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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-20
(45)【発行日】2024-10-01
(54)【発明の名称】シートクラッシュ構造
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/427 20060101AFI20240924BHJP
   B60N 2/64 20060101ALI20240924BHJP
【FI】
B60N2/427
B60N2/64
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021574981
(86)(22)【出願日】2020-06-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-18
(86)【国際出願番号】 US2020037711
(87)【国際公開番号】W WO2020257098
(87)【国際公開日】2020-12-24
【審査請求日】2023-05-25
(31)【優先権主張番号】16/443,679
(32)【優先日】2019-06-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518156417
【氏名又は名称】ズークス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マーカス ジョスト
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー フランク ラチュコフスキ
(72)【発明者】
【氏名】カーン ラメシュワー シャーマ
(72)【発明者】
【氏名】ダリア ディ コスタンゾ
【審査官】永冨 宏之
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-208589(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0183353(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0026077(US,A1)
【文献】特開2017-074839(JP,A)
【文献】特開2015-098213(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 2/42
B60N 2/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗員を受け入れる第1の側部および前記第1の側部に対向する第2の側部を有するシートバックアセンブリを含むシートを備えた車両であって、前記シートバックアセンブリは、
前記第1の側部上の第1のシートバックの表面と、
前記第1の側部上の第2のシートバックの表面と、
圧縮力の下で塑性変形するエネルギー吸収材料であって、前記第1の側部と前記第2の側部との間に配置された前記エネルギー吸収材料と、
前記第1の側部上において前記第2のシートバックの表面の上方に配置された第3のシートバックの表面と、を備え、
前記第2のシートバックの表面は前記第1のシートバックの表面に対して、窪みおよび凹んでおり、幅よりも長い高さの楕円形または卵形の周囲を含み、かつ、前記第1の側部上の前記エネルギー吸収材料によって画定され、
前記第2のシートバックの表面はさらに、前記乗員が前記シートに着座した場合に前記乗員の下部背部の形状に適合し、かつ、第1の方向に関する第1の曲率および第2の方向に関する第2の曲率を有し、前記シートの高さ方向に対応する前記第2の方向は、前記シートの幅方向に対応する前記第1の方向に垂直であり、
記第3のシートバックの表面は前記第1のシートバックの表面に対して、凹んでおり、かつ、前記乗員が前記シートに着座した場合に前記乗員の上部背部の形状に適合し、前記第1の方向に関する第3の曲率を有する、車両。
【請求項2】
前記第1のシートバックの表面に対する前記第2のシートバックの表面の深度は約13乃至23mmの間であり、前記第2のシートバックの表面の中心と前記シートバックアセンブリの底部との間の前記高さ方向に関する垂直の距離は約375乃至475mmの間である、請求項1に記載の車両。
【請求項3】
前記エネルギー吸収材料は、発泡ポリプロピレン(EPP)フォーム、プラスチック、アルミニウム、または段ボールの少なくとも1つを含む、請求項1または請求項2に記載の車両。
【請求項4】
前記シートバックアセンブリはさらに、前記第1の側部と前記第2の側部との間の前記シートバックアセンブリ内に形成された1つまたは複数の空洞を備え、前記シートバックアセンブリの圧縮性は前記1つまたは複数の空洞に少なくとも部分的に基づいている、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の車両。
【請求項5】
前記車両は本体を備えており、前記シートバックアセンブリの前記第2の側部は前記車両の本体に直接取り付けられている、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の車両。
【請求項6】
記第3のシートバックの表面は実質的に長方形の周囲を有している、請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の車両。
【請求項7】
前記第2のシートバックの表面の高さは約300乃至400ミリメートル(mm)の間であり、前記第2のシートバックの表面の幅は約200乃至250mmである、請求項6に記載の車両。
【請求項8】
シートであって、
乗員を受け入れる第1の側部および前記第1の側部に対向する第2の側部を有するシートバックを備え、前記シートバックは、
前記第1の側部上の第1のシートバックの表面と、
前記第1の側部上の第2のシートバックの表面と、
