(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-20
(45)【発行日】2024-10-01
(54)【発明の名称】並列接続セルのセルスイッチング装置を備えるバッテリーパック及びセルスイッチング方法
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20240924BHJP
H02J 9/04 20060101ALI20240924BHJP
H02J 1/00 20060101ALI20240924BHJP
B60L 1/00 20060101ALI20240924BHJP
B60L 3/00 20190101ALI20240924BHJP
B60L 50/60 20190101ALI20240924BHJP
B60L 58/18 20190101ALI20240924BHJP
H01M 10/48 20060101ALN20240924BHJP
【FI】
H02J7/00 302C
H02J9/04
H02J1/00 304E
H02J7/00 P
B60L1/00 L
B60L3/00 S
B60L50/60
B60L58/18
H01M10/48 A
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023025318
(22)【出願日】2023-02-21
(62)【分割の表示】P 2021555520の分割
【原出願日】2020-11-30
【審査請求日】2023-03-03
(31)【優先権主張番号】10-2019-0174156
(32)【優先日】2019-12-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・ワン・キム
【審査官】清水 祐樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-038884(JP,A)
【文献】特開2013-240155(JP,A)
【文献】特開2013-038959(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 1/00 - 1/16
H02J 7/00 - 7/12
H02J 7/34 - 11/00
H01M 10/42 - 10/48
B60L 1/00
B60L 3/00
B60L 50/60
B60L 58/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のバッテリーセルが並列に並べられて形成されるセル並列ラインを一本以上備えるバッテリーパックにおいて、
前記セル並列ラインを構成するバッテリーセルのうち、第1のセルから順次に隣接した所定の数のバッテリーセルを並列に接続してなる第1のセルバンクと、
前記セル並列ラインを構成するバッテリーセルのうち、前記第1のセルバンクとして設定されたバッテリーセルを除いた残りのセルを並列に接続してなる第2のセルバンクと、
を備え、
前記第1のセルバンクと前記第2のセルバンクは電気的に分離され、
前記第2のセルバンクのバッテリーセルのうち、前記第1のセルバンクと最も隣接した位置のバッテリーセルを取替え用セルとして設定し、前記第1のセルバンクにおいて
並列接続線の開放又は電流遮断装置(CID)の動作による故障セルが生じる場合、前記取替え用セルを第2のセルバンクから電気的に分離し、第1のセルバンクに並列接続して前記取替え用セルが前記故障セルに取って代わる、バッテリーパック。
【請求項2】
前記第1のセルバンクは、バッテリーパックが取り付けられるデバイスへの主電力供給源として動作し、前記第2のセルバンクは、前記デバイスへの補助電力供給源として動作する、請求項1に記載のバッテリーパック。
【請求項3】
前記第2のセルバンクのバッテリーセルの個数が前記第1のセルバンクのバッテリーセルの個数よりも少ない、請求項2に記載のバッテリーパック。
【請求項4】
前記補助電力供給源は、前記デバイスに含まれる付加装置の駆動のための電力を与える、請求項2または3に記載のバッテリーパック。
【請求項5】
前記デバイスが自動車であり、前記主電力供給源が前記自動車のモーターの駆動のための電力を与え、前記付加装置が前記自動車のオーディオ装置とナビゲーション装置とブラックボックス装置のうちの一つ以上である、請求項4に記載のバッテリーパック。
【請求項6】
多数のバッテリーセルを並列に並べてセル並列ラインを形成するセル並列ライン形成ステップと、
前記セル並列ラインをなすバッテリーセルのうち、第1のセルから順次に所定の数のバッテリーセルを並列に接続して第1のセルバンクとして、前記第1のセルバンクとして設定されたバッテリーセルを除いた残りのバッテリーセルを並列に接続して第2のセルバンクとしてそれぞれ設定するセルバンク設定ステップと、
前記第1のセルバンクにおいて並列接続線の開放又は電流遮断装置(CID)の動作による故障セルが生じたか否かを感知する故障セル感知ステップと、
前記第1のセルバンクにおいて故障セルが生じた場合、前記故障セルを前記第2のセルバンクに属している取替え用セルに取り替える故障セル取替えステップと、
を含むセルスイッチング方法。
【請求項7】
前記第1のセルバンクは、バッテリーパックが取り付けられるデバイスへの主電力供給源として動作し、前記第2のセルバンクは、前記デバイスへの補助電力供給源として動作する、請求項6に記載のセルスイッチング方法。
【請求項8】
