(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-20
(45)【発行日】2024-10-01
(54)【発明の名称】V2Xグループ管理におけるリーダー選択
(51)【国際特許分類】
G08G 1/16 20060101AFI20240924BHJP
G08G 1/09 20060101ALI20240924BHJP
B60W 30/16 20200101ALI20240924BHJP
【FI】
G08G1/16 E
G08G1/09 H
B60W30/16
(21)【出願番号】P 2022555639
(86)(22)【出願日】2020-04-30
(86)【国際出願番号】 CN2020088455
(87)【国際公開番号】W WO2021217632
(87)【国際公開日】2021-11-04
【審査請求日】2023-03-31
(73)【特許権者】
【識別番号】595020643
【氏名又は名称】クゥアルコム・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100158805
【氏名又は名称】井関 守三
(74)【代理人】
【識別番号】100112807
【氏名又は名称】岡田 貴志
(72)【発明者】
【氏名】イー、ラン
(72)【発明者】
【氏名】バッシロフスキー、ダン
(72)【発明者】
【氏名】マーシュ、ジーン・ウェスリー
(72)【発明者】
【氏名】チェン、ホン
【審査官】佐藤 吉信
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-077652(JP,A)
【文献】特開2014-157489(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2020-0038139(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2015-0106260(KR,A)
【文献】特開2014-056483(JP,A)
【文献】特開2013-061788(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0272760(US,A1)
【文献】特開2011-250021(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00-99/00
G01C 21/00-21/36
G01C 23/00-25/00
B60W 10/00-10/30
B60W 30/00-60/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両グループ形成におけるリーダー選択の方法であって、
どの車両がグループリーダーにあるべきかを決定するために使用される各車両の車両情報を共有するために、第1の車両において、1つまたは複数の他の車両の各車両から
ブロードキャストされるメッセージを受信することと、ここにおいて、各メッセージは、それぞれ
の車両のロケーション、動き状態、および意図されたマニューバを備える
前記車両情報を含み、
前記第1の車両の車両情報は、前記1つまたは複数の他の車両と共有するために前記第1の車両からブロードキャストされる、
前記第1の車両によって、
前記1つまたは複数の他の車両からの前記各メッセージの車両情報と、前記第1の車両の対応する車両情報との比較に基づいて、前記第1の車両が前記意図されたマニューバを実行するために作成されるべき車両のグループのためのグループリーダーとして適格であると決定することと、車両の前記グループは、前記第1の車両と共通の意図されたマニューバを有する車両から形成される、
前記第1の車両が前記グループリーダーとして適格であると決定することに応答して、前記第1の車両から、前記1つまたは複数の他の車両の各々に第1の要求を送ることと、ここにおいて、前記第1の要求は、前記第1の車両が前記グループリーダーになることを求める要求である、
を備える方法。
【請求項2】
前記第1の車両において、前記1つまたは複数の他の車両の各々から前記第1の要求の受け入れを受信することと、
前記第1の要求の前記受け入れを受信することに応答して、前記第1の車両によるグループ形成を開始することと、
をさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の車両によるグループ形成を開始することは、
前記第1の車両から、前記1つまたは複数の他の車両の各々に第2の要求を送ることと、ここにおいて、前記第2の要求は、前記車両のグループを形成する要求であり、
前記第1の車両において、前記1つまたは複数の他の車両の各々から前記第2の要求の受け入れを受信することと、
前記第2の要求の前記受け入れを受信することに応答して、
前記第1の車両によって、前記車両のグループについての1つまたは複数のグループ特性を決定することと、
前記第1の車両から、前記1つまたは複数の他の車両の各々にグループ特性告知を送ることと、ここにおいて、前記グループ特性告知は、前記車両のグループについての前記1つまたは複数のグループ特性を示す情報を備える、
を備える、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の車両において、前記1つまたは複数の他の車両のうちの第2の車両から前記第1の要求の拒否を受信することと、
前記第1の車両において、前記第2の車両に関する追加の車両情報を受信することと、
前記第1の車両において、前記第2の車両からの第3の要求を受信することと、ここにおいて、前記第3の要求は、前記第2の車両が前記グループリーダーになることを求める要求であり、
前記第1の車両において、前記第2の車両に関する前記追加の車両情報に基づいて、前記要求を受け入れることを決定することと、
前記第1の車両から前記第2の車両に、前記第3の要求の受け入れを送ることと、
をさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第2の車両に関する前記追加の車両情報は、前記第2の車両からの前記第1の要求の前記拒否において受信される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の車両が前記車両のグループのための前記グループリーダーとして適格であると決定することは、前記第1の車両が前記1つまたは複数の他の車両のいずれの車両よりも前記意図されたマニューバの開始ロケーションに近いと決定することを備え得る、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の車両が前記車両のグループのための前記グループリーダーとして適格であると決定することは、前記第1の車両が前記1つまたは複数の他の車両のいずれの車両よりも多くのマニューバ関連能力を有すると決定することを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記マニューバ関連能力は、
センサ能力、
通信能力、または、
計算能力、または、
これらの任意の組合せ、
を備える、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
車両グループ形成におけるリーダー選択の方法であって、
どの車両がグループリーダーにあるべきかを決定するために使用される各車両の車両情報を共有するために、第2の車両において、第1の車両から
ブロードキャストされるメッセージを受信することと、ここにおいて、前記メッセージは、前記第1の車両のロケーション、動き状態、および意図されたマニューバを備える車両情報を含み、
前記第2の車両の車両情報は、前記第1の車両と共有するために前記第2の車両からブロードキャストされる、
前記第2の車両において、前記第1の車両からの第1の要求を受信することと、ここにおいて、前記第1の要求は、前記第1の車両が前記意図されたマニューバを実行するために作成されるべき車両のグループのためのグループリーダーになることを求める要求であり、車両の前記グループは、前記第1の車両と共通の意図されたマニューバを有する車両から形成される、
前記第2の車両によって、前記メッセージの前記車両情報と、前記第2の車両の対応する車両情報との比較に基づいて、前記第2の車両が前記グループリーダーとして適格であると決定することと、
前記第2の車両が前記グループリーダーとして適格であると決定することに応答して、前記第2の車両から前記第1の車両に、
前記第1の要求の拒否、および
第2の要求、ここにおいて、前記第2の要求は、前記第2の車両が前記グループリーダーになることを求める要求である、
を送ることと、
を備える方法。
【請求項10】
前記第2の車両において、前記第1の車両から前記第2の要求の受け入れを受信することと、
前記第2の要求の前記受け入れを受信することに応答して、前記第2の車両によるグループ形成を開始することと、
をさらに備える、請求項9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両間通信に関する。
【背景技術】
【0002】
[0001]V2X(vehicle-to-everything)は、車両および関連するエンティティが交通環境に関する情報を交換するための通信規格である。V2Xは、V2X対応車両間の車車間(V2V:vehicle-to-vehicle)通信、車両とインフラストラクチャベースのデバイス(一般に路側機またはRSUと呼ばれる)との間の路車間(V2I:vehicle-to-infrastructure)通信、および車両と近くの人々(歩行者、自転車利用者、および他の道路利用者)との間の歩車間(V2P:vehicle-to-person)通信等を含み得る。さらに、V2Xは、様々なワイヤレス無線周波数(RF)通信技術のうちの任意のものを使用し得る。例えば、セルラV2X(CV2X)は、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP(登録商標))によって定義されるような、ロングタームエボリューション(LTE(登録商標))、第5世代ニューラジオ(5G NR)、および/または直接通信モードにおける他のセルラ技術等のセルラベースの通信を使用するV2Xの形態である。V2Xメッセージを通信するために使用される、車両、RSU、または他のV2Xエンティティ上の構成要素もしくはデバイスが、総称的にV2XデバイスまたはV2Xユーザ機器(UE)と呼ばれる。
【0003】
[0002]先進運転者支援システム(ADAS:Advanced Driver-Assistance System)を有する車両を含む、自律走行車両および半自律走行車両は、V2Xを使用してマニューバ(maneuvers、操縦走行)を通信し、協調(coordinate)させ得る。V2X対応車両(「V2X車両」)が道路上で安全にマニューバするのを助けるために、V2X車両は、意図されたマニューバを他のV2X車両に通信し得る。V2X車両のグループが、共通のマニューバをより効率的に行うために形成され得る。
【発明の概要】
【0004】
[0003]本明細書で説明される技法は、車両間通信に基づく、車両のグループのリーダー選択を提供する。実施形態によれば、ホスト車両が、潜在的なグループ内の他の車の車両情報と、それ自身の車両情報とを比較することによって、それが(ホスト車両が)潜在的なグループのリーダーとして適格であると決定し得る。いったん決定がなされると、次いで、ホストは、他の車両に対してグループリーダーになることを要求し得る。他の車両が受け入れた場合、ホスト車両は、グループ形成を開始し得る。そうでない場合、別の車両が、要求を拒否して、グループリーダーになるためのそれ自身の要求を送り得、グループリーダーが決定されるまで、グループリーダー交渉を再開する。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1A】[0004]
図1Aは、V2X車両が同様のマニューバを行い得る、例となるシナリオを例示する。
【
図1B】
図1Bは、V2X車両が同様のマニューバを行い得る、例となるシナリオを例示する。
【
図2A】[0005]
図2Aは、V2X車両のためのマニューバが車両間のみのメッセージングを使用して管理される、例となるシナリオを例示する。
【
図2B】
図2Bは、V2X車両のためのマニューバが車両とRSUとの間のメッセージングを使用して管理される、例となるシナリオを示す。
【
図3A】[0006]
図3Aは、V2X車両がグループでマニューバを行うように管理され得る、例となるシナリオを例示する。
【
図3B】
図3Bは、V2X車両がグループでマニューバを行うように管理され得る、例となるシナリオを例示する。
【
図3C】
図3Cは、V2X車両がグループでマニューバを行うように管理され得る、例となるシナリオを例示する。
【
図3D】
図3Dは、V2X車両がグループでマニューバを行うように管理され得る、例となるシナリオを例示する。
【
図4A】[0007]
図4Aは、いくつかの実施形態による、潜在的なグループのためのリーダーを決定するときの、ホスト車両と1つまたは複数の遠隔車両との間の通信および基本機能を例示するコールフロー図である。
【
図4B】
図4Bは、いくつかの実施形態による、潜在的なグループのためのリーダーを決定するときの、ホスト車両と1つまたは複数の遠隔車両との間の通信および基本機能を例示するコールフロー図である。
【
図5】[0008]
図5は、いくつかの実施形態による、ホスト車両が、いったんグループリーダーとして指定されると、車両のグループを形成し得るプロセスを例示するコールフロー図である。
【
図6】[0009]
図6は、いくつかの実施形態による、車両グループ形成におけるリーダー選択の方法のフロー図である。
【
図7】
図7は、いくつかの実施形態による、車両グループ形成におけるリーダー選択の方法のフロー図である。
