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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-20
(45)【発行日】2024-10-01
(54)【発明の名称】販売管理装置及びその制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/06 20230101AFI20240924BHJP
   G07G 1/00 20060101ALI20240924BHJP
【FI】
G06Q30/06
G07G1/00 301D
G07G1/00 331B
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021067628
(22)【出願日】2021-04-13
(65)【公開番号】P2022162693
(43)【公開日】2022-10-25
【審査請求日】2024-03-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】杉山 秀明
【審査官】永安 真
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-33586(JP,A)
【文献】特開2019-153088(JP,A)
【文献】特開2020-67917(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 30/06
G07G 1/00 - 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが購買登録を行うモバイル端末と通信する通信部と、
前記モバイル端末に対して設定された端末識別情報を取得する第1取得部と、
前記第1取得部により取得された前記端末識別情報で識別される前記モバイル端末の動作状態を示すステータス情報を取得する第2取得部と、
前記モバイル端末の通信接続状態を取得する第3取得部と、
前記第3取得部により取得された前記モバイル端末の通信接続状態が未接続であり、かつ前記モバイル端末の通信接続状態が未接続となる前に前記第2取得部により取得された前記モバイル端末の前記ステータス情報が未会計を示す状態である場合、前記第1取得部で取得された前記端末識別情報を店員が所持する店員端末に出力する出力部と、
を具備する販売管理装置。
【請求項2】
前記第2取得部により前記ステータス情報が取得された前記モバイル端末の位置情報を取得する第4取得部と、
をさらに具備する請求項1記載の販売管理装置。
【請求項3】
前記出力部は、前記第3取得部により取得された前記モバイル端末の通信接続状態が未接続であり、かつ前記モバイル端末の通信接続状態が未接続となる前に前記第2取得部により取得された前記モバイル端末の前記ステータス情報が未会計を示す状態である場合、前記第1取得部で取得された前記端末識別情報と前記第4取得部により取得された前記位置情報とを前記店員端末に出力する、請求項2記載の販売管理装置。
【請求項4】
前記出力部は、前記モバイル端末の位置情報を示す地図を前記店員端末に出力する、請求項3記載の販売管理装置。
【請求項5】
ユーザが購買登録を行うモバイル端末と通信する通信部を備えた販売管理装置のコンピュータを、
前記モバイル端末に対して設定された端末識別情報を取得する第1取得手段、
前記第1取得手段により取得された前記端末識別情報で識別される前記モバイル端末の動作状態を示すステータス情報を取得する第2取得手段、
前記モバイル端末の通信接続状態を取得する第3取得手段、及び、
前記第3取得手段により取得された前記モバイル端末の通信接続状態が未接続であり、かつ前記モバイル端末の通信接続状態が未接続となる前に前記第2取得手段により取得された前記モバイル端末の前記ステータス情報が未会計を示す状態である場合、前記第1取得手段で取得された前記端末識別情報を店員が所持する店員端末に出力する出力手段、
として機能させるための販売管理プログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、販売管理装置及びその制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、客が、店舗の売場での買い回り時に、モバイル端末(スマートフォン、カート端末等)を利用して購買商品の登録から会計までをセルフで行う店舗システムが種々考案されている。このような店舗システムでは、モバイル端末を利用する客、いわゆるユーザは、そのモバイル端末を操作してユーザ自身が購買商品の会計を行う。このため、会計未完了の購買商品をユーザが店舗から持ち出す事態が発生する懸念がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-053735号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施形態が解決しようとする課題は、会計未完了の購買商品をユーザが店舗から持ち出す行為に対して適切に対処できる販売管理装置及びその制御プログラムを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態において、販売管理装置は、通信部と、第1取得部と、第2取得部と、第3取得部と、出力部とを備える。通信部は、ユーザが購買登録を行うモバイル端末と通信する。第1取得部は、モバイル端末に対して設定された端末識別情報を取得する。第2取得部は、第1取得部により取得された端末識別情報で識別されるモバイル端末の動作状態を示すステータス情報を取得する。第3取得部は、モバイル端末の通信接続状態を取得する。出力部は、第3取得部により取得されたモバイル端末の通信接続状態が未接続であり、かつモバイル端末の通信接続状態が未接続となる前に第2取得部により取得されたモバイル端末のステータス情報が未会計を示す状態である場合、第1取得部で取得された端末識別情報を店員が所持する店員端末に出力する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本実施形態に係る販売管理システムの概略構成を示すブロック図。
図2】モバイル端末の要部回路構成を示すブロック図。
図3】仮想POSサーバの要部回路構成を示すブロック図。
図4】購買登録リストの一例を示す模式図。
図5】時系列バッファの一例を示す模式図。
図6】管理サーバの要部回路構成を示すブロック図。
図7】接続管理テーブルの一例を示す模式図。
図8】会計機の要部回路構成を示すブロック図。
図9】モバイル端末におけるプロセッサの要部制御手順を示す流れ図。
図10】モバイル端末におけるプロセッサの要部制御手順を示す流れ図。
図11】仮想POSサーバにおけるプロセッサの要部制御手順を示す流れ図。
図12】仮想POSサーバにおけるプロセッサの要部制御手順を示す流れ図。
図13】仮想POSサーバにおけるプロセッサの要部制御手順を示す流れ図。
図14】会計機におけるプロセッサの要部制御手順を示す流れ図。
図15】仮想POSサーバにおけるプロセッサの要部制御手順を示す流れ図。
図16】仮想POSサーバにおけるプロセッサの要部制御手順を示す流れ図。
図17】管理サーバにおけるプロセッサの要部制御手順を示す流れ図。
図18】仮想POSサーバにおけるプロセッサの要部制御手順を示す流れ図。
図19】第1警告画面の一例を示す図。
図20】第2警告画面の一例を示す図。
図21】第3警告画面の一例を示す図。
図22】第2実施形態において、時系列バッファの一例を示す模式図。
図23】第2実施形態において、モバイル端末におけるプロセッサの要部制御手順を示す流れ図。
図24】第2実施形態において、モバイル端末におけるプロセッサの要部制御手順を示す流れ図。
図25】第2実施形態において、仮想POSサーバにおけるプロセッサの要部制御手順を示す流れ図。
図26】第2実施形態において、仮想POSサーバにおけるプロセッサの要部制御手順を示す流れ図。
図27】第2実施形態において、仮想POSサーバにおけるプロセッサの要部制御手順を示す流れ図。
図28】第2実施形態において、仮想POSサーバにおけるプロセッサの要部制御手順を示す流れ図。
図29】第2実施形態において、仮想POSサーバにおけるプロセッサの要部制御手順を示す流れ図。
図30】第2実施形態において、仮想POSサーバにおけるプロセッサの要部制御手順を示す流れ図。
図31】第2実施形態において、店内地図付きの第1警告画面の一例を示す図。
図32】第2実施形態において、店内地図付きの第2警告画面の一例を示す図。
図33】第2実施形態において、店内地図付きの第3警告画面の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、各実施形態について、図面を用いて説明する。
【0008】
(第1実施形態)
図1は、本実施形態に係る販売管理システム1の概略構成を示すブロック図である。
販売管理システム1は、店舗サーバ10、仮想POSサーバ20、管理サーバ30、会計機40、店員端末50、アクセスポイント60及びモバイル端末70を含む。店舗サーバ10、仮想POSサーバ20、管理サーバ30、会計機40、店員端末50及びアクセスポイント60は、LAN(Local Area Network)等のネットワーク2に接続されている。モバイル端末70は、無線ユニット76(図2を参照)を備える。モバイル端末70は、アクセスポイント60と無線通信を行う。アクセスポイント60は、ネットワーク2に繋がる各機器、すなわち店舗サーバ10、仮想POSサーバ20、管理サーバ30、会計機40及び店員端末50と、モバイル端末70との通信を中継する。アクセスポイント60は、図1では1台のみ示しているが、店舗の規模等により2台以上あってもよい。
【0009】
店舗サーバ10は、商品データベースを管理する。商品データベースは、店舗で販売されている商品のデータを記述した商品データレコードを保存する。商品データレコードは、商品コード、商品名、価格等の項目を含む。商品コードは、商品を個々に識別するために商品毎に設定された商品識別情報である。各商品には、通常、商品コードを表したバーコードが付されている。
【0010】
仮想POSサーバ20は、モバイル端末70と協働することで、そのモバイル端末70がPOS端末の機能を実現するように動作させる。仮想POSサーバ20は、販売管理装置の一例である。
【0011】
管理サーバ30は、モバイル端末70が販売管理システム1と通信を行うモバイル端末70の通信接続状態を管理する。管理サーバ30は、例えばモバイル端末70が店舗内の無線LAN等に接続されているか否かを管理する。無線LANは、例えばWi-Fi(登録商標)の規格に準拠したものである。
【0012】
会計機40は、購買商品の会計を店員若しくはユーザが行うことを可能とした機器である。会計機40の台数は、特に制限されない。
【0013】
店員端末50は、典型的には店員が所持する。あるいは、店員端末50は、店員が操作するために、バックヤード等に設置される。店員端末50は、例えばスマートフォン、タブレット端末、PC(personal computer)又は専用の端末装置である。
【0014】
モバイル端末70は、ユーザが購入しようとする商品、いわゆる購買商品の登録に係るデータの入力をセルフで行うことを可能とした機器である。モバイル端末70は、携帯型の通信端末である。モバイル端末70は、例えばユーザが個人で所有するデジタルカメラを搭載したスマートフォン、タブレット端末等である。店舗では、例えば買い物客であるユーザにモバイル端末70を貸し出してもよい。モバイル端末70は、例えばショッピングカートに設置してもよい。モバイル端末70は、少なくともバーコード、二次元コード等のデータコードを読み取るためのハードウェアを有している。
