IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東芝テック株式会社の特許一覧

特許7559007チェックアウトシステム、連携装置及びそのプログラム
<>
  • 特許-チェックアウトシステム、連携装置及びそのプログラム 図1
  • 特許-チェックアウトシステム、連携装置及びそのプログラム 図2
  • 特許-チェックアウトシステム、連携装置及びそのプログラム 図3
  • 特許-チェックアウトシステム、連携装置及びそのプログラム 図4
  • 特許-チェックアウトシステム、連携装置及びそのプログラム 図5
  • 特許-チェックアウトシステム、連携装置及びそのプログラム 図6
  • 特許-チェックアウトシステム、連携装置及びそのプログラム 図7
  • 特許-チェックアウトシステム、連携装置及びそのプログラム 図8
  • 特許-チェックアウトシステム、連携装置及びそのプログラム 図9
  • 特許-チェックアウトシステム、連携装置及びそのプログラム 図10
  • 特許-チェックアウトシステム、連携装置及びそのプログラム 図11
  • 特許-チェックアウトシステム、連携装置及びそのプログラム 図12
  • 特許-チェックアウトシステム、連携装置及びそのプログラム 図13
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-20
(45)【発行日】2024-10-01
(54)【発明の名称】チェックアウトシステム、連携装置及びそのプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/06 20230101AFI20240924BHJP
【FI】
G06Q30/06
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022085241
(22)【出願日】2022-05-25
(65)【公開番号】P2023173175
(43)【公開日】2023-12-07
【審査請求日】2023-07-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】清吾 恒雄
【審査官】永野 一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-212502(JP,A)
【文献】特開2019-150123(JP,A)
【文献】特開2022-063425(JP,A)
【文献】特許第7052160(JP,B2)
【文献】特開2022-031206(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1台以上の登録機と1台以上の会計機とを含み、
前記1台以上の登録機毎に当該登録機を操作する第1のオペレータの下半身を撮影した第1画像を当該登録機に対して商品の登録操作が行われる毎に取得する第1画像取得手段と、
前記登録機に対して登録開始の操作が行われてから登録終了の操作が行われるまでの間に前記第1画像取得手段により取得した前記第1画像のうち異なる第1のオペレータの下半身が撮影された全ての第1画像を、前記登録機の識別情報と関連付けて記憶する第1記憶手段と、
記登録機で登録処理された取引に係るデータを当該登録機の識別情報と関連付けて記憶する第2記憶手段と、
前記1台以上の会計機毎に当該会計機を操作する第2のオペレータの下半身を撮影した第2画像を取得する第2画像取得手段と、
前記第1記憶手段で記憶されている全ての前記第1画像の中から前記第2画像取得手段で取得した前記第2画像と類似する前記第1画像を検索する検索手段と、
前記第2画像と類似する前記第1画像と関連付けて前記第1記憶手段で記憶されている前記識別情報と関連付けて前記第2記憶手段で記憶されている前記取引に係るデータを当該第2画像に下半身が写し出されている前記第2のオペレータが操作する前記会計機へと出力する出力手段と、
を具備するチェックアウトシステム。
【請求項2】
前記1台以上の登録機毎に当該登録機を操作する第1のオペレータの上半身を撮影した第3画像を当該登録機に対して商品の登録操作が行われる毎に取得する第3画像取得手段と、
前記1台以上の会計機毎に当該会計機を操作する第2のオペレータの上半身を撮影した第4画像を取得する第4画像取得手段と、
前記検索手段により前記第2画像と類似する前記第1画像が検出されると、当該第1画像に下半身が写し出されている前記第1のオペレータの上半身を撮影した前記第3画像と、当該第2画像に下半身が写し出されている前記第2のオペレータの上半身を撮影した前記第4画像とが類似しているか比較する比較手段と、
をさらに具備し、
前記出力手段は、前記比較手段による比較の結果、前記第3画像が前記第4画像と類似している場合に、前記取引に係るデータを前記会計機へと出力する、請求項1記載のチェックアウトシステム。
【請求項3】
前記第2画像取得手段は、前記第2のオペレータが前記会計機に対して会計開始の操作をした際に撮影された前記第2画像を取得する、請求項1又は2記載のチェックアウトシステム。
【請求項4】
1台以上の登録機及び1台以上の会計機と通信する通信手段と、
前記1台以上の登録機毎に当該登録機を操作する第1のオペレータの下半身を撮影した第1画像を当該登録機に対して商品の登録操作が行われる毎に取得する第1画像取得手段と、
前記登録機に対して登録開始の操作が行われてから登録終了の操作が行われるまでの間に前記第1画像取得手段により取得した前記第1画像のうち異なる第1のオペレータの下半身が撮影された全ての第1画像を、前記登録機の識別情報と関連付けて記憶する第1記憶手段と、
前記1台以上の会計機毎に当該会計機を操作する第2のオペレータの下半身を撮影した第2画像を取得する第2画像取得手段と、
前記第1記憶手段で記憶されている全ての前記第1画像の中から前記第2画像取得手段で取得した前記第2画像と類似する前記第1画像を検索する検索手段と、
前記第1のオペレータの操作により前記登録機で登録処理された取引に係るデータを当該登録機の識別情報と関連付けて記憶する記憶部に対し、前記第2画像と類似する前記第1画像と関連付けて前記第1記憶手段で記憶されている前記識別情報と関連付けて記憶されている前記取引に係るデータを当該第2画像に下半身が写し出されている前記第2のオペレータが操作する前記会計機へと出力するように制御する制御手段と、
を具備する連携装置。
【請求項5】
前記1台以上の登録機毎に当該登録機を操作する第1のオペレータの上半身を撮影した第3画像を当該登録機に対して商品の登録操作が行われる毎に取得する第3画像取得手段と、
前記1台以上の会計機毎に当該会計機を操作する第2のオペレータの上半身を撮影した第4画像を取得する第4画像取得手段と、
前記検索手段により前記第2画像と類似する前記第1画像が検出されると、当該第1画像に下半身が写し出されている前記第1のオペレータの上半身を撮影した前記第3画像と、当該第2画像に下半身が写し出されている前記第2のオペレータの上半身を撮影した前記第4画像とが類似しているか比較する比較手段と、
をさらに具備し、
前記制御手段は、前記比較手段による比較の結果、前記第3画像が前記第4画像と類似している場合に、前記取引に係るデータを前記会計機へと出力するように制御する、請求項4記載の連携装置。
【請求項6】
1台以上の登録機及び1台以上の会計機と通信する通信手段を備えた連携装置にコンピュータを、
前記1台以上の登録機毎に当該登録機を操作する第1のオペレータの下半身を撮影した第1画像を当該登録機に対して商品の登録操作が行われる毎に取得する第1画像取得手段、
前記登録機に対して登録開始の操作が行われてから登録終了の操作が行われるまでの間に前記第1画像取得手段により取得した前記第1画像のうち異なる第1のオペレータの下半身が撮影された全ての第1画像を、前記登録機の識別情報と関連付けて記憶する第1記憶手段、
前記1台以上の会計機毎に当該会計機を操作する第2のオペレータの下半身を撮影した第2画像を取得する第2画像取得手段、
前記第1記憶手段で記憶されている全ての前記第1画像の中から前記第2画像取得手段で取得した前記第2画像と類似する前記第1画像を検索する検索手段、及び、
前記第1のオペレータの操作により前記登録機で登録処理された取引に係るデータを当該登録機の識別情報と関連付けて記憶する記憶部に対し、前記第2画像と類似する前記第1画像と関連付けて前記第1記憶手段で記憶されている前記識別情報と関連付けて記憶されている前記取引に係るデータを当該第2画像に下半身が写し出されている前記第2のオペレータが操作する前記会計機へと出力するように制御する制御手段、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、チェックアウトシステム、連携装置及びそのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
客自身が買上商品の登録から会計までを行うフルセルフ方式のチェックアウトシステムがある。従来のフルセルフ方式のチェックアウトシステムは、買上商品の登録から会計までの一連の操作を客が移動することなく行えるように設計されたセルフPOS(Point Of Sales)端末を利用するのが主流である。しかしながら、この種のチェックアウトシステムは、商品の登録開始から会計終了まで一人の客がセルフPOS端末を占有する。このため、店舗の業種、業態、地域、客層、時間帯等の種々の条件により客一人当たりのセルフPOS端末占有時間が長くなると、システム全体の処理効率が低下して、客捌きが悪くなる懸念がある。
【0003】
