(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-20
(45)【発行日】2024-10-01
(54)【発明の名称】シーリングプロファイルを備える内部スイングドア及び内部スイングドアを備える車両
(51)【国際特許分類】
E06B 7/22 20060101AFI20240924BHJP
B60J 10/86 20160101ALI20240924BHJP
B60J 10/20 20160101ALI20240924BHJP
B60J 10/40 20160101ALI20240924BHJP
B60J 5/04 20060101ALI20240924BHJP
【FI】
E06B7/22 F
B60J10/86
B60J10/20
B60J10/40
B60J5/04 R
B60J5/04 B
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023010006
(22)【出願日】2023-01-26
【審査請求日】2023-04-27
(32)【優先日】2022-01-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】523029283
【氏名又は名称】グンミ-ベルツ ゲーエムベーハー アンド シーオー.ケージー グンミ-クンストストフテクニック-シャウムストッフェ
(74)【代理人】
【識別番号】110000785
【氏名又は名称】SSIP弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】グレイン ホルスト
(72)【発明者】
【氏名】シューマン トニ
【審査官】野尻 悠平
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-051580(JP,A)
【文献】特開平11-334365(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0019538(US,A1)
【文献】実開昭59-022038(JP,U)
【文献】実公昭48-024101(JP,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 7/22
B60J 10/86
B60J 10/20
B60J 10/40
B60J 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用
の内部スイングドア(100)であって、
ドアパネル(120a、120b)と、
内部を開閉するように、前記ドアパネル(120a、120b)により内部への旋回動作が行われるポータル(150)と、を備え、
前記ドアパネル(120a、120b)は、前記旋回動作時に、閉状態の前記ポータル(150)及び前記ドアパネル(120a、120b)によって形成される領域を少なくとも部分的に越えて移動し、前記ポータル(150)は、上部領域(160)に水平方向に延びるシール部材を含み、該シール部材は、前記内部スイングドア(100)の閉状態において、前記ドアパネル(120a、120b)の上部領域に重なり、
前記ドアパネル(120a、120b)は、少なくとも1つのドアパネル
要素(130a、130b)と、前記ドアパネル要素(130a、130b)に取り付けられた、鉛直方向に延びる少なくとも1つのシーリングプロファイル(140a、140b)と、を含み、該シーリングプロファイル(140a、140b)は、閉状態において、別のシーリングプロファイル(140a、140b)又は前記ポータル(150)と接し、
前記鉛直方向に延びるシーリングプロファイル(140a、140b)は、前記ドアパネル(120a、120b)の旋回動作時に、前記水平方向に延びるシール部材(160)に接触することなく、前記水平方向に延びるシール部材(160)の下を移動するように、前記ドアパネル要素(130a、130b)より低い高さを有する内部スイングドア。
【請求項2】
前記内部スイングドア(100)は、ストップブラケット(180)を備え、前記水平方向に延びるシール部材(160)のシールリップ(161)は
、前記内部スイングドア(100)の閉状態において
、前記ストップブラケット(180)に当接する請求項1に記載の内部スイングドア。
【請求項3】
前記ストップブラケット(180)は、前記内部スイングドア(100)の閉状
態において、前記水平方向に延びるシール部材(160)の前記シールリップ(161)が当接する当接領域(182)を含む請求項2に記載の内部スイングドア。
【請求項4】
前記ストップブラケット(180)は、前記内部スイングドア(100)の閉状態において、前記鉛直方向に延びるシーリングプロファイル(140a)の上部領域(141a)が当接する、下向きに突出する可撓部(181)を含み、該可撓部(181)は、前記当接領域(182)の下方に延在する請求項3に記載の内部スイングドア。
【請求項5】
前記ストップブラケット(180)は、前記水平方向に延びるシール部材(160)の左領域と右領域との間に挿入され、特に前記ストップブラケット(180)は、前記水平方向に延びるシール部材(160)の水平方向長さに対して実質的に中央に配置される請求項2~4のいずれか一項に記載の内部スイングドア。
【請求項6】
前記ストップブラケット(180)は、前記ストップブラケット(180)から侵入する水を回収し、側方に排出するための、特に実質的に水平方向に延びる、水はけ構造(181a)を有する請求項2~5のいずれか一項に記載の内部スイングドア。
【請求項7】
前記水はけ構造(181a)は、前記ストップブラケット(180)における、当接領域(182)の下方に延在し、下向きに突出する可撓部(181)に形成される請求項6に記載の内部スイングドア。
【請求項8】
前記ストップブラケット(180)は、少なくとも1つの側方シール部材(185)を含み、前記側方シール部材(185)は、前記内部スイングドア(100)の閉状態において、少なくとも部分的に圧縮又は変形する請求項2~7のいずれか一項に記載の内部スイングドア。
【請求項9】
前記ストップブラケット(180)は、合成樹脂を含み、又は、合成樹脂で構成され、特に前記ストップブラケット(180)は、前記水平方向に延びるシール部材(160)と同じ材料又は前記水平方向に延びるシール部材(160)の材料より硬い合成樹脂で構成される請求項2~8のいずれか一項に記載の内部スイングドア。
【請求項10】
前記鉛直方向に延びるシーリングプロファイル(140a、140b)は、上部領域に水導入構造(145a)を有する請求項1~9のいずれか一項に記載の内部スイングドア。
【請求項11】
前記ドアパネル要素(130a、130b)は、ガラスを含む、又は、50質量%以上がガラスで構成される請求項1~10のいずれか一項に記載の内部スイングドア。
【請求項12】
