(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-20
(45)【発行日】2024-10-01
(54)【発明の名称】カートリッジ製品及びカバー部材
(51)【国際特許分類】
G02C 11/00 20060101AFI20240924BHJP
A61M 11/00 20060101ALI20240924BHJP
【FI】
G02C11/00
A61M11/00 K
(21)【出願番号】P 2021089751
(22)【出願日】2021-05-28
【審査請求日】2022-04-20
【審判番号】
【審判請求日】2023-12-25
(73)【特許権者】
【識別番号】506159699
【氏名又は名称】株式会社ジンズホールディングス
(73)【特許権者】
【識別番号】513077162
【氏名又は名称】株式会社坪田ラボ
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】金田 大輔
【合議体】
【審判長】神谷 健一
【審判官】廣田 健介
【審判官】橿本 英吾
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/221687(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第108681104(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第107080616(CN,A)
【文献】実開昭58-180531(JP,U)
【文献】実開昭59-43933(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02C1/00-13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カートリッジ製品であって、
原料を収容する原料収容部を構成し、前記原料を用いて霧状物を噴霧する噴霧素子
、前記噴霧素子を制御する制御回路基板
、及び前記噴霧素子と前記制御回路基板とを接続する配線を
前記カートリッジ製品の内部に収容する本体収容部と、
アイウエアのテンプル又はヨロイに着脱可能に接続される接続機構と、
前記本体収容部を覆い、弾性を有するカバー部を備え、
前記カバー部は、
前記霧状物を外部に通過させる第1開口部と、
前記本体収容部に対して前記カバー部を着脱可能にする第2開口部と、
前記接続機構を前記アイウエアに接続可能にする第3開口部と、
を有
し、
前記接続機構は、前記カートリッジ製品を、前記テンプルに接続される場合は前記ヨロイ側の前記テンプルの端部に配置させ、前記ヨロイに接続される場合は前記テンプル側の前記ヨロイの端部に配置させる、カートリッジ製品。
【請求項2】
前記カバー部は、
前記原料収容部の開口部に対応し、前記原料収容部の内部に向かう凸状の第1凸部と、
前記制御回路基板の収容エリアの開口部に対応し、前記収容エリアの内部に向う凸状の第2凸部と、を有する、請求項1に記載のカートリッジ製品。
【請求項3】
前記第2開口部と前記第3開口部とは同じ開口部である、請求項1又は2に記載のカートリッジ製品。
【請求項4】
前記カバー部は、
前記原料収容部に原料を補給可能にする第4開口部と、
前記原料収容部内の圧力を調整可能にする第5開口部と、をさらに有する、請求項1から3のいずれか一項に記載のカートリッジ製品。
【請求項5】
前記第4開口部と前記第5開口部とは同じ開口部である、請求項4に記載のカートリッジ製品。
【請求項6】
前記原料収容部の開口部と、前記制御回路基板の収容エリアの開口部とは、前記本体収容部の異なる面に設けられ、
前記カバー部の、前記原料収容部の前記開口部に対応する部位と、前記制御回路基板の前記開口部に対応する部位とは、前記カバー部の異なる面に設けられる、請求項1から5のいずれか一項に記載のカートリッジ製品。
【請求項7】
前記カバー部の前記原料収容部の開口部に対応する部位は、前記第2開口部が位置する面と対向する面に設けられる、請求項1から6のいずれか一項に記載のカートリッジ製品。
【請求項8】
原料を収容する原料収容部を構成し、前記原料を用いて霧状物を噴霧する噴霧素子、及び前記噴霧素子を制御する制御回路基板を収容する本体収容部と、アイウエアのテンプル又はヨロイに着脱可能に接続される接続機構と、を有するカートリッジ
用であり、弾性を有
し、多面を有する
立体的なカバー部材であって、
第1面に設けられる、前記霧状物を外部に噴霧させる
ための第1開口部と、
第2面に設けられる、前記本体収容部に対して前記カバー部
材を着脱
させるための第2開口部と、
第3面に設けられる、前記接続機構を前記アイウエアに接続
させるための第3開口部と、
を有する、カバー部材。
【請求項9】
第4面に設けられ、前記原料収容部を蓋するための前記カバー部材の内部に向
かう凸状の第1凸部と、
第5面に設けられ、前記制御回路基板が収容される空間を蓋するための前記カバー部材の内部に向かう凸状の第2凸部と、を有する請求項8に記載のカバー部材。
【請求項10】
前記第2開口部と前記第3開口部とは同じ開口部である、請求項8又は9に記載のカバー部材。
【請求項11】
前記
第4面に設けられる、前記原料収容部に原料を補給
させるための第4開口部と、
前記本体収容部に対して前記カバー部材を取り付けた状態で前記
第4面に接する前記カバー部材内部の空間内の圧力を調整可能にする第5開口部と、をさらに有する、請求項
9に記載のカバー部材。
【請求項12】
前記第4開口部と前記第5開口部とは同じ開口部である、請求項11に記載のカバー部材。
【請求項13】
前記第
4面と、前記
第5面とは、異なる面である、請求項
9又は
11に記載のカバー部材。
【請求項14】
前記第
4面は、前記第
2面と対向する面に設けられる、請求項
