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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-20
(45)【発行日】2024-10-01
(54)【発明の名称】外科的装置用冷却システム
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/18 20060101AFI20240924BHJP
【FI】
A61B18/18
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022507664
(86)(22)【出願日】2020-08-07
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-17
(86)【国際出願番号】 US2020045439
(87)【国際公開番号】W WO2021026470
(87)【国際公開日】2021-02-11
【審査請求日】2022-04-05
(31)【優先権主張番号】62/884,044
(32)【優先日】2019-08-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】303039785
【氏名又は名称】バイオコンパティブルズ ユーケー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】セネス、チャールズ
(72)【発明者】
【氏名】バックマン、ティム
(72)【発明者】
【氏名】スプレイン、ジェイソン ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】バブコック、デニス
(72)【発明者】
【氏名】チャン、ルアン
(72)【発明者】
【氏名】ミシャック、マチェイ ヴォイチェフ
(72)【発明者】
【氏名】タン、ウィンストン
(72)【発明者】
【氏名】グーレ、マシュー
(72)【発明者】
【氏名】ザックマン、アンドリュー ケビン
(72)【発明者】
【氏名】エルンスター、ローガン
【審査官】北村 龍平
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2008/0027422(US,A1)
【文献】特表2013-511348(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-1728770(KR,B1)
【文献】国際公開第2011/063061(WO,A2)
【文献】特表2015-511827(JP,A)
【文献】特表2003-524507(JP,A)
【文献】米国特許第06878156(US,B1)
【文献】特開平06-261921(JP,A)
【文献】特表2004-520864(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 18/00 - 18/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科的アブレーション装置であって、該装置の少なくとも一部を冷却するために該装置内で冷却剤を循環させるように構成された1つ以上の装置冷却剤通路を備え、前記1つ以上の装置冷却剤通路が装置入口と装置出口との間を流体連通する、外科的アブレーション装置と、
前記装置入口に接続するように構成された装置冷却剤供給ラインと、
前記装置出口に接続するように構成された装置冷却剤戻りラインと、
マニホールドであって、
第1のマニホールド通路と、
第2のマニホールド通路と、
第1の常閉弁を備え且つ前記第1のマニホールド通路に流体連通する出口ポートと
第2の常閉弁を備え且つ前記第2のマニホールド通路に流体連通する入口ポートと、を含むマニホールドと、
(1)前記装置冷却剤供給ラインと前記出口ポートとの間、および(2)前記装置冷却剤戻りラインと前記入口ポートとの間を流体連通するように構成されたカートリッジとを備え、
前記装置冷却剤供給ラインは、前記出口ポートに接続するように構成された供給連結部を備え、前記装置冷却剤戻りラインは、前記入口ポートに接続するように構成された戻り連結部を備え、前記供給連結部及び前記戻り連結部はそれぞれ、前記カートリッジ上に取り付けられるように構成され、
前記カートリッジが前記マニホールドに接続されたとき、(1)前記カートリッジによって前記第1の常閉弁が開放されて、前記冷却剤が前記装置冷却剤供給ラインを通して前記装置入口内に流入可能になるとともに、(2)前記装置出口から前記装置冷却剤戻りラインを通して流出してくる前記冷却剤によって前記第2の常閉弁が開放され、
前記外科的アブレーション装置、前記装置冷却剤供給ライン、前記装置冷却剤戻りライン、および前記マニホールドはそれぞれ、前記第1のマニホールド通路が冷却剤源を介して前記第2のマニホールド通路に接続され、かつ前記カートリッジが前記マニホールドに接続されて前記第1の常閉弁が開放されたときに保持される閉回路を形成するように構成される、外科的アブレーションシステム。
【請求項2】
前記カートリッジは、前記マニホールドに形成された開口部であって、前記出口ポートおよび前記入口ポートに連通する開口部を介して、前記出口ポートおよび前記入口ポートに対して同時に接続され、前記開口部は前記カートリッジを受け入れるように構成されており、前記カートリッジが前記開口部に十分に係合されたとき、前記第1の常閉弁が開放される、請求項1に記載の外科的アブレーションシステム。
【請求項3】
前記閉回路を通過して前記冷却剤をポンプ輸送するように構成されたポンプを備える、請求項2に記載の外科的アブレーションシステム。
【請求項4】
前記ポンプは、前記閉回路を通過して前記冷却剤をポンプ輸送するためにポンプヘッドを駆動するように構成されたポンプドライブを備え、前記閉回路は、前記ポンプドライブに対して取り外し可能に接続されたポンプヘッドを備える、請求項3に記載の外科的アブレーションシステム。
【請求項5】
前記ポンプヘッド、前記供給連結部、および前記戻り連結部は、前記カートリッジの構成要素として配置されており、前記カートリッジは、前記供給連結部と前記戻り連結部とが同時に前記出口ポートと前記入口ポートとにそれぞれ接続するように構成された配列で、前記供給連結部と、前記戻り連結部と、前記ポンプヘッドとを保持し、かつ前記ポンプヘッドをポンプヘッドドライブと着脱自在に係合させるように構成されている、請求項4に記載の外科的アブレーションシステム。
【請求項6】
前記閉回路は、蠕動ポンプの前記ポンプヘッドに対して着脱自在に係合するように構成されたポンプ管を備える、請求項4または5に記載の外科的アブレーションシステム。
【請求項7】
前記供給連結部が前記マニホールドに接続されたとき、前記第1の常閉弁は前記供給連結部によって開かれて、前記冷却剤が前記装置冷却剤供給ラインに通過することを可能にする、請求項1~6のいずれか一項に記載の外科的アブレーションシステム。
【請求項8】
前記第1の常閉弁が開かれて、前記冷却剤が前記装置冷却剤供給ラインに通過することが可能になった後、前記冷却剤は前記装置冷却剤戻りラインを通過して流れ、前記第2の常閉弁を開かせる、請求項1~7のいずれか一項に記載の外科的アブレーションシステム。
【請求項9】
前記供給連結部および前記戻り連結部は、前記カートリッジの構成要素として配置されており、前記カートリッジは、前記供給連結部と前記戻り連結部とを、同時に前記出口ポートと前記入口ポートとにそれぞれ接続するように保持するように構成されている、請求項1に記載の外科的アブレーションシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外科的アブレーション装置用冷却システムに関する。
【背景技術】
【0002】
高周波(Rf:radiofrequency)およびマイクロ波(MW:microwave)アブレーション装置などの外科的アブレーション装置はよく知られており、心臓不整脈の治療用などの、腫瘍組織および心臓組織などの組織のアブレーションのために外科手術で使用されてきた。肺組織または血管などを通ってナビゲートするための柔軟なカテーテルタイプ装置、および経皮的な針タイプの装置が知られている。
【発明の概要】
【0003】
