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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-20
(45)【発行日】2024-10-01
(54)【発明の名称】光学デバイスを推奨するための装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 3/028 20060101AFI20240924BHJP
   G02C 13/00 20060101ALI20240924BHJP
   A61B 3/103 20060101ALI20240924BHJP
   A61B 3/09 20060101ALI20240924BHJP
   A61B 3/113 20060101ALI20240924BHJP
   A61B 3/032 20060101ALI20240924BHJP
【FI】
A61B3/028
G02C13/00
A61B3/103
A61B3/09
A61B3/113
A61B3/032
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2022548766
(86)(22)【出願日】2021-03-01
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-11
(86)【国際出願番号】 EP2021055032
(87)【国際公開番号】W WO2021170872
(87)【国際公開日】2021-09-02
【審査請求日】2023-06-26
(31)【優先権主張番号】20305208.9
(32)【優先日】2020-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】518007555
【氏名又は名称】エシロール・アンテルナシオナル
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ベランジェール・ローランソー
(72)【発明者】
【氏名】ディディエ・グラン-クレマン
【審査官】安田 明央
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0239173(US,A1)
【文献】特表2010-517088(JP,A)
【文献】特表2003-523244(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0107707(US,A1)
【文献】特開2002-083156(JP,A)
【文献】特開2014-134782(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 3/00-3/18
G02C 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
現在の光学デバイスを有する着用者に適合された光学デバイスを推奨するための装置であって、
- 少なくとも1つの測定機器を使用して前記着用者で測定された特徴に関連する測定データと、
- 前記着用者の既往歴に関連する既往歴データと、
- 前記着用者が使用している前記現在の光学デバイスに関連する現在の光学デバイスデータと、
- を受信及び記憶し、
- 所定の処理規則に基づいて、前記測定データ、既往歴データ、及び現在の光学デバイスデータのうちの少なくとも2つを処理し、
- 処理したデータに基づいて、前記着用者に対する光学デバイスを推奨する、
ように構成された処理回路を備え
前記処理回路が、少なくとも前記現在の光学デバイスデータに基づいて、前記所定の処理規則の少なくとも一部を適合させるように更に構成されており、
前記現在の光学デバイスデータは、前記着用者の着用状態に基づいて取得又は導出される、装置。
【請求項2】
前記測定データが、少なくとも前記着用者の処方、及び/又は前記着用者の測定された屈折感度、及び/又は前記着用者の測定された調節の容易さ、及び/又はカッパ角度に関連している、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記既往歴データが、少なくとも視力習慣、及び/又は視力快適性、及び/又は眼の光感度、及び/又は視力環境、及び/又は前記着用者のライフスタイルに関連する質問を含む、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記処理回路が、前記着用者の年齢に関連する年齢データを受信及び記憶し、且つ前記所定の処理規則の少なくとも一部に基づいて、前記測定データ、既往歴データ、及び現在の光学デバイスデータと共にそのような年齢データを処理するように更に構成されている、請求項1~3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記処理回路により、前記推奨される光学デバイスをカスタマイズすることを可能にする、請求項1~のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記処理回路が、少なくとも以前のカスタマイズに基づいて、前記所定の処理規則の少なくとも一部を適合させるように更に構成されている、請求項1~のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
光学デバイスの推奨が、光学デバイスのタイプ、及び/又は前記光学デバイスの光学機能、及び/又は前記光学デバイスのコーティングを含む、請求項1~のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
