(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-20
(45)【発行日】2024-10-01
(54)【発明の名称】運転支援装置
(51)【国際特許分類】
G08G 1/16 20060101AFI20240924BHJP
B60W 30/10 20060101ALI20240924BHJP
B60W 50/14 20200101ALI20240924BHJP
【FI】
G08G1/16 D
B60W30/10
B60W50/14
(21)【出願番号】P 2021046560
(22)【出願日】2021-03-19
【審査請求日】2023-11-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002505
【氏名又は名称】弁理士法人航栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】山▲崎▼ 卓
【審査官】佐藤 吉信
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/136958(WO,A1)
【文献】特開2017-222317(JP,A)
【文献】特開2020-175794(JP,A)
【文献】特開2019-128614(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00-99/00
B60W 10/00-10/30
B60W 30/00-60/00
B62D 6/00- 6/10
G01C 21/00-21/36
G01C 23/00-25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
他車両の軌跡を算出する他車両軌跡算出部と、
自車両の軌跡を算出する自車両軌跡算出部と、
前記他車両軌跡算出部によって算出された前記他車両の軌跡と、前記自車両軌跡算出部によって算出された前記自車両の軌跡との交点に基づいて、前記他車両に関する運転支援を行う運転支援部と、
を備え、
前記運転支援部は、前記自車両が右左折しない場合は前記自車両軌跡算出部により算出された前記自車両の軌跡に基づいて前記運転支援を行い、前記自車両が前記右左折する場合は
、前記自車両が前記右左折を行う交差点の形状を判定し、前記右左折の方向に湾曲し
形状が異なる複数の所定の曲線
のうち、判定した前記交差点の形状に対応する形状の曲線に基づいて前記運転支援を行う、
運転支援装置。
【請求項2】
請求項1に記載の運転支援装置であって、
前記運転支援部は、前記自車両が前記右左折するか否かを、前記自車両のウィンカーの動作情報、前記自車両のナビゲーション情報、又は前記自車両の位置情報及び車速に基づいて判別する、
運転支援装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の運転支援装置であって、
前記運転支援部は、前記自車両が交差点内又は交差点近傍に存在する場合に前記運転支援を行う、
運転支援装置。
【請求項4】
請求項3に記載の運転支援装置であって、
前記運転支援部は、前記自車両が前記右左折を行う場合に、前記自車両と同じ方向に右左折すると予測される先行車両が存在する場合は、前記先行車両が前記右左折を開始してから前記運転支援を行う、
運転支援装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の運転支援装置であって、
前記運転支援部は、前記自車両が前記右左折を行う場合に、前記自車両が前記右左折により進行する方向と反対の方向に進行すると予測される対向車両が存在する場合に、前記対向車両に関する前記運転支援を行わない、
運転支援装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載の運転支援装置であって、
前記運転支援は、前記自車両の乗員に対する前記他車両に関する報知を含み、
前記運転支援部は、前記自車両の前方に第1対向車両が存在し、前記第1対向車両の後方に第2対向車両が存在する場合に、前記第1対向車両に関する前記報知と、前記第2対向車両に関する前記報知とを異ならせる、
運転支援装置
。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運転支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、自車両と他車両とが衝突する可能性があるか否かを判定し、衝突する可能性があると判定された場合に自車両の運転者に報知する運転支援装置が記載されている。この運転支援装置は、自車両の加速度に基づいて自車両の右左折開始を検出し、この右左折開始情報に基づいて自車両と他車両とが衝突する可能性があるか否かを判定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術では、自車両の将来の軌跡を自車両の挙動に基づいて予測しているため、自車両の右左折時に十分に角度を付けて右左折待ちをできない場合に、自車両と他車両の将来の軌跡が交差点内で交差せず、自車両と他車両との衝突等を回避するための運転支援を高精度に行うことができない。