9、11から13のいずれか一項に記載のカバー部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カートリッジ製品及びカバー部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、霧状物を眼部に向けて噴霧する装置をアイウエアに取り付けて、目のケアを行う技術がある。例えば、微小液滴を射出する装置をアイウエアに取り付ける技術(例えば特許文献1参照)や、目薬液を霧化して噴射する装置をアイウエアに取り付ける技術(例えば特許文献2参照)、眼部に対し霧の噴流を発射する保健器(例えば特許文献3参照)などが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-510668号公報
【文献】実登第3055480号公報
【文献】実登第3104861号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術では、特別な噴霧装置をアイウエアに取り付けると、明らかに噴霧装置が外部から視認できるものであり、通常のアイウエアとして使用する際に、わずらわしさを感じ、装着感がよいとは言えなかった。また、霧状物を噴霧するための部品(例えば素子や回路基板)が故障した場合に、アイウエア自体を取り替えたり、取り付け可能な噴霧装置全体を取り替えたりしなければならなかった。
【0005】
そこで、本発明は、霧状物を噴霧する装置をアイウエアに取り付けても装着感を損なうことなく、霧状物を噴霧するための部品を容易に交換可能にするアイウエアに着脱可能なカートリッジを提供する場合、コストを削減しつつ、止水又は防水機能を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様におけるカートリッジ製品は、原料を収容する原料収容部を構成し、前記原料を用いて霧状物を噴霧する噴霧素子、及び前記噴霧素子を制御する制御回路基板を収容する本体収容部と、アイウエアのテンプル又はヨロイに着脱可能に接続される接続機構と、前記本体収容部を覆い、弾性を有するカバー部を備え、前記カバー部は、前記霧状物を外部に通過させる第1開口部と、前記本体収容部に対して前記カバー部を着脱可能にする第2開口部と、前記接続機構を前記アイウエアに接続可能にする第3開口部と、前記原料収容部に原料を注入可能にする第4開口部と、を有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、霧状物を噴霧する装置をアイウエアに取り付けても装着感を損なうことなく、霧状物を噴霧するための部品を容易に交換可能にするアイウエアに着脱可能なカートリッジを提供する場合、コストを削減しつつ、止水又は防水機能を高めることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1実施形態に係るメガネの前方からの一例を示す斜視図である。
【
図2】第1実施形態に係るカートリッジの一例を示す分解斜視図(その1)である。
【
図3】第1実施形態に係るカートリッジの一例を示す外観斜視図である。
【
図4】第1実施形態に係るカートリッジの一例を示す展開斜視図(その2)である。
【
図5】第1実施形態に係る原料収容部の底部の構造例を示すである。
【
図6】第1実施形態に係るカートリッジの取付例1(その1)を示す図である。
【
図7】第1実施形態に係るカートリッジの取付例1(その2)を示す図である。
【
図8】第1実施形態に係るカートリッジの取付例2を示す図である。
【
図9】第1実施形態に係るカートリッジの取付例3を示す図である。
【
図10】第1実施形態に係るカートリッジの取付例4を示す図である。
【
図11】第1実施形態に係るカートリッジの取付例5を示す図である。
【
図12】第1実施形態に係るカートリッジの取付例6を示す図である。
【
図13】第2実施形態に係る本体収容部の一例を示す図である。
【
図14】第2実施形態に係るカバー部材の一例を示す図である。
【
図15】第2実施形態に係るカートリッジ製品の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。ただし、以下に説明する実施形態は、あくまでも例示であり、以下に明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。即ち、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。また、以下の図面の記載において、同一または類似の部分には同一または類似の符号を付して表している。図面は模式的なものであり、必ずしも実際の寸法や比率等とは一致しない。図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることがある。
【0010】
[第1実施形態]
<アイウエア>
図1は、第1実施形態に係るメガネ100の前方からの一例を示す斜視図である。
図1に示すように、メガネ100は、アイウエアの一例であり、一対のレンズ110と、フレーム120とを備えている。なお、本実施の形態では、レンズ110を一対のものとして説明するが、必ずしも一対である必要はない。また、第1実施形態では、レンズ110をメガネ100の構成として説明するが、レンズ110自体は、必ずしもメガネ100に必要な構成ではない。
【0011】
フレーム120は、例えば、フロント140と、フロント140の左右側の両端に回転可能に連結されている一対のテンプル180と、一対のテンプル180の後方側に取り付けられている一対のモダン160とを備えている。また、フレーム120は、一対のレンズ110を保持するとともに、使用者の目および頭部に対してレンズ110およびフロント140を適切な姿勢に保持する。
【0012】
フロント140は、一対のレンズ110を支持する。テンプル180は、モダン160とともに使用者の側頭部を押圧して、この部位を挟持する。また、モダン160は、使用者の耳の上部および後方に接触して、メガネ100の落下を防止する。なお、モダン160は、必ずしもメガネ100に必要な構成ではない。
【0013】