【
図8】[0010]
図8は、V2Xデバイスの一実施形態のブロック図である。
【
図9】[0011]
図9は、一実施形態による、車両が様々なネットワーク上で、ならびに様々なデバイス、車両、およびサーバと通信し得るシステムの図である。
【
図10】[0012]
図10は、一実施形態による、車両の機能ブロック図である。
【
図11】[0013]
図11は、一実施形態による、例となる車両の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
[0014]ある特定の例となる実装形態に従って、様々な図面における同様の参照記号は、同様の要素を示す。加えて、要素の複数のインスタンスは、要素についての第1の番号の後に、文字またはハイフンと第2の番号を続けることによって示され得る。例えば、要素110の複数のインスタンスは、110-1、110-2、110-3等として、または110a、110b、110c等として示され得る。第1の番号のみを使用してそのような要素を参照するとき、要素の任意のインスタンスが理解されるべきである(例えば、先の例における要素110は、要素110-1、110-2、および110-3、または要素110a、110b、および110cを参照することになる)。
【0007】
[0015]ここで、いくつかの例示的な実施形態が、本明細書の一部を形成する添付の図面に関して説明される。本開示の1つまたは複数の態様が実施され得る特定の実施形態が以下で説明されるが、本開示の範囲から逸脱することなく、他の実施形態が使用され得、様々な修正が行われ得る。
【0008】
[0016]本明細書で言及される場合、「V2Xデバイス」、「V2X車両」、および「V2Xエンティティ」は、それぞれ、V2Xメッセージを送信および受信することが可能なデバイス、車両、およびエンティティを指す。同様に、「非V2X車両」および「非V2Xエンティティ」は、V2X通信に従事しない、または従事することができない車両およびエンティティを指す。さらに、本明細書でより詳細に説明される「V2Xデバイス」は、V2X通信を可能にするために、V2Xエンティティに組み込まれ得、および/またはV2Xエンティティによって使用され得る、デバイス、システム、構成要素、または同様のものを指す。多くの実施形態が「V2X車両」および「非V2X車両」を説明するが、多くの実施形態は、歩行者、自転車利用者、道路危険物(road hazards)、障害物、および/または他の交通関連物体等の非車両エンティティを含むように拡張され得ることが理解されよう。さらに、実施形態は、必ずしもV2X対応の車両/RSUに適用されるわけではなく、交通関連通信が可能な車両および/またはRSUに適用され得ることが留意され得る。さらに、本明細書で提供される実施形態は、自律走行車両および/または半自律走行車両によって実行され得るが、実施形態はそのように限定されるものではない。実施形態は、例えば、(例えば、人間運転者に指示を伝えることが可能な車載ナビゲーションコンピュータ内で)意図されたマニューバを決定および通信するための能力を有する従来の(非自律走行)車両を含み得る。当業者であれば、そのような変形例を理解されよう。
【0009】
[0017]本明細書で提供されるグループリーダー選択のための実施形態は、V2X車両のグループが、それら自身の中から、グループのためのリーダーを決定することを可能にする。このグループリーダー選択プロセスは、各車両が、他の車両から情報を収集し、それがグループリーダーとして適格であるかどうかを決定することを可能にするプロトコルを伴う。グループリーダー選択、およびより一般的にはグループ形成は、V2X車両間でのより効率的な通信およびマニューバの実行を可能にする。
【0010】
[0018]
図1Aおよび
図1Bは、V2X車両のグループが、交差点100を通ってマニューバするために形成され得る、例となるシナリオを例示する。
図1Aでは、車両102a、102b、および102cは、西(
図1Aに「W」によって表される)から交差点100に接近し、軌道104に沿って交差点を通って北(
図1Aに「N」によって表される)に曲がることを意図しており、一方、車両106aおよび106bは、北から交差点100に接近し、軌道108に沿って交差点100を通って南(
図1Aに「S」によって表される)に進むことを意図している。
図1Aでは、車両102a~cの軌道104と、車両106a~bの軌道108とが交差するので、車両102a~cおよび106a~bのマニューバは、他のポリシーに基づいて、および交差点100における衝突を回避するように協調され得る。例えば、待機中および交差点100を通り抜ける際に、車両102a~cおよび106a~bによって費やされる総時間量を低減するために、車両102a~cは、それらが西から交差点100に接近するにつれて停止または減速するように制御され得、一方、車両106a~bは、軌道108に沿って交差点100を通って移動するように制御され得、これは、車両102a~cが交差点100を通って移動するのに、車両106a~bよりも長くかかり得るからである。車両106a~bが交差点100を通って移動した後、車両102a~cは、軌道104に沿って交差点100を通って移動するように制御され得る。いくつかの例では、車両102a~cはまた、例えば、車両102a~cが車両106a~bよりも高い優先度を有すること(例えば、緊急車両であること)に基づいて、車両106a~bより前に交差点100を通って移動するように制御され得る。
【0011】
[0019]
図1Bは、交差点100の管理の別の例となるシナリオを例示する。
図1Bに示されるように、車両102a~cは、西から交差点100に接近し、軌道114に沿って東に移動することを意図しており、一方、車両106a~bは、北から交差点100に接近し、軌道118に沿って交差点100において西に曲がることを意図している。軌道114は、軌道118と交差しないので、車両102a~cは、車両106a~bを、交差点100を通って移動させるために減速する必要はなく、逆もまた同様である。したがって、車両102a~cおよび106a~bは、交差点100を通り抜ける際の車両102a~cおよび106a~bの総通過時間を最小化するために、停止することなく交差点100を通って移動するように制御され得る。見て分かるように、車両102a~cおよび車両106a~bは、共通するやり方で(in a common fashion)マニューバし、したがって、単一のグループとして管理され得る。
図2Aおよび
図2Bは、グループがない場合、車両マニューバ管理がどのように非効率的になり得るかをさらに例示する。
【0012】
[0020]V2X等の交通メッセージング技術は、自律走行車両と非自律走行車両との両方に関して、交差点100および他の場所を通る交通マニューバを管理するのに特に有用であり得る。
図2Aおよび
図2Bは、交差点100を通る車両のマニューバを管理する、例となるアレンジメント(arrangements)を例示する。
図2Aは、車両102a、102b、106a、および106b等の、交差点100に接近してくる各車両が、車両間交渉を行うために互いに通信し得、各車両が、車両間交渉の結果に基づいて、交差点100を通るそれ自身のマニューバをスケジュールし得る、分散型メカニズム120を例示する。例えば、
図2Aでは、車両102bは、それぞれ、車両102a、106b、および106aとの通信リンク130、132、および134を確立し得る。通信リンク130、132、および134は、V2X規格に基づき得る。車両102bは、意図された軌道(例えば、
図1Aの軌道104および108)に関する情報を他の車両と交換し、通信リンク上で、V2Xメッセージング、自動車技術者協会(SAE:Society of Automotive Engineers)または欧州電気通信標準化機構高度道路システム(ETSI:European Telecommunications Standards Institute)等の標準化機構によって定義されるようなメッセージングを介して交換された情報に基づいて、交差点100を通るスケジュールされたマニューバ(例えば、速さ、軌道)を交渉し得る。
【0013】
[0021]
図2Aの分散型メカニズム120は、スケジューリング動作を車両にわたって分散させることによって、効率を改善し得るが、このようなアレンジメントはまた、いくつかの制限を有する。具体的には、分散型メカニズム120は、車両間で交換される多数のメッセージを必要とし得、これは、車両における通信および計算システムに重い負荷を引き起こし得る。例えば、上記で説明されたように、車両は、交差点100を通るそれらのマニューバを交渉するために、交差点100に接近してくる他の車両と通信する必要がある。メッセージ交換は、交渉の全てのステップにおいて必要とされ得、これは、多数のメッセージが交換されることにつながり、車両における通信および計算システムに重い負荷を生じさせ得る。
【0014】
[0022]さらに、多数の車両が関与する場合、軌道デッドロック(trajectory deadlock)が、分散型メカニズム120において潜在的な問題となり得る。例えば、車両は、異なる意図された軌道、優先度等を有し得、これは、関与する車両の相反する要件を解決する交差点100を通るマニューバアレンジメントを決定するために、長い時間がかかり得る。車両は、マニューバアレンジメントが決定される前に待機または停止さえもする必要があり得るので、分散型メカニズム120は、車両のマニューバに遅延を追加し、交通を減速させ得る。軌道デッドロックの問題は、例えば、車両の特性(例えば、優先度、意図された軌道、速さ、移動方向)がマニューバアレンジメントの決定中に変化したときに、さらに悪化し得、これは、残りの車両の軌道調整の連鎖効果(chain effect)につながり得、いずれの調整も変化した車両の特性に対応できない場合、軌道デッドロックにつながり得る。
【0015】
[0023]
図2Bは、交差点100を通る車両のマニューバを管理する集中型メカニズム140を例示する。
図2Bに示されるように、RSU210等の、交差点を管理するインフラストラクチャ構成要素の一部である管理システムが、それぞれ、車両102a、102b、106a、および106bとの通信リンク142、144、146、および148を確立し得る。通信リンク142、144、146、および148は、V2X規格に基づき得る。RSU210は、衝突を回避するため、および交差点100を通る車両の移動を加速するために、通信リンクを介してこれらの車両の意図された軌道の情報を受信し、意図された軌道に基づいて、各車両の個々のマニューバを制御し得る。RSU210は、通信リンク上でのメッセージング(例えば、V2X、SAE、ETSI)を介して、交差点100を通る各車両の個々のマニューバを直接制御し得る。
【0016】
[0024]
図2Bの集中型メカニズム140は、車両のマニューバを指示するための単一の管理システムを有することによって、軌道デッドロックの可能性を低減し得るが、集中型メカニズム140は、特にRSUが交差点100を通る多数の車両の移動を制御する場合に、RSUに多大な計算負担を及ぼし得る。さらに、集中型メカニズム140は、例えば、RSUが、交差点100を通る同じ意図された軌道を有する車両と個々に通信し、それら車両を個々に制御するときに、非効率性につながり得る。
【0017】
[0025]
図3A~
図3Dは、実施形態に従って、どのようにマニューバ管理が、同様のマニューバを行う車両のグループを使用して実施され得るかを例示する。図は交差点100を通ってマニューバしている車両を示すが、実施形態は、そのように限定されるものではないことが留意され得る。本明細書で提供されるリーダー選択の実施形態は、グループが形成され得る任意のタイプのマニューバリングに適用可能であり得る。これは、異なるタイプの交差点を通るマニューバリング、道路への合流および/または道路からの退出、車線変更すること等を含み得る。追加として、実施形態は、(単一のマニューバまたはマニューバのセットを行うために形成された)一時的なグループだけでなく、さもなければサードパーティアプリケーションを使用することで形成され得なかった(may not otherwise be formed)長期的なグループ(例えば、「小隊(platoons)」)にも適用され得る。
【0018】
[0026]
図3Aに示されるように、RSU302等の、交差点100を管理するインフラストラクチャ構成要素の一部である管理システムが、車両グループを管理し得る。RSU302は、オプションで、異なる基準に基づいて新しい車両グループを形成し得る。例えば、RSU302は、交差点100から所定の距離内にあり、かつ交差点100に接近してくる無所属の車両(例えば、いずれの車両グループにも割り当てられていない車両)の数が閾値を超えたとき等に、周期的に新しい車両グループを形成し得る。以下で説明されるように、RSU302はまた、車両が特定の車両グループにグループ分けされることを辞退するときに、新しい車両グループを形成し得、RSU302は、その車両のために新しい車両グループを形成し得る。グループは、同様のマニューバを行う車両から形成され得る。ここで、車両102a~cが同様の方法で交差点100を通ってマニューバしている場合、それらは、第1のグループ304に入れられ得る。同様に、車両106a~bもまた、(互いに)同様の方法で(しかし第1のグループ304内の車両とは異なって)交差点100を通ってマニューバしている場合には、それらは、第2のグループ306にグループ分けされ得る。
【0019】