表示デバイスを更に備え、前記処理回路が、前記推奨される光学デバイスのグラフィック表現を表示するように更に構成されている、請求項1~のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記処理回路が、前記推奨される光学デバイスに対する前記測定データ及び/又は既往歴データの影響のグラフィック表現を表示するように更に構成されている、請求項1~のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
表示デバイスを更に備え、前記処理回路が、
- 前記着用者と同様の特徴を有する着用者が快適である視線距離に対応する、前記視線距離の範囲の視線距離スケール及びそのスケール上の指標、
- 前記着用者が自身の現在の光学デバイスを使用する際に快適である前記視線距離の指標、
を表示し、且つ
- 前記推奨される光学デバイスを選択すると、前記推奨される光学デバイスを使用する際に前記着用者が快適である前記適合された視線距離の指標を表示する、
ように更に構成されている、請求項1~のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
現在の光学デバイスを有する着用者に適合された光学デバイスを推奨するための装置の処理回路によって実行される方法であって、
- 少なくとも1つの測定機器を使用して前記着用者で測定された特徴に関連する測定データと、
- 前記着用者の既往歴に関連する既往歴データと、
- 前記着用者が使用している前記現在の光学デバイスに関連する現在の光学デバイスデータと、
- を受信及び記憶することと、
- 所定の処理規則に基づいて、前記測定データ、既往歴データ、及び現在の光学デバイスデータのうちの少なくとも2つを処理することと、
- 処理したデータに基づいて、前記着用者に対する光学デバイスを推奨することと、
を含
前記処理回路は、少なくとも前記現在の光学デバイスデータに基づいて、前記所定の処理規則の少なくとも一部を適合させ、
前記現在の光学デバイスデータは、前記着用者の着用状態に基づいて取得又は導出される、方法。
【請求項12】
前記測定データが、少なくとも前記着用者の処方、及び/又は前記着用者の測定された屈折感度、及び/又は前記着用者の測定された調節の容易さ、及び/又はカッパ角度に関連している、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記既往歴データが、少なくとも視力習慣、及び/又は視力快適性、及び/又は眼の光感度、及び/又は視力環境、及び/又は前記着用者のライフスタイルに関連する質問を含む、請求項11又は12に記載の方法。
【請求項14】
コンピュータ実行可能な命令を含む非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、前記命令がコンピュータによって実行されると、前記コンピュータに請求項1113のいずれか一項に記載の方法を実行させる、非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現在の光学デバイスを有する着用者に適合された光学デバイスを推奨するための装置、及び現在の光学デバイスを有する着用者に適合された光学デバイスを推奨するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、新しい光学デバイスを希望している光学デバイスの着用者は、アイケア施術者に会いに行く。
【0003】
アイケア施術者は、例えば、着用者の眼科用処方を判定するために、着用者の測定を行うための異なる測定機器を使用する場合がある。
【0004】
着用者は、この視力及び/又はライフスタイル若しくは習慣に関するいくつかの質問に回答することができる。
【0005】
着用者の測定値及び回答に基づいて、アイケア施術者は、着用者のベストプラクティスを使用して、着用者に光学デバイスを推奨することができる。
【0006】
現在の光学デバイスの推奨プロセスには、いくつかの欠点が存在する。
【0007】
近年、新しい光学デバイス、特に新しい光学設計を備えた眼科用レンズが発明されている。
【0008】
これらの新しい光学デバイスは、着用者に応じてますますカスタマイズされている。
【0009】
光学デバイスを判定するために、着用者により適合するほど、ますます多くの着用者データが必要になる。そのような着用者データの収集及び処理は、ますます複雑になっている。
【0010】
着用者は、異なる場所で異なる測定機器を通過する必要がある場合があり、着用者のパラメータの量が非常に大きくなっているため、アイケア専門家が着用者に最適と考えられる光学デバイスを判定することはますます複雑になっている。
【0011】
更に、新しい光学デバイスがより高い頻度で作成されるため、最も適切な光学デバイスの推奨がますます複雑になっている。
【0012】
したがって、アイケア専門家が可能な全ての光学デバイスの中から着用者に最も適切な光学デバイスを判定し、利用可能な着用者データを最善の状態で使用する際に支援する装置及び方法が必要である。
【0013】
本発明の目的は、そのような装置及び方法を提案することである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0014】
この目的のために、本発明は、現在の光学デバイスを有する着用者に適合された光学デバイスを推奨するための装置を提案し、装置は、
- 少なくとも1つの測定機器を使用して着用者で測定された特徴に関連する測定データと、
- 着用者の既往歴に関連する既往歴データと、
- 着用者が使用している現在の光学デバイスに関連する現在の光学デバイスデータと、
- を受信及び記憶し、
- 例えば、所定の処理規則に基づいて、測定データ、既往歴データ、及び現在の光学デバイスデータのうちの少なくとも2つを処理し、
- 処理データに基づいて、着用者に対する光学デバイスを推奨する、
ように構成された処理回路を備える。
【0015】
