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特許7558967虫歯、歯周炎、及び口臭のもとになる病原菌を低減するための洗口用組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-20
(45)【発行日】2024-10-01
(54)【発明の名称】虫歯、歯周炎、及び口臭のもとになる病原菌を低減するための洗口用組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/20 20060101AFI20240924BHJP
   A61K 8/73 20060101ALI20240924BHJP
   A61Q 11/00 20060101ALI20240924BHJP
   A61K 31/728 20060101ALI20240924BHJP
   A61K 33/20 20060101ALI20240924BHJP
   A61P 1/02 20060101ALI20240924BHJP
【FI】
A61K8/20
A61K8/73
A61Q11/00
A61K31/728
A61K33/20
A61P1/02
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2021560543
(86)(22)【出願日】2020-04-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-25
(86)【国際出願番号】 US2020027495
(87)【国際公開番号】W WO2020210509
(87)【国際公開日】2020-10-15
【審査請求日】2022-01-06
(31)【優先権主張番号】62/832,107
(32)【優先日】2019-04-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521134547
【氏名又は名称】ブラック チューリップ マネージメント、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ヘンリー・ダブリュー・クロセッティ
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・エル・ニッケルス
(72)【発明者】
【氏名】サラ・ウィルコックス-エーデルマン
【審査官】田中 雅之
(56)【参考文献】
【文献】特表2004-541942(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00- 8/99
A61Q 1/00-90/00
A61K 6/00- 6/90
A61K 31/33-33/44
A61P 1/00-43/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
次亜臭素酸塩、亜塩素酸塩、ヒアルロナン、水、及びpH調整剤を含む、ヒトの口腔に適用するための製剤であって、得られた製剤が、7~10のpHを有し、製剤の酸化還元電位が650mV~800mVの範囲である、製剤。
【請求項2】
次亜臭素酸塩及び亜塩素酸塩がナトリウム塩である、請求項1に記載の製剤。
【請求項3】
製剤の質量に対して、製剤中の次亜臭素酸ナトリウムの量が1~10,000ppmである、請求項1又は2に記載の製剤。
【請求項4】
製剤の質量に対して、製剤中のヒアルロナンの量が1,000~6,000ppmである、請求項1~3のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項5】
pH調整剤が、緩衝剤であり、7~9の範囲のpHを有する製剤をもたらすのに十分な量で添加されている、請求項1から4のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項6】
BHT、BHA、硝酸ナトリウム、亜硫酸塩、及び安息香酸ナトリウムからなる群から選択される保存料を更に含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項7】
保存料、香味剤、甘味剤、歯光沢剤若しくはホワイトナー、フッ化物塩又はカンナビジオール油のうちの1種又は複数を更に含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項8】
ヒアルロナンの質量平均分子量が100万~600万の範囲である、請求項1から7のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項9】
塩化セチルピリジニウム(CPC)、クロルヘキシジングルコン酸塩(CHG)、皮膚軟化剤、及びアルコールのうちの1種又は複数を含まない、請求項1から8のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項10】
次亜臭素酸、臭化物又はその塩、ブロマイト、臭素酸塩、及び亜臭素酸を含まない、請求項1から9のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項11】
次亜塩素酸ナトリウムを含まない、請求項1から10のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項12】
カンナビジオール油をさらに含む、請求項1から11のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項13】
不透明容器内に包装されている、請求項1から12のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項14】
前記の酸化還元電位が30日間、650mV~800mVの範囲にある、請求項1~13のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項15】
前記の酸化還元電位が90日間、650mV~800mVの範囲にある、請求項1~13のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項16】
前記の酸化還元電位が180日間、650mV~800mVの範囲にある、請求項1~13のいずれか一項に記載の製剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概して、虫歯、歯周炎(その初期段階、歯肉炎を含む)及び口臭、例えば、口臭症、及びドライマウスに付随する症状の進行を遅らせる、又はこれらを治療するための製剤、これらの製剤の調製のための方法、並びにこれらの製剤を使用するための関連方法に関する。
【背景技術】
【0002】
虫歯、歯周炎等の歯疾患の発症、並びに口臭には、細菌及び他の病原菌が関係していることが示されている。
【0003】
歯周病は、歯及び周辺の軟部組織上に細菌含有プラークが蓄積した結果である。歯周病の進行は菌膜形成から始まり、この菌膜形成は、歯の表面に付着する唾液タンパク質から生じる。一度形成されると、口腔細菌はこの菌膜に付着し始め、バイオフィルムを形成する。バイオフィルムは、歯のカリエス、歯周病、及び呼吸の悪臭の原因病理に関わる。これらのバイオフィルムの連続的及び定期的な破壊は口腔疾患の予防及び対処に不可避である。石灰化されていないバイオフィルムは所定の口腔清掃補助用具又は専門的歯科用具により除去することができるが、これらは唾液からミネラルを吸収して、歯の歯石となる能力を有し、これらの除去を困難にする。したがって、これらのバイオフィルムは、バイオフィルムに伴う疾患の制御及び根絶において、歯科医に重大な難題を提示している。
