(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-20
(45)【発行日】2024-10-01
(54)【発明の名称】送信装置、受信装置、送信方法、受信方法、及び、集積回路
(51)【国際特許分類】
H04W 72/0446 20230101AFI20240924BHJP
H04W 28/06 20090101ALI20240924BHJP
H04W 28/14 20090101ALI20240924BHJP
H04W 92/18 20090101ALI20240924BHJP
H04W 4/40 20180101ALI20240924BHJP
【FI】
H04W72/0446
H04W28/06 110
H04W28/14
H04W92/18
H04W4/40
(21)【出願番号】P 2021539822
(86)(22)【出願日】2020-06-03
(86)【国際出願番号】 JP2020021938
(87)【国際公開番号】W WO2021029124
(87)【国際公開日】2021-02-18
【審査請求日】2023-03-13
(31)【優先権主張番号】P 2019149143
(32)【優先日】2019-08-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】514136668
【氏名又は名称】パナソニック インテレクチュアル プロパティ コーポレーション オブ アメリカ
【氏名又は名称原語表記】Panasonic Intellectual Property Corporation of America
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】芝池 尚哉
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 秀俊
(72)【発明者】
【氏名】堀内 綾子
【審査官】桑江 晃
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/204635(WO,A2)
【文献】国際公開第2016/185945(WO,A1)
【文献】Samsung,Considerations on Sidelink HARQ Procedure[online],3GPP TSG RAN WG1 adhoc_NR_AH_1901 R1-1901052,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_AH/NR_AH_1901/Docs/R1-1901052.zip>,2019年01月25日,1-8頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00 - 99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1チャネルおよび第2チャネルが配置される第1の時間区間、及び、前記第1チャネルが配置され
、前記第2チャネルが配置されない第2の時間区間の何れか一方の時間区間について前記第1チャネルの送信サイズの決定に用いた時間リソース量に基づいて、他方の時間区間における前記送信サイズを決定する制御回路と、
決定した前記送信サイズに基づいて、前記第1の時間区間及び前記第2の時間区間における前記第1チャネルの送信処理を行う送信回路と、
を具備
し、
前記第1チャネルはPhysical Sidelink Shared CHannel (PSSCH)であり、前記第2チャネルはPhysical Sidelink Feedback Channel(PSFCH)である、
送信装置。
【請求項2】
前記時間リソース量は、前記第1の時間区間において前記第1チャネルが配置されるシンボル数である、
請求項1に記載の送信装置。
【請求項3】
前記時間リソース量は、前記第2の時間区間において前記第1チャネルが配置されるシンボル数である、
請求項1に記載の送信装置。
【請求項4】
前記時間リソース量は、前記第1の時間区間及び前記第2の時間区間の何れか一方の時間区間において前記第1チャネルが配置されるシンボル数であり、
前記一方の時間区間は、前記送信装置に通知される、又は、前記送信装置に設定される、
請求項1に記載の送信装置。
【請求項5】
前記制御回路は、前記送信サイズに基づいて、前記第1チャネルに対応するバッファのバッファサイズを決定する、
請求項1に記載の送信装置。
【請求項6】
前記第1チャネルは、前記第1の時間区間及び前記第2の時間区間において繰り返し送信されるデータチャネル、又は、前記第1の時間区間及び前記第2の時間区間のうち一方における送信に対して他方において再送されるデータチャネルである、
請求項1に記載の送信装置。
【請求項7】
前記一方の時間区間の前記第1チャネルの送信サイズの決定に用いた前記時間リソース量に基づいて、前記他方の時間区間における前記第1チャネルの送信サイズを決定するか否かが前記送信装置に通知される、
請求項1に記載の送信装置。
【請求項8】
前記第1チャネルが前記決定された前記送信サイズに相当するリソースよりも小さいリソースに割り当てられる場合、前記第1チャネルのデータの一部が送信されない、
請求項1に記載の送信装置。
【請求項9】
前記第1チャネルが前記決定された前記送信サイズに相当するリソースよりも大きいリソースに割り当てられる場合、前記第1チャネルのデータの符号化率が調整される、
請求項1に記載の送信装置。
【請求項10】
第1チャネルおよび第2チャネルが配置される第1の時間区間、及び、前記第1チャネルが配置され
、前記第2チャネルが配置されない第2の時間区間の何れか一方の時間区間について前記第1チャネルの送信サイズの決定に用いた時間リソース量に基づいて、他方の時間区間における前記送信サイズを決定する制御回路と、
決定した前記送信サイズに基づいて、前記第1の時間区間及び前記第2の時間区間における前記第1チャネルの受信処理を行う受信回路と、
を具備
し、
前記第1チャネルはPhysical Sidelink Shared CHannel (PSSCH)であり、前記第2チャネルはPhysical Sidelink Feedback Channel(PSFCH)である、
受信装置。
【請求項11】
前記時間リソース量は、前記第1の時間区間において前記第1チャネルが配置されるシンボル数である、
請求項
10に記載の受信装置。
【請求項12】
前記時間リソース量は、前記第2の時間区間において前記第1チャネルが配置されるシンボル数である、
請求項
10に記載の受信装置。
【請求項13】
前記時間リソース量は、前記第1の時間区間及び前記第2の時間区間の何れか一方の時間区間において前記第1チャネルが配置されるシンボル数であり、
前記一方の時間区間は、送信装置に通知される、又は、前記送信装置に設定される、
請求項
10に記載の受信装置。
【請求項14】
前記制御回路は、前記送信サイズに基づいて、前記第1チャネルに対応するバッファのバッファサイズを決定する、
請求項
10に記載の受信装置。
【請求項15】
前記第1チャネルは、前記第1の時間区間及び前記第2の時間区間において繰り返し送信されるデータチャネル、又は、前記第1の時間区間及び前記第2の時間区間のうち一方における送信に対して他方において再送されるデータチャネルである、
請求項
10に記載の受信装置。
【請求項16】
前記一方の時間区間の前記第1チャネルの送信サイズの決定に用いた前記時間リソース量に基づいて、前記他方の時間区間における前記第1チャネルの送信サイズを決定するか否かが送信装置に通知される、
請求項
10に記載の受信装置。
【請求項17】
前記第1チャネルが前記決定された前記送信サイズに相当するリソースよりも小さいリソースに割り当てられる場合、前記第1チャネルのデータの一部が送信されない、
請求項
10に記載の受信装置。
【請求項18】
前記第1チャネルが前記決定された前記送信サイズに相当するリソースよりも大きいリソースに割り当てられる場合、前記第1チャネルのデータの符号化率が調整される、
請求項
10に記載の受信装置。
【請求項19】
送信装置は、
第1チャネルおよび第2チャネルが配置される第1の時間区間、及び、前記第1チャネルが配置され
、前記第2チャネルが配置されない第2の時間区間の何れか一方の時間区間について前記第1チャネルの送信サイズの決定に用いた時間リソース量に基づいて、他方の時間区間における前記送信サイズを決定し、
決定した前記送信サイズに基づいて、前記第1の時間区間及び前記第2の時間区間における前記第1チャネルの送信処理を行
い、
前記第1チャネルはPhysical Sidelink Shared CHannel (PSSCH)であり、前記第2チャネルはPhysical Sidelink Feedback Channel(PSFCH)である、
送信方法。
【請求項20】
受信装置は、