【0015】
図2は、モバイル端末70の要部回路構成を示すブロック図である。図2に示すようにモバイル端末70は、プロセッサ71、内蔵メモリ72、外部メモリ73、タッチパネル74、カメラ75、無線ユニット76、GPS(global positioning system)センサ77、及びシステム伝送路78を備えている。システム伝送路78は、アドレスバス、データバス、制御信号線等を含む。モバイル端末70は、システム伝送路78に、プロセッサ71、内蔵メモリ72、外部メモリ73、タッチパネル74、カメラ75、無線ユニット76及びGPSセンサ77を接続する。そしてプロセッサ71、内蔵メモリ72及び外部メモリ73がシステム伝送路78で接続されて、モバイル端末70を制御するための情報処理を行うコンピュータが構成される。
【0016】
プロセッサ71は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ71は、オペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムに従って、モバイル端末70としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。プロセッサ71は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。
【0017】
内蔵メモリ72は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。内蔵メモリ72は、不揮発性のメモリ領域及び揮発性のメモリ領域を含む。内蔵メモリ72は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムを記憶する。内蔵メモリ72は、プロセッサ71が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを揮発性のメモリ領域で記憶する。また内蔵メモリ72は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ71によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。不揮発性のメモリ領域は、例えばROM(Read Only Memory)である。揮発性のメモリ領域は、例えばRAM(Random Access Memory)である。
【0018】
外部メモリ73は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。例えばSDメモリカード、USB(universal serial bus)メモリ等が外部メモリ73となり得る。外部メモリ73は、プロセッサ71が各種の処理を行う上で使用するデータ、あるいはプロセッサ71での処理によって作成されたデータ等を保存する。外部メモリ73は、上記のアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
【0019】
外部メモリ73に記憶されるアプリケーションプログラムには、買物アプリケーションプログラムが含まれる。以下では、買物アプリケーションプログラムを買物アプリと略称する。買物アプリは、販売管理システム1が導入された店舗での買物の際に実行されるアプリである。買物アプリを外部メモリ73にインストールする方法は特に限定されるものではない。リムーバブルな記録媒体に制御プログラムを記録して、あるいはネットワークを介した通信により制御プログラムを配信して、外部メモリ73にインストールすることができる。記録媒体は、CD-ROM,メモリカード等のようにプログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能であれば、その形態は問わない。なお、外部メモリ73ではなく、内蔵メモリ72に買物アプリをインストールしてもよい。
【0020】
タッチパネル74は、モバイル端末70の入力デバイス及び表示デバイスを兼ね備えた機器である。タッチパネル74は、表示された画像に対するタッチ位置を検出し、そのタッチ位置情報をプロセッサ71に出力する。
【0021】
カメラ75は、モバイル端末70に内蔵された撮像デバイスである。カメラ75は、モバイル端末70にインストールされた買物アプリにより、静止画又は動画の撮影装置として、あるいはバーコード、二次元コード等のデータコードのスキャニング装置として動作する。
【0022】
無線ユニット76は、アクセスポイント60との間で無線通信プロトコルに従いデータの無線通信を行う。
【0023】
GPSセンサ77は、GPS(全地球測位システム)を利用してモバイル端末70の現在位置(緯度・経度)を測位する。
【0024】
モバイル端末70は、内蔵メモリ72における不揮発性のメモリ領域において、端末コードを記憶している。端末コードは、各モバイル端末70を個々に識別するためにモバイル端末70毎に設定された端末識別情報である。
【0025】
図3は、仮想POSサーバ20の要部回路構成を示すブロック図である。仮想POSサーバ20は、プロセッサ21、メインメモリ22、補助記憶デバイス23、時計24、通信インターフェース25及びシステム伝送路26を備える。システム伝送路26は、アドレスバス、データバス、制御信号線等を含む。仮想POSサーバ20は、システム伝送路26に、プロセッサ21、メインメモリ22、補助記憶デバイス23、時計24及び通信インターフェース25を接続する。仮想POSサーバ20では、プロセッサ21、メインメモリ22及び補助記憶デバイス23と、これらを接続するシステム伝送路26とによってコンピュータが構成される。
【0026】
プロセッサ21は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ21は、オペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムに従って、仮想POSサーバ20としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。プロセッサ21は、例えばCPUである。
【0027】
メインメモリ22は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メインメモリ22は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。メインメモリ22は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムを記憶する。メインメモリ22は、プロセッサ21が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを不揮発性又は揮発性のメモリ領域で記憶する場合もある。メインメモリ22は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ21によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。不揮発性のメモリ領域は、例えばROMである。揮発性のメモリ領域は、例えばRAMである。
【0028】
補助記憶デバイス23は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。例えばEEPROM(登録商標)(Electric Erasable Programmable Read-Only Memory)、HDD(Hard Disc Drive)、あるいはSSD(Solid State Drive)等が補助記憶デバイス23となり得る。補助記憶デバイス23は、プロセッサ21が各種の処理を行う上で使用するデータ、あるいはプロセッサ21での処理によって作成されたデータ等を保存する。補助記憶デバイス23は、上記のアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
【0029】
時計24は、仮想POSサーバ20の時刻情報源として機能する。プロセッサ21は、時計24によって計時される時刻情報を基に、現在の日付及び時間を計時する。
【0030】
通信インターフェース25は、ネットワーク2に接続される。通信インターフェース25は、ネットワーク2を介して接続される他の機器との間で通信プロトコルに従いデータ通信を行う。通信インターフェース25は、通信部として機能する。通信部は、ユーザが購買登録を行うモバイル端末70と通信する。
【0031】
かかる構成の仮想POSサーバ20は、メインメモリ22の揮発性メモリ領域の一部を、購買登録リスト221(図4を参照)の領域として使用する。仮想POSサーバ20は、この領域に複数の購買登録リスト221を形成することができる。なお、購買登録リスト221の記憶先はメインメモリ22に限定されない。補助記憶デバイス23において購買登録リスト221を記憶してもよい。
【0032】
図4は、購買登録リスト221の一例を示す模式図である。図4に示すように、購買登録リスト221は、端末コード、購買商品データ2211、合計金額及び会計コードをそれぞれ記述するための領域を有する。購買商品データ2211は、ユーザが購入する購買商品の商品コード、商品名、価格、購買点数、購買金額等を含む。購買点数は、その商品コードで識別される商品の購買数であり、購買金額は、購買点数に基づく価格の合計である。合計金額は、購買商品データ2211に含まれる購買金額の合計である。会計コードは、後述する。購買登録リスト221は、モバイル端末70の端末コードと関連付けて作成される。
【0033】
また仮想POSサーバ20は、補助記憶デバイス23の記憶領域の一部を時系列バッファ231(図5を参照)の領域とする。この領域に、図5に示すデータ構造の時系列バッファ231を、店舗で販売管理システム1を利用するモバイル端末70の数だけ形成する。なお、時系列バッファ231の記憶先は補助記憶デバイス23に限定されない。メインメモリ22の揮発性メモリ領域の一部に時系列バッファ231を記憶してもよい。
【0034】
図5は、時系列バッファ231の一例を示す模式図である。図5に示すように、時系列バッファ231は、モバイル端末70を識別する端末コード別に、ステータスSTを現在日時DTの早い順に記述するための領域を有したものである。ステータスSTは、モバイル端末70の動作状態を示す情報である。ステータスSTは、「入店」、「登録中」、「会計中」、「会計完了」及び「退店」がある。「入店」は、例えば店舗へ入店する入店操作が行われた状態である。ユーザがカメラ75で店舗の入口に用意された入店用データコードを読み取ると、入店操作が行われたとして、ステータスSTは「入店」となる。入店用データコードは、店舗又はその店舗を運営する企業体特有の設定情報を、所定の二次元コード体系でコード化したものである。「登録中」は、例えばユーザ自身による購買商品の登録操作を受け付けている状態である。1点目の購買商品が登録されると、ステータスSTは「登録中」となる。以後、会計への移行が宣言されるまで、ステータスSTは「登録中」を維持する。「会計中」は、例えば会計への移行が宣言されてからその会計処理が完了するまでの状態である。「会計完了」は、例えば購買商品の会計処理が完了した状態である。「退店」は、例えば店舗から退店する退店操作が行われた状態である。ユーザがカメラ75で店舗の出口に用意された退店用データコードを読み取ると、退店操作が行われたとして、ステータスSTは「退店」となる。退店用データコードは、店舗又はその店舗を運営する企業体特有の設定情報を、所定の二次元コード体系でコード化したものである。通常、ステータスSTは、「入店」、「登録中」、「会計中」、「会計完了」及び「退店」の順番で時系列バッファ231に記述されることとなる。なお、ステータスSTを「入店」、「登録中」、「会計中」、「会計完了」又は「退店」とする動作は、上述の動作に限定されない。またステータスSTは、「入店」、「登録中」、「会計中」、「会計完了」及び「退店」に限定されない。