有利にも、本発明による装置により、アイケア専門家が着用者に最も適合した光学デバイスを推奨するのを助けるように、所定の処理規則に基づいて着用者に関連する多数のデータを処理することによって、現在の光学デバイスを有する着用者に対する光学デバイスを推奨することを可能にする。
【0016】
単独又は組み合わせとして考え得る更なる実施形態によれば、
- 現在の光学デバイスは、着用者が所与の期間、例えば先月又は過去3か月にわたって使用している光学デバイスであり、並びに/又は
- 測定データは、少なくとも着用者の処方、及び/又は着用者の測定された屈折感度、及び/又は着用者の測定された調節の容易さ、及び/又はカッパ角度に関連し、並びに/又は
- 既往歴データは、少なくとも視力習慣、及び/又は視力快適性、及び/又は眼の光感度、及び/又は視力環境、及び/又は着用者のライフスタイルに関連する質問を含み、並びに/又は
- 処理回路は、着用者の年齢に関連する年齢データを受信及び記憶し、所定の処理規則の少なくとも一部に基づいて、測定データ、既往歴データ、及び現在の光学デバイスデータと共にそのような年齢データを処理するように更に構成されており、並びに/又は
- 処理回路は、少なくとも現在の光学デバイスデータに基づいて、所定の処理規則の少なくとも一部を適合させるように更に構成されており、並びに/又は
- 処理回路により、推奨される光学デバイスをカスタマイズすることが可能になり、並びに/又は
- 処理回路は、少なくとも以前のカスタマイズに基づいて、所定の処理規則の少なくとも一部を適合させるように更に構成されており、並びに/又は
- 光学デバイスの推奨は、光学デバイスのタイプ、及び/又は光学デバイスの光学機能、及び/又は光学デバイスのコーティングを含み、並びに/又は
- 装置は、表示デバイスを更に備え、処理回路は、推奨される光学デバイスのグラフィック表現を表示するように更に構成されており、並びに/又は
-処理回路は、推奨される光学デバイスに対する測定データ及び/又は既往歴データの影響のグラフィック表現を表示するように更に構成されており、並びに/又は
- 装置は、表示デバイスを更に備え、処理回路は、
- 着用者と同様の特徴を有する着用者が快適である視線距離に対応する、視線距離の範囲の視線距離スケール及びそのスケール上の指標、
- 着用者が自身の現在の光学デバイスを使用する際に快適である視線距離の指標、
を表示し、且つ
- 推奨される光学デバイスを選択すると、推奨される光学デバイスを使用する際に着用者が快適である適合された視線距離の指標を表示する、ように更に構成されている。
【0017】
本開示は更に、現在の光学デバイスを有する着用者に適合された光学デバイスを推奨するための装置の処理回路によって実行される方法に関し、方法は、
- 少なくとも1つの測定機器を使用して着用者で測定された特徴に関連する測定データと、
- 着用者の既往歴に関連する既往歴データと、
- 着用者が使用している現在の光学デバイスに関連する現在の光学デバイスデータと、
- を受信及び記憶することと、
- 例えば、所定の処理規則に基づいて、測定データ、既往歴データ、及び現在の光学デバイスデータのうちの少なくとも2つを処理することと、
- 処理データに基づいて、着用者に対する光学デバイスを推奨することと、
を含む。
【0018】
単独又は組み合わせとして考え得る更なる実施形態によれば、
- 現在の光学デバイスは、着用者が所与の期間、例えば先月又は過去3か月にわたって使用している光学デバイスであり、並びに/又は
- 測定データは、少なくとも着用者の処方、及び/又は着用者の測定された屈折感度、及び/又は着用者の測定された調節の容易さ、及び/又はカッパ角度に関連し、並びに/又は
- 既往歴データは、少なくとも視力習慣、及び/又は視力快適性、及び/又は眼の光感度、及び/又は視力環境、及び/又は着用者のライフスタイルに関連する質問を含み、並びに/又は
- 方法は、着用者の年齢に関連する年齢データを受信及び保存することと、所定の処理規則の少なくとも一部に基づいて、測定データ、既往歴データ、及び現在の光学デバイスデータと共にそのような年齢データを処理することと、を更に含み、並びに/又は
- 方法は、少なくとも現在の光学デバイスデータに基づいて、所定の処理規則の少なくとも一部を適合させること、を更に含み、並びに/又は
- 方法は、推奨される光学デバイスをカスタマイズすること、を更に含み、並びに/又は
- 方法は、少なくとも以前のカスタマイズに基づいて、所定の処理規則の少なくとも一部を適合させること、を更に含み、並びに/又は
- 光学デバイスの推奨は、光学デバイスのタイプ、及び/又は光学デバイスの光学機能、及び/又は光学デバイスのコーティングを含み、並びに/又は
- 方法は、推奨される光学デバイスのグラフィック表現を表示すること、を更に含み、並びに/又は
- 方法は、推奨される光学デバイスに対する測定データ及び/又は既往歴データの影響のグラフィック表現を表示すること、を更に含み、並びに/又は
方法は、
- 着用者と同様の特徴を有する着用者が快適である視線距離に対応する、視線距離の範囲の視線距離スケール及びそのスケール上の指標、
- 着用者が自身の現在の光学デバイスを使用する際に快適である視線距離の指標、
を表示することと、
- 推奨される光学デバイスを選択すると、推奨される光学デバイスを使用する際に着用者が快適である適合された視線距離の指標を表示することと、を更に含む。
【0019】
本開示は、更に、プロセッサにとってアクセス可能であり、且つ、プロセッサによって実行される場合に、プロセッサに本開示による方法のステップを実行させる1つ以上の記憶された命令のシーケンスを含むコンピュータプログラム製品に関する。
【0020】
本開示はまた、それらに記録されるプログラムを有するコンピュータ読取可能ストレージ媒体に関し、ここで、プログラムはコンピュータに本開示の方法を実行させる。
【0021】