【0005】
本発明は、運転支援の精度向上を図ることが可能な運転支援装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、
他車両の軌跡を算出する他車両軌跡算出部と、
自車両の軌跡を算出する自車両軌跡算出部と、
前記他車両軌跡算出部によって算出された前記他車両の軌跡と、前記自車両軌跡算出部によって算出された前記自車両の軌跡との交点に基づいて、前記他車両に関する運転支援を行う運転支援部と、
を備え、
前記運転支援部は、前記自車両が右左折しない場合は前記自車両軌跡算出部により算出された前記自車両の軌跡に基づいて前記運転支援を行い、前記自車両が前記右左折する場合は、前記自車両が前記右左折を行う交差点の形状を判定し、前記右左折の方向に湾曲し形状が異なる複数の所定の曲線のうち、判定した前記交差点の形状に対応する形状の曲線に基づいて前記運転支援を行う、
運転支援装置である。
【発明の効果】
【0007】
本発明の運転支援装置によれば、運転支援の精度向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の運転支援装置の一例である運転支援装置10の構成を示す図である。
【
図2】演算部26の機能的な構成の一例を示す図である。
【
図3】自車両50及び他車両60の将来の軌跡の交点の導出の具体例1を示す図である。
【
図4】自車両50及び他車両60の将来の軌跡の交点の導出の具体例2を示す図である。
【
図5】演算部26による処理の一例を示すフローチャートである。
【
図6】交差点130の形状の他の具体例1を示す図である。
【
図7】交差点130の形状の他の具体例2を示す図である。
【
図8】交差点エリアにおける運転支援の制御の一例を示す図である。
【
図9】同じ方向に左折すると予測される先行車両が存在する場合の運転支援の制御の一例を示す図である。
【
図10】反対方向に進行すると予測される対向車両が存在する場合の運転支援の制御の一例を示す図である。
【
図11】対向車両の後方にも対向車両が存在する場合の運転支援の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の運転支援装置の一実施形態について、図面を参照して説明する。
【0010】
<本発明の運転支援装置である運転支援装置10の構成>
図1は、本発明の運転支援装置の一例である運転支援装置10の構成を示す図である。
図1に示される運転支援装置10は、運転者が運転する後述の自車両50(
図3等参照)に設けられる。運転支援装置10は、車両センサ群12と、方向指示器スイッチ14と、第1アンテナ16と、第2アンテナ18と、制御装置20と、報知装置40と、制動装置42と、を備える。
【0011】
車両センサ群12は、自律航法を行うために必要なセンサ、例えばジャイロセンサと加速度センサの他に、高度計を含む。また、車両センサ群12は、自車両50の周辺を撮影するデジタルカメラや、ミリ波帯等の電波を用いたレーダ装置や、レーザ光を用いたLIDAR(Laser Imaging Detection and Ranging)などを含んでもよい。また、車両センサ群12は、車速情報を取得するための車速センサを含んでもよい。
【0012】
車両センサ群12は各種情報を検出し、検出した情報を制御装置20の演算部26に出力する。方向指示器スイッチ14は、自車両50の室内に設けられる方向指示器レバーの動作に応じた信号を演算部26に出力する。第1アンテナ16は、衛星航法を行うために使用されるアンテナである。第2アンテナ18は、自車両50と後述の他車両60(
図3等参照)との間で車車間通信を行うために使用されるアンテナである。
【0013】
制御装置20は、GPSモジュール22と、車車間通信モジュール24と、演算部26と、記憶部34と、が一体化された電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)である。
【0014】
GPSモジュール22は、第1アンテナ16を介して人工衛星(GPS衛星)70から送信される電波を受信する受信機である。車車間通信モジュール24は、第2アンテナ18を介して他車両60から送信される電波信号を受信し、また、第2アンテナ18を介して他車両60に対して電波を送信する送受信機である。
【0015】
演算部26は、CPU(Central Processing Unit)等を備えるプロセッサ等である。演算部26は、記憶部34に記憶されるプログラムを実行することにより各種機能を実現する。演算部26は、車両センサ群12、方向指示器スイッチ14、GPSモジュール22、車車間通信モジュール24から各種情報を入力するとともに報知装置40と制動装置42に対して支援指示を出力する。
【0016】