フルセルフ方式のチェックアウトシステム以外にセミセルフ方式のチェックアウトシステムが知られている。セミセルフ方式のチェックアウトシステムは、買上商品の登録操作を行うための登録機と会計操作を行うための会計機とを分離し、登録機は店員が操作し、会計機は客が操作するようにしたものである。したがって、登録機の操作も客が行えるようにすれば、客自身が買上商品の登録操作と会計操作とを別々の機器でそれぞれ行うフルセルフ方式の分散型チェックアウトシステムを構成することができる。
【0004】
しかしながら、既存のセミセルフ方式のチェックアウトシステムは、1つのチェックアウトレーンに1台の登録機と2台以上の会計機を設置する。そして、登録機で買上商品が登録操作された客は、同じチェックアウトレーンのいずれかの会計機で会計操作を行うように、登録機と会計機が配置されている。このため、セミセルフ方式のチェックアウトシステムをフルセルフ方式に転換したところで、登録機に対する客一人当たりの占有時間が長くなれば、その登録機と同じチェックアウトレーンに配置されている会計機の空き時間が長くなる。その結果、システム全体の処理効率が低下すると推測される。
【0005】
以上の観点から、処理効率の優れたフルセルフ方式の分散型チェックアウトシステムが求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2012-248162号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の実施形態が解決しようとする課題は、処理効率に優れたフルセルフ方式の分散型チェックアウトシステムを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一実施形態において、チェックアウトシステムは、1台以上の登録機と1台以上の会計機とを含む。当該チェックアウトシステムは、第1画像取得手段と、第1記憶手段と、第2記憶手段と、第2画像取得手段と、検索手段と、出力手段とを備える。第1画像取得手段は、1台以上の登録機毎に当該登録機を操作する第1のオペレータの下半身を撮影した第1画像を取得する。第1記憶手段は、第1画像取得手段により取得した第1画像を、当該第1画像に下半身が写し出されている第1のオペレータが操作する登録機の識別情報と関連付けて記憶する。第2記憶手段は、第1のオペレータの操作により登録機で登録処理された取引に係るデータを当該登録機の識別情報と関連付けて記憶する。第2画像取得手段は、1台以上の会計機毎に当該会計機を操作する第2のオペレータの下半身を撮影した第2画像を取得する。検索手段は、第1記憶手段で記憶されている第1画像の中から第2画像取得手段で取得した第2画像と類似する第1画像を検索する。出力手段は、第2画像と類似する第1画像と関連付けて第1記憶手段で記憶されている識別情報と関連付けて第2記憶手段で記憶されている取引に係るデータを当該第2画像に下半身が写し出されている第2のオペレータが操作する会計機へと出力する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、分散型チェックアウトシステムの全体構成図である。
図2図2は、取引メモリに記憶される主要なデータの構成図である。
図3図3は、登録機メモリに記憶される主要なデータの構成図である。
図4図4は、会計機メモリに記憶される主要なデータの構成図である。
図5図5は、連携メモリに記憶される主要なデータの構成図である。
図6図6は、連携サーバの要部回路構成を示すブロック図である。
図7図7は、連携サーバのプロセッサが連携プログラムにしたがって実行する主要な情報処理の手順を示す流れ図である。
図8図8は、登録開始コマンドに対する第1処理の要部手順を示す流れ図である。
図9図9は、商品登録コマンドに対する第2処理の要部手順を示す流れ図である。
図10図10は、登録終了コマンドに対する第3処理の要部手順を示す流れ図である。
図11図11は、会計開始コマンドに対する第4処理の要部手順を示す流れ図である。
図12図12は、会計開始コマンドに対する第4処理の要部手順を示す流れ図である。
図13図13は、会計終了コマンドに対する第5処理の要部手順を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、一実施形態について、図面を用いて説明する。
本実施形態は、例えばスーパーマーケット、ホームセンター等の量販店向けの分散型チェックアウトシステムを例示する。本実施形態の分散型チェックアウトシステムは、登録機及び会計機をいずれも客が操作するようにしたフルセルフ方式である。
【0011】
[分散型チェックアウトシステムの構成説明]
図1は、分散型チェックアウトシステム100の全体構成図である。分散型チェックアウトシステム100は、1台以上の登録機10と、1台以上の会計機20とを含む。登録機10及び会計機20の台数は任意である。また、登録機10と会計機20とが同じ台数である必要はない。店舗の業種、業態、地域、客層、時間帯等の種々の条件に応じて、登録機10及び会計機20の台数を適宜決定することができる。
【0012】
登録機10は、原則、店舗の商品が陳列された売場とは別に確保された登録場に設置されている。登録場は1か所に限らない。店舗内の複数個所に登録場を設置し、各登録場にそれぞれ1台以上の登録機10を設置してもよい。
【0013】
会計機20は、原則、売場及び登録場とは別に確保された会計場に設置されている。会計場は1か所に限らない。店舗内の複数個所に会計場を設置し、各会計場にそれぞれ1台以上の会計機20を設置してもよい。なお、登録場と会計場とが同じスペースにあってもよい。
【0014】
また、分散型チェックアウトシステム100は、店舗サーバ30と、連携サーバ40と、店員端末50とを含む。そして、店舗サーバ30と各登録機10及び各会計機20とは、LAN(Local Area Network)等の通信ネットワーク61で接続される。また、店舗サーバ30と連携サーバ40とは、専用のサーバ間ネットワーク62で接続される。店員端末50は、有線又は無線の通信ネットワーク63を介して店舗サーバ30と接続される。
【0015】
店舗サーバ30は、主に、登録機10及び会計機20を制御して、店舗における商品の販売時点情報管理サービスを提供するためのコンピュータである。連携サーバ40は、客によって買上商品の登録操作が行われた登録機10と、その客が会計操作を行う会計機20とを連携するサービスを提供するためのコンピュータである。店員端末50は、少なくとも表示デバイスを備えた携帯型若しくは据置型の端末である。店員端末50の表示デバイスには、例えば登録機10及び会計機20の稼働状態を示す情報が表示される。店員は、店員端末50に表示される情報から登録機10及び会計機20の稼働状態をリアルタイムに把握できる。例えば、店員端末50に表示された情報から登録機10又は会計機20にエラーが発生したことを把握した店員は、即座にその登録機10又は会計機20が設置されている登録場又は会計場に出向いてエラーに対処することができる。
【0016】
かかる構成の分散型チェックアウトシステム100は、登録機10及び会計機20の各々に対し、それぞれ2つのカメラ71,72,73,74を設けている。カメラ71は、登録機10を操作する第1のオペレータの腰から下の下半身を撮影するためのものである。カメラ72は、第1のオペレータの腰から上の上半身を撮影するためのものである。カメラ71は、第1のオペレータの正面から下半身を撮影してもよいし、背面又は側面から下半身を撮影してもよい。カメラ72は、第1のオペレータの正面から上半身を撮影してもよいし、背面又は側面から上半身を撮影してもよい。例えば、カメラ71が第1のオペレータの背面から下半身を撮影し、カメラ72が第1のオペレータの正面から上半身を撮影してもよい。言い換えると、カメラ71は、登録機10を操作する第1のオペレータの腰から下の下半身を含めて撮影するためのものであればよく、カメラ72は、登録機10を操作する第1のオペレータの腰から上の上半身を含めて撮影するためのものであればよい。カメラ71及びカメラ72は、登録機10と一体的に設けられていてもよいし、登録機10とは別体で設けられていてもよい。
【0017】
カメラ73は、会計機20を操作する第2のオペレータの腰から下の下半身を撮影するためのものである。カメラ74は、第2のオペレータの腰から上の上半身を撮影するためのものである。カメラ73は、第2のオペレータの正面から下半身を撮影してもよいし、背面又は側面から下半身を撮影してもよい。カメラ74は、第2のオペレータの正面から上半身を撮影してもよいし、背面又は側面から上半身を撮影してもよい。例えば、カメラ73が第2のオペレータの背面から下半身を撮影し、カメラ74が第2のオペレータの正面から上半身を撮影してもよい。言い換えると、カメラ73は、会計機20を操作する第2のオペレータの腰から下の下半身を含めて撮影するためのものであればよく、カメラ74は、会計機20を操作する第2のオペレータの腰から上の上半身を含めて撮影するためのものであればよい。カメラ73及びカメラ74は、会計機20と一体的に設けられていてもよいし、会計機20とは別体で設けられていてもよい。
【0018】
第1のオペレータ及び第2のオペレータは、典型的には、店舗と商品の売買取引を行う客である。そして、登録機10に対して買上商品の登録操作を行った客、すなわち第1のオペレータは、必ず会計機20に対して買上商品の会計操作を行うことをルールとする。夫婦、親子等のグループ客は、適宜入れ替わって買上商品の登録操作を行う場合があるが、入れ替わった場合には、1品でも買上商品の登録操作を行った者が会計操作を行うことをルールとする。
【0019】
