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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-20
(45)【発行日】2024-10-01
(54)【発明の名称】演出された乗り物システム及び方法
(51)【国際特許分類】
   A63G 1/08 20060101AFI20240924BHJP
【FI】
A63G1/08
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2021575378
(86)(22)【出願日】2020-06-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-22
(86)【国際出願番号】 US2020037732
(87)【国際公開番号】W WO2020257101
(87)【国際公開日】2020-12-24
【審査請求日】2023-06-05
(31)【優先権主張番号】62/863,598
(32)【優先日】2019-06-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/513,475
(32)【優先日】2019-07-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511077292
【氏名又は名称】ユニバーサル シティ スタジオズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】ラバーグ マクリーン ララ
(72)【発明者】
【氏名】メイソン ウイリアム デール
(72)【発明者】
【氏名】ヴァンス エリック アラン
【審査官】岸 智史
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-516493(JP,A)
【文献】特表2017-528779(JP,A)
【文献】特表2017-529200(JP,A)
【文献】米国特許第09372484(US,B2)
【文献】特開2002-126359(JP,A)
【文献】特開2002-182745(JP,A)
【文献】国際公開第2017/163790(WO,A1)
【文献】特表2006-528039(JP,A)
【文献】特開2002-207077(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63G 1/00-33/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗り物車両であって、
乗客を運ぶように構成された乗車組立体と、
前記乗車組立体を通って延びるポールであって、前記乗車組立体が前記ポールに結合された、ポールと、
前記ポールに結合し、前記ポールを介して前記乗車組立体に結合するように構成されたベースであって、前記ポールは、前記ベースから延び、前記ベースは、前記乗り物車両を表面に沿って移動させるように構成された表面移動システムと、前記ポールを介して前記乗車組立体を前記ベースに対して垂直方向に移動させるように構成された垂直移動システムと、前記ポールの角度回転を介して前記乗車組立体を前記ベースに対して角度方向に移動させるように構成されたロールシステムと、を含む、ベースと、
前記乗り物車両の移動と別個の乗り物車両の移動との協働を制御するように構成された制御システムと、
を備える、乗り物車両。
【請求項2】
前記制御システムは、乗り物経路と乗客搭乗エリアとの間で前記乗り物車両を移行させることを含む共通の演出ルーチンに基づいて、前記別個の乗り物車両に対して前記乗り物車両を操縦するように前記表面移動システムに命令するように構成されている、請求項1に記載の乗り物車両。
【請求項3】
前記共通の演出されたルーチンは、前記乗り物車両及び前記別個の乗り物車両の各乗り物車両に対するそれぞれの演出された乗り物経路を含む、請求項2に記載の乗り物車両。
【請求項4】
前記制御システムは、前記別個の乗り物車両の少なくともサブセットに対する位置決めフィードバックに基づいて、前記乗り物車両のコースの調整を連続的に制御するように構成されている、請求項1に記載の乗り物車両。
【請求項5】
前記表面移動システムは、前記乗り物車両を転回させ、前記乗り物車両をスピンさせ、前記乗り物車両を直線的に移動させるように構成されている、請求項1に記載の乗り物車両。
【請求項6】
前記表面に沿った前記乗り物車両の表面位置を示す信号を出力するように構成された表面位置センサを備える、請求項1に記載の乗り物車両。
【請求項7】
前記制御システムが、前記表面位置を示す信号と、前記別個の乗り物車両のうちの1又は2以上に関する、前記制御システムにより受信されたデータとに基づいて、前記別個の乗り物車両のうちの1又は2以上に対する前記乗り物車両の相対位置を決定するように構成されている、請求項6に記載の乗り物車両。
【請求項8】
前記垂直移動システムは、前記乗車組立体の垂直位置を示す信号を出力するように構成された垂直位置センサを含み、前記制御システムは、前記垂直位置と、前記別個の乗り物車両のうちの1又は2以上の乗り物車両の垂直位置に関する前記制御システムによって受信されたデータとに基づいて、前記垂直移動システムの作動を協働するように構成されている、請求項1に記載の乗り物車両。
【請求項9】
前記ポールの一部分が前記乗車組立体の上方に露出している、請求項1に記載の乗り物車両。
【請求項10】
乗り物車両であって、
乗客を運ぶように構成された乗車組立体と、
前記乗車組立体を通って延びるポールであって、前記乗車組立体が前記ポールに結合された、ポールと、
前記ポールに結合し、前記ポールを介して前記乗車組立体に結合するように構成されたベースであって、前記ポールは、前記ベースから延び、前記ベースは、前記乗り物車両を表面に沿って移動させるように構成された表面移動システムと、前記ベースに対して前記乗車組立体を移動させるように構成された乗車組立体移動システムと、前記ポールを介して前記乗車組立体を前記ベースに対して垂直方向に移動させるように構成された垂直移動システムと、前記ポールの角度回転を介して前記乗車組立体を前記ベースに対して角度方向に移動させるように構成されたロールシステムと、を含むベースと、
乗り物車両制御システムと、
を備え、
前記乗り物車両制御システムが、
前記乗り物車両の位置を示す信号をセンサから受信し、
前記乗り物車両の重量と、前記乗り物車両のサイズとを含むデータセットを受信し、
前記乗り物車両の位置と乗り物経路に沿った対応する位置との間の距離が閾値距離を超えることを判定し、
前記距離が前記閾値距離を超えると判定したことに応答して、前記位置、前記データセット、及び前記距離に基づいて、前記乗り物車両の位置の1又は2以上の調整を判定し、
前記距離が前記閾値距離を超えると判定したことに応答して、前記乗り物車両の位置を調整する命令を示す信号を前記表面移動システムに出力する、
ように構成されている、乗り物車両。
【請求項11】
前記乗り物車両制御システムは、
前記乗り物経路に沿って位置付けられた障害物の指標を受け取り、
前記乗り物経路に沿った前記障害物に基づいて前記乗り物車両の位置を調整するために前記表面移動システムに追加信号を出力する、
ように構成されている、請求項10に記載の乗り物車両。
【請求項12】
前記乗り物車両制御システムは、前記乗り物車両の位置と前記乗り物経路に沿った対応する位置との間の距離が、前記乗り物車両の動作中に周期的な間隔で前記閾値距離を超えているかどうかを判定するように構成されている、請求項10に記載の乗り物車両。
【請求項13】
前記乗り物車両制御システムは、演出されたルーチンに基づいて、別個の乗り物車両上の対応するシステムと操縦を協働するように前記表面移動システム及び前記乗車組立体移動システムに命令するよう構成されている、請求項10に記載の乗り物車両。
【請求項14】
前記乗り物車両制御システムは、前記乗り物経路、前記乗り物車両のタイプ、前記乗客の追加重量、所望の体験を示す1又は2以上の乗客入力、又はこれらの組合せに基づいて、前記閾値距離を決定するように構成されている、請求項10に記載の乗り物車両。
【請求項15】
前記乗り物車両制御システムは、少なくとも1つの別個の乗り物車両の位置決めフィードバックに基づいて、前記乗り物車両の位置の調整を連続的に制御するように構成される、請求項10に記載の乗り物車両。
【請求項16】
前記乗り物車両制御システムは、前記乗り物車両制御システムから前記乗り物経路、前記閾値距離、又はこれらの両方を示すデータを受信するように構成されている、請求項10に記載の乗り物車両。
【請求項17】
乗り物システムであって、
それぞれの乗車組立体を通って延びるポールであって、前記それぞれの乗車組立体が前記ポールに結合された、ポールと、
表面を往来するように構成された複数の無軌道乗り物車両であって、前記複数の無軌道乗り物車両の各々が、前記複数の無軌道乗り物車両のそれぞれの無軌道乗り物車両のベースに対して垂直方向及び角度方向に移動するように構成されたそれぞれの乗車組立体を備え、前記それぞれの無軌道乗り物車両のベースが前記表面を往来するように構成された、複数の無軌道乗り物車両と、
前記ポールに結合し、前記ポールを介して前記それぞれの乗車組立体に結合するように構成された前記ベースであって、前記ポールは、前記ベースから延び、前記ベースは、前記複数の無軌道乗り物車両の各々を表面に沿って移動させるように構成された表面移動システムと、前記ポールを介して前記それぞれの乗車組立体を前記ベースに対して垂直方向に移動させるように構成された垂直移動システムと、前記ポールの角度回転を介して前記それぞれの乗車組立体を前記ベースに対して角度方向に移動させるように構成されたロールシステムと、を含む、前記ベースと、
