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  • 特許-押圧式スイッチユニット 図1
  • 特許-押圧式スイッチユニット 図2
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  • 特許-押圧式スイッチユニット 図4
  • 特許-押圧式スイッチユニット 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-20
(45)【発行日】2024-10-01
(54)【発明の名称】押圧式スイッチユニット
(51)【国際特許分類】
   H01H 13/14 20060101AFI20240924BHJP
   H01H 13/02 20060101ALI20240924BHJP
【FI】
H01H13/14 B
H01H13/02 A
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2021112284
(22)【出願日】2021-07-06
(65)【公開番号】P2023008603
(43)【公開日】2023-01-19
【審査請求日】2023-12-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000000538
【氏名又は名称】株式会社コロナ
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 祐哉
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 裕悦
【審査官】内田 勝久
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-115234(JP,A)
【文献】特開2000-129750(JP,A)
【文献】特開2012-069414(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 13/00 - 13/88
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面から外側に凸状で横長状に点灯表示付き押しボタン部を設けたフィルム状の文字盤と、操作部本体と、操作部基板とからなり、前記操作部本体には、押し子からなる可動部と、前記可動部に近接した発光素子用筒を形成し、前記操作部基板には、前記発光素子用筒内に位置する発光素子と、前記可動部により押下されるスイッチ素子とを設け、前記点灯表示付き押しボタン部は長手方向の一端側に前記発光素子の点灯が光って見える点灯部が設けられ、前記発光素子用筒は、この点灯部の下方に位置し、前記点灯表示付き押しボタン部の中央部に前記可動部が位置するように設けた押圧式スイッチユニットに於いて、前記可動部の上面は前記点灯表示付き押しボタン部の凸状の空間内に位置すると共に、前記発光素子用筒の上面を前記可動部の上面よりも低く、かつ前記点灯表示付き押しボタン部の凸状の空間より低い位置に形成したことを特徴とする押圧式スイッチユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、押圧式スイッチユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のものにおいては、操作ボタンの縁側の端部で押圧されると、真上押しよりも端部押しの方がストロークが深くなり、押圧が可動部に伝わらず、可動部と対向する位置に形成された制御基板のスイッチが押圧を感知できないのを防止するために、制御基板のスイッチに当接する可動部に、ボタン装着部に一体に形成されている支点部と、押圧ピンと接する接点部と、支点部と接点部をつなぐ腕部とを設け、腕部は、腕部の略中心に操作ボタン側に凸状のアシスト凸部を設け、操作ボタンの端部が押し下げられた時に、アシスト凸部に操作ボタンが当接することで押圧を可動部に伝えるようにした。
(例えば、特許文献1)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平2020-20561号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、この従来のものでは、操作ボタンが合成樹脂製で、又、発光素子が可動部に近接して設けられていないため、可動部の周囲にスペースがあり、ボタン装着部に一体に形成されている支点部と、押圧ピンと接する接点部と、支点部と接点部をつなぐ腕部とを設けて、更に腕部の略中心に操作ボタン側に凸状のアシスト凸部を設けることで、操作ボタンの端部が指で押し下げられた時に、アシスト凸部に操作ボタンが当接することで押圧を可動部に伝えることができるが、操作ボタンがフィルム状で、フィルム状の表面から外側に凸状に押しボタン部が形成され、この押しボタン部内に、可動部とその可動部のすぐ横に発光素子用の発光素子用筒が設けられている場合、可動部と発光素子用筒との間を指で押圧すると、指に発光素子用筒の上面が当たって、押圧が可動部に伝わらず、可動部と対向する位置に形成された制御基板のスイッチが押圧を感知できない恐れがあった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1では、表面から外側に凸状で横長状に点灯表示付き押しボタン部を設けたフィルム状の文字盤と、操作部本体と、操作部基板とからなり、前記操作部本体には、押し子からなる可動部と、前記可動部に近接した発光素子用筒を形成し、前記操作部基板には、前記発光素子用筒内に位置する発光素子と、前記可動部により押下されるスイッチ素子とを設け、前記点灯表示付き押しボタン部は長手方向の一端側に前記発光素子の点灯が光って見える点灯部が設けられ、前記発光素子用筒は、この点灯部の下方に位置し、前記点灯表示付き押しボタン部の中央部に前記可動部が位置するように設けた押圧式スイッチユニットに於いて、前記可動部の上面は前記点灯表示付き押しボタン部の凸状の空間内に位置すると共に、前記発光素子用筒の上面を前記可動部の上面よりも低く、かつ前記点灯表示付き押しボタン部の凸状の空間より低い位置に形成したものである。