第1チャネルおよび第2チャネルが配置される第1の時間区間、及び、前記第1チャネルが配置され
、前記第2チャネルが配置されない第2の時間区間の何れか一方の時間区間について前記第1チャネルの送信サイズの決定に用いた時間リソース量に基づいて、他方の時間区間における前記送信サイズを決定し、
決定した前記送信サイズに基づいて、前記第1の時間区間及び前記第2の時間区間における前記第1チャネルの受信処理を行
い、
前記第1チャネルはPhysical Sidelink Shared CHannel (PSSCH)であり、前記第2チャネルはPhysical Sidelink Feedback Channel(PSFCH)である、
受信方法。
【請求項21】
第1チャネルおよび第2チャネルが配置される第1の時間区間、及び、前記第1チャネルが配置され
、前記第2チャネルが配置されない第2の時間区間の何れか一方の時間区間について前記第1チャネルの送信サイズの決定に用いた時間リソース量に基づいて、他方の時間区間における前記送信サイズを決定する処理と、
決定した前記送信サイズに基づいて、前記第1の時間区間及び前記第2の時間区間における前記第1チャネルの送信処理を行う処理と、を制御
し、
前記第1チャネルはPhysical Sidelink Shared CHannel (PSSCH)であり、前記第2チャネルはPhysical Sidelink Feedback Channel(PSFCH)である、
集積回路。
【請求項22】
第1チャネルおよび第2チャネルが配置される第1の時間区間、及び、前記第1チャネルが配置され
、前記第2チャネルが配置されない第2の時間区間の何れか一方の時間区間について前記第1チャネルの送信サイズの決定に用いた時間リソース量に基づいて、他方の時間区間における前記送信サイズを決定する処理と、
決定した前記送信サイズに基づいて、前記第1の時間区間及び前記第2の時間区間における前記第1チャネルの受信処理を行う処理と、を制御
し、
前記第1チャネルはPhysical Sidelink Shared CHannel (PSSCH)であり、前記第2チャネルはPhysical Sidelink Feedback Channel(PSFCH)である、
集積回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、送信装置、受信装置、送信方法及び受信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
第5世代移動通信システム(5G)の標準化に関して、Long Term Evolution(LTE)又はLTE-Advancedとは必ずしも後方互換性を有さない新しい無線アクセス技術(例えば、NR:New Radioと呼ぶ)が、3rd Generation Partnership Project(3GPP)において議論されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】3GPP TS 38.214 V15.6.0, "NR; Physical layer procedures for data (Release 15)," 2019-06
【発明の概要】
【0004】
しかしながら、新しい無線アクセス技術において、送信チャネルの信頼性を向上する方法については検討の余地がある。
【0005】
本開示の非限定的な実施例は、送信チャネルの信頼性を向上できる送信装置、受信装置、送信方法及び受信方法の提供に資する。
【0006】
本開示の一実施例に係る送信装置は、第1チャネルおよび第2チャネルが配置される第1の時間区間、及び、前記第1チャネルが配置される第2の時間区間の何れか一方の時間区間について前記第1チャネルの送信サイズの決定に用いた時間リソース量に基づいて、他方の時間区間における前記送信サイズを決定する制御回路と、決定した前記送信サイズに基づいて、前記第1の時間区間及び前記第2の時間区間における前記第1チャネルの送信処理を行う送信回路と、を具備する。
【0007】
なお、これらの包括的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム、または、記録媒体で実現されてもよく、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0008】
本開示の一実施例によれば、送信チャネルの信頼性を向上できる。
【0009】
本開示の一実施例における更なる利点および効果は、明細書および図面から明らかにされる。かかる利点および/または効果は、いくつかの実施形態並びに明細書および図面に記載された特徴によってそれぞれ提供されるが、1つまたはそれ以上の同一の特徴を得るために必ずしも全てが提供される必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図5】Transport Block Size(TBS)決定方法の一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0012】
例えば、LTE/LTE-Advancedにおいて、基地局(例えば、eNBと呼ぶこともある)は、端末(例えば、UE:User Equipmentと呼ぶこともある)に対する下りデータ信号又は上りデータ信号を割り当てる際に、トランスポートブロック(TB:Transport Block)のサイズ(例えば、TBS:Transport Block Size)を制御情報によって端末に指定する。
【0013】
なお、例えば、下りデータ信号は下りデータチャネル(PDSCH:Physical Downlink Shared CHannel)に対応し、上りデータ信号は上りデータチャネル(PUSCH:Physical Uplink Shared CHannel)に対応し、制御情報は下り制御チャネル(PDCCH:Physical Downlink Control CHannel)に対応する。また、TBSは、例えば、情報ビット量とも呼ばれる。
【0014】
例えば、端末は、PDSCH復号又はPUSCH符号化の際に、PDCCHに含まれる周波数領域のリソース量(例えば、リソースブロック(RB:Resource block)、又はPRB(Physical RB))数、及び、変調符号化方式(MCS:Modulation and Coding Scheme)に基づいて、基地局が決定したTBS及び符号化率を決定(例えば、算出)する。端末は、例えば、決定したTBSに基づいて、受信バッファサイズ又は送信バッファサイズを決定する。
【0015】
NRでも、端末において制御情報に基づくTBS決定のサポートが合意されている。
【0016】
NRでは、LTE/LTE-Advancedと異なり、TBSは、例えば、TB送信に割り当てられた周波数領域のリソース量(例えば、RB数)に加えて、そのTB送信に割り当てられた時間領域のリソース量(例えば、シンボル数)に基づいて決定される(例えば、非特許文献1を参照)。時間領域のリソース量に基づくTBSの決定は、NRでは、シンボル数を指定したデータ割当が可能になったからである。
【0017】
また、NRでは、セルラ通信に加え、対自動車通信(例えば、V2X:Vehicle to Everything)、人工衛星を介した通信(例えば、NTN:Non-Terrestrial Network)、又は、超高信頼低遅延通信(例えば、URLLC:Ultra-Reliable and Low-Latency Communications)といった様々なシナリオにおいて、データ送信(例えば、TB送信)の信頼性を向上する技術のサポートが検討されている。データ送信の信頼性を向上する技術には、例えば、同一のTBを複数回送信する技術(例えば、repetition及びblind retransmissionと呼ばれる)がある。
【0018】
例えば、同一のTBを複数回送信する際、複数の送信それぞれにおけるTBに対して異なるTBSが設定されると、基地局(例えば、eNB又はgNBとも呼ぶ)又は端末(例えば、UEとも呼ぶ)といった受信側は、異なるTBの受信と誤認識し、TBを合成できない場合があり得る。このため、TBS設定によってはTB送信の信頼性を向上できない場合があり得る。
【0019】
NRでは、例えば、基地局又は送信端末は、PDSCH又はPUSCH送信の際に、データ信号のサイズ(例えば、TBS)を決定する。また、PDSCH又はPUSCHのリソース割当を含む制御情報は、例えば、PDSCHとは別のチャネル(例えば、PDCCH)によって基地局又は送信端末から受信端末へ送信される。
【0020】
また、基地局又は受信端末は、データ信号(例えば、TB)を受信する際、制御情報によって基地局又は送信端末から通知されたTBの時間領域のリソース割当情報、周波数領域のリソース割当情報(例えば、PRB数)、復調用参照信号(DM-RS:DeModulation Reference Signal)数、MCSオーダ、又は、符号化率(Coding Rate)といった情報に基づいてTBSを決定(例えば、算出)する。
