(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-20
(45)【発行日】2024-10-01
(54)【発明の名称】エネルギ貯蔵デバイスのための縦方向の拘束
(51)【国際特許分類】
H01M 10/0585 20100101AFI20240924BHJP
H01M 10/04 20060101ALI20240924BHJP
H01M 50/471 20210101ALI20240924BHJP
【FI】
H01M10/0585
H01M10/04 Z
H01M50/471
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022204486
(22)【出願日】2022-12-21
(62)【分割の表示】P 2021071153の分割
【原出願日】2016-05-13
【審査請求日】2023-01-19
(32)【優先日】2015-05-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】323006529
【氏名又は名称】エノビクス・コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】Enovix Corporation
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100135703
【氏名又は名称】岡部 英隆
(74)【代理人】
【識別番号】100189544
【氏名又は名称】柏原 啓伸
(72)【発明者】
【氏名】ロバート・エス・ブザッカ
(72)【発明者】
【氏名】アショク・ラヒリ
(72)【発明者】
【氏名】ムラリ・ラマサブラマニアン
(72)【発明者】
【氏名】ブルーノ・エイ・バルデス
(72)【発明者】
【氏名】ガードナー・シー・デイルズ
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー・ジェイ・スピント
(72)【発明者】
【氏名】ジェフリー・エム・ホー
(72)【発明者】
【氏名】ハロルド・ジョーンズ・ラスト・ザ・サード
(72)【発明者】
【氏名】ジェイムズ・ディ・ウィルコックス
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・エフ・バーニ
(72)【発明者】
【氏名】キム・ハン・リー
(72)【発明者】
【氏名】ニラブ・シャー
(72)【発明者】
【氏名】リチャード・ジェイ・コントレラス
(72)【発明者】
【氏名】リン・バン・アーデン
(72)【発明者】
【氏名】ケン・エス・マツバヤシ
(72)【発明者】
【氏名】ジェレミー・ジェイ・ダルトン
【審査官】岸 智之
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-225552(JP,A)
【文献】特開2009-170258(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0079452(US,A1)
【文献】特表2015-505120(JP,A)
【文献】特開2011-171029(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/0585
H01M 10/04
H01M 50/471
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャージ状態とディスチャージ状態との間でサイクルするための密閉された二次電池であって、前記密閉された二次電池は、前記二次電池の内容物を密閉するエンクロージャ、前記エンクロージャ内の電極アセンブリ及びキャリアイオン、及び前記密閉された二次電池がチャージ状態とディスチャージ状態との間でサイクルするとき、前記電極アセンブリへの圧力を保持する前記エンクロージャ内の拘束とを備え、前記電極アセンブリは、電極構造の集合体と、対電極構造の集合体、及び電極集合体と対電極集合体の部材間の電気絶縁性セパレータ材料とを含み、
前記電極アセンブリは、縦軸に沿って分離された対向する第1及び第2の縦方向端面と、前記縦軸を取り囲み、前記第1及び第2の縦方向端面を接続する外側面とを有し、
前記電極集合体の部材及び前記対電極集合体の部材は、前記電極アセンブリ内で前記縦軸に平行なスタック方向に交互に配置され、
前記拘束は、前記第1及び第2の縦方向端面の上にそれぞれ重なる第1及び第2の圧縮部材を備え、前記第1及び第2の圧縮部材は、前記外側面の上に重なり且つ前記第1及び第2の圧縮部材を互いに向かって引っ張る少なくとも1つの引張部材によって接続される、
二次電池。
【請求項2】
前記拘束は、少なくとも10000psiの極限引張強さを有する材料を含む、
請求項1に記載の二次電池。
【請求項3】
電極構造の集合体の各部材が、金属、合金、酸化物、及び、リチウムと合金を形成できる化合物、からなる群から選択された陽極活性な物質を含む、請求項1又は2に記載の二次電池。
【請求項4】
電極構造の集合体の各部材が、グラファイトを含む電極活物質層を含む、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の二次電池。
【請求項5】
電極構造体の集合体の各部材が、シリコンを含む電極活物質層を含む、請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の二次電池。
【請求項6】
前記拘束は、前記縦方向端面の内部にある少なくとも1つの圧縮部材を含む、請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の二次電池。
【請求項7】
前記第1及び第2の縦方向端面の組み合わされた表面積は、前記電極アセンブリの表面積の33%未満である、請求項1~請求項6のいずれか1項に記載の二次電池。
【請求項8】
前記第1及び第2の縦方向端面の組み合わされた表面積は、前記電極アセンブリの前記表面積の25%未満である、請求項1~請求項7のいずれか1項に記載の二次電池。
【請求項9】
前記第1及び第2の縦方向端面の組み合わされた表面積は、前記電極アセンブリの前記表面積の15%未満である、請求項1~請求項8のいずれか1項に記載の二次電池。
【請求項10】
前記拘束及びエンクロージャは、前記エンクロージャによって囲まれた容積の30%未満の組み合わされた容積を有する、請求項1~請求項9のいずれか1項に記載の二次電池。
【請求項11】
前記電極集合体の各部材は、底部、頂部、長さL
E、幅W
E、高さH
E、及び各部材の前記底部から前記頂部まで、前記スタック方向に対して略横方向である方向に延びる中心縦軸A
Eを有し、前記電極集合体の各部材の長さL
Eは、その中心縦軸A
Eの方向に測定され、前記電極集合体の各部材の幅W
Eは、前記スタック方向に測定され、前記電極集合体の各部材の高さH
Eは、各部材の中心縦軸A
E及び前記スタック方向に直交する方向に測定され、前記電極集合体の各部材のW
E及びH
Eのそれぞれに対するL
Eの比は、それぞれ少なくとも5:1であり、前記電極集合体の各部材のW
EのH
Eに対する比は、それぞれ0.4:1~1000:1である、請求項1~請求項10のいずれか1項に記載の二次電池。
【請求項12】
粒状材料及びバインダを有する微小孔性セパレータ材料を含む、前記電気絶縁性セパレータ材料は、少なくとも20体積%の空孔率を有し、非水性液体電解質によって浸透されている、請求項1~請求項11のいずれか1項に記載の二次電池。
【請求項13】
前記二次電池がその定格容量の少なくとも80%までチャージされているとき、前記第1及び第2の縦方向端面の各々は、少なくとも300psiの圧縮荷重下にある、請求項1~請求項12のいずれか1項に記載の二次電池。
【請求項14】
前記二次電池がその定格容量の少なくとも80%までチャージされているとき、前記第1及び第2の縦方向端面の各々は、少なくとも500psiの圧縮荷重下にある、請求項1~請求項13のいずれか1項に記載の二次電池。
【請求項15】
前記二次電池がその定格容量の少なくとも80%までチャージされているとき、前記第1及び第2の縦方向端面の各々は、少なくとも700psiの圧縮荷重下にある、請求項1~請求項14のいずれか1項に記載の二次電池。
【請求項16】
前記二次電池がその定格容量の少なくとも80%までチャージされているとき、前記第1及び第2の縦方向端面の各々は、少なくとも900psiの圧縮荷重下にある、請求項1~請求項15のいずれか1項に記載の二次電池。
【請求項17】
前記電極構造は、陽極活性な電気活物質を含み、前記対電極構造は、陰極活性な電気活物質を含む、請求項1~請求項16のいずれか1項に記載の二次電池。
【請求項18】
前記電極アセンブリは、少なくとも5つの電極構造と、少なくとも5つの対電極構造とを含む、請求項1~請求項17のいずれか1項に記載の二次電池。
【請求項19】
前記電極アセンブリは、少なくとも50個の電極構造と、少なくとも50個の対電極構造とを含む、請求項1~請求項18のいずれか1項に記載の二次電池。
【請求項20】
前記電極アセンブリは、少なくとも500個の電極構造と、少なくとも500個の対電極構造とを含む、請求項1~請求項19のいずれか1項に記載の二次電池。
【請求項21】
前記拘束は、前記二次電池の浮遊電位又は陽極電位において著しく腐食しない材料を含む、請求項1~請求項20のいずれか1項に記載の二次電池。
【請求項22】
前記拘束は、45℃で著しく反応しないか又は機械的強度を失わない材料を含む、請求項1~請求項21のいずれか1項に記載の二次電池。
【請求項23】
前記拘束は、金属、金属合金、セラミックス、ガラス、プラスチック、又はそれらの組み合わせを含む、請求項1~請求項22のいずれか1項に記載の二次電池。
【請求項24】
前記拘束は、
10~100マイクロメートルの範囲内の厚さを有する材料のシートを含む、請求項1~請求項23のいずれか1項に記載の二次電池。
【請求項25】
前記拘束は、
30~75マイクロメートルの範囲内の厚さを有する材料のシートを含む、請求項1~請求項24のいずれか1項に記載の二次電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概略、エネルギ貯蔵デバイスに使用するための構造、該構造を組み込んだエネルギ貯蔵デバイス、及び、該構造及びエネルギデバイスを作成する方法に、関する。
【背景技術】
【0002】
ロッキングチェア又は挿入二次電池は、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、若しくはアルミニウムイオンなどの、キャリアイオンが正電極と負電極の間を電解質を介して移動する、一種のエネルギ貯蔵デバイスである。二次電池は、単独のバッテリセル、若しくは、電気的に結合してバッテリを形成する二つ以上のバッテリセルを含み、夫々のバッテリセルは、正電極、負電極、微小孔性セパレータ、及び電解質を含む。
【0003】
ロッキングチェアのバッテリセルでは、正及び負の電極構造はどちらも、キャリアイオンが入り込み出て行く材料を含む。セルがディスチャージされると、キャリアイオンが負電極から抽出され、正電極に挿入される。セルがチャージされると、逆のプロセスが起こる。つまり、キャリアイオンが正電極から抽出され、負電極内に挿入される。
【0004】
図1は、非水二次電池などの、現存のエネルギ貯蔵デバイスの電気化学スタックの断面図を示す。電気化学スタック1は、積み重ね構成内に、正電極集合体3と、正電極活物質層5と、微小孔性セパレータ7と、負電極活物質層9と、負電極集合体11とを含む。層の各々は、相互に直交する、及び電極スタック方向に直交する方向に測定された層の各々の長さ及び幅よりもそれぞれ著しく小さい(例えば、少なくとも10倍小さい)電極スタック方向(すなわち、
図1に示すような正電極集合体3から負電極集合体11への方向)で測定された高さを有する。ここで
図2を参照すると、頂部15及び底部17を有するロール13(「ゼリーロール」と称されることもある)が、電気化学スタックを中心軸19の周りに巻くことによって形成され、その後、ロール13は缶(図示せず)に詰められ、非水電解質を充填して二次電池を組み立てる。
図2に示すように、層の電極スタック方向は、中心軸19と直交している。
【0005】
バッテリ、燃料セル、及び電気化学キャパシタなどの、現存のエネルギ貯蔵デバイスは、典型的には、
図1及び
図2に示されるような2次元の薄層アーキテクチャ(例えば、平面又は渦巻き型積層)を有し、個々の積層の表面積は、(多孔性及び表面粗さを無視する)幾何学的フットプリントに概略等しい。3次元バッテリは、バッテリ容量及び活物質利用を改良する方法として、文献で提案されてきた。2次元の薄層バッテリアーキテクチャと対比して、より広い表面積及びより高いエネルギを提供するために、3次元アーキテクチャが利用され得ることが、提案されてきた。小さな幾何学的エリアから取得されるエネルギ量の増加により、3次元エネルギ貯蔵デバイスを作製することには利点がある。例えば、RustらによるWO2008/089110(特許文献1)、及び、Longらによる“3次元バッテリアーキテクチャ”Chemical Reviews、(2004)、104、4463-4492(非特許文献1)を参照されたい。
【0006】
従来の巻きバッテリ(例えば、米国特許第6090505号(特許文献2)及び第6235427号(特許文献3)及び
図2、参照)は、典型的には、シングルホイル上にコートされ、セルアセンブリに先立って圧縮される、電極材料(活物質、バインダ、導電助剤)を有する。電極がコートされているホイルは、典型的には、電流収集経路の一部である。18650又はプリズムセルなどの単独のゼリーロールバッテリでは、電流コレクタホイルは、活物質から電流コレクタホイル及びタブを通ってバッテリの外部まで電流を運ぶ、電極バス、タブ、タグなどに、超音波溶接される。デザインによっては、単独のゼリーロールに沿って複数の場所にタブが存在してもよく、又は電流コレクタホイルの片端又は両端の一つの場所に沿ってタブが存在してもよい。従来の積層バッテリポーチセルは、個々のホイルの上部にエリアを伴う、順次集められタブに溶接された、活物質の複数のプレート(若しくはホイル)を有する。該プレートは続いて、電流をバッテリポーチの外部に運ぶ(例えば、米国特許出願公開第2005/0008939号(特許文献4)参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】WO2008/089110
【文献】米国特許第6090505号
【文献】米国特許第6235427号
【文献】米国特許出願公開第2005/0008939号
【非特許文献】
【0008】
【文献】Longらによる“3次元バッテリアーキテクチャ”Chemical Reviews、(2004)、104、4463-4492
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、二次電池に関する課題の一つは、バッテリの信頼性及びサイクル寿命である。例えば、リチウムイオンバッテリの電極構造は、バッテリのチャージ及びディスチャージが繰り返されると拡張(膨張)して収縮する傾向があり、これにより電気的短絡及び機器の故障を招くおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示の様々な態様の中において、バッテリ、燃料セル、及び電気化学キャパシタなどの、エネルギ貯蔵デバイスで使用するための3次元構造が提供される。有利には、また、本開示の一態様によれば、エネルギ貯蔵デバイスの他のコンポーネント(すなわち、エネルギ貯蔵デバイスの非活物質のコンポーネント)に対する電極活物質の割合を増加させることができる。結果として、本開示の三次元構造を含むエネルギ貯蔵デバイスは、より高いエネルギ密度を有することができる。それらは、例えば、正電極と負電極との間の電子及びイオン移動のための輸送距離を最小限にするか、又は減少させることによって、貯蔵された特定量のエネルギに対して、2次元エネルギ貯蔵デバイスよりも高いエネルギ回収率を提供することもできる。これらの装置は、小型化に対して、及び装置に利用可能な幾何学的領域が制限されている、及び/又はエネルギ密度要件が薄層装置で達成され得るものよりも高いアプリケーションに対して、より適している可能性がある。
【0011】
したがって、簡潔には、本開示の一態様によれば、チャージ状態とディスチャージ状態との間でサイクルするためのエネルギ貯蔵デバイスが提供される。エネルギ貯蔵デバイスは、エンクロージャ、エンクロージャ内の電極アセンブリ及び非水性液体電解質、及びエネルギ貯蔵デバイスがチャージ状態とディスチャージ状態との間でサイクルするとき、電極アセンブリへの圧力を保持する拘束とを含む。電極アセンブリは、電極構造の集合体と、対電極構造の集合体、及び電極集合体と対電極集合体の部材間の電気絶縁性微小孔性セパレータ材料とを有する。電極アセンブリは、縦軸に沿って分離された対向する第1及び第2の縦方向端面と、縦軸を取り囲み、第1及び第2の縦方向端面を接続する外側面とを有し、第1及び第2の縦方向端面の組み合わされた表面積は、外側面と第1及び第2の縦方向端面との組み合わされた表面積の33%未満である。電極集合体の部材及び対電極集合体の部材は、電極アセンブリ内で縦軸に平行なスタック方向に交互に配置される。拘束は、圧縮部材を互いに向かって引っ張る少なくとも1つの引張部材によって接続された第1及び第2の圧縮部材を有し、拘束は、相互に直交する且つ電極スタック方向と直交する二つの方向のそれぞれにおいて、電極アセンブリに保持された圧力を超えるスタック方向の電極アセンブリへの圧力を保持する。
【0012】