記憶部34は、演算部26がアクセス可能なメモリである。記憶部34は、ROM(Read Only Memory)の他に、RAM(Random Access Memory)やハードディスク等の読み込みと書き込みが自在な記憶装置を含む。記憶部34には、以下で説明する所定の曲線の情報等が記憶される。
【0017】
報知装置40は、報知ECUと、情報伝達装置(表示装置、音響装置、触覚装置等)と、を含む。報知装置40は、他のECU又は制御装置20から出力される指示に応じて運転者に対する報知を行う。
【0018】
制動装置42は、ブレーキECUと、ブレーキアクチュエータと、を含む。制動装置42は、運転者が行うブレーキペダルの操作又は制御装置20から出力される指示に応じて制動力を発生させる。
【0019】
<演算部26の機能的な構成>
図2は、演算部26の機能的な構成の一例を示す図である。
図2に示すように、演算部26は、自車両情報取得部261、他車両情報取得部262、自車両軌跡算出部263、他車両軌跡算出部264、及び運転支援部265として機能する。
【0020】
自車両情報取得部261は、自車両50の走行情報を取得する。自車両50の走行情報には、自車両50の現在の位置、車速、進行方向などの情報が含まれる。進行方向とは、例えば車両のボディの向きである。例えば、自車両情報取得部261は、車両センサ群12及びGPSモジュール22から出力される各情報に基づいてこれらの走行情報を取得する。自車両情報取得部261は、取得した自車両50の位置や進行方向を示す走行情報を自車両軌跡算出部263へ出力する。また、自車両情報取得部261は、取得した自車両50の位置や車速を示す走行情報を運転支援部265へ出力する。
【0021】
他車両情報取得部262は、他車両60の走行情報を取得する。他車両60の走行情報には、他車両60の現在の位置、車速、進行方向などの情報が含まれる。例えば、他車両情報取得部262は、車両センサ群12及び車車間通信モジュール24から出力される各情報に基づいてこれらの情報を取得する。他車両情報取得部262は、取得した他車両60の位置や進行方向を示す走行情報を他車両軌跡算出部264へ出力する。また、他車両情報取得部262は、取得した他車両60の位置や車速を示す走行情報を運転支援部265へ出力する。
【0022】
自車両軌跡算出部263は、自車両情報取得部261から出力された走行情報が示す自車両50の位置や進行方向に基づいて、自車両50の将来の軌跡を算出する。自車両50の将来の軌跡の算出については後述する。自車両軌跡算出部263は、算出した自車両50の将来の軌跡を運転支援部265へ通知する。
【0023】
他車両軌跡算出部264は、他車両情報取得部262から出力された走行情報が示す他車両60の位置や進行方向に基づいて、他車両60の将来の軌跡を算出する。他車両60の将来の軌跡の算出については後述する。他車両軌跡算出部264は、算出した他車両60の将来の軌跡を運転支援部265へ通知する。
【0024】
運転支援部265は、自車両50が交差点で左折しない場合は、自車両軌跡算出部263から通知された自車両50の将来の軌跡と、他車両軌跡算出部264から通知された他車両60の将来の軌跡と、の交点を導出する。また、運転支援部265は、自車両50が交差点で左折する場合は、自車両50の現在の位置から延びかつ左方向に湾曲した所定の曲線と、他車両軌跡算出部264から通知された他車両60の将来の軌跡と、の交点を導出する。
【0025】
また、運転支援部265は、導出した交点と、自車両情報取得部261から出力された走行情報が示す自車両50の位置や車速と、他車両情報取得部262から出力された走行情報が示す他車両60の位置や車速と、に基づいて、将来の自車両50と他車両60との衝突や異常接近の可能性を検出し、その検出結果に基づいて運転支援を行う。この運転支援は、自車両50と他車両60との衝突や異常接近を回避するための制御である。
【0026】
例えば、この運転支援は、自車両50の乗員(特に運転者)に対して他車両60の存在等を報知するように報知装置40を制御する報知制御である。ただし、運転支援は、このような報知制御に限らず、例えば、他車両60と通信を行うことにより、他車両60の乗員(特に運転者)に対して自車両50の存在等を報知するように他車両60を制御するものであってもよい。又は、運転支援は、制動装置42を制御することによる自車両50のブレーキ制御や自車両50の操舵制御などであってもよい。
【0027】
<自車両50及び他車両60の将来の軌跡の交点の導出の具体例1>
図3は、自車両50及び他車両60の将来の軌跡の交点の導出の具体例1を示す図である。ここでは、各車両が右側の車線を走行して対面通行を行う右側通行の場合について説明する。右側通行においては、自車両50が交差点で左折する際に、対向車線において直進する他車両60と衝突したり異常接近したりする危険性が高い。
【0028】
図3に示す交差点130は、第1走行路110と第2走行路120との交差点である。運転支援装置10が搭載された自車両50は、第1走行路110を走行しており、交差点130を直進する予定である。自車両50と異なる他車両60は、第2走行路120を走行しており、交差点130を直進する予定である。