前記第2のセルバンクのバッテリーセルの個数が前記第1のセルバンクのバッテリーセルの個数よりも少ない、請求項7に記載のセルスイッチング方法。
【請求項9】
前記第2のセルバンクは、前記デバイスに含まれる付加装置の駆動のための電力を与える、請求項7または8に記載のセルスイッチング方法。
【請求項10】
前記デバイスが自動車であり、前記主電力供給源が前記自動車のモーターの駆動のための電力を与え、前記付加装置が前記自動車のオーディオ装置とナビゲーション装置とブラックボックス装置のうちの一つ以上である、請求項9に記載のセルスイッチング方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、並列接続セルのセルスイッチング装置を備えるバッテリーパック及びセルスイッチング方法に係り、さらに詳しくは、並列に接続されたセルのうち、接続の途切れが生じた特定のセルを取替え用セルに取り替えるセルスイッチング装置を備えるバッテリーパック及びセルスイッチング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
充電不可能な一次バッテリーとは異なり、充電可能な二次バッテリーは、スマートフォン、ノート型パソコン、タブレットパソコンなどの小型先端電子機器の分野だけではなく、電気自転車、電気自動車、エネルギー貯蔵システム(ESS)に至るまで多種多様な分野において広く用いられている。
【0003】
電気自転車や電気自動車、エネルギー貯蔵システム(ESS)などといった中大型デバイスには、高出力、大容量が求められるため、前記二次バッテリーを中大型デバイスに適用する場合、多数のバッテリーセルが直/並列に接続されて電気的に接続されたバッテリーパックを用いることになる。
【0004】
一般に、バッテリーパックに含まれるバッテリーセルは、充電に際して安全性を確保するための保護素子として、セルの内部圧力が増加すれば遮断動作を行ってセルに電流が流れないようにする電流遮断装置(CID:current interruption device)を備えて、バッテリーの過充電を安全に防ぐようになっている。
【0005】
しかしながら、バッテリーセルが並列接続された状態で特定のバッテリーセルのCIDが動作してしまうと、当該故障バッテリーセルの接続が途切れてしまうため、前記故障バッテリーセルと並列接続された残りの正常バッテリーセルに前記故障バッテリーセルに流れていた電流により過電流が流れてしまう結果、正常バッテリーセルに過負荷がかかるという現象が生じてしまう。なお、前述したように、CIDのような保護素子の動作だけではなく、特定のバッテリーセルの並列接続線が開放(Open)されるなどの原因により並列接続されたバッテリーセルのうち、特定のバッテリーセルの接続の途切れが生じる場合にも、残りの正常バッテリーセルに過電流が流れてしまう。
【0006】
このような現象はセルの劣化を促して、バッテリーの性能及び寿命を減少させる結果を招いてしまうという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】韓国公開特許第10-2018-0034138号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上述した問題を解決するために案出されたものであって、その目的は、多数のバッテリーセルが並列接続された状態で特定のセルの並列接続線の開放(Open)、あるいは、CIDの動作による接続の途切れが生じたりした場合、当該セルを取替え用セルに取り替えることのできるセルスイッチング装置を提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る多数のバッテリーセルが並列に並べられて形成されるセル並列ラインを一本以上備えるバッテリーパックは、前記セル並列ラインを構成するバッテリーセルのうち、第1のセルから順次に隣接した所定の数のバッテリーセルを並列に接続してなる第1のセルバンクと、前記セル並列ラインを構成するバッテリーセルのうち、前記第1のセルバンクとして設定されたバッテリーセルを除いた残りのセルを並列に接続してなる第2のセルバンクと、を備えてなり、前記第1のセルバンクと第2のセルバンクは電気的に分離され、前記第2のセルバンクのバッテリーセルのうち、前記第1のセルバンクと最も隣接した位置のバッテリーセルを取替え用セルとして設定し、前記第1のセルバンクにおいて故障セルが生じる場合、前記取替え用セルを第2のセルバンクから電気的に分離し、第1のセルバンクに並列接続して前記取替え用セルが前記故障セルに取って代わることを特徴とする。
【0010】
また、前記バッテリーパックは、前記第1のセルバンクにおいて生じる故障セルを取替え用セルに取り替えるためのスイッチング動作を行うスイッチをさらに備えてなり、前記スイッチは、前記第2のセルバンクの取替え用セルと第1のセルバンクのバッテリーセルとを並列に接続する第1の並列接続ラインの上に配備されて、前記取替え用セルと第1のセルバンクとの接続の流れを制御する第1のスイッチと、前記第2のセルバンクの取替え用セルとその残りのセルとを並列に接続する第2の並列接続ラインの上に配備されて、前記取替え用セルとその残りのセルとの接続の流れを制御する第2のスイッチと、を備えてなることを特徴とする。
【0011】
さらに、前記バッテリーパックは、前記第1のセルバンクにおいて並列接続線の開放又はCIDの動作による故障セルが生じたか否かに応じて、前記第1及び第2のスイッチのスイッチング動作を制御する制御部をさらに備えてなる。
【0012】