[0027]これら車両が車両グループにグループ分けされた後、RSU302は、2段階制御メカニズムを介して、これら車両の移動を制御し得る。具体的には、制御メカニズムの第1の段階として、RSU302は、各車両グループのグループマニューバを示すメッセージを、各車両グループのグループリーダーに送信することによって、交差点100を通る車両グループのグループマニューバ目標(target)を決定し得る。車両グループのグループマニューバ目標は、車両グループの移動を全体としてスケジュールし得る。制御メカニズムの第2の段階として、各車両グループのグループリーダーは、各車両がマニューバを実行するためのタイミングおよび軌道に関して、グループ内の他の車両に指示し得る。グループリーダーはまた、車両グループ全体としての動きの現状(例えば、速さ、方向、位置)をRSU302に折り返し報告し得、これは、RSU302が、グループをさらに追跡および管理することを可能にする。車両グループ、各車両グループのグループマニューバ、および各車両グループ内の各メンバー車両のマニューバ目標を示すメッセージの通信は、メッセージング(例えば、V2X、SAE、ETSI)に基づき得る。
【0020】
[0028]
図3Bは、
図3Aに示される実施形態に対する代替の実施形態を例示する。ここで、グループの管理は、交差点100を管理する別個のインフラストラクチャ構成要素なしに、グループリーダー(車両102cおよび106b)によって行われる。このような実施形態では、車両自体が、グループのリーダーの決定を含む、グループ形成を提供し得る。次いで、グループリーダーは、他のエンティティ(例えば、他のグループ、RSU)に対して、グループのために通信し得る。(とは言うものの、上述されたように、
図3AのRSU302は、グループを形成しなくてもよい。すなわち、車両自体が、RSU302の助けなしに、グループを形成し、グループリーダーを指定し得る。このような事例では、次いで、RSU302は、交差点100を通る既に形成されたグループのマニューバリングを管理し得る。)交差点100を通ってマニューバするために、各グループは、マニューバを協調させるために、(グループリーダーを介して)他のグループと通信し得る。先と同様に、車両グループ、各車両グループのグループマニューバ、および各車両グループ内の各メンバー車両のマニューバ目標を示すメッセージの通信は、メッセージング(例えば、V2X、SAE、ETSI)に基づき得る。
【0021】
[0029]車両グループは、車両グループの全てのメンバー車両がマニューバを完了したときに終了(または「解散(dismissed)」)され得る。
図3Cおよび
図3Dは、車両グループが交差点100を出るときの車両グループ304の例となる動作を例示する。
【0022】
[0030]
図3Cに示されるように、グループリーダー102cは、グループリーダー102cが交差点100を出た後であっても、車両グループが交差点100を通り抜ける際に、車両グループ304内の全てのメンバー車両の車両マニューバを依然として設定し得る。
図3Dでは、車両グループ304内の最後のメンバー車両(車両102a)が交差点100を出た後、車両グループ304は終了され得、グループリーダー102cは、もはや車両102aおよび102bの車両マニューバを制御しない。
【0023】
[0031]本明細書の実施形態は、車両間通信に基づく、車両のグループのためのグループリーダーの選択に向けられる。実施形態によれば、ホスト車両が、潜在的なグループ内の他の車の車両情報と、それ自身の車両情報とを比較することによって、それが潜在的なグループのリーダーとして適格であると決定し得る。いったん決定がなされると、次いで、ホストは、他の車両に対してグループリーダーになることを要求し得る。他の車両が受け入れた場合、ホスト車両は、グループ形成を開始し得る。そうでない場合、別の車両が、要求を拒否して、グループリーダーになるためのそれ自身の要求を送り得、グループリーダーが決定されるまで、グループリーダー交渉を再開する。いくつかの実施形態による、リーダー選択のプロセスが、
図4Aおよび
図4Bに例示される。
【0024】
[0032]
図4Aは、一実施形態による、潜在的なグループのためのリーダーを決定するときの、ホスト車両410と1つまたは複数の遠隔車両420との間の通信および基本機能を例示するコールフロー図である。本明細書で使用される場合、「ホスト車両」という用語は、他の交通エンティティ(他の車両、RSU等)とのRF通信を送受信する車両を指す。この用語は、観点に基づいており、したがって、議論されている車両に基づいて変化し得る。例えば、特定の車両102cの能力が議論されている
図1Aを参照すると、特定の車両102cがホスト車両と呼ばれ得、一方、他の車両(例えば、102a、102b、106a、および106b)は、「遠隔車両」または「他の車両」と呼ばれ得る。しかしながら、「ホスト車両」および「遠隔車両」の指定は、別の特定の車両(例えば、102b)の機能を議論する場合、変化し得る。ホスト車両410または(1つまたは複数の)遠隔車両420に起因する
図4Aに例示されるブロックの機能は、それぞれのホスト車両または(1つまたは複数の)遠隔車両420のV2Xデバイスによって行われ得る。V2Xデバイスのソフトウェア構成要素および/またはハードウェア構成要素が、
図8に例示され、本明細書で以下に説明される。
【0025】
[0033]最初に、ホスト車両は、(1つまたは複数の)遠隔車両420から、(矢印430によって示される)車両情報を有する1つまたは複数のメッセージを受信し得る。ここで、メッセージは、V2X車両間で定期的に共有される情報を備え得る。これは、例えば、基本安全メッセージ(BSM:Basic Safety Message)、協調認識メッセージ(CAM:Cooperative Awareness Messages)、または同様のメッセージを含み得、これは、(1つまたは複数の)遠隔車両420によってブロードキャストされ得る。追加または代替として、ホスト車両410は、車両情報を有するメッセージを備える、(1つまたは複数の)遠隔車両420からの直接通信を受信し得る。同様の方法で、ホスト車両410は、(1つまたは複数の)遠隔車両420に同様のメッセージ(図示せず)を送り得る。
【0026】
[0034]この車両情報を使用して、ホスト車両は、ブロック435に示されるように、車両情報に基づいて、ホスト車両がグループリーダーとして適格であるかどうかを決定し得る。車両情報自体は、遠隔車両420の各々についての進行方向、ロケーション、および意図されたマニューバを含み得る。次いで、ホスト車両410は、遠隔車両420のうちの1つまたは複数が、ホスト車両410と共通の意図されたマニューバを有していることに基づいて、グループが形成されるべきかどうかを決定し得る。そうである場合、ホスト車両410は、それが潜在的なグループのためのグループリーダーとして適格であるかどうかをさらに決定し得る。
【0027】
[0035]ホスト車両410がグループリーダーとして適格であるかどうかの決定は、1つまたは複数の規則に依存し得、これは、ホスト車両410と(1つまたは複数の)遠隔車両420との両方によって共同で従われ得る。グループリーダーになるためのそのような適格性(qualification)の1つが、ホスト車両410がマニューバの開始点にどれだけ近いかを含み得る。すなわち、ホスト車両410が、共通のマニューバを行うことを意図している車両のうち、意図されたマニューバの開始点に最も近い車両である場合、ホスト車両410は、グループリーダーとして適格であり得る。追加の適格性は、例えば、センサ能力(例えば、ホスト車両410がグループ管理のためにどのセンサを自由に使えるか)、通信能力(例えば、ホスト車両が可能な(1つまたは複数の)通信のタイプ)、および計算能力(computation capabilities)(例えば、より大きな処理能力を有する車両が、グループリーダーであることにより好適であり得る)を含み得る。ある特定の適格性(例えば、センサ能力、通信能力)の欠如は、次いで、ホスト車両410をグループリーダーとして不適格とする。ホスト車両410および(1つまたは複数の)遠隔車両420は、互いに車両情報(どの車両がグループリーダーになるべきかを決定するために必要な情報を含む)を共有しており、また、ホスト車両410および(1つまたは複数の)遠隔車両420は、どの車両がグループリーダーとして最も適格であるかを決定するために、同じ規則のセットを(おそらく)使用しているので、各車両(ホスト車両410を含む)は、それがグループリーダーとして一意に適格であるかどうかを決定し得る。
【0028】
[0036]ホスト車両410が、それがグループリーダーとして適格であると決定した場合、次いで、それは、矢印440によって示されるように、遠隔車両420の各々にグループリーダー要求を送り得る。グループリーダー要求は、ホスト車両410と共通の意図されたマニューバを有する各遠隔車両420に送られ得、それは、したがって、グループが形成された場合、その一部となる。グループリーダー要求は、要求を受け入れるか、または拒否するかのいずれかである、遠隔車両420からの応答を求めるメッセージを備え得る。
【0029】
[0037]グループリーダー要求を受信すると、各遠隔車両420は、ブロック445に示されるように、車両情報に基づいて、グループリーダー要求の受け入れを決定する。先と同様に、(1つまたは複数の)遠隔車両420およびホスト車両410は、グループリーダー決定のために同じ規則を利用するので、各遠隔車両420は、それがホスト車両410と同じ情報を有する場合、グループリーダー要求を受け入れ、矢印450によって示されるように、グループリーダー要求に対する受け入れの応答を送ることになる。(以下でより詳細に説明される
図4Bは、グループリーダー要求が拒否された場合に何が起こるかを例示する。)
[0038]各遠隔車両420から受け入れを受信すると、次いで、ホスト車両410は、ブロック455に示されるように、形成を開始し得る。グループ形成に関する追加の詳細が
図5に提供され、これは、以下でより詳細に説明される。
【0030】
[0039]
図4Bは、一実施形態による、遠隔車両420がグループリーダー要求を拒否する場合の、
図4Aに示された基本機能および通信に対する変形形態を例示する別のコールフロー図である。ここで、車両情報を有する(1つまたは複数の)メッセージ(矢印430)は、車両情報に基づいて、グループリーダーとしての適格性を決定し(ブロック435)、(1つまたは複数の)グループリーダー要求(矢印440)は、
図4Aに示された対応する機能をそのまま繰り返す(echoes)。しかしながら、ここでは、ホスト車両410における情報と、(1つまたは複数の)遠隔車両420における情報との間に不一致(disparity)が存在し得る。したがって、遠隔車両は、ホスト車両410ではなく、それ(遠隔車両)がグループリーダーとして適格であると決定し得る。(これは、それがホスト車両410よりもマニューバの開始に近いという決定に基づき得、この場合、ホスト車両410は、遠隔車両の正確なロケーションを有していない可能性がある。)そうである場合、遠隔車両420は、ブロック460に示されるように、車両情報に基づいて、ホスト車両410から受信されたグループリーダー要求を拒否することを決定する。
【0031】
[0040]ブロック460においてなされた決定に応答して、次いで、遠隔車両は、グループリーダー要求の拒否(矢印465)を送り、続いてグループリーダー要求(470)を送る。拒否を行う遠隔車両420は、拒否(矢印465)、グループリーダー要求(矢印470)、または別個のメッセージ(図示せず)のいずれかにおいて、拒否を行うために使用された情報をホスト車両410に提供し得る。(ホスト車両がグループリーダーとして適格であるというホスト車両の決定をもたらす)ホスト車両410が遠隔車両420の正確なロケーション情報を有していない例では、遠隔車両420は、ホスト車両410に正確なロケーション情報を提供し得る。
【0032】
[0041]拒否している遠隔車両からグループリーダー要求(矢印470)および新しい情報を受信すると、次いで、ホスト車両410は、要求を受け入れるかどうかを決定し得る(ブロック475)。先と同様に、ホスト車両410および遠隔車両420は、グループリーダーを決定するために同じ規則のセットを使用しているので、ホスト車両410は、同じ情報のセットに基づく場合、遠隔車両420からの要求を受け入れることを決定することになる。ホスト車両410が受け入れることを決定した場合、それは、受け入れを示す、グループリーダー要求に対する応答(矢印480)を送ることになり、遠隔車両は、グループ形成を開始し得る(ブロック485)。(ホスト車両410が、新しい情報に基づいて、拒否することを決定した場合、それは、遠隔車両420がホスト車両410に新しい情報を送ったのと同様の方法で、遠隔車両420に新しい情報を送り得、競合解消(conflict resolution)は、同様の方法で継続し得る。)遠隔車両420からホスト車両410へ送られるグループリーダー要求470に加えて、それ(遠隔車両420)がグループリーダーとして適格であると決定した遠隔車両420は、潜在的なグループ内の他の車両に追加のグループリーダー要求(図示せず)を送り得ることが留意され得る。
【0033】
[0042]V2X通信では、情報共有は、非常に頻繁に行われ得る。V2X車両は、例えば、毎秒何回もの(例えば、100msごとに)、BSMメッセージをブロードキャストし得る。
図4Aおよび
図4Bのプロセスは、同様の時間スケールで行われ得、したがって、車両がマニューバに接近するにつれて、リアルタイムでのリーダー決定(任意の競合解消を含む)をもたらし得る。
図5に例示されるグループ形成のプロセスもまた、リアルタイムで行われ得、マニューバの実行前に車両のグループを作成し、したがって、グループレベルマニューバリングにおける前述の効率性を可能にする。
【0034】
[0043]
図5は、一実施形態による、ホスト車両510が、(例えば、
図4Aまたは
図4Bのようなプロセスを使用して)いったんグループリーダーとして指定されると、車両のグループを形成し得るプロセスを例示するコールフロー図である。先と同様に、ホスト車両510または(1つまたは複数の)遠隔車両520に起因する
