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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-20
(45)【発行日】2024-10-01
(54)【発明の名称】電動作業機器
(51)【国際特許分類】
   B25F 5/02 20060101AFI20240924BHJP
   B25F 5/00 20060101ALI20240924BHJP
【FI】
B25F5/02
B25F5/00 H
【請求項の数】 22
(21)【出願番号】P 2021040616
(22)【出願日】2021-03-12
(65)【公開番号】P2022018068
(43)【公開日】2022-01-26
【審査請求日】2023-12-19
(31)【優先権主張番号】P 2020120812
(32)【優先日】2020-07-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000137292
【氏名又は名称】株式会社マキタ
(74)【代理人】
【識別番号】100078721
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 喜樹
(74)【代理人】
【識別番号】100121142
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 恭一
(74)【代理人】
【識別番号】100124420
【弁理士】
【氏名又は名称】園田 清隆
(72)【発明者】
【氏名】故田 隆樹
【審査官】山本 忠博
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-081576(JP,A)
【文献】特開2013-088951(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25F 1/00-5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータと、
前記モータを収容するモータハウジングと、
前記モータハウジングに繋がり、バッテリが着脱可能なバッテリ保持部と、
前記バッテリ保持部に保持された前記バッテリを全面的に覆うバッテリカバーと、を含み、
前記バッテリカバーは、本体カバーと、開閉カバーとを有しており、前記本体カバーにおいて前記バッテリ保持部に対して着脱可能に設けられており、
前記本体カバーは、前記バッテリ保持部に装着した状態で前記バッテリの着脱を可能とする開口を有しており、
前記開閉カバーは、前記開口を開閉可能であり、前記本体カバーへ回転可能に連結されており、
更に、前記本体カバーは、自身の取り外し方向において前記バッテリ保持部に保持された前記バッテリと干渉する板部を有する電動作業機器。
【請求項2】
前記バッテリ保持部には、第1のバッテリと、前記第1のバッテリよりも大きい第2のバッテリとの少なくとも2タイプが選択的に着脱可能で、
前記バッテリカバーは、前記第1のバッテリを覆う第1のバッテリカバーと、前記第2のバッテリを覆う第2のバッテリカバーとの少なくとも2タイプが、前記バッテリ保持部に対して選択的に着脱可能であることを特徴とする請求項1に記載の電動作業機器。
【請求項3】
前記バッテリは、前記バッテリ保持部に対して所定の直線方向へスライドさせることで着脱可能であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電動作業機器。
【請求項4】
前記バッテリカバーは、前記バッテリ保持部に対して、前記バッテリと同じ直線方向へスライドさせることで着脱可能であることを特徴とする請求項3に記載の電動作業機器。
【請求項5】
前記バッテリ保持部と前記バッテリカバーとには、前記直線方向に延びて互いに係合するレールがそれぞれ設けられることを特徴とする請求項3又は4に記載の電動作業機器。
【請求項6】
前記バッテリカバーと前記バッテリ保持部との何れか一方に、係止部が設けられ、他方に、前記バッテリカバーの装着位置で前記係止部が係止する被係止部が設けられることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の電動作業機器。
【請求項7】
前記係止部は、フックであることを特徴とする請求項6に記載の電動作業機器。
【請求項8】
前記バッテリカバーは、前記バッテリ保持部に対してネジにより固定されることを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の電動作業機器。
【請求項9】
前記ネジの全体が、前記バッテリカバーの内部及び前記バッテリ保持部の内部に配置されていることを特徴とする請求項8に記載の電動作業機器。
【請求項10】
前記ネジは、複数設けられていることを特徴とする請求項8又は9に記載の電動作業機器。
【請求項11】
前記開口は、前記バッテリ保持部への前記バッテリの着脱方向の軌跡上に形成されることを特徴とする請求項1乃至10に記載の電動作業機器。
【請求項12】
モータと、
前記モータを収容するモータハウジングと、
前記モータハウジングに繋がり、バッテリが着脱可能なバッテリ保持部と、を有し、
前記バッテリ保持部には、第1のバッテリと、前記第1のバッテリよりも大きい第2のバッテリとの少なくとも2タイプが選択的に着脱可能であり、
前記バッテリ保持部には、前記第1のバッテリを全面的に覆う第1のバッテリカバーと、前記第2のバッテリを全面的に覆う第2のバッテリカバーとの少なくとも2タイプが選択的に着脱可能であり、
各前記バッテリカバーは、本体カバーと、開閉カバーとを有しており、前記本体カバーにおいて前記バッテリ保持部に対して着脱可能に設けられており、
各前記本体カバーは、前記バッテリ保持部に装着した状態で前記バッテリの着脱を可能とする開口を有しており、
各前記開閉カバーは、前記開口を開閉可能であり、前記本体カバーへ回転可能に連結されており、
更に、各前記本体カバーは、自身の取り外し方向において前記バッテリ保持部に保持された前記バッテリと干渉する板部を有する電動作業機器。
【請求項13】
各前記バッテリは、前記バッテリ保持部に対して所定の直線方向へスライドさせることで着脱可能であることを特徴とする請求項12に記載の電動作業機器。
【請求項14】
各前記バッテリカバーは、前記バッテリ保持部に対して、各前記バッテリと同じ直線方向へスライドさせることで着脱可能であることを特徴とする請求項13に記載の電動作業機器。
【請求項15】
前記バッテリ保持部と各前記バッテリカバーとには、前記直線方向に延びて互いに係合するレールが設けられることを特徴とする請求項13又は14に記載の電動作業機器。
【請求項16】
各前記バッテリカバーと前記バッテリ保持部との何れか一方に、係止部が設けられ、他方に、各前記バッテリカバーの装着位置で前記係止部が係止する被係止部が設けられることを特徴とする請求項12乃至15の何れかに記載の電動作業機器。
【請求項17】
前記係止部は、フックであることを特徴とする請求項16に記載の電動作業機器。
【請求項18】
前記バッテリカバーは、前記バッテリ保持部に対してネジにより固定されることを特徴とする請求項12乃至17の何れかに記載の電動作業機器。
【請求項19】
前記ネジの全体が、前記バッテリカバーの内部及び前記バッテリ保持部の内部に配置されていることを特徴とする請求項18に記載の電動作業機器。
【請求項20】
前記ネジは、複数設けられていることを特徴とする請求項18又は19に記載の電動作業機器。
【請求項21】
前記開口は、前記バッテリ保持部への各前記バッテリの着脱方向の軌跡上に形成されることを特徴とする請求項12乃至20に記載の電動作業機器。
【請求項22】
前記バッテリ保持部には、前記バッテリカバー、前記バッテリの順でそれぞれ装着可能となっており、前記バッテリが先に装着されると、前記バッテリカバーは装着不能であることを特徴とする請求項1乃至21の何れかに記載の電動作業機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリを電源とする電動作業機器に関する。