【0021】
TBSの決定例(算出例)について説明する。
【0022】
例えば、端末(例えば、UE)は、1PRB内に含まれるRE数(N'
RE)を算出する。例えば、RE数(N'
RE)は、次式(1)に従って算出されてよい。
【数1】
【0023】
ここで、NSC
RBは、1PRB内に含まれるサブキャリア数(例えば、NSC
RB=12)を示し、NSymb
shはPDSCHに割り当てられたシンボル数を示し、NDMRS
PRBは1PRB内に含まれるDM-RSに用いられるRE数を示し、Noh
PRBは上位レイヤによって設定される値を示す。
【0024】
次に、UEは、PDSCHに割り当てられたRE数の合計(N
RE)を、例えば、次式(2)に従って算出する。
【数2】
【0025】
ここで、nPRBは、UEに割り当てられたPRB数の合計を示す。
【0026】
次に、端末は、PDSCHにおいて送信されているデータの情報ビット数の中間値(Intermediate Number)を示すN
infoを算出する。例えば、中間値N
infoは、次式(3)に従って算出されてよい。
【数3】
【0027】
ここで、Rは符号化率(Target Code Rate)を示し、Qmは変調オーダ(modulation order)を示し、vはレイヤ数を示す。
【0028】
そして、端末は、中間値Ninfoの値に応じて量子化された値N'infoに基づいてTBSを決定する。
【0029】
以上、TBSの決定例(算出を用いる例)について説明した。
【0030】
同一TBの繰り返し送信又は再送における各送信には、例えば、個別の制御信号(例えば、PDCCH、PUCCH、又は、Physical Sidelink Shared CHannel(PSSCH))によってリソースが割り当てられることが想定される。よって、同一TBであっても繰り返し送信又は再送において、例えば、初回送信時と再送時とで異なるTBSが算出され得る。
【0031】
例えば、基地局又は受信端末は、TB受信時に算出したTBSに基づいて、受信バッファにおけるバッファサイズを決定する。なお、受信バッファは、受信したTBを一時的にバッファする。そして、基地局又は受信端末は、繰り返し送信又は再送時には、バッファされている以前の送信(例えば、初回送信)分のTBと、繰り返し送信又は再送時のTBとを合成し復号する。
【0032】
そのため、同一TBの繰り返し送信又は再送において、それぞれの送信について異なるTBSが算出されると、合成するデータ(又は、データがバッファされるバッファ)のサイズが異なるので、合成によって復号結果の信頼性を向上できない場合があり得る。
【0033】
例えば、NRのV2Xシナリオにおいて、サイドリンク(SL:Sidelink)又はPC5と呼ばれるリンクを使用する端末間の直接の送受信(別言すると、基地局を含むネットワークを介さない通信)では、Physical Sidelink Control CHannel(PSCCH)、PSSCH、Physical Sidelink Feedback CHannel(PSFCH)、又は、Physical Sidelink Broadcast CHannel(PSBCH)といったチャネルのサポートが想定される。
【0034】
例えば、PSSCHはTB送信のためのチャネルである。送信端末は、PSSCHによるTB送信の際にTBSを決定し、受信端末は、PSSCHによるTB受信の際にTBSを決定(例えば、算出)することが想定される。
【0035】
また、例えば、PSFCHは、PSSCHの復号成否を受信端末から送信端末へ通知するためのチャネルである。PSFCHのリソースには、例えば、少なくとも或るスロット内の末尾1シンボルが用いられることが想定される。また、PSFCHは、スロット毎に送信される場合に限らない。例えば、PSFCHを送信する端末が存在しない場合、PSFCHには、リソースは割り当てられないことが想定される。
【0036】
また、PSFCHリソースが割り当てられ得るスロットの周期として、例えば、毎スロット、2スロット中の1スロット、及び、4スロット中の1スロットといった周期の何れかが想定され得る。PSFCHリソースが割り当てられ得るスロットの周期に関する情報は、例えば、上位レイヤ又はアプリケーションレイヤ等で設定されることが想定される。また、他の周期のサポートも検討される。また、時間領域のリソースに限らず、例えば、周波数領域のリソース(例えば、サブチャネル)において、PSFCHリソースが割り当てられるか否かが変わることも想定される。
【0037】
これらより、サブチャネル又はスロット毎にPSFCHリソースの割り当ての有無、又は、PSFCHリソースの量が変動し得るため、例えば、PSSCHのような、PSFCHと異なるチャネルに割り当てられるリソースも、サブチャネル又はスロット毎に変動し得ることが想定される。
【0038】
また、例えば、サイドリンク通信では、端末は送受信を同時に実施できない。例えば、端末は、PSFCHが割り当てられていないサブチャネルであっても、他のサブチャネルにおいてPSFCHを送受信する場合、PSFCHが送受信されるシンボルにおいてPSCCHを送受信できない場合もあり得る。
【0039】
上記より、NRにおけるTBの繰り返し送信又は再送の際、各送信に割り当てられる周波数領域のリソース及び時間領域のリソースによってTB(例えば、サイドリンク通信ではPSSCH)に割当可能なリソース量が異なり得る。そのため、送信機及び受信機において決定(又は算出)されるTBSも送信毎に異なり得る。送信毎のTBSが異なることにより、例えば、繰り返し送信又は再送における送信の信頼性向上の効果を得られない場合があり得る。
【0040】
そこで、本開示の一実施例では、繰り返し送信又は再送における送信の信頼性を向上する方法について説明する。
【0041】
(実施の形態1)
[通信システムの概要]
本実施の形態に係る通信システムは、一例として、NR V2X通信(「サイドリンク通信」と称されてもよい)をサポートする通信システムである。本実施の形態に係る通信システムは、例えば、複数の端末100を備える。端末100は、例えば、送信端末及び受信端末の何れか一方、又は双方の構成を備えてよい。
【0042】
図1は、本実施の形態に係る送信端末100aの一部の構成例を示すブロック図である。
図1に示す送信端末100aにおいて、制御部(例えば、制御回路に相当)は、例えば、第1時間区間(例えば、第1スロット)と第2時間区間(例えば、第2スロット)との何れか一方の時間区間について送信データサイズ(例えば、TBS)の決定に用いた時間リソース量(例えば、シンボル数)に基づいて、他方の時間区間における送信データサイズを決定してよい。第1時間区間には、例えば、データチャネル(例えば、PSSCH)、及び、データチャネルと異なるチャネル(例えば、PSFCH)が配置されてよい。第2時間区間には、データチャネルは配置されるがデータチャネルと異なるチャネルは配置されない区間であってよい。送信部(例えば、送信回路に相当)は、決定した送信データサイズに基づいて、第1時間区間及び第2時間区間においてデータチャネルの送信処理(例えば、符号化、変調、送信又は再送といった処理を含む)を行う。
【0043】
図2は、本実施の形態に係る受信端末100bの一部の構成例を示すブロック図である。
図2に示す受信端末100bにおいて、制御部(例えば、制御回路に相当)は、例えば、第1時間区間(例えば、第1スロット)と第2時間区間(例えば、第2スロット)との何れか一方の時間区間について送信データサイズ(例えば、TBS)の決定に用いた時間リソース量(例えば、シンボル数)に基づいて、他方の時間区間における送信データサイズを決定してよい。第1時間区間には、例えば、データチャネル(例えば、PSSCH)、及び、データチャネルと異なるチャネル(例えば、PSFCH)が配置されてよい。第2時間区間には、データチャネルは配置されるがデータチャネルと異なるチャネルは配置されない区間であってよい。受信部(例えば、受信回路に相当)は、決定した送信データサイズに基づいて、第1時間区間及び第2時間区間においてデータチャネルの受信処理(例えば、復調、復号及び合成といった処理を含む)を行う。
【0044】
[端末の構成]
図3は、本実施の形態に係る端末100の構成例を示すブロック図である。
図3において、端末100は、PSFCH設定部101と、リソースプール設定部102と、SCI生成部103と、ACK/NACK生成部104と、TBS決定部105と、送信データバッファ部106と、誤り訂正符号化部107と、変調部108と、信号割当部109と、送信部110と、受信部111と、信号分離部112と、SCI受信部113と、復調部114と、誤り訂正復号部115と、TBS算出部116と、受信データバッファ部117と、を有する。
【0045】
なお、