以下の説明では、便宜上のために、
図1に示すフロント140の長手方向を「左右方向」とする。また、メガネ100が着用される際に、使用者から見た左側を「左側」(X2)とし、使用者から見た右側を「右側」(X1)とする。さらに、フロント140の短手方向を「上下方向」とし、頭の上方向を「上方」(Z1)とし、頭の下方向を「下方」(Z2)とする。また、フロント140の厚み方向を「前後方向」とし、フロント140側を「前方」(Y1)とし、モダン160側を「後方」(Y2)する。
【0014】
なお、本実施形態が適用されるメガネ100は、眉間部(ブリッジ)142を中心として左右対称に形成されている。このため、以下の説明では、左右対称の構成について左右を区別せず、図面の何れかの一方側にある構成にのみ符号を付して説明する。
【0015】
フロント140は、例えば、左右方向に沿って伸びる板状構成であり、使用者の顔面に沿うように前方に突出するように湾曲している。また、フロント140は、中央にある眉間部142と、眉間部142の裏面の左右両側に取り付けられている一対のノーズパッド144と、眉間部142の左右両端に形成されている一対のリム146と、一対のリム146の各端部に形成されている一対のヨロイ147と、一対のヨロイ147の裏面に取り付けられている一対の第1丁番部分(不図示)とを有している。
【0016】
眉間部142は、フロント140(メガネ100)の左部分および右部分を繋ぐ。また、眉間部142は、例えば、湾曲した板状部材であり、樹脂等によって形成されてもよい。
【0017】
ノーズパッド144は、使用者の鼻を両脇から挟むことでフロント140を支持し、このフロント140の使用者の目に対する高さ等を維持する。また、ノーズパッド144は、例えば、樹脂のパッド部および金属の支持部を有するクリングスタイプである。なお、パッド部および支持部の変形によって、フロント140が使用者の鼻および目に対する姿勢(例えば、角膜頂点間距離)を微調整することが可能になる。
【0018】
リム146は、レンズ110を保持する。また、リム146は、例えば、レンズ110の形状を沿うように形成されているリング状部材であり、樹脂等によって形成されている。
【0019】
ヨロイ147には、第1丁番部分(不図示)が形成されている。また、ヨロイ147は、例えば、湾曲した板状部材であり、樹脂等によって形成されている。
【0020】
第1丁番部分は、連結部の一例として機能し、テンプル180側に形成されている板状形状を有する第2丁番部分(不図示)と組み合わせることで、テンプル180をフロント140に対して回転可能に連結している。すなわち、第1丁番部分と第2丁番部分とは、丁番を構成している。
【0021】
テンプル180は、側頭部にフィットするように湾曲しているL字状の部材である。また、テンプル180は、フロント140と挟む角度が最も小さい折畳位置からこのフロント140と挟む角度が最も大きい開き位置までの範囲において回転可能に連結されている。
【0022】
また、ヨロイ147又はテンプル180に対し、着脱可能なカートリッジ200が取り付けられ、又は接続されている。第1実施形態では、カートリッジ200は、テンプル180の長手方向に沿って装着される例を示すが、この例に限られない。また、カートリッジ200は、霧状物の原料を収容する原料収容部、原料を用いて霧状物を噴霧する噴霧素子、及び噴霧素子を制御する制御回路基板を有する。
【0023】
<カートリッジ>
図2~4を用いて、カートリッジ200の一例について説明する。
図2は、第1実施形態に係るカートリッジ200の一例を示す分解斜視図(その1)である。
図2に示す例では、霧状物を噴霧するための部品が収容されるエリア側の上方からの分解斜視図を示す。カートリッジ200は、本体収容部220と、噴霧部品カバー部(又は本体蓋部)210と、原料蓋部222とを有する。カートリッジ200は例えば樹脂などにより形成されてもよい。また、原料蓋部222は、弾性を有するシリコン、ゴムなどにより形成されてもよい。
図2~4に示すカートリッジ200は、例えば、右側(X1)のテンプル180に装着する例を示し、眼側に噴霧するタイプを示す。
【0024】
図2に示す例では、本体収容部220内の原料収容部の開口に原料蓋部222が嵌め込まれ、噴霧素子300及び制御回路基板400の噴霧部品側の面に噴霧部品カバー部210が取り付けられ、カバーされる。また、本体収容部220に、原料蓋部222、噴霧部品カバー部210が取り付けられた状態の場合、これらを一体的に本体収容部と称してもよい。また、本体収容部220は、後述するように、アイウエアのテンプル180又はヨロイ147に着脱可能に接続される接続機構を有する。
【0025】
噴霧部品カバー部210は、噴霧素子300の配置位置に対応する位置に1つの開口202を有する。この開口202を通じて、噴霧素子300により噴霧された霧状物が外部に放出される。原料蓋部222には、2つの開口204があり、1つが原料の補給口(例えば注入口)の機能を有し、他方が原料収容部内の圧力を調整する通気口の機能を有する。なお、原料蓋部222には、1つの開口のみがあり、この1つの開口が補給口と通気口との機能を果たしてもよい。
【0026】
カートリッジ200は、幅方向、高さ方法、奥行き方向を有し、多面体形状(例、六面体形状)を有する。例えば、カートリッジ200は、略直方体のような形状である。また、カートリッジ200は、その幅方向が長手方向となる本体収容部220を含む。例えば、テンプル180の展開時(装着時)において、カートリッジ200の幅方向は、テンプル180の長手方向に沿い、奥行き方向は、フロント140の左右方向に沿い、高さ方向は、顔の上下方向に沿う。
図2に示す本体収容部220の形状は一例であって、略直方体形状でなくてもよく、幅方向及び高さ方向による平面視が台形形状などでもよく、アイウエア100本体に取り付けられる位置に応じて適宜形状を決めればよい。
【0027】
