(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-20
(45)【発行日】2024-10-01
(54)【発明の名称】関節内安定化構造
(51)【国際特許分類】
A61B 17/56 20060101AFI20240924BHJP
【FI】
A61B17/56
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022150035
(22)【出願日】2022-09-21
(62)【分割の表示】P 2020529754の分割
【原出願日】2017-12-01
【審査請求日】2022-09-21
(73)【特許権者】
【識別番号】516183819
【氏名又は名称】クロスローズ エクストリミティ システムズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ティー.ウェイド フォーリン
(72)【発明者】
【氏名】ジャスティン テイバー
(72)【発明者】
【氏名】マシュー カラム
(72)【発明者】
【氏名】ピニット ピシトクル
【審査官】北村 龍平
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-509949(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0030480(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0172936(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0262185(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0351809(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/56 - 17/92
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向軸を画定する第1の骨トンネルを有する第1の骨部分と、前記長手方向軸を中心とした第2の骨トンネルを有する第2の骨部分との間の関節を安定させるための装置であって、
前記第1の骨トンネル内に配置される第1の固定部と、
前記第2の骨トンネル内に配置される第2の固定部と、
前記第1の固定部と前記第2の固定部との間で張力がかけられる、第1および第2の対向端部を有する可撓性合成ストランドと、を備え、
前記第1の固定部は、固定アンカーとネジ付き止めネジを含み、
前記固定アンカーは、
近位側面と遠位側面を有するヘッドであって、前記遠位側面は、前記第1の骨トンネルの第1の端部の周りで、前記第1の骨部分の第1の表面に当接する、前記ヘッドと、
前記ヘッドから遠位に突出する長手方向シャンクであって、前記長手方向シャンクは、近位部分、遠位部分、および、それらを通って延びる軸方向の穴を有し、前記長手方向シャンクは、前記第1の骨トンネルの前記第1の端部から、前記関節に隣接する、前記第1の骨トンネルの第2の端部に向かって、前記第1の骨トンネルに挿入され、前記長手方向シャンクは、前記第1の骨トンネルの長さに近い長さを有し、前記長手方向シャンクが、前記第1の骨トンネルに挿入されると、前記長手方向シャンクの前記遠位部分は、前記第1の骨部分の第2の表面に隣接する、前記第1の骨トンネルの前記第2の端部まで延び、前記長手方向シャンクは、骨トンネル保護スリーブを提供する、前記長手方向シャンクを含
み、
ネジ付きレシーバが、前記長手方向シャンクの前記近位部分に形成されており、
前記可撓性合成ストランドの前記第1および第2の対向端部は、前記ネジ付きレシーバに回転式に挿入される前記ネジ付き止めネジを介して、前記固定アンカーに対して固定され、前記第1と第2の固定部の間の前記関節を横切って内部に延びる、前記可撓性合成ストランドの連続した途切れのない長さをもたらすことを特徴とする装置。
【請求項2】
請求項
1に記載の装置であって、前記第2の固定部は、その中に形成された第2の軸方向の穴を有する第2の長手方向シャンクと、前記第2の軸方向の穴と連通する折り返し構成を含む、折り返しアンカーを含み、前記第2の長手方向シャンクは、前記第2の骨トンネルに挿入され、
前記可撓性合成ストランドの前記第1の対向端部は、前記ネジ付きレシーバを通って前記固定アンカーに入り、前記骨トンネル保護スリーブを通って前記固定アンカーを出て、前記第1と第2の骨部分の間の前記関節を横断し、前記第2の軸方向の穴を通って、前記折り返しアンカーに入り、前記折り返し構成の周りを進み、前記第2の軸方向の穴を通って、前記折り返しアンカーを出て、前記骨トンネル保護スリーブを通って前記固定アンカーに再度入り、前記ネジ付きレシーバを通って前記固定アンカーを出て行き、
前記可撓性合成ストランドは、前記固定アンカーと前記折り返しアンカーの間で張力がかけられ
ることを特徴とする装置。
【請求項3】
請求項1に記載の装置であって、
前記第2の固定部は、折り返しアンカーを含み、
前記第2の骨トンネルは、めくら穴トンネルであり、
前記折り返しアンカ
ーが、前記関節に隣接する前記第1の骨トンネルの前記第2の端部から、前記第2の骨トンネルの第1の端部に向かって、前記めくら穴トンネルに挿入されることを特徴とする装置。
【請求項4】
請求項
2に記載の装置であって、前記折り返しアンカーは、さらに、近位側面および遠位側面を有する第2のヘッドを含み、前記第2のヘッドの前記遠位側面が、前記第2の骨トンネルの第1の端部の周りの、前記第2の骨部分の第1の表面に隣接し、
前記第2の長手方向シャンクは、前記第2のヘッドから遠位に突出し、前記第2の長手方向シャンクは、前記第2の骨トンネルの長さに近い長さを有し、前記第2の長手方向シャンクが、前記第2の骨トンネルの前記第1の端部から、前記関節に隣接する前記第2の骨トンネルの第2の端部に向かって、前記第2の骨トンネルに挿入されるとき、前記第2の長手方向シャンクは、前記第2の骨部分の第2の表面に隣接する、前記第2の骨トンネルの前記第2の端部まで延在し、前記第2の長手方向シャンクは、第2の骨トンネル保護スリーブを提供することを特徴とする装置。
【請求項5】
請求項
4に記載の装置であって、前記折り返しアンカーの前記第2のヘッドは、前記第2の骨トンネルで前記第2の骨部分の前記第1の表面に当接する、骨プレート上で位置合わせすることを特徴とする装置。
【請求項6】
請求項1に記載の装置であって、前記固定アンカーの前記ヘッドは、前記長手方向シャンクの前記近位部分と枢動可能に連結され、前記ヘッドは、前記第1の骨トンネルと第1の骨表面間のトンネル角度に合致する、前記ヘッドの遠位面と前記長手方向シャンクとの間のアンカー角度を達成するため、選択的に角度づけられることを特徴とする装置。
【請求項7】
請求項1に記載の装置であって、前記固定アンカーの
前記ネジ付きレシーバは、近位部分、中間部分、および、遠位部分を含み、前記ネジ付き止めネジは、近位部分、中間部分、および、遠位部分を含み、前記ネジ付き止めネジは、前記ネジ付きレシーバに回転して挿入するように構成され、前記ネジ付きレシーバと前記ネジ付き止めネジの前記近位部分と前記中間部分の間を通過する、前記可撓性合成ストランドの周りで、漸進的に増加する締まり嵌めと、前記ネジ付きレシーバと前記ネジ付き止めネジの前記中間部分と前記遠位部分の間を通過する、前記可撓性合成ストランドの周りで、漸進的に減少する締まり嵌めを達成し、前記漸進的に増加する締まり嵌めと前記漸進的に減少する締まり嵌めは、組み合わさって、前記固定アンカーに対して前記可撓性合成ストランドを固定することを特徴とする装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