【0035】
図3の説明に戻る。
プロセッサ21は、第1取得部211、第2取得部212、第3取得部213、第4取得部214及び出力部215としての機能を有する。第1取得部211は、モバイル端末70に対して設定された端末識別情報すなわち端末コードを取得する機能である。第1取得部211は、第1取得手段と言い換えることができる。
【0036】
第2取得部212は、第1取得部211により取得された端末コードで識別されるモバイル端末70の動作状態を示すステータス情報を取得する機能である。第2取得部212は、第2取得手段と言い換えることができる。
【0037】
第3取得部213は、モバイル端末70の通信接続状態を取得する機能である。第3取得部213は、第3取得手段と言い換えることができる。
【0038】
第4取得部214は、第2取得部212によりステータス情報が取得されたモバイル端末70の位置情報を取得する機能である。第4取得部214は、第4取得手段と言い換えることができる。
【0039】
出力部215は、第3取得部213により取得されたモバイル端末70の通信接続状態が未接続であり、かつモバイル端末70の通信接続状態が未接続となる前に第2取得部212により取得されたモバイル端末70のステータス情報が未会計を示す状態である場合、第1取得部211で取得された端末コードを店員が所持する店員端末50に出力する機能である。出力部215は、出力手段と言い換えることができる。
【0040】
図6は、管理サーバ30の要部回路構成を示すブロック図である。管理サーバ30は、プロセッサ31、メインメモリ32、補助記憶デバイス33、通信インターフェース34及びシステム伝送路35を備える。システム伝送路35は、アドレスバス、データバス、制御信号線等を含む。管理サーバ30は、システム伝送路35に、プロセッサ31、メインメモリ32、補助記憶デバイス33及び通信インターフェース34を接続する。管理サーバ30では、プロセッサ31、メインメモリ32及び補助記憶デバイス33と、これらを接続するシステム伝送路35とによってコンピュータが構成される。
【0041】
プロセッサ31は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ31は、オペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムに従って、管理サーバ30としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。プロセッサ31は、例えばCPUである。
【0042】
メインメモリ32は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メインメモリ32は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。メインメモリ32は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムを記憶する。メインメモリ32は、プロセッサ31が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを不揮発性又は揮発性のメモリ領域で記憶する場合もある。メインメモリ32は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ31によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。不揮発性のメモリ領域は、例えばROMである。揮発性のメモリ領域は、例えばRAMである。メインメモリ32は、記憶部として機能する。
【0043】
補助記憶デバイス33は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。例えばEEPROM、HDD、あるいはSSD等が補助記憶デバイス33となり得る。補助記憶デバイス33は、プロセッサ31が各種の処理を行う上で使用するデータ、あるいはプロセッサ31での処理によって作成されたデータ等を保存する。補助記憶デバイス33は、上記のアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
【0044】
通信インターフェース34は、ネットワーク2に接続される。通信インターフェース34は、ネットワーク2を介して接続される他の機器との間で通信プロトコルに従いデータ通信を行う。
【0045】
かかる構成の管理サーバ30は、メインメモリ32の揮発性メモリ領域の一部を、接続管理テーブル321(図7を参照)の領域として使用する。管理サーバ30は、この領域に接続管理テーブル321を形成することができる。なお、接続管理テーブル321の記憶先はメインメモリ32に限定されない。補助記憶デバイス33において接続管理テーブル321を記憶してもよい。
【0046】
図7は、接続管理テーブル321の一例を示す模式図である。図7に示すように、接続管理テーブル321は、端末コードと、その端末コードで識別されるモバイル端末70の通信接続状態とを記述したものである。通信接続状態には、「接続中」及び「未接続」がある。「接続中」は、モバイル端末70が店舗内の無線LANに接続されている状態である。通常、買物アプリを実行している間は、「接続中」となる。「未接続」は、店舗内の無線LANに接続されている状態であったモバイル端末70が当該無線LANに接続されなくなった状態である。モバイル端末70が店舗内の無線LANに接続されなくなった理由としては、例えばモバイル端末70のバッテリ切れが生じた、無線LANへの接続に何らかの不具合が発生した、ユーザが故意に無線LANへの接続を解除した、ユーザが買物アプリを終了して店舗から退店した等が挙げられる。なお、通信接続状態は、「接続中」及び「未接続」に限定されるものではない。
【0047】
また管理サーバ30は、補助記憶デバイス33の記憶領域の一部に、地図データベース331を形成している。地図データベース331は、地図データを記述した地図データレコードを保存する。地図データレコードには、店舗内の地図データ、店舗周辺地域の地図データ等の項目を含む。なお、地図データベース331の記憶先は補助記憶デバイス33に限定されない。メインメモリ32の揮発性メモリ領域の一部に地図データベース331を記憶してもよいし、管理サーバ30に外付けされた記憶装置に保存されていてもよい。
【0048】
図8は、会計機40の要部回路構成を示すブロック図である。会計機40は、プロセッサ411、メインメモリ412、補助記憶デバイス413、時計414、釣銭機インターフェース415、通信インターフェース416、タッチパネル417、スキャナ418、リーダ419、プリンタ420及びシステム伝送路421を備える。システム伝送路421は、アドレスバス、データバス、制御信号線等を含む。システム伝送路421は、プロセッサ411と、メインメモリ412、補助記憶デバイス413、時計414、釣銭機インターフェース415、通信インターフェース416、タッチパネル417、スキャナ418、リーダ419及びプリンタ420を相互に接続する。プロセッサ411、メインメモリ412及び補助記憶デバイス413がシステム伝送路421で接続されることにより、会計機40のコンピュータが構成される。
【0049】
プロセッサ411は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ411は、オペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムに従って、会計機40としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。プロセッサ411は、例えばCPUである。
【0050】
メインメモリ412は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メインメモリ412は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。メインメモリ412は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムを記憶する。メインメモリ412は、プロセッサ411が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを不揮発性又は揮発性のメモリ領域で記憶する場合もある。メインメモリ412は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ411によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。不揮発性のメモリ領域は、例えばROMである。揮発性のメモリ領域は、例えばRAMである。
【0051】
補助記憶デバイス413は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。例えばEEPROM、HDD、あるいはSSD等が補助記憶デバイス413となり得る。補助記憶デバイス413は、プロセッサ411が各種の処理を行う上で使用するデータ、プロセッサ411での処理によって作成されたデータ等を保存する。補助記憶デバイス413は、上記のアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
【0052】
メインメモリ412又は補助記憶デバイス413に記憶されるアプリケーションプログラムには、会計機40で実行される情報処理に関して記述した制御プログラムが含まれる。制御プログラムをメインメモリ412又は補助記憶デバイス413にインストールする方法は特に限定されるものではない。リムーバブルな記録媒体に制御プログラムを記録して、あるいはネットワークを介した通信により制御プログラムを配信して、メインメモリ412又は補助記憶デバイス413にインストールすることができる。記録媒体は、CD-ROM,メモリカード等のようにプログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能であれば、その形態は問わない。
【0053】
時計414は、会計機40の時刻情報源として機能する。プロセッサ411は、時計414によって計時される時刻情報を基に、現在の日付及び時間(日時)を計時する。
【0054】
釣銭機インターフェース415は、自動釣銭機との間でデータ通信を行う。釣銭機インターフェース415は、自動釣銭機から投入金額のデータ、貨幣収納枚数のデータ等を受信する。釣銭機インターフェース415は、釣銭データを自動釣銭機へと送信する。
【0055】
通信インターフェース416は、ネットワーク2に接続される。通信インターフェース416は、ネットワーク2を介して接続される他の機器との間で通信プロトコルに従いデータ通信を行う。
【0056】