前記水平方向に延びるシール部材(160)及び/又は前記鉛直方向に延びるシーリングプロファイル(140a、140b)は、エラストマを含む、又は、エラストマで構成される請求項1~11のいずれか一項に記載の内部スイングドア。
【請求項13】
前記ドアパネル(120a、120b)は、ドアパネル駆動装置に結合される請求項1~12のいずれか一項に記載の内部スイングドア。
【請求項14】
前記ドアパネル(120a)は、第1のドアパネルであり、前記ドアパネル要素(130a)は、第1のドアパネル要素であり、前記鉛直方向に延びるシーリングプロファイル(140a)は、鉛直方向に延びる第1のシーリングプロファイルであり、前記内部スイングドア(100)は、第2のドアパネル要素(130b)及び鉛直方向に延びる第2のシーリングプロファイル(140b)を含む第2のドアパネル(120b)を備える請求項1~13のいずれか一項に記載の内部スイングドア。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか一項に記載の内部スイングドア(100)を備える車両、特に実用車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に車両用の、シーリングプロファイルを備える内部スイングドアに関する。さらに、本発明は、内部スイングドアを備える車両に関する。
【背景技術】
【0002】
内部スイングドアは、当該技術分野で知られている。内部スイングドアは、特に車両、例えばバスに使用される。内部スイングドアは、ドアポータル及びドアパネルから構成される。このような内部スイングドアのドアパネルは、通常、内部スイングドアが閉じられている時に、別の内部スイングドアの別のシーリングプロファイルに対して、または、ドアポータルに対して当接するシーリングプロファイルを含む。ドアポータルは、内部スイングドアの上部領域に重なる、または、この領域に接する、水平方向に延びるシール部材を含み得る。
【0003】
内部スイングドアの開閉時、すなわち旋回動作時、ドアパネルの一部は、ドアによって形成される領域を移動し、一時的に外部に突出する。すなわち、ドアパネルの一部は、内部スイングドアの閉状態においてドアパネルと、場合によってはドアポータルとによって画定される領域又は面を越えて外部に突出する。内部スイングドアの開閉時、ドアポータルの水平方向に延びるシール部材は、少なくとも部分的に及び/又は一時的にドアパネルに接触し、これにより、ドアパネルのシーリングプロファイルの一部が水平方向に延びるシール部材と摩擦し、外部に押す。この摩擦により、水平方向に延びるシール部材及び/又はドアパネルのシーリングプロファイルは、比較的早く摩耗する。
【発明の概要】
【0004】
したがって、本発明は、内部スイングドアの開閉時に、内部スイングドアのドアパネルのシーリングプロファイルの摩耗及び/又はドアポータルの水平方向に延びるシール部材の摩耗を低減又は回避することができる内部スイングドアを提供することを目的とする。
【0005】
また、他の目的は、内部スイングドアが閉じられている時に、高い気密性を発揮する内部スイングドアを提供することである。
【0006】
さらに他の目的は、費用対効果の高い方法で製造可能な内部スイングドアを提供することである。
【0007】
目的の少なくとも1つは、独立請求項によって解決される。本発明の発展形は従属請求項に定義される。
【0008】
内部スイングドア、好ましくは、車両用の内部スイングドアが開示される。内部スイングドアは、ドアパネル及びポータルを備える。ポータルでは、内部を開閉するように、ドアパネルが内部への旋回動作を行う。旋回動作時に、ドアパネルは、閉状態のポータル及びドアパネルによって形成される領域を少なくとも部分的に越えて移動する。ポータルは、(ポータルの)上部領域に水平方向に延びるシール部材を含む。水平方向に延びるシール部材は、内部スイングドアの閉状態において、ドアパネルの上部領域に重なる。ドアパネルは、少なくとも1つのドアパネル要素と、鉛直方向に延びる少なくとも1つのシーリングプロファイルと、を含む。鉛直方向に延びるシーリングプロファイルは、ドアパネル要素に取り付けられる。閉状態において、鉛直方向に延びるシーリングプロファイルは、別のシーリングプロファイル、特に鉛直方向に延びる別のシーリングプロファイル、又はポータルと接する。鉛直方向に延びるシーリングプロファイルは、ドアパネル要素より低い高さを有する。ドアパネルの旋回動作時に、鉛直方向に延びるシーリングプロファイルは、水平方向に延びるシール部材に接触することなく、水平方向に延びるシール部材の下方を移動する。
【0009】
ドアパネル要素と鉛直方向に延びるシーリングプロファイルの設計により、鉛直方向に延びるシーリングプロファイルと水平方向に延びるシール部材との間の摩擦が回避され、これにより両要素の摩耗が低減される。
【0010】
内部スイングドアは、内部を開閉するために旋回運動を行うドアと理解することができる。この過程では、ドアが開かれる時に、ドアの少なくとも主要部分が内部にスイングされ得る。
【0011】
内部スイングドアは、一枚扉の内部スイングドアであってもよく、二枚扉の内部スイングドアであってもよい。
【0012】
内部スイングドアは、車両用の内部スイングドアであってもよい。車両は、好ましくは、実用車又は乗用車である。車両は、トラック、バス、又は電車であってもよい。特に好ましくは、車両は、バスである。車両は、エレベータ又はナセル、例えばケーブルカーナセルであってもよい。車両は、自律型車両であってもよい。自律型車両は、人の直接制御なしに運転され、例えば、道路交通に参加することができる。
【0013】
ポータルは、ドアポータルであってもよい。ポータルは、内部スイングドアの開閉時に不動であってもよく、すなわち、内部スイングドアの開閉時にポータルの位置が変わらなくてもよい。ポータルは、車両に接続されていてもよく、車両の一部であってもよい。ポータルは、フレームであってもよい。
【0014】
内部は、車両の内部であってもよい。内部は、内部スイングドアによって開閉することができる。内部が開かれた場合、人は(開放された内部スイングドアを通じて)内部にアクセスすることができる。内部が閉じられた場合、人は(内部スイングドアを通じて)内部にアクセスすることができない。すなわち、内部スイングドアが閉じられた場合、人は内部にアクセスすることができない。
【0015】
ドアパネルは、平面要素であってもよい。ドアパネルは、内部スイングドアの開閉時に移動することができる。内部スイングドアが閉じられている場合、ドアパネルにより、内部への人のアクセスが塞がれる。同様に、内部スイングドアが開かれている場合、ドアパネルにより、内部への人のアクセスが開放される。
【0016】