乗り物制御システムと、
を備え、
前記乗り物制御システムが、
共通の演出されたルーチンを前記複数の無軌道乗り物車両に送信し、前記共通の演出されたルーチンは、
前記複数の無軌道乗り物車両の各それぞれの無軌道乗り物車両のそれぞれの乗車組立体の、前記それぞれの無軌道乗り物車両のベースに対して垂直方向及び角度方向の、
前記複数の無軌道乗り物車両の各それぞれの無軌道乗り物車両のベースの、前記表面に沿った、
演出された動きを含み、
乗り物エリア内での互いに対する及び前記共通の演出されたルーチンの1又は2以上の演出された乗り物経路に対する前記複数の無軌道乗り物車両の各それぞれの無軌道乗り物車両のそれぞれの位置を検出し、
前記互いに対する及び前記1又は2以上の演出された乗り物経路に対する前記複数の無軌道乗り物車両のそれぞれの位置に基づいて、前記複数の無軌道乗り物車両の移動を制御するために前記複数の無軌道乗り物車両に複数のコマンドを送信する、
ように構成された、乗り物システム。
【請求項18】
前記乗り物制御システムは、
前記複数の無軌道乗り物車両の前記それぞれの位置の間の距離が、閾値距離を下回ることを判定し、
前記距離が前記閾値距離を下回ると判定されたことに応答して、前記乗り物車両エリア内の前記少なくとも1つの乗り物車両の位置を調整するために前記複数の無軌道乗り物車両のうちの少なくとも1つの乗り物車両に信号を送信する、
ように構成される、請求項17に記載の乗り物システム。
【請求項19】
前記乗り物制御システムは、前記1又は2以上の演出された乗り物経路、前記複数の無軌道乗り物車両の複数の重量、前記複数の無軌道乗り物車両の複数のタイプ、前記複数の無軌道乗り物車両の複数のサイズ、前記複数の無軌道乗り物車両に乗る1又は2以上の乗客の1又は2以上の重量、前記1又は2以上の乗客に対する所望の体験を示す1又は2以上の乗客入力、又はこれらの組合せに基づいて、前記閾値距離を決定するように構成される、請求項18に記載の乗り物システム。
【請求項20】
前記乗り物制御システムは、前記1又は2以上の演出された乗り物経路を含む前記共通の演出されたルーチンに基づいて、前記複数の無軌道乗り物車両の移動を制御するために前記複数のコマンドを前記複数の無軌道乗り物車両に送信し、前記1又は2以上の演出された乗り物経路と乗客搭乗エリアとの間で前記複数の無軌道乗り物車両を移行させるように構成される、請求項17に記載の乗り物システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願に対する相互参照)
本出願は、2019年6月19日に出願された「CHOREOGRAPHED RIDE SYSTEMS AND METHODS」と題された仮出願シリアル番号62/863,598からの優先権及びその利益を主張し、当該仮出願は引用により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本開示は、一般に、乗り物車両に関する。より具体的には、本開示の実施形態は、互いに相対的に及び複数の方向に沿って協働された乗り物経路を動き回ることができる乗り物車両に関する。
【0003】
幾つかの乗り物車両は、輸送及び/又は娯楽目的でユーザによって乗車される。例えば、回転木馬のような幾つかの娯楽用乗り物及び他の構造化乗り物システムは、表面の固定経路に沿って円形パターンで移動する乗り物車両を含む。動作中、乗り物車両の移動は通常、乗り物面に沿った固定経路に制限される。このような乗り物車両の移動は、乗り物車両に乗っている間のユーザの体験を損なう可能性があることが、現在認識されている。
【0004】
このセクションは、以下に説明される本開示の様々な態様に関連する可能性がある技術の様々な態様を読み手に紹介することを意図している。ここでの議論は、本開示の様々な態様のより良い理解を容易にする背景情報を読み手に提供するのに役立つと考えられる。従って、これらの記載は、先行技術の自認ではなく、この観点に照らして読まれるべきであることを理解されたい。
【発明の概要】
【0005】
本明細書で開示される特定の実施形態の概要を以下に示す。これらの態様は、単に読み手にこれらの特定の実施形態の概要を提供するのに提示されており、本開示の範囲を限定することを意図するものではないことを理解されたい。実際に、本開示は、以下に記載されていない場合がある様々な形態を包含することができる。
【0006】
一実施形態では、乗り物車両は、乗客を運ぶように構成された乗車組立体と、乗車組立体に結合するように構成されたベースと、乗り物車両の移動と別個の乗り物車両の移動との協働を制御するように構成された制御システムと、を含む。ベースは、表面に沿って乗り物車両を移動させるように構成された表面移動システムと、乗車組立体をベースに対して垂直方向に移動させるように構成された垂直移動システムと、乗車組立体をベースに対して角度方向に移動させるように構成されたロールシステムと、を含む。
【0007】
一実施形態では、乗り物車両は、乗客を運ぶように構成された乗車組立体と、乗車組立体に結合するように構成されたベースとを含む。ベースは、表面に沿って乗り物車両を移動させるように構成された表面移動システムと、ベースに対して乗車組立体を移動させるように構成された乗車組立体移動システムと、を含む。乗り物車両はまた、乗り物車両の位置を示す信号をセンサから受信し、乗り物車両の位置と乗り物経路に沿った対応する位置との間の距離が閾値距離を超えることを判定し、上記距離が閾値距離を超えると判定されたことに応答して乗り物車両の位置を調整する命令を示す信号を表面移動システムに出力するように構成された乗り物車両制御システムを含む。
【0008】
一実施形態では、乗り物システムは、表面を往来するように構成された複数の無軌道乗り物車両と、乗り物制御システムとを含む。乗り物制御システムは、1又は2以上の演出された乗り物経路を複数の無軌道乗り物車両に送信し、乗り物エリア内で互いに対する及び1又は2以上の演出された乗り物経路に対する複数の無軌道乗り物車両のそれぞれの位置を検出し、互いに対する及び1又は2以上の演出された乗り物経路に対する複数の無軌道乗り物車両のそれぞれの位置に基づいて複数の無軌道乗り物車両の移動を制御するよう複数のコマンドを複数の無軌道乗り物車両に送信するように構成される。
【0009】
本開示の種々の態様に関連して上記で記載される特徴要素の様々な改善が存在することができる。別の特徴要素もまた、これらの種々の態様に組み込むことができる。これらの改善及び追加の特徴要素は、個別に又は何れかの組合せで存在することができる。例えば、例示の実施形態の1又はそれ以上に関連して以下で検討する種々の特徴要素は、本開示の上述の態様の何れかに単独で又は何らかの組合せで組み込むことができる。上記で提示された概要は、本開示の特定の態様及び内容についての読者の理解を得るためのものであり、請求項に記載された主題に対して限定するものではない。
【0010】
本開示のこれら及び他の特徴、態様、並びに利点は、図面全体を通じて同様の参照符号が同様の要素を示す添付図面を参照しながら以下の詳細な説明を読むと更に理解できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本開示の一態様による、乗り物車両を含む乗り物システムの一実施形態の側面図である。
図2】本開示の一態様による、図1の乗り物システムの一実施形態のブロック図である。
図3】本開示の一態様による、表面移動システムを含む図1の乗り物システムの一実施形態のブロック図である。
図4】本開示の一態様による、垂直移動システムを含む図1の乗り物システムの一実施形態の側面ブロック図である。
図5】本開示の一態様による、ロールシステムを含む図1の乗り物システムの一実施形態の側面ブロック図である。
図6】本開示の一態様による、図1の乗り物車両の乗り物車両制御システムの一実施形態のブロック図である。
図7】本開示の一態様による、複数の乗り物車両を有する図1の乗り物システムの一実施形態のブロック図である。
図8】本開示の一態様による、図1の乗り物システムを制御するのに適した方法のフローチャートである。
図9】本開示の一態様による、第1のそれぞれの位置にて乗り物車両を有する図1の乗り物システムの一実施形態の斜視図である。
図10】本開示の一態様による、第2のそれぞれの位置にて乗り物車両を有する図1の乗り物システムの一実施形態の斜視図である。
図11】本開示の一態様による、第3のそれぞれの位置にて乗り物車両を有する図1の乗り物システムの実施形態の斜視図である。
図12】本開示の一態様による、図1の乗り物システムを制御するのに適した方法のフローチャートである。
図13】本開示の一態様による、図1の乗り物システムを制御するのに適した方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、1又は2以上の特定の実施形態について説明する。これらの実施形態の簡潔な説明を行うために、本明細書では、実際の実施態様の全ての特徴については説明しないことにする。何れかの技術又は設計プロジェクトと同様に、このような何らかの実際の実装の開発において、システム及びビジネスに関連した制約への準拠など、実装毎に異なる可能性のある開発者の特定の目標を達成するために、多数の実装時固有の決定を行う必要があることを理解されたい。更に、このような開発の取り組みは、複雑で時間を要する可能性があるが、本開示の利点を有する当業者にとっては、設計、製作、及び製造の日常的な業務である点を理解されたい。
【0013】