圧縮力の下で塑性変形するエネルギー吸収材料であって、前記第1の側部と前記第2の側部との間に配置された前記エネルギー吸収材料と、備え、
前記第2のシートバックの表面は前記第1のシートバックの表面に対して、窪みおよび凹んでおり、幅よりも長い高さの楕円形または卵形の周囲を含み、かつ、前記第1の側部上の前記エネルギー吸収材料によって画定され、
前記第2のシートバックの表面はさらに、前記乗員が前記シートに着座した場合に前記乗員の下部背部の形状に適合し、かつ、第1の方向に関する第1の曲率および第2の方向に関する第2の曲率を有し、前記シートの高さ方向に対応する前記第2の方向は、前記シートの幅方向に対応する前記第1の方向に垂直である、シート。
【請求項9】
前記シートはさらに、前記第1の側部上の第3のシートバックの表面であって、前記第3のシートバックの表面は前記第1のシートバックの表面に対して、凹んでおり、前記第2のシートバックの表面の上に配置されており、前記第1の方向に関する第3の曲率を有する前記第3のシートバックの表面を備えており、前記第3のシートバックの表面は、前記乗員が前記シートに着座した場合に前記乗員の上部背部の形状に適合する、請求項8に記載のシート。
【請求項10】
前記第2のシートバックの表面の深度は約13乃至23mmの間であり、前記第2のシートバックの表面の中心と前記シートバックの底部との間の前記高さ方向に関する垂直の距離は約375乃至475mmの間である、請求項8または請求項9に記載のシート。
【請求項11】
前記エネルギー吸収材料は、発泡ポリプロピレン(EPP)フォーム、プラスチック、アルミニウム、または段ボールの少なくとも1つを含む、請求項8乃至請求項10のいずれか一項に記載のシート。
【請求項12】
前記シートバックはさらに、前記第1の側部と前記第2の側部との間の前記シートバック内に形成された1つまたは複数の空洞を備え、前記シートバックの圧縮性は前記1つまたは複数の空洞に少なくとも部分的に基づいている、請求項8乃至請求項11のいずれか一項に記載のシート。
【請求項13】
前記第3のシートバックの表面は実質的に長方形の周囲を有している、請求項9に記載のシート。
【請求項14】
前記第2のシートバックの表面の高さは約300乃至400ミリメートル(mm)の間であり、前記第2のシートバックの表面の幅は約200乃至250mmである、請求項13に記載のシート。
【請求項15】
本体および請求項8乃至請求項14のいずれか一項に記載のシートを備え、シートバックの第2の側部が車両の本体に直接取り付けられている、車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願]
このPCT国際出願は、2019年6月17日に出願された米国出願第16/443,679号の継続出願であり、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
車両の乗員のためのシートは、一般的に安全性のために設計されており、突然の動きまたは車両を伴う衝突の事故において、乗員が負傷するリスクを軽減する。例えば、車両は、後方からの衝突または正面衝突(例えば、正面からの)を経験し得る。正面衝突時には、シートベルトは主要な安全機能であり得る。しかし、後方からの衝突時には、安全性は、衝突時に乗員にかかる慣性力のエネルギーを吸収しながら、乗員を支えるシートの能力に依存し得る。そのようなシートの構造要件は、通常、サイズを理由に乗員によってさまざまであり、そのため、安全性を提供するためのワンサイズで全てに対応するアプローチには、設計上の課題がある。
【図面の簡単な説明】
【0003】
詳細な説明は添付の図面を参照して説明される。図では、参照番号の左端の数字は、参照番号が最初に現れる図を識別する。異なる図における同じ参照番号は、同様のまたは同等の項目を示す。
【0004】
図1図1は、シートを有する例示的な車両の概略側面図である。
図2図2は、シートを有する例示的な車両の概略上面図である。
図3図3は、車両の例示的なシートの斜視図である。
図4図4は、乗員を含む例示的なシートの斜視図である。
図5図5は、例示的なシートの分解図である。
図6図6は、異なるサイズの乗員の例を含むシートの断面図である。
図7図7は、2つの例示的な材料についての相対的な力対相対的なたわみのグラフである。
図8図8は、凹部を含む例示的なシートの斜視図である。
図9図9は、シートの裏側に隙間を含む例示的なシートの斜視図である。
図10図10は、シートの裏側にあるチャネルを含む例示的なシートの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
この開示は、車両用のシートの設計および構造に関する。シートは安全性のために、とりわけ、突然の動きまたは後方からの車両を伴う衝突の事故における、シートの乗員が負傷するリスクを減らすために、設計されている。例えば、そのような衝突時、安全性は、一般に、衝突時に乗員にかかる慣性力のエネルギーを吸収しながら、乗員を支えるシートの能力に依存する。複数のデザインの様態およびシートの素材がその安全性を決定する。例えば、シートは、乗員とシートバックの間のギャップを最小限に抑えるように設計されたシートバック形状を備え得、これにより、シートは、より長い距離にわたって乗員のエネルギーを吸収することによって、後向きの衝突において乗員への衝撃力を最小限に抑えることが可能である。例えば、シート表面の特定の部分は、以下に説明するように、乗員の体が一般にシート表面の輪郭に従うように、凹み(例えば、窪み)であり得る。いくつかの例では、シートは、車両の衝突によってシートに向かって(比較的言えば)加速する乗員によってシートに加えられる力などの圧縮力の下で塑性変形する1つまたは複数の材料を含み得る。
【0006】
本明細書で説明される例では、シートは、一般に、シートバック、1つまたは2つの側部アセンブリ、およびシート底部アセンブリを含み得る。しかし、他の例では、シートは、より多いまたはより少ない数のアセンブリで構成され得る。例えば、いくつかの例では、シートは、シート底部、シートバック、第1の側部、および/または第2の側部を含む単一のアセンブリまたはタブで構成され得る。シートは、1人または複数の乗員が並んで座るように構成され得る。
