(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-20
(45)【発行日】2024-10-01
(54)【発明の名称】非フェノール性顕色剤を含む感熱性記録材料
(51)【国際特許分類】
B41M 5/333 20060101AFI20240924BHJP
【FI】
B41M5/333 220
(21)【出願番号】P 2022513598
(86)(22)【出願日】2020-08-27
(86)【国際出願番号】 US2020048098
(87)【国際公開番号】W WO2021041600
(87)【国際公開日】2021-03-04
【審査請求日】2023-08-25
(32)【優先日】2019-08-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521127723
【氏名又は名称】ソレニス・テクノロジーズ・ケイマン・エル・ピー
(73)【特許権者】
【識別番号】521037411
【氏名又は名称】ベーアーエスエフ・エスエー
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100133086
【氏名又は名称】堀江 健太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100163522
【氏名又は名称】黒田 晋平
(72)【発明者】
【氏名】エルカン・コカック
(72)【発明者】
【氏名】フランク・バッハマン
(72)【発明者】
【氏名】プリティ・クルカルニ
(72)【発明者】
【氏名】ロバート・モンゴメリー・オニール
【審査官】倉持 俊輔
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/044462(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/225663(WO,A1)
【文献】国際公開第2014/080615(WO,A1)
【文献】特開平06-051474(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41M 5/333,
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)発色化合物;
b)式(I)の第1の非フェノール性顕色剤
【化1】
[式中、R及びR
1はそれぞれ、互いに独立して、水素;C
1~C
18アルキル;C
1~C
8アルコキシ-C
1~C
8アルキル;R
9がC
1~C
8アルキル若しくはC
5~C
6シクロアルキルを表す(R
9)
2N-C
1~C
8アルキル;又は式(II)
【化2】
の基である(式中、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6はそれぞれ、互いに独立して、水素;C
1~C
8アルキル;R
7がC
1~C
8アルキルを表す-NH-C(=O)-R
7又は-C(=O)-NH-R
7;R
8がC
1~C
8アルキルを表す-C(=O)OR
8;ハロゲンであり;或いは、R
2とR
3、又はR
4とR
5若しくは両方、又はR
3とR
4、又はR
5とR
6若しくは両方、又は(R
2とR
3)及び(R
5とR
6)は、3又は4個の炭素原子を有する炭化水素ジラジカルを一緒に表し、
Qは、単結合、又は分岐でも非分岐であってもよいC
1~C
8アルキレンを表し、前記C
1~C
8アルキレンは、炭素原子を2個より多く含む場合、2個の炭素原子間に1個又は複数の酸素原子を含む主鎖を含
んでいてもよい)];及び
c)第2の非フェノール性顕色剤を含む、感熱性記録材料。
【請求項2】
前記第2の非フェノール性顕色剤が:
(i)下記式(N-I)によって表される化合物:
【化3】
[式中、
R
1、R
2及びR
3はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、C
1~C
6アルキル基、C
1~C
6アルコキシル基、C
2~C
6アルケニル基、C
1~C
6フルオロアルキル基、N(R
4)
2基、NHCOR
5、
非置換若しくは置換のフェニル基、又は
非置換若しくは置換のベンジル基を表し;
R
4は、水素原子、フェニル基、ベンジル基、又はC
1~C
6アルキル基を表し;
R
5は、C
1~C
6アルキル基を表し;
n1及びn3は、それぞれ独立して1~5の任意の整数を表し;
n2は、1~4の任意の整数を表す];
(ii)下記式(N-II)によって表される化合物:
【化4】
[式中、R
1、R
2及びR
3はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、C
1~C
6アルキル基、C
1~C
6アルコキシル基、C
2~C
6アルケニル基、C
1~C
6フルオロアルキル基、N(R
4)
2基、NHCOR
5、
非置換若しくは置換のフェニル基、又は
非置換若しくは置換のベンジル基を表し;
R
4
は、水素原子、フェニル基、ベンジル基、又はC
1
~C
6
アルキル基を表し;
R
5
は、C
1
~C
6
アルキル基を表し;
n2は、1~4の任意の整数を表し;
n3は、1~5の任意の整数を表し;
n4は、1~7の任意の整数を表す];及び
(iii)下記式(N-III)によって表される化合物:
【化5】
[式中、R
1、R
2及びR
3はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、C
1~C
6アルキル基、C
1~C
6アルコキシル基、C
2~C
6アルケニル基、C
1~C
6フルオロアルキル基、N(R
4)
2基、NHCOR
5、
非置換若しくは置換のフェニル基、又は
非置換若しくは置換のベンジル基を表し;
R
4
は、水素原子、フェニル基、ベンジル基、又はC
1
~C
6
アルキル基を表し;
R
5
は、C
1
~C
6
アルキル基を表し;
n2は、1~4の任意の整数を表し;
n3は、1~5の任意の整数を表し;
n4は、1~7の任意の整数を表す]
からなる群から選択される化合物である、請求項1に記載の感熱性記録材料。
【請求項3】
式(N-I)が下記式(N-IV):
【化6】
[式中、R
1及びR
3はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、C
1~C
6アルキル基、C
1~C
6アルコキシル基、C
2~C
6アルケニル基、C
1~C
6フルオロアルキル基、N(R
4)
2基、NHCOR
5、
非置換若しくは置換のフェニル基、又は
非置換若しくは置換のベンジル基を表
し、
R
4
は、水素原子、フェニル基、ベンジル基、又はC
1
~C
6
アルキル基を表し;
R
5
は、C
1
~C
6
アルキル基を表す]
である、請求項2に記載の感熱性記録材料。
【請求項4】
式(N-I)が下記式(N-V):
【化7】
[式中、R
1は、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、C
1~C
6アルキル基、C
1~C
6アルコキシル基、C
2~C
6アルケニル基、C
1~C
6フルオロアルキル基、N(R
4)
2基、NHCOR
5、
非置換若しくは置換のフェニル基、又は
非置換若しくは置換のフェニル基、又は
非置換若しくは置換のベンジル基を表
し、
R
4
は、水素原子、フェニル基、ベンジル基、又はC
1
~C
6
アルキル基を表し;
R
5
は、C
1
~C
6
アルキル基を表す]
である、請求項2に記載の記録組成
材料。
【請求項5】
前記第2の非フェノール性顕色剤が式(P-I)
【化8】
[式中、
R
1は非置換若しくは置換のフェニ
ル又はナフチルであり、
R
3及びR
4は、互いに独立して水素、C
1~C
8アルキル、ハロゲン置換C
1~C
8アルキル、C
1~C
8アルコキシ置換C
1~C
8アルキル、C
1~C
8アルコキシ、ハロゲン置換C
1~C
8アルコキシ、C
1~C
8アルキルスルホニル、ハロゲン、フェニル、フェノキシ又はフェノキシカルボニルであり、
Xは式
【化9】
の基であり、
Bは、式-O-SO
2-、-SO
2-O-、-SO
2-NH-、又は-CO-NH-SO
2-の連結基であり、
R
2は、非置換であるか、又は、C
1~C
8アルキル、ハロゲン置換C
1~C
8アルキル、C
1~C
8アルコキシ置換C
1~C
8アルキル、C
1~C
8アルコキシ、ハロゲン置換C
1~C
8アルコキシ若しくはハロゲンによって置換されている
、フェニルであり;又は、R
2は、
非置換であるか、又は、C
1~C
4アルキル若しくはハロゲンによって置換されている
、ナフチル若しくはベンジルであり、
ただし、Bが式-O-SO
2-の連結基でない場合、R
2は非置換若しくは置換のフェニ
ル又はナフチルである]
の化合物である、請求項
1に記載の感熱性記録材料。
【請求項6】
前記第2の
非フェノール性顕色剤において、
R
1がC
1~C
4アルキルによって置換されているフェニルであり、Xが式
【化10】
の基であり、
R
3及びR
4は互いに独立して水素、C
1~C
4アルキル又はハロゲンであり、
Bは式-O-SO
2-の連結基であり、
R
2は、非置換であるか、又はC
1~C
4アルキルによって置換されているフェニルである、請求項5に記載の感熱性記録材料。
【請求項7】
前記第2の非フェノール性顕色剤が式(Q-I)
【化11】
[式中、
R
1は、非置換であるか、又は、C
1~C
8アルキル、C
1~C
8アルコキシ若しくはハロゲンによって置換されている
、フェニル又はナフチルであり、或いは、R
1は、非置換であっても、又はC
1~C
8アルコキシ若しくはハロゲンによって置換されていてもよい
、C
1~C
20アルキルであり;
Xは、式
【化12】
の基であり、
Aは、非置換若しくは置換のフェニレン、ナフチレン又はC
1~C
12アルキレンであり、又は、非置換若しくは置換の複素環基であり;
Bは、式-O-SO
2-、-SO
2-O-、-NH-SO
2-、-SO
2-NH-、-S-SO
2-、-O-CO-NH-、-NH-CO-、-NH-CO-O-、-S-CO-NH-、-S-CS-NH-、-CO-NH-SO
2-、-O-CO-NH-SO
2-、-NH=CH-、-CO-NH-CO-、-S-、-CO-、-O-、-SO
2-NH-CO-、-O-CO-O-又は-O-PO-(OR
2)
2の連結基であり;
R
2は、非置換であるか、又は、C
1~C
8アルキル、ハロゲン置換C
1~C
8アルキル、C
1~C
8アルコキシ置換C
1~C
8アルキル、C
1~C
8アルコキシ、ハロゲン置換C
1~C
8アルコキシ若しくはハロゲンによって置換されているアリールであり;或いは、R
2は、非置換であるか、又は、C
1~C
8アルキル、ハロゲン置換C
1~C
8アルキル、C
1~C
8アルコキシ置換C
1~C
8アルキル、C
1~C
8アルコキシ、ハロゲン置換C
1~C
8アルコキシ若しくはハロゲンによって置換されているベンジルであり、或いは、R
2は、非置換であるか、又はC
1~C
8アルコキシ、ハロゲン、フェニル、若しくはナフチルによって置換されているC
1~C
20アルキルであり、
ただし、Bが式-O-SO
2-の連結基でない場合、R
2は非置換若しくは置換のフェニル、ナフチル又はC
1~C
8アルキルであり、Bが-O-である場合、R
2はアルキルではなく、且つ、更に、Bが-O-SO
2-又は-SO
2-O-を表す場合、R
2はC
1~C
20アルキルでないことを条件とする]
の化合物である、請求項
1に記載の感熱性記録材料。
【請求項8】
R
1が、非置換であるか、若しくはC
1~C
8アルキル、C
1~C
8アルコキシ若しくはハロゲンによって置換されているフェニ
ルから選択される、請求項7に記載の感熱性記録材料。
【請求項9】
支持体、及び
前記支持体上の記録組成物層
を含む記録シートであって、
前記記録組成物
層が請求項1から8のいずれか一項に記載の感熱性記録材料から形成される、記録シート。
【請求項10】
画像を形成する方法であって、
請求項1から8のいずれか一項に記載の感熱性記録材料を用意する工程;及び
前記感熱性記録材料からの前記画像を記録する工程
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、その開示が参照によって組み込まれる、2019年8月30日に出願された米国特許仮出願第62/894,041号の利益を主張する。
【背景技術】
【0002】
本明細書において記載の実施形態は、第1の非フェノール性顕色剤(color developer)及び第2の非フェノール性顕色剤の組み合わせを含む感熱性記録材料、そのような感熱性記録材料から形成される記録シート、並びにそのような感熱性記録材料を使用して画像を形成する方法に関する。
【0003】
販売時点のレシートのサーモグラフィー印刷のために、いわゆる感熱紙が使用されている。そのような感熱紙は加熱によって着色した画像を形成する。感熱紙は典型的には3つの主成分:発色剤;増感剤;及び顕色剤で構成される。処理中に、無色の発色剤は、錯体の形成による顕色剤によって安定化した黒色の発色団に変換される。広く使用される顕色剤ビスフェノールAは安価で技術的には十分であるが、しかし、ヒト及び環境両方において内分泌腺の混乱活性の疑いをかけられ、ある法域において、「生殖に対して有毒」として分類されることがある。例えば、ビスフェノールAは2020年1月からヨーロッパ市場において感熱紙に限定されている。別のフェノール性顕色剤、ビスフェノールSもまた環境上の安全性に対して調査中である。
【0004】
商業的使用における非フェノール性顕色剤の中で、EP 0526072又はWO00/35679に記載されているようなスルホニル尿素誘導体、例えばN-p-トルエンスルホニル-N'-3-(p-トルエンスルホニルオキシ)フェニル尿素、又はEP 2923851に記載されているような尿素誘導体は、広く使用されているフェノール性製品に対して代替法を提示することができる。しかし、フェノール性顕色剤に対する技術的に実現可能な代替法であるにもかかわらず、そのような尿素誘導体の合成は、特殊な及び準特殊な原料の使用を必要とする。したがって、尿素誘導体は、感熱紙の販売時点において広く普及した使用及び/又は経済性の程度に関する費用効果の観点で理想的ではない。
【0005】
JP 2016-083858 A1は、3ステップの処置で調製される顕色剤を含む熱感受性記録材料のさらなる代替法を記載している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】EP 0526072
【文献】WO00/35679
【文献】EP 2923851
【文献】JP 2016-083858 A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、現在入手可能なフェノール性及び非フェノール性顕色剤に対する技術的に適切であり、且つ費用効果的な代替法である、感熱性記録材料に使用される非フェノール性顕色剤を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0008】
感熱性記録材料、感熱性記録材料から形成される記録シート、及び感熱性記録材料を使用して画像を形成する方法が提供される。例示の感熱性記録材料は、発色化合物、第1の非フェノール性顕色剤、及び第2の非フェノール性顕色剤を含む。
【0009】
例示の記録シートは、支持体及び支持体上の記録組成物層を含み、記録組成物は、発色化合物、第1の非フェノール性顕色剤、及び第2の非フェノール性顕色剤から形成される。
【0010】
画像を形成する例示の方法は、発色化合物、第1の非フェノール性顕色剤、及び第2の非フェノール性顕色剤の感熱性記録材料を用意する工程を含む。
【0011】
例示の実施形態において、第1の非フェノール性顕色剤は、式(I)
【0012】
【0013】
[式中、R及びR1はそれぞれ、互いに独立して、水素;C1~C18-アルキル;C1~C8-アルコキシ-C1~C8-アルキル;R9がC1~C8-アルキル又はC5~C6-シクロアルキルを表す(R9)2N-C1~C8-アルキル;又は式(II)
【0014】
【0015】
の基である(式中、R2、R3、R4、R5、R6はそれぞれ、互いに独立して、水素;C1~C8-アルキル;R7がC1~C8-アルキルを表す-NH-C(=O)-R7又は-C(=O)-NH-R7;R8がC1~C8-アルキルを表す-C(=O)OR8;ハロゲン(フッ素、塩素、臭素又は塩素等の)であり;或いは、R2とR3、又はR4とR5若しくは両方、又はR3とR4、又はR5とR6若しくは両方、又は(R2とR3)及び(R5とR6)は、3又は4個の炭素原子を含む炭化水素ジラジカル(トリメチレン、テトラメチレン、プロペニレン、2-ブテニレン又は1,3-ブタジエニレン等)を一緒に表し、Qは、単結合、又は分岐でも非分岐であってもよいC1~C8-アルキレンを表し、前記C1~C8-アルキレンは、炭素原子を2個より多く含む場合、2個の炭素原子間に1個又は複数の酸素原子を含む主鎖を含む)]
のものである。
【0016】
例示の実施形態において、R8がハロゲンを表す場合、ハロゲンは塩素である。Qの例示の実施形態は、-CH2-、-CH2-CH2-、-CH2-O-、-CH2-CH2-O-、-CH2-CH2-CH2-、-CH2-CH2-CH2-CH2-、-C(Me)H-、-C(Et)H-、-C(n-Pr)H-、-C(i-Pr)H-、-C(n-Bu)H-、-C(i-Bu)H-、-C(sec-Bu)H-、-C(tert-Bu)H-、-C(Me)HCH2-、-CMe2CH2-、又は、特定の実施形態において、-CH2-、-CH2-CH2-、-CH2-CH2-O-及び-C(Me)H-を含む。
【0017】
ある実施形態において、第2の非フェノール性顕色剤は:
(i)下記式(N-I)によって表される化合物:
【0018】
【0019】
[式中、R1、R2及びR3はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、C1~C6アルキル基、C1~C6アルコキシル基、C2~C6アルケニル基、C1~C6フルオロアルキル基、N(R4)2基、NHCOR5、置換されていてもよいフェニル基又は置換されていてもよいベンジル基を表し;
R4は、水素原子、フェニル基、ベンジル基、又はC1~C6アルキル基を表し;
R5は、C1~C6アルキル基を表し;
n1及びn3は、それぞれ独立して1~5の任意の整数を表し;
n2は、1~4の任意の整数を表す];及び
(ii)下記式(N-II)によって表される化合物:
【0020】
【0021】
[式中、R1、R2及びR3はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、C1~C6アルキル基、C1~C6アルコキシル基、C2~C6アルケニル基、C1~C6フルオロアルキル基、N(R4)2基、NHCOR5、置換されていてもよいフェニル基又は置換されていてもよいベンジル基を表し;
n2は、1~4の任意の整数を表し;
n3は、1~5の任意の整数を表し;
n4は、1~7の任意の整数を表す];及び
(iii)下記式(N-III)によって表される化合物:
【0022】
【0023】
[式中、R1、R2及びR3はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、C1~C6アルキル基、C1~C6アルコキシル基、C2~C6アルケニル基、C1~C6フルオロアルキル基、N(R4)2基、NHCOR5、置換されていてもよいフェニル基又は置換されていてもよいベンジル基を表し;
n2は、1~4の任意の整数を表し;
n3は、1~5の任意の整数を表し;
n4は、1~7の任意の整数を表す]
からなる群から選択される化合物である。
【0024】
他の実施形態において、第2の非フェノール性顕色剤は式(P-I)
【0025】
【0026】
[式中、R1は非置換若しくは置換のフェニル、又はナフチルであり、R3及びR4は、互いに独立して水素、C1~C8アルキル、ハロゲン置換C1~C8アルキル、C1~C8アルコキシ置換C1~C8アルキル、C1~C8アルコキシ、ハロゲン置換C1~C8アルコキシ、C1~C8アルキルスルホニル、ハロゲン、フェニル、フェノキシ又はフェノキシカルボニルであり、Xは式
【0027】
【0028】
の基であり、
Bは、式-O-SO2-、-SO2-O-、-SO2-NH-又は-CO-NH-SO2-の連結基であり、
R2は、非置換であるか、又は、C1~C8アルキル、ハロゲン置換C1~C8アルキル、C1~C8アルコキシ置換C1~C8アルキル、C1~C8アルコキシ、ハロゲン置換C1~C8アルコキシ若しくはハロゲンによって置換されているフェニルであり;又は、R2は、C1~C4アルキル若しくはハロゲンによって置換されているナフチル又はベンジルであり、
ただし、Bが式-O-SO2-の連結基でない場合、R2は非置換若しくは置換のフェニル、又はナフチルである]
の化合物である。
【0029】
他の実施形態において、第2の非フェノール性顕色剤は式(Q-I)
【0030】
【0031】
[式中、R1は、非置換であるか、又は、C1~C8アルキル、C1~C8-アルコキシ若しくはハロゲンによって置換されているフェニル又はナフチルであり、或いは、R1は、非置換であっても、又はC1~C8-アルコキシ若しくはハロゲンによって置換されていてもよいC1~C20アルキルであり;
Xは式
【0032】
【0033】
の基であり、
Aは、非置換又は置換のフェニレン、ナフチレン又はC1~C12アルキレンであり、又は、非置換若しくは置換の複素環基であり;
Bは、式-O-SO2-、-SO2-O-、-NH-SO2-、-SO2-NH-、-S-SO2-、-O-CO-NH-、-NH-CO-、-NH-CO-O-、-S-CO-NH-、-S-CS-NH-、-CO-NH-SO2--O-CO-NH-SO2-、-NH=CH-、-CO-NH-CO-、-S-、-CO-、-O-、-SO2-NH-CO-、-O-CO-O-、又は-O-PO-(OR2)2の連結基であり;
R2は、非置換であるか、又は、C1~C8アルキル、ハロゲン置換C1~C8アルキル、C1~C8アルコキシ置換C1~C8アルキル、C1~C8アルコキシ、ハロゲン置換C1~C8アルコキシ若しくはハロゲンによって置換されているアリールであり;或いは、R2は、非置換であるか、又は、C1~C8アルキル、ハロゲン置換C1~C8アルキル、C1~C8アルコキシ置換C1~C8アルキル、C1~C8アルコキシ、ハロゲン置換C1~C8アルコキシ若しくはハロゲンによって置換されているベンジルであり、或いは、R2は、非置換であるか、又は、C1~C8アルコキシ、ハロゲン、フェニル若しくはナフチルによって置換されているC1~C20アルキルであり、