【0004】
このバイオフィルム内での細菌集団の増加が許容された場合、プラークが形成される。プラークは、極めて組織化された細胞間マトリックス内に埋め込まれた微生物及びこれらの生成物からなる、特有ではあるが、極めて可変の構造的実体として記載することができる。プラークに関連する細菌種はおよそ1,000種にのぼり、主に通性ストレプトコッカス・ミュータンス(Streptococcus mutans)、フゾバクテリウム(Fusobacterium)及びアクチノバクテリア(Actinobacteria)である。24~48時間放置すると、プラークは、歯の周辺の軟部組織に、歯肉炎として公知の炎症を引き起こす。これは、歯周病の第1段階と考えられる。歯肉炎に関連する細菌は、最初はグラム陽性(例えば、連鎖球菌(Streptococcus)、アクチノマイセス(Actinomyces)、ベイロネラ(Veillonella))であり、条件が悪化するにつれて、グラム陰性嫌気性病原菌である。
【0005】
プラークは最終的に、唾液中に見出されるミネラルからの石灰化により硬質となる。これは歯石(tartar)又は歯石(calculus)として公知である。プラーク又はバイオフィルムとは異なり、歯石は摩耗(ブラッシング)により除去することができず、除去のための専門的スケーリングを必要とする。プラーク及び歯石は、放置すると、歯ぐき組織下に蓄積し、これらの存在は、歯を支持する硬部組織及び軟部組織の永久の破壊を引き起こす、これを歯周炎と呼ぶ。歯周炎に関連する細菌として、ポルフィロモナス・ジンジバリス(Porphyromonas gingivalis)、アクチノバチルス・アクチノミセテムコミタンス(Actinobacillus actinomycetemcomitans)、プレボテラ・インターメディア(Prevotella intermedia)、バクテロイデス・フォルシタス(Bacteroides forsythus)、カンピロバクター・レクタス(Campylobacter rectus)、トレポネーマ(Treponema)及びユーバクテリウム(Eubacterium)が挙げられる。
【0006】
虫歯もまた懸案事項であり、虫歯は糖に対して細菌が反応した結果であり、これによって酸が生成される。これらの酸は、糖からの発酵性炭水化物の存在下で歯の表面を侵食する。この疾患に関連する細菌として、歯の表面上に病巣を引き起こすストレプトコッカス・ミュータンス(Streptococcus mutans)及び拡散及び浸透の原因となるラクトバチルス(Lactobacillus)が挙げられる。治療オプションとして、衛生指示、習慣的な専門的クリーニング、食事の変更、フッ化物治療及びシーラントが挙げられる。最も高い発症率は小児及び高齢者にある。小児における難題は、規則的な有効な衛生状態を確立すること及び食事を制御することである。高齢者では、唾液の流動の減少が共通して存在し、これが唾液によりもたらされる自然の自己クレンジング作用を低減させ、歯の歯肉縁での食物及び細菌の蓄積を可能にする。この唾液の低減はpHの低減もまた生じる。6未満へのpHの低減は、口腔内でのカルシウムとリン酸塩のミネラルバランスの変化をもたらし、歯構造の脱灰を引き起こす。
【0007】
舌の後部背面上及び歯を支えている軟部組織の下のグラム陰性嫌気性細菌の蓄積もまた口臭という形態で問題を提示する。これらの細菌は、口内の有機物質、例えば、細胞デブリ、食物粒子及び唾液タンパク質の中に見出される、硫黄含有アミノ酸を含んでいるあらゆる脱落細胞を分解する。これによって、硫化ガス(例えば、硫化水素、メチルメルカプタン、チオール及びジスルフィド)が口腔に放出され、これが口臭症を含む口臭を構成する。正常な歯の衛生状態に従っている人口のおよそ20%が持続性の悪臭を有する。
【0008】
口臭症及び目覚めの口臭の主要な原因は、グラム陰性嫌気性細菌の腐敗及び口内有機物質中の多くの硫黄含有アミノ酸である。睡眠中の唾液の流動の欠如、酸素利用性の低下、並びに舌及び頬部の作用の低減は、これら細菌の作用を増強し得る。マウスウォッシュユーザーはそのような使用からわずかな持続作用しか得られない。これは、この製剤が悪臭をより心地良い匂いに少しの間だけ置き換える一時的なマスキング剤として作用するからである。細胞脱落を刺激し、よってこれを増強するアルコール含有マウスウォッシュは、実際のところ事態を悪化し得る。ミント及びチューインガムもまた悪臭の一時的隠匿をもたらすだけなので、長期的には有効ではない。加えて、舌コーティングに対処しない場合には、悪臭が存在し得る。コーティングは、脱落した上皮細胞、有機デブリ及び唾液タンパク質から作られている。舌の下面は、酸素への曝露がなく、嫌気性細菌の成長を促進する。舌の後部背面部分は、普通口蓋及び前歯との接触により摩耗する。口蓋窩が高い又は舌運動が限定されている個体はコーティング形成を生じやすい。解剖学的構造に加えて、コーティングの形成に寄与し得る複数の要因が存在する、例えば、口の衛生状態が悪いこと、舌のブラッシングを毎日しないこと、又はドライマウス(口内乾燥)である。後鼻漏及び副鼻腔感染症が舌コーティングを増大させることもまた公知である。
【0009】
悪臭に関連する細菌として、バクテロイデス・メラニノジェニクス(Bacteroides melaninogenicus)、トレポネーマ・デンティコラ(Treponema denticola)、ポルフィロモナス・ジンジバリス(Porphyromonas gingivalis)、プレボテラ・インターメディア(Prevotella intermedia)、バクテロイデス・フォルシタス(Bacteroides forsythus)、フゾバクテリウム(Fusobacterium)、シュードモナス(Pseudomonas)、シトロバクター(Citrobacter)、アエロモナス(Aeromonas)、サルモネラ(Salmonella)、及び大腸菌(Escherichia coli)が挙げられる。
【0010】
1つのジレンマは、歯周病の基礎をなす細菌が正常な天然フローラ内にも存在することである。したがって、抗生剤の使用によってこれらの細菌を制御しようとしても、天然フローラに対して一時的弊害をもたらすだけである。
【0011】
抗菌性マウスリンスが現在市販されている。これらのマウスリンスは、例えば、クロルヘキシジングルコン酸塩(CHG)、塩化セチルピリジニウム(CPC)及びエッセンシャルオイル(EO)を含むいくつかの成分を含有する。CHGは広範囲なグラム陽性及びグラム陰性微生物に対して活性があり、唾液のムチン、歯の構造、歯のプラーク、及び口腔内軟部組織に結合すると考えられており、口内にゆっくりと放出され、そこで細菌の歯への吸着を阻害すると更に考えられている。CPCもまた、歯及びプラークに結合するが、CHGほどではなく、一般的にCHGと比べて効果は低い。CHGもEOもプラークバイオフィルムに浸透し、微生物細胞の表面形態を変化させ、これが、共凝集、再定着によって生存を変える。これらの成分の長期使用は、微生物の異常増殖、日和見感染、又は微生物耐性の発症を含め、口内微生物フローラの生態学に悪影響を及ぼさない。軟部組織病巣又は粘膜異常へのいかなる寄与もなく、唾液の流動、味覚、歯の堆積物、又は歯の回復に重篤な有害作用はない。更に、アルコール含有マウスリンスと、口腔がん又は咽頭がんの危険性との間に公知の関連はない。