ドアパネル及び/又はポータルは、内部スイングドアが閉じられている時に、領域又は面を画定する。車両の(側方)外部クラッディングは、その領域又は面内に広がっていてもよい。例えば、ドアパネルは、実質的に、ドアパネル及び車両の外部クラッディングによって表面が形成されるように、車両、例えばバスの外部クラッディングと同一平面上にあってもよい。ドアパネル及び/又はポータルによって画定される領域又は面は、内部スイングドアの開閉時に少なくとも部分的にドアパネルによって貫通され得る。すなわち、ドアパネルの少なくとも一部は、内部スイングドアの開閉時に、内部スイングドアの閉状態において画定される領域又は面を越えて突出するか、あるいは、領域又は面を通って突出する。内部スイングドアは、ドアパネルの旋回動作によって開閉することができる。
【0017】
ポータルの水平方向に延びるシール部材は、ドアパネルから水(例えば、雨水)を避けたり、ドアパネルに衝突する水を低減することができる。これに代わって又はこれに加えて、水平方向に延びるシール部材は、プライバシースクリーンとして機能することもできる。したがって、水平方向に延びるシール部材によって覆われた空隙が、ポータルとドアパネルとの間に形成され得る。水平方向に延びるシール部材は、雨水を遮断するため、また、内部スイングドアの入口領域を上方から保護するため、内部スイングドアの閉状態においてドアパネルによって画定される領域又は面を越えて突出するか、あるいは、領域又は面を通って突出し得る。
【0018】
水平方向に延びるシール部材は、閉状態のドアパネルが水平方向に延びるシール部材の内側領域に少なくとも部分的に当接し、外側からシールリップで覆われるように、ポータルに取り付けられる。水平方向に延びるシール部材は、ポータルの(例えば、金属製)プロファイルに取り付けられる取り付け部又は取り付け領域を含んでもよい。
【0019】
水平方向に延びるシール部材は、ドアパネルの全幅にわたって延在してもよい。同様に、水平方向に延びるシール部材は、ドアパネルの幅に対して部分的に延在してもよい。水平方向に延びるシール部材は、単一の部品で作られてもよく、複数の部品で作られてもよい。幅は、水平方向に延びていてもよい。
【0020】
一般に、「上」及び「下」という用語は、重力方向に対する向きを示す。ここでは、「上」は、重力方向に反する向きを示し、及び/又は、「下」は、重力方向における又は重力方向に沿った向きを示す。「水平」は、重力方向に垂直な方向を示す。また、「鉛直」は、重力方向における又は重力方向に沿った方向を示す。
【0021】
水平方向に延びるシール部材は、エラストマ又はゴムを含んでもよい。水平方向に延びるシール部材は、エラストマ又はゴムで構成されてもよい。例えば、水平方向に延びるシール部材は、シリコーン又はEPDMを含む、あるいは、シリコーン又はEPDMで構成される。
【0022】
ドアパネルのドアパネル要素は、剛性、非弾性、又は非可撓性の要素であってもよい。ドアパネル要素は、部分又は全周フレームを含んでもよい。これに代わって又はこれに加えて、ドアパネル要素は、半透明又は透明な要素、例えば、ガラスを含んでもよい。半透明又は透明要素は、ドアパネル要素の領域の主要部分を構成してもよい。半透明又は透明要素の領域は、ドアパネル要素の領域の50%以上、より好ましくは60%以上、より好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上であり得る。
【0023】
鉛直方向に延びるシーリングプロファイルは、ドアパネル要素に接続される。好ましくは、鉛直方向に延びるシーリングプロファイルは、ドアパネル要素の端面でドアパネル要素に接続される。例えば、鉛直方向に延びるシーリングプロファイルは、鉛直方向に延びるシーリングプロファイルとドアパネル要素とが互いに接続されるように、ドアパネル要素の溝に挿入可能な突起又は取り付け部又はフットを有する。同様に、鉛直方向に延びるシーリングプロファイルは、ドアパネル要素に接着又はボルトで固定されてもよい。また、鉛直方向に延びるシーリングプロファイルは、両側を挟むようにドアパネル要素の端面に留められてもよい。
【0024】
鉛直方向に延びるシーリングプロファイルは、少なくとも2つの部品で形成されてもよく、正確に2つの部品で形成されてもよい。鉛直方向に延びるシーリングプロファイルの第1の部分は、一定の断面を有していてもよい。第1の部分は単一の部品で形成されてもよく、及び/又は、第2の部分は単一の部品で形成されてもよい。一定の断面を有しない第2の部分が、鉛直方向に延びるシーリングプロファイルの第1の部分に嵌合されてもよい。第1の部分は、鉛直方向に延びるシーリングプロファイルの第1の部分の2倍以上、好ましくは3倍以上、より好ましくは4倍以上、より好ましくは5倍以上、より好ましくは7倍以上、より好ましくは10倍以上の(鉛直方向における)長さを有し得る。すなわち、第1の部分は、鉛直方向に延びるシーリングプロファイルの主要部分を形成し、第2の部分は、好ましくは、鉛直方向に延びるシーリングプロファイルの上部領域に配置され、鉛直方向に延びるシーリングプロファイルの上部端を形成する。第1の部分は、例えば、クランプ、スナップフィット、加硫、接着、又はボルト結合によって第2の部分に接続される。
【0025】
鉛直方向に延びるシーリングプロファイルは、セーフティエッジ(セーフティモールディングとも称される)であってもよい。セーフティエッジは、ドアパネルと別のドアパネルとの間、または、ドアパネルとポータルとの間をシールするための弾性プロファイルとして機能することができる。これに代わって又はこれに加えて、セーフティエッジは、ドアパネルとポータルとの間、または、2つのドアパネル間の物体、例えば人や物の挟み込みを防止することや、挟み込みの可能性を低減することができる。そのため、セーフティエッジは、例えば、セーフティエッジが予め定義された方法で変形した場合に信号を発生する電気コンタクトバーを含んでもよい。これに代わって又はこれに加えて、セーフティエッジは、ライトグリッド構成の送受信ユニットを含んでもよい。
【0026】
ドアパネルの鉛直シーリングプロファイルは、ドアパネルのドアパネル要素より低い高さを有する。すなわち、重力方向(鉛直方向)における鉛直シーリングプロファイルの長さは、重力方向(鉛直方向)におけるドアパネル要素の長さより小さい。
【0027】
ドアパネル要素の高さは、好ましくは0.5m以上、より好ましくは1.0m以上、より好ましくは1.5m以上、より好ましくは1.8m以上、より好ましくは2.0m以上である。
【0028】
鉛直シーリングプロファイルの高さは、ドアパネル要素の高さより、5cm以上、好ましくは7cm以上、より好ましくは10cm以上、より好ましくは12cm以上、より好ましくは15cm以上、より好ましくは17cm以上、より好ましくは20cm以上、より好ましくは22cm以上、より好ましくは25cm以上低い。
【0029】
鉛直シーリングプロファイルの下端は、ドアパネル要素の下端と実質的に(±10%又は±5%)同じ高さに配置されてもよい。すなわち、鉛直シーリングプロファイルの下端は、ドアパネル要素の下端と実質的に(±10%又は±5%)同一平面に配置されてもよい。
【0030】