ただし、Bが式-O-SO2-の連結基でない場合、R2は非置換若しくは置換のフェニル、ナフチル又はC1~C8アルキルであり、Bが-O-である場合、R2はアルキルではなく、且つ、更に、Bが-O-SO2-又は-SO2-O-を表す場合、R2はC1~C20アルキルでないことを条件とする]
の化合物である。
【0034】
本明細書において記載のように、第2の非フェノール性顕色剤と組み合わせて使用された場合、第1の非フェノール性顕色剤の動作感度が改善される。更に、本明細書において記載のように、第2の非フェノール性顕色剤と組み合わせて使用された場合、第1の非フェノール性顕色剤の最大光学濃度画像(maximum optical density image)が改善される。また本明細書において記載のように、第2の非フェノール性顕色剤と組み合わせて使用された場合、第1の非フェノール性顕色剤の記録画像安定性が改善される。改善は、熱感受性媒体の最上側又は逆側からの可塑剤の移行に関して著しい。
【0035】
更に、1-[2-(ベンゼンスルホニルアミド)-フェニル]-3-フェニル尿素の事例では、第1の非フェノール性顕色剤と組み合わせて使用された場合、第2の非フェノール性顕色剤の記録画像安定性が改善される。改善は、熱感受性媒体の耐水性、耐油性、及び最上側又は逆側からの可塑剤の移行に関して著しい。本質的にすべての保存状態が組み合わせによって改善された。
【0036】
[3-(p-トリルスルホニルカルバモイルアミノ)フェニル]4-メチルベンゼンスルホネートの事例では、第2の非フェノール性顕色剤の記録画像安定性は、耐水性及び耐熱性、耐光性に関して同様に改善される。
【0037】
この要約は、以下に詳細な説明において更に記載される単純化された形態の概念の選択を導入するために提供される。この要約は、クレームの主題の重要な特色又は基本的な特色を特定するために意図されるのでなく、クレームの主題の範囲の決定における助力として使用されるために意図されるのでもない。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下の詳細な説明は本質的に単に例証であり、主題の実施形態、又はそのような実施形態の適用及び使用を限定するようには意図されない。本明細書において使用される場合、「例示」という語は「例、事例又は例証として役立つ」ことを意味する。本明細書において例示として記載の任意の実装形態は、必ずしも他の実装形態より好ましいか、又は有利と解釈するべきではない。更に、先行する技術分野において提示された、何らかの表明又は暗示された理論、背景、概要又は以下の詳細な説明によって束縛される意図はない。
【0039】
本明細書において記載のように、例示の感熱性記録材料は、第1の非フェノール性顕色剤及び第2の非フェノール性顕色剤を含む非フェノール性顕色剤の組み合わせを含む。ある実施形態において、非フェノール性顕色剤の組み合わせは、本質的に、第1の非フェノール性顕色剤及び第2の非フェノール性顕色剤からなる。他の実施形態において、非フェノール性顕色剤の組み合わせは、第1の非フェノール性顕色剤及び第2の非フェノール性顕色剤からなる。また他の実施形態において、非フェノール性顕色剤の組み合わせは、第1の非フェノール性顕色剤、第2の非フェノール性顕色剤、及び追加の非フェノール性顕色剤を含む。
【0040】
更に、例示の感熱性記録材料は、増感剤を含んでもよいが含まなくてもよい。例示の実施形態において、感熱性記録材料は増感剤としてベンジル2-ナフチルエーテル(CAS No.613-62-7)を含む。
【0041】
例示の実施形態において、第1の非フェノール性顕色剤は、本明細書においてPergafast-425又はPF-425とも称される5-(N-3-メチルフェニル-スルホニルアミド)-(N',N''-ビス-(3-メチルフェニル)-イソフタル酸ジアミドである。例示の実施形態において、第2の非フェノール性顕色剤は、NKK-1304としても公知の1-[2-(ベンゼンスルホニルアミド)-フェニル]-3-フェニル尿素(CAS No.215917-77-4)である。他の例示の実施形態において、第2の非フェノール性顕色剤は、Pergafast-201又はPF-201としても公知の[3-(p-トリルスルホニルカルバモイルアミノ)フェニル]4-メチルベンゼンスルホネート(CAS No.232938-43-1)である。
【0042】
本明細書において記載のように、第2の非フェノール性顕色剤と組み合わせて使用された場合、第1の非フェノール性顕色剤の動作感度が改善される。更に、本明細書において記載のように、第2の非フェノール性顕色剤と組み合わせて使用された場合、第1の非フェノール性顕色剤の最大光学濃度画像が改善される。また本明細書において記載のように、第2の非フェノール性顕色剤と組み合わせて使用された場合、第1の非フェノール性顕色剤の記録画像安定性が改善される。改善は、熱感受性媒体の最上側又は逆側からの可塑剤の移行に関して著しい。
【0043】
更に、1-[2-(ベンゼンスルホニルアミド)-フェニル]-3-フェニル尿素の事例では、第1の非フェノール性顕色剤と組み合わせて使用された場合、第2の非フェノール性顕色剤の記録画像安定性が改善される。改善は、熱感受性媒体の耐水性、耐油性、及び最上側又は逆側からの可塑剤の移行に関して著しい。本質的にすべての保存状態が組み合わせによって改善された。
【0044】
[3-(p-トリルスルホニルカルバモイルアミノ)フェニル]4-メチルベンゼンスルホネートの事例では、第2の非フェノール性顕色剤の記録画像安定性が、耐水性及び耐熱性、耐光性に関して同様に改善される。
【0045】
ある実施形態において、第1の非フェノール性顕色剤の第2の非フェノール性顕色剤に対する比は、10:90~90:10である。例えば、第1の非フェノール性顕色剤の第2の非フェノール性顕色剤に対する比の下限は、10:90、15:85、20:80、25:75、30:70、35:65、40:60、45:55、50:50、55:45、60:40、65:35、70:30、75:25、80:20又は85:15である。更に、第1の非フェノール性顕色剤の第2の非フェノール性顕色剤に対する比の上限は、90:10、85:15、80:20、75:25、70:30、65:35、60:40、55:45、50:50、45:55、40:60、35:65、30:70、25:75、20:80又は15:85である。比はすべて、両顕色剤の混合物の乾燥した割合で提供される。
【0046】
第1の非フェノール性顕色剤
例示の実施形態において、第1の非フェノール性顕色剤は、式(I)
【0047】
【0048】
[式中、R及びR1はそれぞれ、互いに独立して、水素;C1~C18-アルキル;C1~C8-アルコキシ-C1~C8-アルキル;R9がC1~C8-アルキル又はC5~C6-シクロアルキルを表す(R9)2N-C1~C8-アルキル;又は式(II)
【0049】
【0050】
の基である(式中、R2、R3、R4、R5、R6はそれぞれ、互いに独立して、水素;C1~C8-アルキル;R7がC1~C8-アルキルを表す-NH-C(=O)-R7又は-C(=O)-NH-R7;R8がC1~C8-アルキルを表す-C(=O)OR8;ハロゲン(フッ素、塩素、臭素又は塩素等)であり;或いは、R2とR3、又はR4とR5若しくは両方、又はR3とR4、又はR5とR6若しくは両方、又は(R2とR3)及び(R5とR6)は、3又は4個の炭素原子を含む炭化水素ジラジカル(トリメチレン、テトラメチレン、プロペニレン、2-ブテニレン又は1,3-ブタジエニレン等の)を一緒に表し、Qは、単結合、又は分岐でも非分岐であってもよいC1~C8-アルキレンを表し、前記C1~C8-アルキレンは、炭素原子を2個より多く含む場合、2個の炭素原子間に1個又は複数の酸素原子を含む主鎖を含む)]
のものである。
【0051】
例示の実施形態において、R8がハロゲンを表す場合、ハロゲンは塩素である。
【0052】
Qの例示の実施形態は、-CH2-、-CH2-CH2-、-CH2-O-、-CH2-CH2-O-、-CH2-CH2-CH2-、-CH2-CH2-CH2-CH2-、-C(Me)H-、-C(Et)H-、-C(n-Pr)H-、-C(i-Pr)H-、-C(n-Bu)H-、-C(i-Bu)H-、-C(sec-Bu)H-、-C(tert-Bu)H-、-C(Me)HCH2-、-CMe2CH2-、又は、特定の実施形態において、-CH2-、-CH2-CH2-、-CH2-CH2-O-及び-C(Me)H-を含む。
【0053】
例示の実施形態において、C1~C18-アルキルは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、アミル、tert-アミル(1,1-ジメチルプロピル)、1,1,3,3-テトラメチルブチル、n-ヘキシル、2-メチルペンチル、ネオペンチル、n-ヘプチル、2-エチル-ヘキシル又はn-オクチル、n-ノニル、n-デシル、n-ウンデシル、n-ドデシル、n-トリデシル、n-テトラデシル、n-ペンタデシル、n-ヘキサデシル、n-ヘプタデシル又はn-オクタデシルを表す。
【0054】
例示の実施形態において、C1~C8-アルキルは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、アミル、tert-アミル(1,1-ジメチルプロピル)、1,1,3,3-テトラメチルブチル、n-ヘキシル、2-メチルペンチル、ネオペンチル、n-ヘプチル、2-エチル-ヘキシル又はn-オクチル、又はトリデシルである。特定の実施形態において、C1~C8-アルキルは、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、2-エチル-ヘキシル又はトリデシルである。
【0055】
例示の実施形態において、C1~C8-アルコキシは、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブチルオキシ、n-ペンチルオキシ、n-ヘキシルオキシ、n-ヘプチルオキシ又はn-オクチルオキシを表す。特定の実施形態において、C1~C8-アルコキシは、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブチルオキシ、又はn-ヘキシルオキシ等のC1~C6-アルコキシを表す。
【0056】
例示の実施形態において、C1~C8-アルコキシ-C1~C8-アルキルは、メトキシメチル、エトキシメチル、n-プロポキシメチル、イソプロポキシメチル、n-ブチルオキシメチル、n-ペンチルオキシメチル、n-ヘキシルオキシメチル、n-ヘプチルオキシメチル、n-オクチルオキシメチル、メトキシエチル、エトキシエチル、n-プロポキシエチル、イソプロポキシエチル、n-ブチルオキシエチル、n-ペンチルオキシエチル、n-ヘキシルオキシエチル、n-ヘプチルオキシエチル、n-オクチルオキシエチル、メトキシメチル、1-メトキシエチル、2-メトキシエチル、3-メトキシ-n-プロピル、1-メトキシ-2-プロピル、4-メトキシ-n-ブチル、5-メトキシ-n-ペンチル、6-メトキシ-n-ヘキシル、7-メトキシ-n-ヘプチル、8-メトキシ又はn-オクチルを表す。特定の実施形態において、C1~C8-アルコキシC1~C8-アルキルは、2-メトキシエチルを表す。
【0057】
例示の実施形態において、C5~C6-シクロアルキルはシクロペンチル又はシクロヘキシルを表す。特定の実施形態において、C5~C6-シクロアルキルはシクロヘキシルを表す。
【0058】
例示の実施形態において、(R9)2N-C1~C8-アルキル基は、2-(ジメチルアミノ)-メチル、2-(ジメチルアミノ)-エチル、2-(ジエチルアミノ)-エチル、2-(ジイソプロピルアミノ)-エチル、2-(n-プロピルアミノ)-エチル、3-(ジメチルアミノ)-プロピル、又は3-(シクロヘキシルアミノ)-プロピルである。
【0059】
ある実施形態において、R2とR3、又はR4とR5若しくは両方、又はR3とR4、又はR5とR6若しくは両方、又は(R2とR3)及び(R5とR6)は、3又は4個の炭素原子を含む炭化水素ジラジカル(トリメチレン、テトラメチレン、プロペニレン、2-ブテニレン又は1,3-ブタジエニレン等の)を一緒に表し、R2とR3は一緒にテトラメチレンを表し、又は、R2とR3は一緒にテトラメチレンを表す。
【0060】
例示の実施形態において、式(II)の基は、フェニル、ベンジル、3-メチルフェニル、2,6-ジエチルフェニル、o-イソプロピルフェニル、p-アセトアミドフェニル、1-フェニルエチル、2-フェニルエチル、2-フェノキシエチル、1-テトラリノ又は2-テトラリノである。
【0061】
ある例示の実施形態において、第1の非フェノール性顕色剤は式(Ia)
【0062】
【0063】
のものであり、又は、第1の非フェノール性顕色剤は式(Ib)
【0064】
【0065】
のものである。
【0066】
式(Ia)の例示の第1の非フェノール性顕色剤は、5-(N-ベンジル-スルホニルアミド)-(N',N''-ジベンジル)-イソフタル酸-ジアミド、5-(N-3-メチルフェニル-スルホニルアミド)-(N',N''-ビス-(3-メチルフェニル)-イソフタル酸-ジアミド、5-(N-2,6-ジエチルフェニル-スルホニルアミド)-(N',N''-ビス-(2,6-ジエチルフェニル)-イソフタル酸-ジアミド、5-(N-フェニル-スルホニルアミド)-(N',N''-ビスフェニル)-イソフタル酸-ジアミド、5-(N-o-イソプロピル-フェニル-スルホニルアミド)-(N',N''-ビス-(o-イソプロピルフェニル)-イソフタル酸-ジアミド、5-(N-p-アセトアミド-フェニル-スルホニルアミド)-(N',N''-ビス-(p-アセトアミド-フェニル)-イソフタル酸-ジアミド、5-(N-1-テトラリノ-スルホニルアミド)-(N',N''-ビス-(1-テトラリノ)-イソフタル酸-ジアミド、5-(N-3-メチルフェニル-スルホニルアミド)-(N',N''-ビス-(3-メチルフェニル)-イソフタル酸-ジアミド、5-(N-1-フェニルエチル-スルホニルアミド)-(N',N''-ビス-(1-フェニルエチル)-イソフタル酸-ジアミド、5-(N-2-フェニルエチル-スルホニルアミド)-(N',N''-ビス-(2-フェニルエチル)-イソフタル酸-ジアミド、5-(N-2,6-ジエチルフェニル-スルホニルアミド)-(N',N''-ビス-(2,6-ジエチルフェニル)-イソフタル酸-ジアミド、5-(N-n-ブチル-スルホニルアミド)-(N',N''-ジ-n-ブチル-イソフタル酸-ジアミド、5-(N-2-エチルヘキシル-スルホニルアミド)-(N',N''-ジ-2-エチルヘキシルイソフタル酸-ジアミド、5-(N-ベンジル-スルホニルアミド)-(N',N''-ジフェニル)-イソフタル酸-ジアミド、5-(N-フェニル-スルホニルアミド)-(N',N''-ジベンジル)-イソフタル酸-ジアミド、5-(N-ベンジルスルホニルアミド)-(N',N''-ビス-(3-メチル-フェニル)-イソフタル酸-ジアミド、5-(N-ブチル-スルホニルアミド)-(N',N''-ビス-(3-メチル-フェニル)-イソフタル酸-ジアミド、5-(N-1-フェニル-エチル-スルホニルアミド)-(N',N''-ビス-(3-メチル-フェニル)-イソフタル酸-ジアミド、5-(N-2-フェニル-エチル-スルホニルアミド)-(N',N''-ビス-(3-メチル-フェニル)-イソフタル酸-ジアミド、5-(N-2-メトキシ-エチル-スルホニルアミド)-(N',N''-ビス-(3-メチル-フェニル)-イソフタル酸-ジアミド、5-(N-n-オクチル-スルホニルアミド)-(N',N''-ビス-(3-メチル-フェニル)-イソフタル酸-ジアミド、5-(N-ベンジル-スルホニルアミド)-(N',N''-ビス-(2,6-ジエチル-フェニル)-イソフタル酸-ジアミド、5-(N-n-オクチル-スルホニルアミド)-(N',N''-ビス-(2,6-ジエチル-フェニル)-イソフタル酸-ジアミド及び5-(N-2-フェノキシ-エチル-スルホニルアミド)-(N',N''-ビス-(2,6-ジエチル-フェニル)-イソフタル酸-ジアミドを含む。
【0067】
ある例示の実施形態において、感熱性記録材料は式(Ic)
【0068】
【0069】
のビスアミド等のビスアミドを更に含む。
【0070】
特定の例示の実施形態において、第1の非フェノール性顕色剤は式(Ia)のものであり、感熱性記録材料は式(Ic)のビスアミドを含み、ビスアミド(Ic)の量は第1の非フェノール性顕色剤(Ia)に対して約0.01~約10mol%である。
【0071】
本明細書において記載のさらなる実施形態は、多形変形(polymorphic modification)、特に、3つの異なる多形変形が見いだされた5-(N-3-メチルフェニル-スルホニルアミド)-(N',N''-ビス-(3-メチルフェニル)-イソフタル酸ジアミドに関する:211.2℃(示差走査熱量測定、DSCを使用して求めて)の融点を有するα-変形、192.2℃(DSCによって測定して)の融点を有するβ-変形、及び215.6℃(DSCによって測定して)の融点を有するγ-変形。
【0072】
第2の非フェノール性顕色剤
例示の実施形態において、第2の非フェノール性顕色剤は次のとおりである:
・ 下記式(I)によって表される化合物:
【0073】
【0074】
[式中、R1~R3は、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、C1~C6アルキル基、C1~C6アルコキシル基、C2~C6アルケニル基、C1~C6フルオロアルキル基、N(R4)2基(式中、R4は、水素原子、フェニル基、ベンジル基又はC1~C6アルキル基を表す)、NHCOR5(式中、R5はC1~C6アルキル基を表す)、置換されていてもよいフェニル基又は置換されていてもよいベンジル基を表し;n1及びn3は、それぞれ独立して1~5の任意の整数を表し;n2は、1~4の任意の整数を表す];
・ 下記式(II)によって表される化合物:
【0075】
【0076】
[式中、R1~R3は、式(I)において定義されたR1~R3と同じものを表し;n2及びn3は、式(I)において定義されたn2及びn3と同じものを表し;n4は1~7の任意の整数を表す]及び
・ 下記式(III)によって表される化合物:
【0077】
【0078】
[式中、R1~R3は、式(I)において定義されたR1~R3と同じものを表し;n2、n3及びn4は、式(I)及び式(II)において定義されたn2、n3及びn4と同じものを表す]。
【0079】
ある例示の実施形態において、式(I)は下記式(IV)である:
【0080】
【0081】
(式中、R1及びR3は、式(I)において定義されたR1及びR3と同じものを表す)。
【0082】
ある例示の実施形態において、式(I)は下記式(V)である:
【0083】
【0084】
(式中、R1は、式(I)において定義されたR1と同じものを表す)。
【0085】
例示の実施形態において、第2の非フェノール性顕色剤はベンゼンスルホンアミド化合物である。
【0086】
式(I)、(II)及び(III)において、R1~R3の例は以下から選択される:
・ 水素原子;
・ フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子等のハロゲン原子;
・ ニトロ基;
・ 直鎖、分岐又は環状C1~C6アルキル基、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、t-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、シクロプロピル、シクロブチル、2-メチルシクロプロピル、シクロプロピルメチル、シクロペンチル又はシクロヘキシル;
・ 直鎖、分岐又は環状C1~C6アルコキシ基、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、t-ブトキシ、ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、シクロプロポキシ、シクロブトキシ、2-メチルシクロプロポキシ、シクロプロピルメトキシ、シクロペンチルオキシ又はシクロヘキシルオキシ;
・ C2~C6アルケニル基、例えば、ビニル基、アリル基、イソプロペニル基、1-プロペニル基、2-プロペニル基、1-ブテニル基、2-ブテニル基、3-ブテニル基、1,3-ブタンジエニル基又は2-メチル-2-プロペニル基;
・ C1~C6フルオロアルキル基、例えば、トリフルオロメチル基、パーフルオロエチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロヘキシル基又はパーフルオロシクロヘキシル基;
・ N(R4)2基(式中、R4は、水素原子、フェニル基、ベンジル基又はC1~C6アルキル基を表す);
・ NHCOR5(式中、R5は、C1~C6アルキル基を表す);
・ 置換されていてもよいフェニル基;及び
・ 置換されていてもよいベンジル基。
【0087】
例示の実施形態において、第2の非フェノール性顕色剤に関して、R1~R3はそれぞれ、水素原子又は直鎖C1~C6アルキル基を表す。特に、R1は水素原子又はメチル基を表してもよく、R2及びR3はそれぞれ、水素原子を表してもよい。
【0088】
第2の非フェノール性顕色剤に上記のR4又はR5として使用されるC1~C6アルキル基の例としては、第2の非フェノール性顕色剤に上記のR1として使用されるC1~C6アルキル基の特定の例と同じものを含むこと。
【0089】
基が「置換されていてもよい」置換基の例としては、以下を含む:
・ ヒドロキシ基;
・ フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子等のハロゲン原子;
・ C1~C6アルキル基、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、t-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、t-ペンチル基、n-ヘキシル基、イソヘキシル基、1-メチルペンチル基又は2-メチルペンチル基;及び
・ C1~C6アルコキシ基、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、sec-ブトキシ基又はt-ブトキシ基。
【0090】
例示の実施形態において、第2の非フェノール性顕色剤は、以下から選択されるベンゼンスルホンアミド化合物である。
・ 下記式(I)によって表される化合物:
【0091】
【0092】
(式中、R1~R3及びn1~n3は、上記において定義されたR1~R3及びn1~n3と同じものを表し、ただし、R2及びR3がそれぞれ水素原子を表し、R1が水素原子、p-メチル基、m-メチル基及びp-クロロ基のいずれかを表す事例は除外される)、
・ 下記式(II)によって表される化合物:
【0093】