タッチパネル417は、会計機40の入力デバイスと表示デバイスとを兼ね備えた機器である。タッチパネル417は、表示された画像に対するタッチ位置を検出し、そのタッチ位置情報をプロセッサ411に出力する。
【0057】
スキャナ418は、バーコードシンボル及びQRコード(登録商標)等のコードシンボルを読み取り、読み取ったデータをプロセッサ411に出力する読取装置の一例である。スキャナ418は、レーザ光の走査によりコードシンボルを読み取るタイプであってもよいし、撮像デバイスで撮像した画像からコードシンボルを読み取るタイプであってもよい。
【0058】
リーダ419は、記録媒体に記録されたデータを読み取り、読み取ったデータをプロセッサ411に出力する。リーダ419は、記録媒体が磁気カードの場合には磁気カードリーダであり、接触式ICカードの場合にはICカードリーダである。非接触式ICカード又はスマートフォン等のようにRFID(Radio Frequency Identification)を使用した記録媒体の場合には、RFIDリーダがリーダ419として使用される。
【0059】
プリンタ420は、レシート用紙に対して各種の文字列又は画像等を印刷することにより、レシートを発行する。この種のプリンタ420としては、例えばサーマルプリンタ又はドットインパクトプリンタ等を利用できる。プリンタ420は、会計機40の印刷デバイスとして機能する。
【0060】
図9及び図10は、モバイル端末70のプロセッサ71が、制御プログラムに従って実行する要部制御手順を示す流れ図である。図11乃至図13図15図16及び図18は、仮想POSサーバ20のプロセッサ21が、制御プログラムに従って実行する要部制御手順を示す流れ図である。図14は、会計機40のプロセッサ411が、制御プログラムに従って実行する要部制御手順を示す流れ図である。図17は、管理サーバ30のプロセッサ31が、制御プログラムに従って実行する要部制御手順を示す流れ図である。以下、これらの図を用いて、ユーザがモバイル端末70を利用して購買商品の登録から会計までをセルフで行う場合の販売管理システム1の主要な動作について説明する。なお、以下に説明する動作の内容は一例である。同様な結果を得ることが可能であれば、その動作手順及び内容は特に限定されるものではない。
【0061】
はじめに、ユーザは販売管理システム1が導入された店舗に出向くと、買物を開始する前に、ユーザが所有するモバイル端末70にインストールされている買物アプリを起動する。そうすると、プロセッサ71は、図9の流れ図に示す手順の情報処理を開始する。
なお、本実施形態では、管理サーバ30は、買物アプリを起動したモバイル端末70から端末コードを取得する。そして管理サーバ30は、接続管理テーブル321に当該モバイル端末70の端末コードと、通信接続状態として「接続中」とを記述するものとする。
【0062】
先ず、プロセッサ71は、ACT1としてチェックイン画面が表示されるようにタッチパネル74を制御する。チェックイン画面には、例えば入店用データコードを読み取ることを指示するメッセージとともに、ユーザがメッセージを確認したことを指示するための「はい」ボタンの画像が表示される。チェックイン画面を確認したユーザは、「はい」ボタンにタッチする。
【0063】
チェックイン画面の「はい」ボタンがタッチされると、プロセッサ71は、ACT2としてカメラ75を起動する。そしてプロセッサ71は、カメラ画面が表示されるようにタッチパネル74を制御する。カメラ画面には、例えば二次元コードの読み取り領域を示す画像が表示される。カメラ画面を確認したユーザは、店舗の入口に用意された入店用データコードが読み取り領域を示す画像に収まるように、カメラ75のレンズを入店用データコードに翳す。
【0064】
プロセッサ71は、ACT3としてカメラ75によって入店用データコードが読み取られるのを待ち受ける。入店用データコードが読み取り領域を示す画像内に収まると、プロセッサ71は、入店用データコードを読み取れたと判定する。プロセッサ71は、ACT3においてYESと判定し、ACT4へと進む。
【0065】
プロセッサ71は、ACT4として入店コマンドを仮想POSサーバ20に送信するように無線ユニット76を制御する。この制御により、無線ユニット76は、入店コマンドを無線送信する。入店コマンドは、アクセスポイント60で受信され、ネットワーク2を経由して仮想POSサーバ20へと送られる。入店コマンドには、端末コードが含まれる。
【0066】
仮想POSサーバ20のプロセッサ21は、通信インターフェース25を介してモバイル端末70からコマンドを受信すると、そのコマンドの種類を確認する。そして受信コマンドが入店コマンドであった場合、プロセッサ21は、図11の流れ図に示す手順のコマンド受信処理を開始する。
【0067】
プロセッサ21は、ACT31として第1取得部211の機能により入店コマンドから端末コードを取得する。そしてプロセッサ21は、ACT32としてその端末コードで識別される時系列バッファ231を抽出する。
【0068】
プロセッサ21は、ACT33として第2取得部212の機能によりステータスSTを「入店」とする。プロセッサ21は、ACT34として時計24で計時されている現在日時DTを取得する。そしてプロセッサ21は、ACT35として、ACT32の処理で抽出された時系列バッファ231に、現在日時DTとステータスSTとを関連付けて記述する。
【0069】
プロセッサ21は、ACT36として時系列バッファ231に過去の履歴エラーを示すデータが記述されているか否かを確認する。具体的には、プロセッサ21は、ACT35の処理でステータスSTとして「入店」が記述された現在日時DTよりも前の日時を検索する。プロセッサ21は、その前の日時において、ステータスSTとして「入店」、「登録中」及び「会計中」が記述されているが、「会計完了」及び「退店」が記述されていない場合、過去の履歴エラーを示すデータが記述されていると判定する。この場合、ユーザが過去に店舗で会計を終えないまま、退店操作も行わずに退店した履歴が時系列バッファ231に存在することを意味する。またプロセッサ21は、例えば時系列バッファ231にステータスSTとして「入店」、「登録中」、「会計中」及び「会計完了」が記述されているが、「退店」が記述されていない場合、過去の履歴エラーを示すデータが記述されていると判定する。この場合、ユーザが過去に店舗で会計を終えたものの、退店操作を行わずに退店した履歴が時系列バッファ231に存在することを意味する。
【0070】
過去の履歴エラーを示すデータが記述されている場合、プロセッサ21は、ACT36においてYESと判定し、ACT37へと進む。プロセッサ21は、ACT37としてモバイル端末70に否認応答コマンドを送信するように通信インターフェース25を制御する。この制御により、通信インターフェース25を介して否認応答コマンドが送信される。否認応答コマンドは、ネットワーク2を介してアクセスポイント60から無線送信され、入店コマンド送信元のモバイル端末70で受信される。
【0071】
プロセッサ21は、ACT38として店員端末50に第1通報コマンドを送信するように通信インターフェース25を制御する。この制御により、通信インターフェース25を介して第1通報コマンドが送信される。第1通報コマンドは、ネットワーク2を介して店員端末50で受信される。第1通報コマンドには、ACT31の処理で取得された端末コードが含まれる。以上で、プロセッサ21は、入店コマンドの受信処理を終了する。
【0072】
第1通報コマンドを受信した店員端末50は、タッチパネルに第1警告画面100(図19を参照)を表示させる。
【0073】
図19は、第1警告画面100の一例を示す模式図である。第1警告画面100は、入店操作を行ったユーザの過去の履歴にエラーがあることを店員に通知する画面である。図19に示すように、第1警告画面100には、モバイル端末70の端末コードと、当該モバイル端末70を所有するユーザの過去の履歴にエラーがあることを通知するテキストデータとが表示される。また店員が第1警告画面100を確認したことを指示するための「確認」ボタン101の画像が表示される。なお、図19に表示されているテキストデータ及び画像の内容は一例である。
【0074】
第1警告画面100を確認した店員は、「確認」ボタン101にタッチする。そして店員は、ユーザを店舗で探す。例えばユーザが過去に店舗で会計を終えないまま、退店操作も行わずに退店した場合には、店員は当該ユーザからその過去の不正行為を確認する等の対処を行う。例えばユーザが過去に店舗で会計を終えたものの、退店操作を行わずに退店した場合には、店員は時系列バッファ231を初期化する。かくしてユーザは、モバイル端末70を利用して買物をすることが可能となる。
【0075】
図11の説明に戻る。
過去の履歴エラーを示すデータが記述されていない場合、プロセッサ21は、ACT36においてNOと判定し、ACT39へと進む。プロセッサ21は、ACT39としてメインメモリ22に購買登録リスト221を形成する。そしてプロセッサ21は、その購買登録リスト221に端末コ―ドを記憶する。
【0076】
プロセッサ21は、ACT40としてモバイル端末70に承認応答コマンドを送信するように通信インターフェース25を制御する。この制御により、通信インターフェース25を介して承認応答コマンドが送信される。承認応答コマンドは、ネットワーク2を介してアクセスポイント60から無線送信され、入店コマンド送信元のモバイル端末70で受信される。以上で、プロセッサ21は、入店コマンド受信処理を終了する。
【0077】
図9の説明に戻る。
ACT4において入店コマンドの送信を制御したモバイル端末70のプロセッサ71は、ACT5として仮想POSサーバ20からの応答コマンドを待ち受ける。仮想POSサーバ20から否認応答コマンドを受信した場合、プロセッサ71は、ACT5においてNOと判定し、ACT6へと進む。
【0078】
プロセッサ71は、ACT6として履歴エラーを通知する。例えばプロセッサ71は、タッチパネル74に履歴エラー画面を表示して、過去の履歴にエラーがあることを通知する。履歴エラー画面には、例えば過去の履歴にエラーがあることを通知するためのメッセージとともに、ユーザがメッセージを確認したことを指示するための「はい」ボタンの画像が表示される。履歴エラー画面を確認したユーザは、「はい」ボタンにタッチする。そしてユーザは、例えば店員と話し合い、店員が状況確認及び対処を行う。
【0079】
仮想POSサーバ20から承認応答コマンドを受信した場合、プロセッサ71は、ACT5においてYESと判定し、ACT7へと進む。
【0080】
プロセッサ71は、ACT7としてチェックイン完了画面が表示されるようにタッチパネル74を制御する。チェックイン完了画面には、例えば買物の準備が整ったことを示すメッセージととともに、「はい」ボタンの画像が表示される。チェックイン完了画面を確認したユーザは、「はい」ボタンにタッチする。
【0081】
チェックイン完了画面の表示を制御したプロセッサ71は、ACT8として買物開始が指示されるのを待ち受ける。チェックイン完了画面の「はい」ボタンがタッチされると、プロセッサ71は、買物開始が指示されたと判定する。プロセッサ71は、ACT8においてYESと判定し、ACT9へと進む。
【0082】
プロセッサ71は、ACT9として購買登録画面が表示されるようにタッチパネル74を制御する。購買登録画面には、例えば購買登録された商品の商品名、単価、点数及び購買金額と合計金額とを表示するための領域が形成されている。また会計を指示するための「会計」ボタンの画像が表示される。
【0083】