本開示の更に別の一態様によれば、チャージ状態とディスチャージ状態との間でサイクルするための二次電池が提供され、二次電池は、バッテリエンクロージャ、バッテリエンクロージャ内の電極アセンブリ及び非水性液体電解質、及び二次電池がチャージ状態とディスチャージ状態との間でサイクルするとき、電極アセンブリへの圧力を保持する拘束とを有する。電極アセンブリは、電極構造の集合体と、対電極構造の集合体、及び電極集合体と対電極集合体の部材間の電気絶縁性微小孔性セパレータ材料とを有する。電極アセンブリは、縦軸に沿って分離された対向する第1及び第2の縦方向端面と、縦軸を取り囲み、第1及び第2の縦方向端面を接続する外側面とを有し、第1及び第2の縦方向端面の表面積は、電極アセンブリの表面積の33%未満である。電極集合体の部材及び対電極集合体の部材は、電極アセンブリ内で縦軸に平行なスタック方向に交互に配置される。電極集合体及び対電極集合体の部材の第1の縦方向面上への投射は、第1の投射領域を囲み、電極集合体及び対電極集合体の部材の第2の縦方向面上への投射は、第2の投射領域を囲む。拘束は、第1及び第2の投射領域の上にそれぞれ重なる第1及び第2の圧縮部材を有し、圧縮部材は、電極アセンブリの外側面の上に重なり、圧縮部材を互いに向かって引っ張る引張部材によって接続され、拘束は、相互に直交する且つ電極スタック方向と直交する二つの方向のそれぞれにおいて、電極アセンブリに保持された圧力を超えるスタック方向の電極アセンブリへの圧力を保持する。
【0013】
その他の目的及び構成は、以下において部分的に明らかとなり、部分的に指摘されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】リチウムイオンバッテリなどの、従来技術の2次元エネルギ貯蔵デバイスの電気化学スタックのセルの断面図である。
【
図2】リチウムイオンバッテリなどの、従来技術の2次元エネルギ貯蔵デバイスの巻き電気化学スタックのセルの断面図である。
【
図3A】三角プリズム形状を有する、本開示の電極アセンブリの一つの実施形態の模式図である。
【
図3B】並列パイプ形状を有する、本開示の電極アセンブリの一つの実施形態の模式図である。
【
図3C】矩形プリズム形状を有する、本開示の電極アセンブリの一つの実施形態の模式図である。
【
図3D】五角形プリズム形状を有する、本開示の電極アセンブリの一つの実施形態の模式図である。
【
図3E】六角プリズム形状を有する、本開示の電極アセンブリの一つの実施形態の模式図である。
【
図4】本開示の二次電池の一つの実施形態の概略分解図である。
【
図5A】
図4の二次電池の電極アセンブリの一端の概略端図である。
【
図5C】
図5Aの電極アセンブリの外側面の概略上面図である。
【
図5D】
図5Aの電極アセンブリの反対側の外側面の概略底面図である。
【
図6A】
図4の二次電池の拘束の概略斜視図である。
【
図6B】内部圧縮部材を伴う拘束を有する電極アセンブリの断面の一つの実施形態を示す。
【
図6C】複数の内部圧縮部材を伴う拘束を有する電極アセンブリの断面の一つの実施形態を示す。
【
図7】本開示の二次電池の別の実施形態の概略分解図である。
【
図8】本開示の二次電池の電極アセンブリのための、展開した拘束の別の実施形態の模式図である。
【
図10A】本開示の二次電池の拘束及び電極アセンブリの別の実施形態の模式図である。
【
図11A】本開示の二次電池の電極アセンブリのための、拘束の別の実施形態の模式図である。
【
図12A】内部構造を示すために一部を取り除いた、本開示の二次電池の電極アセンブリの一つの実施形態の斜視図である。
【
図13】内部構造を示すために一部を取り除いた、本開示の二次電池の別の実施形態の斜視図である。
【
図14】内部構造を示すために一部を取り除いた、本開示の二次電池の別の実施形態の斜視図である。
【
図15】内部構造を示すために一部を取り除いた、本開示の二次電池の別の実施形態の斜視図である。
【
図16】本開示の拘束及び電極アセンブリの別の実施形態の断面図である。
【0015】
図面を通して、対応する符号は対応する部分を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
定義
【0017】
本明細書で使用される単数形での記載は、文脈上、他に明確に記載されない限り、複数の指示対象を指す。例えば、1つの例では、「電極」への言及は、単数の電極と複数の同様の電極の両方を含む。
【0018】
本明細書で使用される「約」及び「およそ」は、記載された値の±10%、5%、又は1%を意味する。例えば、1つの例では、約250μmは、225μm~275μmを含む。更なる例として、1つの例では、約1000μmは、900μm~1100μmを含む。特に記載されない限り、本明細書及び特許請求の範囲で使用される量(例えば、測定値など)などを表すすべての数字は、すべての場合において、「約」によって修飾されると理解されるべきである。従って、逆を示さない限り、以下の明細書及び添付の特許請求の範囲に示される数値パラメータは近似値である。個々の数値パラメータは少なくとも、計上された有効数字の数に照らして、及び、通常の丸めテクニックを適用することによって、解釈されるべきである。
【0019】
二次電池の状態を述べる文脈において本明細書内で使用されるとき、「チャージ状態」とは、二次電池がその定格容量の少なくとも75%までチャージされた状態を指す。例えば、バッテリは、その定格容量の少なくとも80%、その定格容量の少なくとも90%、更にはその定格容量の少なくとも95%(例えば、その定格容量の100%)までチャージすることができる。
【0020】
二次電池の状態を述べる文脈において本明細書内で使用されるとき、「ディスチャージ状態」とは、二次電池がその定格容量の25%未満にディスチャージされた状態を指す。例えば、電池は、その定格容量の20%未満(例えば、その定格容量の10%未満)、更にはその定格容量の5%未満(例えば、その定格容量の0%))までディスチャージすることができる。
【0021】
チャージ状態とディスチャージ状態との間の二次電池のサイクルを述べる文脈において本明細書で使用される場合、「サイクル」とは、バッテリをチャージ及び/又はディスチャージして、チャージ状態又はディスチャージ状態のいずれかである第1の状態から、第1の状態とは反対の第2の状態(すなわち、第1の状態がディスチャージ状態の場合にはチャージ状態、又は第1の状態がチャージ状態の場合にはディスチャージ状態)にサイクル内でバッテリを変え、その後、バッテリを第1の状態に戻して、サイクルを完了することを指す。例えば、チャージ状態とディスチャージ状態との間の二次電池の単一のサイクルは、ディスチャージ状態からチャージ状態にチャージし、その後、ディスチャージ状態にディスチャージしてサイクルを完了することを含むことができる。単一サイクルはまた、バッテリをチャージ状態からディスチャージ状態にディスチャージし、その後、チャージ状態にチャージしてサイクルを完了することを含むことができる。
【0022】
電極アセンブリに関して本明細書で言及される場合、「フェレット直径」は、2つの平行な平面に直交する方向に測定した電極アセンブリを拘束する、2つの平面間の距離として定義される。
【0023】
本明細書で使用される「縦軸」、「横軸」及び「垂直軸」は、相互に直交する軸を指す(すなわち、各々は互いに直交する)。例えば、本明細書で使用する場合、「縦軸」、「横軸」及び「垂直軸」は、3次元の形態又は方向を定義するために使用されるデカルト座標系と類似するものである。よって、本発明の発明特定事項の要素の記述は、要素の3次元的な方向を記述するために使用される特定の1又は複数の座標軸に限定されない。言い換えると、座標軸は、本発明の発明特定事項の3次元的形態を参照するときに交換可能とすることができる。
【0024】
本明細書で使用する場合、「縦方向」、「横方向」及び「垂直方向」は、相互に直交する方向を指す(すなわち、各々は互いに直交している)。例えば、本明細書で使用される場合、「縦方向」、「横方向」及び「垂直方向」は、3次元の形態又は方向を定義するために使用されるデカルト座標系の縦軸、横軸、及び垂直軸と、それぞれ略平行とすることができる。
【0025】
二次電池のチャージ状態とディスチャージ状態との間のサイクルを述べる文脈において本明細書で使用される場合、「繰り返しサイクル」は、ディスチャージ状態からチャージ状態に、又はチャージ状態からディスチャージ状態に2回以上サイクルすることを指す。チャージ状態とディスチャージ状態との間の繰り返しサイクルは、ディスチャージ状態からチャージ状態へ少なくとも2回サイクルする(例えば、ディスチャージ状態からチャージ状態へチャージし、ディスチャージ状態へディスチャージして戻り、チャージ状態へ再びチャージし、最終的にディスチャージ状態にディスチャージして戻る)ことを含むことができる。更に別の一例として、チャージ状態とディスチャージ状態との間の少なくとも2回の繰り返しサイクルは、チャージ状態からディスチャージ状態へディスチャージし、チャージ状態へチャージして戻り、ディスチャージ状態へ再びディスチャージし、最終的にチャージ状態にチャージして戻ることを含むことができる。更なる例として、チャージ状態とディスチャージ状態との間の繰り返しサイクルは、ディスチャージ状態からチャージ状態への少なくとも5回のサイクル、更には少なくとも10回のサイクルを含むことができる。更なる例として、チャージ状態とディスチャージ状態との間の繰り返しサイクルは、ディスチャージ状態からチャージ状態への少なくとも25回、50回、100回、300回、500回、更には1000回のサイクルを含むことができる。
【0026】
二次電池を述べる文脈で本明細書にて用いられる「定格出力」は、標準温度状態(25℃)で計測される、ある一定期間に電流を供給する二次電池のキャパシティを示す。例えば、定格出力は、特定の期間の電流出力を決定することにより、若しくは、特定の電流に対して電流が出力され得る時間を決定して電流と時間の積を求めることにより、アンペア時の単位で計測され得る。例えば、バッテリ定格の20アンペア時に対して、電流が定格に対して2アンペアと特定されれば、バッテリは、その電流出力を10時間供給するものであると理解され得、また逆に、時間が定格に対して10時間で特定されれば、バッテリは、10時間の間に2アンペアを出力するものであると理解され得る。
【0027】
詳細な説明
【0028】
一般的に、本開示の二次電池は、バッテリエンクロージャ、バッテリエンクロージャ内の電極アセンブリ及び非水性液体電解質、及び二次電池がチャージ状態とディスチャージ状態との間でサイクルするとき、電極アセンブリへの圧力を保持する拘束とを備える。前述したように、二次電池の形成及び/又はその後の二次電池のチャージ状態とディスチャージ状態との間のサイクル中に、電極アセンブリ内の電極及び/又は対電極は、電極と対電極の積み重なる方向(電極のスタック方向)に拡張する可能性がある。このような拡張は、電極アセンブリが数十(又はそれ以上)の積み重ねられた電極及び対電極を含む場合に課題となる。有利には、本開示の拘束は、バッテリの形成中及び/又はチャージ状態とディスチャージ状態との間のバッテリのその後のサイクル中に(スタック方向における)電極アセンブリの拡張を抑制する電極アセンブリに対する圧力を保持する。また、拘束は、拘束によって電極アセンブリの異なる表面に及ぼされる圧力の差から潜在的に生じる可能性がある電極アセンブリの座屈を更に抑制する。
【0029】
本開示の拘束は、例えば、バッテリエンクロージャ自身を含む構造、バッテリエンクロージャ外部の構造、バッテリエンクロージャ内部の構造、又は、バッテリエンクロージャと、バッテリエンクロージャ内部の構造、及び/若しくは、バッテリエンクロージャ外部の構造との組み合わせの、いずれかでも具体化され得る。一つのそのような実施形態では、バッテリエンクロージャは、拘束の部品であり、言い換えると、この実施形態では、バッテリエンクロージャは、それだけで、又は(バッテリエンクロージャ内部の、及び/若しくは、外部の)一つ若しくはそれ以上の他の構造との組み合わせで、相互に直交する且つ電極スタック方向と直交する方向で、電極構造にかかる圧力よりも大きい圧力を、電極スタック方向に、電極構造にかける。別の実施形態では、相互に直交する且つ電極スタック方向と直交する方向で、電極構造にかかる圧力よりも大きい圧力を、電極スタック方向に電極構造にかけるバッテリエンクロージャ以外の、バッテリエンクロージャ及び(バッテリエンクロージャ内部の、及び/若しくは、外部の)一つ若しくはそれ以上の個別の構造を、拘束は、含まない。
【0030】
一つの例示の実施形態では、拘束は、電極スタック方向と直交する且つ相互に直交する二つの方向で、電極構造にかかる圧力を超える圧力を、電極スタック方向に電極構造にかける、バッテリエンクロージャ内部の一つ若しくはそれ以上の個別の構造を、含む。
【0031】
一つの例示の実施形態では、拘束はバッテリエンクロージャ内部に存在し、電極スタック方向と直交する且つ相互に直交する二つの方向で、電極構造にかかる圧力を超える圧力を、電極スタック方向に電極構造にかける。
【0032】
一つの例示の実施形態では、拘束は、電極スタック方向と直交する且つ相互に直交する二つの方向で、電極構造にかかる圧力を超える圧力を、電極スタック方向に電極構造へ、組み合わせでかける、バッテリエンクロージャ及び該バッテリエンクロージャ内部の一つ若しくはそれ以上の個別の構造の外部の、一つ若しくはそれ以上の個別の構造を、含む。
【0033】
拘束の位置(例えば、バッテリエンクロージャの内部か又は外部か、及び/又は、エンクロージャに含まれるか)とは無関係に、拘束及びバッテリエンクロージャは、組み合わせて、バッテリエンクロージャの外面により囲まれる体積の75%(即ち、バッテリの排水容積)しか占めないのが好ましい。例えば、一つのそのような実施形態では、拘束及びバッテリエンクロージャは、組み合わせて、バッテリエンクロージャの外面により囲まれる体積の60%しか占めない。更なる例として、一つのそのような実施形態では、拘束及びバッテリエンクロージャは、組み合わせて、バッテリエンクロージャの外面により囲まれる体積の45%しか占めない。更なる例として、一つのそのような実施形態では、拘束及びバッテリエンクロージャは、組み合わせて、バッテリエンクロージャの外面により囲まれる体積の30%しか占めない。更なる例として、一つのそのような実施形態では、拘束及びバッテリエンクロージャは、組み合わせて、バッテリエンクロージャの外面により囲まれる体積の20%しか占めない。
【0034】
本開示の電極アセンブリは、一般的に、(電極アセンブリの縦軸に沿って分離される)対向する2つの縦方向端面と、2つの対向する縦方向端面の間に延びる(縦軸を取り囲む)外側面とを備える。一般的に、縦方向端面は、平面であっても非平面であってもよい。例えば、一つの実施形態では、対向する縦方向端面は凸状である。更なる例として、一つの実施形態では、対向する縦方向端面は凹状である。更なる例として、一つの実施形態では、対向する縦方向端面は実質的に平面である。
【0035】
対向する縦方向端面はまた、平面上に投射されたときに、任意の範囲の2次元形状を有してもよい。例えば、縦方向端面は、滑らかな湾曲形状(例えば、円形、楕円形、双曲線又は放物線)を独立して有することができ、一連の線及び頂点(例えば、多角形)を独立に含むことができ、又は滑らかな湾曲形状を独立して含み、且つ1以上の線及び頂点を含むことができる。同様に、電極アセンブリの外側面は、滑らかな湾曲形状(例えば、電極アセンブリが円形、楕円形、双曲線又は放物線断面形状を有する)であってもよく、又は外側面は、頂点で接続された2以上の面を含んでもよい(例えば、電極アセンブリは、多角形の断面を有してもよい)。例えば、一つの実施形態では、電極アセンブリは、円筒形、楕円形状円筒形、放物線状円筒形、又は双曲線状円筒形を有する。更なる例として、一つのそのような実施形態では、電極アセンブリは、同じサイズ及び形状の対向する縦方向端面と、平行四辺形の外側面(すなわち、対向する縦方向端面の間に延在する面)とを有することができる。更なる例として、一つのそのような実施形態では、電極アセンブリは、三角柱に対応する形状を有し、電極アセンブリは、2つの対向する三角形の縦方向端面と、2つの縦方向端面の間に延びる3つの平行四辺形(例えば、矩形)からなる外側面を有する。更なる例として、一つのそのような実施形態では、電極アセンブリは、矩形プリズムに対応する形状を有し、電極アセンブリは、2つの対向する矩形の縦方向端面と、4つの平行四辺形(例えば、矩形)面を含む外側面を有する。更なる例として、一つのそのような実施形態では、電極アセンブリは、五角形プリズム、六角形プリズムなどに対応する形状を有し、電極アセンブリは、それぞれ五角形、六角形などの2つの対向する縦方向端面と、それぞれ5つ、6つなどの平行四辺形(例えば、矩形)の面を含む外側面とを有する。
【0036】
ここで
図3A~
図3Eを参照すると、いくつかの例示的な幾何学的形状が、電極アセンブリ120に対して概略的に示されている。
図3Aでは、電極アセンブリ120は、縦軸Aに沿って分離された対向する第1及び第2の縦方向端面122、124と、縦方向端面を接続し、縦軸Aを取り囲む3つの矩形面を含む外側面(符号なし)を有する三角形プリズム形状を有する。
図3Bでは、電極アセンブリ120は、縦軸線Aに沿って分離された対向する第1及び第2の平行四辺形の縦方向端面122、124と、2つの縦方向端面を接続し、縦軸Aを取り囲む4つの平行四辺形面を含む外側面(符号なし)を有する平行六面体形状を有する。
図3Cでは、電極アセンブリ120は、縦軸Aに沿って分離された対向する第1及び第2の矩形の縦方向端面122、124と、2つの縦方向端面を接続し、縦軸Aを取り囲む4つの矩形面を含む外側面(符号なし)を有する矩形プリズム形状を有する。
図3Dでは、電極アセンブリ120は、縦軸Aに沿って分離された対向する第1及び第2の五角形の縦方向端面122、124と、2つの縦方向端面を接続し、縦軸Aを取り囲む5つの矩形面を含む外側面(符号なし)を有する五角形プリズム形状を有する。
図3Eでは、電極アセンブリ120は、縦軸Aに沿って分離された対向する第1及び第2の六角形の縦方向端面122、124と、2つの縦方向端面を接続し、縦軸Aを取り囲む6つの矩形面を含む外側面(符号なし)を有する六角形プリズム形状を有する。
【0037】
電極アセンブリの全体的な幾何学的形状とは無関係に、電極アセンブリの対向する第1及び第2の縦方向端面は、電極アセンブリの全表面積(すなわち、全表面積は、第1及び第2の縦方向端面の表面積と電極アセンブリの外側面の表面積との合計である)の50%未満の組み合わされた表面積を有する。例えば、
図3A~
図3Eの各々の電極アセンブリ120の第1及び第2の対向する縦方向端面122、124は、それぞれ三角形プリズム(
図3A)、平行六面体(
図3B)、矩形プリズム(
図3C)、五角形プリズム(
図3D)又は六角形プリズム(