動作中、これらの装置の一部は、装置を通過するエネルギーの量に起因して高温になる可能性がある。温度が上昇すると、装置自体が熱くなり、周囲の組織を損傷させたり、使用中にアンテナ特性の低下させる可能性がある。したがって、アブレーション装置は、装置の中を通って冷却剤を循環させることによって、冷却されるのが一般的である。装置内を通過して循環する冷却剤、典型的には生理食塩水または水には、アンテナの誘電特性を変調し、アンテナに近接する組織の過熱およびアンテナと組織との間のインピーダンス整合の劣化につながる可能性のある近接場異常を低減するという追加の利点がある。
【0004】
マイクロ波アブレーションでは、例えば、アンテナ設計者は典型的には、アブレーションのサイズおよび形状も予測可能であり、また、2つ以上の装置の使用によってアブレーションボリュームの形状がより正確に形作られ得るように、予測可能な形状のフィールドを求める。
【0005】
冷却剤の1つの供給源は、手術室で容易に入手できるIVドリップタイプのバッグである。複数容器の使用を避けるために、冷却剤はアブレーション装置内を通ってポンプ輸送され、廃棄処分され、または、バッグに再循環される。複数の針を使用すると、複数のバッグを使用する必要があり、そのため、トレーリングラインとセットアップにかかる時間とが増加したり、複数のラインおよびコネクタを伴った単一のバッグを使用する必要がある。これらのアプローチは、セットアップの複雑さの増加につながる可能性があり、セットアップにおける漏出またはミスを増やすリスクがあり、手術室のトレーリングラインの増加につながる可能性があるが、かかる増加は望ましくない。
【0006】
冷却剤は、ポンプによってシステムを通って循環され、バッグからのラインがポンプに接続される。この場合も、複数の装置には複数のポンプ、または同じポンプに取り付けられた複数のラインのいずれかが必要であり、セットアップが複雑になる。
【0007】
さらに、コストおよび安全性の観点から、そのセットアップおよび廃棄が容易であって、システムの最小限の部品が再利用されるシステムを提供することが望ましい。
本発明は、これらの問題の少なくともいくつかに対処する。
【0008】
第1の態様では、設計は、外科的アブレーション装置と冷却剤分配マニホールドとを有する外科的アブレーションシステムを提供する。外科的アブレーション装置は、装置冷却剤供給ラインと、装置冷却剤戻りラインと、1つ以上の装置冷却剤通路とを含む装置冷却回路を有する。装置冷却剤供給ラインは、冷却剤をアブレーション装置に送達するように構成され、装置冷却剤供給ラインは、供給連結部を含む。装置冷却剤戻りラインは、アブレーション装置からの冷却剤流出を受け入れるように構成される。アブレーション装置内の1つ以上の装置冷却剤通路は、装置の少なくとも一部を冷却するために装置内で冷却剤を循環させるように構成される。装置冷却剤供給ラインおよび装置冷却剤戻りラインは、装置冷却剤通路(複数可)を介して互いに連通している。冷却剤分配マニホールドは、冷却流体源を少なくとも1つのマニホールド流体出口ポートに連通するように構成される。供給連結部は、冷却流体源を1つ以上の装置冷却剤通路と連通させるなど、マニホールド出口ポートに接続されている。
【0009】
マニホールドは、常閉マニホールド出口弁を介して、冷却流体源をマニホールド出口ポートに連通するようにさらに構成されており、供給連結部は、冷却流体供給を1つ以上の装置冷却剤通路と連通させるなど、マニホールド出口ポートへの接続時にマニホールド出口弁を開放させるように構成される。
【0010】
マニホールドは、1つ以上のマニホールド入口ポートを備え得、冷却システム戻りを1つ以上のマニホールド入口ポートに連通するように構成される。装置冷却剤戻りは、冷却システム戻りが1つ以上の装置冷却剤通路と連通するように、マニホールド入口ポートへの接続用に構成された戻り連結部を備える。
【0011】
マニホールドは、常閉マニホールド入口弁を介して冷却システム戻りをマニホールド入口ポートに連通するようにさらに構成される。マニホールド入口弁により、戻り連結部のポートに接続させ得る。戻り連結部は、冷却流体戻りを1つ以上の装置冷却剤通路と連通させるなど、マニホールド出口ポートへの接続時にマニホールド入口弁を開放させるようにさらに構成される。
【0012】
アブレーション装置は、組織をアブレーションするために患者組織にアブレーションエネルギーを送達するように構成される。アブレーション装置は、装置の少なくとも一部の冷却が望ましい任意のタイプのアブレーション装置であり得、これには、例えばマイクロ波アブレーション装置およびRfアブレーション装置が含まれ、これらは両方とも当技術分野で周知である。装置は、針などの経皮的アブレーションプローブであり得る。そのような針は典型的には、組織内を通って装置先端を前進させることができるように、組織を貫通するように構成された先端と、比較的剛性のシャフトとを有する。代替的には、装置は、一般に肺通路、腸通路、尿路、および生殖器系の通路または血管などの体内通路を通過するように構成された可撓性シャフトを有する、アブレーションカテーテルとすることができる。そのような装置は、組織を貫通するように構成され、または鈍端とされ得る。
【0013】
アブレーション装置は典型的には、近位端と遠位端とを有する長尺状シャフトを備える。シャフトは、遠位側にて先端で終端しており、組織を貫通するように構成されてもよいし、組織外傷を低減するために鈍端とされてもよい。シャフトは、アブレーションエネルギー供給ラインを囲み得、これは例えば、内部導体と、外部導体と、その間の誘電体とを有する同軸ケーブルであり得る。装置は、遠位側にて、組織にアブレーションエネルギーを送達するように構成された放射領域を備える。装置は、アブレーションモダリティに応じて、さまざまなアンテナ構成の1つを有し得る。給電線の近位端は、装置にアブレーションエネルギーを提供するために装置をエネルギー発生器に接続するケーブル(典型的には同軸ケーブル)に取り付けられ得る。
【0014】
アブレーション装置は、装置内で冷却剤を循環させるように構成された1つ以上の内部冷却剤通路を備える。これらの内部冷却剤通路は、冷却剤が装置または装置の部分を冷却することを可能にし、典型的には、装置の内部冷却剤通路に冷却剤を送達するように構成された装置冷却剤供給ライン、および内部冷却剤通路から冷却剤を送達するように構成された装置冷却剤戻りラインと連通している。したがって、装置冷却剤供給ラインおよび装置冷却剤戻りラインは、装置の内部冷却剤通路を介して互いに連通している。
【0015】
内部冷却剤通路は、装置の要素を冷却するように配列されており、例えば内部冷却剤通路は、とりわけ、存在する場合には以下のいずれかの少なくとも一部、すなわち、給電線、シース、アンテナ、放射部分、チョーク、バラン、装置先端、ハブ、または必要に応じて装置の任意の他の部分または要素を冷却するように配列される。
【0016】
装置は、装置冷却剤入口および装置冷却剤出口を有し、これらに装置冷却剤供給ラインおよび装置冷却剤戻りラインがそれぞれ恒久的に接続され、または装置冷却剤供給ラインおよび装置冷却剤戻りラインは着脱可能な接続のために、LuerLok(登録商標)フィッティングなどの着脱自在な連結を備える。任意選択的に、それらは、セットアップで行われる接続の数を減らすために恒久的に接続される。
【0017】
システムは、冷却流体をIVバッグなどの冷却剤流体源から1つ以上の外科的アブレーション装置に分配するように構成されたマニホールドをさらに備え、装置から戻り冷却剤を受け取り、戻り流体を供給源またはドレインに戻し得る。
【0018】
冷却剤分配マニホールドを使用することにより、1つ、または2つ以上、特に少なくとも2つ(2つ、3つまたはそれ以上など)の装置を、1対の冷却剤供給ラインのみを用いて、つまり、マニホールドと冷却剤流体源との間で連通可能な冷却剤システム供給ラインと、マニホールドと冷却剤流体源の間で接続可能な冷却剤システム戻りラインまたはドレインに接続可能な冷却剤システム戻りラインとを使用して、手術の必要性に従って同一の冷却剤源に連通することができる。このようにして、冷却流体源とポンプとの間のライン数を減らすことができ、ラインを接続する際の漏出およびエラーの可能性を低減できる。流体で満たされた容器の数を最小限に抑えるために、冷却流体戻りラインは、冷却流体を冷却流体源に戻し、再循環冷却システムを形成するように構成され得る。したがって、冷却剤流体供給ラインおよび冷却剤流体戻りラインは、必要に応じて、冷却剤源またはドレインへの可逆性接続のためのコネクタを備え得る。