購買登録画面を確認したユーザは、売場を回り、購買商品を買物かご又はショッピングカート等の収容体に収容する。例えばユーザは、収容体に収容する際に、その購買商品に付されているバーコードにカメラ75のレンズを翳す。カメラ75によってそのバーコードが読み取られると、そのバーコードで表わされた商品コードがモバイル端末70に入力される。
【0084】
プロセッサ71は、ACT10として商品コードを取得したか否かを確認する。プロセッサ71は、商品コードを取得したことを確認すると、ACT10においてYESと判定し、ACT12へと進む。
【0085】
プロセッサ71は、ACT12として購買登録コマンドを仮想POSサーバ20に送信するように無線ユニット76を制御する。この制御により、無線ユニット76は、購買登録コマンドを無線送信する。購買登録コマンドは、アクセスポイント60で受信され、ネットワーク2を経由して仮想POSサーバ20へと送られる。購買登録コマンドには、端末コードと、購買商品の商品コードとが含まれる。
【0086】
仮想POSサーバ20のプロセッサ21は、通信インターフェース25を介してモバイル端末70から購買登録コマンドを受信すると、図12の流れ図に示す手順のコマンド受信処理を開始する。
【0087】
プロセッサ21は、ACT41として第1取得部211の機能により購買登録コマンドから端末コードを取得する。そしてプロセッサ21は、ACT42としてその端末コードで識別される時系列バッファ231を抽出する。
【0088】
プロセッサ21は、ACT43としてステータスSTとして「登録中」が時系列バッファ231の最終行に記述されているか否かを確認する。ステータスSTとして「登録中」が時系列バッファ231の最終行に記述されている場合とは、既に購買商品が登録されているため、当該商品は2点目以降の購買商品であることを意味する。したがってステータスSTとして「登録中」が記述されている場合、プロセッサ21は、ACT43においてYESと判定し、ACT47へと進む。ACT47の処理は、後述する。
【0089】
ステータスSTとして「登録中」が記述されていない場合、すなわち1点目の購買商品である場合、プロセッサ21は、ACT43においてNOと判定し、ACT44へと進む。プロセッサ21は、ACT44として第2取得部212の機能によりステータスSTを「登録中」とする。
【0090】
プロセッサ21は、ACT45として時計24で計時されている現在日時DTを取得する。そしてプロセッサ21は、ACT46として、ACT42の処理で抽出された時系列バッファ231に、現在日時DTとステータスSTとを関連付けて記述する。
【0091】
プロセッサ21は、ACT47として端末コードで識別される購買登録リスト221を抽出する。プロセッサ21は、ACT48として購買登録コマンドに含まれる商品コードを基に購買商品データ2211を作成し、その購買商品データ2211を購買登録リスト221に書き込む。またプロセッサ21は、ACT49として購買登録リスト221の合計金額を、新たに書き込まれた購買商品データ2211の購買金額を加算した金額に更新する。
【0092】
プロセッサ21は、ACT50としてモバイル端末70に登録済コマンドを送信するように通信インターフェース25を制御する。この制御により、通信インターフェース25を介して登録済コマンドが送信される。登録済コマンドは、ネットワーク2を介してアクセスポイント60から無線送信され、購買登録コマンド送信元のモバイル端末70で受信される。登録済コマンドには、購買登録リスト221が含まれる。以上で、プロセッサ21は、購買登録コマンド受信処理を終了する。
【0093】
図9の説明に戻る。
ACT12において購買登録コマンドの送信を制御したモバイル端末70のプロセッサ71は、ACT13として仮想POSサーバ20からの登録済コマンドを待ち受ける。仮想POSサーバ20から登録済コマンドを受信した場合、プロセッサ71は、ACT13においてYESと判定し、ACT14へと進む。
【0094】
プロセッサ71は、ACT14として購買登録画面を更新する。すなわちプロセッサ71は、購買登録された商品の商品名、単価、点数及び購買金額が追加され、合計金額に購買金額が加算されるように、購買登録画面を更新する。そしてプロセッサ71は、ACT9に戻る。
【0095】
商品コードを取得しない場合、プロセッサ71は、ACT10においてNOと判定し、ACT11へと進む。プロセッサ71は、ACT11として「会計」ボタンがタッチされたか否かを確認する。上述したように、購買登録画面の一部には「会計」ボタンの画像が表示される。購買を終えたユーザは、「会計」ボタンにタッチする。プロセッサ71は、「会計」ボタンがタッチされた場合、会計が指示されたと判定する。「会計」ボタンがタッチされていない場合、プロセッサ71は、ACT11においてNOと判定し、ACT10へと戻る。すなわちプロセッサ71は、ACT10乃至ACT11の待ち受け状態に戻る。
【0096】
プロセッサ71は、会計が指示されたことを確認すると、ACT11においてYESと判定し、図10のACT21へと進む。プロセッサ71は、ACT21として会計実行コマンドを仮想POSサーバ20に送信するように無線ユニット76を制御する。この制御により、無線ユニット76は、会計実行コマンドを無線送信する。会計実行コマンドは、アクセスポイント60で受信され、ネットワーク2を介して仮想POSサーバ20へと送られる。会計実行コマンドには、内蔵メモリ72にて記憶した端末コードが含まれる。
【0097】
仮想POSサーバ20のプロセッサ21は、通信インターフェース25を介してモバイル端末70から会計実行コマンドを受信すると、図13の流れ図に示す手順のコマンド受信処理を開始する。
【0098】
プロセッサ21は、ACT51として第1取得部211の機能により会計実行コマンドから端末コードを取得する。そしてプロセッサ21は、ACT52としてその端末コードで識別される時系列バッファ231を抽出する。
【0099】
プロセッサ21は、ACT53として第2取得部212の機能によりステータスSTを「会計中」とする。プロセッサ21は、ACT54として時計24で計時されている現在日時DTを取得する。そしてプロセッサ21は、ACT55として、ACT52の処理で抽出された時系列バッファ231に、現在日時DTとステータスSTとを関連付けて記述する。
【0100】
プロセッサ21は、ACT56としてその端末コードで識別される購買登録リスト221を抽出する。プロセッサ21は、ACT57として会計コードのデータを作成する。会計コードは、会計機40で会計を行うユーザを識別するためのものである。会計コードは、会計機40で会計を行うユーザ毎に作成される。
【0101】
プロセッサ21は、ACT58として購買登録リスト221に会計コードを記憶する。プロセッサ21は、ACT59として会計案内画面を作成する。会計案内画面には、ACT57において作成した会計コードを表す会計バーコードと、その会計バーコードを会計機40に備えられたスキャナ418で読み取らせることを促すメッセージとが表示される。
【0102】
プロセッサ21は、ACT60としてモバイル端末70に会計案内コマンドを送信するように通信インターフェース25を制御する。この制御により、通信インターフェース25を介して会計案内コマンドが送信される。会計案内コマンドは、ネットワーク2を介してアクセスポイント60から無線送信され、会計実行コマンド送信元のモバイル端末70で受信される。会計案内コマンドには、ACT59において作成した会計案内画面の画像データが含まれる。以上で、プロセッサ21は、会計実行コマンド受信処理を終了する。
【0103】
図10の説明に戻る。
ACT21において会計実行コマンドの送信を制御したモバイル端末70のプロセッサ71は、ACT22として仮想POSサーバ20からの会計案内コマンドを待ち受ける。仮想POSサーバ20から会計案内コマンドを受信した場合、プロセッサ71は、ACT22においてYESと判定し、ACT23へと進む。
【0104】
プロセッサ71は、ACT23として会計案内画面が表示されるようにタッチパネル74を制御する。会計案内画面を確認したユーザは、利用可能な会計機40の設置場所に行き、その会計機40に備えられたスキャナ418で会計バーコードを読み取らせる。そうすると、会計機40のプロセッサ411は、図14の流れ図に示す手順の情報処理を開始する。
【0105】
会計機40のプロセッサ411は、ACT61として、会計バーコードが読み取られるのを待ち受ける。会計バーコードを読み取られた場合、プロセッサ411は、ACT61においてYESと判定し、ACT62へと進む。
【0106】
プロセッサ411は、ACT62として読み取った会計バーコードで仮想POSサーバ20に購買登録リスト221を問い合わせる。この問い合わせにより、仮想POSサーバ20は、問い合わせのあった会計バーコードが記憶された購買登録リスト221を抽出し、会計機40へ購買登録リスト221を送信する。しかしてプロセッサ411は、ACT63として購買登録リスト221を受信するのを待ち受ける。購買登録リスト221を受信した場合、プロセッサ411は、ACT63においてYESと判定し、ACT64へと進む。
【0107】
プロセッサ411は、ACT64として受信した購買登録リスト221の購買商品データ2211を基に会計処理を実行する。この会計処理は既存の処理で周知なので、具体的な説明は省略する。
【0108】
プロセッサ411は、ACT65として仮想POSサーバ20に処理済コマンドを送信するように通信インターフェース416を制御する。この制御により、通信インターフェース416を介して処理済コマンドが送信される。処理済コマンドは、ネットワーク2を介して仮想POSサーバ20で受信される。処理済コマンドには、購買登録リスト221に記憶されている端末コードが含まれる。以上で、プロセッサ411は、図14の流れ図に示す手順の情報処理を終了する。
【0109】
仮想POSサーバ20のプロセッサ21は、通信インターフェース25を介してモバイル端末70から処理済コマンドを受信すると、図15の流れ図に示す手順のコマンド受信処理を開始する。
【0110】
プロセッサ21は、ACT71として第1取得部211の機能により処理済コマンドから端末コードを取得する。プロセッサ21は、ACT72としてその端末コードで識別される時系列バッファ231を抽出する。
【0111】
プロセッサ21は、ACT73として第2取得部212の機能によりステータスSTを「会計完了」とする。プロセッサ21は、ACT74として時計24で計時されている現在日時DTを取得する。そしてプロセッサ21は、ACT75として、ACT72の処理で抽出された時系列バッファ231に、現在日時DTとステータスSTとを関連付けて記述する。
【0112】
プロセッサ21は、ACT76としてモバイル端末70に会計済コマンドを送信するように通信インターフェース25を制御する。この制御により、通信インターフェース25を介して会計済コマンドが送信される。会計済コマンドは、ネットワーク2を介してアクセスポイント60から無線送信され、モバイル端末70で受信される。会計済コマンドには、端末コードが含まれる。以上で、プロセッサ21は、処理済コマンド受信処理を終了する。
【0113】
図10の説明に戻る。
会計案内画面を表示させたプロセッサ71は、ACT24として仮想POSサーバ20からの会計済コマンドを待ち受ける。仮想POSサーバ20から会計済コマンドを受信した場合、プロセッサ71は、ACT24においてYESと判定し、ACT25へと進む。
【0114】