鉛直シーリングプロファイルの上端は、ドアパネル要素の上端と同じ高さに配置されなくてもよい。すなわち、鉛直シーリングプロファイルの上端は、ドアパネル要素の上端と同一平面に配置されなくてもよい。
【0031】
鉛直シーリングプロファイルの上端とドアパネル要素の上端との間には、5cm以上、好ましくは7cm以上、より好ましくは10cm以上、より好ましくは12cm以上、より好ましくは15cm以上、より好ましくは17cm以上、より好ましくは20cm以上、より好ましくは22cm以上、より好ましくは25cm以上の間隔が存在し得る。
【0032】
鉛直方向に延びるシーリングプロファイルの上端と水平方向に延びるシール部材の下端との間には、間隔が存在し得る。この間隔は、間隙であってもよい。鉛直方向に延びるシーリングプロファイルの上端と水平方向に延びるシール部材の下端との間の間隔は、鉛直方向に延びるシーリングプロファイルが水平方向に延びるシール部材に重ならないように形成され得る。鉛直方向に延びるシーリングプロファイルの上端と水平方向に延びるシール部材の下端との間の間隔は、1mm以上、好ましくは2mm以上、より好ましくは3mm以上であり得る。間隔は、好ましくは2mm~6mm、より好ましくは3mm~5mm、さらに好ましくは約4mmである。
【0033】
鉛直方向に延びるシーリングプロファイルの高さは、好ましくは0.3m以上、より好ましくは0.8m以上、より好ましくは1.3m以上、より好ましくは1.5m以上、より好ましくは1.6m以上、より好ましくは1.8m以上である。
【0034】
鉛直方向に延びるシーリングプロファイルは、エラストマ又はゴムを含んでもよい。鉛直方向に延びるシーリングプロファイルは、エラストマ又はゴムで構成されてもよい。例えば、鉛直方向に延びるシーリングプロファイルは、シリコーン又はEPDMを含む、あるいは、シリコーン又はEPDMで構成される。
【0035】
鉛直方向に延びるシーリングプロファイルは、押出成形又は共押出成形によって製造される、あるいは、製造可能である。
【0036】
内部スイングドアは、ストップブラケットを備えてもよい。水平方向に延びるシール部材は、シールリップを含んでもよい。水平方向に延びるシール部材のシールリップは、ストップブラケットに当接してもよい。
【0037】
ストップブラケットは、別部品であってもよく、好ましくは、水平方向に延びるシール部材に挿入される。そのため、水平方向に延びるシール部材は、ストップブラケットが挿入される凹部を含んでもよい。ストップブラケットは、例えば、接着、スナップフィット、スコーチ、クランプ、又はボルト結合によって、水平方向に延びるシール部材に接続される。
【0038】
ストップブラケットは、水平方向に延びるシール部材の一部であってもよい。すなわち、ストップブラケットは、水平方向に延びるシール部材と一体的に形成されてもよい。ストップブラケットは、例えば、射出成形又は加硫によって取り付けられたオーバーモールド部であってもよい。
【0039】
好ましくは、水平方向に延びるシール部材のシールリップは、内部スイングドアが閉じられている時、すなわち内部スイングドアの閉状態において、ストップブラケットに当接する。
【0040】
これに代わって又はこれに加えて、水平方向に延びるシール部材のシールリップは、内部スイングドアが開かれている時、すなわち内部スイングドアの開状態において、ストップブラケットに当接してもよい。
【0041】
特に好ましくは、水平方向に延びるシール部材のシールリップは、内部スイングドアが閉じられている時及び内部スイングドアが開かれている時、すなわち内部スイングドアの閉状態及び開状態において、ストップブラケットに当接する。さらに、シールリップは、内部スイングドアが開状態から閉状態に移行する時、及び/又は、閉状態から開状態に移行する時、ストップブラケットに当接してもよい。
【0042】
水平方向に延びるシール部材のシールリップは、水平方向において、水平方向に延びるシール部材の全長にわたって延びてもよく、これにより、好ましくはドアパネルの全幅を覆うことができる。同様に、水平方向に延びるシール部材のシールリップは、水平方向に延びるシール部材より小さな水平方向長さを有していてもよい。
【0043】
ストップブラケットの水平方向長さは、水平方向に延びるシール部材及び/又はシールリップの水平方向長さより小さくてもよい。
【0044】
好ましくは、ストップブラケットは、1つ又は2つの鉛直シーリングプロファイルの幅に実質的に対応する幅を有する。ストップブラケットは、1つ又は2つの鉛直シーリングプロファイルよりわずかに幅広くてもよい。
【0045】
シーリングリップは、鉛直方向に延びるシーリングプロファイルに重ならなくてもよく、覆わなくてもよい。すなわち、シーリングリップは、鉛直方向に延びるシーリングプロファイルから鉛直方向に離間していてもよく、特に、シーリングリップと鉛直方向に延びるシーリングプロファイル、特にその上部領域との間に間隙(空隙)が形成されるように離間してもよい。
【0046】
ストップブラケットは、当接領域を含んでもよい。水平方向に延びるシール部材のシールリップは、内部スイングドアの閉状態において、当接領域に当接してもよい。これに代わって又はこれに加えて、水平方向に延びるシール部材のシールリップは、内部スイングドアの開状態において、当接領域に当接してもよい。水平方向に延びるシール部材のシールリップは、内部スイングドアの閉状態及び内部スイングドアの開放状態の両方において、当接領域に当接してもよい。
【0047】
当接領域は、平面的に形成されていてもよい。当接領域は、10cm2以上、好ましくは25cm2以上、より好ましくは50cm2以上、さらに好ましくは100cm2以上の範囲にわたって延在し得る。
【0048】
当接領域は、水平方向において、ストップブラケットの全長にわたって延びてもよい。あるいは、当接領域は、ストップブラケットより小さい水平方向長さにわたって延びてもよい。
【0049】
ストップブラケットは、可撓部を含んでもよい。可撓部は、当接領域に沿い、下向きに、特に鉛直方向に延びるシーリングプロファイルの方向に突出してもよい。内部スイングドアの閉状態において、鉛直方向に延びるシーリングプロファイル、特に鉛直方向に延びるシーリングプロファイルの上部領域は、可撓部と当接してもよい。
【0050】
好ましくは、鉛直方向に延びるシーリングプロファイルは、内部スイングドアが開かれている時、すなわち、内部スイングドアの開状態において、可撓部と当接しない。
【0051】
鉛直方向に延びるシーリングプロファイルがストップブラケットの可撓部に当接する場合、可撓部は弾性的に変形又は圧縮されてもよい。これにより、内部のシール性を向上することができる。
【0052】
ストップブラケットは、水平方向に延びるシール部材の左領域と右領域との間に挿入されてもよい。「左」及び/又は「右」は、重力方向に対して垂直な方向に延びる。「左」及び/又は「右」は、水平方向に延びていてもよい。