【背景技術】
【0002】
充電式ドライバドリルや充電式コンクリートバイブレータ等の電動作業機器では、装着したバッテリを電源とする充電式のものが知られている。このような充電式の電動作業機器では、装着したバッテリを保護するためにカバーを設ける場合がある。例えば特許文献1に開示される充電式の撹拌機では、本体ハウジングに設けたバッテリ装着部に、装着されたバッテリパック(バッテリ)を覆うバッテリカバーが設けられている。このバッテリカバーは、バッテリ装着部にヒンジによって開閉可能に連結されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2020-6288号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来のバッテリカバーは、1つのサイズのバッテリに対応して形成されるため、サイズが大きいバッテリが使用できない。かといって最大サイズのバッテリに合わせてバッテリカバーを大きく設計すると、全体が大型化してしまう。
また、バッテリカバーが損傷すると交換等の対応に手間がかかってしまう。
【0005】
そこで、本発明は、バッテリカバーがあってもサイズ違いのバッテリが使用でき、バッテリカバーの損傷にも容易に対応できる電動作業機器を提供することを目的としたものである。
また、本発明は、大きいサイズのバッテリを使用しても全体のコンパクト化を維持でき、バッテリカバーの損傷にも容易に対応できる電動作業機器を提供することを別の目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明のうち、第1の発明は、電動作業機器であって、 モータと、
モータを収容するモータハウジングと、
モータハウジングに繋がり、バッテリが着脱可能なバッテリ保持部と、
バッテリ保持部に保持されたバッテリを全面的に覆うバッテリカバーと、を含み、
バッテリカバーは、本体カバーと、開閉カバーとを有しており、前記本体カバーにおいてバッテリ保持部に対して着脱可能に設けられており、
前記本体カバーは、前記バッテリ保持部に装着した状態で前記バッテリの着脱を可能とする開口を有しており、
前記開閉カバーは、前記開口を開閉可能であり、前記本体カバーへ回転可能に連結されており、
更に、前記本体カバーは、自身の取り外し方向において前記バッテリ保持部に保持された前記バッテリと干渉する板部を有することを特徴とする。
上記目的を達成するために、本発明のうち、第2の発明は、電動作業機器であって、
モータと、
モータを収容するモータハウジングと、
モータハウジングに繋がり、バッテリが着脱可能なバッテリ保持部と、を有し、
バッテリ保持部には、第1のバッテリと、第1のバッテリよりも大きい第2のバッテリとの少なくとも2タイプが選択的に着脱可能であり、
バッテリ保持部には、第1のバッテリを全面的に覆う第1のバッテリカバーと、第2のバッテリを全面的に覆う第2のバッテリカバーとの少なくとも2タイプが選択的に着脱可能であり、
各前記バッテリカバーは、本体カバーと、開閉カバーとを有しており、前記本体カバーにおいて前記バッテリ保持部に対して着脱可能に設けられており、
各前記本体カバーは、前記バッテリ保持部に装着した状態で前記バッテリの着脱を可能とする開口を有しており、
各前記開閉カバーは、前記開口を開閉可能であり、前記本体カバーへ回転可能に連結されており、
更に、各前記本体カバーは、自身の取り外し方向において前記バッテリ保持部に保持された前記バッテリと干渉する板部を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、バッテリ保持部に対してバッテリカバーが着脱可能に設けられるため、サイズ違いのバッテリも使用できる。
また、本発明によれば、バッテリに合わせたバッテリカバーが選択できるため、大きいサイズのバッテリを使用しても全体のコンパクト化を維持できる。
そして、本発明によれば、バッテリカバーが損傷しても交換等の対応が容易に行える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1形態に係る充電式コンクリートバイブレータの斜視図である。
図2】第1形態に係る充電式コンクリートバイブレータの中央縦断面図である。
図3図2のバッテリ保持部の拡大図である。
図4】第1形態のバッテリ保持部、バッテリカバー、バッテリパックをそれぞれ後方から見た斜視図である。
図5】第1形態のバッテリ保持部、バッテリカバー、バッテリパックをそれぞれ前方から見た斜視図である。
図6図3のA-A線断面図である。
図7図3のB-B線断面図である。
図8図3のC-C線断面図である。
図9図3のD-D線断面図である。
図10図3のE-E線断面図である。
図11】第1形態のバッテリ保持部にバッテリパックを着脱する状態を示す説明図である。
図12】第1形態のバッテリ保持部、大きいサイズのバッテリカバー、大きいサイズのバッテリパックをそれぞれ後方から見た斜視図である。
図13】第1形態のバッテリ保持部に大きいサイズのバッテリパックを着脱する状態を示す説明図である。
図14】大きいサイズのバッテリパックを装着した第1形態のバッテリ保持部の図3に相当する拡大図である。
図15】第2形態に係る撹拌機のバッテリ保持部にバッテリパックを着脱する状態を示す説明図である。
図16】第2形態に係る撹拌機のバッテリ保持部に大きいサイズのバッテリパックを着脱する状態を示す説明図である。
図17】第3形態に係るコンクリートバイブレータのバッテリ保持部にバッテリカバーがネジ止めされる例の拡大斜視図である。
図18図17の中央縦断面図である。
図19】第3形態のバッテリ保持部、バッテリカバー、バッテリパックをそれぞれ後方から見た斜視図である。
図20】第3形態のバッテリ保持部、バッテリカバー、バッテリパックをそれぞれ前方から見た斜視図である。
図21】第3形態のバッテリ保持部にバッテリパックを着脱する状態を示す説明図である。
図22】第4形態に係るコンクリートバイブレータのバッテリ保持部にバッテリカバーがネジ止めされる別の例の拡大斜視図である。
図23図22の中央縦断面図である。
図24】第4形態のバッテリ保持部、バッテリカバー、バッテリパックをそれぞれ後方から見た斜視図である。
図25】第4形態のバッテリ保持部、バッテリカバー、バッテリパックをそれぞれ前方から見た斜視図である。
図26】第4形態のバッテリ保持部にバッテリパックを着脱する状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
[第1形態]
図1は、本開示の第1形態に係る電動作業機器の一例である充電式コンクリートバイブレータ(以下「コンクリートバイブレータ」という。)の斜視図である。図2は、コンクリートバイブレータの中央縦断面図である。
コンクリートバイブレータ1は、本体ハウジング2を備える。本体ハウジング2は、左右の半割ハウジング2a,2bを右側から複数のネジ3,3・・によって組み付けてなる。本体ハウジング2は、モータ収容部4と、コントローラ収容部5と、グリップ部6と、バッテリ保持部7とを備えている。バッテリ保持部7には、バッテリカバー8が着脱可能に装着されている。
モータ収容部4は、前後方向に延びる筒状で、モータ10を収容している。モータ収容部4の前端には、前カバー11が組み付けられている。前カバー11は、前方からの複数のネジ12,12・・によってモータ収容部4に固定される。前カバー11は、中央に筒部13を有している。筒部13の先端には、振動棒14が接続される。
【0010】
モータ10は、外側のステータ15と、ステータ15の内部に配置されるロータ16とを有するインナロータ型のブラシレスモータである。モータ10は、ロータ16に設けた回転軸25が前後方向に延びる姿勢で収容されている。ステータ15は、左右の半割ハウジング2a,2bの内面に突設された上下の支持リブ17,17の間に支持される。ステータ15は、ステータコア18と、ステータコア18の前後に配置されるインシュレータ19A,19Bとを有する。ステータコア18に、インシュレータ19A,19Bを介して複数のコイル20,20・・が巻回される。各コイル20は、後側のインシュレータ19B上で三相結線される。三相の電源線22は、インシュレータ19Bの下端にネジ止めされるコネクタ21から引き出される。電源線22は、コントローラ収容部5内のコントローラ50の上側に回り込み、制御回路基板52の上面に接続される。インシュレータ19Bの後面には、図示しない回転検出素子を備えたセンサ回路基板23がネジ止めされている。センサ回路基板23の下端から引き出される信号線24も、コントローラ50の上側に回り込んで制御回路基板52の上面に接続される。