背景
靭帯は骨格系の骨を相互接続し、骨格関節の安定化と運動学に関与する。損傷した靭帯機能をもたらす、さまざまな障害が発生し得る。そのような障害は、例えば、靭帯が骨に付着する場所での、骨の部分的および完全な断裂および剥離を含む。靭帯の障害は、骨格系全体で発生する。
【背景技術】
【0002】
例として、ヒトの足首100は、
図1~
図3に示されるように、複数の骨および軟組織の複雑な接合である。足首は、脛骨102、腓骨104、距骨106の間の関節が含む。脛骨102と腓骨104の間の関節は、骨が結合組織によって一緒に結合されている、靭帯結合またはわずかに可動の関節である。脛骨と腓骨の間の靭帯結合は、前下脛腓靱帯(AITFL)110、後下脛腓靱帯(PITFL)112、および、骨間靭帯(IOL)114(
図3)を含む。靭帯結合靭帯は、しばしば、激しい足首の捻挫で傷つけられる。足首関節の他の損傷しがちな靭帯は、とりわけ、前距腓靱帯(ATFL)120、後距腓靱帯(PTFL)122、および、表面の、および、深い三角筋靭帯を含む、三角筋靭帯複合体124を含む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
靭帯を補強し、治癒と正常な関節機能を促進するために使用される、現在のインプラント、器具、および方法は、多くの課題を提示し、改善が必要とされる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
要約
この要約は、以下の詳細な説明でさらに説明される、簡略化した形での概念の抜粋を紹介するために提供される。この要約は、特許請求される主題の主要な態様または本質的な態様を特定することを意図されない。さらに、この要約は、特許請求される主題の範囲を決定する際の補助としての使用を意図されない。一実施形態は、第1の骨部分を貫通して穴をあけられた、骨トンネル内に可撓性合成ストランド構造を形成することに使用するアンカーを提供し、骨トンネルは、第1の骨部分の第1の表面に隣接する第1の端部、および、第1の骨部分の第2の表面近くの第2の端部を有する。アンカーは、(1)近位側および遠位側を有するヘッドであって、遠位側は、骨トンネルの第1の端部の周りの第1の骨部分の第1の表面に当接するように構成されるヘッド、(2)ヘッドに取り付けられた近位端から遠位端まで、ヘッドから遠位に突出する、長手方向シャンクであって、長手方向シャンクは、長手方向軸を画定し、骨トンネルの第1の端部から骨トンネルの第2の端部に向かって骨トンネルに挿入されるように構成された、シャンクを含み、(a)軸方向の穴が長手方向軸に沿ってアンカー内に延び、(b)シャンクの長さは骨のトンネルの長さに近く、(c)別個の、ストランド固定部から、または、固定部へ進む際に、可撓性の合成ストランドが、シャンクの遠位端の軸方向の穴に出入りすると、シャンクは、骨トンネルに対する可撓性の合成ストランドの横方向の動きを防止する、骨トンネル保護スリーブを提供し、それにより、骨トンネル内での骨の摩耗を防止する。
【0005】
別の実施形態は、第1の骨部分を貫通して穴を開けられた骨トンネルに対して、可撓性合成ストランドを固定するための無結節固定システムを提供し、骨トンネルは、第1の骨部分の第1の表面に隣接する第1の端部、および、第1の骨部分の第2の表面の近くの第2の端部を有する。固定システムは、固定アンカーと止めネジを含む。固定アンカーは、(1)ヘッド、(2)ヘッドから遠位方向に突出する長手方向シャンクであって、シャンクは、近位部分、遠位部分、および、それらの間に延びる軸方向の穴を有し、シャンクは、長手方向軸を規定し、骨トンネルの第1の端部から骨トンネルの第2の端部に向かって骨トンネル内に挿入するように構成された、シャンク、および、(3)シャンクの近位部分に形成されたレシーバであって、レシーバは、近位のテーパ角度で配向された近位部分、中間のテーパ角度で配向された中間部分、および、遠位のテーパ角度で配向された遠位部分にわたって延びる、内部ネジを有する、レシーバを含む。止めネジは、対向する近位テーパ角度で配向された近位部分、対向する中間テーパ角度で配向された中間部分、および、対向する遠位テーパ角度で配向された遠位部分にわたって延びる、外部ネジを含み、レシーバの近位、中間、および、遠位テーパ角度と、止めネジの、対向する近位、対向する中間、および、対向する遠位テーパ角度は、止めネジがレシーバに回転式に挿入されたときに、止めネジとレシーバが、止めネジとレシーバの近位部分と中間部分の間に延在する可撓性合成ストランドの長さに適用される近位圧縮力における段階的な増加と、レシーバと止めネジの中間部分と遠位部分の間に延在する可撓性合成ストランドの長さに適用される遠位圧縮力の漸進的な減少を提供するように構成される。
【0006】
さらに別の実施形態は、長手方向軸を画定する第1の骨トンネルを有する第1の骨部分と、長手方向軸を中心とした第2の骨トンネルを有する第2の骨部分との間の関節を安定させる内部構造を提供する。内部構造は、第1の骨トンネル内の第1の固定部と第2の骨トンネル内の第2の固定部との間に、張力がかけられた、第1端および第2の対向端を有する可撓性合成ストランドを含み、第1の固定部は、固定アンカーおよびネジ付き止めネジを含む。固定アンカーは、(1)近位側および遠位側を有するヘッドであって、遠位側は、第1の骨トンネルの第1の端部の周りの第1の骨部分の第1の表面に当接するヘッド、(2)ヘッドから遠位方向に突出する長手方向のシャンクであって、シャンクは、近位部分、遠位部分、および、それらを貫通して延びる軸方向の穴を有し、シャンクは、第1の骨トンネルの第1の端部から、関節に隣接する第1の骨トンネルの第2の端部に向かって、第1の骨トンネルに挿入され、シャンクは、第1の骨トンネルの長さに近い長さを有し、シャンクが、第1の骨トンネルに挿入されると、シャンクの遠位部分が、第1の骨部分の第2の表面に隣接する、第1の骨トンネルの第2の端部まで延び、シャンクが、骨トンネル保護スリーブを提供する、シャンクを含む。
【0007】
本技術の追加の目的、利点、および新規の特徴は、以下の説明で一部において明らかにされるであろうし、一部において、以下の検討で当業者により明らかになるであろうし、または、本技術の実践から学習され得る。
【0008】
好ましい実施形態を含む、本発明の非限定的かつ完全に網羅的ではない実施形態が、以下の図を参照して説明され、特に指定されない限り、種々の図を通して、同様の参照番号は、同様の部分に言及する。本発明の例示的な実施形態が図面に示される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図4】ボタン状の縫合糸折り返しアンカーの一実施形態の上面図である。
【
図5】ヘッドをもたないネジ式縫合糸折り返しアンカーの一実施形態の側面図である。
【
図6】多軸縫合糸折り返しアンカーの一実施形態の斜視図である。
【
図7】多軸縫合糸折り返しアンカーの一実施形態の斜視図である。
【
図8】多軸縫合糸折り返しアンカーの一実施形態の正面図である。
【
図9】多軸縫合糸折り返しアンカーの一実施形態の側面図、である。
【
図10】多軸縫合糸折り返しアンカーの一実施形態の背面図である。
【
図11】多軸縫合糸折り返しアンカーの一実施形態の側面図、である。
