やページ番号などの一覧がファイル一覧表示部601に表示される。また、例えば入稿された印刷ドキュメントをページ毎にレンダリングすることで得られたプレビュー画像がプレビュー表示部602に表示される。なお、表示画面600は、印刷設定情報を受け付けるため印刷設定画面と呼ばれることもある。
【0014】
次に、ユーザが印刷設定表示部603を使ってユーザが印刷設定情報を設定し、印刷ボタン604を押下する。この操作が行われた場合、印刷PC102は、印刷設定表示部603において選択されている画像出力装置に対応するプリンタドライバを介して画像出力装置に印刷ジョブを送信する。また、印刷ジョブが送信された場合、印刷用アプリケーションは、印刷ジョブの履歴情報を印刷履歴情報DB400に保存する記憶制御処理を実行する。なお、履歴情報として保存される情報は、印刷設定表示部603において設定された印刷設定情報と、印刷ジョブの生成に使用された印刷ドキュメントが保存されている場所を示すパス情報である。なお、履歴情報として、印刷設定表示部603において設定された印刷設定情報と印刷ドキュメントが保存されても良い。
【0015】
ユーザが、保持された履歴情報を使って再印刷を指示するケースを考える。例えば、絵画、ポスターまたは写真などの色合いの再現性を重視するケースにおいては、ユーザは、履歴項目501に示すような画像出力装置、各印刷設定情報が完全に一致していることを前提に印刷の実行を許容する可能性が高い。なお、本実施形態ではこのような印刷を再現印刷と呼ぶ。例えば、画像出力装置の廃棄やリプレースにより履歴情報で示される画像出力装置を使った印刷ができない場合、ユーザが履歴情報を使った再現印刷を許容しない可能性がある。また、履歴情報で示される画像出力装置の用紙種類やインク色構成などが変更されたことにより、履歴情報で示される情報と、現在の画像出力装置の状態情報が一致しない場合も、ユーザが履歴情報を使った再現印刷を許容しない可能性がある。
【0016】
一方、CAD図面、線画、説明書のように出力物の色合いにこだわりのない増刷のケースについて考える。このようケースにおいては、画像切れ(画像データの欠落)、用紙種類のカテゴリレベルの違いなど、印刷される情報や紙の質感が大きく異ならないならば、ユーザは、履歴項目501に示される情報が完全に一致していなくても印刷の実行を許容する可能性が高い。なお、本実施形態ではこのような印刷を増刷印刷と呼ぶ。
【0017】
本実施形態では、履歴情報を使って再印刷が指示される場合、印刷用アプリケーションは、履歴情報の中で使用できない印刷設定情報をユーザに報知する。さらに、印刷用アプリケーションは、履歴情報の復元可能レベルによって表示画面600に履歴情報に含まれる印刷設定情報を反映するか否かを切り替える。
【0018】
また、再印刷実行時には、履歴情報に含まれる印刷ドキュメントのパスに基づいて印刷ドキュメントが読み込まれることで印刷用アプリケーションは、図8のようにプレビュー画像を表示できる。
【0019】
図2は、画像出力装置100のハードウェア構成の一例を示す図である。なお、画像出力装置101も同様の構成を持つため、説明を省略する。画像出力装置100は、CPU200により制御される。CPU200は、ROM201のプログラム用ROMに記憶された制御プログラム等、あるいは外部メモリ208に記憶された制御プログラム等に基づいて動作する。CPU200は、システムバス203を介して印刷部I/F205に接続される印刷部(プリンタエンジン)207に印刷ジョブに基づく画像信号を出力する。CPU200は入力部204を介して印刷PC102との通信処理が可能となっており、画像出力装置100内の情報を印刷PC102に通知できる。また、CPU200は入力部204を介して印刷部207に出力する印刷ジョブを受信できる。RAM202は、CPU200の主メモリや、ワークエリア等として機能するRAMで、図示しない増設ポートに接続されるオプションRAMによりメモリ容量を拡張することができるように構成されている。なお、RAM202は、出力情報展開領域、環境データ格納領域、不揮発性メモリ等に用いられる。ハードディスク(HDD)、ICカード等の外部メモリ208は、メモリコントローラ206によりアクセスを制御される。外部メモリ208は、オプションとして接続されることができ、フォントデータ、エミュレーションプログラム、フォームデータ、画像出力装置に登録された用紙に関する情報(用紙サイズ、用紙タイプ等)などを記憶する。また、操作部209はパネルを備え、各種情報を表示したり、ユーザの操作を受け付ける。