本体収容部220は、例えば、原料収容部が構成される第1収容エリア230と、噴霧素子300が収容される第2収容エリア240とを含む。この第1収容エリア230と第2収容エリア240とは、奥行き方向に並んで配置されてもよい。例えば、薄型の平面状の噴霧素子300に並列して原料収容部を配置することで、原料収容部から噴霧素子300に原料を供給する供給路を短くし、原料を噴霧素子に供給しやすくする。また、噴霧素子300の薄型平面形状を利用して噴霧素子300の平面に沿って並列に原料収容部を配置することで、原料収容部の容量を確保しつつカートリッジ200の小型化に寄与することが可能になる。また、噴霧素子300を原料収容部に並列に配置することにより、噴霧素子300の平面を広く確保することができ、例えば一度の噴霧量を増やすことなどが可能になる。
【0028】
また、本体収容部220は、噴霧素子300を制御する制御回路基板400が収容される第3収容エリア250を含み、第1収容エリア230又は第2収容エリア240と、第3収容エリア250とが、カートリッジ200の長手方向の幅方向に並んで配置されてもよい。例えば、第3収容エリア250は、第1収容エリア230又は第2収容エリア240よりもテンプル180のモダン160側(Y2)に配置されてもよい。これにより、噴霧素子300を収容する第2収容エリア240がより眼に近い位置に配置されることで、霧状物が眼周辺に噴霧されやすくすることが可能である。
【0029】
また、第2収容エリア240及び第3収容エリア250の開口部が、本体収容部220の同じ面にあり、噴霧素子300と制御回路基板400とを収容する方向を同じにすることで、噴霧素子300と電気的に接続された制御回路基板400とを同じ方向から収納しやすくすることができる。例えば、第2収容エリア240と第3収容エリア250との間には、噴霧素子と制御回路基板とを接続するワイヤ350が通る溝252が設けられる。溝252は、ワイヤ350が通るほどのスペースが確保されていればよく、このスペースが狭いほど、噴霧素子300側からの霧状物が第3収容エリア250に通過しにくくなり、制御回路基板400への防水機能を高めることができる。
【0030】
また、第1収容エリア230の開口部と、第3収容エリア250の開口部とが、異なる面に設けられるとよい。例えば原料が液体である場合、原料収容部への原料の補給方向と、制御回路基板400の収容方向とが異なる面にあることで、原料収容部内の原料が制御回路基板400へ侵入することを困難にし、制御回路基板400への防水機能を高めることができる。
【0031】
また、噴霧部品カバー部210は、取り付け時に本体収容部220の開口260(
図3参照)を形成する壁212を有する。例えば、壁212は、噴霧部品カバー部210側から突出するようにU字形状をしてもよい。開口260は、本体収容部220からテンプル180又はヨロイ147への凸形状の接続機構が突出されてもよいし、テンプル180又はヨロイ147に設けられる凸形状の接続機構を受け入れる凹部が形成されてもよい。
【0032】
また、噴霧部品カバー部210は、4つの角部にそれぞれ凸部214(
図4参照)を有し、それぞれ対応する本体収容部220の凹部224(
図2参照)に圧入されることで、噴霧部品カバー部210が本体収容部220に固定される(
図3参照)。凸部214は、例えばボスなどを含む。また、凸部214は、それぞれ長さや形状が異なるものでもよく、また、第3収容エリア250側の凸部214と凹部224は、ビス止めの構造に代替されてもよい。
【0033】
図3は、第1実施形態に係るカートリッジ200の一例を示す外観斜視図である。カートリッジ200には、霧状物を外部に通過させる開口部202と、原料収容部に対する原料の補給口や通気口となる開口部204と、テンプル180やヨロイ147との接続機構を形成する開口部260とが形成される。開口部260からは、電源供給にも適用可能な接続端子(例、USBコネクタ)が突出されてもよい。
【0034】
図4は、第1実施形態に係るカートリッジ200の一例を示す展開斜視図(その2)である。
図4に示す例では、
図2と異なり、原料収容部の第1収容エリア230側の上方からの分解斜視図を示す。
図4に示す例では、噴霧部品カバー部210の裏側の角部に、凸部214がそれぞれ形成される。また、開口260を形成する壁212から内側に向けて延伸するように1又は複数のリブ216が設けられてもよい。例えば、このリブ216により、開口260から突出される接続端子が押さえつけられ、接続端子が安定的に位置決めされるようにしてもよい。
【0035】
<噴霧素子>
噴霧素子300は、第1収容エリア230の原料収容部に収容された原料を霧状物にして噴霧する素子である。霧状物は、例えばモイスチャーミストであり、少なくとも微小液体を含む。噴霧素子300としては、原料を振動させて少なくとも微小液体を発生させることができる超音波発振素子、気流を利用した減圧状態を発生させて液体を霧状の微小液体にすることができる霧吹き素子、等のいずれかである。
【0036】
上述の噴霧素子300は、原料が固体であるか液体であるかを問わず、その原料を微小液体又は微小固体として霧状に噴霧できればよい。また、芳香剤などの香り成分を含む霧状物は、眼の方向とは逆方向(外側)に噴霧されてもよい(例えば
図9参照)。
【0037】
噴霧素子300の構造や形態は特に限定されないが、薄型の平面形状のものが好ましい。また、噴霧素子300は、その装着箇所に応じた大きさと形状にすることが望ましい。
【0038】
例えば、超音波発振素子は、原料(例えば液体原料)を超音波霧化分離することにより数μm程度(例えば1μm~10μm程度)の微小液体を生じさせることができる各種の超音波発振素子を適用可能である。
【0039】
例えば、霧吹き素子は、空気等の気流を利用し、液体の供給路を減圧状態として、その減圧状態によって気流路から霧状の微小液体を噴霧する構造原理を利用したものである。噴霧素子300は、こうした霧吹き素子を備えるものでもよい。また、噴霧素子300は、超音波発振素子と霧吹き素子とを複合させたものでもよい。
【0040】