特定の乗り物システムは、乗り物システムの乗り物エリア内で乗客(例えば、ユーザ)を運ぶことができる乗り物車両を含む。本開示の実施形態は、乗り物システム内の乗り物経路を動き回り、互いに相対的に移動することができる乗り物車両に向けられている。例えば、乗り物システムは、乗り物エリア内で乗客を運び、乗客を楽しませ及び/又は輸送することができる複数の乗り物車両を含むことができる。乗り物車両の移動は、乗り物経路に沿って、及び/又は互いに対して及び乗り物システムの他の部分に対して演出することができる。更に、乗り物車両は、乗り物経路に沿って移動している間、乗り物システムの表面に対して特定の方向に移動することができ、及び/又は乗客を運び乗り物システムの表面に対して移動することができる乗車組立体を含むことができる。例えば、乗り物車両は、様々な方向で垂直及び/又は水平方向に移動することができ(例えば、何れかの平面方向に移動することができ、スピンすることができ、及び転回することができる)並びにロールすることができる機構及び部分(例えば、乗車組立体)を含むことができる。
【0014】
特定の実施形態では、乗り物車両及び/又は乗り物システムは、乗り物エリア内での乗り物車両の移動を制御する制御システムを含むことができる。例えば、乗り物経路に対する乗り物車両の位置に基づいて(例えば、乗り物経路に沿った乗り物車両の意図された位置に対する乗り物車両の実際の位置に基づいて)、制御システムは、乗り物車両の軌道又は走行コースを調整することができる。幾つかの実施形態では、乗り物車両が乗り物エリア内を走行すると、乗り物エリア内の障害物、乗り物車両上の乗客の重量、乗り物車両上又はその一部に配置された他のアイテムの重量、乗り物車両の後方、前方、又は側方で引きずる可能性のある乗り物車両に取り付けられた障害物、及び/又は乗客の入力(例えば、乗客が自分の体重を移動させる、乗客がステアリングホイールを転回する、又は乗り物車両の軌道を調整する、乗客が乗り物車両の速度を調整する、その他)など、特定の要因が乗り物車両の軌道に影響を与える可能性がある。このように、制御システムは、乗り物車両の軌道又は走行コースを調整して、乗り物経路に概ね従うようにし、このような要因を考慮することができる。
【0015】
更に、乗り物経路に沿った乗り物車両の位置(例えば、乗り物経路に沿った乗り物車両の進行)に基づいて、制御システムは、乗り物車両又は乗り物車両の乗車組立体の水平方向移動、垂直方向移動、及びロールを制御することができる。このように、本明細書に記載された乗り物車両及び乗り物システムは、乗客の輸送及び/又は娯楽のために、様々な方向で演出された方法で移動することができる。特定の実施形態では、乗り物車両の演出された移動は、乗り物車両に乗車するのを待機している人及び/又は観客など、乗客以外の人が見ることができる。このように、乗り物車両の演出された移動は、乗り物システムを見ている人々に娯楽的なアトラクションを提供することができる。
【0016】
幾つかの実施形態では、乗り物システムは、娯楽乗り物システムに乗っている乗客及び娯楽乗り物システムを見ている人に対して娯楽を提供できる娯楽乗り物システムとすることができる。娯楽乗り物システムは、特定のテーマを有することができ、乗り物車両の乗り物経路及び/又は乗り物車両と乗り物システムの特定の装飾的外観が、このテーマに概ねマッチするようになる。
【0017】
図面を参照すると、図1は、乗り物システム11の乗り物車両10の一実施形態の側面図である。議論を容易にするために、乗り物車両10及び乗り物車両10の特定の構成要素は、垂直軸又は垂直方向12、長手方向軸又は長手方向14、及び横方向軸又は横方向16を基準として説明することができる。図示されているように、乗り物車両10は、ベース18と、ベース18に結合された乗車組立体20(例えば、シート)と、ベース18から垂直軸12に概略沿って延びるポール22と、を含むことができる。ベース18は、乗り物経路及び/又は乗り物システム11の表面23に沿って乗り物車両10を移動させることができ、乗車組立体20は、乗り物車両10の乗客(例えば、ユーザ)を運ぶことができる。例えば、乗客は、娯楽及び/又は輸送の目的で乗り物車両10に乗車することができる。図示されているように、乗車組立体20は、ライオンを模した装飾的特徴24に結合されている。装飾的特徴24は、支持部26を介してベース18に結合されている。装飾的特徴24は、図示の実施形態においてライオンに乗るような、装飾的特徴24との相互作用をシミュレートする体験を乗客に提供することができる。幾つかの実施形態では、装飾的特徴24は、他の動物(例えば、虎、象、鳥、魚)、キャラクター(例えば、スーパーヒーロー、絵本のキャラクター、ユニコーン)、構造物、装飾物、及び/又は物体とすることができる。代替的に、特定の実施形態では、装飾的特徴24は、乗り物車両10から省略されてもよく、乗車組立体20が支持部26を介してベース18に結合されるようになるか、或いは、乗車組立体20がベース18に一体化されてもよい。
【0018】
乗り物車両10は、回転木馬の乗り物車両のような従来の乗り物車両と同様の体験を提供するためにポール22を含むことができる。このため、ポール22は、乗り物車両10に乗っている間の乗客の体験を高める装飾的特徴とすることができる。追加的に、乗車組立体20及び/又は装飾的特徴24は、ポール22に結合することができる。例えば、ポール22は、乗車組立体20及び/又は装飾的特徴24を支持することができ、乗車組立体20及び/又は装飾的特徴24をベース18に結合することができ、及び/又は、乗車組立体20及び/又は装飾的特徴24が垂直軸12に概ね沿ってベース18に対して移動できるように構成された移動機構として機能することができる。幾つかの実施形態では、ポール22は、乗り物車両10から省略することができる。
【0019】
乗り物車両10の動作中、乗客は乗車組立体20に座ることができ、乗り物車両10は、ベース18を介して乗り物システム11の表面23を往来することができる。以下でより詳細に説明するように、乗り物車両10は、乗り物システム11内の演出された乗り物経路に沿って(例えば、乗り物システム11の表面23に沿って)移動することができ、及び/又は乗り物車両10及び/又は乗車組立体20が、垂直方向に移動すること(例えば、垂直軸12に概ね沿って)、水平方向に移動すること(例えば、長手方向軸14及び/又は横方向軸16に概ね沿って)、及び乗り物経路に沿って移動しながらロールすること(例えば、概ね長手方向軸14及び/又は横方向軸16を中心に回転する)を可能にする機構を含むことができる。演出された乗り物経路に沿った及び/又は乗り物経路に沿って移動している間の様々な方向への乗り物車両10の移動は、乗客に娯楽及び/又は輸送を提供することができる。例えば、乗り物車両10の演出及び隣接する乗り物車両の対応する演出は、一般に乗り物車両10及び/又は乗り物システムのテーマにマッチすることができる。図示の実施形態では、テーマは、ライオンに関連することができ、乗り物車両10の演出及び移動は、ライオンの移動をシミュレートすることができる。更に、乗り物車両10の移動は、回転木馬の乗り物車両の移動をシミュレートすることができる(例えば、乗車組立体20は、乗り物システム11の表面23に沿って移動しながら、垂直軸12に概ね沿って楕円形パターンで移動することができる)。
【0020】
更に、乗り物システム11は、乗り物システム11のテーマに概ねマッチする追加の特徴を含むことができる。例えば、乗り物システム11は、乗り物システム11の環境内に、乗客が聞く、見る、感じる、又は他の方法で感知することができるオーディオ効果、照明効果、及び他の適切な効果を含むことができる。図示の実施形態では、オーディオ効果及び/又は照明効果は、一般にライオン及び/又は回転木馬の乗り物システムに関連することができる。
【0021】
図2は、乗り物車両10を含む図1の乗り物システム11の一実施形態のブロック図である。乗り物システム11は、乗り物車両10の乗り物車両制御システム34と通信する乗り物制御システム32を含む。図示されているように、乗り物制御システム32と乗り物車両制御システム34は、無線接続36(例えば、Wi-Fi、Bluetooth、その他)を介して通信可能に結合されている。幾つかの実施形態では、乗り物制御システム32及び乗り物車両制御システム34は、有線接続(例えば、イーサネット、ユニバーサル・シリアル・バス(USB)、CANbus、ISObus、その他)を介して通信可能に結合することができる。
【0022】
乗り物車両10は、表面移動システム40、垂直移動システム42、及び乗り物車両制御システム34に通信可能に結合されたロールシステム44を含み、乗り物車両制御システム34が、表面移動システム40、垂直移動システム42、及びロールシステム44を制御することができるようになる。幾つかの実施形態では、表面移動システム40、垂直移動システム42、及び/又はロールシステム44は、乗り物制御システム32に直接通信可能に結合することができ、乗り物制御システム32が、表面移動システム40、垂直移動システム42、及び/又はロールシステム44を制御することができるようになる。
【0023】
