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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-20
(45)【発行日】2024-10-01
(54)【発明の名称】現像装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/08 20060101AFI20240924BHJP
【FI】
G03G15/08 390B
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020203549
(22)【出願日】2020-12-08
(65)【公開番号】P2022090939
(43)【公開日】2022-06-20
【審査請求日】2023-11-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100223941
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100159695
【弁理士】
【氏名又は名称】中辻 七朗
(74)【代理人】
【識別番号】100172476
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 一史
(74)【代理人】
【識別番号】100126974
【弁理士】
【氏名又は名称】大朋 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 文芳
(72)【発明者】
【氏名】東條 新
【審査官】市川 勝
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-049118(JP,A)
【文献】特開2018-031827(JP,A)
【文献】特開2020-003596(JP,A)
【文献】特開2018-173488(JP,A)
【文献】特開2018-169574(JP,A)
【文献】特開2007-271856(JP,A)
【文献】特開2015-072331(JP,A)
【文献】特開2019-020636(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナーとキャリアを含む現像剤を収容する現像容器と、
像担持体に形成された静電潜像を現像する現像領域に前記現像剤を担持搬送する現像回転体と、
空気を流入する流入口を有し且つ前記流入口を介して前記現像容器の内部に空気を流入させる流入経路と、空気を排出する排出口を有し且つ前記排出口を介して前記現像容器の外部に空気を排出させる排出経路と、を形成するための流路形成部材と、
を備え、
前記流入口は、前記現像回転体の回転方向に関して前記現像領域よりも回転方向下流側に配置されており、
前記流入口と前記排出口は、互いに隣り合って配置されており、
前記排出経路には、トナーを捕集するための捕集部材が設けられており、
前記現像回転体の回転軸線方向の中央部における前記捕集部材の透気抵抗度は、前記現像回転体の回転軸線方向の端部における前記捕集部材の透気抵抗度よりも低い
ことを特徴とする現像装置。
【請求項2】
前記捕集部材は、像担持体に画像を形成可能な最大画像領域の全域に亘って設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
【請求項3】
前記捕集部材は、前記排出口に配置されている
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の現像装置。
【請求項4】
前記排出口には、前記現像回転体の回転軸線方向に間隔を介して複数のリブが形成されており、
前記捕集部材は、接着剤を介して前記複数のリブに取り付けられている
ことを特徴とする請求項3に記載の現像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、像担持体に形成された静電潜像を現像する現像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現像装置は、トナーとキャリアを含む現像剤を収容する現像容器と、像担持体に形成された静電潜像を現像する現像領域に現像剤を担持搬送する現像回転体を備える。現像装置が稼働している間、現像回転体の回転に伴って現像容器内には空気が流入する。とりわけ、プロセススピードの高速化のために現像回転体の回転速度を上昇させた場合、現像容器内に流入する単位時間あたりの空気の量が多くなるため、現像容器内の内圧が高まる程度が大きくなる。現像容器内の内圧が高まった場合、現像容器の開口を介して現像容器内から現像容器外に向かって排出されようとする空気の勢いが強まるため、現像容器内から現像容器外に向かって飛散するトナーの量が多くなる傾向がある。
【0003】