<原料収容部>
第1収容エリア230の原料収容部は、噴霧素子300で霧状物にするための原料を収容する部分である。原料収容部は、原料を噴霧素子300に供給できる機能を有するように構成されていれば、その構造や形状は特に限定されない。
図2~4に示す例では、カートリッジ200内に原料収容部が設けられる。
【0041】
原料収容部には、液体や固体がそのまま入っていてもよいし、液体を染みこませたスポンジやフェルト等の吸液材又は保液材が入っていてもよい。原料収容部には、原料を補給(注入)する補給口(注入口)を有するように構成してもよいし、原料を交換可能な開口部を有するように構成してもよい。また、原料収容部の底部には、噴霧素子300に原料を供給する供給口を有するように構成してもよい。
【0042】
図5は、第1実施形態に係る原料収容部の底部の構造例を示す図である。
図5に示す例では、カートリッジ200内部の原料収容部と、噴霧素子300への供給口232との位置関係を点線で示す。また、
図5に示す例では、噴霧素子300への供給口232が最深部となるように、第1収容エリア230の原料収容部の底部に傾斜が設けられるとよい。第1収容エリア230には、噴霧素子300に原料を共有する供給口232が設けられ、この供給口232に向かって原料が流れるように、第1収容エリア230の底面には傾斜が設けられる。これにより、原料が液体である場合、原料収容部内に原料が残らないようにすることができる。
【0043】
原料は、液体原料であっても固体原料であってもそれらの混合物であってもよい。原料は、噴霧素子300によって微小液体又は微小固体として噴霧するものであればよい。一般的には液体を用いることが好ましい。液体原料以外では、眼に到達するまでの間又は外部に噴霧される間に微小液体になるものが好ましく、例えば、噴霧素子300で微小固体を噴霧したり、又は、微小液体と微小固体との混合物を噴霧したりしてもよい。
【0044】
<カートリッジの取付例>
次に、カートリッジ200をアイウエア100に取り付ける例について説明する。以下に示す取付例はあくまでも一例であって、様々な取付構造が第1実施形態には適用可能である。
【0045】
例えば、カートリッジ200は、テンプル180の長手方向に沿って接続され、テンプル180をフロント140に対して折り畳む場合に着脱可能であり、テンプル180をフロント140に対して展開する場合には着脱不可能とするような構造を有してもよい。この構成により、カートリッジ200は、アイウエア100の装着時(展開時)には着脱不可能であるため、装着時にカートリッジ200が抜け落ちたりすることを防止することが可能になる。他方、アイウエア100の未装着時(折り畳み時)にカートリッジ200を着脱でき、カートリッジ200の交換等が可能になる。すなわち、上述の構成を採用することで、アイウエア100の通常の装着、使用動作中に、カートリッジ200が不意に脱落することを防止することができ、またアイウエア100をしまう動作(テンプル180をたたむ動作)にあわせてカートリッジ200の取り外しができるので、ユーザビリティの向上を図ることができる。
【0046】
具体例として、カートリッジ200の着脱方向に対し、テンプル180の展開時に、テンプル180と、フロント140又はヨロイ147とによりカートリッジ200が挟み込まれることにより、カートリッジ200が着脱不可となるような構造を有してもよい。この構造の例として、以下の4つが挙げられる。
【0047】
(例1)カートリッジ200のテンプル180側に凸部(例、接続端子)
カートリッジ200が、テンプル180の長手方向に沿って着脱される場合、カートリッジ200は、着脱方向のテンプル180側に凸部を有してもよい。この凸部は、テンプル180の凹部に嵌め込まれて取り付けられ、固定される。また、テンプル180の展開時における、カートリッジ200のヨロイ147側の端部から、この端部に対向する位置にあるヨロイ147までの距離よりも、カートリッジ200の凸部の着脱方向の長さが長い。例えば、カートリッジ200が取り付けられた状態でテンプル180が展開されると、ヨロイ147とカートリッジ200との間に設けられる隙間の着脱方向の長さは、カートリッジ200の凸部の着脱方向の長さよりも短い(例えば
図6参照)。
【0048】
これにより、アイウエア100の装着時(テンプル180の展開時)に、カートリッジ200を着脱方向に着脱しようとすれば、カートリッジ200がヨロイ147に接触し、カートリッジ200の凸部が、テンプル180の凹部から完全に抜けきれない。よって、アイウエア100の装着時(テンプル180の展開時)に、カートリッジ200はテンプル180から着脱できない。
【0049】
(例2)カートリッジのヨロイ側に凸部
カートリッジ200が、テンプル180の長手方向に沿って着脱される場合、カートリッジ200は、着脱方向のヨロイ147側に凸部を有してもよい。この凸部は、ヨロイ147の凹部に嵌め込まれて取り付けられ、固定される。また、テンプル180の展開時における、カートリッジ200のテンプル180側の端部から、この端部に対向する位置にあるテンプル180までの距離よりも、凸部の着脱方向の長さが長い。例えば、カートリッジ200が取り付けられた状態でテンプル180が展開されると、テンプル180とカートリッジ200との間に設けられる隙間の着脱方向の長さは、カートリッジ200の凸部の着脱方向の長さよりも短い(例えば
図8参照)。
【0050】
これにより、アイウエア100の装着時(テンプル180の展開時)に、カートリッジ200を着脱方向に着脱しようとすれば、カートリッジ200がテンプル180に接触し、カートリッジ200の凸部が、ヨロイ147の凹部から完全に抜けきれない。よって、アイウエア100の装着時(テンプル180の展開時)に、カートリッジ200はヨロイ147から着脱できない。
【0051】
(例3)テンプル180に凸部