図3E)の全表面積の50%未満である組み合わされた表面積(すなわち、第1及び第2の縦方向端面の表面積の合計)を有する。例えば、一つのそのような実施形態では、電極アセンブリの対向する第1及び第2の縦方向端面は、電極アセンブリの全表面の33%未満の表面積を有する。更なる例として、一つのそのような実施形態では、電極アセンブリの対向する第1及び第2の縦方向端面は、電極アセンブリの全表面の25%未満の表面積を有する。更なる例として、一つのそのような実施形態では、電極アセンブリの対向する第1及び第2の縦方向端面は、電極アセンブリの全表面の20%未満の表面積を有する。更なる例として、一つのそのような実施形態では、電極アセンブリの対向する第1及び第2の縦方向端面は、電極アセンブリの全表面の15%未満の表面積を有する。更なる例として、一つのそのような実施形態では、電極アセンブリの対向する第1及び第2の縦方向端面は、電極アセンブリの全表面の10%未満の表面積を有する。
【0038】
いくつかの実施形態では、電極アセンブリは矩形プリズムであり、第1及び第2の対向する縦方向端面は、外側面の少なくとも2つの対向する面の組み合わされた表面積よりも小さい組み合わされた表面積(すなわち、対向する縦方向端面を接続する2つの対向する矩形の外側面の表面積の合計)を有する。いくつかの実施形態では、電極アセンブリは矩形プリズムであり、矩形プリズムは、第1及び第2の対向する縦方向端面と、2対の対向する表面(面)を含む外側面とを有し、2つの対向する縦方向端面は、外側面に含まれる2対の対向する面の少なくとも1対の組み合わされた表面積よりも小さい組み合わされた表面積を有する。いくつかの実施形態では、電極アセンブリは矩形プリズムであり、矩形プリズムは2つの対向する第1及び第2の縦方向端面と、2対の対向する表面(面)を含む外側面とを有し、2つの対向する縦方向端面は、外側面に含まれる2対の対向する面の各対の組み合わされた表面積よりも小さい組み合わされた表面積を有する。
【0039】
一般的に、電極アセンブリは、電極集合体と、電極アセンブリの縦軸と一致する方向(すなわち、電極スタック方向)に積み重ねられた対電極集合体とを含む(例えば、
図3A~
図3Eを参照)。言い換えれば、電極及び対電極は、電極アセンブリの第1の対向する縦方向端面から第2の対向する縦方向端面に延びる方向に積み重ねられる。一つの実施形態では、電極集合体の部材及び/又は対電極集合体の部材は、事実上、薄層である(例えば、
図1及び
図2を参照)。別の一つの実施形態において、電極集合体の部材及び/又は対電極集合体の部材は、事実上、非薄層であり、言い換えると、一つの実施形態では、電極集合体及び/又は対電極集合体の部材は、バックプレーン内の部材の幾何学的フットプリント(すなわち、投射)の2倍よりも大きい表面積(多孔性を無視する)を有するように、仮想バックプレーン(例えば、電極アセンブリの表面と実質的に一致する平面)から十分に延在する。特定の実施形態では、仮想バックプレーンにおけるその非幾何学的なフットプリントに対する非薄層(すなわち、3次元)の電極及び/又は対電極構造の表面積の比は、少なくとも約5、少なくとも約10、少なくとも約50、少なくとも約100、又は更には少なくとも約500とすることができる。しかしながら、一般的に、この比は約2~約1000である。一つのそのような実施形態では、電極集合体の部材は事実上、非薄層である。更なる例として、一つのそのような実施形態では、対電極集合体の部材は、事実上、非薄層である。更なる例として、一つのそのような実施形態では、電極集合体の部材及び対電極集合体の部材は、事実上、非薄層である。
【0040】
電極アセンブリを組み込んだ二次電池の形成中及び/又はサイクル中に、縦方向(例えば、
図3A~
図3Eのそれぞれにおいて縦軸Aに平行な方向)の電極アセンブリの拡張は、本開示の拘束によって抑制することができる。一般的に、拘束は、(電極アセンブリの外側面の上に重なるように適合された)引張部材によって接続された(それぞれ第1及び第2の投射領域の上に重なるように適合された)圧縮部材を備える。引張部材は、圧縮部材を互いに向かって引っ張り、それによって、電極アセンブリの対向する第1及び第2の縦方向端面に圧縮力を印加し、それによって、縦方向(これは、本明細書で更に説明されるような電極スタック方向と一致する)における電極アセンブリの拡張を抑制する。また、バッテリが形成された後、拘束は、相互に直交する且つ縦方向と直交する二つの方向のそれぞれにおいて、電極アセンブリに保持された圧力を超える圧力を縦方向(すなわち、電極のスタック方向)に電極アセンブリに対して掛ける。
【0041】
ここで
図4を参照すると、全体的に100で示される、本開示の二次電池の一つの実施形態の分解図を示すことができる。二次電池は、バッテリエンクロージャ102と、バッテリエンクロージャ102内の電極アセンブリ120の組110とを含み、電極アセンブリの各々は、第1の縦方向端面122と、(
図4の仮想デカルト座標系の「Y軸」に平行な縦軸(図示せず)に沿って第1の縦方向端面122から分離された)対向する第2の縦方向端面124と、外側面123、125、126、127を含む外側面を有する(
図12Aを参照)。各電極アセンブリは、電極構造の集合体と、電極スタック方向Dにおいて、電極アセンブリ(例えば、
図12Aを参照)の各々の中で互いに積み重ねられた対電極構造の集合体とを含み、言い換えると、電極構造及び対電極構造の集合体は、第1の縦方向端面122と第2の縦方向端面124との間で方向Dに進行する交互の一連の電極及び対電極に配置されている(例えば、
図12A参照。
図4に示すように、電極スタック方向Dは、
図4の仮想デカルト座標系のY軸と平行である)。また、個々の電極アセンブリ120内の電極のスタック方向Dは、組110内の電極アセンブリ120の集合体のスタック方向(すなわち、電極アセンブリのスタック方向)に対して直交する。言い換えると、電極アセンブリは、個々の電極アセンブリ内で電極スタック方向Dに直交する組110内の方向に相互配置される(例えば、電極アセンブリのスタック方向は、仮想デカルト座標系のZ軸に対応する方向にある一方、個々の電極アセンブリ内の電極スタック方向Dは、仮想デカルト座標系のY軸に対応する方向にある)。
【0042】
タブ141、142は、バッテリエンクロージャから突出して、組110の電極アセンブリとエネルギ供給装置又は消費装置(図示せず)との間の電気的接続を提供する。より具体的には、この実施形態では、タブ141は、(例えば、導電性接着剤を使用して)タブ延長部143に電気的に接続され、タブ延長部143は、電極アセンブリ120の各々に含まれる電極に電気的に接続される。同様に、タブ142は、(例えば、導電性接着剤を使用して)タブ延長部144に電気的に接続され、タブ延長部144は、電極アセンブリ120の各々に含まれる対電極に電気的に接続される。
【0043】
図4に示す実施形態の各電極アセンブリ120は、縦方向(すなわち、電極スタック方向D)の拡張を抑制するための関連する拘束130を有する。各拘束130は、第1及び第2の縦方向端面122、124の上にそれぞれ重なる圧縮部材132、134(
図5A及び
図5B参照)と、外側面123、125の上にそれぞれ重なる引張部材133、135(
図5C及び
図5D参照)を含む。引張部材133、135は、圧縮部材132、134を互いに向かって引っ張り、圧縮部材132、134は、対向する第1及び第2の縦方向端面122、124に圧縮力を印加する。その結果、バッテリの形成及び/又はバッテリのチャージ状態とディスチャージ状態とのサイクル中の、縦方向における電極アセンブリの拡張が、抑制される。また、拘束130は、相互に直交する且つ縦方向と直交する二つの方向のいずれかにおいて、電極アセンブリ上で保持された圧力を超える圧力を電極アセンブリに対して縦方向(すなわち、電極スタック方向D)にかける。(図示のように、縦方向が「Y」軸の方向に対応し、相互に直交する且つ縦方向と直交する二つの方向が、図示された仮想デカルト座標系のX軸及びZ軸の方向にそれぞれ対応している。)
【0044】
ここで
図5A、
図5B、
図5C及び
図5Dを参照すると、
図4の実施形態における各電極アセンブリ120は、寸法X
1×Z
1を有する第1及び第2の縦方向端面122、124と、寸法X
1×Y
1を有する外側面123、125と、寸法Y
1×Z
1を有する外側面126、127とを有する矩形プリズムの形状に対応する幾何学的形状を有する。(ただし、X
1、Y
1、Z
1は、それぞれデカルト座標系のX、Y、Z軸に対応する方向で測定される寸法である。)したがって、第1及び第2の縦方向端面122、124は、X
1とZ
1の乗算積に対応する表面積を有し、外側面123、125はそれぞれ、X
1とY
1の乗算積に対応する表面積を有し、外側面126、127はそれぞれ、Y
1とZ
1の乗算積に対応する表面積を有する。本開示の一態様によれば、第1及び第2の縦方向端面の表面積の合計は、電極アセンブリの全表面の表面積の33%未満であり、電極アセンブリは矩形プリズムであり、第1及び第2の縦方向端面の組み合わされた表面積は(X
1×Z
1)+(X
1×Z
1)と等しく、外側面の表面積は(X
1×Y
1)+(X
1×Y
1)+(Y
1×Z
1)+(Y
1×Z
1)と等しい。例えば、一つのそのような実施形態では、第1及び第2の縦方向端面の表面積の合計は、電極アセンブリの全表面の表面積の25%未満であり、第1及び第2の縦方向端面の組み合わされた表面積は(X
1×Z
1)+(X
1×Z
1)と等しく、電極アセンブリの全表面積は(X
1×Y
1)+(X
1×Y
1)+(Y
1×Z
1)+(Y
1×Z
1)+(X
1×Z
1)+(X
1×Z
1)と等しい。
【0045】
この実施形態の各拘束130は、第1及び第2の縦方向端面122、124の上にそれぞれ重なる圧縮部材132、134と、圧縮部材を互いに向かって引っ張る少なくとも1つの引張部材とを含む。例えば、拘束は、外側面のそれぞれの外側面123、125の上に重なる引張部材133、135を備えることができる。一般的に、圧縮部材132、134は、電極アセンブリの外側面123、125及び外側面126、127に対して(すなわち、相互に直交する且つ電極のスタック方向と直交する二つの方向のそれぞれに)保持される圧力を超える圧力を第1及び第2の縦方向端面122、124に対して(すなわち、電極スタック方向Dに)かける。例えば、一つのそのような実施形態では、拘束は、電極のスタック方向に直交する且つ相互に直交する二つの方向のうちの少なくとも一方又は更には両方に)電極アセンブリに保持される圧力の、少なくとも3倍超の圧力を第1及び第2の縦方向端面122、124に対して(すなわち、電極スタック方向Dに)かける。更なる例として、一つのそのような実施形態では、拘束は、電極のスタック方向に直交する且つ相互に直交する二つの方向のうちの少なくとも一方又は更には両方に、電極アセンブリに保持される圧力の、少なくとも4倍超の圧力を第1及び第2の縦方向端面122、124に対して(すなわち、電極スタック方向Dに)かける。更なる例として、一つのそのような実施形態では、拘束は、電極のスタック方向に対して直交する且つ相互に直交する二つの方向のうちの少なくとも一方又は更には両方に、電極アセンブリに保持される圧力を少なくとも5倍超の圧力を、第1及び第2の縦方向端面122、124に対して(すなわち、電極スタック方向Dに)かける。
【0046】
ここで
図6Aを参照すると、一つの実施形態では、拘束130は、長さL
1、幅W
1、及び厚さt
1を有するシート107に由来してもよい。拘束を形成するために、シート107は単に電極構造120の周りに巻き付けられ(
図4及び
図5A~
図5D参照)、折り曲げ線113で折り曲げられて電極構造を囲む。縁部115、117は互いに重なり、互いに溶接、接着、又は他の方法で固定されて、圧縮部材132、134(互いに固定された重複縁部115、117を含む圧縮部材134)及び引張部材133、135を含む拘束を形成する。この実施形態では、拘束は、シート107の排水容積に対応する容積(すなわち、L
1、W
1、及びt
1の乗算積)を有する。
【0047】
シート107は、電極構造に所望の力を加えることができる広範囲の相性の良い材料のいずれかを含むことができる。一般的に、拘束は、典型的には、少なくとも10000psi(>70MPa)の極限引張強さを有し、バッテリの電解液と相性が良く、バッテリの浮遊電位又は陽極電位で著しく腐食せず、且つ45℃で著しく反応しないか又は機械的強度を失わない材料を含む。例えば、拘束は、広範囲の金属、合金、セラミックス、ガラス、プラスチック、又はそれらの組み合わせ(すなわち、複合材料)のいずれかを含むことができる。1つの例示的な実施形態では、拘束は、金属(例えば、ステンレス鋼(例えば、SS316、440C、又は440C硬質)、アルミニウム(例えば、アルミニウム7075-T6、硬質H18)、チタン(例えば、6Al-4V)、ベリリウム、ベリリウム銅(硬質)、銅(O2フリー、硬質)、ニッケル)を含む。しかしながら、一般的に、拘束が金属を含む場合、腐食を制限し、電極と対電極との間の電気的短絡を生成するのを制限するような形で組み込まれることが一般的に好ましい。別の例示的な一つの実施形態では、拘束は、セラミックス(例えば、アルミナ(例えば、焼結又はCoorstek AD96)、ジルコニア(例えば、Coorstek YZTP)、イットリア安定化ジルコニア(例えば、ENrG E-Strate(登録商標)))を含む。別の例示的な一つの実施形態では、拘束は、ガラス(例えば、Schott D263強化ガラス)を含む。別の例示的な一つの実施形態では、拘束は、プラスチック(例えば、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)(例えば、Aptiv 1102)、炭素を有するPEEK(例えば、Victrex 90HMF40又はXycomp 1000-04)、炭素を有するポリフェニレンスルフィド(PPS)(例えば、Tepex Dynalite 207)、30%ガラスを有するポリエーテルエーテルケトン(PEEK)(例えば、Victrex 90HMF40又はXycomp 1000-04)、ポリイミド(例えば、Kapton(登録商標)))を含む。別の例示的な一つの実施形態では、拘束は、複合材料(例えば、Eガラス標準Fabric/エポキシ、0度、EガラスUD/エポキシ、0度、ケブラー標準Fabric/エポキシ、0度、ケブラーUD/エポキシ、0度、炭素標準Fabric/エポキシ、0度、炭素UD/エポキシ、0度、東洋紡ザイロン(登録商標)HM繊維/エポキシ)を含む。別の例示的な一つの実施形態では、拘束は、繊維(例えば、ケブラー49アラミド繊維、Sガラス繊維、炭素繊維、ベクトランUM LCP繊維、ダイニーマ、ザイロン)を含む。
【0048】
拘束の厚さ(t1)は、例えば、拘束の構成材料、電極アセンブリの全体的な寸法、及びバッテリの陽極及び陰極の組成を含む要因の範囲に依存する。いくつかの実施形態では、例えば、拘束は、約10~約100マイクロメートルの範囲の厚さを有するシートを含む。例えば、一つのそのような実施形態では、拘束は、約30μmの厚さを有するステンレス鋼シート(例えば、SS316)を含む。更なる例として、別の一つのそのような実施形態では、拘束は、約40μmの厚さを有するアルミニウムシート(例えば、7075-T6)を含む。更なる例として、別の一つのそのような実施形態では、拘束は、約30μmの厚さを有するジルコニアシート(例えば、Coorstek YZTP)を含む。更なる例として、別の一つのそのような実施形態では、拘束は、約75μmの厚さを有するEガラスUD/エポキシ0度シートを含む。更なる例として、別の一つのそのような実施形態では、拘束は、>50%の充填密度で12μmの炭素繊維を含む。
【0049】
特定の実施形態では、拘束の圧縮部材及び/又は引張部材は、多孔質材料を含む。一般的に、多孔質材料により、電解質の電極アセンブリへのアクセスが容易になる。例えば、いくつかの実施形態では、圧縮部材及び/又は引張部材は、少なくとも0.25の空孔率を有することができる。更なる例として、いくつかの実施形態では、圧縮部材及び/又は引張部材は、少なくとも0.375の空孔率を有することができる。更なる例として、いくつかの実施形態では、圧縮部材及び/又は引張部材は、少なくとも0.5の空孔率を有することができる。更なる例として、いくつかの実施形態では、圧縮部材及び/又は引張部材は、少なくとも0.625の空孔率を有することができる。更なる例として、いくつかの実施形態では、圧縮部材及び/又は引張部材は、少なくとも0.75の空孔率を有することができる。
【0050】
更に別の一つの実施形態では、拘束130は、電極アセンブリ120の内部にある1以上の圧縮部材を含む。例えば、ここで
図6Bを参照すると、内部圧縮部材132aを有する拘束130を有する電極アセンブリ120の一つの実施形態の断面図が示されている。
図6Bに示す実施形態では、拘束130は、電極アセンブリ120の縦方向端面122、124にそれぞれ第1及び第2の圧縮部材132、134を備えることができる。しかしながら、追加的及び/又は代替的に、拘束130は、電極アセンブリの縦方向端面122、124以外の内部領域に配置された少なくとも1つの内部圧縮部材132aを更に含むことができる。内部圧縮部材132aは、引張部材133、135に接続され、内部圧縮部材132aと、別の圧縮部材(例えば、電極アセンブリ120の縦方向端面122、124における1以上の圧縮部材132、134)との間の、及び/又は1以上の他の内部圧縮部材132を有する電極アセンブリ120の一部に圧縮圧力を課す。