【
図12】多軸縫合糸折り返しアンカーの一実施形態の断面図である。
【
図13】縫合糸固定アンカーの一実施形態の側面図である。
【
図14】縫合糸固定アンカーの一実施形態の正面図である。
【
図15】縫合糸固定アンカーの一実施形態の断面図である。
【
図16】縫合糸固定アンカーの一実施形態の斜視図である。
【
図17】縫合糸固定アンカーの一実施形態の斜視図である。
【
図18】縫合糸固定アンカーの一実施形態の正面図である。
【
図19】縫合糸固定アンカーの一実施形態の背面図である。
【
図21】縫合糸ストランドとレシーバと止めネジとの間に締まり嵌めを形成するために、その中に止めネジが挿入された、
図20のレシーバの断面図である。
【
図23】ネジを除いた、
図21の止めネジおよびレシーバの断面図である。
【
図24】皿穴に埋められるヘッドを有する、ネジ式縫合糸固定アンカーの一実施形態の斜視図である。
【
図25】皿穴に埋められるヘッドを有する、ボタン型縫合糸固定アンカーの一実施形態の斜視図である。
【
図26】多軸縫合糸固定アンカーの一実施形態の斜視図である。
【
図27】多軸縫合糸固定アンカーの一実施形態の斜視図である。
【
図28】多軸縫合糸固定アンカーの一実施形態の側面図である。
【
図29】多軸縫合糸固定アンカーの一実施形態の断面図である。
【
図30】
図13~19の縫合糸固定アンカーと共に使用中の、逆トルクアンカー駆動器具の一実施形態の分解図である。
【
図31】骨盤の解剖学的横断面に平行な仙骨を通る部分断面図を示し、開示された器具の実施形態を使用して、盲穴骨トンネルを介して仙腸骨骨折関節を補強するための手術シーケンスの工程を示す図である。
【
図32】骨盤の解剖学的横断面に平行な仙骨を通る部分断面図を示し、開示された器具の実施形態を使用して、盲穴骨トンネルを介して仙腸骨骨折関節を補強するための手術シーケンスの工程を示す図である。
【
図33】骨盤の解剖学的横断面に平行な仙骨を通る部分断面図を示し、開示された器具の実施形態を使用して、盲穴骨トンネルを介して仙腸骨骨折関節を補強するための手術シーケンスの工程を示す図である。
【
図34】
図31~
図33により示される、手術シーケンスを詳述するフローチャートを提供する図である。
【
図35】開示された器具の実施形態を使用した、前下脛腓靭帯(AITFL)のための、靭帯結合締め付け構造の一実施形態の側面図である。
【
図36】
図35の靭帯結合締め付け構造を形成するための、例示的な操作方法を示すフローチャートを提供する図である。
【
図37】は、開示された器具の実施形態を使用し、骨プレートを組み込んだ、AITFLのための靭帯結合締め付け構造の別の実施形態の側面図である。
【
図38】
図35の靭帯結合締め付け構造の図説を提供し、各々は、スリーブ間に延びる縫合糸の自由範囲を減少させる、漸進的により長いアンカースリーブを示す図である。
【
図39】
図35の靭帯結合締め付け構造の図説を提供し、各々は、スリーブ間に延びる縫合糸の自由範囲を減少させる、漸進的により長いアンカースリーブを示す図である。
【
図40】
図35の靭帯結合締め付け構造の図説を提供し、各々は、スリーブ間に延びる縫合糸の自由範囲を減少させる、漸進的により長いアンカースリーブを示す図である。
【
図41】腓骨骨幹の骨折を有するヒトの足首の側面図である。
【
図42】開示された器具の実施形態を使用した、
図41に示される、結合された、腓骨骨折の修復と、脛骨と腓骨との間の靭帯結合関節の補強のための、手術シーケンスの工程を示す図である。
【
図43】開示された器具の実施形態を使用した、
図41に示される、結合された、腓骨骨折の修復と、脛骨と腓骨との間の靭帯結合関節の補強のための、手術シーケンスの工程を示す図である。
【
図44】開示された器具の実施形態を使用した、
図41に示される、結合された、腓骨骨折の修復と、脛骨と腓骨との間の靭帯結合関節の補強のための、手術シーケンスの工程を示す図である。
【
図45】開示された器具の実施形態を使用した、
図41に示される、結合された、腓骨骨折の修復と、脛骨と腓骨との間の靭帯結合関節の補強のための、手術シーケンスの工程を示す図である。
【
図46】開示された器具の実施形態を使用した、
図41に示される、結合された、腓骨骨折の修復と、脛骨と腓骨との間の靭帯結合関節の補強のための、手術シーケンスの工程を示す図である。
【
図47】開示された器具の実施形態を使用した、
図41に示される、結合された、腓骨骨折の修復と、脛骨と腓骨との間の靭帯結合関節の補強のための、手術シーケンスの工程を示す図である。
【
図48】開示された器具の実施形態を使用した、
図41に示される、結合された、腓骨骨折の修復と、脛骨と腓骨との間の靭帯結合関節の補強のための、手術シーケンスの工程を示す図である。
【
図49】
図42~
図48によって示される、手術シーケンスを詳述するフローチャートを提供する図である。
【
図50】
図48に示されるものと同様の、結合された、修復および補強構造を形成するための手術シーケンスの代替工程を示す図である。
【
図51】
図48に示されるものと同様の、結合された、修復および補強構造を形成するための手術シーケンスの代替工程を示す図である。
【
図52】
図48に示されるものと同様の、結合された、修復および補強構造を形成するための手術シーケンスの代替工程を示す図である。
【
図53】
図48に示されるものと同様の、結合された、修復および補強構造を形成するための手術シーケンスの代替工程を示す図である。
【
図54】
図50~53によって示される、手術シーケンスを詳述するフローチャートを提供する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
詳細な説明
当業者が、システムおよび方法を実施することを可能にするために、実施形態が、十分詳細に、以下に、より完全に説明される。しかしながら、実施形態は、多くの異なる形態で実施され得、本明細書に記載される実施形態に限定されると解釈されるべきではない。したがって、以下の詳細な説明は、限定的な意味で解釈されるべきではない。
【0011】
本明細書で説明される技術は、靭帯強化および骨折修復構造を提供するために使用される装置、および、対応する使用方法に関する。実施形態は、いくつかの縫合糸折り返しアンカー、縫合糸固定アンカー、アンカー固定ドライバー、骨保護スリーブ、および、本明細書に記載の器具および機器を使用する手術方法を介して構築される、関節内靭帯強化および/または骨折修復を含む。
【0012】
開示された器具、および/または、構造は、例えば、縫合糸、縫合テープ、ケーブル、または別の適切な可撓性合成ストランドなど(以下、「可撓性ストランド」、「可撓性合成ストランド」または「縫合糸」)と組み合わせて使用され得、および/または、これらを使用し得る。
【0013】
縫合糸折り返しアンカー
図4~5は、縫合糸折り返しアンカーの例を示す。
図4において、縫合糸折り返しアンカー200は、本体202を貫通する複数の穴204を備えたボタンの形態の、ほぼ平坦なディスク形状の本体202を有する。縫合糸206は、ボタンを縫合糸に固定するために、穴204を挿通され得る。縫合糸206は、骨の穴またはトンネルを通され得、その後、アンカー200は、穴に隣接する骨の表面に当接して、縫合糸が穴を通して引っ張るのを防止する。縫合糸206は、矢印207によって示される第1の方向で、アンカー本体の穴204の1つに通され、次に、矢印209によって示される、第2の、反対の方向で、穴204の別の1つを通って戻され、その結果、縫合糸206の端部は、一緒に、アンカー200の共通の側で、アンカー200から離れて延在して設けられるので、アンカー200は、縫合糸折り返しアンカーの一例である。