図5に例示されるブロックの機能は、それぞれのホスト車両510または(1つまたは複数の)遠隔車両520のV2Xデバイスによって行われ得る。V2Xデバイスのソフトウェア構成要素および/またはハードウェア構成要素は、
図8に例示され、本明細書で以下に説明される。
【0035】
[0044]プロセスは、ホスト車両510が、(矢印530に示されるように)潜在的なグループの各遠隔車両520にグループ形成要求を送ることから開始し得る。次いで、各遠隔車両520は、ブロック540に示されるように、それがグループ形成要求を受け入れるかどうかを決定する。(1つまたは複数の)遠隔車両520は、ホスト車両510からのグループリーダー要求を最近受け入れたようなので、(1つまたは複数の)遠隔車両520はまた、グループ形成要求(矢印530)も受け入れる状態にあり得る。とは言うものの、意図されたマニューバにおける最近の変更、または遠隔車両のグループに参加する能力に影響を及ぼす他の要因が、遠隔車両520に要求を拒否させ得る。ホスト車両510は、ホスト車両510が(矢印550に示されるように)グループ形成要求の受け入れを受信した(1つまたは複数の)遠隔車両520からグループを作成し、受け入れが受信されていない任意の(1つまたは複数の)遠隔車両520を除外し得る。
【0036】
[0045]次いで、ホスト車両510は、ブロック560に示されるように、グループについての特性を決定し得る。これは、例えば、グループID、意図されたマニューバ、および/またはグループに固有の他の特性を含み得る。次いで、ホスト車両510は、新たに形成されたグループ内の各遠隔車両520に、これらのグループ特性を示すグループ特性告知(矢印570に示される)を送り得る。
【0037】
[0046]
図6は、一実施形態による、車両グループ形成におけるリーダー選択の方法600のフロー図である。
図6のブロックに例示される機能は、グループリーダーになるかどうかを決定するときに、第1の車両によって行われ得る。したがって、
図6に例示されるブロックのうちの1つまたは複数における機能は、第1の車両(例えば、ホスト車両)の観点から、
図4Aまたは
図4Bに例示された機能を実施するための1つの方法であり得る。
【0038】
[0047]ブロック610において、機能は、第1の車両において、1つまたは複数の他の車両の各車両からのメッセージを受信することを備え、ここにおいて、各メッセージは、それぞれの他の車両のロケーション、動き状態、および意図されたマニューバを備える車両情報を含む。(ここで、1つまたは複数の他の車両は、
図4Aおよび
図4Bの(1つまたは複数の)遠隔車両420に対応し得る)。前述の実施形態で述べたように、これらのメッセージは、V2X環境において車両間で日常的に送られるBSM、CAM、および/または他のメッセージを備え得る。V2X環境で行われない実施形態の場合も、同様のメッセージが使用され得る。代替として、いくつかの実施形態によれば、メッセージは、リーダー選択およびグループ形成を目的として、車両間で送られ得る。
【0039】
[0048]ブロック610に示される機能を行うための手段は、
図8に例示され、以下でより詳細に説明される、バス805、(1つまたは複数の)処理ユニット810、デジタル信号処理(DSP)820、ワイヤレス通信インターフェース830、メモリ860、および/またはV2Xデバイス800の他の構成要素等の、V2Xデバイスのソフトウェア構成要素および/またはハードウェア構成要素を備え得る。
【0040】
[0049]ブロック620において、機能は、第1の車両によって、かつ、各メッセージの車両情報と、第1の車両の対応する車両情報との比較に基づいて、第1の車両が、意図されたマニューバを実行するために作成されるべき車両のグループのためのグループリーダーとして適格であると決定することを備える。上述されたように、適格性は、所望の機能に応じて異なり得る。多くの事例では、第1の車両のロケーションが、そのような適格性の1つであり得る。したがって、方法600のいくつかの実施形態では、第1の車両が車両のグループのグループリーダーとして適格であると決定することは、第1の車両が1つまたは複数の他の車両のいずれの車両よりも意図されたマニューバの開始ロケーションに近いと決定することを備え得る。追加または代替として、他の適格性が考慮され得、例えば、方法600のいくつかの実施形態では、第1の車両が車両のグループのためのグループリーダーとして適格であると決定することは、第1の車両が1つまたは複数の他の車両のいずれの車両よりも多くのマニューバ関連能力を有すると決定することを備え得る。このようなマニューバ関連能力は、センサ能力、通信能力、もしくは計算能力、またはこれらの任意の組合せを備え得る。
【0041】
[0050]ブロック620に示される機能を行うための手段は、
図8に例示され、以下でより詳細に説明される、バス805、(1つまたは複数の)処理ユニット810、DSP820、メモリ860、および/またはV2Xデバイス800の他の構成要素等の、V2Xデバイスのソフトウェア構成要素および/またはハードウェア構成要素を備え得る。
【0042】
[0051]ブロック630において、機能は、第1の車両がグループリーダーとして適格であると決定することに応答して、第1の車両から、1つまたは複数の他の車両の各々に第1の要求を送ることを備える。第1の要求は、第1の車両がグループリーダーになることを求める要求である。上述されたように、これは、要求が1つまたは複数の他の車両によって受け入れられるかどうかに依存して、異なる状況をもたらし得る。例えば、方法600は、第1の車両において、1つまたは複数の他のデバイスの各々から第1の要求の受け入れを受信することと、第1の要求の受け入れを受信することに応答して、第1の車両によるグループ形成を開始することと、をさらに備え得る。
【0043】
[0052]第1の車両がグループ形成を開始する事例では、方法600の実施形態は、グループを形成するための機能をさらに含み得る。このような機能は、第1の車両から、1つまたは複数の他の車両の各々に第2の要求を送ることを備え得、ここで、第2の要求は、車両のグループを形成する要求である。機能は、第1の車両において、1つまたは複数の車両の各々から第2の要求の受け入れを受信することと、第2の要求の受け入れを受信することに応答して、(1)第1の車両によって、車両のグループについての1つまたは複数のグループ特性を決定することと、(2)第1の車両から、1つまたは複数の他の車両の各々にグループ特性告知を送ることと、をさらに備え得る。グループ特性告知は、車両のグループについての1つまたは複数のグループ特性を示す情報を備え得る。先と同様に、これらの特性は、グループID、意図されたマニューバ、および/または他のグループ固有情報を備え得る。
【0044】
[0053]第1の車両によって拒否が受信された場合には、方法600は、上記で説明されたように、この競合を解決し、グループリーダーを決定するための機能を含み得る。したがって、方法600の実施形態は、第1の車両において、1つまたは複数の車両のうちの第2の車両から第1の要求の拒否を受信することと、第1の車両において、第2の車両に関する追加の車両情報をさらに受信することと、をさらに備え得る。(上述されたように、この追加の車両情報は、第2の車両からの第1の要求の拒否に含まれ得る。代替として、この追加情報は、別個のメッセージにおいて送られ得る。)方法600は、(例えば、
図4Bに例示される方法で)第1の車両において、第2の車両からの第3の要求を受信することと、ここで、第3の要求は、第2の車両がグループリーダーになることを求める要求であり、第1の車両において、かつ、第2の車両に関する追加の車両情報に基づいて、要求を受け入れることを決定することと、をさらに備え得る。次いで、方法600は、第1の車両から第2の車両に、第3の要求の受け入れを送ることを備え得る。
【0045】
[0054]ブロック630に示される機能を行うための手段は、
図8に例示され、以下でより詳細に説明される、バス805、(1つまたは複数の)処理ユニット810、DSP820、ワイヤレス通信インターフェース830、メモリ860、および/またはV2Xデバイス800の他の構成要素等の、V2Xデバイスのソフトウェア構成要素および/またはハードウェア構成要素を備え得る。
【0046】
[0055]
図7は、一実施形態による、車両グループ形成におけるリーダー選択の方法700のフロー図である。
図7のブロックに例示される機能は、第1の車両からのグループリーダー要求に応答して、第2の車両によって行われ得る。したがって、
図7に例示されるブロックのうちの1つまたは複数における機能は、(1つまたは複数の)遠隔車両420の観点から、
図4Aまたは
図4Bに例示された機能を実施するための1つの方法であり得る。
【0047】
[0056]ブロック710において、機能は、第2の車両において、第1の車両からのメッセージを受信することを備え、ここにおいて、メッセージは、第1の車両のロケーション、動き状態、および意図されたマニューバを備える車両情報を含む。前述の実施形態で述べたように、このメッセージは、V2X環境において車両間で日常的に送られるBSM、CAM、および/または他のメッセージを備え得る。V2X環境で行われない実施形態の場合も、同様のメッセージが使用され得る。代替として、いくつかの実施形態によれば、メッセージは、(例えば、ブロードキャストを介してではなく)第1の車両からの直接通信を介して第2の車両に送られ得る。
【0048】
[0057]ブロック710に示される機能を行うための手段は、
図8に例示され、以下でより詳細に説明される、バス805、(1つまたは複数の)処理ユニット810、DSP820、ワイヤレス通信インターフェース830、メモリ860、および/またはV2Xデバイス800の他の構成要素等の、V2Xデバイスのソフトウェア構成要素および/またはハードウェア構成要素を備え得る。
【0049】
[0058]ブロック720において、機能は、第2の車両において、第1の車両からの第1の要求を受信することを備える。ここで、第1の要求は、第1の車両が意図されたマニューバを実行するために作成されるべき車両のグループのためのグループリーダーになることを求める要求である。(この要求は、
図4Aおよび
図4Bのグループリーダー要求に対応し得る)。ブロック720に示される機能を行うための手段は、
図8に例示され、以下でより詳細に説明される、バス805、(1つまたは複数の)処理ユニット810、DSP820、ワイヤレス通信インターフェース830、メモリ860、および/またはV2Xデバイス800の他の構成要素等の、V2Xデバイスのソフトウェア構成要素および/またはハードウェア構成要素を備え得る。
【0050】
[0059]ブロック730における機能は、第2の車両によって、かつ、メッセージの車両情報と、第2の車両の対応する車両情報との比較に基づいて、第2の車両がグループリーダーとして適格であると決定することを備える。上述の実施形態に示されたように、第1および第2の車両の両方は、グループリーダー決定のために同じ規則を使用し得るが、第2の車両が、第1の車両が有していない情報を有する場合、それは、(ブロック730に示されるように)それ(第2の車両)がグループリーダーとして適格であると決定し得る。
【0051】
[0060]ブロック730に示される機能を行うための手段は、
図8に例示され、以下でより詳細に説明される、バス805、(1つまたは複数の)処理ユニット810、DSP820、メモリ860、および/またはV2Xデバイス800の他の構成要素等の、V2Xデバイスのソフトウェア構成要素および/またはハードウェア構成要素を備え得る。
【0052】
[0061]ブロック740における機能は、第2の車両がグループリーダーとして適格であると決定することに応答して、第2の車両から第1の車両に、(1)第1の要求の拒否と、(2)第2の要求と、ここにおいて、第2の要求は、第2の車両がグループリーダーになることを求める要求である、を送ることを備える。先に示されたように、いくつかの実施形態は、情報を、拒否、第2の要求、または第1の車両への別個のメッセージ内にさらに含み得、拒否を正当化するために使用される情報を提供し、グループリーダーとしての第2の車両の適格性を第1の車両が決定することを可能にする。このような場合には、第1の車両は、第2の車両の要求を受け入れ得る。したがって、いくつかの実施形態によれば、方法700は、第2の車両において、第1の車両からの第2の要求の受け入れを受信することと、第2の要求の受け入れを受信することに応答して、第2の車両によるグループ形成を開始することと、をさらに備え得る。グループ形成は、例えば、
図5に示される方法で開始され得る。
【0053】
[0062]ブロック740に示される機能を行うための手段は、
図8に例示され、以下でより詳細に説明される、バス805、(1つまたは複数の)処理ユニット810、DSP820、ワイヤレス通信インターフェース830、メモリ860、および/またはV2Xデバイス800の他の構成要素等の、V2Xデバイスのソフトウェア構成要素および/またはハードウェア構成要素を備え得る。
【0054】
[0063]
図8は、V2Xデバイス800の一実施形態のブロック図であり、これは、前述されたように、車両および/またはRSUとワイヤレスに通信するために、車両、RSU、またはその他任意のシステムもしくはデバイスによって利用され得、および/またはそれらに一体化され得る。車両によって利用されるとき、V2Xデバイス800は、車両のナビゲーションおよび/または自動運転に関連する1つまたは複数のシステムを管理し、ならびに他の車載システムおよび/または他の交通エンティティと通信するために使用される車両コンピュータシステムを備え得るか、またはそれに一体化され得る。RSUによって利用されるとき、V2Xデバイス800は、RSUに、とりわけ、