【0053】
好ましくは、ストップブラケットは、水平方向に延びるシール部材の水平方向長さに対して実質的に(±10%又は±5%)中央に配置される。この場合、水平方向に延びるシール部材の左右領域は、水平方向において実質的に(±10%又は±5%)同じ長さを示し得る。
【0054】
特に一枚扉の内部スイングドアでは、ストップブラケットは、水平方向に延びるシール部材の縁部領域に配置、例えば、挿入される。ストップブラケットと水平方向に延びるシール部材の縁部又は端部との間の間隔は、30cm未満、好ましくは20cm未満、より好ましくは10cm未満、さらに好ましくは5cm未満であり得る。
【0055】
ストップブラケットは、水はけ構造を含んでもよい。水はけ構造は、実質的に(±10%又は±5%)水平方向に延びてもよい。水はけ構造は、例えば、わずかな傾斜によって、ストップブラケットから侵入する水を回収し、側方に排出するように構成されてもよい。
【0056】
水はけ構造に水(例えば、雨水)を回収することができる。そのため、ストップブラケットは、窪みを有する領域を含んでもよい。ストップブラケットの窪みから水を排出するように、側方端部、すなわちストップブラケットの水平方向端部が形成されてもよい。例えば、少なくとも1つの側方端部は開口を有してもよく、好ましくは、水はけ構造の両側方端部はそれぞれ開口を有する。水はけ構造は、側溝として又は側溝状に形成されてもよい。
【0057】
水はけ構造は、ストップブラケットの可撓部に形成されてもよい。可撓部は、当接領域に沿い、特に下向きに突出してもよい。これにより、水はけ構造は、シールリップの構造の下方に位置し、水平シール部材のシールリップ上の排水を回収することができる。
【0058】
ストップブラケットは、少なくとも1つの側方シール部材を含んでもよい。側方シール部材は、内部スイングドアが閉じられた時、少なくとも部分的に変形又は圧縮されてもよい。好ましくは、ストップブラケットは、2つの側方シール部材を含み、各側方シール部材は、ストップブラケットの(水平方向)側方端部に配置される。内部スイングドアの閉状態において、両方の側方シール部材は、変形又は圧縮されてもよい。一方又は両方の側方シール部材の変形又は圧縮は、弾性であってもよい。
【0059】
好ましくは、一方又は両方の側方シール部材は、内部スイングドアが開かれた時に、変形又は圧縮されない。
【0060】
内部スイングドアが閉じられている時、ドアパネルの一部、特にドアパネル要素の一部は、側方シール部材に当接し、側方シール部材を変形又は圧縮してもよい。内部スイングドアが2つのドアパネルを備える場合、各ドアパネルの一部は、それぞれ側方シール部材に当接し、側方シール部材を変形又は圧縮してもよい。
【0061】
ストップブラケットは、合成樹脂を含んでもよく、または、合成樹脂で構成されてもよい。ストップブラケットは、水平方向に延びるシール部材と同じ材料で構成されてもよい。同様に、ストップブラケットは、水平方向に延びるシール部材より硬い合成樹脂で構成されてもよい。
【0062】
ストップブラケットは、射出成形部品として、あるいは、3Dプリント(積層造形)によって製造することができる。
【0063】
鉛直方向に延びるシーリングプロファイルは、水導入構造を含んでもよい。好ましくは、鉛直方向に延びるシーリングプロファイルは、上部領域に水導入構造を含む。
【0064】
水導入構造は、開口を含んでもよい。開口を介して、鉛直方向に延びるシーリングプロファイルに水を導入することができる。鉛直方向に延びるシーリングプロファイルは、鉛直方向に延びるシーリングプロファイルの底部に、水が流出する流路を有してもよい。水導入構造は、窪みを有してもよい。開口は、窪みの底部に形成されてもよい。窪みは、漏斗状に形成されてもよい。水導入構造は、鉛直方向に延びるシーリングプロファイルの第2の部分の一部であってもよい。
【0065】
ドアパネル要素は、ガラスを含んでもよい。ドアパネル要素は、50質量%以上がガラスで構成されてもよい。ドアパネル要素は、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上がガラスで構成される。
【0066】
ドアパネルは、ドアパネル駆動装置に結合されていてもよい。ドアパネル駆動によって、内部スイングドアの開閉を実現することができる。ドアパネル駆動装置は、モータ、特に電気モータを含んでもよい。同様に、ドアパネル駆動装置は、空気圧又は油圧の駆動部材を含んでもよい。
【0067】
内部スイングドアは、自動で、好ましくは半自動で、又は全自動で、開閉することができる。
【0068】
記載されたドアパネルは、第1のドアパネルであってもよい。記載されたドアパネル要素は、第1のドアパネル要素であってもよい。記載された鉛直方向に延びるシーリングプロファイルは、鉛直方向に延びる第1のシーリングプロファイルであってもよい。内部スイングドアは、第2のドアパネル要素及び鉛直方向に延びる第2のシーリングプロファイルを有する第2のドアパネルを備えてもよい。第2のドアパネルは、ここで開示される任意のドアパネルであってもよい。第2のドアパネル要素は、ここで開示される任意のドアパネル要素であってもよい。鉛直方向に延びる第2のシーリングプロファイルは、ここで開示される任意のシーリングプロファイルであってもよい。
【0069】
好ましくは、内部スイングドアは、二枚扉の内部スイングドアである。
【0070】
内部スイングドアを備える車両が開示される。内部スイングドアは、ここで開示されるいずれの内部スイングドアであってもよい。好ましくは、車両は、実用車又は乗用車である。車両は、トラック、バス、又は電車であってもよい。特に好ましくは、車両は、バスである。車両は、エレベータ又はナセル、例えばケーブルカーナセルであってもよい。車両は、自律型車両であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0071】
以下では、本開示と、本開示の他の実施形態及び利点とをそれぞれ、図に基づいて詳細に説明するが、これらの図は、本開示の例示的な実施形態を説明するにすぎない。図中の同一の構成要素は、同一の参照符号で示される。
【0072】
【
図1】当該技術分野のシール部材160pを示す図である。
【
図2】閉状態の内部スイングドア100を示す図である。
【
図3】開状態の内部スイングドア100を示す図である。
【
図4】閉状態の内部スイングドア100を示す図である。
【
図5】開状態の内部スイングドア100を示す図である。
【
図6】ストップブラケット180を含む断面図である。
【
図7】ストップブラケット180を含む断面図である。
【
図10】水平方向に延びるシール部材におけるストップブラケットの上面図である。
【
図11】内部スイングドア100の閉開プロセスにおける、異なる時点の第1ドアパネル120a及び第2ドアパネル120bの位置を示す図である。
【
図12】閉状態の内部スイングドアの一部分の正面図である。
【