以下の検討により明らかなように、特に明記のない限り、明細書を通じて、「処理」、「コンピューティング」、「計算」などの用語を用いる検討は、コンピューティングシステムのレジスタ及び/又はメモリ内部の電子的などの物理的数量として表されるデータを、コンピューティングシステムのメモリ、レジスタ、又は他のそのような情報ストレージ、転送、或いは表示デバイス内部の物理的数量として同様に表される他のデータに操作及び/又は変換するコンピュータ又はコンピューティングシステム、又は同様の電子コンピューティングデバイスの動作及び/又は処理を指すことは正しく理解される。
【0022】
本発明の実施形態は、本明細書中の操作を行うための装置を含んでいてもよい。この装置は、所望の目的のために特別に構築されてもよく、又は、コンピュータ内に記憶されるコンピュータプログラムによって選択的に起動されるか又は再設定される汎用コンピュータ又はデジタル信号プロセッサ(「DSP」)を含んでもよい。かかるコンピュータプログラムは、フロッピーディスク、光ディスク、CD-ROM、光磁気ディスク、読出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、電気的プログラム可能読出し専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能及びプログラム可能読出し専用メモリ(EEPROM)、磁気若しくは光カード、SIMカードを含む任意のタイプのディスク、又は電子的命令を記憶するために適しており且つコンピュータシステムバスに結合することが可能なその他のタイプの媒体などであるが、これらに限定されないコンピュータ可読記憶媒体内に記憶されてもよい。
【0023】
本明細書中に提示される方法は、本質的に、いずれか特定のコンピュータ又は他の装置に関係しない。様々な汎用システムが本明細書中の教示に従うプログラムと共に使用される場合があり、又は、所望の方法を行うためにより特化した装置を構築することが便利であることが判明する場合がある。様々なこれらのシステムに対する所望の構造は以下の説明から出現することになる。
【0024】
加えて、本開示の実施形態は、任意の特定のプログラミング言語を参照して説明されない。様々なプログラミング言語が本開示中で説明されるような発明の教示を実施するために用いられてもよいことを理解されたい。
【0025】
本発明の非限定的な実施形態を、ここで、添付図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本開示による装置の概略図である。
図2】推奨される光学デバイスの表示の例である。
図3】着用者の視覚快適性に対する光学デバイスの効果を示す表示の例である。
図4】本開示による方法を表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図面内の要素は、簡潔及び明快に示されており、必ずしも一定の縮尺で描かれている訳ではない。例えば、本発明の実施形態を分かり易くするため図のいくつかの素子のサイズを他の素子に比べて誇張している場合がある。
【0028】
本開示は、現在の光学デバイスを有する着用者に適合された光学デバイスを推奨するための装置に関する。
【0029】
本開示の文脈において、「光学デバイス」という用語は、着用者の視力を矯正し、及び/又は視力保護を提供し、及び/又は着用者に視覚情報を提供するために、着用者が着用することができる任意の光学機器を指す。
【0030】
光学デバイスが光学レンズである場合、光学レンズの推奨は、光学レンズの光学機能、及び/又は光学レンズの異なる可能なコーティング、及び/又は光学レンズの形状、及び/又は光学レンズの材料、光学レンズを眼鏡フレームに取り付ける際の取り付けパラメータ、に関連し得る。
【0031】
光学関数は、屈折関数、光吸収、偏光能力、コントラスト能力の強化、等を備えていてもよい。
【0032】
屈折関数は、視線方向の関数として、光学レンズの屈折力(平均屈折力、非点収差、等)に対応する。
【0033】
光学デバイスの光学機能には、少なくとも1つのレンズの屈折機能、例えば、光学デバイスの透過パラメータを制御することによる日焼け保護機能、又は、光学デバイスが含み得るレンズの少なくとも1つの表面の偏光が含まれ得る。
【0034】
光学デバイスは、眼鏡フレームに取り付けられる眼鏡光学レンズを備え得る。眼鏡レンズは、太陽レンズ及び/又は眼科用レンズであり得る。
【0035】
光学デバイスは、着用者に視覚情報を表示するように適合されたディスプレイヘッドマウントデバイスを備え得る。
【0036】
本発明による装置は、着用者に関連する異なるタイプのデータを受信し、例えばメモリに記憶するように構成された処理回路を備える。
【0037】
図1に示されるように、処理回路は、測定データを受信及び記憶するように構成され得る。
【0038】
測定データは、少なくとも1つの測定機器を使用して着用者で測定された特徴に関連している。
【0039】
測定データは、着用者の処方に関連し得る。「着用者の処方」という用語は、眼科医又は検眼士により、例えばその個人の眼球の前方に配置されたレンズを用いて、着用者の視力障害を矯正すべく判定された屈折力の、乱視の、プリズム偏差の、軸の光学特性のセットを意味するものと理解されるべきである。例えば、近視眼球に対する処方は、遠方視に判定された軸に沿った屈折力及び乱視の値を含んでいる。
【0040】
着用者の処方は、客観的測定又は主観的測定などの異なる測定プロセスを使用して判定され得る。着用者の処方に関連する異なる測定データは、本開示による装置の処理回路によって受信及び記憶され得る。
【0041】
測定データは、着用者の屈折感度の測定に関連し得る。着用者の屈折感度は、係属中の国際公開第2020/016398号パンフレットに開示されている方法を使用して判定され得る。
【0042】
測定データは、着用者の測定された調節の容易さに関連し得る。
【0043】