表面移動システム40は、長手方向軸14及び/又は横方向軸16に概ね沿って、乗り物システム11の表面23に沿って乗り物車両10を移動させることができる。例えば、表面移動システム40は、乗り物車両10を何れかの平面方向(例えば、表面23に平行な平面に沿って)に移動させることができ、乗り物車両10を転回することができ、及び乗り物車両10をスピンさせることができる。垂直移動システム42は、ベース18に対して及び/又は乗り物システム11の表面23に対して、垂直軸12に概ね沿って乗車組立体20を移動させることができる。ロールシステム44は、ベース18に対して及び/又は乗り物システム11の表面23に対して、乗車組立体20をロール又は角度をつけることができる(例えば、乗車組立体20を概ね角度をつけて移動させ及び/又は乗車組立体20を傾斜させることができる)。特定の実施形態では、垂直移動システム42及び/又はロールシステム44は、ベース18に対して乗車組立体を垂直方向及び/又は角度方向で移動させるように構成された乗車組立体移動システムに含まれることができる。
【0024】
このように、乗り物車両10が乗り物システム11内を移動して乗車組立体20に着座した乗客を移動させるときに、乗り物車両制御システム34は、表面移動システム40、垂直移動システム42、及びロールシステム44を制御することができる。乗り物車両10が乗り物システム11内の乗り物経路に沿って移動するときに乗客を移動させることによって、乗り物車両10は、回転木馬の乗り物システム、動物、スーパーヒーロー、及び/又は他のエンターテイメントシステムもしくはキャラクターの移動をシミュレートするエンターテイメント体験を乗客に提供することができる。
【0025】
図3は、乗り物車両10の表面移動システム40を含む、図1の乗り物システム11の一実施形態のブロック図である。上述したように、表面移動システム40は、長手方向軸14及び/又は横方向軸16に概ね沿って何れかの平面方向に乗り物車両10を移動させることができる。また、表面移動システム40は、乗り物システム11の表面23に沿って乗り物車両10を転回及び/又はスピンさせることができる。幾つかの実施形態では、表面移動システム40は、乗り物車両10を第2の方向にスピンさせながら、乗り物車両10を第1の方向に転回させることができる。例えば、表面移動システム40は、乗り物車両10を右側にスピンさせながら(例えば、上面図から見たときに乗り物車両10を時計回りにスピンさせながら)、乗り物車両10を左に向けて転回させることができる。
【0026】
図示されているように、表面移動システム40は、表面移動アクチュエータ50、表面移動機構52、及び表面位置センサ54を含む。表面移動アクチュエータ50は、表面移動機構52に乗り物車両10を移動させるように作動することができる。例えば、表面移動アクチュエータ50は、ピストン、液圧シリンダ、空気圧シリンダ、別の適切なアクチュエータ、及び同様のものとすることができ、表面移動機構52の各々に結合することができる。表面移動アクチュエータ50による作動後、表面移動機構52は、乗り物車両10が乗り物システム11の表面23に沿って移動するように、回転、転回、又は他の適切な移動を行うことができる。例えば、表面移動機構52は、ホイール、球体(例えば、鋼球又はゴム球)、別の適切な移動機構、又はこれらの組合せとすることができる。特定の実施形態では、乗り物車両10は、より多く又はより少ない表面移動機構52(例えば、1つの表面移動機構52、2つの表面移動機構52、5つの表面移動機構52など)を含むことができる。
【0027】
表面位置センサ54は、乗り物システム11内の乗り物車両10の位置を示す信号を出力することができる。例えば、表面位置センサ54は、長手方向軸14に沿った、横方向軸16に沿った、別個の乗り物車両に対する、乗り物経路に対する、乗り物システム11の他の部分に対する、表面23に沿った又は同様のものに対する乗り物車両10の位置を感知して、乗り物車両10の位置を示す信号を出力することができる。乗り物車両制御システム34は、表面位置センサ54から乗り物車両10の位置を示す信号を受け取ることができる。乗り物車両制御システム34は、乗り物車両10の表面位置に基づいて、乗り物システム11の表面23に沿った乗り物車両10の軌道(例えば、コース)を調整することができる。例えば、乗り物車両制御システム34は、表面移動機構52を作動させて乗り物システム11の表面23に沿って乗り物車両10を移動させるようにする信号を表面移動アクチュエータ50に出力することができる。幾つかの実施形態では、表面移動アクチュエータ50は、省略されるか、又は表面移動機構52と一体化されてもよく、乗り物車両制御システム34が表面移動機構52と直接通信して、表面移動機構52に乗り物車両10を移動させるようにすることができる。更に、乗り物制御システム32は、乗り物システム11の表面23に沿った乗り物車両10の移動を制御するために、表面移動システム40又はその一部と直接通信することができる。
【0028】
図4は、乗り物車両10の垂直移動システム42を含む、図1の乗り物システム11の一実施形態の側面ブロック図である。上述したように、垂直移動システム42は、乗り物車両10を垂直軸12に概ね沿って移動させることができる(例えば、乗り物車両10が乗り物システム11内を移動するときに、概ね上、下、及び/又は楕円運動をする)。図示されているように、垂直移動システム42は、垂直移動アクチュエータ60と、垂直移動機構62と、垂直位置センサ64とを含む。垂直移動アクチュエータ60は、作動して、これによって垂直移動機構62が、概ねベース18及び/又は乗り物車両10に対して乗車組立体20を移動させるように構成される。例えば、垂直移動アクチュエータ60は、ピストン、液圧シリンダ、空気圧シリンダ、その他の適切なアクチュエータ又は同様のものとすることができ、垂直移動機構62に結合することができる。垂直移動アクチュエータ60による作動後、垂直移動機構62は、乗車組立体20をベース18に対して概ね垂直方向に移動させるために、回転、転回、又は他の適切な移動を実施することができる。例えば、垂直移動機構62は、ポール22に沿って移動することができるギア、プーリーシステム、乗車組立体20を移動させるように構成された別の適切な移動機構、又は同様のものを含むことができる。特定の実施形態では、乗り物車両10は、追加の垂直移動機構62(例えば、2つの垂直移動機構62、3つの垂直移動機構62、5つの垂直移動機構62など)を含むことができる。乗車組立体20の垂直方向の移動は、疾走する動物の移動、回転木馬の乗り物システムの移動、又は乗り物車両10の移動に関連する他の適切な移動をシミュレートすることができる。幾つかの実施形態では、垂直移動システム42によって引き起こされる垂直運動は、表面移動システム40によって引き起こされる表面運動と組み合わせることができる。例えば、乗車組立体20が上方又は下方に移動する間(例えば、垂直移動システム42によって引き起こされる垂直移動)、表面移動システム40は、乗り物システム11の表面23に沿って乗り物車両10を転回、スピン、又はその他の方法で移動させることができる。
【0029】
垂直位置センサ64は、ベース18に対する乗車組立体20の垂直位置、又は乗り物車両10の垂直位置を示す信号を出力することができる。例えば、垂直位置センサ64は、垂直軸12に沿った及び/又はベース18に対する乗車組立体20の垂直位置を感知して、乗車組立体20の垂直位置を示す信号を出力することができる。乗り物車両制御システム34は、垂直位置センサ64から乗車組立体20の垂直位置を示す信号を受信することができる。乗り物車両制御システム34は、乗車組立体20の垂直位置に基づいて、ベース18に対する乗車組立体20の垂直位置を調整することができる。例えば、乗り物車両制御システム34は、垂直移動アクチュエータ60に信号を出力して作動させ、これによって垂直移動機構62に乗車組立体20を概ね上方及び/又は下方に移動させることができる。幾つかの実施形態では、垂直移動アクチュエータ60は、省略されてもよく、或いは垂直移動機構62と一体化されてもよく、乗り物車両制御システム34が垂直移動機構62と直接通信して、垂直移動機構62に乗車組立体20を移動させるようにすることができる。更に、乗り物制御システム32は、垂直移動システム42又はその一部と直接通信して、乗車組立体20の移動を制御することができる。特定の実施形態では、乗り物制御システム32は、他の乗り物車両10の他の乗車組立体20のそれぞれの垂直位置に基づいて、乗り物車両10の乗車組立体20の垂直移動を制御することができる。例えば、別の別個の乗り物車両10の別の乗車組立体20が第1の垂直位置にあることに基づいて、乗り物制御システム32は、乗り物車両10の乗車組立体20の垂直移動/位置を制御することができる。
【0030】
図5は、乗り物車両10のロールシステム44を含む、図1の乗り物システム11の一実施形態の側面ブロック図である。上述のように、ロールシステム44は、ベース18及び/又は乗り物システム11の表面23に対して乗車組立体20を概ね角度方向に移動させることができる。図示されているように、ロールシステム44は、ロールアクチュエータ70と、ロール機構72と、ロールセンサ74とを含む。ロールアクチュエータ70は、作動して、これによってロール機構72が、乗車組立体20をベース18及び/又は乗り物システム11の表面23に対して概ね角度方向に移動させるように構成される。例えば、ロールアクチュエータ70は、ピストン、液圧シリンダ、空気圧シリンダ、その他の適切なアクチュエータ、又はこれらの組合せとすることができ、ロール機構72に結合することができる。ロールアクチュエータ70による作動後、ロール機構72は、乗車組立体20をベース18に対して概ね角度方向に移動させるために、回転、転回、又はその他の適切な動作を実施することができる。図示されているように、乗車組立体20はポール22に結合されており、ロール機構は、ベース18に対して乗車組立体20及びポール22を傾斜する(例えば、ベース18に対して乗車組立体20及びポール22を概ね角度方向に移動させる)ように構成されたレバーを含む。幾つかの実施形態では、ロール機構72は、ポール22及び/又はベース18に対して乗車組立体20を傾斜することができ、乗車組立体20を概ね角度方向に移動させることができる何れかの他の適切な機構を含むことができる。特定の実施形態では、乗り物車両10は、追加のロール機構72(例えば、2つのロール機構72、3つのロール機構72、5つのロール機構72など)を含むことができる。乗車組立体20の傾斜動作は、乗り物車両10が表面23を往来するときに、表面移動システム40を介して乗り物車両組立体がターンに傾斜するのをシミュレートすることができ、或いは、乗り物車両10の移動に関連する他の動作をシミュレートすることができる。