【0029】
自車両軌跡51は、自車両50の自車両軌跡算出部263が算出する自車両50の軌跡である。自車両軌跡算出部263は、自車両50の現在の位置から自車両50の現在の進行方向(前後方向)に延ばした直線を、自車両軌跡51として算出する。このように、自車両軌跡算出部263は、例えば自車両軌跡51を自車両50の進行方向の直線で算出する。
【0030】
他車両軌跡61は、自車両50の他車両軌跡算出部264が算出する他車両60の軌跡である。他車両軌跡算出部264は、他車両60の現在の位置から他車両60の現在の進行方向に延ばした直線を、他車両軌跡61として算出する。このように、他車両軌跡算出部264は、例えば他車両軌跡61を他車両60の進行方向の直線で算出する。
【0031】
運転支援部265は、自車両50が交差点130で左折しない場合は、自車両軌跡51と他車両軌跡61との交点CPを導出する。また、運転支援部265は、導出した交点CPに基づいて、他車両60に関する運転支援を行う。例えば、運転支援部265は、自車両50の現在の位置及び車速に基づいて、自車両50が交点CPを通過する時刻を算出する。また、運転支援部265は、他車両60の現在の位置及び車速に基づいて、他車両60が交点CPを通過する時刻を算出する。
【0032】
そして、運転支援部265は、算出した各時刻の差が所定時間以下であれば、自車両50と他車両60との衝突等を回避するための運転支援を行う。例えば、運転支援部265は、自車両50の乗員に対して他車両60の存在を知らせる報知制御を行う。また、運転支援部265は、算出した各時刻の差が所定時間より大きければ運転支援を行わない。
【0033】
所定時間は、任意に設定することができるが、例えば、30[km/h]で走行する自車両50が急ブレーキせずに停止できる程度の時間(一例としては3秒)とすることができる。
【0034】
<自車両50及び他車両60の将来の軌跡の交点の導出の具体例2>
図4は、自車両50及び他車両60の将来の軌跡の交点の導出の具体例2を示す図である。
図4に示す具体例2においては、自車両50は、第1走行路110を走行しており、交差点130を左折する予定である。他車両60は、自車両50と逆方向に第1走行路110を走行しており、交差点130を直進する予定である。
【0035】
運転支援部265は、自車両50が交差点130を左折することを、例えば方向指示器スイッチ14から出力される情報、すなわち自車両50のウィンカーの動作情報に基づいて判別する。例えば、運転支援部265は、自車両50が交差点130の手前に位置するときに左方向への指示器(ウィンカー)が動作している場合は、自車両50が交差点130を左折すると判別する。ただし、自車両50が交差点130を左折するか否かの判別は、ウィンカーの動作情報に限らず、自車両50のナビゲーション情報、又は自車両50の位置情報及び車速、ヨーレートなどに基づいて判別してもよい。
【0036】
そして、運転支援部265は、自車両50が左折すると判別したため、自車両50の現在の位置から延びかつ左方向に湾曲した所定の曲線52と、他車両軌跡61との交点CPを導出する。例えば、演算部26がアクセス可能なメモリ(例えば記憶部34)には、所定の曲率で左に湾曲する曲線が左折と対応付けられて予め記憶されている。運転支援部265は、この曲線を読み出して自車両50の現在の位置から延ばすことにより曲線52を導出する。このように、運転支援部265は、自車両50が左折する場合は、自車両軌跡51に代えて、左の方向に湾曲した曲線52を用いて交点CPを導出する。
【0037】
他車両軌跡算出部264は、
図3の例と同様に、他車両60の現在の位置から他車両60の現在の進行方向に延ばした直線を他車両軌跡61として算出する。
【0038】
運転支援部265は、自車両軌跡51と他車両軌跡61との交点CPに基づいて、他車両60に関する運転支援を行う。運転支援の具体例については
図3の例と同様である。
【0039】
<演算部26による処理>
図5は、演算部26による処理の一例を示すフローチャートである。演算部26は、例えば
図5に示す処理を実行する。
【0040】
まず、演算部26は、他車両60の走行情報を取得する(ステップS51)。ステップS51は、他車両情報取得部262によって実行される。次に、演算部26は、ステップS51によって取得した走行情報に基づいて、他車両軌跡61を直線で算出する(ステップS52)。ステップS52は、他車両軌跡算出部264によって実行される。
【0041】
次に、演算部26は、自車両50の走行情報を取得する(ステップS53)。ステップS53は、自車両情報取得部261によって実行される。次に、演算部26は、ステップS53によって取得した走行情報に基づいて、自車両軌跡51を直線で算出する(ステップS54)。ステップS54は、他車両軌跡算出部264によって実行される。
【0042】
次に、演算部26は、自車両50が左折するか否かを判断する(ステップS55)。ステップS55は、例えば自車両軌跡算出部263によって実行される。ステップS55は、運転支援部265によって実行される。
