(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-20
(45)【発行日】2024-10-01
(54)【発明の名称】記録装置
(51)【国際特許分類】
B41J 2/175 20060101AFI20240924BHJP
B41J 2/01 20060101ALI20240924BHJP
【FI】
B41J2/175 153
B41J2/175 115
B41J2/175 133
B41J2/175 501
B41J2/01 303
(21)【出願番号】P 2020197650
(22)【出願日】2020-11-27
【審査請求日】2023-11-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100223941
【氏名又は名称】高橋 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100159695
【氏名又は名称】中辻 七朗
(74)【代理人】
【識別番号】100172476
【氏名又は名称】冨田 一史
(74)【代理人】
【識別番号】100126974
【氏名又は名称】大朋 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】武永 健
【審査官】小宮山 文男
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-081122(JP,A)
【文献】特開2007-105883(JP,A)
【文献】特開2020-168831(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/01-2/215
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
インクを吐出して記録媒体に記録を行うための記録ヘッドを着脱可能に搭載する搭載部と、インクの注入口を備え、第1の色のインクを貯留するための第1の収容部と、インクの注入口を備え
、第2の色のインクを貯留するための第2の収容部と、前記第1の収容部に
貯留された第1の色のインクを前記搭載部に供給するための第1の供給経路と、前記第2の収容部に
貯留された第2の色のインクを前記搭載部に供給するための第2の供給経路と、前記搭載部に設けられ、前記第1の供給経路と繋がり、前記搭載部に搭載された記録ヘッドと接続するための第1の接続部と、前記第2の供給経路と繋がり、前記搭載部に搭載された記録ヘッドと接続するための第2の接続部と、を有する記録装置において、
前記第2の色のインクを記録ヘッドの内部へ供給するための供給部は備えておらず、前記第1の色のインクを記録ヘッドの内部に供給するための第1の供給部を有し、前記第1の色のインクを吐出するための第1の記録ヘッドを前記搭載部に搭載する場合には、前記第1の接続部は第1の供給部と接続することができ、かつ、前記第
2の供給経路から供給されたインクが前記第1の記録ヘッドと接続されない前記第2の接続部から排出されることを第1の抑制手段によって抑制し、
前記第1の色のインクを記録ヘッドの内部へ供給するための供給部は備えておらず、前記第2の色のインクを記録ヘッドの内部に供給するための第2の供給部を有し、前記第2の色のインクを吐出するための第2の記録ヘッドを前記搭載部に搭載する場合には、前記第2の接続部は第2の供給部と接続され、前記第1の供給経路から供給されたインクが前記第2の記録ヘッドと接続されない前記第1の接続部から排出されることを第2の抑制手段によって抑制することを特徴とする記録装置。
【請求項2】
前記第1の抑制手段は前記接続部内に設けられた弁であることを特徴とする請求項
1に記載の記録装置。
【請求項3】
前記記録ヘッドが前記接続部と当接する前記第1の抑制手段を備えることを特徴とする
請求項1
又は2に記載の記録装置。
【請求項4】
第1はブラックインクを吐出するための記録ヘッド、第2は有彩色のインクを吐出する
ための記録ヘッドであることを特徴とする請求項1乃至
3のいずれか1項に記載の記録装
置。
【請求項5】
前記搭載部には前記第1の記録ヘッドとともにさらに別の前記第1の
色のインクを吐出するための記録ヘッドを搭載可能であり、前記別の前記第1の
色のインクを吐出するための記録ヘッドには前記第1の収容部からインクが供給され