前記制御部は、前記第1のセルバンクにおいて故障セルが生じていない正常の状態である場合、前記第1のスイッチをオフ(Off)にし、第2のスイッチはオン(On)にして、前記取替え用セルを、第1のセルバンクのバッテリーセルとの接続は遮断し、第2のセルバンクの残りのバッテリーセルと接続することを特徴とする。
【0013】
一方、前記制御部は、前記第1のセルバンクにおいて故障セルが生じると、前記第1のスイッチをオン(On)にし、第2のスイッチはオフ(Off)にして、前記取替え用セルを第2のセルバンクから分離し、且つ、前記第1のセルバンクのバッテリーセルに接続して、前記故障セルを取替え用セルに取り替えることを特徴とする。
【0014】
一方、前記第1のセルバンクは、バッテリーパックが取り付けられるデバイスへの主電力供給源として動作し、前記第2のセルバンクは、前記デバイスへの補助電力供給源として動作することを特徴とする。
【0015】
本発明に係るセルスイッチ方法は、多数のバッテリーセルを並列に並べてセル並列ラインを形成するセル並列ライン形成ステップと、前記セル並列ラインをなすバッテリーセルのうち、第1のセルから順次に所定の数のバッテリーセルを並列に接続して第1のセルバンクとして、前記第1のセルバンクとして設定されたバッテリーセルを除いた残りのバッテリーセルを並列に接続して第2のセルバンクとしてそれぞれ設定するセルバンク設定ステップと、前記第1のセルバンクにおいて並列接続線の開放又はCIDの動作による故障セルが生じたか否かを感知する故障セル感知ステップと、前記第1のセルバンクにおいて故障セルが生じた場合、前記故障セルを前記第2のセルバンクに属している取替え用セルに取り替える故障セル取替えステップと、を含んでなる。
【0016】
具体的に、前記故障セル取替えステップは、前記第2のセルバンクの取替え用セルとその残りのバッテリーセルとの並列接続ラインの上に配備された第2のスイッチをオフ(Off)にして、前記取替え用セルを第2のセルバンクから電気的に分離する取替え用セル分離ステップと、前記取替え用セルと第1のセルバンクのバッテリーセルとの並列接続ラインの上に配備された第1のスイッチをオン(On)にして、前記第2のセルバンクから分離した取替え用セルを第1のセルバンクに並列接続する取替え用セル接続ステップと、を含んでなることを特徴とする。
【0017】
ここで、前記取替え用セルは、前記第2のセルバンクのバッテリーセルのうち、前記第1のセルバンクと最も隣接して位置することを特徴とする。
【0018】
一方、前記第1のセルバンクは、バッテリーパックが取り付けられるデバイスへの主電力供給源として動作し、前記第2のセルバンクは、前記デバイスへの補助電力供給源として動作することを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明は、並列接続されたセルのうち、並列接続線の開放(Open)、あるいは、CIDの動作による接続の途切れが生じた特定のセルをスイッチング動作を通じて正常の取替え用セルに取り替えることができる。
【0020】
したがって、特定のセルの接続故障の影響により残りの正常セルに生じる安全問題、セルの退化問題を防ぐことができ、さらに、これらの問題によるバッテリーの性能の低下を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明に係るセルスイッチング装置を備えたバッテリーパックを概略的に示す図である。
【
図2】故障セルが生じていない正常の状態の電気的な接続状態を概略的に示す図である。
【
図3】故障セルが生じてスイッチング動作を行った状態の電気的な接続状態を概略的に示す図である。
【
図4】本発明に係るセルスイッチング方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下では、添付図面に基づいて、本発明が属している技術分野において通常の知識を有する者が容易に実施できるように本発明の実施形態について詳しく説明する。しかしながら、本発明は、種々の異なる形態に具体化可能であり、ここで説明する実施形態に何ら限定されるものではない。なお、図中、本発明について明確に説明するために、説明とは無関係な部分は省略し、明細書の全般に亘って、類似の部分には類似の図面符号を付している。
【0023】
以下、添付図面に基づいて、本発明について詳しく説明する。
【0024】
1.並列接続セルのセルスイッチング装置を備えるバッテリーパック
図1は、本発明に係るセルスイッチング装置を備えるバッテリーパックの全体的な構成を概略的に示す図である。これを参照すると、本発明に係るセルスイッチング装置を備えるバッテリーパックは、下記のような構成要素を備えていてもよい。
【0025】
図1を参照すると、バッテリーパック100は、多数のバッテリーセル101が並列に並べられて一本のセル並列ラインをなし、前記セル並列ラインが少なくとも一本以上直列に並べられた形状を呈しており、下記のように分けて説明することができる。
【0026】
1.1.第1のセルバンク112
叙上のように、多数のバッテリーセル101が並列に並べられて一本のセル並列ラインをなすが、前記セル並列ラインをなすバッテリーセルのうち、バッテリーパックが取り付けられたデバイスへの主電力供給源としての第1のセルから順次に隣接した所定の数のバッテリーセルを一つのグループに区分けし、これらのバッテリーセルを並列に接続して、当該グループを第1のセルバンク112と称する。
【0027】