図13】閉状態の内部スイングドアの一部分の背面図である。
【
図14】閉状態の内部スイングドアの一部分の正面図である。
【
図15】内部スイングドア100の一部分の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0073】
図1は、従来の内部スイングドア100pの一部分を示す。内部スイングドア100pは、水平方向に延びるシール部材160pを備える。さらに、内部スイングドア100pは、鉛直方向に延びる2つのシーリングプロファイルをそれぞれ有する2つのドアパネルを備える(
図1には示されていない)。内部スイングドア100pが開かれる際、ドアパネルは旋回運動を行う。この運動において、ドアパネルの一部は、それぞれ、内部スイングドア100pが閉じられている時にドアパネルによって画定される面を越えて突出する。ドアパネルの一部の突出によって、鉛直方向に延びるシーリングプロファイルの一部が、それぞれ、水平方向に延びるシール部材160pに接する。
【0074】
日常的な使用において、特にバスの内部スイングドア100pは、頻繁に開閉される。鉛直方向に延びるシーリングプロファイルと水平方向に延びるシール部材とが繰り返し接触し、摩擦することにより、水平方向のシール部材及び/又は鉛直方向に延びるシーリングプロファイルは、比較的早く摩耗する。
【0075】
図1では、内部スイングドア100pの開閉が繰り返されることによって生じる膨らみ161pが見られる。この膨らみ161pは、望ましくないものであり、摩耗を生じさせるため、水平方向に延びるシール部材160pを頻繁に交換しなくてはならず、また、ドアパネルと水平方向に延びるシール部材との間のシール性を低下させ、水の浸入や空気の吸い込み、大きな走行音の原因となり得る。
【0076】
図2は、内部スイングドア100を模式的に示す。内部スイングドア100は、二枚扉の内部スイングドアとして描かれており、以下ではそのように説明されるが、本開示は二枚扉の内部スイングドアに限定されず、二枚扉の内部スイングドアの説明は、一枚扉の内部スイングドアに同様に適用される。
【0077】
内部スイングドア100は、第1のドアパネル120a及びポータル150を備える。さらに、内部スイングドア100は、第2のドアパネル120bを備えてもよい。ポータル150は、例えば、金属フレームとして形成され、及び/又は、車両シャーシに取り付けられる。ポータルは、特に、ポータルの上部領域に、水平方向に延びるシール部材160を含む。水平方向に延びるシール部材160は、第1及び/又は第2のドアパネル120a、120bの上端を越えて鉛直方向(重力方向)に突出する。すなわち、水平方向に延びるシール部材160は、第1及び/又は第2のドアパネル120a、120bの上部に重なる又は覆う。
【0078】
ポータルでは、第1及び/又は第2のドアパネル120a、120bが、(二重曲線矢印で示される)旋回動作を実行できるように支持され得る。
【0079】
第1のドアパネル120aは、第1のドアパネル要素130aと、鉛直方向に延びる第1のシーリングプロファイル140aと、を含む。ドアパネル要素130aは、半透明又は透明な要素、例えば、ガラスを含んでもよい。半透明又は透明要素は、第1のドアパネル要素130aの領域の主要部分(50%以上)を構成してもよい。ドアパネル要素130aは、フレームを含んでもよい。半透明又は透明要素は、フレームに保持されてもよい。鉛直方向に延びるシーリングプロファイル140aは、ドアパネル要素130aの端面に取り付けられてもよい。鉛直方向に延びるシーリングプロファイル140aは、ドアパネル要素130aより低い高さを有する。
【0080】
第2のドアパネル120bは、第1のドアパネル120aと同様に構成することができる。第2のドアパネル120bは、第2のドアパネル要素130bと、鉛直方向に延びる第2のシーリングプロファイル140bと、を含む。
【0081】
図2では、内部スイングドア100は閉じている。この状態では、第1の鉛直シーリングプロファイル140aは、第2の鉛直シーリングプロファイル140bに接する。内部スイングドア100が一枚扉である場合、すなわち、1枚のドアパネル120aのみを含む場合、内部スイングドア100が閉じている時、鉛直方向に延びるシーリングプロファイル140aは、ポータル150に接し得る。
【0082】
図3は、開状態の内部スイングドア100を示す。第1ドアパネル120a及び第2ドアパネル120bが旋回動作を行うと、第1ドアパネル120aの主要部分及び第2ドアパネル120bの主要部分が内部に突出する。
図3を参照すると、ここでは、内部は、ポータル150の後方に位置する空間として理解される。
【0083】
図2及び
図3に示されるように、鉛直方向に延びる第1のシーリングプロファイル140aの上端と水平方向に延びるシール部材160の下端との間に間隔sが存在する(
図6及び
図12を参照)。間隔sは、鉛直方向に延びる第1のシーリングプロファイル140aと水平方向に延びるシール部材160との間の間隙となる。内部スイングドア100が開かれる場合、鉛直方向に延びる第1のシーリングプロファイル140aは、水平方向に延びるシール部材160に接触することなく、水平方向に延びるシール部材160の下方を移動することができる。この過程で、鉛直方向に延びるシーリングプロファイル140aの一部は、内部スイングドア100の閉状態において少なくとも第1のドアパネル120aによって画定される面又は領域を貫通又は突出し得る。これは、第2のドアパネル120bについても同様に当てはまる。間隔sは、好ましくは、2~6mmである。
【0084】
図4では、内部スイングドア100が
図2のように、すなわち閉状態で示されている。
図4では、水平方向に延びるシール部材160は図示されていない。
【0085】
図5では、内部スイングドア100が
図3のように、すなわち開状態で示されている。
図5では、水平方向に延びるシール部材160は図示されていない。
【0086】
内部スイングドア100は、ストップブラケット180を備えてもよい。ストップブラケット180は、水平方向に延びるシール部材160(
図2及び
図3参照)によって大部分が隠されるか、または、覆われてもよい。
図4及び
図5のストップブラケット180を可視化するため、水平方向に延びるシール部材160の一部は省略されている。
【0087】
ストップブラケット180は、水平方向に延びるシール部材160に挿入されてもよい。例えば、水平方向に延びるシール部材160は、ストップブラケット180が挿入される凹部を含んでもよい。同様に、ストップブラケット180は、水平方向に延びるシール部材160と一体的に形成されてもよい。ストップブラケット180は、水平方向に延びるシール部材160と同じ材料で構成されてもよい。
【0088】
