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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-20
(45)【発行日】2024-10-01
(54)【発明の名称】乗りかご及びエレベーター
(51)【国際特許分類】
   B66B 11/02 20060101AFI20240924BHJP
【FI】
B66B11/02 K
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021133856
(22)【出願日】2021-08-19
(65)【公開番号】P2023028264
(43)【公開日】2023-03-03
【審査請求日】2023-08-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000925
【氏名又は名称】弁理士法人信友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】仮屋 智貴
(72)【発明者】
【氏名】大菅 麻里
(72)【発明者】
【氏名】川上 浩史
【審査官】山田 拓実
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-206342(JP,A)
【文献】特開2004-307172(JP,A)
【文献】特開2007-331927(JP,A)
【文献】米国特許第04749061(US,A)
【文献】中国特許出願公開第112777457(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 11/00-11/08;
13/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
かご室の床面となる床組立体と、
前記床組立体に取り付けられ、前記かご室の壁面となる複数の側板と、
前記床組立体に取り付けられ、出入り口が形成された正面側板と、
前記出入り口に開閉可能に設置されるドア部と、
前記ドア部を移動可能に支持するドアシルと、を備え、
前記床組立体は、
前記かご室の床面となり、前記複数の側板が取り付けられる床本体と、
前記床本体における正面部に固定され、前記正面側板が載置される固定ブラケットと、
を備え
前記ドアシルは、前記固定ブラケットに取り付けられ、
前記固定ブラケットには、補強部材が設けられ、
前記補強部材は、前記固定ブラケットに2つの固定部材により締結固定され、
2つの前記固定部材の軸方向は、互いに交差する
乗りかご。
【請求項2】
前記固定ブラケットは、
前記床本体に固定される第1固定面部と、
前記ドアシルが取り付けられ、前記第1固定面部と対向する第2固定面部と、
前記第1固定面部又は前記第2固定面部に対して屈曲して接続される下面部と、を有し、
前記補強部材は、
前記第1固定面部又は前記第2固定面部と、前記下面部の2箇所で前記固定ブラケットに固定される
請求項に記載の乗りかご。
【請求項3】
前記固定ブラケットには、複数の前記補強部材が取り付けられ、
前記補強部材は、前記固定ブラケットにおける前記正面側板に設けた前記出入り口に対応する箇所に設置されている
請求項に記載の乗りかご。
【請求項4】
昇降路内を昇降する乗りかごを備え、
前記乗りかごは、
かご室の床面となる床組立体と、
前記床組立体に取り付けられ、前記かご室の壁面となる複数の側板と、
前記床組立体に取り付けられ、出入り口が形成された正面側板と、
前記出入り口に開閉可能に設置されるドア部と、
前記ドア部を移動可能に支持するドアシルと、を備え、
前記床組立体は、
前記かご室の床面となり、前記複数の側板が取り付けられる床本体と、
前記床本体における正面部に固定され、前記正面側板が載置される固定ブラケットと、
を備え
前記ドアシルは、前記固定ブラケットに取り付けられ、
前記固定ブラケットには、補強部材が設けられ、
前記補強部材は、前記固定ブラケットに2つの固定部材により締結固定され、
2つの前記固定部材の軸方向は、互いに交差する