図3に示す端末100では、送信データ及び受信データの処理系が各々1つずつ含む構成であるが、例えば、V2Xでは基地局(図示せず)との通信、及び、端末100間の通信の2種類が想定されるため、送受信データ処理系が2つずつ含まれてもよい。
【0046】
また、
図1に示す制御部は、例えば、
図3に示すTBS決定部105を含み、送信部は、例えば、
図3に示す送信データバッファ部106及び送信部110を含んでよい。また、
図2に示す制御部は、例えば、
図3に示すTBS算出部116を含み、受信部は、例えば、
図3に示す受信部111及び受信データバッファ部117を含んでよい。
【0047】
図3において、PSFCH設定部101は、例えば、誤り訂正復号部115から入力されるPSFCH設定に関する情報に基づいて、受信端末から送信端末へのフィードバックに使用されるPSFCHのリソース割当(例えば、スロット又はサブチャネルの少なくとも一つ)を設定する。PSFCH設定部101は、例えば、PSFCH設定に関する情報を、設定したPSFCHに関連するデータの送信端末の場合には信号分離部112へ出力し、設定したPSFCHに関連する受信端末の場合には信号割当部109へ出力する。
【0048】
リソースプール設定部102は、例えば、サイドリンク通信において使用可能な周波数及び時間領域のリソース群(例えば、リソースプールと呼ぶ)を設定する。例えば、リソースプール設定部102は、誤り訂正復号部115から入力される、リソースプールに関する情報に基づいて、端末100がサイドリンクに使用するリソースプール(例えば、時間リソース及び周波数リソース)を設定する。リソースプール設定部102は、設定したリソースプールに関する情報を、例えば、送信端末ではSCI生成部103、信号割当部109及び信号分離部112へ出力し、受信端末では信号分離部112へ出力する。
【0049】
SCI生成部103は、例えば、リソースプール設定部102から入力される情報に基づいて、送信端末から受信端末へ送信する制御情報(例えば、SCI)を生成する。SCIには、例えば、PSSCHを送信するリソースに関する情報が含まれてよい。SCI生成部103は、生成したSCIを信号割当部109及び信号分離部112へ出力する。
【0050】
ACK/NACK生成部104は、誤り訂正復号部115から入力される受信データ信号に基づいて、受信データ信号が復号に成功したか否かを判定する。ACK/NACK生成部104は、例えば、判定結果に基づいて、受信データ信号の復号成否に関する情報をフィードバックするか否かを示す情報、又は、ACK(復号成功)及びNACK(復号失敗)の何れかを含む情報(例えば、応答信号、ACK/NACK又はHARQ-ACKとも呼ぶ)を生成し、信号割当部109へ出力する。
【0051】
TBS決定部105は、送信データ信号(例えば、TB)に設定されるTBSを決定する。例えば、TBS決定部105は、送信データ信号のリソース割当情報、又は、上位レイヤから通知される情報(例えば、割当リソースを含むスロット、サブチャネル、又は、リソースプールといったPSFCHに関連する情報)に基づいてTBSを決定してよい。TBS決定部105は、決定したTBSに関する情報を、送信データバッファ部106へ出力する。
【0052】
送信データバッファ部106は、送信データ信号を一時的にバッファする。送信データバッファ部106は、例えば、送信データ信号の繰り返し送信又は再送の際に、バッファされた送信データ信号を誤り訂正符号化部107に出力してよい。また、送信データバッファ部106は、TBS決定部105から入力されるTBSに関する情報に基づいて、バッファするデータ量(バッファサイズとも呼ぶ)を決定してよい。送信データバッファ部106は、例えば、サーキュラバッファでもよい。
【0053】
誤り訂正符号化部107は、送信データ信号又は上位レイヤ信号(または、上位レイヤパラメータとも呼ぶ。図示せず)を入力とし、入力信号を誤り訂正符号化し、符号化後の信号を変調部108へ出力する。
【0054】
変調部108は、誤り訂正符号化部107から入力される信号を変調し、変調信号を信号割当部109へ出力する。
【0055】
信号割当部109は、例えば、PSFCH設定部101から入力される情報、リソースプール設定部102から入力される情報、及び、SCI生成部103から入力される情報に基づいて、SCIを含むPSCCHの信号、変調部108から入力される信号を含むPSSCHの信号、又は、ACK/NACK生成部104から入力される信号を含むPSFCHの信号を、サイドリンクの無線リソースに割り当てる。信号割当部109は、リソースに割り当てた信号を送信部110へ出力する。
【0056】
送信部110は、信号割当部109から入力される信号に対してアップコンバート等の無線送信処理を施し、アンテナを介して送信信号を受信端末へ送信する。
【0057】
受信部111は、送信端末から送信された信号をアンテナを介して受信し、受信信号に対してダウンコンバート等の受信処理を施した後に信号分離部112へ出力する。
【0058】
信号分離部112は、例えば、PSFCH設定部101から入力される情報、リソースプール設定部211から入力される情報、又は、SCI受信部113から入力される情報に基づいて、受信部111から入力される信号のうち、PSCCHの信号成分をSCI受信部113へ出力し、PSSCHの信号成分を復調部114へ出力する。
【0059】
SCI受信部113は、信号分離部112から入力されるPSCCHの信号成分(例えば、SCI)に基づいて、送信端末から送信された制御情報を読み取る(「受信する」と称してもよい)。例えば、SCI受信部113は、SCIに含まれる端末100宛てのPSSCHのリソース割当情報を信号分離部112へ出力してよい。また、SCI受信部113は、SCIに含まれるTBSに関連する情報をTBS算出部116へ出力してよい。
【0060】
復調部114は、信号分離部112から入力される信号に対して、復調処理を施し、得られた復調信号を誤り訂正復号部115へ出力する。
【0061】
誤り訂正復号部115は、復調部114から入力される復調信号を復号し、得られた上位レイヤシグナリングに含まれるPSFCH設定に関する情報をPSFCH設定部101へ出力し、リソースプールに関する情報をリソースプール設定部102へ出力する。また、誤り訂正復号部115は、得られた受信データ信号を、ACK/NACK生成部104、及び、受信データバッファ部117へ出力する。
【0062】
TBS算出部116は、SCI受信部113から入力されたTBSに関連する情報(例えば、TBのリソース割当情報、又は、割当リソースを含むスロット、サブチャネル又はリソースプールにおけるPSFCHに関連する情報)に基づいて、受信したデータに設定されたTBSを決定(例えば、算出)する。TBS算出部116は、算出したTBSを、受信データバッファ部117へ出力する。
【0063】
受信データバッファ部117は、誤り訂正復号部115から入力された受信データ信号を一時的にバッファする。受信データバッファ部117は、例えば、送信データ信号の繰り返し送信又は再送の際に、バッファされた受信データ信号と、誤り訂正復号部115から入力される受信データ信号とを合成してよい。また、受信データバッファ部117は、TBS算出部116から入力されるTBSに関する情報に基づいて、バッファするデータ量(バッファサイズとも呼ぶ)を決定してよい。受信データバッファ部117は、例えば、サーキュラバッファでもよい。
【0064】
なお、PSFCH設定情報又はリソースプール設定情報といったサイドリンクに関する制御情報は、上位レイヤのシグナリングに限らず、例えば、「Pre-configured」と呼ばれるアプリケーションレイヤで設定されてもよく、端末100が備えるsubscriber identity module(SIM)に予め設定されてもよい。
【0065】
[端末100の動作]
次に、端末100(例えば、送信端末及び受信端末)の動作の一例について説明する。
【0066】
図4は、端末100の処理の一例を示すフローチャートである。
【0067】
送信端末は、送信データ(例えば、TB)のTBSを決定する(ST101)。例えば、送信端末は、PSSCHのリソース割当情報、及び、PSFCHに関連する情報に基づいてTBSを決定してよい。
【0068】
送信端末は、例えば、SCIを含むPSCCH及び送信データを含むPSSCHを受信端末へ送信する(ST102)。送信端末は、例えば、決定したTBSに基づいて、送信データ(TB)を送信する。また、送信端末は、送信データを送信データバッファ部106にバッファする。なお、送信端末は、例えば、TBSに基づいて、送信データのバッファサイズを決定してよい。PSCCH及びPSSCHは、受信端末によって受信される。
【0069】