ないことを特徴とする請求項1乃至
4のいずれか1項に記載の記録装置。
【請求項6】
前記第1の色のインクを貯留するための収容部と、前記第2の色のインクを貯留するための収容部と、を含む複数の収容部を備え、前記搭載部は、前記複数の収容部の各々に貯留されているインクのいずれとも種類の異なるインクを吐出するための記録ヘッドを搭載可能であることを特徴とする請求項1乃至
5のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、記録ヘッドを着脱可能なキャリッジと、記録ヘッドへインクを供給するための供給チューブと、供給チューブと記録ヘッドを接続するためのジョイント部と、キャリッジに開閉可能に設けられたカバーとを備えた記録装置が開示されている。各色のインクは、インクを注入する注入口を備えたインクタンクに貯留され、そこから供給チューブを介して記録ヘッドに供給される。
【0003】
特許文献1に記載の技術では、ジョイント部と記録ヘッドの係合の組み合わせが一対一となっている。その場合、一つのジョイント部に対しては1種類の記録ヘッドのみインク連続供給化が可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の方法では、2種類以上の記録ヘッドをインク連続供給化するには、2か所にジョイント部を設ける必要があり、装置が大型化する懸念がある。
【0006】
このような事情に鑑みて、本発明は、同じ記録ヘッドの搭載部に対して搭載される使用するインクの種類が異なる記録ヘッド夫々に対してインクを連続供給できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、インクを吐出して記録媒体に記録を行うための記録ヘッドを着脱可能に搭載する搭載部と、インクの注入口を備え、第1の色のインクを貯留するための収容部と、インクの注入口を備え、第2の色のインクを貯留するための収容部と、収容部に貯留された第1の色のインクを前記搭載部に供給するための第1の供給経路と、収容部に貯留された第2の色のインクを前記搭載部に供給するための第2の供給経路と、前記搭載部に設けられ、前記第1の供給経路と繋がり、前記搭載部に搭載された記録ヘッドと接続するための第1の接続部と、前記第2の供給経路と繋がり、前記搭載部に搭載された記録ヘッドと接続するための第2の接続部と、を有する記録装置において、
前記第2の色のインクを記録ヘッドの内部へ供給するための供給部は備えておらず、前記第1の色のインクを記録ヘッドの内部に供給するための第1の供給部を有し、前記第1の色のインクを吐出するための第1の記録ヘッドを前記搭載部に搭載する場合には、前記第1の接続部は第1の供給部と接続可能であり、かつ、前記第2の供給経路から供給されたインクが前記第1の記録ヘッドと接続されない前記第2の接続部から排出されることを第1の抑制手段によって抑制し、
前記第1の色のインクを記録ヘッドの内部へ供給するための供給部は備えておらず、前記第2の色のインクを記録ヘッドの内部に供給するための第2の供給部を有し、前記第2の色のインクを吐出するための第2の記録ヘッドを前記搭載部に搭載する場合には、前記第2の接続部は第2の供給部と接続され、前記第1の供給経路から供給されたインクが前記第2の記録ヘッドと接続されない前記第1の接続部から排出されることを第2の抑制手段によって抑制することを特徴とする記録装置である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、装置の大型化を抑えながらも、同じ記録ヘッドの搭載部に対して搭載される使用するインクの種類が異なる記録ヘッド夫々に対してインクを連続供給可能とすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】第1の実施形態に係るインクジェット記録装置の斜視図である。
【
図2】第1の実施形態に係るインクジェット記録装置の断面図である。
【
図3】インクジェット記録装置の記録動作概略を示すブロック図である。
【
図4】第1の実施形態に係るカバーが開いた状態のキャリッジ部の斜視図である。
【
図5】第1の実施形態に係るジョイントの詳細図である。
【
図6】第1の実施形態に係るカバーが閉じた状態のキャリッジ部の斜視図である。
【
図7】第1の実施形態に係るジョイント挿入状態のキャリッジ部の斜視図である。
【
