(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-20
(45)【発行日】2024-10-01
(54)【発明の名称】遠隔干渉管理(RIM)参照信号(RS)識別子(ID)の符号化
(51)【国際特許分類】
H04W 72/232 20230101AFI20240924BHJP
H04W 72/0446 20230101ALI20240924BHJP
【FI】
H04W72/232
H04W72/0446
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023068701
(22)【出願日】2023-04-19
(62)【分割の表示】P 2021517337の分割
【原出願日】2019-09-27
【審査請求日】2023-05-17
(32)【優先日】2018-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】598036300
【氏名又は名称】テレフオンアクチーボラゲット エルエム エリクソン(パブル)
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ファクサー, セバスチャン
(72)【発明者】
【氏名】バラク, フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】リー, ジンジャ
(72)【発明者】
【氏名】サンドベリ, モルテン
【審査官】松野 吉宏
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-515160(JP,A)
【文献】CMCC,Discussion on RS design for RIM,3GPP TSG RAN WG1#94 R1-1808842,フランス,3GPP,2018年08月11日
【文献】ZTE,Consideration on RIM framework and mechanisms for improving network robustness,3GPP TSG RAN WG1#94 R1-1808325,フランス,3GPP,2018年08月11日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 - 7/26
H04W 4/00 - 99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠隔干渉識別のためのネットワークノード(16a)であって、
遠隔干渉管理参照信号(RIM-RS)デューティサイクル内の複数の時間機会において、前記複数の時間機会のそれぞれで繰り返される同じRSシーケンス
に基づいて、遠隔干渉管理参照信号(RIM-RS)の反復セットの送信を生じさせる様に構成された処理回路(38)を備え、
前記ネットワークノード(16a)の識別子は、前記同じRSシーケンス及び前記複数の時間機会にマッピングされ、
前記ネットワークノード(16a)の前記識別子は、前記RIM-RSデューティサイクル内のRIM-RS送信機会で構成されたネットワークノードを識別することが可能な複数の識別子の内の1つである、ネットワークノード。
【請求項2】
請求項1に記載のネットワークノード(16a)であって、
前記識別子は、前記同じRSシーケンス及び前記複数の時間機会から識別可能である、ネットワークノード。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のネットワークノード(16a)であって、
前記処理回路(38)は、別のネットワークノード(16b)からの遠隔干渉を検出する様にさらに構成され、前記RIM-RSの反復セットの送信は、前記検出された遠隔干渉の応答である、ネットワークノード。
【請求項4】
請求項3に記載のネットワークノード(16a)であって、
前記処理回路(38)は、前記RIM-RSの反復セットの送信後、
遠隔干渉が依然検出されているかを判定し、
遠隔干渉が依然検出されていると判定した場合、前記RIM-RSの反復セットの少なくとも1つの追加の送信を生じさせ、
遠隔干渉が検出されていないと判定した場合、前記RIM-RSの反復セットの送信を停止させる様にさらに構成されている、ネットワークノード。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載のネットワークノード(16a)であって、
前記複数の時間機会の各時間機会は、
ダウンリンク送信とアップリンク送信との切り替えがある少なくとも1つのスロットと、
スロット内の固定時間位置と、
の内の少なくとも1つに対応する、ネットワークノード。
【請求項6】
第1ネットワークノード(16b)であって、
遠隔干渉管理参照信号(RIM-RS)デューティサイクル内の複数の時間機会の間に、遠隔干渉識別のため
に、遠隔干渉管理参照信号(RIM-RS)の反復セットを受信することであって、前記反復セットの各RIM-RSは、前記複数の時間機会それぞれで繰り返される同じRSシーケンスを含む、前記受信することと、
第2ネットワークノード(16a)の識別子を、前記同じRSシーケンス及び前記複数の時間機会
に基づいて判定することと、
を行う様に構成された処理回路(38)を備え、
前記第2ネットワークノード(16a)の前記識別子は、前記同じRSシーケンス及び前記複数の時間機会にマッピングされ、
前記第2ネットワークノード(16a)の前記識別子は、前記RIM-RSデューティサイクル内のRIM-RS送信機会で構成されたネットワークノードを識別することが可能な複数の識別子の内の1つである、第1ネットワークノード。
【請求項7】
請求項6に記載の第1ネットワークノード(16b)であって、
前記処理回路(38)は、前記第2ネットワークノード(16a)の判定した前記識別子
に基づいて、少なくとも1つの遠隔干渉緩和アクションを実行する様にさらに構成されている、第1ネットワークノード。