図6Bに示す実施形態を参照すると、電極アセンブリ120の第1及び第2の縦方向端面122、124から(例えば、電極アセンブリ120の中央領域に向かって)それぞれ離れて縦軸に沿って(スタック方向Dに)離間している内部圧縮部材132aを提供することができる。内部圧縮部材132aは、電極アセンブリ端面122、124より内部の位置で引張部材133、135に接続することができる。1つの実施形態では、端面122、124より内部の位置にある少なくとも1つの内部圧縮部材132aが、電極アセンブリ端面122、124に提供される圧縮部材132、134に加えて提供される。別の一つの実施形態では、拘束130は、縦方向端面122、124から内側に離間して配置された、電極アセンブリ120の内部位置にある内部圧縮部材132aを、縦方向端面122、124に、圧縮部材132、134を有して又は有さずに含む。更に別の一つの実施形態では、拘束130は、縦方向端面122、124に圧縮部材132、134を有さずに、縦方向端面122、124から内部に離間した電極アセンブリの内部位置に内部圧縮部材132aを含む。一つの実施形態では、内部圧縮部材132aは、1以上の圧縮部材132、134及び/又は他の内部圧縮部材132aと協働して、内部圧縮部材132aと電極アセンブリ120の縦方向表面122、124との間に縦方向に存在する、圧縮部材132、134を配置することができる電極アセンブリ120の各部分に圧縮圧力をかける、及び/又は内部圧縮部材132aと別の内部圧縮部材132aとの間に縦方向に存在する電極アセンブリ120の一部に圧縮圧力をかけるものとして理解することができる。1つのバージョンでは、内部圧縮部材132aの少なくとも1つは、以下で更に詳細に説明するように、電極構造151又は対電極構造152の少なくとも一部を含む。例えば、内部圧縮部材132aは、対電極活物質、セパレータ、電極電流コレクタ、対電極電流コレクタ、電極バックボーン、及び対電極バックボーンのうちの少なくとも一部を含むことができる。
【0051】
一つの実施形態によれば、上述のように、拘束130は、電極アセンブリ106の内部構造の一部(例えば、電極151及び/又は対電極構造152の一部)である内部圧縮部材132aを含むことができる。一つの実施形態では、電極アセンブリ120内の構造間に圧縮を提供することによって、電極構造120の伸びによって生成される歪みを適切に補償する緊密に拘束された構造を実現することができる。例えば、一つの実施形態では、1以上の内部圧縮部材132は、接続する引張部材133、134を介して互いに張力をかけて配置されることによって、電極アセンブリ120の縦方向端面122、124における圧縮部材132、134と協働して、縦方向に平行な方向の伸びを抑制するように作用することができる。更に別の一つの実施形態では、電極構造151(例えば、陽極構造)の伸びは、引張部材133、135を介して互いに張力をかけて配置された対電極構造152(例えば、陰極)の部分に対応する1以上の内部圧縮部材132aを介した圧縮によって無効にすることができる。
【0052】
一般的に、特定の実施形態では、拘束130のコンポーネントは、電極アセンブリ120内の電極151及び/又は対電極構造152としてそれぞれ具体化することができ、効果的な拘束を提供するだけでなく、電極アセンブリ120を有する二次電池の大きさを過度に増加させることなく、より効率的に電極アセンブリ120の容積を利用することができる。例えば、一つの実施形態では、拘束130は、1以上の電極構造151及び/又は対電極構造152に取り付けられた内部圧縮部材132aとして機能する引張部材133、135を含むことができる。更なる例として、特定の実施形態では、少なくとも1つの内部圧縮部材132aは、電極構造151の集合体として具体化されてもよい。更なる例として、特定の実施形態では、少なくとも1つの内部圧縮部材132aは、対電極構造152の集合体として具体化されてもよい。
【0053】
ここで
図6Cを参照すると、垂直軸(Z軸)、縦軸(Y軸)、及び横軸(X軸)を有する基準用のデカルト座標系が示されており、X軸は、ページの平面から出るように配向されており、上述したようなスタック方向Dの記号表示は、Y軸と平行である。より具体的には、
図7は、その縦方向表面に圧縮部材132、134を有する拘束130と、少なくとも1つの内部圧縮部材132aとを有する電極アセンブリ120の断面図を示す。拘束130は、圧縮部材132、134、ならびに電極構造151の集合体及び/又は対電極構造152の集合体として具体化された内部圧縮部材を含む。したがって、この実施形態では、少なくとも1つの内部圧縮部材132a、電極構造151、及び/又は対電極構造152は、交換可能であると理解することができる。更に、セパレータ150はまた、内部圧縮部材132aの一部を形成することができる。より具体的には、
図6Cには、電極151又は対電極構造152に対応する内部圧縮部材132aの面一接続の一つの実施形態が示されている。面一接続は、引張部材133、135と内部圧縮部材132aとの間の他の接着手段の接着剤の層182を更に含むことができる。接着剤の層182は、内部圧縮部材132aを引張部材133、135に固定するので、内部圧縮部材132aは、他の圧縮部材(例えば、電極アセンブリ120の縦方向端面にある他の内部圧縮部材又は圧縮部材)と、張力を掛けて保持することができる。
【0054】
一つの実施形態では、電極活物質層160と、電極電流コレクタ163(例えば、イオン性多孔質電極電流コレクタ)と、電極活物質層160及び電極電流コレクタ163を支持する電極バックボーン165とを有する電極集合体151の部材が更に
図6Cに示されている。同様に、一つの実施形態では、対電極活物質層167と、対電極電流コレクタ169と、対電極活物質層167及び対電極電流コレクタ169を支持する対電極バックボーン171とを有する対電極集合体152の部材が
図6Cに示されている。
【0055】
(例えば、
図6Cにあるような)特定の理論に縛られることなく、特定の実施形態では、電極集合体151の部材は、電極活物質層160と、電極電流コレクタ163と、電極活物質層160及び電極電流コレクタ163を支持する電極バックボーン165を含む。同様に、ある実施形態では、対電極集合体152の部材は、対電極活物質層167と、対電極電流コレクタ169と、対電極活物質層167及び対電極電流コレクタ169を支持する対電極バックボーン171を含む。一つの実施形態では、電極構造及び対電極構造151、152のいずれかの少なくとも一部(例えば、電流コレクタ163、169、バックボーン165、171、対電極活物質層167、ならびにセパレータ130)は、(例えば、引張部材133、135に接続されることによって、又は他の方法で1以上の他の内部又は外部圧縮部材132、134と張力を掛けて配置されることによって)内部圧縮部材132aの一部又は全体として機能することができる。一つの実施形態では、内部圧縮部材132aは、接着、溶接、接合、付着、又は同様の接続手段のうちの少なくとも1つによって、引張部材133、135に接続することができる。
図6Cに示される実施形態は、電極構造及び対電極構造151、152の両方に対応する(すなわち、電極構造及び対電極構造の両方が引張部材133、135に接続されることによって互いに張力を掛けて配置される)内部圧縮部材132aを示しているが、別途の実施形態では、(例えば、引張部材133、135に接着されることによって、)電極及び/又は対電極構造の1つのみが、内部圧縮部材132aとして機能する、及び/又は電極又は対電極構造151、152の一部のみが、内部圧縮部材132aとして機能することができる。例えば、一つの実施形態では、電流コレクタ(例えば、電極電流コレクタ163及び/又は対電極電流コレクタ152のうちの少なくとも1つ)は、(例えば、引張部材133、135に接着されることによって)内部圧縮部材132として機能することができる。
【0056】
再び
図4を参照すると、二次電池100の製造を完了するために、バッテリエンクロージャ102が非水電解質(図示せず)で満たされ、蓋104が(折り目106に沿って)折り畳まれ、上面108に密閉される。密閉された二次電池は、完全に組み立てられたとき、その外面によって境界付けられた容積(すなわち、排水容積)を占有し、二次バッテリエンクロージャ102は、その内部容積(すなわち、内面103A、103B、103C、103D、103E、及び蓋104によって境界付けられた柱状の容積)よりも小さい(蓋104を含む)バッテリの排水容積に対応する容積を占有し、組110の各拘束130は、そのそれぞれの排水容積に対応する容積を占有する。したがって、組み合わせて、バッテリエンクロージャ及び拘束は、バッテリエンクロージャの外面によって境界付けられた容積(すなわち、バッテリの排水容積)の75%しか占有しない。例えば、一つのそのような実施形態では、拘束とバッテリエンクロージャは組み合わされて、バッテリエンクロージャの外面によって境界付けられた容積の60%しか占有しない。更なる例として、一つのそのような実施形態では、拘束とバッテリエンクロージャは組み合わされて、バッテリエンクロージャの外面によって境界付けられた容積の45%しか占有しない。更なる例として、一つのそのような実施形態では、拘束とバッテリエンクロージャは組み合わされて、バッテリエンクロージャの外面によって境界付けられた容積の30%しか占有しない。更なる例として、一つのそのような実施形態では、拘束とバッテリエンクロージャは組み合わされて、バッテリエンクロージャの外面によって境界付けられた容積の20%しか占有しない。
【0057】
図4の説明を容易にするために、二次電池100は、電極アセンブリの1つの組110のみを含み、組は、6つの電極アセンブリ120のみを含む。実際には、二次電池は、2以上の組の電極アセンブリを含み、組の各々は互いに横方向(例えば、
図4のデカルト座標系のXY平面内にある相対的な方向)又は垂直方向(例えば、
図4のデカルト座標系のZ軸に実質的に平行な方向)に配置することができる。また、これらの実施形態の各々において、電極アセンブリの組の各々は、1以上の電極アセンブリを備えることができる。例えば、特定の実施形態では、二次電池は、1つ、2つ、又はそれ以上の電極アセンブリの組を備えることができ、各々のそのような組は、1以上の電極アセンブリ(例えば、各々のそのような組内に、1、2、3、4、5、6、10、15又はそれ以上の電極アセンブリ)を備え、バッテリが2以上のそのような組を含む場合、組は、二次電池を構成する他の組の電極アセンブリに対して横方向又は垂直方向に配置されてもよい。これらの様々な実施形態の各々において、各々の個別の電極アセンブリは、それ自体の拘束(すなわち、電極アセンブリと拘束との間に1対1の関係)を有することができ、2以上の電極アセンブリが共通の拘束(すなわち、2以上の電極アセンブリに対して1つの拘束)を有してもよく、又は2以上の電極アセンブリは、拘束のコンポーネントを共有してもよい(すなわち、2以上の電極アセンブリが共通の圧縮部材及び/又は引張部材を有してもよい)。
【0058】
ここで
図12Aを参照すると、例示的な一つの実施形態では、電極アセンブリ120は、第1及び第2の縦方向端面121、122と、外側面123、124、125、126を含む外側面を備える。電極アセンブリ120は、対向する第1及び第2の縦方向端面121、122との間に延在する縦軸Aに平行な電極スタック方向Dに積み重ねられた電極構造151の集合体及び対電極構造152の集合体を更に備える。電極構造及び対電極構造151、152は交互に(例えば、交錯されて)積み重ねられ、電極集合体の各部材が実質的に対電極集合体の2つの部材の間にあり、対電極集合体の各部材が実質的に電極集合体の2つの部材の間にある。例えば、交互の連なり内の最初と最後の電極又は対電極構造を除いて、一つの実施形態では、交互の連なり内の各電極構造は、2つの対電極構造の間にあり、連なり内の各対電極構造は2つの電極構造の間にある。また、仮想バックプレーン(例えば、それぞれ外側面126、127)におけるそれぞれの幾何学的フットプリントに対する非薄層の電極及び対電極構造の表面積の比は、少なくとも約5、少なくとも約10、少なくとも約50、少なくとも約100、更には少なくとも約500とすることができる。
【0059】
図12Aに図示されるように、1つの例外を除いて、電極構造の集合体の各部材151は、対電極集合体の2つの部材152の間にあり、1つの例外を除いて、対電極構造の集合体の各部材152は、電極構造の集合体の2つの部材151の間にある。より一般的に言えば、1つの実施形態では、電極及び対電極集合体は、それぞれN個の部材を有し、N-1個の電極集合体部材の各々は、2個の対電極構造の間にあり、N-1個の対電極集合体部材の各々は、電極構造の間にあり、Nは、少なくとも2である。例えば、一つの実施形態では、Nは、(
図4に図示されるように)少なくとも4、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも25、少なくとも50、更には少なくとも100である。
【0060】
ここで
図12B及び12Cを参照すると、電極及び対電極集合体の部材の、第1の縦方向端面122上への投射は、第1の投射領域162を囲み、電極及び対電極集合体の部材の、第2の縦方向端面124上への投射は、第2の投射領域164を囲む。一般的に、第1及び第2の投射領域162、164は、典型的には、それぞれ、第1及び第2の縦方向端面122、124の表面積のかなりの部分を含む。例えば、一つの実施形態では、第1及び第2の投射領域はそれぞれ、第1及び第2の縦方向端面の表面積の少なくとも50%を含む。更なる例として、一つのそのような実施形態では、第1及び第2の投射領域はそれぞれ、第1及び第2の縦方向端面の表面積の少なくとも75%をそれぞれ含む。更なる例として、一つのそのような実施形態では、第1及び第2の投射領域はそれぞれ、第1及び第2の縦方向端面の表面積の少なくとも90%をそれぞれ含む。
【0061】
電極及び対電極集合体の部材は、キャリアイオン(例えば、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオン又はアルミニウムイオン)を吸収及び放出することができる電気活物質を含む。いくつかの実施形態では、電極構造集合体の部材151は、陽極活性な電気活物質(負電極と呼ばれることもある)を含み、対電極構造集合体の部材152は、陰極活性な電気活物質(正電極と呼ばれることもある)を含む。他の実施形態では、電極構造集合体の部材151は、陰極活性な電気活物質を含み、対電極構造集合体の部材152は、陽極活性の電気活物質を含む。この段落に記載された実施形態及び実施例の各々において、負電極活物質は、粒状凝集体電極又はモノリシック電極とすることができる。
【0062】
例示的な陽極活性な電気活物質は、炭素材料(例えば、黒鉛、及び軟質又は硬質炭素)、又はリチウムと合金を形成することができる範囲にある金属、半金属、合金、酸化物及び化合物のいずれかを含む。陽極材料を構成することができる金属又は半金属の具体的な例としては、スズ、鉛、マグネシウム、アルミニウム、ホウ素、ガリウム、ケイ素、インジウム、ジルコニウム、ゲルマニウム、ビスマス、カドミウム、アンチモン、銀、亜鉛、砒素、ハフニウム、イットリウム、及びパラジウムが含まれる。例示的な一つの実施形態では、陽極活物質は、アルミニウム、スズ、又はケイ素、又はそれらの酸化物、それらの窒化物、それらのフッ化物、又はそれらの他の合金を含む。別の例示的な一つの実施形態では、陽極活物質は、ケイ素又はその合金を含む。
【0063】
例示的な陰極活物質は、広範囲の陰極活物質のいずれかを含む。例えば、リチウムイオンバッテリでは、陰極活物質は、遷移金属酸化物、遷移金属硫化物、遷移金属窒化物、リチウム遷移金属酸化物、リチウム遷移金属硫化物、及びリチウム遷移金属窒化物から選択される陰極材料を含むことができる。これらの遷移金属酸化物、遷移金属硫化物、及び遷移金属窒化物の遷移金属元素は、d殻又はf殻を有する金属元素を含むことができる。そのような金属元素の具体的な例は、Sc、Y、ランタノイド、アクチノイド、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Tc、Re、Fe、Ru、Os、Co、Rh、Ir、Ni、Pb、Pt、Cu、Ag、及びAuである。追加の陰極活物質は、LiCoO2、LiNi0.5Mn1.5O4、Li(NixCoyAl2)O2、LiFePO4、Li2MnO4、V2O5、オキシ硫化モリブデン、リン酸塩、ケイ酸塩、バナジウム酸塩、及びそれらの組み合わせを含む。
【0064】
一つの実施形態では、チャージ及びディスチャージプロセスの間にリチウムイオン(又は他のキャリアイオン)が負電極活物質に組み込まれるか、又は負電極活物質から離れる際に、容積拡張及び収縮に対応するために、陽極活物質を微細構造化して、大きな空孔率を提供する。一般的に、負電極活物質の空孔率は少なくとも0.1である。しかしながら、典型的には、負電極活物質の空孔率は0.8以下である。例えば、一つの実施形態では、負電極活物質の空孔率は約0.15~約0.75である。更なる例として、一つの実施形態では、負電極活物質の空孔率は約0.2~約0.7である。更なる例として、一つの実施形態では、負電極活物質の空孔率は約0.25~約0.6である。
【0065】
微細構造化負電極活物質の組成及びその形成方法により、微細構造化負電極活物質は、マクロポーラス、マイクロポーラス(微小孔性)、又はメソポーラス材料層、又はそれらの組み合わせ(例えば、マイクロポーラスとメソポーラスの組み合わせ、又はメソポーラスとマクロポーラスの組み合わせ)を含むことができる。マイクロポーラス材料は、典型的には、10nm未満の細孔寸法、10nm未満の壁寸法、1~50マイクロメートルの細孔深さ、及び一般的に「海綿状」の不規則な外観(滑らかで分枝した細孔ではない壁)によって特徴付けられる細孔形態によって特徴付けられる。メソポーラス材料は、典型的には、10~50nmの細孔寸法、10~50nmの壁寸法、1~100マイクロメートルの細孔深さ、及び幾分明確に定義された分枝した細孔又は樹枝状の細孔によって概して特徴付けられる細孔形態によって特徴付けられる。マクロポーラス材料は、典型的には、50nmより大きい細孔寸法、50nmより大きい壁寸法、1~500マイクロメートルの細孔深さ、及び様々な、直鎖状、分枝状、又は樹枝状、及び滑らかな又は粗い壁とすることができる細孔形態によって特徴付けられる。また、空隙容積は、開いた又は閉じた空隙、又はそれらの組み合わせを含むことができる。一つの実施形態では、空隙容積は、開いた空隙を含む。すなわち、負電極活物質は、負電極活物質の外側面に開口部を有する空隙を含み、それを通してリチウムイオン(又は他のキャリアイオン)が負電極活物質に出入りすることができ、例えば、リチウムイオンは、正電極活物質を離れた後に空隙開口部を通して負電極活物質に入ることができる。別の一つの実施形態では、空隙容積は閉じた空隙を含む。すなわち、負電極活物質は、負電極活物質によって囲まれた空隙を含む。一般的に、開いた空隙は、キャリアイオンのためのより大きな界面表面積を提供することができるが、閉じた空隙は固体電解質界面の影響を受けにくく、同時に、キャリアイオンの侵入時に、負電極活物質を拡張させる空間を提供する。したがって、特定の実施形態では、負電極活物質は、開いた空隙と閉じた空隙の組み合わせを含むことが好ましい。