プロセッサ71は、ACT25としてチェックアウト画面が表示されるようにタッチパネル74を制御する。チェックアウト画面には、例えば退店用データコードを読み取ることを指示するメッセージとともに、ユーザがメッセージを確認したことを指示するための「はい」ボタンの画像が表示される。チェックアウト画面を確認したユーザは、「はい」ボタンにタッチする。
【0115】
チェックアウト画面の「はい」ボタンがタッチされると、プロセッサ71は、ACT26としてカメラ75を起動する。そしてプロセッサ71は、カメラ画面が表示されるようにタッチパネル74を制御する。カメラ画面を確認したユーザは、店舗の出口に用意された退店用データコードが読み取り領域を示す画像に収まるように、カメラ75のレンズを退店用データコードに翳す。
【0116】
カメラ画面を表示させたプロセッサ71は、ACT27としてカメラ75によって退店用データコードが読み取られるのを待ち受ける。退店用データコードが読み取り領域を示す画像内に収まると、プロセッサ71は、退店用データコードを読み取れたと判定する。プロセッサ71は、ACT27においてYESと判定し、ACT28へと進む。
【0117】
プロセッサ71は、ACT28として退店コマンドを仮想POSサーバ20に送信するように無線ユニット76を制御する。この制御により、無線ユニット76は、退店コマンドを無線送信する。退店コマンドは、アクセスポイント60で受信され、ネットワーク2を経由して仮想POSサーバ20へと送られる。退店コマンドには、端末コードが含まれる。
【0118】
仮想POSサーバ20のプロセッサ21は、通信インターフェース25を介してモバイル端末70から退店コマンドを受信すると、プロセッサ21は、図16の流れ図に示す手順のコマンド受信処理を開始する。
【0119】
プロセッサ21は、ACT81として第1取得部211の機能により退店コマンドから端末コードを取得する。そしてプロセッサ21は、ACT82としてその端末コードで識別される時系列バッファ231を抽出する。
【0120】
プロセッサ21は、ACT83として第2取得部212の機能によりステータスSTを「退店」とする。プロセッサ21は、ACT84として時計24で計時されている現在日時DTを取得する。そしてプロセッサ21は、ACT85として、ACT82の処理で抽出した時系列バッファ231に、現在日時DTとステータスSTとを関連付けて記述する。
【0121】
プロセッサ21は、ACT86として時系列バッファ231にステータスSTとして「会計完了」が記述されているか否かを確認する。具体的には、プロセッサ21は、ACT85の処理でステータスSTとして「退店」が記述された現在日時DTと同日であって、その現在日時DTよりも前の時刻にステータスSTとして「会計完了」が記述されているか否かを確認する。
【0122】
ステータスSTとして「会計完了」が記述されていない場合、すなわちステータスSTとして「入店」、「登録中」、「会計中」及び「退店」が記述されているが、「退店」の前に「会計完了」が記述されていない場合、ユーザが店舗で購買商品の登録操作を行っているものの、会計を終えずに退店操作を行ったことを意味する。したがってステータスSTとして「会計完了」が記述されていない場合、プロセッサ21は、ACT86においてNOと判定し、ACT87へと進む。プロセッサ21は、ACT87としてモバイル端末70に否認応答コマンドを送信するように通信インターフェース25を制御する。この制御により、通信インターフェース25を介して否認応答コマンドが送信される。否認応答コマンドは、ネットワーク2を介してアクセスポイント60から無線送信され、退店コマンド送信元のモバイル端末70で受信される。
【0123】
プロセッサ21は、ACT88として店員端末50に第2通報コマンドを送信するように通信インターフェース25を制御する。この制御により、通信インターフェース25を介して第2通報コマンドが送信される。第2通報コマンドは、ネットワーク2を介して店員端末50で受信される。第2通報コマンドには、ACT81の処理で取得された端末コードが含まれる。以上で、プロセッサ21は、退店コマンドの受信処理を終了する。
【0124】
第2通報コマンドを受信した店員端末50は、タッチパネルに第2警告画面200(図20を参照)を表示させる。
【0125】
図20は、第2警告画面200の一例を示す模式図である。第2警告画面200は、退店操作を行ったユーザが会計を終えていないことを店員に通知する画面である。図20に示すように、第2警告画面200には、モバイル端末70の端末コードと、当該モバイル端末70を所有するユーザが会計を終えていないことを通知するテキストデータとが表示される。また店員が第2警告画面200を確認したことを指示するための「確認」ボタン201の画像が表示される。なお、図20に表示されているテキストデータ及び画像の内容は一例である。
【0126】
第2警告画面200を確認した店員は、「確認」ボタン201にタッチする。そして店員は、ユーザを店舗で探し、当該ユーザを会計機40の設置場所に案内する等の対処を行う。
【0127】
図16の説明に戻る。
ステータスSTとして「会計完了」が記述されている場合、プロセッサ21は、ACT86においてYESと判定し、ACT89へと進む。プロセッサ21は、ACT89としてモバイル端末70に承認応答コマンドを送信するように通信インターフェース25を制御する。この制御により、通信インターフェース25を介して承認応答コマンドが送信される。承認応答コマンドは、ネットワーク2を介してアクセスポイント60から無線送信され、退店コマンド送信元のモバイル端末70で受信される。以上で、プロセッサ21は、退店コマンド受信処理を終了する。
【0128】
図10の説明に戻る。
ACT28において退店コマンドの送信を制御したモバイル端末70のプロセッサ71は、ACT29として仮想POSサーバ20から承認応答コマンドを受信した場合、プロセッサ71は、ACT29においてYESと判定し、図9及び図10の流れ図に示す手順の情報処理を終了する。
【0129】
仮想POSサーバ20から否認応答コマンドを受信した場合、プロセッサ71は、ACT29においてNOと判定し、ACT30へと進む。プロセッサ71は、ACT30として未会計を通知する。例えばプロセッサ71は、タッチパネル74に未会計画面を表示して、会計を終えていないことを通知する。未会計画面には、会計が終えていないことを通知するためのメッセージとともに、ユーザがメッセージを確認したことを指示するための「はい」ボタンの画像が表示される。未会計画面を確認したユーザは、「はい」ボタンにタッチして購買登録画面に戻し、「会計」ボタンをタッチすることとなる。以上で、図9及び図10の流れ図に示す手順の情報処理を終了する。
【0130】
ところで管理サーバ30は、接続管理テーブル321にて、例えばモバイル端末70のバッテリ切れが生じた、無線LANへの接続に何らかの不具合が発生した、ユーザが故意に無線LANへの接続を解除した、ユーザが買物アプリを終了して店舗から退店した等の理由により、店舗内の無線LANに接続されている状態であったが接続されなくなったモバイル端末70を管理する。すなわち管理サーバ30のプロセッサ31は、図17のACT91として接続管理テーブル321に記述された端末コードの中で、通信接続状態として「未接続」が記述された端末コードが存在するのを待ち受ける。通信接続状態として「未接続」が記述された端末コードが存在する場合、プロセッサ31は、ACT91においてYESと判定し、ACT92へと進む。
【0131】
プロセッサ31は、ACT92として仮想POSサーバ20に未接続コマンドを送信するように通信インターフェース34を制御する。この制御により、通信インターフェース34を介して未接続コマンドが送信される。未接続コマンドは、ネットワーク2を介して仮想POSサーバ20で受信される。未接続コマンドには、通信接続状態として「未接続」が記述された端末コードが含まれる。以上で、プロセッサ31は、図17の流れ図に示す手順の情報処理を終了する。
【0132】
仮想POSサーバ20のプロセッサ21は、第3取得部213の機能により通信インターフェース25を介して管理サーバ30から未接続コマンドを受信すると、プロセッサ21は、図18の流れ図に示す手順のコマンド受信処理を開始する。
【0133】
プロセッサ21は、ACT101として第1取得部211の機能により未接続コマンドから端末コードを取得する。そしてプロセッサ21は、ACT102としてその端末コードで識別される時系列バッファ231を抽出する。
【0134】
プロセッサ21は、ACT103として時系列バッファ231に現在の未会計を示すデータが記述されているか否かを確認する。具体的には、プロセッサ21は、例えば時系列バッファ231にステータスSTとして「入店」、「登録中」の記述がされているが、「会計完了」の記述がされていない場合、現在の未会計を示すデータが記述されていると判定する。またプロセッサ21は、例えば時系列バッファ231にステータスSTとして「入店」、「登録中」及び「会計中」の記述がされているが、「会計完了」の記述がされていない場合、現在の未会計を示すデータが記述されていると判定する。これらの場合、ユーザが店舗で購買商品の登録操作を行っているものの、会計を終えていないことを意味する。
【0135】
現在の未会計を示すデータが記述されていない場合、すなわちユーザが店舗で会計を終えている場合は、例えばユーザが買物アプリを終了して店舗から退店したためにモバイル端末70が店舗内の無線LANに接続されなくなったことが考えられる。したがって現在の未会計を示すデータが記述されていない場合、プロセッサ21は、ACT103においてNOと判定し、未接続コマンド受信処理を終了する。
【0136】
現在の未会計を示すデータが記述されている場合、プロセッサ21は、ACT103においてYESと判定し、ACT104へと進む。プロセッサ21は、ACT104として出力部215の機能により店員端末50に第3通報コマンドを送信するように通信インターフェース25を制御する。この制御により、通信インターフェース25を介して第3通報コマンドが送信される。第3通報コマンドは、ネットワーク2を介して店員端末50で受信される。第3通報コマンドには、ACT101の処理で取得された端末コードが含まれる。以上で、プロセッサ21は、未接続コマンド受信処理を終了する。
【0137】
第3通報コマンドを受信した店員端末50は、タッチパネルに第3警告画面300(図21を参照)を表示させる。
【0138】
図21は、第3警告画面300の一例を示す模式図である。第3警告画面300は、店舗内の無線LANに接続されなくなったモバイル端末70を所有するユーザが会計を終えていないことを店員に通知する画面である。図21に示すように、第3警告画面300には、モバイル端末70の端末コードと、当該モバイル端末70が店舗内の無線LANに接続されなくなり、モバイル端末70を所有するユーザが会計を終えていないことを通知するテキストデータとが表示される。また店員が第3警告画面300を確認したことを指示するための「確認」ボタン301の画像が表示される。なお、図21に表示されているテキストデータ及び画像の内容は一例である。
【0139】
