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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-20
(45)【発行日】2024-10-01
(54)【発明の名称】作業機
(51)【国際特許分類】
   E02F 9/16 20060101AFI20240924BHJP
   H05K 5/02 20060101ALI20240924BHJP
【FI】
E02F9/16 K
E02F9/16 B
H05K5/02 F
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022056714
(22)【出願日】2022-03-30
(65)【公開番号】P2023148595
(43)【公開日】2023-10-13
【審査請求日】2024-06-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】110003041
【氏名又は名称】安田岡本弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼田 俊輝
(72)【発明者】
【氏名】作田 拓也
(72)【発明者】
【氏名】小西 宏延
(72)【発明者】
【氏名】三ツ井 友輔
(72)【発明者】
【氏名】中林 晋太郎
(72)【発明者】
【氏名】柏木 篤
(72)【発明者】
【氏名】三村 拓人
【審査官】石川 信也
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-150509(JP,A)
【文献】特開2013-065787(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02F 9/16
H05K 5/02
H04B 1/3822
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機体と、
前記機体に搭載された運転席と、
前記運転席の機体幅方向の外方側に配置されたコンソールと、
前記コンソールの前部に設けられたメータと、
前記メータの前方に配置された通信ユニットと、
前記通信ユニットを支持するユニット支持体と、
を備え、
前記ユニット支持体は、前記通信ユニットが取り付けられるユニットブラケットと、前記メータの前記機体幅方向の外方側に配置されて前記機体側に取り付けられる支持ブラケットと、前記ユニットブラケットを前記支持ブラケットに取り付ける取付具と、を有し、
前記ユニットブラケットは、被取付部位を有し、
前記支持ブラケットは、前記被取付部位が機体幅方向で重ね合わされる取付部位を有し、
前記取付具は、前記被取付部位を前記取付部位に機体幅方向から取り付ける作業機。
【請求項2】
前記取付部位と前記被取付部位との一方における前記取付具が取り付けられる位置に対して偏倚した位置に設けられたピンと、他方に設けられたピン挿通孔とを備え、
前記ピンを前記ピン挿通孔に挿通した状態で前記取付具により前記被取付部位が前記取付部位に取り付けられている請求項1に記載の作業機。
【請求項3】
前記ピン挿通孔は、上下方向に長い長穴に形成され、
前記取付具は、前記ピンの上方で前記取付部位と前記被取付部位とを締結する請求項2に記載の作業機。
【請求項4】
前記メータの前記機体幅方向の外方側に配置された制御装置と、
前記制御装置を支持すると共に機体側に取り付けられる制御装置支持体と、
を備え、
前記支持ブラケットは、前記制御装置支持体上に前後方向に沿って取り付けられ、
前記制御装置支持体は、前記取付部位及び被取付部位の下方に延出し且つ前方に向かうにつれて下方に移行する上面を含む構成部を有している請求項1~3のいずれか1項に記載の作業機。
【請求項5】
前記通信ユニットは、情報処理機器と、前記情報処理機器からデータを授受すると共に通信アンテナを内蔵していてデータを送信する通信機器とを含み、
前記情報処理機器は、前記通信機器の背面に配置されていて下面側にハーネスが接続される接続部を有し、
前記ユニットブラケットは、前記接続部に接続される前記ハーネスを下方からガードするガード部材を有している請求項1~4のいずれか1項に記載の作業機。
【請求項6】
前記ガード部材の下方に、前記運転席に着座したオペレータが踏み操作するペダル部材が配置されている請求項5に記載の作業機。
【請求項7】
前記取付具は、前記機体幅方向の内方側から前記メータと前記通信ユニットとの間を通して、前記被取付部位と前記取付部位とに取り付けられる請求項1~6のいずれか1項に記載の作業機。
【請求項8】
前記支持ブラケットは、前記通信ユニットから後方に且つ当該支持ブラケットの上方に配策されるハーネスの機体幅方向及び下方向の移動を規制するハーネスガイドを有している請求項1~7のいずれか1項に記載の作業機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に開示された作業機が知られている。
特許文献1に開示された作業機は、機体に搭載された運転席の側方に、前部にメータが設けられたコンソールを配置し、メータの前方に通信ユニットを配置している。通信ユニットを支持するユニット支持体は、通信ユニットが取り付けられるユニットブラケットと、メータの機体幅方向の外方側に配置されて機体側に取り付けられる支持ブラケットとを有しており、支持ブラケットの取付部位の下面側に、ユニットブラケットの被取付部位を重ね合わせ、この重ね合わせ部分を下方からボルトによって締結している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2021-150509号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、通信ユニットとメータとの間は狭いので、支持ブラケットの取付部位にユニットブラケットの被取付部位を下方側から取り付けるのは作業性があまりよくなかった。