各カメラ71,72,73,74は、それぞれ通信ケーブル80によって連携サーバ40と接続されている。連携サーバ40は、各カメラ71,72,73,74の撮影オン、オフを制御する。そして連携サーバ40は、通信ケーブル80を介して各カメラ71,72,73,74で撮影された画像データ信号を取込み、種々の画像処理を行う。詳しくは、連携サーバ40は、各カメラ71,72,73,74で撮影された画像に基づいて、登録機10と会計機20とを連携するための画像処理を行う。
【0020】
分散型チェックアウトシステム100は、店舗サーバ30が備える記憶装置の記憶領域の一部を取引メモリ91の領域とする。また分散型チェックアウトシステム100は、連携サーバ40が備える記憶装置の記憶領域の一部を登録機メモリ92、会計機メモリ93及び連携メモリ94の領域とする。
【0021】
図2は、取引メモリ91に記憶される主要なデータの構成図である。図示するように取引メモリ91に記憶されるデータは、取引番号、登録機ID、取引日時、1以上の商品販売データ及び合計データを含む。取引番号は、客との売買取引毎に発番される一連の番号である。登録機IDは、その売買取引で販売される商品が登録された登録機10を識別する識別情報である。各登録機10には、それぞれ識別情報として固有の登録機IDが設定されている。取引日時は、その売買取引が実行された日時である。商品販売データは、その売買取引で販売される商品毎のデータである。商品販売データは、商品を識別する商品コード、商品名、価格、販売点数、販売金額等を含む。合計データは、各商品販売データの販売点数及び販売金額をそれぞれ合計した合計点数及び合計金額である。
【0022】
図3は、登録機メモリ92に記憶される主要なデータの構成図である。図示するように登録機メモリ92に記憶されるデータは、登録機IDと、終了フラグFと、撮影時刻別の第1画像及び第3画像の対データとを含む。終了フラグFは、登録機IDで識別される登録機10において売買取引で販売される商品の登録操作が終了したか否かを識別するための1ビットデータである。本実施形態では、登録操作終了を示す終了フラグFを“1”、登録操作未了を示す終了フラグFを“0”とする。第1画像は、その登録機10に設けられたカメラ71で撮影された画像、つまりは第1のオペレータの下半身を撮影した画像である。第3画像は、その登録機10に設けられたカメラ72で撮影された画像、つまりは第1のオペレータの上半身を撮影した画像である。本実施形態では、1台の登録機10に対し、2つのカメラ71,72が同期して撮影動作を行う。このため、登録機メモリ92には、撮影時刻と関連付けて、カメラ71が同時刻に撮影した第1画像とカメラ72が同時刻に撮影した第3画像とが記憶される。
【0023】
図4は、会計機メモリ93に記憶される主要なデータの構成図である。図示するように会計機メモリ93に記憶されるデータは、会計機IDと、撮影時刻と関連付けられた第2画像及び第4画像の対データを含む。会計機IDは、会計機20を識別するために会計機20毎に設定された識別情報である。第2画像は、その会計機20に設けられたカメラ73で撮影された画像、つまりは第2のオペレータの下半身を撮影した画像である。第4画像は、その会計機20に設けられたカメラ74で撮影された画像、つまりは第2のオペレータの上半身を撮影した画像である。本実施形態では、1台の会計機20に対し、2つのカメラ73,74が同期して撮影動作を行う。このため、会計機メモリ93には、撮影時刻と関連付けて、カメラ73が同時刻に撮影した第2画像とカメラ74が同時刻に撮影した第4画像とが記憶される。
【0024】
図5は、連携メモリ94に記憶される主要なデータの構成図である。図示するように連携メモリ94に記憶されるデータは、登録機IDと会計機IDと取引番号とステータスSTとからなるレコードデータである。各レコードデータには、一連のレコード番号(No.)が付されている。ステータスSTは、レコードデータの状態を示す。レコードデータの状態には、登録開始、商品登録中、登録終了、会計開始及び会計終了の5つの状態がある。本実施形態では、登録開始状態を示すステータスを“01”、商品登録中状態を示すステータスを“02”、登録終了状態を示すステータスを“03”、会計開始状態を示すステータスを“04”、会計終了状態を示すステータスを“05”とする。なお、ステータスSTの値は上記の値に限定されるものではない。また、レコードデータの状態は、上記の5つの状態に限定されるものでもない。
【0025】
かかる構成の分散型チェックアウトシステム100において、連携サーバ40は、連携装置の一態様である。そこで次に、連携サーバ40の構成と動作について具体的に説明する。
【0026】
[連携サーバの構成説明]
図6は、連携サーバ40の要部回路構成を示すブロック図である。連携サーバ40は、プロセッサ41、メインメモリ42、補助記憶デバイス43、時計44、通信インターフェース45、カメラインターフェース46及びシステムバス47を備える。システムバス47は、アドレスバス、データバス等を含む。連携サーバ40は、プロセッサ41と、メインメモリ42、補助記憶デバイス43、時計44、通信インターフェース45及びカメラインターフェース46とを、システムバス47で接続することにより、コンピュータを構成する。
【0027】
プロセッサ41は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ41は、オペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムに従って、連携サーバ40としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。プロセッサ41は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。
【0028】
メインメモリ42は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メインメモリ42は、不揮発性のメモリ領域及び揮発性のメモリ領域を含む。メインメモリ42は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムを記憶する。メインメモリ42は、揮発性のメモリ領域では、プロセッサ41が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを記憶する。この種のデータは、不揮発性のメモリ領域で記憶される場合もある。メインメモリ42は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ41によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。不揮発性のメモリ領域は、例えばROM(Read Only Memory)である。揮発性のメモリ領域は、例えばRAM(Random Access Memory)である。
【0029】
補助記憶デバイス43は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。補助記憶デバイス43としては、例えばSSD(Solid State Drive)、HDD(Hard Disc Drive)又はEEPROM(Electric Erasable Programmable Read-Only Memory)等の周知の記憶デバイスを単独で、あるいは複数組み合わせて用いられる。補助記憶デバイス43は、プロセッサ41が各種の処理を行う上で使用するデータ、プロセッサ41での処理によって生成されたデータ等を保存する。補助記憶デバイス43は、アプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
【0030】
時計44は、連携サーバ40の時刻情報源として機能する。プロセッサ41は、時計44によって計時される時刻情報を基に、現在の日付及び時刻を取得する。
【0031】
通信インターフェース45は、店舗サーバ30との間でサーバ間ネットワーク62を介して所定の通信プロトコルに従いデータ通信を行うためのインターフェースである。通信インターフェース45は、連携サーバ40の通信手段を構成する。
【0032】
カメラインターフェース46は、通信ケーブル80を介して各カメラ71,72,73,74とデータ通信を行うためのインターフェースである。連携サーバ40は、カメラインターフェース46から通信ケーブル80を介して各カメラ71,72,73,74に対して選択的に撮影オン信号または撮影オフ信号を出力する。そして連携サーバ40は、撮影オン状態にあるカメラ71,72,73,74で撮影された画像データをカメラインターフェース46から取り込む。
【0033】
かかる構成の連携サーバ40において、メインメモリ42及び補助記憶デバイス43は記憶装置を構成する。前述した登録機メモリ92、会計機メモリ93及び連携メモリ94は、メインメモリ42又は補助記憶デバイス43の記憶領域の一部に形成される。
【0034】
また、メインメモリ42又は補助記憶デバイス43が記憶するアプリケーションプログラムは、後述する連携プログラムを含む。連携プログラムをメインメモリ42又は補助記憶デバイス43にインストールする方法は特に限定されない。リムーバブルな記録媒体に連携プログラムを記録して、あるいはネットワークを介した通信により連携プログラムを配信して、メインメモリ42又は補助記憶デバイス43にインストールすることができる。記録媒体は、CD-ROM、メモリカード等のようにプログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能であれば、その形態は問わない。