【0019】
マニホールドは、特に常閉マニホールド出口弁を介して、冷却流体源を少なくとも1つのマニホールド流体出口ポートに連通するように構成される。任意選択的に、マニホールドは、特に常閉マニホールド流体入口弁を介して、冷却剤システム戻りラインをマニホールド流体入口ポートに連通するようにも構成される。冷却流体源は、冷却剤システム供給ラインを介してマニホールドに連通され得る一方、冷却剤システム戻りラインは、マニホールドをドレインまたは冷却流体源に連通して、冷却流体をリサイクルする。冷却剤システム供給ラインおよび冷却剤システム戻りラインは、任意選択的に、コネクタのない便利なシステムを提供するためにマニホールドに恒久的に接続される。
【0020】
マニホールドは任意選択的に、冷却剤システム供給ラインと連通するマニホールド供給導管を備える。マニホールド流入導管は、冷却剤供給からマニホールド出口ポートに冷却剤を分配するように構成される。典型的には導管は分岐しており、各マニホールド出口ポートと連通している1つの分岐を有する。マニホールド供給導管は、1つ以上のそのような出口ポートに連通されており、好ましい一実施形態では、それは、常閉マニホールド出口弁を介して連通される。
【0021】
このアプローチでは、マニホールド供給導管の各分岐は、マニホールド出口ポートと連通する1つのマニホールド出口弁を備える。これらの弁は、出口弁が開かれていない限り、冷却流体が出口ポートから流出することを防止する。弁は、一方向弁または逆止弁、例えば通常は入口側と出口側との間の圧力差で動作する逆止弁であり得る。アンブレラ弁またはダックビル弁として知られているタイプのものなどの弁が採用され得る。
【0022】
供給連結部をマニホールド出口ポートに接続すると、マニホールド出口弁が開き、マニホールド供給導管が装置冷却剤供給ラインと連通することになり、したがって、冷却流体供給が、直接的または間接的に、装置冷却剤通路と連通することになる。
【0023】
マニホールド出口弁は、供給連結部の接続によって多数の方法で開かれ得る。一例では、ポート内のアクチュエータが、供給連結部によって接触されて、変位される。アクチュエータが変位することで、弁が開放される。代替的には、連結部の遠位端が弁に接触して、連結中に弁座から弁を変位させるように弁が構成されており、例えば、ボール弁をこの方法で弁座から変位させるか、またはアンブレラ弁のディスクが持ち上げられる。一配列では、アンブレラ弁の弁座は、供給連結部の遠位端に配置された突起を受容する通路を備える。このようにして、突起は弁座を通過し、弁を弁座から変位させ得る。ダックビル弁の場合、例えば連結部の接続により、連結部の遠位部分をダックビル部分に接触させてそれを開放させることができ、例えば連結部の延長部は、「ビル(くちばし)」の側を変位させて流体が流れることを可能にし得る。
【0024】
マニホールドは、冷却剤システム戻りラインと連通しているマニホールド戻り導管も備え得る。マニホールド戻り導管は、各マニホールド入口ポートから冷却剤を収集するように構成される。典型的には、入口導管は分岐しており、各マニホールド入口ポートと連通している1つの分岐を有する。好ましい実施形態では、戻り導管は、1つ以上のそのような入口ポートに、それぞれ別個の常閉マニホールド入口弁を介して連通される。したがって、マニホールド戻り導管の各分岐は、マニホールド入口ポートと連通している1つのマニホールド入口弁を備え得る。これらの弁は、出口弁が開かれていない限り、冷却流体が入口ポートから(つまり、戻り流に逆らうであろう方向に)流出することを防止するように構成される。好ましい一実施形態では、マニホールド入口弁は、装置からの戻り流によって開放されるように構成されるが、それらは代替的にはマニホールド出口弁と同じ方法で戻り連結部の接続時に開放されるように構成される。いずれの場合も、弁は一方向弁または逆止弁である。それは、入口側と出口側との差圧で動作する逆止弁であり、入口側の高圧に応じて開放される。特に、マニホールド入口弁は、アンブレラ弁として知られているタイプのものであってもよい。任意選択的実施形態では、したがって、戻り連結部をマニホールド入口ポートに接続すると、マニホールド供給導管が装置冷却剤戻りラインと連通することになり、したがって、装置冷却剤通路が、例えば流体が回路の周りにポンプ輸送される場合など、流体圧力がマニホールド側よりも弁の装置側で高い場合にのみ、直接的または間接的に、冷却流体戻りラインと連通することになる。
【0025】
接続をより容易にするために、ポートは、入口および出口の対で配列され得る。マニホールド入口ポートおよびマニホールド出口ポートの各対を通過する流れは、他のポート対を通過する流れと並行に配置され得る。この配列により、ある装置の冷却剤回路の閉塞などの流れの乱れは、同じマニホールド上の任意の他の装置を通る流れに影響を与えず、さらに装置は、他の装置の流れを中断することなく、ポートの任意の対に対して接続および遮断できる。マニホールドからの流出を防止するようにそれぞれ構成されたマニホールド出口弁およびマニホールド入口弁の提供は、セットアップ中および1つ以上の対のポートが使用されない場合に、または、セットアップ中もしくは1つ以上の対のポートが使用されない場合に、マニホールドからの漏出の可能性を低減する。
【0026】
マニホールド入口ポートおよびマニホールド出口ポートは、供給および戻り連結部の設計に従って、オス型またはメス型のいずれかであり得る。各ポートは、マニホールドに向けられた近位端と、マニホールドから離れて向けられた遠位端とを有する。好ましい一実施形態では、この配列により、ポートへの供給連結部の接続が弁を開放されることをより容易にするので、マニホールド出口ポートはマニホールド出口弁を備える。マニホールド入口ポートもこのように配列され得る。
【0027】
ポートは任意選択的に、ポートの近位端に向かって(すなわち、基端に向かって)配置された弁を備えたメス構成である。ポートは任意選択的に、接続を容易にするために基部に向かってテーパ付けされている、ほぼ円錐台形状のポート壁を有し、漏出を防止するためにそれぞれ供給または戻り連結部と係合するように構成されたOリングシールなどのシールを備え得る。あるいは、Oリングは連結部に配置され得る。
【0028】
装置冷却剤回路は、冷却剤がその内部を通過してマニホールドから回路に入る冷却剤入口と、冷却剤がその内部を通過して回路を出てマニホールドに戻る冷却剤出口とを備える。装置冷却回路は、冷却流体供給が1つ以上の装置冷却剤通路と連通することになるように、および任意選択的に冷却剤をリサイクルまたは廃棄するために装置冷却剤通路が冷却剤供給と連通することになるように、マニホールドに接続可能に構成される。
【0029】
装置冷却剤供給ラインは、供給ライン冷却剤入口を備える。任意選択的に供給ラインは、供給連結部を備え、供給連結部は、マニホールド出口ポートに接続するように構成された冷却剤入口に配置され、以下でより詳細に説明される。好ましい一実施形態では、供給連結部は、マニホールド出口ポートへのその接続時にマニホールド出口弁を開放させるように構成される。
【0030】
供給連結部は、装置冷却剤供給ラインに向けられた近位端と、供給ラインから離れて向けられた遠位端とを有し、供給連結部冷却剤導管を備え得、供給連結部冷却剤導管は、冷却剤入口を備え、装置冷却剤供給ラインと連通している。これにより、本明細書で説明するように装置がマニホールドに接続されている場合、連結部は、マニホールド冷却剤流入導管、したがって冷却剤供給を、装置冷却剤供給ラインと連通させることができる。供給連結部はオスまたはメス型であり得るが、オス型であり得る。連結部は、マニホールドからの流体が漏出することなく装置を冷却するために装置冷却剤供給ラインに送達され得るように、マニホールド出口ポートに液密接続を行うように構成され得る。好ましい一配列では、供給連結部は、オス型であり、任意選択的に遠位端に向かってテーパ付けされている、ほぼ円錐台状である。
【0031】
好ましい一実施形態では、供給連結部をマニホールド出口ポートに接続すると、マニホールド出口弁が開放される。供給連結部は例えば、接続時にマニホールド出口弁に接触することによってそれを開放させるように構成され得る。連結部は例えば、連結部をポートに接続したときにマニホールド出口弁を開放させるように構成された1つ以上の要素を備え得る。これらの要素は例えば、弁に接触して接続時にそれを開放されるように構成された1つ以上の突起を備え得る。