本発明は、メータの前方に通信ユニットを配置した作業機において、支持ブラケットにユニットブラケットを容易に取り付け得る作業機を提供すること目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様に係る作業機は、機体と、前記機体に搭載された運転席と、前記運転席の機体幅方向の外方側に配置されたコンソールと、前記コンソールの前部に設けられたメータと、前記メータの前方に配置された通信ユニットと、前記通信ユニットを支持するユニット支持体とを備え、前記ユニット支持体は、前記通信ユニットが取り付けられるユニットブラケットと、前記メータの前記機体幅方向の外方側に配置されて前記機体側に取り付けられる支持ブラケットと、前記ユニットブラケットを前記支持ブラケットに取り付ける取付具と、を有し、前記ユニットブラケットは、被取付部位を有し、前記支持ブラケットは、前記被取付部位が機体幅方向で重ね合わされる取付部位を有し、前記取付具は、前記被取付部位を前記取付部位に機体幅方向から取り付ける。
【発明の効果】
【0006】
上記の作業機によれば、ユニットブラケットの被取付部位を支持ブラケットの取付部位に機体幅方向から取り付けることで、支持ブラケットにユニットブラケットを容易に取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】作業機の斜視図である。
図2】運転部の斜視図である。
図3】右のコンソールの側面図である。
図4】通信ユニット、ユニット支持体及び前部フレームを上方から見た斜視図である。
図5】通信ユニット、ユニット支持体及び前部フレームの平面図である。
図6】通信ユニット、ユニット支持体及び制御装置支持体を左側から見た斜視図である。
図7】通信ユニットの正面図である。
図8】通信ユニット及びユニットブラケットの分解斜視図である。
図9】ユニットブラケットの取り付けを示す斜視図である。
図10】通信ユニット及びユニットブラケットを後側から見た斜視図である。
図11】通信ユニット、ユニット支持体及び制御装置支持体の側面図である。
図12】ユニット支持体及び旋回基板の斜視図である。
図13】ステー部材の取り付けを示す斜視図である。
図14】支持ブラケットの斜視図である。
図15】第1ブラケットの斜視図である。
図16】第1ブラケットの取り付けを示す斜視図である。
図17】ユニット支持体の取付部分を示す平面図である。
図18】通信ユニットとメータの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の一実施形態について、図面を適宜参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態に係る作業機1の全体構成を示す斜視図である。本実施形態では、作業機1として旋回作業機であるバックホーが例示されている。
図1に示すように、作業機1は、機体(旋回台)2と、走行装置3と、フロント作業装置(作業装置)4とを備えている。機体2にはキャビン5が搭載されている。
【0009】
なお、本実施形態では、機体2に搭載されたキャビン5の内部に、後述する通信ユニット58(DCU60及びIPU59)を搭載した作業機(キャビン仕様の作業機)1を例示したが、キャビン5の代わりに、キャノピを機体2に搭載した作業機(キャノピ仕様の作業機)1であってもよく、キャビン5及びキャノピを備えない作業機1であってもよい。
【0010】
本実施形態においては、図1に示すように、矢印A1で示す方向を前方といい、矢印A2で示す方向を後方といい、矢印K1で示す方向を前後方向として説明する。また、矢印B1で示す方向を左方といい、矢印B2で示す方向を右方といい、矢印K2で示す方向を機体幅方向として説明する。機体幅方向K2は、前後方向K1に直交する水平方向である。
【0011】
また、機体2の幅方向の中央部から右方、或いは、左方へ向かう方向を機体幅方向の外方(機体幅方向外方)として説明する。機体幅方向外方とは反対の方向を、機体幅方向の内方(機体幅方向内方)として説明する。
図1に示すように、走行装置3は、機体2の機体幅方向K2の一側(左側)に設けられた第1クローラ走行体3Aと、機体2の機体幅方向K2の他側(右側)に設けられた第2クローラ走行体3Bとを有するクローラ式の走行装置である。走行装置3によって機体2が走行可能に支持される。また、機体2は、走行装置3上に、縦軸(上下方向に延伸する軸)回りに旋回可能に支持されている。走行装置3の前部には、ドーザ装置7が装着されている。
【0012】
図1に示すように、フロント作業装置4は、キャビン5の前方に配置されている。また、フロント作業装置4は、機体2の前部に装着されている。詳しくは、フロント作業装置4は、スイングブラケット10に上下揺動可能に支持されている。スイングブラケット10は、支持ブラケット11に縦軸回りに回動可能に支持されている。支持ブラケット11は、機体2に固定され且つ機体2から前方に突出している。
【0013】
また、フロント作業装置4は、ブーム12と、アーム13と、作業具(バケット)14とを有する。ブーム12は、基部がスイングブラケット10の上部に回動自在に枢支されていて、上下方向に揺動可能である。アーム13は、基部がブーム12の先端部に回動自在に枢支されていて、ブーム12に近づく方向及び遠ざかる方向に揺動可能である。作業具14は、アーム13の先端部に回動自在に枢支されていて、アーム13に近づく方向及び遠ざかる方向に揺動可能である。
【0014】
また、フロント作業装置4は、ブーム12を駆動するブームシリンダ19と、アーム13を駆動するアームシリンダ20と、作業具14を駆動する作業具シリンダ21とを有する。ブームシリンダ19、アームシリンダ20、作業具シリンダ21は、油圧シリンダによって構成されている。
図1に示すように、キャビン5は、前面に、窓開口30を塞ぐように嵌め込まれたガラス(前面ガラス)32を有する前窓22を有する。前面ガラス32は、窓開口30の上部に設けられた上部ガラス38と、窓開口30の下部に設けられた下部ガラス39とを含む。また、キャビン5は、左側面の前部に乗降ドア23を有し、乗降ドア23は、上部及び下部にそれぞれガラス(ドアガラス)28を有している。また、キャビン5は、左側面の後部に側部窓24を有し、上面にルーフ25を有する。