図1に示すように、セル並列ライン別(第1のセル並列ライン~第Nのセル並列ライン)に同数のバッテリーセルを第1のセルバンク112a~112nに区分けし、一本のセル並列ラインにおいて第1のセルバンクを構成するバッテリーセルは並列に接続され、セル並列ライン別に対向する第1のセルバンクのバッテリーセルは直列に接続される。バッテリーパック100に含まれている第1のセルバンクを構成するすべてのバッテリーセルは直/並列状態に互いに電気的に接続されて、一つのバッテリーモジュールを構成する。ここで、少なくとも一つ以上の第1のセルバンクが直列に接続されてなるバッテリーモジュールを第1のバッテリーモジュール110と称する。
【0028】
すなわち、第1のセル並列ラインの第1のセルバンク112aを構成するバッテリーセルは、それに対向する第2のセル並列ラインの第1のセルバンク112bを構成するバッテリーセルと直列に接続され、第N-1のセル並列ラインの第1のセルバンク112n-1を構成するバッテリーセルは、第Nのセル並列ラインの第1のセルバンク112nを構成するバッテリーセルと直列に接続されて第1のバッテリーモジュール110を構成するのである。
【0029】
このように構成される第1のバッテリーモジュール110は、バッテリーパックが取り付けられたデバイスにおいて主電力供給源としての機能を果たすことができる。バッテリーパックが取り付けられたデバイスが、例えば、自動車である場合、第1のバッテリーモジュール110は、モーターの駆動のための電力を与えるモーターの駆動用バッテリーモジュールとしての機能を果たすのである。
【0030】
すなわち、第1のバッテリーモジュールは、デバイスの主電力供給源としての機能を果たすため、第1のセルバンク112を構成するバッテリーセルの数は、セル並列ラインをなすバッテリーセルのうち、ほとんどのバッテリーセルを第1のセルバンクに区分けすることが好ましい。
【0031】
例えば、一本のセル並列ラインを13個のバッテリーセルから構成する場合、少なくとも8個以上のバッテリーセルを第1のセルバンクとして設定してもよい。
【0032】
このような第1のセルバンク112は、後述する第2のセルバンク122と電気的に分離された状態である。
【0033】
1.2.第2のセルバンク122
上述したように、一本のセル並列ラインにおいて第1のセルバンクに区分けされたバッテリーセルを除いた残りのバッテリーセルを並列に接続してこれらを一つのグループにして第2のセルバンクと称してもよい。
図1に示すように、セル並列ライン別に同数のバッテリーセルを第2のセルバンク122に区分けし、一本のセル並列ラインにおいて第2のセルバンクを構成するバッテリーセル101は並列に接続され、セル並列ライン別に対向する第2のセルバンクのバッテリーセルはそれぞれ直列に接続される。バッテリーパック100に含まれている第2のセルバンク122a~122nを構成する全てのバッテリーセル101は、直/並列状態に互いに電気的に接続されて、一つのバッテリーモジュールを構成する。ここで、少なくとも一つ以上の第2のセルバンクが直列に接続されてなるバッテリーモジュールを第2のバッテリーモジュール120と称する。
【0034】
すなわち、第1のセル並列ラインの第2のセルバンク122aを構成するバッテリーセルは、それに対向する第2のセル並列ラインの第2のセルバンク122bを構成するバッテリーセルと直列に接続され、第N-1のセル並列ラインの第2のセルバンク122n-1を構成するバッテリーセルは、第Nのセル並列ラインの第2のセルバンク122nを構成するバッテリーセルと直列に接続されて第2のバッテリーモジュール120を構成するのである。
【0035】
このように構成される第2のバッテリーモジュール120は、バッテリーパックが取り付けられたデバイスにおいて補助電力供給源としての機能を果たすことができる。バッテリーパックが取り付けられたデバイスが、例えば、自動車である場合、第2のバッテリーモジュール120は、オーディオ、ナビゲーション、ブラックボックスなど自動車に取り付けられた付加装置の駆動のための電力を与える付加装置駆動用バッテリーモジュールとしての機能を果たすのである。
【0036】
すなわち、第2のバッテリーモジュールは、デバイスの補助電力供給源としての機能を果たすため、第2のセルバンクを構成するバッテリーセルの数は、セル並列ラインをなすバッテリーセルのうち、少数のバッテリーセルを第2のセルバンクに区分けすることが好ましい。
【0037】
例えば、13個のバッテリーセルが一本のセル並列ラインをなす場合、11個のバッテリーセルを第1のセルバンクとして設定し、その残りである二つのバッテリーセルを第2のセルバンクとして設定してもよい。しかしながら、本発明はこれに何ら限定されるものではなく、上述したものは説明の理解のための一つの例示に過ぎず、第1のセルバンクはデバイスの主電力供給源として、第2のセルバンクはデバイスの補助電力供給源としての機能を十分に果たせる限り、その構成比率が異なってきてもよい。
【0038】
一般に、例えば、デバイスが自動車である場合、ナビゲーション、ブラックボックス、オーディオなどの付加装置への電力供給源として鉛蓄電池を用いる。これに対し、本発明は、既存の鉛蓄電池に代えて前記第2のセルバンクを構成し、前記第2のセルバンクを構成するバッテリーセルが既存の鉛蓄電池の役割である前記付加装置への電力供給源としての機能を果たすようにし、これらのバッテリーセルの一つを取替え用セルとして設定する。これにより、新たな取替え用セルを別途に備える必要がないため、回路の構成をさらに簡略化させることができ、取替え用セルもまた電力供給源として使用中であった状態であるため、たとえ主電力供給源として用いられていた故障セルを取替え用セルに取り替えるとしても、未使用の別途のバッテリーセルに取り替える場合に比べて、第1のセルバンクの残りの正常バッテリーセルよりもさらに均一なSOH(バッテリー劣化状態)を保持することができる。したがって、バッテリーセルの寿命管理の効率性を高めることができる。