【0007】
図1は、シート102を有する例示的な車両100の概略側面図である。図2は、車両100の概略上面図である。この例には、互いに向き合って方向付けられた2つのシート102が含まれているが(例えば、「キャリッジシート(carriage seating)」構成)、他の例では、任意の数の1つまたは複数のシートを、図1および2に示されている以外の位置および/または方向で車両に配置し得る。例えば、本明細書では複数の乗客を収容できるベンチスタイルのシートとして示されているが、いくつかの例では、複数の個別および/またはベンチスタイルのシートが、同じ方向または異なる方向を向いている列に配置され得る、または単一のシートが車両に配置され得る。図示の例では、シート102は、車両のある部分に第1のシート102Aを含み、車両の別の部分に第2のシート102Bを含み得る。第1のシート102Aの乗員は、第1のシートによって第2のシート102Bの乗員に対面するように配置され得、これらの乗員は、共通の床エリア104を共有し得る。
【0008】
いくつかの例では、車両100は、米国道路交通安全局が2016年に発行したレベル5の分類に従って動作するように構成された自律車両とし得、例えば、この分類は、行程全体で全ての安全上重要な機能を実行することが可能な車両を示したものであり、ドライバー(または乗員)はいつでも車両を制御することを期待されていない。そのケースにおいて、車両は開始から終了までの全ての機能を制御するように構成され得るので、乗員がいない場合がある。しかし、これは単なる例であり、本明細書で説明するシステムおよび方法は、例えば、アクセス制限されている高速道路上での操作中など、特定の運転条件中にドライバーの注意または支援なしで自律制御できるように、それだけでなく、例えば、市街地内の都市通り上での操作中、または少なくとも一部の駐車機能中のような他の運転条件中、運転者の注意および/または支援を要求するような、人間が手動で駆動するそれら、および部分的に自律制御されているそれらを含む任意の地上車両に組み込み得る。
【0009】
車両100は、4つの車輪/タイヤ106を有するように描かれている。しかし、例えば、バン、スポーツユーティリティ車両、クロスオーバー車両、トラック、バス、農業用車両、および建設用車両などの他のタイプおよび構成の車両が企図される。車両100は、1つまたは複数の内燃機関、1つまたは複数の電源(例えば、電池、水素燃料電池など)によって動力を供給される電気モーター、またはそれらの任意の組み合わせによって動力を供給され得る。さらに、車両100は4つの車輪/タイヤ106を有するように示されているが、本明細書に記載のシステムおよび方法は、より少ないまたはより多い数の車輪、タイヤ、および/またはトラックを有する車両に組み込まれ得る。車両100は4輪ステアリングを有し、例えば、図1および2に示されるように、第1の方向に走行する場合、車両100の第1の端部108が車両の先頭または前端であるように、および、反対側の第2の方向に走行する場合、第1の端部108が車両の後尾または後端になるように、全ての方向で一般に等しい性能特性で動作し得る。同様に、車両の第2の端部110は、第2の方向に走行する場合、車両の先頭または前端であり、第2の端部110は、反対側の第1の方向に走行する場合、車両の後尾または後端になる。これらの例示の特性は、例えば、駐車場および都市部などの狭いスペースおよび混雑した環境で、より優れた操作性を容易にし得る。
【0010】
いくつかの例では、車両100の双方向性を理由に、第1のシート102Aおよび第2のシート102Bのそれぞれは、車両の進行方向の決定にしたがって、異なる時間において、先頭または後尾のシートとなり得る。また、第1のシート102Aおよび第2のシート102Bのそれぞれは、車両の進行方向の決定にしたがって、異なる時間において、前向きのシートまたは後向きのシートとなり得る。例えば、車両100の第1の端部108が車両の先頭または前端である間(例えば、第1の方向に走行する場合)、第1のシート102Aの乗員は後向きであり(例えば、進行方向から離れる)、第2のシート102Bの乗員は前向きである(例えば、進行方向に向かって)。そのようなケースでは、物体による車両100の第1の端部108に対する衝突は、第1のシート102Aの乗員に後端のタイプの衝突を与え(例えば、乗員は、第1のシート102Aのシートバック112に対して向かって加速している)、一方で、第2のシート102Bの乗員に前端タイプの衝突を与え得る(例えば、乗員は第2のシート102Bのシートバック112から(シートバックに対して)加速している)。他方、車両100の第2の端部110が車両の先頭または前端である間(例えば、第2の方向に移動する場合)、第2のシート102Bの乗員は後向きであり(例えば、進行方向から離れる)、第1のシート102Aの乗員は前向きである(例えば、進行方向に向かって)。そのようなケースでは、物体による車両100の第2の端部110に対する衝突は、第2のシート102Bの乗員に後端タイプの衝突を与え、一方で、第1のシート102Aの乗員に前端タイプの衝突を与え得る。
【0011】
以下に説明するように、シート102は、車両100の本体部分114に(直接的または間接的に、例えば、中間部材または複数の部材を介して)取り付けられ得る。本体部分114は、床エリア104からシートバック112の高さより上または下まで延び得る。いくつかの例では、シート102の背もたれは、車両100の本体部分114に直接隣接し、接触し得る。すなわち、シート102の背もたれと車両100の本体部分114との間にギャップ、フレーム、または支持構造は配置され得ない。これは、比較的広いエリア(シートと車両の本体部分の接触エリア)にわたってシート102と本体部分114との間に力を分散させることができ、それにより、衝突時のシート102の歪曲を最小限に抑え、介在するフレームまたは支持構造によって引き起こされる点荷重を回避する。