【0011】
ロータ16は、回転軸25と、その周囲に設けられるロータコア26と、ロータコア26に固定される複数の永久磁石27,27・・とを備えている。回転軸25の後端は、半割ハウジング2a,2bの内面から突設された後軸受保持部28に、軸受29を介して回転可能に支持される。回転軸25の前端は、前カバー11の後方で半割ハウジング2a,2bの内面から突設された前軸受保持部30に、軸受31を介して回転可能に支持される。
ステータ15と軸受31との間で回転軸25には、ファン32が固定されている。ファン32は、上仕切リブ33と、前後に分離する下仕切リブ34A,34Bとによって囲まれる。上仕切リブ33は、上側の支持リブ17と前軸受保持部30との間で半割ハウジング2a,2bの内面から突設される。下仕切リブ34A,34Bも半割ハウジング2a,2bの内面から突設される。前側の下仕切リブ34Aは、前軸受保持部30から下方へ延びて本体ハウジング2の下側内面と繋がった後、後方へ延びている。後側の下仕切リブ34Bは、下側の支持リブ17から下方へ延びた後、後方へ折曲する。その後、下仕切リブ34Bは、下方へ折曲して、モータ収容部4とコントローラ収容部5との間で本体ハウジング2の下側内面と繋がっている。よって、下仕切リブ34A、34Bの間には、ファン32と繋がる排気路35が形成される。排気路35の下流端となる本体ハウジング2の下面には、複数の排気口36,36・・が形成されている。
【0012】
前カバー11の筒部13には、軸受41,41によってスピンドル40が支持されている。スピンドル40は、回転軸25の前方で同軸に配置されて、ジョイント42によって回転軸25と結合されている。スピンドル40の前端は、筒部13から前方へ突出している。
振動棒14は、後端に設けた止めキャップ45を筒部13に螺合させて組み付けられる。振動棒14は、外側のフレキシブルホース46と、その内部に設けられるフレキシブルシャフト47とを有する。フレキシブルシャフト47の先端には、図示しないアンバランサが連結される。フレキシブルホース46の先端には、図示しないキャップが被せられる。フレキシブルシャフト47の後端は、ジョイントスリーブ48を介してスピンドル40の前端と同軸で結合されている。
【0013】
コントローラ収容部5は、モータ収容部4から後方下向きに延びる傾斜姿勢で形成されている。コントローラ収容部5内には、コントローラ50が収容されている。コントローラ50は、ケース51と、ケース51内に収容される制御回路基板52とを有する。ケース51は、上面を開口させた放熱性の高いアルミ等の金属製である。制御回路基板52は、上面にマイコンや複数のスイッチング素子等を搭載している。ケース51は、半割ハウジング2a,2bの内面に突設された保持リブ53により保持されている。ケース51の下面中央には、複数の凹凸からなる放熱部54が形成されている。保持リブ53は、放熱部54を除いてケース51の周縁を保持している。コントローラ50は、横向きで且つ前端が後端よりも高くなる傾斜姿勢で保持されている。
【0014】
コントローラ50の下方で本体ハウジング2の下面には、複数の吸気口55,55・・が形成されている。吸気口55は、後側の下仕切リブ34Bよりも後側に位置している。吸気口55の上方で半割ハウジング2a,2bの内面には、バッテリ保持部7の下壁部84から前側上方に延びる下案内壁56が突設されている。下案内壁56の前端は、下仕切リブ34Bよりも後方に位置している。下案内壁56の上方で半割ハウジング2a,2bの内面には、下仕切リブ34Bの後面から後側下方へ、下案内壁56と平行に延びる上案内壁57が突設されている。上案内壁57の後端は、コントローラ50の下方に位置している。
この下案内壁56と上案内壁57とにより、吸気口55の上方には、倒U字状の吸気路58が形成される。すなわち、吸気口55から吸い込まれた空気は、下案内壁57に沿って前方へ移動した後、下仕切リブ34Bと上案内壁57によって方向転換する。そして、空気は、上案内壁57に沿って後方へ移動してからコントローラ50側へ流れる。
コントローラ50の上方でコントローラ収容部5の上面には、表示パネル59が設けられている。表示パネル59は、制御回路基板52へ電気的に接続されて、バッテリパック90の残容量を表示する。
【0015】
グリップ部6は、上グリップ60と下グリップ61とを有する。上グリップ60は、前後方向に延びて前端がモータ収容部4に上方から結合される。下グリップ61は、上下方向に延びて上端が上グリップ60の後端と結合される。下グリップ61の下端は、バッテリ保持部7に上方から結合される。よって、グリップ部6は、モータ収容部4及びコントローラ収容部5、バッテリ保持部7とループ状に繋がる。上グリップ60の前部上面と、下グリップ61の下部後面とには、ショルダーベルトの係止部62,62が設けられている。
【0016】
下グリップ61の上部には、スイッチ65が設けられている。スイッチ65は、前方へ突出するプランジャ66を有する。プランジャ66の前方には、スイッチレバー67が設けられている。スイッチレバー67は、下端がスイッチ65の下方で下グリップ61へ回転可能に支持される。スイッチレバー67は、前後方向に延びる上トリガ部68と、上下方向に延びる下トリガ部69とを有する逆L字状である。プランジャ66とスイッチレバー67との間には、コイルバネ70が介在されている。スイッチレバー67は、上グリップ60を把持した手指で上トリガ部68を押し込み操作すると、後方へ揺動してプランジャ66を押し込む。また、スイッチレバー67は、下グリップ61を把持した手指で下トリガ部69を押し込み操作しても、後方へ揺動してプランジャ66を押し込む。スイッチ65の上側で上グリップ60内には、ロックボタン71が設けられている。ロックボタン71は、常態でスイッチレバー67の押し込みを阻止し、押し込み操作でスイッチレバー67の押し込みを許容する。ロックボタン71の前方で上グリップ60内には、ロックオンボタン72が設けられている。ロックオンボタン72は、スイッチレバー67を押し込んでから押し込み操作すると、スイッチレバー67の押し込み状態を維持する。
【0017】
バッテリ保持部7は、図3及び図4,5に示すように、上壁部75と前壁部76と備えた側面視倒L字状となっている。上壁部75は、コントローラ収容部5及び下グリップ61と連続して前後及び左右方向に延びる。上壁部75の左右幅は、コントローラ収容部5及び下グリップ61の左右幅よりも大きくなっている。上壁部75の後部下面で左右方向の中央には、上側へ凹む本体カバー用凹部77が形成されている。前壁部76は、上壁部75の前端から同じ左右幅で下向きに延びる。前壁部76の前面に、コントローラ収容部5の下面が連続している。前壁部76の左右には、前後に短い横壁部78,78が一体に形成されている。前壁部76の下部後面には、左右方向に係止溝79が形成されている。
上壁部75の下面で左右両側には、図6にも示すように、一対のガイド板80,80が設けられている。ガイド板80は、上壁部75の左右の側縁よりもやや内側で前後方向に延びる帯状板である。各ガイド板80の外面には、外ガイドレール81,81が設けられている。外ガイドレール81,81は、上下方向に所定間隔をおいて前後方向に延びる。各ガイド板80の下端内面には、前後方向に延びる内ガイドレール82が形成されている。
【0018】
ガイド板80,80の間には、端子台83が保持されている。端子台83は、左右のガイド板80,80の上部内面間に架設された下壁部84により、前後方向に延びる姿勢で保持されている。端子台83の下面には、複数の端子板85,85・・が、前後方向に突出している。端子台83の後方で下壁部84の下面には、上側へ凹むバッテリ用凹部86が形成されている。端子台83に接続されるリード線87A,87Bのうち、リード線87Aは、制御回路基板52へ接続される。リード線87Bは、スイッチ65に接続される。なお、図2では、配線経路を示すために各配線は単純な二点鎖線のみで示している。