【0012】
有効性に加えて、これらの成分は副作用にも関連する。例えば、CHGの使用は、歯/舌の着色;口/喉の刺激;ドライマウス;不快な味覚;味覚の低下;及び口のヒリヒリする痛みに関連することが報告されている。CPC(市販の製品、例えば、Cepacol(登録商標)マウスウォッシュ、Scope(登録商標)マウスウォッシュ(これは臭化ドミフェン及び変性アルコールも含む)、及びCrest Pro Health(登録商標)マルチプロテクションマウスウォッシュに含まれている)は、歯及び口腔用器具の着色;口の乾燥;口腔粘膜の焼けるような痛み;並びに歯石形成に関連する一方、EOは、ドライマウス;マスクの口臭に関連し、アルコール含有量によっては呼気臭を悪化させ得る。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0013】
【文献】Albert-Kiszelyら,「Comparison of the Effects of Cetylpyridinium Chloride with an Essential Oil Mouth Rinse on Dental Plaque and Gingivitis - a Six-month Randomized Controlled Clinical Trial」 J. Clin. Periodontol. 34巻(8号):658~67頁(2007年8月)
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は概して、虫歯、歯周炎(その初期段階、歯肉炎を含む)及び口臭、例えば、口臭症、及びドライマウスに付随する症状の進行を遅らせる、又はこれらを治療するための製剤、これらの製剤の調製のための方法、並びにこれらの製剤を使用するための関連方法に関する。
【0015】
一実施形態では、本発明は、複数の構成成分を混合して水溶液又は水性分散液を得ることによって調製される製剤であって、構成成分が、次亜臭素酸塩、亜塩素酸塩、水、及びpH調整剤、並びに本明細書に記載されている更にもう1種の任意選択成分である構成成分及び/又は成分を含み、これらから本質的になり、又はこれらのみからなり、得られた製剤が、約6~約10のpH、望ましくは約7~約10のpHを有する、製剤を提供する。
【0016】
関連する実施形態では、本発明は、本発明の製剤を歯及び/又は周辺の軟部組織に適用することにより、虫歯、歯周炎(その初期段階、歯肉炎を含む)、及び口臭、例えば、口臭症、及びドライマウスに関連する症状の進行を低減する又はこれらを治療するための方法を提供する。
【0017】
本発明の他の実施形態は、本明細書に記載されている製剤を超音波クリーニングにおいてデブリードマン(病巣清掃)用溶液として使用するための方法、並びに口腔用器具、例えば、入れ歯、睡眠時無呼吸症候群マウスデバイスをクリーニングするための方法を含む。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明は、ある特定の実施形態では、口腔粘膜及び歯への適用に適した製剤、及び関連する方法であって、口腔粘膜及び歯の上に製剤を適用した後、歯及び/又は周辺の軟部組織の上の細菌の濃度の低減が得られる製剤及び関連する方法を提供する。この細菌の低減は、既存の状態、例えば、虫歯、歯周炎(歯肉炎を含む)及び/若しくは口臭、例えば、口臭症の発症を遅らせ、又はこれらを治療し、唾液の減少、粘膜炎、及び望ましくないpHの低減から生じる症状を緩和すると考えられる。
【0019】
この製剤は、複数の構成成分を混合して水溶液又は水性分散液を得ることによって調製され、構成成分は、次亜臭素酸塩、亜塩素酸塩、水、及びpH調整剤、並びに望ましくはヒアルロナン、並びに本明細書に記載されているような更にもう1種の任意選択の構成成分及び/又は成分を含み、これらから本質的になり、又はこれらからなり、得られた製剤は、約6~約10のpHを有し、口腔粘膜への適用の場合、望ましくは非酸性であり、7~約10のpHを有する。
【0020】
ある特定の製剤は口腔粘膜への適用を目的とするため、製剤を調製するために使用される各成分、及び生成される製剤それ自体は、無毒性であるか、又は関連する規制当局により無毒性と考えられる濃度で成分を含むべきである。
【0021】
本発明の製剤は、既存の製剤と比べて様々な利点をもたらすことが判明した。例として、比較的低濃度の亜塩素酸塩及び次亜臭素酸塩を使用しているにもかかわらず、製剤のある特定の実施形態は、口腔粘膜と接触させることで細菌カウント数の低減に有効であり(例えば、望ましくは少なくとも約700mVの酸化還元電位(ORP)を有する)、一方で他の実施形態は、口腔用器具の細菌カウント数の低減に有効である(例えば、望ましくは少なくとも約650mVのORPを有する)ことが発見された。更に、望ましくは、製剤のある特定の実施形態は、この抗菌作用を非酸性pH、例えば、7~約10で提供する。この程度の抗菌作用を非酸性pHで提供することは極めて望ましい、すなわち、酸性液体はこの状態及びこれに伴う不快感を悪化させるため、製剤を口腔粘膜と接触させて使用する場合、特にこれらを使用して歯周病及び虫歯を患っている個体を治療する場合には極めて望ましい。
【0022】
製剤は、非酸性pHで調製及びパッケージされた製剤においても、これらの活性(例えば、ORP)を長期間、例えば、最大約7、14、30、45、60、90、120、150又は180日間保持することが更に発見された。望ましくは、活性保持を増強するため、製剤は、UV耐性容器、例えば、色付き又は不透明容器、所望する場合、再密閉可能な容器内に包装することができる。加えて、次亜臭素酸塩は非酸性pHでも製剤内で安定化されており、製剤の調製後、この非酸性pHにおいて存在する次亜臭素酸塩の臭化物及び/又は臭素酸塩への分解は比較的最小限であると考えられている。この安定性はまた望ましくは、安定性の増強を助ける冷蔵を用いて約4℃~約25℃の範囲の温度で保持される。包装される場合、包装中、及びより好ましくは(限定された)圧力下で、容器内の任意のヘッドスペースに不活性ガス(例えば、窒素)を充填することが更に望ましく、この圧力が、最初の使用前に二酸化塩素を溶液中に保持しておくことを助けると考えられる。単回使用(単位用量包装)のための製剤の包装もまた想定される。
【0023】
本発明の水性製剤のそれぞれは次亜臭素酸塩を用いて調製される。この塩は、様々なカチオンのうちの1種、例えば、アルカリ及びアルカリ土類金属塩類、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム及び亜鉛の1つを含むことができ、カチオンは望ましくはナトリウム塩及び/又はカリウム塩であり、より望ましくはナトリウム塩である。製剤の調製において、次亜臭素酸塩は、水性分散液又は水溶液中に、製剤の総質量に対して、約1、約50、約100、約250、約500、約750、約1,000、約1,250、約1,500、約1,750又は約2,000ppmから約3,000、約5,000、約10,000、約15,000、約20,000、約25,000、約30,000、約40,000、約50,000、約60,000、約70,000、約80,000、約90,000、又は約100,000ppmまでの範囲の質量で存在し得る。特定の理論に拘束されることを望むわけではないが、次亜臭素酸塩を含むことにより、製剤に、細菌、ウイルス及び真菌に対する抗病原性作用がもたらされる(例えば、その中の細胞膜を酸化することによって)と考えられる。この酸化が、その膜の不安定さ、そして最終的には崩壊を引き起こすと更に考えられる。また、製剤は取り込み及び代謝を必要としないので、細菌、ウイルス、及び真菌は、製剤に対する耐性を生み出すことができない。
