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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-20
(45)【発行日】2024-10-01
(54)【発明の名称】ベルトコンベヤ装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 15/08 20060101AFI20240924BHJP
   B65G 15/16 20060101ALI20240924BHJP
【FI】
B65G15/08 A
B65G15/16
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021028764
(22)【出願日】2021-02-25
(65)【公開番号】P2022129898
(43)【公開日】2022-09-06
【審査請求日】2023-12-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000198363
【氏名又は名称】IHI運搬機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100128509
【弁理士】
【氏名又は名称】絹谷 晴久
(74)【代理人】
【識別番号】100119356
【弁理士】
【氏名又は名称】柱山 啓之
(72)【発明者】
【氏名】田中 正吉
(72)【発明者】
【氏名】平田 優育
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 拓弥
【審査官】内田 茉李
(56)【参考文献】
【文献】実開昭56-013406(JP,U)
【文献】特開2018-083679(JP,A)
【文献】実開昭63-037609(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 15/08
B65G 15/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷を載置して搬送するフラット型の主ベルトコンベヤと、
前記主ベルトコンベヤの幅方向の一端に沿って延びるフラット型の第1副ベルトコンベヤと、
前記主ベルトコンベヤの幅方向の他端に沿って延びるフラット型の第2副ベルトコンベヤと、を備えたベルトコンベヤ装置であって、
前記主ベルトコンベヤは、荷受け面を構成する主ベルトを有し、
前記第1副ベルトコンベヤは、荷受け面を構成する第1副ベルトを有し、
前記第2副ベルトコンベヤは、荷受け面を構成する第2副ベルトを有し、
前記第1副ベルトの幅方向及び前記第2副ベルトの幅方向は、前記主ベルトの幅方向に対してそれぞれ交差し、
前記ベルトコンベヤ装置は、前記主ベルトコンベヤと、前記第1副ベルトコンベヤ及び前記第2副ベルトコンベヤの少なくとも一方と、を制御するように構成された制御装置を備え、
前記制御装置は、前記主ベルトを移動させ、前記第1副ベルト及び前記第2副ベルトの少なくとも一方の移動を停止させる
ことを特徴とするベルトコンベヤ装置。
【請求項2】
前記第1副ベルトの幅方向は、前記主ベルトの幅方向に対して所定の第1角度で交差し、
前記第2副ベルトの幅方向は、前記主ベルトの幅方向に対して所定の第2角度で交差し、
前記第1角度及び前記第2角度の少なくとも一方は、直角に設定される
請求項1に記載のベルトコンベヤ装置。
【請求項3】
前記第1副ベルトの幅方向は、前記主ベルトの幅方向に対して所定の第1角度で交差し、
前記第2副ベルトの幅方向は、前記主ベルトの幅方向に対して所定の第2角度で交差し、
前記第1角度及び前記第2角度の少なくとも一方は、鈍角に設定される
請求項1に記載のベルトコンベヤ装置。
【請求項4】
前記制御装置は、前記第1副ベルト及び前記第2副ベルトの少なくとも一方を前記主ベルトと同じ速度で移動させる
請求項1~3何れか一項に記載のベルトコンベヤ装置。
【請求項5】
前記第1副ベルトコンベヤ及び第2副ベルトコンベヤの少なくとも一方は、駆動プーリを有しないフリーベルトコンベヤから成る
請求項1~何れか一項に記載のベルトコンベヤ装置。
【請求項6】
前記主ベルトと前記第1副ベルトとの隙間をシールする第1シール部材と、
前記主ベルトと前記第2副ベルトとの隙間をシールする第2シール部材と、を更に備える
請求項1~何れか一項に記載のベルトコンベヤ装置。
【請求項7】
前記第1シール部材は、
前記主ベルトの幅方向の一端部の表面または裏面に摺動可能に当接される第1主側シール部と、
前記第1副ベルトの下端部の表面または裏面に摺動可能に当接される第1副側シール部と、を有し、
前記第2シール部材は、
前記主ベルトの他端部の表面または裏面に摺動可能に当接される第2主側シール部と、
前記第2副ベルトの下端部の表面または裏面に摺動可能に当接される第2副側シール部と、を有する
請求項に記載のベルトコンベヤ装置。
【請求項8】
荷を載置して搬送するフラット型の主ベルトコンベヤと、
前記主ベルトコンベヤの幅方向の一端に沿って延びるフラット型の第1副ベルトコンベヤと、
前記主ベルトコンベヤの幅方向の他端に沿って延びるフラット型の第2副ベルトコンベヤと、を備えたベルトコンベヤ装置であって、
前記主ベルトコンベヤは、荷受け面を構成する主ベルトを有し、
前記第1副ベルトコンベヤは、荷受け面を構成する第1副ベルトを有し、
前記第2副ベルトコンベヤは、荷受け面を構成する第2副ベルトを有し、
前記第1副ベルトの幅方向及び前記第2副ベルトの幅方向は、前記主ベルトの幅方向に対してそれぞれ交差し、
前記ベルトコンベヤ装置は、
前記主ベルトと前記第1副ベルトとの隙間をシールする第1シール部材と、