図2Bおよび
図3Aに関して説明された方法でグループ管理を行わせ得る。さらに、V2Xデバイス800は、RSUコンピュータシステムに一体化され得、これは、追加の構成要素を含み得、追加のRSU関連機能を行い得る。このようなRSU関連機能およびRSUの追加の構成要素は、
図9に関して以下でより詳細に説明される。これを考慮して、いくつかの実施形態によれば、V2Xデバイス800は、車両またはRSUのスタンドアロンデバイスまたは構成要素を備え得、これは、車両またはRSUの他の構成要素/デバイスと通信可能に結合され得る。V2Xデバイス800は、車両またはRSU以外のV2Xエンティティによって同様に利用され得ることも留意され得る。追加として、実施形態は、必ずしもV2X通信に限定されるわけではない。したがって、代替の実施形態は、
図8に示されるものと同様の構成要素を有し、かつ前述の実施形態において説明された車両および/またはRSUの機能を行うことが可能であるが、V2X機能を持たない、V2Xデバイス800と同様のデバイスを含み得る。
【0055】
[0064]
図8は、様々な構成要素の全体的な例示を提供することのみを意図しており、それらのいずれかまたは全てが適宜に利用され得ることに留意されたい。いくつかの事例では、
図8によって例示される構成要素は、単一の物理デバイスに局所化され得、および/または、例えば、車両、RSU、または他のV2Xエンティティ上の異なる物理ロケーションに位置し得る様々なネットワーク化されたデバイス間で分散され得ることが留意され得る。
【0056】
[0065]バス805を介して電気的に結合され得る(または、適宜、他の方法で通信状態にあり得る)ハードウェア要素を備えるV2Xデバイス800が示される。ハードウェア要素は、(1つまたは複数の)処理ユニット810を含み得、これは、限定はしないが、1つまたは複数の汎用プロセッサ、1つまたは複数の専用プロセッサ(DSPチップ、グラフィックスアクセラレーションプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、および/または同様のもの等)、および/または、他の処理構造もしくは手段を含み得る。
【0057】
[0066]V2Xデバイス800はまた、1つまたは複数の入力デバイス870を含み得、これは、ユーザインターフェース(例えば、タッチスクリーン、タッチパッド、マイクロフォン、(1つまたは複数の)ボタン、(1つまたは複数の)ダイヤル、(1つまたは複数の)スイッチ、および/または同様のもの)に関連するデバイス、および/または、ナビゲーション、自動運転等に関連するデバイスを含み得る。同様に、1つまたは複数の出力デバイス815は、ナビゲーション、自動運転等に関連するデバイス、および/または(例えば、ディスプレイ、(1つまたは複数の)発光ダイオード(LED)、(1つまたは複数の)スピーカを介して)ユーザと対話することに関連し得る。
【0058】
[0067]V2Xデバイス800はまた、ワイヤレス通信インターフェース830を含み得、これは、限定はしないが、モデム、ネットワークカード、赤外線通信デバイス、ワイヤレス通信デバイス、および/またはチップセット(例えば、Bluetooth(登録商標)デバイス、IEEE802.11デバイス、IEEE802.15.4デバイス、Wi-Fiデバイス、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)デバイス、広域ネットワーク(WAN)デバイス、および/または様々なセルラデバイス等)、および/または同様のものを備え得る。(このような通信の例が、
図9に提供され、以下でより詳細に説明される。)ワイヤレス通信インターフェース830は、V2Xデバイス800が他のV2Xデバイスに通信することを可能にし得る。これは、
図4A、
図4B、および
図5に例示されたメッセージングを含む、前述の実施形態の様々な形態の通信を含み得る。したがって、それは、直接通信を送信すること、ワイヤレス信号をブロードキャストすること、直接および/またはブロードキャストワイヤレス信号を受信すること等が可能であり得る。したがって、ワイヤレス通信インターフェース830は、様々なRFチャネル/周波数帯域からのRF信号を受信することおよび/または送ることが可能であり得る。ワイヤレス通信インターフェース830を使用する通信は、ワイヤレス信号834を送るおよび/または受信する、1つまたは複数のワイヤレス通信アンテナ832を介して実行され得る。いくつかの実施形態によれば、(1つまたは複数の)ワイヤレス通信アンテナ832は、複数の個別アンテナ、アンテナアレイ、またはこれらの任意の組合せを備え得る。
【0059】
[0068]V2Xデバイス800は、(1つまたは複数の)センサ840をさらに含み得る。(1つまたは複数の)センサ840は、限定はしないが、1つまたは複数の慣性センサおよび/または他のセンサ(例えば、(1つまたは複数の)加速度計、(1つまたは複数の)ジャイロスコープ、(1つまたは複数の)カメラ、(1つまたは複数の)磁力計、(1つまたは複数の)高度計、(1つまたは複数の)マイクロフォン、(1つまたは複数の)近接センサ、(1つまたは複数の)光センサ、および(1つまたは複数の)気圧計等)を備え得る。(1つまたは複数の)センサ840は、例えば、ロケーション、動き状態(例えば、速度、加速度)等のような、車両のある特定のリアルタイム特性を決定するために使用され得る。先に示されたように、(1つまたは複数の)センサ840は、車両がそのロケーションを決定するのに役立てるために使用され得る。
【0060】
[0069]V2Xデバイス800の実施形態はまた、アンテナ882(これは、いくつかの実施形態では、アンテナ832と同じであり得る)を使用して、1つまたは複数のGNSS衛星からの信号884を受信することが可能な全地球航法衛星システム(GNSS)受信機880を含み得る。GNSS信号測定に基づく測位は、V2Xデバイス800の現在のロケーションを決定するために利用され得、検出された物体のロケーションを決定するための基礎としてさらに使用され得る。GNSS受信機880は、従来の技法を使用して、全地球測位システム(GPS)および/または同様の衛星システム等の、GNSSシステムのGNSS衛星から、V2Xデバイス800の位置を抽出し得る。
【0061】
[0070]V2Xデバイス800は、メモリ860をさらに備え得、および/またはそれと通信状態にあり得る。メモリ860は、限定はしないが、ローカルおよび/またはネットワークアクセス可能な記憶装置、ディスクドライブ、ドライブアレイ、光学記憶デバイス、ソリッドステート記憶デバイス(ランダムアクセスメモリ(RAM)および/または読取専用メモリ(ROM)等)を含み得、これらは、プログラム可能、フラッシュ更新可能、および/または同様のものであり得る。このような記憶デバイスは、限定はしないが、様々なファイルシステム、データベース構造、および/または同様のものを含む、任意の適切なデータ記憶を実装するように構成され得る。
【0062】
[0071]V2Xデバイス800のメモリ860はまた、オペレーティングシステム、デバイスドライバ、実行可能ライブラリ、および/または、1つまたは複数のアプリケーションプログラム等の他のコードを含む、ソフトウェア要素(
図8に図示せず)を備え得、1つまたは複数のアプリケーションプログラムは、様々な実施形態によって提供されるコンピュータプログラムを備え得、ならびに/または、本明細書で説明されるように、方法を実施するおよび/もしくはシステムを構成するように設計され得る。メモリ860に記憶され、(1つまたは複数の)処理ユニット810によって実行されるソフトウェアアプリケーションは、本明細書で説明されるような車両またはRSUの機能を実装するために使用され得る。さらに、本明細書で説明された(1つまたは複数の)方法に関して説明された1つまたは複数のプロシージャは、
図6および
図7の方法において例示された機能を含む、V2Xデバイス800(および/または、V2Xデバイス800内の(1つまたは複数の)処理ユニット810またはDSP820)によって実行可能である、メモリ860内のコードおよび/または命令として実装され得る。次いで、ある態様では、このようなコードおよび/または命令は、説明された方法に従って、1つまたは複数の動作を行うように汎用コンピュータ(または他のデバイス)を構成するおよび/または適合させるために使用され得る。
【0063】
[0072]
図9~
図11は、システム、構造デバイス、車両構成要素、ならびにV2X通信に関連する他のデバイス、構成要素、およびシステムの例示であり、これらは、いくつかの実施形態による、複数の車両間での車両マニューバの協調のための本明細書で提供される技法を実装するために使用され得る。これらの図におけるいくつかの構成要素(例えば、(1つまたは複数の)RSU925および車両980、990、1000、1100)は、前述の実施形態および図における同様の構成要素(例えば、RSUおよび車両)に対応し得ることが留意され得る。
【0064】
[0073]
図9は、一実施形態による、車両が様々なネットワーク上で、ならびに様々なデバイス、車両、およびサーバと通信し得るシステムの例示である。一実施形態では、V2X車両A980は、リンク923上で、V2Xまたは他のワイヤレス通信トランシーバを使用して、V2Xまたは別様の通信トランシーバ対応車両B990と通信し得る。いくつかの実施形態は、例えば、車両間相対測位、車線変更の交渉、交差点を通過するための交渉を行うため、ならびに/またはGNSS測定値;車両ステータス、車両ロケーション、および車両能力;測定データ;および/もしくは計算されたステータス等のV2Xデータ要素を交換するために通信し得る。このような通信は、追加または代替として、V2X能力データ要素においてカバーされない場合もある他のV2X車両ステータスステップ(other V2X vehicle status steps)を交換するために使用され得る。
【0065】
[0074]いくつかの実施形態では、車両A980はまた、ネットワークを通じて車両B990と通信し得る。これは、基地局920への/からのワイヤレス信号922/924を使用して、および/またはアクセスポイント930への/からのワイヤレス信号932を介して行われ得る。追加または代替として、このような通信は、1つまたは複数の通信対応RSU925を介して行われ得、そのうちの任意のものが、通信および情報を中継し得、ならびに/または車両B990等の他の車両による使用のためにプロトコルを変換し得る。この後者の機能は、例えば、車両B990が共通プロトコルで車両A980と直接通信することができない実施形態において行われ得る。一実施形態では、(1つまたは複数の)RSU925は、様々なタイプの路側ビーコン、交通および/または車両モニタ、交通制御デバイス、ならびにロケーションビーコンを備え得る。さらに、前述されたように、(1つまたは複数の)RSU925は、それぞれ
図2Bおよび
図3Aに例示されるRSU210およびRSU302に対応し得、したがって、
図8に例示されるようなV2Xデバイス800の構成要素(これは、以下で説明される、
図9に例示される(1つまたは複数の)RSU925の構成要素に加えて、またはその代替として使用され得る)を含み得る。
【0066】
[0075]一実施形態では、(1つまたは複数の)RSU925は、ワイヤレスメッセージ、例えば、BSM、CAM、または他のV2Xメッセージを、基地局920および/またはアクセスポイント930から、車両A980および/または車両B990へ/から送受信するようにワイヤレストランシーバ925Eを動作させるように構成されたプロセッサ925Aを有し得る。例えば、ワイヤレストランシーバ925Eは、(例えば、サイドリンク通信を使用して)車両とのV2X通信等の様々なプロトコルにおいて、ならびに/または、ワイヤレス通信ネットワーク上で通信するために、様々なWAN、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)、および/もしくはパーソナルエリアネットワーク(PAN)プロトコルを使用して、ワイヤレスメッセージを送り得、および/または受信し得る。一実施形態では、(1つまたは複数の)RSU925は、メモリとワイヤレストランシーバ925Eとに通信可能に結合された1つまたは複数のプロセッサ925Aを含み得、交通制御ユニット925Cとして働くため、ならびに/または環境および路側センサ情報925Dを提供および/もしくは処理するため、またはそれと車両との間のGNSS相対ロケーションのためのロケーション基準として機能するための、命令および/またはハードウェアを含み得る。一実施形態では、(1つまたは複数の)RSU925は、ネットワークインターフェース925B(および/またはワイヤレストランシーバ925E)を含み得、これは、一実施形では、交通最適化サーバ965、車両情報サーバ955、および/または環境データサーバ940等の外部サーバと通信し得る。一実施形態では、ワイヤレストランシーバ925Eは、ワイヤレス通信リンク上で、ワイヤレスベーストランシーバサブシステム(BTS)、ノードBもしくは発展型ノードB(eノードB)または次世代ノードB(gノードB)からワイヤレス信号を送信または受信することによって、ワイヤレス通信ネットワーク上で通信し得る。一実施形態では、(1つまたは複数の)ワイヤレストランシーバ925Eは、WAN、WLAN、および/またはPANトランシーバの様々な組合せを備え得る。一実施形態では、ローカルトランシーバはまた、Bluetooth(登録商標)トランシーバ、ZigBeeトランシーバ、または他のPANトランシーバであり得る。ローカルトランシーバ、WANワイヤレストランシーバ、および/またはモバイルワイヤレストランシーバは、WANトランシーバ、アクセスポイント(AP)、フェムトセル、ホーム基地局、スモールセル基地局、ホームノードB(HNB)、ホームeノードB(HeNB)、または次世代ノードB(gノードB)を備え得、WLAN(例えば、IEEE1102.11ネットワーク)、ワイヤレスPAN(例えば、Bluetooth(登録商標)ネットワーク)、またはセルラネットワーク(例えば、LTEネットワークもしくは次の段落で説明されるもの等の他のワイヤレスWAN)へのアクセスを提供し得る。これらは、ワイヤレスリンク上で(1つまたは複数の)RSU925と通信し得るネットワークの単なる例にすぎず、請求項に記載の主題は、この点において限定されないことを理解されたい。