特許文献1に記載の現像装置は、現像回転体の外周面に沿って現像回転体を覆う排出路形成部材を有し、排出路形成部材と現像容器の内壁面との間に現像容器内の空気を排出する排出路を形成している。これにより、現像容器内の内圧の上昇を低減して、トナーを含む空気が現像容器外に排出されることを抑制している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2015-34965号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
現像剤が現像回転体から離脱されてスクリュに戻される際に、落下時の衝撃やスクリュの回転により現像剤中の一部のトナーが浮遊して舞い上がることがある。特許文献1の構成において、この舞い上がったトナーが排出路に侵入した場合、排出路の排出口を介して現像容器外にトナーが排出されてしまう虞がある。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものである。本発明の目的は、現像容器外に飛散するトナーの量を低減させることが可能な現像装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために本発明の一態様に係る現像装置は以下のような構成を備える。即ち、トナーとキャリアを含む現像剤を収容する現像容器と、像担持体に形成された静電潜像を現像する現像領域に前記現像剤を担持搬送する現像回転体と、空気を流入する流入口を有し且つ前記流入口を介して前記現像容器の内部に空気を流入させる流入経路と、空気を排出する排出口を有し且つ前記排出口を介して前記現像容器の外部に空気を排出させる排出経路と、を形成するための流路形成部材と、を備え、前記流入口は、前記現像回転体の回転方向に関して前記現像領域よりも回転方向下流側に配置されており、前記流入口と前記排出口は、互いに隣り合って配置されており、前記排出経路には、トナーを捕集するための捕集部材が設けられており、前記現像回転体の回転軸線方向の中央部における前記捕集部材の透気抵抗度は、前記現像回転体の回転軸線方向の端部における前記捕集部材の透気抵抗度よりも低いことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、現像容器外に飛散するトナーの量を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1の実施形態に係る画像形成装置の全体構成を示す断面図である。
図2】第1の実施形態に係る現像装置の構成を示す断面図である。
図3図2に示した領域R0を拡大した図である。
図4】第1の実施形態に係る捕集部材の貼付領域を説明する現像装置の斜視図である。
図5】実施例1と比較例の実験結果を示すグラフである。
図6】排出路形成部材の斜視図である。
図7】排出路形成部材の上面図である。
図8図7に示した領域R2を拡大した図である。
図9】第2の実施形態に係る捕集部材の貼付領域を説明する現像装置の斜視図である。
図10】実施例2と比較例の実験結果を示すグラフである。
図11】実施例1、実施例2および比較例の実験結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る本発明を限定するものではなく、また、本実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。本発明は、プリンタ、各種印刷機、複写機、FAX、複合機等、種々の用途で実施できる。
【0011】
[第1の実施形態]
(画像形成装置の全体構成)
図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置1の全体構成を示す図である。以下、図において、画像形成装置1の各構成の配置を説明するため、各構成が配置される空間をxyz右手系座標空間として表す。また、図に示す座標記号のうち、内側が白い円の中に黒い円を描いた記号は、紙面奥側から手前側に向かう矢印を表している。また、内側が白い円の中に交差する2本の線分を描いた記号は、紙面手前側から奥側に向かう矢印を表している。空間においてx軸に沿う方向をx軸方向という。また、x軸方向のうち、x成分が増加する方向を+x方向といい、x成分が減少する方向を-x方向という。y、z成分についても、上記の定義に沿ってy軸方向、+y方向、-y方向、z軸方向、+z方向、-z方向を定義する。
【0012】
図1に示すように、画像形成装置1は、制御部11と、現像部13Y,13M,13C,13Kと、転写部14と、定着部15と、搬送部16とを備えている。尚、符号のY,M,C,Kはそれぞれ、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナーに対応した構成であることを意味している。現像部13Y,13M,13C,13Kのそれぞれは、用いるトナーが異なるのみであって、その構成に特段の差異はない。以下、現像部13Y,13M,13C,13Kのそれぞれを特に区別する必要がない場合には、トナーの色を示す符号末尾のアルファベットを省略して、現像部13と表記する。
【0013】