第3警告画面300を確認した店員は、「確認」ボタン301にタッチする。そして店員は、ユーザを店舗で探す。例えばモバイル端末70のバッテリ切れが生じた、無線LANへの接続に何らかの不具合が発生した等の理由により、モバイル端末70が店舗内の無線LANに接続されなくなった場合には、不正行為には該当しない。したがって店員は、ユーザに対して対処方法等の案内を行う。問題が解消すれば、ユーザは、モバイル端末70を再び利用して買物を続けることが可能となる。例えばユーザが買物アプリを故意に終了して店舗から退店した等の理由により、モバイル端末70が店舗内の無線LANに接続されなくなった場合には、会計未完了のままユーザが店舗から退店したとして不正行為に該当する。この場合、店員は、不正行為リスト等に第3警告画面300に表示された端末コードを記録する。さらに当該不正行為を行ったユーザが再び店舗で入店操作を行った場合、モバイル端末70のタッチパネル74に履歴エラー画面が表示される。また店員端末50のタッチパネルに第1警告画面100が表示される。したがって店員は、当該ユーザから過去の不正行為を確認する等の対処を行うことができる。
【0140】
したがって、このような販売管理システム1であれば、モバイル端末70から仮想POSサーバ20に入店コマンドが送信されると、当該モバイル端末70の端末コードが取得される。その端末コードで識別される時系列バッファ231に、現在日時DTとステータスSTとして「入店」とが関連付けて記述される。モバイル端末70から仮想POSサーバ20に購買登録コマンドが送信されると、当該モバイル端末70の端末コードが取得される。その端末コードで識別される時系列バッファ231に、現在日時DTとステータスSTとして「登録中」とが関連付けて記述される。モバイル端末70から仮想POSサーバ20に会計実行コマンドが送信されると、当該モバイル端末70の端末コードが取得される。その端末コードで識別される時系列バッファ231に、現在日時DTとステータスSTとして「会計中」とが関連付けて記述される。会計機40から仮想POSサーバ20に処理済コマンドが送信されると、会計機40で会計処理が実行されたモバイル端末70の端末コードが取得される。その端末コードで識別される時系列バッファ231に、現在日時DTとステータスSTとして「会計完了」とが関連付けて記述される。モバイル端末70から仮想POSサーバ20に退店コマンドが送信されると、当該モバイル端末70の端末コードが取得される。その端末コードで識別される時系列バッファ231に、現在日時DTとステータスSTとして「退店」とが関連付けて記述される。また管理サーバ30は、接続管理テーブル321の通信接続状態として「未接続」が記述された端末コード、すなわち店舗内の無線LANに接続されている状態であったが接続されなくなった端末コードが存在することを確認すると、仮想POSサーバ20に未接続コマンドを送信する。仮想POSサーバ20で未接続コマンドが受信されると、当該モバイル端末70の端末コードが取得される。その端末コードで識別される時系列バッファ231に、ステータスSTとして「入店」、「登録中」の記述がされているが、「会計完了」の記述がされていない場合、又は、ステータスSTとして「入店」、「登録中」及び「会計中」の記述がされているが、「会計完了」の記述がされていない場合、現在の未会計を示すデータが記述されているとして、当該端末コードを含む第3通報コマンドが店員端末50に出力される。そして店員端末50には、第3警告画面300が表示される。第3警告画面300には、店舗内の無線LANに接続されなくなり、会計を終えていないモバイル端末70の端末コードが表示される。したがって店員は、会計未完了の購買商品をユーザが店舗から持ち出す行為に対して適切に対処できる。
【0141】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について図22乃至図33を用いて説明する。
【0142】
第2実施形態では、時系列バッファ231は、モバイル端末70の位置情報を記述するための領域をさらに有する点で第1実施形態と異なる。また第2実施形態では、第1警告画面100、第2警告画面200及び第3警告画面300には、店内地図と、モバイル端末70の位置を示すマークの画像と、その位置にモバイル端末70が存在した時刻を通知するテキストデータとがさらに表示される点で第1実施形態と異なる。なお、第2実施形態に係る各図面及び以下におけるその説明において、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付している。したがって当該同一の要素については説明を省略している場合がある。因みに、第1実施形態の説明で用いた図1乃至図4図6乃至図8図14及び図17は、第2実施形態でも共通であるので、ここでの説明は省略する。
【0143】
図22は、第2実施形態において、時系列バッファ231の一例を示す模式図である。図22に示すように、時系列バッファ231は、モバイル端末70を識別する端末コード別に、ステータスST及び位置情報LOを現在日時DTの早い順に記述するための領域を有したものである。位置情報LOは、モバイル端末70の現在位置を示す情報である。
【0144】
図23及び図24は、第2実施形態において、モバイル端末70のプロセッサ71が、制御プログラムに従って実行する要部制御手順を示す流れ図である。図25乃至図30は、第2実施形態において、仮想POSサーバ20のプロセッサ21が、制御プログラムに従って実行する要部制御手順を示す流れ図である。そして、図23図24図25図26図27図28図29及び図30は、第1実施形態で説明した図9図10図11図12図13図15図16及び図18にそれぞれ対応する。そこで、第1実施形態と同一の処理ステップについては、同一の符号を付いている。なお、以下に説明する動作の内容は一例である。同様な結果を得ることが可能であれば、その動作手順及び内容は特に限定されるものではない。
なお、第1実施形態と同様に、第2実施形態においても、管理サーバ30は、買物アプリを起動したモバイル端末70から端末コードを取得する。そして管理サーバ30は、接続管理テーブル321に当該モバイル端末の端末コードと、通信接続状態として「接続中」とを記述するものとする。
【0145】
第2実施形態において、図23のACT1乃至ACT3の処理は、第1実施形態と同様である。プロセッサ71は、ACT111として入店コマンドを仮想POSサーバ20に送信するように無線ユニット76を制御する。この制御により、無線ユニット76は、入店コマンドを無線送信する。入店コマンドは、アクセスポイント60で受信され、ネットワーク2を経由して仮想POSサーバ20へと送られる。入店コマンドには、端末コードと位置情報とが含まれる。位置情報は、GPSセンサ77によって測位された、入店コマンドの送信開始時点におけるモバイル端末70の位置である。
【0146】
仮想POSサーバ20のプロセッサ21は、通信インターフェース25を介してモバイル端末70から入店コマンドを受信すると、図25の流れ図に示す手順のコマンド受信処理を開始する。
【0147】
第2実施形態では、ACT34の処理の後にACT131及びACT132の処理を行う。
プロセッサ21は、ACT131として第4取得部214の機能により入店コマンドから位置情報LOを取得する。そしてプロセッサ21は、ACT132として、ACT32の処理で抽出された時系列バッファ231に、現在日時DTとステータスSTと位置情報LOとを関連付けて記述する。
【0148】
また第2実施形態では、ACT37の処理の後にACT133及びACT134の処理を行う。
プロセッサ21は、ACT133として、ACT132の処理で時系列バッファ231に記述された現在日時DT及び位置情報LOと、地図データベース331とを基に、店内地図を作成する。プロセッサ21は、例えば入店コマンドの送信開始時点におけるモバイル端末70の位置を示す店内地図を作成する。
【0149】
プロセッサ21は、ACT134として店員端末50に第1通報コマンドを送信するように通信インターフェース25を制御する。この制御により、通信インターフェース25を介して第1通報コマンドが送信される。第1通報コマンドは、ネットワーク2を介して店員端末50で受信される。第1通報コマンドには、ACT31の処理で取得された端末コードと、ACT133の処理で作成された店内地図の画像データとが含まれる。
【0150】
第1通報コマンドを受信した店員端末50は、タッチパネルに店内地図付きの第1警告画面100(図31を参照)を表示させる。
【0151】
図31は、店内地図付きの第1警告画面100の一例を示す模式図である。図19図31とを対比すればわかるように、第2実施形態では、第1警告画面100に店内地図と、モバイル端末70の位置を示すマークMの画像と、その位置にモバイル端末70が存在した時刻を通知するテキストデータとがさらに表示される。図31の場合は、マークMとして二重丸マークが表示される。マークMは、図形に限定されず、モバイル端末70の位置を識別できるものであればよい。なお、図31に表示されているテキストデータ及び画像の内容は一例である。
【0152】
店内地図付きの第1警告画面100を確認した店員は、「確認」ボタン101にタッチする。そして店員は、店内地図に表示されたマークMを基にユーザを探す。
【0153】
図23の説明に戻る。
ACT5乃至ACT10の処理は、第1実施形態と同様である。プロセッサ71は、ACT112として購買登録コマンドを仮想POSサーバ20に送信するように無線ユニット76を制御する。この制御により、無線ユニット76は、購買登録コマンドを無線送信する。購買登録コマンドは、アクセスポイント60で受信され、ネットワーク2を経由して仮想POSサーバ20へと送られる。購買登録コマンドには、端末コードと位置情報とが含まれる。位置情報は、GPSセンサ77によって測位された、購買登録コマンドの送信開始時点におけるモバイル端末70の位置である。
【0154】
仮想POSサーバ20のプロセッサ21は、通信インターフェース25を介してモバイル端末70から購買登録コマンドを受信すると、図26の流れ図に示す手順のコマンド受信処理を開始する。
【0155】
第2実施形態では、ACT45の処理の後にACT141及びACT142の処理を行う。
プロセッサ21は、ACT141として第4取得部214の機能により購買登録コマンドから位置情報LOを取得する。そしてプロセッサ21は、ACT142として、ACT42の処理で抽出された時系列バッファ231に、ステータスSTと現在日時DTと位置情報LOとを関連付けて記述する。
【0156】
また第2実施形態では、プロセッサ21は、ACT43でYESと判定すると、ACT143へと進む。
プロセッサ21は、ACT143としてステータスSTとして「登録中」が記述されている同一行の現在日時DTと位置情報LOとを、新たに取得した現在日時DTと位置情報LOとに更新する。そして、プロセッサ21は、ACT47へと進む。
【0157】
図23の説明に戻る。
ACT11、ACT13及びACT14の処理は、第1実施形態と同様である。プロセッサ71は、図24のACT121として会計実行コマンドを仮想POSサーバ20に送信するように無線ユニット76を制御する。この制御により、無線ユニット76は、会計実行コマンドを無線送信する。会計実行コマンドは、アクセスポイント60で受信され、ネットワーク2を介して仮想POSサーバ20へと送られる。会計実行コマンドには、内蔵メモリ72にて記憶した端末コードと、位置情報とが含まれる。位置情報は、GPSセンサ77によって測位された、会計実行コマンドの送信開始時点におけるモバイル端末70の位置である。
【0158】
仮想POSサーバ20のプロセッサ21は、通信インターフェース25を介してモバイル端末70から会計実行コマンドを受信すると、図27の流れ図に示す手順のコマンド受信処理を開始する。
【0159】
第2実施形態では、ACT54の処理の後にACT151及びACT152の処理を行う。