受信端末は、送信端末から送信されるデータのTBSを決定(又は算出)する(ST103)。例えば、受信端末は、SCIに含まれるリソース割当情報、及び、上位レイヤからのPSFCHに関する設定情報に基づいて、受信データに設定されるTBSを決定してよい。また、受信端末は、受信データを受信データバッファ部117にバッファする。なお、受信端末は、例えば、TBSに基づいて、受信データのバッファサイズを決定してよい。
【0070】
受信端末は、例えば、受信データに対するACK/NACKを含むPSFCHを送信端末へ送信する(ST104)。受信端末は、例えば、PSFCH設定情報に基づいて、PSFCHを送信するスロットを決定してよい。
【0071】
送信端末は、例えば、受信端末からフィードバックされるPSFCHに基づいて、送信データを再送してよい。または、送信端末は、送信データを繰り返し送信してよい。送信データの繰り返し送信又は再送の場合、送信端末及び受信端末は、例えば、
図4に示すST101~ST104の処理を繰り返してもよい。
【0072】
また、サイドリンクに関するパラメータ(例えば、PSFCH設定情報及びリソースプール設定情報)は、端末100に対して、例えば、規格において予め規定されてもよく、Pre-configuredと呼ばれるアプリケーションレイヤで設定されてもよく、SIMに予め設定されてもよく、configuredと呼ばれるSIB又はその他のRRC等の上位レイヤで設定されてもよい。
【0073】
次に、TBSの決定方法の例について説明する。
【0074】
本実施の形態では、端末100(例えば、送信端末及び受信端末)は、例えば、TBの繰り返し送信又は再送における複数の時間区間(例えば、複数のスロット)において、PSFCHの割り当ての有無又はPSFCHに割り当てられるリソース量の変動に依らずに固定値をTBSに設定してよい。換言すると、複数のスロットそれぞれにおけるTBSは、例えば、スロット、サブチャネル又はリソースプール毎の送信データ信号の割当リソースの変動の一部又は全てを考慮せずに決定されてよい。なお、「○○を考慮せずに決定」するとは、「○○に基づかずに決定」する、「○○に依存せずに決定」する、「○○とは独立して決定」する、といった表現に相互に置き換えられてもよい。
【0075】
以下、TBSの決定方法1~3についてそれぞれ説明する。
【0076】
[決定方法1]
端末100(例えば、送信端末又は受信端末)は、例えば、送信データ信号(例えば、PSSCH)のリソース割当情報、及び、PSFCHに関する情報に基づいて、送信データに設定されるTBSを決定(又は算出)する。例えば、端末100は、PSSCHの割当の有無、PSFCHに割り当てられるリソース量の一部又は全て、又は、リソース割当に関する設定又は通知を考慮せずに、TBSを決定してよい。
【0077】
例えば、端末100は、受信端末におけるTBS決定に用いられるデータ信号に割り当てられるシンボル数Nsymb
shを、そのスロットにおいてPSFCHに割り当てられたシンボルが存在するか否かに依らず、PSFCHに割り当てられたシンボル数を含む値に設定する。例えば、端末100は、受信端末におけるTBS決定に用いられるデータ信号に割り当てられるシンボル数Nsymb
shを、PSFCHが割り当てられていない場合のPSSCHのシンボル数に設定してもよい。
【0078】
図5は、決定方法1におけるTB(例えば、PSSCHの信号)に割り当てられる時間領域のリソース量(例えば、シンボル数)、及び、TBSの決定(又は算出)に用いられるTBの時間領域のリソース量との関係の一例を示す。
【0079】
図5に示す例では、TB(PSSCH)に実際に割り当てられるリソース(例えば、シンボル)は、PSFCHに割り当てられるリソースと重複せずに割り当てられる。なお、「重複」(overlap)という用語は、「衝突」(collision)に相互に読み替えられてもよい。
【0080】
例えば、
図5(a)に示すスロットでは、PSFCHの割当が無く、PSSCHは、スロット内の末尾のシンボルまで割り当てられる。
【0081】
一方、
図5(b)に示すスロットでは、PSFCHの割当が有り、スロット内の末尾のシンボルに割り当てられる。また、
図5(b)では、PSSCHは、スロット内のPSFCHと異なるシンボルに割り当てられる。
【0082】
決定方法1では、端末100は、PSSCHを含み、PSFCHを含まない
図5(a)に示すスロットにおいてPSSCH(例えば、TB)が配置されるシンボル数に基づいてTBSを決定する。換言すると、端末100は、スロット内のPSFCHの割当の有無に依らず、
図5(a)に示すPSSCHの割当に基づいて、TBSを決定(又は算出)する。
【0083】
例えば、端末100は、
図5(b)に示すスロット(PSFCHの割当有りの場合)でも、
図5(a)に示すスロットにおけるPSSCHの割当(例えば、シンボル数)に基づいてTBSを決定する。換言すると、端末100は、
図5(a)に示すスロットにおいてTBSの決定に用いたシンボル数に基づいて、
図5(b)に示すスロットにおけるTBSを決定する。
【0084】
例えば、時間リソース(例えば、シンボル)への実際の割当(例えば、PSSCH mapping)では、PSSCHは、PSFCHの割当リソースを考慮して、PSFCHのリソースと重複しないリソースに割り当てられる。これに対して、TBS決定(例えば、TBS calculation)では、PSFCH割当の有無に依らず、PSFCHの割当リソース(例えば、シンボル)を考慮せずに、
図5(a)に示すスロット内のPSSCHの割当リソースに基づいてTBSが決定される。
【0085】
決定方法1では、
図5に示すように、端末100は、繰り返し送信又は再送する複数のスロットのうちの或るスロット(例えば、
図5(a)のスロット)においてTBSの決定に用いたデータ信号に割り当てられるシンボル数N
symb
shを、他のスロット(例えば、
図5(b)のスロット)におけるTBSの決定にも用いる。この決定により、決定方法1では、
図5に示すように、端末100は、複数のスロットにおいて、PSFCHの有無に依らず、同一のTBSを決定できる。
【0086】
[決定方法2]
端末100(例えば、送信端末又は受信端末)は、例えば、送信データ信号(例えば、PSSCH)のリソース割当情報、及び、PSFCHに関する情報に基づいて、送信データに設定されるTBSを決定(又は算出)する。例えば、端末100は、PSSCHの割当の有無、PSFCHに割り当てられるリソース量の一部又は全て、又は、リソース割当に関する設定又は通知を考慮して、TBSを決定してよい。
【0087】
例えば、端末100は、受信端末におけるTBS決定に用いられるデータ信号に割り当てられるシンボル数Nsymb
shを、そのスロットにおいてPSFCHに割り当てられたシンボルが存在するか否かに依らず、PSFCHに割り当てられたシンボル数を含まない値に設定する。例えば、端末100は、受信端末におけるTBS決定に用いられるデータ信号に割り当てられるシンボル数Nsymb
shを、PSFCHが割り当てられた場合のPSSCHのシンボル数に設定してもよい。
【0088】
図6は、決定方法2におけるTB(例えば、PSSCHの信号)に割り当てられる時間領域のリソース量(例えば、シンボル数)、及び、TBSの決定(又は算出)に用いられるTBの時間領域のリソース量との関係の一例を示す。
【0089】
図6に示す例では、TB(PSSCH)に実際に割り当てられるリソース(例えば、シンボル)は、PSFCHに割り当てられるリソースと重複せずに割り当てられる。
【0090】
例えば、
図6(a)に示すスロットでは、PSFCHの割当が無く、PSSCHは、スロット内の末尾のシンボルまで割り当てられる。
【0091】
一方、
図6(b)に示すスロットでは、PSFCHの割当が有り、スロット内の末尾のシンボルに割り当てられる。また、
図6(b)では、PSSCHは、スロット内のPSFCHと異なるシンボルに割り当てられる。
【0092】
決定方法2では、端末100は、PSSCH及びPSFCHを含む
図6(b)に示すスロットにおいてPSSCH(例えば、TB)が配置されるシンボル数に基づいてTBSを決定する。換言すると、端末100は、スロット内のPSFCHの割当の有無に依らず、
図6(b)に示すPSSCHの割当に基づいて、TBSを決定(又は算出)する。
【0093】
例えば、端末100は、
図6(a)に示すスロット(PSFCHの割当無しの場合)でも、
図6(b)に示すスロットにおけるPSSCHの割当(例えば、シンボル数)に基づいてTBSを決定する。換言すると、端末100は、
図6(b)に示すスロットにおいてTBSの決定に用いたシンボル数に基づいて、
図6(a)に示すスロットにおけるTBSを決定する。
【0094】
例えば、時間リソース(例えば、シンボル)への実際の割当(例えば、PSSCH mapping)では、PSSCHは、PSFCHの割当リソースを考慮して、PSFCHのリソースと重複しないリソースに割り当てられる。これに対して、TBS決定(例えば、TBS calculation)では、PSFCH割当の有無に依らず、PSFCHの割当リソース(例えば、シンボル)を考慮して、
