(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-20
(45)【発行日】2024-10-01
(54)【発明の名称】半導体記憶装置
(51)【国際特許分類】
G11C 16/30 20060101AFI20240924BHJP
G11C 5/14 20060101ALI20240924BHJP
G11C 16/10 20060101ALI20240924BHJP
【FI】
G11C16/30 100
G11C5/14 400
G11C16/10 140
(21)【出願番号】P 2021048933
(22)【出願日】2021-03-23
【審査請求日】2023-09-19
(73)【特許権者】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 朋彦
(72)【発明者】
【氏名】上原 一人
【審査官】後藤 彰
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2004/095470(WO,A1)
【文献】特開2009-146467(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11C 16/30
G11C 5/14
G11C 16/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1メモリセルと、
前記第1メモリセルに電気的に接続され、書き込み対象の第1ワード線と、
第2メモリセルと、
前記第2メモリセルに電気的に接続され、書き込み非対象の第2ワード線と、
第1出力端子を有し、書き込み動作に用いる第1電圧、第2電圧、及び前記第2電圧より低い第3電圧を前記第1出力端子に発生する第1昇圧回路と、
前記第2電圧から第4電圧を生成するドライバと、
を具備し、
前記書き込み動作は、前記第1メモリセルにデータを書き込む第1プログラム動作と、前記第1プログラム動作の後に実行され、前記第1メモリセルに書き込まれたデータを判定する第1ベリファイ動作を有し、
前記第1昇圧回路は、
前記第1プログラム動作時に、前記第1出力端子に前記第1電圧を発生し、
前記第1プログラム動作の終了時に、前記第1出力端子に前記第3電圧を発生し、
前記第1ベリファイ動作時に、前記第1出力端子に前記第2電圧を発生し、その後前記第1出力端子に前記第1電圧を発生
し、
前記第1プログラム動作時に、前記第1昇圧回路により発生された前記第1電圧から書き込み電圧が生成され、前記書き込み電圧が前記第1ワード線に供給され、
前記第1ベリファイ動作時に、前記第1昇圧回路により発生された前記第2電圧が前記ドライバに入力され、前記ドライバにより生成された前記第4電圧が前記第2ワード線に供給される半導体記憶装置。
【請求項2】
前記第2電圧を発生する第2昇圧回路をさらに具備し、
前記第1ベリファイ動作時に、前記第2昇圧回路により発生された前記第2電圧が前記ドライバに入力され、前記ドライバにより生成された前記第4電圧が前記第2ワード線に供給される請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項3】
前記第1ベリファイ動作に続いて、第2ベリファイ動作が実行され、
前記第1昇圧回路は、
前記第1ベリファイ動作の終了時に、前記第1出力端子に前記第3電圧を発生し、
前記第2ベリファイ動作時に、前記第1出力端子に前記第2電圧を発生し、その後前記第1出力端子に前記第1電圧を発生する請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項4】
前記第1ベリファイ動作に続いて、第2ベリファイ動作が実行され、
前記第1昇圧回路は、前記第2ベリファイ動作時に、前記第1出力端子に前記第1電圧を発生する請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項5】
前記第1昇圧回路は、
前記第1プログラム動作時に、前記第1出力端子の電圧を、前記第1電圧に上昇させ、 前記第1プログラム動作の終了時に、前記第1出力端子の電圧を、前記第1電圧から前記第3電圧に低下させ、
前記第1ベリファイ動作の開始時に、前記第1出力端子の電圧を、前記第3電圧から前記第2電圧に上昇させ、その後前記第1出力端子の電圧を、前記第2電圧から前記第1電圧に上昇させる請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項6】
前記第1ベリファイ動作の後に、第2プログラム動作が実行され、
前記第1昇圧回路は、前記第2プログラム動作時に、前記第1出力端子に前記第1電圧を発生する請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項7】
前記第1昇圧回路は、
前記第1ベリファイ動作時に、前記第1出力端子に前記第2電圧を発生する前に、前記第1出力端子に第5電圧を発生する請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項8】
前記第1昇圧回路は、複数のチャージポンプを含む請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項9】
前記書き込み動作時に前記第1メモリセルに印加される書き込み電圧を転送するトランジスタをさらに具備し、
前記第1電圧は、前記書き込み電圧に、前記トランジスタのしきい値電圧以上の電圧を加えた第6電圧、あるいは前記第6電圧より低い第7電圧のいずれかの電圧である請求項1に記載の半導体記憶装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、半導体記憶装置に関する。
【背景技術】
【0002】
データを不揮発に記憶することが可能なNAND型フラッシュメモリを含む半導体記憶装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
書き込み動作を高速化できる半導体記憶装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の半導体記憶装置は、第1メモリセルと、第1メモリセルに電気的に接続され、書き込み対象の第1ワード線と、第2メモリセルと、第2メモリセルに電気的に接続され、書き込み非対象の第2ワード線と、第1出力端子を有し、書き込み動作に用いる第1電圧、第2電圧、及び第2電圧より低い第3電圧を第1出力端子に発生する第1昇圧回路と、第2電圧から第4電圧を生成するドライバとを具備する。書き込み動作は、第1メモリセルにデータを書き込む第1プログラム動作と、第1プログラム動作の後に実行され、第1メモリセルに書き込まれたデータを判定する第1ベリファイ動作を有する。第1昇圧回路は、第1プログラム動作時に、第1出力端子に第1電圧を発生し、第1プログラム動作の終了時に、第1出力端子に第3電圧を発生し、第1ベリファイ動作時に、第1出力端子に第2電圧を発生し、その後、第1出力端子に第1電圧を発生する。第1プログラム動作時に、第1昇圧回路により発生された第1電圧から書き込み電圧が生成され、書き込み電圧が第1ワード線に供給され、第1ベリファイ動作時に、第1昇圧回路により発生された第2電圧がドライバに入力され、ドライバにより生成された第4電圧が第2ワード線に供給される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、第1実施形態の半導体記憶装置の構成例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態の半導体記憶装置が備えるメモリセルアレイ内のブロックの回路図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態の半導体記憶装置が備えるロウデコーダモジュールの回路構成を示す図である。
【
図4】
図4は、第1実施形態の半導体記憶装置が備える電圧生成回路の回路構成を示す図である。
【
図5】
図5は、
図4に示す電圧生成回路の書き込み動作時における昇圧状態を示す図である。
【
図6】
図6は、
図4に示す電圧生成回路の書き込み動作時における昇圧状態を示す図である。
【
図7】
図7は、
図4に示す電圧生成回路の書き込み動作時における昇圧状態を示す図である。
【
図8】
図8は、第1実施形態の半導体記憶装置が備えるメモリセルアレイ内のメモリセルトランジスタの断面図である。
【
図9】
図9は、第1実施形態の書き込み動作における電圧波形を示す図である。
【
図10】
図10は、第1実施形態の第1変形例の書き込み動作における電圧波形を示す図である。
【
図11】
図11は、第1実施形態の第2変形例の書き込み動作における電圧波形を示す図である。
【
図12】
図12は、比較例の半導体記憶装置の書き込み動作における電圧波形を示す図である。
【
図13】
図13は、第2実施形態の第1例の書き込み動作における電圧波形を示す図である。
【
図14】
図14は、第2実施形態の第2例の書き込み動作における電圧波形を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下の説明において、同一の機能及び構成を有する構成要素については、共通する参照符号を付す。また、以下に示す実施形態は、この実施形態の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、構成部品の材質、形状、構造、及び配置等を下記のものに特定するものではない。
【0008】
機能ブロックは、ハードウェア、コンピュータソフトウェアのいずれかまたは両者を組み合わせたものとして実現することができる。機能ブロックが以下の例のように区別されていることは必須ではない。例えば、一部の機能が例示の機能ブロックとは別の機能ブロックによって実行されてもよい。さらに、例示の機能ブロックがさらに細かい機能サブブロックに分割されていてもよい。
【0009】
1.第1実施形態
以下に、第1実施形態の半導体記憶装置について説明する。
【0010】
1.1 半導体記憶装置1の構成
1.1.1 半導体記憶装置1の全体構成
図1は、第1実施形態の半導体記憶装置1の構成例を示すブロック図である。半導体記憶装置1は、例えば、データを不揮発に記憶することが可能なNAND型フラッシュメモリである。半導体記憶装置1は、外部のメモリコントローラ2によって制御が可能である。
【0011】
図1に示すように、半導体記憶装置1は、例えば、メモリセルアレイ10、コマンドレジスタ11、アドレスレジスタ12、シーケンサ13、センスアンプモジュール14、ロウデコーダモジュール15、ドライバ16、及び電圧生成回路17を備える。
【0012】
メモリセルアレイ10は、複数のブロックBLK0、BLK1、BLK2、…、BLKn(nは0以上の自然数)を含む。ブロックBLKnは、データを不揮発に記憶することが可能な複数のメモリセルを含む。ブロックBLKnは、例えば、データの消去単位として用いられる。また、メモリセルアレイ10には、複数のビット線及び複数のワード線が設けられる。各メモリセルは、例えば1本のビット線と1本のワード線とに関連付けられている。メモリセルアレイ10の詳細な構成については後述する。
【0013】
コマンドレジスタ11は、半導体記憶装置1がメモリコントローラ2から受信したコマンドCMDを保持する。コマンドCMDは、例えば、シーケンサ13に読み出し動作、書き込み動作、及び消去動作等を実行させる命令を含む。
【0014】
アドレスレジスタ12は、半導体記憶装置1がメモリコントローラ2から受信したアドレス情報ADDを保持する。アドレス情報ADDは、例えば、ブロックアドレスBAd、ページアドレスPAd、及びカラムアドレスCAdを含む。例えば、ブロックアドレスBAd、ページアドレスPAd、及びカラムアドレスCAdは、それぞれブロックBLKn、ワード線、及びビット線の選択に使用される。
【0015】
シーケンサ(または、制御回路)13は、半導体記憶装置1全体の動作を制御する。例えば、シーケンサ13は、コマンドレジスタ11に保持されたコマンドCMDに基づいて、センスアンプモジュール14、ロウデコーダモジュール15、及び電圧生成回路17等を制御して、メモリセルに対して読み出し動作、書き込み動作、及び消去動作等を実行する。
【0016】
センスアンプモジュール14は、書き込み動作において、メモリコントローラ2から受信した書き込みデータDATに応じて、各ビット線に所望の電圧を印加する。また、センスアンプモジュール14は、読み出し動作において、ビット線の電圧に基づいてメモリセルに記憶されたデータを判定する。さらに、センスアンプモジュール14は、データの判定結果を読み出しデータDATとしてメモリコントローラ2に転送する。
【0017】