図8】第1の実機形態に係る記録ヘッドの斜視図と上面図である。
【
図9】第1の実機形態に係る記録ヘッドの斜視図と上面図である。
【
図10】第2の実施形態に係る記録ヘッドの斜視図と上面図である。
【
図11】第3の実施形態に係るカバーが開いた状態のキャリッジの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(第1の実施形態)
以下、図面を参照しながら、本発明の第1の実施形態について詳細に説明する。なお、同一の機能、構成に対しては同じ参照符号を付してその説明を省略する場合がある。
【0011】
図1は、本発明の第1の実施形態に係るインクジェット記録装置の斜視図である。
図2は、本発明の第1の実施形態に係るインクジェット記録装置の断面図である。
【0012】
インクジェット記録装置1は、シート(記録媒体)を給送する給送部2と、記録媒体を搬送する搬送部3と、記録媒体を排出する排出部4と、記録媒体に画像を記録する記録部5とを有する。また、インクジェット記録装置1は、後述するメンテナンス部6と、インク供給部7とを有する。
【0013】
給送部2において、圧板21に積載された記録媒体は、ピックアップローラ22と分離ローラ23によって分離され搬送部3へ給送される。搬送部3へ給送された記録媒体は、停止または逆転する主搬送ローラ31と従動ローラ32に突き当てられることによって斜行が矯正される(斜行矯正動作)。その後、記録媒体は、主搬送ローラ31と従動ローラ32とによって挟持され記録部5へ搬送される。記録部5へ搬送された記録媒体は、プラテン33に下方から支持された状態で、対向する位置にある記録ヘッド51によりインクが吐出され画像が形成される。
【0014】
記録部5は、記録ヘッド51と記録ヘッドを搭載するための搭載部としてのキャリッジ52を有する。記録ヘッド51は、キャリッジ52に着脱自在に搭載される。キャリッジ52は、記録ヘッド51を搭載した状態で記録媒体の搬送方向(第1方向)と交差する方向(第2方向)に移動可能にシャーシ11により支持される。キャリッジ52は、キャリッジ駆動モータ12の駆動が伝達ベルト13に伝達されることによって、第2方向へ移動する。キャリッジ52が第2方向に移動している間に、記録ヘッド51が記録媒体に対してインクを吐出して1バンド分の画像を形成する。1バンド分の画像が形成された記録媒体は、次の1バンド分の画像を形成するために所定の搬送量ずつ第1方向に間欠的に搬送される。この間欠搬送動作と画像形成動作とを交互に繰り返すことによって、記録媒体全体に画像が形成される。画像が形成された記録媒体は、排出部4へ搬送される。排出部4へ搬送された記録媒体は、排出ローラ41と拍車42とによって不図示の排出トレイへ排出される。
【0015】
キャリッジが移動可能な領域の端部には、記録ヘッド51をメンテナンスするためのメンテナンス部6が設けられている。メンテナンス部6は、記録ヘッド51に設けられたインク吐出口を覆うためのキャップを有している。キャップによってインク吐出口を覆うことによりインク吐出口からのインクの乾燥を防ぐことができる。また、メンテナンス部6は、記録ヘッド51の記録性能を回復するためにキャップをした状態でチューブとポンプによりインク吐出口からインクを吸引する吸引回復機構を有している。
【0016】
インク供給部7は、装置本体の前面に配置されている。インク供給部7は、内部にインクを収容するインクの収容部として複数のインクタンク71を有している。図示したインクタンク71は、左側にブラックがインクタンク、右側はそれぞれシアン、マゼンタ、イエローのインク用である。各々のインクタンクは注入するためのインク注入口77を有している。図示した状態ではインク注入口77にはキャップがされている。ユーザーは、インクをインク注入口よりインクタンク71の内部に注入することによってインクを補充することができる。インクタンク71に収容されたインクは、供給チューブ72を介して記録ヘッド51へ供給される。インクタンク71からインクが供給されることによって、記録ヘッド51は印刷時にインクを吐出して記録媒体に画像を形成することができるようになる。
【0017】