【0067】
[0076](1つまたは複数の)RSU925は、GNSS測定値、センサ測定値、速度、進行方向、ロケーション、停止距離(stopping distance)、優先度または緊急ステータス、および他の車両関連情報等の、車両A980および/または車両B990からのロケーション、ステータス、GNSSおよび他のセンサ測定値、ならびに能力情報を受信し得る。一実施形態では、路面情報/ステータス、気象ステータス、およびカメラ情報等の環境情報が収集され、ポイントツーポイントまたはブロードキャストメッセージングのいずれかを介して、車両と共有され得る。(1つまたは複数の)RSU925は、交通の流れを協調させおよび指示する(direct)ため、ならびに車両A980および車両B990に環境、車両、安全、および告知メッセージを提供するために、ワイヤレストランシーバ925Eを介して、車両A980および/または車両B990から受信された情報、環境および路側センサ925D、ならびに、例えば、交通制御および最適化サーバ965からの、ネットワーク情報および制御メッセージを利用し得る。
【0068】
[0077]プロセッサ925Aは、一実施形態では、ネットワークインターフェース925Bを動作させるように構成され得、これは、ネットワーク970にバックホールを介して接続され得、これは、一実施形態では、都市もしくは都市のセクション内またはある地域において等、あるエリアにおける交通の流れを監視および最適化する、集中型交通制御および最適化サーバ965等の、様々な集中型サーバと通信しおよび協調させるために使用され得る。ネットワークインターフェース925Bはまた、車両データのクラウドソーシングのための(1つまたは複数の)RSU925への遠隔アクセス、(1つまたは複数の)RSU925の保守、および/または(1つまたは複数の)他のRSU925との協調もしくはその他の用途のために利用され得る。(1つまたは複数の)RSU925は、ロケーションデータ、停止距離データ、道路状況データ、識別データ、ならびに近くの車両および環境のステータスおよびロケーションに関連する他の情報等の、車両A980および車両B990等の車両から受信されたデータを処理するように構成され得る交通制御ユニット925Cを動作させるように構成されたプロセッサ925Aを有し得る。(1つまたは複数の)RSU925は、温度センサ、気象センサ、カメラセンサ、圧力センサ、道路センサ(例えば、車検出用)、事故検出センサ、移動検出センサ、速さ検出センサ、ならびに他の車両および環境監視センサを含み得る環境および路側センサ925Dからデータを取得するように構成されたプロセッサ925Aを有し得る。
【0069】
[0078]一実施形態では、車両A980はまた、例えば、一実施形態では、WANおよび/もしくはWi-Fiネットワークにアクセスするために、ならびに/または、一実施形態では、モバイルデバイス900からセンサおよび/もしくはロケーション測定値を取得するために、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi、もしくはZigbee(登録商標)等の短距離通信およびパーソナルネットワークを使用して、またはV2X(例えば、CV2X/サイドリンク通信)もしくは他の車両関連通信プロトコルを介して、モバイルデバイス900と通信し得る。一実施形態では、車両A980は、WAN基地局920を介して等、WANを通じてWAN関連プロトコルを使用して、または直接ピアツーピアもしくはWi-Fiアクセスポイントを介してのいずれかでWi-Fiを使用して、モバイルデバイス900と通信し得る。車両A980および/または車両B990は、様々な通信プロトコルを使用して通信し得る。一実施形態では、車両A980および/または車両B990は、例えば、V2X、モバイル通信のためのグローバルシステム(GSM(登録商標))、広帯域符号分割多元接続(WCDMA(登録商標))、符号分割多元接続(CDMA)、高レートパケットデータ(HRPD)、Wi-Fi、Bluetooth(登録商標)、WiMAX、LTE、または5G NRアクセス技術通信プロトコル等を使用して、様々なおよび複数のモードのワイヤレス通信をサポートし得る。
【0070】
[0079]一実施形態では、車両Aは、WAN基地局920を介してWANプロトコルを使用してWAN上で通信し得るか、またはWi-Fi等のWLANプロトコルを使用してWLANアクセスポイント930と通信し得る。車両はまた、例えば、WLANまたはPAN(Bluetooth(登録商標)またはZigBee等)を使用して、ワイヤレス通信をサポートし得る。
【0071】
[0080]車両A980および/または車両B990は、一実施形態では、ロケーション決定、時間取得、および時間維持(time maintenance)のために、GNSS衛星910からのGNSS信号912を受信するためのGNSS受信機880等の、1つまたは複数のGNSS受信機を含み得る。様々なGNSSシステムは、北斗、ガリレオ、全地球的航法衛星システム(GLONASS)、および/またはGPS、ならびに準天頂衛星システム(QZSS)およびインド地域航法衛星システム(IRNSS)すなわちNavIC等の様々な地域航法システムから信号を受信するために、GNSS受信機880または他の受信機を使用して、単独でまたは組み合わせてサポートされ得る。一例では、1つまたは複数のRSU925、1つまたは複数のWLANアクセスポイント930、あるいは1つまたは複数の基地局920等、ビーコンに依存するもの等の他のワイヤレスシステムが利用され得る。様々なGNSS信号912は、ロケーション、速度、および車両A980と車両B990との間等の他の車両への近接性を決定するために、車センサと共に利用され得る。
【0072】
[0081]一実施形態では、車両Aおよび/または車両Bは、一実施形態では、GNSS、WAN、Wi-Fi、ならびに他の通信の受信機および/またはトランシーバも有することになる、モバイルデバイス900によって提供されるようなGNSSを少なくとも部分的に使用して決定されたGNSS測定値および/またはロケーションにアクセスし得る。一実施形態では、車両A980および/または車両B990は、GNSS受信機880が機能しない(fails)か、またはしきい値レベル未満のロケーション精度を提供する場合、フォールバックとしてモバイルデバイス900によって提供されるようなGNSSを少なくとも部分的に使用して決定されたGNSS測定値(擬似距離測定値、ドップラー測定値、および衛星ID等)および/またはロケーションにアクセスし得る。
【0073】
[0082]車両A980および/または車両B990は、車両情報サーバ955、ルートサーバ945、ロケーションサーバ960、地図サーバ950、および環境データサーバ940等、ネットワーク上の様々なサーバにアクセスし得る。
【0074】
[0083]車両情報サーバ955は、近くの車が適時に停止もしくは加速することが可能であるかどうか、または近くの車が自律的に運転されているかどうか、自律運転が可能かどうか、もしくは通信が可能かどうか等、近くの車に対するマニューバに関する決定を行う際に利用され得るような、アンテナロケーション、車両サイズ、および車両能力等の、様々な車両を記述する情報を提供し得る。一実施形態では、車両情報サーバ955はまた、車両サイズ、形状、能力、識別、所有権、占有、および/または決定されたロケーションポイント(例えば、GNSS受信機のロケーション)、ならびに決定されたロケーションポイントに対する車境界のロケーションに関する情報を提供し得る。
【0075】
[0084]ルートサーバ945は、現在のロケーションと目的地情報とを受信し、車両に関するルーティング情報、地図データ、代替ルートデータ、ならびに/または交通および道路状況データを提供し得る。
【0076】
[0085]ロケーションサーバ960は、一実施形態では、ロケーション決定能力と、送信機信号捕捉支援(GNSS衛星軌道予測情報、近似ロケーション情報、および/または近似時間情報等)と、Wi-Fiアクセスポイントおよび基地局についての識別およびロケーションを含むもの等のトランシーバアルマナックと、いくつかの実施形態では、制限速度、交通量、および道路ステータス/工事ステータス等の、ルートに関する追加情報と、を提供し得る。地図サーバ950は、道路ロケーション、道路に沿った関心地点、道路に沿った住所ロケーション、道路サイズ、道路制限速度、交通状況、ならびに/または道路状況(濡れている、滑りやすい、雪に覆われている/凍結している)および道路ステータス(開通、工事中、事故)等の、地図データを提供し得る。環境データサーバ940は、一実施形態では、気象関連情報および/もしくは道路関連情報、交通情報、地形情報、道路品質情報、速さ情報、ならびに/または他の関連環境データを提供し得る。
【0077】
[0086]一実施形態では、
図9における車両980および990ならびにモバイルデバイス900は、ネットワーク970上のワイヤレスWAN基地局920またはWLANアクセスポイント930等の様々なネットワークアクセスポイントを介して、ネットワーク970上で通信し得る。車両980および990ならびにモバイルデバイス900はまた、いくつかの実施形態では、Bluetooth(登録商標)、Zigbee、および5G NR規格を介して等、ネットワーク970を経由せずに直接通信するための様々な短距離通信メカニズムを使用して、デバイス間、車両間、ならびにデバイスから車両へおよび車両からデバイスへ直接通信し得る。
【0078】
[0087]
図10は、一実施形態による、車両1000の機能ブロック図を備える。上述されたように、車両1000は、V2Xデバイス800を備え得る。したがって、
図10に示されるブロックを実行するための例となるハードウェアおよび/またはソフトウェア構成要素が、
図8に例示されている。
【0079】
[0088]
図10に示されるように、車両1000は、車両および環境情報を、車両外部センサ1002、車両内部センサ1004、もしくは車両能力1006、および(環境からの、他の車両からの、(1つまたは複数の)RSUからの、システムサーバからの)GNSS測定情報1008および他の車両のロケーション等の外部ワイヤレス情報、ならびに/または車両動き状態1010(現在および/または将来の動き状態を記述する)から受信し得る。受信された車両、センサ、および環境情報は、一実施形態では、外部物体感知および分類と、予測および計画と、マニューバ実行とを提供することと、ならびにGNSSデータ要素値を含む、V2Xまたは他のワイヤレスデータ要素値を決定および更新することと、ワイヤレス通信インターフェース830を介して、決定されたデータ要素を含むメッセージングを送信することと、を行うように接続および構成された、1つまたは複数の処理ユニット810、(1つまたは複数の)DSP820、およびメモリ860(
図8に示される)において処理され得る。メッセージングおよびデータ要素は、SAEまたはETSI CV2Xメッセージおよび/またはワイヤレス通信インターフェース830によってサポートされる他のワイヤレスV2Xプロトコルを介して等、様々な手段、プロトコル、および規格を介して送受信され得る。
【0080】
[0089]車両間相対ロケーション決定ブロック1028は、関心エリア内の車両の相対ロケーションを決定するために使用され得る。一実施形態では、GNSSデータは、他の車両またはデバイスに関連付けられた相対ロケーションの精度を決定、検証、および/または向上させるために、車両、またはRSU等の他のデバイスと交換される。一実施形態では、関心エリア内の車両(または他のデバイス)を決定することは、他の車両または他のデバイスからのメッセージにおいて受信されるブロードキャストロケーション情報(ブロードキャスト緯度および経度等)と、車両1000についてのロケーション情報とを利用し得る。これにより、車両1000は、車両間の近似距離(approximate range)および/または近似相対ロケーションを決定することが可能になる。
【0081】