カートリッジ200が、テンプル180の長手方向に沿って着脱される場合、カートリッジ200は、着脱方向のテンプル180側に凹部を有してもよい。この凹部は、テンプル180の凸部に嵌め込まれて取り付けられ、固定される。また、テンプル180の展開時における、カートリッジ200のヨロイ147側の端部から、この端部に対向する位置にあるヨロイ147までの距離よりも、この凸部の着脱方向の長さが長い。例えば、カートリッジ200が取り付けられた状態でテンプル180が展開されると、ヨロイ147とカートリッジ200との間に設けられる隙間の着脱方向の長さは、テンプル180の凸部の着脱方向の長さよりも短い。
【0052】
これにより、アイウエア100の装着時(テンプル180の展開時)に、カートリッジ200を着脱方向に着脱しようとすれば、カートリッジ200がヨロイ147に接触し、テンプル180の凸部が、カートリッジ200の凹部から完全に抜けきれない。よって、アイウエア100の装着時(テンプル180の展開時)に、カートリッジ200はテンプル180から着脱できない。
【0053】
(例4)ヨロイ147に凸部
カートリッジ200が、テンプル180の長手方向に沿って着脱される場合、カートリッジ200は、着脱方向のヨロイ147側に凹部を有してもよい。この凹部は、ヨロイ147の凸部に嵌め込まれて取り付けられ、固定される。また、テンプル180の展開時における、カートリッジ200のテンプル180側の端部から、この端部に対向する位置にあるテンプル180までの距離よりも、この凸部の着脱方向の長さが長い。例えば、カートリッジ200が取り付けられた状態でテンプル180が展開されると、テンプル180とカートリッジ200との間に設けられる隙間の着脱方向の長さは、ヨロイ147の凸部の着脱方向の長さよりも短い。
【0054】
これにより、アイウエア100の装着時(テンプル180の展開時)に、カートリッジ200を着脱方向に着脱しようとすれば、カートリッジ200がテンプル180に接触し、ヨロイ147の凸部が、カートリッジ200の凹部から完全に抜けきれない。よって、アイウエア100の装着時(テンプル180の展開時)に、カートリッジ200はヨロイ147から着脱できない。
【0055】
カートリッジ200は、カートリッジ200以外のアイウエア100の一部に設けられる電源に接続される端子を含んでもよい。この端子は、テンプル180をフロント140に対して折り畳むときに、電源と電気的に非接続になり、テンプル180をフロント140に対して展開するときに、電源と電気的に接続されてもよい。これにより、アイウエアの未装着時にカートリッジ200の制御回路基板へ通電されずに、不必要な霧状物の噴霧を防止するとともに、省電力にも貢献することができる。
【0056】
例えば、ヨロイ147部分にアイウエア100内の電源に接続される端子を有し、この端子が、テンプル180の展開時にカートリッジ200の端子と接触され、テンプル180の折り畳み時にカートリッジ200の端子と非接触となるような位置に設けられてもよい。
【0057】
また、電源は、充電式のバッテリが好適であり、例えばモダン160部分などに配置されてもよい。この場合、テンプル180内に、電源と端子とを接続するケーブルが設けられる。また、電源は、別体の充電用コネクタに接続される端子と、カートリッジ200内の制御回路基板に接続される端子とに接続されてもよい。なお、充電用コネクタに接続される端子とカートリッジ200に接続される端子とは共通の端子でもよい。また、カートリッジ200側に電源(充電式のバッテリ)が設けられてもよい。この場合、カートリッジ200側の端子が充電用の端子を兼ね備えてもよい。
【0058】
また、制御回路基板への通電の可否を決める機構は、ヨロイ147とテンプル180との接続位置(例えばヒンジが設けられる周辺位置)に設けられてもよい。例えば、ヨロイ147とテンプル180との間にスイッチ機構を設ける。この場合、テンプル180を展開して、テンプル180の端部がヨロイ147に接触する際にスイッチをONにすることで、カートリッジ200内の制御回路基板への通電が行われるように構成するとよい。また、テンプル180を折り畳み、テンプル180の端部がヨロイ147から離れる際にスイッチがOFFになることで、カートリッジ200内の制御回路基板への通電が行われなくなるように構成するとよい。
【0059】
また、カートリッジ200内に電源を有する場合は、アイウエア100の本体側には接続端子は不要である。この場合、アイウエア100の本体側に、上述したスイッチ機構が設けられてもよい。
【0060】
以下、図面を用いてカートリッジ200の取付例について説明する。
図6~7は、上述した例1(カートリッジ200のテンプル180側に凸部)の一例を示す。
図8は、上述した例2(カートリッジ200のヨロイ147側に凸部)の一例を示す。
図9は、眼とは逆側の外側に噴霧する例を示す。
図10は、上述した例1の別例を示す。また、
図11、
図12に示すそれぞれの例は、上述した例1~4とは異なる例を示す。
【0061】
図6は、第1実施形態に係るカートリッジ200の取付例1(その1)を示す図である。
図6に示す例では、左側のテンプル180について、X2からX1方向を見た時の図である。
図6に示すように、カートリッジ200は、テンプル180に接続される。さらに、上述した例1のとおり、テンプル180の展開時において、カートリッジ200のヨロイ147側の端部の少なくとも一部は、ヨロイ147の少なくとも一部とわずかな隙間を介して対向している。よって、カートリッジ200は、その着脱方向に移動できないように規制されている。
【0062】
すなわち、カートリッジ200は、テンプル180の展開時において、ヨロイ147の一部と、テンプル180とに挟み込まれることで着脱不可となる。他方、テンプル180の折り畳み時に、カートリッジ200において、テンプル180とは逆側の端部は、対向する位置にヨロイ147は存在せず、カートリッジ200の着脱方向への移動が規制されないため、着脱が可能となる。
【0063】
図7は、第1実施形態に係るカートリッジ200の取付例1(その2)を示す図である。