【0066】
一つの実施形態では、負電極活物質は、多孔質のアルミニウム、スズ、又はシリコン、又はそれらの合金を含む。多孔質シリコン層は、例えば、陽極酸化、エッチング(例えば、貴金属(例えば、金、白金、銀、又は金/パラジウム)を単結晶シリコンの(100)面に堆積させ、その表面をフッ化水素酸と過酸化水素との混合物でエッチングする)、又は当該技術分野で公知の他の方法(例えば、パターニングされた化学エッチング)によって、形成することができる。また、多孔質負電極活物質は、一般的に、少なくとも約0.1且つ0.8未満の空孔率を有し、約1~約100マイクロメートルの厚さを有する。例えば、一つの実施形態において、負電極活物質は、多孔質シリコンを含み、約5~約100マイクロメートルの厚さを有し、約0.15~約0.75の空孔率を有する。更なる例として、一つの実施形態において、負電極活物質は、多孔質シリコンを含み、約10~約80マイクロメートルの厚さを有し、約0.15~約0.7の空孔率を有する。更なる例として、一つのそのような実施形態では、負電極活物質は、多孔質シリコンを含み、約20~約50マイクロメートルの厚さを有し、約0.25~約0.6の空孔率を有する。更なる例として、一つの実施形態では、負電極活物質は、多孔質ケイ素合金(例えば、ニッケルケイ化物)を含み、約5~約100マイクロメートルの厚さを有し、約0.15~約0.75の空孔率を有する。
【0067】
別の一つの実施形態では、負電極活物質は、アルミニウム、スズ、又はシリコン、又はそれらの合金の繊維を含む。個々の繊維は、約5nm~約10000nmの直径(厚さ寸法)及び負電極活物質の厚さにほぼ対応する長さを有することができる。シリコンの繊維(ナノワイヤ)は、当技術分野で公知の化学気相成長又は他の技術(例えば、VLS(Vapor Liquid Solid)成長及びSLS(Solid Liquid Solid)成長)によって形成することができる。また、負電極活物質は、一般的に、少なくとも約0.1且つ0.8未満の空孔率を有し、約1~約200マイクロメートルの厚さを有する。例えば、一つの実施形態において、負電極活物質は、シリコンナノワイヤを含み、約5~約100マイクロメートルの厚さを有し、約0.15~約0.75の空孔率を有する。更なる例として、一つの実施形態では、負電極活物質は、シリコンナノワイヤを含み、約10~約80マイクロメートルの厚さを有し、約0.15~約0.7の空孔率を有する。更なる例として、一つのそのような実施形態では、負電極活物質は、シリコンナノワイヤを含み、約20~約50マイクロメートルの厚さを有し、約0.25~約0.6の空孔率を有する。更なる例として、一つの実施形態では、負電極活物質は、ケイ素合金(例えば、ニッケルシリサイド)のナノワイヤを含み、約5~約100マイクロメートルの厚さを有し、約0.15~約0.75の空孔率を有する。
【0068】
一つの実施形態では、電極集合体の部材は、電極活物質層、電極電流コレクタ、及び電極活物質層及び電極電流コレクタを支持する電極バックボーンを含む。同様に、一つの実施形態では、対電極集合体の部材は、対電極活物質層、対電極電流コレクタ、及び対電極活物質層及び対電極電流コレクタを支持する対電極バックボーンを含む。
【0069】
一つの実施形態では、電極集合体の各部材は、底部、頂部、及びその底部から頂部に向かって、且つ電極構造及び対電極構造の交互配列が進行する方向に略垂直な方向に延在する縦軸(AE)を有する。また、電極集合体の各部材は、縦軸(AE)に沿って測定された長さ(LE)、電極構造及び対電極構造の交互配列が進行する方向に測定された幅(WE)、及び長さ(LE)及び幅(WE)の測定方向のそれぞれに垂直な方向に測定された高さ(HE)を有する。電極集合体の各部材はまた、その縦軸に垂直な平面内の電極の投射の辺の長さの合計に対応する周囲(PE)を有する。
【0070】
電極集合体の部材の長さ(LE)は、エネルギ貯蔵デバイス及びその使用目的により変化する。しかしながら、一般的に、電極集合体の部材は、典型的には、約5mm~約500mmの範囲の長さ(LE)を有する。例えば、一つのそのような実施形態では、電極集合体の部材は、約10mm~約250mmの長さ(LE)を有する。更なる例として、一つのそのような実施形態では、電極集合体の部材は、約25mm~約100mmの長さ(LE)を有する。
【0071】
電極集合体の部材の幅(WE)もまた、エネルギ貯蔵デバイス及びその使用目的により変化する。しかしながら、一般的に、電極集合体の各部材は、典型的には、約0.01mm~2.5mmの範囲内の幅(WE)を有する。例えば、一つの実施形態では、電極集合体の各部材の幅(WE)は、約0.025mm~約2mmの範囲内にある。更なる例として、一つの実施形態では、電極集合体の各部材の幅(WE)は、約0.05mm~約1mmの範囲内にある。
【0072】
電極集合体の部材の高さ(HE)もまた、エネルギ貯蔵デバイス及びその使用目的により変化する。しかしながら、一般的に、電極集合体の部材は、典型的には、約0.05mm~約10mmの範囲内の高さ(HE)を有する。例えば、一つの実施形態では、電極集合体の各部材の高さ(HE)は、約0.05mm~約5mmの範囲内にある。更なる例として、一つの実施形態では、電極集合体の各部材の高さ(HE)は、約0.1mm~約1mmの範囲内にある。
【0073】
電極集合体の部材の周囲(PE)も同様に、エネルギ貯蔵デバイス及びその使用目的により変化する。しかしながら、一般的に、電極集合体の部材は、典型的には、約0.025mm~約25mmの範囲内の周囲(PE)を有する。例えば、一つの実施形態では、電極集合体の各部材の周囲(PE)は、約0.1mm~約15mmの範囲内にある。更なる例として、一つの実施形態では、電極集合体の各部材の周囲(PE)は、約0.5mm~約10mmの範囲内にある。
【0074】
一般的に、電極集合体の部材は、その幅(WE)及びその高さ(HE)のそれぞれよりも実質的に大きい長さ(LE)を有する。例えば、一つの実施形態では、LEのWE及びHEのそれぞれに対する比は、電極集合体の各部材に対して、それぞれ少なくとも5:1である(すなわち、LEのWEに対する比は、それぞれ少なくとも5:1であり、LEのHEに対する比は、それぞれ少なくとも5:1である)。更なる例として、一つの実施形態では、LEのWE及びHEのそれぞれに対する比は、少なくとも10:1である。更なる例として、一つの実施形態では、LEのWE及びHEのそれぞれに対する比は、少なくとも15:1である。更なる例として、一つの実施形態では、LEのWE及びHEのそれぞれに対する比は、電極集合体の各部材に対して、少なくとも20:1である。
【0075】
また、電極集合体の部材が、その周囲(PE)よりも実質的に大きい長さ(LE)を有することが一般的に好ましい。例えば、一つの実施形態では、LEのPEに対する比は、電極集合体の各部材に対して、それぞれ少なくとも1.25:1である。更なる例として、一つの実施形態では、LEのPEに対する比は、電極集合体の各部材に対して、それぞれ少なくとも2.5:1である。更なる例として、一つの実施形態では、LEのPEに対する比は、電極集合体の各部材に対して、少なくともそれぞれ3.75:1である。
【0076】
一つの実施形態では、電極集合体の部材の高さ(HE)の幅(WE)に対する比は、それぞれ少なくとも0.4:1である。例えば、一つの実施形態では、HEのWEに対する比は、電極集合体の各部材に対して、少なくとも2:1となる。更なる例として、一つの実施形態では、HEのWEに対する比は、それぞれ少なくとも10:1となる。更なる例として、一つの実施形態では、HEのWEに対する比は、それぞれ少なくとも20:1となる。しかしながら、典型的には、HEのWEに対する比は、概してそれぞれ1000:1未満となる。例えば、一つの実施形態では、HEのWEに対する比は、それぞれ500:1未満となる。更なる例として、一つの実施形態では、HEのWEに対する比は、それぞれ100:1未満となる。更なる例として、一つの実施形態では、HEのWEに対する比は、それぞれ10:1未満となる。更なる例として、一つの実施形態では、HEのWEに対する比は、電極集合体の各部材に対して、それぞれ約2:1~約100:1の範囲内となる。
【0077】
対電極集合体の各部材は、底部、頂部、及びその底部から頂部に向かって、且つ電極構造及び対電極構造の交互配列が進行する方向に略垂直な方向に延在する縦軸(ACE)を有する。また、対電極集合体の各部材は、縦軸(ACE)に沿って測定された長さ(LCE)、電極構造及び対電極構造の交互配列が進行する方向に測定された幅(WCE)、及び長さ(LCE)及び幅(WCE)の測定方向のそれぞれに垂直な方向に測定された高さ(HCE)を有する。対電極集合体の各部材はまた、その縦軸に垂直な平面内の電極の投射の辺の長さの合計に対応する周囲(PCE)を有する。
【0078】
対電極集合体の部材の長さ(LCE)は、エネルギ貯蔵デバイス及びその使用目的により変化する。しかしながら、一般的に、対電極集合体の部材は、典型的には、約5mm~約500mmの範囲の長さ(LCE)を有する。例えば、一つのそのような実施形態では、対電極集合体の各部材は、約10mm~約250mmの長さ(LCE)を有する。更なる例として、一つのそのような実施形態では、対電極集合体の各部材は、約25mm~約100mmの長さ(LCE)を有する。
【0079】
対電極集合体の部材の幅(WCE)もまた、エネルギ貯蔵デバイス及びその使用目的により変化する。しかしながら、一般的に、対電極集合体の各部材は、典型的には、約0.01mm~2.5mmの範囲内の幅(WCE)を有する。例えば、一つの実施形態では、対電極集合体の各部材の幅(WCE)は、約0.025mm~約2mmの範囲内にある。更なる例として、一つの実施形態では、対電極集合体の各部材の幅(WCE)は、約0.05mm~約1mmの範囲内にある。
【0080】
対電極集合体の部材の高さ(HCE)もまた、エネルギ貯蔵デバイス及びその使用目的により変化する。しかしながら、一般的に、対電極集合体の部材は、典型的には、約0.05mm~約10mmの範囲内の高さ(HCE)を有する。例えば、一つの実施形態では、対電極集合体の各部材の高さ(HCE)は、約0.05mm~約5mmの範囲内にある。更なる例として、一つの実施形態では、対電極集合体の各部材の高さ(HCE)は、約0.1mm~約1mmの範囲内にある。
【0081】
対電極集合体の部材の周囲(PCE)もまた、エネルギ貯蔵デバイス及びその使用目的により変化する。しかしながら、一般的に、対電極集合体の部材は、典型的には、約0.025mm~約25mmの範囲内の周囲(PCE)を有する。例えば、一つの実施形態では、対電極集合体の各部材の周囲(PCE)は、約0.1mm~約15mmの範囲内にある。更なる例として、一つの実施形態では、対電極集合体の各部材の周囲(PCE)は、約0.5mm~約10mmの範囲内にある。
【0082】
一般的に、対電極集合体の各部材は、その幅(WCE)及びその高さ(HCE)のそれぞれよりも実質的に大きい長さ(LCE)を有する。例えば、一つの実施形態では、LCEのWCE及びHCEのそれぞれに対する比は、対電極集合体の各部材に対して、それぞれ少なくとも5:1である(すなわち、LCEのWCEに対する比は、それぞれ少なくとも5:1であり、LCEのHCEに対する比は、それぞれ少なくとも5:1である)。更なる例として、一つの実施形態では、LCEのWCE及びHCEのそれぞれに対する比は、対電極集合体の各部材に対して、少なくとも10:1である。更なる例として、一つの実施形態では、LCEのWCE及びHCEのそれぞれに対する比は、対電極集合体の各部材に対して、少なくとも15:1である。更なる例として、一つの実施形態では、LCEのWCE及びHCEのそれぞれに対する比は、電極集合体の各部材に対して、少なくとも20:1である。
【0083】
また、対電極集合体の部材が、その周囲(PCE)よりも実質的に大きい長さ(LCE)を有することが一般的に好ましい。例えば、一つの実施形態では、LCEのPCEに対する比は、対電極集合体の各部材に対して、それぞれ少なくとも1.25:1である。更なる例として、一つの実施形態では、LCEのPCEに対する比は、対電極集合体の各部材に対して、それぞれ少なくとも2.5:1である。更なる例として、一つの実施形態では、LCEのPCEに対する比は、対電極集合体の各部材に対して、少なくともそれぞれ3.75:1である。
【0084】
一つの実施形態では、対電極集合体の部材の高さ(HCE)の幅(WCE)に対する比は、それぞれ少なくとも0.4:1である。例えば、一つの実施形態では、HCEのWCEに対する比は、対電極集合体の各部材に対して、少なくとも2:1となる。更なる例として、一つの実施形態では、HCEのWCEに対する比は、対電極集合体の各部材に対して、それぞれ少なくとも10:1となる。更なる例として、一つの実施形態では、HCEのWCEに対する比は、対電極集合体の各部材に対して、それぞれ少なくとも20:1となる。しかしながら、典型的には、HCEのWCEに対する比は、電極集合体の各部材に対して、概してそれぞれ1000:1未満となる。例えば、一つの実施形態では、HCEのWCEに対する比は、対電極集合体の各部材に対して、それぞれ500:1未満となる。更なる例として、一つの実施形態では、HCEのWCEに対する比は、それぞれ100:1未満となる。更なる例として、一つの実施形態では、HCEのWCEに対する比は、それぞれ10:1未満となる。更なる例として、一つの実施形態では、HCEのWCEに対する比は、対電極集合体の各部材に対して、それぞれ約2:1~約100:1の範囲内となる。
【0085】
再び
図12Aを参照すると、電気絶縁セパレータ層153は、電極構造集合体の各部材151を取り囲んで、対電極構造集合体の各部材152から電気的に絶縁する。電気絶縁セパレータ層153は、典型的には、非水性電解質を浸透させることができる微小孔性(マイクロポーラス)セパレータ材料を含む。例えば、一つの実施形態では、微小孔性セパレータ材料は、少なくとも50Å、より典型的には約2500Åの範囲内の直径、及び約25%~約75%の範囲内、より典型的には約35~55%の範囲内の空孔率を有する細孔を含む。また、微小孔性セパレータ材料は、非水性電解質を浸透させて、電極及び対電極集合体の隣接する部材の間でキャリアイオンの伝導を可能にする。一つの実施形態では、例えば、微小孔性セパレータ材料の多孔性を無視すると、チャージ又はディスチャージ中における、イオン交換のための電極構造集合体の部材151と対電極構造の最も近い部材152(すなわち、「隣接対」)の間の電気絶縁セパレータ材料層153の少なくとも70体積%は、微小孔性セパレータ材料である。言い換えると、微小孔性セパレータ材料は、電極構造集合体の部材151と対電極構造集合体の最も近い部材152との間の電気絶縁材料の少なくとも70体積%を構成する。更なる例として、一つの実施形態では、微小孔性セパレータ材料の多孔性を無視すると、微小孔性セパレータ材料は、電極構造集合体と対電極構造集合体のそれぞれの部材151と部材152の隣接する対の間の電気絶縁セパレータ材料層の少なくとも75体積%を構成する。更なる例として、一つの実施形態では、微小孔性セパレータ材料の多孔性を無視すると、微小孔性セパレータ材料は、電極構造集合体と対電極構造集合体のそれぞれの部材151と部材152の隣接する対の間の電気絶縁セパレータ材料層の少なくとも80体積%を構成する。更なる例として、一つの実施形態では、微小孔性セパレータ材料の多孔性を無視すると、微小孔性セパレータ材料は、電極構造集合体と対電極構造集合体のそれぞれの部材151と部材152の隣接する対の間の電気絶縁セパレータ材料層の少なくとも85体積%を構成する。更なる例として、一つの実施形態では、微小孔性セパレータ材料の多孔性を無視すると、微小孔性セパレータ材料は、電極構造集合体と対電極構造集合体のそれぞれの部材151と部材152の隣接する対の間の電気絶縁セパレータ材料層の少なくとも90体積%を構成する。更なる例として、一つの実施形態では、微小孔性セパレータ材料の多孔性を無視すると、微小孔性セパレータ材料は、電極構造集合体と対電極構造集合体のそれぞれの部材151と部材152の隣接する対の間の電気絶縁セパレータ材料層の少なくとも95体積%を構成する。更なる例として、一つの実施形態では、微小孔性セパレータ材料の多孔性を無視すると、微小孔性セパレータ材料は、電極構造集合体と対電極構造集合体のそれぞれの部材151と部材152の隣接する対の間の電気絶縁セパレータ材料層の少なくとも99体積%を構成する。
【0086】
一つの実施形態では、微小孔性セパレータ材料は、粒状材料及びバインダを含み、少なくとも約20体積%の空孔度(ボイド率)を有する。微孔質セパレータ材料の細孔は、少なくとも50Åの直径を有し、典型的には約250~2500Åの範囲内にある。微小孔性セパレータ材料は、典型的には、約75%未満の空孔度を有する。一つの実施形態では、微小孔性セパレータ材料は、少なくとも約25体積%の空孔度(ボイド率)を有する。一つの実施形態では、微小孔性セパレータ材料は、約35~55%の空孔度を有する。
【0087】
微小孔性セパレータ材料用のバインダは、広範囲の無機又はポリマー材料から選択することができる。例えば、一つの実施形態では、バインダは、ケイ酸塩、リン酸塩、アルミン酸塩、アルミノケイ酸塩、及び水酸化物(例えば、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムなど)からなる群から選択される有機材料である。例えば、一つの実施形態では、バインダは、フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロプロペン等を含むモノマーから派生したフッ化ポリマーである。別の一つの実施形態では、バインダは、様々な分子量及び密度の任意の範囲を有するポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、又はポリブテン)である。別の一つの実施形態では、バインダは、エチレン-ジエン-プロペンターポリマー、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレングリコール、ポリビニルアセテート、ポリビニルブチラール、ポリアセタール、及びポリエチレングリコールジアクリレートからなる群から選択される。別の一つの実施形態では、バインダは、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、スチレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン-ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ポリアクリルアミド、ポリビニルエーテル、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、及びポリエチレンオキシドからなる群から選択される。別の一つの実施形態では、バインダは、アクリレート、スチレン、エポキシ、及びシリコーンからなる群から選択される。別の一つの実施形態では、バインダは、上述のポリマーの2以上のコポリマー又はブレンドである。