【0032】
突起は例えば、ボール弁のボールを弁座から押し出す、またはアンブレラ弁のディスクを持ち上げる、またはダックビル弁の側部を分割し得る。この配列は、連結部がオス型であり、要素が連結部の遠位端に向かって任意選択的に形成される場合に特に有用であるが、連結部がメス型である場合にも突起は使用され得る。
【0033】
装置冷却剤戻りラインは、冷却剤流体をドレインに戻すか、または流体を流体供給に戻すように構成され得る。このようにして、戻された流体をリサイクルし得る。装置冷却剤戻りラインは、戻りライン冷却剤出口を備える。好ましい構成では、装置冷却剤戻りラインは、戻り連結部を備える。戻り連結部は、冷却剤出口に配置され、マニホールド入口ポートに接続するように構成され、これは以下で詳しく説明される。戻り連結部は、装置冷却剤戻りラインと連通する、冷却剤出口を備える戻り連結部冷却剤導管を備える。これにより、装置がマニホールドに接続される場合、連結部がマニホールド流出導管を装置冷却剤戻りラインに連通させることになる。カップリングはオス型またはメス型であり得るが、オス型であり得る。戻り連結部は、供給連結部について説明したのと同じ方法で、接続時にマニホールド入口弁を開かせ得る。1つのアプローチでは、マニホールド入口弁は、装置からの戻り流によって開放されるように構成される。
【0034】
好ましい一実施形態では、供給および戻り連結部は、それぞれマニホールド流体出口ポートおよびマニホールド流体入口ポートに同時に接続するように構成された配列で配置される。これにより、マニホールドへの連結部がより安定し、ポートの接続がより容易になる。供給および戻り連結部は、例えばカートリッジに、またはプラグなどのカートリッジに一緒に搭載され得、これは、供給および戻りポートに同時に挿入するための構成でそれらを保持する。
【0035】
さらに好ましい実施形態では、アブレーションシステムは、冷却回路を介して、したがって装置の冷却剤通路を介して冷却流体をポンプ輸送するように構成されたポンプをさらに備え得る。ポンプは、ポンピング機構を備えるポンプヘッドを備え、例えば、それは、少なくとも1つの蠕動ローラ、ポンプベーン、ポンプギア、ポンプインペラ、ポンプロータ、ポンプスクリュー、ポンプピストンまたはポンプダイヤフラムと、その上でまたはその中でポンピング機構が流体をポンプ輸送するように作用する流体導管と、を備え得る。ポンプヘッドは、ポンプヘッドドライブに対して取り外し可能に接続され得る。ポンプは、冷却回路を通して冷却流体をポンプ輸送するためにポンプヘッド(流体駆動機構を含む)を駆動するように構成されたポンプヘッドドライブをさらに備え得る。取り外し可能なポンプヘッドは、ポンプヘッドドライブと係合するように構成されたドライブカップリングも備え得る。ポンプは、ポンプドライブを駆動するように構成されたポンプモータを備え得る。ポンプは、冷却回路入口と冷却回路出口との間で冷却回路内に配置され得る。
【0036】
一実施形態では、冷却回路は、冷却流体を冷却回路の周りにポンプ輸送できるようにポンプに接続されるように構成されるか、あるいは、冷却回路は、ポンプドライブに対して取り外し可能に接続されたポンピング部分を備え、そして、ポンプドライブへの接続により、冷却流体を回路の周りにポンプ輸送することができる。装置冷却剤供給または装置冷却剤戻りのいずれかが、ポンピング部分を備え得る。流体導管は、装置冷却剤通路と連通し得る。
【0037】
好ましい一実施形態では、ポンピング部分は、ポンプドライブへのリバーシブル取り付け用に構成された取り外し可能なポンプヘッドを備える。そして、ポンプヘッドは使い捨てとし得る。ポンプヘッドは、装置冷却回路に恒久的に連通され得る。ポンプヘッドは、少なくとも1つの蠕動ローラ、ポンプベーン、ポンプギア、ポンプロータ、ポンプスクリュー、ポンプピストン、ポンプインペラまたはポンプダイヤフラムであり得るポンピング機構と、その上でまたはその中で流体をポンプ輸送するためにポンピング機構が作用する流体導管と、を備え得る。ポンプヘッドは、ポンプドライブへの取り外し可能接続用に構成され、流体駆動機構を駆動して冷却回路を通って冷却流体をポンプ輸送するように構成され得る。
【0038】
好ましい一実施形態では、冷却回路は、蠕動ポンプのポンプヘッドとの着脱自在な係合用に構成されたポンプ管を備え得る。ポンピング部分は、ポンプ管として構成された装置冷却回路の領域であり得る。ポンプ管は、装置冷却剤通路と連通している。管は、直接的または間接的のいずれかで、装置冷却剤供給ラインと連通するため、管のポンプローラの作用により、装置冷却剤通路を通って冷却剤がポンプ輸送される。ポンピング部分(ポンプ管)はポンプから分離されて、ポンプヘッドおよびローラを欠き得、したがって、蠕動ポンプの機械部分と一緒に冷却回路および装置を供給する必要はない。
【0039】
管は好都合には、適切に弾力性のある材料(例えば、シリコーンなどのポリマーベースの管、バイオプレン、PVCなどの熱可塑性エラストマー)の冷却剤供給ラインまたは戻りラインの一部であり得るか、または少なくとも供給ラインまたは戻りラインの一部を形成する適切な長さの弾力性のある管であり得る。装置冷却剤供給ラインまたは装置冷却剤戻りラインは、ポンプ管を備え得る。ポンプ管は、蠕動ポンプヘッドとの(すなわちローラとの)着脱自在な機能的係合用に構成され得る。
【0040】
ポンプ管は、ポンプヘッドとのそのような係合において管を保持するための留め具を備え得る。
好ましい一実施形態では、ポンプ管は、ポンプヘッドローラとの着脱自在な係合においてポンプ管を保持するように構成されたカートリッジ内に保持され得る。
【0041】
好ましい一実施形態では、供給連結部および任意選択的に戻り連結部は、カートリッジの構成要素として配置することができ、これは、ポンプヘッド、特に流体駆動機構駆動連結部(または蠕動ポンプの管)などのポンピング部分をさらに備え得る。このアプローチは、それが単一部品としてその操作を容易にするため、有用である。これには、例えば、1回の操作で複数の接続を確立できるという利点がある。供給連結部および戻り連結部は、それぞれマニホールド流体出口ポートとマニホールド流体入口ポートとに同時接続するように構成された構成で配置され得る。カートリッジにより、ポンプヘッド、特に流体駆動機構駆動連結部(または蠕動ポンプの管)は、供給連結部および戻り連結部との固定空間配列にて保持され、それにより、3つの構成要素が、ポンプヘッド、特に流体駆動機構駆動連結部(または蠕動ポンプの管)がポンプドライブに接続されるのと同時に、連結部をポートに対して接続するように構成される。
【0042】
ポンピング部分が取り外し可能ポンプヘッドを備える場合、カートリッジは、ポンプヘッドをポンプヘッドドライブに対して着脱自在に係合させるようにさらに構成され得る。カートリッジは、ポンプヘッドがポンプドライブと係合するときに、供給連結部および戻り連結部がそれぞれマニホールド入口ポートおよび出口ポートに同時に接続され得るように構成され得る。
【0043】
カートリッジは、供給連結部および戻り連結部を入口ポートおよび出口ポートと接続させるように、ポンプヘッドをポンプドライブに係合させるように構成され得る。カートリッジは例えば、マニホールド、ポンプ、またはその両方との相互案内係合用に構成された要素を備え得る。これらの要素は例えば、マニホールドのスロットまたは穴などのガイドと係合する、またはその逆となるガイドピン、またはランナーと係合するスライドを含む。あるいはまたはさらに、ポンプヘッドは、ポンプヘッドを受容するように構成されたポンプハウジングのくぼみに受容されるか、またはその逆であり得る。例えば、いずれかまたは両方が、1つの方向でのみ受容されるように構成され得る。
【0044】
カートリッジは、ポンプヘッドをポンプヘッドドライブと係合させて保持するなど、ポンプとのクランプ係合用にも構成され得る。
ポンピング部分が蠕動ポンプのポンプ管を備える場合、ポンプ管は、ポンプヘッドローラとの着脱可能な係合でポンプ管を保持するなど、蠕動ポンプにたいして着脱可能に係合されたカートリッジに配置され得る。
【0045】