【0094】
(式中、R1~R3は、上記において定義されたR1~R3と同じものを表し、n2及びn3は、上記において定義されたn2及びn3と同じものを表し、n4は、1~7の任意の整数を表す)、及び
・ 下記式(III)によって表される化合物:
【0095】
【0096】
(式中、R1~R3は、上記において定義されたR1~R3と同じものを表し、n2、n3及びn4は、上記において定義されたn2、n3及びn4と同じものを表す)。
【0097】
第2の非フェノール性顕色剤の式(I)~(III)によって表される化合物の代表的な例は、4-メチル-N-(2-(3-フェニルウレイド)フェニル)ベンゼンスルホンアミド及びN-(2-(3-フェニルウレイド)フェニル)ベンゼンスルホンアミドを含む。
【0098】
例示の実施形態において、熱感受性の記録媒体の熱感受性の着色層は、下記式を有する顕色剤を含む:
【0099】
【0100】
これは、R1、R2及びR3はすべて水素原子である上記の一般式(I)に対応する。
【0101】
第2の非フェノール性顕色剤
例示の実施形態において、第2の非フェノール性顕色剤は式の化合物である。
【0102】
【0103】
[式中、R1は、非置換若しくは置換のフェニル、ナフチル又はC1~C20アルキルであり、Xは式
【0104】
【0105】
の基であり、
Aは、非置換若しくは置換のフェニレン、ナフチレン又はC1~C12アルキレンであるか、又は非置換若しくは置換の複素環基であり、
Bは、式-O-SO2-、-SO2-O-、-NH-SO2-、-SO2-NH-、-S-SO2-、-O-CO-、-O-CO-NH-、-NH-CO-、-NH-CO-O-、-S-CO-NH-、-S-CS-NH-、-CO-NH-SO2-、-O-CO-NH-SO2-、-NH=CH-、-CO-NH-CO-、-S-、-CO-、-O-、-SO2-NH-CO-、-O-CO-O-及び-O-PO-(OR2)2の連結基であり、
R2は、非置換若しくは置換のアリール又はベンジル又はC1~C20アルキルであり、
ただし、Bが式-O-SO2-の連結基でない場合、R2は非置換若しくは置換のフェニル、ナフチル又はC1~C8アルキルであり、Bが-O-である場合、R2はアルキルではない]。
【0106】
例示の実施形態において、フェニル又はナフチルとしてのR1は、非置換であっても、又は、例えば、C1~C8アルキル、C1~C8アルコキシ若しくはハロゲンによって置換されていてもよい。例示の置換基は、C1~C4アルキル、殊にメチル若しくはエチル、C1~C4アルコキシ、殊にメトキシ若しくはエトキシ、又はハロゲン、殊に塩素である。ナフチルとしてのR1は、例示の実施形態において非置換である。フェニルとしてのR1は、例示の実施形態において、殊に上記のアルキル置換基の1つによって置換されている。
【0107】
C1~C20アルキルとしてのR1は、非置換であっても、又は、例えばC1~C8アルコキシ若しくはハロゲンによって置換されていてもよい。例示の置換基は、C1~C4アルコキシ、殊にメトキシ若しくはエトキシ、又はハロゲン、殊に塩素である。C1~C20アルキルとしてのR1は、例示の実施形態において非置換である。
【0108】
例示の実施形態において、R1は、非置換であるか、又はC1~C8アルキル、C1~C8アルコキシ若しくはハロゲンによって置換されているフェニルである。置換フェニル基が最も重要である。例示の実施形態において、フェニル基は、C1~C4アルキルによって、例えばメチルによって置換されている。
【0109】
例示の実施形態において、Xは式
【0110】
【0111】
の基であり、特に式
【0112】
【0113】
の基である。
【0114】
フェニレン又はナフチレン基としてのAは、非置換であっても、例えば、C1~C8アルキル、ハロゲン置換C1~C8アルキル、C1~C8アルコキシ置換C1~C8アルキル、C1~C8アルコキシ、ハロゲン置換C1~C8アルコキシ、C1~C8アルキルスルホニル、ハロゲン、フェニル、フェノキシ又はフェノキシカルボニルによって置換されていてもよい。好ましいアルキル及びアルコキシ置換基は1~4個の炭素原子を含むものである。好ましい置換基は、C1~C8アルキル、ハロゲン置換C1~C8アルキル、C1~C8アルキル-スルホニル又はハロゲンである。ナフチレン基としてのAは好ましくは非置換である。
【0115】
複素環基としてのAは、好ましくは非置換であるか、又は、C1~C8アルキルによって、殊にC1~C4アルキルによって置換されているピリミジレンである。
【0116】
C1~C12アルキレン基としてのAは、好ましくはC1~C8アルキレン、殊にC1~C4アルキレンである。
【0117】
好ましいA基は、非置換であるか、又は、C1~C8アルキル、ハロゲン置換C1~C8アルキル、C1~C8アルコキシ置換C1~C8アルキル、C1~C8アルコキシ、ハロゲン置換C1~C8アルコキシ、C1~C8アルキルスルホニル、ハロゲン、フェニル、フェノキシ若しくはフェノキシカルボニル、C1~C8アルキル、殊にハロゲン置換C1~C8アルキル、C1~C8アルキルスルホニル若しくはハロゲンによって置換されているフェニレン基である。
【0118】
非常に好ましいA基は、非置換であるか、又はC1~C4アルキル若しくはハロゲンによって置換されているフェニレン基、殊に非置換フェニレン基である。
【0119】
好ましい連結基Bは、式-O-SO2-、-SO2-O-、-SO2-NH-、-S-SO2-、-O-、-O-CO-及び-O-CO-NH-のもの、殊に式-O-SO2-、-SO2-O-及び-SO2-NH-の連結基である。式-O-SO2-及び-O-の連結基Bが非常に好ましい。
【0120】
アリールとしてのR2は、好ましくは非置換であっても、又は、例えば、C1~C8アルキル、ハロゲン置換C1~C8アルキル、C1~C8アルコキシ置換C1~C8アルキル、C1~C8アルコキシ、ハロゲン置換C1~C8アルコキシ若しくはハロゲンによって置換されていてもよいフェニル又はナフチルである。好ましいアルキル及びアルコキシ置換基は1~4個の炭素原子を含むものである。好ましい置換基はC1~C4アルキル及びハロゲンである。ナフチルとしてのR2は、好ましくは非置換である。
【0121】
ベンジルとしてのR2は、フェニル又はナフチルとしてR2に与えられた置換基によって置換することができる。非置換ベンジルが好ましい。
【0122】
C1~C20アルキルとしてのR2は、好ましくはC1~C8アルキル、殊にC1~C6アルキルであり、非置換であっても、又は例えば、C1~C8アルコキシ、ハロゲン、フェニル若しくはナフチルによって置換されていてもよい。非置換アルキル基、殊にC1~C4アルキルが好ましい。
【0123】
好ましい基R2は、C1~C6アルキル;ハロゲン置換C1~C6アルキル;フェニル置換C1~C6アルキル;ナフチル置換C1~C6アルキル;非置換であるか、又は、C1~C8アルキル、ハロゲン置換C1~C8アルキル、C1~C8アルコキシ置換C1~C8アルキル、C1~C8アルコキシ、ハロゲン置換C1~C8アルコキシ若しくはハロゲンによって置換されているフェニル;C1~C4アルキル又はハロゲンによって置換されているナフチル及びベンジルである。
【0124】
非常に好ましいR2基は、C1~C4アルキル;ハロゲン置換C1~C4アルキル;非置換であるか、又はC1~C4アルキル若しくはハロゲンによって置換されているフェニル;非置換であるか、又はC1~C4アルキル若しくはハロゲンによって置換されているナフチル及びベンジル、殊に非置換であるか、又はC1~C4アルキルによって置換されているフェニルである。
【0125】
R1がC1~C4アルキルによって、好ましくはメチルによって置換されているフェニルであり、Xが式
【0126】
【0127】
の基であり、
Aが、非置換であるか、又はC1~C8アルキル若しくはハロゲンによって置換されているフェニレン、好ましくは1,3-フェニレンのような非置換フェニレンであり、
Bが式-O-SO2-又は-O-の連結基であり、
R2が、非置換であるか、又はC1~C4アルキル若しくはハロゲンによって置換されているフェニル、ナフチル又はベンジル、殊にC1~C4アルキルによって置換されているフェニルである式(1)の顕色剤が好ましい。
【0128】
特に好ましい実施形態において、例示の熱感受性の記録媒体の熱感受性の着色層は、下記式:
【0129】
【0130】
を有する第2の顕色剤を含む
【0131】
これはSOLENIS company社によってPERGAFAST 201の商品名で商品化されている。
【0132】
発色化合物。
発色化合物は、例えば、トリフェニルメタン、ラクトン、ベンゾオキサジン、スピロピラン、又は好ましくはフルオランである。
【0133】
例示の発色剤は、これらに限定されないが;3-ジエチルアミノ-6-メチルフルオラン、3-ジメチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-ジエチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-ジエチルアミノ-6-メチル-7-(2,4-ジメチルアニリノ)フルオラン、3-ジエチルアミノ-6-メチル-7-クロロフルオラン、3-ジエチルアミノ-6-メチル-7-(3-トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3-ジエチルアミノ-6-メチル-7-(2-クロロアニリノ)フルオラン、3-ジエチルアミノ-6-メチル-7-(4-クロロアニリノ)フルオラン、3-ジエチルアミノ-6-メチル-7-(2-フルオロアニリノ)フルオラン、3-ジエチルアミノ-6-メチル-7-(4-n-オクチルアニリノ)フルオラン、3-ジエチルアミノ-7-(4-n-オクチルアニリノ)フルオラン、3-ジエチルアミノ-7-(n-オクチルアミノ)フルオラン、3-ジエチルアミノ-7-(ジベンジルアミノ)フルオラン、3-ジエチルアミノ-6-メチル-7-(ジベンジルアミノ)フルオラン、3-ジエチルアミノ-6-クロロ-7-メチルフルオラン、3-ジエチルアミノ-7-t-ブチルフルオラン、3-ジエチルアミノ-7-カルボキシエチルフルオラン、3-ジエチルアミノ-6-クロロ-7-アニリノフルオラン、3-ジエチルアミノ-6-メチル-7-(3-メチルアニリノ)フルオラン、3-ジエチルアミノ-6-メチル-7-(4-メチルアニリノ)フルオラン、3-ジエチルアミノ-6-エトキシエチル-7-アニリノフルオラン、3-ジエチルアミノ-7-メチルフルオラン、3-ジエチルアミノ-7-クロロフルオラン、3-ジエチルアミノ-7-(3-トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3-ジエチルアミノ-7-(2-クロロアニリノ)フルオラン、3-ジエチルアミノ-7-(2-フルオロアニリノ)フルオラン、3-ジエチルアミノ-ベンゾ[a]フルオラン、3-ジエチルアミノ-ベンゾ[c]フルオラン、3-ジブチルアミノ-7-ジベンジルアミノフルオラン、3-ジブチルアミノ-7-アニリノフルオラン、3-ジエチルアミノ-7-アニリノフルオラン、3-ジブチルアミノ-6-メチルフルオラン、3-ジブチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-ジブチルアミノ-6-メチル-7-(2,4-ジメチルアニリノ)フルオラン、3-ジブチルアミノ-6-メチル-7-(2-クロロアニリノ)フルオラン、3-ジブチルアミノ-6-メチル-7-(4-クロロアニリノ)フルオラン、3-ジブチルアミノ-6-メチル-7-(2-フルオロアニリノ)フルオラン、3-ジブチルアミノ-6-メチル-7-(3-トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3-ジブチルアミノ-6-エトキシエチル-7-アニリノフルオラン、3-ジブチルアミノ-6-クロロ-アニリノフルオラン、3-ジブチルアミノ-6-メチル-7-(4-メチルアニリノ)フルオラン、3-ジブチルアミノ-7-(2-クロロアニリノ)フルオラン、3-ジブチルアミノ-7-(2-フルオロアニリノ)フルオラン、3-ジブチルアミノ-7-(N-メチル-N-ホルミルアミノ)フルオラン、3-ジペンチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-ジペンチルアミノ-6-メチル-7-(4-2-クロロアニリノ)フルオラン、3-ジペンチルアミノ-7-(3-トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3-ジペンチルアミノ-6-クロロ-7-アニリノフルオラン、3-ジペンチルアミノ-7-(4-クロロアニリノ)フルオラン、3-ピロリジノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-ピペリジノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-(N-メチル-N-プロピルアミノ)-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-(N-メチル-N-シクロヘキシルアミノ)-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-(N-エチル-N-シクロヘキシルアミノ)-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-(N-エチル-p-トルイジノ)-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-(N-エチル-N-イソアミルアミノ)-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-(N-エチル-N-イソアミルアミノ)-6-クロロ-7-アニリノフルオラン、3-(N-エチル-N-テトラヒドロフルフリルアミノ)-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-(N-エチル-N-イソブチルアミノ)-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-(N-ブチル-N-イソアミルアミノ)-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-(N-イソプロピル-N-3-ペンチルアミノ)-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-(N-エチル-N-エトキシプロピルアミノ)-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-シクロヘキシルアミノ-6-クロロフルオラン、2-メチル-6-p-(p-ジメチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、2-メトキシ-6-p-(p-ジメチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、2-クロロ-3-メチル-6-p-(p-フェニルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、2-ジエチルアミノ-6-p-(p-ジメチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、2-フェニル-6-メチル-6-p-(p-フェニルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、2-ベンジル-6-p-(p-フェニルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、3-メチル-6-p-(p-ジメチルアミノフェニル)アミノ-アニリノフルオラン、3-ジエチルアミノ-6-p-(p-ジエチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、3-ジエチル-アミノ-6-p-(p-ジブチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、2,4-ジメチル-6-[(4-ジメチルアミノ)-アニリノ]フルオラン、3-[(4-ジメチルアミノフェニル)アミノ]-5,7-ジメチルフルオラン、3,6,6'-トリス(ジメチル-アミノ)スピロ[フルオレン-9,3'-フタリド]、3,6,6'-トリス(ジエチルアミノ)スピロ[フルオレン-9,3'-フタリド]、3,3-ビス(p-ジメチルアミノフェニル)-6-ジメチルアミノフタリド、3,3-ビス(p-ジメチルアミノ-フェニル)フタリド、3,3-ビス-[2-(p-ジメチルアミノフェニル)-2-(p-メトキシフェニル)エテニル-4,5,6,7-テトラブロモフタリド、3,3-ビス-[2-(p-ジメチルアミノフェニル)-2-(p-メトキシフェニル)エテニル-4,5,6,7-テトラクロロフタリド、3,3-ビス[1,1-ビス(4-ピロリジノフェニル)エチレン-2-イル]-4,5,6,7-テトラブロモフタリド、3,3-ビス-(1-(4-メトキシフェニル)-1-(4-ピリジノフェニル)エチレン-2-イル]-4,5,6,7-テトラクロロフタリド、3-(4-ジエチルアミノ-2-エトキシフェニル)-3-(1-エチル-2-メチルインドール-3-イル)-4-アザフタリド、3-(4-ジエチルアミノ-2-エトキシフェニル)-3-(1-オクチル-2-メチルインドール-3-イル)-4-アザフタリド、3-(4-シクロヘキシルエチルアミノ-2-メトキシフェニル)-3-(1-エチル-2-メチルインドール-3-イル)-4-アザフタリド、3,3-ビス(1-エチル-2-メチルインドール-3-イル)フタリド、3,3-ビス(1-オクチル-2-メチルインドール-3-イル)フタリド、2-フェニル-4-(4-ジエチルアミノフェニル)-4-(4-メトキシフェニル)-6-メチル-7-ジメチルアミノ-3,1-ベンゾオキサジン及び2-フェニル-4-(4-ジエチルアミノフェニル)-4-(4-メトキシフェニル)-8-メチル-7-ジメチルアミノ-3,1-ベンゾオキサジンの混合物、4,4'-[1-メチルエチリデン)-ビス(4,1-フェニレンオキシ-4,2-キナゾリンジイル)]ビス[N,N-ジエチルベンゼンアミン]、ビス(N-メチルジフェニルアミン)-4-イル-(N-ブチルカルバゾール)-3-イル-メタン及びその混合物を含む。
【0134】
上記の発色化合物はすべて、単独で又は他の化合物との混合物として使用することができ;又はそれらはさらなる黒色の発色化合物と一緒に使用されてもよい。
【0135】
例示の発色化合物は、3-ジエチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-ジエチルアミノ-6-メチル-7-(3-メチルアニリノ)フルオラン、3-ジエチルアミノ-6-メチル-7-(2,4-ジメチルアニリノ)フルオラン、3-ジブチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-ジペンチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-(N-メチル-N-プロピルアミノ)-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-(N-メチル-N-シクロヘキシルアミノ)-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-(N-エチル-N-イソアミルアミノ)-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-ジエチルアミノ-6-クロロ-7-アニリノフルオラン、3-ジブチルアミノ-7-(2-クロロアニリノ)フルオラン、3-N-エチル-p-トルイジノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-(N-エチル-N-テトラヒドロフルフリルアミノ)-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-(N-エチル-N-イソブチルアミノ)-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-N-エチル-N-エトキシプロピルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、2,4-ジメチル-6-[(4-ジメチルアミノ)アニリノ]フルオラン、3-(4-ジエチルアミノ-2-エトキシフェニル)-3-(1-オクチル-2-メチルインドール-3-イル)-4-アザフタリド、3,3-ビス(p-ジメチルアミノ-フェニル)-6-ジメチルアミノフタリド及びその混合物である。
【0136】
また、少なくとも2種の発色化合物を含む固溶体を使用することが可能である。
【0137】
単相(又は単一相、若しくはゲストホスト)の固溶体は、その成分の1つの結晶格子と同一の結晶格子を有する。1つの成分は、「ホスト」として働く他の成分の結晶格子中の「ゲスト」として埋め込まれる。そのような単相固溶体のX線回折図形は、「ホスト」と呼ばれる成分の1つのそれと実質上同一である。ある限度内では、成分の異なる割合はほとんど同一の結果をもたらす。
【0138】
文献において、固溶体及び混晶についての、G. H. Van't Hoff、A. I. Kitaigorodsky及びA. Whitacker等の様々な著者による定義は、しばしば矛盾している(参照:例えば「Analytical Chemistry of Synthetic Dyes」、10章/269頁、K. Venkataraman編、J. Wiley、New York、1977年)。
【0139】
したがって、本明細書において定義される用語「単相固溶体」又は「多相固溶体又は混晶」は、そのような系についての知識の現在の改善された状態に適応した、以下の定義から得るべきである:
【0140】
単相(又は単一相、又はゲストホスト)の固溶体は、その成分の1つの結晶格子と同一の結晶格子を有する。1つの成分は、「ホスト」として働く他の成分の結晶格子中の「ゲスト」として埋め込まれる。そのような単相固溶体のX線回折図形は、「ホスト」と呼ばれる成分の1つのそれと実質上同一である。ある限度内では、成分の異なる割合はほとんど同一の結果をもたらす。
【0141】
多相固溶体は明確で均質な結晶格子を有しない。それは、その成分の少なくとも1つの結晶格子が部分的に又は完全に変化するという点でその成分の物理的な混合物と異なる。個々の成分について見られるダイヤグラム加算であるX線回折ダイヤグラムを与える成分の物理的混合物と対照的に、多相固溶体のX線回折ダイヤグラム中の信号は、広がり、移動し、又は強度が変化する。一般に、成分の異なる割合は異なる結果をもたらす。