制御部11は、CPU、ROM、RAM、ソリッドステートドライブやハードディスクドライブなどの記憶手段を有する。尚、CPUとは、Central Processing Unitのことである。また、ROMとは、Read Only Memoryのことである。また、RAMとは、Random Access Memoryのことである。CPUは、これらの記憶手段に記憶されているコンピュータプログラムを読み出して実行することにより、画像形成装置1の各部を制御する。
【0014】
搬送部16は、用紙収容部と搬送ロールとを有する。用紙収容部には、予め定められたサイズにカットされた、媒体としての用紙Pが収容される。用紙収容部に収容されている用紙Pは、制御部11の指示により搬送ロールによって1枚ずつ取り出され、用紙搬送路を経由して転写部14へと搬送される。尚、媒体は用紙に限らず、例えば樹脂製のシートなどであってもよい。要するに、媒体は、表面に画像を記録し得るものであればよい。
【0015】
各現像部13は、回転可能な像担持体31と、帯電装置32と、露光装置33と、現像装置34と、一次転写ロール35と、ドラムクリーナ36とを備えている。像担持体31は、電荷発生層や電荷輸送層を有する感光体ドラムであり、駆動部により図中の矢線D13の方向に回転させられる。帯電装置32は、像担持体31の表面を帯電させる。露光装置33は、レーザ発光源やポリゴンミラーなどを備え、制御部11の制御の下、画像データに応じたレーザ光を、帯電装置32により帯電させられた後の像担持体31に向けて照射する。これにより、各像担持体31には潜像(静電潜像)が担持される。尚、上記の画像データは、制御部11が通信部を介して外部装置から取得したものであってもよい。外部装置とは、例えば原画像を読み取る読取装置や画像を示すデータを記憶した記憶装置などである。現像装置34は現像領域において現像剤を像担持体31に供給する。これにより像担持体31には、画像が形成(現像)される。
【0016】
一次転写ロール35は転写部14の中間転写ベルト41が像担持体31と対向する位置において予め定めた電位差を生じさせ、この電位差によって中間転写ベルト41に画像を転写する。ドラムクリーナ36は、画像の転写後に像担持体31の表面に残留している未転写のトナーを取り除き、像担持体31の表面を除電する。
【0017】
転写部14は、中間転写ベルト41と、二次転写ロール42と、ベルト搬送ロール43と、バックアップロール44と、ベルトクリーナ49とを備えており、現像部13によって形成された画像を用紙Pに転写する転写部である。中間転写ベルト41は無端のベルト部材であり、ベルト搬送ロール43およびバックアップロール44は中間転写ベルト41を張架する。ベルト搬送ロール43およびバックアップロール44の少なくとも1つには駆動部が備えられており、中間転写ベルト41を図1の矢印D14方向に移動させる。尚、駆動部を有さないベルト搬送ロール43またはバックアップロール44は、中間転写ベルト41の移動に伴って回転する。中間転写ベルト41が図1の矢印D14方向に移動して回転することにより、中間転写ベルト41上の画像は、二次転写ロール42とバックアップロール44とに挟まれる領域に移動させられる。
【0018】
二次転写ロール42は、中間転写ベルト41との電位差によって、中間転写ベルト41上の画像を搬送部16から搬送されてきた用紙Pに転写させる。ベルトクリーナ49は、中間転写ベルト41の表面に残留している未転写のトナーを取り除く。そして、転写部14または搬送部16は、画像が転写された用紙Pを定着部15へと搬送する。定着部15は、加熱によって用紙Pに転写された画像を定着させる。
【0019】
(現像装置の構成)
図2は、現像装置34の構成を示す断面図である。また、図3は、図2に示した領域R0を拡大した図である。図2に示すように、現像装置34は、像担持体31の外周面のうち、下方であって+y方向側に配置されており、現像剤担持体340と、2本のスクリュ349を有する。また、図3に示すように、現像装置34は、収容器341と、排出路形成部材342とを有する。
【0020】
収容器341は、Y,M,C,Kのいずれかの色のトナーと、フェライト粉などの磁性キャリアを含む二成分現像剤を収容するとともに、現像剤担持体340および2本のスクリュ349を収容する容器(現像容器)である。また、収容器341は、像担持体31に対向した側に、現像剤担持体340の一部を露出させる開口部3410を有する。
【0021】
現像剤担持体340は、現像剤を担持して回転しながら、静電潜像が形成された像担持体31にその現像剤を供給する円筒状の部材(現像回転体)である。現像剤担持体340は、収容器341の開口部3410を通して像担持体31と対向するように設けられている。現像剤担持体340は、磁界を発生させる磁界発生手段としてのマグネットローラと、表面に現像剤を担持する現像スリーブを有する。マグネットローラは現像スリーブの内部に固定され、予め定められた角度位置に軸方向に沿って複数の磁極を形成する。複数の磁極は、現像スリーブの表面から現像剤を剥離させるための磁界を発生する磁極である剥離極を含む。現像剤担持体340の回転方向に関して剥離極よりも回転方向下流側に隣り合う磁極は、剥離極と同極である。例えば、剥離極がS極である場合、現像剤担持体340の回転方向に関して剥離極よりも回転方向下流側に隣り合う磁極もS極である。現像スリーブがマグネットローラの磁極に応じた場所を通過するときに、現像スリーブ上の現像剤に対して磁力が作用する。