【0012】
図3は、シート102Aおよびシート102Bを含むシート102を有する車両100の一部の斜視図である。図4は、乗員402を含むシート102のうちの1つの斜視図である。共通の床エリア104は、2つのシートの間で共有され得る。この斜視図は、シート102Aの角度の付いた正面図およびシート102Bの角度の付いた背面図を示している。各シート102は、シートバックアセンブリ302、以下、単にシートバックと呼ぶ、下部アセンブリ304(またはシート底部アセンブリ)、および1つまたは複数の側部アセンブリ105を備える。特に、シートバック302は、乗員を受け入れるための第1の側部306(例えば、図4の402)と、第1の側部の反対側の第2の側部308とを有する。もちろん、複数のシート位置を有する複数のアセンブリとして示されているが、そのようなシートは、個別である、一体的に形成される、または2つまたは複数のサブアセンブリを結合することによって形成され得る。
【0013】
上記の通り、シートのデザインおよび素材の多くの様態がその安全性を決定する。例えば、シートは、乗員の体が概してシート表面の輪郭に嵌るまたは一致するように形作られ得る。そのような適合を促進するために、シート表面の一部は凹み(例えば、窪み)であり得る。特に、シートバック302の第1の側部306は、第1の側部306に対して窪みおよび凹みである凹部310を含む。凹部310は、実質的に卵形(例えば、実質的に楕円形または卵形)の表面を有し、および幅(例えば、水平)よりも長い高さ(例えば、垂直)を有し得る。以下に説明するように、乗員が下部アセンブリ304に座った場合、凹部310は、乗員の体がシートバックの形状に一致する位置に静止することを実質的に促す。このため、実質的に乗員の背中の全てがシートバック302に接触および/または比較的近接している(通常の操作時の乗員の背中とシートバックの間のギャップを最小限に抑えている)。そのような接触および/または近接は、(後方)衝突時、シートバック302に対する乗員の背中の比較的低い速度を可能にする。シート102の安全性は、そのような比較的低速のために(例えば、衝撃における車両本体へのより迅速な結合を促進する)、他の車両のシートよりも改善される。また、乗員の背中がシートバック302と衝突事故時に長時間接触するため、シートバック302は、より長い距離にわたって乗員のエネルギーを吸収(例えば、乗員を減速)することが可能であり、それにより、乗員が経験する衝撃の力を低減する。
【0014】
いくつかの例では、シートバック302の第1の側部306はまた、第1の側部306に対して凹んでいる凹部312を含む。凹部310の上に位置する凹部312は、実質的に長方形の周囲を有し得る(本明細書では、正方形を等しい辺を有する長方形であると見なし得る)。凹部312は、シートバックの形状に適合する位置に乗員の体を静止することを促す。したがって、乗員が下部アセンブリ304に座った場合、乗員の上部背部/肩エリアの、全てではないにしても、少なくとも大部分がシートバックと接触している。
【0015】
上記のいずれかの例において、凹部310および/または凹部312の1つまたは複数の表面は、複数の弧状のスイープ(sweeps)によって規定され得る。そのような例では、対応する表面は、第1の次元に沿ってスイープされる(swept)第1の弧(または曲線)および第2の次元に沿ってスイープされる第2の弧(または曲線)によって定義され得る。非限定的な例として、そのような複数の弧状のスイープは、少なくとも凹部310の部分的に卵形の(卵形の)表面をもたらし得る。さまざまな例で、複数の弧状のスイープによってそのような表面を定義することは、そのような乗員の接触を促し得る。そのようなスイープの追加の詳細を、本明細書に規定する。
【0016】
各シート102は、2人の乗員を同時に保持するように構成され得る。したがって、シート102は、凹部310および凹部312の2つの「セット」を含み得る。
【0017】
以下に説明するように、いくつかの例では、シートバック302は、圧縮力の下で塑性変形するエネルギー吸収材料を備え、これは、衝突時のシートバックに対する、および対抗する乗員の背中の加速から生じ得る。エネルギー吸収材料は、シートバック302の第1の側部306と第2の側部308との間に配置され得る。エネルギー吸収材料は、シートバック302の第1の側部306と第2の側部308との間のエリアの全部または一部に渡って配置され得る。いくつかの例では、エネルギー吸収材料は、凹部310と第2の側部308との間、および/または凹部312と第2の側部308との間に均一または不均一に配置され得る。いくつかの例では、下部アセンブリ304は、1つまたは複数のタイプのエネルギー吸収材料シートバック302とは異なる、1つまたは複数のタイプのエネルギー吸収材料を含み得る。そのようなタイプの材料は、互いに異なる特質と特性を有し得る。例えば、下部アセンブリ304のエネルギー吸収材料は、シートバック302のエネルギー吸収材料よりも剛性および/または弾性があり得る。いくつかの例では、エネルギー吸収材料は、さまざまなタイプの高分子フォーム(発泡ポリプロピレン(EPP)フォーム、ウレタンフォーム、ポリスチレンフォームなど)、プラスチック、アルミニウム、段ボールあるいはその他の材料、またはそれらの組み合わせのいずれかであり得る。そのような材料は、ハニカムまたは他の構造で形成され得る。
【0018】
例では、上記のように、シート102は、車両100の本体部分114に(直接的または間接的に)結合され得る。本体部分114は、シートが取り付けられている本体の部分から、シートバック302の高さより上または下に延び得る。特定の例では、シートバック302、下部アセンブリ304、および1つまたは複数の側部アセンブリ105は、それぞれ、車両本体の一部に結合され得る。シート102のこれらの部分の車両本体への結合は、衝突時、シート102と車両本体との間に実質的に相対運動がないように、直接的かつ堅固であり得る。このような結合は、以下に説明するように、衝突時の点荷重および/または湾曲の発生を低減または回避することによって、シート102の安全性に寄与し得る。