【0024】
製剤は望ましくは、唯一の次亜臭素酸塩として、より好ましくは唯一の臭素含有化合物として、次亜臭素酸ナトリウムを使用して調製される。しかしながら、製剤を調製するにはまた、その調製中に、任意選択により場合によっては、例えば、次亜臭素酸、臭化物塩、例えば、臭化ナトリウム、ブロマイト、臭素酸塩、及び亜臭素酸を含めた他の臭素含有化合物を水に添加してもよく、これらの例示された化合物(臭化物以外)が水性製剤中で比較的に不安定であるにもかかわらずそうである。次亜臭素酸塩に加えて含まれる場合、他の臭素含有化合物は、次亜臭素酸塩の量(質量)より少ない量で存在し、望ましくは、製剤の質量に対して、約0.01ppm、約0.1ppm、約1ppm、約5ppm、約10ppm、又は約50ppmから、約300ppm以下、約200ppm以下、約100ppm以下、約50ppm以下、約10ppm以下、約5ppm以下、約1ppm以下又は約0.1ppm以下に制限される。
【0025】
本発明の水性製剤のそれぞれはまた亜塩素酸塩を用いて調製される。この塩は、様々なカチオンのうちの1種、例えば、アルカリ及びアルカリ土類金属塩を含むことができ、カチオンは望ましくはナトリウム塩である。製剤の調製において、亜塩素酸塩は、製剤中に、製剤の総質量に対して、約1、約100、約500、約1,000、約2,000、約4,000、約5,000、約7,000、約10,000、約15,000又は約20,000ppmから約30,000、約40,000、約50,000、約60,000、約70,000、約80,000、約90,000、約100,000、約120,000又は約150,000ppmまでの範囲の質量で存在し得る。本発明の製剤において、及びそこで生じる多くの反応物の一部として、亜塩素酸塩の少なくとも一部分は、二酸化塩素をもたらす反応にさらされることになり、並びに、亜塩素酸ナトリウムが使用される場合、塩化ナトリウムをもたらすことになる。塩化ナトリウムは次亜塩素酸塩の形成を触媒すると考えられており、ひいてはこれが二酸化塩素の生成を増強し、後者は、使用されるときに、製剤中に存在することが望ましい。
【0026】
製剤は、望ましくは、唯一の亜塩素酸塩として、より好ましくは唯一の塩素含有化合物として亜塩素酸ナトリウムを使用して調製される。しかし、製剤を調製するにはまた、その調製中に、他の任意選択成分である塩素含有化合物、例えば次亜塩素酸ナトリウムを水に添加することもできるが、塩素それ自体及び次亜塩素酸塩は含まないことが望ましい。特に次亜塩素酸ナトリウムを含むことは、製剤の味覚及び臭気に悪影響を及ぼすため、本明細書に記載しているように限定されるべきである。亜塩素酸塩に加えて含まれる場合、他の塩素含有化合物は、亜塩素酸塩の量より少ない量(質量)で添加され(製剤を調製する際に)、望ましくは約0.01、約0.1、約1、約5、約10、又は約50ppmから、約300、約200、約100、約50、約10、約5、約1ppm以下、又は約0.1ppm以下に制限される。
【0027】
本明細書で論じているように、製剤のpHは慎重に制御されるべきである。pHを制御するための様々な理由が存在する。例えば、製剤のpHは亜塩素酸塩の変換に影響を与え、それが含まれる場合、次亜塩素酸ナトリウムの二酸化塩素への変換に影響を与える。pHはまた次亜臭素酸塩の安定性にも影響を与え、本明細書に記載されている範囲内の比較的に高いpHがより望ましい。この関連で、製剤のpHは、約6又は6.5から約10の範囲であってよく、ある特定の実施形態では酸性ではなく、約7から約7.5、8、8.5、9又は9.5又は10まで、更により望ましくは、約7.5から約8、8.5又は9まで、好ましくは約7.5又は8から約8.5までの範囲、より好ましくは約8であってよい。
【0028】
製剤のpHは、pH調整剤を含むことでもたらされる。製剤の調製中に水に添加されるこの薬剤は、特定の量で含まれる場合、製剤中の所望のpHをもたらすことが可能な、任意の適切な無毒性成分であっても、又は成分の組合せであってもよい。これを前提に、pHを制御する手段としての酸の直接的添加は好ましくなく、なぜならこれは、二酸化塩素の形成に悪影響を及ぼす可能性があるからである。したがって、及び好ましくは、pH調整剤は、例えば、クエン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、クエン酸を使用して調製した緩衝剤であり、所望のpHを製剤にもたらすのに十分な量で含まれる。口腔内のpHは疾患の異なる段階と共に変化するので、製剤が最も有効となるためには、pH値全範囲にわたり、望ましくは非酸性のpHレベルにおいて歯及び周辺の軟部組織の上に抗菌活性、抗ウイルス活性、及び抗真菌活性をもたらすべきである。
【0029】
本明細書に記載されている製剤はまた、安定であり、歯の上及び/又は周辺の軟部組織内の細菌、ウイルス及び/又は真菌の量を低減するこれらの有効性を、少なくとも約7日間、より望ましくは少なくとも約14日間、更により望ましくは少なくとも約30、45、60、90、120、150、又は180日間保持する。
【0030】
好ましい実施形態では、製剤は、約1,000、約1,250、約1,500、約1,750又は約2,000ppmから約3,000、約5,000、約10,000、約15,000、約20,000、約25,000、約30,000、約40,000、約50,000又は約80,000ppmまでの範囲の質量の次亜臭素酸ナトリウム;約5,000、約7,000、約10,000、約15,000又は約20,000ppmから約50,000、約60,000、約70,000、約80,000、約90,000、又は約100,000ppmまでの範囲の量の亜塩素酸ナトリウム(すべての質量による量は、製剤を調製するために使用された量であり、製剤の総質量に対するものである);水;及びpH調整剤、並びに本明細書に記載されている更にもう1種の任意選択による構成成分及び/又は成分(例えば、ヒアルロナン)を含む、これらから本質的になる、又はこれらのみからなる水溶液又は水性分散液であり、得られた製剤は約5~約10のpHを有し、望ましくは、製剤は本明細書に記載されている様々な他の構成成分を含まない。
【0031】
質量比ベースでは、製剤のある特定の実施形態は、約5:1~約1:1の範囲の、より望ましくは約4:1~約1.5:1の範囲の、亜塩素酸塩の次亜臭素酸塩に対する比を使用して調製することができる。
【0032】