カートリッジは、便利なことに、ポンプ管を受容するように構成された表面をさらに備え得、表面は、例えばポンプの動作中にローラによって圧縮されるように弾性管がそれに対して配列される表面であり得る。表面は、円のセグメントの形状を有し得、ポンプ管を受容するために少なくとも表面の一部に沿って延びる溝をさらに備え得る。
【0046】
カートリッジは、マニホールド出口ポートに接続するように配列された供給連結部をさらに備え得、任意選択的に、カートリッジは、供給連結部および戻り連結部の両方を備え、これらは、それぞれマニホールド流体出口ポートおよびマニホールド流体入口ポートに同時に接続するように構成された配列で配置され得る。
【0047】
連結部の位置の精度を改善するために、カートリッジおよびマニホールドは、供給連結部および戻り連結部をそれぞれのマニホールドポートに接続するように案内するために(ポートとカップリングとの間以外の)係合を案内するように構成され得る。例えば、マニホールドは、スライド式およびガイド式の少なくともいずれか一方係合で(意味不明)カートリッジの一部を受容するように構成され得る。カートリッジは、ポンプ管をローラと機能的に係合させて保持するなど、蠕動ポンプとクランプ係合するようにも構成され得る。
【0048】
カートリッジは、ラインを適所に保持するように構成されたクリップまたは別の要素などの、装置冷却剤供給ラインおよび装置冷却剤戻りラインの両方または一方の支持部をさらに備え得る。
【0049】
ポンプ管をポンプローラと係合するように案内するのを支援するために、カートリッジは、ポンプとの係合を案内するように構成され得る。例えば、ポンプハウジングまたはポンプの他の部分は、カートリッジとの係合を案内するように構成され得るか、またはその逆であり得る。
【0050】
セットアップを支援するために、マニホールドは、ポンプとの(例えば、ポンプハウジングとの)着脱自在に係合するように構成され得る。これにより、システムがセットアップされている間にマニホールドが適所に保持される。例えば、マニホールドは、ポンプハウジングなどのポンプの一部と係合するように、またはその逆に構成された1つ以上の着脱自在な連結部を備える。代替的または追加的には、マニホールドは、ポンプハウジングなどのポンプの一部のくぼみと係合するように構成される。
【0051】
システムが、ポンプとの固定空間配列でマニホールドポートを保持するように構成されることも有利である。ポンプヘッドが取り外し可能である場合、マニホールドポートは、例えばポンプドライブ、スピンドル、またはドライブ連結部との固定空間配列で保持される。ポンピング部分がポンプ管である場合、マニホールドポートは、例えばポンプヘッドローラとの固定空間配列で保持され得る。これは、ポンプ管がポンプドライブまたはポンプローラと係合するように案内されるのと同時に、連結部がポートと接続するように案内されるのに役立つ。このアプローチは、ポンプヘッドまたはポンプ管と連結部とがカートリッジの構成要素として配置されている場合に特に有用であり、それは、単一部品としてそれらの操作を容易にするためである。
【0052】
したがって、1つのアプローチでは、マニホールドおよびポンプは、ポンプを伴う(例えば、ポンプドライブまたはポンプヘッドローラを伴う)構成でマニホールドポートを保持するなどの解放可能係合用に構成され、ポートへカップリングを接続することができ、ポンプ管をポンプヘッドローラと係合させることができるようにする(またはポンプヘッドをポンプドライブと係合させることができるようにする)。
【0053】
例えば、マニホールドは、ポンプ(例えば、ポンプハウジング)との着脱自在に係合するように、必要に応じてドライブまたはポンプローラとの固定空間配列で出口および入口ポートを保持するように構成された配列で構成され得る。マニホールドは、ポンプハウジングなどのポンプの一部と係合するように、またはその逆に構成された1つ以上の着脱自在な連結部を備え得る。代替的または追加的には、マニホールドは、ポンプハウジングなどのポンプの一部のくぼみと係合するように構成され得る。
【0054】
第2の態様では、設計は、第1の態様のアブレーションシステムで使用するための、本明細書で説明するような外科的アブレーション装置をさらに提供する。したがって、本発明は、冷却流体を通過させて装置の少なくとも一部を冷却するために、内部に1つ以上の装置冷却剤通路を備える外科的アブレーション装置も提供し、アブレーション装置は、装置冷却剤通路に冷却剤を送達するように構成された装置冷却剤供給ラインであって、供給連結部を備える装置冷却剤供給ラインと、装置冷却剤通路からの冷却剤流出を受け取るように構成された装置冷却剤戻りラインとを備え、装置冷却剤供給ラインおよび装置冷却剤戻りラインは、装置冷却剤通路(複数可)を介して連通しており、装置冷却剤供給ライン、冷却剤通路、および装置冷却剤戻りラインは、供給連結部と戻り連結部との間の冷却回路セグメントを画定し、冷却回路セグメントは、装置冷却剤通路内を通過して冷却流体をポンプ輸送するように構成されたポンピング部分を備える。
【0055】
装置冷却剤戻りラインは、戻り連結部を備え得る。供給連結部は、1つ以上の突起を備え得る。
供給連結部、および存在する場合には戻り連結部は、本明細書の他の場所に記載されているように、ポンピング部分をさらに備えるカートリッジ上に配置される。ポンピング部分は例えば、ポンプドライブとの着脱自在に係合するように構成された取り外し可能ポンプヘッド、または蠕動ポンプのポンプ管として使用するために構成された管を備えており、これは、蠕動ポンプのポンプヘッドとの着脱自在に係合するように構成され得る。管は例えば、本明細書の他の場所で説明されるようにカートリッジ上に配置され得、そのカートリッジは、供給連結部および任意選択的に戻り連結部をさらに備え得る。供給連結部は、冷却剤分配マニホールドのマニホールド出口ポートに接続するように構成され得、戻り連結部は、冷却剤分配マニホールドのマニホールド入口ポートに接続するように構成される。特に、冷却剤分配マニホールドは、冷却流体供給を少なくとも1つのマニホールド流体出口ポートに連通し、少なくとも1つの冷却剤戻りを冷却システム戻りに接続するように構成され得る。
【0056】
第3の態様では、設計は、第1および第2の態様で、本明細書で説明するように、冷却流体を1つ以上の外科的アブレーションツールに分配するための冷却剤分配マニホールドをさらに提供する。したがって、この設計は、冷却流体を1つ以上の外科的アブレーション装置に分配するための冷却剤分配マニホールドも提供する。冷却剤分配マニホールドは、マニホールド流体供給入口と、マニホールド流体戻り出口と、少なくとも1つのマニホールド流体出口ポートと、少なくとも1つのマニホールド流体入口ポートと、マニホールド流入導管と、マニホールド流出導管と、を含む。マニホールド流入導管は、冷却流体をマニホールド流体供給入口から各マニホールド流体出口ポートに分配するように構成される。マニホールド流出導管は、冷却流体を各マニホールド流体入口ポートからマニホールド流体戻り出口に分配するように構成される。供給導管は、常閉マニホールド出口弁を介して各出口ポートと流体し得る。各マニホールド出口ポートは、供給連結部への液密接続用に構成される。各マニホールド出口弁は、供給連結部を出口ポートに接続することによって開放されるように構成される。
【0057】
好ましい実施形態では、戻り導管は、常閉マニホールド入口弁を介して各入口ポートと連通し得る。各マニホールド入口ポートは、供給連結部への液密接続用に構成され得る。各マニホールド入口弁は、供給連結部を出口ポートに接続すると開放されるように構成され得る。
【0058】
マニホールド流体供給入口は、例えばLuerLoK(登録商標)タイプコネクタなどのコネクタを設けることによってなど、システム流体供給ラインに接続するように構成され得、または流体供給入口は、システム流体供給ラインに恒久的に接続され得る。同様に、マニホールド流体戻り入口は、同様に構成され得るか、または流体戻り入口は、システム戻りラインに恒久的に接続され得る。
【0059】
以下に、図面を参照して、以下の非限定的例によって、設計をさらに説明する。これらは、例示のみを目的として提供されており、特許請求の範囲内にある他の例は、これらに照らして当業者が想到するであろう。本明細書で引用されているすべての参考文献は、その全体が参照により組み込まれる。その参考文献と本出願との間のいかなる矛盾についても、本出願が優先されるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0060】