【0019】
バッテリ保持部7には、バッテリパック90が装着可能となっている。バッテリパック90は、本体ケース91と、接続部92とを備えている。本体ケース91は、複数の図示しないセルを収容する。接続部92は、本体ケース91の上面に設けられ、バッテリ保持部7と接続可能となっている。接続部92は、左右のガイド板80,80の間に納まる左右幅を有する。接続部92の左右両側面の下側には、嵌合溝93,93が形成されている。嵌合溝93,93は、前端から後方へ直線状に形成されて、ガイド板80,80の内ガイドレール82,82が嵌合可能となっている。接続部92には、複数のスリット94,94・・が形成されている。スリット94,94・・は、バッテリ保持部7への装着位置で端子台83の各端子板85が前方から進入する。各スリット94の位置で接続部92内には、端子板85と電気的に接続される図示しない端子金具が設けられている。
接続部92の後部には、フックボタン95が設けられている。フックボタン95は、前端に上向きのフック部96を備える。フックボタン95は、本体ケース91内で図示しないコイルバネによって、フック部96が接続部92から上向きに突出する上方位置に付勢される。フック部96の両側には、段部97が形成されている。段部97は、バッテリパック90の装着位置でガイド板80,80の後端に当接する。
【0020】
バッテリパック90は、バッテリ保持部7の後方から、上側にした接続部92を左右のガイド板80,80の間で前方に押し込む。すると、接続部92の嵌合溝93,93にガイド板80,80の内ガイドレール82,82が嵌合する。そのままバッテリパック90を前方へスライドさせると、端子台83の各端子板85がスリット94に進入し、段部97にガイド板80が当接する位置でスライドが停止する。この状態でフック部96が下壁部84の後端を潜ってバッテリ用凹部86に係止する。こうしてバッテリ保持部7へのバッテリパック90の装着が完了する。バッテリパック90を取り外す場合は、フックボタン95を下方へ押し込み操作する。すると、バッテリ用凹部86へのフック部96の係止が解除されるため、そのまま後方へスライドさせて抜き取ることができる。
【0021】
バッテリカバー8は、前側の本体カバー100と、本体カバー100の後部を開閉する後側の開閉カバー101とを有している。本体カバー100は、左右の半割カバー100a,100bを、右側から複数のネジ102,102で組み付けてなる。本体カバー100は、上板103と、左右の横板104,104と、下板105と、前板106とを有している。本体カバー100は、前後方向に延びる角筒状となっている。上板103の後部は、バッテリ保持部7の上壁部75の後方へ連続状に繋がる形状を有している。上板103の後部下面で左右方向の中央には、開閉カバー用凹部107が形成されている。
【0022】
上板103の前部は、後部よりも一段低くなって上壁部75の下に重なる重合部108となっている。重合部108には、左右の半割カバー100a,100bに挟まれるフック板109が設けられている。フック板109は、側面視が倒L字状で、図8に示すように、前端左右に突起110,110が突設されている。突起110,110は、半割カバー100a,100bの対向面に設けた穴部111,111に挿入している。よって、フック板109は、突起110,110を中心に後端が上下へ揺動可能に支持される。フック板109の後端上面には、図5及び図9に示すように、上向きに本体側係止爪112が形成されている。フック板109の後部は、重合部108の下方へ突出して、下端には、後方へ突出する操作片113が形成されている。
【0023】
横板104,104は、バッテリ保持部7の横壁部78,78の後方へ連続状に繋がる。但し、横板104,104の上下寸法は、横壁部78,78より大きくなっている。横板104,104の上側内面には、スライドレール114,114が前後方向に形成されている。スライドレール114,114は、バッテリ保持部7のガイド板80,80に設けた外ガイドレール81,81の間に嵌合可能である。
前板106は、下板105の前端から短く立ち上げられて、前壁部76の下方へ連続状に繋がる。前板106の上端には、前向きに折曲する係止片115が形成されている。係止片115は、前壁部76の係止溝79に係止可能である。
下板105の下面で前側には、左右方向に前脚部116が下向きに突設されている。前脚部116の後方には、左側がネジボス117aを有する支持突起117,117が下向きに形成されている。
【0024】
開閉カバー101は、後板120と、後上板121と、後横板122,122と、後下板123とを有する。後上板121は、本体カバー100の上板103の後方へ連続状に繋がる。後上板121の前端で左右方向の中央には、図10にも示すように、上向きにカバー側係止爪124が形成されている。カバー側係止爪124の後方には、ストッパ125が左右方向に立設されている。ストッパ125の後方で左右方向の中央には、操作凹部126が形成されている。後横板122,122は、本体カバー100の横板104,104と上下方向の長さが同じで、横板104,104の後方へ連続状に繋がる。
【0025】
後下板123は、本体カバー100の下板105の後方へ連続状に繋がる。後下板123の前端下面で左右方向の中央には、連結部127が形成されている。連結部127は、後方へ延びて本体カバー100の下板105に設けた支持突起117,117の間に位置している。連結部127は、図7に示すように、左側の支持突起117のネジボス117aに貫通されている。支持突起117,117が右側からのネジ128によって結合される。よって、支持突起117と連結部127とは、ネジ128を中心に互いに回転可能に連結される。連結部127の後方で後下板123の下面には、後脚部129が下向きに突設されている。後脚部129は、前脚部116と同じ左右幅及び上下長さを有する。前脚部116と後脚部129とは、支持突起117及び連結部127よりも下方へ突出している。よって、コンクリートバイブレータ1は、平坦な床等にバッテリカバー8を下にして直置きできる。
開閉カバー101は、ネジ128を軸として本体カバー100へ回転可能に連結される。すなわち、本体カバー100の後端の開口100cを閉塞する図2,3の閉位置と、開口100cを開放する図4,5の開位置とに回転可能となっている。
開閉カバー101の内面には、後板120から後下板123に跨がって、左右一対のリブ130,130が突設されている。リブ130,130は、バッテリ保持部7に装着されたバッテリパック90の後面及び下面に近接又は当接する。
【0026】
バッテリカバー8は、バッテリ保持部7の後方からスライド装着される。バッテリパック90を装着する前に、バッテリカバー8を、本体カバー100の前板106を前向きにして、左右のスライドレール114,114を左右のガイド板80,80の外ガイドレール81,81の間にそれぞれ嵌合させる。そして、バッテリカバー8を前方へスライドさせると、図1に示すように、左右の横板104,104が、バッテリ保持部7の横壁部78,78に当接する。この位置で、図3に示すように、前板106の係止片115が前壁部76の係止溝79に係止する。同時に、上板103のフック板109の本体側係止爪112がバッテリ保持部7の本体カバー用凹部77に係止する。こうして、バッテリカバー8はバッテリ保持部7に装着される。
【0027】
バッテリカバー8を取り外す際は、まず、閉位置から開閉カバー101を開く。このとき、後上板121の操作凹部126を押し下げると、カバー側係止爪124が開閉カバー用凹部107から下方に外れる。そのまま後上板121を後方へ押し下げるように回転させると、開閉カバー101を開位置まで回転させることができる。
次に、本体カバー100の開口100c内に突出しているフック板109の操作片113を押し下げる。すると、本体側係止爪112が本体カバー用凹部77から下方に外れて抜け止めが解除される。よって、そのまま本体カバー100を後方へスライドさせれば、バッテリカバー8をバッテリ保持部7から取り外すことができる。