前記主ベルトと前記第2副ベルトとの隙間をシールする第2シール部材と、を更に備え、
前記第1シール部材は、
前記主ベルトの幅方向の一端部の表面または裏面に摺動可能に当接される第1主側シール部と、
前記第1副ベルトの下端部の表面または裏面に摺動可能に当接される第1副側シール部と、を有し、
前記第2シール部材は、
前記主ベルトの他端部の表面または裏面に摺動可能に当接される第2主側シール部と、
前記第2副ベルトの下端部の表面または裏面に摺動可能に当接される第2副側シール部と、を有する
ことを特徴とするベルトコンベヤ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベルトコンベヤ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
バラ物貨物等の荷を搬送するベルトコンベヤ装置では、トラフ型のベルトコンベヤが用いられる場合がある。
【0003】
特許文献1に記載されるように、トラフ型のベルトコンベヤでは、ベルトの搬送側部分がトラフ状に形成され、ベルトの折り返し部分がフラット状に形成される。これにより、ベルトの搬送側部分では、ベルトの幅方向の両端部から荷が漏れるのを抑制でき、ベルトの折り返し部分では、折り返しの曲げ負荷によってベルトが破損するのを抑制できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2020-016015号公報
【文献】特開2004-284811号公報
【文献】特開2001-278426号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記のようなトラフ型のベルトコンベヤでは、ベルトの長手方向において、ベルトをフラット状からトラフ状に変換し、また、トラフ状からフラット状に変換するための距離(トラフ変換距離)を確保する必要がある。その結果、ベルトコンベヤ装置の省スペース化に不利になる可能性がある。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、省スペース化に有利なベルトコンベヤ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様によれば、荷を載置して搬送するフラット型の主ベルトコンベヤと、前記主ベルトコンベヤの幅方向の一端に沿って延びるフラット型の第1副ベルトコンベヤと、前記主ベルトコンベヤの幅方向の他端に沿って延びるフラット型の第2副ベルトコンベヤと、を備え、前記主ベルトコンベヤは、荷受け面を構成する主ベルトを有し、前記第1副ベルトコンベヤは、荷受け面を構成する第1副ベルトを有し、前記第2副ベルトコンベヤは、荷受け面を構成する第2副ベルトを有し、前記第1副ベルトの幅方向及び前記第2副ベルトの幅方向は、前記主ベルトの幅方向に対してそれぞれ交差することを特徴とするベルトコンベヤ装置が提供される。
【0008】
また、前記第1副ベルトの幅方向は、前記主ベルトの幅方向に対して所定の第1角度で交差し、前記第2副ベルトの幅方向は、前記主ベルトの幅方向に対して所定の第2角度で交差し、前記第1角度及び前記第2角度の少なくとも一方は、直角に設定されることが好ましい。
【0009】
また、前記第1副ベルトの幅方向は、前記主ベルトの幅方向に対して所定の第1角度で交差し、前記第2副ベルトの幅方向は、前記主ベルトの幅方向に対して所定の第2角度で交差し、前記第1角度及び前記第2角度の少なくとも一方は、鈍角に設定されることが好ましい。
【0010】
また、ベルトコンベヤ装置は、前記主ベルトコンベヤと、前記第1副ベルトコンベヤ及び前記第2副ベルトコンベヤの少なくとも一方と、を制御するように構成された制御装置を備えることが好ましい。
【0011】
また、前記制御装置は、前記第1副ベルト及び前記第2副ベルトの少なくとも一方を前記主ベルトと同じ速度で移動させることが好ましい。
【0012】
また、前記制御装置は、前記主ベルトを移動させ、前記第1副ベルト及び前記第2副ベルトの少なくとも一方の移動を停止させることが好ましい。
【0013】
また、前記第1副ベルトコンベヤ及び第2副ベルトコンベヤの少なくとも一方は、駆動プーリを有しないフリーベルトコンベヤから成ることが好ましい。
【0014】
また、ベルトコンベヤ装置は、前記主ベルトと前記第1副ベルトとの隙間をシールする第1シール部材と、前記主ベルトと前記第2副ベルトとの隙間をシールする第2シール部材と、を更に備えることが好ましい。
【0015】
また、前記第1シール部材は、前記主ベルトの幅方向の一端部の表面または裏面に摺動可能に当接される第1主側シール部と、前記第1副ベルトの下端部の表面または裏面に摺動可能に当接される第1副側シール部と、を有し、前記第2シール部材は、前記主ベルトの他端部の表面または裏面に摺動可能に当接される第2主側シール部と、前記第2副ベルトの下端部の表面または裏面に摺動可能に当接される第2副側シール部と、を有することが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、省スペース化に有利なベルトコンベヤ装置を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】ベルトコンベヤ装置の全体構成図であり、図2のI-I線の位置における右側面視の概略断面図である。
図2図1のII-II線の位置における後面視の拡大断面図である。
図3】主ベルトの厚みを示す右側面視の概略拡大図である。
図4】第1副ベルトの厚みを示す上面視の概略拡大図である。
図5図2のIV部を示す概略拡大図である。
図6】第2変形例を示す後面視の概略断面図である。
図7】第3変形例を示す概略拡大図である。