これらの調製後の製剤中の次亜臭素酸イオン及び亜塩素酸イオンの量は、任意の適切な分析用プロトコル、例えば、分光測光、イオンクロマトグラフィー、HPLC、ICP、及び湿式化学法によって決定することができる。溶液中の湿式化学によって次亜臭素酸イオン(したがって、次亜臭素酸ナトリウム)の量を決定するための1つのこのようなプロトコルの例示は以下の通りである。第1の滴定(滴定I)において、次亜臭素酸ナトリウム(及び、所望する場合、臭素酸ナトリウム)から調製した既知体積(4ml)の溶液を準備する。25mlの脱イオン水(DI)を4mlの溶液に加え、混合する。生成した29mlの溶液を、溶液が黄色に変化するまで、0.02M Na(チオスルフェート)で滴定する。次いで、5mlのデンプン溶液を加え、青色の溶液中で、青色が消滅するまで滴定を継続する。第2の滴定(滴定II)では、滴定Iに使用された、次亜臭素酸ナトリウムから調製した4mlの同じ溶液を6mlのDI水と混合する。1gの硫酸アンモニウムをこの混合物に加え、次いでこれを15分間静置させておく。その後、3gのKI及び10mlの2M HSOを加え、生成した混合物を10分間静置させておく。次いで、滴定を滴定Iに従って行う。以下の式を用いることにより、溶液中の次亜臭素酸イオンの量を計算することができる:
次亜臭素酸塩の質量%=(0.59445)(10/体積)(滴定Iの体積-滴定IIの体積)(チオスルフェート)(モル濃度)。
【0033】
製剤は、様々な構成成分を含まないことが望ましい。例えば、製剤の質量に対して、望ましくは1ppm以下、より望ましくは0.1ppm以下、更により望ましくは0.01ppm以下、好ましくは0.001ppm以下、より好ましくはこれらの構成成分は検出不可能な量でしか存在しない。製剤は比較的強い化学的酸化剤を含有するので、含まないことが望ましい構成成分の1つのクラスの例示としては酸化され得るある特定の構成成分が挙げられる。これらの構成成分の例として、例えば、クロルヘキシジングルコン酸塩、EDTA、第四級アンモニウム化合物(例えば、塩化セチルピリジニウム(CPC))、CHG、ある特定の界面活性剤、皮膚軟化剤、アルコール及びエッセンシャルオイルが挙げられる。一部の第四級アンモニウム化合物、例えば、CPCは、殺菌特性を有するが、これらの化合物は、本明細書に記載されている製剤に不可欠ではない。この関連で、活性成分としてCPCを含有するマウスリンス(0.07%、Crest(登録商標)Pro-Health)は、活性成分としてエッセンシャルオイルを含むマウスリンス(Listerine(登録商標))を超える任意の統計学的に有意なメリットをもたらさないことが判明した。Albert-Kiszelyら,「Comparison of the Effects of Cetylpyridinium Chloride with an Essential Oil Mouth Rinse on Dental Plaque and Gingivitis - a Six-month Randomized Controlled Clinical Trial」 J. Clin. Periodontol. 34巻(8号):658~67頁(2007年8月)を参照されたい。過酸化水素は、次亜臭素酸塩の(有毒性)臭素への変換並びに二酸化塩素及び/又は亜塩素酸ナトリウムの塩素への変換を引き起こすため、これらもまた含まれるべきではない。
【0034】
本発明のある特定の実施形態に望ましくは含まれ、望ましくは口腔粘膜と接触する製剤中に含まれるさらなる成分は、ヒアルロナンである。ヒアルロナンは吸湿性及び粘弾性であり、製剤の粘度を高め、製剤の抗菌特性の増強をもたらし、並びに口腔粘膜に対して抗炎症性であると考えられる。抗炎症性作用は、歯周病に罹患している口腔粘膜に製剤が適用される場合、特に望ましい。
【0035】
ヒアルロナンはポリマー性であり、架橋又は非架橋の形態で使用することができる。ある特定のヒアルロナン、すなわち、比較的低分子量のヒアルロナンは、それが適用される組織に炎症性応答を誘発し得る。したがって、約500,000より大きい、望ましくは約100万(M)~約6M、より望ましくは約1.5M~約4M(質量平均)分子量(MW)を有する非架橋ヒアルロナンを利用することが望ましいと考えられる。架橋ヒアルロナンを使用する場合、架橋は、低分子量ポリマーに伴う欠点を埋め合わせるので、比較的低分子量のポリマーを使用することができる(例えば、500,000MW未満)。
【0036】
ヒアルロナンが含まれる場合、ヒアルロナンは、最終製剤に対して、約100、200、300、500、1000、1500、又は2000ppmから、約3000、4000、6000、8000、12000、又は16000ppmまでの範囲の量で製剤に加えることができる。
【0037】
そのうちの1種又は複数が、本明細書に記載されている本発明の任意の実施形態に含まれてもよい任意選択の製剤構成成分として、保存料、香味剤、甘味剤、歯光沢剤/ホワイトニング剤、フッ化物塩(歯のコンディショニングのため)、唾液促進剤、界面活性剤、カンナビジオール(CBD)油、及び増粘剤が挙げられる。
【0038】
保存料は、その名称が意味するように、活性成分の安定化を助けることにより、及びおそらく緩衝剤と相互作用することにより、長期にわたり製剤を維持するのを助けると考えられる。保存料は、所望する程度の保存をもたらすのに適した任意の量で製剤に加えることができ、製剤の質量に対して、約1ppm、約100、約500、約1,000、約2,500、約5,000から、約10,000、約12,500、約15,000、約17,500、約20,000、約25,000、又は約30,000ppmまでの範囲の量で添加することができる。適切な保存料として、BHT、BHA、硝酸ナトリウム、亜硫酸塩、及び安息香酸ナトリウム、並びに他の食品安全性のある保存料が挙げられ、安息香酸ナトリウムが好ましい。
【0039】
香味剤(例えば、果実又は他の天然香味料)及び人工甘味剤(糖は腐敗を促進するので除くべきである)は、受け入れ易くするために添加してもよい。使用される量はいろいろな値であり得るが、香味剤の量は、製剤の約0.001質量%~約1質量%、望ましくは約0.01質量%~約0.5質量%の範囲であってよく、人工の甘味剤の量は、製剤の質量に対して、約0.001質量%~約0.1質量%、望ましくは約0.01質量%及び約0.5質量%の範囲であってよい。歯光沢剤/ホワイトニング剤は、例えば、シリカ、並びに唾液促進剤である。それが含まれる場合、歯光沢剤は、製剤の質量に対して約0.001質量%~約1質量%の範囲であってよく、唾液促進剤は、製剤の質量に対して約0.001質量%~約1質量%の範囲であってよい。
【0040】
増粘剤(ヒアルロナンに加えて、又はヒアルロナンの代わりに、それが含まれる製剤に、粘度の相対的増加をもたらす)は、約1~約50センチポアズ(cP)、望ましくは約1~約20cP、最も望ましくは約1~約10cPの範囲であってよい粘度を有する製剤をもたらすのに十分な量で含まれることができる。口の表面への容易な適用を可能にする適用法、例えば、ディスペンサーからの直接的な適用法等に応じて、比較的高い粘度、例えば、約20~約50cPの製剤が望ましいこともあるが、製剤が、吸収アプリケーター、例えば、コットン又は合成スワブを使用して適用される、又は洗口剤、デブリードマン用溶液、又は器具洗剤として使用される場合には、比較的低い粘度、例えば、約1~約20cPの製剤が望ましい。製剤の粘度は、Brookfield DV2T回転粘度計を、25℃、60rpm、LV#3スピンドル、及び600mlの低い形のGriffinビーカー(又は直径8.25cmの同等の容器)で使用して決定することができる。