【0014】
縫合糸折り返しアンカーは、例えば、補強処置の別の部分からの縫合糸が、骨の片側からのアプローチを使用して固定および緊張される必要がある場合に使用され得る。縫合糸は、別の固定構造に固定された第1の端部および第2の自由端部を有し得る。第2の端部は、縫合糸折り返しアンカーに通されて戻され得、その結果、第2の端部での引っ張りは、補強構造に張力をかける。縫合糸折り返しアンカーはまた、インプラントを通ってスライドすることなく張力をかけられる、縫合糸の2つの端部またはループを供給するために使用され得る。
【0015】
図5は、外部螺旋ネジ山275を有するシャンク274を含む、頭なしネジの形態の縫合糸折り返しアンカー270の別の実施形態を示す。シャンク274は、遠位の第1の横穴278、シャンク274の近位端で開口する軸穴282、第2の横穴284、および逃げ溝286を含む。縫合糸は、近位端から、軸穴282に通され、第2の横穴284の開口部の1つを出、第1の横穴278を通って、第2の横穴284の開口部のもう1つへ入り、軸穴282から出て、縫合糸がシャンクの近位部分内に通される。逃げ溝286は、シャンク274の各側で第1および第2の横穴278、284の開口を接続し得る。逃げ溝286は、縫合糸が、軸穴282から第1の横穴278まで通過する一方で、シャンク274の外壁からわずかに突出するか、または全く突出せず、縫合糸を摩耗から保護することを可能にし、縫合糸が、より容易に滑る一方で、それが、通され、緊張されることを可能にする。ドライバーが、スクリューを骨に打ち込むために、軸穴282に受け入れられ得る。
【0016】
図6~12は、多軸縫合糸折り返しアンカー920の例を示す。この実施形態において、アンカー920は、別個のワッシャ922およびシャンク924を有する、2ピースのアンカーである。シャンク924は、ワッシャ922のところの近位端からワッシャ922から離間した遠位端まで延在し、縫合糸または可撓性合成ストランドが通され得る、1つ以上の横穴を含む。この実施形態において、シャンク924は、シャンク924の両側部に対向する開口部を形成する、第1の横穴938を含み、縫合糸の折り返しを提供するために、縫合糸は、そこを通って通される。ワッシャ922が骨に当接すると、縫合糸は、穴の遠位縁940に向かって引っ張られ、縫合糸が張力をかけられることを可能にする。シャンクは、その遠位端の開口部からその近位端に向かって延びる軸方向の穴942をさらに含む。第2の横穴944は、シャンク924を通って延び、シャンク924の両側に、対向する開口部を形成し、第1の横穴から遠位にオフセットされる。第2の横穴944は、軸穴942と連通する。
【0017】
縫合糸は、遠位端から軸穴942に通され、第2の横穴944の開口部の1つを出て、第1の横穴938を通り、第2の横穴944のもう一方の開口部を経て、軸方向の穴942から出て、その結果、縫合糸は、シャンク924の遠位部分内に通される。アンカーシャンク924は、シャンク924の各側部で、第1および第2の横穴938、944の開口部を接続する逃げ溝946をさらに含み得る。逃げ溝は、縫合糸が軸方向の穴942から第1の横方向の穴938まで通る一方で、シャンク側部からほとんど突出せず、または、まったく突出しないで、縫合糸を、摩耗から保護することを可能にし、縫合糸が、より容易に滑る一方で、通され、緊張させられることを可能にする。
【0018】
図6~12の例において、ワッシャ922は、それを通って形成された穴926と、穴926に隣接して形成された球状座部928を含む。シャンク924は、シャンクに隣接するその下面に、球状座部932を備えたヘッド930を有する。球状座部928および932は、係合して、ワッシャ922がシャンク924に対してある範囲の角度をとることを可能にし、その結果、シャンク924が骨のトンネルに挿入されて前進させられると、ワッシャ922が骨表面に当接し、ワッシャは、骨のトンネルと骨の表面の間の角度に一致するように角度付けされ得る。シャンク924とワッシャ922との間の調整可能な多軸関係は、ワッシャ922を低姿勢で骨の近くに置くことを許容する。
【0019】
縫合糸固定アンカー
図13~30は、縫合糸固定アンカーの例を示す。
図13~19は、ボタン状のヘッド302と、ヘッド302の遠位側から外向きに突出し、長手方向軸306を画定する段付き円筒シャンク304を有する、縫合糸固定アンカー300のいくつかの図を示す。軸孔308は、アンカー300を通って延びる。シャンクの近位部分310は、シャンク304の遠位部分312よりも大きな直径を有する。近位部分310は、止めネジ316の外部ネジ山334を受容して、縫合糸を軸方向孔308内に固定するように構成された、内側ネジ山314を含む。
【0020】
使用中、1つ以上の縫合糸318、または、他の可撓性の合成ストランドは、軸孔308に通され、張力がかけられ、次に、止めネジ316を挿入することによって所定の位置に固定され、縫合糸318、止めネジ316のネジ山334、および、シャンク304の近位部分310のネジ山314の間に干渉係合を作り出す。
【0021】
図13~
図19の例において、ヘッド302は、シャンク304に対して、非直角で装着され、ヘッド302が当接する骨の表面に対して非直角である、骨を通る縫合糸経路に適応させる。この実施形態において、ヘッド302は、追加の縫合糸が、ヘッド302を通されることを可能にするため、近位から遠位に、ヘッド302を通って延びる、補足の縫合糸穴320、322、324をさらに含む。逃げ溝321、323、325は、ヘッド302の遠位表面に設けられ、補助縫合糸穴320、322、324と連通して、ヘッド302と下にある骨との間の追加の縫合糸のための逃げを提供する。
【0022】
図13~19に示されるように、ヘッド302は、概して楕円形であり、軟組織の刺激を低減するために、上に重なる軟組織に滑らかな表面を提供する。シャンク304は、骨トンネル内への管状延長部を提供して、縫合糸を骨からの摩耗から保護するとともに、骨トンネルを、縫合糸からの摩耗または切断から保護する。
【0023】
従来のボタン式固定アンカーは、骨トンネルの端で骨の外側に着座し、ボタンの表面で結ばれた縫合糸の結び目によって固定され、周囲の軟組織を刺激するように結び目を配置する。時間が経つと、縫合糸が骨のトンネルの出口で骨を侵食し、ボタンが骨の中に沈み込んだり陥没したりする傾向がある。医師はボタンの骨への移行を最大10mmまで記録している。骨が劣化して縫合糸が緩むと、ボタンは、また、骨の表面で、一定レベルの前後の並進運動を発生させ、それは、骨と周囲の組織の両方を刺激する。
【0024】
縫合糸固定アンカー300の実施形態は、これらのやっかいな問題を回避する。シャンク304は、しっかりと適合された骨トンネル内に延び、シャンク304が、骨の皮質または硬い外部シェルに圧入される。シャンクと骨の皮質の間の表面積のこの増大した量、ならびに、シャンク304およびヘッド302が骨の表面で縫合糸318に提供する保護シース、および、無結節固定機構は、インプラントを固定し、ヘッド302の切断、または、骨トンネへの沈下の防止に役立ち、より安定した、より長持ちする補強構造をもたらす。余分な縫合糸の長さ318は、完全にトリミング可能であり、結果として生じる縫合糸は、アンカーヘッド302および固定された止めネジ316と面一であり、さらに組織の刺激を防止する。