図8】第4変形例を示す概略拡大図である。
図9】第5変形例を示す概略拡大図である。
図10】第6変形例を示す概略拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を説明する。なお、図中に示す前後左右方向は、説明の便宜上定められたものに過ぎないものとする。また、本発明は、下記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変形して実施できるものとする。
【0019】
図1及び図2に示すように、ベルトコンベヤ装置1は、港湾等で使用されるアンローダやコンベヤ設備において、バラ物貨物、粒状貨物、粉状貨物等の荷Bを搬送するために用いられる。符号2は、ベルトコンベヤ装置1に荷Bを投入するための投入側シュートであり、符号3は、ベルトコンベヤ装置1から荷Bを排出するための排出側シュートである。
【0020】
ベルトコンベヤ装置1は、荷Bを載置して搬送するフラット型の主ベルトコンベヤ10を備える。主ベルトコンベヤ10は、前後方向に延びて配置される。
【0021】
また、ベルトコンベヤ装置1は、主ベルトコンベヤ10の幅方向の一端(左右方向の左端)に沿って延びる第1副ベルトコンベヤ20と、主ベルトコンベヤ10の幅方向の他端(左右方向の右端)に沿って延びる第2副ベルトコンベヤ30と、を備える。本実施形態において、「フラット型」とは、後述する各ベルト11,21,31が、それぞれの搬送側部分11c,21c,31cにおいて、幅方向の全長に亘って平面状に延びることを意味する。
【0022】
また、ベルトコンベヤ装置1は、後述するベルト同士の隙間をシールする第1及び第2シール部材40,50を備える。また、ベルトコンベヤ装置1は、各ベルトコンベヤ10,20,30の全体を上方から覆うカバー部材60を備える。投入側シュート2は、カバー部材の60の後端部に上方から接続される。
【0023】
また、ベルトコンベヤ装置1は、主ベルトコンベヤ10、第1副ベルトコンベヤ20及び第2副ベルトコンベヤ30を制御するように構成された制御装置100を備える。
【0024】
主ベルトコンベヤ10は、荷受け面としての主側荷受け面F1を構成する主ベルト11を有する。また、主ベルトコンベヤ10は、前端部に配置された主ヘッドプーリ12と、後端部に配置された主テールプーリ13と、を有する。排出側シュート3は、主ヘッドプーリ12の下方に配置される。
【0025】
また、主ベルトコンベヤ10は、主ヘッドプーリ12及び主テールプーリ13の間の位置の上側に配置された複数(図1中では、7つ)の主キャリアプーリ14と、主ヘッドプーリ12及び主テールプーリ13の間の位置の下側に配置された複数(図1中では、7つ)の主リターンプーリ15と、を有する。また、主ベルトコンベヤ10は、前後方向に延びる主フレーム16を有する。
【0026】
主ベルト11は、ゴム材料で無端状に形成される。また、主ベルト11は、横桟を有しない平ベルトであり、一定の厚みt1を有する(図3を参照)。
【0027】
また、主ベルト11は、主ヘッドプーリ12に掛け回されたヘッド側折り返し部分11aと、主テールプーリ13に掛け回されたテール側折り返し部分11bと、を有する。ヘッド側折り返し部分11aは、前向きから後向きに上側から下側へと折り返され、テール側折り返し部分11bは、後向きから前向きに下側から上側へと折り返される。
【0028】
また、主ベルト11は、ヘッド側折り返し部分11aの上端とテール側折り返し部分11bの上端とを結ぶ搬送側部分11cと、ヘッド側折り返し部分11aの下端とテール側折り返し部分11bの下端とを結ぶ戻り側部分11dと、を有する。
【0029】
主ベルト11の搬送側部分11cは、前後方向に水平に延びて配置され、複数の主キャリアプーリ14によって下側から支持される。一方、主ベルト11の戻り側部分11dは、前後方向に水平に延びて配置され、複数の主リターンプーリ15によって下側から支持される。本実施形態では、主ベルト11の搬送側部分11cの上面によって、主側荷受け面F1が形成される。
【0030】
主ベルト11の搬送側部分11cは、幅方向(左右方向)の全長に亘って平面状に形成されたフラット状であり、水平に配置される。また、主ベルト11の戻り側部分11dも、同様にフラット状であり、搬送側部分11cと平行に配置される。また、主ベルト11の折り返し部分11a,11bは、フラット状のまま折り返される。すなわち、主ベルト11は、長手方向の全長に亘ってフラット状に形成される。
【0031】
各主キャリアプーリ14は、互いに前後方向に間隔を空けて平行に配置され、各主リターンプーリ15も、互いに前後方向に間隔を空けて平行に配置される。
【0032】
主キャリアプーリ14は、プーリ軸14aと、プーリ軸14aに同軸かつ相対回転可能に支持されたプーリ本体14bと、を有する。
【0033】
プーリ軸14aは、左右方向に水平に延びて配置される。プーリ軸14aの両端部は、プーリ本体14bから軸方向の外側に突出して延びる。
【0034】
プーリ本体14bは、半径一定の円筒状に形成される。主ベルト11の搬送側部分11cは、幅方向の全長に亘って1つのプーリ本体14bで支持される。これにより、主ベルト11の搬送側部分11cがフラット状に形成される。
【0035】
主ヘッドプーリ12、主テールプーリ13、及び主リターンプーリ15は、主キャリアプーリ14と同様に構成される。但し、主ヘッドプーリ12のプーリ本体12b及び主テールプーリ13のプーリ本体13bは、主キャリアプーリ14のプーリ本体14b及び主リターンプーリのプーリ本体15bよりも大径に形成される。また、主ヘッドプーリ12のプーリ本体12bは、プーリ軸(不図示)に相対回転不能に支持される。
【0036】