【0019】
図5は、上記のシート102と同様または類似し得るシート500の分解図である。シート500は、シートバック502、下部アセンブリ504、および1つまたは複数の側部アセンブリ506を備える。側部アセンブリ506と下部アセンブリ504との間の接続に関する詳細および位置は、特定の例示への所望のアセンブリプロセスに少なくとも部分的に基づき得る。言い換えれば、側部アセンブリ506が下部アセンブリ504に触れる場所は、図に示されているものから配置され得る。
【0020】
図3に示される例では、例えば、シートバック302は凹部310を含む。しかし、図5に示される例では、シートバック502は凹部508の一部を含み、一方、下部アセンブリ504は凹部508の他の部分を含む。仕切り線510は、シートバック502を下部アセンブリ504から分割し得る。そのような仕切り線の位置は、それが存在する場合(いくつかの例ではそうではない場合がある)、特定の例示への所望のアセンブリプロセスに少なくとも部分的に基づき得る。言い換えると、そのような仕切り線は、代わりに、凹部508がシートバック502にのみ含まれるように、シート底部と背面の間のトランジション512またはその近くに配置され得る。
【0021】
凹部508は、実質的に楕円形の周囲を有し、および幅(例えば、水平)よりも長い高さ(例えば、垂直)を有し得る。凹部508は、乗員が下部アセンブリ504に座った場合、乗員の背中の形状に実質的に一致する。いくつかの例では、シートバック502はまた、凹部508を除いて、シートバック502の全ての部分に対して凹んでいる凹部514を含む。凹部508の上に位置する凹部514は、実質的に長方形の周囲を有し得る。凹部514は、乗員が下部アセンブリ504に座った場合、乗員の上部背部/肩エリアの形状に実質的に一致する。
【0022】
シート500はまた、下部アセンブリ504に取り付けられる前部アセンブリ516を含み得る。さらに、シート500は、2人の乗員を同時に保持するように構成され得る。したがって、シート500は、凹部508および凹部514の2つの「セット」を含み得る。
【0023】
図6は、車両(例えば、100)のシート600の断面図である。シート600は、上記のシート102と同様または類似し得る。いくつかの実装形態では、シート600は、人口の5乃至95パーセンタイル内の乗員に対して、同様または類似の安全性を有するように構成され得る。
【0024】
図6において、シート600は、人口の50パーセンタイル部分のサイズを表す第1の乗員602と、人口の5パーセンタイルの部分のサイズを表す第2の乗員604によって、占められている。シート600は、シートバック608に配置され、実質的に楕円形の周囲を有し、幅(例えば、水平)よりも長い高さ(例えば、垂直)を有する凹部606を含む。凹部606は、乗員が下部アセンブリ610に座った場合、乗員の背中の形状に実質的に一致する。特に、凹部606は、第1の乗員602および第2の乗員604の背部612の形状に実質的に一致し、したがって、両方の乗員を適切に保護する安全性を提供する。いくつかの例では、凹部606の表面の中心とシートバックアセンブリの底部61との間の垂直距離は、約375および475mmの間である。
【0025】
シート600は、車両の衝突によりシートに向かって加速する乗員(例えば、または乗員に向かって加速するシートバック)によってシート(例えば、またはシートバック)に加えられる力などの圧縮力の下で比較的容易に圧縮する1つまたは複数の材料を含み得る。例えば、シートバック608は、そのような圧縮力の下で塑性変形するエネルギー吸収材料614を含み得る。エネルギー吸収材料は、凹部606の表面とシートバック608の後方の側部616との間に均一または不均一に配置され得る。いくつかの例では、エネルギー吸収材料は、EPP発泡体、いくつかのプラスチックのいずれか、アルミニウムもしくは他の金属、ボール紙などの段ボール材料、またはそれらの組み合わせもしくは複合体であり得る。
【0026】
一般に、エネルギー吸収材料614は、圧縮および非弾性変形を介して運動エネルギーを吸収することにより、シート600の安全性に寄与する。例えば、衝突(例えば、シート600の後ろの車両の一部に対する衝突)の前、乗員602(または604)はシートバック608に関してゼロ速度を有するであろう。しかし、衝突の瞬間に続いて、乗員は、シートバック608に対しておよび向かって加速し、その加速に比例した後方への力を導く。後方への力は、乗員(例えば、実質的に乗員の胴体)に、エネルギー吸収材料614を非弾性的に圧縮する力でシートバック608を押させる。そのような圧縮が、異なる材料の際では、非弾性でない場合、衝突後の瞬間に、異なる材料が前方に反動し(例えば、膨張し)、乗員に有害な力を加える可能性がある。したがって、エネルギー吸収材料614は、そのような反動なしに力の放散を可能にする。
【0027】
一般に、エネルギー吸収材料614の分配(例えば、厚さ、密度など)は、シート600の安全性の要因であり得る。様々な実装形態において、乗員にシートバック608を押させる後方の力がエネルギー吸収材料614を実質的に均一な手段で非弾性的に圧縮するように、エネルギー吸収材料614はシートバック608に分散する。したがって、乗員は、有害な点荷重または不規則な反力(例えば、推進力によって生じる力)を経験しないであろう。また、様々な実装形態において、凹部606は、実質的に全ての乗員の背中がエネルギー吸収材料614に接触および/または比較的近接することを促進する形状を有する。そのような接触および/または近接は、エネルギー吸収材料614の圧縮時、乗員の運動エネルギーが比較的小さくおよび均一になるように、衝突時のシートバック608に対する乗員の背中の実質的に全ての部分の速度を最小化する(例えば、乗員が本体に対して加速するスペースをより少ない乃至全く設けない)。さらに、様々な例において、シートバック608は、車両の部分618(例えば、車両本体)に直接取り付けられている。このようにして、シートバック608が部分618に取り付けられる手段に応じて、有害な点荷重または不規則な反力を回避し得る。