【0088】
微小孔性セパレータ材料に含まれる粒状材料はまた、広範囲の材料から選択することができる。一般的に、このような材料は、動作温度において比較的低い電子伝導度及びイオン伝導度を有し、微小孔性セパレータ材料と接触するバッテリ電極又は電流コレクタの動作電圧下では腐食しない。例えば、一つの実施形態では、粒状材料は、1×10-4S/cm未満のキャリアイオン(例えば、リチウム)に対する伝導度を有する。更なる例として、一つの実施形態では、粒状材料は、1×10-5S/cm未満のキャリアイオンに対する伝導度を有する。更なる例として、一つの実施形態では、粒状材料は、1×10-6S/cm未満のキャリアイオンに対する伝導度を有する。例示的な粒状材料は、粒状ポリエチレン、ポリプロピレン、TiO2-ポリマー複合材料、シリカエーロゲル、ヒュームドシリカ、シリカゲル、シリカヒドロゲル、シリカキセロゲル、シリカゾル、コロイドシリカ、アルミナ、チタニア、マグネシア、カオリン、タルク、珪藻土、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、又はそれらの組み合わせを含む。例えば、一つの実施形態では、粒状材料は、微粒子酸化物又は窒化物(例えば、TiO2、SiO2、Al2O3、GeO2、B2O3、Bi2O3、BaO、ZnO、ZrO2、BN、Si3N4、Ge3N4)を含む。(例えば、P. Arora and J. Zhang、 “Battery Separators” Chemical Review 2004、104、4419-4462を参照されたい)。一つの実施形態では、粒状材料は、約20nm~2マイクロメートル、より典型的には200nm~1.5マイクロメートルの平均粒径を有する。一つの実施形態では、粒状材料は、約500nm~1マイクロメートルの平均粒径を有する。
【0089】
別の実施形態では、微小孔性セパレータ材料に含まれる粒状材料は、バッテリの機能のためにイオン伝導性を提供するための電解質侵入に対して望ましい空孔率を保持しながら、焼結、結合、硬化などの技術によって結合されてもよい。
【0090】
微小孔性セパレータ材料は、例えば、粒子が表面エネルギ(例えば、静電引力又はファンデルワールス力)によって内部で合体された粒子セパレータ材料の電気泳動堆積、粒子セパレータ材料の(スピン又はスプレーコーティングを含む)スラリー堆積、スクリーン印刷、浸漬コーティング、及び静電スプレー堆積によって堆積させることができる。バインダは、堆積プロセスに含まれてもよく、例えば、粒子材料は、溶媒蒸発により沈殿する溶解したバインダによってスラリー堆積される、溶解したバインダ材料の存在下で電気泳動堆積される、又はバインダ及び絶縁粒子などによって同時電気泳動堆積されることができる。代替的又は追加的に、バインダは、粒子が電極構造の中又は上に堆積した後に添加してもよい。例えば、粒子材料を有機バインダ溶液中に分散させ、浸漬被覆又は噴霧被覆した後に、バインダ材料を乾燥、溶解、又は架橋結合させて接着強度を提供することができる。
【0091】
組み立てられたエネルギ貯蔵デバイスでは、微小孔性セパレータ材料は、二次電池電解質としての使用に適した非水性電解質で浸透される。典型的には、非水性電解質は、有機溶媒に溶解されたリチウム塩を含む。例示的なリチウム塩としては、無機リチウム塩(例えば、LiClO4、LiBF4、LiPF6、LiAsF6、LiCl、及びLiBr)及び有機リチウム塩(例えば、LiB(C6H5)4、LiN(SO2CF3)2、LiN(SO2CF3)3、LiNSO2CF3、LiNSO2CF5、LiNSO2C4F9、LiNSO2C5F11、LiNSO2C6F13、及びLiNSO2C7F15)が含まれる。リチウム塩を溶解するための例示的な有機溶媒には、環状エステル、鎖状エステル、環状エーテル、及び鎖状エーテルが含まれる。環状エステルの具体例としては、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、γ-ブチロラクトン、ビニレンカーボネート、2-メチル-γ-ブチロラクトン、アセチル-γ-ブチロラクトン、及びγ-バレロラクトンが含まれる。鎖状エステルの具体例としては、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、メチルエチルカーボネート、メチルブチルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、エチルブチルカーボネート、エチルプロピルカーボネート、ブチルプロピルカーボネート、アルキルプロピオネート、マロン酸ジアルキル、及びアルキルアセテートが含まれる。環状エーテルの具体例としては、テトラヒドロフラン、アルキルテトラヒドロフラン、ジアルキルテトラヒドロフラン、アルコキシテトラヒドロフラン、ジアルコキシテトラヒドロフラン、1,3-ジオキソラン、アルキル-1,3-ジオキソラン、及び1,4-ジオキソランが含まれる。鎖状エーテルの具体例としては、1,2-ジメトキシエタン、1,2-ジエトキシエタン、ジエチルエーテル、エチレングリコールジアルキルエーテル、ジエチレングリコールジアルキルエーテル、トリエチレングリコールジアルキルエーテル、及びテトラエチレングリコールジアルキルエーテルが含まれる。
【0092】
再び
図12A、
図12B、及び
図12Cを参照すると、電極及び対電極集合体の部材の縦方向端面162、164上への投射と一致する電極アセンブリの縦方向端面122、124の領域は、(すなわち、「投射された表面領域」)はそれぞれ、拘束130によって課せられるかなりの圧縮荷重を受けることになる(
図4参照)。例えば、一つの実施形態では、電極及び対電極集合体の部材の縦方向端面上への投射と一致する電極アセンブリの縦方向端面の領域は、それぞれ少なくとも0.7kPaの(それぞれ、第1及び第2の投射表面領域のそれぞれの表面積にわたって平均化された)圧縮荷重下にある。更なる例として、一つのそのような実施形態では、電極及び対電極集合体の部材の縦方向端面上への投射と一致する電極アセンブリの縦方向端面の領域は、それぞれ少なくとも1.75kPaの(それぞれ、第1及び第2の投射表面領域のそれぞれの表面積にわたって平均化された)圧縮荷重下にある。更なる例として、一つのそのような実施形態では、電極及び対電極集合体の部材の縦方向端面上への投射と一致する電極アセンブリの縦方向端面の領域は、それぞれ少なくとも2.8kPaの(それぞれ第1及び第2の投射表面領域のそれぞれの表面積にわたって平均化された)圧縮荷重下にある。更なる例として、一つのそのような実施形態では、電極及び対電極集合体の部材の縦方向端面上への投射と一致する電極アセンブリの縦方向端面の領域は、それぞれ少なくとも3.5kPaの(第1及び第2の投射表面領域のそれぞれの表面積にわたって平均化した)圧縮荷重下にある。更なる例として、一つのそのような実施形態では、電極及び対電極集合体の部材の縦方向端面上への投射と一致する電極アセンブリの縦方向端面の領域は、それぞれ少なくとも5.25kPaの(それぞれ第1及び第2の投射された表面領域のそれぞれの表面積にわたって平均化された)圧縮荷重下にある。更なる例として、一つのそのような実施形態では、電極及び対電極集合体の部材の縦方向端面上への投射と一致する電極アセンブリの縦方向端面の領域は、それぞれ少なくとも7kPaの(第1及び第2の投射された表面領域のそれぞれの表面積にわたって平均化された)圧縮荷重下にある。更なる例として、一つのそのような実施形態では、電極及び対電極集合体の部材の縦方向端面上への投射と一致する電極アセンブリの縦方向端面の領域は、それぞれ少なくとも8.75kPaの(第1及び第2の投射表面領域それぞれの表面積にわたって平均化された)圧縮荷重下にある。しかしながら、一般的に、電極及び対電極集合体の部材の縦方向端面への投射と一致する電極アセンブリの縦方向端面の領域は、それぞれ約10kPaの(第1及び第2の投射表面領域それぞれの表面積にわたって平均化された)圧縮荷重しか受けない。前述の例示的な実施形態のそれぞれにおいて、本開示の二次電池の縦方向端面は、バッテリがその定格容量の少なくとも約80%にチャージされるとき、そのような圧縮荷重下にある。
【0093】
特定の実施形態では、電極アセンブリの実質的に縦方向端面の全体がかなりの圧縮荷重下にある(必ずしも単に第1及び第2の投射された表面領域ではない)。例えば、いくつかの実施形態では、一般的に、電極アセンブリの縦方向端面のそれぞれは、少なくとも0.7kPaの(縦方向端面のそれぞれの全表面積にわたってそれぞれ平均化された)圧縮荷重下にある。例えば、一つの実施形態では、電極アセンブリの縦方向端面のそれぞれは、少なくとも1.75kPaの(縦方向端面のそれぞれの全表面積にわたってそれぞれ平均化された)圧縮荷重下にある。更なる例として、一つのそのような実施形態では、電極アセンブリの縦方向端面のそれぞれは、少なくとも2.8kPaの(縦方向端面のそれぞれの全表面積にわたってそれぞれ平均化された)圧縮荷重下にある。更なる例として、一つのそのような実施形態では、電極アセンブリの縦方向端面のそれぞれは、少なくとも3.5kPaの(縦方向端面のそれぞれの全表面積にわたってそれぞれ平均化された)圧縮荷重下にある。更なる例として、一つのそのような実施形態では、電極アセンブリの縦方向端面のそれぞれは、少なくとも5.25kPaの(縦方向端面のそれぞれの全表面積にわたってそれぞれ平均化された)圧縮荷重下にある。更なる例として、一つのそのような実施形態では、電極アセンブリの縦方向端面のそれぞれは、少なくとも7kPaの(縦方向端面のそれぞれの全表面積にわたってそれぞれ平均化された)圧縮荷重下にある。更なる例として、一つのそのような実施形態では、電極アセンブリの縦方向端面のそれぞれは、少なくとも8.75kPaの(縦方向端面のそれぞれの全表面積にわたってそれぞれ平均化された)圧縮荷重下にある。しかしながら、一般的に、電極アセンブリの縦方向端面は、約10kPaしか(縦方向端面のそれぞれの全表面積にわたってそれぞれ平均化された)圧縮荷重を受けない。上述の例示的な実施形態のそれぞれにおいて、バッテリがその定格容量の少なくとも約80%にチャージされるとき、電極アセンブリの縦方向端面は、このような圧縮荷重下にある。
【0094】
一つの実施形態では、電極アセンブリの第1及び第2の縦方向端面のそれぞれは、少なくとも100psiの圧縮荷重下にある。例えば、一つの実施形態では、第1及び第2の縦方向端面のそれぞれは、少なくとも200psiの圧縮荷重下にある。更なる例として、一つの実施形態では、第1及び第2の縦方向端面のそれぞれは、少なくとも300psiの圧縮荷重下にある。更なる例として、一つの実施形態では、第1及び第2の縦方向端面のそれぞれは、少なくとも400psiの圧縮荷重下にある。更に別の例として、一つの実施形態では、第1及び第2の縦方向端面のそれぞれは、少なくとも500psiの圧縮荷重下にある。更なる例として、一つの実施形態では、第1及び第2の縦方向端面のそれぞれは、少なくとも600psiの圧縮荷重下にある。更に別の例として、一つの実施形態では、第1の縦方向端面及び第2の縦方向端面のそれぞれは、少なくとも700psiの圧縮荷重下にある。更に別の例として、一つの実施形態では、第1及び第2の縦方向端面のそれぞれは、少なくとも800psiの圧縮荷重下にある。更なる例として、一つの実施形態では、第1及び第2の縦方向端面のそれぞれは、少なくとも900psiの圧縮荷重下にある。更に別の例では、第1及び第2の縦方向端面のそれぞれは、少なくとも1000psiの圧縮荷重下にある。
【0095】
図4及び
図5A、
図5B、
図5C及び
図5Dを再び参照すると、本開示の一態様によれば、引張部材133、135は、縦方向端面に印加された圧縮力に応じて電極アセンブリの座屈を抑制するために、外側面に比較的近いことが好ましい。
図5A~
図5Dに示す実施形態では、例えば、引張部材133、135は、それぞれ外側面123、125に接触する。しかしながら、他の実施形態では、引張部材と外側面との間に隙間が存在してもよい。しかしながら、一般的に、引張部材と電極アセンブリの外側面との間の距離は、電極アセンブリの最小フェレット直径の50%未満であり、フェレット直径は、引張部材と電極アセンブリの外側面との間の距離と同じ方向に測定される。更なる例として、一つのそのような実施形態では、引張部材と電極アセンブリの外側面との間の距離は、電極アセンブリの最小フェレット直径の40%未満であり、フェレット直径は、引張部材と電極アセンブリの外側面との間の距離と同じ方向に測定される。更なる例として、一つのそのような実施形態では、引張部材と電極アセンブリの外側面との間の距離は、電極アセンブリの最小フェレット直径の30%未満であり、フェレット直径は、引張部材と電極アセンブリの外側面との間の距離と同じ方向に測定される。更なる例として、一つのそのような実施形態では、引張部材と電極アセンブリの外側面との間の距離は、電極アセンブリの最小フェレット直径の20%未満であり、フェレット直径は、引張部材と電極アセンブリの外側面との間の距離と同じ方向に測定される。更なる例として、一つのそのような実施形態では、引張部材と電極アセンブリの外側面との間の距離は、電極アセンブリの最小フェレット直径の10%未満であり、フェレット直径は、引張部材と電極アセンブリの外側面との間の距離と同じ方向に測定される。更なる例として、一つのそのような実施形態では、引張部材と電極アセンブリの外側面との間の距離は、電極アセンブリの最小フェレット直径の5%未満であり、フェレット直径は、引張部材と電極アセンブリの外側面との間の距離と同じ方向に測定される。
【0096】
ここで
図7を参照すると、全体が100で示される、本開示の別の実施形態の二次電池の分解図が見られる。二次電池は、バッテリエンクロージャ102と、バッテリエンクロージャ102内の電極アセンブリ120の組110とを含み、電極アセンブリの各々は、第1の縦方向端面122と、(
図7の仮想デカルト座標系の「Y軸」に平行な縦軸(図示せず)に沿って第1の縦方向端面122から分離された)対向する第2の縦方向端面124と、外側面123、125、126、127(
図4参照)を含む外側面とを有する。
図4に示す実施形態とは対照的に、この実施形態では、個々の拘束130が、組110の電極アセンブリの各々の第1及び第2の縦方向表面に圧縮力を課す。前述したように、組110内の各電極アセンブリの対向する第1及び第2の縦方向端面の組み合わされた表面積は、組内の電極アセンブリのそれぞれの全表面積のそれぞれ50%未満である。拘束130の引張部材は、圧縮部材を互いに向かって引っ張り、これによって組110内の各電極アセンブリの対向する第1及び第2の縦方向端面のそれぞれに圧縮力を印加し、これは次いで、(本明細書で前述したように各電極アセンブリの電極スタック方向と一致する)組110内の各電極アセンブリの縦方向の拡張を抑制する。更に、バッテリを形成した後、拘束は、相互に直交する且つ縦方向と直交する二つの方向のいずれかにおいて、それぞれの電極アセンブリに保持される圧力を超える縦方向(すなわち、電極スタック方向)に組110内の各電極アセンブリに対して圧力をかける。
【0097】
ここで
図8、
図9、
図10A、及び
図10Bを参照すると、別の実施形態では、拘束130は、スロット109、接続領域111、及び折り畳み領域113を含むシート107から形成される。拘束を形成するために、シート107は、折り畳み領域113に沿って折り畳まれた(電極構造120の無い
図9に示される)電極構造120の周囲に単に巻かれ、重複縁部115、117は、溶接、接着、又は他の方法で互いに固定されて、圧縮部材132、134(互いに固定されると、重複縁部115、117を含む圧縮部材134)と引張部材133、135とを含む拘束を形成する。一つのそのような実施形態では、拘束130は、スタック方向Dに引き伸ばされ、接続領域111に張力を掛け、その結果、圧縮力を縦方向端面122、124に印加させる。別の実施形態では、接続領域111を引き伸ばして、それらに張力を掛ける代わりに、電極アセンブリ上に取り付ける前に接続領域に予め張力を掛ける。別の代替的な一つの実施形態では、接続領域111は、最初に電極アセンブリ上に設置されたときに張力を受けていないが、むしろ、バッテリの形成によって、電極アセンブリが拡張して接続引張部材内で張力を誘発(すなわち、自己張力印加)する。
【0098】
ここで
図11A及び
図11Bを参照すると、別の実施形態では、拘束130は、スロット109及び接続領域111に加えて、1以上の蛇行引張部材121を備える。蛇行引張部材121は、サイクルの間よりも形成時に力がより大きい実施形態において、二次的な引張力を提供する。そのような実施形態では、直線状部材は、形成中により大きな抵抗と収率を提供する一方、蛇行引張部材は、サイクル中により小さな張力を印加する。前に説明したように、電極構造120の周りにシート107を巻き付け、折り畳み領域113に沿って折り曲げ、(電極構造20の無い
図11A及び11Bに示される)重複縁部115、117を固定することによって、拘束130を形成することができる。シート107が電極構造の周りに巻き付けられると、拘束130はスタック方向Dに引き伸ばされて接続領域111及び蛇行引張部材121に張力が掛けられ、次いで電極構造120にスタック方向Dの圧縮力が作用する。
【0099】