【0031】
ロールセンサ74は、ベース18及び/又は表面23に対する乗車組立体20の角度位置を示す信号を出力することができる。例えば、ロールセンサ74は、横軸14及び/又は垂直軸16の周りの乗車組立体20の角度位置を感知して、乗車組立体20の角度位置を示す信号を出力することができる。乗り物車両制御システム34は、ロールセンサ74から乗車組立体20の角度位置を示す信号を受信することができる。乗り物車両制御システム34は、乗車組立体20の角度位置に基づいて、ベース18に対する乗車組立体20の角度位置を調整することができる。例えば、乗り物車両制御システムは、ロールアクチュエータ70に信号を出力して作動させ、これによって、ロール機構72に乗車組立体20を概ね角度方向に移動させる(例えば、乗車組立体20を傾斜/傾ける)ようにすることができる。幾つかの実施形態では、ロールアクチュエータ70は、省略されてもよく、或いはロール機構72に一体化することができ、乗り物車両制御システム34が、ロール機構72と直接通信して、ロール機構72に乗車組立体20を移動させるようにする。更に、乗り物制御システム32は、ロールシステム44又はその一部と直接通信して、乗車組立体20の移動を制御することができる。
【0032】
更に、ロールシステム44によって引き起こされるロール移動は、表面移動システム40によって引き起こされる表面移動及び/又は垂直移動システム42によって引き起こされる垂直移動と組み合わせることができる。例えば、乗車組立体20が左側又は右側に傾いている間(例えば、ロールシステム44によって引き起こされるロール移動)、表面移動システム40は、乗り物システム11の表面23に沿って乗り物車両10を転回、スピン、又はその他の方法で移動させることができ、及び/又は垂直移動システム42は、ベース18に対して乗車組立体20を概ね垂直方向に移動させることができる。
【0033】
図6は、図1の乗り物車両10の乗り物車両制御システム34の例示的な構成要素の一実施形態のブロック図である。例えば、乗り物車両制御システム34は、通信構成要素80、プロセッサ82、メモリ84、ストレージ86、入力/出力(I/O)ポート88、ディスプレイ90、及び同様のものを含むことができる。通信構成要素80は、乗り物車両制御システム34及び乗り物制御システム32、表面移動システム40、垂直移動システム42、及びロールシステム44との間の通信を容易にすることができる無線又は有線通信構成要素とすることができる。例えば、通信構成要素80は、図2~5の無線接続36及び/又は有線接続を提供することができる。
【0034】
プロセッサ82は、コンピュータ実行可能コードを実行できる何れかの適切なタイプのコンピュータプロセッサ又はマイクロプロセッサとすることができる。また、プロセッサ82は、以下に説明する動作を行うことができる複数のプロセッサを含むことができる。
【0035】
メモリ84及びストレージ86は、プロセッサ実行可能コード、データ又は同様のものを格納する媒体として機能することができる何れかの適切な製造物品とすることができる。これらの製造物品は、現在開示されている技術を実行するためにプロセッサ82によって使用されるプロセッサ実行可能コードを格納することができるコンピュータ可読媒体(例えば、何れかの適切な形態のメモリ又はストレージ)を表すことができる。また、メモリ84及びストレージ86は、データ及び他の様々なソフトウェアアプリケーションを格納するのに使用することができる。メモリ84及びストレージ86は、本明細書に記載された様々な技術を実行するためにプロセッサ82によって使用されるプロセッサ実行可能コードを格納することができる非一時的コンピュータ可読媒体(例えば、何れかの適切な形態のメモリ又はストレージ)を表すことができる。非一時的とは、単にメディアが有形であり信号ではないことを示している点に留意されたい。
【0036】
I/Oポート88は、入力デバイス(例えば、キーボード、マウス)、センサ、及び入力/出力(I/O)モジュールなどの他の周辺構成要素に結合することができるインターフェースとすることができる。ディスプレイ90は、プロセッサ82によって処理されているソフトウェア又は実行可能コードに関連する視覚化を描写するように動作することができる。一実施形態では、ディスプレイ90は、乗り物車両制御システム34の乗客からの入力を受け取ることができるタッチディスプレイとすることができる。ディスプレイ90は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ、又は有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイなど、何れかの適切なタイプのディスプレイとすることができる。
【0037】
乗り物車両制御システム34に関して上述された構成要素は、例示的な構成要素であり、乗り物車両制御システム34は、図示の構成要素の追加又はより少ない構成要素を含むことができることに留意されたい。更に、乗り物制御システム32は、通信構成要素、プロセッサ、メモリ、ストレージ、入力/出力(I/O)ポート、及び/又はディスプレイなど、乗り物車両制御システム34について図示されたものと同様の構成要素を含むことができる。
【0038】
図7は、互いに概ね隣接して配置された乗り物車両10A及び10Bを有する乗り物システム11の一実施形態のブロック図である。乗り物車両10Aは、一般に、乗り物システムの表面23に沿って延びる乗り物経路100Aを辿ることができる。乗り物車両10Bは、一般に、表面23に沿って延びる乗り物経路100Bを辿ることができる。図示されているように、乗り物経路100A及び100Bは、ほぼ同様であり、表面23に沿って様々な方向に延びている。幾つかの実施形態では、乗り物経路100A及び100B、又はその一部は、概ね類似していなくてもよく、及び/又は互いに相対的に異なる方向に延びることができる。特定の実施形態では、乗り物車両10は、乗り物車両10が表面23に沿って何れかの方向に移動し、乗り物経路100A及び100Bを辿ることができるように、無軌道とすることができる。本明細書に記載されているように、無軌道の乗り物車両10は、乗り物システム11の共通の演出されたルーチン(例えば、乗り物経路100A及び100Bに沿って、並びに乗り物システム11内の他の関連する移動)に従って移動することができる。
【0039】
乗り物制御システム32及び/又は乗り物車両制御システム34A及び34Bの各々は、乗り物経路100A及び100Bそれぞれを概ね辿るように、乗り物車両10A及び10Bの移動を制御することができる。例えば、乗り物車両制御システム34Aは、乗り物制御システム32から乗り物経路100Aを示すデータ(例えば、共通の演出ルーチンの一部)を受信することができる。幾つかの実施形態では、共通の演出されたルーチンは、乗り物車両10Aを、乗客搭乗エリア(例えば、ライドキュー)から乗り物経路100Aに移行させることを含むことができる。乗り物車両10Aが表面23に沿って移動すると、乗り物車両制御システム34Aは、表面位置センサ54からの信号など、乗り物車両10Aの位置を示す信号を受信することができる。乗り物車両制御システム34Aは、乗り物車両10Aの位置を乗り物経路100Aに沿った対応する位置と比較して、乗り物車両10Aが乗り物経路100Aを辿っているかどうかを判定することができる。例えば、乗り物経路100Aは、表面23に沿って配置された複数の位置(例えば、数十、数百、又は数千の位置)を含むことができる。乗り物車両制御システム34Aは、乗り物車両10Aの位置と乗り物経路100Aに沿った対応する位置との間の距離が、閾値乗り物経路距離(例えば、1センチメートル、2センチメートル、10センチメートル、1メートル、2メートル、5メートル)を超えているかどうかを判定することができる。乗り物車両10Aの位置と乗り物経路100Aに沿った対応する位置との間の距離が閾値乗り物経路距離を超えるという判定に基づいて、乗り物車両制御システム34Aは、乗り物車両10Aの軌道を調整して、乗り物車両10Aを乗り物経路100Aに概ね戻すか、又は乗り物車両10Aを乗り物経路100Aに沿って誘導することができる。
【0040】
幾つかの例では、乗り物車両10が表面23に沿って移動すると、特定の要因が乗り物車両10の軌道に影響を与える可能性があり、乗り物車両10がコースから外れて移動する可能性がある(例えば、現在の乗り物経路が意図した乗り物経路と異なる場合がある)。このような要因は、表面23上の障害物、乗り物車両10上の乗客の重量、乗り物車両10上又はその一部に配置された他のアイテムの重量、乗り物車両10の後方、前方、又は側方で引きずる可能性のある乗り物車両10に取り付けられた障害物、及び/又は乗客の入力(例えば、乗客が自分の体重を移動させる、乗客がステアリングホイールを転回する、又は乗り物車両10の軌道を一般的に調整する、乗客が乗り物車両10の速度を調整する、その他)を含むことができる。