【0025】
図20~
図23は、
図13~
図19の例の縫合糸固定構造の詳細を示す。
図20は、シャンク304の近位部分310の内部の構造の拡大図を提供し、
図21は、止めネジ316を受容したシャンク304の近位部分310の断面図を提供する。シャンクの近位部分310は、テーパ付きのレシーバネジ山332を有するレシーバ330を有し、止めネジ316は、テーパ付きの外部ネジ山334を有する。レシーバネジ山332および止めネジネジ山334は、共に、丸みを帯びたナックルネジ山である。さらに、レシーバ330/レシーバネジ山332および止めネジ316/止めネジネジ山334は、近位から遠位に移行する複数の別個のテーパ角度を特徴とし、縫合糸318の漸進的な把持および解放を提供して、縫合糸に強い把持を提供する一方で、縫合糸損傷のリスクを軽減する。
【0026】
より詳細にテーパ角度に話を向けるために、
図22~
図23は、ナックルネジ切りなしの止めネジ316およびレシーバ330を示し、それらのテーパの段階的な移行をよりよく示す。止めネジ316は、近位部分350で円筒形であり、その中間部分352にわたって比較的小さい角度付きテーパを有し、丸い先端364で終端するその遠位部分354にわたって比較的大きい角度付きテーパを有する。レシーバ330は、近位部分356で比較的大きな角度付きテーパを有し、その中間部分358にわたって比較的小さな角度付きテーパを有し、そしてその遠位部分360で円筒形である。止めネジ316とレシーバ330が連結されると、それらは、アンカー300の近位端からそれらの中間部分まで、それらの間に漸進的なより少ないクリアランスを提供し、それらの中間部分から遠位に、止めネジ316の末端まで、それらの間に漸進的なより多くのクリアランスを提供する。
【0027】
止めネジ316とレシーバ330のこの対向するテーパ付きの構造は、連結する構成要素のためのモールステーパの原理を組み込む。止めネジ316とレシーバ330の対向する円錐形状は、中間部分352、358で、テーパ角度において、ぴったりと一致または近似させられるが、止めネジ316とレシーバ330の対向する形状は、それらの近位部分350、356、および、それらの遠位部分354、360で、テーパ角度において異なる。この配置は、止めネジ316およびレシーバ330のそれぞれの表面が、止めネジ316およびレシーバ330の中間部分352、358にわたって、縫合糸318の周りに締まり嵌めを達成することをもたらし、近位で漸進的な移行は、締まり嵌めへ導き、遠位で漸進的な移行は、締まり嵌めから導き出す。止めネジ316とレシーバ330との間に配置された縫合糸318に加えられる圧縮力のこの漸進的な移行は、縫合糸定着/固定強度の向上をもたらし、同時に、より大きな圧縮力の移行を伴って存在する縫合糸318の切断リスクを低減する。
【0028】
一実施形態において、止めネジ316およびレシーバ330の中間部分352、358は、同じ長さであり、整列させられる。この実施形態において、止めネジ316とレシーバ330との間に3つのゾーンまたはクリアランス量が存在し、近位での比較的大量のクリアランスから、それらの中間部分にわたる比較的少量のクリアランスへ、遠位での比較的大量のクリアランスへ、進行する。
【0029】
代替の、
図20~
図23の例に示される実施形態において、止めネジ316は、
図23に示されるように、その中間部分352の始まりが、レシーバ中間部分358の始まりの遠位に位置し、止めネジ中間部分352の終わりが、レシーバ中間部分358の終わりの近位に位置するように駆動され得る。この配置は、縫合糸318の把持および解放のさらなる漸進的な進行のために、5つのクリアランスゾーン340、342、344、346、および348をもたらす。止めネジ316およびレシーバ330に任意の数のテーパ角度段階が提供され得、オーバーラップまたは半径融合の任意の配置が、任意の数の漸進的クリアランス段階を生成し、縫合糸上での把持なしから、最大把持、把持なしまで、近位から遠位に遷移するように提供され得、縫合糸318に加えられる応力の漸進的な増加および減少を通して縫合糸を保護する。
【0030】
図23を参照すると、第1のゾーン340は、近位に最大クリアランスを提供し、クリアランスは、止めネジ316の円筒形近位部分350と、レシーバ330の近位部分356の比較的大きな角度の間の、角度差で遠位に減少する。第2のゾーン342のクリアランスは、止めネジ316の円筒形の近位部分350と、レシーバ330の中間部分358の比較的小さい角度の間の、角度差で遠位に減少する。第3のゾーン344は、最小のクリアランスを提供し、止めネジ316とレシーバ330の中間部分352、358が一致する場所に対応する。第4のゾーン346のクリアランスは、レシーバ330の中間部分358の比較的小さい角度と、止めネジ316の遠位部分354の比較的大きい角度の間の、角度差で遠位に増加する。第5のゾーン348は、遠位に最も大きなクリアランスを提供し、クリアランスは、止めネジ316の遠位部分354の比較的大きな角度と、レシーバ330の円筒形部分360の間の、角度差で遠位に増加する。
【0031】
図20~
図23の例示的な例において、止めネジ316のテーパは、第1の近位部分350では円筒形であり、第2の中間部分352では片側あたり10度であり、遠位部分354では片側あたり20度である。レシーバ330のテーパは、第1の近位部分356では片側あたり20度であり、第2の中間部分358では片側あたり10度であり、第3の遠位部分360では円筒形である。
図23に示される5つのゾーン340、342、344、346、348に対応する、結果として得られる逃げ角テーパは、近位から遠位に、20度、10度、0度、10度、および20度である。この実施形態において、レシーバ330および止めネジ316の近位端361、363は面取りされ、止めネジ316の遠位端364は、丸みを付けられ、いかなる鋭い縁をもさらに排除して、縫合糸の経路をさらに滑らかにし、ネジの簡単な起動を提供する。
【0032】
図20~
図23の実施形態は、止めネジ316とレシーバ330の対向するテーパを特徴としているが、本発明は、近位から遠位に、止めネジ316とレシーバ330の間の縫合糸318の締まり嵌めに加えられる圧縮力の段階的な増加および減少を提供する、任意の適切なテーパ構造をも考慮することが、理解されるであろう。例えば、止めネジ316は、レシーバ330の上記の構成を維持して、その近位部分、中間部分、および遠位部分を通して完全に円筒形であり得る。別の例では、止めネジ316の近位部分、中間部分、および遠位部分350、352、354は、卵のような、または、フットボールの形状を形成するように角度を付けられ、レシーバ330の近位、中間、および遠位部分356、358、360は、円筒形のままであり得る。
【0033】
図20~23に関連して説明された固定構成は、固定アンカー300に対して縫合糸318を固定するための、無結節および可逆の両方の機構を提供する。縫合糸318、止めネジ316、およびレシーバ330の間の締まり嵌めは、アンカー300に対して縫合糸318を張力下で固定するために必要な圧縮力を提供するので、固定構成は無結節固定を提供し、それにより、結節固定によってしばしば引き起こされる、骨および/または組織の摩耗および/または悪化の確率を低減する。さらに、固定機構は、上述のように、縫合糸318に加えられる応力の漸進的な増加および減少を通して、縫合糸の一体性を保護するため、無節点固定は、止めネジ316が回転して挿入され、縫合糸318を損傷することなく、および/またはその構造的一体性を危険にさらすことなく、アンカー300に対する縫合糸318を固定し得ることにおいて、正確に、可逆的である。結果として、外科医は、アンカー300に対して縫合糸318を、複数回、固定および固定解除して、最終的な無結節固定の品質に対する信頼を維持しながら、最適な固定を達成し得る。