【0043】
ステップS55において、自車両50が左折しないと判断した場合(ステップS55:No)は、演算部26は、ステップS54によって算出した自車両軌跡51と、ステップS52によって算出した他車両軌跡61と、の交点CPを導出する(ステップS56)。ステップS56は、運転支援部265によって実行される。
【0044】
ステップS55において、自車両50が左折すると判断した場合(ステップS55:Yes)は、演算部26は、左に湾曲した所定の曲線52と、ステップS52によって算出した他車両軌跡61と、の交点CPを導出する(ステップS57)。ステップS57は、運転支援部265によって実行される。
【0045】
次に、演算部26は、ステップS56又はステップS57によって導出した交点CPに基づいて、自車両50と他車両60との衝突や異常接近(衝突等)の可能性があるか否かを判断する(ステップS58)。ステップS58は、運転支援部265によって実行される。衝突等の可能性がない場合(ステップS58:No)は、演算部26は、ステップS51へ戻る。
【0046】
ステップS58において、衝突等の可能性がある場合(ステップS58:Yes)は、演算部26は、衝突等を回避するための運転支援を行い(ステップS59)、ステップS51へ戻る。ステップS59は、運転支援部265によって実行される。
【0047】
なお、
図5に示した各ステップは適宜変更可能である。例えば、ステップS51,S52と、ステップS53,S54と、の順序を入れ替えてもよい。また、自車両50が左折する場合は、ステップS54を実行しないようにしてもよい。また、複数の他車両60が存在する場合、演算部26は、
図5に示した処理を、複数の他車両60のそれぞれについて実行してもよい。その際に、演算部26は、ステップS53~S55については、複数の他車両60のそれぞれについて共通で実行してもよい。
【0048】
図3~
図5に示したように、運転支援装置10は、自車両50が左折しない場合は直線で算出した自車両軌跡51と他車両軌跡61との交点CPを導出し、自車両50が左折する場合は左に湾曲した所定の曲線52と他車両軌跡61との交点CPを導出する。これにより、交点CPを導出するための演算量の増加を抑制しつつ、交点CPを常に自車両50の挙動から算出される軌道で導出する場合と比べて、交点CPを精度よく導出することができる。このため、交点CPに基づく運転支援の精度向上を図ることができる。
【0049】
<交差点130の形状の他の具体例>
図6は、交差点130の形状の他の具体例1を示す図である。
図7は、交差点130の形状の他の具体例2を示す図である。
【0050】
図6においては、
図4の例とは第1走行路110と第2走行路120との交差の角度が一部異なる交差点130を示している。
図7においては、
図4の例とは第1走行路110の車線数が異なる交差点130を示している。
【0051】
例えば、演算部26がアクセス可能なメモリ(例えば記憶部34)には、交差点の形状ごと(例えば
図4,
図6,
図7の交差点130の形状ごとに)に、左に湾曲する曲線が対応付けられて記憶されていてもよい。これらの曲線は、対応する交差点の形状に合わせて、それぞれ異なる形状(長さや曲率)を有する。演算部26は、交差点130の形状を判定し、判定した形状に対応する曲線をメモリから読み出して交点CPを導出する。
【0052】
交差点130の形状の判定は、例えば交差点130の形状を示す情報を含む地図データに基づいて行われてもよいし、車両センサ群12に含まれるデジタルカメラによる撮像結果に基づいて行われてもよい。
【0053】
このように、演算部26は、形状が異なる複数の曲線のうち、自車両50が左折を行う交差点130の形状に対応する形状の曲線で交点CPを導出してもよい。これにより、交点CPを導出するための演算量の増加を抑制しつつ、交点CPをさらに精度よく導出することができる。このため、交点CPに基づく運転支援のさらなる精度向上を図ることができる。
【0054】
<交差点エリアにおける運転支援>
図8は、交差点エリアにおける運転支援の制御の一例を示す図である。
図8に示す交差点エリア131は、交差点130及び交差点130の近傍を含むエリアである。例えば、交差点エリア131は、交差点130を中心とし、かつ交差点130を一部に含む円形のエリアである。運転支援部265は、自車両50が交差点エリア131に存在する場合に上記の運転支援を行い、自車両50が交差点エリア131に存在しない場合には上記の運転支援を行わないようにしてもよい。
【0055】
自車両50が交差点エリア131に存在するか否かの判別は、例えば交差点130の形状を示す情報を含む地図データに基づいて行われてもよいし、車両センサ群12に含まれるデジタルカメラによる撮像結果に基づいて行われてもよい。また、交差点エリア131は、交点CPを中心とする所定の範囲内のエリアであってよい。
【0056】