一般的に、高い強度及び剛性を有する拘束は、バッテリの形成中の電極アセンブリの急速な成長を抑制することができるが、はるかに低い強度及び剛性を有する拘束は、異なるチャージ状態で生じるリチウム化の変化による電極アセンブリの体積の変化を可能にする。また、低剛性と高予荷(又は始動荷重)を有する拘束は、陰極と陽極との間に最小の力を保持することによってセルインピーダンスを制御するのに役立つ。本開示の一つの実施形態に係るこれらの矛盾する要件に対処する1つのアプローチは、2つのコンポーネントから拘束を構築することである。これらのコンポーネントは、(i)異なる幾何学的形状を有する同様の材料、又は(ii)異なる弾性率及び同じ幾何学的形状を有する材料、(iii)所望の剛性を達成するための弾性率及び幾何学的特性の組み合わせのいずれかから作ることができる。何れの場合においても、第1のコンポーネント(「要素1」)は、第2のコンポーネント(「要素2」)よりも高い剛性設計(材料又は幾何学形状駆動)を利用し、弾性的に塑性変形するが、バッテリ形成中に受ける負荷の下で砕けない。要素2は、好ましくは弾性的に変形するだけである。何れの場合においても、第1の要素は、第2の要素を内含することによって、又は他の方法で支持することによって、第2の要素がそれ自身よりも大きく変位するのを防止するべきである。
【0100】
一つの実施形態では、拘束は、電極アセンブリの縦方向表面と圧縮部材との間に位置する弾性変形可能な材料を含む。この実施形態では、弾性変形可能な材料は、電極の拡張に適応するように弾性的に変形し、電極が収縮すると弾性的に元の厚さ及び形状に戻る。その結果、電極及び/又は対電極が二次電池のサイクル中に拡張及び収縮するときに、最小の力を電極アセンブリ上で縦方向に保持することができる。
【0101】
ここで
図16を参照すると、1つの例示的実施形態では、拘束130は、第1及び第2の要素136、137を含む。この実施形態では、圧縮部材132は、第1及び第2の要素136、137の圧縮領域132A、132Bをそれぞれ含み、それらは、縦方向端面122の上に重なり、圧縮部材134は、第1及び第2の要素136、137の圧縮領域134A及び134Bをそれぞれ含み、それらは、縦方向端面124の上に重なる。また、引張部材133は、第1及び第2の要素136、137の引張部材領域133A、133Bをそれぞれ含み、それらは、外側面123の上に重なり、引張部材135は、第1及び第2の要素136、137の引張部材領域135A及び135Bをそれぞれ含み、それらは、外側面125の上に重なる。この例示的な実施形態では、第1の要素136は、セル形成又はセルサイクル中に電極アセンブリの最大成長を制限するために使用され、一方、要素137は、ディスチャージ状態の間、電極スタック方向Dの方向の予荷重を保持するために使用される。この例示的な実施形態では、要素136は、形成前に予荷重を有さない(電極アセンブリに力を加えない)。要素137は、第1及び第2の縦方向端面122、124に圧縮力を課すために、電極アセンブリに対して予荷重を加えられる。電極アセンブリが拡張するとき(例えば、チャージ工程中のキャリアイオンの取り込みの際にシリコン含有陽極が拡張するとき)、要素136上の力は、その高い剛性のため急速に成長する一方、より低い剛性要素137上の力は、その変位が要素136によって制限されるので、ゆっくりと上昇する。ある力を超えると、要素136は、弾性から塑性(永久的)へと降伏又は移行する一方、要素137は、弾性範囲内にとどまる。力が上昇し続けると、要素136の長さは永久的に増加する。その後、力が小さい値に減少すると(例えば、ディスチャージステップ中にキャリアイオンの挿入が解除されてシリコン含有陽極が収縮すると)、要素136は永久的に変形され、もはや電極アセンブリ120に接触する可能性はなくなり、その初期の予荷レベル近くに戻ることができる。
【0102】
ここで
図13を参照すると、別の実施形態では、二次電池100は、バッテリエンクロージャ102と、バッテリエンクロージャ102内の一組の電極アセンブリ120とを含む。前述のように、電極アセンブリの各々は、第1の縦方向端面及び縦軸に沿って分離された対向する第2の縦方向端面と、縦軸を囲む横方向表面とを有する(
図4及び12A参照)。更に、組は、組内の電極アセンブリの各々の電極スタック方向Dの拡張を抑制するために、上部拘束部材130T及び底部拘束部材130Bを含む関連する拘束130を有する。上部拘束部材130T及び底部拘束部材130Bは、組み合わせて圧縮部材132を構成する連動タブ132D、132Cをそれぞれ備える。上部拘束部材130T及び底部拘束部材130Bは、組み合わせて圧縮部材134(図示せず)を構成する連動タブをそれぞれ備える。他の実施形態と同様に、圧縮部材の各々は、対向する第1及び第2の縦方向端面に圧縮力を印加し、引張部材は、前述のようにスロット109及び接続領域111を備える。
【0103】
ここで
図14を参照すると、別の実施形態では、二次電池100は、バッテリエンクロージャ102、バッテリエンクロージャ102内の電極アセンブリの組(図示せず)、及び組内の電極アセンブリの各々の電極スタック方向への拡張を防ぐ関連する拘束130を備える。拘束130は、電極アセンブリの組のそれぞれ第1及び第2の縦方向半体をそれぞれ包む第1及び第2のシェル130R、130Lを備える。他の実施形態と同様に、要素132E及び132Fを備える第1の圧縮部材132は、組内の電極アセンブリの第1の縦方向端面(図示せず)の上に重なり、第2の圧縮部材(図示せず)は、組内の電極アセンブリの第2の縦方向端面(図示せず)の上に重なり、引張部材は、電極アセンブリの外側面の上に重なる。他の実施形態と同様に、圧縮部材の各々は、対向する第1及び第2の縦方向端面に圧縮力を印加し、引張部材は、前述のようにスロット109及び接続領域111を備える。
【0104】
ここで
図15を参照すると、別の実施形態では、二次電池100は、バッテリエンクロージャ102、バッテリエンクロージャ102内の電極アセンブリ120の組、及び組内の電極アセンブリの各々の電極スタック方向への拡張を防ぐ関連する拘束130を備える。拘束130は、一連のバンド151を備え、バンド151は、電極アセンブリの各々、及びバンド151と組内の各電極アセンブリ120の第1及び第2の縦方向端面(図示せず)との間に挿入されたキャップ153を取り囲む。この実施形態では、縦方向端面及びキャップの上にあるバンドの部分が、本開示の圧縮部材を構成し、電極アセンブリの外側面を覆うバンド部分が、引張部材を構成する。他の実施形態と同様に、圧縮部材の各々は、前述したように、対向する第1及び第2の縦方向端面に圧縮力を印加する。
【0105】
以下の1~122の番号付けされた更なる実施形態において、本開示の態様は、以下を含む。
【0106】
実施形態1
チャージ状態とディスチャージ状態との間でサイクルするための二次電池であって、二次電池は、バッテリエンクロージャ、バッテリエンクロージャ内の電極アセンブリ及び非水性液体電解質、及び二次電池がチャージ状態とディスチャージ状態との間でサイクルするとき、電極アセンブリへの圧力を保持する拘束とを備え、電極アセンブリは、電極構造の集合体と、対電極構造の集合体、及び電極集合体と対電極集合体の部材間の電気絶縁性微小孔性セパレータ材料とを含み、
【0107】
電極アセンブリは、縦軸に沿って分離された対向する第1及び第2の縦方向端面と、縦軸を取り囲み、第1及び第2の縦方向端面を接続する外側面とを有し、第1及び第2の縦方向端面の表面積は、電極アセンブリの表面積の33%未満であり、
【0108】
電極集合体の部材及び対電極集合体の部材は、電極アセンブリ内で縦軸に平行なスタック方向に交互に配置され、
【0109】
電極集合体及び対電極集合体の部材の第1の縦方向面上への投射は、第1の投射領域を囲み、電極集合体及び対電極集合体の部材の第2の縦方向面上への投射は、第2の投射領域を囲み、
【0110】
拘束は、第1及び第2の投射領域の上にそれぞれ重なる第1及び第2の圧縮部材を備え、圧縮部材は、電極アセンブリの外側面の上に重なり、圧縮部材を互いに向かって引っ張る引張部材によって接続され、
【0111】
拘束は、相互に直交する且つ電極スタック方向と直交する二つの方向のそれぞれにおける電極アセンブリに保持された圧力を超えるスタック方向の電極アセンブリへの圧力を保持する。
【0112】
実施形態2
拘束は、第1及び第2の投射領域のそれぞれに対して、第1及び第2の投射領域の表面積にわたって平均化された少なくとも0.7kPaの平均圧縮力をそれぞれ課す、実施形態1に記載の二次電池。
【0113】
実施形態3
拘束は、第1及び第2の投射領域のそれぞれに対して、第1及び第2の投射領域の表面積にわたって平均化された少なくとも1.75kPaの平均圧縮力をそれぞれ課す、実施形態1に記載の二次電池。
【0114】
実施形態4
拘束は、第1及び第2の投射領域のそれぞれに対して、第1及び第2の投射領域の表面積にわたって平均化された少なくとも2.8kPaの平均圧縮力をそれぞれ課す、実施形態1に記載の二次電池。
【0115】
実施形態5
拘束は、第1及び第2の投射領域のそれぞれに対して、第1及び第2の投射領域の表面積にわたって平均化された少なくとも3.5kPaの平均圧縮力をそれぞれ課す、実施形態1に記載の二次電池。
【0116】
実施形態6
拘束は、第1及び第2の投射領域のそれぞれに対して、第1及び第2の投射領域の表面積にわたって平均化された少なくとも5.25kPaの平均圧縮力をそれぞれ課す、実施形態1に記載の二次電池。
【0117】
実施形態7
拘束は、第1及び第2の投射領域のそれぞれに対して、第1及び第2の投射領域の表面積にわたって平均化された少なくとも7kPaの平均圧縮力をそれぞれ課す、実施形態1に記載の二次電池。
【0118】
実施形態8
拘束は、第1及び第2の投射領域のそれぞれに対して、第1及び第2の投射領域の表面積にわたって平均化された少なくとも8.75kPaの平均圧縮力を課す、実施形態1に記載の二次電池。
【0119】
実施形態9
拘束は、第1及び第2の投射領域のそれぞれに対して、第1及び第2の投射領域の表面積にわたって平均化された少なくとも10kPaの平均圧縮力をそれぞれ課す、実施形態1に記載の二次電池。
【0120】
実施形態10
第1及び第2の縦方向端面の表面積は、電極アセンブリの表面積の25%未満である、前述の実施形態のいずれかに記載の二次電池。
【0121】
実施形態11
第1及び第2の縦方向端面の表面積は、電極アセンブリの表面積の20%未満である、前述の実施形態のいずれかに記載の二次電池。
【0122】
実施形態12
第1及び第2の縦方向端面の表面積は、電極アセンブリの表面積の15%未満である、前述の実施形態のいずれかに記載の二次電池。
【0123】
実施形態13
第1及び第2の縦方向端面の表面積は、電極アセンブリの表面積の10%未満である、前述の実施形態のいずれかに記載の二次電池。
【0124】
実施形態14
拘束及びエンクロージャは、バッテリエンクロージャによって囲まれた容積の60%未満の組み合わされた容積を有する、前述の実施形態のいずれかに記載の二次電池。
【0125】
実施形態15
拘束及びエンクロージャは、バッテリエンクロージャによって囲まれた容積の45%未満の組み合わされた容積を有する、前述の実施形態のいずれかに記載の二次電池。
【0126】
実施形態16
拘束及びエンクロージャは、バッテリエンクロージャによって囲まれた容積の30%未満の組み合わされた容積を有する、前述の実施形態のいずれかに記載の二次電池。
【0127】
実施形態17
拘束及びエンクロージャは、バッテリエンクロージャによって囲まれた容積の20%未満の組み合わされた容積を有する、前述の実施形態のいずれかに記載の二次電池。
【0128】
実施形態18
電極集合体の各部材は、底部、頂部、長さLE、幅WE、高さHE、及び各部材の底部から頂部まで、スタック方向に対して略横方向である方向に延びる中心縦軸AEを有し、電極集合体の各部材の長さLEは、その中心縦軸AEの方向に測定され、電極集合体の各部材の幅WEは、スタック方向に測定され、電極集合体の各部材の高さHEは、各部材の中心縦軸AE及びスタック方向に直交する方向に測定され、電極集合体の各部材のWE及びHEのそれぞれに対するLEの比は、それぞれ少なくとも5:1であり、電極集合体の各部材のHEとWEの比は、それぞれ0.4:1~1000:1である、前述の実施形態のいずれかに記載の二次電池。
【0129】
実施形態19
微小孔性セパレータ材料は、粒状材料及びバインダを含み、少なくとも20体積%の空孔率を有し、非水性液体電解質によって浸透されている、前述の実施形態のいずれかに記載の二次電池。
【0130】
実施形態20
二次電池がチャージ状態とディスチャージ状態との間でサイクルされるときに、電極アセンブリの座屈を抑制するために、引張部材は外側面に十分に近接している、前述の実施形態のいずれかに記載の二次電池。
【0131】
実施形態21
引張部材と外側面との間の距離は、電極アセンブリの最小フェレット直径の50%未満であり、フェレット直径は、引張部材と電極アセンブリの外側面との間の距離と同じ方向に測定される、前述の実施形態のいずれかに記載の二次電池。
【0132】
実施形態22
引張部材と外側面との間の距離は、電極アセンブリの最小フェレット直径の40%未満であり、フェレット直径は、引張部材と電極アセンブリの外側面との間の距離と同じ方向に測定される、前述の実施形態のいずれかに記載の二次電池。
【0133】
実施形態23
引張部材と外側面との間の距離は、電極アセンブリの最小フェレット直径の30%未満であり、フェレット直径は、引張部材と電極アセンブリの外側面との間の距離と同じ方向に測定される、前述の実施形態のいずれかに記載の二次電池。
【0134】
実施形態24
引張部材と外側面との間の距離は、電極アセンブリの最小フェレット直径の20%未満であり、フェレット直径は、引張部材と電極アセンブリの外側面との間の距離と同じ方向に測定される、前述の実施形態のいずれかに記載の二次電池。
【0135】
実施形態25
引張部材と外側面との間の距離は、電極アセンブリの最小フェレット直径の10%未満であり、フェレット直径は、引張部材と電極アセンブリの外側面との間の距離と同じ方向に測定される、前述の実施形態のいずれかに記載の二次電池。
【0136】
実施形態26
引張部材と外側面との間の距離は、電極アセンブリの最小フェレット直径の5%未満であり、フェレット直径は、引張部材と電極アセンブリの外側面との間の距離と同じ方向に測定される、前述の実施形態のいずれかに記載の二次電池。
【0137】
実施形態27
第1及び第2の縦方向端面の各々は、少なくとも100psiの圧縮荷重下にある、前述の実施形態のいずれかに記載の二次電池。
【0138】
実施形態28
第1及び第2の縦方向端面の各々は、少なくとも200psiの圧縮荷重下にある、前述の実施形態のいずれかに記載の二次電池。
【0139】
実施形態29
第1及び第2の縦方向端面の各々は、少なくとも300psiの圧縮荷重下にある、前述の実施形態のいずれかに記載の二次電池。
【0140】
実施形態30
第1及び第2の縦方向端面の各々は、少なくとも400psiの圧縮荷重下にある、前述の実施形態のいずれかに記載の二次電池。
【0141】
実施形態31
第1及び第2の縦方向端面の各々は、少なくとも500psiの圧縮荷重下にある、前述の実施形態のいずれかに記載の二次電池。
【0142】
実施形態32
第1及び第2の縦方向端面の各々は、少なくとも600psiの圧縮荷重下にある、前述の実施形態のいずれかに記載の二次電池。
【0143】
実施形態33
第1及び第2の縦方向端面の各々は、少なくとも700psiの圧縮荷重下にある、前述の実施形態のいずれかに記載の二次電池。
【0144】
実施形態34
第1及び第2の縦方向端面の各々は、少なくとも800psiの圧縮荷重下にある、前述の実施形態のいずれかに記載の二次電池。
【0145】
実施形態35
第1及び第2の縦方向端面の各々は、少なくとも900psiの圧縮荷重下にある、前述の実施形態のいずれかに記載の二次電池。
【0146】
実施形態36
第1及び第2の縦方向端面の各々は、少なくとも1000psiの圧縮荷重下にある、前述の実施形態のいずれかに記載の二次電池。
【0147】
実施形態37
二次電池は定格容量を有し、二次電池がその定格容量の少なくとも80%にチャージされているときに、第1及び第2の縦方向端面は、そのような圧縮荷重下にある、前述の実施形態のいずれかに記載の二次電池。
【0148】
実施形態38
電極構造は、陽極活性な電気活物質を含み、対電極構造は、陰極活性な電気活物質を含む、前述の実施形態のいずれかに記載の二次電池。
【0149】
実施形態39
電極構造は、シリコンを含む陽極活性な電気活物質を含み、対電極構造は、陰極活性な電気活物質を含む、前述の実施形態のいずれかに記載の二次電池。
【0150】
実施形態40
二次電池は、少なくとも2つの電極アセンブリを含む一組の電極アセンブリを含む、前述の実施形態のいずれかに記載の二次電池。
【0151】
実施形態41
二次電池は、少なくとも2つの電極アセンブリの組を備え、二次電池がチャージ状態とディスチャージ状態との間をサイクルされるとき、拘束は、組内の電極アセンブリに圧力を保持する、実施形態1~39のいずれかに記載の二次電池。
【0152】
実施形態42
二次電池は、少なくとも2つの電極アセンブリの組を備え、二次電池は、対応する数の拘束を含み、拘束のそれぞれは、二次電池がチャージ状態とディスチャージ状態との間をサイクルされるとき、組内の電極アセンブリのうちの1つに圧力を保持する、実施形態1~39のいずれかに記載の二次電池。
【0153】
実施形態43
電極アセンブリは、少なくとも5つの電極構造と、少なくとも5つの対電極構造とを含む、前述の実施形態のいずれかに記載の二次電池。
【0154】
実施形態44
電極アセンブリは、少なくとも10個の電極構造と、少なくとも10個の対電極構造とを含む、前述の実施形態のいずれかに記載の二次電池。
【0155】
実施形態45
電極アセンブリは、少なくとも50個の電極構造と、少なくとも50個の対電極構造とを含む、前述の実施形態のいずれかに記載の二次電池。
【0156】
実施形態46
電極アセンブリは、少なくとも100個の電極構造と、少なくとも100個の対電極構造とを含む、前述の実施形態のいずれかに記載の二次電池。
【0157】
実施形態47
電極アセンブリは、少なくとも500個の電極構造と、少なくとも500個の対電極構造とを含む、前述の実施形態のいずれかに記載の二次電池。