【0035】
プロセッサ41は、第1画像取得手段411、第2画像取得手段412、第3画像取得手段413、第4画像取得手段414、第1記憶手段415、検索手段416、比較手段417及び制御手段418としての機能を有する。
【0036】
第1画像取得手段411は、登録機10毎に当該登録機10を操作する第1のオペレータの下半身を撮影した第1画像、つまりはカメラ71で撮影された画像を取得する機能である。
【0037】
第2画像取得手段412は、会計機20毎に当該会計機20を操作する第2のオペレータの下半身を撮影した第2画像、つまりはカメラ73で撮影された画像を取得する機能である。
【0038】
第3画像取得手段413は、登録機10毎に当該登録機10を操作する第1のオペレータの上半身を撮影した第3画像、つまりはカメラ72で撮影された画像を取得する機能である。
【0039】
第4画像取得手段414は、会計機20毎に当該会計機20を操作する第2のオペレータの上半身を撮影した第4画像、つまりはカメラ74で撮影された画像を取得する機能である。
【0040】
第1記憶手段415は、第1画像取得手段411により取得した第1画像を、当該第1画像に下半身が写し出されている第1のオペレータが操作する登録機10の識別情報、つまりは登録機IDと関連付けて記憶する機能である。第1画像の記憶先は、登録機メモリ92である。
【0041】
検索手段416は、第1記憶手段415により登録機メモリ92に記憶されている第1画像の中から、第2画像取得手段412で取得した第2画像と類似する第1画像を検索する機能である。検索手段416は、例えば第1画像に映し出されている第1のオペレータの下半身画像の特徴点と第2画像に映し出されている第2のオペレータの下半身画像の特徴点とのマッチングを取り、一致する特徴点が一定数以上ある場合に、その第1画像を第2画像と類似する画像とする。
【0042】
比較手段417は、検索手段416により第2画像と類似する第1画像が検出された場合に、当該第1画像に下半身が写し出されている第1のオペレータの上半身を撮影した第3画像と、当該第2画像に下半身が写し出されている第2のオペレータの上半身を撮影した第4画像とが類似しているか比較する機能である。比較手段417は、例えば検索手段416と同様に、第3画像に映し出されている第1のオペレータの上半身画像の特徴点と第4画像に映し出されている第2のオペレータの上半身画像の特徴点とのマッチングを取り、一致する特徴点が一定数以上ある場合に、その第3画像と第4画像とが類似していると認定する。
【0043】
制御手段418は、第1のオペレータの操作により登録機10で登録処理された取引に係るデータを当該登録機10の識別情報と関連付けて記憶する記憶部に対し、以下の制御を行う機能である。すなわち制御手段418は、第2画像と類似する第1画像と関連付けて第1記憶手段415で記憶されている識別情報、つまりは登録機IDと関連付けて記憶部に記憶されている取引に係るデータを、当該第2画像に下半身が写し出されている第2のオペレータが操作する会計機20へと出力するように制御する。具体的には、制御手段418は、検索手段416により第2画像と類似する第1画像が検出されると、その第1画像を撮影したカメラ71が設けられている登録機10で登録された取引に係るデータを、第2画像を撮影したカメラ73が設けられている会計機20へと出力する。あるいは制御手段418は、第1画像を撮影したカメラ71が設けられている登録機10に設けられたカメラ72で撮影された第3画像と、第2画像を撮影したカメラ73が設けられている会計機20に設けられたカメラ74で撮影された第4画像とを比較手段417で比較した結果、第3画像と第4画像とが類似していると認定された場合に、第1画像を撮影したカメラ71が設けられている登録機10で登録された取引に係るデータを、第2画像を撮影したカメラ73が設けられている会計機20へと出力してもよい。
【0044】
取引に係るデータを記憶する記憶部は、店舗サーバ30が有する取引メモリ91である。すなわち取引に係るデータは、取引メモリ91に記憶される取引番号、登録機ID、取引日時、商品販売データ、合計データ等である。ここに、取引メモリ91は、分散型チェックアウトシステム100における第2記憶手段として機能する。
【0045】
[連携サーバの動作説明]
図7乃至図13は、連携サーバ40のプロセッサ41が連携プログラムにしたがって実行する主要な情報処理の手順を示す流れ図である。以下、これらの流れ図を用いて、連携サーバ40の主要な動作について説明する。なお、以下に説明する動作は一例である。同様な結果が得られるのであれば、その手順は特に限定されるものではない。
【0046】
図7に示すように、プロセッサ41は、ACT1として通信インターフェース45を介してコマンドが入力されるのを待ち受けている。コマンドには、登録開始コマンド、商品登録コマンド、登録終了コマンド、会計開始コマンド、会計終了コマンド等がある。登録開始コマンドは、いずれかの登録機10において登録開始操作が行われたことに応じて、店舗サーバ30から連携サーバ40へと出力される。商品登録コマンドは、いずれかの登録機10において商品登録操作が行われたことに応じて、店舗サーバ30から連携サーバ40へと出力される。登録終了コマンドは、いずれかの登録機10において登録終了操作が行われたことに応じて、店舗サーバ30から連携サーバ40へと出力される。会計開始コマンドは、いずれかの会計機20において会計開始操作が行われたことに応じて、店舗サーバ30から連携サーバ40へと出力される。会計終了コマンドは、いずれかの会計機20において会計終了操作が行われたことに応じて、店舗サーバ30から連携サーバ40へと出力される。
【0047】
売場での買物を終えた客は、登録場へと移動し、空いている登録機10の正面に立つ。そして客は、例えば登録機10のタッチパネルに表示されている登録開始ボタンにタッチする。このような操作に係る信号が登録機10から店舗サーバ30へと送信されると、店舗サーバ30においては、新規の取引番号と信号送信元の登録機10の識別情報である登録機IDとを記憶した取引メモリ91が作成される。また、店舗サーバ30から連携サーバ40に登録開始コマンドが送信される。登録開始コマンドには、新たに作成された取引メモリ91に記憶される登録機IDが含まれる。
【0048】
登録開始操作を終えた客は、買上商品の商品コード、買上点数等を登録機10に入力するために、登録機10のスキャナまたはタッチパネル等を操作する。このような操作に係る信号が登録機10から店舗サーバ30へと送信されると、店舗サーバ30においては、信号送信元の登録機10の登録機IDを記憶した取引メモリ91に商品販売データが追加され、合計データが更新される。また、店舗サーバ30から連携サーバ40に商品登録コマンドが送信される。商品登録コマンドには、商品販売データが追加された取引メモリ91に記憶される登録機IDが含まれる。
【0049】
買上商品の登録を終えた客は、例えば登録機10のタッチパネルに表示されている登録終了ボタンにタッチする。このような操作に係る信号が登録機10から店舗サーバ30へと送信されると、店舗サーバ30においては、信号送信元の登録機10の登録機IDを記憶した取引メモリ91に取引日時が追加される。また、店舗サーバ30から連携サーバ40に登録終了コマンドが送信される。登録終了コマンドには、取引日時が追加された取引メモリ91に記憶される登録機IDが含まれる。
【0050】
登録機10を用いて買上商品を登録し終えた客は、会計場へと移動し、空いている会計機20の正面に立つ。そして客は、例えば会計機20のタッチパネルに表示されている会計開始ボタンにタッチする。このような操作に係る信号が会計機20から店舗サーバ30へと送信されると、店舗サーバ30から連携サーバ40に会計開始コマンドが送信される。会計開始コマンドには、信号送信元の会計機20の識別情報である会計機IDが含まれる。
【0051】
会計開始操作が行われた会計機20に対しては、連携サーバ40の機能により、当該会計機20の操作者である客が登録機10を操作して登録を行った買上商品のデータ、つまりは当該登録機10の登録機IDを記憶する取引メモリ91の取引に係るデータが店舗サーバ30から送られてくる。そして、会計機20の表示デバイスには、取引に係るデータを基に買上商品の商品名、買上点数、合計金額等が表示される。そこで客は、表示された内容が自らの取引に係るデータであることを確認したならば、会計機20に対して代金の支払い操作を行う。支払い方法は、特に限定されない。現金支払いであってもよいし、クレジットカード、電子マネー、コード決済等の非現金支払いであってもよい。
【0052】
支払い操作によって会計機20での決済が完了すると、会計機20から店舗サーバ30へと決済終了信号が送信される。この決済終了信号を受けて、店舗サーバ30から連携サーバ40へと会計終了コマンドが送信される。会計終了コマンドには、決済終了信号送信元の会計機20の識別情報である会計機IDが含まれる。
【0053】
図7の説明に戻る。
ACT1において、コマンドが入力されると、プロセッサ41は、ACT2乃至ACT6としてそのコマンドの種類を識別する。そして、登録開始コマンドを入力した場合には、プロセッサ41は、ACT2からACT7へと進み、第1処理を実行する。商品登録コマンドを入力した場合には、プロセッサ41は、ACT3からACT8へと進み、第2処理を実行する。登録終了コマンドを入力した場合には、プロセッサ41は、ACT4からACT9へと進み、第3処理を実行する。会計開始コマンドを入力した場合には、プロセッサ41は、ACT5からACT10へと進み、第4処理を実行する。会計終了コマンドを入力した場合には、プロセッサ41は、ACT6からACT11へと進み、第5処理を実行する。