ロウデコーダモジュール15は、アドレスレジスタ12に保持されたブロックアドレスBAdに基づいて、メモリセルアレイ10内の1つのブロックBLKnを選択する。ロウデコーダモジュール15は、例えば、選択されたワード線に対応する信号線に印加された電圧を、選択されたブロックBLKn内の選択されたワード線に転送する。
【0018】
ドライバ16は、電圧生成回路17から複数の電圧を受け取る。ドライバ16は、書き込み動作、読み出し動作、及び消去動作に応じて、電圧生成回路17から供給された複数の電圧から必要な電圧を選択し、選択した電圧を複数の信号線を介してロウデコーダモジュール15に供給する。ドライバ16は、例えば、アドレスレジスタ12に保持されたページアドレスPAdに基づいて、選択されたワード線に対応する信号線に、電圧生成回路17から供給された電圧を印加する。
【0019】
電圧生成回路17は、書き込み動作、読み出し動作、及び消去動作に必要な複数の電圧を生成する。電圧生成回路17は、生成した電圧を、ドライバ16、メモリセルアレイ10、及びセンスアンプモジュール14などに供給する。電圧生成回路17の詳細な構成については後述する。
【0020】
上記に説明した半導体記憶装置1及びメモリコントローラ2は、それらの組み合わせにより1つの半導体装置を構成してもよい。このような半導体装置としては、例えばSDTMカードのようなメモリカードや、SSD(solid state drive)等が挙げられる。
【0021】
1.1.2 半導体記憶装置1の回路構成
以下に、第1実施形態の半導体記憶装置1の回路構成として、メモリセルアレイ10、ロウデコーダモジュール15、及び電圧生成回路17の回路構成を順に説明する。
【0022】
1.1.2.1 メモリセルアレイ10の回路構成
メモリセルアレイ10は、前述したように、複数のブロックBLK0~BLKnを含む。ここでは、メモリセルアレイ10に含まれるブロックBLK0~BLKnのうちの1つのブロックBLKnを示す。
【0023】
図2は、第1実施形態の半導体記憶装置1が備えるメモリセルアレイ10内のブロックBLKnの回路図である。ブロックBLKnは、例えば、4つのストリングユニットSU0~SU3を含んでいる。以降、ストリングユニットSUと記した場合、ストリングユニットSU0~SU3の各々を示すものとする。
【0024】
ストリングユニットSUは、ビット線BL0~BLm(mは0以上の自然数)にそれぞれ関連付けられた複数のNANDストリングNSを含む。各NANDストリングNSは、例えば、メモリセルトランジスタMT0~MT7、並びに選択トランジスタST1及びST2を含む。メモリセルトランジスタMT0~MT7の各々は、制御ゲート及び電荷蓄積層を含み、データを不揮発に記憶する。選択トランジスタST1及びST2の各々は、各種動作時におけるストリングユニットSUの選択に使用される。以降、メモリセルトランジスタMTと記した場合、メモリセルトランジスタMT0~MT7の各々を示すものとする。
【0025】
各NANDストリングNSにおいて、メモリセルトランジスタMT0~MT7は、直列接続される。選択トランジスタST1のドレインは、関連付けられたビット線BLに接続される。選択トランジスタST1のソースは、直列接続されたメモリセルトランジスタMT0~MT7の一端に接続される。選択トランジスタST2のドレインは、直列接続されたメモリセルトランジスタMT0~MT7の他端に接続される。選択トランジスタST2のソースは、ソース線SLに接続される。
【0026】
1つのブロックBLKnにおいて、メモリセルトランジスタMT0~MT7の制御ゲートは、それぞれワード線WL0~WL7に接続される。ストリングユニットSU0~SU3内のそれぞれの選択トランジスタST1のゲートは、それぞれ選択ゲート線SGD0~SGD3に接続される。ストリングユニットSU0~SU3内の選択トランジスタST2のゲートは、選択ゲート線SGSに接続される。
【0027】
上記に説明したメモリセルアレイ10の回路構成において、ビット線BLは、各ストリングユニットSUで同一のカラムアドレスが割り当てられた複数のNANDストリングNSによって共有される。ソース線SLは、例えば、複数のブロックBLK間で共有される。
【0028】
各ストリングユニットSU内で共通のワード線WLに接続された複数のメモリセルトランジスタMTの集合は、例えば、セルユニットCUと称される。例えば、1ビットデータを記憶するメモリセルトランジスタMTを含むセルユニットCUの記憶容量が、「1ページデータ」として定義される。セルユニットCUは、メモリセルトランジスタMTが記憶するデータのビット数に応じて、2ページデータ以上の記憶容量を有することも可能である。
【0029】
なお、第1実施形態の半導体記憶装置1が備えるメモリセルアレイ10の回路構成は、上述した構成に限定されない。例えば、ブロックBLKnが含むストリングユニットSUの個数や、各NANDストリングNSが含むメモリセルトランジスタMT並びに選択トランジスタST1及びST2の個数は、それぞれ任意の個数に設定可能である。
【0030】
1.1.2.2 ロウデコーダモジュール15の回路構成
図3は、第1実施形態の半導体記憶装置1が備えるロウデコーダモジュール15の回路構成を示す図である。ロウデコーダモジュール15は、複数のロウデコーダRD0、RD1、…、RDnを含む。ロウデコーダRD0~RDnは、それぞれブロックBLK0~BLKnに対応している。
図3にロウデコーダRD0の詳細な回路構成を示すが、その他のロウデコーダRDnの回路構成も、ロウデコーダRD0の回路構成と同様である。
【0031】
ロウデコーダRD0は、例えば、ブロックデコーダBD、転送ゲート線TG及びbTG、並びにトランジスタTR0~TR17を含む。以降、トランジスタTR0~TR17を示す場合、トランジスタTRとも記す。
【0032】
ブロックデコーダBDは、ブロックアドレスBAdをデコードする。ブロックデコーダBDは、ブロックアドレスBAdのデコード結果に基づいて、転送ゲート線TG及びbTGのそれぞれに所定の電圧を印加する。具体的には、ブロックデコーダBDは、転送ゲート線bTGに対して、転送ゲート線TGに印加する信号の反転信号を印加する。すなわち、転送ゲート線TGに印加される電圧と、転送ゲート線bTGに印加される電圧とは、相補的な関係にある。
【0033】
トランジスタTR0~TR17のそれぞれは、高耐圧なnチャネルMOS電界効果トランジスタである。トランジスタTR0~TR12のそれぞれのゲートは、転送ゲート線TGに接続される。トランジスタTR13~TR17のそれぞれのゲートは、転送ゲート線bTGに接続される。すなわち、トランジスタTR0~TR17のそれぞれは、ブロックデコーダBDによって制御される。また、トランジスタTR0~TR17のそれぞれは、信号線を介してドライバ16に接続される。信号線は、複数のブロックBLKで共有される。さらに、ドライバ16は、電圧生成回路17に接続される。
【0034】
トランジスタTR0のドレインは、信号線SGSDに接続される。信号線SGSDは、複数のブロックBLKで共有され、且つ選択されたブロックBLKnに対応するグローバル転送ゲート線として使用される。トランジスタTR0のソースは、選択ゲート線SGSに接続される。選択ゲート線SGSは、ブロック毎に設けられたローカル転送ゲート線として使用される。
【0035】
トランジスタTR1~TR8のそれぞれのドレインは、それぞれ信号線CG0~CG7に接続される。信号線CG0~CG7のそれぞれは、複数のブロックBLKで共有されたグローバルワード線として使用される。トランジスタTR1~TR8のそれぞれのソースは、それぞれワード線WL0~WL7に接続される。ワード線WL0~WL7のそれぞれは、ブロック毎に設けられたローカルワード線として使用される。
【0036】
トランジスタTR9~TR12のそれぞれのドレインは、それぞれ信号線SGDD0~SGDD3に接続される。信号線SGDD0~SGDD3のそれぞれは、複数のブロックBLKで共有され、且つ選択されたブロックBLKnに対応するグローバル転送ゲート線として使用される。トランジスタTR9~TR12のそれぞれのソースは、それぞれ選択ゲート線SGD0~SGD3に接続される。選択ゲート線SGD0~SGD3のそれぞれは、ブロック毎に設けられたローカル転送ゲート線として使用される。
【0037】
トランジスタTR13のドレインは、信号線USGSに接続される。トランジスタTR13のソースは、選択ゲート線SGSに接続される。トランジスタTR14~TR17のそれぞれのドレインは、信号線USGDに接続される。トランジスタTR14~TR17のそれぞれのソースは、それぞれ選択ゲート線SGD0~SGD3に接続される。信号線USGS及びUSGDのそれぞれは、複数のブロックBLKで共有され、且つ非選択のブロックBLKnに対応するグローバル転送ゲート線として使用される。
【0038】
以上の構成により、ロウデコーダモジュール15は、ブロックアドレスBAdのデコード結果に基づいてブロックBLKnを選択する。すなわち、各種動作時において、選択されたブロックBLKnに対応するブロックデコーダBDは、“H”レベル及び“L”レベルの電圧をそれぞれ転送ゲート線TG及びbTGに印加する。非選択のブロックBLKnに対応するブロックデコーダBDは、“L”レベル及び“H”レベルの電圧をそれぞれ転送ゲート線TG及びbTGに印加する。
【0039】
なお、第1実施形態の半導体記憶装置1が備えるロウデコーダモジュール15は、以上で説明した回路構成に限定されない。例えば、ロウデコーダモジュール15が含むトランジスタTRの個数は、各ブロックBLKnに設けられるメモリセルトランジスタや選択トランジスタ等の個数に基づいて適宜変更され得る。本明細書では、ロウデコーダRDに含まれたトランジスタTRのことを、転送スイッチWLSWとも呼ぶ。
【0040】
1.1.2.3 電圧生成回路17の回路構成
図4は、第1実施形態の半導体記憶装置1が備える電圧生成回路17の回路構成を示す図である。
図5、
図6及び
図7は、書き込み動作時の電圧生成回路17における昇圧状態を示す図である。電圧生成回路17は、例えば、昇圧回路17A及び17Bを含む。
【0041】
昇圧回路17Aは、例えば、電源電圧VDDから高電圧を生成するための回路である。昇圧回路17Aは、主として書き込み動作のプログラム動作で使用される電圧、例えば、電圧VPGMHを生成する。
【0042】
電圧VPGMHは、書き込み動作時に、昇圧回路17Aからロウデコーダモジュール15に供給される。電圧VPGMHは、書き込み電圧VPGMを転送する転送トランジスタのしきい値電圧Vth以上、書き込み電圧VPGMより高い電圧である。電圧VPGMHは、ロウデコーダモジュール15内の書き込み電圧VPGMを転送する転送トランジスタのゲートに供給される。
【0043】
また、電圧VPGMHから書き込み電圧VPGMが生成される。電圧VPGMHは、トランジスタTR20のゲート及びドレインに供給され、トランジスタTR20のソースから書き込み電圧VPGMがロウデコーダモジュール15に供給される。書き込み電圧VPGMは、書き込み動作のプログラム動作において、書き込み対象のワード線(以下、選択ワード線WLsと記す)に印加されるべき電圧である。プログラム動作については後で詳述する。
【0044】
本実施形態では、
図6に示すように、昇圧回路17Aは、補助として書き込み動作のプログラムベリファイ動作で使用される電圧、電圧VMREGSUPを生成する。昇圧回路17Aは、生成した電圧VMREGSUPをドライバ16に供給する。ドライバ16は、入力電圧として電圧VMREGSUPを受け取り、電圧VMREGSUPを用いて電圧VREADを生成する。すなわち、ドライバ16は、電圧VMREGSUPを元に電圧値等を調整して電圧VREADを生成する。ドライバ16は、生成した電圧VREADをロウデコーダモジュール15に出力する。電圧VMREGSUPは、電圧VPGMH(あるいは、書き込み電圧VPGM)より低い場合もあるし、電圧VPGMHより高い場合もある。電圧VREADは、書き込み動作のプログラムベリファイ動作及び読み出し動作において、書き込み非対象のワード線(以下、非選択ワード線WLuと記す)に印加されるべき電圧である。電圧VREADは、メモリセルトランジスタMTの保持データに関わらず、メモリセルトランジスタMTをオンさせる電圧である。プログラムベリファイ動作については後で詳述する。
【0045】
以下に、
図4を参照して、昇圧回路17Aの回路構成について説明する。昇圧回路17Aは、例えば、複数のチャージポンプP1、P2、…、P8を含む。チャージポンプP1~P4は直列に接続される。同様に、チャージポンプP5~P8も直列に接続される。チャージポンプの各々は、入力された電圧を昇圧し、入力電圧のi(iは2以上の自然数)倍の電圧を生成する。例えば、チャージポンプP1及びP3は、入力電圧の6倍の電圧をそれぞれ生成する。チャージポンプP2及びP4は、入力電圧の2倍の電圧をそれぞれ生成する。