【0142】
混晶(又は固体化合物タイプ)の固溶体は、明確な組成物、及びそのすべての成分の結晶格子とは異なる均質な結晶格子を有する。成分の異なる割合が、ある限度内で、同一の結果ヘ導く場合、混晶がホストとして働く固溶体が存在する。
【0143】
疑問を避けるために、とりわけ、例えば、純結晶変形中の異なる成分それぞれの集合体等の異なる物理的なタイプの異なる粒子からなる非晶質構造体及び混合集合体があってもよいことを指摘することもできる。そのような非晶質構造体及び混合集合体は、固溶体又は混晶のいずれとも同一視することができず、異なる基本的性質を有する。
【0144】
上文に詳述したように、単相固溶体は複数の色化合物を含む。固溶体に含まれ得る適切な発色材料は上記に挙げたものである。
【0145】
以下の単相固溶体は特別に興味深い:
3-ジブチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン及び3-ジブチルアミノ-7-ジベンジルアミノフルオラン;
3-ジブチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン及び3-ジブチルアミノ-7-アニリノフルオラン;
3-ジブチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン及び3-ジエチルアミノ-7-アニリノフルオラン;
3-ジエチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン及び3-ジエチルアミノ-7-アニリノフルオラン;
3-ジブチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン及び3-ジエチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン;
3-ジブチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン及び3-N-イソアミル-N-エチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン;
3-ジブチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン及び3-N-2-ペンチル-N-エチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン;
3-ジブチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン及び3-N-イソプロピル-N-エチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン;
3-ジブチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン及び3-N-シクロヘキシルメチル-N-エチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン;
3-ジブチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン及び3-ジプロピルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン;
3-ジブチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン及び3-N-2-ブチル-N-エチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン;
3-ジブチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン及び3-N-シクロヘキシル-N-メチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン;
3-ジブチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン及び3-ジエチルアミノ-6-メチル-7-(3-メチルアニリノ)フルオラン;
3-ジブチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン及び3-ジエチルアミノ-6-メチル-7-(2,4-ジメチルアニリノ)フルオラン;
3-ジブチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン及び3-ジペンチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン;
3-ジブチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン及び3-(N-メチル-N-プロピルアミノ)-6-メチル-7-アニリノフルオラン;
3-ジブチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン及び3-ジエチルアミノ-6-クロロ-7-アニリノフルオラン;
3-ジブチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン及び3-ジブチルアミノ-7-(2-クロロアニリノフルオラン;
3-ジブチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン及び3-N-エチル-p-トルイジノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン;
3-ジブチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン及び3-(N-エチル-N-テトラヒドロフルフリルアミノ)-6-メチル-7-アニリノフルオラン;
3-ジブチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン及び3-(N-エチル-N-イソブチルアミノ)-6-メチル-7-アニリノフルオラン;
3-ジブチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン及び3-N-エチル-N-エトキシプロピルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン;
3-ジブチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン及び2,4-ジメチル-6-[(4-ジメチルアミノ)アニリノ]フルオラン;
3-N-イソアミル-N-エチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン及び3-ジエチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン;
3-ジエチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン及び3-N-プロピル-N-メチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン;
3-ジエチルアミノ-6-メチル-7-(3-トリル)アミノフルオラン及び3-ジエチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン;
3-ジブチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン及び3,3-ビス(1-オクチル-2-メチルインドール-3-イル)フタリド;
3-ジブチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン並びに2-フェニル-4-(4-ジエチルアミノフェニル)-4-(4-メトキシフェニル)-6-メチル-7-ジメチルアミノ-3,1-ベンゾオキサジン及び2-フェニル-4-(4-ジエチルアミノフェニル)-4-(4-メトキシフェニル)-8-メチル-7-ジメチルアミノ-3,1-ベンゾオキサジンの混合物;
3-ジブチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン及び4,4'-[1-メチルエチリデン)ビス(4,1-フェニレンオキシ-4,2-キナゾリンジイル)]ビス[N,N-ジエチルベンゼンアミン]。上記の単相固溶体において、第1の化合物は75~99.9モル%のモル比にあり、第2の化合物は25~0.1モル%の比にある。明示した比の2つの成分A及びBを含む単相固溶体の例としては以下が挙げられる:3-ジブチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン(99.9%)、3-ジエチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン(0.1%);
3-ジブチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン(99%)、3-ジエチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン(1%);
3-ジブチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン(95%)、3-ジエチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン(5%);
3-ジブチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン(90%)及び3-N-2-ペンチル-N-エチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン(10%);
3-ジブチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン(95%)及び3-N-2-ペンチル-N-エチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン(5%);
3-ジブチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン(90%)及び3-N-イソプロピル-N-エチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン(10%);
3-ジブチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン(95%)及び3-N-イソプロピル-N-エチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン(5%);
3-ジブチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン(90%)及び3-N-シクロヘキシルメチル-N-エチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン(10%);
3-ジブチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン(95%)及び3-N-シクロヘキシルメチル-N-エチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン(5%);
3-ジブチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン(90%)及び3-ジプロピルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン(10%);
3-ジブチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン(95%)及び3-ジプロピルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン(5%);
3-ジブチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン(90%)及び3-N-2-ブチル-N-エチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン(10%);
3-ジブチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン(95%)及び3-N-2-ブチル-N-エチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン(5%);
3-ジブチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン(90%)、3-ジエチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン(10%);
3-ジブチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン(85%)、3-ジブチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン(15%);
3-ジブチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン(80%)、3-ジエチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン(20%);
3-ジブチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン(95%)、3-N-イソアミル-N-エチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン(5%);
3-ジブチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン(90%)、3-N-イソアミル-N-エチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン(10%);
3-ジブチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン(80%)、3-N-イソアミル-N-エチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン(20%);
3-ジブチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン(90%)、3-N-シクロヘキシル-N-メチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン(10%);
3-ジエチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン(90%)、3-N-イソアミル-N-エチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン(10%);
3-ジエチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン(80%)、3-N-イソアミル-N-エチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン(20%);
3-ジエチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン(20%)、3-N-イソアミル-N-エチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン(80%);
3-ジブチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン(10%)、3-N-イソアミル-N-エチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン(90%);
3-ジブチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン(90%)、3-N-プロピル-N-メチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン(10%);
3-ジエチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン(80%)、3-N-プロピル-N-メチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン(20%);
3-ジエチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン(20%)、3-N-プロピル-N-メチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン(80%);
3-ジエチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン(10%)、3-N-プロピル-N-メチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン(90%);
3-ジエチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン(10%)、3-ジエチルアミノ-6-メチル-7-(3-トリル)アミノフルオラン(90%);
3-ジエチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン(20%)、3-ジエチルアミノ-6-メチル-7-(3-トリル)アミノフルオラン(80%);
3-ジブチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン(90%)、3,3-ビス(1-オクチル-2-メチルインドール-3-イル)フタリド(10%);
3-ジブチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン(80%)、3,3-ビス(1-オクチル-2-メチルインドール-3-イル)フタリド(20%);
3-ジブチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン(90%)、2-フェニル-4-(4-ジエチルアミノフェニル)-4-(4-メトキシフェニル)-6-メチル-7-ジメチルアミノ-3,1-ベンゾオキサジン及び2-フェニル-4-(4-ジエチルアミノフェニル)4-(4-メトキシフェニル)-8-メチル-7-ジメチルアミノ-3,1-ベンゾオキサジンの混合物(10%);
3-ジブチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン(80%)、2-フェニル-4-(4-ジエチルアミノフェニル)-4-(4-メトキシフェニル)-6-メチル-7-ジメチルアミノ-3,1-ベンゾオキサジン及び2-フェニル-4-(4-ジエチルアミノフェニル)-4-(4-メトキシフェニル)-8-メチル-7-ジメチルアミノ-3,1-ベンゾオキサジンの混合物(20%);
3-ジブチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン(90%)、4,4'-[1-メチルエチリデン)ビス(4,1-フェニレンオキシ-4,2-キナゾリンジイル)ビス(N,N-ジエチルベンゼンアミン](10%);
3-ジブチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン(80%)、4,4'-[1-メチルエチリデン)ビス(4,1-フェニレンオキシ-4,2-キナゾリンジイル)]ビス[N,N-ジエチルベンゼンアミン](20%)。
【0146】
単相固溶体は、単独で又はトリフェニルメタン、ラクトン、フルオラン、ベンゾオキサジン及びスピロピラン等の他の発色化合物を含む混合物として使用することができ;又はそれらはさらなる黒色の発色化合物と一緒に使用されてもよい。他のそのような発色化合物の例を上文に挙げる。
【0147】
単相固溶体は様々な方法によって調製することができる。そのような方法の1つは、所望の成分の物理的混合物を適切な溶媒又は溶媒混合物中で加熱して又は加熱しないで溶解する再結晶法である。適切な溶媒は、これらに限定されないが、トルエン、ベンゼン、キシレン、ジクロロベンゼン、クロロベンゼン、1,2-ジクロロエタン、メタノール、エタノール、イソ-プロパノール、n-ブタノール、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド又はこれらの溶媒の互いとの、及び水との混合物を含む。次いで、単相固溶体は、溶媒又は溶媒混合物からの結晶化によって単離される。これは、結晶化を促進する冷却、静置、さらなる溶媒の添加、又は、蒸留、蒸気蒸留及び真空蒸留等の標準手段による濃縮により引き起こすことができる。単相固溶体が濃縮によって単離される場合、単離された生成物の視覚的な外観を改善するために、少量の塩基の存在下でそのように行うことは有利であり得る。
【0148】
代替として、単相固溶体は、好適な出発材料の混合物から調製することができる。2種以上のフルオラン又はフタリドの混合物を生成する技法を使用することができる。例えば、2種のフルオランの混合物は、反応において単一の出発材料を、同一の全体モル濃度の2種の類似した材料と置き換えることにより生成する。フルオランの事例では、これらの出発材料は、アミノフェノール、無水フタル酸、ケト酸及びジフェニルアミンの誘導体である。
【0149】