エレベーター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗りかご及び、この乗りかごを備えたエレベーターに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、エレベーターは、乗りかごと、釣合おもりと、乗りかごと釣合おもりを連結するロープと、このロープが巻回される巻上機とを備えている。また、従来のエレベーターの乗りかごとしては、例えば、特許文献1に記載されているようなものがある。
【0003】
特許文献1には、エレベーターの強度部材であるコ字形状に成形した床フレームに、分割した複数の床を係合し、この床を床フレームの下側のみボルト締結を行う技術が記載されている。
【0004】
また、乗りかごの床面を形成する床組立体の上には、乗りかごの壁面を形成する複数の側板が取り付けられる。そして、複数の側板のうち乗りかごの正面部に配置される正面側板には、人や荷物が出入りする出入り口が設けられると共に、操作盤や表示部等が取り付けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開平11-217168号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、正面側板の厚さや出入り口の寸法は、顧客の仕様により寸法が様々に変動する。そのため、従来の乗りかごでは、正面側板の寸法に合わせて床組立体の寸法を変更する必要があり、様々なサイズの床組立体を用意する必要があった。その結果、顧客の仕様変更に柔軟に対応することが困難であった。
【0007】
本目的は、上記の問題点を考慮し、仕様変更に柔軟に対応することができる乗りかご及びエレベーターを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決し、目的を達成するため、乗りかごは、かご室の床面となる床組立体と、床組立体に取り付けられ、かご室の壁面となる複数の側板と、床組立体に取り付けられ、出入り口が形成された正面側板と、を備えている。
床組立体は、かご室の床面となり、複数の側板が取り付けられる床本体と、床本体における正面部に固定され、正面側板が載置される固定ブラケットと、を備えている。
【0009】
また、エレベーターは、昇降路内を昇降する乗りかごを備えている。また、乗りかごは、上述した乗りかごが用いられる。
【発明の効果】
【0010】
上記構成の乗りかご及びエレベーターによれば、仕様変更に柔軟に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施の形態例にかかるエレベーターを示す概略構成図である。
図2】実施の形態例にかかる乗りかごのかご室内を示す正面図である。
図3】実施の形態例にかかる乗りかごの床組立体及び枠体を示す斜視図である。
図4】実施の形態例にかかる乗りかごの床組立体及び枠体を示すもので、図3とは異なる方向から見た斜視図である。
図5】実施の形態例にかかる乗りかごの床組立体及び枠体を示す側面図である。
図6】実施の形態例にかかる乗りかごの床組立体を示す斜視図である。
図7】実施の形態例にかかる乗りかごの床組立体を示すもので、図6とは異なる方向から見た斜視図である。
図8】実施の形態例にかかる乗りかごの床組立体を示す正面図である。
図9図8に示すA-A線断面図である。
図10】実施の形態例にかかる乗りかごの床組立体にドアシル、側板及び正面側板を設置した状態を模式的に示す側面図である。
図11】実施の形態例にかかる乗りかごの床組立体にドアシル、側板及び正面側板を設置した状態を模式的に示す平面図である。
図12】実施の形態例にかかる乗りかごの床組立体の固定ブラケットを拡大して示す断面図である。
図13】実施の形態例にかかる乗りかごの床組立体の固定ブラケット及びドアシルを上下方向の下方から見た平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、乗りかご及びエレベーターの実施の形態例について、図1図13を参照して説明する。なお、各図において共通の部材には、同一の符号を付している。
【0013】
1.エレベーターの構成
まず、実施の形態例(以下、「本例」という。)にかかるエレベーターの構成について、図1を参照して説明する。
図1は、本例のエレベーターを示す概略構成図である。
【0014】
図1に示す例では、いわゆる2:1ローピング方式のエレベーター1を示す。なお、エレベーターとしては、2:1ローピング方式のエレベーターに限定されるものではなく、1:1ローピング方式のエレベーターにも適用できるものである。
【0015】