【0015】
なお、キャビン5は、後面に後部窓を有し、右側面に側部窓(右側部窓)を有している。後部窓及び右側部窓も、窓開口を形成する窓枠に窓開口を塞ぐガラスを有している。キャビン5の前面、後面、左側面及び右側面に設けられた各ガラスは、光の透過性を有している。
図2は、オペレータ(運転者)が着座する運転席6を備えた運転部41を示している。運転部41は、キャビン5の室内(内部)に配置されている。運転部41は、機体2に取り付けられた床部42を有している。運転部41はキャビン5で包囲されている。つまり、運転部41はキャビン5の室内に配置されている。
【0016】
図2図3に示すように、運転部41は、運転席6が取り付けられるシート台43を有する。シート台43は、床部42に取り付けられている。したがって、運転部41は、機体2に搭載されている。図2に示すように、運転席6は、オペレータが座るための(オペレータの臀部を支持する)座部6Aと、オペレータの背中を支持する背もたれ部6Bとを有する。前方は運転席6に着座したオペレータの前側である。
【0017】
図2に示すように、運転部41は、運転席6の機体幅方向K2の一方の外方側に配置されたコンソール(操作台)44Lと、運転席6の機体幅方向K2の他方の外方側に配置されたコンソール(操作台)44Rとを有している。コンソール44Lは、運転席6の左方に配置され、コンソール44Rは、運転席6の右方に配置されている。
コンソール44Lには、アンロードレバー46及び操作装置45Lが設けられている。アンロードレバー46は、図2に示す状態から上方に揺動可能であり、上方に揺動した状態では、油圧機器に対して作動油の供給ができなくなる。コンソール44Rには、各種のスイッチ類、操作装置45R、ドーザ装置7を操作するドーザレバー47が設けられている。
【0018】
左の操作装置45L及び右の操作装置45Rは、2つの操作対象を操作可能である。例えば、操作装置45Lは、機体2の旋回操作及びアーム13の揺動操作が可能である。操作装置45Rは、ブーム12の揺動操作及び作業具14の揺動操作が可能である。
図2に示すように、運転部41は、運転席6の前方に配置された2本の走行レバー48L,48Rを有している。2本の走行レバー48L,48Rは、機体幅方向K2に並べて配置されている。左の走行レバー48Lは、第1クローラ走行体3Aを操作可能であり、右の走行レバー48Rは、第2クローラ走行体3Bを操作可能である。走行レバー48L,48Rの右方には、運転席6に着座したオペレータが踏み操作するペダル部材50が設けられている。本実施形態では、ペダル部材50は、スイングペダルである。スイングペダル50は、スイングブラケット10を揺動させる油圧シリンダを操作する操作部材である。
【0019】
図3に示すように、コンソール44Rの前部には、メータ51が設けられている。メータ51は、前方に向かうにつれて上方に移行する傾斜方向に延びるように設けられている。メータ51は、メータカバー51Aと、メータカバー51Aの後面側に設けられた表示部(液晶画面等を含む)51Bとを有している。メータカバー51Aの上部には、空調装置の空調空気を吹き出す吹き出し部52aを有するダクト部52が設けられている。表示部51Bは、運転席6に着座したオペレータに向くように設けられている。表示部51Bには、例えば、作業機1の基本情報や、作業機1の周囲の画像や、作業機1の様々な設定を行うのに必要な情報等を表示できる。
【0020】
図2に示すように、コンソール44Rは、コンソール44Rに装備される各種のスイッチ類、操作装置45R、ドーザレバー47、コンソールカバー54及びメータ51を支持するコンソールフレーム53を有している。コンソールフレーム53は、シート台43に取り付けられている。したがって、コンソールフレーム53(コンソール44R)は、シート台43及び床部42を介して機体2に固定されている。コンソールフレーム53は、後側を構成する後部フレーム55と、前側を構成する前部フレーム56とを有している。
【0021】
図4図5に示すように、前部フレーム56は、メインフレーム56Aと、メインフレーム56Aの前部に取り付けられたメータフレーム56Bとを有している。メータフレーム56Bにメータカバー51A及び表示部51Bが取り付けられる。
図2図3に示すように、メータ51の前方には、空調空気を流通させるエアコンダクト57が配設されている。エアコンダクト57は、シート台43の内側に設けられたエアコン本体からメータ51の前面側に延びている。エアコンダクト57には、空調空気を吹き出す吹き出し部57Aが設けられている。ダクト部52は、エアコンダクト57に連通している。
【0022】
なお、キャビン5が搭載されていない作業機1にあっては、エアコンダクト57及びダクト部52は設けられない。
図2に示すように、運転部41には、通信ユニット58が設けられている。通信ユニット58は、運転部41の外縁部近傍に設置されている。本実施形態では、通信ユニット58は、キャビン5の内部であって、機体2(運転部41)の右部且つ前部に設けられている。
【0023】
図4図5図6に示すように、通信ユニット58は、IPU(Information processing unit;情報収集ユニット)59と、DCU(Direct Communication Unit;直接通信ユニット)60とを含む。
IPU59は、作業機1に関する情報を一時的に蓄積し、所定の処理(例えば圧縮処理等)を行う「情報処理機器」である。図4に示すように、IPU59は、図示省略の車載用通信ネットワークの通信ポートや車載式故障診断装置(OBD:On-Board Diagnostics)の通信ポート等にハーネス64及びコネクタ62を介して接続されていて、通信ネットワークや車載式故障診断装置から作業機1に関する情報を授受する。ハーネス64は、複数の(多数の)電線(配線)を束ねて構成されている。車載用通信ネットワークや車載式故障診断装置の通信ポートは、シート台43の内部に配置されている。コネクタ62の一方が車載用通信ネットワークの通信ポートに接続され、他方のコネクタ62が車載式故障診断装置の通信ポートに接続される。