図6(b)に示すスロット内のPSSCHの割当リソースに基づいてTBSが決定される。
【0095】
決定方法2では、
図6に示すように、端末100は、繰り返し送信又は再送する複数のスロットのうちの或るスロット(例えば、
図6(b)のスロット)においてTBSの決定に用いたデータ信号に割り当てられるシンボル数N
symb
shを、他のスロット(例えば、
図6(a)のスロット)におけるTBSの決定にも用いる。この決定により、決定方法2では、
図6に示すように、端末100は、複数のスロットにおいて、PSFCHの有無に依らず、同一のTBSを決定できる。
【0096】
[決定方法3]
決定方法3では、端末100(例えば、送信端末又は受信端末)は、例えば、送信データ信号(例えば、PSSCH)のリソース割当情報、及び、PSFCHに関する情報に基づいて、送信データに設定されるTBSを決定(又は算出)する。
【0097】
決定方法3では、端末100は、例えば、端末100に対する設定又は通知に基づいて、TBS決定に用いるデータ信号に割り当てられるシンボル数Nsymb
shを決定する。換言すると、端末100は、TBS決定の際にPSFCHに関する設定を考慮するか否かを、設定又は通知に基づいて決定する。
【0098】
例えば、端末100は、PSFCHに関する設定を考慮しないことが設定又は通知された場合、決定方法1と同様、PSSCHが含まれ、PSFCHが含まれないスロットにおけるPSSCHの割当リソース量(例えば、シンボル数)に基づいて、TBSを決定してよい。一方、例えば、端末100は、PSFCHに関する設定を考慮することが設定又は通知された場合、決定方法2と同様、PSSCH及びPSFCHが含まれるスロットにおけるPSSCHの割当リソース量(例えば、シンボル数)に基づいて、TBSを決定してよい。
【0099】
換言すると、端末100においてTBS決定において基づく時間リソース量(例えば、シンボル数Nsymb
sh)は、PSSCHを含み、PSFCHを含まないスロット及びPSSCH及びPSFCHを含むスロットの何れか一方のスロットにおいてTBが配置されるシンボル数に基づく値であり、上記一方のスロットは、端末100に通知される、又は、端末100に設定される。
【0100】
決定方法3により、端末100は、例えば、決定方法1及び決定方法2のうち、端末100によるTBS決定に適した決定方法を選択できる。例えば、TBSの決定方法は、端末100の能力(例えば、UE capability又はバッファサイズ等)に基づいて、当該端末100に設定又は通知されてよい。
【0101】
以上、TBSの決定方法について説明した。
【0102】
次に、TBS決定に関する動作例について説明する。
【0103】
[動作例1]
動作例1では、TBS決定処理について説明する。
【0104】
<動作例1-1>
動作例1-1では、送信端末及び受信端末におけるTBS決定の際に用いられるTBへのリソース割当情報のうち、TBに割り当てられるシンボル数(例えば、Nsymb
sh)は、例えば、規格(又は仕様)によって固定値又は候補群が規定される。
【0105】
例えば、受信端末のTBS算出において使用されるデータ信号に割り当てられるシンボル数Nsymb
shは、規格において固定値に定められてもよく、規格において定められた候補群の中から選択されてもよい。
【0106】
ここで、シンボル数Nsymb
shに対して候補群が与えられた場合、端末100は、候補群の中から選択する候補を、SCIによる通知又は上位レイヤ等による設定に基づいて決定してもよく、或る基準に従って決定してもよい。
【0107】
動作例1-1により、例えば、TBS決定に用いるシンボル数Nsymb
shに対する固定値又は候補群の通知を不要にでき、シグナリング量を低減できる。
【0108】
<動作例1-2>
動作例1-2では、送信端末及び受信端末は、TBS決定(又はTBS算出)の際に用いられるTBに割り当てられるシンボル数、及び、割り当てられるシンボルがPSFCHの割り当てられ得るシンボルに重複するか否かに基づいて、TBSを決定する。
【0109】
以下、TBSの決定方法1及び決定方法2それぞれに対して動作例1-2を適用した例を説明する。
【0110】
(動作例1-2a)
動作例1-2をTBSの決定方法1に適用した例について説明する。
【0111】
例えば、スロット内において、PSSCHと異なる他のチャネル又は信号に割り当てられていないリソースがPSSCHへの割当リソースに設定されることが想定される。
【0112】
ここで、PSSCHと異なる他のチャネル又はシグナルに割り当てられたリソースには、例えば、PSCCH、PSFCH、送受信及び受送信の切替過渡時間に対応するシンボル、又は、自動利得制御(AGC:Automatic Gain Control)に対応するシンボルに割り当てられたリソースが含まれてよい。
【0113】
端末100(送信端末又は受信端末)は、例えば、PSSCHに割り当てられるリソースがPSFCHに割り当てられ得るリソースに重複するか否かに応じて、TBSの決定に用いられるシンボル数Nsymb
shを決定してよい。
【0114】
例えば、PSSCHリソースとPSFCHリソースとが重複する場合、端末100は、PSSCHに割り当てられたシンボル数を、Nsymb
shに設定してよい。一方、PSSCHリソースとPSFCHリソースとが重複しない場合、端末100は、PSSCHに割り当てられたシンボル数に、PSFCHに割り当てられたシンボル数を加算した値を、Nsymb
shに設定してよい。
【0115】
また、例えば、Rel.16のNRのように、制御情報(例えば、DCI又はSCI)によって、データチャネル(例えば、PDSCH又はPSSCH)が割り当てられるリソースのスロット内における先頭のシンボルと、割り当てられるシンボル長とが通知されることが想定される。
【0116】
送信端末及び受信端末は、例えば、この通知に基づいて、PSSCHに割り当てられたリソースと、PSFCHの割り当てられ得るリソースとが重複するか否かを判断してよい。送信端末及び受信端末による判断結果に応じて、TBS決定におけるシンボル数Nsymb
shの値は異なる。例えば、PSSCHリソースとPSFCHリソースとが重複する場合には、PSSCHに割り当てられたシンボル数がTBS決定におけるシンボル数Nsymb
shの値に設定される。これに対して、PSSCHリソースとPSFCHリソースとが重複しない場合には、PSSCHに割り当てられたシンボル数にPSFCHに割り当てられたシンボル数を加算した値がTBS決定におけるシンボル数Nsymb
shの値に設定される。
【0117】
動作例1-2aによって、同一TBの繰り返し送信又は再送が発生した場合でも、端末100(送信端末又は受信端末)は、PSSCHリソースとPSFCHリソースとの重複に依らず、繰り返し送信又は再送に関連するデータ信号(例えば、PSSCH)について同一のTBSを決定できる。また、動作例1-2aによって、端末100は、例えば、各送信データに対して、スロット又はサブチャネルの状況に応じてリソースを柔軟に割り当てることができる。
【0118】
(動作例1-2b)
動作例1-2をTBSの決定方法2に適用した例について説明する。
【0119】
例えば、スロット内において、PSSCHと異なる他のチャネル又は信号に割り当てられていないリソースがPSSCHへの割当リソースに設定されることが想定される。
【0120】
ここで、PSSCHと異なる他のチャネル又はシグナルに割り当てられたリソースには、例えば、PSCCH、PSFCH、送受信及び受送信の切替過渡時間に対応するシンボル、又は、AGCに対応するシンボルに割り当てられたリソースが含まれてよい。
【0121】
端末100(送信端末又は受信端末)は、例えば、PSSCHに割り当てられるリソースがPSFCHに割り当てられ得るリソースに重複するか否かに応じて、TBSの決定に用いられるシンボル数Nsymb
shを決定してよい。
【0122】
例えば、PSSCHリソースとPSFCHリソースとが重複する場合、端末100は、PSSCHに割り当てられたシンボル数から、PSFCHに割り当てられたシンボル数を減算した値を、Nsymb
shに設定してよい。一方、PSSCHリソースとPSFCHリソースとが重複しない場合、端末100は、PSSCHに割り当てられたシンボル数を、Nsymb
shに設定してよい。
【0123】
また、例えば、Rel.16のNRのように、制御情報(例えば、DCI又はSCI)によって、データチャネル(例えば、PDSCH又はPSSCH)が割り当てられるリソースのスロット内における先頭のシンボルと、割り当てられるシンボル長とが通知されることが想定される。
【0124】
送信端末及び受信端末は、例えば、この通知に基づいて、PSSCHに割り当てられたリソースと、PSFCHの割り当てられ得るリソースとが重複するか否かを判断してよい。送信端末及び受信端末による判断結果に応じて、TBS決定におけるシンボル数Nsymb