図1】外科的アブレーションシステムを示す簡略図。
図2A】マニホールド出口ポートおよび供給連結部の一の構成において、離脱された連結部の一配列を示す図。
図2B】マニホールド出口ポートおよび供給連結部の一の構成において、接続された連結部を示す図。
図2C】マニホールド出口ポートおよび供給連結部の一の構成において、供給連結部を示す図。
図2D】マニホールド出口ポートおよび供給連結部の一の構成において、アンブレラタイプの弁配列を示す図。
図2E】マニホールド出口ポートおよび供給連結部の一の構成において、アンブレラ弁配列を示す別図。
図2F】マニホールド出口ポートおよび供給連結部の一の構成における、供給連結部および弁を示す拡大図。
図3A】蠕動ポンプとともに動作する、本明細書でさらに説明されるカートリッジにおいて、供給連結部および戻り連結部をマニホールドに接続するとともに、装置冷却流体供給ラインのポンピング部分を蠕動ポンプローラと機能的に係合させるカートリッジを示す図。
図3B】蠕動ポンプとともに動作する、本明細書でさらに説明されるカートリッジにおいて、マニホールドへの連結部の接続を示す拡大図。
図4】本明細書でさらに説明する冷却システムを有する外科的アブレーションシステムを示す図。
図5A】取り外し可能ポンプヘッドを備えるポンピング部分を有する外科的アブレーション装置冷却システムの実施形態を示す図。
図5B】取り外し可能ポンプヘッドを備えるポンピング部分を有する外科的アブレーション装置冷却システムの実施形態を示す図。
図5C】取り外し可能ポンプヘッドを備えるポンピング部分を有する外科的アブレーション装置冷却システムの実施形態を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0061】
図1は、本発明による冷却システムの簡略図である。システム1は、アブレーション装置、この場合は、マイクロ波エネルギーを患者組織に送達して組織をアブレーションするように構成されたマイクロ波アブレーション針2の形態のマイクロ波アブレーションプローブを備える。冷却システムは、例えば高周波(Rf)アブレーション装置などの他の冷却化アブレーション装置に関連しても使用され得る。
【0062】
マイクロ波アブレーション装置2は、組織を貫通するように構成された先端3と、近位端5および遠位端6を有する長尺状シャフトとを有する。シャフトは、冷却剤通路14および給電線7を囲んでおり、フィードラインは、内部導体と、外部導体と、その間の誘電体とを有する同軸ケーブル(この図には示されず)であり得る。フィードラインは、マイクロ波アンテナ4を備える放射領域8を遠位側に備える。フィードライン7の近位端は、マイクロ波エネルギーを装置に付与するために装置2をマイクロ波発生器10に接続するケーブル9(典型的には同軸ケーブル)に取り付けられる。ケーブルは、装置に対して着脱自在に接続され、またはこの場合のように、装置に対して恒久的に取り付けられ得る。
【0063】
装置には、装置冷却剤入口12に対して恒久的に取り付けられ得る装置冷却剤供給ライン11を介して冷却剤が付与される。いくつかの実施形態では、装置冷却剤供給ラインは、代替的には、Luer(登録商標)タイプコネクタを介して、冷却剤入口12に対して着脱自在に接続される。装置冷却剤入口12は、装置内で冷却剤を循環させるように構成された一連の冷却剤通路14、15、16を介して、装置冷却剤出口13に連通している。冷却剤は、冷却剤入口12を介して冷却剤通路15を通って装置に入り、冷却剤通路14を通って循環して装置を冷却し、冷却剤出口管13および装置冷却剤戻りライン17を通って出る。
【0064】
システム1は、冷却剤システム供給ライン20を介して、冷却剤流体源19から冷却剤流体を受け取るマニホールド18を備えている。冷却剤システム供給ライン20は、マニホールド流体供給入口250でマニホールド18に対して恒久的に、または、例えばLuerLok(登録商標)コネクタによって供給入口250に対して着脱自在に接続される。冷却剤流体源は、例えばIVバッグであり得る。流入冷却剤は、マニホールド流入導管22を介して、1つ以上のマニホールド出口ポート21に分配され得る。好ましい実施形態では、図1に示すように、ポート21から出た冷却剤の流れは、マニホールド出口弁23によって制御され得る。通常、この弁は閉鎖姿勢にある。
【0065】
マニホールド18は、1つ以上のマニホールド流体入口ポート25と冷却剤システム戻りライン26との間の連通を形成するマニホールド冷却剤流出導管24も備える。冷却剤システム戻りライン26は、マニホールド流体戻り入口251でマニホールド18に対して恒久的に、またはそれは、例えばLuerLok(登録商標)コネクタによって供給入口250に対して着脱自在に接続され得る。好ましい実施形態では、マニホールド入口弁27は、各入口ポートを通る流れを制御し、かつ、通常は閉鎖状態にある。
【0066】
供給連結部29は、マニホールド出口ポート21に接続されるように構成される。システムは、マニホールド入口ポートに接続するように構成された戻り連結部33も備え得る。好ましい実施形態では、マニホールド出口弁23は、供給連結部29の接続時に開放されるように構成される。1つのアプローチでは、供給連結部は、ポート21への連結部29の接続時に弁を開放させる突起30を備えるが、本明細書の他の場所で論じられているように、他の構成も可能である。
【0067】
供給連結部29上の冷却剤回路冷却剤入口31は、装置冷却剤供給ライン11に連通しているため、供給連結部29を出口ポート21に接続すると、冷却回路32は、冷却流体供給源19に連通する。
【0068】
戻り連結部33は、装置冷却剤戻りライン17に連通する冷却剤回路出口34を有する。供給連結部29および戻り連結部33は、マニホールド出口ポート21および入口ポート25にそれぞれ同時に接続するように構成される。
【0069】
ポンピング部分35は、装置冷却回路32内に、例えば供給ライン11内に、装置2内を通過して冷却剤を循環させるように配設される。この例ではポンプは、ポンプ羽根37を有する使い捨てポンプヘッド36であり、これは、装置冷却剤供給ラインに対して恒久的に接続され、ポンプヘッドドライブ(図示せず)に接続されるように構成されている。代替的なポンピング部分は、本明細書の他の場所で説明されている。
【0070】
図2は、マニホールド出口ポートおよび供給連結部の一構成を示す図である。図2aは、離脱状態の連結部を示す図である。図2bは、接続状態の連結部を示す図である。図2cは、供給連結部の一部を示す図である。図2dは、アンブレラ弁および弁座を示す拡大断面図である。図2eは、下方から見た弁および弁座を示す図である。図2fは、接続された供給連結部を示す拡大図である。
【0071】
マニホールド18は、近位端40と遠位端41とを有する1つ以上のマニホールド出口ポート21を備える。好ましい実施形態では、出口ポートは、マニホールド出口弁23を備える。弁は、ポートの近位端40に向かって配置され、環状隆起52に対して保持される。1つのアプローチでは、出口弁23は、アンブレラ弁であり、これは、弁座42と、弁座42を通過する弁棒44上に支持された弁ダイヤフラム43とを有し、リテーナ45により適所に保持される。アンブレラ弁ダイヤフラム43は、エラストマー材料を含有し、弁棒44およびリテーナ45と一体であり得る。ダイヤフラム43は、1つ以上の流路46を閉鎖して、ポート21からの流出を防止する。この構成は、図2dおよび図2eにより詳細に示されている。ポートは「O」リングシール47を備え得、これは、保持溝48内に保持されて、供給連結部29に対して密閉し得る。
【0072】
1つのアプローチでは、供給連結部29は、その遠位端50に1つ以上の突起30を備え、突起は、流路46を通過し、弁ダイヤフラム43を弁座42から変位させて、冷却剤が弁を通過して冷却剤回路入口31に入ることを可能にする。
【0073】
マニホールド出口ポート21と供給連結部29との間の結合が、図2bに示されている。供給連結部29は、ポート21と係合し、Oリング47によって密閉され、Oリング47は、供給連結部上の環状溝(図示せず)に係合、または供給連結部29の面53上で密閉する。供給連結部29の遠位端50上の突起30は、接続時に1つ以上の流路46を通過して、弁ダイヤフラム43を弁座42から押し出して、冷却剤を通過可能にする。このアプローチは、図2fにより詳細に示されている。