測定データは、測定されたカッパ角度に関連し得る。カッパ角度は、瞳孔軸と視軸との間の角度である。
【0044】
測定機器による測定データは、着用者が追加で屈折の影響を受けるかどうか、及び/又は着用者の調節の容易さが制限されるかどうかを判定することを可能にし得る。
【0045】
図1に示されるように、処理回路は、既往歴データを受信及び記憶するように構成され得る。
【0046】
既往歴データは、着用者の視力病歴に関連し得る。そのような情報は、着用者自身が特定の質問に回答することによって、又は着用者の視力に関連する情報を取得することを目的として、着用者を知って適切な情報を与えることができる他の人々によって、のいずれかで提供され得る。
【0047】
既往歴データは、着用者の視力習慣に関連する情報を含み得る。例えば、着用者が短距離、中距離、遠距離を視認するのに費やした時間の割り当て。
【0048】
既往歴データは、着用者の視力快適性に関する情報を含み得る。例えば、着用者が読書したり、コンピュータ画面、テレビ画面を見たり、運転したり、通りを歩いたり、又は階段を昇降したりするときに快適かどうかの指標。
【0049】
既往歴データは、着用者の眼の光感度に関する情報を含み得る。特に、光の強度及び/又は波長に対する着用者の眼の感度。
【0050】
既往歴データには、着用者の視力環境に関する情報を含み得る。例えば、視力環境情報は、着用者の環境が主に人工光又は自然光であるかどうか、着用者が1日あたりどれだけ長くスクリーンを使用するか、着用者の視力環境におけるUV光の量の指標を含み得る。
【0051】
既往歴データは、着用者のライフスタイルに関する情報を含み得る。例えば、ライフスタイル情報には、準備、画面の視認、屋内、屋外、日中又は夜間の運転に費やされた毎日の時間の指標が含まれ得る。
【0052】
本開示では、既往歴データは、処方データとは異なる。
【0053】
図1に示されるように、処理回路は、現在の光学デバイスデータを受信及び記憶するように構成され得る。現在の光学デバイスデータは、着用者が使用している現在の光学デバイスに関連し得る。
【0054】
現在の光学デバイスは、本開示による装置を使用している間に着用者が着用する光学機器に対応することができる。
【0055】
それは、現在の光学機器、すなわち、着用者が日常生活で使用している光学機器によって理解されている。
【0056】
現在の光学デバイスデータは、本開示に従って、着用者の処方、及び/又は装置に面する着用者の着用状態に基づいて取得又は導出され得る。好ましくは、現在の光学デバイスデータは、以前の着用者の処方に基づいて取得又は導出され得る。
【0057】
好ましくは、以前の処方は、本開示に従って、装置に面する前に着用者に提供される最後の処方を定義する。
【0058】
特定の実施形態では、現在の光学デバイスは、着用者が着用する光学デバイスで測定された数値の、本開示による装置に面する前に着用者に提供された直前の処方及び/又は以前の着用状態データに対する比較によって判定され得る。
【0059】
測定された光学デバイスの測定データの数値と、以前の処方及び/又は以前の着用状態データとの間の差が閾値を下回っている場合、着用者が着用する光学デバイスは、以前の処方及び/又は以前の着用状態データに基づいて提供される現在の光学デバイスに対応する。
【0060】
好ましくは、測定された以前の処方及び/又は以前の着用状態データは、データベースに記憶される。
【0061】
現在の光学デバイスデータは、現在の光学レンズの光学機能、及び/又は現在の光学レンズの異なるコーティング、及び/又は現在の光学レンズの形状、及び/又は現在の光学レンズの材料、現在の光学レンズが眼鏡フレームに取り付けられている場合の現在の取り付けパラメータ、に関連し得る。
【0062】
有利にも、現在の光学デバイスデータを使用して、既往歴の回答のいくつかをよりよく理解及び解釈することができる。
【0063】
例えば、着用者が現在使用している現在の光学デバイスに青色光保護コーティングが施されているかどうかを知ることは、コンピュータを使用しテレビを見る際の自身の快適さに関する着用者の回答を解釈する際に関連し得る。
【0064】
更に、現在の光学デバイスが累進付加レンズを有するかどうかを知ることは、新しい光学デバイスの推奨を使用する際に有用であり得る。
【0065】
図1に示されるように、処理回路は、着用者の年齢に関連する年齢データを受信及び記憶するように構成され得る。
【0066】
図1に示されるように、処理回路は、例えば、所定の処理規則に基づいて、測定された既往歴及び現在の光学デバイスデータのうちの少なくとも2つを処理するように更に構成されている。
【0067】
好ましい実施形態では、処理回路は、所定の処理規則に基づいて、測定された既往歴及び現在の光学デバイスデータの全てを処理するように更に構成されている。
【0068】
所定の処理規則は、アイケア専門家が着用者の視力に関して収集され得る全てのデータを処理するのに役立ち得る。実際、利用可能なデータの増加に伴い、光学機器のカスタマイズが増大し、可能な測定値の精度が向上するが、アイケア専門家が利用可能な全ての情報を手動又は精神的に処理することがますます困難になるため、光学デバイスが提供されている。
【0069】
処理規則は、着用者のニーズに適した光学デバイスを判定して推奨を与える前に、非網羅的なリスト中の開示に従って装置によって受信された異なるデータを考慮に入れるアルゴリズムであり、したがって、アイケア専門家が着用者に推奨を行うのを支援する。
【0070】
当業者であれば、着用者データ、着用者の地理的領域、及び測定された光学的障害が、着用者に推奨される光学デバイスに影響を与えることを知っている。
【0071】
非網羅的なリストは、現在の光学デバイスのタイプ、現在の光学デバイスの処方、年齢、着用者の性別、着用者の地理的起源、調節を達成するために東に制限されたものなどの任意の光学的障害、追加での屈折、及び/又は眼精疲労、を含み得る。