【0028】
バッテリパック90を装着する場合も、開閉カバー101を開位置とすれば、図11に示すように、本体カバー100の開口100cからバッテリパック90を差し込んで、二点鎖線で示すように、バッテリ保持部7にスライド装着可能となる。バッテリパック90の装着後、開閉カバー101を閉位置へ回転させれば、図2,3に示すように、バッテリパック90がバッテリカバー8によって全体的に覆われる。
バッテリパック90の取り外しも、開閉カバー101のみを開位置へ回転させれば、バッテリパック90の後部が露出するため、フックボタン95を押し込み操作してフック部96をバッテリ用凹部86から外せば、そのまま後方へ抜き取ることができる。
このように、バッテリカバー8をバッテリ保持部7から取り外すことなくバッテリパック90の着脱が可能となる。本体カバー100の開口100cは、バッテリパック90の着脱方向の軌跡上にあるため、開閉カバー101を開位置とすれば、バッテリカバー8と干渉することなくバッテリパック90の着脱が行える。
【0029】
以上の如く構成されたコンクリートバイブレータ1をコンクリートの打設に使用する際、振動棒14を装着して型枠内のコンクリートに差し込む。この状態でスイッチレバー67の上トリガ部68又は下トリガ部69を押し込み操作する。すると、スイッチ65がON動作し、バッテリパック90の電源がコントローラ50からモータ10に供給されてロータ16が回転する。すなわち、制御回路基板52のマイコンが、センサ回路基板23から得られる検出信号に基づいてロータ16の回転位置を取得し、スイッチング素子をスイッチング動作させることで各コイル20に三相電流を順番に流し、ロータ16を回転させる。よって、回転軸25が回転し、これと一体のスピンドル40を介して振動棒14のフレキシブルシャフト47が回転する。よって、アンバランサが回転して振動を発生させ、コンクリートを型枠全体に流動させる。
【0030】
回転軸25の回転に伴い、ファン32が回転すると、図2に点線矢印で示すように、コントローラ収容部5の吸気口55から空気が吸い込まれる。この空気は、U字状の吸気路58を通ってコントローラ50側に流れる。よって、ケース51の放熱部54と接触してコントローラ50の放熱を促進させる。その後、空気は、支持リブ17,17の間でモータ10を通過してモータ10を冷却する。モータ10を冷却した空気は、ファン32の径方向外側に流れ、排気路35を通って排気口36から外部に排出される。
【0031】
バッテリ保持部7には、バッテリカバー8が着脱可能に設けられている。よって、バッテリカバー8が損傷等すれば、図4,5に示すようにバッテリカバー8を取り外して修理又は交換を行うことができる。
また、バッテリ保持部7には、バッテリパック90よりもサイズが大きいバッテリパックも装着可能となっている。よって、バッテリ保持部7には、バッテリカバー8に代えて、サイズの大きいバッテリパックに合わせた大きさのバッテリカバーも着脱可能となっている。
図12は、サイズの大きいバッテリカバー8A及びバッテリパック90Aを示す。バッテリカバー8Aは、バッテリカバー8の本体カバー100よりも上下寸法が大きい本体カバー100Aと、開閉カバー101よりも上下寸法及び前後寸法が大きい開閉カバー101Aとを有している。他の構造はバッテリカバー8と同じである。但し、バッテリカバー8Aは、左右寸法がバッテリカバー8より大きくなってもよい。
バッテリパック90Aは、バッテリパック90よりも上下寸法が大きい本体ケース91Aを有している。他の構造はバッテリパック90と同じである。
よって、バッテリカバー8A及びバッテリパック90Aは、バッテリカバー8及びバッテリパック90と同様にバッテリ保持部7へ着脱可能となる。
【0032】
サイズの大きいバッテリパック90Aを使用する場合は、バッテリカバー8をバッテリ保持部7から取り外す。そして、バッテリ保持部7にバッテリカバー8Aの本体カバー100Aを装着すれば、図13に示すように、開閉カバー101Aを開位置とした状態で、バッテリパック90と同じ手順でバッテリパック90Aの着脱が可能となる。バッテリパック90Aの装着後、開閉カバー101Aを閉位置とすれば、図14に示すように、バッテリパック90Aは、バッテリカバー8Aによって全体的に覆われる。
ユーザーは、コンクリートバイブレータ1とバッテリカバー8とバッテリパック90とのセットを購入すれば作業が行える。よって、バッテリカバー8が損傷等すれば、バッテリカバー8を修理したり新たに購入したりして対応できる。
そして、バッテリパック90よりも長時間の作業が必要な場合は、サイズの大きいバッテリカバー8Aとバッテリパック90Aとを追加購入すれば、コンクリートバイブレータ1はそのままで使い分けが可能となる。
【0033】
上記形態のコンクリートバイブレータ1は、モータ10と、モータ10を収容するモータ収容部4(モータハウジング)とを含む。また、コンクリートバイブレータ1は、モータ収容部4に繋がり、バッテリパック90,90A(バッテリ)が着脱可能なバッテリ保持部7と、バッテリ保持部7に保持されたバッテリパック90,90Aを全面的に覆うバッテリカバー8,8Aと、を含む。そして、バッテリカバー8,8Aは、バッテリ保持部7に対して着脱可能に設けられている。
この構成により、サイズ違いのバッテリパック90,90Aも使用できる。
また、バッテリパック90,90Aに合わせたバッテリカバー8,8Aが選択できるため、大きいサイズのバッテリパック90Aを使用しても全体のコンパクト化を維持できる。
そして、バッテリカバー8,8Aが損傷しても交換等の対応が容易に行える。
【0034】
バッテリ保持部7には、バッテリパック90(第1のバッテリ)と、バッテリパック90よりも大きいバッテリパック90A(第2のバッテリ)との2タイプが選択的に着脱可能で、バッテリカバー8,8Aは、バッテリパック90を覆うバッテリカバー8(第1のバッテリカバー)と、バッテリパック90Aを覆うバッテリカバー8A(第2のバッテリカバー)との2タイプが、バッテリ保持部7に対して選択的に着脱可能である。
よって、2タイプのバッテリパック90,90Aに合わせてバッテリカバー8,8Aの使い分けが可能となる。
バッテリパック90,90Aは、バッテリ保持部7に対して前後方向(所定の直線方向)へスライドさせることで着脱可能である。よって、バッテリカバー8,8Aを用いてもバッテリパック90,90Aの着脱が容易に行える。
【0035】
バッテリカバー8,8Aは、バッテリ保持部7に対して、バッテリパック90,90Aと同じ直線方向へスライドさせることで着脱可能である。よって、バッテリカバー8,8Aとバッテリパック90,90Aとを干渉することなく着脱可能となる。
バッテリ保持部7とバッテリカバー8,8Aとには、直線方向に延びて互いに係合する外ガイドレール81とスライドレール114(レール)がそれぞれ設けられる。よって、バッテリカバー8,8Aの着脱がスムーズに行える。
バッテリカバー8,8Aに、フック板109(係止部)が設けられ、バッテリ保持部7に、バッテリカバー8,8Aの装着位置でフック板109が係止する本体カバー用凹部77(被係止部)が設けられている。よって、バッテリカバー8,8Aが装着位置で抜け止めされる。
係止部は、フック板109(フック)であるため、係脱が簡単に行える。
【0036】
バッテリカバー8,8Aには、バッテリ保持部7に装着した状態でバッテリパック90,90Aの着脱を可能とする開口100cと、開口100cを開閉可能な開閉カバー101,101A(カバー)とが設けられる。よって、バッテリパック90,90Aを装着した状態でバッテリパック90,90Aの着脱が可能となる。
開口100cは、バッテリ保持部7へのバッテリパック90,90Aの着脱方向の軌跡上に形成される。よって、開閉カバー101,101Aを開ければバッテリパック90,90Aの着脱が行える。
【0037】
以下、変更例を説明する。
バッテリ及びバッテリカバーのサイズ違いは2タイプに限らない。サイズ違いで3タイプ以上のバッテリ及びバッテリカバーを使い分けることもできる。
上記形態では、バッテリカバーに係止部を、バッテリ保持部に被係止部を設けているが、これと逆に、バッテリ保持部にフック等の係止部を、バッテリカバーに凹部等の被係止部を設けてもよい。