【0074】
図2cは、遠位端50を有する供給連結部29を示す。1つのアプローチでは、遠位端は、連結部が出口ポートに接続されるとマニホールド出口弁23を開放するように構成された突起30を備える。これにより、冷却流体は、冷却剤回路冷却剤入口31を介して装置冷却剤流体供給ライン11に入ることができる。供給連結部は、マニホールド出口ポート21と係合するように構成された、略円錐台状部分53を遠位側に有し、且つ出口ポート21のOリング47に係合するための環状溝51を有する。
【0075】
図3は、カートリッジ、ポンプ、およびマニホールド構成の簡略化して示す。
外科的アブレーション装置100の冷却システムの一部を図3aに示す。カートリッジ101は、蠕動ポンプ106のローラ105に対してポンプ管104を保持するように構成される。ポンプ管104は、(図示のように)装置冷却剤供給ライン102の一体部分であるが、別の構成では、ポンプ管は、供給ラインまたは戻りラインに連通された別個の管であってもよい。アブレーション装置100は、この図には示されていない。動作中、回転ポンプローラ105は、ポンプ管104に作用して、冷却流体を外科的アブレーション装置100に向かって駆動し得る。ポンプ管104は、ポンプ106の蠕動作用を支援するために表面107に対して圧縮され得る。装置冷却剤供給ライン11は、一連のペグ108によってカートリッジの周囲を案内されて、供給連結部29に終端する。装置冷却剤戻りライン17は、開口部109でカートリッジに入る。装置冷却剤戻りライン17は、戻り連結部33に終端する。カートリッジはグリップ110を備えるため、グリップ110を掴んで前方に押して蠕動ポンプハウジング112の開口部111に入れることができ、これにより、ポンプ管104を蠕動ポンプ106のローラ105に押し付けることができる。そして、カートリッジは、クランプ機構によって、この場合、カートリッジハウジング115のくぼみ114に対して作用するクランプねじ113によってその場に保持される。
【0076】
供給連結部29および戻り連結部33の両方は、カートリッジの延長部116に搭載され得る。図3は、棚部121と受容面131とを有するマニホールド支持部130の例を示しており、マニホールド支持部はマニホールド18を受容し得る。棚部121は、システムが組み立てられる間にマニホールド18に支持部を設け得る。マニホールド支持部130は、供給連結部29および戻り連結部33とマニホールド流体出口ポート21およびマニホールド流体入口ポート25とのそれぞれの接続により、ポンプ管104がポンプヘッド122と機能的にも係合し得る、マニホールド18を蠕動ポンプヘッド122との空間的配置で保持できる。カートリッジをクランプすることにより、マニホールドをマニホールド支持部130に係合させて保持することもできる。これは、構成をその場に保持するのを支援し得る。
【0077】
マニホールド18は、例えばIVバッグである流体源(図1の19を参照)と流体連通している冷却剤システム供給ライン20を有する。供給ライン20は、マニホールド18に冷却流体を送達し、ここでは例示を容易にするために簡略化して示す。冷却流体は、マニホールド流体出口ポート21に送達される。ポートは、供給連結部29の接続時に開放される弁23を有し得る。1つのアプローチでは、これは供給連結部29の遠位端50にて突起30により達成することができ、それにより、冷却剤は装置冷却剤供給ライン11に流入できる。
【0078】
同様に、マニホールド流体入口ポート25は、弁27も備え得る。これは、出口弁23と同じ方法で開放されることができるが、弁27は、装置100からの装置冷却剤戻りライン17を介した流体戻りの流体圧力によっても開かれ得る。そして、冷却流体は、マニホールド18を介して冷却剤システム戻りライン26の中に入り、そこから廃棄されるか、またはリサイクルされ得る。
【0079】
図3bは、マニホールド18、棚部121、およびカートリッジ延長部116の構成を示す拡大図である。マニホールド18は、ここでは、1つのマニホールド入口ポート25および出口ポート21のみを有する簡略図で示されている。マニホールド18は、背面132および前面133を有する。ポンプ管104をポンプローラ105に対して機能的に係合させることにより、供給連結部29をマニホールド流体出口ポート21に有利に接続して、マニホールド出口弁23を開き得る。それは、戻り連結部をマニホールド入口ポート25にも接続して、1つのアプローチにおいて、マニホールド18を支持面131とカートリッジ突起116との間に保持し得る。そして、マニホールド18の背面132は、支持面131に対して保持される。
【0080】
図4は、冷却システム400の概略図であり、ポンプ制御ボックス401を示し、これは、ポンプヘッドローラの3つのセット(この図では見えない)を有する蠕動ポンプ配列を組み込んだポンプハウジング450を有し、3つの別個のアブレーション装置の冷却の制御に適しており、そのうちの1つが403として示されている。図3および図3aも参照されたい。
【0081】
マニホールド18は、冷却流体源(図示せず)からマニホールド流体出口ポート21に冷却流体を分配する冷却システム供給ライン20、および、マニホールド流体入口ポート25からの戻り冷却流体を受け取ってそれを供給源またはドレインに戻す冷却システム戻りライン26に接続される。マニホールド18は、マニホールド支持部130によって受容され、これは、システムの組み立て中にマニホールドをその場に保持するように構成され、この場合、マニホールド18を受容するように形作られた制御ボックス401内のくぼみ404の形態である。くぼみは、棚部112および受容面131を有する。
【0082】
図3および図4を参照すると、ポンプハウジング112は、カートリッジ101の遠位端150を受容するように構成されたくぼみ111を有する。蠕動ポンプローラ105は、くぼみ111内に配置される(図3)。カートリッジ101は、ポンプ管104がローラ105に対して機能的に係合するように、ポンプ管104をポンプヘッドローラ(105、図3)に提示するように構成される。マニホールド18は、例えばくぼみ406の形態であり得るガイドを備える。ガイド406は、カートリッジ101に係合し、それをくぼみ405内に案内するように構成される。例えばガイド406は、カートリッジ101の湾曲下面407に係合するように構成された湾曲部を有するチャンネルとして構成される。
【0083】
この場合のアブレーション装置100は針の形態であり、例えばマイクロ波アブレーション針またはRfアブレーション針であり得る。装置は、エネルギー供給(図示せず、図1参照)から装置にアブレーションエネルギーを送達するためのエネルギー送達ケーブルを備えるケーブル束9を有し、さらに装置内のセンサ(温度センサ28および流れセンサ38の両方または一方など)から制御システムへのケーブルを備える。ケーブルは、エネルギー供給および制御システムとデータ取得システムとの両方または一方にケーブルを接続するための1つ以上のコネクタ(この図には示されていないが、例えばカートリッジの下部アーム151の遠位端150に配置され得る)に終端しており、ポンプ管104がポンプローラ105に係合したときに接続される。
【0084】
装置100は、1つ以上の装置冷却剤通路14、15、16(この図では図示せず、例えば図1参照)を介して互いに連通する装置冷却剤供給ライン11と装置冷却剤戻りライン17とを備える装置冷却回路を有する。装置冷却剤供給ラインは、開口部109でカートリッジ101に入ることができ、供給連結部29で終端する。供給連結部は、カートリッジ延長部116に配置される。装置冷却剤供給ライン11の一部は、ポンプの動作が冷却剤流体を駆動して装置冷却剤通路14、15、16を通って循環させることができるように、蠕動ポンプ用のポンプ管104として構成される。装置冷却剤戻りライン17は、戻り連結部33で終端し、これは、供給連結部に隣接して配置されることができる(図4参照)。
【0085】