ストップブラケット180は、水平方向に延びるシール部材160の実質的に(±10%又は±5%)中央に配置又は形成されてもよい。ここで、中央とは、水平方向に延びるシール部材160の水平方向長さに関する中央を指す。内部スイングドア100が一枚扉の内部スイングドアである場合、ストップブラケット180は、水平方向に延びるシール部材160の縁部領域、すなわち、鉛直方向に延びるシーリングプロファイルが位置する領域に配置又は形成され得る。
【0089】
図6は、内部スイングドア100の一部分の断面図である。この部分では、ストップブラケット180の一部、水平方向に延びるシーリングプロファイル160の一部、及び鉛直方向に延びるシーリングプロファイル140aの一部が図示されている。
【0090】
水平方向に延びるシーリングプロファイル160は、シーリングリップ161を含んでもよい。シーリングリップ161は、(重力方向)下向きに突出してもよい。下方へ延びるほど、シーリングリップ161の厚さが減少してもよい。シーリングリップ161は、全体的又は少なくとも部分的に内側に向かって曲がってもよい。特に、シーリングリップ161は、ストップブラケット180の方向へ曲がってもよい。シーリングリップ161は、少なくとも部分的に、内部スイングドア100の閉状態においてドアパネル120a及び/又はドアパネル120bによって画定される領域又は面上に延在してもよい。
【0091】
ストップブラケット180は、当接領域182を含んでもよい。当接領域182は、ストップブラケット180の平面部分であってもよい。当接領域182及び水平方向に延びるシーリングプロファイル160のシーリングリップ161は、シーリングリップ161が当接領域182に当接するように、互いに配置され得る。シーリングリップ161は、内部スイングドア100の開状態及び/又は閉状態において、当接領域182に当接してもよい。好ましくは、シーリングリップ161は、内部スイングドア100が開状態から閉状態に移行する時、及び/又は、内部スイングドア100が閉状態から開状態にする時、当接領域182に当接する。特に好ましくは、シーリングリップ161は、内部スイングドア100の開閉状態にかかわらず、当接領域182に当接する。
【0092】
ストップブラケット180は、可撓部181を含んでもよい。可撓部181は、当接領域182に沿い、特に下向きに突出してもよい。可撓部181は、(重力方向)下向きに突出してもよい。可撓部181は、弾性を有していてもよい。特に、可撓部181の少なくとも一部は、可撓部181が無負荷である場合に、ドアの閉状態において第1のドアパネル120a又は第2のドアパネル120bによって画定される領域又は面を越えて、あるいは、領域又は面を通って突出する。
【0093】
鉛直方向に延びる第1のシーリングプロファイル140aは、上部領域141aを含んでもよい。内部スイングドア100の閉状態において、上部領域141aは、可撓部181に当接してもよい。鉛直方向に延びる第1のシーリングプロファイル140aの上部領域141aにより、可撓部181は、変形又は圧縮され、特に弾性的に変形又は圧縮される。
【0094】
図6では、非変形又は非圧縮状態の可撓部181が示される。可撓部181は、変形又は圧縮されると、内部の方向に押される。
【0095】
ストップブラケット180は、水はけ構造181aを含んでもよい。水はけ構造181aは、外部に対して開口していてもよい。外部は、第1のドアパネル120a及び/又は第2のドアパネル120bに対して内部とは反対側に位置し得る。水はけ構造181aは、水を含むように形成されてもよい。例えば、水はけ構造181aにより、雨水を受けることができる。水はけ構造181aは、水が少なくとも一時的に貯留される窪みを含んでもよい。水はけ構造181aは、側溝状に形成されてもよい。
【0096】
好ましくは、水はけ構造181aの少なくとも(水平方向)一端に、開口が形成される。この開口を介して、水はけ構造181aから水を排出することができる。特に好ましくは、水はけ構造181aは、(水平方向)両端に、それぞれ開口を有する。
【0097】
図7は、
図6と同様の説明図である。内部スイングドア100は、シールリップ161を有する水平方向に延びるシーリングプロファイル160と、当接領域182及び可撓部181を有するストップブラケット180と、上部領域141aを有する鉛直方向に延びる第1のシーリングプロファイル140aと、を備える。
【0098】
ストップブラケット180の本実施形態では、可撓部181は、リップ又はリブとして構成される。可撓部181は、可撓部181が無負荷である場合に、実質的に(±10%又は±5%)直線的に下方に延びてもよい。好ましくは、本実施形態のストップブラケット180は、水はけ構造181aを有しない。
【0099】
図8は、ストップブラケット180の斜視図である。ストップブラケット180は、第1の側方シール部材185aを含んでもよい。第1の側方シール部材185aは、可撓部181の第1の端部に形成されてもよい。第1の端部は、水平方向における端部であってもよい。ストップブラケット180は、第2の側方シール部材185bを含んでもよい。第2の側方シール部材185bは、可撓部181の第2の端部に形成されてもよい。第1の端部は、水平方向における端部であってもよい。
【0100】
第1のドアパネル120aの一部(又は鉛直シーリングプロファイル140aの縁部)は、内部スイングドア100が閉じられている時に、第1の側方シール部材185aに当接してもよい。第2のドアパネル120bの一部(又は鉛直シーリングプロファイル140bの縁部)は、内部スイングドア100が閉じられている時に、第2の側方シール部材185bに当接してもよい。
【0101】
第1の側方シール部材185aは、第1の側方シール部材185aが無負荷である場合に、ストップブラケット180から(水平方向に)突出してもよい。第1のドアパネル120aの一部と当接することで、第1の側方シール部材185aは変形又は圧縮されてもよい。第2の側方シール部材185bは、第2の側方シール部材185bが無負荷である場合に、ストップブラケット180から(水平方向に)突出してもよい。第2のドアパネル120bの一部と当接することで、第2の側方シール部材185bは変形又は圧縮されてもよい。
【0102】
第1の側方シール部材185a及び/又は第2の側方シール部材185bは、ストップブラケット180と一体に形成されてもよい。特に、第1の側方シール部材185a及び/又は第2の側方シール部材185bは、ストップブラケット180と同じ材料で構成される。
【0103】
第1の側方シール部材185a及び/又は第2の側方シール部材185bは、円錐体の一部として形成されてもよい。
【0104】
図9は、ストップブラケット180の正面図である。ストップブラケット180は、当接領域182を含んでもよい。鉛直方向において、可撓部181は当接領域182に隣接していてもよい。また、当接領域182の一部が可撓性を有し、鉛直シーリングプロファイルの上端が当接したときにわずかに曲がることも可能である。第1の側方シール部材185aは、ストップブラケット180に、特にストップブラケット180の可撓部181に、水平方向に形成されてもよい。第2の側方シール部材185bは、ストップブラケット180に、特にストップブラケット180の可撓部181に、水平方向に形成されてもよい。