【0046】
チャージポンプP1~P4の各々の間、及びチャージポンプP5~P8の各々の間には、スイッチ(図示しない)が設けられる。スイッチの開閉を制御することにより、チャージポンプの各々、あるいは直列接続された複数のチャージポンプは、他のチャージポンプから独立して、入力電圧を昇圧し、出力することができる。
【0047】
直列接続された4つのチャージポンプP1~P4は、チャージポンプP1に入力された入力電圧を順次昇圧し、昇圧した第1電圧を出力端子Taから出力する。同様に、直列接続された4つのチャージポンプP5~P8は、チャージポンプP5に入力された入力電圧を順次昇圧し、昇圧した第1電圧を出力端子Taから出力する。本実施形態では、
図5に示すように、チャージポンプP1~P4及びP5~P8により昇圧された電圧VPGMHが、出力端子Taから出力される。
【0048】
また、チャージポンプ間のスイッチを開くことにより、チャージポンプP1~P4のうちの複数あるいは各々は、入力電圧を昇圧し、昇圧した第2電圧を昇圧回路17Aに設けられた出力端子から出力する。同様に、チャージポンプP5~P8のうちの複数あるいは各々は、入力電圧を昇圧し、昇圧した第2電圧を昇圧回路17Aに設けられた出力端子から出力する。本実施形態では、
図6に示すように、チャージポンプP1及びP2により昇圧された電圧VMREGSUPが、出力端子Taから出力される。
【0049】
チャージポンプP1~P4及びチャージポンプP5~P8を備えることで、ドライバ16に供給する電流量を増やし、所望の電圧への昇圧を速めることができる。また、半導体記憶装置1が複数のプレーンを備える場合、チャージポンプP1~P8のうち任意の複数のチャージポンプを用いて昇圧した電圧を、各々のプレーンに独立して供給することができる。
【0050】
次に、昇圧回路17Bについて説明する。昇圧回路17Bは、例えば、電源電圧VDDから高電圧より低い中間電圧を生成するための回路である。昇圧回路17Bは、主として書き込み動作のプログラムベリファイ動作及び読み出し動作で使用される電圧、例えば、電圧VMREGSUPを生成する。昇圧回路17Bは、
図6及び
図7に示すように、プログラムベリファイ動作時に、電圧VMREGSUPをドライバ16に供給する。上述したように、ドライバ16には昇圧回路17Aからも電圧VMREGSUPが供給されるが、主として電圧VMREGSUPをドライバ16に供給するのは昇圧回路17Bである。
【0051】
ドライバ16は、入力電圧として昇圧回路17A及び17Bから電圧VMREGSUPを受け取り、電圧VMREGSUPを用いて電圧VREADを生成する。すなわち、ドライバ16は、昇圧回路17A及び17Bの両方から供給される電圧VMREGSUPを元に電圧値等を調整して電圧VREADを生成する。ドライバ16は、生成した電圧VREADをロウデコーダモジュール15に出力する。
【0052】
昇圧回路17Bは、また
図5に示すように、書き込み動作のプログラム動作で使用される電圧、例えば、電圧VMREGSUPを生成する。昇圧回路17Bは、プログラム動作時に、電圧VMREGSUPをドライバ16に供給する。ドライバ16は、入力電圧として電圧VMREGSUPを受け取り、電圧VMREGSUPを用いて電圧VPASSを生成する。すなわち、ドライバ16は、電圧VMREGSUPを元に電圧値等を調整して電圧VPASSを生成する。ドライバ16は、生成した電圧VPASSをロウデコーダモジュール15に出力する。電圧VPASSは、書き込み動作のプログラム動作において、非選択ワード線WLuに印加されるべき電圧である。電圧VPASSは、メモリセルトランジスタMTの保持データに関わらず、メモリセルトランジスタMTをオンさせる電圧である。
【0053】
昇圧回路17Bは、例えば、複数のチャージポンプP11及びP12を含む。チャージポンプP11及びP12は、チャージポンプP11に入力された入力電圧を順次昇圧し、昇圧した電圧VMREGSUPを出力端子Tbから出力する。ここでは、直列接続された2つのチャージポンプを示したが、チャージポンプは、必要に応じて任意の数設けられる。
【0054】
1.1.3 半導体記憶装置1の構造
以下に、第1実施形態の半導体記憶装置1の構造の一例について説明する。
【0055】
1.1.3.1 メモリセルアレイの断面構造
図8は、半導体記憶装置1が備えるメモリセルアレイ10内のメモリセルトランジスタの断面図である。
図8において、半導体基板30面に平行で互いに直交する2方向をX方向及びY方向とし、これらX方向及びY方向を含む面(XY面)に直交する方向をZ方向とする。X方向はワード線WLの延伸方向に対応し、Y方向はビット線BLの延伸方向に対応し、Z方向はワード線WLが積層される方向に対応する。なお、
図8では導電層間の層間絶縁層が省略されている。
【0056】
図8に示すように、メモリセルアレイ10は、半導体基板30の上方に設けられた導電層31~34、メモリピラーMP、及びコンタクトプラグCP1を含む。詳述すると、半導体基板30の上方に導電層31が設けられる。導電層31は、半導体基板30の主面(あるいは、XY面)に平行な平板状に形成される。この導電層31は、ソース線SLとして機能する。導電層31は、例えば、不純物がドープされたポリシリコン、あるいはタングステン(W)を含む。
【0057】
導電層31上には、XZ面に沿った複数のスリットSLTが、Y方向に配列される。導電層31上かつ隣り合うスリットSLT間の構造体(または、積層体)が、例えば1つのストリングユニットSUに対応する。
【0058】
導電層31上かつ隣り合うスリットSLT間には、下層から順に、導電層32、複数の導電層33、導電層34、及び導電層35が設けられる。これらの導電層のうちZ方向に隣り合う導電層は、層間絶縁膜を介して積層される。導電層32~34は、それぞれがXY面に平行な平板状に形成される。導電層32は、選択ゲート線SGSとして機能する。複数の導電層33は、下層から順に、それぞれワード線WL0~WL7として機能する。導電層34は、選択ゲート線SGD0として機能する。導電層32~34は、例えばタングステン(W)あるいはポリシリコンを含む。
【0059】
複数のメモリピラーMPは、例えば、X方向及びY方向に千鳥状に配列される。複数のメモリピラーMPの各々は、スリットSLT間の積層体内をZ方向に延伸(または、貫通)している。各メモリピラーMPは、導電層34の上方から導電層31の上面に達するように、導電層34,33,32を通過して設けられる。各メモリピラーMPは、1つのNANDストリングNSとして機能する。
【0060】
メモリピラーMPは、例えば、ブロック絶縁層40、電荷蓄積層41、トンネル絶縁層(トンネル絶縁膜とも称する)42、及び半導体層43を有する。具体的には、メモリピラーMPを形成するためのメモリホールの内壁に、ブロック絶縁層40が設けられる。ブロック絶縁層40の内壁に、電荷蓄積層41が設けられる。電荷蓄積層41の内壁に、トンネル絶縁層42が設けられる。さらに、トンネル絶縁層42の内側に半導体層43が設けられる。なお、メモリピラーMPは、半導体層43の内部にコア絶縁層を設けた構造としてもよい。
【0061】
このようなメモリピラーMPの構成において、メモリピラーMPと導電層32とが交差する部分が、選択トランジスタST2として機能する。メモリピラーMPと導電層33とが交差する部分が、それぞれメモリセルトランジスタMT0~MT7として機能する。さらに、メモリピラーMPと導電層34とが交差する部分が、選択トランジスタST1として機能する。
【0062】
半導体層43は、メモリセルトランジスタMT、及び選択トランジスタST1,ST2のチャネル層として機能する。半導体層43の内部には、NANDストリングNSの電流経路が形成される。
【0063】
電荷蓄積層41は、メモリセルトランジスタMTにおいて半導体層43から注入される電荷を蓄積する機能を有する。電荷蓄積層41は、例えばシリコン窒化膜を含む。
【0064】
トンネル絶縁層42は、半導体層43から電荷蓄積層41に電荷が注入される際、または電荷蓄積層41に蓄積された電荷が半導体層43へ拡散する際に電位障壁として機能する。トンネル絶縁層42は、例えばシリコン酸化膜を含む。
【0065】
ブロック絶縁層40は、電荷蓄積層41に蓄積された電荷が導電層33(ワード線WL)へ拡散するのを防止する。ブロック絶縁層40は、例えばシリコン酸化層及びシリコン窒化層を含む。
【0066】
メモリピラーMPの上面より上方には、層間絶縁膜を介して複数の導電層35が設けられる。複数の導電層35はX方向に配列される。各導電層35は、Y方向に延伸したライン状の配線層であり、ビット線BLとして機能する。各導電層35は、ストリングユニットSU毎に対応する1つのメモリピラーMPと電気的に接続される。具体的には、各ストリングユニットSUにおいて、各メモリピラーMP内の半導体層43上にコンタクトプラグCP1が設けられ、コンタクトプラグCP1上に1つの導電層35が設けられる。導電層35は、例えばアルミニウム(Al)あるいはタングステン(W)を含む。コンタクトプラグCP1は、導電層、例えばタングステン(W)を含む。
【0067】
また、ワード線WL、及び選択ゲート線SGD及びSGSの本数は、それぞれメモリセルトランジスタMT、及び選択トランジスタST1及びST2の個数に従って変更される。
【0068】
1.2 半導体記憶装置1の動作
以下に、第1実施形態の半導体記憶装置1における書き込み動作について説明する。書き込み動作は、プログラム動作とプログラムベリファイ動作とを含む。
【0069】
プログラム動作は、メモリセルトランジスタMTのゲート電極に書き込み電圧VPGMを印加することにより、メモリセルトランジスタMTの電荷蓄積層に電荷を注入し、メモリセルトランジスタの閾値電圧を上昇させる動作である。
【0070】
プログラムベリファイ動作は、書き込み電圧の印加によって生じたメモリセルトランジスタMTの閾値電圧が目標電圧に達したか否かを判定する動作である。メモリセルトランジスタMTの閾値電圧が目標電圧に達している場合を、「パスした」と呼び、目標電圧に達していない場合を、「フェイルした」と呼ぶ。
【0071】
プログラムベリファイ動作では、例えば、選択ワード線WLsにプログラムベリファイ電圧VPVが印加され、非選択ワード線WLuに電圧VREADが印加される。例えば、選択ワード線WLsには1本のワード線が対応し、非選択ワード線WLuには数百本のワード線が対応する。このように、電圧VREADに昇圧するべき非選択ワード線WLuの本数は、選択ワード線WLsの本数に比べて非常に多い。このため、プログラムベリファイ動作時に、非選択ワード線WLuに供給する電流量は、選択ワード線WLsに供給する電流量に比べて非常に大きい。
【0072】
プログラム動作とプログラムベリファイ動作とを1つの書き込みループとし、プログラムベリファイ動作における判定にパスするまで、書き込みループが繰り返される。なお、書き込みループが繰り返される毎に、書き込み電圧VPGMの電圧値はステップアップされる。すなわち、書き込みループが繰り返される毎に、書き込み電圧VPGMは電圧ΔVだけ高く設定される。
【0073】
図9は、第1実施形態の書き込み動作における電圧波形を示す図である。
図9の(a)に、プログラム動作及びプログラムベリファイ動作において昇圧回路17A及び17Bで生成される電圧を示す。詳述すると、
図9の(a)に示す電圧波形は、昇圧回路17A及び17Bの出力端子Ta及びTbの電圧をそれぞれ示す。
図9の(a)を含む以降の図において、電圧波形VTaが昇圧回路17Aの出力端子Taに供給された電圧を示し、電圧波形VTbが昇圧回路17Bの出力端子Tbに供給された電圧を示す。
【0074】
図9の(b)に、プログラム動作及びプログラムベリファイ動作においてワード線WLに印加される電圧を示す。詳述すると、
図9の(b)に示す電圧波形は、プログラム動作及びプログラムベリファイ動作におけるメモリセルアレイ10内の選択ワード線WLs及び非選択ワード線WLuの電圧を示す。
図9の(b)を含む以降の図において、電圧波形VWLsが選択ワード線WLsの電圧を示し、電圧波形VWLuが非選択ワード線WLuの電圧を示す。
【0075】
ここでは、プログラム動作とプログラムベリファイ動作とが2回繰り返される例、すなわちプログラム動作PR1、プログラムベリファイ動作PV1、プログラム動作PR2、及びプログラムベリファイ動作PV2が、順に連続して実行される例を示す。
【0076】
以下に、
図9の(b)を参照して、プログラム動作及びプログラムベリファイ動作時のメモリセルアレイ10内の選択ワード線及び非選択ワード線の電圧について説明する。ロウデコーダRDnは、
図9の(b)に示す電圧を、選択ワード線WLs及び非選択ワード線WLuに印加する。
【0077】