【0034】
図24~25は、
図20~23のテーパ付きの、ナックルネジ山付き縫合糸固定装置を組み込んだ、縫合糸固定アンカーの追加の例を示す。
図24において、骨ネジの形態のアンカー370は、内部ドライバー機構372を備えた近位ヘッド371、軸方向の貫通穴374、および、
図21に示されるような止めネジ316を受容するためのテーパネジ付きレシーバ376を有する。
図25は、骨プレートの球状皿穴に着座するように操作可能な近位ヘッド387を備えた、ボタンの形態の縫合糸固定アンカー394を示す。アンカー394は、内部ドライバー機構396、および軸方向の穴390、ならびに
図25に示されるものと類似の止めネジを受容するためのテーパネジ付きレシーバ392を含む。アンカー370、394のそれぞれの近位ヘッド371、387の各々は、皿穴に埋められて、それらが、脛骨102または腓骨104(
図1~3)のいずれかに配置され固定された、骨プレート内に着座し、その表面と同一平面にあるように構成される。
【0035】
図26~
図29は、
図16のアンカー300と同様の、多軸縫合糸固定アンカー1440の例を示す。しかしながら、
図26~
図29の例のアンカーは、別個のワッシャ1442およびシャンク1444を有する、2ピースのアンカーである。ワッシャは、それを貫通して形成された穴1445と、穴に隣接して形成された球状シート1448とを有する。シャンク1444は、シャンク1444に隣接して、その下面に球状シート1452を備えたヘッド1450を有する。球状シート1448および1452は、係合して、ワッシャ1442がシャンクに対してある範囲の角度をとることを可能にし、シャンク1444が骨のトンネルに挿入されて前進し、ワッシャが、骨表面に当接するとき、ワッシャは、骨トンネルと骨表面の間の角度に一致するように角度を付け得る。シャンク1444とワッシャ1442との間の調整可能な多軸関係は、ワッシャ1442を、薄型に、骨の近くに置くことを可能にする。
【0036】
図30は、中空シャフト962およびアンカー係合端964を有する、逆トルク器具960を示す。逆トルク器具960は、止めネジ969などの止めネジと、例えば、上述のアンカー300、370、394、および1440などのいくつかの適切なアンカーとの間の締まり嵌めを介して無縫合で縫合糸をロックするために使用され得る。例示の目的でアンカー1440に焦点を合わせると、逆トルク器具960のアンカー係合端964は、間隔を置いて配置されたプロング966を含む。プロング966は、アンカー1440のシャンク1444のヘッド1450に形成された対応する溝1454に係合可能である。この係合は、中空シャフト962を通して挿入された適切な止めネジドライバーを使用して、止めネジ969が、アンカー1440に駆動させられるか、または、締め付けられるときに、シャンク1444を静止状態に保持する逆トルク力を提供し、シャンク1444が回転するのを防止する。したがって、外科医は、シャンク1444と多軸アンカー1440のワッシャ1442との間の所望の角度関係に、不注意でトルクをかけたり衝撃を与えたりする恐れなく、止めネジ969をアンカー1440に駆動し得、前述のとおり、ワッシャ1442を骨と同一平面に置くことを可能にする。ワッシャ1442および/またはアンカー1440のシャンク1444に、ドライバーおよび止めネジ969によって生成される、捩り力に対抗するこの能力は、外科医にとって満足のいくものであり、より効果的なアンカーの配置およびロックをもたらす。
【0037】
関節内構造物と手術シーケンス
図31~54は、骨関節を横断して、靭帯を内部で安定化または強化するために、および/または、骨折を横断する骨部分を安定するために用いられる、本発明の例による、いくつかの方法を示す。
【0038】
図31~33は、例示的なデバイスが、「めくら穴」骨トンネルを介して、骨折した骨関節を補強するために使用される、修復構造を示し、骨トンネルの中に、第1アンカーが適合し、第2アンカーが、めくら穴トンネル内の第1アンカーに追従する。より具体的で、かつ、一実施形態において、例示的な器具は、仙腸関節2113を修復するのに使用され、前後圧迫骨折後に、骨盤を安定させる。
図34は、
図31~
図33に示される工程に従って、仙腸関節2113を補強する例示的な方法1500を示す、フローチャートを提供する。
【0039】
図31を参照すると、骨トンネル250は、腸骨2107を通り、不安定な仙腸関節2113を横切って、仙骨2102に形成される(
図34、1502)。腸骨2107の表面上においてトンネル250の入口に、座グリ254が形成される(
図34、1504)。第1のアンカー256が、トンネル250を通して仙骨2102内に挿入され、そこで、それは、縫合糸258などの可撓性ストランドを固定する(
図34、1506)。可撓性ストランド258は、第1のアンカー256の後端から、トンネル250を通って、腸骨2107の外に延びる。
【0040】
図32を参照すると、可撓性ストランド258は、腸骨2107上に着座する、第2のアンカー260を通して配置される(
図34、1506~1508)。第2のアンカー260は、トンネル皿穴254内に延びる管状部分262と、腸骨表面上に載るワッシャ部分264を含む。
図31~33の例において、管状部分262およびワッシャ部分264は、円筒形シート266で係合する、別個の部品であり、それらが互いに対して関節運動し、骨表面およびトンネル250と適応的に整列することを可能にする。
【0041】
アンカー256、260の間に延在する縫合糸258の部分に張力をかけるために(
図34、1510)、縫合糸258の端部は、適切な引張具を使用して引っ張られ得る。その結果、および、
図33に示されるように、不安定な仙腸関節213が締められる。次に、縫合糸258は、第2のアンカーに対して固定させられ得、締め付けを維持する(
図34、1512)。固定するために、固定用止めネジ270が、引張具の中央カニューレを通して前進させられ得、第2のアンカー260に形成された内部ネジ272にネジ込まれ、それにより、ネジ270、および、アンカー260の内部ネジ272間の締まり嵌めによって、第2のアンカー260に対して縫合糸258を固定する。次に、引張具が取り外され得、縫合糸258のどの余分な長さも、切り落とされ得、縫合糸258は、アンカー260と面一になる(
図34、1514)。
【0042】
図31~
図34で説明された、仙腸関節2113の修復は、先行技術の腸骨仙骨ネジの代わりに、または、それと組み合わせて使用され得る。
図33に示される、適応性のある構造は、それが、アンカーを配置した後に、不安定な関節の制御された締め付けを提供するという点で、有利である。引張具が取り付けられたまま、関節はテストされ、張力が、所望の安定性に調整される。関節の張力は、縫合糸258を第2のアンカー260に固定する前に、任意の所望の値に調整され得る。ロック機構は結び目を持たず、可逆的であり、必要に応じて、および/または、所望なら、その後の再調整および再ロックを可能にする。構造は、連続する、途切れのない可撓性部材(例えば、縫合糸/可撓性合成ストランド258)を、関節2113を横断して配置し、それは、疲労破壊を経験し得る剛性インプラントよりも、破壊を受けにくくする。