【0054】
第1処理、第2処理、第3処理、第4処理及び第5処理の詳細については後述する。第1処理、第2処理、第3処理、第4処理又は第5処理のいずれかの処理を終えたプロセッサ41は、ACT1へと戻る。すなわちプロセッサ41は、次のコマンドが入力されるのを待ち受ける。そしてコマンドが入力されると、プロセッサ41は、ACT2以降の処理を前述したのと同様に実行する。このようにプロセッサ41は、通信インターフェース5を介してコマンドを入力する毎にそのコマンドの種類に応じた処理を実行する。かかる処理は、連携プログラムによって制御される。
【0055】
図8は、登録開始コマンドに対する第1処理の要部手順を示す流れ図である。プロセッサ41は、第1処理に入ると、ACT21として登録開始コマンドから登録機IDを取得する。以下では、登録開始コマンドから取得した登録機IDを登録機IDaと表す。プロセッサ41は、ACT22として番号カウンタnを“1”だけカウントアップする。番号カウンタnは、初期値を“0”とする加算カウンタである。番号カウンタは、例えば店舗の一営業日の営業終了後にリセットされて、初期値に戻る。
【0056】
ACT21及びACT22の処理を終えると、プロセッサ41は、ACT23へと進む。プロセッサ41は、ACT23として連携メモリ94のレコード番号nと対応付けられた登録機IDのエリアに登録機IDaをセットする。またプロセッサ41は、ACT24として連携メモリ94のレコード番号nと対応付けられたステータスSTを、登録開始状態を示す“01”とする。レコード番号nは、番号カウンタnの現在値である。
【0057】
ACT23及びACT24の処理を終えると、プロセッサ41は、ACT25へと進む。プロセッサ41は、ACT25として登録機IDaで識別される登録機10に設けられたカメラ71及びカメラ72に対して撮影オン信号を出力する。この撮影オン信号により、カメラ71及びカメラ72が起動する。その結果、登録機IDaで識別される登録機10の正面に立つ客、いわゆる第1のオペレータの下半身がカメラ71によって撮影され、上半身がカメラ72によって撮影される。以上で、プロセッサ41は、第1処理を終了する。
【0058】
このようにプロセッサ41は、いずれかの登録機10において登録開始操作が行われると、その登録機10の登録機IDaを含むレコードデータを連携メモリ94に追加する。またプロセッサ41は、その登録機10に設けたカメラ71及びカメラ72を起動する。かくして、登録機10で買上商品の登録操作を行う第1のオペレータの下半身がカメラ71によって撮影される。また、登録機10で買上商品の登録操作を行う第1のオペレータの上半身がカメラ72によって撮影される。
【0059】
図9は、商品登録コマンドに対する第2処理の要部手順を示す流れ図である。プロセッサ41は、第2処理に入ると、ACT31として商品登録コマンドから登録機IDを取得する。以下では、商品登録コマンドから取得した登録機IDを登録機IDbと表す。プロセッサ41は、ACT32として時計44によって計時されている日時を撮影時刻として取得する。プロセッサ41は、ACT33として登録機IDbで識別される登録機10に設けられたカメラ71で撮影された画像、つまりは第1のオペレータの下半身を撮影した第1画像を取得する。プロセッサ41は、ACT34として登録機IDbで識別される登録機10に設けられたカメラ72で撮影された画像、つまりは第1のオペレータの上半身を撮影した第3画像を取得する。
【0060】
ACT31乃至ACT34の処理を終えると、プロセッサ41は、ACT35へと進む。プロセッサ41は、ACT35として連携メモリ94に記憶されるレコードデータのうち、登録機IDbを含むレコードデータのステータスSTが“01”であるか否かを確認する。ステータスSTが“01”の場合、すなわち登録開始操作が行われた登録機10での最初の商品登録操作である場合には、プロセッサ41は、ACT36へと進む。プロセッサ41は、ACT36として登録機IDbを含むレコードデータのステータスSTを、商品登録中状態を示す“02”とする。プロセッサ41は、ACT37として登録機IDbを記憶した登録機メモリ92を作成する。プロセッサ41は、ACT38として同登録機メモリ92の終了フラグFを、登録操作未了を示す“0”とする。
【0061】
ACT36乃至ACT38の処理を終えると、プロセッサ41は、ACT39へと進む。プロセッサ41は、ACT39として、ACT33の処理で取得した第1画像と、ACT34の処理で取得した第3画像とを、ACT32の処理で取得した撮影時刻とともに、ACT37の処理で作成した登録機メモリ92に記憶させる。
【0062】
一方、ACT35において、登録機IDbを含むレコードデータのステータスSTが “02”である場合、すなわち登録機10での2品目以降の商品登録操作である場合には、プロセッサ41は、ACT40へと進む。プロセッサ41は、ACT40として登録機IDbを記憶した登録機メモリ92を選択する。以下では、登録機IDbを記憶した登録機メモリ92を登録機メモリ92-1と表す。プロセッサ41は、ACT41として登録機メモリ92-1に記憶されている全ての第1画像と、ACT33の処理で取得した第1画像とを比較する。プロセッサ41は、ACT42として、ACT33の処理で取得した第1画像に写し出されている第1のオペレータと同一人物の下半身が写し出された第1画像が登録機メモリ92-1に記憶されているか否かを確認する。例えば各々の第1画像に映し出されている第1のオペレータの下半身画像の特徴点のマッチングを取り、一致する特徴点が一定数以上ある場合に、該当する第1画像が登録機メモリ92-1に記憶されていると認定する。
【0063】
該当する第1画像が登録機メモリ92-1に記憶されていると認定した場合、プロセッサ41は、ACT43へと進む。プロセッサ41は、ACT43として登録機メモリ92-1において該当する第1画像と対になって記憶されている第3画像と、ACT34の処理で取得した第3画像とを比較する。プロセッサ41は、ACT44として、2つの第3画像に映し出されている人物が同一人物であるか否かを確認する。例えばプロセッサ41は、各々の第3画像に映し出されている第1のオペレータの上半身画像の特徴点のマッチングを取り、一致する特徴点が一定数以上ある場合に、同一人物であると認定する。
【0064】
同一人物であると認定した場合、プロセッサ41は、ACT45へと進む。プロセッサ41は、ACT45として、ACT33及びACT34の処理で取得した第1画像及び第3画像を破棄する。
【0065】
これに対し、プロセッサ41は、ACT42において該当する第1画像が登録機メモリ92-1に記憶されていなかった場合、あるいはACT44において同一人物でないと認定した場合には、前述したACT39へと進む。プロセッサ41は、ACT33の処理で取得した第1画像と、ACT34の処理で取得した第3画像とを、ACT32の処理で取得した撮影時刻とともに、登録機メモリ92-1に記憶させる。以上で、プロセッサ41は、第2処理を終了する。
【0066】
このようにプロセッサ41は、登録機10において商品登録操作が行われる毎に、その登録操作を行った第1のオペレータの下半身を撮影した第1画像と上半身を撮影した第3画像とを取得する。そしてプロセッサ41は、当該登録機10の登録機IDbを含む登録機メモリ92-1に撮影時刻と関連付けて第1画像と第3画像を記憶させる。ただしプロセッサ41は、既に登録機メモリ92-1に記憶されている第1画像及び第3画像に映し出されている第1のオペレータと同一人物を撮影したと推定される第1画像及び第3画像については、登録機メモリ92-1に記憶することなく破棄する。
【0067】
したがって、登録機メモリ92には、登録機IDで識別される登録機10で商品登録操作を行った第1のオペレータの下半身を撮影した第1画像と上半身を撮影した第3画像とが記憶される。ここで、二人以上の客が第1のオペレータとして商品登録操作を行った場合には、各客の第1画像と第3画像が記憶される。
【0068】
図10は、登録終了コマンドに対する第3処理の要部手順を示す流れ図である。プロセッサ41は、第3処理に入ると、ACT51として登録終了コマンドから登録機IDを取得する。以下では、登録終了コマンドから取得した登録機IDを登録機IDcと表す。プロセッサ41は、ACT52として時計44によって計時されている日時を撮影時刻として取得する。プロセッサ41は、ACT53として登録機IDcで識別される登録機10に設けられたカメラ71で撮影された画像、つまりは第1のオペレータの下半身を撮影した第1画像を取得する。プロセッサ41は、ACT54として登録機IDcで識別される登録機10に設けられたカメラ72で撮影された画像、つまりは第1のオペレータの上半身を撮影した第3画像を取得する。
【0069】
ACT51乃至ACT54の処理を終えると、プロセッサ41は、ACT55へと進む。プロセッサ41は、ACT55として連携メモリ94に記憶されるレコードデータのうち、登録機IDcを含むレコードデータのステータスSTが“02”であるか否かを確認する。ステータスSTが“02”でない場合、すなわち商品登録操作が行われていない登録機10に対して登録終了操作が行われた場合には、プロセッサ41は、ACT56へと進む。プロセッサ41は、ACT56として、ACT53及びACT54の処理で取得した第1画像及び第3画像を破棄する。
【0070】