【0028】
図7は、2つの例示的な材料についての相対的な加えられた力対相対的なたわみ(例えば、または圧縮)のグラフ700である。材料に加えられた力の量は、グラフ700のプロット702および704によるたわみを引き起こす。プロット702は、エネルギー吸収材料の力対たわみを表し、プロット704は、例えば、鋼などの、エネルギー吸収材料以外の材料の力対たわみを表す。プロット702を観察すると、エネルギー吸収材料のたわみは一定の力で増加する。言い換えると、エネルギー吸収材料は、点706まで一定値の力で常にたわみ、継続的なたわみは加えられる力を増加する。他方、プロット704を観察すると、エネルギー吸収材料のたわみは、力が増加するにつれて増加する。言い換えると、エネルギー吸収材料ではない材料は、力が増加するにつれてますますたわむ。本明細書で使用される場合、エネルギー吸収材料の特性は、加えられた力の範囲の少なくとも一部にわたって材料がたわみ(例えば、変形し)続ける際に、加えられた力が実質的に増加しないことである。上で説明したように、衝突の瞬間に続いて、シートの乗員は、シートのシートバックに対して、および向かって加速し、その加速に比例した後方への力をもたらすであろう。後方への力は、乗員にプロット702によって表されるようなエネルギー吸収材料を非弾性的に圧縮する力でシートバックを押させる。そのような圧縮が、プロット704で表されるような異なる材料の際では、非弾性でない場合、衝突後の瞬間に、異なる材料が前方に反動し(例えば、膨張し)、乗員に有害な力を加える可能性がある。したがって、エネルギー吸収材料のプロット702によって示されるたわみ(または変形)は、力の均等な散逸を可能にし、そのような反動を伴う事無く乗員に有害な力を加えない。
【0029】
図8は、車両の例示的なシート800の一部の斜視図である。シート800は、上記のシート102と同様または類似し得る。シート800は、シートバック802、下部アセンブリ804、および1つまたは複数の側部アセンブリ806を備える。シート800は、車両の本体部分808に直接取り付けられ得る。シートバック802は、上記の310と同様または類似し得る、凹部810を含む。いくつかの例では、凹部810は、実質的に楕円形の周囲を有し、例えば、約300から400ミリメートルの範囲の高さ812および約200から250ミリメートルの範囲の幅814を有し得る。挿入図Aは、例示的な曲率(例えば、第1の曲率)を含むA(例えば、第1の方向)に沿った断面図を示している。示されている曲率の例は、いくつかの例を挙げれば、楕円体、回転楕円体、または非球面表面の一部にマッピングされる多項式または他の関数によって記述できる、いくつかの可能な曲率の1つにすぎない。シートバック805の非凹面から測定した、断面Bの図の挿入図B1に示されている(例えば、第2の方向に沿って)、凹部810の最大深さ816は、約13から23ミリメートルの範囲にあり得る。挿入図B1に示されている例示的な曲率は、いくつか例を挙げると、楕円体、回転楕円体、または非球面表面の一部にマッピングされる、多項式または他の関数で記述できる、いくつかの可能な曲率の1つにすぎない。
【0030】
いくつかの例では、シートバック802はまた、凹部810を除いて、シートバック802の部分に対して凹んでいる凹部820を含む。凹部810の上に位置する凹部820は、実質的に長方形の周囲を有し得る。挿入図Cは、例示的な曲率(例えば、第3の曲率)を含む、C(例えば、第1の方向内に)に沿った断面図を示している。示されている例示的な曲率は、いくつか例を挙げると、楕円体、回転楕円体、または非球面表面の一部にマッピングされる、多項式または他の関数で記述できる、いくつかの可能な曲率の1つにすぎない。もちろん、挿入図Cは一次元でほぼ線形のスイープを有するものとして示されているが、示される凹部に関連付けられた1つまたは複数の表面のいずれかが、いくつかの例では、複数の弧状スイープによって定義され得ることに留意されたい。そのような例では、少なくとも1つ(両方ではないにしても)の表面をそのように定義することで、乗員のシートへの結合の促進を達成し得る。いくつかの例では、凹部820の上部820Aは、約130から180ミリメートルの範囲の高さ822Aを有し得、凹部820の底部部分820Bは、約20から40ミリメートルの範囲の高さ822Bを有し得る。シートバック805の非凹面から測定した、断面Bの図の挿入図B2に示されている、凹部820の最大深さ823は、約13から23ミリメートルの範囲にあり得る。挿入図B2に示されている例示的な曲率は、いくつか例を挙げると、楕円体、回転楕円体、または非球面表面の一部にマッピングされる、多項式または他の関数で記述できる、いくつかの可能な曲率の1つにすぎない。上部820Aおよび底部部分820Bの両方は、凹部810の幅と同様の幅を有し得る。しかし、他の例では、凹部820は、列挙されたそれらよりも大きい、小さい、またはいくらか小さくおよびいくらか大きい寸法を有し得る。本明細書で提供される任意の1つまたは複数の寸法に関して(例えば、深さ、高さ、幅、ポイントに関して)、そのような点は、それぞれの表面を定義するためのそのような複数の弧状スイープの任意の1つまたは複数の曲線の参照として使用され得る。
【0031】
いくつかの実装形態では、凹部810および凹部820は、シートバック802の輪郭に実質的に沿った布(不図示)によって覆われ得る。そのようなケースでは、座った乗員がいなくとも、凹部は隠されている(これは均一な美観を促進し得る)。乗員が座る場合、布は乗員の背中によって凹部に対して、押し付けられる。
【0032】