【0020】
図3は、図1の印刷PC102のコンピュータの構成を示すブロック図の一例である。コンピュータ内部307は、CPU300、ROM301、RAM302、キーボードコントローラ304、表示コントローラ305、ディスクコントローラ306を有する。
CPU300は、ディスクコントローラ306を介して外部メモリ310から制御プログラム、システムプログラム、アプリケーションプログラム等の各種プログラムをRAM302に読み出す。CPU300は、RAM302に読み出した各種プログラムを実行して各種データ処理を行ったり、表示ディスプレイ309の表示制御を行ったりする。CPU300は、ROM301から制御プログラム等を読み出すものでもよい。CPU300は、ASICなどの専用回路であってもよい。CPU300や専用回路はハードウェア回路やハードウェアプロセッサの一例である。
【0021】
ディスクコントローラ306は、HD、CD-ROM、DVD-ROM、USB等の外部メモリ310とのアクセスを制御する。RAM302は、図示していないオプションRAM等によりその容量を拡張できるように構成されており、主としてCPU300のワークエリアとして利用される。キーボードコントローラ304は、キーボード308や、図示していないポインティングデバイスからのキー入力を制御する。表示コントローラ305は、表示ディスプレイ309の表示を制御する。なお、本発明の実施の形態では、特に断らない限り、CPU300がメインバス303を介して、メインバス303に接続されている各部を制御する。
【0022】
図4は、図1乃至3で説明した画像出力装置群100乃至101及び印刷PC102に関する、本システムの機能ブロックの一例を示す図である。まず、画像出力装置100内の機能ブロックについて説明する。ROM201には、状態情報記憶部405と印刷ジョブ受信部406と印刷実行部407がある。状態情報記憶部405は状態情報を保持する。
【0023】
印刷ジョブ受信部406は、印刷PC102から送信された印刷ジョブを受信し、状態情報記憶部405に記憶された情報と印刷ジョブの整合性を確認し、問題なければ印刷実行部407に印刷処理を指示する。例えば、印刷ジョブに設定されている用紙と、給紙部にセットされている用紙を比較し、用紙不一致が発生していないか等が判定される。ここで用紙不一致が発生していないと判定された場合、印刷処理が実行される。
【0024】
次に、印刷PC102内の機能ブロックについて説明する。なお、図4の状態情報取得部401から印刷設定情報表示部403が印刷用アプリケーションにより提供され、印刷ジョブ送信部404がプリンタドライバにより提供されるものとする。まず、印刷履歴情報DB400には、印刷ジョブ送信部404で送信した印刷ジョブに関わる情報が履歴情報として記憶されている。状態情報取得部401は、印刷PC102にインストールされているプリンタドライバやスプーラーの情報に加え、画像出力装置100の状態情報記憶部405に記憶された状態情報を取得できる。
【0025】
印刷設定情報比較部402では印刷履歴情報DB400に記憶された履歴情報と取得した状態情報を比較し、印刷設定情報の復元可能レベルを判定する。印刷設定情報表示部403では、判定結果に応じて、表示画面600に対する表示制御処理を実行する。また、印刷設定情報表示部403では、印刷ジョブ送信部404に印刷ジョブの作成及び送信を依頼する。
【0026】