カバーは、上記形態のように下端側に設けた軸を中心として回転可能とする以外に、上端や左右端に設けた軸を中心として回転可能としてもよい。軸はネジ以外に凹凸の嵌合部であってもよい。
カバーは、回転によって開閉する構造の他、スライドするカバーによって開閉する構造とすることもできる。カバーを設けない(開閉部がない)バッテリカバーも採用可能である。
バッテリは、後方からバッテリ保持部にスライド装着する構造に限らない。前方からバッテリ保持部にスライド装着させてもよいし、左右何れかの側方からバッテリ保持部にスライド装着させてもよい。下方から差し込み装着させてもよい。
バッテリカバーのスライド装着方向も同様に変更できる。スライド装着以外の装着構造(例えば係止部と被係止部との係止による装着等)も採用可能である。
【0038】
バッテリ保持部の位置も、ハウジングの下部に限らない。ハウジングの後部や上部、側部であっても差し支えない。
電動作業機器としては、コンクリートバイブレータに限定しない。充電式であれば、撹拌機、真空ポンプ、ワークライト、クリーナ等も対象となる。加えて、コーキングガン、タッカ、ドライバドリル等の電動工具、バリカン、草刈り機等の園芸工具等にも本発明は適用可能である。
【0039】
[第2形態]
図15は、本開示の第2形態として、塗料等の撹拌に用いられる撹拌機に本発明を適用した一例を示している。この撹拌機140は、上側のモータハウジング141と下側の減速部ハウジング142とを備える。モータハウジング141は、図示しないモータとコントローラとを収容している。モータハウジング141には、左右に一対のグリップ部144を有するハンドル143が取り付けられている。減速部ハウジング142は、図示しない減速部を収容している。減速部は、出力軸となるスピンドル145を有している。スピンドル145は、減速部ハウジング142から下向きに突出している。スピンドル145には、撹拌シャフト146が同軸で接続可能となっている。撹拌シャフト146の下端には、図示しないブレードが取り付けられる。
【0040】
撹拌機140では、バッテリ保持部7が、モータハウジング141の上部へ上向きに設けられている。バッテリ保持部7には、バッテリパック90が、接続部92を下にした向きで前方からスライド装着可能となっている。そして、バッテリ保持部7に、バッテリカバー8の本体カバー100が、上記形態とは上下を逆にした向きで、前方からスライド装着可能となっている。よって、開閉カバー101を上方への開位置へ回転させれば、本体カバー100を装着した状態で、バッテリパック90が開口100cを介して着脱可能となる。開閉カバー101を閉位置とすれば、バッテリパック90は、バッテリカバー8によって全体的に覆われる。
【0041】
一方、サイズの大きいバッテリパック90Aを使用する場合は、バッテリカバー8をバッテリ保持部7から取り外す。次に、バッテリ保持部7にバッテリカバー8Aの本体カバー100Aを、上下を逆にした向きで前方からスライド装着する。すると、図16に示すように、開閉カバー101Aを開位置とした状態で、開口100cを介してバッテリパック90Aの着脱が可能となる。バッテリパック90Aの装着後、開閉カバー101Aを閉位置とすれば、バッテリパック90Aは、バッテリカバー8Aによって全体的に覆われる。
なお、この撹拌機においても、バッテリカバー及びバッテリパックのスライド装着方向は、後方から、左右何れかの側方から、或いは上方からであっても差し支えない。バッテリカバー及びバッテリパックのサイズが2種類に限らないことも当然である。
【0042】
そして、上記第1形態及び第2形態では、本体ハウジング2へバッテリカバー8,8Aを装着した後、バッテリ保持部7へバッテリパック90,90Aを装着する手順となっている。これは、バッテリカバー8,8Aの本体カバー100,100Aに前板106を設けて、バッテリカバー8,8Aの取り外し方向では前板106がバッテリパック90,90Aと干渉する構造を採用したことによる。換言すると、バッテリパック90,90Aがバッテリカバー8,8Aを抜け止めする役割を備えたことになる。
また、本体カバー100,100Aに前板106を設けることで、本体ハウジング2のバッテリ保持部7に設ける前壁部76を短くすることができ、バッテリ保持部7、ひいては本体ハウジング2のコンパクト化に繋がる。本体カバー100,100Aに前板106を設けずに前面全体を開口させ、バッテリ保持部7の前壁部76を長く形成して本体カバー100,100Aの前面開口を閉塞させることも可能であるが、そうすると前壁部76の突出長さが大きくなり、バッテリ保持部7、ひいては本体ハウジング2の大型化に繋がるからである。
【0043】
[第3形態]
図17は、第3形態に係るコンクリートバイブレータのバッテリ保持部にバッテリカバーがネジ止めされる例の拡大斜視図である。図18は、図17の中央縦断面図である。図19は、バッテリ保持部、バッテリカバー、バッテリパックをそれぞれ後方から見た斜視図である。図20は、バッテリ保持部、バッテリカバー、バッテリパックをそれぞれ前方から見た斜視図である。図21は、第3形態のバッテリ保持部にバッテリパックを着脱する状態を示す説明図である。
第3形態は、バッテリ保持部及びバッテリカバーを除き、第1形態と同様に成る。第3形態における、第1形態と同様に成る部材及び部分について、適宜、同じ符号が付され、説明が省略される。
【0044】
第3形態のバッテリ保持部307は、上壁部75、前壁部376、及び横壁部78,78、並びにガイド板80,80、外ガイドレール81,81、及び内ガイドレール82を備えている。バッテリ保持部307において、本体カバー用凹部77及び係止溝79は形成されていない。
前壁部376は、ネジボス受入部377を有することを除き、第1形態の前壁部76と同様に成る。ネジボス受入部377は、前壁部376の他の部分に対して、前方に膨出している。ネジボス受入部377の左右には、バッテリ保持部側ボス377aが設けられる。各バッテリ保持部側ボス377aは、左右方向のネジ孔377bを有している。尚、ネジボス受入部377は、前方に膨出していなくても良い。
また、バッテリ保持部307は、端子台83、及びバッテリ用凹部86を有している。
バッテリ保持部307には、バッテリパック90が、第1形態と同様に着脱可能となっている。
【0045】
第3形態のバッテリカバー308は、前側の本体カバー300と、本体カバー300の後部を開閉する後側の開閉カバー301とを有している。本体カバー300は、一体であり、上板303と、左右の横板304,304と、下板305と、前板306とを有している。本体カバー300は、前後方向に延び、後部に開口を有し、上方へ開いている開蓋箱状となっている。上板303の後部は、バッテリ保持部7の上壁部75の後方へ連続状に繋がる形状を有している。尚、上板303は、開閉カバー用凹部107を有さない。
上板303の前部は、後部よりも一段低くなって上壁部75の下に重なる重合部303aとなっている。尚、重合部303aにフック板109は設けられない。
【0046】
横板304,304は、バッテリ保持部7の横壁部78,78の後方へ連続状に繋がる。但し、横板304,304の上下寸法は、横壁部78,78より大きくなっている。横板304,304の上側内面には、スライドレール314,314が前後方向に形成されている。スライドレール314,314は、バッテリ保持部307のガイド板80,80に設けた外ガイドレール81,81の間に嵌合可能である。横板304,304の後端部には、カバー側被係止部309,309が設けられる。各カバー側被係止部309は、周囲部に対して、左右方向の外方に膨出している。
