(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-20
(45)【発行日】2024-10-01
(54)【発明の名称】抗菌組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 8/49 20060101AFI20240924BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20240924BHJP
A61Q 19/10 20060101ALI20240924BHJP
A61Q 5/02 20060101ALI20240924BHJP
A61K 8/368 20060101ALI20240924BHJP
A61Q 5/12 20060101ALI20240924BHJP
A61K 8/37 20060101ALI20240924BHJP
A61K 8/34 20060101ALI20240924BHJP
A61K 8/33 20060101ALI20240924BHJP
A61K 8/31 20060101ALI20240924BHJP
A61K 8/46 20060101ALI20240924BHJP
【FI】
A61K8/49
A61Q19/00
A61Q19/10
A61Q5/02
A61K8/368
A61Q5/12
A61K8/37
A61K8/34
A61K8/33
A61K8/31
A61K8/46
(21)【出願番号】P 2021562840
(86)(22)【出願日】2020-04-22
(86)【国際出願番号】 EP2020061159
(87)【国際公開番号】W WO2020216770
(87)【国際公開日】2020-10-29
【審査請求日】2023-02-22
(32)【優先日】2019-04-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】521042714
【氏名又は名称】ユニリーバー・アイピー・ホールディングス・ベスローテン・ヴェンノーツハップ
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100202267
【氏名又は名称】森山 正浩
(74)【代理人】
【識別番号】100182132
【氏名又は名称】河野 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】キャンベル-リー,スチュアート
(72)【発明者】
【氏名】ポイントン,トーマス・リチャード
【審査官】▲高▼ 美葉子
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-206582(JP,A)
【文献】Detoxifying Shampoo,ID 2043717,GNPD[online],2013年4月,[検索日2024.03.06],https://www.portal.mintel.com
【文献】Detoxifying Jelly,ID 2043085,Mintel GNPD[online],2013年4月,[検索日2024.03.06],https://www.portal.mintel.com
【文献】3・2・7 ピーチフレーバー1,2),特許庁公報 周知・慣用技術集(香料)第II部 食品用香料 ,日本国特許庁,2000年01月14日,p.190-198
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00- 8/99
A61Q 1/00-90/00
C11D1/00-17/00
Mintel GNPD
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パーソナルケア組成物であって、
i) ピロクトン化合物;
ii) 安息香酸ナトリウム;および
iii) ウンデカラクトンまたはその混合物である芳香成分を含む芳香剤、
を含
み、但し、ピロクトン化合物:安息香酸ナトリウム:ウンデカラクトンの重量比が1:1:1~1:130:130であり、前記ピロクトン化合物がピロクトン酸;またはピロクトン酸の第一級、第二級もしくは第三級オラミン塩;或いはそれらの混合物である、前記パーソナルケア組成物。
【請求項2】
ウンデカラクトンがガンマウンデカラクトンである、請求項1
に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項3】
パーソナルケア組成物が1つ以上のクレンジング界面活性剤を含むクレンジング相を含む、請求項1
または2に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項4】