【0041】
図示されているように、乗り物車両10Bの現在の乗り物経路102は、意図された乗り物経路100Bとは異なる。例えば、乗り物車両10Bは、意図した乗り物経路100Bに沿った障害物(例えば、乗り物車両10Bのセンサによって検出された障害物)に基づいて、意図した乗り物経路100Bを辿ることから現在の乗り物経路102を辿ることに移行することができる。乗り物車両制御システム34Bは、表面23Bに沿った乗り物車両10Bの位置を示す信号を受信することができる。乗り物車両制御システム34Bは、乗り物車両10Bの位置と、乗り物経路100Bに沿った対応する位置(例えば、ゴーストの乗り物車両106によって示される乗り物車両10Bの意図された位置)との間の距離104が、閾値乗り物経路距離を超えているかどうかを判定することができる。乗り物車両10Bの位置と乗り物経路100Bに沿った対応する位置との間の距離104が閾値乗り物経路距離を超えているという判定に基づいて、乗り物車両制御システム34Bは、乗り物車両10Bを意図した乗り物経路100Bに概ね戻すように、乗り物車両10Bの軌道を調整することができる。
【0042】
特定の実施形態では、乗り物制御システム32は、表面23に沿った各乗り物車両10の位置を示す信号を受信することができ、互いに対する位置に基づいて1又は2以上の乗り物車両10の軌道(例えば、コース)を制御することができる。例えば、乗り物制御システム32は、乗り物車両10A及び10Bの位置を示す信号を受信することができ、乗り物車両10A及び10Bの間の距離108が、閾値乗り物車両距離(例えば、1センチメートル、2センチメートル、10センチメートル、1メートル、2メートル、5メートル)よりも小さいかどうかを判定することができる。距離108が閾値乗り物車両距離よりも小さいという判定に基づいて、乗り物制御システム32は、乗り物制御システム32が距離108を概ね増大させるように、乗り物車両10A及び/又は乗り物車両10Bの軌道を調整することができる。幾つかの実施形態では、乗り物制御システム32は、他の別個の乗り物車両10の少なくともサブセットの位置決めフィードバックに基づいて、1又は2以上の乗り物車両10のコースを連続的に(例えば、10分の1秒、0.5秒、1秒、2秒、5秒、10秒毎に定期的に)調整することができる。
【0043】
特定の実施形態では、乗り物制御システム32及び/又は乗り物車両制御システム34は、乗り物経路100、乗り物車両10の重量、乗り物車両10のタイプ、乗り物車両10のサイズ、表面23のサイズ、乗り物車両10に乗る乗客の重量、乗り物エリア内の障害物、又はこれらの組合せに基づいて、乗り物車両10の閾値乗り物経路距離及び/又は閾値乗り物車両距離を決定することができる。幾つかの実施形態では、乗り物制御システム32及び/又は乗り物車両制御システム34は、乗り物車両10の位置と乗り物経路100に沿った対応する位置との間の距離が、閾値乗り物経路距離を超えているかどうか、及び/又は乗り物車両10の間の距離が、表面23に沿った乗り物車両10の動作中に周期的な間隔で閾値乗り物経路距離よりも小さいかどうかを判定することができる。周期的な間隔は、10分の1秒から1秒の間、1秒から3秒の間、1秒から10秒の間、5秒から1分の間の何れかの時間期間、又は他の適切な時間期間とすることができる。
【0044】
図8は、図1の乗り物車両10及び乗り物システム11を制御するのに適した方法120のフローチャートである。方法120の以下の説明は、乗り物制御システム32によって実行されるものとして詳述されているが、何れかの適切なコンピューティングシステムが以下に説明される方法120を実行できることに留意されたい。更に、方法120は特定の順序で以下に説明されるが、方法120は、何れかの適切な順序で実行されてもよいことに留意されたい。
【0045】
ブロック122において、乗り物制御システム32は、乗り物車両10Aの乗り物経路100Aを示す入力を受け取ることができる。例えば、乗り物制御システム32は、特定の乗り物経路の選択、各乗り物車両10のそれぞれの乗り物経路100を含む複数の乗り物車両10の演出された移動(例えば、操縦)、又は何れかの他の適切な入力を示す乗客入力を受信することができる。幾つかの実施形態では、乗客は、乗り物システム11のオペレータとすることができる。更に、乗客は、乗り物車両10に乗っていることができ、乗り物車両10に乗っている間所望の体験を示す入力を提供することができる。所望の体験は、乗り物車両10の移動のレベル、乗り物車両10の移動の強さ、及び乗り物システム11に関連する他の体験に対応することができる。各乗り物車両10の乗り物経路100は、乗り物システム11の表面23に沿った移動、及び表面23に沿って移動するときの乗り物車両10の移動(例えば、スピン、垂直/楕円運動、ロール、及び転回)を含む。
【0046】
ブロック124において、乗り物制御システム32は、無線接続36を介してなど、乗り物経路100Aを第1の乗り物車両10Aに送信することができる。乗り物制御システム32はまた、乗り物経路100Bを乗り物車両10Bに、他の乗り物経路100を他のそれぞれの乗り物車両10に送信することができる。これに応答して、乗り物車両10Aは、乗り物経路100Aを辿ることができ、乗り物車両10Bは、乗り物経路100Bを辿ることができる。
【0047】
ブロック126において、乗り物制御システム32は、第1の乗り物車両10Aの位置を示す信号を受信することができる。第1の乗り物車両10Aの位置は、表面位置センサ54によって検出されるような、乗り物システム11内の表面23及び乗り物経路100Aに沿った位置とすることができる。特定の実施形態では、乗り物制御システム32及び/又は乗り物車両制御システム34はまた、乗り物車両10Aの垂直位置及び/又は乗り物車両10Aの角度位置を示す信号を垂直位置センサ64及びロールセンサ74からそれぞれ受信することができる。
【0048】
乗り物経路100を辿るために、乗り物制御システム32及び/又は乗り物車両制御システム34は、乗り物車両10のアクチュエータに信号を出力することができる。例えば、乗り物経路100Aに沿った特定の位置に基づいて、乗り物車両制御システム34は、乗り物車両10Aが表面位置、垂直位置、ロール位置にあること、及び/又は特定の移動(例えば、スピンの移動、ロールの移動、楕円形の移動、その他)を行っていることを判定することができる。乗り物経路100Aに沿った乗り物車両10Aの位置に基づいて、乗り物車両制御システム34は、表面移動アクチュエータ50、垂直移動アクチュエータ60、及びロールアクチュエータ70に信号を出力して、適切な表面移動、垂直移動、及びロール移動をそれぞれ実行することができる。
【0049】
幾つかの実施形態では、乗り物車両10は、乗り物経路100に沿った障害物を検出し、障害物の存在を示す信号を乗り物制御システム32及び/又は乗り物車両制御システム34に出力することができるセンサを含むことができる。乗り物制御システム32又は乗り物車両制御システム34は、障害物の存在に基づいて、乗り物経路100から及び表面23に沿って逸脱するように乗り物車両10の移動を制御することができる。
【0050】
ブロック128において、乗り物制御システム32は、第1の乗り物車両10Aと乗り物経路100Aに沿った対応する位置との間の第1の距離(例えば、図7の距離104と同様の)が、閾値乗り物経路距離を超えるかどうかを検出及び/又は判定することができる。上述したように、乗り物制御システム32は、乗り物システム11の動作中に周期的な間隔で第1の距離が閾値乗り物経路距離を超えているかどうかを判定することができる。距離104は、乗り物経路100Aに沿った障害物と障害物を回避するための乗り物車両10Aの移動とによって引き起こすことができる。
【0051】
ブロック130において、乗り物制御システム32は、第2の乗り物車両10Bの位置を示す信号を受信する。幾つかの実施形態では、第2の乗り物車両10Bの位置は、第1の乗り物車両10Aの位置に対して相対的とすることができる。ブロック132において、乗り物制御システム32は、第1の乗り物車両10Aと第2の乗り物車両10Bとの間の第2の距離(例えば、図7の距離108)が、閾値乗り物車両距離よりも小さいかどうかを検出及び/又は判定することができる。上述したように、乗り物制御システム32は、乗り物システム11の動作中に周期的な間隔で第2の距離が閾値乗り物車両距離よりも小さいかどうかを判定することができる。特定の実施形態では、乗り物車両10Aに乗っている間の乗客の所望の体験を示す入力により、第1の乗り物車両10Aが第2の乗り物車両10Bに接近するように移動することが可能となる。このように、乗客の入力は、乗客の好みに基づいて、閾値乗り物車両距離を変化させることができる。
【0052】
ブロック134において、乗り物制御システム32は、第1の距離が閾値乗り物経路距離を超えること、及び/又は第2の距離が閾値乗り物車両距離よりも小さいことを判定したことに応答して、第1の乗り物車両10A及び/又は第2の乗り物車両10Bの移動を制御することができる(例えば、乗り物車両10A又は10Bの移動を調整する命令を示す信号を出力することにより)。例えば、乗り物車両10A及び10Bが表面23に沿って移動すると、乗り物制御システム32は、第1の距離が閾値乗り物経路距離よりも大きいかどうか、及び/又は第2の距離が閾値乗り物車両距離よりも小さいかどうかを定期的に判定し、その判定に基づいて、乗り物車両10A及び/又は乗り物車両10Bのそれぞれの軌道を制御することができる。
【0053】