【0024】
車載用通信ネットワークは、作業機1に搭載されたCAN(Controller Area Network)やフレックスレイ(FlexRay)等で構成される。また、IPU59は、ハーネス64を介してDCU60に接続されていて、DCU60にデータを伝達する。
DCU60は、外部の機器(図示せず)との間でデータの通信を行う「通信機器」である。DCU60は、IPU59からデータを授受する。また、DCU60は、IPU59から授受したデータや位置情報等のデータをサーバに送信する。サーバは、例えば、作業機1を製造するメーカ(製造会社)に設置されたサーバ、作業機1を販売及び保守(メンテナンス)を実施するディーラ(販売及び保守会社)に設置されたサーバ等である。
【0025】
IPU59及びDCU60は、ハーネス64及びコネクタ63を介して図示省略の電源供給ポートに接続されていて、電源供給ポートから電源が供給される。また、IPU59は、ハーネス64及びコネクタ63を介して図示省略のキャビン5のハーネスの接続ポートに接続されている。通信ポート、電源供給ポート及び接続ポートは、運転部41に配置されている。コネクタ63の一方が電源供給ポートに接続され、他方のコネクタ63がキャビン5のハーネスの接続ポートに接続される。
【0026】
図1に示すように、DCU60は、機器正面60Aが機体2の外方(機体外方)を向くように、運転部41の外縁部近傍に配置されている。本実施形態では、図5等に示すように、DCU60は、機器正面60Aが前方側を向くように配置されている。
図2図3に示すように、本実施形態では、DCU60及びIPU59は、コンソール44Rの前方に配置されている。詳しくは、DCU60及びIPU59は、メータ51及びエアコンダクト57の前方で且つ下方に配置されている。DCU60及びIPU59をメータ51及びエアコンダクト57の前方で且つ下方に配置することで、DCU60及びIPU59がオペレータの視界を妨げるのを抑制することができる。また、図1図5に示すように、DCU60は、機器正面60Aがキャビン5に装備されたガラス面(前面ガラス32等)側を向くようにキャビン5の内部に配置される。具体的には、DCU60は、機器正面60Aが前窓22の下部ガラス39を向くようにキャビン5の内部に配置されている。詳しくは、DCU60は、キャビン5の内部の下部ガラス39の近傍に機器正面60Aが前方側を向くように配置され、且つ前窓22の窓開口30の右縁部から機体幅方向内方にはみ出るように配置されている。
【0027】
図7に示すように、DCU60は、機器正面60Aが略長方形状の略直方体形状を呈しており、直方体の長手方向を上下方向に一致させた縦向きに配置されている。DCU60は、図2に示すように、運転部41の床部42から上方に間隔をあけて配置されていると共に、図5に示すように、平面視で機体幅方向内方(左方)に向かうにつれて前方に移行する傾斜状に配置されている。
【0028】
図2に示すように、床部42の前部右側には、スイングペダル50が設けられている。DCU60は、スイングペダル50の近くに配置されている。DCU60を床部42から上方に離し、且つ斜めに配置することで、DCU60がスイングペダル50を足操作するオペレータの足操作の邪魔にならないようにしている。
図4図5図6に示すように、IPU59は、DCU60の機器正面60Aの反対側である機器背面側(本実施形態では、DCU60の後方側)に配置されている。
【0029】
図4図6に示すように、作業機1は、通信ユニット58(IPU59及びDCU60)を機体2側に取り付けるためのユニット支持体61を有している。
ユニット支持体61は、通信ユニット58(DCU60及びIPU59)が取り付けられるユニットブラケット65と、ユニットブラケット65が取り付けられる支持ブラケット66とを有している。
【0030】
図8に示すように、ユニットブラケット65は、DCU60が取り付けられる第1機器取付部材69と、IPU59が取り付けられる第2機器取付部材78と、支持ブラケット66に取り付けられる取付ステー(被取付部位)67と、ハーネス64をガードするガード部材49とを有している。
第1機器取付部材69は、例えば、金属製の板材で形成されたプレート部材である。以下、第1機器取付部材69をプレート部材という。プレート部材69は、DCU60の機器背面に取り付けられる。詳しくは、図8図9に示すように、DCU60は、ケース72と、ケース72を機器正面60A側から覆うカバー73とを有している。プレート部材69は、複数のカバー取付部74を有している。カバー取付部74にカバー73の四隅の取付片73aがボルト等によって取り付けられる。ケース72も、プレート部材69にネジ79等によって取り付けられている。
【0031】
図8に示すように、DCU60は、ケース72内に収容された電子基板91を有している。ケース72は、略直方体形状に形成され、電子基板91は、電子部品が取り付けられる表側に、通信アンテナ(例えば、3Gアンテナ等)92と、測位アンテナ(GPSアンテナ)93とが取り付けられている。電子基板91は、表側が機器正面60Aを向くようにケース72内に収容されている。通信アンテナ92は、サーバとの通信を行うアンテナであって、電子基板91の上部と下部とに設けられている。通信アンテナ92は、DCU60に内蔵されている。本実施形態のDCU60にあっては、通信アンテナ92がDCU60に内蔵されているので、盗難等の不正行為(DCU60を外す行為等)が行われているときに通信可能な状態を維持し、所定の通報先に通報することができる。
【0032】