クレンジング界面活性剤がアルキル硫酸塩および/またはエトキシル化アルキル硫酸塩アニオン性界面活性剤であり、該界面活性剤が、全組成物の0.5~20重量%
の濃度で存在する、請求項
3に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項5】
前記クレンジング界面活性剤が、全組成物の5~15重量%の濃度で存在する、請求項4に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項6】
ピロクトン化合物が、全組成物の0.01~5重量%
の濃度で存在する、請求項1~
5のいずれかに記載のパーソナルケア組成物。
【請求項7】
ピロクトン化合物が、全組成物の0.05~2重量%の濃度で存在する、請求項6に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項8】
ピロクトン化合物が、全組成物の0.1~1重量%の濃度で存在する、請求項7に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項9】
組成物の20℃でのpHが3~6である、請求項1~
8のいずれかに記載のパーソナルケア組成物。
【請求項10】
安息香酸ナトリウムの濃度が全組成物の0.01~5重量%である、請求項1~
9のいずれかに記載のパーソナルケア組成物。
【請求項11】
ヘアトリートメント組成物である、請求項1~
10のいずれかに記載のパーソナルケア組成物。
【請求項12】
すすぎ落とし組成物である、請求項1~
11のいずれかに記載のパーソナルケア組成物。
【請求項13】
シャンプー組成物である、請求項
11または
12に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項14】
組成物を、以下の組み合わせ:
i) ピロクトン化合物;
ii) 安息香酸ナトリウム;および
iii) ウンデカラクトンまたはその混合物である芳香成分を含む芳香剤、
の使用によって保存する方法
であって、但し、ピロクトン化合物:安息香酸ナトリウム:ウンデカラクトンの重量比が1:1:1~1:130:130であり、前記ピロクトン化合物がピロクトン酸;またはピロクトン酸の第一級、第二級もしくは第三級オラミン塩;或いはそれらの混合物である、前記方法。
【請求項15】
以下の、
i) ピロクトン化合物;
ii) 安息香酸ナトリウム;および
iii) ウンデカラクトンまたはその混合物である芳香成分を含む芳香剤、
の組み合わせの、パーソナルケア組成物を保存するための使用
であって、但し、ピロクトン化合物:安息香酸ナトリウム:ウンデカラクトンの重量比が1:1:1~1:130:130であり、前記ピロクトン化合物がピロクトン酸;またはピロクトン酸の第一級、第二級もしくは第三級オラミン塩;或いはそれらの混合物である、前記使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パーソナルケア、特にヘアケア組成物のための保存の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
パーソナルケアおよび化粧品産業では、保存料化学物質、特に豊富で容易に入手可能な天然源からの保存料化学物質が絶えず必要とされている。
【0003】
多数の抗菌活性化合物がパーソナルケア産業において既に使用されているが、それにもかかわらず代替物が求められ続けている。全ての抗菌剤が十分な保存特性を有するわけではなく、従って、新たな保存溶液の必要性が特に要求される。パーソナルケア分野で使用される物質は、以下のものでなければならないことに留意されたい:
・毒性学的に許容可能
・皮膚に容易に耐えられる
・安定
・安価に製造することができる(すなわち、標準的なプロセスを使用すること、および/または標準的な前駆体から出発すること)
・製剤化が容易(すなわち、好ましくは液体)であり、最終製品に有害であってはならない。
【0004】
本出願は、パーソナルケア組成物の保存を達成するのに適した抗菌性化学物質の組み合わせを見出したものである。
【0005】
Hindustan Lever社により販売されているLifebuoy Total 10 Germ Protection Bodywashと命名された製品はとりわけピロクトンオラミン、安息香酸ナトリウムおよびオイゲノールを含有すると言われているが、製品ラベル上の成分の順序に従って、安息香酸ナトリウム成分はピロクトンオラミン未満の濃度で組成物中に存在する。さらなる市販製品は、そのラベルからリモネン、オイゲノール、安息香酸ナトリウムおよびピロクトンオラミンを含むと言われるRituals Ancient Samurai Hydrating Body Moisturiserであるが、これはクレンジング製品ではないが、明らかにリーブオン(leave-on)保湿製品である。