【0041】
界面活性剤はまた、本発明の製剤のある特定の実施形態に、好ましくは口腔用器具をクリーニングするのに有用な製剤に含まれることが望ましいこともある。製剤と相容性のある任意の界面活性剤、例えば、アニオン性、非イオン性、及びカチオン性の界面活性剤を使用することができ、アニオン性界面活性剤、例えば、ラウリル硫酸ナトリウムが好ましい。界面活性剤は、所望する程度のクレンジングを増強するのに適した任意の量で含まれてもよく、製剤に対して、約1ppm、約10、約25、約40、又は約50から、約100、約150、約200、約300、又は約500ppmまでの範囲の量で添加してもよい。
【0042】
製剤はまた任意選択によってグリセリンを含み得る。グリセリンは、水性製剤中の任意の有機成分の可溶化及び/又は乳化を助けると考えられており、またある程度の甘さ並びに(限定された)抗菌特性を製剤にもたらすことができる。製剤中に含まれる場合、グリセリンは、製剤に対して、約500、約1000、約1200、約2000、約2500、約3000、約4000、又は約6000から、約7000、約10000、約15000、約25000、約40000、又は約50000ppmまでの範囲の任意の適切な量で導入することができる。
【0043】
製剤は任意の適切なやり方で調製することができる。一実施形態では、製剤は、以下を準備することにより調製することができる:pH調整剤の水溶液(緩衝剤の場合、少なくとも酸性の構成成分);次亜臭素酸塩の水溶液(及び、所望する場合、及び緩衝剤が使用される場合、共役塩基);及び亜塩素酸塩の水溶液。使用される水は好ましくは脱イオン化されている。pH調整剤の添加によって形成された水溶液を、亜塩素酸塩の添加によって形成された水溶液に加え、生成した水溶液(望ましくは5~7の間、好ましくは7~9の間のpHを有する)を、次亜臭素酸塩の添加によって形成された溶液に加える。別の実施形態では、製剤は、調製し、2つの部分に包装し、使用前に混合して、製剤を活性化させることができる。本実施形態では、次亜臭素酸塩及び亜塩素酸塩の添加により形成された水溶液を合わせて1つの組成物にし、pH調整剤(緩衝剤、少なくともその酸性部分)の添加によって形成された水溶液を使用前にこれに加える。
【0044】
製剤は、口腔粘膜内の少なくとも1本の歯に適用した場合、歯の上のプラークの量を(適用前の量と比べて)低減させるのに有効であり、また以下の口腔細菌によるヒドロキシアパタイトの最初の脱灰に対する活性(適用後、その量を低減させる)をもたらす:ストレプトコッカス・ミュータンス(Streptococcus mutans)、フゾバクテリウム(Fusobacterium)及び/又はアクチノバクテリア(Actinobacteria)。
【0045】
加えて、製剤は、歯周炎の進展を遅らせる、又はこれを治療する方法、更にその中のポルフィロモナス・ジンジバリス(Porphyromonas gingivalis)、アクチノバチルス・アクチノミセテムコミタンス(Actinobacillus actinomycetemcomitans)、プレボテラ・インターメディア(Provetella intermedia)、バクテロイデス・フォルシタス(Bacteroides forsythus)、カンピロバクター・レクタス(Campylobacter rectus)、トレポネーマ(Treponema)、及び/又はユーバクテリウム(Eubacterium)の量を(適用前の量と比べて)低減させる方法を提供する。
【0046】
製剤は、影響を受けた、う蝕した領域への適用、及びpHを上昇させた後、ストレプトコッカス・ミュータンス(Streptococcus mutans)及び/又はラクトバチルス(Lactobacillus)の量を低減することにより、虫歯の進行を遅らせる又はこれを治療するための方法を更に提供する。
【0047】
更に、悪臭もまた、製剤を口腔に適用することにより低減させることができ、この適用は、バクテロイデス・メラニノジェニクス(Bacteroides melaninogenicus)、トレポネーマ・デンティコラ(Treponemadenticola)、ポルフィロモナス・ジンジバリス(Porphyromonas gingivalis)、プレボテラ・インターメディア(Prevotella intermedia)、バクテロイデス・フォルシタス(Bacteroides forsythus)、フゾバクテリウム(Fusobacterium)、シュードモナス(Pseudomonas)、シトロバクター(Citrobacter)、アエロモナス(Aeromonas)、サルモネラ(Salmonella)及び/又は大腸菌(Escherichia coli)の量を(適用前の量と比べて)低減させる。製剤は、口腔内に有効量(例えば、約1~約20ml、望ましくは約2~約15ml)が導入され、約1秒~約1分間のあいだ、より望ましくは約5~約30秒のあいだ、その中に保持された場合、適用後少なくとも約4、6、8、10、及び好ましくは約12時間のあいだ、悪臭の軽減をもたらす。製剤は、口腔内の硫化ガスを酸化させ、これが悪臭を低減させ、更に口腔内に存在する細菌を接触により死滅させると考えられる。
【0048】
外来診療と関連した、プラーク、歯周炎、及び/又は虫歯の進行を低減する、又はこれらを治療するための製剤の使用において、製剤は、口腔内に、歯及び周辺の軟部組織(例えば、歯ぐき)上に、及び任意の他の所望の領域上に、任意の適切な手段、例えば、口の中で、製剤でグチュグチュとうがいすることにより、スプレー、ソフトアプリケーター、塗り付け(粘度の高いゲル、分散液又は粘性溶液の形態の場合)を介して直接適用することによって、穏やかなやり方で上述の表面を覆うことができる。外来患者ベースで製剤を使用することが望ましいと考えられた場合、製剤は、少なくとも1日1回適用されるべきであり、1日当たり2回、例えば、24時間当たり8~12時間ごとに適用されてもよい。適用される量は、口腔のサイズに応じて変わり得るが、一般的には、製剤が、歯周病の予期される発症、又は既存の歯周病に関連するすべての歯及び周辺の軟部組織との完全な接触を可能にするのに十分な量、例えば、1回の治療当たり、約1~約60ml、望ましくは約2~約30ml、より望ましくは約3~約20ml、更に望ましくは約5~約10mlである。口臭症に対しては、製剤は、状態の重症度に応じて、1日当たり少なくとも、3、4、5、又は6回、又はこれより多く適用することができる。製剤は接触により有効となるので、歯及び/又は周辺の軟部組織の上に適用した後、その上に製剤が滞留するのに必要とされる時間は、細菌、ウイルス、及び/又は菌類の量を許容されるレベルまで低減させるのに必要とされる時間に制限される。望ましくは、この時間は、約1秒~約2分間であり、より望ましくは約5秒~約90秒であり、より望ましくは約15秒~約60秒、又は約30秒までである。一回の治療内での繰り返し適用(2、3、又は4回)は、有効性を最大にすることが想定される。市販の歯磨きでのブラッシングは、適用後少なくとも30分間遅らせるべきであり、より望ましくは1時間遅らせるべきであり、これは製剤がこの適用後の期間も継続して有効だからである。
【0049】