測位アンテナ93は、測位衛星から送信された衛星信号を受信する。測位アンテナ93は、電子基板91の下部の右寄りに設けられている。作業機1は、測位アンテナ93が受信した衛星信号に基づき、測位システムによって、自己の位置(緯度、経度を含む測位情報)を検出する。詳しくは、作業機1は、全地球航法衛星システム(GNSS:Global Navigation Satellite System)の一例である周知のGPS(Global Positioning System)を利用して(例えば、移動体の測位に適したRTK-GPSによって)作業機1の位置及び方位を求める。即ち、作業機1は、既知位置に設置された基地局(基準局)と通信し、基地局は、測位衛星からの電波を受信して得た測位データ(補正情報)を作業機1に送信する。作業機1は、測位衛星からの電波を受信して得た測位データと、基地局からの測位データとに基づいて、自己の位置(緯度、経度)を検出する。DCU60は、位置情報を送受信する。
【0033】
図8に示すように、DCU60は、ハーネス64が接続される接続部60aを有している。接続部60aは、ケース72の上部右側に設けられている。また、プレート部材69には、DCU60用のヒューズ68(図9参照)が取り付けられるステー部材36が設けられている。ステー部材36は、右側上部に固定されている。
図8図9に示すように、プレート部材69は、ケース72の背面を覆っている。したがって、ケース72は、カバー73とプレート部材69との間に収容されている。
【0034】
図8に示すように、プレート部材69は、通信アンテナ92に対応する部分を切り欠いて形成された切り欠き部95を有する。通信アンテナ92は、電子基板91の板厚方向に指向性を有している。カバー73を樹脂によって形成し、プレート部材69の通信アンテナ92に対応する部分を切り欠くことにより、通信アンテナ92の電波指向性を妨げないようにしている。IPU59は、プレート部材69の背面側に、切り欠き部95に対してずれた位置に配置される。これにより、IPU59が、通信アンテナ92の電波指向性を妨げないようにしている。
【0035】
図8図9に示すように、第2機器取付部材78は、第1部材70と、第2部材71とを有している。第1部材70及び第2部材71は、溝形鋼によって形成されている。
第1部材70は、開口側がプレート部材69側(前方側)を向くように横向きに(水平方向に延伸して)配置され、プレート部材69の後面の下部に固定されている。また、第1部材70は、プレート部材69から右方に突出する突出部分70aを有している。第2部材71は、開口側がプレート部材69側(前方側)を向き且つ縦向きに(上下方向に延伸して)配置され、プレート部材69の後面の右部且つ上部に固定されている。また、第2部材71の下端は、第1部材70に固定されている。
【0036】
図8図9に示すように、IPU59は、第1部材70の左部と第2部材71の上下方向の中途部とにボルト等の固定具34によって取り付けられている。IPU59は、下面側にハーネス64が接続される接続部59aを有している。
図8図9及び図10に示すように、取付ステー67は、板材によって構成され、第1部材70の突出部分70aに取り付けられる第1壁67aと、第1壁67aから延出する第2壁67bとを有している。
【0037】
第1壁67aは、前面が第1部材70の突出部分70aの背面に対向するように配置されると共に、該突出部分70aの背面に重ね合わされて溶接等によって固定されている。
第2壁67bは、板面が機体幅方向K2を向くように第1壁67aの左端から後方に延出している(図5参照)。したがって、取付ステー67は、板面が機体幅方向K2を向く壁部(第2壁67b)を有している。
【0038】
図9に示すように、第2壁67bの上部には、円形穴に形成された挿通孔(ボルト挿通孔)67cが貫通状に形成されている。挿通孔67cには、取付ステー67(被取付部位)を後述する取付プレート(取付部位)118に取り付ける(締結する)取付具76が挿通される(図9参照)。取付具76は、ボルトによって構成されている。
取付ステー(被取付部位)67には、ピン37が設けられている。ピン37は、第2壁67bの下部に設けられている。詳しくは、ピン37は、第2壁67bを左方から右方に貫通し、第2壁67bから機体幅方向K2の外方に突出している。ピン37は、第2壁67bに溶接等によって固定されている。
【0039】
図8図9に示すように、ガード部材49は、IPU59の接続部59aの下方に位置するガード板80と、ガード板80をプレート部材69に支持する支持部材81とを有している。支持部材81は、線材によって形成され、ガード板80が固定された保持部材83と、保持部材83をプレート部材69に支持する支持アーム82とを有している。
保持部材83は、ガード板80の周囲を取り巻き且つガード板80が固定された第1部位83aと、第1部位83aから延出されてプレート部材69に固定された第2部位83b(図10図11参照)とを有している。
【0040】
支持アーム82は、プレート部材69の下部の左部及び右部に固定された一対の固定部82aと、一対の固定部82aを連結する連結部82bとを有する。連結部82bに保持部材83の第1部位83aが連結されている。
図10に示すように、ハーネス64は、通信ユニット58の近傍且つ右側方において、接続部60aにコネクタ84Aを介して接続される分岐部64aと、接続部59aにコネクタ84Bを介して接続される分岐部64bと、ヒューズ68に接続される分岐部64cとに分岐されている。
【0041】
ガード部材49は、ハーネス64における接続部59aに接続される分岐部64bの下方に位置しており、例えば、スイングペダル50を操作するオペレータの足がハーネス64(分岐部64b)に接触するのを防止する。
図2に示すように、支持ブラケット66は、コンソール44R(メータ51)の機体幅方向K2の外方側に配置されて機体2側に取り付けられる。詳しくは、本実施形態では、支持ブラケット66は、コンソール44Rの運転席6とは反対側の側方(右方)に配置されている。言い換えると、図4図5に示すように、支持ブラケット66は、前部フレーム56の右側方に配置されている。また、支持ブラケット66は、通信ユニット58の右側方から後方に延伸するように、且つ前部が取付ステー67の右側方に位置し後部がメインフレーム56Aの右側方に位置するように、メータフレーム56B及びメインフレーム56Aに沿って配置されている。