更に、結果として得られる感熱性材料の発色性能がそれによって妨害されなければ、感熱性記録材料は先行する公知の顕色剤を含むことができる。そのような顕色剤は以下に例証されるが、これらに限定されない;4,4'-イソプロピリデンビスフェノール、4,4'-sec-ブチリデンビスフェノール、4,4'-シクロヘキシリデンビスフェノール、2,2-ビス-(4-ヒドロキシフェニル)-4-メチルペンタン、2,2-ジメチル-3,3-ジ(4-ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2'-ジヒドロキシジフェニル、1-フェニル-1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ブタン、4-フェニル-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ブタン、1-フェニル-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2-ビス(4'-ヒドロキシ-3'-メチルフェニル)-4-メチルペンタン、2,2-ビス(4'-ヒドロキシ-3'-tert-ブチルフェニル)-4-メチルペンタン、4,4'-sec-ブチリデン-ビス(2-メチルフェノール)、4,4'-イソプロピリデン-ビス(2-tert-ブチルフェノール)、2,2-ビス(4'-ヒドロキシ-3'-イソプロピルフェニル)-4-メチルペンタン、アリル-4,4-ビス(4'-ヒドロキシフェニル)ペンタノエート、プロパルギル-4,4-ビス(4'-ヒドロキシフェニル)ペンタノエート、n-プロピル-4,4-ビス(4'-ヒドロキシフェニル)ペンタノエート、2,4-ビス(フェニルスルホニル)フェノール、2-(4-メチルスルホニル)-4-(フェニルスルホニル)フェノール、2-(フェニルスルホニル)-4-(4-メチルスルホニル)フェノール、2,4-ビス(4-メチルフェニルスルホニル)フェノール、ペンタメチレン-ビス(4-ヒドロキシベンゾエート)、2,2-ジメチル-3,3-ジ(4-ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2-ジ(4-ヒドロキシフェニル)ヘキサン、4,4'-ジヒドロキシジフェニルチオエーテル、1,7-ジ(4-ヒドロキシフェニルチオ)-3,5-ジオキサヘプタン、2,2'-ビス(4-ヒドロキシフェニルチオ)ジエチルエーテル、4,4'-ジヒドロキシ-3,3'-ジメチルフェニルチオエーテル;4-ヒドロキシ安息香酸ベンジル、4-ヒドロキシ安息香酸エチル、4-ヒドロキシ安息香酸プロピル、4-ヒドロキシ安息香酸イソプロピル、4-ヒドロキシ安息香酸ブチル、4-ヒドロキシ安息香酸イソブチル、4,4'-ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,4'-ジヒドロキシジフェニルスルホン、4-ヒドロキシ-4'-メチルジフェニルスルホン、4-ヒドロキシ-4'-イソプロポキシジフェニルスルホン、4-ヒドロキシ-4'-ブトキシジフェニルスルホン、4,4'-ジヒドロキシ-3,3'-ジアリルジフェニルスルホン、3,4-ジヒドロキシ-4'-メチルジフェニルスルホン、4,4'-ジヒドロキシ-3,3',5,5'-テトラブロモジフェニルスルホン、4,4'-ビス(p-トルエンスルホニルアミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン、N-p-トルエンスルホニル-N'-フェニル尿素、ジメチル4-ヒドロキシフタレート、ジシクロヘキシル4-ヒドロキシフタレート、ジフェニル4-ヒドロキシフタレート、4-[2-(4-メトキシフェニルオキシ)エチルオキシ]サリチレート、3,5-ジ-tert-ブチルサリチル酸、3-ベンジルサリチル酸、3-(α-メチルベンジル)サリチル酸、3-フェニル-5-(α,α-ジメチルベンジル)サリチル酸、3,5-ジ-α-メチルベンジルサリチル酸;サリチル酸の金属塩、2-ベンジルスルホニル安息香酸、3-シクロヘキシル-4-ヒドロキシ安息香酸、安息香酸亜鉛、4-ニトロ安息香酸亜鉛、4-(4'-フェノキシブトキシ)フタル酸、4-(2'-フェノキシエトキシ)フタル酸、4-(3'-フェニルプロピルオキシフタル酸、モノ(2-ヒドロキシエチル)-5-ニトロ-イソフタル酸、5-ベンジルオキシカルボニルイソフタル酸、5-(1'-フェニルエタンスルホニル)イソフタル酸、ビス(1,2-ジヒドロ-1,5-ジメチル-2-フェニル-3H-ピラゾール-3-オン-O)ビス(チオシアナト-N)亜鉛及びその混合物。
【0150】
更に、例示の感熱性記録材料は増感剤を含むことができる。増感剤の代表的な例は、ステアルアミド、メチロールステアルアミド、p-ベンジルビフェニル、m-テルフェニル、2-ベンジルオキシナフタレン、4-メトキシビフェニル、シュウ酸ジベンジル、シュウ酸ジ(4-メチルベンジル)、シュウ酸ジ(4-クロロベンジル)、フタル酸ジメチル、テレフタル酸ジベンジル、イソフタル酸ジベンジル、1,2-ジフェノキシエタン、1,2-ビス(4-メチルフェノキシ)エタン、1,2-ビス(3-メチルフェノキシ)エタン、4,4'-ジメチルビフェニル、1-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸フェニル、4-メチルフェニルビフェニルエーテル、1,2-ビス(3,4-ジメチルフェニル)エタン、2,3,5,6-4'-メチルジフェニルメタン、1,4-ジエトキシナフタレン、1,4-ジアセトキシベンゼン、1,4-ジプロピオノキシベンゼン(1,4-diproprionoxybenzene)、o-キシリレン-ビス(フェニルエーテル)、4-(m-メチルフェノキシメチル)ビフェニル、p-ヒドロキシアセトアニリド、p-ヒドロキシブチルアニリド、p-ヒドロキシノナンアニリド、p-ヒドロキシラウルアニリド、p-ヒドロキシオクタデカン-アニリド、N-フェニル-フェニルスルホンアミド及び式
【0151】
【0152】
[式中、R及びR'は互いに同一であるか又は異なり、それぞれC1~C6アルキルを表す]
の増感剤である。
【0153】
R及びR'の例は、メチル、エチル、n-プロピル又はイソプロピル、及びn-、sec-又はtert-ブチルである。
【0154】
置換基R及びR'は互いに同一であるか又は異なり、それぞれ好ましくは、C1~C4アルキル、殊にメチル又はエチル、特にエチルである。
【0155】
上記の増感剤は公知であるか、又は公知の方法に従って調製することができる。
【0156】
更に、例示の感熱性記録材料は安定剤を含むことができる。感熱性記録材料に使用される代表的な安定剤は以下を含む:2,2'-メチレン-ビス(4-メチル-6-tert-ブチルフェノール)、2,2'-メチレン-ビス(4-エチル-6-tert-ブチルフェノール)、4,4'-ブチリデン-ビス(3-メチル-6-tert-ブチルフェノール)、4,4'-チオ-ビス(2-tert-ブチル-5-メチルフェノール)、1,1,3-トリス(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-tert-ブチルフェニル)ブタン、1,1,3-トリス(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-シクロヘキシルフェニル)ブタン、ビス(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-6-メチルフェニル)スルホン、ビス(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシフェニル)スルホン、4,4'-スルフィニルビス(2-tert-ブチル-5-メチルフェノール)、2,2'-メチレンビス(4,6-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスフェート及びそのアルカリ金属塩、アンモニウム塩及び多価金属の塩、4-ベンジルオキシ-4'-(2-メチルグリシジルオキシ)ジフェニルスルホン、4,4'-ジグリシジルオキシジフェニルスルホン、1,4-ジグリシジルオキシベンゼン、4-[α-(ヒドロキシメチル)ベンジルオキシ]4-ヒドロキシジフェニルスルホン、p-ニトロ安息香酸の金属塩、フタル酸モノベンジルエステルの金属塩、桂皮酸の金属塩及びその混合物。
【0157】
好ましい安定剤は、4,4'-ブチリデン-ビス(3-メチル-6-tert-ブチルフェノール)、4,4'-チオ-ビス(2-tert-ブチル-5-メチルフェノール)、1,1,3-トリス(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-tert-ブチルフェニル)ブタン、1,1,3-トリス(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-シクロヘキシルフェニル)ブタン、4-ベンジルオキシ-4'-(2-メチルグリシジルオキシ)ジフェニルスルホン及びその混合物である。
【0158】
例示の感熱性記録材料は従来の方法に従って調製することができる。例えば、少なくとも1種の発色化合物、少なくとも1種の顕色剤、及び、所望の場合、少なくとも1種の増感剤が、水又は水性ポリビニルアルコール等の適切な分散媒体中で別々に粉砕されて水性又は他の分散体を形成する。所望の場合、安定剤は同一の方式で処理される。このようにして得られた微粒子分散体は、従来の量の結合剤、充填剤及び潤滑剤と合わせ、次いで混合される。
【0159】
感熱性記録材料に使用される代表的な結合剤は、ポリビニルアルコール(完全に及び部分的に加水分解された)、カルボキシ、アミド、スルホン及びブチラール変性ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース及びアセチルセルロース等のセルロースの誘導体、スチレン-無水マレイン酸のコポリマー、スチレン-ブタジエンのコポリマー、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリルアミド、ポリアミド樹脂及びその混合物を含む。
【0160】
使用することができる例示の充填剤は、炭酸カルシウム、カオリン、か焼カオリン、水酸化アルミニウム、タルク、二酸化チタン、酸化亜鉛、シリカ、ポリスチレン樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、中空プラスチック顔料及びその混合物を含む。
【0161】
感熱性記録材料に使用される代表的な潤滑剤は、ステアルアミド、メチレンビスステアルアミド、ポリエチレン、カルナウバワックス、パラフィンワックス、ステアリン酸亜鉛又はステアリン酸カルシウム及びその混合物の分散体又は乳剤を含む。
【0162】
必要ならば、他の添加剤もまた用いることができる。そのような添加剤は、例えば蛍光性増白剤及び紫外線吸収剤である。
【0163】
そのようにして得られたコーティング組成物は、紙、プラスチックシート及び樹脂被覆紙等の適切な基材に塗布し、感熱性記録材料として使用することができる。本明細書における実施形態は、例えば温度表示材料用の発色材料を使用する他の最終用途に用いることができる。
【0164】
コーティングの量は、通常2~10g/m2の範囲、最も多くは4~8g/m2の範囲である。
【0165】
そのような熱感受性の着色層を含む記録材料は、保護層、及び、所望の場合、アンダーコート層を更に含む。アンダーコート層は、基材と熱感受性の着色層との間に挟むことができる。
【0166】
保護層は、通常熱感受性の着色層を保護するために水溶性樹脂を含む。所望の場合、保護層は、非水溶性樹脂と組み合わせて水溶性樹脂を含んでいてもよい。
【0167】
そのような樹脂として、従来の樹脂を用いることができる。特定の例は次のとおりである:ポリビニルアルコール;デンプン及びデンプンの誘導体;メトキシセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース及びエチルセルロース等のセルロース誘導体;ポリアクリル酸ナトリウム;ポリビニルピロリドン;ポリアクリルアミド/アクリル酸エステルコポリマー;アクリルアミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸コポリマー;スチレン/無水マレイン酸コポリマーのアルカリ金属塩;イソブチレン/無水マレイン酸コポリマーのアルカリ金属塩;ポリアクリルアミド;アルギン酸ナトリウム;ゼラチン;カゼイン;水溶性ポリエステル及びカルボキシル基変性ポリビニルアルコール。
【0168】
保護層はまた、ポリアミド樹脂、メラミン樹脂、ホルムアルデヒド、グリオキサール又はクロム明礬等の耐水剤を含んでいてもよい。
【0169】
更に、保護層は、例えば、炭酸カルシウム、シリカ、酸化亜鉛、酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、硫酸バリウム、クレイ、タルク、表面処理カルシウム若しくはシリカの、細かく分割された無機粉体等の充填剤、又は、例えば、尿素ホルムアルデヒド樹脂、スチレン/メタクリル酸コポリマー又はポリスチレンの細かく分割された有機粉末を含んでいてもよい。
【0170】
アンダーコート層は、通常、その主成分として結合剤樹脂及び充填剤を含む。
【0171】
アンダーコート層で使用される結合剤樹脂の特定の例は以下のとおりである:ポリビニルアルコール;デンプン及びデンプンの誘導体;メトキシセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース及びエチルセルロース等のセルロース誘導体;ポリアクリル酸ナトリウム;ポリビニルピロリドン;ポリアクリルアミド/アクリル酸エステルコポリマー;アクリルアミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸コポリマー;スチレン/無水マレイン酸コポリマーのアルカリ金属塩;イソブチレン/無水マレイン酸コポリマーのアルカリ金属塩;ポリアクリルアミド;アルギン酸ナトリウム;ゼラチン;カゼイン;水溶性ポリエステル及びカルボキシル基-変性ポリビニルアルコール等の水溶性ポリマー;ポリ酢酸ビニル;ポリウレタン;スチレン/ブタジエンコポリマー;ポリアクリル酸;ポリアクリル酸エステル;塩化ビニル/酢酸ビニルコポリマー;ポリブチルメタクリレート;エチレン/酢酸ビニルコポリマー及びスチレン/ブタジエンアクリル誘導体コポリマー。
【0172】
アンダーコート層で使用される充填剤の特定の例は以下のとおりである:例えば、炭酸カルシウム、シリカ、酸化亜鉛、酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、硫酸バリウム、クレイ、タルクの細かく分割された無機粉体、表面処理されたカルシウム、シリカ又はか焼クレイ(例えばAnsilex、Engelhard Corp.社)、及び、例えば、尿素ホルムアルデヒド樹脂、スチレン/メタクリル酸コポリマー及びポリスチレンの細かく分割された有機粉末。
【0173】
更に、アンダーコート層は、耐水剤を含んでいてもよい。そのような試剤の例を上記に挙げる。
【0174】
特に、本明細書における実施形態は、改善された素地の白色度を示しつつ、可塑剤、油及び熱老化に例外的な抵抗力を提供する。
【0175】
更に、適切な第2の非フェノール性顕色剤化合物の例は、2003年9月23日に発行された米国特許第6,624,117号B1に示され、その全体は本明細書に組み込まれる。
【0176】
感熱性記録材料
本明細書における実施形態の感熱性記録材料は、それが本明細書において記載の発色剤、第1の非フェノール顕色剤及び第2の非フェノール顕色剤を含む記録材料である限り、任意の目的に使用することができ、また、例えば、感熱記録材料又は感圧複写材料として使用することができる。
【0177】
記録材料において、化合物の、使用される非フェノール顕色剤の発色剤に対する割合は、発色剤の1質量部に対して0.01~10質量部、例えば0.5~10質量部、例えば1.0~5質量部であってもよい。
【0178】
記録材料中の他の成分
例示の実施形態において、記録材料は、発色剤及び非フェノール顕色剤に加えて、必要に応じて当技術分野で公知の、1種又は複数の顕色試剤、画像安定剤、増感剤、充填剤、分散剤、抗酸化剤、減感剤、粘着防止剤、発泡防止剤、光安定剤、蛍光増白剤等を含むことができる。使用される成分のそれぞれの量は、発色剤の1質量部に対して約0.1~約15質量部、例えば1~10質量部の範囲であってもよい。
【0179】
これらの試剤は顕色層中に含まれてもよく、又は、それらが多層の構造体からなる場合、任意の層、例えば保護層に含まれてもよい。特に、オーバーコート層又はアンダーコート層が顕色層の上側部及び/又は下側部に設けられる場合、これらの層は抗酸化剤、光安定剤等を含むことができる。更に、これらの抗酸化剤又は光安定剤を、必要に応じて、マイクロカプセル中に閉じ込めた形態で、これらの層中に含むことができる。
【0180】
発色剤
本明細書において記載の記録材料に使用される発色剤の例は、フルオラン、フタリド、ラクタム、トリフェニルメタン、フェノチアジン及びスピロピランロイコ染料を含むことができるが、これらに限定されない。酸性物質である顕色試剤との接触によって色を形成する任意の発色剤を使用することができる。更に、これらの発色剤は、当然のこととして、形成される色を有する記録材料を製造するために単独で使用することができる。代替として、その2種以上を使用のために混合することができる。例えば、3原色(赤、青及び緑)の発色剤又は黒色の発色剤を混合し、真の黒色を展開する記録材料を製造するのに使用することができる。
【0181】
フルオラン発色剤の例としては、3,3-ビス(p-ジメチルアミノフェニル)-フタリド、3,3-ビス(p-ジメチルアミノフェニル)-6-ジメチルアミノフタリド(クリスタルバイオレットラクトンとしても公知)、3,3-ビス(p-ジメチルアミノフェニル)-6-ジエチルアミノフタリド、3,3-ビス(p-ジメチルアミノフェニル)-6-クロロフタリド、3,3-ビス(p-ジブチルアミノフェニル)-フタリド、3-シクロヘキシルアミノ-6-クロロフルオラン、3-ジメチルアミノ-5,7-ジメチルフルオラン、3-N-メチル-N-イソプロピルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-N-メチル-N-イソブチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-N-メチル-N-イソアミルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-ジエチルアミノ-7-クロロフルオラン、3-ジエチルアミノ-6,8-ジメチルフルオラン、3-ジエチルアミノ-7-メチルフルオラン、3-ジエチルアミノ-7,8-ベンゾフルオラン、3-ジエチルアミノ-6-メチル-7-クロロフルオラン、3-ジブチルアミノ-6-メチル-7-ブロモフルオラン、3-(N-p-トリル-N-エチルアミノ)-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-ピロリジノ-6-メチルアミノ-7-アニリノフルオラン、2-{N-(3'-トリフルオロメチルフェニル)アミノ}-6-ジエチルアミノフルオラン、2-{3,6-ビス(ジエチルアミノ)-9-(o-クロロアニリノ)キサンチル安息香酸ラクタム}、3-ジエチルアミノ-6-メチル-7-(m-トリクロロメチルアニリノ)フルオラン、3-ジエチルアミノ-7-(o-クロロアニリノ)フルオラン、3-ジブチルアミノ-7-(o-クロロアニリノ)フルオラン、3-N-メチル-N-アミルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-N-メチル-N-シクロヘキシルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-ジエチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-ジエチルアミノ-6-メチル-7-(2',4'-ジメチルアニリノ)フルオラン、3-(N,N-ジエチルアミノ)-5-メチル-7-(N,N-ジベンジルアミノ)フルオラン、3-(N,N-ジエチルアミノ)-7-(N,N-ジベンジルアミノ)フルオラン、3-(N-エチル-N-イソブチルアミノ)-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-(N-エチル-N-プロピルアミノ)-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-(N-メチル-N-プロピルアミノ)-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-(N-エチル-N-イソペンチルアミノ)-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-(N-エチル-N-トルイジノ)-6-メチル-7-アニリノ-フルオラン、3-ピロリジノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-ピペリジノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-ジメチルアミノ-7-(m-トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3-ジペンチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-(N-エトキシプロピル-N-エチルアミノ)-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-ジブチルアミノ-7-(o-フルオロアニリノ)フルオラン、3-ジエチルアミノベンゾ[a]フルオラン、3-ジエチルアミノ-5-メチル-7-ベンジルアミノフルオラン、3-ジエチルアミノ-5-クロロフルオラン、3-ジエチルアミノ-6-(N,N'-ジベンジルアミノ)フルオラン、3,6-ジメトキシフルオラン、2,4-ジメチル-6-(4-ジメチルアミノフェニル)アミノフルオラン、3-ジエチルアミノ-7-(m-トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3-ジエチルアミノ-6-メチル-7-オクチルアミノフルオラン、3-ジエチルアミノ-6-メチル-7-(m-トリルアミノ)フルオラン、3-ジエチルアミノ-6-メチル-7-(2,4-キシリルアミノ)フルオラン、3-ジエチルアミノ-7-(o-フルオロアニリノ)フルオラン、3-ジフェニルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、ベンゾイルロイコメチレンブルー、6'-クロロ-8'-メトキシ-ベンズインドリノ-スピロピラン、6'-ブロモ-3'-メトキシ-ベンズインドリノ-スピロピラン、3-(2'-ヒドロキシ-4'-ジメチルアミノフェニル)-3-(2'-メトキシ-5'-クロロフェニル)フタリド、3-(2'-ヒドロキシ-4'-ジメチルアミノフェニル)-3-(2'-メトキシ-5'-ニトロフェニル)フタリド、3-(2'-ヒドロキシ-4'-ジエチルアミノフェニル)-3-(2'-メトキシ-5'-メチルフェニル)フタリド、3-(2'-メトキシ-4'-ジメチルアミノフェニル)-3-(2'-ヒドロキシ-4'-クロロ-5'-メチルフェニル)フタリド、3-モルホリノ-7-(N-プロピル-トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3-ピロリジノ-7-トリフルオロメチルアニリノフルオラン、3-ジエチルアミノ-5-クロロ-7-(N-ベンジル-トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3-ピロリジノ-7-(ジ-p-クロロフェニル)メチルアミノフルオラン、3-ジエチルアミノ-5-クロロ-7-(α-フェニルエチルアミノ)フルオラン、3-(N-エチル-p-トルイジノ)-7-(α-フェニルエチルアミノ)フルオラン、3-ジエチルアミノ-7-(o-メトキシカルボニルフェニルアミノ)フルオラン、3-ジエチルアミノ-5-メチル-7-(α-フェニルエチルアミノ)フルオラン、3-ジエチルアミノ-7-ピペリジノフルオラン、2-クロロ-3-(N-メチルトルイジノ)-7-(p-n-ブチルアニリノ)フルオラン、3-(N-メチル-N-イソプロピルアミノ)-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-ジブチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-ジペンチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3,6-ビス(ジメチルアミノ)フルオレンスピロ(9,3')-6'-ジメチルアミノフタリド、3-(N-ベンジル-N-シクロヘキシルアミノ)-5,6-ベンゾ-7-α-ナフチルアミノ-4'-ブロモフルオラン、3-ジエチルアミノ-6-クロロ-7-アニリノフルオラン、3-N-エチル-N-(2-エトキシプロピル)アミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-N-エチル-N-テトラヒドロフルフリルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-ジエチルアミノ-6-メチル-7-メシジノ-4',5'-ベンゾフルオラン、及び3-(N-エチル-p-トルイジノ)-7-(メチルフェニルアミノ)フルオランを含む。