このように、運転支援部265は、自車両50が交差点130内又は交差点130近傍に存在する場合に運転支援を行うようにしてもよい。自車両50と他車両60との衝突等を回避するための運転支援を、自車両50が交差点130内又は交差点130近傍に存在しない場合に行わないようにすることで、自車両50と他車両60との衝突等の可能性が低い状態で報知制御等が実行されて自車両50の乗員等が煩わしさを感じることを回避することができる。
【0057】
<同じ方向に左折すると予測される先行車両が存在する場合の運転支援の制御>
図9は、同じ方向に左折すると予測される先行車両が存在する場合の運転支援の制御の一例を示す図である。
図9の例においては、自車両50が交差点130を左折する予定であり、自車両50に先行車両90が存在する。
【0058】
自車両50の運転支援部265は、先行車両90が交差点130を左折するか否かを予測する。先行車両90が交差点130を左折するか否かの予測は、例えば、自車両50と先行車両90との間の車車間通信や、車両センサ群12に含まれるデジタルカメラによる先行車両90の撮像により行うことができる。先行車両90の撮像による先行車両90が交差点130を左折するか否かの予測は、先行車両90の左側のウィンカーが動作しているか否かや、先行車両90が交差点130において左方向に角度を付けた状態であるか否かを撮像結果に基づき判定することにより行うことができる。
【0059】
運転支援部265は、先行車両90が交差点130を左折しないと予測される場合は、上記のように他車両60に関する運転支援を行う。また、運転支援部265は、先行車両90が交差点130を左折すると予測される場合は、先行車両90が左折を開始するまで待ってから上記のように他車両60に関する運転支援を行う。先行車両90が左折を開始したか否かの判断は、例えば、自車両50と先行車両90との間の車車間通信や、先行車両90を車両センサ群12に含まれるデジタルカメラによる先行車両90の撮像により行うことができる。
【0060】
このように、運転支援部265は、自車両50が左折を行う場合に、自車両50と同じ方向に左折すると予測される先行車両90が自車両50の前方に存在する場合は、先行車両90がその左折を開始してから運転支援を行う。これにより、自車両50と他車両60との衝突等を回避するための運転支援を、自車両50がまだ左折できない状態においては行わないようにすることで、自車両50の乗員等が煩わしさを感じることを回避することができる。
【0061】
自車両50と同じ方向に左折すると予測される先行車両90が存在する場合の運転支援を行わないという制御について説明したが、先行車両90が自車両50と同じ方向に左折するか否かに関わらず、先行車両90が存在する場合の運転支援を行わないという制御としてもよい。
【0062】
<反対方向に進行すると予測される対向車両が存在する場合の運転支援の制御>
図10は、反対方向に進行すると予測される対向車両が存在する場合の運転支援の制御の一例を示す図である。
図10の例においては、自車両50が交差点130を左折する予定であり、自車両50の前方に対向車両である他車両60が存在し、他車両60が交差点130を左折、すなわち自車両50とは反対方向に進行する予定である。
【0063】
この場合に、運転支援部265は、自車両軌跡51と他車両軌跡61との交点に基づく他車両60に関する運転支援を行わないようにしてもよい。他車両60が交差点130を左折するか否かの予測は、例えば、自車両50と他車両60との間の車車間通信や、車両センサ群12に含まれるデジタルカメラによる他車両60の撮像により行うことができる。他車両60の撮像による他車両60が交差点130を左折するか否かの予測は、自車両50から見て他車両60の右側のウィンカーが動作しているか否かや、自車両50から見て他車両60が交差点130において右方向に角度を付けた状態であるか否かを撮像結果に基づき判定することにより行うことができる。
【0064】
このように、運転支援部265は、自車両50が左折を行う場合に、自車両50が左折により進行する方向と反対の方向に進行すると予測される対向車両である他車両60が自車両50の前方に存在する場合に、他車両60に関する運転支援を行わない。これにより、他車両60の他車両軌跡61は直線で算出しつつ、自車両50と他車両60との衝突等の可能性が低い状態で報知制御等が実行されて自車両50の乗員等が煩わしさを感じることを回避することができる。
【0065】
<対向車両の進行方向に対して後方にも対向車両が存在する場合の運転支援>
図11は、対向車両の進行方向に対して後方にも対向車両が存在する場合の運転支援の一例を示す図である。
図11の例では、
図4と同様の状況において、他車両60の進行方向に対して後方に他車両80が存在している。他車両80も、他車両60と同様に、自車両50と逆方向に第1走行路110を走行しており、交差点130を直進する予定である。
【0066】