本明細書に記載されている製剤は、これらのORPにより、適用後、口腔内の細菌、例えば、歯の上に存在する菌膜の低減、好ましくは排除をもたらし、その再編成を更に遅らせる。その結果、歯の表面及び周辺の組織上の細菌の蓄積が阻止又は遅れ、これにより、本明細書に記載されている状態の原因となっている病原菌のその後の蓄積の速度を低減する。一般的に、製剤の調製に使用される任意の追加成分は、製剤の酸化電位に悪影響を及ぼさないものに限定されるべきである。
【0050】
一般的に、製剤のORPは少なくとも約650mVであるべきであり、少なくとも約675、700、725、750、775、又は790mVであってもよいが,望ましくは800mVを超えるべきではない。一実施形態では、及び製剤が口腔内に適用される場合には、ORPは約700、725、又は750から、約800mVまで、約725、又は750から約775mVまで、又は約700又は725から約750mVまでの範囲であってよい。別の実施形態では、及び製剤が口腔用器具をクリーニングするために使用される場合には、最小ORPは、700mV未満、例えば、少なくとも約650又は675mVであってよく、器具は、比較的長い期間のあいだ、例えば、約15~約60分のあいだ製剤中に滞留することが予想されるため、適切な器具のクレンジングを提供しながら、比較的低いORPを使用することが可能となる。
【0051】
製剤のORPは、製剤が、大気圧下及び室温にある間、例えば、約20℃~約30℃にある間、任意の適切なデバイス、例えば、白金プローブ(センサー)を使用するHach Model HQ80を使用して評価することができる。センサーの応答は時間の経過と共に劣化し得るので、本発明の製剤のORPを評価する前に、標準液を使用してセンサーを試験して、これが、例えば、+/-10mV以内の正しい応答をすることを検証するのが望ましい。
【0052】
本発明により想定される製剤は、これらの意図した使用に応じてわずかに異なりうる。例示としてのみ、以下の表は、本発明により想定される製剤を調製するために使用することができ、本明細書に記載されている方法で使用することができる成分及びその量の記載を提供する。
【0053】
表Aは、本発明により想定される様々な方法において、例えば、洗口剤(オーラルリンス剤)として有用となり得る製剤を提供する成分及びその量について記載している。
【0054】
【表1】
【0055】
表Bは、本発明により想定される様々な方法において、例えば、強化された洗口剤として有用な製剤を提供する成分及びその量について記載している。
【0056】
【表2】
【0057】
表Cは、本発明により想定される様々な方法において、例えば、超音波クリーニングに使用するためのデブリードマン用溶液として有用な製剤を提供する成分及びその量について記載している。
【0058】
【表3】
【0059】
表Dは、本発明により想定される様々な方法において、例えば、口腔用器具用洗浄剤として有用な製剤を提供する成分及びその量について記載している。
【0060】
【表4】
【0061】
本発明の方法は、プラークを低減させるための方法であって、歯の上のプラークの量を低減させるのに十分な量及び時間のあいだ、本発明の製剤を少なくとも1本の歯の上に適用することを含む方法を含む。プラークの低減における製剤の有効性の評価は、口の歯垢検出溶液の使用によって定性的手段を含む任意の公知の手段によって行うことができる。プラークに付着する染料を含むこれらの歯垢検出溶液は、製剤を処置すべき歯へ適用する前及び適用した後に適用することができ、歯の上の染料の相対強度を使用前と使用後で比較する。製剤の適用後の比較的より低い染料強度はプラークの低減を示唆している。有効性はまた、細菌に対するDNAアッセイによって、治療前及び治療後の唾液試料を比較して決定することもできる。
【0062】
本発明はまた、少なくとも1本の歯の上、又は口腔内の領域内の細菌の量を低減するための方法であって、その上の細菌の量を低減させるのに十分な量及び時間のあいだ、本発明の製剤を歯の上又は口腔の領域内に適用することを含む方法を想定している。歯の上及び口腔内の細菌を低減させる製剤の有効性に関して、プラークの低減は細菌の低減の指標でもあるため、任意の公知の方法、例えば、口の歯垢検出染料を使用することができる。
【0063】
本発明は、唾液不足から生じる口腔内軟部組織の炎症を減少させるための方法を更に含む。本方法は、本発明の製剤を唾液不足に罹患している口の中の口腔内軟部組織に、望ましくは定期的に間隔をあけて、例えば、1日1回又は2回、少なくとも1、2、3、7、10、14、又は21日間、炎症を低減させるのに十分な量及び時間のあいだ適用することを含む。
【0064】
本発明はまた、唾液産生不足から生じる歯の脱灰を最小限に抑えるための方法を提供する。本方法は、本発明の製剤を、唾液不足から生じる脱灰を患っている歯に、望ましくは規則的に間隔をあけて、例えば、1日1回又は2回、歯の脱灰を最小化するのに十分な量及び時間のあいだ適用することを含む。
【0065】
本発明は、オーラルケアのための方法であって、本発明の製剤を超音波クリーニングにおいて、デブリードマン用溶液として使用することを含む方法を更に想定している。本発明はまた、口腔用器具、例えば、入れ歯、睡眠時無呼吸症候群マウスデバイスを、これらのデバイスを、製剤に、最大10、15、30、60、又は120分間、又は最大24時間浸漬することによってクリーニングするための製剤の使用を想定している。
【0066】
以下の実施例は、本発明を例示するために提供され、本発明の範囲を限定するものではないことを理解されたい。
【実施例1】
【0067】
超音波クリーニングにおける(デブリードマン用溶液としての)使用に適した例示的製剤は、以下の表に記載の成分を組み合わせることにより提供される。
【0068】
【表5】
【0069】
1Lのこの製剤を調製するための例示的なプロセスは以下の通りである。100mlのDI水を適切な(非反応性)容器に入れる。2gの亜塩素酸ナトリウム(無水、純度およそ98%)をDI水に加え、溶解するまで穏やかに混合する。次いで、香味剤(例えば、ミント)及び甘味剤(例えば、スクラロース、グリセリン)を、溶解するまで穏やかに混合しながら(およそ10分間)加える。所望する場合、この混合物の酸化還元電位(ORP)を評価することができ、その場合、700mV以上であるべきである。25mlのNaBrO(0.1N)を穏やかに撹拌しながら混合物に加える。次いで、pHを評価することができ、pHは7.5~8の範囲であるべきである。最終ORP評価は、混合物のORPが少なくとも700mVであることを確実にするために行われるべきである。pHはまた、好ましくは緩衝剤(例えば、炭酸ナトリウム並びにクエン酸及び/又は安息香酸)を使用して、最適な値8に到達するよう必要に応じて調整することができる。次いで、混合物の全体積が1Lとなるよう追加のDI水を加え、次いで、使用時まで生成物を光から保護する(例えば、琥珀色又は不透明容器)。この実施例において特定された各成分の量は±10質量%変わり得る。
【実施例2】
【0070】
洗口剤としての使用に適した例示的製剤は、以下の表に記載の成分を組み合わせることにより提供される。
【0071】
【表6】
【0072】