これに対し、ステータスSTが“02”である場合、すなわち商品登録操作が行われた登録機10に対して登録終了操作が行われた場合には、プロセッサ41は、ACT57へと進む。プロセッサ41は、ACT57として登録機IDcを含むレコードデータのステータスSTを、登録終了状態を示す“03”とする。
【0071】
プロセッサ41は、ACT58として登録機IDcを記憶した登録機メモリ92を選択する。以下では、登録機IDcを記憶した登録機メモリ92を登録機メモリ92-2と表す。プロセッサ41は、ACT59として登録機メモリ92-2に、ACT53の処理で取得した第1画像と、ACT54の処理で取得した第3画像とを、ACT52の処理で取得した撮影時刻とともに記憶させる。
【0072】
ACT59の処理を終えると、プロセッサ41は、ACT60として登録機IDcで識別される登録機10に設けたカメラ71及びカメラ72に撮影オフ信号を出力する。この撮影オフ信号により、カメラ71及びカメラ72は撮影動作を停止する。プロセッサ41は、ACT61として登録機メモリ92-2の終了フラグFを“1”とする。以上で、プロセッサ41は、第3処理を終了する。
【0073】
このようにプロセッサ41は、登録機10において登録終了操作が行われると、その登録操作を行った第1のオペレータの下半身を撮影した第1画像と上半身を撮影した第3画像とを取得する。そしてプロセッサ41は、同登録機10の登録機IDcを記憶した登録機メモリ92-2に撮影時刻と関連付けて第1画像と第3画像を記憶させる。またプロセッサ41は、同登録機10に設けたカメラ71及びカメラ72の撮影動作を停止させる。
【0074】
したがって、登録機メモリ92には、登録機IDで識別される登録機10で商品登録操作を行った第1のオペレータの下半身を撮影した第1画像と上半身を撮影した第3画像とに加えて、同登録機10で登録終了操作を行った第1のオペレータの下半身を撮影した第1画像と上半身を撮影した第3画像とが記憶される。
【0075】
ここに、プロセッサ41は、図9のACT33及び図10のACT53の処理により、第1画像取得手段411としての機能を実現する。プロセッサ41は、図9のACT34及び図10のACT54の処理により、第3画像取得手段413としての機能を実現する。プロセッサ41は、図9のACT39及び図10のACT59の処理により、第1記憶手段415としての機能を実現する。
【0076】
図11及び図12は、会計開始コマンドに対する第4処理の要部手順を示す流れ図である。プロセッサ41は、第4処理に入ると、図11のACT71として会計開始コマンドから会計機IDを取得する。以下では、会計開始コマンドから取得した会計機IDを会計機IDdと表す。プロセッサ41は、ACT72として会計機IDdで識別される会計機20に設けられたカメラ73及びカメラ74に対して撮影オン信号を出力する。この撮影オン信号により、カメラ73及びカメラ74が起動する。その結果、会計機IDdで識別される会計機20の正面に立つ客、いわゆる第2のオペレータの下半身がカメラ73によって撮影され、上半身がカメラ74によって撮影される。
【0077】
プロセッサ41は、ACT73として時計44によって計時されている日時を撮影時刻として取得する。プロセッサ41は、ACT74として会計機IDdで識別される会計機20に設けられたカメラ73で撮影された画像、つまりは第2のオペレータの下半身を撮影した第2画像を取得する。プロセッサ41は、ACT75として会計機IDdで識別される会計機20に設けられたカメラ74で撮影された画像、つまりは第2のオペレータの上半身を撮影した第4画像を取得する。
【0078】
ACT71乃至ACT75の処理を終えると、プロセッサ41は、ACT76へと進む。プロセッサ41は、ACT76として会計機IDdを記憶した会計機メモリ93を作成する。以下では、会計機IDdを記憶した会計機メモリ93を会計機メモリ93-1と表す。プロセッサ41は、ACT77として、ACT74の処理で取得した第2画像と、ACT75の処理で取得した第4画像とを、ACT73の処理で取得した撮影時刻とともに会計機メモリ93-1に記憶させる。
【0079】
プロセッサ41は、ACT78として減算カウンタrの初期値を番号カウンタnの現在値とする。プロセッサ41は、ACT79として連携メモリ94に記憶されるレコードデータのうち、レコード番号rのレコードデータのステータスSTを取得する。レコード番号rは、減算カウンタrの現在値である。
【0080】
プロセッサ41は、ACT80として取得したステータスSTが登録終了を示す“03”であるか否かを確認する。ステータスSTが登録終了を示す“03”でない場合、プロセッサ41は、ACT81へと進む。プロセッサ41は、ACT81として減算カウンタrを“1”だけカウントダウンする。そしてプロセッサ41は、ACT82として減算カウンタrが“0”になったか否かを確認する。減算カウンタrが“0”でない、すなわち正の値の場合には、プロセッサ41は、ACT79へと戻る。プロセッサ41は、ACT79以降の処理を前述したのと同様に実行する。
【0081】
このように、プロセッサ41は、連携メモリ94に記憶されているレコードデータをレコード番号が大きい方から順に検索する。そして、ステータスSTが登録終了を示す“03”のレコードデータを検出すると、ACT80においてYESと判定し、図12のACT91へと進む。
【0082】
なお、登録終了操作が行われた登録機10が存在しないにも関わらず、いずれかの会計機20で会計開始操作が行われた異常事象の場合、連携メモリ94にステータスSTが“03”のレコードデータが存在しないので、ACT82において減算カウンタrが“0”になる。減算カウンタrが“0”になると、プロセッサ41は、ACT83へと進む。プロセッサ41は、ACT83として会計機IDdで識別される会計機20に設けたカメラ73及びカメラ74に撮影オフ信号を出力する。この撮影オフ信号により、カメラ73及びカメラ74は撮影動作を停止する。プロセッサ41は、ACT84として会計機IDdを記憶した会計機メモリ931を削除する。
【0083】
ACT83およびACT84の処理を終えると、プロセッサ41は、ACT85へと進む。プロセッサ41は、ACT85として店舗サーバ30に対して店員呼出指令のデータ信号を出力する。店員呼出指令のデータ信号は、会計機IDdを含む。店員呼出指令のデータ信号は、店舗サーバ30から店員端末50へと出力される。これにより、店員端末50においては、会計機IDdで識別される会計機20において、登録機10と連携できないエラーが発生したことを通知するための表示がなされる。したがって、この表示を確認した店員は、該当する会計機20へと向かうこととなる。
【0084】
前述したように、レコード番号rのレコードデータのステータスSTが“03”である場合、プロセッサ41は、図12のACT91へと進む。プロセッサ41は、ACT91としてそのレコードデータから登録機IDを取得する。以下では、レコード番号rのレコードデータから取得した登録機IDを登録機IDeと表す。
【0085】
プロセッサ41は、ACT92として登録機IDeを含む登録機メモリ92の中で終了フラグFが登録操作終了を示す“1”の登録機メモリ92を選択する。なお、後述するが、登録機メモリ92は、その登録機メモリ92に記憶される登録機IDで識別される登録機10で登録された商品の会計が開始されるまでは削除されない。このため、その登録機10で商品登録操作を行った客が会計を開始する前に、次の客がその登録機10で商品登録操作を開始すると、同一の登録機IDを記憶した登録機メモリ92が複数存在することとなる。そこで、同一の登録機IDを記憶した登録機メモリ92が複数存在する場合には、プロセッサ41は、ACT73の処理で取得した撮影時刻以前の撮影時刻を記憶する登録機メモリ92を選択する。以下では、選択した登録機メモリ92を登録機メモリ92-3と表す。
【0086】
プロセッサ41は、ACT93として登録機メモリ92-3に記憶されている全ての第1画像と、ACT77の処理で会計機メモリ931に記憶した第2画像とを比較する。プロセッサ41は、ACT94として、その第2画像に写し出されている第2のオペレータと同一人物の下半身が写し出された第1画像が登録機メモリ923に記憶されているか否かを確認する。例えば第2画像に映し出されている第2のオペレータの下半身画像の特徴点と、第1画像に映し出されている第1のオペレータの下半身画像の特徴点とのマッチングを取り、一致する特徴点が一定数以上ある場合、プロセッサ41は、該当する第1画像が登録機メモリ92-3に記憶されていると認定する。
【0087】
ACT94において、該当する第1画像が登録機メモリ92-3に記憶されていない場合には、プロセッサ41は、図11のACT79へと戻る。そしてプロセッサ41は、ACT79以降の処理を前述したのと同様に実行する。
【0088】
ACT94において、該当する第1画像が登録機メモリ923に記憶されている場合には、プロセッサ41は、ACT95へと進む。プロセッサ41は、ACT95として該当する第1画像と対になって登録機メモリ923に記憶されている第3画像と、ACT77の処理で会計機メモリ931に記憶した第4画像とを比較する。プロセッサ41は、ACT96として、その第4画像に写し出されている第2のオペレータと第3画像に写し出されている第1のオペレータとが同一人物であるか否かを確認する。例えば第4画像に映し出されている第2のオペレータの上半身画像の特徴点と、第3画像に映し出されている第1のオペレータの上半身画像の特徴点とのマッチングを取り、一致する特徴点が一定数以上ある場合、プロセッサ41は、第不のオペレータと第1のオペレータとが同一人物であると認定する。
【0089】