他車両情報取得部262は、他車両60の走行情報に加えて他車両80の走行情報を取得する。他車両軌跡算出部264は、他車両60の他車両軌跡61に加えて他車両80の他車両軌跡81も算出する。交点CP1は曲線52と他車両軌跡61との交点であり、交点CP2は曲線52と他車両軌跡81との交点である。
【0067】
運転支援部265は、交点CP1において自車両50と他車両60との衝突等の可能性があるため、自車両50の乗員に対する他車両60に関する報知制御を運転支援として行う。例えば、運転支援部265は、「対向車両の直進に注意して左折してください。」との音声等による報知を行うように報知装置40を制御する報知制御を行う。
【0068】
また、運転支援部265は、交点CP2において自車両50と他車両80との衝突等の可能性があるため、自車両50の乗員に対する他車両80に関する報知制御を運転支援としてさらに行う。このとき、運転支援部265は、他車両60に関する報知制御とは異なる態様にて、他車両80に関する報知制御を行う。例えば、運転支援部265は、「対向車両の後方にも対向車両がいます。注意して左折してください。」との音声による報知を行うように報知装置40を制御する報知制御を行う。
【0069】
このように、運転支援部265は、自車両50の前方に対向車両である他車両60(第1対向車両)が存在し、他車両60の後方にも対向車両である他車両80が存在する場合に、他車両80に関する報知と、他車両80に関する報知とを異ならせる。これにより、自車両50から見て他車両80が他車両60に隠れて見えにくい状況であっても、自車両50の乗員に対して、他車両60の後方に存在する他車両80の存在を意識させることができる。
【0070】
このため、自車両50の乗員が、他車両80に関する報知を前方の他車両60に関する報知と勘違いしてしまい、他車両60には注意していたが他車両80には注意しておらず自車両50と他車両80とが衝突等してしまう、という事態を防止することができる。
【0071】
ここでは他車両80に関する音声による報知のメッセージ内容と、他車両80に関する音声による報知のメッセージ内容とを異ならせる場合について説明したが、報知の態様を異ならせる態様はこれに限らない。例えば、運転支援部265は、画面表示により報知を行う報知制御を行い、他車両60に関する報知と他車両80に関する報知とで、画面に表示させるメッセージやアイコンを異ならせてもよい。また、運転支援部265は、自車両50の車内照明により報知を行う報知制御を行い、他車両60に関する報知と他車両80に関する報知とで、車内照明の色を異ならせてもよい。
【0072】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。
【0073】
例えば、上記実施形態では、右側通行において自車両50が左折する場合について説明したが、右側通行において自車両50が右折する場合にも同様の制御を行うようにしてもよい。例えば、運転支援部265は、自車両50が右折する場合は右に湾曲した曲線と他車両軌跡61との交点CPを導出してもよい。これにより、自車両50が右折する際にも高精度な運転支援を行うことができる。
【0074】
また、上記実施形態では右側通行を例に説明したが、上記実施形態を左側通行に適用することもできる。この場合、運転支援装置10は、自車両50が右折しない場合は直線で算出した自車両軌跡51と他車両軌跡61との交点CPを導出し、自車両50が右折する場合は右に湾曲した所定の曲線と他車両軌跡61との交点CPを導出する。さらに、右側通行において、自車両50が左折する場合にも同様の制御を行うようにしてもよい。
【0075】
すなわち、運転支援装置10は、自車両50が右左折(右折又は左折)しない場合は直線で算出した自車両軌跡51と他車両軌跡61との交点CPを導出し、自車両50が右左折する場合はその右左折の方向に湾曲した所定の曲線と他車両軌跡61との交点CPを導出する。
【0076】
また、自車両軌跡算出部263が自車両軌跡51を直線で算出する構成について説明したが、このような構成に限らず、自車両軌跡算出部263が自車両50のヨーレート等に基づいて自車両軌跡51を曲線で算出する構成としてもよい。同様に、他車両軌跡算出部264が他車両軌跡61,81を直線で算出する構成について説明したが、このような構成に限らず、他車両軌跡算出部264が他車両60のヨーレート等に基づいて他車両軌跡61,81を曲線で算出する構成としてもよい。
【0077】
また、他車両軌跡算出部264が他車両60,80の走行情報に基づいて他車両軌跡61,81を算出する構成について説明したが、他車両情報取得部262が取得する他車両60,80の走行情報に他車両60,80の将来の軌跡を示す軌跡情報が含まれている場合は、運転支援部265はこの軌跡情報に基づいて他車両軌跡61,81を算出するようにしてもよい。
【0078】
また、本明細書には少なくとも以下の事項が記載されている。なお、括弧内には、上記した実施形態において対応する構成要素等を示しているが、これに限定されるものではない。
【0079】
(1) 他車両(他車両60)の軌跡(他車両軌跡61,81)を算出する他車両軌跡算出部(他車両軌跡算出部264)と、