【0182】
これらの発色剤の中で、その例示の例は、3,3-ビス(p-ジメチルアミノフェニル)-6-ジメチルアミノフタリド、3-シクロヘキシルアミノ-6-クロロフルオラン、3-ジエチルアミノ-7-クロロフルオラン、3-ジエチルアミノ-6,8-ジメチルフルオラン、3-ジエチルアミノ-7-メチルフルオラン、3-ジエチルアミノ-7,8-ベンゾフルオラン、3-ジエチルアミノ-6-メチル-7-クロロフルオラン、3-ジブチルアミノ-6-メチル-7-ブロモフルオラン、3-ジエチルアミノ-7-(o-クロロアニリノ)フルオラン、3-ジブチルアミノ-7-(o-クロロアニリノ)フルオラン、3-N-メチル-N-シクロヘキシルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-(N,N-ジエチルアミノ)-5-メチル-7-(N,N-ジベンジルアミノ)フルオラン、3-(N,N-ジエチルアミノ)-7-(N,N-ジベンジルアミノ)フルオラン、3-(N-エチル-N-イソブチルアミノ)-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-(N-メチル-N-プロピルアミノ)-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-(N-エチル-N-イソペンチルアミノ)-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-(N-エチル-N-トルイジノ)-6-メチル-7-アニリノ-フルオラン、3-(N-エトキシプロピル-N-エチルアミノ)-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-ジブチルアミノ-7-(o-フルオロアニリノ)フルオラン、3-ジエチルアミノ-7-(m-トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3-ジエチルアミノ-6-メチル-7-オクチルアミノフルオラン、3-ジエチルアミノ-6-メチル-7-(m-トリルアミノ)フルオラン、3-ジエチルアミノ-7-(o-フルオロアニリノ)フルオラン、3-ジフェニルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、ベンゾイルロイコメチレンブルー、3-ジブチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-N-エチル-N-テトラヒドロフルフリルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、及び3-(N-エチル-p-トルイジノ)-7-(メチルフェニルアミノ)フルオランを含むことができる。
【0183】
染料
更に、近赤外線を吸収する染料の例は、3-[4-[4-(4-アニリノ)-アニリノ]アニリノ]-6-メチル-7-クロロフルオラン、3,3-ビス[2-(4-ジメチルアミノフェニル)-2-(4-メトキシフェニル)ビニル]-4,5,6,7-テトラクロロフタリド、及び3,6,6'-トリス(ジメチルアミノ)スピロ(フルオレン-9,3'-フタリド)を含む。
【0184】
本明細書において記載の例示の非フェノール顕色剤は、主として感熱記録材料における顕色試剤として適切に使用され、これらの化合物は単独で使用することができ、又は、これらの化合物は複数の公知の顕色試剤と一緒に使用することができる。ある実施形態において、それらの間の比は任意である。
【0185】
他の顕色剤
他の顕色試剤の例はとりわけ下記を含むことができる:ビスフェノール化合物、例えばビスフェノールA、4,4'-sec-ブチリデンビスフェノール、4,4'-シクロヘキシリデンビスフェノール、2,2'-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3,3'-ジメチルブタン、2,2'-ジヒドロキシジフェニル、ペンタメチレン-ビス(4-ヒドロキシベンゾエート)、2,2-ジメチル-3,3-ジ(4-ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2-ジ(4-ヒドロキシフェニル)ヘキサン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)プロパン、4,4'-(1-フェニルエチリデン)ビスフェノール、4,4'-エチリデンビスフェノール、(ヒドロキシフェニル)メチルフェノール、2,2'-ビス(4-ヒドロキシ-3-フェニル-フェニル)プロパン、4,4'-(1,3-フェニレンジイソプロピリデン)ビスフェノール、4,4'-(1,4-フェニレンジイソプロピリデン)ビスフェノール及びブチル2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)アセテート;硫黄含有ビスフェノール化合物、例えば4,4'-ジヒドロキシジフェニルチオエーテル、1,7-ジ(4-ヒドロキシフェニルチオ)-3,5-ジオキサヘプタン、2,2'-ビス(4-ヒドロキシフェニルチオ)ジエチルエーテル、及び4,4'-ジヒドロキシ-3,3'-ジメチルジフェニルチオエーテル;4-ヒドロキシ安息香酸エステル、例えば4-ヒドロキシ安息香酸ベンジル、4-ヒドロキシ安息香酸エチル、4-ヒドロキシ安息香酸プロピル、4-ヒドロキシ安息香酸イソプロピル、4-ヒドロキシ安息香酸ブチル、4-ヒドロキシ安息香酸イソブチル、4-ヒドロキシ安息香酸クロロベンジル、4-ヒドロキシ安息香酸メチルベンジル、及び4-ヒドロキシ安息香酸ジフェニルメチル;安息香酸の金属塩、例えば安息香酸亜鉛及び4-ニトロ安息香酸亜鉛、サリチル酸、例えば4-[2-(4-メトキシフェニルオキシ)エチルオキシ]サリチル酸;サリチル酸の金属塩、例えばサリチル酸亜鉛及びビス[4-(オクチルオキシカルボニルアミノ)-2-ヒドロキシ安息香酸]亜鉛;ヒドロキシスルホン、例えば4,4'-ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,4'-ジヒドロキシジフェニルスルホン、4-ヒドロキシ-4'-メチルジフェニルスルホン、4-ヒドロキシ-4'-イソプロポキシジフェニルスルホン、4-ヒドロキシ-4'-ブトキシジフェニルスルホン、4,4'-ジヒドロキシ-3,3'-ジアリルジフェニルスルホン、3,4-ジヒドロキシ-4'-メチルジフェニルスルホン、4,4'-ジヒドロキシ-3,3',5,5'-テトラブロモジフェニルスルホン、4-アリルオキシ-4'-ヒドロキシジフェニルスルホン、2-(4-ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノール、4,4'-スルホニルビス[2-(2-プロペニル)]フェノール、4-[{4-(プロポキシ)フェニル}スルホニル]フェノール、4-[{4-(アリルオキシ)フェニル}スルホニル]フェノール、4-[{4-(ベンジルオキシ)フェニル}スルホニル]フェノール、及び2,4-ビス(フェニルスルホニル)-5-メチル-フェノール;2,4'-ジヒドロキシジフェニルスルホン(BPS2,4')、ビス-(4-ヒドロキシフェニル)スルホン(BPS4,4')、ビス(3-アリル-4-ヒドロキシフェニル)スルホン(TG-SA)、B-TUM、SZ110、ヒドロキシスルホンの多価金属塩、例えば4-フェニルスルホニルフェノキシ-亜鉛、-マグネシウム、-アルミニウム、及び-チタン;4-ヒドロキシフタル酸ジエステル、例えば4-ヒドロキシフタル酸ジメチル、4-ヒドロキシフタル酸ジシクロヘキシル及び4-ヒドロキシフタル酸ジフェニル;ヒドロキシナフトエ酸エステル、例えば2-ヒドロキシ-6-カルボキシナフタレン;トリハロメチルスルホン、例えばトリブロモメチルフェニルスルホン;スルホニル尿素、例えば4,4'-ビス(p-トルエンスルホニルアミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン及びN-(4-メチルフェニルスルホニル)-N'-(3-(4-メチルフェニルスルホニルオキシ)フェニル)尿素;ヒドロキシアセトフェノン、p-フェニルフェノール、ベンジル4-ヒドロキシフェニルアセテート、p-ベンジルフェノール、ヒドロキノン-モノベンジルエーテル、2,4-ジヒドロキシ-2'-メトキシベンズアニリド、テトラシアノキノジメタン、N-(2-ヒドロキシフェニル)-2-[(4-ヒドロキシフェニル)チオ]アセトアミド、N-(4-ヒドロキシフェニル)-2-[(4-ヒドロキシフェニル)チオ]アセトアミド、4-ヒドロキシベンゼンスルホンアニリド、4'-ヒドロキシ-4-メチルベンゼンスルホンアニリド、4,4'-ビス(4-メチル-3-フェノキシカルボニル)アミノフェニルウレイドジフェニルスルホン、3-(3-フェニルウレイド)ベンゼンスルホンアニリド、オクタデシルリン酸及びドデシルリン酸;並びに下記式:
【0186】
【0187】
によって表される架橋したジフェニルスルホン化合物又はその混合物。
【0188】
それらの中で、その好ましい例は、4-ヒドロキシ-4'-イソプロポキシジフェニルスルホン及び架橋したジフェニルスルホン化合物又はその混合物を含む。
【0189】
安定剤
画像安定剤の例は以下を含むことができる:エポキシ基含有ジフェニルスルホン、例えば4-ベンジルオキシ-4'-(2-メチルグリシジルオキシ)-ジフェニルスルホン及び4,4'-ジグリシジルオキシジフェニルスルホン;1,4-ジグリシジルオキシベンゼン、4-[α-(ヒドロキシメチル)ベンジルオキシ]-4'-ヒドロキシジフェニルスルホン、2-プロパノール誘導体、サリチル酸誘導体、オキシナフトエ酸誘導体の金属塩(特に亜鉛塩)、2,2-メチレンビス(4,6-t-ブチルフェニル)ホスフェートの金属塩及び他の非水溶性亜鉛化合物;ヒンダードフェノール化合物、例えば2,2-ビス(4'-ヒドロキシ-3',5'-ジブロモフェニル)プロパン、4,4'-スルホニルビス(2,6-ジブロモフェノール)、4,4'-ブチリデン(6-t-ブチル-3-メチルフェノール)、2,2'-メチレン-ビス(4-メチル-6-t-ブチルフェノール)、2,2'-メチレン-ビス(4-エチル-6-t-ブチルフェノール)、2,2'-ジ-t-ブチル-5,5'-ジメチル-4,4'-スルホニルジフェノール、1,1,3-トリス(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-シクロヘキシルフェニル)ブタン、及び1,1,3-トリス(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-t-ブチルフェニル)ブタン、並びにフェノールノボラック化合物、エポキシ樹脂、及びUU(CHEMIPRO KASEI社製の顕色試剤)。
【0190】
例として、下記式
【0191】
【0192】
によって表される架橋したジフェニルスルホン化合物又はその混合物を更に含む。
【0193】
例示の画像安定剤は、60℃以上の融点を有する化合物等の、室温で固体である化合物であり、水にあまり溶けない。
【0194】
増感剤
増感剤の例は以下を含むことができる:高級脂肪酸アミド、例えばステアリン酸アミド、ステアリン酸アニリド、及びパルミチン酸アミド;アミド、例えばベンズアミド、アセト酢酸アニリド、チオアセトアニリド、アクリル酸アミド、エチレンビスアミド、オルト-トルエンスルホンアミド、及びパラ-トルエンスルホンアミド;フタル酸ジエステル、例えばフタル酸ジメチル、イソフタル酸ジベンジル、イソフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジメチル、イソフタル酸ジエチル、イソフタル酸ジフェニル、及びテレフタル酸ジベンジル;シュウ酸ジエステル、例えばシュウ酸ジベンジル、シュウ酸ジ(4-メチルベンジル)、シュウ酸ジ(4-クロロベンジル)、シュウ酸ジベンジル及びシュウ酸ジ(4-クロロベンジル)の等量混合物、並びに、シュウ酸ジ(4-クロロベンジル)及びシュウ酸ジ(4-メチルベンジル)の等量混合物;ビス(t-ブチルフェノール)、例えば2,2'-メチレンビス(4-メチル-6-t-ブチルフェノール)及び4,4'-メチレン-ビス-2,6-ジ-t-ブチルフェノール;4,4'-ジヒドロキシジフェニルスルホンジエーテル、例えば4,4'-ジメトキシジフェニルスルホン、4,4'-ジエトキシジフェニルスルホン、4,4'-ジプロポキシジフェニルスルホン、4,4'-ジイソプロポキシジフェニルスルホン、4,4'-ジブトキシジフェニルスルホン、4,4'-ジイソブトキシジフェニルスルホン、4,4'-ジペンチルオキシジフェニルスルホン、4,4'-ジヘキシルオキシジフェニルスルホン、及び4,4'-ジアリルオキシジフェニルスルホン;2,4'-ジヒドロキシジフェニルスルホンジエーテル、例えば2,4'-ジメトキシジフェニルスルホン、2,4'-ジエトキシジフェニルスルホン、2,4'-ジプロポキシジフェニルスルホン、2,4'-ジイソプロポキシジフェニルスルホン、2,4'-ジブトキシジフェニルスルホン、2,4'-ジイソブトキシジフェニルスルホン、2,4'-ジペンチルオキシジフェニルスルホン、2,4'-ジヘキシルオキシジフェニルスルホン、及び2,4'-ジアリルオキシジフェニルスルホン;1,2-ビス(フェノキシ)エタン、1,2-ビス(4-メチルフェノキシ)エタン、1,2-ビス(3-メチルフェノキシ)エタン、1,2-ビス(フェノキシメチル)ベンゼン、1,2-ビス(4-メトキシフェニルチオ)エタン、1,2-ビス(4-メトキシフェノキシ)プロパン、1,3-フェノキシ-2-プロパノール、1,4-ジフェニルチオ-2-ブテン、1,4-ジフェニルチオブタン、1,4-ジフェノキシ-2-ブテン、1,5-ビス(4-メトキシフェノキシ)-3-オキサペンタン、1,3-ジベンゾイルオキシプロパン、ジベンゾイルオキシメタン、4,4'-エチレンジオキシ-ビス-安息香酸ジベンジルエステル、ビス[2-(4-メトキシ-フェノキシ)エチル]エーテル、2-ナフチルベンジルエーテル、1,3-ビス(2-ビニルオキシエトキシ)ベンゼン、1,4-ジエトキシナフタレン、1,4-ジベンジルオキシナフタレン、1,4-ジメトキシナフタレン、1,4-ビス(2-ビニルオキシエトキシ)ベンゼン、p-(2-ビニルオキシエトキシ)ビフェニル、p-アリールオキシビフェニル、p-プロパルギルオキシビフェニル、p-ベンジルオキシベンジルアルコール、4-(m-メチルフェノキシメチル)ビフェニル、4-メチルフェニル-ビフェニルエーテル、ジ-b-ナフチルフェニレンジアミン、ジフェニルアミン、カルバゾール、2,3-ジ-m-トリルブタン、4-ベンジルビフェニル、4,4'-ジメチルビフェニル、m-テルフェニル及びp-テルフェニル等のテルフェニル;1,2-ビス(3,4-ジメチルフェニル)エタン、2,3,5,6-テトラメチル-4'-メチルジフェニルメタン、4-アセチルビフェニル、ジベンゾイルメタン、トリフェニルメタン、1-ヒドロキシ-ナフトエ酸フェニル、1-ヒドロキシ2-ナフトエ酸メチル、N-オクタデシルカルバモイル-p-メトキシカルボニルベンゼン、ベンジルp-ベンジルオキシベンゾエート、フェニルb-ナフトエート、p-ニトロ安息香酸メチル、ジフェニルスルホン、炭酸誘導体、例えば炭酸ジフェニル、炭酸グアヤコール、炭酸ジp-トリル、及び炭酸フェニル-α-ナフチル;1,1-ジフェニルプロパノール、1,1-ジフェニルエタノール、N-オクタデシルカルバモイルベンゼン、ジベンジルジスルフィド、ステアリン酸、Amide AP-1(ステアリン酸アミド及びパルミチン酸アミドの7:3混合物)、ステアリン酸塩、例えばステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、及びステアリン酸亜鉛;並びにパルミチン酸亜鉛、ベヘン酸、ベヘン酸亜鉛、モンタン酸ワックス、及びポリエチレンワックス。
【0195】
その例示の例としては、2-ナフチルベンジルエーテル、m-テルフェニル、4-ベンジルビフェニル、シュウ酸ベンジル、シュウ酸ジ(4-クロロベンジル)、シュウ酸ベンジル及びシュウ酸ジ(4-クロロベンジル)の等量混合物、シュウ酸ジ(4-メチルベンジル)、シュウ酸ジ(4-クロロベンジル)及びシュウ酸ジ(4-メチルベンジル)の等量混合物、1-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸フェニル、1,2-ビス(フェノキシ)エタン、1,2-ビス(3-メチルフェノキシ)エタン、1,2-ビス(フェノキシメチル)ベンゼン、テレフタル酸ジメチル、ステアリン酸アミド、Amide AP-1(ステアリン酸アミド及びパルミチン酸アミドの7:3混合物)、ジフェニルスルホン、及び4-アセチルビフェニルを含むことができる。
【0196】
その特定の例示の例としては、シュウ酸ジ(4-メチルベンジル)1,2-ビス(3-メチルフェノキシ)エタン、1,2-ビス(フェノキシメチル)ベンゼン、ジフェニルスルホン及び2-ナフチルベンジルエーテル(ベンジル-2-ナフチルエーテル)を含むことができる。
【0197】
充填剤の例は、シリカ、クレイ、カオリン、焼成カオリン、タルク、サテンホワイト、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、硫酸バリウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、プラスチック顔料、珪藻土、タルク及び水酸化アルミニウムを含むことができる。それらの中で、その好ましい例は、焼成カオリン及び炭酸カルシウムを含むことができる。使用される充填剤の割合は、発色剤の1質量部に対して0.1~15質量部、好ましくは、1~10質量部である。更にこれらの充填剤を混合して使用することも可能である。
【0198】
分散剤の例としては、以下を含むことができる:様々なケン化度及び重合度のポリビニルアルコール、例えばポリビニルアルコール、アセトアセチル化ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、スルホン酸変性ポリビニルアルコール、アミド変性ポリビニルアルコール及びブチラール変性ビニルアルコール、セルロース誘導体、例えばメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルセルロース、アセチルセルロース及びヒドロキシメチルセルロース、並びにポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸エステル、ポリアクリルアミド、デンプン、スルホコハク酸エステル、例えばスルホコハク酸ジオクチルナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリルアルコールスルホン酸エステルのナトリウム塩、脂肪酸塩、スチレン無水マレイン酸コポリマー、スチレン-ブタジエンコポリマー、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エステル、ポリビニルブチラール、ポリウレタン、ポリスチレン及びそのコポリマー、ポリアミド樹脂、シリコーン樹脂、石油樹脂、テルペン樹脂、ケトン樹脂及びクマロン樹脂。
【0199】
分散剤は、水、アルコール、ケトン、エステル又は炭化水素等の溶媒に溶解後に使用される。代替として、分散剤は、水又は他の溶媒に乳化した状態、又はその中に分散したペーストの形態で使用されてもよい。
【0200】
抗酸化剤の例は、2,2'-メチレンビス(4-メチル-6-t-ブチルフェノール)、2,2'-メチレンビス(4-エチル-6-t-ブチルフェノール)、4,4'-プロピルメチレンビス(3-メチル-6-t-ブチルフェノール)、4,4'-ブチリデンビス(3-メチル-6-t-ブチルフェノール)、4,4'-チオビス(2-t-ブチル-5-メチルフェノール)、1,1,3-トリス(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-t-ブチルフェニル)ブタン、1,1,3-トリス(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-シクロヘキシルフェニル)ブタン、4-{4-[1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)エチル]-α,α-ジメチルベンジル}フェノール、1,1,3-トリス(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-シクロヘキシルフェニル)ブタン、2,2'-メチレンビス(6-tert-ブチル-4-メチルフェノール)、2,2'-メチレンビス(6-tert-ブチル-4-エチルフェノール)、4,4'-チオビス(6-tert-ブチル-3-メチルフェノール)、1,3,5-トリス[{4-(1,1-ジメチルエチル)-3-ヒドロキシ-2,6-ジメチルフェニル}メチル]-1,3,5-トリアジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン、及び1,3,5-トリス[{3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシフェニル}メチル]-1,3,5-トリアジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオンを含むことができる。