まず、プログラム動作PR1が実行される。時刻t1において、ロウデコーダRDnは、選択ワード線WLs及び非選択ワード線WLuの電圧を電圧VSS(例えば、基準電圧、接地電圧、または0V)に設定する。ここでは、電圧VSSに設定したが、電圧VSS以外の電圧であってもよい。以降の説明においても同様に、電圧VSSに設定される電圧は、電圧VSS以外の電圧であってもよい。
【0078】
次に、時刻t2からt3において、ロウデコーダRDnは、選択ワード線WLsの電圧VWLsを、電圧VSSから書き込み電圧VPGMに上昇させる。ロウデコーダRDnは、また非選択ワード線WLuの電圧VWLuを、電圧VSSから圧VPASSに上昇させる。すなわち、選択ワード線WLsの電圧VWLsは、電圧VSSから昇圧されて書き込み電圧VPGMに設定される。非選択ワード線WLuの電圧VWLuは、電圧VSSから昇圧されて電圧VPASSに設定される。
【0079】
その後、書き込み電圧VPGMを用いたプログラム動作が終了すると、時刻t3からt4において、ロウデコーダRDnは、選択ワード線WLsの電圧VWLsを、書き込み電圧VPGMから電圧VSSに低下させる。ロウデコーダRDnは、また非選択ワード線WLuの電圧VWLuを、電圧VPASSから電圧VSSに低下させる。すなわち、選択ワード線WLsの電圧VWLsは、書き込み電圧VPGMから降圧されて電圧VSSに設定される。非選択ワード線WLuの電圧VWLuは、電圧VPASSから降圧されて電圧VSSに設定される。
【0080】
次に、プログラムベリファイ動作PV1が実行される。時刻t4からt6において、ロウデコーダRDnは、選択ワード線WLsの電圧VWLsを、電圧VSSからプログラムベリファイ電圧VPVに上昇させる。ロウデコーダRDnは、また非選択ワード線WLuの電圧VWLuを、電圧VSSから電圧VREADに上昇させる。すなわち、時刻t4からt6において、選択ワード線WLsの電圧VWLsは、電圧VSSから昇圧されてプログラムベリファイ電圧VPVに設定される。非選択ワード線WLuの電圧VWLuは、電圧VSSから昇圧されて電圧VREADに設定される。なお、プログラムベリファイ電圧VPVは、昇圧回路17A及び17B以外の昇圧回路(不図示)から供給される。
【0081】
その後、プログラムベリファイ電圧VPVを用いたベリファイ動作が終了すると、時刻t6からt7において、ロウデコーダRDnは、選択ワード線WLsの電圧VWLsを、プログラムベリファイ電圧VPVから電圧VSSに低下させる。ロウデコーダRDnは、また非選択ワード線WLuの電圧VWLuを、電圧VREADから電圧VSSに低下させる。すなわち、時刻t6からt7において、選択ワード線WLsの電圧VWLsは、プログラムベリファイ電圧VPVから降圧されて電圧VSSに設定される。非選択ワード線WLuの電圧VWLuは、電圧VREADから降圧されて電圧VSSに設定される。
【0082】
次に、プログラム動作PR2が実行される。時刻t8からt9において、ロウデコーダRDnは、選択ワード線WLsの電圧VWLsを、電圧VSSから書き込み電圧VPGMに上昇させる。ロウデコーダRDnは、また非選択ワード線WLuの電圧VWLuを、電圧VSSから電圧VPASSに上昇させる。すなわち、時刻t8からt9において、選択ワード線WLsの電圧VWLsは、電圧VSSから昇圧されて書き込み電圧VPGMに設定される。非選択ワード線WLuの電圧VWLuは、電圧VSSから昇圧されて電圧VPASSに設定される。
【0083】
その後、書き込み電圧VPGMを用いたプログラム動作が終了すると、時刻t9からt11において、ロウデコーダRDnは、選択ワード線WLsの電圧VWLsを、書き込み電圧VPGMから電圧VSSに低下させる。ロウデコーダRDnは、また非選択ワード線WLuの電圧VWLuを、電圧VPASSから電圧VSSに低下させる。すなわち、選択ワード線WLsの電圧VWLsは、書き込み電圧VPGMから降圧されて電圧VSSに設定される。非選択ワード線WLuの電圧VWLuは、電圧VPASSから降圧されて電圧VSSに設定される。
【0084】
次に、プログラムベリファイ動作PV2が実行される。時刻t11からt13において、ロウデコーダRDnは、選択ワード線WLsの電圧VWLsを、電圧VSSからプログラムベリファイ電圧VPVに上昇させる。ロウデコーダRDnは、また非選択ワード線WLuの電圧VWLuを、電圧VSSから電圧VREADに上昇させる。すなわち、時刻t11からt13において、選択ワード線WLsの電圧VWLsは、電圧VSSから昇圧されてプログラムベリファイ電圧VPVに設定される。非選択ワード線WLuの電圧VWLuは、電圧VSSから昇圧されて電圧VREADに設定される。
【0085】
その後、プログラムベリファイ電圧VPVを用いたベリファイ動作が終了すると、時刻t13からt14において、ロウデコーダRDnは、選択ワード線WLsの電圧VWLsを、プログラムベリファイ電圧VPVから電圧VSSに低下させる。ロウデコーダRDnは、また非選択ワード線WLuの電圧VWLuを、電圧VREADから電圧VSSに低下させる。すなわち、時刻t13からt14において、選択ワード線WLsの電圧VWLsは、プログラムベリファイ電圧VPVから降圧されて電圧VSSに設定される。非選択ワード線WLuの電圧VWLuは、電圧VREADから降圧されて電圧VSSに設定される。
【0086】
次に、
図9の(a)を参照して、昇圧回路17A及び17Bのそれぞれの出力端子Ta及びTbの電圧について説明する。
【0087】
まず、プログラム動作PR1実行中の出力端子の電圧は以下のように設定される。時刻t1において、昇圧回路17A及び17Bは、それぞれの出力端子Taの電圧VTa及び出力端子Tbの電圧VTbを電圧VSSに設定する。すなわち、出力端子Ta及びTbには、電圧VSSが供給される。ここでは、電圧VSSに設定したが、電圧VSS以外の電圧であってもよい。以降の説明においても同様に、電圧VSSに設定される電圧は、電圧VSS以外の電圧であってもよい。
【0088】
次に、時刻t1からt2において、昇圧回路17Aは、出力端子Taの電圧VTaを、電圧VSSから電圧VPGMHより少し低い電圧V1に上昇させる。昇圧回路17Bは、出力端子Tbの電圧VTbを電圧VSSに設定する。すなわち、出力端子Taには、電圧V1が供給される。さらに、出力端子Tbには、電圧VSSが供給される。
【0089】
次に、時刻t2からt3において、昇圧回路17Aは、出力端子Taの電圧VTaを、電圧V1から電圧VPGMHに上昇させる。昇圧回路17Bは、出力端子Tbの電圧VTbを、電圧VSSから電圧VMREGSUPに上昇させる。すなわち、出力端子Taには、電圧VPGMHが供給される。さらに、出力端子Tbには、電圧VMREGSUPが供給される。ここでは、電圧VMREGSUPが電圧VPGMHより低い場合を示すが、電圧VMREGSUPが電圧VPGMHより高い場合もある。
【0090】
書き込み電圧VPGMを用いたプログラム動作が終了すると、時刻t3からt4において、昇圧回路17Aは、出力端子Taの電圧VTaを、電圧VPGMHから低下させ、リセット電圧VX1に近づける、あるいはリセット電圧VX1まで低下させる。昇圧回路17Bは、出力端子Tbの電圧VTbを、電圧VMREGSUPからリセット電圧VEXTまで低下させる。すなわち、出力端子Taには、リセット電圧VX1が供給される。出力端子Tbには、リセット電圧VEXTが供給される。詳述すると、出力端子Taの電圧VTaは、放電されて、電圧VPGMHからリセット電圧VX1に近い電圧まで、あるいはリセット電圧VX1まで低下する。さらに、出力端子Tbの電圧VTbは、放電されて、電圧VMREGSUPからリセット電圧VEXTまで低下する。
【0091】
リセット電圧VX1及びVEXTとしては、例えば、電圧VSSが用いられる。リセット電圧VX1は、昇圧回路17A内のトランジスタの耐圧が保たれる程度に十分低い電圧であれば電圧VSSでなくてもかまわない。昇圧回路17Aの出力端子Taの電圧VPGMHを、十分に低いリセット電圧VX1まで放電することにより、耐圧が保たれずに昇圧回路17A内のトランジスタが破壊されるのを防ぐことができる。なお、リセット電圧VX1とリセット電圧VEXTは、異なる電圧値であってよいし、同じ電圧値であってもよい。
【0092】
次に、プログラムベリファイ動作PV1実行中の出力端子の電圧は以下のように設定される。時刻t4からt5において、昇圧回路17Aは、出力端子Taの電圧VTaを、
図9の(a)中のS1に示すように、リセット電圧VX1から電圧VMREGSUPに上昇させる。すなわち、出力端子Taには、電圧VMREGSUPが供給される。出力端子Taの電圧VMREGSUPは、ドライバ16に供給される。ドライバ16は、供給された電圧VMREGSUPから電圧VREADを生成する。ドライバ16は、生成した電圧VREADを、ロウデコーダモジュール15を介して非選択ワード線WLuに供給する。
【0093】
ここで、昇圧回路17Aが電圧VMREGSUPをドライバ16に供給することにより、ドライバ16から非選択ワード線WLuに供給される電流量が増加する。これにより、非選択ワード線WLuの電圧が電圧VSSから電圧VREADに上昇するのを補助する。すなわち、ドライバ16から非選択ワード線WLuに供給される電流量を増やし、非選択ワード線WLuの電圧VSSから電圧VREADへの昇圧を補助する。これにより、非選択ワード線WLの電圧が、電圧VSSから電圧VREADに到達するのを速くする。言い換えると、非選択ワード線WLの電圧が、電圧VSSから電圧VREADに到達するまでの時間を短縮する。
【0094】
同様に、時刻t4からt5において、昇圧回路17Bは、出力端子Tbの電圧VTbを、
図9の(a)中のS1に示すように、リセット電圧VEXTから電圧VMREGSUPに上昇させる。すなわち、出力端子Tbには、電圧VMREGSUPが供給される。出力端子Tbの電圧VMREGSUPは、ドライバ16に供給される。ドライバ16は、供給された電圧VMREGSUPから電圧VREADを生成する。ドライバ16は、生成した電圧VREADを、ロウデコーダモジュール15を介して非選択ワード線WLuに供給する。なお、昇圧回路17Bは、電圧VMREGSUPをドライバ16に主動的に供給する回路である。
【0095】
上述したように、時刻t4からt5において、昇圧回路17A及び17Bの2つの回路からドライバ16に電圧VMREGSUPが供給される。本来主として、昇圧回路17Bがドライバ16に電圧VMREGSUPを供給するが、本実施形態では昇圧回路17Aからもドライバ16に電圧VMREGSUPを供給する。すなわち、主として昇圧回路17Bからドライバ16に電圧VMREGSUPが供給されるだけでなく、アシストとして昇圧回路17Aからもドライバ16に電圧VMREGSUPが供給される。昇圧回路17A及び17Bから電圧VMREGSUPをドライバ16に供給することにより、ドライバ16から非選択ワード線WLuに供給する電流量を増やし、非選択ワード線WLuが電圧VSSから電圧VREADへ昇圧されるのを速くする。これにより、非選択ワード線の電圧が電圧VREADに達する時間が短くなる。この結果、プログラムベリファイ動作PV1の時間が短縮される。
【0096】
次に、時刻t5からt7において、昇圧回路17Aは、出力端子Taの電圧VTaを、電圧VMREGSUPから電圧V1に上昇させる。すなわち、時刻t5からt7において、出力端子Taには、電圧V1が供給される。時刻t5からt7には、出力端子Taの電圧はワード線に供給されない。しかし、次のプログラム動作PR2に備えて、出力端子Taは電圧V1に昇圧される。
【0097】
また、時刻t5からt6において、昇圧回路17Bは、出力端子Tbの電圧VTbを、電圧VMREGSUPのまま維持する。すなわち、時刻t5からt6において、出力端子Tbには、電圧VMREGSUPが供給される。
【0098】
その後、プログラムベリファイ電圧VPVを用いたベリファイ動作が終了すると、時刻t6からt7において、昇圧回路17Bは、出力端子Tbの電圧VTbを、電圧VMREGSUPからリセット電圧VEXTに低下させる。すなわち、時刻t6からt7において、出力端子Tbには、リセット電圧VEXTが供給される。
【0099】
次に、プログラム動作PR2実行中の出力端子の電圧は以下のように設定される。時刻t7からt8において、昇圧回路17Aは、出力端子Taの電圧VTaを、電圧V1のまま維持する。昇圧回路17Bは、出力端子Tbの電圧を、リセット電圧VEXTのまま維持する。すなわち、時刻t7からt8において、出力端子Taには、電圧V1が供給される。さらに、出力端子Tbには、リセット電圧VEXTが供給される。
【0100】
次に、時刻t8からt9において、昇圧回路17Aは、出力端子Taの電圧VTaを、電圧V1から電圧VPGMHに上昇させる。昇圧回路17Bは、出力端子Tbの電圧VTbを、リセット電圧VEXTから電圧VMREGSUPに上昇させる。すなわち、出力端子Taには、電圧VPGMHが供給される。さらに、出力端子Tbには、電圧VMREGSUPが供給される。