図3は、インクジェット記録装置の記録動作概略を示すブロック図である。201は、各部動作やデータ処理等を制御するMPUである。202は、MPU201によって実行されるプログラムやデータを格納するROMである。203は、MPU201によって実行される処理データ及びホストコンピュータ214から受信したデータを一時的に記憶するRAMである。記録ヘッド5は記録ヘッドドライバ207によって制御される。キャリッジ52を駆動するキャリッジモータ12は、キャリッジモータドライバ208によって制御される。搬送部3の搬送ローラ(同期駆動の排紙ローラ)は搬送モータ205によって駆動される。搬送モータ205は搬送モータドライバ209によって制御される。また、給紙部2の給紙ローラとメンテナンス部6のポンプは給紙・ポンプモータ206によって駆動される。給紙・ポンプモータ206は給紙・ポンプモータドライバ210によって制御される。ホストコンピュータ214には、使用者による記録動作の実行命令時に、記録画像等の記録情報を取りまとめて記録装置と通信するためのプリンタドライバ2141が設けられている。MPU201は、I/F部213を介してホストコンピュータ214と記録画像データ等のやり取りを実行する。MPU201は、ホストから取得した記録画像データに対して、ROM202に記憶されているパラメータやプログラムに基づき、RAM203を一時データの保存先として利用しながら処理する。そして得られた記録用のデータを記録ヘッドドライバ207を介して記録ヘッド5へ転送し、記録ヘッドは転送されたデータに基づいて記録を行う。
【0018】
図4は、第1の実施形態に係るカバーが開いた状態の記録部5の斜視図である。キャリッジ52にはヘッドジョイント53とヘッドカバー54とが設けられている。キャリッジ52には、ヘッドカバー爪受け部521が設けられている。ヘッドジョイント53は記録ヘッド511にインクを供給するための接続部を有し、詳細にはブラックインク接続部53B、シアンインク接続部53C、マゼンタインク接続部53M、イエローインク接続部53Yを備える。また、記録ヘッド511はヘッドカバー54に設けられているヘッドセットカム55とヘッドセットカムバネ56によって所定の荷重を受けながらキャリッジ52に固定される。
【0019】
図5は、第1の実施形態に係るジョイントの詳細図である。
図5(a)に示すように、ヘッドジョイント53には記録ヘッド511にインクを供給するための接続部を有し、詳細にはブラックインク接続部53B、シアンインク接続部53C、マゼンタインク接続部53M、イエローインク接続部53Yから構成される。また、
図5(b)に示すように、各色、インクタンクとインクの供給経路である供給チューブ72とチューブ接続部555Jによって接続されることでインク連続供給が可能となっている。また、
図5(c)は
図5(b)のA-A断面である。
図5(c)に示すように、各色の接続部には接続部内の管状流路にヘッドジョイント弁531が設けられており、例えばマゼンタインクを備えた記録ヘッド511Mと接続された場合は、インク供給ができるように、ヘッドジョイント弁531が開く。接続されていない場合にはヘッドジョイント弁531が閉じており、インクが漏れをしないようにして、インクが排出されるのを抑制する構成となっている。また、
図5(d)は
図5(b)のA-A断面である。
図5(d)に示すように、インクを連続供給としない色に関しては、ヘッドジョイント511Nが接続部の記録ヘッドに係合する部分に当接して係合する部分を封止することでインク漏れが起きない構成でも良い。
【0020】
図6は第1の実施形態に係るカバーが閉じた状態のキャリッジ部の斜視図である。ヘッドカバー54を回動して閉じると、ヘッドカバー爪部541がキャリッジのヘッドカバー爪受け部521に係り、記録ヘッド511はヘッドカバー54に設けられているヘッドセットカム55とヘッドセットカムバネ56によって所定の荷重を受けながらキャリッジ52に固定される。
【0021】
図7は、第1の実施形態に係るジョイント挿入状態のキャリッジ部の斜視図である。ヘッドセットカバー54にはヘッドジョイント53を可動させるためのヘッドジョイントカバー57とヘッドジョイントカバーバネ58が設けられている。ヘッドジョイントカバー57を押し下げると、ヘッドジョイントカバー爪部571がキャリッジのヘッドジョイントカバー爪受け部522に係り、ヘッドジョイント53が記録ヘッド511と接続される。
【0022】
図8は、第1の実施形態に係る記録ヘッドの斜視図((a))と上面図((b))である。
【0023】