主ベルトコンベヤ10は、主ヘッドプーリ12のプーリ軸(不図示)に接続された主モータM1を有する。すなわち、主ヘッドプーリ12は、主モータM1によって駆動される駆動プーリである。他方、その他の主プーリ13~15は、モータによって駆動されないアイドルプーリである。
【0037】
主フレーム16は、全ての主プーリ12~15を支持するように構成される。ここでは便宜上、図2を参照して、主キャリアプーリ14及び主リターンプーリ15に対する主フレーム16の構造を主に説明する。
【0038】
主フレーム16は、主キャリアプーリ14のプーリ軸14aの左側端部、及び主リターンプーリ15のプーリ軸15aの左側端部を支持する第1主フレーム部16aを有する。また、主フレーム16は、これらのプーリ軸14a,15aの右側端部を支持する第2主フレーム部16bを有する。
【0039】
第1主フレーム部16aは、上下前後方向に延びる板状に形成される。第1主フレーム部16aの下端部は、地面等に固定される。第1主フレーム部16aの上端部には、キャリア側取付穴H1が左右方向に貫通形成される。キャリア側取付穴H1よりも下方に位置する第1主フレーム部16aには、リターン側取付穴H2が左右方向に貫通形成される。キャリア側取付穴H1には、主キャリアプーリ14のプーリ軸14aの左側端部が嵌合されて相対回転不能に支持される。また、リターン側取付穴H2には、主リターンプーリ15のプーリ軸15aの左側端部が嵌合されて相対回転不能に支持される。
【0040】
第1主フレーム部16aは、前後方向における主ヘッドプーリ12の位置から主テールプーリ13の位置にかけて形成される。第1主フレーム部16aには、主ヘッドプーリ12及び主テールプーリ13のプーリ軸(不図示)を支持する複数の取付穴(不図示)が形成される。これら取付穴は、図2に示したキャリア側取付穴H1と同様に構成される。但し、主ヘッドプーリ12のプーリ軸を支持する取付穴は、主ヘッドプーリ12が駆動されるよう、プーリ軸を相対回転可能に支持する。
【0041】
第2主フレーム部16bは、主ベルトコンベヤ10の幅方向の中心位置Cを基準に、第1主フレーム部16aと左右対称に形成されるので、説明を省略する。
【0042】
第1副ベルトコンベヤ20は、荷受け面としての第1副側荷受け面F2を構成する第1副ベルト21を有する。また、第1副ベルトコンベヤ20は、前端部に配置された副ヘッドプーリ22と、後端部に配置された副テールプーリ23と、を有する。また、第1副ベルトコンベヤ20は、副ヘッドプーリ22及び副テールプーリ23の間の位置に配置された複数(図1中では、7つ)の副ガイドプーリ24を有する。
【0043】
これら副プーリ22~24の軸方向及び第1副ベルト21の幅方向は、鉛直方向に延びる。
【0044】
また、第1副ベルトコンベヤ20は、前後方向に延びる副フレーム26を有する。
【0045】
下記の第1副ベルトコンベヤ20の説明において、右側は、主ベルト11の搬送側部分11cの幅方向の内側を意味し、左側は、この幅方向の外側を意味する。
【0046】
第1副ベルト21は、ゴム材料で無端状に形成される。また、第1副ベルト21は、横桟を有しない平ベルトであり、一定の厚みt2を有する(図4を参照)。
【0047】
また、第1副ベルト21は、副ヘッドプーリ22に掛け回されたヘッド側折り返し部分21aを有する。ヘッド側折り返し部分21aは、前向きから後向きに右側(内側)から左側(外側)へと折り返される。また、第1副ベルト21は、副テールプーリ23に掛け回されたテール側折り返し部分21bを有する。テール側折り返し部分21bは、後向きから前向きに左側(外側)から右側(内側)へと折り返される。
【0048】
また、第1副ベルト21は、ヘッド側折り返し部分21aの右端とテール側折り返し部分21bの右端とを結ぶ搬送側部分21cと、ヘッド側折り返し部分21aの左端とテール側折り返し部分21bの左端とを結ぶ戻り側部分21dと、を有する。
【0049】
第1副ベルト21の搬送側部分21cは、前後方向に延びて配置され、複数の副ガイドプーリ24によって左側から支持される。一方、第1副ベルト21の戻り側部分21dは、前後方向に延びて配置され、同一の複数の副ガイドプーリ24によって右側から支持される。本実施形態では、第1副ベルト21の搬送側部分21cの右側面によって、第1副側荷受け面F2が形成される。
【0050】
第1副ベルト21の搬送側部分21cは、幅方向(上下方向)の全長に亘って平面状に形成されたフラット状であり、幅方向が鉛直方向に一致する。また、第1副ベルト21の戻り側部分21dも、同様にフラット状であり、搬送側部分21cと平行に配置される。また、第1副ベルト21の折り返し部分21a,21bは、フラット状のまま折り返される。すなわち、第1副ベルト21は、長手方向の全長に亘ってフラット状に形成される。
【0051】
第1副ベルト21の幅方向は、主ベルト11の幅方向に対して交差する。以下の説明において、主ベルト11の幅方向及び第1副ベルト21の幅方向は、それぞれの搬送側部分11c,21cの幅方向を意味する。
【0052】
第1副ベルト21の幅方向は、主ベルト11の幅方向に対して所定の第1角度α1で交差し、この第1角度α1は、直角である(α1=90°)。
【0053】
第1副ベルト21の下端部21Uは、主ベルト11の搬送側部分11cの左側端部11Lの左側に近接して配置される。
【0054】
本実施形態において、第1副ベルト21の搬送側部分21cは、主ベルト11に対する左側の側壁を構成する。
【0055】
副ヘッドプーリ22は主ヘッドプーリ12と同様に構成され、副テールプーリ23は主テールプーリ13と同様に構成され、副ガイドプーリ24は主キャリアプーリ14と同様に構成される。
【0056】