【0101】
書き込み電圧VPGMを用いたプログラム動作が終了すると、時刻t9からt10において、昇圧回路17Aは、出力端子Taの電圧VTaを、電圧VPGMHから電圧V1に低下させる。昇圧回路17Bは、出力端子Tbの電圧VTbを、電圧VMREGSUPからリセット電圧VEXTに低下させる。すなわち、出力端子Taには、電圧V1が供給される。さらに、出力端子Tbには、リセット電圧VEXTが供給される。なお詳述すると、例えば、プログラム動作PR2における書き込み電圧には、プログラム動作PR1で用いられた書き込み電圧VPGMよりΔVだけ高い電圧が用いられる。同様に、電圧VPGMHにも、ΔVだけ高い電圧が用いられる。
【0102】
その後、時刻t10からt11において、昇圧回路17Aは、出力端子Taの電圧VTaを、電圧V1から低下させ、リセット電圧VX1に近づける、あるいはリセット電圧VX1まで低下させる。昇圧回路17Bは、出力端子Tbの電圧VTbを、リセット電圧VEXTのまま維持する。すなわち、出力端子Taには、リセット電圧VX1が供給される。出力端子Tbには、リセット電圧VEXTが供給される。詳述すると、出力端子Taの電圧VTaは、放電されて、電圧V1からリセット電圧VX1に近い電圧まで、あるいはリセット電圧VX1まで低下する。さらに、出力端子Tbの電圧VTbは、リセット電圧VEXTのまま維持される。なお、昇圧回路17Aの出力端子Taの電圧VPGMHを、十分に低いリセット電圧VX1電圧まで放電することにより、耐圧が保てずに昇圧回路17A内のトランジスタが破壊されるのを防ぐことができる。
【0103】
次に、プログラムベリファイ動作PV2実行中の出力端子の電圧は以下のように設定される。時刻t11からt12において、昇圧回路17Aは、出力端子Taの電圧VTaを、
図9の(a)中のS2に示すように、リセット電圧VX1から電圧VMREGSUPに上昇させる。すなわち、出力端子Taには、電圧VMREGSUPが供給される。出力端子Taの電圧VMREGSUPは、ドライバ16に供給される。ドライバ16は、供給された電圧VMREGSUPから電圧VREADを生成する。ドライバ16は、生成した電圧VREADを、ロウデコーダモジュール15を介して非選択ワード線WLuに供給する。
【0104】
ここで、昇圧回路17Aが電圧VMREGSUPをドライバ16に供給することにより、ドライバ16から非選択ワード線WLuに供給される電流量が増加する。これにより、非選択ワード線WLuの電圧が電圧VSSから電圧VREADに上昇するのを補助する。すなわち、ドライバ16から非選択ワード線WLuに供給される電流量を増やし、非選択ワード線WLuの電圧VSSから電圧VREADへの昇圧を補助する。これにより、非選択ワード線WLの電圧が、電圧VSSから電圧VREADに到達するのを速くする。言い換えると、非選択ワード線WLの電圧が、電圧VSSから電圧VREADに到達するまでの時間を短縮する。
【0105】
同様に、時刻t11からt12において、昇圧回路17Bは、出力端子Tbの電圧VTbを、リセット電圧VEXTから電圧VMREGSUPに上昇させる。すなわち、出力端子Tbには、電圧VMREGSUPが供給される。出力端子Tbの電圧VMREGSUPは、ドライバ16に供給される。ドライバ16は、供給された電圧VMREGSUPから電圧VREADを生成する。ドライバ16は、生成した電圧VREADを、ロウデコーダモジュール15を介して非選択ワード線WLuに供給する。
【0106】
上述したように、時刻t11からt12において、昇圧回路17A及び17Bの2つの回路からドライバ16に電圧VMREGSUPが供給される。本来主として、昇圧回路17Bがドライバ16に電圧VMREGSUPを供給するが、本実施形態では昇圧回路17Aからもドライバ16に電圧VMREGSUPを供給する。すなわち、主として昇圧回路17Bからドライバ16に電圧VMREGSUPが供給されるだけでなく、アシストとして昇圧回路17Aからもドライバ16に電圧VMREGSUPが供給される。昇圧回路17A及び17Bから電圧VMREGSUPをドライバ16に供給することにより、ドライバ16から非選択ワード線WLuに供給する電流量を増やし、非選択ワード線WLuが電圧VSSから電圧VREADへ昇圧されるのを速くする。これにより、非選択ワード線WLuの電圧が電圧VREADに達する時間が短くなる。この結果、プログラムベリファイ動作PV2の時間が短縮される。
【0107】
次に、時刻t12からt14において、昇圧回路17Aは、出力端子Taの電圧VTaを、電圧VMREGSUPから電圧V1に上昇させる。すなわち、時刻t12からt14において、出力端子Taには、電圧V1が供給される。時刻t12からt14には、出力端子Taの電圧はワード線に供給されない。しかし、次のプログラム動作に備えて、出力端子Taは電圧V1に昇圧される。
【0108】
また、時刻t12からt13において、昇圧回路17Bは、出力端子Tbの電圧VTbを、電圧VMREGSUPのまま維持する。すなわち、時刻t12からt13において、出力端子Tbには、電圧VMREGSUPが供給される。
【0109】
その後、プログラムベリファイ電圧VPVを用いたベリファイ動作が終了すると、時刻t13からt14において、昇圧回路17Bは、出力端子Tbの電圧VTbを、電圧VMREGSUPからリセット電圧VEXTに低下させる。すなわち、時刻t13からt14において、出力端子Tbには、リセット電圧VEXTが供給される。以上により、
図9に示した書き込み動作が終了する。
【0110】
1.3 第1実施形態の変形例
以下に、第1実施形態の第1及び第2変形例の書き込み動作について説明する。
【0111】
1.3.1 第1変形例
図9に示した第1実施形態の書き込み動作では、昇圧回路17Aの出力端子Taの電圧VPGMHを放電した後、時刻t4からt5までの期間において、昇圧回路17Aから電圧VMREGSUPをドライバ16に供給して、非選択ワード線WLuの電圧VREADへの昇圧を補助した。この第1変形例では、時刻t4からt5のうちの前半期間において、昇圧回路17Aにより他の動作電圧の昇圧を補助し、時刻t4からt5のうちの後半期間において、昇圧回路17Aから電圧VMREGSUPをドライバ16に供給して、非選択ワード線WLuの電圧VREADへの昇圧を補助する例を示す。第1変形例では、第1実形形態と異なる点について主に説明する。説明しないその他の構成及び動作は、第1実施形態と同様である。
【0112】
図10は、第1変形例の書き込み動作における電圧波形を示す図である。
図10の(a)に、プログラム動作及びプログラムベリファイ動作における昇圧回路17Aの電圧VTa及び昇圧回路17Bの電圧VTbをそれぞれ示す。
【0113】
第1変形例が
図9に示した書き込み動作と異なる点は、時刻t4からt5の期間、すなわちS1aに示す期間と、時刻t11からt12の期間、すなわちS2aに示す期間の動作である。
【0114】
時刻t4からt4aにおいて、昇圧回路17Aは、出力端子Taの電圧VTaを、リセット電圧VX1から電圧V3に上昇させる。ここで、出力端子Taは、昇圧対象の信号線に電気的に接続されており、出力端子Taから昇圧対象の信号線に電圧V3が供給される。これにより、信号線の電圧が、電圧VSSから電圧V3に昇圧されるのを補助する。例えば、昇圧対象の信号線は、所定の電圧を転送する転送トランジスタのゲートに接続される。電圧V3はその転送トランジスタのゲートに供給される。
【0115】
続いて、時刻t4aからt5において、昇圧回路17Aは、出力端子Taの電圧VTaを、電圧V3から電圧VMREGSUPに低下させる。ここで、出力端子Taは、ドライバ16に電気的に接続され、さらにドライバ16は非選択ワード線WLuに電気的に接続されている。このため、出力端子Taの電圧VMREGSUPはドライバ16に供給され、ドライバ16は、供給された電圧VMREGSUPから電圧VREADを生成する。ドライバ16は、生成した電圧VREADを、ロウデコーダモジュール15を介して非選択ワード線WLuに供給する。
【0116】
ここで、昇圧回路17Aが電圧VMREGSUPをドライバ16に供給することにより、ドライバ16から非選択ワード線WLuに供給される電流量を増やし、非選択ワード線WLuの電圧VSSから電圧VREADへの昇圧を補助する。これにより、非選択ワード線WLの電圧が、電圧VSSから電圧VREADに到達するのを速くする。言い換えると、非選択ワード線WLの電圧が、電圧VSSから電圧VREADに到達するまでの時間を短縮する。
【0117】
同様に、時刻t11からt11aにおいて、昇圧回路17Aは、出力端子Taの電圧VTbを、リセット電圧VX1から電圧V3に上昇させる。ここで、出力端子Taは、昇圧対象の信号線に電気的に接続されており、出力端子Taから昇圧対象の信号線に電圧V3が供給される。これにより、信号線の電圧が、電圧VSSから電圧V3に昇圧されるのを補助する。
【0118】
続いて、時刻t11aからt12において、昇圧回路17Aは、出力端子Taの電圧VTaを、電圧V3から電圧VMREGSUPに低下させる。ここで、出力端子Taは、ドライバ16に電気的に接続され、さらにドライバ16は非選択ワード線WLuに電気的に接続されている。このため、出力端子Taの電圧VMREGSUPはドライバ16に供給され、ドライバ16は、供給された電圧VMREGSUPから電圧VREADを生成する。ドライバ16は、生成した電圧VREADを、ロウデコーダモジュール15を介して非選択ワード線WLuに供給する。
【0119】
ここで、昇圧回路17Aが電圧VMREGSUPをドライバ16に供給することにより、ドライバ16から非選択ワード線WLuに供給される電流量を増やし、非選択ワード線WLuの電圧VSSから電圧VREADへの昇圧を補助する。これにより、非選択ワード線WLの電圧が、電圧VSSから電圧VREADに到達するのを速くする。言い換えると、非選択ワード線WLの電圧が、電圧VSSから電圧VREADに到達するまでの時間を短縮する。
【0120】
上述したように、本来、電圧VPGMH(及び書き込み電圧VPGM)を供給するための昇圧回路17Aを、電圧VMREGSUP及び電圧V3の供給に用いることにより、昇圧回路17Aを効率的に使用することができる。
【0121】
なお、第1変形例では、S1a及びS2aに示した期間中の前半期間において、非選択ワード線WLuの電圧以外の動作電圧の昇圧を補助したが、前半期間ではいずれの動作電圧の昇圧も補助せず、後半期間だけで、非選択ワード線WLuの電圧VREADへの昇圧を補助してもよい。
【0122】
1.3.2 第2変形例
第2変形例では、
図9に示した書き込み動作に対して、選択ワード線WLsを書き込み電圧VPGMに上昇させる直前に、選択ワード線WLs及び非選択ワード線WLuを電圧VCPまで上昇させる動作が追加される。第2変形例では、第1実形形態と異なる点について主に説明する。説明しないその他の構成及び動作は、第1実施形態と同様である。
【0123】
図11は、第2変形例の書き込み動作における電圧波形を示す図である。
図11の(b)に、プログラム動作及びプログラムベリファイ動作時のメモリセルアレイ10内の選択ワード線及び非選択ワード線の電圧を示す。以下に、メモリセルアレイ10内の選択ワード線及び非選択ワード線の電圧について説明する。
【0124】
プログラム動作PR1の時刻t1aからt1bにおいて、ロウデコーダRDnは、選択ワード線WLsの電圧VWLsを、電圧VSSから電圧VCPに上昇させ、その後、電圧VCPから電圧VSSに低下させる。同様に、ロウデコーダRDnは、非選択ワード線WLuの電圧VWLuを、電圧VSSから電圧VCPに上昇させ、その後、電圧VCPから電圧VSSに低下させる。すなわち、時刻t1aからt1bにおいて、選択ワード線WLs及び非選択ワード線WLuの電圧は、電圧VSSから電圧VCPに昇圧され、その後、電圧VCPから電圧VSSに降圧される。
【0125】
同様に、プログラム動作PR2の時刻t7aからt7bにおいて、ロウデコーダRDnは、選択ワード線WLsの電圧VWLs及び非選択ワード線WLuの電圧VWLuを、電圧VSSから電圧VCPに上昇させ、その後、電圧VCPから電圧VSSに低下させる。すなわち、時刻t7aからt7bにおいて、選択ワード線WLs及び非選択ワード線WLuの電圧は、電圧VSSから電圧VCPに昇圧され、その後、電圧VCPから電圧VSSに降圧される。
【0126】
図11の(a)に、プログラム動作及びプログラムベリファイ動作における昇圧回路17A及び17Bの出力端子Ta及びTbの電圧をそれぞれ示す。以下に、
図11の(a)を参照して、昇圧回路17A及び17Bのそれぞれの出力端子Ta及びTbの電圧について説明する。
【0127】