ACT96において、同一人物でないと認定した場合には、プロセッサ41は、図11のACT79へと戻る。そしてプロセッサ41は、ACT79以降の処理を前述したのと同様に実行する。
【0090】
ACT96において、同一人物であると認定した場合には、プロセッサ41は、ACT97へと進む。プロセッサ41は、ACT97として連携メモリ94のレコード番号rと対応付けられた会計機IDのエリアに会計機IDdをセットする。プロセッサ41は、ACT98として店舗サーバ30に対して取引番号要求コマンドを出力する。取引番号要求コマンドには、ACT91の処理で取得した登録機IDeと、ACT92の処理で選択した登録機メモリ92-3に記憶されている撮影時刻のうち最も新しい撮影時刻、つまりは登録終了コマンドを受信した時点の撮影時刻とが含まれている。
【0091】
取引番号要求コマンドを受信した店舗サーバ30は、その取引番号要求コマンドに含まれる登録機IDeを含む取引メモリ91のうち、取引日時が取引番号要求コマンドに含まれる撮影時刻と一致する取引メモリ91を選択する。以下では、選択された取引メモリ91を取引メモリ91-1と表す。店舗サーバ30は、取引メモリ91-1に記憶されている取引番号を連携サーバ40へと通知する。
【0092】
この通知を受けて、連携サーバ40のプロセッサ41は、ACT99へと進む。プロセッサ41は、ACT99として連携メモリ94のレコード番号rと対応付けられた取引番号のエリアに、店舗サーバ30から通知された取引番号をセットする。プロセッサ41は、ACT100として連携メモリ94のレコード番号rと対応付けられたステータスSTを、会計開始状態を示す“04”とする。プロセッサ41は、ACT101として会計機IDdで識別される会計機20に設けたカメラ73及びカメラ74に撮影オフ信号を出力する。この撮影オフ信号により、カメラ73及びカメラ74は撮影動作を停止する。
【0093】
ACT99乃至ACT101の処理を終えると、プロセッサ41は、ACT102へと進む。プロセッサ41は、ACT102として店舗サーバ30に対して取引データの出力指令コマンドを出力する。出力指令コマンドには、ACT97の処理で連携メモリ94にセットした会計機IDdと、ACT99の処理で連携メモリ94にセットした会計機IDdと取引番号とが含まれる。
【0094】
その後、プロセッサ41は、ACT103として、ACT92の処理で選択した登録機メモリ92-3を削除する。以上で、プロセッサ41は、第4処理を終了する。
【0095】
このように、プロセッサ41は、会計機IDdの会計機20において会計開始操作が行われると、その会計開始操作を行った第2のオペレータの下半身を撮影した第2画像と上半身を撮影した第4画像とを取得する。そしてプロセッサ41は、先ず、第2画像と、登録終了操作が行われた登録機10の登録機IDを含む登録機メモリ92-3に記憶されている第1画像とを比較する。その結果、第2画像に映し出されている第2のオペレータと同一人物であると認定される第1のオペレータの下半身を撮影した第1画像が検出された場合には、プロセッサ41は、その第1画像と対応付けて登録機メモリ92-3に記憶されている第3画像と、第4画像とを比較する。その結果、第4画像に映し出されている第2のオペレータと第3画像に映し出されている第1のオペレータとが同一人物であると認定された場合、プロセッサ41は、店舗サーバ30に対して取引データの出力指令コマンドを出力する。そしてプロセッサ41は、登録機メモリ92-3を削除する。
【0096】
出力指令コマンドを受信した店舗サーバ30は、その出力指令コマンドに含まれる取引番号がセットされた取引メモリ911のデータ、つまりは取引に係るデータを、同出力指令コマンドに含まれる会計機IDdで識別される会計機20へと出力する。会計機20においては、取引に係るデータを基に買上商品の商品名、買上点数、合計金額等が表示デバイスに表示される。
【0097】
ここに、プロセッサ41は、図11のACT74の処理により、第2画像取得手段412としての機能を実現する。プロセッサ41は、図11のACT75の処理により、第4画像取得手段414としての機能を実現する。プロセッサ41は、図12のACT91乃至ACT94の処理により、検索手段416としての機能を実現する。プロセッサ41は、図12のACT95及びACT96の処理により、比較手段417としての機能を実現する。プロセッサ41は、図12のACT102の処理により、制御手段418としての機能を実現する。一方、店舗サーバ30は、連携サーバ40と連動して出力手段として機能する。
【0098】
会計機IDdで識別される会計機20に対して会計開始操作を行った客は、表示デバイスに表示された内容が自らの取引に係るデータであるか確認する。そして、自らの取引に係るデータであることを確認した客は、会計機20に対して代金の支払い操作を行う。
【0099】
図13は、会計終了コマンドに対する第5処理の要部手順を示す流れ図である。プロセッサ41は、第5処理に入ると、ACT111として会計終了コマンドから会計機IDを取得する。以下では、会計終了コマンドから取得した会計機IDを会計機IDfと表す。プロセッサ41は、ACT112として連携メモリ94に記憶されたレコードデータのうち、会計機IDfを含むレコードデータのステータスSTが“04”であるか否かを確認する。ステータスSTが“04”でない場合、すなわち会計開始操作がなされていない会計機20から会計終了操作がなされた異常事象の場合には、プロセッサ41は、ACT113へと進む。プロセッサ41は、ACT113として、前述したACT85と同様に、店舗サーバ30に対して店員呼出指令のデータ信号を出力する。
【0100】
会計機IDfを含むレコードデータのステータスSTが“04”である場合には、プロセッサ41は、ACT114へと進む。プロセッサ41は、ACT114として同ステータスSTを、会計終了状態を示す“05”とする。プロセッサ41は、ACT115として会計機IDfを記憶した会計機メモリ93を削除する。以上で、プロセッサ41は、第5処理を終了する。
【0101】
このように、プロセッサ41は、いずれかの会計機20において会計終了操作が行われると、その会計機20の会計機IDfを含む会計機メモリ93を削除する。
【0102】
[分散型チェックアウトシステムの作用効果]
本実施形態の分散型チェックアウトシステム100は、1台以上の登録機10に対してそれぞれカメラ71とカメラ72とを設けている。そして、その登録機10を操作する第1のオペレータの下半身をカメラ71で撮影し、上半身をカメラ72で撮影している。また、1台以上の会計機20に対してもそれぞれカメラ73とカメラ74とを設けている。そして、その会計機20の正面に立った第2のオペレータの下半身をカメラ73で撮影し、上半身をカメラ74で撮影している。
【0103】
店舗サーバ30は、第1のオペレータの操作により登録機10で登録処理された取引に係るデータを、取引メモリ91により、当該登録機10の識別情報である登録機IDと関連付けて記憶している。
【0104】
連携サーバ40は、少なくとも登録機10に対して登録終了操作を行った第1のオペレータの下半身を撮影した第1画像と、上半身を撮影した第3画像とを取得し、登録機メモリ92により登録機10別に記憶する。また連携サーバ40は、会計機20に対して会計開始操作を行った第2のオペレータの下半身を撮影した第2画像と、上半身を撮影した第4画像とを取得し、会計機メモリ93により会計機20別に記憶する。そして連携サーバ40は、第2画像に映し出されている第2のオペレータと同一人物が第1のオペレータとして映し出されている第1画像、つまりは第2画像と連携する第1画像を検索する。
【0105】
このとき、第1画像と第2画像に映し出されているのは、オペレータ、つまりは客の下半身である。主に、靴、サンダル等の履物と、ズボン、スカート等の衣類が写し出されている。一般に、客が登録場から会計場へと移動する際に、上着を脱いだり、着たりすることはあり得る。しかし、履物や下半身を覆う衣類を履き替えることは想定されにくい。したがって、連携サーバ40は、第2画像と連携する第1画像を高い精度を持って検出することができる。
【0106】
しかも本実施形態では、第2画像と連携する第1画像を検出した場合、その第1画像と同時に撮影された第3画像に映し出されている第1のオペレータと、その第2画像と同時に撮影された第4画像に映し出されている第2のオペレータとが同一人物であるか否かを確認している。したがって、より一層の高い精度を持って、第2画像と連携する第1画像を検出するこができる。
【0107】
そして、第2画像と連携する第1画像を検出した連携サーバ40は、その第1画像を記憶している登録機メモリ92に対する登録機10で登録された取引に係るデータを、第2画像を記憶している会計機メモリ93に対する会計機20に出力するように、店舗サーバ30を制御する。この制御により、第1のオペレータによって登録機10で登録された取引に係るデータが、第1のオペレータと同一人物である第2のオペレータが会計開始操作を行った会計機20へと出力される。
【0108】
したがって、いずれかの登録機10で買上商品の登録に係る操作を行った客は、いずれの会計機20でも会計に係る操作を行うことができる。つまり客は、空いている登録機10で買上商品の登録に係る操作を行い、また、空いている会計機20で会計に係る操作を行えばよい。したがって、店舗の業種、業態、地域、客層、時間帯等の種々の条件に応じて、登録機10及び会計機20の台数を適宜設定することによって、客の登録及び会計に係る待ち時間を無くすことができ、結果的に、処理効率に優れた分散型チェックアウトシステム100を提供することができる。
【0109】