図9は、図3および図4に示されるように、車両100のシート102Aの部分900の斜視図である。この斜視図は、シート102A(視認性のために車両100の本体部分を省略している)の角度の付いた背面図を示しており、これは、シートバック302、下部アセンブリ304、および1つまたは複数の側部アセンブリ105を備える。特に、シートバック302は、乗員を受け入れるための第1の側部306(例えば、図4の402)と、第1の側部の反対側の第2の側部308とを有する。共通の床エリア104は、上記のように、シート102Aと102Bとの間で共有され得る。いくつかの実装形態では、シートバック302の第2の側部308は、1つまたは複数の空洞902(例えば、第1の側部306と第2の側部308との間のシートバック302に形成される)を含み得る。そのような空洞は、特定の、実質的に均一な手段で、シートバック302のエネルギー吸収材料を圧縮(例えば、押しつぶす)することを可能にし得、衝突時に圧縮力のエネルギーを吸収する。上記のように、エネルギー吸収材料(例えば、614)の分配(例えば、厚さ、密度など)は、シート102Aの安全性の要因であり得る。さまざまな実装形態で、エネルギー吸収材料が分散され、空洞902を含み、シートバック302に特定の剛性を提供し得る。したがって、乗員にシートバック302を非弾性的に押させる後方の力は、エネルギー吸収材料を特定のやり方で(例えば、実質的に均一な手段などで)圧縮し得る。したがって、乗員は、有害な点荷重または不規則な反力(例えば、推進力によって生じる力)を経験しないであろう。
【0033】
エネルギー吸収材料と戦略的に配置された空洞902との特定の組み合わせは、シートバック302の所望の量の圧縮性を可能にし得る。空洞902は、任意の深さ、サイズ、形状(円筒形、円錐形、長方形など)、数、および/または間隔を有し得る。1つまたは複数の個別の空洞を含み得る空洞902は、いくつかの特定のまたはランダムなパターンのいずれかで、シートバック302の第2の側部308に配置され得る。個々の空洞902は、同じサイズおよび/または形状であり得る、または互いに異なるサイズおよび/または形状であり得る。空洞902は、第2の側部308の少なくとも一部を覆う材料(図9に不図示)によって隠され得る。いくつかの例では、空洞902は、シートバック302の厚さを通して完全にまたは部分的に延び得る(例えば、それらは、貫通穴であり得る、それらは、シートバックの片側/表面に開いた止まり穴であり得る、および/またはそれらは、シートバックによって四方が囲まれた隙間であり得る)。
【0034】
図10は、図3および図4に示されるように、車両100のシート102Aの部分1000の斜視図である。この斜視図は、シート102A(視認性のために車両100の本体部分を省略している)の角度の付いた背面図を示しており、これは、シートバック302、および下部アセンブリ304を備える。乗員1002は、シート102Aに座っている。いくつかの実装形態では、チャネル1004は、シートバック302の裏側部1006の少なくとも一部に配置され得る。図9に示される空洞902は、裏側部1006を形成する材料によって隠され得る。チャネル1004は、シートバック全体またはその一部を横切って延び得、例えば、ワイヤ、ケーブル、ベント、または他の構造の経路を含むために使用され得る。いくつかの実装形態では、チャネル1004は、図10に示されるように、材料1008によって車両の本体(シート102Aの後ろ)から分離され得る。あるいは、またはさらに、チャネル1004は、シート102Aの真後ろにある車両の本体の部分に露出し得る。言い換えると、チャネル1004と本体の部分との間に材料1008が存在する必要はない。
【0035】
[例示的な発明内容]
A.乗員を受け入れる第1の側部および前記第1の側部の反対側の第2の側部を有するシートバックアセンブリを含むシートを備えた車両であって、前記シートバックアセンブリは、前記第1の側部上の第1のシートバックの表面と、前記第1の側部上の第2のシートバックの表面であって、前記第2のシートバックの表面は前記第1のシートバックの表面に対して、窪みおよび凹んでおり、第1の方向に関する第1の曲率および第2の方向に関する第2の曲率を有し、前記第2の方向は前記第1の方向に垂直である、前記第2のシートバックの表面と、前記第1の側部上の第3のシートバックの表面であって、前記第3のシートバックの表面は前記第1のシートバックの表面に対して、凹んでおり、前記第2のシートバックの表面の上に配置されており、前記第1の方向に関する第3の曲率を有する前記第3のシートバックの表面と、圧縮力の下で塑性変形するエネルギー吸収材料であって、前記第2の側部と前記第2のシートバックの表面との間および前記第2の側部と前記第3のシートバックの表面との間に配置された前記エネルギー吸収材料と、を備えた、車両。
【0036】
B.前記第1のシートバックの表面に対する前記第2のシートバックの表面の深度は約13乃至23mmの間であり、前記第2のシートバックの表面の中心と前記シートバックアセンブリの底部との間の垂直の距離は約375乃至475mmの間である、段落Aに記載の車両。
【0037】
C.前記エネルギー吸収材料は、発泡ポリプロピレン(EPP)フォーム、プラスチック、アルミニウム、または段ボールの少なくとも1つを含む、段落Aに記載の車両。
【0038】
D.前記シートバックアセンブリはさらに、前記第1の側部と前記第2の側部との間の前記シートバックアセンブリ内に形成された1つまたは複数の空洞を備え、前記シートバックアセンブリの圧縮性は前記1つまたは複数の空洞に少なくとも部分的に基づいている、段落Aに記載の車両。
【0039】
E.前記車両は本体を備えており、前記シートバックアセンブリの前記第2の側部は前記車両の本体に直接取り付けられている、段落Aに記載の車両。
【0040】
F.前記第2のシートバックの表面は、実質的に楕円形の周囲を有し、幅よりも長い高さを有し、前記第3のシートバックの表面は実質的に長方形の周囲を有している、段落Aに記載の車両。
【0041】