プログラム動作PR1の時刻t1aからt1bにおいて、昇圧回路17Bは、出力端子Tbの電圧VTbを、電圧VSSから電圧VCPに上昇させ、その後、電圧VCPを電圧VSSに低下させる。すなわち、出力端子Tbには、電圧VCPが供給され、その後、電圧VSSが供給される。出力端子Taの電圧は、
図9の(a)に示した電圧と同様である。
【0128】
同様に、プログラム動作PR2の時刻t7aからt7bにおいて、昇圧回路17Bは、出力端子Tbの電圧VTbを、電圧VSSから電圧VCPに上昇させ、その後、電圧VCPを電圧VSSに低下させる。すなわち、出力端子Tbには、電圧VCPが供給され、その後、電圧VSSが供給される。出力端子Taの電圧は、
図9の(a)に示した電圧と同様である。
【0129】
上述したように、第2変形例では、選択ワード線WLsを書き込み電圧VPGMに上昇させる直前に、選択ワード線WLs及び非選択ワード線WLuを電圧VCPまで上昇させることにより、メモリセルトランジスタMTのチャネル領域をプリチャージする。すなわち、第2変形例では、プログラム動作を実行する前にメモリセルトランジスタMTのチャネル領域の電圧を上昇させる。これにより、書き込み動作を高速化でき、書き込み動作に要する書き込み時間を短縮することが可能である。
【0130】
1.4 作用効果
第1実施形態によれば、書き込み動作を高速化できる半導体記憶装置を提供できる。すなわち、第1実施形態の半導体記憶装置では、書き込み動作に要する書き込み時間を短縮することができる。
【0131】
以下に、第1実施形態に対する比較例について説明し、そのあと第1実施形態の効果について説明する。
【0132】
比較例の半導体記憶装置が備える電圧生成回路は、例えば、高電圧生成用の第1昇圧回路と、中間電圧生成用の第2昇圧回路を有する。第1昇圧回路は、高電圧を生成する回路であり、例えば、書き込み動作のプログラム動作で用いる、書き込み電圧VPGMより高い電圧VPGMHを生成する。第2昇圧回路は、高電圧より低い中間電圧を生成する回路であり、例えば、電圧VREAD及び電圧VPASSを生成するドライバに電圧VMREGSUPを供給する。
【0133】
図12は、比較例の半導体記憶装置の書き込み動作における電圧波形を示す図である。プログラムベリファイ動作PV11において、第1昇圧回路の出力端子の電圧Vaは、
図12に示すように、電圧VPGMHより低い電圧V1に維持されている。プログラムベリファイ動作PV11では、第1昇圧回路で生成された電圧V1は、いずれの信号線にも供給されず、次のプログラム動作に備えて電圧V1に維持されている。
【0134】
本実施形態では、昇圧回路17Aは、プログラム動作PR1時に、出力端子Taに電圧VPGMHを発生し、プログラム動作PR1の終了時に、出力端子Taにリセット電圧VX1を発生する。さらに、昇圧回路17Aは、プログラムベリファイ動作PV1時に、出力端子Taに電圧VMREGSUPを発生し、その後、出力端子Taに電圧V1を発生する。すなわち、昇圧回路17Aは、プログラム動作PR1時に、出力端子Taの電圧を電圧VPGMHに上昇させ、プログラム動作PR1の終了時に、出力端子Taの電圧を、電圧VPGMHからリセット電圧VX1に低下させる。さらに、昇圧回路17Aは、プログラムベリファイ動作PV1の開始時に、出力端子Taの電圧を、リセット電圧VX1から電圧VMREGSUPに上昇させ、その後、出力端子Taの電圧を、電圧VMREGSUPから電圧V1に上昇させる。
【0135】
また、プログラムベリファイ動作PV1及びPV2において、昇圧回路17Bにて生成した電圧VMREGSUPをドライバ16に供給するだけでなく、昇圧回路17Aにて電圧VMREGSUPを生成し、生成した電圧VMREGSUPをドライバ16に供給する。昇圧回路17Aから電圧VMREGSUPをドライバ16に供給することにより、ドライバ16から非選択ワード線WLuに供給される電流量を増やし、非選択ワード線WLuの電圧が電圧VSSから電圧VREADに昇圧されるのを補助する。
【0136】
上述の動作により、非選択ワード線WLuの電圧が、電圧VSSから電圧VREADに到達するのを速くする。言い換えると、非選択ワード線WLuの電圧が、電圧VSSから電圧VREADに到達するまでの時間を短縮する。非選択ワード線WLuの電圧VREADへの到達時間を短縮することにより、プログラムベリファイ動作PV1及びPV2の時間を短くできる。これによって、書き込み動作を高速化できる。
【0137】
以上述べたように、第1実施形態の半導体記憶装置よれば、書き込み動作を高速化できる。すなわち、書き込み動作に要する書き込み時間を短縮することができる。
【0138】
2.第2実施形態
以下に、第2実施形態の半導体記憶装置について説明する。第1実施形態では、プログラム動作に続いて、プログラムベリファイ動作が実行される例を説明した。この第2実施形態では、プログラムベリファイ動作が連続して実行される例を示す。第2実施形態では、第1実施形態と異なる点について主に説明する。説明しないその他の構成及び動作は、第1実施形態と同様である。
【0139】
2.1 半導体記憶装置1の動作
書き込み動作において第1のプログラムベリファイ動作に続いて、第2のプログラムベリファイ動作が連続して実行される場合について、以下の第1例と第2例の書き込み動作を説明する。
【0140】
第1例は、第1のプログラムベリファイ動作と第2のプログラムベリファイ動作との間に、昇圧回路17Aの電圧VTa及び昇圧回路17Bの電圧VTbが共に降圧され、電圧VSSに設定される場合である。この第1例は、第1のプログラムベリファイ動作の直後に、プログラム動作が実行される可能性があることを想定し、プログラム動作を遅滞なく実行できるようにした動作である。
【0141】
第2例は、第1のプログラムベリファイ動作と第2のプログラムベリファイ動作との間で、昇圧回路17Aの電圧VTaは電圧V1を維持し、昇圧回路17Bの電圧VTbは電圧VMREGSUPを維持する場合である。この第2例は、第1のプログラムベリファイ動作の直後に、第2のプログラムベリファイ動作が連続して実行されることをシーケンサ13が知っている場合の動作である。すなわち、第1のプログラムベリファイ動作の直後に、プログラム動作が実行されず、第2のプログラムベリファイ動作が実行されることをシーケンサ13が知っている場合の動作である。
【0142】
2.1.1 第1例
図13は、第2実施形態の第1例の書き込み動作における電圧波形を示す図である。
図13の(a)に、プログラム動作及びプログラムベリファイ動作における昇圧回路17A及び17Bの出力端子Ta及びTbの電圧をそれぞれ示す。
図13の(b)に、プログラム動作及びプログラムベリファイ動作におけるメモリセルアレイ10内の選択ワード線及び非選択ワード線の電圧を示す。
【0143】
ここでは、プログラムベリファイ動作が2回連続して繰り返される例、すなわちプログラム動作PR1、プログラムベリファイ動作PV1、プログラムベリファイ動作PV2、及びプログラム動作PR2が、順に連続して実行される例を示す。
【0144】
以下に、
図13の(b)を参照して、プログラム動作及びプログラムベリファイ動作時のメモリセルアレイ10内の選択ワード線の電圧VWLs及び非選択ワード線の電圧VWLuについて説明する。ロウデコーダRDnは、
図13の(b)に示す電圧を、選択ワード線WLs及び非選択ワード線WLuに印加する。
【0145】
まず、プログラム動作PR1が実行される。時刻t1からt4までの選択ワード線WLs及び非選択ワード線WLuの電圧は、
図9の(b)に示した電圧と同様である。時刻t1において、ロウデコーダRDnは、選択ワード線WLs及び非選択ワード線WLuの電圧を電圧VSSに設定する。次に、時刻t2からt3において、ロウデコーダRDnは、選択ワード線WLsの電圧VWLsを、電圧VSSから書き込み電圧VPGMに上昇させる。ロウデコーダRDnは、また非選択ワード線WLuの電圧VWLuを、電圧VSSから圧VPASSに上昇させる。その後、書き込み電圧VPGMを用いたプログラム動作が終了すると、時刻t3からt4において、ロウデコーダRDnは、選択ワード線WLsの電圧を、書き込み電圧VPGMから電圧VSSに低下させる。ロウデコーダRDnは、また非選択ワード線WLuの電圧を、電圧VPASSから電圧VSSに低下させる。
【0146】
次に、プログラムベリファイ動作PV1が実行される。時刻t4からt22において、ロウデコーダRDnは、選択ワード線WLsの電圧VWLsを、電圧VSSからプログラムベリファイ電圧VPV1に上昇させる。ロウデコーダRDnは、また非選択ワード線WLuの電圧VWLuを、電圧VSSから電圧VREADに上昇させる。すなわち、時刻t4からt22において、選択ワード線WLsの電圧は、電圧VSSから昇圧されてプログラムベリファイ電圧VPV1に設定される。非選択ワード線WLuの電圧は、電圧VSSから昇圧されて電圧VREADに設定される。
【0147】
その後、プログラムベリファイ電圧VPV1を用いたベリファイ動作が終了すると、時刻t22からt23において、ロウデコーダRDnは、選択ワード線WLsの電圧を、プログラムベリファイ電圧VPV1から電圧VSSに低下させる。ロウデコーダRDnは、また非選択ワード線WLuの電圧を、電圧VREADから電圧VSSに低下させる。すなわち、時刻t22からt23において、選択ワード線WLsの電圧VWLsは、プログラムベリファイ電圧VPV1から降圧されて電圧VSSに設定される。非選択ワード線WLuの電圧VWLuは、電圧VREADから降圧されて電圧VSSに設定される。
【0148】
次に、プログラムベリファイ動作PV2が実行される。時刻t23からt25において、ロウデコーダRDnは、選択ワード線WLsの電圧VWLsを、電圧VSSからプログラムベリファイ電圧VPV2に上昇させる。ロウデコーダRDnは、また非選択ワード線WLuの電圧VWLuを、電圧VSSから電圧VREADに上昇させる。すなわち、時刻t23からt25において、選択ワード線WLsの電圧VWLsは、電圧VSSから昇圧されてプログラムベリファイ電圧VPV2に設定される。非選択ワード線WLuの電圧VWLuは、電圧VSSから昇圧されて電圧VREADに設定される。
【0149】
その後、プログラムベリファイ電圧VPV2を用いたベリファイ動作が終了すると、時刻t25からt26において、ロウデコーダRDnは、選択ワード線WLsの電圧VWLsを、プログラムベリファイ電圧VPV2から電圧VSSに低下させる。ロウデコーダRDnは、また非選択ワード線WLuの電圧VWLuを、電圧VREADから電圧VSSに低下させる。すなわち、時刻t25からt26において、選択ワード線WLsの電圧VWLsは、プログラムベリファイ電圧VPV2から降圧されて電圧VSSに設定される。非選択ワード線WLuの電圧VWLuは、電圧VREADから降圧されて電圧VSSに設定される。
【0150】
次に、プログラム動作PR2が実行される。時刻t27からt28において、ロウデコーダRDnは、選択ワード線WLsの電圧VWLsを、電圧VSSから書き込み電圧VPGMに上昇させる。ロウデコーダRDnは、また非選択ワード線WLuの電圧VWLuを、電圧VSSから電圧VPASSに上昇させる。すなわち、時刻t27からt28において、選択ワード線WLsの電圧VWLsは、電圧VSSから昇圧されて書き込み電圧VPGMに設定される。非選択ワード線WLuの電圧VWLuは、電圧VSSから昇圧されて電圧VPASSに設定される。
【0151】
その後、書き込み電圧VPGMを用いたプログラム動作が終了すると、時刻t28からt29において、ロウデコーダRDnは、選択ワード線WLsの電圧VWLsを、書き込み電圧VPGMから電圧VSSに低下させる。ロウデコーダRDnは、また非選択ワード線WLuの電圧VWLuを、電圧VPASSから電圧VSSに低下させる。すなわち、選択ワード線WLsの電圧VWLsは、書き込み電圧VPGMから降圧されて電圧VSSに設定される。非選択ワード線WLuの電圧VWLuは、電圧VPASSから降圧されて電圧VSSに設定される。
【0152】
次に、
図13の(a)を参照して、昇圧回路17A及び17Bのそれぞれの出力端子Taの電圧VTa及び出力端子Tbの電圧VTbについて説明する。
【0153】
まず、プログラム動作PR1実行中の出力端子の電圧は以下のように設定される。時刻t1からt4までの出力端子Ta及びTbの電圧は、