乗り物車両10A又は10Bの移動を調整する命令を示す信号を出力した後、方法120は、ブロック126に戻り、乗り物経路100Aに対する第1の乗り物車両10Aの位置を示す次の信号を受信することができる。乗り物制御システム32は、乗り物システム11の動作中(例えば、乗り物車両10が乗り物システム11内を移動するとき)に、ブロック126~134を繰り返し実行することができる。このようにして、乗り物制御システム32は、乗り物車両10が演出された乗り物経路100を概ね辿ることを容易にし、乗り物システム11の動作中に乗り物車両10が互いに接触することを防ぐように、乗り物車両10を制御することができる。
【0054】
図9は、乗り物システム11の乗り物エリア140内で及び表面23に沿って互いに対して及びそれぞれの乗り物経路100に対して第1のそれぞれの位置に配置された乗り物車両10を有する、図1の乗り物システム11の一実施形態の斜視図である。各それぞれの乗り物車両10の乗り物制御システム32及び/又は乗り物車両制御システム34は、乗り物車両エリア140内の各それぞれの乗り物車両10の移動(例えば、操縦)を制御することができる。例えば、各乗り物車両10は、それぞれの乗り物経路100を有することができ、乗り物経路100は、乗り物経路100が概ね互いに滑らかに続き、互いにマッチし、乗り物システム11のテーマにマッチし、又はこれらの組合せであるように演出することができる。図示した実施形態では、乗り物車両10Aが乗り物経路100Aを辿ることができ、乗り物車両10Bが乗り物経路100Bを辿ることができる。更に、上述したように、各乗り物経路100は、乗り物車両10が乗り物経路100に沿って移動するときに、表面移動機構52を用いた表面23に沿った移動、垂直移動機構62を用いた概ね垂直方向の移動、並びにロール機構72を用いた乗り物車両10及び/又は乗車組立体20の概ね角度方向の移動を含むように演出することができる。各それぞれの乗り物車両10の乗り物制御システム32及び/又は乗り物車両制御システム34は、乗り物経路100を概ね辿り、様々な垂直方向、表面、及び/又は角度方向の移動を行うように乗り物車両10を制御することができる。
【0055】
図示の実施形態では、乗り物システム11は、馬及び/又は回転木馬の乗り物システムに関連するテーマを有することができる。このように、演出された乗り物経路100に沿った乗り物車両10の移動は、馬及び/又は回転木馬の乗り物システムの移動をシミュレートすることができる。このような乗り物車両10の移動は、乗り物車両10に乗っている乗客及び/又は乗り物車両10を見ている人々を楽しませることができる。更に、乗り物システム11は、乗り物システム11のテーマに概ねマッチする追加の特徴を含むことができる。例えば、乗り物システム11は、乗り物システム11の環境内で、乗客が聞く、見る、感じる、又は他の方法で感知することができる、オーディオ効果、照明効果、及びその他の適切な効果を含むことができる。図示の実施形態では、オーディオ及び/又は照明効果は、一般に馬及び/又は回転木馬の乗り物システムに関連することができる。
【0056】
図示されているように、乗り物システム11は、乗り物システム11の乗り物エリア140内に配置された24台の乗り物車両10を含む。幾つかの実施形態では、乗り物システム11は、より多い又はより少ない乗り物車両10(例えば、2台の乗り物車両10、3台の乗り物車両10、5台の乗り物車両10、10台の乗り物車両10、30台の乗り物車両10など)を含むことができる。更に、図示されているように、各乗り物車両10は、2人の乗客を運ぶように構成されている。特定の実施形態では、各乗り物車両10は、より多くの又はより少ない乗客(例えば、1人の乗客、3人の乗客、4人の乗客、その他)を運ぶように構成することができる。図示の実施形態は、それぞれの乗り物経路100に沿った第1のそれぞれの位置に各乗り物車両10を含むことができる。以下でより詳細に説明するように、図10及び図11は、それぞれの乗り物経路100に沿った第2及び第3の位置にある乗り物車両10を示している。
【0057】
図10は、乗り物システム11の乗り物車両エリア140内で表面23に沿って互いに対して及びそれぞれの乗り物経路100に対して第2のそれぞれの位置にある乗り物車両10を有する、図1の乗り物システム11の一実施形態の斜視図である。図示されているように、乗り物車両10A及び乗り物車両10Bの各々は、図9の第1の位置から図10の第2の位置まで乗り物経路100A及び100Bに沿ってそれぞれ移動している。他の乗り物車両10もまた、図10の位置に対して乗り物エリア140内を移動している。
【0058】
図11は、乗り物システム11の乗り物車両エリア140内で表面23に沿って互いに対して及びそれぞれの乗り物経路100に対して第3のそれぞれの位置にある乗り物車両10を有する図1の乗り物システム11の一実施形態の斜視図である。図示されているように、乗り物車両10A及び乗り物車両10Bの各々は、図10の第2の位置から図11の第3の位置まで乗り物経路100A及び100Bに沿ってそれぞれ移動している。
【0059】
各乗り物車両10がそれぞれの乗り物経路100に沿って移動すると、乗り物制御システム32は、乗り物システム11に関連する意図された演出にマッチすることを容易にするように、乗り物車両10の移動を制御することができる。例えば、乗り物制御システム32は、乗り物車両10A及び10Bの移動を制御して、乗り物車両10A及び10Bをそれぞれ図9、10、及び11の第1、第2、及び第3の位置に概ね配置するのを容易にすることができる。上述したように、乗り物車両制御システムは、乗り物車両10A及び10Bの位置を、乗り物経路100A及び100Bに沿った対応する位置と比較することができる。乗り物制御システム32は、乗り物車両10A及び10Bの位置と、乗り物経路100A及び100Bに沿った対応する位置との間の距離が閾値乗り物経路距離を超えるという判定に基づいて、乗り物車両10A及び/又は10Bの移動を制御(例えば、軌道を調整)することができる。更に、乗り物制御システム32は、乗り物車両10A及び10Bのそれぞれの位置の間の距離108が閾値乗り物車両距離よりも小さいかどうかを判定し、その判定に基づいて乗り物車両10A及び/又は10Bの移動を制御することができる。
【0060】
図12は、図1の乗り物システム11を制御するのに適した方法160のフローチャートである。方法160の以下の説明は、乗り物制御システム32によって実行されるものとして詳述されているが、何れかの適切なコンピューティングシステムが、以下に説明される方法160を実行できることに留意されたい。更に、方法160を特定の順序で以下に記載されているが、方法160は、何れかの適切な順序で実行されてもよい点に留意されたい。
【0061】
ブロック162において、乗り物制御システム32は、それぞれの乗り物経路100に沿った乗り物車両10(例えば、2又はそれ以上の乗り物車両10)の演出を示す入力を受信する。例えば、入力は、他のデータの中でもとりわけ、各それぞれの乗り物車両10のための乗り物経路100を有するプログラム又は他の適切なファイルを含むことができる。入力は、乗り物システム11のオペレータによって提供されてもよく、及び/又は乗り物制御システム32に通信可能に結合された別のシステムから受信することができる。幾つかの実施形態では、入力は、乗り物制御システム32に格納することができ、乗り物システム11を動作する命令を受信した後に検索することができる。更に、本明細書に記載されているように、入力は、乗り物車両10に乗っているか、又は乗り物車両10に乗ろうとしているユーザ(例えば、乗客)(例えば、乗り物システム11の待ち行列にいるユーザ)から受け取ることができる。
【0062】
ブロック164において、乗り物制御システム32は、乗り物経路100を乗り物車両10に送信する。例えば、各乗り物経路100は、特定の乗り物車両10に固有のものとすることができ、乗り物制御システム32は、乗り物経路100をそれぞれの乗り物車両10の各々に出力することができる。乗り物車両制御システム34は、乗り物経路100を受信することができ、乗り物経路100を概ね辿るように乗り物車両10の動作を開始することができる。
【0063】
ブロック166において、乗り物制御システム32は、それぞれの乗り物経路100に対する及び/又は互いに対する乗り物車両10のそれぞれの位置を示す信号を受信する。例えば、乗り物車両制御システム34及び/又は表面位置センサ54は、乗り物制御システム32に信号を出力することができる。
【0064】
ブロック168において、乗り物車両10の位置を受信した後、乗り物制御システム32は、乗り物経路100に対する及び/又は互いに対するこれらのそれぞれの位置に基づいて、乗り物車両10の移動を制御することができる。例えば、乗り物制御システム32は、乗り物車両10の位置と乗り物経路100に沿った対応する位置との間の距離が、閾値乗り物経路距離を超えているという判定に基づいて、特定の乗り物車両10の移動を制御する(例えば、軌道を調整する)ことができる。更に、乗り物制御システム32は、乗り物車両10のそれぞれの位置の間の距離108が、閾値乗り物車両距離よりも小さいかどうかを判定し、その判定に基づいて乗り物車両10の移動を制御することができる。特定の実施形態では、乗り物制御システム32は、乗り物車両制御システム34に信号を出力することによって、乗り物車両10の移動を制御することができる。例えば、乗り物制御システム32は、乗り物車両制御システム34が、それぞれの乗り物車両10の移動を他の(例えば、別個の)乗り物車両10の移動と協働できるように乗り物車両制御システム34に信号を出力することができる。