【0006】
本明細書における、先に公開されたとおぼしき文献の列挙または議論は、その文献が現状技術の一部であるか、または一般的知識であることを必ずしも認めるものと解釈されるべきではない。
【発明の概要】
【0007】
本発明は、以下を含むパーソナルケア組成物に関する:
i) ピロクトン化合物;
ii) 安息香酸ナトリウム;
iii) 酢酸ベンジル、酢酸ヘキシル、フェネチルエーテル、酪酸エチル、ユーカリプトール、リモネン、ウンデカラクトン、オイゲノールおよびそれらの混合物から選択される芳香成分を含む芳香剤。
【0008】
本発明はさらに、以下の組み合わせの使用による組成物の保存方法に関する:
i) ピロクトン化合物;
ii) 安息香酸ナトリウム;および
iii) 酢酸ベンジル、酢酸ヘキシル、フェネチルエーテル、酪酸エチル、ユーカリプトール、リモネン、ウンデカラクトン、オイゲノールおよびそれらの混合物から選択される芳香成分を含む芳香剤。
【0009】
本発明はさらに、以下の組み合わせのパーソナルケア組成物の保存のための使用に関する:
i) ピロクトン化合物;
ii) 安息香酸ナトリウム;および
iii) 酢酸ベンジル、酢酸ヘキシル、フェネチルアルコール、酪酸エチル、ユーカリプトール、リモネン、ウンデカラクトンおよびオイゲノールから選択される芳香成分を含む芳香剤。
【0010】
特定の実施形態では、本発明が以下を含むパーソナルケア組成物に関し得る:
i) ピロクトン化合物;
ii) 安息香酸ナトリウム;
iii) 酢酸ベンジル、酢酸ヘキシル、フェネチルエーテル、酪酸エチル、ユーカリプトール、リモネン、ウンデカラクトン、オイゲノールおよびそれらの混合物から選択される芳香成分を含む芳香剤を含み、ピロクトン:安息香酸ナトリウム:前記芳香成分iii)の重量比が1:1:1~1:130:130、さらに好ましくは1:1:1~1:100:100、より好ましくは1:1:1~1:75:75、最も好ましくは1:1:1~1:50:50である。
【0011】
特定の実施形態では、本発明がさらに、以下の組み合わせの使用によって組成物を保存する方法に関し得る:
i) ピロクトン化合物;
ii) 安息香酸ナトリウム;
iii) 酢酸ベンジル、酢酸ヘキシル、フェネチルエーテル、酪酸エチル、ユーカリプトール、リモネン、ウンデカラクトン、オイゲノールおよびそれらの混合物から選択される芳香成分を含む芳香剤の組み合わせであって、ピロクトン:安息香酸ナトリウム:前記芳香成分iii)の重量比が1:1:1~1:130:130、さらに好ましくは1:1:1~1:100:100、より好ましくは1:1:1~1:75:75、最も好ましくは1:1:1~1:50:50である。
【0012】
特定のさらなる実施形態では、本発明がパーソナルケア組成物の保存のための以下の組み合わせの使用にさらに関し得る:
i) ピロクトン化合物;
ii) 安息香酸ナトリウム;
iii) 酢酸ベンジル、酢酸ヘキシル、フェネチルエーテル、酪酸エチル、ユーカリプトール、リモネン、ウンデカラクトン、オイゲノールおよびそれらの混合物から選択される芳香成分を含む芳香剤の組み合わせであって、ピロクトン:安息香酸ナトリウム:前記芳香成分iii)の重量比が1:1:1~1:130:130、さらに好ましくは1:1~1:100:100、より好ましくは1:1:1~1:75:75、最も好ましくは1:1:1~1:50:50である。
【0013】
他の実施形態では、本発明が以下を含むパーソナルケア組成物に関する:
i) ピロクトン酸であるピロクトン化合物;
ii) 安息香酸ナトリウム;
iii) 酢酸ベンジル、酢酸ヘキシル、フェネチルエーテル、酪酸エチル、ユーカリプトール、リモネン、ウンデカラクトン、オイゲノールおよびそれらの混合物から選択される芳香成分を含む芳香剤。
【0014】
他の実施形態において、本発明は、以下の組み合わせの使用によって組成物を保存する方法に関する:
i) ピロクトン酸であるピロクトン化合物;
ii) 安息香酸ナトリウム;および
iii) 酢酸ベンジル、酢酸ヘキシル、フェネチルエーテル、酪酸エチル、ユーカリプトール、リモネン、ウンデカラクトン、オイゲノールおよびそれらの混合物から選択される芳香成分を含む芳香剤。
【0015】
さらなる実施形態において、本発明はさらに、パーソナルケア組成物の保存のための以下の組み合わせの使用に関する:
i) ピロクトン酸であるピロクトン化合物;
ii) 安息香酸ナトリウム;および