図1に示すように、エレベーター1は、昇降路内を昇降する乗りかご2と、主ロープ3と、巻上機4と、主ロープ3を介して乗りかご2に懸架される釣合おもり5と、を有している。以下、乗りかご2及び釣合おもり5が昇降移動する方向を上下方向とする。
【0016】
乗りかご2には、人や荷物を載せる。乗りかご2の上下方向の上部には、かご側プーリ2aが設けられている。かご側プーリ2aには、主ロープ3が巻き掛けられている。釣合おもり5には、おもり側プーリ5aが設けられている。おもり側プーリ5aには、主ロープ3が巻き掛けられている。
【0017】
巻上機4は、昇降路の最上部に設置に設置されている。また、巻上機4には、主ロープ3が巻き掛けられる綱車を有している。そして、巻上機4は、主ロープ3を介して乗りかご2及び釣合おもり5をつるべ式に昇降させる。
【0018】
主ロープ3の一端部は、昇降路の上部に取り付けられている。主ロープ3は、昇降路の上部からかご側プーリ2aに向けて延在している。そして、主ロープ3は、一端部から、かご側プーリ2a、巻上機4の綱車、おもり側プーリ5aの順に巻き掛けられる。
【0019】
また、主ロープ3におけるおもり側プーリ5aから昇降路の上方に向けて延在する他端部は、一端部と同様に、昇降路の上部に取り付けられる。巻上機4が駆動することで、乗りかご2及び釣合おもり5が昇降路内を昇降移動する。
【0020】
2.乗りかごの構成例
図2は、乗りかご2のかご室内を示す正面図である。
図1及び図2に示すように、乗りかご2は、かご室の床面となる床組立体10と、側板11と、天井12と、ドア部13と、枠体16(図3参照)と、を備えている。床組立体10と天井12は、上下方向に対向して配置される。側板11は、床組立体10及び天井12の周囲に立設される。なお、床組立体10の周囲を囲む側板11のうち乗りかご2の正面に配置される正面側板14には、出入り口14aが設けられている。正面側板14には、顧客の仕様に応じて不図示の操作盤や表示部等が取り付けられる。また、出入り口14aの寸法は、顧客の仕様に応じて種々に変更される。そのため、正面側板14の厚さやサイズは、顧客の仕様に応じて種々に変更される。
【0021】
さらに、正面側板14に設けた出入り口14aには、ドア部13が開閉可能に設置される。そして、床組立体10、側板11、天井12、正面側板14及びドア部13により乗りかご2における人や荷物を載せるかご室を構成する。
【0022】
図3及び図4は、床組立体10及び枠体16を示す斜視図、図5は、床組立体10及び枠体16を示す側面図である。
図3から図5に示すように、床組立体10は、枠体16に支持されている。枠体16には、上下方向に延在する2つの縦枠と、幅方向である左右方向に延在する横枠とを有している。また、枠体16における上下方向の下部には、かご側プーリ2aが取り付けられている。
【0023】
図6及び図7は、床組立体10を示す斜視図、図8は、床組立体10を示す正面図、図9は、図8に示すA-A線断面図である。
図6から図9に示すように、床組立体10は、床本体21と、固定ブラケット23と、床パネル22とを有している。床パネル22は、床本体21及び固定ブラケット23の上下方向の上面部に載置される。床本体21は、略矩形状に形成されている。そして、床本体21は、枠体16(図3及び図4参照)に支持されている。なお、床本体21の寸法は、他の乗りかごの床本体と同じ寸法に設定されている。そして、床本体21は、他の乗りかごの床本体と共通化されている。
【0024】
床本体21の前後方向の前端部、すなわち正面部には、固定ブラケット23が固定ボルト35を介して固定されている。固定ブラケット23は、前後方向と直交する左右方向に延在する長尺の部材により構成されている。固定ブラケット23の左右方向の長さは、床本体21の左右方向の長さとほぼ同じに設定される。
【0025】
図10及び図11は、床組立体10にドアシル42、側板11及び正面側板14を設置した状態を示す図である。
図10及び図11に示すように、固定ブラケット23における床本体21と対向する対向面とは反対側の一面、すなわち前後方向の正面部には、シルブラケット41が固定される。シルブラケット41における上下方向の上面部には、ドア部13の移動可能に支持するドアシル42が設けられる。すなわち、ドアシル42は、固定ブラケット23を介して床本体21に固定される。
【0026】