【0072】
これらのデータは、光学デバイスの推奨に進むための処理規則によって考慮され得るデータの非網羅的な例である。
【0073】
本開示に従って装置によって受信されたデータに基づいて、着用者に適合された光学要素を推奨するために異なる処理規則が適用される。
【0074】
所定の処理規則は、着用者の現在の光学デバイスに基づいて選択されるか、又は異なる重みを与えられ得る。
【0075】
着用者の特定の視覚的な不快さ又は快適さの解釈は、着用者の現在の光学機器に応じて異なって処理される場合がある。
【0076】
例えば、反射防止コーティングは、夜間の運転時の視覚的な不快さを軽減することが知られている。したがって、現在の光学デバイスに反射防止コーティングを施している着用者は、夜間の運転の際に視覚的な不快さを示さない場合があるが、所定の処理規則では、反射防止コーティングを推奨すべきである。
【0077】
着用者の現在の機器が累進付加レンズを備えているかどうかにかかわらず、光学機器の推奨が等しい全ての他のものは異なる。
【0078】
図1に示されるように、処理回路は、処理データに基づいて着用者に対する光学デバイスを推奨するように更に構成されている。
【0079】
推奨は、矯正レンズ及び/又は保護レンズ、単焦点、読書用レンズ、累進付加レンズ、多焦点レンズなどの、任意のタイプの光学デバイスに関連し得るが、これらに限定されない。
【0080】
推奨は、光学デバイスに含まれる、又は光学デバイスである光学レンズの光学機能に更に関連し得る。
【0081】
推奨は、ハードコート、自己修復コーティング、反射防止コーティング、青色光フィルターコーティングなどの光学デバイスのコーティングに更に関連し得るが、これらに限定されない。
【0082】
図1に示されるように、本開示の装置は、推奨される光学デバイスを更にカスタマイズすることを可能にし得る。例えば、アイケア専門家は、自身のベストプラクティスに基づいて推奨を適合させることができる。
【0083】
本発明の一実施形態によれば、本開示による装置は、少なくとも以前のカスタマイズに基づいて、所定の処理規則の少なくとも一部を適合させるように更に構成され得る。
【0084】
有利にも、所定の処理規則は、アイケア専門家のベストプラクティスに適合し得て、その専門家が自身の推奨を適合させる必要性を低減することができる。
【0085】
任意選択的に、推奨を適合させると、アイケア専門家は、そのような推奨が所定の処理規則において考慮されるべきかどうか尋ねられ得る。
【0086】
有利にも、本開示の装置は、複数のデータ入力、その後のエラーを回避し、紙のファイルを低減し、記憶スペースの必要性を低減する。アイケア専門的な実践とデータ共有の合理化が容易になる。
【0087】
本開示の装置は、アイケア専門店でスムーズな着用者の旅を創り出すことによって、アイケア専門家のワークフローの生産性を加速するのに役立つ。
【0088】
店内のワークフローを改善することにより、アイケア専門家がより高い品質の着用者ケアを提供できるようになる。
【0089】
本開示による装置は、収集されたデータを何年にもわたって安全に記憶する能力を有する。機器データ、処方、レンズの推奨などの着用者の履歴がすぐに利用可能であり得、アイケア専門家が過去の結果と現在の結果を比較することが可能になる。加えて、全ての情報を安全に保護するために、アイケア専門家のデータは、自動的にバックアップされ得る。
【0090】
図1に示されるように、本開示の装置は、表示デバイスを更に備えることができ、処理回路は、推奨される光学デバイスのグラフィック表現を表示するように更に構成され得る。
【0091】
図2は、推奨される光学レンズのそのようなグラフィック表現の図示された例である。
【0092】
本開示の一実施形態によれば、処理回路は、推奨される光学デバイスに対する測定データ及び/又は既往歴データの影響のグラフィック表現を表示するように更に構成されている。
【0093】
有利にも、本開示による装置は、アイケア専門家が着用者に完全に関与するのに役立ち得る。
【0094】
本開示の装置は、デジタル既往歴から開始して、眼の検査全体にわたって関連情報を整理及びハイライトするのに役立つことができ、本発明の装置により、アイケア専門家が着用者に個人の視覚データ及び必要性を提示する際に、より影響を与えることを可能にする。
【0095】
本開示の一実施形態によれば、装置は、表示デバイスを更に備え、処理回路は、
- 着用者と同様の特徴を有する着用者が快適である視線距離に対応する、視線距離の範囲の視線距離スケール及びそのスケール上の指標、
- 着用者が自身の現在の光学デバイスを使用する際に快適である視線距離の指標、
を表示し、且つ
- 推奨される光学デバイスを選択すると、推奨される光学デバイスを使用する際に着用者が快適である適合された視線距離の指標を表示する、
ように更に構成されている。
【0096】
このような表示の例を、図3に示している。
【0097】
有利にも、推奨される光学デバイスの結果のそのような表現は、着用者が推奨される光学デバイスの利益を理解するのに役立つ。
【0098】
実際、推奨される光学デバイスを単に選択することによって、アイケア専門家は、着用者が快適になる視線方向が変化し、同じ年齢及び/又は同じ視力問題などの同様の機能を有する着用者の範囲内にあることを、着用者に示すことができる。
【0099】
図4に示されるように、本開示は更に、現在の光学デバイスを有する着用者に適合された光学デバイスを推奨するための装置の処理回路によって実行される方法に関する。
【0100】
本開示の方法は、少なくとも1つの測定機器を使用して着用者で測定された特徴に関連する測定データを受信及び記憶するステップS1を含み得る。
【0101】
本開示の装置に関連する測定データの詳細な説明は、本開示による方法に適用される。
【0102】
本開示の方法は、着用者の既往歴に関連する既往歴データを受信及び記憶するステップS2を含み得る。