図5は、印刷履歴情報DB400に記憶されている印刷履歴情報の一例を示す図である。印刷履歴情報には、履歴項目501、各履歴情報(5021乃至5023)が含まれる。履歴情報には、印刷ジョブ送信部404にて送信された印刷ジョブの履歴情報が例えば時系列に保持されている。なお、保持する順序は印刷ドキュメントの名前順でもよいし、画像出力装置名順でもよいし、それ以外の任意の順番でもよい。図5では直近3つの履歴情報のみが保持されているが、もちろんこれ以上の数の情報が保持されてもよいし、より少ない数の履歴情報が保持されてもよい。また、パラメータ種別毎に別ファイルで運用してもよいし、図5に記載した以外のパラメータ種別が印刷履歴情報に含まれていてもよい。
【0027】
図6は、印刷PC102の表示ディスプレイ309に表示される表示画面600の一例である。この表示画面600は、印刷用アプリケーションによって提供される。なお、本実施形態では、画像出力装置100に対して印刷を指示するケースにおける表示画面600の一例である。表示画面600は、印刷ドキュメント情報をドキュメントやページ単位で一覧表示しているファイル一覧表示部601を含む。さらに、表示画面600は、ファイル一覧表示部601で選択されたページのプレビュー画像を表示するプレビュー表示部602、各種印刷設定項目の設定値を設定する印刷設定表示部603を備えている。もちろん印刷設定表示部603のみが表示されていてもよいし、上述以外の表示部が表示画面600に存在していてもよい。印刷ボタン604の押下により、印刷ジョブの作成及び送信が実施される。
【0028】
再印刷を実行する場合には、例えば図7に示す印刷履歴選択画面700から対象となる履歴情報を選択させるようにしてもよい。なお、図7は、例えば図6のタブから「ジョブ履歴」の選択を受け付けることで表示される。
【0029】
印刷履歴選択画面700では、履歴情報一覧701にて一覧表示された履歴情報から再印刷の対象をユーザから受け付ける。なお、図7に表示される履歴情報の一覧は、印刷用アプリケーションが印刷履歴情報DB400から履歴情報を読み出すことで表示される。次に、印刷用アプリケーションは、再入稿ボタン702の押下を受け付けることにより選択された履歴情報を印刷設定表示部603の印刷設定値に反映するか否かを決定する。なお、この決定処理の詳細は、図9を使って説明する。もちろん、履歴情報一覧701にて最新の履歴情報を自動的に選択させるようにしてもよい。例えば、図6に最新の履歴情報印刷ボタンが表示されており、当該ボタンが押下された場合、最新の履歴情報が自動的に印刷用アプリケーションに入稿されてもよい。また、通信可能な画像出力装置に対応する印刷履歴情報のみを履歴情報一覧701に表示させてもよいし、特定のアカウントに関する印刷履歴情報のみを履歴情報一覧701に表示してもよい。つまり、ユーザが、過去に指示した印刷ジョブの履歴情報のみが表示されることになり、他のユーザの履歴情報が表示されない。上述した以外の方法で再印刷の対象となる履歴情報を決定してもよい。
【0030】
履歴情報の印刷設定を反映する時に、履歴情報(502)の中でそのまま反映できない設定値が存在した場合、印刷設定表示部603の対象項目に警告情報として警告マーク802を表示することでユーザに復元印刷時の警告を認識させるようにしてもよい。なお、警告情報として警告メッセージ801やポップアップ通知などの他の方法で使用できない履歴情報が通知されても良い。
【0031】
図9は、印刷PC102にて再印刷の指示を受けつけて実行される表示画面600の表示制御に関わるフローチャートの一例である。本実施形態に示すフローチャートは、例えば、CPU300がROM301に格納されたプログラムをRAM302に読み出して実行することにより実現される。
【0032】
図9のフローチャートは、印刷用アプリケーションにより提供される印刷履歴選択画面700の再入稿ボタン702が押下された際に開始される。
【0033】
印刷用アプリケーションは、再入稿の対象となっている履歴情報を印刷履歴情報DB400から取得する(S2101)。なお、本実施形態では、図5の履歴情報A5021が取得されたものとして説明する。次に印刷用アプリケーションは、印刷PCから使用可能な画像出力装置の数を特定し、iを1に初期化する。そして、印刷用アプリケーションは、i番目の画像処理装置を選択する(S2102)。