【0065】
乗り物経路100に対するそれぞれの位置に基づいて乗り物車両10の移動を制御した後、方法160は、ブロック166に戻ることができ、それぞれの乗り物経路100に対する及び/又は互いに対する乗り物車両10のそれぞれの位置を示す次の信号を受信することができる。乗り物制御システム32は、乗り物システム11の動作中(例えば、乗り物車両10が乗り物システム11内を移動したとき)に、ブロック166及び168を繰り返し実行することができる。このように、乗り物制御システム32は、乗り物車両10が演出された乗り物経路100を概ね辿ることを容易にし、乗り物システム11の動作中に乗り物車両10が互いに接触することを防止するように、乗り物車両10を制御することができる。
【0066】
上述したように、乗り物制御システム32は、乗り物車両10に乗っている又は乗り物車両10に乗ろうとしている乗客及び/又は乗り物システム11のオペレータから受け取った入力などの乗客入力に基づいて、乗り物経路100を決定することができる。図13は、乗客の入力に基づいて乗り物経路100を決定するのに適した方法180のフローチャートである。方法180の以下の説明は、乗り物制御システム32によって実行されるものとして詳述されているが、何れかの適切なコンピューティングシステムが、以下に説明される方法180を実行できることに留意されたい。更に、方法180は、特定の順序で以下に説明されるが、方法180は何れかの適切な順序で実行されてもよいことに留意されたい。
【0067】
ブロック182において、乗り物制御システム32は、所望の乗客体験を示す入力を受け取ることができる。乗客は、乗り物車両10に乗っている、乗り物車両10に乗ろうとしている、及び/又は乗り物車両10に乗るのを待機している乗り物システム11の待ち行列にいることができる。乗客によって提供された入力は、乗り物システム11の所望の強度レベル、乗り物システム11の所望のテーマ、及び乗客の他の選好など、所望の乗客体験を含むことができる。所望の強度レベルは、乗客が様々な障害物(例えば、壁、他の乗り物車両10)に接近することを望む可能性がある近接度を示すことができる。すなわち、第1の強度レベルは、乗り物車両10が互いに2メートル内(例えば、閾値乗り物車両距離)であるように走行可能にすることに対応し、一方、第2のより高い強度レベルは、乗り物車両10が衝突する可能性がある感覚を乗客に生じさせるために、乗り物車両10が互いに1メートル内で走行可能にすることに対応することができる。更に、所望の強度レベルは、乗車組立体20の垂直方向の移動及び/又はロールの量を含むことができる。例えば、第1の強度レベルは、第2のより高い強度レベルと比較して、乗り物車両10の垂直方向の移動及び/又はロールを少なくできることに対応することができる。所望のテーマは、映画、テレビ番組、架空のキャラクター、ポップカルチャーに関連したテーマとすることができ、乗り物車両10の特定の乗り物経路及び乗り物システム11の他の変形形態を含むことができる。例えば、乗客が鳥又は飛行機に関するテーマを選択した場合、乗り物車両10の乗り物経路は、鳥又は飛行機の飛行をシミュレートすることができる。乗客入力を介して提供することができる他の選好は、言語の選択、キャラクターの選択、乗客の身長及び/又は体重、並びに他の類似の選好を含む。
【0068】
更に、ブロック184において、乗り物制御システム32は、追加の乗客入力を受信する。追加の乗客入力は、ブロック182で受信した入力に対して異なる乗客から受信することができる。例えば、追加入力は、乗り物システム11のオペレータから受信することができ、乗り物車両10の演出、乗り物システム11のテーマ、閾値乗り物経路距離、閾値乗り物車両距離、及び他の乗客入力を含むことができる。乗り物車両10の演出及び/又は乗り物システム11のテーマは、回転木馬の乗車組立体、動物(例えば、馬、犬、恐竜)、輸送手段(例えば、飛行機、列車、船、自動車)、及び架空のキャラクター(例えば、幽霊、スーパーヒーロー)など、特定の物体の移動をシミュレートする乗り物経路100を含むことができる。閾値乗り物経路距離は、各乗り物経路100間の最小距離とすることができ、閾値乗り物車両距離は、各乗り物車両10間の最小距離とすることができる。特定の実施形態では、乗り物システム11のテーマは、乗り物車両10の演出、閾値乗り物経路距離、及び閾値乗り物車両距離を含むことができる。このように、オペレータは、乗り物車両10が、閾値乗り物経路距離及び閾値乗り物車両距離に基づいてそれぞれの乗り物経路100に沿って移動することを可能にする単一の入力(例えば、テーマ)を提供することができる。
【0069】
ブロック186において、ブロック182及び184で受信した乗客入力(例えば、乗り物車両10に乗っている乗客から及びオペレータから受信した乗客入力)に基づいて、乗り物制御システム32は、乗り物車両10の乗り物経路100を決定する。例えば、乗り物制御システム32は、乗り物システム11の所望の強度レベル、乗り物システム11の所望のテーマ、乗り物車両10の演出(例えば、乗り物経路100)、閾値乗り物経路距離、閾値乗り物車両距離、及び他の乗客入力に基づいて、乗り物経路100を決定することができる。
【0070】
特定の実施形態では、乗り物制御システム32は、初期乗り物経路100を調整することができ、及び/又は乗り物経路を決定するときに、乗客入力間の競合を解決することができる。例えば、オペレータが、第1の強度レベルに対応する初期乗り物経路100を示す入力を提供し(例えば、ブロック184)、乗客(例えば、乗り物車両10に乗っている乗客)が、第1の強度レベルよりも一般的に強度が高い第2の強度レベルを示す入力を提供した場合、乗り物制御システム32は、オペレータによって提供された初期乗り物経路100を、第2の強度レベルに対応するより高い強度の乗り物経路100に調整することができる。より高い強度の乗り物経路100は、第1の低い強度レベルに提供された乗り物経路100と比較して、乗り物車両10が乗り物経路100に沿って走行するときに、より多くの相対的な表面移動、垂直移動、及びロールを含むことができる。更に、より高い強度の乗り物経路100は、乗り物車両10が互いに接近して移動することを可能にすることができる(例えば、閾値乗り物車両距離は、第1の低い強度レベルに提供される乗り物経路100と比較して、相対的に低くすることができる)。このように、方法180を介して、乗り物制御システム32は、乗り物経路100及び乗り物車両10の演出を乗客が少なくとも部分的に決定/制御することを可能にするカスタマイズされた乗客体験を提供することができる。
【0071】
上述したように、本開示の乗り物システムは、乗り物システムの乗り物車両に乗っている間の乗客の体験を向上するのに有用な1又は2以上の技術的効果を提供することができる。例えば、乗り物システムは、乗客を楽しませる及び/又は輸送するために、乗り物エリア内で乗客を運ぶように構成された複数の乗り物車両を含むことができる。乗り物車両の移動は、乗り物経路に沿って及び/又は互いに及び乗り物システムの他の部分に対して演出することができ、乗り物制御システム及び/又は乗り物車両制御システムによって制御することができる。乗り物システムは、オペレータの入力及び所望の乗客体験を示す入力など、様々な乗客の入力に基づいて乗り物経路を決定することができる。
【0072】
更に、乗り物車両は、乗り物経路に沿って移動している間、乗り物システムの表面に対して特定の方向に移動することができ、及び/又は乗客を運び乗り物システムの表面に対して移動するように構成された乗車組立体を含むことができる。例えば、乗り物車両は、様々な方向で垂直及び/又は水平に移動でき(例えば、何れかの平面方向に移動することができ、スピンすることができ、及び転回することができる)、及びロールすることができる機構及び部分(例えば、乗車組立体)を含むことができる。このように、本明細書に記載される乗り物車両及び乗り物システムは、乗客の輸送及び/又は娯楽のために様々な方向に演出された方法で移動することができる。特定の実施形態では、乗り物車両の演出された移動は、乗り物車両に乗車するのを待機している人など、乗客以外の人が見ることができる。乗り物車両の演出された移動は、乗り物システムを見ている人々に娯楽的な魅力を提供することができる。
【0073】
本発明の特定の特徴のみを本明細書で例示し説明してきたが、当業者であれば、多くの変更形態及び変形が想起されるであろう。従って、添付の特許請求の範囲は、本開示の真の技術的思想の範囲内にあるこのような修正形態及び変更全てを保護することを意図していることを理解すべきである。
【0074】
本明細書で提示され請求項に記載された手法は、本発明の技術分野を明らかに改善する実際的な性質の実質的な目的及び具体的な実施例に参照及び適用され、このため、抽象的、無形、又は真に理論的でもない。更に、本明細書の終わりに添付した何れかの請求項が「機能」を「実行」する手段」又は「機能」を「実行」するステップ」として指定された1又は2以上の要素を含む場合、このような要素は、米国特許法第112条(f)に従って解釈されるものとする。しかしながら、任意の他の方法で指定された要素を含む何れかの請求項については、このような要素は、米国特許法第112条(f)に従って解釈されないものとする。
【符号の説明】
【0075】
10 乗り物車両
11 乗り物システム
12 垂直軸又は垂直方向
14 長手方向軸又は長手方向
16 横方向軸又は横方向
18 ベース
20 乗車組立体
22 ポール
23 表面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13