【0042】
図11に示すように、支持ブラケット66は、作業機1に装備された制御装置85を支持する制御装置支持体86に取り付けられる。支持ブラケット66は、制御装置支持体86を介して機体2側に取り付けられる。制御装置85は、例えば、原動機(エンジン)を制御する原動機制御装置(エンジンECU(Electric Control Unit))である。
制御装置支持体86は、制御装置85を覆って支持すると共に機体2側に取り付けられる。
【0043】
図6図11に示すように、制御装置支持体86は、制御装置85をカバーし且つ取り付けるカバー部材96と、カバー部材96に固定されたステー部材97と、ステー部材97を支持する支柱部材98と、支柱部材98の下端部に固定されたベース部材99とを有している。
図11に示すように、カバー部材96の上面には、補強プレート87が固定されている。詳しくは、補強プレート87は、前後方向K1に離間して配置された前後一対のボルト(固定具)88によってカバー部材96の上面に固定されている。カバー部材96は、前部に、補強プレート87よりも前方に延出し且つ前方に向かうにつれて下方に移行する傾斜状の上面(傾斜面)96aを含む構成部96bを有している。
【0044】
図6に示すように、カバー部材96の機体幅方向内方側の面には、後部且つ下部に、下方に突出する被取付片96cが設けられている。被取付片96cは、床部42に固定された取付片89にボルト等によって固定されている。
図6に示すように、ステー部材97は、カバー部材96の機体幅方向内方側の面(左面)に固定されていてカバー部材96から機体幅方向内方(左方)に突出する下壁97aと、下壁97aの突出側端部(左端)から上方に延出された縦壁97bとを有している。
【0045】
支柱部材98は、ステー部材97の下方に上下方向に延伸するように配置され、上端が下壁97aに固定されている。
図12に示すように、ベース部材99は、旋回基板8に固定された支持部材9に取り付けられている。旋回基板8は、機体(旋回台)2の底部を構成する厚板材で形成され、前部に支持ブラケット11が固定され、上面に支持ブラケット11から後方に延びる左の縦リブ8L及び右の縦リブ8Rが固定されている。支持部材9は、旋回基板8に立設された支柱部材9Aと、支柱部材9Aの上端に固定されたステー部材9Bと、ステー部材9Bから支持ブラケット11にわたって設けられたプレート部材9Cとを有している。ベース部材99は、プレート部材9Cにボルト等によって固定されている。これによって、制御装置支持体86が機体2側に取り付けられている。
【0046】
図13に示すように、ステー部材97の縦壁97bの右面には、前後一対のナット部材100が固定されている。メインフレーム56Aにおける前部の下部には、取付部102が設けられている。ステー部材97の縦壁97bは、取付部102に右方から重ね合わされ、取付部102及び縦壁97bを貫通してナット部材100にねじ込まれるボルト部材101によって固定される。これにより、前部フレーム56が制御装置支持体86で支持される。
【0047】
図6図11図14に示すように、支持ブラケット66は、第1ブラケット103と、第2ブラケット104とを有している。
図15に示すように、第1ブラケット103は、ベース部材106と、前後一対のブラケット取付部107と、前後一対のハーネスガイド108とを有している。
ベース部材106は、板材によって形成され、ベース本体106Aと、縦壁部106Bとを有している。
【0048】
ベース本体106Aは、板面が上下方向を向く前後方向に長い平板状に形成されている。ベース本体106Aは、補強プレート87上に重ね合わされて補強プレート87を固定するボルト88によって共締めで制御装置支持体86のカバー部材96に固定されている。
図15に示すように、縦壁部106Bは、ベース本体106Aの後部の左端から上方に向けて延出された取付ステー部106Baと、取付ステー部106Baから上方に延びる取付ブラケット部106Bbとを有している。
【0049】
図15に示すように、取付ステー部106Baには、上下方向に長い長穴で形成された挿通孔109が形成されている。限定されることはないが、本実施形態では、挿通孔109は、取付ステー部106Baの前部に形成されている。図16に示すように、取付ステー部106Baは、挿通孔109を挿通し且つメインフレーム56Aに設けられた取付部110にねじ込まれるボルト111によって前部フレーム56に固定されている。取付部110は、図13に示すように、筒状のボスによって構成され、取付部102の上方側に設けられている。取付ステー部106Baの上部且つ後部には、ハーネス64を保持する保持具116(図4参照)が取り付けられる保持孔115が形成されている。
【0050】
図2図3に示すように、取付ブラケット部106Bbの上部には、水平器(水準器)113を取り付けるためのステー114が取り付けられる。
なお、取付ブラケット部106Bbを取付ステー部106Baとは別体で形成し、取付ステー部106Baと共締めでメインフレーム56Aの取付部110に取り付けてもよい。
【0051】
図15図16に示すように、ブラケット取付部107は、上下方向に延伸する軸心を有する円柱状に形成され、ネジ穴(雌ネジが切られた穴)112を有している。ブラケット取付部107は、前後一対設けられ、前後一対のボルト88の内、前側のボルト88Aを前後方向K1で挟むように配置されている。ブラケット取付部107を円柱状に形成することにより、取付部110にボルト111をねじ込むための作業スペースを広くとれ、ボルト111を取り付けるための工具がブラケット取付部107に干渉するのを防止できる。
【0052】