shの値は異なる。例えば、PSSCHリソースとPSFCHリソースとが重複する場合には、PSSCHに割り当てられたシンボル数からPSFCHに割り当てられたシンボル数を減算した値がTBS決定におけるシンボル数Nsymb
shの値に設定される。これに対して、PSSCHリソースとPSFCHリソースとが重複しない場合には、PSSCHに割り当てられたシンボル数がTBS決定におけるシンボル数Nsymb
shの値に設定される。
【0125】
動作例1-2bによって、同一TBの繰り返し送信又は再送が発生した場合でも、端末100(送信端末又は受信端末)は、PSSCHリソースとPSFCHリソースとの重複に依らず、繰り返し送信又は再送に関連するデータ信号(例えば、PSSCH)について同一のTBSを決定できる。また、動作例1-2bによって、端末100は、例えば、各送信データに対して、スロット又はサブチャネルの状況に応じてリソースを柔軟に割り当てることができる。
【0126】
[動作例2]
動作例2では、TBS決定及び実際のリソース割当決定の後の処理について説明する。
【0127】
以下では、例えば、送信端末がTBS及び実際にTBの送信に用いられるデータチャネル(例えば、PDSCH、PUSCH又はPSSCH)に割り当てられるリソース決定後の符号化率(Coding Rate)の調整方法の例について説明する。
【0128】
<動作例2-1>
TBSの決定方法1又は決定方法3において、受信端末がTBS決定の際に用いるデータ信号に割り当てられたと認識するシンボル数(N
symb
sh)は、例えば、
図5(b)のように、データ信号に実際に割り当てられたシンボル数よりも多くなり得る。この場合、TBに設定されるTBSは、TBに実際に割り当てられたシンボル数に基づいて決定されるTBSよりも大きくなり得る。また、例えば、
図5(b)では、TBは、決定されたTBSに相当するリソースよりも小さいリソース(例えば、PSSCHリソース)に割り当てられ得る。
【0129】
そこで、送信端末は、例えば、送信データを間引いてもよい。この処理は、例えば、パンクチャ又はパンクチャリングとも呼ばれる。送信データの間引きにより、送信端末は、例えば、決定されたTBSに相当するリソースよりも小さいリソース(例えば、PSSCHリソース)に、パンクチャリングされた送信データを割り当てることができる。
【0130】
よって、実際に割り当てられたシンボル数に基づいて設定されるTBSよりも大きいTBSが決定されたTBを、決定されたTBSに相当するリソースよりも小さいリソースに割り当てた結果、割当リソースが小さくなることによる送信の信頼性低減を抑制できる。また、TBの繰り返し送信により、送信の信頼性をより向上できる。
【0131】
<動作例2-2>
TBSの決定方法2又は決定方法3において、受信端末がTBS決定の際に用いるデータ信号に割り当てられたと認識するシンボル数(N
symb
sh)は、例えば、
図6(a)のように、データ信号に実際に割り当てられたシンボル数よりも小さくなり得る。この場合、TBに設定されるTBSは、TBに実際に割り当てられたシンボル数に基づいて決定されるTBSよりも小さくなり得る。また、例えば、
図6(a)では、TBは、決定されたTBSに相当するリソースよりも大きいリソース(例えば、PSSCHリソース)に割り当てられ得る。
【0132】
そこで、送信端末は、例えば、送信データに冗長ビット等を付加して、符号化率を調整してよい。符号化率の調整により、送信端末は、例えば、決定されたTBSに相当するリソースよりも大きいリソース(例えば、PSSCHリソース)に、冗長ビットを付加した送信データを割り当てることができる。
【0133】
よって、例えば、実際に割り当てられたシンボル数に基づいて決定されるTBSよりも小さいTBSが設定されたTBを、設定されたTBSに相当するリソースよりも大きいリソースに割り当てた場合でも、割り当てられたリソースの利用効率を向上し、送信の信頼性を向上できる。
【0134】
[動作例3]
動作例3では、Resource reservation時の動作について説明する。
【0135】
NR V2Xでは、例えば、或る単一のSCIによって、複数のPSSCHのためのリソースを或るリソースプール上で予約し、他の端末の送信との衝突発生を避ける運用が想定される。この運用は「Resource reservation」とも呼ばれる。Resource reservationにおいて、複数のPSSCHは、同一のTBの繰り返し送信又は再送のために用いられてもよく、異なる複数のTBのために用いられてもよい。
【0136】
例えば、Resource reservationにおいて、或る単一のSCIによって複数のPSSCHのためのリソースに関連する情報が通知される場合、複数のPSSCHにおいて送信されるTBのTBS決定(又はTBS算出)に上述したTBSの決定方法1~3を適用してよい。例えば、単一のSCIによって複数のPSSCHのためのリソースを予約した際、複数のPSSCHが同一のTBの繰り返し送信又は再送に用いられる場合、複数のPSSCHそれぞれの受信及び復号処理において、受信端末は、同一のTBSを算出できる。同一TBSの算出により、複数のPSSCHに基づく復号結果の合成によって復号結果の信頼性を向上できる。
【0137】
以上、動作例について説明した。
【0138】
本実施の形態では、端末100(例えば、送信端末及び受信端末)は、例えば、PSSCH及びPSFCHが配置されるスロット、及び、PSSCHが配置されるスロットの何れか一方のスロットについてPSSCHの送信サイズ(例えば、TBS)の決定に用いたシンボル数に基づいて、他方のスロットにおけるTBSを決定する。そして、送信端末は、決定したTBSに基づいて、各スロットにおけるPSSCHの送信処理を行い、受信端末は、決定したTBSに基づいて、各スロットにおけるPSSCHの受信処理を行う。
【0139】
この動作により、例えば、TBの繰り返し送信又は再送の際、各送信においてPSSCH又はPSFCHに割り当てられるリソースが異なり得る場合でも、各送信におけるTBSを同一に設定できる。同一TBSの設定により、例えば、送信データ又は受信データのバッファサイズを同一に設定でき、送信チャネル(例えば、PSSCH又はTB)の信頼性を向上できる。
【0140】
以上、本開示の各実施の形態について説明した。
【0141】
(他の実施の形態)
上記実施の形態では、一例として、NR V2Xシナリオを前提とする場合について説明した。しかし、本開示の一実施例は、NR V2Xに限らず、例えば、モバイルブロードバンドの高度化(eMBB: enhanced Mobile Broadband)、URLLC、NTN及びNR-UといったNRをベースとする様々なシナリオにおける同一TBの複数回送信(又は再送)に対して適用可能である。この場合、例えば、上記実施の形態における送信端末を基地局又は端末に置き換え、PSCCHをPDCCH又はPUCCHに置き換え、PSSCHをPDSCH又はPUSCHに置き換え、PSFCHをPUCCHに置き換え、SCIをDCIに置き換え、リソースプールをComponent Carrier(CC)に置き換え、サブチャネルをBandwidth Part(BWP)に置き換えてよい。
【0142】
上記実施の形態において、TBS決定の際、シンボルの有無又はシンボル数の変動は、PSFCHによる場合に限定されず、PSFCHと異なる他のチャネル又はシグナル、他のシンボル又はリソースによる場合でもよい。例えば、PSFCHの代わりに、NR V2Xシナリオにおいて、PSCCH、PSSCH、PSBCH、送受信切り替え又は受送信切り替えの過渡時間に対応するシンボル、又は、AGCに対応するシンボルでもよい。
【0143】
上記実施の形態において、TBS決定の際、シンボルの有無又はシンボル数の変動は、TBSに対応するTBのリソース割当と同一のサブチャネル、スロット、又は、サブチャネル及びスロットの何れかに割り当てられたPSFCHシンボルに限らず、異なるサブチャネル及びスロットに割り当てられたPSFCHシンボルについても適用できる。
【0144】
上記実施の形態において、送信サイズ(例えば、TBS)を決定するチャネルは、データチャネル(例えば、PSSCH、PDSCH又はPUSCH)に限定されず、他のチャネルでもよい。
【0145】
また、サイドリンクにおいて送受信端末には、例えば、送信処理を行い、受信処理を行わない端末、受信処理を行い、送信処理を行わない端末、又は、送信及び受信の双方を行う端末が含まれてよい。
【0146】
PSCCH及びPSSCHの配置の一例として、例えば、
図5及び
図6に示すように、PSSCHの先頭数シンボルにPSCCHが配置される例について説明したが、PSCCH及びPSSCHの配置は
図5及び