iii) 酢酸ベンジル、酢酸ヘキシル、フェネチルアルコール、酪酸エチル、ユーカリプトール、リモネン、ウンデカラクトンおよびオイゲノールから選択される芳香成分を含む芳香剤。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の組成物はピロクトン化合物を含む。本発明によるピロクトン化合物の形態としては、ピロクトン酸、ピロクトン酸の第一級、第二級および第三級オラミン塩(ジエタノールアミンおよびトリエタノールアミン塩など)、ならびにそれらの混合物、好ましくはピロクトン酸、ピロクトン酸の第一級オラミン塩(すなわち、オクトピロックス(登録商標)としても知られるピロクトンオラミン)およびそれらの混合物、より好ましくはピロクトン酸が挙げられる。
【0017】
本発明において有用なピロクトン化合物は、典型的には式(IV)で定義される構造を含有する:
【化1】
[式中、R
4はC1~C17炭化水素基から選択され、R
5はC1~4アルキル、C2~4アルケニルもしくはアルキニル、水素、フェニルまたはベンジルから選択され、M
1は水素、モノエタノールアミン(MEA)、ジエタノールアミン(DEA)またはトリエタノールアミン(TEA)から選択される。好ましい基R
4は(CH
3)
3CCH
2CH(CH
3)CH
2-であり、好ましいR
5はメチルである。より好ましくは、R
4は(CH
3)
3CCH
2CH(CH
3)CH
2-であり、R
5がメチルであり、M
1が水素またはMEAである。最も好ましいのは、R
4が(CH
3)
3CCH
2CH(CH
3)CH
2-であり、R
5はメチルであり、M
1が水素である。]
【0018】
典型的には、ピロクトン化合物がピロクトン酸、ピロクトンオラミンまたはそれらの混合物を含む。最も好ましい例はピロクトン酸である。
【0019】
ピロクトン化合物の好ましい濃度は、全組成物の0.01~5重量%、より好ましくは0.05~2重量%、最も好ましくは0.1~1.5重量%である。
【0020】
本発明による組成物は安息香酸ナトリウムを含む。安息香酸ナトリウムの好ましい濃度は、全組成物の0.01~5重量%、より好ましくは0.05~2重量%、最も好ましくは0.1~1.5重量%である。
【0021】
本発明による組成物は、成分として酢酸ベンジル、酢酸ヘキシル、フェネチルエーテル、酪酸エチル、ユーカリプトール、リモネン、ウンデカラクトンおよびオイゲノールを含む芳香剤を含む。一実施形態において、ウンデカラクトンは、ガンマウンデカラクトンであり得る。芳香剤の好ましい濃度は、全組成物の0.01~10重量%、より好ましくは0.05~6重量%、最も好ましくは0.05~3重量%である。
【0022】
好ましくは、ピロクトン:安息香酸ナトリウム:前記の定義された芳香成分iii)の重量比が1:1:1~1:130:130であり、さらに好ましくは1:1:1~1:100:100であり、より好ましくは1:1:1~1:75:75であり、最も好ましくは1:1:1~1:50:50である。
【0023】
好ましくは、組成物が全組成物の少なくとも50重量%の水の水性基材を含む。
【0024】
好ましい実施形態では、パーソナルケア組成物が1つ以上のクレンジング界面活性剤を含むクレンジング相を含む。
【0025】
本発明による組成物は、好ましくはアニオン性、非イオン性、双性イオン性もしくは両性界面活性剤またはそれらの混合物から選択される界面活性剤を含む。
【0026】
適切なアニオン性界面活性剤には、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アルカノイルイセチオネート、アルキルコハク酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、N-アルコイルサルコシネート、アルキルリン酸塩、アルキルエーテルリン酸塩、アルキルエーテルカルボキシレートおよびアルファ-オレフィンスルホネート、特にそれらのナトリウム、マグネシウムアンモニウムならびにモノ-、ジ-およびトリエタノールアミン塩が含まれる。アルキル基およびアシル基は一般に、8~18個の炭素原子を含有し、不飽和であってもよい。アルキルエーテル硫酸塩、アルキルエーテルリン酸塩およびアルキルエーテルカルボキシレートは分子あたり1~10のエチレンオキシドまたはプロピレンオキシドユニットを含有することができ、好ましくは分子あたり2~3のエチレンオキシドユニットを含有する。
【0027】
適切なアニオン性界面活性剤の例としては、オレイルコハク酸ナトリウム、ラウリルスルホコハク酸アンモニウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン、ココイルイセチオン酸ナトリウム、ラウロイルイセチオン酸ナトリウムおよびN-ラウリルサルコシン酸ナトリウムが挙げられる。最も好ましいアニオン性界面活性剤は、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、モノラウリルリン酸トリエタノールアミン、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム1EO、2EOおよび3EO、ラウリル硫酸アンモニウムならびにラウリルエーテル硫酸アンモニウム1EO、2EOおよび3EOである。