G.前記第2のシートバックの表面の前記高さは約300乃至400ミリメートル(mm)の間であり、前記第2のシートバックの表面の前記幅は約200乃至250mmである、段落Fに記載の車両。
【0042】
H.車両のためのシートであって、前記シートは、乗員を受け入れる第1の側部および前記第1の側部の反対側の第2の側部を有するシートバックを備え、前記シートバックは、前記第1の側部上の第1のシートバックの表面と、前記第1の側部上の第2のシートバックの表面であって、前記第2のシートバックの表面は前記第1のシートバックの表面に対して、窪みおよび凹んでおり、第1の方向に関する第1の曲率および第2の方向に関する第2の曲率を有し、前記第2の方向は前記第1の方向に垂直である前記第2のシートバックの表面と、前記第1の側部上の第3のシートバックの表面であって、前記第3のシートバックの表面は前記第1のシートバックの表面に対して、凹んでおり、前記第2のシートバックの表面の上に配置されており、前記第1の方向に関する第3の曲率を有する前記第3のシートバックの表面と、を備えた、シート。
【0043】
I.圧縮力の下で塑性変形するエネルギー吸収材料であって、前記第2の側部と窪んだ凹部との間、および前記第2の側部と長方形の部分との間に配置された前記エネルギー吸収材料を、さらに備えた、段落Hに記載のシート。
【0044】
J.前記第1のシートバックに対する前記第2のシートバックの表面の深度は約13乃至23mmの間であり、前記第2のシートバックの表面の中心と前記シートバックの底部との間の垂直の距離は約375乃至475mmの間である、段落Hに記載のシート。
【0045】
K.前記第2のシートバックの表面の前記高さは約300乃至400ミリメートル(mm)の間であり、前記第2のシートバックの表面の前記幅は約200乃至250mmである、段落Hに記載のシート。
【0046】
L.前記エネルギー吸収材料は、発泡ポリプロピレン(EPP)フォーム、プラスチック、アルミニウム、または段ボールの少なくとも1つを含む、段落に記載のシート。
【0047】
M.前記シートバックはさらに、前記第1の側部と前記第2の側部との間の前記シートバック内に形成された1つまたは複数の空洞を備え、前記シートバックの圧縮性は前記1つまたは複数の空洞に少なくとも部分的に基づいている、段落Hに記載のシート。
【0048】
N.前記第2のシートバックの表面は、実質的に楕円形の周囲を有し、幅よりも長い高さを有し、前記第3のシートバックの表面は実質的に長方形の周囲を有している、段落Hに記載のシート。
【0049】
O.乗員を受け入れる第1の側部および前記第1の側部の反対側の第2の側部を有するシートバックを備え、前記シートバックは、前記第1の側部上の第1のシートバックの表面と、前記第1の側部上の第2のシートバックの表面であって、前記第2のシートバックの表面前記第1のシートバックの表面に対して、窪みおよび凹んでおり、第1の方向に関する第1の曲率および第2の方向に関する第2の曲率を有し、前記第2の方向は前記第1の方向に垂直である前記第2のシートバックの表面と、圧縮力の下で塑性変形するエネルギー吸収材料であって、前記第2の側部と前記第2のシートバックの表面との間に配置された前記エネルギー吸収材料と、を備えた、シート。
【0050】
P.前記シートはさらに、前記第1の側部上の第3のシートバックの表面であって、前記第3のシートバックの表面は前記第1のシートバックの表面に対して、凹んでおり、前記第2のシートバックの表面の上に配置されており、前記第1の方向に関する第3の曲率を有する前記第3のシートバックの表面を備えており、前記エネルギー吸収材料はさらに、前記第2の側部と前記第3のシートバックの表面との間に配置されている、段落Oに記載のシート。
【0051】
Q.前記第2のシートバックの表面の深度は約13乃至23mmの間であり、前記第2のシートバックの表面の中心と前記シートバックの底部との間の垂直の距離は約375乃至475mmの間である、段落Oに記載のシート。
【0052】
R.前記エネルギー吸収材料は、発泡ポリプロピレン(EPP)フォーム、プラスチック、アルミニウム、または段ボールの少なくとも1つを含む、段落Oに記載のシート。
【0053】
S.前記シートバックはさらに、前記第1の側部と前記第2の側部との間の前記シートバック内に形成された1つまたは複数の空洞を備え、前記シートバックの圧縮性は前記1つまたは複数の空洞に少なくとも部分的に基づいている、段落Oに記載のシート。
【0054】
T.前記第2のシートバックの表面は、実質的に楕円形の周囲を有し、幅よりも長い高さを有し、前記第3のシートバックの表面は実質的に長方形の周囲を有している、段落Oに記載のシート。
【0055】
上述の例示的な発明内容はある1つの実装に関して説明されているが、本書類のコンテキストにおいて、例示的な発明内容はまた、方法、デバイス、システム、および/またはその他の実装を介して実装できることを理解されたい。
【0056】
[結論]
本明細書で説明する技術の1つ以上の例について説明したが、様々な変更、追加、置換、およびそれらの同等物が、本明細書で説明する技術の範囲内に含まれる。
【0057】
例示の説明では、本明細書の一部を形成する添付の図面を参照するが、これは特定の例示を例として示している。他の例を使用でき、構造的変更などの変更または代替を行うことできることを理解されたい。そのような例示、変更または代替は、意図される主題に関する範囲から必ずしも逸脱するものではない。本明細書のステップは特定の順序で提示できるが、場合によっては、説明したシステムおよび方法の機能を変更することなく、特定の入力を異なる時間または異なる順序で提供するように、順序を変更できる。開示された手順はまた異なる順序で実行できる。さらに、本明細書にある様々な計算は開示された順序で実行される必要はなく、計算の代替順序を使用する他の例を容易に実装できる。並べ替えに加えて、計算はまた、同じ結果となるサブ計算に分解できる。
図1
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図10