【0043】
図33の構造は、関節に対して任意の所望の位置に適用され得る。構造の位置は、より前方または後方、または、より上方または下方であり得る。第1のアンカー256は、仙骨に、より深くセットされ得る。第1のアンカー256は、縫合糸258が仙骨に架かるように、不安定な仙腸関節から、対向する仙骨の皮質骨に固定され得る。複数の構造が、望ましいレベルの安定性を達成するために、適用され得る。複数の構造は、上方から後方に、および/または、前方から後方に離間され得る。さらに、
図31~
図34は、前後圧迫骨折後の骨盤を安定させるための仙腸関節2113の補強に言及するが、同様の方法および器具が、体内の様々な骨関節を安定させるために、必要に応じて使用され得る。
【0044】
図35は、2つの骨の間の関節を横切って延びる靭帯を補強するために使用される、例示的な器具を示す。より具体的に、および、1つの実施形態において、
図35は、前下脛腓靭帯(AITFL)110のための、靭帯結合締め付け構造1650を示し、
図36は、
図35に示される、AITFL110を強化する例示的な方法1600を示す、フローチャートを提供する。
【0045】
図35を参照すると、最初に、骨トンネル1652が、腓骨104を通して形成され、第2の同軸で隣接するトンネル1654が、脛骨102内に形成される(
図36、1602)。第1の縫合糸折り返しアンカー1656が、第1のトンネル1652を通って腓骨104に挿入される(
図36、1604)。縫合糸折り返しアンカーは、例えば、
図6~
図12に関連して上述された、多軸縫合糸折り返しアンカー920であり得る。第2の縫合糸固定アンカー1658は、第2のトンネル1654を通して脛骨102に挿入される(
図36、1606)。縫合糸固定アンカーは、例えば、
図13~
図29に関して上述された、縫合糸固定の実施形態を含み得る。
【0046】
縫合糸1660などの可撓性ストランドは、右方から、第2の縫合糸固定アンカー1658を通って通され、第1の縫合糸折り返しアンカー1656を介して戻され、第1の縫合糸固定アンカー1658を通って逆行し得(
図36、1608)、その結果、縫合糸1660の両端は、脛骨102に着座する、第2の縫合糸固定アンカー1658から延びる。
【0047】
第2のアンカー1658は、トンネル1654内に延びる管状部分1662と、脛骨表面上に載るワッシャ部分1664を含む。
図35の例において、管状部分1662およびワッシャ部分1664は、円筒形シートで係合する別個の部品であり、それらが互いに対して関節運動することを可能にして、トンネル1654および脛骨102の表面とそれぞれ適合的に整列する。
【0048】
第1のアンカー1656と第2のアンカー1658の間に延在する縫合糸1660に張力をかけるために(
図36、1610)、適切な引張具を使用して、縫合糸1660の端部が引っ張られ得る。その結果、
図35に示されるように、靭帯結合関節が締め付けられ、靭帯110が強化される。次に、縫合糸1660は、第2の縫合糸固定アンカー1658に対して固定され得、締め付けを維持する(
図36、1612)。次に、引張具が取り外され得、どの縫合糸1660の余分な長さも切り落とされ得、縫合糸1660は、アンカー1658と面一になる(
図36、1614)。
【0049】
図31~
図34の仙腸関節の修復のように、
図35~
図36に関連して述べられた靭帯補強構造1650は、自然の靭帯の方向に沿って、1つのアンカーから別のアンカーに、連続した途切れのないストランドと、アンカーを配置した後の不安定な関節の制御された締め付けを提供する。関節は、引張具が取り付けられたままテストされ、張力は、所望の安定性に調整される。張力は、固定する前に調整され、必要に応じて、および/または、所望により、再調整され得る。構造は、関節を横切って、連続した途切れのない可撓性部材(例えば、縫合糸1660)を配置し、それは、疲労破壊を経験し得る剛性インプラントよりも破壊を受けにくくする。
【0050】
図35の構造1650は、関節/靭帯に対して、任意の所望の場所に適用され得る。構造の位置は、より前方または後方であり得(例えば、PITFL 112を補強するように構成され得る)、または、より上方または下方であり得る。複数の構造が適用され、望ましいレベルの安定性を達成し得る。複数の構造は、上方から下方へ、および/または、前方から後方へ、離して配置され得る。さらに、
図35~
図36は、AITFL110の補強に言及しているが、同様の方法および器具が、所望により使用され得、体内の任意の靭帯を補強する。
図37に示されるように、例示的な構造は、骨プレート1670と共に使用され得る。
【0051】
図35に焦点を合わせると、アンカー1658の管状部分1662は、第2の骨トンネル1654の端部および脛骨102の内方面に向かって延びる、縫合糸スリーブとして機能する。同様に、第1のアンカー1656の管状部分1666は、骨トンネル1652の端部および腓骨104の内方面に向かって延びる、縫合糸スリーブとして機能する。管状部分/シース1662、1666は、骨トンネルの保護を提供し、スリーブ1662、1666の間の空間内での、縫合糸1660の横方向の動き、または縫合糸のワイパリングを制限する。スリーブ1662および1666が、それぞれ、骨トンネル1654の端/脛骨102の表面、および、骨トンネル1652の端/腓骨104の表面まで延びる場合、縫合糸1660は、自然の靭帯の全長にわたってのみ可撓性であり、横方向の動きまたは縫合糸のワイパリングは、骨間の関節を横切る自然の靭帯の全長の長さ(たとえば、1~2mm)に制限される。時間の経過とともに縫合糸のワイパリングは、骨トンネル内および骨トンネル縁部の周りの骨を摩耗させるため、縫合糸を収容するための、中空シャフト/シースを特徴とするアンカーを使用することは、次に、縫合糸によって引き起こされる骨の摩耗を減少させる。管状部分/スリーブ1662、1666が、他の骨に向かってさらに延在すればするほど、そのような縫合糸のワイパリング、および、結果として生じる摩耗が生じ難くなり得る。
【0052】
実証するために、
図38~
図40は、所定の構造コンプライアンス(縫合糸張力、骨のスリップ、圧縮、骨の境界面、および、その他の要因を含み、すべてが、破線で示される一定量の骨の重なりで、ここに表わされる)に対し、管状アンカースリーブ1662、1666の長さの増大が、起こり得る縫合糸の切断またはワイピングの量を減少させることを図解して示す。言い換えれば、チューブ/スリーブ1662、1666の間の縫合糸1660の自由な範囲が、
図38に示されるものから、
図40に示したものに減少するにつれて、骨102、104の相対位置において起こり得るずれが少なく、縫合糸1660による骨102、104への切り込みが少ない。
【0053】
図41~
図47は、本発明の例示的な器具および機器による、結合された、腓骨骨折の修復と靭帯結合関節の補強に関わる方法1700の工程を示し、
図49は、
図41~
図52に詳細に示される、方法1700を示すフローチャートを提供する。背景として、
図41は、ヒトの足首100の側面図を示し、腓骨骨幹104の骨折116を示す。
【0054】
図42を参照すると、当技術分野で知られている骨折固定プレート120が、腓骨104に固定されて、骨折116を橋渡しし、骨折116が治癒する間、骨折116への支持を提供する(