【0039】
ア.取替え用セル1222
取替え用セルは、第1のセルバンク112を構成するセルのうち、特定のセルに並列接続線の開放又はCIDの動作による接続故障が生じる場合、故障セルに取って代わるように機能することができる。
【0040】
このような取替え用セルは、前記第2のセルバンク122を構成するバッテリーセルのいずれか一つのセルとして設定され得る。
【0041】
例えば、
図1に示すように、第2のセルバンク122のバッテリーセルのうち、第1のセルバンク112のバッテリーセルと最も隣接した位置のバッテリーセルを取替え用セル1222として設定してもよい。この場合、複雑ではない回路構成をもって第1のセルバンクにおいて生じた故障セルを取替え用セルに取り替えることを実現することが可能である。
【0042】
1.3.スイッチ130
スイッチは、後述する制御部の制御に従ってオン/オフ動作して、第1のセルバンクにおいて生じた故障セルが取替え用セルに取って代わられるようにその接続の流れを制御する構成要素であって、第1のスイッチ132及び第2のスイッチ134を備えていてもよい。
【0043】
ア.第1のスイッチ132
第1のスイッチは、第2のセルバンク122に属している取替え用セル1222と第1のセルバンク112とを並列に接続する第1の並列接続ラインaの上に配備されて、第1のセルバンク112のバッテリーセルと第2のセルバンク122の取替え用セル1222との電気的な接続の流れを制御する構成要素であってもよい。ここで、
図1に示すように、第1の並列接続ラインaは、バッテリーセルを基準としてその上端部及び下端部の両方ともに形成されるため、第1のスイッチ132もまた、バッテリーセルの上端部及び下端部にそれぞれ配備される。
【0044】
第1のスイッチ132は、第1のセルバンク112において故障セルが生じていない正常の状態ではオフ(Off)状態に制御されて、
図2に示すように、第1のセルバンク112と取替え用セル1222との電気的な接続の流れを遮断する。
【0045】
次いで、例えば、第1のセル並列ラインの第1のセルバンク112aにおいて故障セルが生じた場合、第1のセル並列ラインに属する第1のスイッチ132aはオン(On)状態に制御されて、
図3に示すように、第1のセルバンク112aのバッテリーセルと取替え用セル1222aとの電気的な接続の流れを開いて、取替え用セル1222aが第1のセルバンク112の構成要素としてその機能を果たすようにしてもよい。
【0046】
イ.第2のスイッチ134
第2のスイッチは、第2のセルバンク122に属している取替え用セル1222とその残りのセルとを並列に接続する第2の並列接続ラインbの上に配備されて、第2のセルバンク122の取替え用セル1222とその残りのセルとの接続の流れを制御する構成要素であってもよい。ここで、
図1に示すように、バッテリーパックに多数(N)本のセル並列ラインを構成する場合、第2の並列接続ラインbは第1のセル並列ラインから第N-1のセル並列ラインまでバッテリーセルを基準としてその上端部にのみ形成されるが、最下端に位置する第Nのセル並列ラインにはバッテリーセルを基準として上端部及び下端部の両方ともに形成される。したがって、第2のスイッチ134は、第1のセル並列ラインから第N-1のセル並列ラインまでは一本のセル並列ライン当たりに一つのみ配備されるが、第Nのセル並列ラインにはバッテリーセルを基準として上/下端の両方ともに配備される。
【0047】
このような第2のスイッチ134は、第1のセルバンク112において故障セルが生じていない正常の状態ではオン(On)状態に制御されて、
図2に示すように、第2のセルバンク122の取替え用セル1222とその残りのセルとを電気的に接続して、取替え用セル1222が第2のセルバンク122の構成要素としての機能を果たすようにしてもよい。
【0048】
次いで、
図3に示すように、例えば、第1のセル並列ラインの第1のセルバンク112aにおいて故障セルが生じた場合、第1のセル並列ラインの第2のスイッチ134aはオフ(Off)状態に制御され、第2のセル並列ラインの第2のスイッチ134bはオン(On)状態に制御されて、第2のセルバンク122aの取替え用セル1222aとその残りのバッテリーセルとの電気的な接続の流れを遮断して取替え用セル1222aを第2のセルバンク122aから分離し、且つ、第2のバッテリーモジュール120を構成する残りのバッテリーセルを直/並列状態に互いに電気的に接続することができる。
【0049】
ウ.第3のスイッチ136
図1に示すように、バッテリーパック100に一本のセル並列ラインを複数(N)本構成する場合、第1乃至第Nのセル並列ラインのうち、第1及び第Nのセル並列ラインを除いたそれらの間に構成されたセル並列ライン、すなわち、第2乃至第N-1のセル並列ラインにおいて各第2のセルバンクの各バッテリーセルは対向する隣接セル並列ラインの第2のセルバンクの各バッテリーセルと直列に接続されるが、このとき、その直列接続ラインcの上に接続の流れを制御する第3のスイッチ136がさらに配備されてもよい。
【0050】
第3のスイッチ136は、故障セルに代えて第1のセルバンク112に並列接続される取替え用セルと第2のバッテリーモジュール120の残りのバッテリーセルとの接続を遮断する役割を果たしてもよい。