前板306は、下板305の前端から立ち上げられる。前板306の上部は、下部よりも一段後方に下がっていて、前壁部376の後に重なる前重合部306aとなっている。前板306の下部は、前壁部376の下方へ連続状に繋がる。前重合部306aの中央部には、周辺部に対して前方に突出するネジボス部315が形成されている。ネジボス部315は、左右方向のネジ孔315aを有している。ネジボス部315は、ネジボス受入部377における、各バッテリ保持部側ボス377aの間に進入可能である。この進入の際、左のネジ孔377bと、ネジ孔315aと、左のネジ孔377bとが、左右方向で一直線状に並ぶ。尚、第3形態では、前板306に、係止片115は形成されないところ、係止片115及び係止溝79が双方とも形成され、これらによるバッテリ保持部307及びバッテリカバー308の係止とネジ止めとが併用されても良い。同様に、本体側係止爪112及び本体カバー用凹部77による係止とネジ止めとが併用されても良い。
下板305の後端部には、支持突起317が、下向きに形成されている。支持突起317は、左右に延びている。支持突起317は、左右方向の孔317aを有する。本体カバー300内面には、前板306の後面下部から下板305の上面にかけて、左右に並ぶ3つのリブ305a,305a,305aが後方又は上方へ突設されている。各リブ305aは、前後方向に延びており、バッテリ保持部307に装着されたバッテリパック90の前面又は下面に近接又は当接する。尚、下板305に、前脚部116は設けられない。
【0047】
開閉カバー301は、後板320と、後上板321と、後横板322,322と、後下板323とを有する。尚、開閉カバー301の方向は、特に明記される場合を除き、開閉カバー301の閉状態におけるものである。
後上板321は、本体カバー300の上板303の後方へ連続状に繋がる。
後横板322,322は、本体カバー300の横板304,304と上下方向の長さが同じで、横板304,304の後方へ連続状に繋がる。後横板322,322の前上端部には、前向きにカバー側係止爪324,324が形成されている。各カバー側係止爪324の後方には、ストッパ325が、上下方向に延びる状態で、左右方向外方へ立設されている。各ストッパ325の後方には、操作凹部326が形成されている。尚、カバー側係止爪が本体カバー300側に形成され、カバー側被係止部が開閉カバー301側に形成されても良い。
【0048】
後下板323は、本体カバー300の下板305の後方へ連続状に繋がる。後下板323の前端下面には、連結部327,327が形成されている。連結部327,327は、左右に並んでいる。各連結部327は、左右方向の孔327aを有している。連結部327,327の間に、本体カバー300の下板305に設けた支持突起317が配置される。支持突起317の孔317a及び連結部327,327の孔327a,327aに共通する軸部材328が設けられる。よって、支持突起317と連結部327,327とは、軸部材328を中心に互いに回転可能に連結される。尚、後下板323に、後脚部129は設けられない。
開閉カバー301は、軸部材328を軸として本体カバー300へ回転可能に連結される。すなわち、本体カバー300の後端の開口300cを閉塞する図17,18の閉位置と、開口300cを開放する図19,20の開位置とに回転可能となっている。
開閉カバー301の閉状態において、各カバー側係止爪324は、本体カバー300における対応するカバー側被係止部309に係止する。よって、開閉カバー301の本体カバー300に対する閉状態は、その係止により維持される。開閉カバー301の閉状態において、ストッパ325,325は、カバー側被係止部309,309に接触し又は隣接している。また、各操作凹部326を左右方向内方に手指で押すことで、カバー側係止爪324,324のカバー側被係止部309,309への係止を解くことができ、そのまま開閉カバー301を後方へ倒すことで、開閉カバー301を本体カバー300に対して開くことができる。
開閉カバー301の内面には、後板320から後下板323に跨がって、左右一対のリブ330,330が突設されている。左のリブ330は、開閉カバー301の閉状態において、本体カバー300の下板305における左のリブ305aと連続状に繋がる。右のリブ330は、開閉カバー301の閉状態において、本体カバー300の下板305における右のリブ305aと連続状に繋がる。リブ330,330は、バッテリ保持部307に装着されたバッテリパック90の後面及び下面に近接又は当接する。
【0049】
バッテリカバー308は、バッテリ保持部307の後方からスライドさせたうえで、ネジ331で止めることにより、バッテリ保持部307に保持される。バッテリパック90を装着する前に、バッテリカバー308を、本体カバー300の前板306を前向きにして、左右のスライドレール314,314を左右のガイド板80,80の外ガイドレール81,81の間にそれぞれ嵌合させる。そして、バッテリカバー308を前方へスライドさせると、図17に示すように、左右の横板304,304が、バッテリ保持部307の横壁部78,78に当接する。この位置で、図18に示すように、前板306のネジボス部315が、前壁部376のネジボス受入部377に進入する。そして、ネジ331が、ネジボス部315のネジ孔315a、及びネジボス受入部377の各バッテリ保持部側ボス377aのネジ孔377b,377bに共通する状態で、右のバッテリ保持部側ボス377aの右外方から入れられることで、バッテリカバー308は、バッテリ保持部307に装着される。
バッテリカバー308を取り外す際は、ネジ331を外し、本体カバー300を後方へスライドさせれば良い。
【0050】
バッテリパック90を装着する場合、開閉カバー301を開位置とすれば、図21に示すように、本体カバー300の開口300cからバッテリパック90を差し込んで、二点鎖線で示すように、バッテリ保持部307にスライド装着可能となる。バッテリパック90の装着後、開閉カバー301を閉位置へ回転させれば、図17,18に示すように、バッテリパック90がバッテリカバー308によって全体的に覆われる。
バッテリパック90の取り外しも、開閉カバー301のみを開位置へ回転させれば、バッテリパック90の後部が露出するため、フックボタン95を押し込み操作してフック部96をバッテリ用凹部86から外せば、そのまま後方へ抜き取ることができる。
このように、バッテリカバー308をバッテリ保持部307から取り外すことなくバッテリパック90の着脱が可能となる。本体カバー300の開口300cは、バッテリパック90の着脱方向の軌跡上にあるため、開閉カバー301を開位置とすれば、バッテリカバー308と干渉することなくバッテリパック90の着脱が行える。
【0051】
また、第3形態のバッテリ保持部307においても、第1形態と同様に、2タイプ以上のバッテリ及びバッテリカバーが選択的に着脱可能である。
さらに、第3形態のバッテリ保持部307においても、バッテリカバー308を装着した後、バッテリパック90を装着する手順となっており、バッテリパック90がバッテリカバー308を抜け止めする役割を備えている。また、第3形態のバッテリカバー308においても、本体カバー300に前板306を設けることで、バッテリ保持部307に設ける前壁部376を短くすることができ、バッテリ保持部307、ひいては本体ハウジング2のコンパクト化に繋がる。
【0052】
第3形態のコンクリートバイブレータでは、バッテリカバー308は、バッテリ保持部307に対してネジ331により固定される。
よって、ねじ回しでネジ331を着脱することにより、バッテリカバー308がバッテリ保持部307に対して容易に着脱される。又、1箇所での係止部と被係止部とによる係止の場合に比べ、より強固にバッテリカバー308が取り付けられる。
【0053】
第3形態のコンクリートバイブレータは、第1,第2形態と同じ各変更例を、適宜有する。
又、ネジボス受入部377は、1つあるいは3つ以上のバッテリ保持部側ボスを有していても良い。ネジボス部315は、複数設けられても良い。
ネジボス部315が、前壁部376に代えて、あるいは前壁部376と共に、横壁部78に設けられ、ネジボス受入部377がこれに対応するように設けられても良い。
【0054】
[第4形態]
図22は、第4形態に係るコンクリートバイブレータのバッテリ保持部にバッテリカバーがネジ止めされる第3形態とは別の例の拡大斜視図である。図23は、図22の中央縦断面図である。図24は、バッテリ保持部、バッテリカバー、バッテリパックをそれぞれ後方から見た斜視図である。図25は、バッテリ保持部、バッテリカバー、バッテリパックをそれぞれ前方から見た斜視図である。図26は、第4形態のバッテリ保持部にバッテリパックを着脱する状態を示す説明図である。