【0201】
減感剤の例は、脂肪族高級アルコール、ポリエチレングリコール及びグアニジン誘導体を含むことができる。
【0202】
粘着防止剤の例は、ステアリン酸、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、カルナウバワックス、パラフィンワックス及びエステルワックスを含むことができる。
【0203】
発泡防止剤の例は、高級アルコール、脂肪酸エステル、油剤、シリコーン、ポリエーテル、変性炭化水素、及びパラフィン発泡防止剤を含むことができる。
【0204】
光安定剤の例は以下を含むことができる:サリチル酸UV吸収剤、例えばサリチル酸フェニル、サリチル酸p-t-ブチルフェニル及びサリチル酸p-オクチルフェニル;ベンゾフェノンUV吸収剤、例えば2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-ベンジルオキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-オクチルオキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-ドデシルオキシベンゾフェノン、2,2'-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2,2'-ジヒドロキシ-4,4'-ジメトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-5-スルホベンゾフェノン及びビス(2-メトキシ-4-ヒドロキシ-5-ベンゾイルフェニル)メタン;ベンゾトリアゾールUV吸収剤、例えば2-(2'-ヒドロキシ-5'-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2'-ヒドロキシ-5'-t-ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2'-ヒドロキシ-3',5'-ジ-t-ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2'-ヒドロキシ-3'-t-ブチル-5'-メチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(2'-ヒドロキシ-3',5'-ジ-t-ブチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(2'-ヒドロキシ-3',5'-ジ-t-アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2'-ヒドロキシ-5'-tert-ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2'-ヒドロキシ-5'-(1",1",3",3"-テトラメチルブチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2-[2'-ヒドロキシ-3'-(3",4",5",6"-テトラヒドロフタリミドメチル)-5'-メチルフェニル]ベンゾトリアゾール、2-(2'-ヒドロキシ-5'-t-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-[2'-ヒドロキシ-3',5'-ビス(α,α-ジメチルベンジル)フェニル]-2H-ベンゾトリアゾール、2-(2'-ヒドロキシ-3'-ドデシル-5'-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2'-ヒドロキシ-3-ウンデシル-5'-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2'-ヒドロキシ-3'-トリデシル-5'-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-3'-テトラデシル-5'-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2'-ヒドロキシ-3'-ペンタデシル-5'-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2'-ヒドロキシ-3'-ヘキサデシル-5'-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-[2'-ヒドロキシ-4'-(2"-エチルヘキシル)オキシフェニル]ベンゾトリアゾール、2-[2'-ヒドロキシ-4'-(2"-エチルヘプチル)オキシフェニル]ベンゾトリアゾール、2-[2'-ヒドロキシ-4'-(2"-エチルオクチル)オキシフェニル]ベンゾトリアゾール、2-[2'-ヒドロキシ-4'-(2"-プロピルオクチル)オキシフェニル]ベンゾトリアゾール、2-[2'-ヒドロキシ-4'-(2"-プロピルヘプチル)オキシフェニル]ベンゾトリアゾール、2-[2'-ヒドロキシ-4'-(2"-プロピルヘキシル)オキシフェニル]ベンゾトリアゾール、2-[2'-ヒドロキシ-4'-(1"-エチルヘキシル)オキシフェニル]ベンゾトリアゾール、2-[2'-ヒドロキシ-4'-(1"-エチルヘプチル)オキシフェニル]ベンゾトリアゾール、2-[2'-ヒドロキシ-4'-(1'-エチルオクチル)オキシフェニル]ベンゾトリアゾール、2-[2'-ヒドロキシ-4'-(1"-プロピルオクチル)オキシフェニル]ベンゾトリアゾール、2-[2'-ヒドロキシ-4'-(1"-プロピルヘプチル)オキシフェニル]ベンゾトリアゾール、2-[2'-ヒドロキシ-4'-(1"-プロピルヘキシル)オキシフェニル]ベンゾトリアゾール、2,2'-メチレンビス[4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)-6-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)]フェノール、並びにポリエチレングリコール及びメチル-3-[3-t-ブチル-5-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-ヒドロキシフェニル]プロピオネートの縮合物;シアノアクリレートUV吸収剤、例えば2'-エチルヘキシル-2-シアノ-3,3-ジフェニルアクリレート及びエチル-2-シアノ-3,3-ジフェニルアクリレート;ヒンダードアミンUV吸収剤、例えばビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート、コハク酸-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)エステル、及び2-(3,5-ジ-t-ブチル)マロン酸-ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)エステル;及び1,8-ジヒドロキシ-2-アセチル-3-メチル-6-メトキシナフタレン。
【0205】
蛍光増白剤の例は、4,4'-ビス[2-アニリノ-4-(2-ヒドロキシ-エチル)アミノ-1,3,5-トリアジニル-6-アミノ]スチルベン-2,2'-二スルホン酸二ナトリウム塩、4,4'-ビス[2-アニリノ-4-ビス(ヒドロキシエチル)アミノ-1,3,5-トリアジニル-6-アミノ]スチルベン-2,2'-二スルホン酸二ナトリウム塩、4,4'-ビス[2-アニリノ-4-ビス(ヒドロキシプロピル)アミノ-1,3,5-トリアジニル-6-アミノ]スチルベン-2,2'-二スルホン酸二ナトリウム塩、4,4'-ビス[2-メトキシ-4-(2-ヒドロキシエチル)アミノ-1,3,5-トリアジニル-6-アミノ]スチルベン-2,2'-二スルホン酸二ナトリウム塩、4,4'-ビス[2-メトキシ-4-(2-ヒドロキシプロピル)アミノ-1,3,5-トリアジニル-6-アミノ]スチルベン-2,2'-二スルホン酸二ナトリウム塩、4,4'-ビス[2-m-スルホアニリノ-4-ビス(ヒドロキシ-エチル)アミノ-1,3,5-トリアジニル-6-アミノ]スチルベン-2,2'-二スルホン酸二ナトリウム塩、4-[2-p-スルホアニリノ-4-ビス(ヒドロキシ-エチル)アミノ-1,3,5-トリアジニル-6-アミノ]-4'-[2-m-スルホアニリノ-4-ビス(ヒドロキシ-エチル)アミノ-1,3,5-トリアジニル-6-アミノ]スチルベン-2,2'-二スルホン酸四ナトリウム塩、4,4'-ビス[2-p-スルホアニリノ-4-ビス(ヒドロキシ-エチル)アミノ-1,3,5-トリアジニル-6-アミノ]スチルベン-2,2'-二スルホン酸四ナトリウム塩、4,4'-ビス[2-(2,5-ジスルホアニリノ)-4-フェノキシアミノ-1,3,5-トリアジニル-6-アミノ]スチルベン-2,2'-二スルホン酸六ナトリウム塩、4,4'-ビス[2-(2,5-ジスルホアニリノ)-4-(p-メトキシカルボニルフェノキシ)アミノ-1,3,5-トリアジニル-6-アミノ]スチルベン-2,2'-二スルホン酸六ナトリウム塩、4,4'-ビス[2-(p-スルホフェノキシ)-4-ビス(ヒドロキシ-エチル)アミノ-1,3,5-トリアジニル-6-アミノ]スチルベン-2,2'-二スルホン酸六ナトリウム塩、4,4'-ビス[2-(2,5-ジスルホアニリノ)-4-ホルマリニルアミノ-1,3,5-トリアジニル-6-アミノ]スチルベン-2,2'-二スルホン酸六ナトリウム塩、及び4,4'-ビス[2-(2,5-ジスルホアニリノ)-4-ビス(ヒドロキシ-エチル)アミノ-1,3,5-トリアジニル-6-アミノ]スチルベン-2,2'-二スルホン酸六ナトリウム塩を含むことができる。
【0206】
感熱性記録材料を製造する方法
本明細書において記載の実施形態が感熱記録紙に使用される場合、紙は従来方式で製造されてもよい。例えば、ポリビニルアルコール又はセルロース等の水溶性結合剤の水溶液中に、本明細書において記載の顕色剤化合物の微粒子、及び発色剤の微粒子を別々に分散し、これらの懸濁液溶液を混合し、紙等の支持体に混合物を塗布し、それを乾燥することによって感熱記録紙を製造することができる。
【0207】
本明細書において記載の実施形態が感圧複写紙に使用される場合、感圧複写紙は公知の顕色試剤又は増感剤の使用と同じ方法で製造することができる。例えば、当技術分野で知られている方法によってマイクロカプセル化された発色剤が好適な分散剤に分散され、紙に塗布されて、発色剤のシートが調製される。更に、顕色試剤の分散体溶液が紙に塗布されて、顕色試剤のシートが調製される。このように調製された両シートを組み合わせて感圧複写紙が調製される。感圧複写紙は、上用紙の下側に塗布され、有機溶媒中に発色剤の溶液を含むマイクロカプセルを担持する上用紙と;下用紙の上面に塗布された顕色試剤(酸性物質)を担持する下用紙からなる単位であってもよい。代替として、感圧複写紙は、同一の紙面に塗布されたマイクロカプセル及び顕色試剤を含むいわゆる自己充足的な紙であってもよい。
【0208】
従来通りに知られているものは、製造に使用される顕色試剤として、又は使用のための本明細書において記載の実施形態の化合物と混合された顕色試剤として使用される。その例は以下を含むことができる:無機酸性物質、例えば酸性白土、活性白土、アタパルジャイト、ベントナイト、コロイダルシリカ、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸亜鉛、ケイ酸スズ、焼成カオリン及びタルク;脂肪族カルボン酸、例えばシュウ酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸及びステアリン酸;芳香族カルボン酸、例えば安息香酸、p-t-ブチル安息香酸、フタル酸、没食子酸、サリチル酸、3-イソプロピルサリチル酸、3-フェニルサリチル酸、3-シクロヘキシルサリチル酸、3,5-ジ-t-ブチルサリチル酸、3-メチル-5-ベンジルサリチル酸、3-フェニル-5-(2,2-ジメチルベンジル)サリチル酸、3,5-ジ-(2-メチルベンジル)サリチル酸、及び2-ヒドロキシ-l-ベンジル-3-ナフトエ酸、及びこれらの芳香族カルボン酸の金属(例えば、亜鉛、マグネシウム、アルミニウム及びチタン)塩;フェノール樹脂顕色試剤、例えばp-フェニルフェノール-ホルマリン樹脂及びp-ブチルフェノール-アセチレン樹脂、及びこれらのフェノール樹脂顕色試剤及び芳香族カルボン酸の金属塩の混合物。
【0209】
従来通りの公知の、紙、合成紙、フィルム、プラスチックフィルム、発泡プラスチックフィルム、不織布クロス、再生紙(例えば、再生紙パルプ)等は、本明細書における実施形態による支持体として使用することができる。更に、その組み合わせもまた支持体として使用することができる。
【0210】
紙が支持体として使用される場合、発色剤の分散体溶液、顕色試剤の分散体溶液及び充填剤の分散体溶液を含む分散体溶液は、直接に紙に塗布することができ、又は、分散体溶液は紙にアンダーコート層用の分散体溶液を塗布し、それを乾燥した後に塗布することができる。好ましくは、アンダーコート層用の分散体溶液は、分散体溶液を塗布する前に塗布されるが、それはより良好な顕色感度がそれによって得られるからである。
【0211】
アンダーコート層用の分散体溶液は、支持体の表面の滑らかさの改善に使用され、特に限定されないが、好ましくは充填剤、分散剤及び水を含み、とりわけ、焼成カオリン又は炭酸カルシウムは充填剤として好ましく、ポリビニルアルコールは分散剤として好ましい。
【0212】
支持体に記録材料層を形成する方法の例は、発色剤の分散体溶液、顕色試剤の分散体溶液及び充填剤の分散体溶液を含む分散体溶液を支持体に塗布する工程、続いて乾燥する工程を含む方法、そのような分散体溶液を、噴霧等を用いて支持体へ噴霧する工程、続いて乾燥する工程を含む方法、及び支持体をそのような分散体溶液に所与の時間浸漬する工程、続いて乾燥する工程を含む方法を含む。更に、塗布方法の例は、手塗り、サイズプレスコーター法、ロールコーター法、エアーナイフコーター法、ブレンドコーター法、フローコーター法、カーテンコーター法、コンマダイレクト法、グラビアダイレクト方法、グラビアリバース法及びリバースロールコーター法を含む。
【0213】
コーティングの方法
例示の方法において、感熱性記録層コーティング組成物は、乾燥質量基準で約1~約10g/m2、例えば約3~約7g/m2の量で支持体に塗布される。感熱性記録層コーティング組成物は、公知のコーティングデバイス、例えばコーティングバー、ロールコーター、エアーナイフコーター、ブレードコーター、グラビアコーター、ダイコーター又はカーテンコーターによって支持体に塗布されてもよい。
【0214】
所望の場合、記録時の熱感度及び効率を改善するために支持体及び感熱性記録層の間にアンダーコート層も設けることができる。アンダーコート層は、主成分として有機中空粒子及び/又は油分吸収顔料及び結合剤を含むアンダーコート層コーティング組成物を用いて支持体を被覆すること、次いでコーティングを乾燥することにより形成されてもよい。油分吸収顔料の代表的な例は、カオリン、か焼カオリン、非晶質シリカ、沈降炭酸カルシウム及びタルクを含む。平均顔料直径は、約0.01~約5μm、例えば約0.02~約3μmであってもよい。
【0215】
有機中空粒子の代表的な例は、アクリル樹脂、スチレン系樹脂及び塩化ビニリデン系樹脂でできたシェルを有し、約50~約99%の空隙比を有する粒子を含む。例示の実施形態において、有機中空粒子の外径は約0.5~約10μm、例えば約1~約5μmであってもよい。例示の有機中空粒子は膨張性中空粒子であってもよい。そのような膨張性中空粒子の典型例は、約0.1~約5μmの平均直径を有し、塩化ビニリデン樹脂シェル及び充填材料としてブタンガスを含むマイクロカプセルである。そのような膨張性中空粒子を含むアンダーコート層を用いて被覆された支持体が熱処理にかけられると、マイクロカプセルは、約1~約30μmの平均粒径に膨張する。油分吸収顔料が有機中空粒子と組み合わせて使用される実施形態において、2つの成分の組み合わせた量は、アンダーコート層に対して約40~約90質量%、例えば約50~約80質量%であってもよい。
【0216】
アンダーコート層に使用される例示の結合剤は、感熱性記録層に使用される結合剤から選択されてもよい。特に、例示の結合剤は、スチレン-ブタジエンラテックス、ポリビニルアルコール又はデンプン酢酸ビニルコポリマーである。結合剤の例示の量は、アンダーコート層に対して約5~約30質量%、例えば、約10~約20質量%である。例示の実施形態において、アンダーコート記録層コーティング組成物は、乾燥質量基準で約2~約20g/m2、例えば約4~約12g/m2の量で支持体に塗布される。
【0217】
所望の場合、水及び化学薬品、例えば、油剤、脂肪、アルコール、可塑剤等に対する記録画像の抵抗力を高め、記録時の実行可能性を改善するために保護層が感熱性記録層に備えられてもよい。一般に、保護層が、主成分としてフィルム形成能力を有する結合剤、並びに場合によって顔料及び/又は不溶化剤及び/又は潤滑剤を含む保護層コーティング組成物を用いて感熱性記録層を被覆すること、次いで、結果として得られたコーティングフィルムを乾燥することによって形成されてもよい。
【0218】
保護層コーティング組成物に使用される結合剤の代表的な例は、ポリビニルアルコール(完全に又は部分的に加水分解された)、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル-変性ポリビニルアルコール、ジアセトン-変性ポリビニルアルコール、ケイ素変性ポリビニルアルコール、デンプン、ゼラチン、カゼイン、アラビアゴム、セルロースの誘導体、例えばヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース及びアセチルセルロース、デンプン酢酸ビニルグラフトコポリマー、スチレン-無水マレイン酸コポリマー、メチルビニルエーテル無水マレイン酸コポリマー、イソプロピレン-無水マレイン酸コポリマー及び類似の水溶性樹脂、スチレン-ブタジエンラテックス、アクリルラテックス、ウレタンラテックス及び類似の水分散可能な樹脂及びその混合物を含む。
【0219】
保護層コーティング組成物は、顔料、不溶化剤、潤滑剤、及び、必要ならば、上記のように感熱性記録層コーティング組成物に使用されるものから選択される他の助剤を更に含んでもよい。
【0220】
例示の実施形態において、保護層コーティング組成物は、乾燥質量基準で約0.5~約10g/m2、例えば約1~5g/m2の量で塗布されてもよく、同様のコーティングデバイスを用いて感熱性層を被覆するのに使用されたそれに対して塗布されてもよい。
【0221】
また、支持体の後側に保護層、接着剤層、及び磁性層を備えることは可能である。
【0222】
以下の非限定的な例は、本明細書において記載の実施形態の態様を更に説明する。
【0223】
被覆された感熱紙を熱(サーマルプリンター)、又は光(レーザー)によって印刷するいくつかの方法がある。
【0224】
例えば、被覆された感熱紙は、をレーザーマーキング又はレーザー印刷、例えばCO2(780~1,000,000nmの範囲の波長を有するIR照射)によって印刷されてもよい。例示の実施形態において、レーザーマーキング/印刷プロセスではエネルギーは、CO2レーザー又はNd:YAGレーザーによって発生するIR放射である。例えば、エネルギーは、10600nmの波長を有するCO2レーザーによって発生するIR放射であってもよい。
【0225】
典型的には、IRレーザーの正確な出力及びラインスピードは、適用によって決定され、十分に画像を発生させるように選ばれ、例えば、IRレーザーの波長が10600nmであり、且つレーザービームの直径が0.35mmである場合、出力は典型的には0.5~4Wであり、マーキング速度は典型的には300~1500mm/sである。
【0226】
光熱活性剤を使用することによるFLDA-LEDタイプ。
【実施例】
【0227】
実施例1はPERGAFAST 425粉体-材料の合成に対応する。
【0228】
(実施例1a)
5-スルホニルクロリド-イソフタル酸ジクロリドの合成
5-スルホ-イソフタル酸ナトリウム塩(95%、Sigma-Aldrich Inc.社)42g(150mmol)及び塩化チオニル(>99%GC、Fluka社)160ml(2200mmol)の混合物に、N,N-ジメチルホルムアミド10mlを撹拌しながら添加した。懸濁液を徐々に加熱して還流させ、2時間還流条件に保ち、その間にHCl及びSO2の形成は、反応の進行を示した。気体の形成が止まった後、反応混合物を室温に冷却した。撹拌しながら得られた帯黄色の懸濁液を1000gの氷フレークに徐々に注ぎ、その間に少しピンク色の生成物が沈殿した。5℃未満で30分間撹拌した後、沈殿を濾過した。早すぎる加水分解を回避するためにこのようにして得られた含湿濾過ケーキを強く凍結し凍結乾燥した。
【0229】
収率:45.5g、少し帯黄色の粉末。NMR (d6-DMSO): 9.15 (1H), 9.04 (2H)。
【0230】
(実施例1b)
5-(N-3-メチルフェニル-スルホニルアミド)-(N',N''-ビス-(3-メチルフェニル)-イソフタル酸-ジアミド(トルエン)。
1.5g(5mmol)の5-スルホニルクロリドイソフタル酸ジクロリド(実施例1aで合成したような)を室温で20mlのトルエンに分散した。白い分散体に3-メチル-アニリン3.3g(30.9mmol)を徐々に添加した。更に60mlのトルエンを粗製の懸濁液に添加し、次いで、100℃にこれを加熱し、18時間撹拌した。室温に冷却した後、沈殿を濾過し、30mlのトルエンを用いて洗浄し、続いて50mlの脱塩水及び30mlのHCl(10%)を添加した。減圧(200mbar)下40℃で化合物を乾燥した。
【0231】
収率:2gの赤みがかった生成物
【0232】
再結晶
実施例1bで得られた未加工の10gの5-(N-3-メチルフェニル-スルホニルアミド)-(N',N''-ビス-(3-メチルフェニル)-イソフタル酸ジアミドを、還流条件下で350mlのメタノールに溶解し、透明な溶液が結果として得られた。35mlの水を添加し、その後、かすかなヘーズを観察することができた。混合物を徐々に2時間の間、室温に冷却した。白い沈殿した針状物を濾別し、50mlの脱塩水を用いて洗浄し、減圧(200mbar)下50℃で乾燥した。
【0233】
収率:52%。
【0234】
融点(DSC、4℃/分):195.3℃、215.2℃、(異なる結晶の変形)
【0235】