具体的には、副ガイド副プーリ24は、プーリ軸24aと、プーリ軸24aに同軸かつ相対回転可能に支持されたプーリ本体24bと、を有する。
【0057】
副ガイドプーリ24のプーリ軸24aは、鉛直方向に延びて配置される。プーリ軸24aの両端部は、プーリ本体24bから軸方向の外側に突出して延びる。 副ガイドプーリ24のプーリ本体24bは、半径一定の円筒状に形成される。第1副ベルト21の搬送側部分21cは、幅方向の全長に亘って1つの副ガイドプーリ24のプーリ本体24bで支持される。これにより、第1副ベルト21の搬送側部分21cがフラット状に形成される。
【0058】
副ヘッドプーリ22及び副テールプーリ23は、副ガイドプーリ24と同様に構成される。特に、副ヘッドプーリ22のプーリ本体22b及び副テールプーリ23のプーリ本体23bは、副ガイドプーリ24のプーリ本体24bと同じ外径に形成される。
【0059】
第1副ベルトコンベヤ20は、副ヘッドプーリ22のプーリ軸(不図示)に接続された副モータM2を有する。すなわち、副ヘッドプーリ12は、副モータM2によって駆動される駆動プーリである。他方、副テールプーリ23及び副ガイドプーリ24は、モータによって駆動されないアイドルプーリである。
【0060】
図1に示すように、前後方向において、副ヘッドプーリ22は、主ヘッドプーリ12と同じ位置に配置され、副テールプーリ23は、主テールプーリ13と同じ位置に配置され、副ガイドプーリ24は、主キャリアプーリ14と同じ位置に配置される。但し、副ガイドプーリ24は、主キャリアプーリ14と異なる前後方向の位置に配置されても良い。
【0061】
副フレーム26は、全ての副プーリ22~24を支持するように構成される。ここでは便宜上、図2を参照して、副ガイドプーリ24に対する副フレーム26の構造を主に説明する。
【0062】
副フレーム26は、副ガイドプーリ24のプーリ軸24aの下端部を支持する下側フレーム部26aと、このプーリ軸24aの上端部を支持する上側フレーム部26bと、を有する。また、副フレーム26は、上側及び下側フレーム部26a,26bよりも左側の位置で、上側及び下側フレーム部26a,26bを支持する外側フレーム部26cを有する。
【0063】
下側及び上側フレーム部26a,26bは、前後左右方向に延びる板状にそれぞれ形成され、互いに平行に配置される。
【0064】
下側フレーム部26aの右側端部は、第1主フレーム部16aの上端部の左側面に接続される(図5を参照)。
【0065】
下側フレーム部26aには、下側取付穴H3が上下方向に貫通形成され、上側フレーム部26bには、上側取付穴H4が上下方向に貫通形成される。下側取付穴H3には、副ガイドプーリ24のプーリ軸24aの下端部が嵌合されて相対回転不能に支持され、上側取付穴H4には、副ガイドプーリ24のプーリ軸24aの上端部が嵌合されて相対回転不能に支持される。
【0066】
下側及び上側フレーム部26a,26bは、前後方向における第1副ヘッドプーリ22の位置から第1副テールプーリ23の位置にかけて形成される。下側及び上側フレーム部26a,26bには、副ヘッドプーリ22及び副テールプーリ23のプーリ軸(不図示)を支持する複数の下側及び上側取付穴(不図示)が形成される。これら取付穴は、図2に示した下側及び上側取付穴H3,H4と同様に構成される。但し、副ヘッドプーリ22のプーリ軸を支持する取付穴は、副ヘッドプーリ22が駆動されるよう、プーリ軸を相対回転可能に支持する。
【0067】
外側フレーム部26cは、上下前後方向に延びる板状に形成される。外側フレーム部26cは、前後方向における第1副ヘッドプーリ22の位置から第1副テールプーリ23の位置にかけて形成される。
【0068】
外側フレーム部26cの下端部は、地面等に固定される。一方、外側フレーム部26cの上端部には、上側フレーム部26bの左側端部が接続される。また、上端部と下端部の間に位置する外側フレーム部26cの右側面には、下側フレーム部26aの左側端部が接続される。
【0069】
第2副ベルトコンベヤ30は、荷受け面としての第2副側荷受け面F3を構成する第2副ベルト31を有する。第2副ベルト31の幅方向は、主ベルト11の幅方向に対して交差する。下記の説明において、第2副ベルト31の幅方向は、その搬送側部分31cの幅方向を意味する。
【0070】
第2副ベルト31の幅方向は、主ベルト11の幅方向に対して所定の第2角度α2で交差し、この第2角度α2は、直角である(α2=90°)。
【0071】
本実施形態の第2副ベルトコンベヤ30は、主ベルトコンベヤの幅方向の中心位置Cを基準に、第1副ベルトコンベヤ20と左右対称に構成される。よって、第2ベルトコンベヤ30の構成については、第1副ベルト21を第2副ベルト31に置き換え、第1副側荷受け面F2を第2副側荷受け面F3に置き換えて、説明を省略する。
【0072】
第1シール部材40は、主ベルト11と第1副ベルト21との隙間(第1隙間S1)をシールするように構成される。一方、第2シール部材50は、主ベルト11と第2副ベルト31との隙間(第2隙間S2)をシールするように構成される。
【0073】
第1及び第2シール部材40,50は、金属材料で形成される。但し、第1及び第2シール部材40,50は、樹脂材料で形成されても良い。
【0074】
図5に示すように、第1副ベルト21の搬送側部分21cの下端部21Uは、主ベルト11の搬送側部分11cの左側端部11Lから左側に離間されて配置される。第1隙間S1は、この左右方向の間隔を意味する。なお、以下の説明において、主ベルト11の左側端部11Lは、その搬送側部分11cの左側端部11Lを意味し、第1副ベルト21の下端部21Uは、その搬送側部分21cの下端部21Uを意味する。
【0075】