【0034】
印刷用アプリケーションは、S2102で選択した画像処理装置から状態情報を取得し(S2103)、S2101で取得した履歴情報とS2103で取得した状態情報を比較する(S2104)。例えば、印刷用アプリケーションは、S2103で取得した状態情報に含まれる画像出力装置がプリンター1か否かを判定する。S2103で取得した状態情報に含まれる画像出力装置がプリンター1であれば、印刷用アプリケーションは、S2103で取得した状態情報からロール1に36インチの写真用紙Aが含まれるかを判定する。印刷用アプリケーションは、このような比較処理を、残りの項目についても実行し、S2101で取得した履歴情報に含まれる全ての値がS2102で選択した画像出力装置の状態情報に一致するかを判定する。ここで、S2101で取得した履歴情報に含まれる全ての値がS2102で選択した画像出力装置の状態情報に一致すると判定された場合、印刷用アプリケーションは、履歴情報に含まれる全ての値を利用できると判定する(S2105-Yes)。一方、S2101で取得した履歴情報に含まれる値の少なくとも1つがS2102で選択した画像出力装置の状態情報に一致しない場合、印刷用アプリケーションは、履歴情報に含まれる全ての値を利用できないと判定する(S2105-No)。
【0035】
S2105においてYesと判定された場合、印刷用アプリケーションは、S2101で取得された履歴情報に基づいて表示画面600を表示し(S2106)、図9の処理を終了する。S2106により、例えば図6の印刷設定表示部603には、履歴情報Aの値が反映される。また、図6のプレビュー表示部602には、履歴情報Aの印刷ドキュメントと印刷設定表示部603に反映された印刷設定情報に基づくプレビュー画像が表示される。
【0036】
S2105にてNoと判定された場合、印刷用アプリケーションは、履歴情報Aとi番目の画像出力装置を使った印刷結果において”画像切れが発生しない”且つ”出力対象の用紙カテゴリが一致するか(用紙属性が同一属性か)”を判定する(S2107)。例えば、印刷用アプリケーションは、履歴情報に含まれるパスを用いて取得した印刷ドキュメントの垂直方向の長さと水平方向の長さを特定する。そして印刷用アプリケーションは、特定された垂直方向の長さと水平方向の長さと、S2102で選択した画像出力装置にセットされている用紙サイズを使って、画像切れが発生するか否かを判定する。画像切れが発生しないと判定された場合、印刷用アプリケーションは、履歴情報に含まれる用紙種類のカテゴリと、S2102で選択した画像出力装置にセットされている用紙種類のカテゴリが一致するか否かを判定する。ここで用紙種類のカテゴリも一致すると判定された場合、印刷用アプリケーションは、S2107においてYesと判定する。つまり、S2107においてYesと判定されるケースは、画像出力装置に関する情報が履歴情報に含まれる一部の設定値に対応せず、かつ、画像出力装置が履歴情報を用いて実行する印刷処理の印刷結果が所定の条件を満足するケースに相当する。なお、本実施形態における所定の条件は、”画像切れが発生しない”且つ”出力対象の用紙カテゴリが一致する”ケースに相当する。一方、画像切れが発生する、または、用紙種類のカテゴリが一致しないと判定された場合、印刷用アプリケーションは、S2107においてNoと判定する。つまり、S2107においてNoと判定されるケースは、画像出力装置に関する情報が履歴情報に含まれる一部の設定値に対応せず、かつ、画像出力装置が履歴情報を用いて実行する印刷処理の印刷結果が所定の条件を満足しないケースに相当する。
【0037】