【0103】
本開示の装置に関連する既往歴データの詳細な説明は、本開示による方法に適用される。
【0104】
本開示の方法は、着用者によって使用される現在の光学デバイスに関連する現在の光学デバイスデータを受信及び記憶するステップS3を含み得る。
【0105】
本開示の装置に関連する現在の光学デバイスデータの詳細な説明は、本開示による方法に適用される。
【0106】
本開示の方法は、所定の処理規則に基づいて、測定データ、既往歴データ、及び現在の光学デバイスデータのうちの少なくとも2つ、好ましくは全てを処理するステップS5を含む。
【0107】
本開示の装置に関連する処理の詳細な説明は、本開示による方法に適用される。
【0108】
図4に示されるように、本開示の方法は、処理データに基づいて着用者に対する光学デバイスを推奨するステップS6を含む。
【0109】
本開示の装置に関連する推奨の詳細な説明は、本開示による方法に適用される。
【0110】
任意選択的に、本開示の方法は、着用者の年齢に関連する年齢データのS4と、所定の処理規則の少なくとも一部に基づいて、測定データ、既往歴データ、及び現在の光学デバイスデータと共にそのような年齢データを処理することと、を含む。
【0111】
本開示の装置に関連する年齢データの詳細な説明は、本開示による方法に適用される。
【0112】
図4に示されるように、本開示の方法は、少なくとも現在の光学デバイスデータに基づいて、所定の処理規則の少なくとも一部を適合させるステップS31を含む。
【0113】
本開示の装置に関連する現在の光学デバイスデータに基づく所定の処理規則の適合の詳細な説明は、本開示による方法に適用される。
【0114】
光学デバイスを推奨するステップに加えて、本開示の方法は、推奨される光学デバイスをカスタマイズするステップS7を含み得る。
【0115】
図4に示されるように、所定の処理規則の少なくとも一部は、ステップS7から発行されたカスタマイズに基づいて適合され得る。
【0116】
本開示の装置に関連する推奨のカスタマイズ及び所定の処理規則の適合の詳細な説明は、本開示による方法に適用される。
【0117】
好ましくは、本開示の方法は、推奨される光学デバイスのグラフィック表現を表示するステップS8を含む。
【0118】
本発明の方法は、推奨される光学デバイスに対する測定データ及び/又は既往歴データの影響のグラフィック表現を表示するステップを更に含み得る。
【0119】
本開示の装置に関連する推奨される光学デバイスに対する推奨の表示、並びに測定データ及び/又は既往歴データの影響の詳細な説明は、本開示による方法に適用される。
【0120】
本開示の一実施形態によれば、方法は、
- 着用者と同様の特徴を有する着用者が快適である視線距離に対応する、視線距離の範囲の視線距離スケール及びそのスケール上の指標、
- 着用者が自身の現在の光学デバイスを使用する際に快適である視線距離の指標、
を表示することと、
- 推奨される光学デバイスを選択すると、推奨される光学デバイスを使用する際に着用者が快適である適合された視線距離の指標を表示することと、
を含み得る。
【0121】
特定の順序で提示されているが、本開示による方法の異なるステップは、アイケア専門家のニーズに応じて異なる順序で実行することができる。特に、ステップS1~S4は、本開示の方法を実行するアイケア専門家によって好まれる任意の順序で実行され得る。
【実施例
【0122】
実施例1
着用者は、現在の光学デバイスとして単焦点レンズを有している。最後の着用者の既往歴では、着用者は、読書の際に眼精疲労を有することを示している。
【0123】
測定機器による測定に基づいて、本開示による装置は、着用者の眼の調節の容易さが制限されていると判定する。
【0124】
本実施例では、光学デバイスを推奨するための装置は、3つの入力、すなわち、
- 現在の光学デバイスが累進レンズであること、
- 既往歴が読書の際の眼精疲労を言及していること、及び
- 着用者の眼の調節の容易さが制限されているとの測定、を受信する。
【0125】
これらの入力に基づいて、装置は、アイケア専門家が、着用者の近方視力を強化するために光パワーブーストを有する単焦点レンズである光学レンズを推奨すべきであると判定し、制限された調節の容易さを克服することを可能にし、制限された調節の容易さを克服することを可能にすることができた。
【0126】
これらの入力に基づいて、装置は、着用者の現在の光学デバイスである累進レンズを、光パワーブーストを有する単焦点光学レンズと交換することを推奨する。
【0127】
実施例2
着用者は、現在の光学デバイスとして単焦点レンズを有している。最後の着用者の既往歴では、着用者は、読書の際に眼精疲労を有しないことを示している。
【0128】
測定機器による測定に基づいて、本開示による装置は、着用者が追加で屈折の影響を受けないこと、及び眼の調節の容易さが制限されないことを判定する。
【0129】
本実施例では、光学デバイスを推奨するための装置は、4つの入力、すなわち、
- 現在の光学デバイスが単焦点レンズであること、
- 既往歴が読書の際の眼精疲労を言及していないこと、
- 着用者が追加で屈折の影響を受けないこと、及び
- 着用者の制限された眼の調節の容易さが測定されていないこと、
を受信する。
【0130】
これらの入力に基づいて、装置は、視力障害が測定機器によって測定されておらず、又は既往歴によって提供されていないため、アイケア専門家が依然として単焦点レンズである光学レンズを推奨すべきであると判定する。
【0131】
これらの入力に基づいて、装置は、着用者に単焦点光学レンズの使用を継続することを推奨する。
【0132】
実施例3
着用者は、現在の光学デバイスとして単焦点レンズを有している。最後の着用者の既往歴では、着用者は、読書の際に眼精疲労を有することを示している。
【0133】