1Lのこの製剤を調製するための例示的なプロセスは以下の通りである。500mlのDI水を適切な(非反応性)容器に加える。次いで、ヒアルロナンを加え、最大24時間溶解させる。熱、及びコーティングされてない金属撹拌デバイスの使用は避けるべきである。その後、2gの亜塩素酸ナトリウム(無水、純度およそ98%)をDI水に加え、溶解するまで穏やかに混合する。次いで、香味剤(例えば、ミント)及び甘味剤(例えば、スクラロース、グリセリン)を、溶解するまで穏やかに混合しながら(およそ10分間)加える。所望する場合、この混合物の酸化還元電位(ORP)を評価することができ、その場合、700mV以上であるべきである。50mlのNaBrO(0.1N)を穏やかに撹拌しながら混合物に加える。次いで、pHを評価することができ、pHは7.5~8.5の範囲であるべきである。最終ORP評価は、ORPが少なくとも700mVであることを確実にするために行われるべきである。pHは、緩衝剤(例えば、炭酸ナトリウム並びにクエン酸及び/又は安息香酸)を使用して、最適な値8に到達するよう必要に応じて調整することができる。次いで、混合物の全体積が1Lとなるよう追加のDI水を加え、次いで、使用時まで生成物を光から保護する(例えば、琥珀色又は不透明容器)。この実施例において特定された各成分の量は±10質量%変わり得る。
【0073】
ヒト対象者は、約10~約50mlのこの洗口剤をヒト対象者の口に導入し、この洗口液を口内に約30~約60秒滞留させ(好ましくは、洗口液を口内でグチュグチュとうがいしながら)、その後洗口液を除去することができる。このプロセスは、少なくとも1日1回、より望ましくは1日2回実施することができる。
【実施例3】
【0074】
洗口剤としての使用に適した、例示的な強化された製剤は、以下の表に記載の成分を組み合わせることにより提供される。
【0075】
【表7】
【0076】
1Lのこの製剤を調製するための例示的なプロセスは以下の通りである。500mlのDI水を適切な(非反応性)容器に加える。次いで、ヒアルロナンを加え、最大24時間まで溶解させる。熱、及びコーティングされてない金属撹拌デバイスの使用は避けるべきである。その後、2gの亜塩素酸ナトリウム(無水、純度およそ98%)をDI水に加え、溶解するまで穏やかに混合する。次いで、香味剤(例えば、ミント)及び甘味剤(例えば、スクラロース、グリセリン)を溶解するまで穏やかに混合しながら(およそ10分間)加える。所望する場合、この混合物の酸化還元電位(ORP)を評価することができ、その場合700mV以上であるべきである。25~50mlのNaBrO(0.1N)を穏やかに撹拌しながら混合物に加える。次いで、pHを評価することができ、pHは7.5~8.5の範囲であるべきである。最終ORP評価は、ORPが少なくとも700mVであることを確実にするために行われるべきである。pHはまた、緩衝剤(例えば、炭酸ナトリウム並びにクエン酸及び/又は安息香酸)を使用して、最適な値8に到達するよう必要に応じて調整することができる。次いで、混合物の全体積が1Lとなるよう追加のDI水を加え、次いで、使用時まで生成物を光から保護する(例えば、琥珀色又は不透明容器)。この実施例において特定された各成分の量は±10質量%変わり得る。
【0077】
ヒト対象者は、約10~約50mlのこの洗口剤を自分の口に導入し、この洗口液を口内に約30~約60秒滞留させ(好ましくは、洗口液を口内でグチュグチュとうがいしながら)、その後、洗口液を除去することができる。このプロセスは、少なくとも1日1回、より望ましくは1日2回実施することができる。
【実施例4】
【0078】
口腔用器具洗剤としての使用に適した例示的製剤は、以下の表に記載の成分を組み合わせることにより提供される。
【0079】
【表8】
【0080】
1Lのこの製剤を調製するための例示的なプロセスは以下の通りである。100mlのDI水を適切な(非反応性)容器に加える。1gの亜塩素酸ナトリウム(無水、純度およそ98%純度)をDI水に加え、溶解するまで穏やかに混合する。次いで、グリセリン及び香味剤(例えば、ミント)を、溶解するまで穏やかに混合しながら(およそ10分間)加える。所望する場合、この混合物の酸化還元電位(ORP)を評価することができ、その場合、650mV以上であるべきである。25mlのNaBrO(0.1N)を穏やかに撹拌しながら混合物に加える。次いで、pHを評価することができ、pHは7.5及び8の範囲であるべきである。次いで、ラウリル硫酸ナトリウムを、この混合物に撹拌しながら加える。最終ORP評価は、混合物のORPが少なくとも650mVであることを確実にするために行われるべきである。pHはまた、好ましくは緩衝剤(例えば、炭酸ナトリウム並びにクエン酸及び/又は安息香酸)を使用して、最適な値8に到達するよう必要に応じて調整することができる。次いで、混合物の全体積が1Lとなるよう追加のDI水を加え、次いで、使用時まで生成物を光から保護する(例えば、琥珀色又は不透明容器)。この実施例において特定された各成分の量は±10質量%変わり得る。
【0081】
製剤の有効性の評価及び歯周炎(歯肉炎を含む)又は虫歯に関する関連する方法は、製剤の適用前及び適用後、罹患している歯の上に存在する細菌の量を評価及び比較することによって、定量的に評価することができる。
【0082】
別段の特定のない限り、本明細書に記載されているすべての量は質量によるものであり、製剤の総質量に対するものである。
【0083】
本明細書で引用した、刊行物、特許出願、及び特許を含むすべての参考文献は、まるで各参考文献が参照により組み込まれていることが個々に及び具体的に示され、その全体が本明細書で記載されている場合と同程度に、参照により本明細書に援用する。
【0084】
「a」及び「an」及び「the」(本願の外国語明細書中)及び「少なくとも1つの」という用語並びに本発明を説明する文脈での類似の指示対象(特に以下の特許請求の範囲の文脈で)の使用は、本明細書で他に指摘されていない限り、又は文脈と明確に矛盾しない限り、単数と複数の両方を網羅すると解釈される。「少なくとも1つ」という用語、これに続く1つ又は複数の項目のリスト(例えば「A及びBのうちの少なくとも1つ」)の使用は、本明細書で他に指摘されていない限り、又は文脈と明確に矛盾しない限り、列挙された項目から選択される1つの項目(A又はB)、又は列挙された項目の2つ若しくはそれよりも多くの任意の組合せ(A及びB)を意味すると解釈される。「含む(comprising)」、「有する(comprising)」、「を含む(including)」及び「を含有する」という用語は、別途明示されていない限り、制限のない用語(すなわち、「~を含むが、これらに限定されない」という意味)として解釈されるべきである。ある範囲の値の本明細書での列挙は、本明細書で他に指摘されていない限り、範囲内に入るそれぞれ別個の値を個々に指す簡単な方法として機能することを単に意図するものであり、それぞれ別個の値は、それが本明細書で個々に列挙されているかのように明細書に組み込まれている。
【0085】
本発明の好ましい実施形態が本明細書に記載されている。これらの好ましい実施形態の変化形は、前述の記載を読むことで当業者には明らかとなり得る。発明者らは、当業者がこのような変化形を必要に応じて利用することを予想し、発明者らは、具体的に本明細書に記載されているものとは別の方法で本発明が実施されることを意図する。したがって、本発明は、適用可能な法律により許可された通り、ここに付随されている特許請求の範囲に列挙された主題のすべての修正及び同等物を含む。更に、本明細書で他に指摘されていない限り、さもなければ文脈と明確に矛盾しない限り、上に記載された要素の任意の組合せはそのすべての可能な変化形として本発明により包含される。