【0028】
本発明の組成物に使用するのに適した非イオン性界面活性剤は脂肪族(C8~C18)第一級または第二級直鎖または分岐鎖アルコールまたはフェノールとアルキレンオキシド、通常はエチレンオキシドとの縮合生成物を含むことができ、一般に6~30個のエチレンオキシド基を有する。他の適切な非イオン性界面活性剤には、モノ-またはジ-アルキルアルカノールアミド、好ましくはラムノリピドおよびソホロリピドの群から選択される糖脂質が含まれる。
【0029】
本発明の組成物における使用に適した両性および双性イオン界面活性剤は、アルキルアミンオキシド、アルキルベタイン、アルキルアミドプロピルベタイン、アルキルスルホベタイン(スルタイン)、アルキルグリシネート、アルキルカルボキシグリシネート、アルキルアンホプロピオネート、アルキルアンホグリシネート、アルキルアミドプロピルヒドロキシスルタイン、アシルタウレートおよびアシルグルタメートを含み得、ここでアルキル基およびアシル基は8~19個の炭素原子を有する。例としては、ラウリルアミンオキシド、ココジメチルスルホプロピルベタイン、好ましくはラウリルベタイン、コカミドプロピルベタイン、ココモノまたはジエタノールアミド、ココモノイソプロパノールアミドおよびココアンホプロピオン酸ナトリウムが挙げられる。
【0030】
一般に、界面活性剤は、本発明のシャンプー組成物中に0.1~50重量%、好ましくは5~30重量%、より好ましくは10~25重量%の量で存在する。
【0031】
本発明の組成物は好ましくはパーソナルケア組成物であり、より好ましくはシャンプー組成物である。
【0032】
本発明の組成物は、好ましくはコンディショニング性能を高めるための乳化液滴の形態で、シリコーンコンディショニング剤を含むことができる。
【0033】
適切なシリコーンには、ポリジオルガノシロキサン、特に、ジメチコンというCTFA名称を有するポリジメチルシロキサンが含まれる。また、本発明の組成物(特にシャンプーおよびコンディショナー)における使用に適しているのは、CTFA名称ジメチコノールを有する、ヒドロキシル末端基を有するポリジメチルシロキサンである。また、本発明の組成物における使用に適しているのは、例えばWO96/31188に記載されているように、わずかな架橋度を有するシリコーンガムである。
【0034】
乳化シリコーン自体(エマルジョンおよび最終ヘアコンディショニング組成物ではない)の粘度は典型的には25℃で少なくとも10,000cstであり、シリコーン自体の粘度は、好ましくは少なくとも60,000cst、最も好ましくは少なくとも500,000cst、理想的には少なくとも1,000,000cstである。好ましくは、配合の容易さのためには粘度が109cstを超えない。
【0035】
本発明のシャンプー組成物に使用するための乳化シリコーンは、典型的には組成物中のD90シリコーン液滴サイズが30ミクロン未満、好ましくは20ミクロン未満、より好ましくは10ミクロン未満、理想的には0.01~1ミクロンである。0.15ミクロン以下の平均シリコーン液滴サイズ(D50)を有するシリコーンエマルジョンは、一般にマイクロエマルジョンと呼ばれる。
【0036】
シリコーン粒径はレーザー光散乱技術の手段によって、例えば、Malvern Instruments製の2600D Particle Sizerを使用して測定することができる。適切な予備成形エマルジョンの例としては、Dow Corning社から入手可能なXiameter MEM 1785およびマイクロエマルジョンDC2-1865が挙げられる。これらは、ジメチコノールのエマルジョン/マイクロエマルジョンである。架橋シリコーンガムもまた、予め乳化された形態で入手可能であり、これは、処方の容易さのために有利である。
【0037】
本発明のシャンプーおよびコンディショナーに含めるためのシリコーンのさらに好ましいクラスは、アミノ官能性シリコーンである。「アミノ官能性シリコーン」とは少なくとも1つの第一級、第二級もしくは第三級アミン基、または第四級アンモニウム基を含有するシリコーンを意味し、好適なアミノ官能性シリコーンの例としてはCTFA名称「アモジメチコン」を有するポリシロキサンが挙げられる。
【0038】
本発明での使用に適したアミノ官能性シリコーンの特定の例は、アミノシリコーン油DC2-8220、DC2-8166およびDC2-8566(すべてDow Corning社製)である。
【0039】