図15図16に示すように、ハーネスガイド108は、棒材を折曲して形成されており、前後一対設けられている。ハーネスガイド108は、取付ステー部106Baの前部及び後部に配置され、取付ステー部106Baに固定されている。詳しくは、ハーネスガイド108は、機体幅方向K2に延伸する第1部位108aと、第1部位108aの左端から上方に延出された第2部位108bと、第1部位108aの右端から上方に延出された第3部位108cとを有している。第2部位108bが取付ステー部106Baに固定されている。
【0053】
図4に示すように、ハーネス64は、支持ブラケット66の上方を通って通信ユニット58から後方に向けて配策される。ハーネス64は、支持ブラケット66の上方に配策される部分において、ハーネスガイド108の第1部位108aの上方且つ第2部位108bと第3部位108cの間を通るように配策される。これにより、ハーネス64の機体幅方向K2及び下方向の移動が規制される。ハーネス64の機体幅方向K2の移動を規制することで、ハーネス64が、制御装置支持体86よりも機体幅方向外方(右方)にはみ出すのを防止できる。例えば、キャビン5は、運転部41及び運転部41の周囲の部品を組み付けた後に、上方から降ろされて機体2に組み付けられるが、このときに、ハーネス64がキャビン5に接触するのを防止できる。また、ハーネス64の下方向の移動を規制することで、ハーネス64が垂れ下がるのを防止できる。これにより、例えば、ハーネス64がボルト88と接触するのを防止できる。
【0054】
図14に示すように、第2ブラケット104は、メインブラケット117と、取付プレート(取付部位)118と、補強板119と、保持ブラケット120とを有している。
メインブラケット117は、上壁部104aと、垂下壁部104bとを有している。上壁部104aは、一対のブラケット取付部107上に重ね合わされて、上壁部104aを貫通し且つブラケット取付部107のネジ穴112にねじ込まれるボルト121によって取り付けられる。垂下壁部104bは、上壁部104aの右端から下方に延出している。
【0055】
図4に示すように、取付プレート(取付部位)118は、平板状の板材によって形成され、メインブラケット117の前部に固定されている。詳しくは、取付プレート118は、板面が機体幅方向K2を向くように配置されて上壁部104aの左側の前部に配置され且つ上壁部104aに固定されている。また、取付プレート118の前後方向の幅は、上部118aが下部118bよりも幅広に形成されている。言い換えると、取付プレート118は、上部118aに後方に延出された延出部118cを有している。
【0056】
図14に示すように、取付プレート118は、上部118aに挿通孔(ボルト挿通孔)122が形成され、下部118bにピン挿通孔123が形成されている。ボルト挿通孔122は円形穴に形成され、ピン挿通孔123は上下方向に長い長穴に形成されている。ボルト挿通孔122とピン挿通孔123とは、上下方向で並べて形成されている。
図9図11に示すように、取付プレート118の上部118aの右面には、ボルト挿通孔122に対応する位置にナット部材124が固定されている。
【0057】
図14に示すように、補強板119は、垂下壁部104bと延出部118cとの間に配置され、上壁部104a、垂下壁部104b及び延出部118cに固定されている。
図6に示すように、保持ブラケット120は、メインブラケット117の上壁部104aの前部に配置されている。図9に示すように、保持ブラケット120は、上壁部104a上に固定される下壁120aと、下壁120aの上方に位置する上壁120bと、下壁120aと上壁120bとの左端部同士を連結する側壁120cとを有している。図4に示すように、保持ブラケット120(上壁120b)にハーネス64を保持する保持具125が取り付けられる。
【0058】
図5図6に示すように、ステー部材(被取付部位)67は、取付プレート(取付部位)118に取付具76によって取り付けられる。詳しくは、取付プレート118の左面に取付ステー67の第2壁67bが重ね合わされる。このとき、図9に示すように、ピン37はピン挿通孔123に挿通される。その後、取付具76を、挿通孔67c及び挿通孔122に挿通すると共にナット部材124にねじ込む。これにより、取付ステー(被取付部位)67が取付プレート(取付部位)118に取り付けられる。つまり、ユニットブラケット65が支持ブラケット66に組み付け(取り付け)られる。
【0059】
ピン挿通孔123は、上下方向に長い長穴に形成されているので、ピン37と取付具76との公差を吸収することができる。
取付ステー(被取付部位)67及び取付プレート(取付部位)118の下方には、制御装置支持体86のカバー部材96の構成部96bが延出されている。
したがって、従来のように、支持ブラケット66側の取付部位の下面側に、ユニットブラケット65側の被取付部位を上下方向で重ね合わせ、この重ね合わせ部分を下方からボルトによって締結するのは困難である。そこで、本実施形態のように、支持ブラケット66側の取付部位(取付ステー67)の側面に、ユニットブラケット65側の被取付部位(取付プレート118)を機体幅方向K2で重ね合わせ、この重ね合わせ部分を側方からボルト(取付具76)によって締結することで、取付部位及び被取付部位の下方に部材があっても、ユニットブラケット65を支持ブラケット66に容易に組み付けることができる。
【0060】
また、取付ステー67を取付プレート118に取り付けるに際して、ピン37をピン挿通孔123に挿通することにより、ユニットブラケット65の荷重を支持ブラケット66に預けることができると共に、一本の取付具76で取付ステー67を取付プレート118に取り付けることができ、ユニットブラケット65と支持ブラケット66との組み付け性を向上させることができる。
【0061】
なお、ピン37は、取付プレート118に設けられていてもよい。この場合、ピン挿通孔123は、取付ステー67に形成される。また、ピン37を設ける位置は、図例の位置に限定されることはない。ピン37は、挿通孔67cに対して偏倚した位置(ピン37が取付プレート118に設けられる場合はナット部材124に対して偏倚した位置)に設けられていればよい。つまり、ピン37は、取付具76が取り付けられる位置に対して偏倚した位置に設けられていればよい。