第1シール部材40は、主ベルト11の左側端部11Lの裏面(図示、下面)L2に摺動可能に当接される第1主側シール部41と、第1副ベルト21の下端部21Uの表面(図示、右側面)U1に摺動可能に当接される第1副側シール部42と、を有する。主ベルト11の左側端部11Lの裏面L2は、主側荷受け面F1の反対側の面である。また、第1副ベルト21の下端部21Uの表面U1は、第1副側荷受け面F2と同じ面である。
【0076】
具体的には、主ベルト11の左側端部11Lは、主キャリアプーリ14のプーリ本体14bよりも左側に突出される。第1主側シール部41は、前後左右方向に延びる板状に形成され、この突出された左側端部11Lの裏面L2に重なって当接される。これにより、第1主側シール部41と主ベルト11との接触面積を十分に確保できる。また、第1主側シール部41によって、主ベルト11の左側端部11Lを支持することができる。
【0077】
一方、第1副ベルト21の下端部21Uは、副ガイドプーリ24のプーリ本体24bよりも下方に突出される。第1副側シール部42は、上下前後方向に延びる板状に形成され、この突出された下端部21Uの表面U1に重なって当接される。これにより、第1副側シール部42と第1副ベルト21との接触面積を十分に確保できる。なお、主ベルト11の左側端部11Lの左側端面L3は、副第1副側シール部42の右側面に当接されるが、これらは互いに離間されていても良い。
【0078】
また、第1シール部材40は、第1主フレーム部16aの上端部の右側面J1に固定される主側固定部43と、第1主フレーム部16aの上端面J2及び下側フレーム部26aの上面J3に固定される副側固定部44と、を有する。
【0079】
主フレーム部16aの上端部の右側面J1と、第1副ベルト21の下端部21Uの表面U1とは、互いに面一になるように配置される。また、主フレーム部16aの上端面J2と、下側フレーム部26aの上面J3とは、互いに面一になるように配置される。
【0080】
主側固定部43は、上下前後方向に延びる板状に形成され、第1主フレーム部16aの上端部の右側面J1に重なってボルト止めにより着脱可能に固定される。副側固定部44は、前後左右方向に延びる板状に形成され、主フレーム部16aの上端面J2及び下側フレーム部26aの上面J3に重なってボルト止めにより着脱可能に固定される。第1主側シール部41及び第1副側シール部42が摩耗したときは、これらのボルト止めを解除することで、第1シール部材40を交換できる。
【0081】
主側固定部43の下端は、キャリア側取付穴H1よりも下方に位置され、主側固定部43には、主キャリアプーリ14のプーリ軸14aが挿通可能な挿通孔H5が形成される。一方、副側固定部44の左端は、下側取付穴H3の直右側に位置される。なお、第1副ベルト21の下端部21Uの下端面U3は、副側固定部44の上面に当接されるが、これらは互いに離間されていても良い。
【0082】
第1主側シール部41の左側端部と、第1副側シール部42の下端部と、主側固定部43の上端部と、副側固定部44の右側端部とは、第1主フレーム部16aの上端の右側角部の位置で互いに接続され、全体として断面十字状に形成される。
【0083】
第1主側シール部41及び第1副側シール部42は、前後方向における主ヘッドプーリ12の位置から主テールプーリ13の位置にかけて、連続的に隙間なく配置され、第1隙間S1全体をシールする。
【0084】
図2に示したように、第2シール部材50は、主ベルト11の右側端部11Rの裏面に摺動可能に当接される第2主側シール部51と、第2副ベルト31の下端部31Uの表面に摺動可能に当接される第2副側シール部52と、を有する。
【0085】
第2シール部材50及び第2隙間S2は、主ベルトコンベヤ10の幅方向の中心位置Cを基準に、第1シール部材40及び第1隙間S1と左右対称に形成されるので、説明を省略する。
【0086】
カバー部材60の幅方向(左右方向)の両端部には、フランジ部61が形成され、フランジ部61は、第1及び第2ベルトコンベヤ20,30のそれぞれの上側フレーム部26bの上面にボルト止めにより着脱可能に固定される。ベルト11,21,31やシール部材40,50が摩耗したときは、このボルト止めを解除してカバー部材60を取り外すことで、これらを簡単に交換できる。
【0087】
図1に戻って、制御装置100は、第1副ベルト21及び第2副ベルト31(図2を参照)を主ベルト11と同じ速度で移動させる。
【0088】
具体的には、制御装置100は、電子制御装置ないしコントローラであり、主ベルトコンベヤ10の主モータM1と、第1及び第2副ベルトコンベヤ20,30のそれぞれの副モータM2と、に電気的に接続される。
【0089】
制御装置100は、各ベルト11,21,31同士が同じ速度で移動するように、これら全てのモータM1,M2の回転速度を制御する。
【0090】
図1及び図2に示したように、本実施形態では、主ベルト11、第1副ベルト21及び第2副ベルト31は、それぞれの搬送側部分11c,21c,31cで後方から前方に移動した後、それぞれのヘッド側折り返し部分11a,21aで前向きから後向きに折り返される。また、これら各ベルト11,21,31は、それぞれの戻り側部分11d,21d,31dで前方から後方に移動した後、それぞれのテール側折り返し部分11b,21bで後向きから前向きに折り返される。
【0091】
投入側シュート2から投入された荷Bは、主ベルト11の主側荷受け面F1上に載置される。また、この荷Bは、第1副ベルト21の第1副側荷受け面F2によって左側から支持されると共に、第2副ベルト31の第2副側荷受け面F3によって右側から支持される。
【0092】