S2107においてYesと判定された場合、印刷用アプリケーションは、S2101で取得された履歴情報の中で適用できない値を警告表示する(S2108)。例えば、図8(A)のような警告画面801が表示画面600上に表示される。警告画面801には、取得された履歴情報Aにおいて設定できない値が表示される。警告画面801においてOKボタンが押下された場合、印刷用アプリケーションは、S2106の表示制御処理を行う。S2106により、例えば、図8(B)のような画面が表示される。図8(B)では、S2107の処理を行うときに選択されていた画像出力装置において設定可能な履歴情報Aの値は、そのまま印刷設定表示部603に表示される。一方、S2107の処理を行うときに選択されていた画像出力装置において設定できない履歴情報Aの値は、選択されていた画像出力装置の値に置き換えられる。例えば、図8(B)は、「プリンタ2」という名称の画像出力装置を使用することで、履歴情報Aの「給紙口」から「フチなし」までの値を設定可能と判定された場合に表示される表示画面を示す。つまり、印刷設定表示部603のプリンター名称には、S2107の処理を行うときに選択されていた画像出力装置の値である「プリンタ2」が表示され、残りの項目には履歴情報Aの値が表示される。
【0038】
S2107においてNoと判定された場合、印刷用アプリケーションは、現在のiの値が、印刷PCが使用可能な画像出力装置の数に達したか否かを判定する(S2109)。S2109においてNoと判定された場合、印刷用アプリケーションは、iの値に1を加算して(S2111)、再度S2102を実行する。一方、S2109においてYesと判定された場合、印刷用アプリケーションは、S2101で取得した履歴情報の中で使用できない値を警告表示する(S2110)。S2110では、図8(A)と同様に、取得された履歴情報Aにおいて設定できない値が警告画面801に表示される。ここで、S2110において表示された警告画面においてOKボタンが押下された場合、印刷用アプリケーションは、図6のような取得された履歴情報が反映されていない表示画面600を表示する。
【0039】
以上のように、本実施形態によれば、再印刷において選択された履歴情報と印刷対象となっている画像出力装置の状態情報に基づいて、履歴情報の中で設定できない値の内容によって履歴情報の復元可能レベルが特定される。そして、その内容によっては、履歴情報を使うことをユーザに提示することが可能となり、ユーザの操作性を向上することができる。
【0040】
<実施形態2>
上述した実施形態1では、類似機能を備える画像出力装置、類似カテゴリの用紙種類であっても個別に扱う形態について説明した。本実施形態2では、これらをグルーピングして扱う形態について説明する。なお、本実施形態では、上述した実施形態と異なる点について説明し、そのほかについては上述した実施形態の処理が実行されるものとする。例えば、印刷用アプリケーションは、図10のように類似機能を備える画像出力装置および類似する用紙種類をグルーピングして管理しておく。そして印刷用アプリケーションは、図9のS2105の判定において履歴情報の値と選択された画像出力装置の値が異なっていても同一グループに所属していれば履歴情報の値を利用可能と判定してもよい。
【0041】
図10の例では画像出力装置100に関するグループ901や用紙種類に関するグループ902の作成例を図示したが、もちろん、図示した以外の履歴項目501に関するグループを生成してもよい。
【0042】
本実施形態によれば、履歴情報を使った再印刷をできる可能性が高まり、ユーザの操作性を向上することが可能となる。
【0043】
<実施形態3>
上述した実施形態では、印刷ドキュメントを入稿して図6の表示画面600において印刷設定情報を編集している最中に図9を実施してしまうと、編集中の印刷設定情報がリセットされてしまうおそれがある。そこで、印刷用アプリケーションは、図9の処理を実施する前に編集中の操作の有無を判定し、編集中の作業がリセットされることを防止しても良い。
【0044】