第4形態は、バッテリ保持部及びバッテリカバーにおける各ネジ止め部の構造を除き、第3形態と同様に成る。第4形態における、第3形態と同様に成る部材及び部分について、適宜、同じ符号が付され、説明が省略される。
【0055】
第4形態のバッテリ保持部407における前壁部476の中央部には、第1ネジ穴477が設けられている。第1ネジ穴477は、前壁部476の後面から前方へ設けられている。すなわち、第1ネジ穴477は、バッテリ保持部407(本体ハウジング2)の内部に設けられている。第1ネジ穴477には、第1ナット477aが入れられている。
又、バッテリ保持部407における上壁部475の後端部には、第2ネジ穴478が設けられている。第2ネジ穴478は、上壁部475の後端部後面から前方へ設けられている。すなわち、第2ネジ穴478は、バッテリ保持部407(本体ハウジング2)の内部に設けられている。第2ネジ穴478には、第2ナット478aが入れられている。
【0056】
第4形態のバッテリカバー408は、前側の本体カバー400と、本体カバー400の後部を開閉する後側の開閉カバー301とを有している。
本体カバー400における前板406の前重合部406aの中央部には、第1カバー側ネジ孔部415が設けられる。第1カバー側ネジ孔部415は、円筒状であり、その周囲部に対して前後に突出している。第1カバー側ネジ孔部415は、バッテリ保持部407における第1ネジ穴477に後方から重畳可能である。
又、本体カバー400における上板403は、上下左右に延びており、左下部,右下部において横板304,304と繋がっている。上板403は、重合部403aを有している。そして、上板403の中央部には、重合部403aを含め、第2カバー側ネジ孔部416が設けられる。第2カバー側ネジ孔部416は、円筒状であり、重合部403aと同様に前方に突出している。第2カバー側ネジ孔部416は、バッテリ保持部407における第2ネジ穴478に後方から重畳可能である。
【0057】
バッテリカバー408は、バッテリ保持部407の後方からスライドさせたうえで、第1ネジ431及び第2ネジ432で止めることにより、バッテリ保持部407に保持される。バッテリパック90を装着する前に、バッテリカバー408を、本体カバー400の前板406を前向きにして、左右のスライドレール314,314を左右のガイド板80,80の外ガイドレール81,81の間にそれぞれ嵌合させる。そして、バッテリカバー408を前方へスライドさせると、図22に示すように、左右の横板304,304が、バッテリ保持部407の横壁部78,78に当接する。この位置で、図23に示すように、前板406の第1カバー側ネジ孔部415が、前壁部476の第1ネジ穴477の後側に位置する。又、上板403の第2カバー側ネジ孔部416が、上壁部475の第2ネジ穴478の後側に位置する。そして、第1ネジ431が、開閉カバー301を開けた状態で、第1カバー側ネジ孔部415及び第1ネジ穴477に共通するように、後方すなわちバッテリカバー408の内側から入れられる。第1ネジ431は、第1ナット477aにより締結される。又、第2ネジ432が、開閉カバー301を開けた状態で、第2カバー側ネジ孔部416及び第2ネジ穴478に共通するように、後方すなわちバッテリカバー408の内側から入れられる。第2ネジ432は、第2ナット478aにより締結される。このようにして、バッテリカバー408は、バッテリ保持部407に装着される。第1ネジ431及び第2ネジ432は、何れも、バッテリ保持部407及びバッテリカバー408の内部に配置される。
バッテリカバー408を取り外す際は、開閉カバー301を開けた状態で、第1ネジ431及び第2ネジ432を外し、本体カバー400を後方へスライドさせれば良い。
【0058】
バッテリパック90を装着する場合、開閉カバー301を開位置とすれば、図26に示すように、本体カバー400の開口400cからバッテリパック90を差し込んで、二点鎖線で示すように、バッテリ保持部407にスライド装着可能となる。バッテリパック90の装着後、開閉カバー301を閉位置へ回転させれば、図22,23に示すように、バッテリパック90がバッテリカバー408によって全体的に覆われる。
バッテリパック90の取り外しも、開閉カバー301のみを開位置へ回転させれば、バッテリパック90の後部が露出するため、フックボタン95を押し込み操作してフック部96をバッテリ用凹部86から外せば、そのまま後方へ抜き取ることができる。
このように、バッテリカバー408をバッテリ保持部407から取り外すことなくバッテリパック90の着脱が可能となる。本体カバー400の開口400cは、バッテリパック90の着脱方向の軌跡上にあるため、開閉カバー301を開位置とすれば、バッテリカバー408と干渉することなくバッテリパック90の着脱が行える。
【0059】
また、第4形態のバッテリ保持部407においても、第3形態と同様に、2タイプ以上のバッテリ及びバッテリカバーが選択的に着脱可能である。
さらに、第4形態のバッテリ保持部407においても、バッテリカバー408を装着した後、バッテリパック90を装着する手順となっており、バッテリパック90がバッテリカバー408を抜け止めする役割を備えている。また、第4形態のバッテリカバー408においても、本体カバー400に前板406を設けることで、バッテリ保持部407に設ける前壁部476を短くすることができ、バッテリ保持部407、ひいては本体ハウジング2のコンパクト化に繋がる。
【0060】
第4形態のコンクリートバイブレータでは、バッテリカバー408は、バッテリ保持部407に対して、第1ネジ431及び第2ネジ432により固定される。
よって、ねじ回しで第1ネジ431及び第2ネジ432を着脱することにより、バッテリカバー408がバッテリ保持部407に対して容易に着脱される。又、2箇所での係止部と被係止部とによる係止の場合、及び1箇所でのネジ止めの場合に比べ、より強固にバッテリカバー408が取り付けられる。
【0061】
また、第1ネジ431及び第2ネジ432の全体が、バッテリカバー408の内部及びバッテリ保持部407の内部に配置されている。よって、第1ネジ431及び第2ネジ432がコンクリート等に覆われる事態の発生が抑制される。従って、バッテリカバー408及びバッテリ保持部407にコンクリート等が付着する事態が発生したとしても、第1ネジ431及び第2ネジ432を外してバッテリカバー408を外すことができる。
さらに、第1ネジ431及び第2ネジ432は、複数設けられている。よって、バッテリカバー408を着脱可能としながら、バッテリカバー408のバッテリ保持部407に対する取付強度がより高まる。
【0062】
第4形態のコンクリートバイブレータは、第1,第2,第3形態と同じ各変更例を、適宜有する。
又、ネジ及びネジ止め部は、3箇所以上設けられても良い。ネジの締結は、ナットによるものに限られず、例えば、第1ネジ穴477にネジ溝が設けられても良い。
【符号の説明】
【0063】
1・・充電式コンクリートバイブレータ、2・・本体ハウジング、4・・モータ収容部、5・・コントローラ収容部、6・・グリップ部、7,307,407・・バッテリ保持部、8,8A,308,408・・バッテリカバー、10・・モータ、50・・コントローラ、65・・スイッチ、75・・上壁部、76・・前壁部、77・・本体カバー用凹部、80・・ガイド板、83・・端子台、90,90A・・バッテリパック、100,100A・・本体カバー、101,101A・・開閉カバー、103・・上板、104・・横板、105・・下板、106・・前板、107・・開閉カバー用凹部、109・・フック板、112・・本体側係止爪、120・・後板、121・・後上板、122・・後横板、123・・後下板、124・・カバー側係止爪、140・・撹拌機、331・・ネジ、431・・第1ネジ(ネジ)、432・・第2ネジ(ネジ)。
図1
図2
図3
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図5
図6
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