この状態から荷Bは、主ベルト11、第1副ベルト21及び第2副ベルト31の搬送側部分11c,21c,31cの移動により、後方から前方に向かって搬送される。搬送された荷Bは、主ベルト11のヘッド側折り返し部分11aで主側荷受け面F1上から落下され、排出側シュート3に排出される。
【0093】
ところで、一般的なベルトコンベヤ装置には、副ベルトコンベヤが設けられず、トラフ型のベルトコンベヤが主ベルトコンベヤとして設けられる。
【0094】
トラフ型のベルトコンベヤでは、ベルトの搬送側部分がトラフ状に形成されるように、3つのキャリアプーリをベルトの幅方向に直列に配置する(特許文献1を参照)。これにより、ベルトの幅方向の両端部から荷が漏れるのを抑制して荷の搬送量を確保できる。
【0095】
また、トラフ型のベルトコンベヤでは、仮にベルトがトラフ状のまま折り返されると、折り返しの曲げ負荷によってベルトが破損する虞があるので、ベルトの折り返し部分をフラット状に形成する。
【0096】
しかしながら、トラフ型のベルトコンベヤでは、ベルトの長手方向において、ベルトをフラット状からトラフ状に変換し、また、トラフ状からフラット状に変換するための距離(トラフ変換距離)を確保する必要がある。その結果、ベルトコンベヤ装置の省スペース化に不利になる可能性がある。
【0097】
これに対して、図1及び図2に示したように、本実施形態のベルトコンベヤ装置1では、主ベルトコンベヤ20がトラフ型ではなくフラット型である。すなわち、主ベルト11は、長手方向の全長に亘ってフラット状に形成されるので、フラット状からトラフ状に変換されず、また、トラフ状からフラット状に変換されない。そのため、トラフ変換距離が不要になる。
【0098】
また、本実施形態では、副ベルトコンベヤ20,30を設けたことで、主ベルト11の搬送側部分11cの左右両側の端部から荷Bが漏れるのを抑制でき、荷Bの搬送量を十分に確保できる。
【0099】
また、本実施形態では、副ベルトコンベヤ20,30をフラット型にしたことで、副ベルト21,31においてもトラフ変換距離が不要になる。
【0100】
このように、本実施形態であれば、トラフ変換距離を確保する必要はなく、ベルトコンベヤ装置の省スペース化に有利となる。
【0101】
また、本実施形態のベルトコンベヤ装置1では、上記以外にも下記の(1)~(5)のような作用効果を有する。
【0102】
(1)図示しないが、ベルトコンベヤ装置としては、フラット状のベルトの表面に側壁が一体形成されたベルトコンベヤが用いられる場合がある(特許文献2を参照)。
【0103】
特許文献2に記載されるように、この側壁は、ベルトの長手方向に延びる断面波形状ないし蛇腹状に形成され、ベルトの折り返し位置では、側壁の半径方向外側部分が長手方向に引っ張られて伸びるようになっている。
【0104】
しかしながら、このような側壁は、伸縮を繰り返すことで破損し易い。また、断面形状が波形状であるため、側壁の表面に荷が溜まり易い。
【0105】
これに対して、図2に示したように、本実施形態では、主ベルト11とは別体に形成された第1及び第2副ベルト21,31が、側壁として機能し、かつ厚さ方向に折り返される。そのため、第1及び第2副ベルト21,31は、特許文献2に記載された側壁のように伸縮して破損することはない。また、第1及び第2副ベルト21,31は、フラット状に形成されるので、表面に荷Bが溜まるのを抑制できる。
【0106】
(2)本実施形態では、第1及び第2副ベルト21,31の幅方向が、主ベルト11の幅方向に対して直角に交差する。そのため、トラフ状の主ベルトに比べて、鉛直方向により起立する角度で側壁が配置されるので、荷こぼれを確実に防ぐと共に荷Bの搬送量を増加できる。また、このような配置であれば、トラフ状のベルトに比べて、荷受け面F2,F3への荷重を減らして負荷を軽減できると共に、主キャリアプーリ14及び副ガイドプーリ24の構造を簡単化できる。
【0107】
(3)本実施形態の制御装置100は、第1副ベルト21及び第2副ベルト31を主ベルト11と同じ速度で移動させる。これにより、各ベルト11,21,31全体で荷Bを効率良く搬送できる。
【0108】
(4)本実施形態では、第1シール部材40によって、主ベルト11と第1副ベルト21との第1隙間S1がシールされ、第2シール部材50によって、主ベルト11と第2副ベルト31との第2隙間S2がシールされる。これにより、これらの隙間S1,S2から荷Bが漏れるのを抑制できる。
【0109】
(5)図5に示すように、第1シール部材40では、第1主側シール部41が主ベルト11の幅方向の左側端部11Lの裏面L2に当接され、第1副側シール部42が第1副ベルト21の下端部21Uの表面U1に当接される。このようなシール構造であれば、第1主側シール部41が主ベルト11の左側端部11Lの裏面L2に面接触し、第1副側シール部42Uが第1副ベルト21の下端部21の下端部21Uの表面U1に面接触するので、これらのシール長を十分に確保できる。
【0110】
以上、本発明の基本実施形態を詳細に述べたが、本発明は以下のような変形例またはこれらの組み合わせとすることができる。なお、下記の変形例では、上記の基本実施形態と共通する構成要素については同一の符号を用い、それらの詳細な説明は省略する。
【0111】
(第1変形例)
図示しないが、第1副ベルトコンベヤ20及び第2副ベルトコンベヤ30の少なくとも一方は、駆動プーリを有しないフリーベルトコンベヤから成っても良い。
【0112】
第1変形例では、第1及び第2副ベルトコンベヤ20,30が副モータを有さず、全ての副プーリ22~24がアイドルプーリとなる。すなわち、第1及び第2ベルトコンベヤ20,30の両方がフリーベルトコンベヤとなる。
【0113】
第1変形例の第1及び第2副ベルト21,31は、主ベルト11上で搬送される荷Bとの摩擦によって移動される。第1変形例によれば、ベルトコンベヤ装置1の消費電力を抑制できる。また、副モータが不要になるので、構造を簡素化できる。