図11の処理は、例えば、S2106の処理の直前に開始される(S2200)。印刷用アプリケーションは、まず入稿済ドキュメントが存在しているかどうかを判定する(S2201)。入稿済ドキュメントが存在する(S2201にてYes)場合、印刷用アプリケーションは、入稿済ドキュメントを印刷するか否かをユーザに問い合わせる(S2202)。ユーザにより印刷が指示された場合(S2202-Yes)、印刷用アプリケーションは、編集中の印刷設定情報と印刷ドキュメントを使って印刷を指示する(S2203)。入稿済ドキュメントが存在しない場合(S2201-No)、またはS2202において印刷が指示されなかった場合(S2202-No)、印刷用アプリケーションは、入稿済ドキュメント及び編集中の印刷設定情報をクリアする(S2204)。そして、印刷用アプリケーションは、図11の処理が実行された後にS2106に処理を続ける。
【0045】
なお、図11では、入稿済ドキュメントと編集中の印刷設定情報をクリアしているが、どちらか一方のみをクリアする形態でも良い。また、S2203で印刷を指示しているが、例えば、印刷用アプリケーションは、入稿済みの印刷ドキュメントと編集中の印刷設定情報を保存してもよい。また、S2201にてYesと判定された場合、印刷用アプリケーションは、編集中の作業がキャンセルされる旨の警告メッセージを表示し、OKボタンが押下された場合、そのまま処理を終了してもよい。なお、S2203のタイミングで印刷を指示するのではなく、例えば、図9の処理が終わった後に、印刷が指示されても良い。
【0046】
(その他の実施形態)
上述した実施形形態では、S2107においてYesと判定される画像出力装置が見つかった時点でS2106を実行して処理を終了しているが、他の形態でも構わない。例えば、印刷用アプリケーションは、S2107においてYesと判定された画像出力装置を記憶しておき、S2109の判定を行う。このS2109でNoと判定された場合、印刷用アプリケーションは、S2111、S2102と処理を実行し、次の画像出力装置についてS2103以降を実行する。そしてS2109においてYesと判定された場合、印刷用アプリケーションは、S2107でYesと判定された画像出力装置の中で、履歴情報Aの値を最も多く設定可能な画像出力装置を選択しても良い。
【0047】
また、上述した実施形態ではS2108とS2106の処理により図8(A)と(B)の画面が表示される例について説明したが他の画面が表示されても良い。例えば、図8(C)のように履歴情報が印刷設定部に反映され、かつ、警告マーク802が表示されても良い。
【0048】
また、上述したS2107では”画像切れが発生しない”且つ”出力対象の用紙カテゴリが一致するか”を判定したが、この限りではない。例えば、”画像切れが発生しない”か否かのみがS2107で判定されても良い。また、例えば、”出力対象の用紙カテゴリが一致するか”を否かのみがS2107で判定されても良い。その他の条件として、用紙サイズや、印刷ドキュメントのフォント情報などが判定されても良い。
【0049】
また、上述した実施形態では印刷用アプリケーションが各実施形態の処理を実行するものとして説明したが、他のソフトウェアにより上述した実施形態の処理が実行されても良い。例えば、プリンタドライバが、述した実施形態の処理を実行しても良い。
【0050】
また、上述した実施形態では履歴情報を使った再印刷を実行するケースを例に説明したが他のケースで上述した実施形態の処理が実行されても良い。例えば、印刷設定情報等だけ履歴情報を使用し、印刷ドキュメントは新たな印刷ドキュメントを使用して印刷しても良い。
【0051】
なお、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムをネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理により上述の実施形態に関わる処理が実現されてもよい。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても上述の実施形態に関わる処理が実現されてもよい。
【符号の説明】
【0052】
100 画像出力装置
102 印刷PC
図1
図2
図3
図4
図5
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図7
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図9
図10
図11