図9の(a)に示した電圧と同様である。時刻t1において、昇圧回路17A及び17Bは、それぞれの出力端子Ta及びTbの電圧を電圧VSSに設定する。次に、時刻t1からt2において、昇圧回路17Aは、出力端子Taの電圧VTaを、電圧VSSから電圧VPGMHより低い電圧V1に上昇させる。昇圧回路17Bは、出力端子Tbの電圧VTbを電圧VSSに設定する。次に、時刻t2からt3において、昇圧回路17Aは、出力端子Taの電圧を、電圧V1から電圧VPGMHに上昇させる。昇圧回路17Bは、出力端子Tbの電圧を、電圧VSSから電圧VMREGSUPに上昇させる。その後、書き込み電圧VPGMを用いたプログラム動作が終了すると、時刻t3からt4において、昇圧回路17Aは、出力端子Taの電圧を、電圧VPGMHから低下させ、リセット電圧VX1に近づける、あるいはリセット電圧VX1まで低下させる。昇圧回路17Bは、出力端子Tbの電圧を、電圧VMREGSUPからリセット電圧VEXTまで低下させる。詳述すると、出力端子Taの電圧は、放電されて、電圧VPGMHからリセット電圧VX1に近い電圧まで、あるいはリセット電圧VX1まで低下する。さらに、出力端子Tbの電圧は、放電されて、電圧VMREGSUPからリセット電圧VEXTまで低下する。なお、昇圧回路17Aの出力端子Taの電圧VPGMHを、十分に低いリセット電圧VX1まで放電することにより、耐圧が保たれずに昇圧回路17A内のトランジスタが破壊されるのを防ぐことができる。
【0154】
次に、プログラムベリファイ動作PV1実行中の出力端子の電圧は以下のように設定される。時刻t4からt21において、昇圧回路17Aは、出力端子Taの電圧VTaを、
図13の(a)中のS1に示すように、リセット電圧VX1から電圧VMREGSUPに上昇させる。出力端子Taの電圧VMREGSUPは、ドライバ16に供給される。ドライバ16は、供給された電圧VMREGSUPから電圧VREADを生成する。ドライバ16は、生成した電圧VREADを、ロウデコーダモジュール15を介して非選択ワード線WLuに供給する。
【0155】
ここで、昇圧回路17Aが電圧VMREGSUPをドライバ16に供給することにより、ドライバ16から非選択ワード線WLuに供給される電流量が増加する。これにより、非選択ワード線WLuの電圧が電圧VSSから電圧VREADに上昇するのを補助する。すなわち、ドライバ16から非選択ワード線WLuに供給される電流量を増やし、非選択ワード線WLuの電圧VSSから電圧VREADへの昇圧を補助する。これにより、非選択ワード線WLの電圧が、電圧VSSから電圧VREADに到達するのを速くする。言い換えると、非選択ワード線WLの電圧が、電圧VSSから電圧VREADに到達するまでの時間を短縮する。
【0156】
同様に、時刻t4からt21において、昇圧回路17Bは、出力端子Tbの電圧VTbを、
図13の(a)中のS1に示すように、リセット電圧VEXTから電圧VMREGSUPに上昇させる。出力端子Tbの電圧VMREGSUPは、ドライバ16に供給される。ドライバ16は、供給された電圧VMREGSUPから電圧VREADを生成する。ドライバ16は、生成した電圧VREADを、ロウデコーダモジュール15を介して非選択ワード線WLuに供給する。
【0157】
上述したように、時刻t4からt21において、昇圧回路17A及び17Bの2つの回路からドライバ16に電圧VMREGSUPが供給される。本来主として、昇圧回路17Bがドライバ16に電圧VMREGSUPを供給するが、本実施形態では昇圧回路17Aからもドライバ16に電圧VMREGSUPを供給する。すなわち、主として昇圧回路17Bからドライバ16に電圧VMREGSUPが供給されるだけでなく、アシストとして昇圧回路17Aからもドライバ16に電圧VMREGSUPが供給される。昇圧回路17A及び17Bから電圧VMREGSUPをドライバ16に供給することにより、ドライバ16から非選択ワード線WLuに供給する電流量を増やし、非選択ワード線WLuが電圧VSSから電圧VREADへ昇圧されるのを速くする。これにより、非選択ワード線WLuの電圧が電圧VREADに達する時間が短くなる。この結果、プログラムベリファイ動作PV1の時間が短縮される。
【0158】
次に、時刻t21からt22において、昇圧回路17Aは、出力端子Taの電圧VTaを、電圧VMREGSUPから電圧V1に上昇させる。すなわち、時刻t21からt22において、出力端子Taには、電圧V1が供給される。時刻t21からt22には、出力端子Taの電圧はワード線に供給されない。しかし、次にプログラム動作が実行される可能性があるため、出力端子Taは電圧V1に昇圧される。本例では、続いてプログラムベリファイ動作PV2が実行されるため、出力端子Taの電圧V1は、後述するように、再度放電される。
【0159】
また、時刻t21からt22において、昇圧回路17Bは、出力端子Tbの電圧VTbを、電圧VMREGSUPのまま維持する。すなわち、時刻t21からt22において、出力端子Tbには、電圧VMREGSUPが供給される。
【0160】
その後、プログラムベリファイ電圧VPV1を用いたベリファイ動作が終了すると、時刻t22からt23において、昇圧回路17Aは、出力端子Taの電圧VTaを、電圧V1から低下させ、リセット電圧VX1に近づける、あるいはリセット電圧VX1までに低下させる。昇圧回路17Bは、出力端子Tbの電圧VTbを、電圧VMREGSUPからリセット電圧VEXTまで低下させる。すなわち、出力端子Taには、リセット電圧VX1が供給される。出力端子Tbには、リセット電圧VEXTが供給される。詳述すると、出力端子Taの電圧は、放電されて、電圧V1からリセット電圧VX1まで低下する。さらに、出力端子Tbの電圧は、放電されて、電圧VMREGSUPからリセット電圧VEXTまで低下する。なお、昇圧回路17Aの出力端子Taの電圧V1を、十分に低いリセット電圧VX1まで放電することにより、耐圧が保てずに昇圧回路17A内のトランジスタが破壊されるのを防ぐことができる。
【0161】
次に、プログラムベリファイ動作PV2実行中の出力端子の電圧は以下のように設定される。時刻t23からt24において、昇圧回路17Aは、出力端子Taの電圧VTaを、
図13の(a)中のS2に示すように、リセット電圧VX1から電圧VMREGSUPに上昇させる。出力端子Taの電圧VMREGSUPは、ドライバ16に供給される。ドライバ16は、供給された電圧VMREGSUPから電圧VREADを生成する。ドライバ16は、生成した電圧VREADを、ロウデコーダモジュール15を介して非選択ワード線WLuに供給する。
【0162】
ここで、昇圧回路17Aが電圧VMREGSUPをドライバ16に供給することにより、ドライバ16から非選択ワード線WLuに供給される電流量が増加する。これにより、非選択ワード線WLuの電圧が電圧VSSから電圧VREADに上昇するのを補助する。すなわち、ドライバ16から非選択ワード線WLuに供給される電流量を増やし、非選択ワード線WLuの電圧VSSから電圧VREADへの昇圧を補助する。これにより、非選択ワード線WLの電圧が、電圧VSSから電圧VREADに到達するのを速くする。言い換えると、非選択ワード線WLの電圧が、電圧VSSから電圧VREADに到達するまでの時間を短縮する。
【0163】
同様に、時刻t23からt24において、昇圧回路17Bは、出力端子Tbの電圧VTbを、リセット電圧VEXTから電圧VMREGSUPに上昇させる。すなわち、出力端子Tbには、電圧VMREGSUPが供給される。出力端子Tbの電圧VMREGSUPは、ドライバ16に供給される。ドライバ16は、供給された電圧VMREGSUPから電圧VREADを生成する。ドライバ16は、生成した電圧VREADを、ロウデコーダモジュール15を介して非選択ワード線WLuに供給する。
【0164】
上述したように、時刻t23からt24において、昇圧回路17A及び17Bの2つの回路からドライバ16に電圧VMREGSUPが供給される。本来主として、昇圧回路17Bがドライバ16に電圧VMREGSUPを供給するが、本実施形態では昇圧回路17Aからもドライバ16に電圧VMREGSUPを供給する。すなわち、主として昇圧回路17Bからドライバ16に電圧VMREGSUPが供給されるだけでなく、アシストとして昇圧回路17Aからもドライバ16に電圧VMREGSUPが供給される。昇圧回路17A及び17Bから電圧VMREGSUPをドライバ16に供給することにより、ドライバ16から非選択ワード線WLuに供給する電流量を増やし、非選択ワード線WLuが電圧VSSから電圧VREADへ昇圧されるのを速くする。これにより、非選択ワード線WLuの電圧が電圧VREADに達する時間が短くなる。この結果、プログラムベリファイ動作PV2の時間が短縮される。
【0165】
次に、時刻t24からt25において、昇圧回路17Aは、出力端子Taの電圧VTaを、電圧VMREGSUPから電圧V1に上昇させる。すなわち、時刻t24からt25において、出力端子Taには、電圧V1が供給される。時刻t24からt25には、出力端子Taの電圧はワード線に供給されない。しかし、次のプログラム動作PR2に備えて、出力端子Taは電圧V1に昇圧される。
【0166】
また、時刻t24からt25において、昇圧回路17Bは、出力端子Tbの電圧VTbを、電圧VMREGSUPのまま維持する。すなわち、時刻t24からt25において、出力端子Tbには、電圧VMREGSUPが供給される。
【0167】
その後、プログラムベリファイ電圧VPV2を用いたベリファイ動作が終了すると、時刻t25からt26において、昇圧回路17Aは、出力端子Taの電圧VTaを、電圧V1のまま維持する。昇圧回路17Bは、出力端子Tbの電圧VTbを、電圧VMREGSUPからリセット電圧VEXTに低下させる。すなわち、時刻t25からt26において、出力端子Taには、電圧V1が供給される。さらに、出力端子Tbには、リセット電圧VEXTが供給される。
【0168】
次に、プログラム動作PR2実行中の出力端子の電圧は以下のように設定される。時刻t26からt27において、昇圧回路17Aは、出力端子Taの電圧VTaを、電圧V1のまま維持する。昇圧回路17Bは、出力端子Tbの電圧VTbを、リセット電圧VEXTのまま維持する。すなわち、時刻t26からt27において、出力端子Taには、電圧V1が供給される。さらに、出力端子Tbには、リセット電圧VEXTが供給される。
【0169】
次に、時刻t27からt28において、昇圧回路17Aは、出力端子Taの電圧VTaを、電圧V1から電圧VPGMHに上昇させる。昇圧回路17Bは、出力端子Tbの電圧VTbを、リセット電圧VEXTから電圧VMREGSUPに上昇させる。すなわち、出力端子Taには、電圧VPGMHが供給される。さらに、出力端子Tbには、電圧VMREGSUPが供給される。
【0170】
書き込み電圧VPGMを用いたプログラム動作が終了すると、時刻t28からt29において、昇圧回路17Aは、出力端子Taの電圧VTaを、電圧VPGMHから電圧V1に低下させる。昇圧回路17Bは、出力端子Tbの電圧VTbを、電圧VMREGSUPからリセット電圧VEXTに低下させる。すなわち、出力端子Taには、電圧V1が供給される。さらに、出力端子Tbには、リセット電圧VEXTが供給される。以上により、
図13に示した書き込み動作が終了する。
【0171】
2.1.2 第2例
図14は、第2実施形態の第2例の書き込み動作における電圧波形を示す図である。
図14の(a)に、プログラム動作及びプログラムベリファイ動作における昇圧回路17A及び17Bの出力端子Ta及びTbの電圧をそれぞれ示す。
図14の(b)に、プログラム動作及びプログラムベリファイ動作におけるメモリセルアレイ10内の選択ワード線及び非選択ワード線の電圧を示す。
【0172】
以下に、
図14の(b)を参照して、プログラム動作及びプログラムベリファイ動作時のメモリセルアレイ10内の選択ワード線の電圧VWLs及び非選択ワード線の電圧VWLuについて説明する。
【0173】
まず、プログラム動作PR1が実行される。時刻t1からt4までの選択ワード線WLs及び非選択ワード線WLuの電圧は、
図9の(b)に示した電圧と同様である。時刻t1において、ロウデコーダRDnは、選択ワード線WLs及び非選択ワード線WLuの電圧を電圧VSSに設定する。次に、時刻t2からt3において、ロウデコーダRDnは、選択ワード線WLsの電圧VWLsを、電圧VSSから書き込み電圧VPGMに上昇させる。ロウデコーダRDnは、また非選択ワード線WLuの電圧VWLuを、電圧VSSから圧VPASSに上昇させる。その後、書き込み電圧VPGMを用いたプログラム動作が終了すると、時刻t3からt4において、ロウデコーダRDnは、選択ワード線WLsの電圧を、書き込み電圧VPGMから電圧VSSに低下させる。ロウデコーダRDnは、また非選択ワード線WLuの電圧を、電圧VPASSから電圧VSSに低下させる。
【0174】
次に、プログラムベリファイ動作PV1が実行される。時刻t4からt32において、ロウデコーダRDnは、選択ワード線WLsの電圧VWLsを、電圧VSSからプログラムベリファイ電圧VPV1に上昇させる。ロウデコーダRDnは、また非選択ワード線WLuの電圧VWLuを、電圧VSSから電圧VREADに上昇させる。すなわち、時刻t4からt32において、選択ワード線WLsの電圧は、電圧VSSから昇圧されてプログラムベリファイ電圧VPV1に設定される。非選択ワード線WLuの電圧は、電圧VSSから昇圧されて電圧VREADに設定される。
【0175】