図7に示す例では、左側のテンプル180について、X1からX2方向を見た時の図である。
図7に示すように、カートリッジ200の内側(X1側)には、霧状物を外部に通過させる開口部202が設けられる。これにより、原料収容部から供給される原料が噴霧素子300により霧状物にされ、この霧状物が開口部202から噴霧され、霧状物がユーザの眼に到達することが可能になる。
【0064】
なお、カートリッジ200の外側(X2側)に開口部202が設けられ、霧状物が眼とは逆側の外側に噴霧されるようにしてもよい。例えば、香り成分を含む原料の場合、この原料を霧状物にしてアイウエア100の外部に向けて噴霧させることで、アイウエア100の周辺を良い香りにすることが可能になる(例えば
図9参照)。
【0065】
図8は、第1実施形態に係るカートリッジ200の取付例2を示す図である。
図8に示す例では、左側のヨロイ147及びテンプル180について、X2からX1方向を見た時の図である。
図8に示すように、カートリッジ200の凸部206は、ヨロイ147側の凹部に接続して取り付けられる。さらに、上述した例2のとおり、テンプル180の展開時において、カートリッジ200のテンプル180側の端部の少なくとも一部は、テンプル180の少なくとも一部とわずかな隙間を介して対向している。よって、カートリッジ200は、その着脱方向に移動できないように規制されている。
【0066】
すなわち、カートリッジ200は、テンプル180の展開時において、ヨロイ147の一部と、テンプル180とに挟み込まれることで着脱不可となる。他方、テンプル180の折り畳み時に、カートリッジ200において、ヨロイ147とは逆側の端部は、対向する位置にテンプル180は存在せず、カートリッジ200の着脱方向への移動が規制されないため、着脱が可能となる。
【0067】
図9は、第1実施形態に係るカートリッジ200の取付例3を示す図である。
図9に示す例では、左側のテンプル180について、X2からX1方向及びZ2からZ1方向を見た時の図である。
図9に示すように、カートリッジ200の凸部206は、丁番の下方でアイウエア100のテンプル180の凹部182に取り付けられる。また、
図9に示す例では、カートリッジ200の開口202がアイウエア100の外側に位置するように、カートリッジ200がテンプル180に取り付けられる。この場合、霧状物は開口202を通過して外部に向かって噴霧されるため、例えばリラックス効果等のある香りを含む原料を原料収容部に補給することで、装着者はリラックス効果等のある香りを楽しむことが可能になる。なお、カートリッジ200は、
図6~9に示す例とは異なり、丁番の上方でアイウエア100の本体に取り付けられてもよい。
【0068】
図10は、第1実施形態に係るカートリッジ200の取付例4を示す図である。
図10に示す例では、カートリッジ200は、テンプル180及びヨロイ147のZ方向の長さ以内の長さを有する。また、テンプル180及びヨロイ147において、X方向に貫通する空間が形成され、この空間内にカートリッジ200が収納される。
【0069】
図10(A)は、第1実施形態に係るカートリッジ200の取付例4の上面視を示す図である。
図10(A)に示す例では、フロント部分にフード部149が設けられ、眼周辺の湿度が維持されるようになっている。ヒンジ部148は、ヨロイ147とテンプル180とを回動可能に取り付ける機構である。
図10(A)に示す例では、X方向において、ヒンジ部148の隣にカートリッジ200が設けられる。また、カートリッジ200の凸部206が、テンプル180の凹部に差し込まれてもよい。
【0070】
図10(B)は、第1実施形態に係るカートリッジ200の取付例4について、X2からX1方向を見た図を示す図である。
図10(B)に示す例では、上述したとおり、テンプル180及びヨロイ147において、X方向に貫通する空間が形成され、この空間内にカートリッジ200が収納される。
図10(B)に示す状態では、カートリッジ200は着脱できない。
【0071】
図10(C)は、第1実施形態に係るカートリッジ200の取付例4において、テンプル180を少し折り畳んだ状態を示す図である。
図10(C)に示す例では、カートリッジ200は、上面の補給口204からボトルBを用いて液体を補給することが可能である。また、カートリッジ200は、テンプル180に沿った方向の着脱方向に移動させることが可能であり、着脱可能となる。
【0072】
図11及び
図12に示す例は、カートリッジ200の着脱方向に移動規制がない構成を示す。
図11は、第1実施形態に係るカートリッジ200の取付例5を示す図である。
図11に示す例では、ヒンジ部148を含む丁番の下側でカートリッジ200が着脱される構造を示し、テンプル180にカートリッジ200の接続機構が設けられる。また、
図11に示す例では、カートリッジ200は、アイウエアの装着時(テンプル180の展開時)においてもテンプル180から着脱可能である。
【0073】
図12は、第1実施形態に係るカートリッジ200の取付例6を示す図である。
図12に示す例では、丁番の上側でカートリッジ200が着脱される構造を示し、テンプル180にカートリッジ200の接続機構が設けられる。また、
図12に示す例では、カートリッジ200は、アイウエアの装着時(テンプル180の展開時)においてもテンプル180から着脱可能である。
【0074】
なお、上述したカートリッジ200の取付例は一例であって、例えば、テンプル180又はフロント140(ヨロイ147)に設けられる凹部に対し、上下左右のうちの一方向からカートリッジ200全体が嵌め込まれて取り付けられるような形態でもよい。
【0075】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係るカートリッジ製品について説明する。第2実施形態では、本体収容部の各開口部を覆うカバー部材を一体成型することで、部品点数を減らす(コスト削減)とともに、防水及び/又は止水機能が発揮されるようにする。以下、カバー部材とカートリッジ本体(本体収容部)とをまとめてカートリッジ製品とも称し、カバー部材が装着されたカートリッジ製品におけるカバー部材を、カバー部とも称する。