【0022】
現像スリーブは、非磁性で円筒状の部材であり、マグネットローラの外周面の周囲を覆い、電圧が印加される。この現像スリーブが、駆動部により図2に示す矢印D0方向、すなわち、現像剤担持体340のうち、開口部3410から露出して像担持体31に面した部分が鉛直方向下から上に向かう成分を持つ方向に回転させられる。これにより、マグネットローラから磁力の作用を受けた現像剤が矢印D0方向に搬送される。
【0023】
2本のスクリュ349は、現像剤を攪拌しながら現像剤担持体340に供給する。供給されたこの現像剤は、マグネットローラが与える磁力により磁力線に沿って束状に配列し、いわゆる磁気ブラシを形成する。このように形成された磁気ブラシは、現像剤担持体340上に担持され、現像剤担持体340の回転とともに像担持体31に対向する位置に移動する。そして、その磁気ブラシの穂先が像担持体31の表面に接触することで、トナーは像担持体31表面で露光装置33により露光された部分、すなわち静電潜像の画線部に付着する。即ち、図2の供給領域R1(現像領域)において、現像剤担持体340上に担持された現像剤が像担持体31に供給されて、像担持体31に画像が形成される。
【0024】
排出路形成部材342は、現像剤担持体340の外周面に沿って現像剤担持体340の回転軸方向に延び現像剤担持体340の一部を覆うとともに、収容器341の内部から外部へ空気を排出する排出路343を収容器341の内壁面との間に形成する。排出路形成部材342は、収容器341の内壁面の一部分に設置されたリブにより、収容器341に支持される。
【0025】
排出路形成部材342は、流入路3411と、排出路343と、を形成する流路形成部材である。流入路3411とは、空気を流入する流入口3412(流入路入口)を有し、且つ、流入口3412を介して収容器341の内部に空気を流入させる経路(流入経路)のことである。排出路343とは、空気を排出する排出口3432(排出路出口)を有し、且つ、排出口3432を介して収容器341の外部に空気を排出させる経路(排出経路)のことである。
【0026】
図3に示すように、流入口3412は、現像剤担持体340の回転方向に関して現像領域よりも回転方向下流側に配置されている。より具体的には、流入口3412は、現像剤担持体340の回転方向に関して現像領域よりも回転方向下流、且つ、現像剤担持体340の最頂上部T(最上部)よりも回転方向上流に配置されている。また、流入口3412と排出口3432は、互いに隣り合って配置されている。
【0027】
排出路形成部材342は、現像剤担持体340の外周面が通過する位置のうち最も高い位置である頂上部T(現像剤担持体340の最上部)を覆う。排出路343の排出口3432(排出路出口)は、頂上部Tよりも像担持体31に近い位置に設けられている。
【0028】
収容器341のうち、開口部3410の下辺側には、弁V1および弁V2が設けられている。弁V1は、現像剤担持体340が矢印D0方向に進むほど現像剤担持体340の表面との距離が短くなる角度で現像剤担持体340に接している。弁V1は、現像剤担持体340と開口部3410の下辺側との隙間から現像剤が像担持体31に向かって吹き出し難くなるように空気の流れを制限する。また、弁V2は、像担持体31に接することで、現像剤の拡散を抑制する。
【0029】
層規制部材B(規制ブレード)は、トリマーバーなどと呼ばれる部材であり、矢印D0方向に回転する現像剤担持体340の表面に形成された磁気ブラシに接触して一部を掻き落とし、磁気ブラシを決められた高さに近づくよう調整する。掻き落とされた現像剤はスクリュ349に戻る。高さが調整された磁気ブラシは、像担持体31に対向する位置を通過して、像担持体31の表面にトナーを供給した後、排出路形成部材342に覆われる領域Rに移動する。
【0030】
排出路形成部材342には、弁V3が設けられている。弁V3は、現像剤担持体340が矢印D0方向に進むほど現像剤担持体340の表面との距離が短くなる角度で現像剤担持体340に接している。弁V3は、現像剤担持体340と開口部3410の上辺側との隙間から現像剤が像担持体31に向かって吹き出し難くなるように空気の流れを制限する。
【0031】
このように、弁V1および弁V3によって、収容器341の内部の空気は開口部3410から像担持体31に向かう方向に流れ難くなるように制限されている。そして、弁V3を通過して頂上部Tに至る磁気ブラシは、空気を巻き込んで収容器341の内部に進むため、収容器341の内圧は上昇する。
【0032】
排出路形成部材342は、例えば、図3に示すように、現像剤担持体340の全外周面のうち、頂上部Tに位置する部分を含む四分の一以上の領域Rを覆っている。また、開口部3410に隣接して排出口3432(排出路出口)が形成されている。
【0033】
更に、排出路343の入口である排出路入口3431は現像剤担持体340の回転軸中心の位置よりも鉛直方向下方に位置していることが望ましい。なぜなら、現像剤担持体340の回転軸中心の位置よりも鉛直方向下方に排出路入口3431を配置する事で、剥離極の近傍で現像剤担持体340から離脱した現像剤中のトナー(収容器341内の浮遊トナー)が、排出路入口3431に入りにくくなる為である。