【0051】
初期の全ての第3のスイッチ136はオン(On)状態に制御されて各セル並列ラインに構成された取替え用セルを互いに直列接続するが、例えば、第1の並列ラインの第1のセルバンク112aにおいて故障セルが生じると、第1のセル並列ラインの取替え用セル1222aと第2のセル並列ラインの取替え用セル1222bとの直列接続ラインcの上に配備された第3のスイッチ136aはオフ(Off)状態に制御されて電気的な接続の流れを遮断することができる。
【0052】
1.4.制御部(図示せず)
制御部は、外部の故障セル感知システムにおける故障セルの感知有無に応じて第1のスイッチ132、第2のスイッチ134及び第3のスイッチのオン/オフを制御して、第1のセルバンク112において生じた故障セルが第2のセルバンク122の取替え用セル1222に取って代わられるようにする構成要素である。
【0053】
<実施形態1:セル並列ラインを単一本構成する場合>
より具体的に、叙上のように、第1のセルバンク112に故障セルが生じていない正常の状態では第1のスイッチ132をオフ(Off)状態に、第2のスイッチ134をオン(On)状態に制御して、第1のセルバンク112と第2のセルバンク122とを電気的に分離し、取替え用セル1222が第2のセルバンク122の構成要素としての機能を果たすようにしてもよい。
【0054】
その状態で、外部の故障セル感知システムにおいて第1のセルバンク112に属しているバッテリーセルのうち、例えば、並列接続線の開放又はCIDの動作による故障セルが生じた旨を報知する制御信号を受信すると、前記制御信号に基づいて当該故障セルが属している第1のセルバンク112を含むセル並列ラインに構成された第1のスイッチ132はオン(On)状態に、第2のスイッチ134はオフ(Off)状態に制御して、取替え用セル1222を第2のセルバンク122から分離し、第1のセルバンク112に属するようにすることで、取替え用セル1222が当該故障セルに取って代わって第1のセルバンク112の構成要素としての機能を果たすようにしてもよい。
【0055】
<実施形態2:セル並列ラインを多数本構成する場合>
図1に示すように、セル並列ラインを多数(N)本構成する場合、上述した第3のスイッチ136をさらに制御してもよい。
【0056】
実施形態2の場合、故障セルが生じていない正常の状態ではバッテリーパックの全ての第1のスイッチ132はオフ(Off)状態に制御し、第1のセル並列ラインの第2のスイッチ134a及び第Nのセル並列ラインの下端部に位置している第2のスイッチ134nはオン(On)状態に、残りの第2のスイッチはオフ(Off)状態に制御し、さらに第3のスイッチ136はオン(On)状態に制御して各セル並列ラインの第2のセルバンクを構成するバッテリーセルを直/並列状態に互いに電気的に接続してもよい。
【0057】
次いで、例えば、第1のセル並列ラインの第1のセルバンク112aにおいて故障セルが生じたならば、第1のセル並列ラインの第1のスイッチ132aをオン(On)状態に、第2のスイッチ134aはオフ(Off)状態に、第3のスイッチ136aをオフ(Off)状態に切り替え制御して、第1のセル並列ラインの取替え用セル1222aを第2のバッテリーモジュール120から分離し、且つ、第1のセルバンク112aに並列接続して、前記取替え用セル1222aが第1のバッテリーモジュール110としての機能を果たすようにしてもよい。さらに、第1のセル並列ラインの後続ラインである第2のセル並列ラインの第2のスイッチ134bをオン(On)状態に切り替え制御して、第2のバッテリーモジュール120を構成する残りのバッテリーセルを直/並列状態に互いに電気的に接続してもよい。
【0058】
ここで、外部の故障セル感知システムとは、例えば、本発明の出願人が出願した韓国特許出願第10-2019-0122268号、第10-2019-0122269号に開示されている方式で並列接続線の開放又はCIDの動作による故障セルを感知するシステムから構成されたものを意味してもよい。
【0059】
このように構成される外部の故障セル感知システムからの制御信号は、バッテリーパック100に含まれている第1のバッテリーモジュール110のうち、故障セルが属している第1のセルバンク又はセル並列ラインを識別できるように、例えば、セルバンク識別番号又はセル並列ライン識別番号などを含んでいてもよい。
【0060】
例えば、第1のセル並列ラインに含まれている第1のセルバンク112aにおいて故障セルが生じた場合、外部の故障セル感知システムからの制御信号は、第1のセル並列ライン識別番号又は当該第1のセルバンク112a識別番号を含む。これを受け渡された制御部は、前記制御信号に基づいて第1のセル並列ラインに属している第1のセルバンク112aに故障セルが生じたと認識する。そのため、第1のセル並列ラインに位置する第1のスイッチ132aをオン(On)状態に、第2のスイッチ134aをオフ(Off)状態に制御して、
図3に示すように、取替え用セル1222aが故障セルに取って代わるように取り替えてもよい。
【0061】
このように、本発明は、並列接続されたバッテリーセルのうち、並列接続線の開放又はCIDの動作による故障セルが生じる場合、簡単なスイッチング動作で故障セルを正常の取替え用セルに取り替えて該正常の取替え用セルが故障セルに取って代わるようにする。従って、故障セルと並列接続された残りの正常バッテリーセルに前記故障バッテリーセルに流れていた電流により過電流が流れてしまう結果、正常バッテリーセルに過負荷がかかるという現象が生じることを防ぐことができる。これにより、残りの正常バッテリーセルの劣化を促してバッテリーの性能及び寿命を減少させるという問題を源泉的に解決することができる。