【0076】
図13は、第2実施形態に係る本体収容部320の一例を示す図である。
図14は、第2実施形態に係るカバー部材310の一例を示す図である。
図15は、第2実施形態に係るカートリッジ製品の一例を示す図である。
図13に示す本体収容部320は、基本的に
図2に示す本体収容部220と同様であり、原料収容部となる第1収容エリア330と、噴霧素子を収容する第2収容エリア340と、制御回路基板を収容する第3収容エリア354とを有する。
【0077】
また、噴霧素子と制御回路基板とを接続するワイヤが配置される溝352が本体収容部320の第2収容エリア340と第3収容エリア354との間に設けられる。また、カートリッジ側の凸部を形成する接続端子(例、USBコネクタ)362が本体収容部320に設けられ、この場合、テンプル180又はヨロイ147にUSBコネクタ362に接続される受け部が設けられる。
【0078】
上述したとおり、第2実施形態に係る本体収容部320は、原料を収容する原料収容部、原料を用いて霧状物を噴霧する噴霧素子、及び噴霧素子を制御する制御回路基板を収容する本体収容部320を有する。また、本体収容部320は、アイウエア100のテンプル180又はヨロイ147に着脱可能に接続される接続機構を有する。また、カートリッジは、本体収容部320を覆い、弾性を有するカバー部材310(
図14参照)を備える。カバー部材310は、弾性を有するシリコン、ゴムなどにより形成される。
【0079】
図14に示すカバー部材310は、霧状物を外部に通過させる第1開口部302と、本体収容部320に対してカバー部材310を着脱可能にする第2開口部306(
図15参照)と、接続機構362を用いてアイウエアに接続可能にする第3開口部360と、を有する。なお、第2開口部306と、第3開口部360とは同じ開口部でもよい。この場合、本体収容部320の接続機構362(例えば接続端子)を有する面と対抗する面(反対側の面)側から、カバー部材310の第3開口部360(第2開口部306でもある)を広げて本体収容部320を挿入してカバー部材310を装着すると、第3開口部360から接続機構362が突出する。これにより、カバー部材310の開口部をできるだけ減らすことで、防水効果を高めることが可能になる。
【0080】
カバー部材310は、原料収容部への原料を補給可能とする第4開口部308を有してもよい。
図14に示す第4開口部308は、十字の切り込みを示すが、この形状に限られない。なお、第4開口部308は、原料補給時に十字部分の開口が変形し、その一部が通気口の役割を兼ねる。また、カバー部材310は、第4開口部308とは別に、原料収容部内の圧力を調整するための第5開口部(通気口)を有してもよい。また、原料が固体の場合、第4開口部308は必ずしも設けられなくてもよい。
【0081】
また、カバー部材310は、原料収容部の第1収容エリア330の開口部に対応し、原料収容部の内部に向かう凸状の第1凸部を有してもよい。また、カバー部310は、制御回路基板の第3収容エリア354の開口部に対応し、第3収容エリア354の内部に向う凸状の第2凸部を有してもよい。カバー部材310の第1凸部が原料収容部の蓋機能を強化することにより、例えば原料収容部に収容される液体が開口部から外部に漏れにくくすることができ、止水効果が発揮されうる。また、カバー部材310の第2凸部が第3収容エリア354の蓋機能を強化することにより、例えば制御回路基板が収容される第3収容エリア354に対して密閉空間が形成され、第3収容エリア354の防水効果が発揮されうる。
【0082】
また、第1収容エリア330に対応する原料収容部の開口部と、制御回路基板の第3収容エリア354の開口部とは、本体収容部320の異なる面に設けられてもよい。また、カバー部材310の原料収容部の開口部に対応する部位と、制御回路基板の開口部に対応する部位とは、カバー部310の異なる面に設けられてもよい。これにより、カバー部材310を取りはずした際に、原料収容部から液体等が制御回路基板の第3収容エリア354に侵入しにくくすることができる。
【0083】
また、カバー部材310の原料収容部の開口部に対応する部位は、第2開口部306が位置する面と対向する面に設けられてもよい。
図15を用いて説明すれば、カバー部材310の下方に本体収容部320を着脱可能にする第2開口部306が設けられ、第2開口部306とは反対側の上方に第4開口部308を含む蓋機能の部位が設けられる。また、第2開口部306は、カバー部材310の底面の中央部に設けられ、周縁部は残されるように形成される。これにより、カバー部材310の底面の周縁部が本体収容部320の底面に圧接され、原料収容部の開口に対応するカバー部材310の部位が底面方向に圧接されるため、原料収容部からの液漏れを防止しやすくなる。
【0084】
以上、本発明について各実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。なお、第1及び第2実施形態において、カートリッジは噴霧素子部品と、原料収容部とを一体とする形態を説明したが、カートリッジには、噴霧素子部品を含み、原料収容部は、テンプル180、ヨロイ147、又はフロント140等のアイウエア100本体の方に設けるようにしてもよい。この場合、噴霧素子部品が故障した場合、噴霧素子部品を含むカートリッジのみを交換すればよい。
【符号の説明】
【0085】
100 メガネ
120 フレーム
140 フロント
147 ヨロイ
180 テンプル
200 カートリッジ
202、204、260 開口
206、362 接続機構
220、320 本体収容部
230、330 第1収容エリア
240、340 第2収容エリア
250、354 第3収容エリア
300 噴霧素子
302 第1開口部
306 第2開口部
360 第3開口部
308 第4開口部
400 制御回路基板