また、ピン37を設けなくて、複数の取付具76(例えば、2つの取付具76)で取付ステー67を取付プレート118に取り付けるようにしてもよい。
【0062】
また、カバー部材96の構成部96bは、前方に向かうにつれて下方に移行する上面96aを含むので、取付ステー(被取付部位)67及び取付プレート(取付部位)118との干渉を防止することができる。
また、ユニットブラケット65と支持ブラケット66との組み付けは、例えば、メータ51及びエアコンダクト57が組まれた状態で行われるが、図7に示すように、通信ユニット58の機体幅方向K2の外方側(右方側)には、機体2に搭載された機器(例えば、作動油タンク、コントロールバルブ、バッテリ等)を収容するカバー体16が配置されているので、機体幅方向K2の外方側(右方側)から取付ステー67を取付プレート118に取り付けるのは困難であるが、本実施形態では、図18に示すように、通信ユニット58とメータ51及びエアコンダクト57との間から取付具76に機体幅方向K2の内方側からアクセスすることができる。これにより、機体幅方向K2の内方側からメータ51と通信ユニット58との間を通して、ユニットブラケット65を支持ブラケット66に取り付けることができる。
【0063】
また、図17に示すように、コンソール44R及びメータ51が組まれた状態で、ボルト88及びボルト121に上方からアクセスすることができる。
本実施形態の作業機1は、機体2と、機体2に搭載された運転席6と、運転席6の機体幅方向K2の外方側に配置されたコンソール44と、コンソール44の前部に設けられたメータ51と、メータ51の前方に配置された通信ユニット58と、通信ユニット58を支持するユニット支持体61とを備え、ユニット支持体61は、通信ユニット58が取り付けられるユニットブラケット65と、メータ51の機体幅方向K2の外方側に配置されて機体2側に取り付けられる支持ブラケット66と、ユニットブラケット65を支持ブラケット66に取り付ける取付具76と、を有し、ユニットブラケット65は、被取付部位(取付ステー)67を有し、支持ブラケット66は、被取付部位67が機体幅方向K2で重ね合わされる取付部位(取付プレート)118を有し、取付具76は、被取付部位67を取付部位118に機体幅方向K2から取り付ける。
【0064】
この構成によれば、ユニットブラケット65の被取付部位67を支持ブラケット66の取付部位118に機体幅方向K2から取り付けることで、支持ブラケット66にユニットブラケット65を容易に取り付けることができる。
また、取付部位118と被取付部位67との一方における取付具76が取り付けられる位置に対して偏倚した位置に設けられたピン37と、他方に設けられたピン挿通孔123とを備え、ピン37をピン挿通孔123に挿通した状態で取付具76により被取付部位67が取付部位118に取り付けられている。
【0065】
この構成によれば、支持ブラケット66に対するユニットブラケット65の取り付けを容易に行える。
また、ピン挿通孔123は、上下方向に長い長穴に形成され、取付具76は、ピン37の上方で取付部位118と被取付部位67とを締結する。
この構成によれば、取付具76の取り付け精度を向上させることができる。
【0066】
また、メータ51の機体幅方向K2の外方側に配置された制御装置85と、制御装置85を支持すると共に機体2側に取り付けられる制御装置支持体86と、を備え、支持ブラケット66は、制御装置支持体86上に前後方向K1に沿って取り付けられ、制御装置支持体86は、取付部位118及び被取付部位67の下方に延出し且つ前方に向かうにつれて下方に移行する上面を含む構成部96bを有している。
【0067】
この構成によれば、取付け高さを低くしつつ、支持ブラケット66を制御装置支持体86上に取り付けることができる。
また、通信ユニット58は、情報処理機器59と、情報処理機器59からデータを授受すると共に通信アンテナ92を内蔵していてデータを送信する通信機器60とを含み、情報処理機器59は、通信機器60の背面に配置されていて下面側にハーネス64が接続される接続部59aを有し、ユニットブラケット65は、接続部50aに接続されるハーネス64を下方からガードするガード部材49を有している。
【0068】
この構成によれば、ハーネス64を下方から保護することができる。
また、ガード部材49の下方に、運転席6に着座したオペレータが踏み操作するペダル部材50が配置されている。
この構成によれば、オペレータの足がハーネス64に接触するのを防止できる。
また、取付具76は、機体幅方向K2の内方側からメータ51と通信ユニット58との間を通して、被取付部位67と取付部位118とに取り付けられる。
【0069】
この構成によれば、取付部位118に対して被取付部位67を機体幅方向K2の内方側から取り付けることができる。
また、支持ブラケット66は、通信ユニット58から後方に且つ当該支持ブラケット66の上方に配策されるハーネス64の機体幅方向K2及び下方向の移動を規制するハーネスガイド108を有している。
【0070】
この構成によれば、ハーネス64が、支持ブラケット66及び支持ブラケット66の側方に在る部材に接触するのを防止できる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0071】
2 機体
6 運転席
37 ピン
44 コンソール
49 ガード部材
50 ペダル部材
51 メータ
58 通信ユニット
59 情報処理機器
59a 接続部
60 通信機器
61 ユニット支持体
64 ハーネス
65 ユニットブラケット
66 支持ブラケット
67 被取付部位(取付ステー)
76 取付具
85 制御装置
86 制御装置支持体
92 通信アンテナ
96b 構成部
108 ハーネスガイド
118 取付部位(取付プレート)
123 ピン挿通孔
K1 前後方向
K2 機体幅方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18