【0034】
また、排出路形成部材342は、現像剤担持体340に担持されている現像剤に接触しない位置にある。そして、収容器341の内部の空気は、図3に示す矢印D1方向に沿って、排出路343の排出路入口3431に入り、排出路343の排出口3432から像担持体31に向かう矢印D2方向に沿って排出される。これにより、収容器341の内圧の上昇は抑制され、現像装置34の隙間からトナーが吹き出して媒体などを汚す虞が低減される。しかし、現像剤担持体340により搬送される現像剤が頂上部Tを通過後に、マグネットローラの剥離極において現像剤担持体340から現像剤が離脱されてスクリュ349に戻される。この際に、落下時の衝撃やスクリュ349の回転により現像剤中の一部のトナーが浮遊して排出路入口3431に入り排出路343を通り、排出口3432から収容器341の外へ排出されてしまう虞がある。
【0035】
ここで、トナー遊離について詳細を説明する。収容器341に収容されている二成分現像剤は摩擦帯電され、摩擦帯電によって生じる静電付着力及び表面性などによって生じる非静電付着力によってトナーはキャリアに付着している。このキャリアに付着しているトナーに対し衝撃やせん断力を加えられると、トナーがキャリアから引き剥がされ収容器341内で遊離する。このときの衝撃やせん断力として、現像剤担持体340による現像剤搬送の際の現像剤挙動がある。現像剤はマグネットローラの磁極上で磁力線に沿ったチェーン状の構造である磁気穂を形成する。磁極直前に磁気穂が前方に立ち上がり、磁極上を通過すると磁気穂は前傾し倒れる。このとき、磁気穂の回転方向は現像剤担持体340の回転方向と同一方向である。この磁気穂が倒れるときの衝撃や遠心力によってトナーがキャリアから引き剥がされる事がトナー遊離の原因となっている。
【0036】
飛散トナーはこれらの要因により、収容器341の外部に排出されて現像装置34の周囲、収容部341の外壁や像担持体31、露光装置33や中間転写ベルト41を汚染してしまう虞がある。この現象は、画像形成装置1の高速化によりプロセススピードが上がり、それに伴って現像剤担持体340の周速が上がるほど現像剤担持体340の回転による流入気流が増加するため顕著になる。
【0037】
第1の実施形態に係る発明は、上記課題を鑑みてなされたものである。第1の実施形態に係る発明では、排出路343にトナーを捕集するための捕集部材を配設することによって、収容器341外に飛散するトナーの量を低減させることが可能な現像装置を提供することにある。以下にその詳細を説明する。
【0038】
図3で前述したように第1の実施形態に係る現像装置34は、現像剤担持体340の外周面に沿って現像剤担持体340を覆う排出路形成部材342を有する。また、第1の実施形態に係る現像装置34には、排出路形成部材342と収容部341の内壁面との間に収容器341内の空気を排出する排出路343が形成されている。そこで、第1の実施形態では、現像装置34において、排出路343に捕集部材344(フィルタ)を配設する。そして、捕集部材344がトナーを捕集することにより、現像剤中の一部のトナーが浮遊して排出路入口3431に入ってしまった場合でも、排出口3432から収容器341の外へトナーが排出されることを抑制する。これにより、収容器341外に飛散するトナーの量を低減させるものである。
【0039】
第1の実施形態に係る捕集部材344の貼付領域について、図4に係る現像装置の斜視図を用いて説明する。第1の実施形態では、図3図4に示すように、捕集部材344が、長手全域(像担持体31に画像を形成可能な最大画像領域に対応する領域の全域)に亘って排出口3432の開口を塞ぐ位置に配置されている。捕集部材344は、排出路343にあればよく、排出路343の入口である排出路入口3431に配置しても構わない。しかしながら、排出路343のうち排出路入口3431付近は、浮遊したトナー量が相対的に多い。このため、補集部材344の目詰まりや交換性の観点から、捕集部材344は、排出路343のなかでも浮遊したトナー量が相対的に少なくなっている箇所である排出口3432の開口に配置することが好ましい。
【0040】
排出口3432には、現像剤担持体340の回転軸線方向に間隔を介して複数のリブが設けられている。捕集部材344は、接着剤を介して複数のリブに取り付けられている。このようにして、捕集部材344を接着することにより、捕集部材344が収容器341に固定される。捕集部材344が接着されるリブの詳細については、図6図7図8で後述する。
【0041】
捕集部材344は通気性を有するとともにトナーの通過を阻止する材質からなる部材である。捕集部材344は、例えば、紙、布、不織布、起毛材やスポンジ材または多孔質からなる合成樹脂等にて構成され、物理ろ過、静電吸着法等でトナーを捕集できるものである。捕集部材344は、トナーをできるだけ通さないようにするために、トナー体積平均粒径よりも隙間の大きさが小さいものとすることが好ましい。また、捕集部材344は、収容器341内の内圧が定常的である場合には、内部の空気が捕集部材344を介して外部に排出されにくいような圧力損失を有する。