【0114】
また、第1変形例によれば、第1及び第2副ベルト21,31が荷Bとの摩擦によって移動可能であるので、例えばこれら副ベルトの代わりに移動不能な側壁を設けた場合と比べて、荷Bを搬送する際の抵抗を抑制でき、荷Bを円滑に搬送できる。
【0115】
(第2変形例)
図6に示すように、第2変形例の第1角度α1及び第2角度α2は、鈍角である。
【0116】
具体的には、第2変形例では、第1及び第2副ベルト21,31の幅方向及び副プーリ22~24の軸方向が、上方に向かうにつれ主ベルト11の幅方向の外側に向かうように配置される。また、これに合わせて、副フレーム26と第1及び第2副側シール部42,52も、上方に向かうにつれ外側に向かうように形成される。
【0117】
第2変形例によれば、図2に示した基本実施形態と比べて、荷Bの搬送量を増加させることができる。
【0118】
(第3変形例)
図7に示すように、第3変形例の第1シール部材40では、第1主側シール部41が、主ベルト11の左側端部11Lの表面L1(図示、上面)に摺動可能に当接され、第1副側シール部42が、第1副ベルト21の下端部21Uの裏面U2に摺動可能に当接される。主ベルト11の左側端部11Lの表面L1は、主側荷受け面F1と同じ面である。また、第1副ベルト21の下端部21Uの裏面U2は、第1副側荷受け面F2の反対側の面である。
【0119】
また、図示しないが、第3変形例の第2シール部材50では、第2主側シール部51が、主ベルト11の左側端部11Lの表面L1に摺動可能に当接され、第2副側シール部52が、第2副ベルト31の下端部31Uの裏面に摺動可能に当接される。
【0120】
なお、第3変形例では、主ベルト11の左側端部11Lは、第1副ベルト21の下端部21Uの右斜め下方に近接して配置され、かつ主フレーム部16aの上端面J2と面一になるように配置される。
【0121】
(第4変形例)
図8に示すように、第4変形例の第1シール部材41では、第1主側シール部41が、主ベルト11の左側端部11Lの表面L1に摺動可能に当接され、第1副側シール部42が、第1副ベルト21の下端部21Uの表面U1に摺動可能に当接される。
【0122】
また、図示しないが、第4変形例の第2シール部材50では、第2主側シール部51が、主ベルト11の左側端部11Rの表面に摺動可能に当接され、第2副側シール部52が、第2副ベルト31の下端部31Uの表面に摺動可能に当接される。
【0123】
なお、第4変形例では、主ベルト11の左側端部11Lは、第1副ベルト21の下端部21Uの右斜め下方に近接して配置され、かつ主フレーム部16aの上端面J2と面一になるように配置される。
【0124】
(第5変形例)
図9に示すように、第5変形例の第1シール部材41では、第1主側シール部41が、主ベルト11の左側端部11Lの裏面L2に摺動可能に当接され、第1副側シール部42が、第1副ベルト21の下端部21Uの裏面U2に摺動可能に当接される。
【0125】
また、図示しないが、第5変形例の第2シール部材50では、第2主側シール部51が、主ベルト11の左側端部11Rの裏面に摺動可能に当接され、第2副側シール部52が、第2副ベルト31の下端部31Uの裏面に摺動可能に当接される。
【0126】
(第6変形例)
第1及び第2シール部材40,50は、任意の形状であって良い。例えば、第6変形例では、図10に示すように、第1主側シール部41の上面に、上方に向かって突出された突起部41aが形成され、この突起部41aが主ベルト11の左側端部11Lの裏面L2に摺動可能に当接される。また、第1副側シール部51の左側面には、左側に向かって突出された突起部51aが形成され、この突起部51aが第1副ベルト21の下端部21Uの表面U1に摺動可能に当接される。第6変形例によれば、上記の基本実施形態に比べて、これらの当接部分の接触面積が減少するので、シール部材40,50による摺動抵抗を抑制できる可能性がある。
【0127】
(第7変形例)
制御装置100は、必要もしくは可能であれば、第1副ベルト21及び第2副ベルト31の一方だけを主ベルト21と同じ速度で移動させても良い。
【0128】
例えば、第7変形例の制御装置100は、第2副ベルト31が主ベルト21及び第1副ベルト21よりも遅い速度で移動するように、各モータの回転速度を制御する。第7変形例によれば、ベルトコンベヤ装置1の消費電力を抑制できる。
【0129】
(第8変形例)
制御装置100は、必要もしくは可能であれば、主ベルト11を移動させ、第1副ベルト21及び第2副ベルト31の少なくとも一方の移動を停止させても良い。
【0130】
例えば、第8変形例の制御装置100は、第1副モータM2及び第2副モータ(不図示)を停止させることで、第1及び第2副ベルト21,31の両方の移動を停止させる。この場合、第1及び第2副ベルト21,31は、主ベルト11に対する側壁としてのみ機能し、荷Bは、主ベルト11の移動のみによって搬送される。第8変形例によれば、ベルトコンベヤ装置1の消費電力を抑制できる。
【0131】
(第9変形例)
第1角度α1及び第2角度α2は、任意の角度であって良い。例えば、第1角度α1が直角で、第2角度α2が鈍角であっても良い。また、第1角度α1及び第2角度α2が、鋭角であっても良い。
【符号の説明】
【0132】
1 ベルトコンベヤ装置
10 主ベルトコンベヤ
11 主ベルト
20 第1副ベルトコンベヤ
21 第1副ベルト
30 第2副ベルトコンベヤ
31 第2副ベルト
40 第1シール部材
50 第2シール部材
100 制御装置
B 荷
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10