その後、プログラムベリファイ電圧VPV1を用いたベリファイ動作が終了すると、続いてプログラムベリファイ電圧VPV2を用いたベリファイ動作が実行される。時刻t32からt33において、ロウデコーダRDnは、選択ワード線WLsの電圧VWLsを、プログラムベリファイ電圧VPV1からプログラムベリファイ電圧VPV2に上昇させる。ロウデコーダRDnは、また非選択ワード線WLuの電圧VWLuを、電圧VREADのまま維持する。すなわち、時刻t32からt33において、選択ワード線WLsの電圧は、プログラムベリファイ電圧VPV1から昇圧されてプログラムベリファイ電圧VPV2に設定される。非選択ワード線WLuの電圧は、電圧VREADのまま維持される。
【0176】
その後、プログラムベリファイ電圧VPV2を用いたベリファイ動作が終了すると、時刻t33からt34において、ロウデコーダRDnは、選択ワード線WLsの電圧VWLsを、プログラムベリファイ電圧VPV2から電圧VSSに低下させる。ロウデコーダRDnは、また非選択ワード線WLuの電圧VWLuを、電圧VREADから電圧VSSに低下させる。すなわち、時刻t33からt34において、選択ワード線WLsの電圧は、プログラムベリファイ電圧VPV2から降圧されて電圧VSSに設定される。非選択ワード線WLuの電圧は、電圧VREADから降圧されて電圧VSSに設定される。
【0177】
次に、プログラム動作PR2が実行される。時刻t35からt36において、ロウデコーダRDnは、選択ワード線WLsの電圧VWLsを、電圧VSSから書き込み電圧VPGMに上昇させる。ロウデコーダRDnは、また非選択ワード線WLuの電圧VWLuを、電圧VSSから電圧VPASSに上昇させる。すなわち、時刻t35からt36において、選択ワード線WLsの電圧は、電圧VSSから昇圧されて書き込み電圧VPGMに設定される。非選択ワード線WLuの電圧は、電圧VSSから昇圧されて電圧VPASSに設定される。
【0178】
その後、書き込み電圧VPGMを用いたプログラム動作が終了すると、時刻t36からt37において、ロウデコーダRDnは、選択ワード線WLsの電圧VWLsを、書き込み電圧VPGMから電圧VSSに低下させる。ロウデコーダRDnは、また非選択ワード線WLuの電圧VWLuを、電圧VPASSから電圧VSSに低下させる。すなわち、選択ワード線WLsの電圧は、書き込み電圧VPGMから降圧されて電圧VSSに設定される。非選択ワード線WLuの電圧は、電圧VPASSから降圧されて電圧VSSに設定される。
【0179】
次に、
図14の(a)を参照して、昇圧回路17A及び17Bのそれぞれの出力端子Taの電圧VTa及び出力端子Tbの電圧VTbについて説明する。
【0180】
まず、プログラム動作PR1実行中の出力端子の電圧は以下のように設定される。時刻t1からt4までの出力端子Ta及びTbの電圧は、
図9の(a)に示した電圧と同様である。時刻t1において、昇圧回路17A及び17Bは、それぞれの出力端子Ta及びTbの電圧を電圧VSSに設定する。次に、時刻t1からt2において、昇圧回路17Aは、出力端子Taの電圧VTaを、電圧VSSから電圧VPGMHより低い電圧V1に上昇させる。昇圧回路17Bは、出力端子Tbの電圧VTbを電圧VSSに設定する。次に、時刻t2からt3において、昇圧回路17Aは、出力端子Taの電圧を、電圧V1から電圧VPGMHに上昇させる。昇圧回路17Bは、出力端子Tbの電圧を、電圧VSSから電圧VMREGSUPに上昇させる。その後、書き込み電圧VPGMを用いたプログラム動作が終了すると、時刻t3からt4において、昇圧回路17Aは、出力端子Taの電圧を、電圧VPGMHから低下させ、リセット電圧VX1に近づける、あるいはリセット電圧VX1まで低下させる。昇圧回路17Bは、出力端子Tbの電圧を、電圧VMREGSUPからリセット電圧VEXTまで低下させる。詳述すると、出力端子Taの電圧は、放電されて、電圧VPGMHからリセット電圧VX1に近い電圧まで、あるいはリセット電圧VX1まで低下する。さらに、出力端子Tbの電圧は、放電されて、電圧VMREGSUPからリセット電圧VEXTまで低下する。なお、昇圧回路17Aの出力端子Taの電圧VPGMHを、十分に低いリセット電圧VX1まで放電することにより、耐圧が保たれずに昇圧回路17A内のトランジスタが破壊されるのを防ぐことができる。
【0181】
次に、プログラムベリファイ動作PV1実行中の出力端子の電圧は以下のように設定される。時刻t4からt31において、昇圧回路17Aは、出力端子Taの電圧VTaを、
図14の(a)中のS1に示すように、リセット電圧VX1から電圧VMREGSUPに上昇させる。出力端子Taの電圧VMREGSUPは、ドライバ16に供給される。ドライバ16は、供給された電圧VMREGSUPから電圧VREADを生成する。ドライバ16は、生成した電圧VREADを、ロウデコーダモジュール15を介して非選択ワード線WLuに供給する。
【0182】
ここで、昇圧回路17Aが電圧VMREGSUPをドライバ16に供給することにより、ドライバ16から非選択ワード線WLuに供給される電流量を増やし、非選択ワード線WLuの電圧VSSから電圧VREADへの昇圧を補助する。これにより、非選択ワード線WLの電圧が、電圧VSSから電圧VREADに到達するのを速くする。言い換えると、非選択ワード線WLの電圧が、電圧VSSから電圧VREADに到達するまでの時間を短縮する。
【0183】
同様に、時刻t4からt31において、昇圧回路17Bは、出力端子Tbの電圧VTbを、
図14の(a)中のS1に示すように、リセット電圧VEXTから電圧VMREGSUPに上昇させる。出力端子Tbの電圧VMREGSUPは、ドライバ16に供給される。ドライバ16は、供給された電圧VMREGSUPから電圧VREADを生成する。ドライバ16は、生成した電圧VREADを、ロウデコーダモジュール15を介して非選択ワード線WLuに供給する。
【0184】
上述したように、時刻t4からt31において、昇圧回路17A及び17Bの2つの回路からドライバ16に電圧VMREGSUPが供給される。本来主として、昇圧回路17Bがドライバ16に電圧VMREGSUPを供給するが、本実施形態では昇圧回路17Aからもドライバ16に電圧VMREGSUPを供給する。すなわち、主として昇圧回路17Bからドライバ16に電圧VMREGSUPが供給されるだけでなく、アシストとして昇圧回路17Aからもドライバ16に電圧VMREGSUPが供給される。昇圧回路17A及び17Bから電圧VMREGSUPをドライバ16に供給することにより、ドライバ16から非選択ワード線WLuに供給する電流量を増やし、非選択ワード線WLuが電圧VSSから電圧VREADへ昇圧されるのを速くする。これにより、非選択ワード線WLuの電圧が電圧VREADに達する時間が短くなる。この結果、プログラムベリファイ動作PV1の時間が短縮される。
【0185】
次に、時刻t31からt32において、昇圧回路17Aは、出力端子Taの電圧VTaを、電圧VMREGSUPから電圧V1に上昇させる。すなわち、時刻t31からt32において、出力端子Taには、電圧V1が供給される。時刻t31からt32には、出力端子Taの電圧はワード線に供給されない。しかし、次にプログラム動作が実行される可能性があるため、出力端子Taは電圧V1に昇圧される。本例では、プログラムベリファイ動作PV1に続いてプログラムベリファイ動作PV2が実行されることをシーケンサ13が知っているため、プログラムベリファイ動作PV1の終了時に、出力端子Taの電圧VTaは、電圧V1のまま維持される。
【0186】
また、時刻t31からt32において、昇圧回路17Bは、出力端子Tbの電圧VTbを、電圧VMREGSUPのまま維持する。すなわち、時刻t31からt32において、出力端子Tbには、電圧VMREGSUPが供給される。上述したように、本例では、プログラムベリファイ動作PV1に続いてプログラムベリファイ動作PV2が実行されることをシーケンサ13が知っているため、プログラムベリファイ動作PV1の終了時に、出力端子Tbの電圧VTbは、電圧VMREGSUPのまま維持される。
【0187】
その後、プログラムベリファイ電圧VPV1を用いたベリファイ動作が終了すると、続いてプログラムベリファイ動作PV2が実行される。プログラムベリファイ動作PV2実行中の出力端子の電圧は以下のように設定される。時刻t32からt33において、昇圧回路17Aは、出力端子Taの電圧VTaを、電圧V1のまま維持する。昇圧回路17Bは、出力端子Tbの電圧VTbを、電圧VMREGSUPのまま維持する。すなわち、時刻t32からt33において、出力端子Taには、電圧V1が供給される。さらに、出力端子Tbには、電圧VMREGSUPが供給される。
【0188】
その後、プログラムベリファイ電圧VPV2を用いたベリファイ動作が終了すると、時刻t33からt34において、昇圧回路17Aは、出力端子Taの電圧VTaを、電圧V1のまま維持する。昇圧回路17Bは、出力端子Tbの電圧VTbを、電圧VMREGSUPからリセット電圧VEXTまで低下させる。すなわち、時刻t33からt34において、出力端子Taには、電圧V1が供給される。さらに、出力端子Tbには、リセット電圧VEXTが供給される。
【0189】
次に、プログラム動作PR2実行中の出力端子の電圧は以下のように設定される。時刻t34からt35において、昇圧回路17Aは、出力端子Taの電圧VTaを、電圧V1のまま維持する。昇圧回路17Bは、出力端子Tbの電圧VTbを、リセット電圧VEXTのまま維持する。すなわち、時刻t34からt35において、出力端子Taには、電圧V1が供給される。さらに、出力端子Tbには、リセット電圧VEXTが供給される。
【0190】
次に、時刻t35からt36において、昇圧回路17Aは、出力端子Taの電圧VTaを、電圧V1から電圧VPGMHに上昇させる。昇圧回路17Bは、出力端子Tbの電圧VTbを、リセット電圧VEXTから電圧VMREGSUPに上昇させる。すなわち、出力端子Taには、電圧VPGMHが供給される。さらに、出力端子Tbには、電圧VMREGSUPが供給される。
【0191】
書き込み電圧VPGMを用いたプログラム動作が終了すると、時刻t36からt37において、昇圧回路17Aは、出力端子Taの電圧VTaを、電圧VPGMHから電圧V1に低下させる。昇圧回路17Bは、出力端子Tbの電圧VTbを、電圧VMREGSUPからリセット電圧VEXTに低下させる。すなわち、出力端子Taには、電圧V1が供給される。さらに、出力端子Tbには、リセット電圧VEXTが供給される。以上により、
図14に示した書き込み動作が終了する。
【0192】
2.2 作用効果
第2実施形態によれば、第1実施形態と同様に、書き込み動作を高速化できる半導体記憶装置を提供できる。すなわち、第2実施形態の半導体記憶装置では、書き込み動作に要する書き込み時間を短縮することができる。
【0193】
また、第2実施形態では、書き込み動作においてプログラムベリファイ動作が連続して実行される場合、すなわち先のプログラムベリファイ動作に続いて、後のプログラムベリファイ動作が連続して実行される場合に、昇圧回路17Aから電圧VMREGSUPをドライバ16に供給することにより、ドライバ16から非選択ワード線WLuに供給される電流量を増やし、非選択ワード線WLuの電圧が電圧VSSから電圧VREADに昇圧されるのを補助する。
【0194】
これにより、非選択ワード線WLuの電圧が、電圧VSSから電圧VREADに到達するまでの時間を短縮する。非選択ワード線WLuの電圧VREADへの到達時間を短縮することにより、プログラムベリファイ動作PV1及びPV2の時間を短くできる。これによって、第2実施形態では、プログラムベリファイ動作が連続して実行される場合でも、書き込み動作を高速化できる。すなわち、書き込み動作に要する書き込み時間を短縮することができる。
【0195】
3.その他変形例等
更に、上記実施形態では半導体記憶装置としてNAND型フラッシュメモリを例に説明したが、NAND型フラッシュメモリに限らず、その他の半導体メモリ全般に適用でき、更には半導体メモリ以外の種々の記憶装置に適用できる。
【0196】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0197】
1…半導体記憶装置、2…メモリコントローラ、10…メモリセルアレイ、11…コマンドレジスタ、12…アドレスレジスタ、13…シーケンサ、14…センスアンプモジュール、15…ロウデコーダモジュール、16…ドライバ、17…電圧生成回路、17A…昇圧回路、17B…昇圧回路、30…半導体基板、31~35…導電層、40…ブロック絶縁層、41…電荷蓄積層、42…トンネル絶縁層、43…半導体層、P1~P8…チャージポンプ、P11,P12…チャージポンプ、PR1…プログラム動作、PR2…プログラム動作、PV1…プログラムベリファイ動作、PV2…プログラムベリファイ動作、WL0~WL7…ワード線。