【0158】
実施形態48
拘束は、少なくとも10000psi(>70MPa)の極限引張強度を有する材料を含む、前述の実施形態のいずれかに記載の二次電池。
【0159】
実施形態49
拘束は、電池の電解質と適合性のある材料を含む、前述の実施形態のいずれかに記載の二次電池。
【0160】
実施形態50
拘束は、電池の浮遊電位又は陽極電位において著しく腐食しない材料を含む、前述の実施形態のいずれかに記載の二次電池。
【0161】
実施形態51
拘束は、45℃で著しく反応しないか又は機械的強度を失わない材料を含む、前述の実施形態のいずれかに記載の二次電池。
【0162】
実施形態52
拘束は、金属、金属合金、セラミックス、ガラス、プラスチック、又はそれらの組み合わせを含む、前述の実施形態のいずれかに記載の二次電池。
【0163】
実施形態53
拘束は、約10~約100マイクロメートルの範囲内の厚さを有する材料のシートを含む、前述の実施形態のいずれかに記載の二次電池。
【0164】
実施形態54
拘束は、約30~約75マイクロメートルの範囲内の厚さを有する材料のシートを含む、前述の実施形態のいずれかに記載の二次電池。
【0165】
実施形態55
拘束は、>50%の充填密度の炭素繊維を含む、前述の実施形態のいずれかに記載の二次電池。
【0166】
実施形態56
圧縮部材は、相互に直交する且つスタック方向と直交する二つの方向のそれぞれに、電極アセンブリに保持された圧力の、少なくとも3倍超の圧力を第1及び第2の縦方向端面にかける、前述の実施形態のいずれかに記載の二次電池。
【0167】
実施形態57
圧縮部材は、相互に直交する且つスタック方向と直交する二つの方向のそれぞれに、電極アセンブリに保持された圧力の、少なくとも3倍超の圧力を第1及び第2の縦方向端面にかける、前述の実施形態のいずれかに記載の二次電池。
【0168】
実施形態58
圧縮部材は、相互に直交する且つスタック方向と直交する二つの方向のそれぞれに、電極アセンブリに保持された圧力の、少なくとも4倍超の圧力を第1及び第2の縦方向端面にかける、前述の実施形態のいずれかに記載の二次電池。
【0169】
実施形態59
圧縮部材は、相互に直交する且つスタック方向と直交する二つの方向のそれぞれに、電極アセンブリに保持された圧力の、少なくとも5倍超の圧力を第1及び第2の縦方向端面にかける、前述の実施形態のいずれかに記載の二次電池。
【0170】
実施形態60
チャージ状態とディスチャージ状態との間でサイクルするためのエネルギ貯蔵デバイスであって、エネルギ貯蔵デバイスは、エンクロージャ、エンクロージャ内の電極アセンブリ及び非水性液体電解質、及びエネルギ貯蔵デバイスがチャージ状態とディスチャージ状態との間でサイクルするとき、電極アセンブリへの圧力を保持する拘束とを備え、電極アセンブリは、電極構造の集合体と、対電極構造の集合体、及び電極集合体と対電極集合体の部材間の電気絶縁性微小孔性セパレータ材料とを含み、
【0171】
電極アセンブリは、縦軸に沿って分離された対向する第1及び第2の縦方向端面と、縦軸を取り囲み、第1及び第2の縦方向端面を接続する外側面とを有し、第1及び第2の縦方向端面の組み合わされた表面積は、外側面と第1及び第2の縦方向端面との組み合わされた表面積の33%未満であり、
【0172】
電極集合体の部材及び対電極集合体の部材は、電極アセンブリ内で縦軸に平行なスタック方向に交互に配置され、
【0173】
拘束は、圧縮部材を互いに向かって引っ張る少なくとも1つの引張部材によって接続された第1及び第2の圧縮部材を備え、
【0174】
拘束は、相互に直交する且つ電極スタック方向と直交する二つの方向のそれぞれにおいて、電極アセンブリに保持された圧力を超えるスタック方向の電極アセンブリへの圧力を保持する。
【0175】
実施形態61
エネルギ貯蔵デバイスは二次電池である、実施形態60に記載のエネルギ貯蔵デバイス。
【0176】
実施形態62
拘束は、電極アセンブリの縦方向端面の上に重なる第1及び第2の圧縮部材を含む、実施形態60に記載のエネルギ貯蔵デバイス。
【0177】
実施形態63
拘束は、縦方向端面の内部にある少なくとも1つの圧縮部材を含む、 前述の実施形態のいずれかに記載のエネルギ貯蔵デバイス。
【0178】
実施形態64
電極集合体及び対電極集合体の部材の第1の縦方向面上への投射は、第1の投射領域を囲み、電極集合体及び対電極集合体の部材の第2の縦方向面上への投射は、第2の投射領域を囲み、第1及び第2の投射領域は、それぞれ、第1及び第2の縦方向端面の表面積の少なくとも50%をそれぞれ含む、前述の実施形態のいずれかに記載のエネルギ貯蔵デバイス。
【0179】
実施形態65
電極集合体及び対電極集合体の部材の第1の縦方向面上への投射は、第1の投射領域を囲み、電極集合体及び対電極集合体の部材の第2の縦方向面上への投射は、第2の投射領域を囲み、拘束は、第1及び第2の投射領域のそれぞれに対して、少なくとも0.7kPaの平均圧縮力をそれぞれ課す、前述の実施形態のいずれかに記載のエネルギ貯蔵デバイス。
【0180】
実施形態66
拘束は、第1及び第2の投射領域のそれぞれに対して、第1及び第2の投射領域の表面積にわたって平均化された少なくとも1.75kPaの平均圧縮力をそれぞれ課す、前述の実施形態のいずれかに記載のエネルギ貯蔵デバイス。
【0181】
実施形態67
拘束は、第1及び第2の投射領域のそれぞれに対して、第1及び第2の投射領域の表面積にわたって平均化された少なくとも2.8kPaの平均圧縮力をそれぞれ課す、前述の実施形態のいずれかに記載のエネルギ貯蔵デバイス。
【0182】
実施形態68
拘束は、第1及び第2の投射領域のそれぞれに対して、第1及び第2の投射領域の表面積にわたって平均化された少なくとも3.5kPaの平均圧縮力をそれぞれ課す、前述の実施形態のいずれかに記載のエネルギ貯蔵デバイス。
【0183】
実施形態69
拘束は、第1及び第2の投射領域のそれぞれに対して、第1及び第2の投射領域の表面積にわたって平均化された少なくとも5.25kPaの平均圧縮力をそれぞれ課す、前述の実施形態のいずれかに記載のエネルギ貯蔵デバイス。
【0184】
実施形態70
拘束は、第1及び第2の投射領域のそれぞれに対して、第1及び第2の投射領域の表面積にわたって平均化された少なくとも7kPaの平均圧縮力をそれぞれ課す、前述の実施形態のいずれかに記載のエネルギ貯蔵デバイス。
【0185】
実施形態71
拘束は、第1及び第2の投射領域のそれぞれに対して、第1及び第2の投射領域の表面積にわたって平均化された少なくとも8.75kPaの平均圧縮力を課す、前述の実施形態のいずれかに記載のエネルギ貯蔵デバイス。
【0186】
実施形態72
拘束は、第1及び第2の投射領域のそれぞれに対して、第1及び第2の投射領域の表面積にわたって平均化された少なくとも10kPaの平均圧縮力をそれぞれ課す、前述の実施形態のいずれかに記載のエネルギ貯蔵デバイス。
【0187】
実施形態73
第1及び第2の縦方向端面の組み合わされた表面積は、電極アセンブリの表面積の25%未満である、前述の実施形態のいずれかに記載のエネルギ貯蔵デバイス。
【0188】
実施形態74
第1及び第2の縦方向端面の組み合わされた表面積は、電極アセンブリの表面積の20%未満である、前述の実施形態のいずれかに記載のエネルギ貯蔵デバイス。
【0189】
実施形態75
第1及び第2の縦方向端面の組み合わされた表面積は、電極アセンブリの表面積の15%未満である、前述の実施形態のいずれかに記載のエネルギ貯蔵デバイス。
【0190】
実施形態76
第1及び第2の縦方向端面の組み合わされた表面積は、電極アセンブリの表面積の10%未満である、前述の実施形態のいずれかに記載のエネルギ貯蔵デバイス。
【0191】
実施形態77
拘束及びエンクロージャは、エンクロージャによって囲まれた容積の60%未満の組み合わされた容積を有する、前述の実施形態のいずれかに記載のエネルギ貯蔵デバイス。
【0192】
実施形態78
拘束及びエンクロージャは、エンクロージャによって囲まれた容積の45%未満の組み合わされた容積を有する、前述の実施形態のいずれかに記載のエネルギ貯蔵デバイス。
【0193】
実施形態79
拘束及びエンクロージャは、エンクロージャによって囲まれた容積の30%未満の組み合わされた容積を有する、前述の実施形態のいずれかに記載のエネルギ貯蔵デバイス。
【0194】
実施形態80
拘束及びエンクロージャは、エンクロージャによって囲まれた容積の20%未満の組み合わされた容積を有する、前述の実施形態のいずれかに記載のエネルギ貯蔵デバイス。
【0195】
実施形態81
電極集合体の各部材は、底部、頂部、長さLE、幅WE、高さHE、及び各部材の底部から頂部まで、スタック方向に対して略横方向である方向に延びる中心縦軸AEを有し、電極集合体の各部材の長さLEは、その中心縦軸AEの方向に測定され、電極集合体の各部材の幅WEは、スタック方向に測定され、電極集合体の各部材の高さHEは、各部材の中心縦軸AE及びスタック方向に直交する方向に測定され、電極集合体の各部材のWE及びHEのそれぞれに対するLEの比は、それぞれ少なくとも5:1であり、電極集合体の各部材のWEのHEに対する比は、それぞれ0.4:1~1000:1である、前述の実施形態のいずれかに記載のエネルギ貯蔵デバイス。
【0196】
実施形態82
微小孔性セパレータ材料は、粒状材料及びバインダを含み、少なくとも20体積%の空孔率を有し、非水性液体電解質によって浸透されている、前述の実施形態のいずれかに記載のエネルギ貯蔵デバイス。
【0197】
実施形態83
エネルギ貯蔵デバイスがチャージ状態とディスチャージ状態との間でサイクルされるときに、電極アセンブリの座屈を抑制するために、引張部材は外側面に十分に近接している、前述の実施形態のいずれかに記載のエネルギ貯蔵デバイス。
【0198】
実施形態84
引張部材と外側面との間の距離は、電極アセンブリの最小フェレット直径の50%未満である、前述の実施形態のいずれかに記載のエネルギ貯蔵デバイス。
【0199】
実施形態85
引張部材と外側面との間の距離は、電極アセンブリの最小フェレット直径の40%未満である、前述の実施形態のいずれかに記載のエネルギ貯蔵デバイス。
【0200】
実施形態86
引張部材と外側面との間の距離は、電極アセンブリの最小フェレット直径の30%未満である、前述の実施形態のいずれかに記載のエネルギ貯蔵デバイス。
【0201】
実施形態87
引張部材と外側面との間の距離は、電極アセンブリの最小フェレット直径の20%未満である、前述の実施形態のいずれかに記載のエネルギ貯蔵デバイス。
【0202】
実施形態88
引張部材と外側面との間の距離は、電極アセンブリの最小フェレット直径の10%未満である、前述の実施形態のいずれかに記載のエネルギ貯蔵デバイス。
【0203】
実施形態89
引張部材と外側面との間の距離は、電極アセンブリの最小フェレット直径の5%未満である、前述の実施形態のいずれかに記載のエネルギ貯蔵デバイス。
【0204】
実施形態90
第1及び第2の縦方向端面の各々は、少なくとも100psiの圧縮荷重下にある、前述の実施形態のいずれかに記載のエネルギ貯蔵デバイス。
【0205】
実施形態91
第1及び第2の縦方向端面の各々は、少なくとも200psiの圧縮荷重下にある、前述の実施形態のいずれかに記載のエネルギ貯蔵デバイス。
【0206】
実施形態92
第1及び第2の縦方向端面の各々は、少なくとも300psiの圧縮荷重下にある、前述の実施形態のいずれかに記載のエネルギ貯蔵デバイス。
【0207】
実施形態93
第1及び第2の縦方向端面の各々は、少なくとも400psiの圧縮荷重下にある、前述の実施形態のいずれかに記載のエネルギ貯蔵デバイス。
【0208】
実施形態94
第1及び第2の縦方向端面の各々は、少なくとも500psiの圧縮荷重下にある、前述の実施形態のいずれかに記載のエネルギ貯蔵デバイス。
【0209】
実施形態95
第1及び第2の縦方向端面の各々は、少なくとも600psiの圧縮荷重下にある、前述の実施形態のいずれかに記載のエネルギ貯蔵デバイス。
【0210】
実施形態96
第1及び第2の縦方向端面の各々は、少なくとも700psiの圧縮荷重下にある、前述の実施形態のいずれかに記載のエネルギ貯蔵デバイス。
【0211】
実施形態97
第1及び第2の縦方向端面の各々は、少なくとも800psiの圧縮荷重下にある、前述の実施形態のいずれかに記載のエネルギ貯蔵デバイス。
【0212】
実施形態98
第1及び第2の縦方向端面の各々は、少なくとも900psiの圧縮荷重下にある、前述の実施形態のいずれかに記載のエネルギ貯蔵デバイス。
【0213】
実施形態99
第1及び第2の縦方向端面の各々は、少なくとも1000psiの圧縮荷重下にある、前述の実施形態のいずれかに記載のエネルギ貯蔵デバイス。
【0214】
実施形態100
エネルギ貯蔵デバイスは定格容量を有し、エネルギ貯蔵デバイスがその定格容量の少なくとも80%にチャージされているときに、第1及び第2の縦方向端面は、そのような圧縮荷重下にある、前述の実施形態のいずれかに記載のエネルギ貯蔵デバイス。
【0215】
実施形態101
電極構造は、陽極活性な電気活物質を含み、対電極構造は、陰極活性な電気活物質を含む、前述の実施形態のいずれかに記載のエネルギ貯蔵デバイス。
【0216】
実施形態102
電極構造は、シリコンを含む陽極活性な電気活物質を含み、対電極構造は、陰極活性な電気活物質を含む、前述の実施形態のいずれかに記載のエネルギ貯蔵デバイス。
【0217】
実施形態103
エネルギ貯蔵デバイスは、少なくとも2つの電極アセンブリを含む一組の電極アセンブリを含む、前述の実施形態のいずれかに記載のエネルギ貯蔵デバイス。
【0218】
実施形態104
エネルギ貯蔵デバイスは、少なくとも2つの電極アセンブリの組を備え、エネルギ貯蔵デバイスがチャージ状態とディスチャージ状態との間をサイクルされるとき、拘束は、組内の電極アセンブリに圧力を保持する、実施形態60~103のいずれかに記載のエネルギ貯蔵デバイス。
【0219】
実施形態105
エネルギ貯蔵デバイスは、少なくとも2つの電極アセンブリの組を備え、エネルギ貯蔵デバイスは、対応する数の拘束を含み、拘束のそれぞれは、エネルギ貯蔵デバイスがチャージ状態とディスチャージ状態との間をサイクルされるとき、組内の電極アセンブリのうちの1つに圧力を保持する、実施形態60~103のいずれかに記載のエネルギ貯蔵デバイス。
【0220】
実施形態106
電極アセンブリは、少なくとも5つの電極構造と、少なくとも5つの対電極構造とを含む、前述の実施形態のいずれかに記載のエネルギ貯蔵デバイス。
【0221】
実施形態107
電極アセンブリは、少なくとも10個の電極構造と、少なくとも10個の対電極構造とを含む、前述の実施形態のいずれかに記載のエネルギ貯蔵デバイス。
【0222】
実施形態108
電極アセンブリは、少なくとも50個の電極構造と、少なくとも50個の対電極構造とを含む、前述の実施形態のいずれかに記載のエネルギ貯蔵デバイス。
【0223】
実施形態109
電極アセンブリは、少なくとも100個の電極構造と、少なくとも100個の対電極構造とを含む、前述の実施形態のいずれかに記載のエネルギ貯蔵デバイス。
【0224】
実施形態110
電極アセンブリは、少なくとも500個の電極構造と、少なくとも500個の対電極構造とを含む、前述の実施形態のいずれかに記載のエネルギ貯蔵デバイス。
【0225】
実施形態111
拘束は、少なくとも10000psi(>70MPa)の極限引張強度を有する材料を含む、前述の実施形態のいずれかに記載のエネルギ貯蔵デバイス。
【0226】
実施形態112
拘束は、電解質と適合性のある材料を含む、前述の実施形態のいずれかに記載のエネルギ貯蔵デバイス。
【0227】
実施形態113
拘束は、エネルギ貯蔵デバイスの浮遊電位又は陽極電位において著しく腐食しない材料を含む、前述の実施形態のいずれかに記載のエネルギ貯蔵デバイス。
【0228】
実施形態114
拘束は、45℃で著しく反応しないか又は機械的強度を失わない材料を含む、前述の実施形態のいずれかに記載のエネルギ貯蔵デバイス。
【0229】
実施形態115
拘束は、金属、金属合金、セラミックス、ガラス、プラスチック、又はそれらの組み合わせを含む、前述の実施形態のいずれかに記載のエネルギ貯蔵デバイス。
【0230】
実施形態116
拘束は、約10~約100マイクロメートルの範囲内の厚さを有する材料のシートを含む、前述の実施形態のいずれかに記載のエネルギ貯蔵デバイス。
【0231】
実施形態117
拘束は、約30~約75マイクロメートルの範囲内の厚さを有する材料のシートを含む、前述の実施形態のいずれかに記載のエネルギ貯蔵デバイス。
【0232】
実施形態118
拘束は、>50%の充填密度の炭素繊維を含む、前述の実施形態のいずれかに記載のエネルギ貯蔵デバイス。
【0233】
実施形態119
圧縮部材は、相互に直交する且つスタック方向と直交する二つの方向のそれぞれに、電極アセンブリに保持された圧力の、少なくとも3倍超の圧力を第1及び第2の縦方向端面にかける、前述の実施形態のいずれかに記載のエネルギ貯蔵デバイス。
【0234】
実施形態120
圧縮部材は、相互に直交する且つスタック方向と直交する二つの方向のそれぞれに、電極アセンブリに保持された圧力の、少なくとも3倍超の圧力を第1及び第2の縦方向端面にかける、前述の実施形態のいずれかに記載のエネルギ貯蔵デバイス。
【0235】
実施形態121
圧縮部材は、相互に直交する且つスタック方向と直交する二つの方向のそれぞれに、電極アセンブリに保持された圧力の、少なくとも4倍超の圧力を第1及び第2の縦方向端面にかける、前述の実施形態のいずれかに記載のエネルギ貯蔵デバイス。
【0236】
実施形態122
圧縮部材は、相互に直交する且つスタック方向と直交する二つの方向のそれぞれに、電極アセンブリに保持された圧力の、少なくとも5倍超の圧力を第1及び第2の縦方向端面にかける、前述の実施形態のいずれかに記載のエネルギ貯蔵デバイス。
【0237】
本開示の範囲から逸脱することなく、上記の物品、組成物、及び方法において様々な変更を行うことができるので、上記の説明及び添付の図面に示されるすべての事項は、例示的なものであり、限定的なものではないと解釈されることが意図される。
【0238】
すべての方向性記述子(例えば、上、下、左、右など)は、図面に関する参照を容易にするためにのみ使用されており、限定として意味されるものではない。