【0105】
図10は、水平方向に延びるシール部材160及びストップブラケット180を上方、すなわち鉛直方向から見た上面図である。ストップブラケット180は、水平方向に延びるシール部材160と一体的に形成されてもよい。ストップブラケット180は、水平方向に延びるシール部材160と同じ材料で構成されてもよい。
【0106】
あるいは、ストップブラケット180と水平方向に延びるシール部材160は、別個の要素として形成されてもよい。水平方向に延びるシール部材160は、凹部を含んでもよい。凹部には、ストップブラケット180が挿入されてもよい。ストップブラケット180は、水平方向に延びるシール部材160に接続されてもよい。接続は、クランプ、スナップフィット、接着、加硫、又はボルト結合によって構成することができる。
【0107】
図11は、内部スイングドア100の閉開プロセスにおける、異なる時点の第1ドアパネル120a及び第2ドアパネル120bの位置を示す図である。
【0108】
最外端における第1ドアパネル120aの位置(
図11における下側)及び最外端における第2ドアパネル120bの位置(
図11における上側)は、内部スイングドア100の全開時の第1ドアパネル120a及び第2ドアパネル120bの位置を示している。中央位置における第1ドアパネル120aの位置(
図11における中央)及び中央位置における第2ドアパネル120bの位置(
図11における中央)は、内部スイングドア100の全閉時の第1ドアパネル120a及び第2ドアパネル120bの位置を示している。また、第1ドアパネル120a及び第2ドアパネル120bの中間位置は、内部スイングドア100が全開状態と全閉状態との間を移動する時の第1ドアパネル120a及び第2ドアパネル120bの位置を示している。
【0109】
図11に見られるように、第1のドアパネル120a及び/又は第2のドアパネル120bは、内部スイングドア100が閉状態にある時、領域又は面を画定する。内部スイングドア100の開閉時、第1のドアパネル120aの一部及び/又は第2のドアパネル120bの一部は、領域又は面を通って、あるいは、領域又は面を越えて突出する。鉛直方向に延びる第1及び/又は第2のシーリングプロファイル140a、140bの構成により、第1及び/又は第2の鉛直方向に延びるシーリングプロファイル140、140bと水平方向に延びるシール部材160との間に接触が生じない。
【0110】
図12は、閉状態の内部スイングドア100の一部分の正面図である。水平方向に延びるシール部材160と、鉛直方向に延びる第1及び/又は第2のシーリングプロファイル140a、140bとの間に、間隔sが形成されてもよい。間隔sは、水平方向に延びるシール部材160と、鉛直方向に延びる第1及び/又は第2のシーリングプロファイル140a、140bとの間に間隙が存在するように、鉛直方向に形成されてもよい。ストップブラケット180、特にストップブラケット180の可撓部181は、鉛直方向に延びる第1及び/又は第2のシーリングプロファイル140a、140bの上部に当接してもよい。これにより、水平方向に延びるシール部材160と、鉛直方向に延びる第1及び/又は第2のシーリングプロファイル140a、140bとの間の間隙をシールすることができる。
【0111】
図13は、閉状態の内部スイングドア100の一部分の背面図、すなわち内側から見た図である。ストップブラケット180は、少なくとも1つのリブ186、好ましくは少なくとも2つ以上のリブを含んでもよい。少なくとも1つのリブ186は、実質的に(±10%又は±5%)鉛直方向に延びてもよい。少なくとも1つのリブ186は、ストップブラケット180の内部方向に面する側に形成されてもよい。少なくとも1つのリブ186は、当接領域182に対してストップブラケット180とは反対側に形成されてもよい。1つ以上のリブ186により、ストップブラケット180の安定性を確保することができる。
【0112】
内部スイングドア100の閉状態において、第1の側方シール部材185aは、第1のドアパネル120aの一部と当接してもよい。内部スイングドア100の閉状態において、第2の側方シール部材185bは、第2のドアパネル120bの一部と当接してもよい。これにより、内部スイングドア120aの閉状態における、内部のシール性を向上させることができる。
【0113】
図14は、閉状態の内部スイングドア100の一部分の正面図である。
図14の描写は、
図12の描写と同様であり、
図12に対して、水平方向に延びるシール部材160の一部が図示されていない。
【0114】
図15は、内部スイングドア100の一部分の上面図である。鉛直方向に延びる第1のシーリングプロファイル140aの(重力方向に対して)上部領域に、窪みが形成されてもよい。窪みは、桶状又は漏斗状であってもよい。鉛直方向に延びる第1のシーリングプロファイル140aの上部領域に、水導入構造145aが形成されてもよい。水導入構造145aは、開口であってもよい。水導入構造145aは、鉛直方向に延びる第1のシーリングプロファイル140aの流路への入口であってもよい。流路は、鉛直方向に延びる第1のシーリングプロファイル140aを少なくとも部分的に、特に完全に貫通して延在する。
【0115】
鉛直方向に延びる第1のシーリングプロファイル140aの上部領域において、水が導入可能であってもよい。例えば、鉛直方向に延びる第1のシーリングプロファイル140aの上部領域において、ストップブラケット180の水はけ構造181aから水が導入可能であってもよい。水導入構造145aにより、鉛直方向に延びる第1のシーリングプロファイル140aに、特に鉛直方向に延びる第1のシーリングプロファイル140aの流路に水を送ることができる。また、流路を介して、鉛直方向に延びる第1のシーリングプロファイル140aから水を抽出又は排水することができる。
【0116】
上述したように、鉛直方向に延びる第1及び/又は第2のシーリングプロファイル140a、140bは、少なくとも2つの部品で形成されてもよく、正確に2つの部品で形成されてもよい。上部領域は、第2の部分に対応し得る。特に、第2の部分は、窪み及び/又は水導入構造145aを含む。
【符号の説明】
【0117】
100 内部スイングドア
100p 内部スイングドア
120a,120b ドアパネル
130a,130b ドアパネル
140a,140b シーリングプロファイル
141a 上部領域シーリングプロファイル
145a 水導入構造
150 ポータル
160 シール部材
160p シール部材
161 シーリングリップ
161p 膨らみ
180 ストップブラケット
181 部分
181a 水はけ構造
182 当接領域
185 シール部材
186 リブ