【0006】
又、請求項2では、可動部は横長状に形成すると共に、前記発光素子用筒は前記可動部の長手方向に位置するものである。
【発明の効果】
【0007】
この発明の請求項1によれば、点灯表示付き押しボタン部内に可動部と発光素子用筒とが位置するように設け、その発光素子用筒の上面を前記可動部の上面よりも低く形成したことにより、点灯表示付き押しボタン部内に発光素子用筒が位置することでその点灯表示付き押しボタン部の機能がオンかオフかがひと目で分かり、又、点灯表示付き押しボタン部の可動部と発光素子用筒との間を指で押圧した場合、押した部分の先端が可動部の上面より低い位置となり、それにより可動部上面のフィルム状の点灯表示付き押しボタン部が下に押し下げられて可動部と当接し、可動部からスイッチ素子14に押圧を伝えることができる。
【0008】
又、請求項2によれば、可動部は横長状に形成すると共に、発光素子用筒は可動部の長手方向に位置するので、可動部と発光素子用筒との距離を短くでき、可動部と発光素子用筒との間を指で押圧したときに、指が直接可動部に当たりやすくなり、押圧が可動部に伝わりやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態を示す押圧式スイッチユニットの分解斜視図。
図2】同押しボタン用孔内の要部平面図。
図3】同押しボタン部の要部断面図。
図4】同指で押し始めた状態での要部断面図。
図5】同指が発光素子用筒の上面に当たった状態での要部断面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、この発明を適用した一実施形態を図面に基づいて説明する。
本実施形態に係る押圧式スイッチユニット1は、図1に示すように、フィルム状の文字盤2と、合成樹脂製の操作部本体3と、操作部基板4とからなり、操作部基板4の上に操作部本体3が載置され、更に操作部本体3の上に文字盤2が貼り付けられている。
【0011】
文字盤2には、フィルム状の表面から外側に凸状に押しボタン部5が複数形成されている。
そしてその押しボタン部5の中に、表示されている機能がオン状態のときに点灯して光って見える点灯部6が設けられている点灯表示付き押しボタン部7がある。
【0012】
操作部本体3には、横長状の押しボタン用孔8が複数設けられ、その押しボタン用孔8の中央に、横長で長手方向の端部が円弧状に形成された押し子による可動部9が片持ち支持部10により設けられている。
又、可動部9の長手方向で押しボタン用孔8の端部に中空円筒状の発光素子用筒11が設けられている。
発光素子用筒11の上面12は、可動部9の上面13よりも低く形成されている。
又、発光素子用筒11の中心と可動部9の縦方向の中心が同一線上になるように設けられている。
【0013】
操作部基板4は、可動部9の下部により押圧されるスイッチ素子14と、LEDからなる発光素子15が複数設けられている。
そして、操作部基板4の上に操作部本体3を載置すると、スイッチ素子14の上に可動部9が位置すると共に、発光素子用筒11内の中心に発光素子15が位置する。
更に、操作部本体3の上に文字盤2を貼り付けると、点灯表示付き押しボタン部7の中央に可動部9が位置すると共に、点灯表示付き押しボタン部7の点灯部6の下に発光素子用筒11が位置する。
【0014】
?次に点灯表示付き押しボタン部7で、可動部9と発光素子用筒11の間を押圧したときについて説明する。
図3に示すように、点灯表示付き押しボタン部7は凸状に押しボタン部5が形成されていて、点灯表示付き押しボタン部7は、可動部9に接していない状態から、図4に示すように、例えば指で可動部9と発光素子用筒11の間を押圧していくと、まず、点灯表示付き押しボタン部7は可動部9と接触する。
【0015】
そして、更に可動部9と発光素子用筒11の間を押圧すると、図5のように可動部9と接触している点灯表示付き押しボタン部7が可動部9を押し下げ、点灯表示付き押しボタン部7が発光素子用筒11の上面12に接してそこで押し下げるのが止まる。
【0016】
このとき、発光素子用筒11の上面12は、可動部9の上面13よりも低く形成されているので、点灯表示付き押しボタン部7が発光素子用筒11の上面12に接してそこで押し下げるのが止まるまでの間に、点灯表示付き押しボタン部7が可動部9を押し下げて、それにより可動部9が可動部9の下部に位置するスイッチ素子14を押圧する。
【0017】
そして点灯表示付き押しボタン部7を押圧している指を離すと、片持ち支持部10の反発力により可動部9は元の位置に戻り、点灯表示付き押しボタン部7はフィルム状の部材の弾力により元の上に凸状の状態に戻る。
【0018】
このように、押しボタン部5内に可動部9と発光素子用筒11とが位置するように設け、可動部9は横長状に形成すると共に、発光素子用筒11は可動部9の長手方向に位置するので、押しボタン部5内に発光素子用筒11が位置することでその押しボタン部5の機能がオンかオフかがひと目で分かり、又、可動部9と発光素子用筒11との距離を短くできるので、可動部9と発光素子用筒11との間を指で押圧したときに、押圧が可動部9に伝わりやすい。
【0019】
更に、発光素子用筒11の上面12は、可動部9の上面13よりも低く形成されているので、可動部9と発光素子用筒11との間を指で押圧したときに、指が発光素子用筒11の上面12に当たるまで押すと、点灯表示付き押しボタン部7が可動部9を押し下げて、それにより可動部9が可動部9の下部に位置するスイッチ素子14を押圧することができる。
【0020】
又、横長の可動部9の長手方向の端部が円弧状に形成され、発光素子用筒11の中心と可動部9の縦方向の中心が同一線上になるように設けられているので、可動部9と発光素子用筒11との間を指で押圧したときに、指が直接可動部9に当たりやすくなり、押圧が可動部9に伝わりやすくなる。
【符号の説明】
【0021】
2 文字盤
3 操作部本体
4 操作部基板
5 押しボタン部
9 可動部
11 発光素子用筒
14 スイッチ素子
15 発光素子
図1
図2
図3
図4
図5