【0042】
第1の実施形態において、捕集部材344は厚み0.20mmの不織布であり、ガーレー試験機法において5Paの圧力差における透気抵抗度は0.94secである。透気抵抗度が大きすぎる場合、トナーの捕集能力は高いが目詰まりしやすく、収容器341の内圧が上昇し、例えば弁V3で塞いでいる現像剤担持体340と開口部3410の上辺側との隙間からトナーを含んだ空気が吹き出す。一方、透気抵抗度が小さすぎる場合、トナーを捕集する力が低く、トナーが吹き出して媒体などを汚す虞がある。第1の実施形態においては、捕集部材344の透気抵抗度は0.1~10secの範囲が好ましい。一方で、現像装置の構成やトナー粒径等の条件によって、収容器341内のトナーが外部に飛散しないように、捕集部材344の材質、目の粗さ、厚み、透気抵抗度などを考慮して適宜選択すれば、これに限るものではない。
【0043】
(実験例)
次に、第1の実施形態の効果を確認するために、比較例の構成と第1の実施形態の構成とでトナーの飛散量を比較した実験(以降、本実験と呼ぶ)について説明する。尚、本実験で使用した装置は、現像装置34、像担持体31と、帯電装置32の構成を取り出して、組み付けたものである。そして、本実験では、通常の画像形成時と同様に、像担持体31の回転、帯電、現像の各駆動やバイアス印加も行った状態で、以下のようにトナーの飛散量を計測した。
【0044】
本実験では飛散量の測定装置としてAPSスペクトロメーターModel3321を用いた。APSスペクトロメーターModel3321における粒子径範囲は0.5 ~ 20 μmである。現像装置34の長手方向の両端を除く領域では、現像装置34内部のトナーは、排出口3432と像担持体31との間である隙間を通過し外部へ飛散する。そこで、排出口3432と像担持体31との隙間位置、かつ、排出口3432との距離5mm鉛直上方位置に、飛散トナーを吸引する吸引チューブを配置し、飛散量を測定した。
【0045】
測定条件は温度23℃相対湿度50%環境において、二成分現像剤のトナーと現像剤の重量比9%、トナー帯電量25μC/g、像担持体31の線速度は300mm/sec、現像剤担持体340の線速度540mm/sec、において3分間測定した。そして、単位時間当たりの各粒子径毎の飛散個数を測定した。また、各粒子径のトナーを球と仮定し、各粒子径毎の体積、単位時間あたりの飛散個数、トナー比重から、単位時間当たりの飛散重量を算出した。本実験におけるトナー比重は1.2g/cm3である。
【0046】
尚、実験装置が上述のように構成されるため、トナー補給の寄与、画像形成装置内部のエアフローによるトナー飛散への影響は考慮していない。
【0047】
本実験では、第1の実施形態と同様の図3に示す位置(排出路343に配設する位置として、例えば、排出口3432)に捕集部材344を設けた構成(実施例1)の実験装置を作成した。更に、図3に示す位置(排出路343)に捕集部材344を設けていない構成(比較例)の実験装置を作成した。実施例1と比較例の各実験装置において、図3に示す位置における捕集部材344の有無以外の構成については、互いに共通する。そして、各実験装置において、前述した条件でそれぞれ実験を行った。
【0048】
この実験結果を図5及び図11に示す。図5は、各実験装置における、単位時間当たりの飛散個数の粒径分布を示した図である。図5に示すように、実施例1では比較例と比べて、単位時間当たりの飛散個数が大幅に低減している。また、飛散するトナーの粒径が大きいほど捕集部材344の捕集効率が高くなるため、実施例1では飛散トナーの粒径が小さくなる。飛散するトナー粒径が小さいほど、トナー1個当たりの体積が小さくなるため、汚れに対する影響が少なくなる傾向にある。
【0049】
図11は各実験装置において、上述した算出方法により算出した単位時間当たりの飛散重量を示した図である。実施例1は比較例に対して、単位時間当たりの飛散個数に加え、飛散するトナー粒径が小さくなることにより単位時間当たりの飛散重量が大きく低減する。
【0050】
図5及び図11で説明したように、第1の実施形態の構成(実施例1の構成)では、比較例の構成と比較して、トナー飛散量を大きく低減できることが本実験で確認された。
【0051】
図3で前述したように第1の実施形態に係る現像装置は、現像剤担持体340の外周面に沿って現像剤担持体340を覆う排出路形成部材342を有する。また、排出路形成部材342と収容部341の内壁面との間には、収容器341内の空気を排出する排出路343が形成されている。第1の実施形態では、この現像装置において、排出路343に捕集部材344を配設することにより、収容器341外に飛散するトナーの量を低減させることができる。
【0052】
(捕集部材が接着されるリブ)
前述した第1の実施形態の構成において、排出路343を通過したトナーは捕集部材344により捕集される。ここで捕集されたトナーの付着蓄積により捕集部材344の透気抵抗度が耐久時間に比例して上昇する。そこで、これによる収容器341内の内圧上昇を抑えるための構成について、図6図7図8を用いて説明する。