また、図10及び図11に示すように、床組立体10の上下方向の上面部には、複数の側板11と正面側板14が取り付けられる。複数の側板11は、床組立体10における床本体21の外縁部に取り付けられる。また、複数の側板11は、床本体21の4つの外縁部における正面部を除く3つの外縁部に取り付けられる。
【0027】
側板11に対して、出入り口14aや操作盤が設けられる正面側板14は、固定ブラケット23に載置されて、取り付けられる。そして、固定ブラケット23は、ドアシル42や正面側板14の寸法に合わせて形成されている。これにより、ドアシル42や正面側板14の寸法を変更した場合、床組立体10のうち固定ブラケット23のみの寸法を変更すればよく、床本体21の寸法の変更は、不要となる。すなわち、正面側板14の寸法が変動しても、床本体21を異なる乗りかごの床本体と共通に使用することができる。その結果、顧客の使用変更に柔軟に対応することができる乗りかご2を提供することができる。
【0028】
なお、ドアシル42を、固定ブラケット23を介して床本体21に固定したことで、ドアシル42に荷重が加わった際、固定ブラケット23には大きな曲げモーメントが発生する。そのため、図6図7及び図9に示すように、固定ブラケット23には、複数の補強部材31が設けられている。複数の補強部材31は、固定ブラケット23の左右方向、すなわち幅方向に互いに間隔を空けて設置されている。なお、補強部材31は、少なくとも固定ブラケット23のうち人や荷物が出入りする出入り口14aに対応する箇所に設置されている。
【0029】
次に、固定ブラケット23及び補強部材31の詳細な構成について図12及び図13を参照して説明する。
図12は、固定ブラケット23を拡大して示す断面図である。図13は、固定ブラケット23及びドアシル42を上下方向の下方から見た平面図である。
【0030】
図12及び図13に示すように、固定ブラケット23は、第1固定面部25と、第2固定面部26と、下面部27と、上面部28とを有している。第1固定面部25と第2固定面部26は、前後方向に互いに対向している。第1固定面部25は、床本体21の正面部に固定ボルト35を介して締結固定される。そして、第2固定面部26には、シルブラケット41が固定ボルト35を介して締結固定される。第1固定面部25と第2固定面部26は、上下方向と平行に配置される。
【0031】
第1固定面部25及び第2固定面部26の上下方向の上端部には、上面部28が直角に接続されている。上面部28には、床パネル22が載置される。そのため、固定ブラケット23は、上下方向で切断した形状が略コの字状に形成されている。また、第2固定面部26の上下方向の下端部には、下面部27が第2固定面部26に対して直角に接続されている。下面部27は、第2固定面部26の下端部から第1固定面部25に向けて突出している。そして、下面部27は、上面部28と上下方向で対向する。
【0032】
補強部材31は、固定ブラケット23における第1固定面部25と第2固定面部26の間に挿入される。そして、補強部材31は、固定ボルト35によって固定ブラケット23に締結固定される。
【0033】
ここで、補強部材31を水平方向に固定、すなわち第1固定面部25と第2固定面部26に固定した場合について説明する。補強部材31を固定ブラケット23における第1固定面部25と第2固定面部26の間に挿入させるために、補強部材31における前後方向の長さは、第1固定面部25及び第2固定面部26の間隔よりも若干短くする必要がある。そして、補強部材31を締結固定する際に、固定ボルト35を締め込むと、第1固定面部25と第2固定面部26が互いに接近する方向に変形する。そのため、第1固定面部25及び/又は第2固定面部26は、上下方向に対して傾斜する。その結果、第2固定面部26に固定されるドアシル42が水平方向に対して傾斜し、ドアシル42の前後方向の先端部が上下方向の下方に垂れ下がる。
【0034】
これに対して、本例の乗りかご2では、補強部材31を異なる方向の2軸で固定ブラケット23に固定している。以下、本例の乗りかご2における補強部材31の詳細な構成と補強部材31の固定方法について説明する。
【0035】
補強部材31は、左右方向から見た形状が略直角三角形状に形成されている。そして、補強部材31は、第1面部31aと、第2面部31bとを有している。第1面部31aは、補強部材31における上下方向の下面部である。第2面部31bは、第1面部31aにおける前後方向の後端側の端部に接続されている。そして、第2面部31bは、第1面部31aの端部から上下方向の上方に向けて略垂直に屈曲している。