図6に示す配置に限定されない。例えば、PSCCHとPSSCHとが時間多重(TDM:Time Division Multiplexing)される配置、周波数多重(FDM:Frequency Division Multiplexing)される配置の場合にも、上記実施の形態を適用できる。
【0147】
PSFCHのフォーマットは、例えば、
図5及び
図6に示すように、スロット内の末尾の1シンボルに配置されるフォーマットに限定されず、他のフォーマットでもよい。例えば、PSFCHは、スロット内の末尾と異なるシンボルに配置されてもよい。また、例えば、PSFCHは、2シンボル以上に配置されてもよい。
【0148】
また、上記実施の形態では、例えば、繰り返し送信又は再送される複数のスロット毎にTBSが決定される場合について説明したが、これに限定されず、繰り返し送信又は再送される複数のスロットに設定されるTBSは、或るスロットにおいて決定されてもよい。換言すると、繰り返し送信又は再送される複数のスロットに設定されるTBSは、複数のスロット毎に決定されなくてもよい。
【0149】
PSSCHの割り当てシンボル数は、例えば、対応するPSCCHによって割り当てられてもよく、リソースプールの設定時に予め設定されてもよい。
【0150】
TBが複数開送信されるスロットは、時間的に連続するスロットでもよく、時間的に連続していないスロットでもよい。
【0151】
時間リソースの単位は、スロット及びシンボルの組み合わせに限らず、例えば、フレーム、サブフレーム、スロット、サブスロット又は、シンボルといった時間リソース単位でもよく、リソースエレメント(RE)といった他のリソース単位でもよい。
【0152】
本開示はソフトウェア、ハードウェア、又は、ハードウェアと連携したソフトウェアで実現することが可能である。上記実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、部分的に又は全体的に、集積回路であるLSIとして実現され、上記実施の形態で説明した各プロセスは、部分的に又は全体的に、一つのLSI又はLSIの組み合わせによって制御されてもよい。LSIは個々のチップから構成されてもよいし、機能ブロックの一部または全てを含むように一つのチップから構成されてもよい。LSIはデータの入力と出力を備えてもよい。LSIは、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路、汎用プロセッサ又は専用プロセッサで実現してもよい。また、LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。本開示は、デジタル処理又はアナログ処理として実現されてもよい。さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
【0153】
本開示は、通信機能を持つあらゆる種類の装置、デバイス、システム(通信装置と総称)において実施可能である。通信装置は無線送受信機(トランシーバー)と処理/制御回路を含んでもよい。無線送受信機は受信部と送信部、またはそれらを機能として、含んでもよい。無線送受信機(送信部、受信部)は、RF(Radio Frequency)モジュールと1または複数のアンテナを含んでもよい。RFモジュールは、増幅器、RF変調器/復調器、またはそれらに類するものを含んでもよい。通信装置の、非限定的な例としては、電話機(携帯電話、スマートフォン等)、タブレット、パーソナル・コンピューター(PC)(ラップトップ、デスクトップ、ノートブック等)、カメラ(デジタル・スチル/ビデオ・カメラ等)、デジタル・プレーヤー(デジタル・オーディオ/ビデオ・プレーヤー等)、着用可能なデバイス(ウェアラブル・カメラ、スマートウオッチ、トラッキングデバイス等)、ゲーム・コンソール、デジタル・ブック・リーダー、テレヘルス・テレメディシン(遠隔ヘルスケア・メディシン処方)デバイス、通信機能付きの乗り物又は移動輸送機関(自動車、飛行機、船等)、及び上述の各種装置の組み合わせがあげられる。
【0154】
通信装置は、持ち運び可能又は移動可能なものに限定されず、持ち運びできない又は固定されている、あらゆる種類の装置、デバイス、システム、例えば、スマート・ホーム・デバイス(家電機器、照明機器、スマートメーター又は計測機器、コントロール・パネル等)、自動販売機、その他IoT(Internet of Things)ネットワーク上に存在し得るあらゆる「モノ(Things)」をも含む。
【0155】
通信には、セルラーシステム、無線LANシステム、通信衛星システム等によるデータ通信に加え、これらの組み合わせによるデータ通信も含まれる。
【0156】
また、通信装置には、本開示に記載される通信機能を実行する通信デバイスに接続又は連結される、コントローラやセンサー等のデバイスも含まれる。例えば、通信装置の通信機能を実行する通信デバイスが使用する制御信号やデータ信号を生成するような、コントローラやセンサーが含まれる。
【0157】
また、通信装置には、上記の非限定的な各種装置と通信を行う、あるいはこれら各種装置を制御する、インフラストラクチャ設備、例えば、基地局、アクセスポイント、その他あらゆる装置、デバイス、システムが含まれる。
【0158】
本開示の一実施例に係る送信装置は、第1チャネルおよび第2チャネルが配置される第1の時間区間、及び、前記第1チャネルが配置される第2の時間区間の何れか一方の時間区間について前記第1チャネルの送信サイズの決定に用いた時間リソース量に基づいて、他方の時間区間における前記送信サイズを決定する制御回路と、決定した前記送信サイズに基づいて、前記第1の時間区間及び前記第2の時間区間における前記第1チャネルの送信処理を行う送信回路と、を具備する。
【0159】
本開示の一実施例において、前記時間リソース量は、前記第1の時間区間において前記第1チャネルが配置されるシンボル数である。
【0160】
本開示の一実施例において、前記時間リソース量は、前記第2の時間区間において前記第1チャネルが配置されるシンボル数である。
【0161】
本開示の一実施例において、前記時間リソース量は、前記第1の時間区間及び前記第2の時間区間の何れか一方の時間区間において前記第1チャネルが配置されるシンボル数であり、前記一方の時間区間は、前記送信装置に通知される、又は、前記送信装置に設定される。
【0162】
本開示の一実施例において、前記制御回路は、前記送信サイズに基づいて、前記第1チャネルに対応するバッファのバッファサイズを決定する。
【0163】
本開示の一実施例において、前記第1チャネルは、前記第1の時間区間及び前記第2の時間区間において繰り返し送信されるデータチャネル、又は、前記第1の時間区間及び前記第2の時間区間のうち一方における送信に対して他方において再送されるデータチャネルである。
【0164】
本開示の一実施例に係る受信装置は、第1チャネルおよび第2チャネルが配置される第1の時間区間、及び、前記第1チャネルが配置される第2の時間区間の何れか一方の時間区間について前記第1チャネルの送信サイズの決定に用いた時間リソース量に基づいて、他方の時間区間における前記送信サイズを決定する制御回路と、決定した前記送信サイズに基づいて、前記第1の時間区間及び前記第2の時間区間における前記第1チャネルの受信処理を行う受信回路と、を具備する。
【0165】
本開示の一実施例に係る送信方法において、送信装置は、第1チャネルおよび第2チャネルが配置される第1の時間区間、及び、前記第1チャネルが配置される第2の時間区間の何れか一方の時間区間について前記第1チャネルの送信サイズの決定に用いた時間リソース量に基づいて、他方の時間区間における前記送信サイズを決定し、決定した前記送信サイズに基づいて、前記第1の時間区間及び前記第2の時間区間における前記第1チャネルの送信処理を行う。
【0166】
本開示の一実施例に係る受信方法において、受信装置は、第1チャネルおよび第2チャネルが配置される第1の時間区間、及び、前記第1チャネルが配置される第2の時間区間の何れか一方の時間区間について前記第1チャネルの送信サイズの決定に用いた時間リソース量に基づいて、他方の時間区間における前記送信サイズを決定し、決定した前記送信サイズに基づいて、前記第1の時間区間及び前記第2の時間区間における前記第1チャネルの受信処理を行う。
【0167】
2019年8月15日出願の特願2019-149143の日本出願に含まれる明細書、図面および要約書の開示内容は、すべて本願に援用される。
【産業上の利用可能性】
【0168】
本開示の一実施例は、移動通信システムに有用である。
【符号の説明】
【0169】
100 端末
101 PSFCH設定部
102 リソースプール設定部
103 SCI生成部
104 ACK/NACK生成部
105 TBS決定部
106 送信データバッファ部
107 誤り訂正符号化部
108 変調部
109 信号割当部
110 送信部
111 受信部
112 信号分離部
113 SCI受信部
114 復調部
115 誤り訂正復号部
116 TBS算出部
117 受信データバッファ部