【0053】
図6及び図7は、排出路形成部材342の斜視図及び上面図である。図8は、図7に示した領域R2を拡大した図である。図6図7図8に示すように、捕集部材344が取り付けられる面である複数の排出路形成部材リブ345が、排出路形成部材342の排出路入口3431から排出口3432まで延伸している。また、現像剤担持体340の回転軸線方向における排出路形成部材リブ345の厚みが、テーパー形状に形成されている。即ち、排出用流路部3411の上流端部3451から排出口3432側端部に向かって、像担持体31の回転軸線方向における排出路形成部材リブ345の厚みが増すように、排出路形成部材リブ345の形状が形成されている。
【0054】
また、排出路形成部材リブ345は、現像剤担持体340の回転軸線方向に間隔を介して複数設けられている。そして、排出口3432に複数設けられたリブ(排出路形成部材リブ345)に捕集部材344を接着することにより、捕集部材344が収容器341に固定される。これにより、排出口3432の開口に対して、捕集部材344を交換可能に配設することができる。
【0055】
また、隣接する排出路形成部材リブ345間の像担持体340の回転軸線方向における空隙として、流入口空隙L1と排出口L2の関係がL2<L1を満たすようになっている。これにより、排出路入口3431から空気流速U1で流入するトナーを含む空気が排出口3432においてU2>U1である空気流速U2に増速されるので、同一透気抵抗度における内圧上昇抑制能力を向上させることができる。
【0056】
このように、流入口空隙L1と排出口L2の関係がL2<L1を満たすことにより、トナー粒子の付着に伴い透気抵抗度が低下した状態(捕集部材344が目詰まりした状態)であっても、収容器341内の内圧上昇を抑制することができる。
【0057】
[第2の実施形態]
前述した第1の実施形態では、排出路343に捕集部材344を配設する例について説明した。より具体的には、捕集部材344を、長手全域(像担持体31に画像を形成可能な最大画像領域に対応する領域の全域)に亘って排出口3432の開口を塞ぐ位置に配置する例について説明した。一方、第2の実施形態では、第1の実施形態とは、捕集部材344の貼付領域の構成が異なる。そこで、第2の実施形態に係る捕集部材344の貼付領域について、図9に係る現像装置の斜視図を用いて説明する。
【0058】
第1の実施形態の構成において、透気抵抗度が均一な捕集部材344を排出口3432長手全域に貼付すると、長手の内圧が略均一になる。一方、例えば、弁V3と現像剤担持体340による封止は、現像剤担持領域(最大画像領域)と現像剤非担持領域(非画像領域)の段差(図9の領域W)など、現像剤担持体340の回転軸線方向の端部ほど封止しづらい。
【0059】
また、飛散トナーが画像形成装置に及ぼす影響は、現像装置34の長手領域で異なる。現像装置34の端部領域からの飛散トナーは媒体を汚すだけではない。例えば、像担持体31と、帯電装置32、ドラムクリーナ36が一体となる構成(所謂、ドラムカートリッジ構成)が多く、また、近年はサービス性の観点からユーザー交換可能な形態で画像形成装置に備え付けられる。現像装置34の端部領域からの飛散トナーはエアフローに乗って、ドラムカートリッジに付着し、ユーザーがトナーに抵触し汚れる虞がある。
【0060】
また、現像装置34の端部領域からの飛散トナーはエアフローに乗って回り込み、転写部14の各種ロール(35、42、43、44)や駆動部に付着し、その結果、転写ロールの抵抗ムラや駆動ムラとなり画像不良となる虞がある。
【0061】
それに比して、現像装置34の中央領域からの飛散トナーの影響度は、端部領域からの飛散トナーに対して少ない傾向がある。そこで、現像装置34の端部領域から排出される空気流量と比べて、現像装置34の中央領域から排出される空気流量の方が多くなるようにすることが好ましい。なぜなら、現像装置34の端部領域から排出される空気流量が少なくなれば、現像装置34の端部領域からの飛散トナーが低減される傾向があるからである。
【0062】
前述した第1の実施形態では、長手全域(像担持体31に画像を形成可能な最大画像領域に対応する領域の全域)にわたって、排出口3432の開口を塞ぐ捕集部材344の材質を均一にした。これに対して、第2の実施形態では、現像装置34の端部領域における飛散トナーを低減する(現像装置34の端部領域から排出される空気流量を少なくする)ために、捕集部材344は長手領域において捕集部材344の材質を変更している。第2の実施形態において、具体的には、捕集部材344の透気抵抗度を現像装置34の長手領域で変更するものである。その詳細について以下に説明する。
【0063】
図9は、第2の実施形態に係る捕集部材344の貼付領域を示したものである。図9の各線の意味は、図4と同様である。第2の実施形態において、第1の実施形態と同様の構成については同じ符号を付して説明を省略又は簡略にし、第1の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0064】