測定機器による測定に基づいて、本開示による装置は、着用者が追加で屈折の影響を受けないこと、及び眼の調節の容易さが制限されないことを判定する。
【0134】
本実施例では、光学デバイスを推奨するための装置は、5つの入力、すなわち、
- 現在の光学デバイスが単焦点レンズであること、
- 既往歴が読書の際の眼精疲労を言及していること、
- 着用者が追加で屈折の影響を受けないこと、及び
- 着用者の制限された眼の調節の容易さが測定されていないこと、
- 着用者の年齢、
を受信する。
【0135】
これらの入力に基づいて、装置は、アイケア専門家が、着用者の近方視力を強化し、読書の際の眼精疲労を回避するために、光パワーブーストを有する単眼レンズである光学レンズを推奨すべきであると判定する。
【0136】
これらの入力に基づいて、装置は、着用者の現在の光学デバイスである単焦点レンズを、着用者の近方視力を強化するための光パワーブーストを有する単焦点光学レンズと交換することを推奨する。
【0137】
実施例4
着用者は、現在の光学デバイスとして単焦点レンズを有している。
【0138】
測定機器による測定に基づいて、本開示による装置は、着用者が追加で屈折の影響を受けないが、眼の調節の容易さが制限されていると判定する。
【0139】
本実施例では、光学デバイスを推奨するための装置は、3つの入力、すなわち、
- 現在の光学デバイスが単焦点レンズであること、
- 着用者が追加で屈折の影響を受けないこと、及び
- 着用者の制限された眼の調節の容易さが測定されていること、
を受信する。
【0140】
これらの入力に基づいて、装置は、アイケア専門家が、着用者の近方視力を強化し、制限された調節の容易さを克服することを可能にし得る、光パワーブーストを有する単眼レンズである光学レンズを推奨すべきであると判定する。
【0141】
これらの入力に基づいて、装置は、着用者の現在の光学デバイスである単焦点レンズを、光パワーブーストを有する単焦点光学レンズと交換することを推奨する。
【0142】
実施例5
着用者は、現在の光学デバイスとして単焦点レンズを有している。
【0143】
測定機器による測定に基づいて、本開示による装置は、着用者が追加で屈折の影響を受けると判定する。
【0144】
本実施例では、光学デバイスを推奨するための装置は、2つの入力、すなわち、
- 光学デバイスは単焦点レンズであること、及び
- 着用者が追加で屈折の影響を受けること、を受信する。
【0145】
これらの入力に基づいて、装置は、アイケア専門家が屈折を克服するために累進レンズである光学レンズを推奨すべきであると判定する。
【0146】
これらの入力に基づいて、装置は、着用者の現在の光学デバイスである単焦点レンズを、累進レンズに交換することを推奨する。
【0147】
実施例6
着用者は、現在の光学デバイスとして光パワーブーストを有する単焦点レンズを有している。
【0148】
測定機器による測定に基づいて、本開示による装置は、着用者が追加で屈折の影響を受けると判定する。
【0149】
本実施例では、光学デバイスを推奨するための装置は、3つの入力、すなわち、
- 現在の光学デバイスが、光パワーブーストを有する単焦点レンズであること、
- 着用者が追加で屈折の影響を受けること、
を受信する。
【0150】
これらの入力に基づいて、装置は、アイケア専門家が屈折を克服するために累進レンズである光学レンズを推奨すべきであると判定する。
【0151】
これらの入力に基づいて、装置は、着用者の現在の光学デバイスである光パワーブーストを有する単焦点レンズを、累進レンズに交換することを推奨する。
【0152】
実施例7
着用者は、現在の光学デバイスとして光パワーブーストを有する単焦点レンズを有している。
【0153】
測定機器による測定に基づいて、本開示による装置は、着用者が追加で屈折の影響を受けないと判定する。
【0154】
本実施例では、光学デバイスを推奨するための装置は、3つの入力、すなわち、
- 現在の光学デバイスが、光パワーブーストを有する単焦点レンズであること、
- 着用者が追加で屈折の影響を受けないこと、
を受信する。
【0155】
これらの入力に基づいて、装置は、測定機器によって視力障害が測定されていないため、アイケア専門家は、光パワーブーストを有する単眼レンズである光学レンズを依然として推奨すべきであると判定する。
【0156】
これらの入力に基づいて、装置は、着用者に光パワーブーストを有する単焦点光学レンズの使用を継続することを推奨する。
【0157】
上記の実施例は、処理ルールの異なる例を定義している。
【0158】
本発明に従って装置によって受信された他のデータは、これと同じ推奨につながる場合がある。装置によって受信されたデータは、多かれ少なかれデータを含み得、これらのデータは、上記の実施例の受信されたデータと同じ及び/又は異なる場合がある。
【0159】
これらの適合可能な推奨は、本開示による装置の処理回路によって行われる。
【0160】
本発明については、発明の全般的な概念を限定することなく、複数の実施形態を参照しながら上述してきた。
【0161】
多くの更なる改良及び変形は、ほんの一例として与えられ、且つ、発明の適用範囲を制限する意図はなく、添付特許請求の範囲によってのみ決定される前述の例示的な実施形態に言及する際に当業者にとって明らかになるであろう。
【0162】
特許請求の範囲において、「含む(comprising)」という語は、他の要素又はステップを排除せず、不定冠詞「a」又は「an」は、複数を排除しない。異なる特徴が相互に異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、これらの特徴の組み合わせを好都合に使用することができないことを示すものではない。特許請求の範囲におけるいかなる参照符号も、本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
図1
図2
図3
図4