【0036】
補強部材31を固定ブラケット23の第1固定面部25と第2固定面部26の間に挿入した際、第1面部31aは、固定ブラケット23の下面部27と対向し、第2面部31bは、固定ブラケット23の第1固定面部25と対向する。また、第1面部31aは、下面部27に固定ボルト35を介して締結固定され、第2面部31bは、第1固定面部25に固定ボルト35を介して締結固定される。すなわち、補強部材31は、固定ブラケット23に対して第1固定面部25と下面部27の2箇所で固定される。これにより、補強部材31は、固定ブラケット23における第1固定面部25と第2固定面部26の間に固定される。
【0037】
上述したように、固定ブラケット23に固定される第1面部31aと第2面部31bは、互いに直交している。すなわち、補強部材31を固定する2つの固定ボルト35は、その軸方向が互いに直交して配置される。そして、第1面部31aと第2面部31bに取り付けられる2つの固定ボルト35を締め付けた場合、固定ブラケット23には、第1固定面部25と、第1固定面部25と直交する下面部27に固定ボルト35からの荷重が加わる。そのため、2つの固定ボルト35を締め付けても、第1固定面部25と第2固定面部26の間隔は、変化しない。
【0038】
これにより、固定ブラケット23に補強部材31を固定しても、第1固定面部25と第2固定面部26を上下方向に対して平行に保つことができる。その結果、第2固定面部26に固定ボルト35を介して締結固定されるドアシル42が水平方向に対して傾くことを防ぐことができる。
【0039】
また、固定ブラケット23の内部に補強部材31を固定することで、ドアシル42に荷重が加わった場合でも、固定ブラケット23が曲げモーメントによって変形することを防ぐことができる。
【0040】
なお、本例の乗りかご2では、補強部材31の第2面部31bを固定ブラケット23の第1固定面部25に固定する例を説明したが、これに限定されるものではなく、第2面部31bを固定ブラケット23の第2固定面部26に固定してもよい。また、固定ブラケット23における補強部材31の第1面部31aが固定される下面部27を第2固定面部26側に形成した例を説明したが、これに限定されるものではなく、下面部27を第1固定面部25側に形成してもよい。
【0041】
さらに、補強部材31を略直角三角形状に形成した例を説明したが、これに限定されるものではなく、四角形やコの字型等その他各種の形状に形成してもよい。また、補強部材31を固定する2つの固定ボルト35の軸方向が直交する例を説明したが、これに限定されるものではなく、2つの固定ボルト35の軸方向が互いに交差すればよい。
【0042】
なお、上述しかつ図面に示した実施の形態に限定されるものではなく、請求の範囲に記載した発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実施が可能である。
【0043】
また、上述した実施の形態例では、固定部材の一例として固定ボルトを適用した例を説明したが、これに限定されるものではなく、固定部材としてリベットを適用してもよい。
【0044】
エレベーターとしては、一つ昇降路内を複数の乗りかごが昇降移動するマルチカーエレベーターにも適用できるものである。
【0045】
なお、本明細書において、「平行」及び「直交」等の単語を使用したが、これらは厳密な「平行」及び「直交」のみを意味するものではなく、「平行」及び「直交」を含み、さらにその機能を発揮し得る範囲にある、「略平行」や「略直交」の状態であってもよい。
【符号の説明】
【0046】
1…エレベーター、 2…乗りかご、 3…主ロープ、 4…巻上機、 10…床組立体、 10…床組立体、 11…側板、 13…ドア部、 14…正面側板、 14a…出入り口、 16…枠体、 21…床本体、 22…床パネル、 23…固定ブラケット、 25…第1固定面部、 26…第2固定面部、 27…下面部、 28…上面部、 31…補強部材、 31a…第1面部、 31b…第2面部、 35…固定ボルト(固定部材)、 41…シルブラケット、 42…ドアシル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13