排出口3432の長手両端部に配設されている端部捕集部材3441は第1の実施形態と同じ透気抵抗度0.94secの不織布である。一方、排出口3432の長手中央部に配設されている中央部捕集部材3442は透気抵抗度0.40secの不織布である。
【0065】
長手端部よりも長手中央部の透気抵抗度を小さくすることにより、圧力損失のより小さい長手中央部に気流が集中する。すなわち、排出口3432から排出される空気流量に長手差が生じて、長手中央部ほど排出される空気流量が多くなる。その結果、長手端部からのトナー飛散量は軽減され、長手中央部からの飛散量は増加することになる。尚、図9の矢印の大きさは、排出口3432から排出される空気流量の大きさを表している。
【0066】
尚、第2の実施形態においても、図6図7図8で前述したように、排出口3432にリブ(排出路形成部材リブ345)が複数設けられている。そこで、第2の実施形態において、排出路形成部材リブ345に端部捕集部材3441を接着することにより、端部捕集部材3441が収容器341に固定される。また、第2の実施形態において、排出路形成部材リブ345に中央部捕集部材3442を接着することにより、中央部捕集部材3442が収容器341に固定される。これにより、排出口3432の開口に対して、端部捕集部材3441及び中央部捕集部材3442のそれぞれを交換可能に配設することができる。
【0067】
ここで、第2の実施形態(実施例2)の実験結果について、図10図11を用いて説明する。第2の実施形態(実施例2)の実験条件は、図5及び図11で前述した第1の実施形態(実施例1)と同様である。
【0068】
図10は各実験装置における、単位時間当たりの飛散個数の粒径分布を示した図である。図11は各実験装置において、上述した算出方法により算出した単位時間当たりの飛散重量を示した図である。
【0069】
図10に係る実施例2-Eは、長手端部における飛散トナーの飛散個数粒径分布を示したものである。また、図10に係る実施例2-Cは、長手中央部における飛散トナーの飛散個数粒径分布を示したものである。透気抵抗度が相対的に低い中央部捕集部材3442を配設する長手中央部の方が、透気抵抗度が相対的に高い端部捕集部材3441を配設する長手端部と比べて、飛散トナーの飛散個数、飛散トナーの粒径ともに大きいことが分かる。
【0070】
また、図11に示す通り、実施例2-Cは実験例1に比べて飛散トナーの飛散量が若干増加しているのに対して、実施例2-Eは実験例1に比べて飛散トナーの飛散量が減少している(長手端部の飛散量が低減している)ことが分かる。
【0071】
以上より、第2の実施形態の構成である実施例2は、比較例と比較してトナー飛散量を大きく低減できるとともに、画像形成装置に対する影響の大きい端部の飛散トナー量を第1の実施形態に比べて低減できることが確認された。
【0072】
尚、前述した第2の実施形態では、長手中央部ほど透気抵抗度が低くなるように捕集部材344を選択したが、現像装置やトナー粒径等の条件、画像形成装置に対する影響度などを考慮して適宜選択してもよい。具体的には、収容器341内のトナーが外部に飛散しないように、材質、目の粗さ、厚み、透気抵抗度、捕集部材344の長手の分割数などを考慮して適宜選択し、これに限るものではない。
【0073】
例えば、長手端部の飛散トナーが画像形成装置に与える影響が大きい場合には、端部捕集部材3441のみを配設し、中央部捕集部材3442は配設しない変形例であってもよい。ただし、この変形例に係る構成を採った場合、収容器341内の空気が長手中央部の方から集中的に収容器341外に排出されることになるために、長手中央部の飛散量は大きく増加するものの、長手端部の飛散量を大きく低減することができる。
【0074】
一方、長手中央部の飛散トナーが画像形成装置に与える影響が大きい場合には、長手中央部ほど透気抵抗度が低くなるように捕集部材344を選択しても構わない。ただし、この変形例に係る構成を採った場合、収容器341内の空気が長手端部の方から集中的に排出されることになるために、長手端部の飛散量は大きく増加するものの、長手中央部の飛散量は大きく低減することができる。
【0075】
(その他の実施形態)
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形(各実施形態の有機的な組合せを含む)が可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。
【0076】
上記実施形態では、図1に示したように、中間転写ベルト41を用いる構成の画像形成装置を例に説明したが、これに限られない。像担持体3に順に用紙Pを直接接触させて転写を行う構成の画像形成装置に本発明を適用することも可能である。
【符号の説明】
【0077】
34 現像装置
340 現像剤担持体
341 収容器
3411 流入路
3412 流入路入口
342 排出路形成部材
343 排出路
3432 排出口
344 捕集部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11