動作中、冷却システム供給ライン20は、標準的なバッグスパイク(60、図1)を介して、冷却システム供給、例えばIVバッグに接続される。冷却システム戻りライン26は、同様にドレインに接続されてもよいし、IVバッグにも接続されてもよい。これにより、冷却流体がマニホールド18に入ることができるが、入口弁27および出口弁23は常閉であるので、マニホールド18は漏出することはない。マニホールド18は、マニホールド支持部130に受容される。マニホールド18は、ポンプハウジング112に対して着脱自在に構成される。この目的のために、マニホールドは、ポンプハウジング112に係合するように構成された1つ以上の着脱自在な連結部を備え、例えば、連結部は、マニホールド18の背面132から延びて、ポンプハウジング112上の連結部に係合し得る。1つのアプローチでは、マニホールド18の背部から延びて、この図では見えないペグは、ハウジング上で、例えばマニホールド支持部130の支持面130上で一連のペグ受容部155に係合して、マニホールド18とポンプハウジング112との間の着脱自在な連結を形成する。
【0086】
そして、カートリッジは、ポンプ管104をポンプローラ105に対して機能的に係合させるために、くぼみ111内に押し込まれる。カートリッジは、マニホールド18上の案内くぼみ406とのカートリッジ101の湾曲下面407の摺動式係合によって適所に案内されて、ポンプ管104をローラ105に接続し、供給連結部29をマニホールド出口ポート21に、戻り連結部33をマニホールド入口ポート25に接続するための適切な整合性を付与する。そして、供給連結部29をマニホールド出口ポート21に接続すると、マニホールド出口弁23を開き、冷却システム供給ライン20が装置冷却剤供給ライン11と流体的に連通するようになり、装置への冷却剤の供給が完了する。そして、ポンプローラの動作により、冷却システムが準備され得る。
【0087】
適所に配置されると、クランプアーム160の動作によってカートリッジは適所に保持されるため、クランプ機構(図示せず)を動作させてカートリッジ101に係合し、それを適所に保持する。
【0088】
さらなる装置をシステムに追加することができ、例えば図4では、そのカートリッジ101をくぼみ111に直接差し込んで蠕動ポンプヘッドのポンプローラ105にポンプ管104を係合させて、クランプ160を操作してカートリッジを適所に保持するだけで、最大2つの追加のアブレーション装置をシステムに追加し得る。
【0089】
図5は、取り外し可能ポンプヘッドを備えるポンピング部分を有する外科的アブレーション装置冷却システムの実施形態を示す。図5aは、ポンプ501と、マニホールド18と、取り外し可能ポンプヘッド507を備えるカートリッジ508とを有する冷却システム500の平面図を示す。図5Bは、X‐Yでの断面側面図を示す。図5cは、A‐Bでの部分断面側面図を示す。
【0090】
図5Aは、冷却システム500の平面図を示す。冷却システムは、2つのアブレーション装置2を冷却するように構成される。冷却システムは、2つのポンプドライブ519を備える1つのポンプ501を備え、この場合、2つのモータ513によって駆動される。システムは、2つの装置2を冷却流体供給19に接続するように構成された単一のマニホールド18を備える。説明を容易にするために、1つのポンプヘッド507のみを示す。
【0091】
ポンプ501は、ポンプハウジング450を有する。ポンプハウジングは、冷却流体分配マニホールド18を受容するためのくぼみ502を有する。図では、マニホールド18は、冷却剤流体源19(例えば、図1参照)から冷却剤システム供給ライン20を介して冷却剤流体を受け取る。冷却剤システム供給ライン20は、マニホールド流体供給入口250でマニホールド18に対して恒久的に接続され得るが、いくつかの実施形態では、それはコネクタを介して取り外し可能且つ接続可能である。冷却剤流体は、マニホールド入口導管503を通過して下り、入口導管分岐504を介してマニホールド出口ポート21に供給される。いくつかの実施形態では、本明細書に示すように、マニホールド出口ポート21への流体供給は、マニホールド出口弁23を介する。弁は、流れの矢印505で示すように、装置冷却通路(図示せず)の方向にポートから流出するように常閉である。弁23は、ポート21の基部に配置される。
【0092】
システムは、装置冷却剤通路14、15、16(図1を参照)に冷却流体を供給する装置冷却剤供給ライン11、および、装置冷却剤通路14、15、16から冷却流体を受け取る装置冷却剤戻りライン17も備える。
【0093】
システムは、ポンピング部分35を備え、これは、図示の場合、取り外し可能ポンプヘッド507の形態である。ポンプヘッド507は、カートリッジ508の構成要素として設けられ得る。カートリッジは、供給連結部29も備え、いくつかの実施形態では、カートリッジ508の下側509に配置された戻り連結部33も備える。カートリッジは、冷却回路入口31および冷却回路出口34を装置冷却剤通路14、15、16へと連通する装置供給ライン11および戻りライン17の延長部も備える。
【0094】
取り外し可能ポンプヘッドは、任意のポンピング原理で動作して、冷却回路を通して冷却流体をポンプ輸送し得るが、図示の場合、ポンピング空間511が配置されたポンプロータ510を備え、その空間内では、ポンプロータ510が冷却流体に作用して、冷却剤回路34内を通過して冷却流体をポンプ輸送する。ポンプ501は、ポンプロータを駆動するように構成されたポンプモータ513およびポンプドライブ519を備える。ポンプモータは、ポンプモータスピンドル514を有する。スピンドルはこの場合、ポンプドライブ519を介したポンプヘッドへの取り外し可能接続用に構成される。図示の場合、ポンプドライブは、ロータを駆動するために、ポンプロータのシャフト515内の磁気カプラ512と係合するように構成される磁気カプラ516を備えるが、他のカップリングアプローチも使用され得る。
【0095】
いくつかの実施形態では、システムが、ポンプ501(特にポンプドライブ519)との固定空間配列でマニホールドポート21、25を保持するように構成されることが有利である。したがって、使用中、マニホールド18は例えば、くぼみ502内に配置される。これは、組み立て中にマニホールドを適所に保持するが、カートリッジ508に配置された連結部23、29に接続するための正しい配列でポート21、25を提示する。マニホールド18をポンプ(特にポンプドライブ519またはカップリング516)に対して適所に保持することは、ポンプドライブ519をポンプヘッド507に接続するのと同時に連結部グ29、33をポート21、25に接続することが可能であるという追加の利点を有する。これは、ポンプヘッド507および連結部23、29がカートリッジ508に配置されている場合に特に有用であり、それは、これがポンプドライブと同時にポートおよび連結部を係合するのに適した固定空間配列で3つの構成要素を提示し、そのことが、3つの構成要素すべてを1つの部品として操作可能とするからである。
【0096】
ポンプヘッドは、穴532と係合するガイドピン531によって、ドライブ上の適所に案内されることができ、連結部は、ポート内の適所に案内される。
マニホールド18が適所に配置されると、冷却流体530をマニホールド18に入れることが可能である。マニホールド出口弁が閉鎖され、漏出を防止する。
【0097】
カートリッジ508を取り付けて、ポンプドライブ519をポンプヘッド507と係合させると、同時に、供給連結部29はマニホールド出口ポート21に接続され、戻り連結部33はマニホールド入口ポート25に係合されることになる。図示の例では、供給連結部29が出口ポート21と係合されると、供給連結部29上の突起30は、マニホールド出口弁23に係合して、弁を開放させる。これにより、冷却流体がポンプに入り、アブレーション装置2に向かって流れることができる。戻り流体506は、戻り連結部33を通過してマニホールド18に入る。図5に示す場合などのいくつかの実施形態では、マニホールド入口弁27は入口ポートを通る流れを制御する。この場合、弁は逆止弁であり得、上流(装置)側の流体圧力が高くない限り閉じたままである。したがって、流体を戻すと、マニホールド入口弁27が開かれ、冷却流体がマニホールド18を通って冷却システム戻りライン26へと通過することができる。そこから、流体はドレインに送られるか、または冷却流体回路に再循環されるかのいずれかとなる。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図3A
図3B
図4
図5A
図5B
図5C