[0090]一実施形態では、サーバ940、945、950、955、および960等の他の車両関連入力ソースが、車両情報、ルーティング、ロケーション支援、地図データ、および環境データ等の情報を提供し、マニューバ実行1026を決定するために、車両間マニューバ協調1024と共に使用される、他の入力、例えば、道路ロケーションデータ、地図データ、運転状況データ、および他の車両関連データ入力に関する入力を提供し、および/またはそれらを補完し、および/またはそれらと共に使用され得る。一実施形態では、地図データは、道路ロケーションに対する路側ユニットのロケーションを含み得、ここで、車両は、特に、他のシステムが視界不良の気象状況(雪、雨、砂嵐)等による理由で機能しない可能性がある状況において、路面に対する測位を決定するために、地図データと組み合わせてRSUとの間の相対測位を利用し得る。一実施形態では、地図サーバ950からの地図データは、複数の車両についての高信頼度の絶対ロケーションおよび道路/地図に対する相対ロケーションを決定するために、近隣の車両および/または(1つまたは複数の)RSU925からの相対および/または絶対データと共に利用され得る。例えば、車両A980が、車両A980と通信状態にある他の車両よりも精度の高い/信頼度の高いロケーションを有する場合、他の車両(車両B990等)は、たとえ他の車両のシステムが、さもなければ(otherwise)特定の状況または環境において高精度のロケーションを計算することができなかったとしても、高精度の相対ロケーションのためにGNSS情報を使用し、車両A980からの高精度のロケーションを使用して、車両B990についての高精度のロケーションを決定し得る。この状況では、高精度のロケーション決定システムを有する車両Aの存在は、現在の(ongoing)の相対ロケーション情報(ongoing relative location information)と共に、1つまたは複数の高精度のロケーションを共有することによって、全ての周囲車両に利益をもたらす。さらに、地図サーバ950からの地図データが正確であると仮定すると、車両A980から車両B990等の周囲の車両に高精度のロケーションデータを伝搬する能力は、周囲の車両が、さもなければ厄介な信号/ロケーション環境であっても、地図データに対するそれらの相対ロケーションを正確に決定することも可能にする。車両情報サーバ955は、車両A980上のGNSS受信機と、例えば車両B990との間の相対ロケーションだけでなく、車両A980と車両B990との最接近点間の距離も決定するために、例えば車両Aまたは他の車両によって利用され得る、サイズ、形状、およびアンテナロケーション等の車両情報を提供し得る。一実施形態では、交通制御および最適化サーバ965からの交通情報が、(一実施形態では)ルートサーバ945と共に使用される、全体的な経路選択および再ルーティングを決定するために利用され得る。一実施形態では、環境データサーバ940は、車両間マニューバ協調ブロック1024およびマニューバ実行ブロック1026における決定および決定基準にも影響を及ぼし得る、道路状況、薄氷(black ice)、積雪、道路上の水、および他の環境条件に関する入力を提供し得る。例えば、凍結しているまたは雨の多い状況では、車両1000は、隣接車両からの増大された車間距離を実行および/もしくは要求し得るか、または薄氷もしくは水たまり等の道路ハザード状況を回避するルートオプションを選択し得る。
【0082】
[0091]ブロック1028は、(先と同様に、
図8に示されるような)(1つまたは複数の)処理ユニット810および/またはDSP820ならびにメモリ860を使用する等、様々な専用または汎用ハードウェアおよびソフトウェアを使用して、あるいは一実施形態では、専用センサ処理および/または車両メッセージングコア等の専用ハードウェアブロックにおいて実装され得る。いくつかの実施形態によれば、近くの車両のロケーションは、往復時間、到着時間(TOA:Time Of Arrival)等の信号ベースのタイミング測定値、車両についてのブロードキャスト信号の信号強度、ならびに/または近隣の車両からのブロードキャスト緯度および経度と、車両の現在のロケーションとに基づいて決定される距離等に基づいて、様々な手段を通じて決定され得る。追加または代替として、近くの車両のロケーションは、光検出および測距(LIDAR)、無線検出および測距(RADAR)、音響航法および測距(SONAR)等のセンサ測定値、ならびにカメラ測定値から決定され得る。一実施形態では、ブロック1002、1004、1006、1008、および/または1010のうちのいくつかまたは全てが、例えば、性能を改善し、測定待ち時間を低減させるために、専用処理コアを有し得る。一実施形態では、ブロック1002、1004、1006、1008、および/または1010のうちのいくつかまたは全てが、ブロック1028と処理を共有し得る。
【0083】
[0092]車両外部センサ1002は、いくつかの実施形態では、カメラ、LIDAR、RADAR、SONAR、近接センサ、雨センサ、気象センサ、GNSS受信機880、ならびに、車両A980等の車両内もしくはその近くに存在し得るモバイルデバイス900等の関連するデバイスから、および/または、他の車両、デバイス、および、一実施形態では、地図サーバ950、ルートサーバ945、車両情報サーバ955、環境データサーバ940、ロケーションサーバ960等のサーバから受信され得るような、地図データ、環境データ、ロケーション、ルート、および/または他の車両情報等の、これらセンサと共に使用される受信されたデータを備え得る。例えば、一実施形態では、モバイルデバイス900は、GNSS測定値の追加のソースを提供し得るか、動きセンサ測定値の追加のソースを提供し得るか、またはWAN、Wi-Fi、もしくは他のネットワークへの通信ポータルとして、ならびにサーバ940、945、950、955、960、および/または965等の様々な情報サーバへのゲートウェイとして、ネットワークアクセスを提供し得る。
【0084】
[0093]車両1000は、1つまたは複数のカメラを含み得ることが理解される。一実施形態では、カメラは、前方向き、側方向き、後方向き、または視野調整可能(回転可能なカメラ等)であり得る。例えば、
図11に示されるように、同じ平面に向いている複数のカメラ1106が存在し得る。例えば、カメラ1106および1108におけるバンパー搭載型カメラは、2つの前方向きカメラを備え得、1つは、駐車目的のために、より低い物体および/またはより低い視点に焦点を合わせ(バンパー搭載型等)、もう1つは、例えば、交通、他の車両、歩行者、およびより遠い物体を追跡するために、より高い視点に焦点を合わせる。一実施形態では、様々な視野が、他の車両ならびに外部エンティティおよび物体の追跡を最適化するため、および/またはセンサシステムを互いに対して較正するために、他の車両からのV2X入力等の他の入力に対して相関付けされ得、および/またはつなぎ合わされ得る。LIDAR1104は、ルーフ搭載型で回転し得、または特定の視点に焦点を合わせられ得る(前方向き、後方向き、または側方向き等)。LIDAR1104は、ソリッドステートまたは機械式であり得る。近接センサは、超音波式、RADARベース、光ベース(赤外線測距に基づく等)、および/または静電容量式(金属体の表面タッチ指向または静電容量式検出)であり得る。雨センサおよび気象センサは、気圧センサ、水分検出器、雨センサ、および/もしくは光センサ等の様々な感知能力および技術を含み得、ならびに/または他の既存のセンサシステムを活用し得る。GNSS受信機は、車のルーフの後部にあるフィンアンテナアセンブリ等において、ルーフ搭載型であり得るか、フードもしくはダッシュボード搭載型であり得るか、またはその他の方法で車両の外装もしくは内装内に配置され得る。
【0085】
[0094]一実施形態では、車両内部センサ1004は、タイヤ圧力センサ、ブレーキパッドセンサ、ブレーキステータスセンサ、速度計および他の速さセンサ;磁力計および地磁気コンパス等の進行方向センサおよび/または方位センサ;走行距離計およびホイールティックセンサ(wheel tic sensor)等の距離センサ;加速度計およびジャイロ等の慣性センサならびに上述のセンサを使用した慣性測位結果;ならびに個々に決定され得るか、または加速度計、ジャイロ、および/または傾斜センサ等の他のセンサシステムを使用して決定され得るような、ヨー、ピッチ、および/またはロールセンサ等の、車輪センサ1112を備え得る。
【0086】
[0095]車両内部センサ1004と車両外部センサ1002との両方が、共有または専用の処理能力を有し得る。例えば、センサシステムまたはサブシステムが、加速度計、ジャイロ、磁力計、および/または他の感知システムからの測定値および他の入力に基づいて、ヨー、ピッチ、ロール、進行方向、速さ、加速能力および/もしくは距離、ならびに/または停止距離等の車ステータス値を決定する1つまたは複数のセンサ処理コアを有し得る。異なる感知システムは、測定値を決定するために互いに通信し得るか、または車両ロケーションを決定するためにブロック1028に値を送り得る。内部センサおよび外部センサからの測定値から導出された車ステータス値は、汎用またはアプリケーションプロセッサを使用して、他のセンサシステムからの測定値および/または車ステータス値とさらに組み合わされ得る。例えば、ブロック1028および/または1024は、ワイヤレス通信インターフェース830を利用して、または他の通信トランシーバを介して送られ得るV2Xメッセージングのためのデータ要素値を決定するために、専用または集中型プロセッサ上で実装され得る。一実施形態では、これらセンサは、各コアからの車ステータス値を出力するために、未加工の結果についての専用コア処理によって動作される、関連するシステム、例えば、LIDAR、RADAR、動き、または車輪システムに分離され得、各コアからの車ステータス値は、車動作を制御するかもしくは他の方法で影響を及ぼすために使用され得、ならびに/またはV2Xもしくは他のメッセージング能力を介して他の車両および/もしくはシステムと共有されるメッセージングステップとして使用され得る、能力データ要素およびステータスデータ要素を含む、組み合わされた車ステータス値を導出するために組み合わされおよび解釈される。これらのメッセージング能力は、一実施形態では、ワイヤレス通信インターフェース830および(1つまたは複数の)アンテナ832によってサポートされるもの等、様々なワイヤレス関連、光関連、またはその他の通信規格に基づき得る。
【0087】
[0096]一実施形態では、車両能力1006は、停止、制動、加速、および回転半径、ならびに自律走行および/または非自律走行ステータスおよび/または1つもしくは複数の能力についての性能推定値を備え得る。能力推定値は、記憶された推定値に基づき得、これは、一実施形態では、メモリにロードされ得る。これらの推定値は、(特定の車両についての、あるいは1つまたは複数の車両にわたる平均についての)経験的な性能数値(empirical performance numbers)、および/または所与の性能値についての1つまたは複数のモデルに基づき得る。複数のモデルについての性能推定値が平均化されるか、または別様に組み合わせられるとき、それらは、類似または共通の特徴に基づいて選択され得る。例えば、類似または等しい重量および同一または類似の駆動列(drive trains)を有する車両は、制動/停止距離、回転半径、および加速性能等の駆動性能関連推定値についての性能推定値を共有し得る。車両性能推定値はまた、例えば、(1つまたは複数の)外部V2X入力1008を使用することによって、ネットワーク上の車両データサーバからワイヤレスネットワーク上で取得され得る。これは、ワイヤレス対応でなく、車両情報を直接提供することができない車両についての情報を取得するのに特に役立つ。一実施形態では、車両能力1006はまた、タイヤ摩耗、タイヤブランド能力(tire brand capabilities)、ブレーキパッド摩耗、ブレーキブランドおよび能力、ならびにエンジンステータス等の車構成要素ステータスによって影響され得る。一実施形態では、車両能力1006はまた、速さおよび進行方向等の全体的な車のステータスによって、ならびに路面、道路状況(濡れている、乾燥している、滑りやすさ/静止摩擦)、および気象(風、雨、雪、薄氷、スリップしやすい道路)等の外部要因によって、影響され得る。多くの場合、性能推定値を低減、検証、または改善するために、摩耗または他のシステム劣化、ならびに天候、路面、および道路状況等の外部要因が利用され得る。いくつかの実施形態では、車両停止距離および/または距離当たりの加速時間を測定する等の、実測車両性能が、実際の車両運転関連性能に基づいて測定および/または推定され得る。一実施形態では、測定値が一致しない場合、より最近測定された性能がより重く重み付けされ得るか、またはより古い測定値よりも優先され得る。同様に、一実施形態では、車両外部センサ1002および/または車両内部センサ1004等を介して、車両によって現在検出されているものと同じタイプの気象においてまたは同じタイプの路面上等で、同様の状況時に取得された測定値は、能力を決定する際に、より重く重み付けされ得、および/または優先され得る。
【0088】
[0097]V2X車両感知、予測、計画、および実行1012は、入力ブロック1002、1004、1006、1008、および1010からのデータを相関付け、確証し(corroborate)、および/または組み合わせるために、センサフュージョンおよび物体分類ブロック1016を部分的に利用して、外部物体感知および分類ブロック1014を介して、ブロック1002、1004、1006、1008、および1010からの情報の受け取りおよび処理を扱う。ブロック1014の外部物体感知および分類は、物体の存在、物体のタイプ(車、トラック、自転車、オートバイ、歩行者、動物)、ならびに/または、車両に対する物体ステータス、例えば、車両に対する移動ステータス、近接性、進行方向、および/もしくは位置、サイズ、脅威レベル、および脆弱性優先度(vulnerability priority)(例えば、歩行者は、道路のゴミと比較してより高い脆弱性優先度を有することになる)等を決定する。一実施形態では、ブロック1014は、他の車両からのGNSS測定値メッセージを利用して、他の車両に対する相対測位を決定し得る。ブロック1014からのこの出力は、予測および計画ブロック1018に提供され得、これは、ブロック1020を介して、検出された物体および車両ならびにそれらの関連付けられた軌道を決定し、ブロック1022において車両マニューバおよび経路計画を決定し、これらの出力は、直接的にまたはV2X車両間交渉ブロック1024を介してのいずれかで、ブロック1026の車両マニューバ実行において利用され、これは、他の車両から受信されたマニューバ計画、ロケーション、およびステータスを統合および考慮することになる。V2X車両間交渉は、近隣の車両のステータスを考慮し、車両優先度、車両能力(衝突を回避するために停止、減速、または加速する能力等)、および、いくつかの実施形態では、気象状況(雨、霧、雪、風)、道路状況(乾燥している、濡れている、凍結している、滑りやすい)等の様々な状況に基づいて、近隣のまたは別様に影響を受ける車両間の交渉および協調を可能にする。これらは、例えば、交差点に接近してくる車両間の交差点を通過するタイミングおよび順序の交渉、隣接車間の車線変更の交渉、駐車スペースの交渉、および単一車線道路上で方向性走行(directional travel)するまたは別の車両を追い越すための利用権利(access)の交渉を含む。車両間交渉はまた、アポイントメント時間、目的地までの距離、および目的地に到達するための推定ルート時間、ならびに、いくつかの実施形態では、アポイントメントのタイプおよびアポイントメントの重要性等の、時間ベースおよび/または距離ベースの要因を含み得る。