ところで、2つの画像に映し出されている人物が同一人物であるか否かを確認する方法として、生体認証を利用する方法がある。しかし、この方法は、画像から生体情報を取得するために複雑な画像処理が要求される。これに対して本実施形態では、画像のマッチングを利用して、画像に写し出されている第1のオペレータと第2のオペレータとが同一人物であるか否かを確認している。したがって、生体認証を利用する方法よりも画像処理を簡略化できるので、プロセッサ41の負荷を軽減できる効果を奏する。
【0110】
また、会員カード等の媒体を利用して、登録機10を操作する第1のオペレータと会計機20を操作する第2のオペレータとを連携する方法も考えられる。しかしこの方法は、媒体が必要となる上、登録機10及び会計機20に媒体のデータを読み取らせるための格別な操作が要求される。これに対して本実施形態では、登録機10で買上商品の登録操作を終えた客は空いている会計機20の前に立てばよいので、客の負担になることはない。また、媒体及びそのデータを読み取るための格別な機器も不要である。
【0111】
[変形例]
前記実施形態では、連携装置の一態様として連携サーバ40を例示した。連携装置の一態様は、連携サーバ40に限定されるものではない。例えば、連携サーバ40としての機能と店舗サーバ3としての機能とを併せ持つ1つのサーバを、連携装置の一態様としてもよい。あるいは、登録機10又は会計機20のうちのいずれか一台に連携サーバ40としての機能を持たせてもよい。この場合、登録機10と会計機20とにより、その登録機10と会計機20の台数をフレキシブルに可変できる処理効率に優れたフルセルフ方式の分散型チェックアウトシステムを構成することができる。
【0112】
前記実施形態では、登録機10に対して買上商品の登録操作を行った客が必ず会計機20に対して買上商品の会計操作を行うことをルールとした。この点に関しては、登録機10に対して買上商品の登録終了操作を行った客が必ず会計機20に対して買上商品の会計開始操作を行うことをルールとしてもよい。このようなルールを適用することにより、連携サーバ40のプロセッサ41が実行する第2処理を省略することができる。
【0113】
前述したように、連携サーバ40は、第2画像と連携する第1画像を高い精度を持って検出することができる。したがって、その精度が十分であれば、第1のオペレータの上半身を撮影するカメラ72と、第2のオペレータの上半身を撮影するカメラ74とを省略してもよい。そうすることにより、第2処理のACT34、第3処理のACT54、第4処理のACT95およびACT96の処理をなくすことができる。
【0114】
カメラ71及びカメラ73によって撮影するオペレータの下半身の範囲は、腰から下に限定されない。客が登録場から会計場へと移動する際に履物を履き替えることは先ずあり得ないので、履物が確実に撮影できる足下をカメラ71及びカメラ73の撮影範囲としてもよい。そうすることにより、マッチングを行う画像の特徴点が少なくなるので、プロセッサ41の処理負荷を軽減することができる。
【0115】
この他、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態及びその変形は、発明の範囲に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]1台以上の登録機と1台以上の会計機とを含み、前記1台以上の登録機毎に当該登録機を操作する第1のオペレータの下半身を撮影した第1画像を取得する第1画像取得手段と、前記第1画像取得手段により取得した前記第1画像を、当該第1画像に下半身が写し出されている前記第1のオペレータが操作する前記登録機の識別情報と関連付けて記憶する第1記憶手段と、前記第1のオペレータの操作により前記登録機で登録処理された取引に係るデータを当該登録機の識別情報と関連付けて記憶する第2記憶手段と、前記1台以上の会計機毎に当該会計機を操作する第2のオペレータの下半身を撮影した第2画像を取得する第2画像取得手段と、前記第1記憶手段で記憶されている前記第1画像の中から前記第2画像取得手段で取得した前記第2画像と類似する前記第1画像を検索する検索手段と、前記第2画像と類似する前記第1画像と関連付けて前記第1記憶手段で記憶されている前記識別情報と関連付けて前記第2記憶手段で記憶されている前記取引に係るデータを当該第2画像に下半身が写し出されている前記第2のオペレータが操作する前記会計機へと出力する出力手段と、を具備するチェックアウトシステム。
[2]前記1台以上の登録機毎に当該登録機を操作する第1のオペレータの上半身を撮影した第3画像を取得する第3画像取得手段と、前記1台以上の会計機毎に当該会計機を操作する第2のオペレータの上半身を撮影した第4画像を取得する第4画像取得手段と、前記検索手段により前記第2画像と類似する前記第1画像が検出されると、当該第1画像に下半身が写し出されている前記第1のオペレータの上半身を撮影した前記第3画像と、当該第2画像に下半身が写し出されている前記第2のオペレータの上半身を撮影した前記第4画像とが類似しているか比較する比較手段と、をさらに具備し、前記出力手段は、前記比較手段による比較の結果、前記第3画像が前記第4画像と類似している場合に、前記取引に係るデータを前記会計機へと出力する、付記[1]記載のチェックアウトシステム。
[3]前記第1画像取得手段は、前記第1のオペレータが前記登録機に対して登録終了の操作をした際に撮影された前記第1画像を取得し、前記第2画像取得手段は、前記第2のオペレータが前記会計機に対して会計開始の操作をした際に撮影された前記第2画像を取得する、付記[1]又は[2]記載のチェックアウトシステム。
[4]1台以上の登録機及び1台以上の会計機と通信する通信手段と、前記1台以上の登録機毎に当該登録機を操作する第1のオペレータの下半身を撮影した第1画像を取得する第1画像取得手段と、前記第1画像取得手段により取得した前記第1画像を、当該第1画像に下半身が写し出されている前記第1のオペレータが操作する前記登録機の識別情報と関連付けて記憶する第1記憶手段と、前記1台以上の会計機毎に当該会計機を操作する第2のオペレータの下半身を撮影した第2画像を取得する第2画像取得手段と、前記第1記憶手段で記憶されている前記第1画像の中から前記第2画像取得手段で取得した前記第2画像と類似する前記第1画像を検索する検索手段と、前記第1のオペレータの操作により前記登録機で登録処理された取引に係るデータを当該登録機の識別情報と関連付けて記憶する記憶部に対し、前記第2画像と類似する前記第1画像と関連付けて前記第1記憶手段で記憶されている前記識別情報と関連付けて記憶されている前記取引に係るデータを当該第2画像に下半身が写し出されている前記第2のオペレータが操作する前記会計機へと出力するように制御する制御手段と、を具備する連携装置。
[5]前記1台以上の登録機毎に当該登録機を操作する第1のオペレータの上半身を撮影した第3画像を取得する第3画像取得手段と、前記1台以上の会計機毎に当該会計機を操作する第2のオペレータの上半身を撮影した第4画像を取得する第4画像取得手段と、前記検索手段により前記第2画像と類似する前記第1画像が検出されると、当該第1画像に下半身が写し出されている前記第1のオペレータの上半身を撮影した前記第3画像と、当該第2画像に下半身が写し出されている前記第2のオペレータの上半身を撮影した前記第4画像とが類似しているか比較する比較手段と、をさらに具備し、前記制御手段は、前記比較手段による比較の結果、前記第3画像が前記第4画像と類似している場合に、前記取引に係るデータを前記会計機へと出力するように制御する、付記[4]記載の連携装置。
[6]1台以上の登録機及び1台以上の会計機と通信する通信手段を備えた連携装置にコンピュータを、前記1台以上の登録機毎に当該登録機を操作する第1のオペレータの下半身を撮影した第1画像を取得する第1画像取得手段、前記第1画像取得手段により取得した前記第1画像を、当該第1画像に下半身が写し出されている前記第1のオペレータが操作する前記登録機の識別情報と関連付けて記憶する第1記憶手段、前記1台以上の会計機毎に当該会計機を操作する第2のオペレータの下半身を撮影した第2画像を取得する第2画像取得手段、前記第1記憶手段で記憶されている前記第1画像の中から前記第2画像取得手段で取得した前記第2画像と類似する前記第1画像を検索する検索手段、及び、前記第1のオペレータの操作により前記登録機で登録処理された取引に係るデータを当該登録機の識別情報と関連付けて記憶する記憶部に対し、前記第2画像と類似する前記第1画像と関連付けて前記第1記憶手段で記憶されている前記識別情報と関連付けて記憶されている前記取引に係るデータを当該第2画像に下半身が写し出されている前記第2のオペレータが操作する前記会計機へと出力するように制御する制御手段、として機能させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0116】
10…登録機、20…会計機、30…店舗サーバ、40…連携サーバ、41…プロセッサ、42…メインメモリ、43…補助記憶デバイス、44…時計、45…通信インターフェース、46…カメラインターフェース、50…店員端末、71,72,73,74…カメラ、91…取引メモリ、92…登録機メモリ、93…会計機メモリ、94…連携メモリ
100…分散型チェックアウトシステム、411…第1画像取得手段、412…第2画像取得手段、413…第3画像取得手段、414…第4画像取得手段、415…第1記憶手段、416…検索手段、417…比較手段、418…制御手段。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13