NMR(d6-DMSO):2.20 (3H), 2.32 (6H), 6.85 (1H), 6.92 (1H), 6.96 (3H), 7.11 (1H), 7.26 (2H), 7.58 (4H), 8.46 (2H), 8.73 (1H), 10.45 (1H), 10.53 (2H)
【0236】
(実施例1c)
5-(N-3-メチルフェニル-スルホニルアミド)-(N',N''-ビス-(3-メチルフェニル)-イソフタル酸-ジアミドのα-変形の指向性合成(directed synthesis)
5-スルホニルクロリド-イソフタル酸ジクロリド49.0g(0.16mol)(実施例1aで合成したような)及び500mlのトルエンの混合物に、22℃で110ml(0.99mol)のm-トルイジンを30分以内で滴下添加した。次いで、再び、追加のトルエン500mlを添加した。得られた生成混合物を100℃に加熱した。次いで、1500mlのトルエンを添加し、反応混合物を3時間100℃で維持した。その後、反応混合物を22℃に冷却した。形成された沈殿を濾別した。撹拌しながら250mlの水に得られた濾過ケーキを懸濁した。この懸濁液を80℃に30分間加熱した。傾瀉法(decantation)によって80℃で水性層を取り出した。次いで、10質量%の塩酸を200mlの残留物に添加し、40℃で30分間混合物を撹拌した。次いで、水性層をもう一度傾瀉した。その後、800mlのn-ヘプタンを残留物に添加し、22℃で30分間撹拌した。濾過によって沈殿を集めて、60℃で真空ポンプの減圧下で乾燥した。
【0237】
収率:81g(96%)、白い固体、融点211.2℃(DSC)
【0238】
(実施例1d)
5-(N-3-メチルフェニル-スルホニルアミド)-(N',N''-ビス-(3-メチルフェニル)-イソフタル酸-ジアミドのβ-変形の指向性合成
50mlのテトラヒドロフラン中のm-トルイジン10.8g(0.1mol)の混合物に、22℃で、15mlのテトラヒドロフラン中の5.0g(0.0166mol)の5-スルホニルクロリド-イソフタル酸ジクロリド(実施例1aで合成したような)の溶液を撹拌しながら15分以内で滴下添加した。次いで、65℃に5時間反応混合物を加熱した。濾過によって形成された沈殿を取り出した。真空ポンプの減圧下で濾液を乾燥した。25mlのテトラヒドロフランへ得られた残留物を投入した。次いで、得られた溶液を100mlのメタノール/水(9:1)混合物へ注ぎ、50℃に1時間加熱した。その後、反応混合物を22℃に冷却した。濾過によって得られた固体を集め、メタノールを用いて洗浄した。次いで、減圧下60℃で7時間生成物を乾燥した。
【0239】
収率:5.0g(58%)、白い固体、融点192.2℃(DSC)
【0240】
(実施例1e)
5-(N-3-メチルフェニル-スルホニルアミド)-(N',N''-ビス-(3-メチルフェニル)-イソフタル酸-ジアミドのγ-変形の指向性合成
n-ヘプタン75ml中のm-トルイジン10.8g(0.1mol)の混合物に、トルエン20ml中の5-スルホニルクロリド-イソフタル酸ジクロリド5g(0.0166mol)(実施例1aで合成したような)を、75℃で45分以内に滴下添加した。次いで、反応混合物を90℃に5時間加熱し、次いで、60℃に冷却した。続いて、水50ml、続いて濃塩酸5mlをこの温度で添加し、次いで60℃で更に15分間撹拌した。その後、得られた固相をこの温度で濾別した。その後、得られた濾過ケーキをまず50mlの水を用いて、次いで50mlのn-ヘプタンを用いて洗浄し、続いて真空ポンプを1時間使用してフィルターに吸引空気を通すことにより、吸引濾過器で乾燥した。90mlのメタノール/水混合物(9:1)にこのようにして乾燥した濾過ケーキを懸濁し、60℃で2時間懸濁液を撹拌した。20℃に懸濁液を冷却した後、得られた沈殿を濾別し、50mlのメタノール/水混合物(1:1)を用いて洗浄した。その後、生成物を真空ポンプの減圧下60℃で7時間乾燥した。収率:7.0g(白い固体)、82%、融点215.6℃、DSCによって決定。
【0241】
(実施例1f)
5-(N-3-メチルフェニル-スルホニル-アミド)-(N',N"-ビス-(3-メチルフェニル)-イソフタル酸ジアミドの合成のワンステップ処置
ステップ1:5-スルホニルクロリド-イソフタル酸ジクロリドの合成
150ml(2.1mol)の塩化チオニル及び125g(0.47mol)の5-スルホイソフタル酸ナトリウム塩の懸濁液を70℃に加熱した。この温度で、100mlの塩化チオニル中の3.4g(0.05mol)のN,N-ジメチルホルムアミドの溶液を、1.5時間にわたって滴下漏斗を介して添加する。ガス発生が止むまで、70~75℃で2.5時間反応混合物を撹拌した。LCによって、粗製の酸クロリドの形成をモニターした。反応完了後、蒸留によって、過剰の塩化チオニルを除去した。細かい塩化ナトリウム結晶に加えてゼリー状の固まりとして酸クロリドを得た。固まりは濾過し、濾液を集めた。350mlのトルエンを濾液に添加して、5-スルホニルクロリドイソフタル酸ジクロリド450~500gの溶液を得る。
【0242】
ステップ2:対応する酸トリスアミドへの5-スルホニルクロリド-イソフタル酸ジクロリドの変換
300mlの水中の3gのSurfynol 104 PG 50(プロピレングリコール中の50%の溶液、Evonik社)及び27g(0.33mol)の重炭酸ナトリウムの溶液を20℃で撹拌した。35gのm-トルイジン(0.33mol)を一度に添加した。溶液を30~40℃に加熱した。ステップ1において調製した中間溶液100g(約0.1mol)の溶液を1.5時間にわたって添加する。形成された反応懸濁液は、50~55℃に昇温し、撹拌しながら2時間この温度で維持した。LCによって反応をモニターした。変換が完了したら、20℃に反応混合物を冷却した。形成された沈殿は、吸引濾過器で濾過によって集めた。およそ210mlの水、次いで210mlのトルエンを用いて得られた粗製の含湿ケーキを洗浄し、その後、真空下50℃で12時間乾燥した。
【0243】
収率:45g(86%)、白い固体、嵩密度550kg/m3。
【0244】
この材料のX線粉体パターンは、5.4±0.2、6.1±0.2、6.3±0.2、11.9±0.2、12.6±0.2、15.9±0.2、16.6±0.2、16.9±0.2、18.1±0.2、19.1±0.2、19.7±0.2、20.3±0.2、22.0±0.2、22.5±0.2、23.1±0.2、24.1±0.2、24.9±0.2、25.4±0.2、26.3±0.2、27.7±0.2のBragg角(2θ/CuKα)を有する。
【0245】
(実施例2)
第2の非フェノール性顕色剤NKK-1304を、EP 2 923 851に開示されている合成方法に従って調製し、及び/又は文献(C.J. Perry、Synthetic Commun. 38 (19)3354頁(2008年))に従ってo-フェニレンジアミン及びイソシアン酸フェニルの反応から調製した中間体1-(2-アミノフェニル)3-フェニル尿素の合成を介して調製し、文献(P. Singhら、J. Mater. Chemistry C、3、5524頁(2015年))に与えられた処置と類似してNKK-1304に更に反応させた。下記式(I)
【0246】
【0247】
は最終生成物及び化合物を表す。
【0248】
特定の実施形態において、本明細書のNKK-1304と呼ばれる顕色剤が使用され、R1、R2及びR3がすべて水素原子である上記一般式(I)
【0249】
【0250】
に対応する。
【0251】
(実施例3)
以下の評価において使用する第2の非フェノール性顕色剤PERGAFAST 201は以下の構造:
【0252】
【0253】
を有するSOLENIS company社からの商用グレードである。
【0254】
顕色剤の摩砕:
顕色剤分散体A(溶液A)の調製
5-(N-3-メチルフェニル-スルホニルアミド)-(N',N''-ビス-(3-メチルフェニル)-イソフタル酸ジアミド11g、界面活性剤2,4,7,9-テトラメチル-5-デシン-4,7-ジオール(Evonik社からのSurfynol(登録商標)104)0.2g、Gohsenx(商標)L-3266(スルホン化ポリビニルアルコール、Nippon Gohsei社)の水溶液(10%として)8.9gの分散助剤及び結合剤としての混合物並びに脱塩水20gを、ビーズミルにおいて1.0μmのメジアン粒径直径に摩砕して顕色剤分散体Aを得た。
【0255】
同様の方法で、比較として以下の顕色剤分散体を製造した:
【0256】
【0257】
発色剤分散体D(溶液D)の調製
3-ジブチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン(Pergascript Black 2C、BASF SE社)15g、10質量%のポリビニルアルコール溶液(Mowiol(登録商標)40-88、ポリビニルアルコール、Mw~205.000g/mol、Sigma-Aldrich Inc.社/Kuraray Europe GmbH社)30g、界面活性剤2,4,7,9-テトラメチル-5-デシン-4,7-ジオール(Evonik社からのSurfynol(登録商標)104)0.3g、イソプロパノール中の20%の溶液としての混合物、及び15gの水をビーズミルにおいて1.0μmの平均粒径に摩砕して分散体Dを得た。
【0258】
増感剤分散体E(溶液E)の調製
ベンジル-2-ナフチルエーテル(Pergaspeed 305、BASF SE社)11.3g、水中の分散剤(ホルムアルデヒドとのナフタレンスルホン酸縮合生成物のナトリウム塩、BASF SE社からのTAMOL(登録商標)NN 9401)の5%の溶液の2.3g、10質量%溶液のポリビニルアルコール(Mowiol(登録商標)40-88(ポリビニルアルコール、Mw~205.000、Sigma-Aldrich Inc.社/Kuraray Europe GmbH社)5.7g及び水20.8gの混合物を、ビーズミルにおいて1.0μmの平均粒径に摩砕して分散体Eを得る。
【0259】
充填剤分散体F(溶液F)の調製
沈降炭酸カルシウム(Solvay社からのSocal P3)15.8g、水溶液の分散剤(ポリアクリル酸ナトリウム(BASF SE社からの(DISPEX(登録商標)AA 4140)、pH 7.5、有効成分40質量%)0.4g、及び水23.8gの混合物をビーズミルにおいて1.0μmの平均粒径に摩砕して分散体Fを得た。
【0260】
熱感受性着色液体及びコーティングの調製:
適用実施例C1:感熱性記録層コーティング組成物の調製物、分散体A15g、分散体D6.5g、分散体E11.5g、分散体F16g、10質量%水溶液のポリビニルアルコール(Mowiol(登録商標)28-99、ポリビニルアルコール、Kuraray Europe GmbH社)19g、17%水性分散体のステアリン酸亜鉛(Chukyo Europe社からのHidorin(登録商標)F115)3g、25%の脂肪酸アミド乳剤(Chukyo Europe社からのHymicron L-271)1.5g及び蒸留水58gを混合し撹拌して感熱性記録層コーティング組成物を得た。
【0261】
か焼カオリンを用いて被覆された基紙(BASF SE社からのAnsilex(登録商標)93、コーティング質量7g/m2)に上記の感熱性記録層コーティング組成物を用いて適合したワイヤーバー(#6)を使用して被覆し、0.5g/m2の乾燥発色剤コーティング質量を得、熱風送風機を用いて乾燥した。この被覆した熱感受性シートを24時間の間40℃で保管する。結果として得られた感熱性記録層コーティング組成物を25kNでカレンダーに2回通しして平滑な表面を得た。
【0262】
適用実施例C2:感熱性記録層コーティング組成物の調製物、分散体A12g、分散体B3g、分散体D6.5g、分散体E11.5g、分散体F16g、10質量%水溶液のポリビニルアルコール(Mowiol(登録商標)28-99、ポリビニルアルコール、Kuraray Europe GmbH社)19g、17%水性分散体のステアリン酸亜鉛(Chukyo Europe社からのHidorin(登録商標)F115)3g、25%の脂肪酸アミド乳剤(Chukyo Europe社からのHymicron L-271)1.5g、及び蒸留水58gを混合し撹拌して感熱性記録層コーティング組成物を得た。
【0263】
か焼カオリンを用いて被覆された基紙(BASF SE社からのAnsilex(登録商標)93、コーティング質量7g/m2)に上記の感熱性記録層コーティング組成物を用いて適合したワイヤーバーサイズ(#6)を使用して被覆し、0.5g/m2の乾燥発色剤コーティング質量を得、熱風送風機を用いて乾燥した。この被覆した熱感受性シートを24時間の間40℃で保管する。平滑な表面を得るために、結果として得られた感熱性記録層コーティング組成物を25kNでカレンダーに2回通しした。
【0264】
異なる成分で適用実施例C2を繰り返してC2~C6の追加の感熱性記録層コーティング組成物を得た。
【0265】
表Aに、使用した異なる組み合わせ及び組成物を要約する。
【0266】
適用実施例C7:感熱性記録層コーティング組成物の調製物、分散体B15g、分散体D6.5g、分散体E11.5g、分散体F16g、10質量%水溶液のポリビニルアルコール(Mowiol(登録商標)28-99、ポリビニルアルコール、Kuraray Europe GmbH社)19g、17%水性分散体のステアリン酸亜鉛(Chukyo Europe社からのHidorin(登録商標)F115)3g、25%の脂肪酸アミド乳剤(Chukyo Europe社からのHymicron L-271)1.5g及び蒸留水58gを混合し撹拌して感熱性記録層コーティング組成物を得た。
【0267】
か焼カオリンを用いて被覆された基紙(BASF SE社からのAnsilex(登録商標)93、コーティング質量7g/m2)に上記の感熱性記録層コーティング組成物を用いて適合したワイヤーバー(#6)を使用して被覆し、0.5g/m2の乾燥発色剤コーティング質量を得、熱風送風機を用いて乾燥した。この被覆した熱感受性シートを24時間の間40℃で保管する。平滑な表面を得るために、結果として得られた感熱性記録層コーティング組成物を25kNでカレンダーに2回通しした。
【0268】
【0269】
適用実施例C8:感熱性記録層コーティング組成物の調製物、分散体A15g、分散体D6.5g、分散体E11.5g、分散体F16g、10質量%水溶液のポリビニルアルコール(Mowiol(登録商標)28-99、ポリビニルアルコール、Kuraray Europe GmbH社)19g、17%水性分散体のステアリン酸亜鉛(Chukyo Europe社からのHidorin(登録商標)F115)3g、25%の脂肪酸アミド乳剤(Chukyo Europe社からのHymicron L-271)1.5g及び蒸留水43gを混合し撹拌して感熱性記録層コーティング組成物を得た。
【0270】
か焼カオリンを用いて被覆された基紙(BASF SE社からのAnsilex(登録商標)93、コーティング質量7g/m2)に上記の感熱性記録層コーティング組成物を用いて適合したワイヤーバー(#4)を使用して被覆し、0.25g/m2の乾燥発色剤コーティング質量を得、熱風送風機を用いて乾燥した。この被覆した熱感受性シートを40℃で24時間保管する。結果として得られた感熱性記録層コーティング組成物を25kNでカレンダーに2回通しして平滑な表面を得た。
【0271】
適用実施例C9:感熱性記録層コーティング組成物の調製物、分散体A12g、分散体C3g、分散体D6.5g、分散体E11.5g、分散体F16g、10質量%水溶液のポリビニルアルコール(Mowiol(登録商標)28-99、ポリビニルアルコール、Kuraray Europe GmbH社)19g、17%水性分散体のステアリン酸亜鉛(Chukyo Europe社からのHidorin(登録商標)F115)3g、25%の脂肪酸アミド乳剤(Chukyo Europe社からのHymicron L-271)1.5g及び蒸留水43gを混合し撹拌して感熱性記録層コーティング組成物を得た。
【0272】
か焼カオリンを用いて被覆された基紙(BASF SE社からのAnsilex(登録商標)93、コーティング質量7g/m2)に上記の感熱性記録層コーティング組成物を用いて適合したワイヤーバーサイズ(#4)を使用して被覆し、0.25g/m2の乾燥発色剤コーティング質量を得、熱風送風機を用いて乾燥した。この被覆した熱感受性シートを40℃で24時間保管する。平滑な表面を得るために、結果として得られた感熱性記録層コーティング組成物を25kNでカレンダーに2回通しした。
【0273】
異なる成分を用いて適用実施例C9を繰り返してC9~C13の追加の感熱性記録層コーティング組成物を得た。
【0274】
表Bに、使用した異なる組み合わせ及び組成物を要約する。
【0275】
適用実施例C14:感熱性記録層コーティング組成物の調製物、分散体C15g、分散体D6.5g、分散体E11.5g、分散体F16g、10質量%水溶液のポリビニルアルコール(Mowiol(登録商標)28-99、ポリビニルアルコール、Kuraray Europe GmbH社)19g、17%水性分散体のステアリン酸亜鉛(Chukyo Europe社からのHidorin(登録商標)F115)3g、25%の脂肪酸アミド乳剤(Chukyo Europe社からのHymicron L-271)1.5g及び蒸留水43gを混合し撹拌して感熱性記録層コーティング組成物を得た。
【0276】
か焼カオリンを用いて被覆された基紙(BASF SE社からのAnsilex(登録商標)93、コーティング質量7g/m2)に上記の感熱性記録層コーティング組成物を用いて適合したワイヤーバー(#4)を使用して被覆し、0.25g/m2の乾燥発色剤コーティング質量を得、熱風送風機を用いて乾燥した。この被覆した熱感受性シートを24時間の間40℃で保管する。平滑な表面を得るために、結果として得られた感熱性記録層コーティング組成物を25kNでカレンダーに2回通しした。
【0277】
【0278】
感熱性記録材料の評価
動作感度:
本明細書において実施形態に従って調製した感熱性記録材料を以下に記載するように評価し、表Cに評価の結果を要約する。
【0279】
この評価は、表面単位当たりの段階的なエネルギー条件を用いること、及び動的条件で熱画像パターンを印刷することからなり、それは、100~300mm/sの好ましい範囲を含むある印刷速度を用いることを意味する。
【0280】
本実施例において、使用する熱的印刷試験装置はAtlantekモデル400(Atlantek lnc.社によって製作された)であり、下記のようにパターン当たりの段階的な印刷エネルギーを用いて100mm/sの速度をシミュレートすることによって各感熱性記録材料を印刷した:3.217-4.623-6.065-7.489-8.876-10.318-11.742-13.166-14.571-15.995mJ/mm2。このようにして得られた印刷されたパターンを、X-Rite社/GretagMacbeth(商標)Eyeone pro濃度計を用いて光学濃度(黒色フィルター)、[O.D]を測定することにより評価する。固定のエネルギー及び速度条件で、O.D.が高いほど動的画像感度が高いことを意味する。
【0281】
【0282】
画像及び素地(background)の安定性:
媒体の熱的印刷画像の光学濃度(O.D.)及び非熱的印刷領域の素地白色度を老化試験への曝露前後に測定する。
【0283】
初期レベル及び老化後レベルの間の光学濃度(O.D.)の乖離が小さいほど、熱感受性媒体の安定性は高い。
【0284】
画像光学濃度(O.D.)
熱的試験装置(Atlantek lnc.社によって製作されたAtlantekモデル400)を使用して、それぞれ感熱性記録材料を16mJ/mm2の印加エネルギーで100mm/sに印刷し、X-Rite社/GretagMacbeth(商標)Eyeone pro濃度計を用いてこのように得られた記録画像の濃度を測定した。
【0285】
素地
X-Rite社/Gretag-MacbethからのEye One濃度計を用いて被覆基材の記録されていない表面の光学濃度(O.D.)を測定する。
【0286】
耐水性:
熱的印刷の後、20℃で24時間脱イオン水に被覆基材を浸漬する。この処理の後、完全に乾燥するのに必要な時間の間室温で試料を維持する。次いで、画像及び素地のO.D.を、X-Rite社/Gretag-MacbethからのEye One濃度計を使用して測定する。
【0287】
以下の算定方式に従って残存画像比を評価する:
残存比(%)=(耐水性試験後のO.D.)/(非処理材料のO.D.)×100
【0288】
可塑剤面抵抗力:
熱的印刷の後、印刷画像が記録された被覆基材の≪表面側(face side)≫をGlobal Plastics Co.社からの1枚のPVCラップ用フィルム(フタル酸エステル型可塑剤を含む)と、50g/cm-2の圧力下40℃で24時間密着させる。
【0289】
この処理の後、表面からPVCフィルムを剥がし、室温で1時間の間試料を維持する。次いで、画像及び素地のO.D.を、PVCフィルムの除去の後8時間以内にX-Rite社/Gretag-MacbethからのEye One濃度計を使用して測定する。残存画像比は以下の算定方式に従って評価される:
残存比(%)=(可塑剤表面抵抗力試験後のO.D.)/(非処理材料のO.D.)×100。
【0290】
耐油性:
熱的印刷の後、被覆基材の表面側に0.05mlの綿実油を一様に塗布し、40℃で24時間試料を維持する。
【0291】
この処理の後、画像及び素地のO.D.を、X-Rite社/Gretag-MacbethからのEye One濃度計を使用して測定する。
【0292】
残存画像比は以下の算定方式に従って評価する:
残存比(%)=(耐油性試験後のO.D.)/(非処理材料のO.D.)×100
【0293】
耐熱性:
熱的印刷の後、被覆基材を乾燥オーブン中に90℃で1時間置く。この処理の後、試料を室温で1時間の間維持する。次いで、画像及び素地のO.D.を、X-Rite社/Gretag-MacbethからのEye One濃度計を使用して測定する。
以下の算定方式に従って残存画像比を評価する:
残存比(%)=(耐熱性試験後のO.D.)/(非処理材料のO.D.)×100
試験した感熱紙の画像及び素地の安定性の結果
【0294】
【0295】
【0296】
少なくとも1つの例示の実施形態が前述の詳細な説明中に提示されたが、莫大な数の変形が存在することが認識されるべきである。また、本明細書において記載の例示の実施形態は、クレームの主題の範囲、適用可能性、又は構成を決して限定するようには意図されないことは認識されるべきである。むしろ、前述の詳細な説明は、記載の実施形態の実施に対して当業者に好都合なロードマップを提供する。本特許出願を出願する時点で公知の等価物及び予測可能な等価物を含む、請求項によって定義された範囲から外れずに、要素の機能及び構成の様々な変更を行うことができることは理解されるべきである。