図49、1702)。そのようなプレートは、通常、プレート120の穴122を通して挿入され、プレート120から、骨の反対側の皮質骨内に延びる、骨ネジ(図示せず)によって固定される。以下で説明される実施形態は、剛性のハードウェアではなく、可撓性のストランドのループが、骨プレート120を固定することを可能にする。
【0055】
図43~
図44に目を向けると、第1のトンネル127が、腓骨104および脛骨102を貫通して形成され、関節、特に骨間靭帯114を安定化するため、靭帯結合関節を横切る安定化要素を受け入れる(
図49、1704)。第1のトンネル127は、好ましくは、プレート120の縁部に隣接して、および、自然の靭帯と同じ方向に形成され、治癒中に靭帯を補強する。好ましくは、第1のトンネル127は、固定の高さで、腓骨隆起125を通過し、腓骨104および脛骨102の重心を通過する。この実施形態では、第1のトンネル127は、プレート120の前端に隣接して形成される。第1のトンネル127は、多かれ少なかれ、プレートから間隔を空けられ得、および/または、外科医の好みおよびプレートの位置に応じて、プレートの後側に配置され得る。
図41~
図52の例において、プレート120は、骨を通る第1のトンネル127の好ましい経路に適合させるために後方に配置される。
【0056】
第1のトンネル127は、ドリル、パンチング、または他の適切なトンネル形成手段によって形成され得る。第1のトンネル127は、フリーハンドで、またはクランプおよびドリルガイド器具などのガイドを用いて作成され得る。
【0057】
図45を参照すると、補助トンネル126が形成されている(
図49、1706)。補助トンネル126は、プレート120の穴122と、第1のトンネル127の両方と交差する。ドリルは、プレート120内の穴を通して挿入され得、プレート自体が、補助トンネル126のためのドリルガイドとして機能する。
【0058】
次に、
図46に示されるように、縫合糸通し器130が、プレート120、補助トンネル126、および第1のトンネル127を通過させられ、その結果、プレート120および脛骨102を通って出る(
図49、1708)。次に、可撓性合成ストランド132が、通し器130と係合させられる(
図49、1710)。上記のように、可撓性合成ストランドは、高強度縫合糸、縫合テープ、ケーブル、または別の適切な可撓性合成ストランドであり得る。
【0059】
図47を参照すると、通し器130は、骨102、104およびプレート120を通して引き抜かれ、可撓性ストランド132を、骨およびプレート120を通って進める(
図49、1712)。次に、通し器130、または、それに係合された可撓性ストランドを有する別の通し器が、第1のトンネル127を通過させられ、一端が腓骨104から、他端が脛骨102から出る(
図49、1714)。
【0060】
図48は、通し器130が骨102、104を通して引き抜かれ、可撓性ストランド132を第1のトンネル127を通って進ませることを示す(
図49、1716)。可撓性ストランド132は、今や、プレート120の前端の周りでループ状とされ、可撓性ストランド132の2本の脚は、脛骨102と腓骨104の間の靭帯結合関節を横切って延びる。そのとき、可撓性ストランド132の端部は、引っ張られ得、靭帯結合関節を締め付け、適切に張力をかける(
図49、1718)。張力は、可撓性ストランドの端を直接引っ張ることにより、手動で加えられ得る。あるいは、張力をかけ、および/または、張力を示すために、張力機器が使用され得る。可撓性ストランド132は、例えば、ボタンアンカー上で端部を結び、干渉ネジを第1のトンネルに挿入し、1つ以上のステープルを使用して、端部を第1のトンネル127の出口穴に隣接する脛骨表面に固定し、または、他の無結節アンカーで可撓性ストランドを固定することによって、固定され得る。
【0061】
図50~53は、可撓性ストランド132を通すための代替の工程を示し、
図54は、対応する方法1800を要約する、フローチャートを提供する。
図50を参照すると、可撓性ストランド132は、好ましくはストランドのほぼ中央で、ストランドの端部の間に屈曲部138を生成するように折り畳まれる(
図54、1802)。フック140などの通し器は、プレート120、補助トンネル126、および第1のトンネル127を通される(
図54、1804)。通し器140は、どちらの方向にも通され得るが、
図50に示す位置を達成するために、最初にプレート120を逆方向に通すことが、より簡単であり得る。通し器が所定の位置にくると、屈曲部138がフック140と係合させられる(
図54、1806)。
【0062】
図51を参照すると、フック140は、骨102、104を通って引き抜かれており、屈曲部138は、プレート120、補助トンネル126、および第1のトンネル127を通過し、脛骨102を出る(
図54、1808)。通し器130などの通し器は、第1のトンネルを通して挿入され(
図54、1810)、可撓性ストランド132の自由端が、通し器と係合する(
図54、1812)。
【0063】
図52は、可撓性ストランド132の自由端が、屈曲部138を通過させられる(
図54、1816)前に、可撓性ストランド132の自由端を、第1のトンネル127に通す(
図54、1814)ため、骨を通って引き出された通し器130を示す。
【0064】
図53を参照すると、可撓性ストランド132の自由端が引っ張られて、屈曲部138を、第1のトンネル127下方に移行させ、プレート120の前端、および、第1のトンネル127と補助トンネル126の間の骨142の部分の周りに、ガースヒッチ144を形成する(
図54、1818)。必要に応じて、プッシュロッド、鉗子、または他の器具が、屈曲部138を押すために使用され得、自由端が引っ張られるときに、トンネル127下方へのその移動を助ける。図示されるガースヒッチ144を形成することは、骨を通る可撓性ストランド132の方向を改善し、可撓性ストランドが、トンネルの縁に圧力をかける傾向を低減し得る。可撓性ストランド132は、
図48に関連して上述されたように、張力をかけられ(
図54、1820)、固定され得る(
図54、1822)。
【0065】
本発明の例による靭帯結合補強シーケンスは、非常に低いプロファイルを達成し、可撓性ストランドは、骨プレートを固定するためにプレート縁を包み、関節にまたがる剛性のハードウェアなしで、可撓性補強を提供する。これらの利点は、関節界面のX線による影を避けながら達成される。本発明の実施例による補強は、トンネルが、プレートの前縁または後縁のいずれかと整列するか、または、プレートの前縁または後縁のいずれかからオフセットし得るため、より前方または後方などの、さまざまなプレート位置に対応し得る。本発明の例による補強は、可撓性ストランドが、単に切断され、固定は、構造の脛骨側から取り除かれ得るので、容易に修正可能である。特に、骨プレートは、図示されるように、腓骨に固定され、必要に応じて、および/または、適切に、脛骨に固定され得る。
【0066】
上記の実施形態は、一定の構造、要素、構成、および方法論的工程に固有の言語で説明されたが、添付の特許請求の範囲で定義される技術は、説明された、特定の構造、要素、構成、および/または、工程に、必ずしも限定されないことが理解されるべきである。むしろ、特定の態様および工程は、特許請求された技術を実施する形式として説明される。本技術の多くの実施形態は、本発明の精神および範囲から逸脱することなく実施され得るので、本発明は、以下の添付の特許請求の範囲に帰する。