【0062】
また、本発明は、取替え用セルを未使用の新たなバッテリーセルとして別途に備えるわけではなく、既存の鉛蓄電池に代えてデバイスに取り付けられた付加装置への電力供給源としての機能を果たしていたバッテリーセルを取替え用セルとして設定する。これにより、未使用のバッテリーセルに比べて、電力供給源として用いられていた第1のセルバンクのバッテリーセルとセルの劣化の度合い、すなわち、SOHのバランスを取ることができる。したがって、バッテリーセルの寿命がさらに均一に保持されるという効果も奏される。
【0063】
2.セルスイッチング方法(
図4参照)
本発明に係る並列接続セルのセルスイッチング方法は、下記のようなステップを含んでいてもよい。
【0064】
2.1.セル並列ライン形成ステップ(S100)
セル並列ライン形成ステップは、多数のバッテリーセル101を並列に並べて一本のセル並列ラインを形成するステップである。
【0065】
このようなセル並列ラインは、
図1に示すように、バッテリーパック100に一本以上構成されてもよく、その場合、一本のセル並列ラインを構成するバッテリーセルはそれにそれぞれ対向する隣接したセル並列ラインを構成するバッテリーセルと直列に接続される。
【0066】
このとき、セル並列ラインを構成する全てのバッテリーセルが電気的に並列接続されるわけではなく、且つ、一本のセル並列ラインを構成する全てのバッテリーセルがそれらのそれぞれに対向する隣接したセル並列ラインを構成する全てのバッテリーセルと電気的に直列に接続されるわけではなく、その役割/機能に応じて区分けされて直/並列の接続状態に電気的に互いに接続される。これについては、後述するセルバンク設定ステップにおいて詳しく説明する。
【0067】
2.2.セルバンク設定ステップ(S200)
バッテリーパックが取り付けられたデバイスへの主電力供給源と補助電力供給源を区分けするために、セル並列ラインを構成するバッテリーセルのうち、第1のセルから順次に隣接した所定の数のバッテリーセルを並列に接続して一つのグループである第1のセルバンク112として、その残りのバッテリーセルを並列に接続して一つのグループである第2のセルバンク122として設定し、第1及び第2のセルバンク112、122は電気的に分離された状態である。
【0068】
一方、第2のセルバンク122を構成するバッテリーセルのうち、第1のセルバンク112と最も隣接した位置のバッテリーセルは取替え用セル1222から構成される。
【0069】
前記取替え用セルとは、叙上のように、第1のセルバンク112において並列接続線の開放又はCIDの動作による故障セルが生じる場合、前記第2のセルバンク122から電気的に分離し、且つ、第1のセルバンクのバッテリーセルに接続して前記故障セルに取って代わるバッテリーセルのことをいう。
【0070】
上述したように、前記取替え用セル1222を中心として、前記取替え用セルと第1のセルバンク112のバッテリーセルとの並列接続ラインaの上には第1のスイッチ132が配備され、前記取替え用セルと第2のセルバンク122の残りのバッテリーセルとの並列接続ラインbの上には第2のスイッチ134が配備されて、第1及び第2のスイッチ132、134により、現在第1のセルバンク112に故障セルが生じていない正常の状態で取替え用セル1222は第1のセルバンク112からは電気的に分離され、第2のセルバンク122に接続されて第2のセルバンク122の構成要素としての機能を果たす。
【0071】
一方、
図1に示すように、セル並列ラインが一本以上である場合、セル並列ライン別(第1のセル並列ライン~第Nのセル並列ライン)に同数のバッテリーセルを第1のセルバンク112a~112nとして設定し、一本のセル並列ラインにおいて第1のセルバンクを構成するバッテリーセルは並列に接続し、セル並列ライン別に対向する第1のセルバンクのバッテリーセルは直列に接続して、バッテリーパック100に含まれている第1のセルバンク112a~112nを構成する全てのバッテリーセルを直/並列状態に互いに電気的に接続することにより、第1のバッテリーモジュール110を構成する。
【0072】
また、セル並列ラインにおいて第2のセルバンク122を構成するバッテリーセルもまた並列に接続し、セル並列ライン別(第1のセル並列ライン~第Nのセル並列ライン)に対向する第2のセルバンクのバッテリーセルは直列に接続して、バッテリーパック100に含まれている第2のセルバンク122a~122nを構成する全てのバッテリーセルを直/並列状態に互いに電気的に接続することにより、第2のバッテリーモジュール120を構成する。
【0073】
このように構成される第1のバッテリーモジュール110の第1のセルバンク112a~112nは、バッテリーパックが取り付けられたデバイスにおいて主電力供給源としての機能を果たすことができる。バッテリーパックが取り付けられたデバイスが、例えば、自動車である場合、第1のバッテリーモジュールの第1のセルバンク112a~112nは、モーターの駆動のための電力を与えるモーターの駆動用バッテリーモジュールとしての機能を果たすのである。
【0074】
一方、第2のバッテリーモジュール120の第2のセルバンク122a~122nは、バッテリーパックが取り付けられたデバイスにおいて補助電力供給源としての機能を果たすことができる。前記デバイスが、例えば、自動車である場合、第2のバッテリーモジュールの第2のセルバンク122a~122nは、オーディオ、ナビゲーション、ブラックボックスなど自動車に取り付けられた付加装置の駆動のための電力を与える付加装置駆動用バッテリーモジュールとしての機能を果たすのである。