【0089】
[0098]
図11は、前述の実施形態における他の車両および/またはV2Xエンティティと通信することが可能な、一実施形態による、例となる車両1100の斜視図である。ここで、
図8および先の実施形態に関して説明された構成要素のいくつかが示されている。例示および前述されたように、車両1100は、バックミラー搭載型カメラ1106、フロントフェンダー搭載型カメラ(図示せず)、サイドミラー搭載型カメラ(図示せず)、およびリアカメラ(図示せず、典型的には、トランク、ハッチ、またはリアバンパー上にある)等の(1つまたは複数の)カメラを有し得る。車両1100はまた、物体を検出し、それらの物体までの距離を測定するために、LIDAR1104を有し得る。LIDAR1104は、多くの場合、ルーフ搭載型であるが、複数のLIDARユニット1104が存在する場合、それらは、車両の前部、後部、および側部の周りに配向され得る。車両1100は、GNSS受信機880(典型的には、示されるように、ルーフの後部にあるシャークフィンユニットに位置する)、様々なワイヤレス通信インターフェース(WAN、WLAN、V2X等、必須ではないが典型的には、シャークフィン1102に位置する)、RADAR1108(典型的には、フロントバンパーにある)、およびSONAR1110(存在する場合、典型的には、車両の両側に位置する)等の他の様々なロケーション関連のシステムを有し得る。タイヤ圧力センサ、加速度計、ジャイロ、ならびに車輪回転検出および/またはカウンタ等の、様々なホイールセンサ1112および駆動列センサも存在し得る。一実施形態では、LIDAR、RADAR、カメラ、GNSS、およびSONAR等の様々なセンサを介して決定される距離測定値および相対ロケーションは、自動車のサイズおよび形状情報ならびにセンサのロケーションに関する情報と組み合わされて、異なる車両の表面間の距離および相対ロケーションが決定され得、それにより、センサから別の車両までのまたは2つの異なるセンサ(2つのGNSS受信機等)間の距離もしくはベクトルが、各車両上のセンサの位置を考慮するために徐々に増加される。したがって、2つのGNSS受信機間の正確なGNSS距離およびベクトルは、GNSS受信機までの様々な車表面の相対ロケーションに基づいて修正される必要がある。例えば、後方車のフロントバンパーと先行車のリアバンパーとの間の距離を決定する際に、距離は、後続車のGNSS受信機とフロントバンパーとの間の距離と、前方車のGNSS受信機と前方車のリアバンパーとの間の距離とに基づいて調整される必要がある。例えば、前方車のリアバンパーと後続車のフロントバンパーとの間の距離は、2つのGNSS受信機間の相対距離から、後方車のGNSS受信機からフロントバンパーまでの距離を引き、そして前方車のGNSS受信機からリアバンパーまでの距離を引いたものである。この列挙は限定を意図するものではなく、
図11が、V2Xデバイス800を備える車両の一実施形態における様々なセンサの例示的なロケーションを提供することを意図するものであることが理解される。
【0090】
[0099]添付の図を参照すると、メモリを含み得る構成要素は、非一時的な機械可読媒体を備え得る。本明細書で使用される「機械可読媒体」および「コンピュータ可読媒体」という用語は、機械を特定の方式で動作させるデータを提供することに関与している任意の記憶媒体を指す。以上で提供された実施形態では、様々な機械可読媒体が、実行のために処理ユニットおよび/または(1つまたは複数の)他のデバイスに命令/コードを提供することに関与し得る。追加または代替として、機械可読媒体は、このような命令/コードを記憶および/または搬送するために使用され得る。多くの実装形態では、コンピュータ可読媒体は、物理的なおよび/または有形の記憶媒体である。このような媒体は、限定はしないが、不揮発性媒体、揮発性媒体、および伝送媒体を含む、多くの形態を取り得る。コンピュータ可読媒体の一般的な形態は、例えば、磁気および/または光媒体、孔のパターンを有するその他任意の物理媒体、RAM、プログラマブルROM(PROM)、消去可能プログラマブルROM(EPROM)、FLASH(登録商標)-EPROM、その他任意のメモリチップもしくはカートリッジ、以下で説明される搬送波、またはコンピュータが命令および/またはコードを読み取り得るその他任意の媒体を含む。
【0091】
[0100]本明細書で説明された方法、システム、およびデバイスは、例である。様々な実施形態は、適宜、様々なプロシージャまたは構成要素を省略、代用、または追加し得る。例えば、ある特定の実施形態に関して説明された特徴は、様々な他の実施形態において組み合わされ得る。実施形態の異なる態様および要素は、同様の方法で組み合わされ得る。本明細書で提供される図面の様々な構成要素は、ハードウェアおよび/またはソフトウェアにおいて具現化され得る。また、技術は発展し、したがって、要素の多くは、本開示の範囲をそれらの特定の例に限定しない例である。
【0092】
[0101]主に一般的な使用法の理由から、このような信号を、ビット、情報、値、要素、シンボル、文字、変数、項(terms)、数、数字、または同様のものとして参照することが、時として便利であることが分かっている。しかしながら、これらおよび同様の用語の全てが、適切な物理量に関連付けられるべきであり、単なる便利なラベルにすぎないことが理解されるべきである。別段に明記されていない限り、上記の説明から明らかであるように、本明細書全体にわたって、「処理する」、「コンピューティングする(computing)」、「計算する(calculating)」、「決定する」、「確定する」、「識別する」、「関連付ける」、「測定する」、「行う」、または同様のこと等の用語を利用した説明は、専用コンピュータまたは同様の専用電子コンピューティングデバイス等の、特定の装置のアクションまたはプロセスを指すことが理解される。したがって、本明細書のコンテキストでは、専用コンピュータまたは同様の専用電子コンピューティングデバイスは、専用コンピュータまたは同様の専用電子コンピューティングデバイスのメモリ、レジスタ、もしくは他の情報記憶デバイス、送信デバイス、またはディスプレイデバイス内の、物理的な電子的、電気的、または磁気的な量として典型的に表される信号を操作または変換することが可能である。
【0093】
[0102]本明細書で使用される場合、「および(and)」および「または(or)」という用語は、このような用語が使用されるコンテキストに少なくとも部分的に依存することも予期される、様々な意味を含み得る。典型的に、「または」という用語は、A、B、またはC等の列挙を関連付けるために使用される場合、ここで包含的な意味で使用される場合は、A、B、およびCを意味し、ならびに、ここで排他的な意味で使用される場合は、A、B、またはCを意味するように意図される。加えて、本明細書で使用される場合、「1つまたは複数」という用語は、単数形における任意の特徴、構造、または特性を説明するために使用され得、または特徴、構造、または特性の何らかの組合せを説明するために使用され得る。しかしながら、これは単なる例示的な例にすぎず、請求項に記載の主題は、この例に限定されるものではないことに留意されたい。さらに、「~のうちの少なくとも1つ」という用語が、A、B、またはC等の列挙を関連付けるために使用される場合、A、AB、AA、AAB、またはAABBCCC等の、A、B、および/またはCの任意の組合せを意味すると解釈され得る。
【0094】
[0103]当業者であれば、様々な修正形態、代替の構造、および同等物が、本明細書で説明された実施形態に適用され得ることを理解するであろう。例えば、上記要素は、より大きいシステムの単なる構成要素にすぎず、ここにおいて、他の規則が、様々な実施形態のアプリケーションに優先するか、またはさもなければそれらを修正し得る。また、上記要素が考慮される前、考慮されている間、または考慮された後に、いくつかのステップが行われ得る。したがって、上記説明は、本開示の範囲を限定しない。
以下に本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[C1] 車両グループ形成におけるリーダー選択の方法であって、
第1の車両において、1つまたは複数の他の車両の各車両からのメッセージを受信することと、ここにおいて、各メッセージは、それぞれの他の車両のロケーション、動き状態、および意図されたマニューバを備える車両情報を含み、
前記第1の車両によって、前記各メッセージの車両情報と、前記第1の車両の対応する車両情報との比較に基づいて、前記第1の車両が前記意図されたマニューバを実行するために作成されるべき車両のグループのためのグループリーダーとして適格であると決定することと、
前記第1の車両が前記グループリーダーとして適格であると決定することに応答して、前記第1の車両から、前記1つまたは複数の他の車両の各々に第1の要求を送ることと、ここにおいて、前記第1の要求は、前記第1の車両が前記グループリーダーになることを求める要求である、
を備える方法。
[C2] 前記第1の車両において、前記1つまたは複数の他の車両の各々から前記第1の要求の受け入れを受信することと、
前記第1の要求の前記受け入れを受信することに応答して、前記第1の車両によるグループ形成を開始することと、
をさらに備える、[C1]に記載の方法。
[C3] 前記第1の車両によるグループ形成を開始することは、
前記第1の車両から、前記1つまたは複数の他の車両の各々に第2の要求を送ることと、ここにおいて、前記第2の要求は、前記車両のグループを形成する要求であり、
前記第1の車両において、前記1つまたは複数の他の車両の各々から前記第2の要求の受け入れを受信することと、
前記第2の要求の前記受け入れを受信することに応答して、
前記第1の車両によって、前記車両のグループについての1つまたは複数のグループ特性を決定することと、
前記第1の車両から、前記1つまたは複数の他の車両の各々にグループ特性告知を送ることと、ここにおいて、前記グループ特性告知は、前記車両のグループについての前記1つまたは複数のグループ特性を示す情報を備える、
を備える、[C2]に記載の方法。
[C4] 前記第1の車両において、前記1つまたは複数の他の車両のうちの第2の車両から前記第1の要求の拒否を受信することと、
前記第1の車両において、前記第2の車両に関する追加の車両情報を受信することと、
前記第1の車両において、前記第2の車両からの第3の要求を受信することと、ここにおいて、前記第3の要求は、前記第2の車両が前記グループリーダーになることを求める要求であり、
前記第1の車両において、前記第2の車両に関する前記追加の車両情報に基づいて、前記要求を受け入れることを決定することと、
前記第1の車両から前記第2の車両に、前記第3の要求の受け入れを送ることと、
をさらに備える、[C1]に記載の方法。
[C5] 前記第2の車両に関する前記追加の車両情報は、前記第2の車両からの前記第1の要求の前記拒否において受信される、[C4]に記載の方法。
[C6] 前記第1の車両が前記車両のグループのための前記グループリーダーとして適格であると決定することは、前記第1の車両が前記1つまたは複数の他の車両のいずれの車両よりも前記意図されたマニューバの開始ロケーションに近いと決定することを備え得る、[C1]に記載の方法。
[C7] 前記第1の車両が前記車両のグループのための前記グループリーダーとして適格であると決定することは、前記第1の車両が前記1つまたは複数の他の車両のいずれの車両よりも多くのマニューバ関連能力を有すると決定することを備える、[C1]に記載の方法。
[C8] 前記マニューバ関連能力は、
センサ能力、
通信能力、または、
計算能力、または、
これらの任意の組合せ、
を備える、[C7]に記載の方法。
[C9] 車両グループ形成におけるリーダー選択の方法であって、
第2の車両において、第1の車両からのメッセージを受信することと、ここにおいて、前記メッセージは、前記第1の車両のロケーション、動き状態、および意図されたマニューバを備える車両情報を含み、
前記第2の車両において、前記第1の車両からの第1の要求を受信することと、ここにおいて、前記第1の要求は、前記第1の車両が前記意図されたマニューバを実行するために作成されるべき車両のグループのためのグループリーダーになることを求める要求であり、
前記第2の車両によって、前記メッセージの前記車両情報と、前記第2の車両の対応する車両情報との比較に基づいて、前記第2の車両が前記グループリーダーとして適格であると決定することと、
前記第2の車両が前記グループリーダーとして適格であると決定することに応答して、前記第2の車両から前記第1の車両に、
前記第1の要求の拒否、および
第2の要求、ここにおいて、前記第2の要求は、前記第2の車両が前記グループリーダーになることを求める要求である、
を送ることと、
を備える方法。
[C10] 前記第2の車両において、前記第1の車両から前記第2の要求の受け入れを受信することと、
前記第2の要求の前記受け入れを受信することに応答して、前記第2の車両によるグループ形成を開始することと、
をさらに備える、[C9]に記載の方法。