図8(a)、(b)に示すように、記録ヘッド511は、ゼンタ用の供給部511M,シアン用の供給部511C,イエロー用の供給部511Yと、を備える有彩色のカラーインク記録ヘッドである。カラー記録のためのシアンインク、マゼンタインク、イエローインクを記録ヘッド用のチップ511Aによって記録可能である。ヘッドジョイント53が挿入状態時、シアンインク接続部53Cはシアンインク供給部511Cに、マゼンタインク接続部53Mはマゼンタインク供給部511Mに、イエローインク接続部53Yはイエローインク供給部511Yに接続されインクの連続供給が可能となる。また、ブラックインク接続部53Bに係合する箇所511Nは凹形状となっており接続されない。
【0024】
図9(a)および(b)に示す記録ヘッドは、実施形態に係るブラックインク記録ヘッド512である。ヘッドジョイント53が挿入状態時、ブラックインク接続部53Bはブラックインク供給部512Bに接続されインクが連続供給化される。また、シアンインク接続部53Cとマゼンタインク接続部53Mとイエローインク接続部53Yに係合する箇所512Nは凹形状となっており接続されない。
【0025】
以上のような、ヘッドジョイント53と記録ヘッド511から513のような構成をとることで、一つの定形ヘッドジョイントに対して、インク連続供給化する記録ヘッドを任意に選択可能となる。
【0026】
(実施形態2)
図10(a)および(b)で示す記録ヘッド513は、インク供給部を有さない特色インク記録ヘッドである。例えば、銀ナノ粒子が配合されたインク、可視範囲の蛍光を発する顔料インク、
図6を用いて説明したインクの色、すなわち色の三原色以外の色、青色、赤色、緑色のインク、印刷物に光沢感を与えるクリアインクなどを吐出するための記録ヘッドである。第1の実施形態に係る記録ヘッドと同じように吐出用のチップを備えている。ヘッドジョイント53が挿入状態時、ブラックインク接続部53Bとシアンインク接続部53Cとマゼンタインク接続部53Mとイエローインク接続部53Yに係合する箇所513N夫々は凹形状となっており接続されない。しかし、キャリッジ52には搭載可能であり、インクタンク513Sに含まれる特色のインクを吐出することができる。
【0027】
以上のような、ヘッドジョイント53と記録ヘッドと513のような構成をとることで、一つの定形ヘッドジョイントに対して、インク連続供給化しない特色インク記録ヘッド等を使用することが可能となる。
【0028】
(第3の実施形態)
図11は第3実施形態に係るカバーが開いた状態のキャリッジの斜視図である。第3の実施形態では、2つの記録ヘッドを搭載しており、片側のヘッドは、ジョイント53との係合部分を持たない、ブラックインク記録ヘッドまたはカラーインク記録ヘッド514である。もう一方のヘッドはヘッドジョイント53を接続または非接続を選択可能な形状をもつ記録ヘッド511である。これに替えて、ブラックインク記録ヘッド512または特色記録ヘッド513を用いることが出来る。例えば514がブラックインク用の記録ヘッドであると、もう一方のヘッドがカラーインク記録ヘッド511であれば、カラー印刷が可能となる。514がブラックインク用の記録ヘッドであり、もう一方のヘッドがブラックインク記録ヘッド512の場合には、2つの記録ヘッドでブラックを吐出することができ、記録濃度を2倍相当に濃くすることができる。例えば、濃度が濃い部分を印刷する場合に、キャリッジが2往復で印刷物を形成していたところを、キャリッジが1往復で印刷物を形成することができる。このことにより、印刷物の形成時間を短縮する効果が期待できる。514がブラックインク記録ヘッドかつもう一方のヘッドが、特色インク記録ヘッド513の場合には、通常モノクロ印刷しかできないところ、ユーザオプションとしてユーザーが所望する特色を印刷することがでる。このようにしてユーザーの多様なニーズに対応することが可能となる。
【符号の説明】
【0029】
51 記録ヘッド
511 カラーインク記録ヘッド
512 ブラックインク記録ヘッド
513 特色インク記録ヘッド
514 ジョイント53との係合部分を持たない、ブラックインク記録ヘッドまたはカラーインク記録ヘッド
52 キャリッジ
53 ヘッドジョイント
53B ブラックインク接続部
53C シアンインク接続部
53M マゼンタインク接続部
53Y イエローインク接続部
531 ヘッドジョイント弁
54 ヘッドカバー
57 ヘッドジョイントカバー