【0075】
したがって、第1及び第2のセルバンクの設定に際して、セル並列ラインのバッテリーセルのうち、第2のセルバンク122よりも多いバッテリーセルの数を第1のセルバンク112として設定することが好ましい。
【0076】
2.3.故障セル感知ステップ(S300)
故障セル感知ステップは、前記セルバンク設定ステップ(S200)において設定した第1のセルバンク112に含まれるバッテリーセルのうち、並列接続線の開放又はCIDの動作による故障セルが生じたか否かを感知するステップである。
【0077】
叙上のように、並列接続された第1のセルバンク112のバッテリーセルのうち、故障セルの発生有無を感知することは、外部の故障セル感知システムにより行われてもよく、故障セルを感知したときにこの旨を示す制御信号を制御部(図示せず)に伝送して、前記制御部が第1のセルバンク112に故障セルが生じたことを認知できるようにしてもよい。
【0078】
このとき、制御部(図示せず)が前記外部の故障セル感知システムから受け渡される制御信号は、バッテリーパックに含まれている第1のバッテリーモジュールのうち、故障セルが属している第1のセルバンク又はセル並列ラインを識別できるように、例えば、セルバンク識別番号又はセル並列ライン識別番号などを含んでいてもよい。
【0079】
ここで、外部の故障セル感知システムとは、例えば、本発明の出願人が出願した韓国特許出願第10-2019-0122268号、第10-2019-0122269号に開示されている方式で並列接続線の開放又はCIDの動作による故障セルを感知するシステムから構成されたものを意味してもよい。
【0080】
2.4.故障セル取替えステップ(S400)
故障セル取替えステップは、前記故障セル感知ステップ(S300)において、第1のセルバンク112のバッテリーセルのうち、並列接続線の開放又はCIDの動作による故障セルが生じたと感知された場合、前記取替え用セル1222を第2のセルバンク122から電気的に分離し、第1のセルバンク112に並列接続して前記取替え用セル1222が前記故障セルに取って代わるように取り替えるステップである。
【0081】
このような故障セル取替えステップは、下記のようなステップを含んでいてもよい。
【0082】
ア.取替え用セル分離ステップ(S410)
取替え用セル分離ステップは、取替え用セル1222を第2のセルバンク122から電気的に分離するステップである。
【0083】
このステップは、そもそも第2のセルバンク122の構成要素として動作している取替え用セル1222を第2のセルバンク122から電気的に分離するステップであり、取替え用セル1222と第2のセルバンク122の残りのバッテリーセルとの並列接続ラインbの上に配備された第2のスイッチ134をオフ(Off)にすることにより実現可能である。
【0084】
イ.取替え用セル接続ステップ(S420)
前記取替え用セル分離ステップ(S410)において取替え用セルを第2のセルバンク122から電気的に分離した後、前記取替え用セル1222を第1のセルバンク112に並列接続して前記取替え用セル1222が故障セルに取って代わるようにするステップである。
【0085】
このステップは、前記取替え用セル1222と第1のセルバンク112のバッテリーセルとの並列接続ラインaの上に配備された第1のスイッチ132をオン(On)にすることにより実現可能である。
【0086】
これらのステップを通じて、そもそも第2のセルバンク122の構成要素としての機能を果たしていた取替え用セル1222を第2のセルバンク122から電気的に分離し、第1のセルバンク112に並列接続することにより、前記取替え用セル1222が第1のセルバンク112に生じた故障セルに取って代わって第1のセルバンク112の構成要素として動作できるようにしてもよい。
【0087】
例えば、第1のセル並列ラインに含まれている第1のセルバンク112aにおいて故障セルが生じた場合、外部の故障セル感知システムから制御信号を受け渡された制御部(図示せず)は、第1のセル並列ラインに位置する第1のスイッチ132aをオン(On)状態に、第2のスイッチ134aはオフ(Off)状態に切り替え制御する。このため、
図3に示すように、取替え用セル1222aを第2のセルバンク122aから電気的に分離し、且つ、第1のセルバンク112aのバッテリーセルと電気的に並列接続して、取替え用セル1222aが故障セルに取って代わって第1のセルバンク112aの構成要素としての機能を果たすようにするのである。
【0088】
一方、本発明の技術的思想は、前記実施形態に基づいて具体的に記述されたが、前記実施形態はその説明のためのものであり、その制限のためのものではないということに留意すべきである。なお、本発明の技術分野における当業者であれば、本発明の技術思想の範囲内において種々の実施形態が実施可能であるということが理解できる筈である。
【符号の説明】
【0089】
100:バッテリーパック
101:バッテリーセル
110:第1のバッテリーモジュール
112:第1のセルバンク
120:第2のバッテリーモジュール
122:第2のセルバンク
1222:取替え用セル
130:スイッチ
132:第1のスイッチ
134:第2のスイッチ
136:第3のスイッチ
a:第1の並列接続ライン
b:第2の並列接続ライン
c:直列接続ライン