適切な第四級シリコーンポリマーは、EP-A-0530,974に記載されている。好ましい第四級シリコーンポリマーは、K3474、(Goldschmidt社製)である。
【0040】
アミノ官能性シリコーン油と非イオン性および/またはカチオン性界面活性剤とのエマルジョンも好適である。アミノ官能性シリコーンの予め形成されたエマルジョンはまた、Dow Corning社およびGeneral Electric社のようなシリコーン油の供給者から入手可能である。具体的な例としては、DC939カチオン性エマルジョンおよび非イオン性エマルジョンDC2-7224、DC2-8467、DC2-8177およびDC2-8154(すべてDow Corning社製)が挙げられる。
【0041】
シリコーンの総量は、好ましくは全組成物の0.01~10重量%、より好ましくは0.1~5重量%、最も好ましくは0.5~3重量%が適切な濃度である。好ましくは、シリコーンコンディショニング剤:短鎖不飽和有機酸の重量比が20:1~1:4である。
【0042】
本発明の組成物は、カチオン性沈着ポリマーなどのさらなる成分、好ましくはカチオン性セルロースおよびカチオン性グアー誘導体から選択されるものを含み得る。
【0043】
本発明による組成物中に見出される成分の他の例は、芳香剤およびpH調整剤を含む。好ましくは、20℃での該組成物のpHが3~7、より好ましくは4~6である。
【0044】
次に、本発明を以下の非限定的な実施例によって説明する。
【実施例】
【0045】
単離および混合物における阻害性抗菌剤の様々な挙動は、部分濃度および部分阻止濃度(Fractional Inhibitory Concentration)(FIC)の概念を用いて広く探求されている。例えば、JRW LambertおよびR Lambert、J.Appl.Microbiol 95、734(2003);T.Jadavji、CG ProberおよびR Cheung、Antimicrobial Agents and Chemotherapy 26、91(1984)およびWO2004/006876を参照されたい。これらのパラメータは、次のように定義できる:
FIC(成分a)=MIC(混合物中で試験される成分a)/MIC(単一の活性物質として試験される成分a)。
【0046】
抗菌剤間の相互作用は、組み合わせの効力が単独で試験した場合に個々の成分の同じ総濃度について得られる効力と同等であるか、それより大きいかまたはそれより小さいかに依存して、相加的、相乗的またはおそらく拮抗的であり得る。
【0047】
これらの関係は、「部分阻止指数」を与えるために混合物中に存在する全ての成分についてのFIC値を合計することによって数学的に表すことができる:
ΣFIC=FIC(成分1)+FIC(成分2)+FIC(成分3)
【0048】
上記で、
ΣFIC≧1は、相加的または拮抗的活性に相当するような値である。
ΣFIC<1は相乗活性に相当するような値である。
【0049】
同等の方法は、Kull、F.C.;Eisman、P.C.;Sylwestrowicz,H.D.およびMayer、R.L.、Applied Microbiology 9:538-541(1961)に記載された工業的に受け入れられている方法である相乗指数(SI)の計算である。
【0050】
液体ブロスアッセイ(MICおよびチェッカーボード)を行って、個々のおよび3成分の抗菌性化学物質の最小阻止濃度を決定した。以下のようにISO 20776-1:2006を改変した方法がスクリーニングのために利用された。グラム陰性発酵細菌;エンテロバクター・ジェルゴビエ(Enterobacter gergoviae)およびクレブシエラ(Klebsiella)属種の1~5×106微生物混液を抗菌性化学物質およびトリプシン大豆液体培地のストック溶液に接種した。
【0051】
試料を30℃で24時間インキュベートした後、OD600nmでの光学密度を測定した。MICは、抗菌性化学物質を含まない陽性増殖対照と比較して<25%増殖が観察された濃度として定義した。
【0052】
【0053】
相乗効果が観察されたかどうかを同定するために、MIC未満の濃度で3成分の組み合わせを評価した。
【表2】
【0054】
上記の表において、1.00以上のFIC値はいずれも非相乗的であるか、または単に付加的である。2.00の値は拮抗的である。
【0055】
表2は、本発明による実施例がグラム陰性発酵細菌に対して相乗的な化学的組み合わせを示したことを示す。
【0056】
表3は、異なる成分比を有する、表2中の組成物と同じ条件下で試験された、本発明による組成物および方法の利点をさらに実証する。以下は、様々な比率が含まれる場合に観察される3成分比率の組み合わせおよび対応するFICスコアである。
【表3】
【0057】
表4による配合を有するシャンプーを調製した。
【表4】