自車両(自車両50)の軌跡(自車両軌跡51)を算出する自車両軌跡算出部(自車両軌跡算出部263)と、
前記他車両軌跡算出部によって算出された前記他車両の軌跡と、前記自車両軌跡算出部によって算出された前記自車両の軌跡との交点(交点CP,CP1,CP2)に基づいて、前記他車両に関する運転支援を行う運転支援部(運転支援部265)と、
を備え、
前記運転支援部は、前記自車両が右左折しない場合は前記自車両軌跡算出部により算出された前記自車両の軌跡に基づいて前記運転支援を行い、前記自車両が前記右左折する場合は前記右左折の方向に湾曲した所定の曲線(曲線52)に基づいて前記運転支援を行う、
運転支援装置(運転支援装置10)。
【0080】
(1)によれば、自車両が右左折しない場合は直線で自車両の軌跡を予測し、自車両が右左折する場合はその右左折の方向に湾曲した所定の曲線で自車両の軌跡を予測することができる。これにより、自車両の軌跡を予測するための演算量の増加を抑制しつつ、自車両の挙動から算出される軌道で導出する場合と比べて、自車両の軌跡を精度よく予測することができる。このため、自車両の軌跡と他車両の軌跡との交点に基づく運転支援の精度向上を図ることができる。
【0081】
(2) (1)に記載の運転支援装置であって、
前記運転支援は、前記自車両が前記右左折するか否かを、前記自車両のウィンカーの動作情報、前記自車両のナビゲーション情報、又は前記自車両の位置情報及び車速に基づいて判別する、
運転支援装置。
【0082】
(2)によれば、自車両が右左折するか否かを容易に判別することができる。
【0083】
(3) (1)又は(2)に記載の運転支援装置であって、
前記運転支援部は、前記自車両が交差点内又は交差点近傍(交差点エリア131)に存在する場合に前記運転支援を行う、
運転支援装置。
【0084】
(3)によれば、自車両と他車両との衝突等を回避するための運転支援を、自車両が交差点内又は交差点近傍に存在しない場合に行わないようにすることで、自車両と他車両との衝突等の可能性が低い状態で報知制御等が実行されて自車両の乗員等が煩わしさを感じることを回避することができる。
【0085】
(4) (3)に記載の運転支援装置であって、
前記運転支援部は、前記自車両が前記右左折を行う場合に、前記自車両と同じ方向に右左折すると予測される先行車両(先行車両90)が存在する場合は、前記先行車両が前記右左折を開始してから前記運転支援を行う、
運転支援装置。
【0086】
(4)によれば、自車両と他車両との衝突等を回避するための運転支援を、自車両がまだ右左折できない状態においては行わないようにすることで、自車両の乗員等が煩わしさを感じることを回避することができる。
【0087】
(5) (1)から(4)のいずれかに記載の運転支援装置であって、
前記運転支援部は、前記自車両が前記右左折を行う場合に、前記自車両が前記右左折により進行する方向と反対の方向に進行すると予測される対向車両が存在する場合に、前記対向車両に関する前記運転支援を行わない、
運転支援装置。
【0088】
(5)によれば、他車両の軌跡を直線で予測しつつ、自車両と他車両との衝突等の可能性が低い状態で運転支援が実行されて自車両の乗員等が煩わしさを感じることを回避することができる。
【0089】
(6) (1)から(5)のいずれかに記載の運転支援装置であって、
前記運転支援は、前記自車両の乗員に対する前記他車両に関する報知を含み、
前記運転支援部は、前記自車両の前方に第1対向車両が存在し、前記第1対向車両の後方に第2対向車両が存在する場合に、前記第1対向車両に関する前記報知と、前記第2対向車両に関する前記報知とを異ならせる、
運転支援装置。
【0090】
(6)によれば、自車両から見て第2対向車両が第1対向車両に隠れて見えにくい状況であっても、自車両の乗員に対して、第1対向車両の後方に存在する第2対向車両の存在を意識させることができる。このため、自車両の乗員が、第2対向車両に関する報知を前方の第1対向車両に関する報知と勘違いしてしまい、第1対向車両には注意していたが第2対向車両には注意しておらず自車両と第2対向車両とが衝突等してしまう、という事態を防止することができる。
【0091】
(7) (1)から(6)のいずれかに記載の運転支援装置であって、
前記運転支援は、形状が異なる前記所定の複数の曲線のうち、前記自車両が前記右左折を行う交差点の形状に対応する形状の曲線に基づいて前記運転支援を行う、
運転支援装置。
【0092】
(7)によれば、自車両の軌跡を予測するための演算量の増加を抑制しつつ、自車両の軌跡をさらに精度よく予測することができる。このため、自車両の軌跡と他車両の軌跡との交点に基づく運転支援のさらなる精度向上を図ることができる。
【符号の説明】
【0093】
10 運転支援装置
50 自車両
51 自車両軌跡(自車両の軌跡)
52 曲線
60 他車両
61,81 他車両軌跡(他車両の軌跡)
90 先行車両
131 交差点エリア(交差点近傍)
263 自車両軌跡算出部
264 他車両軌跡算出部
265 運転支援部
CP,CP1,CP2 交点