プロセッサ21は、ACT151として第4取得部214の機能により会計実行コマンドから位置情報LOを取得する。そしてプロセッサ21は、ACT152として、ACT52の処理で抽出された時系列バッファ231に、現在日時DTとステータスSTと位置情報LOとを関連付けて記述する。
【0160】
図24の説明に戻る。
ACT22及びACT23の処理は、第1実施形態と同様である。また仮想POSサーバ20のプロセッサ21は、通信インターフェース25を介して会計機40から処理済コマンドを受信すると、図28の流れ図に示す手順のコマンド受信処理を開始する。
【0161】
第2実施形態では、ACT74の処理の後にACT161及びACT162の処理を行う。
プロセッサ21は、ACT161として第4取得部214の機能により位置情報LOを取得する。具体的には、プロセッサ21は、時系列バッファ231に、ACT74の処理で取得された現在日時DTと同日であって、その現在日時DTよりも前の時刻にステータスSTとして「会計中」が記述されていることを検出する。そしてプロセッサ21は、その「会計中」が記述されている同一行の位置情報LOを取得する。第2実施形態では、ステータスSTとして「会計中」が記述された時点と、ステータスSTとして「会計完了」が記述された時点とのモバイル端末70の位置情報は同じであるものとする。そしてプロセッサ21は、ACT162として、ACT72の処理で抽出された時系列バッファ231に、現在日時DTとステータスSTと位置情報LOとを関連付けて記述する。
【0162】
図24の説明に戻る。
ACT24乃至ACT27の処理は、第1実施形態と同様である。プロセッサ71は、ACT122として退店コマンドを仮想POSサーバ20に送信するように無線ユニット76を制御する。この制御により、無線ユニット76は、退店コマンドを無線送信する。退店コマンドは、アクセスポイント60で受信され、ネットワーク2を介して仮想POSサーバ20へと送られる。退店コマンドには、端末コードと位置情報とが含まれる。位置情報は、GPSセンサ77によって測位された、退店コマンドの送信開始時点におけるモバイル端末70の位置である。
【0163】
仮想POSサーバ20のプロセッサ21は、通信インターフェース25を介してモバイル端末70から退店コマンドを受信すると、図29の流れ図に示す手順のコマンド受信処理を開始する。
【0164】
第2実施形態では、ACT84の処理の後にACT171及びACT172の処理を行う。
プロセッサ21は、ACT171として第4取得部214の機能により退店コマンドから位置情報LOを取得する。そしてプロセッサ21は、ACT172として、ACT82の処理で抽出された時系列バッファ231に、現在日時DTとステータスSTと位置情報LOとを関連付けて記述する。
【0165】
また第2実施形態では、ACT87の処理の後にACT173及びACT174の処理を行う。
プロセッサ21は、ACT173として、ACT172の処理で時系列バッファ231に記述された現在日時DT及び位置情報LOと、地図データベース331とを基に、店内地図を作成する。プロセッサ21は、例えば退店コマンドの送信開始時点におけるモバイル端末70の位置を示す店内地図を作成する。
【0166】
プロセッサ21は、ACT174として店員端末50に第2通報コマンドを送信するように通信インターフェース25を制御する。この制御により、通信インターフェース25を介して第2通報コマンドが送信される。第2通報コマンドは、ネットワーク2を介して店員端末50で受信される。第2通報コマンドには、ACT81の処理で取得された端末コードと、ACT173の処理で作成された店内地図の画像データとが含まれる。
【0167】
第2通報コマンドを受信した店員端末50は、タッチパネルに店内地図付きの第2警告画面200(図32を参照)を表示させる。
【0168】
図32は、店内地図付きの第2警告画面200の一例を示す模式図である。図20図32とを対比すればわかるように、第2実施形態では、第2警告画面200に店内地図と、モバイル端末70の位置を示すマークMの画像と、その位置にモバイル端末70が存在した時刻を通知するテキストデータとがさらに表示される。なお、図32に表示されているテキストデータ及び画像の内容は一例である。
【0169】
ところで、第1実施形態と同様に、第2実施形態においても、仮想POSサーバ20のプロセッサ21は、第3取得部213の機能により通信インターフェース25を介して管理サーバ30から未接続コマンドを受信すると、プロセッサ21は、図30の流れ図に示す手順のコマンド受信処理を開始する。
【0170】
ACT101乃至ACT103の処理は、第1実施形態と同様である。プロセッサ21は、ACT181として時系列バッファ231の最終行に記述された現在日時DT及び位置情報LOと、地図データベース331とを基に、店内地図を作成する。プロセッサ21は、例えば接続管理テーブル321に通信接続状態として「未接続」が記述された端末コードで識別される時系列バッファ231のステータスSTが最後に記述された時点におけるモバイル端末70の位置を示す店内地図を作成する。
【0171】
プロセッサ21は、ACT182として出力部215の機能により店員端末50に第3通報コマンドを送信するように通信インターフェース25を制御する。この制御により、通信インターフェース25を介して第3通報コマンドが送信される。第3通報コマンドは、ネットワーク2を介して店員端末50で受信される。第3通報コマンドには、ACT101の処理で取得された時系列バッファ231の端末コードと、ACT181の処理で作成された店内地図の画像データとが含まれる。
【0172】
第3通報コマンドを受信した店員端末50は、タッチパネルに店内地図付きの第3警告画面300(図33を参照)を表示させる。
【0173】
図33は、店内地図付きの第3警告画面300の一例を示す模式図である。図21図33とを対比すればわかるように、第2実施形態では、第3警告画面300に店内地図と、モバイル端末70の位置を示すマークMの画像と、その位置にモバイル端末70が存在した時刻を通知するテキストデータとがさらに表示される。なお、図33に表示されているテキストデータ及び画像の内容は一例である。
【0174】
このように第2実施形態においては、ステータスSTとして「入店」、「登録中」、「会計中」、「会計完了」及び「退店」が取得された時点におけるモバイル端末70の位置情報LOが取得される。さらに、管理サーバ30から仮想POSサーバ20に未接続コマンドが受信されると、店舗内の無線LANに接続されなくなったモバイル端末70の端末コードが取得される。その端末コードで識別される時系列バッファ231に、現在の未会計を示すデータが記述されている場合には、当該端末コードと、店内地図の画像データとを含む第3通報コマンドが店員端末50に出力される。そして店員端末50には、店内地図付きの第3警告画面300が表示される。店内地図には、店舗内の無線LANに接続されなくなったモバイル端末70のステータスSTが最後に記述された時点におけるモバイル端末70の位置が表示される。したがって店員は、店内地図に表示されたモバイル端末70の位置を基に、当該モバイル端末70を所有するユーザを効率良く探すことができる。
【0175】
以上、第1実施形態及び第2実施形態について説明したが、かかる実施形態はこれに限定されるものではない。
【0176】
前記実施形態では、入店用データコード及び退店用データコードは、所定の二次元コード体系でコード化したものであることを例示した。例えば入店用データコード及び退店用データコードは、媒体に含める情報量によっては、一次元コード体系でもよい。
【0177】
前記実施形態では、ユーザがカメラ75で店舗の入口に用意された入店用データコードを読み取ると、入店操作が行われたとして、ステータスSTは「入店」となることを例示した。またユーザがカメラ75で店舗の出口に用意された退店用データコードを読み取ると、退店操作が行われたとして、ステータスSTは「退店」となることを例示した。入店用データコード又は退店用データコードを読み取らずに店舗から入店又は退店した場合も、ステータスSTを「入店」又は「退店」としてもよい。例えば店舗の出入口にゲート装置がある。ゲート装置は、客がゲート装置を通過したことを検出する通過センサと、モバイル端末70の端末コードを読み取るリーダとを含む。例えば客は、入店方向にゲート装置を通過する。その客が所有するモバイル端末70の端末コードがリーダで読み取られると、入店操作が行われたとして、ステータスSTを「入店」としてもよい。また例えば客は、退店方向にゲート装置を通過する。その客が所有するモバイル端末70の端末コードがリーダで読み取られると、退店操作が行われたとして、ステータスSTを「退店」としてもよい。
【0178】
前記実施形態では、モバイル端末70のタッチパネル74に履歴エラー画面と未会計画面とが表示されることを例示した。例えば履歴エラーである旨と未会計である旨との音声メッセージを出力してもよい。また前記第1実施形態では、店員端末50のタッチパネルに第1警告画面100、第2警告画面200及び第3警告画面300が表示されることを例示した。前記第2実施形態では、店員端末50のタッチパネルに店内地図付きの、第1警告画面100、第2警告画面200及び第3警告画面300が表示されることを例示した。例えば音声メッセージで警告を発するようにしてもよい。
【0179】
前記実施形態では、管理サーバ30は、ネットワーク2に接続されていることを例示した。例えば管理サーバ30は、クラウドコンピューティングとしてインターネット上に設けられていてもよい。
【0180】
前記実施形態では、管理サーバ30は、補助記憶デバイス33の記憶領域の一部に、地図データベース331を形成していることを例示した。地図データベース331は、管理サーバ30が有していなくてもよい。例えば管理サーバ30とデータ通信可能なインターネット上の地図検索サービスを利用してもよい。
【0181】
前記実施形態では、仮想POSサーバ20を販売管理装置の一態様として説明した。例えば店舗サーバ10または管理サーバ30のうち少なくとも1つのサーバとしての機能をさらに備えた仮想POSサーバ20を販売管理装置としてもよい。換言すれば、仮想POSサーバ20としての機能を備えた店舗サーバ10または管理サーバ30を販売管理装置としてもよい。
【0182】
この他、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態及びその変形は、発明の範囲に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0183】
1…販売管理システム、2…ネットワーク、10…店舗サーバ、20…仮想POSサーバ、21、31、71、411…プロセッサ、22、32、412…メインメモリ、23、33、413…補助記憶デバイス、24、414…時計、25、34、416…通信インターフェース、26、35、78、421…システム伝送路、30…管理サーバ、40…会計機、50…店員端末、60…アクセスポイント、70…モバイル端末、72…内蔵メモリ、73…外部メモリ、74、417…タッチパネル、75…カメラ、76…無線ユニット、77…GPSセンサ、221…購買登録リスト、231…時系列バッファ、321…接続管理テーブル、331…地図データベース、415…釣銭機インターフェース、418…スキャナ、419…リーダ、420…プリンタ、2211…購買商品データ、211…第1取得部、212…第2取得部、213…第3取得部、214…第4取得部、215…出力部。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33