【請求項8】
請求項7に記載の第1ネットワークノード(16b)であって、
前記処理回路(38)は、前記少なくとも1つの遠隔干渉緩和アクションの実行後、
前記RIM-RSの反復セットのRIM-RSが検出されたかを判定することと、
前記RIM-RSの反復セットのRIM-RSが検出されていないと判定した場合、前記遠隔干渉緩和アクションを変更することと、
を行う様にさらに構成されている、第1ネットワークノード。
【請求項9】
請求項6から8のいずれか1項に記載の第1ネットワークノード(16b)であって、
前記識別子は、前記同じRSシーケンス及び前記複数の時間機会から識別可能である、第1ネットワークノード。
【請求項10】
請求項6から9のいずれか1項に記載の第1ネットワークノード(16b)であって、
前記複数の時間機会の各時間機会は、
ダウンリンク送信とアップリンク送信との切り替えがある少なくとも1つのスロットと、
スロット内の固定時間位置と、
の内の少なくとも1つに対応する、第1ネットワークノード。
【請求項11】
遠隔干渉識別のためにネットワークノード(16a)で実行される方法であって、
遠隔干渉管理参照信号(RIM-RS)デューティサイクル内の複数の時間機会において、前記複数の時間機会のそれぞれで繰り返される同じRSシーケンス
に基づいて、遠隔干渉管理参照信号(RIM-RS)の反復セットの送信を生じさせる(S110)ことを含み、
前記ネットワークノード(16a)の識別子は、前記同じRSシーケンス及び前記複数の時間機会にマッピングされ、
前記ネットワークノード(16a)の前記識別子は、前記RIM-RSデューティサイクル内のRIM-RS送信機会で構成されたネットワークノードを識別することが可能な複数の識別子の内の1つである、方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法であって、
前記識別子は、前記同じRSシーケンス及び前記複数の時間機会から識別可能である、方法。
【請求項13】
請求項11又は12に記載の方法であって、別のネットワークノード(16b)からの遠隔干渉を検出することをさらに含み、前記RIM-RSの反復セットの送信は、前記検出された遠隔干渉の応答である、方法。
【請求項14】
請求項13に記載の方法であって、
前記RIM-RSの反復セットの送信後、
遠隔干渉が依然検出されているかを判定することと、
遠隔干渉が依然検出されていると判定した場合、前記RIM-RSの反復セットの少なくとも1つの追加送信を生じさせることと、
遠隔干渉が検出されていないと判定した場合、前記RIM-RSの反復セットの送信を停止させることと、
をさらに含む方法。
【請求項15】
請求項11から14のいずれか1項に記載の方法であって、
前記複数の時間機会の各時間機会は、
ダウンリンク送信とアップリンク送信との切り替えがある少なくとも1つのスロットと、
スロット内の固定時間位置と、
の内の少なくとも1つに対応する、方法。
【請求項16】
第1ネットワークノード(16b)によって実行される方法であって、
遠隔干渉管理参照信号(RIM-RS)デューティサイクル内の複数の時間機会の間に、遠隔干渉識別のため
に、遠隔干渉管理参照信号(RIM-RS)の反復セットを受信(S118)することであって、前記反復セットの各RIM-RSは、前記複数の時間機会それぞれで繰り返される同じRSシーケンスを含む、前記受信することと、
第2ネットワークノード(16a)の識別子を、前記同じRSシーケンス及び前記複数の時間機会
に基づいて判定(
S120)することと、
を含み、
前記第2ネットワークノード(16a)の前記識別子は、前記同じRSシーケンス及び前記複数の時間機会にマッピングされ、
前記第2ネットワークノード(16a)の前記識別子は、前記RIM-RSデューティサイクル内のRIM-RS送信機会で構成されたネットワークノードを識別することが可能な複数の識別子の内の1つである、方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法であって、
前記第2ネットワークノード(16a)の判定した前記識別子
に基づいて、少なくとも1つの遠隔干渉緩和アクションを実行することをさらに含む、方法。
【請求項18】
請求項17に記載の方法であって、
前記少なくとも1つの遠隔干渉緩和アクションの実行後、
前記RIM-RSの反復セットのRIM-RSが検出されたかを判定することと、
前記RIM-RSの反復セットのRIM-RSが検出されていないと判定された場合、前記遠隔干渉緩和アクションを変更することと、
をさらに含む方法。
【請求項19】
請求項16から18のいずれか1項に記載の方法であって、
前記識別子は、前記同じRSシーケンス及び前記複数の時間機会から識別可能である、方法。
【請求項20】
請求項16から19のいずれか1項に記載の方法であって、
前記複数の時間機会の各時間機会は、
ダウンリンク送信とアップリンク送信との切り替えがある少なくとも1つのスロットと、
スロット内の固定時間位置と、
の内の少なくとも1つに対応する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、無線通信、特に、遠隔干渉識別及び当該識別に基づく干渉緩和に関する。
【背景技術】
【0002】
NRフレーム構造
次世代のモバイル無線通信システム(5G)又はニューレディオ(NR)は、様々なユースケースセット及び様々な配置シナリオセットをサポートする。後者は、既存のロングタームエボリューション(LTE)と同様の低周波数(数100メガヘルツ)と、非常に高い周波数(数10GHzのミリ波)の両方の配置を含む。
【0003】
LTEと同様に、NRは、ダウンリンクで(すなわち、gNB、eNB又は基地局の様なネットワークノードからユーザ装置(UE)等の無線デバイス(WD)へ)OFDM(直交周波数分割多重)を使用する。アンテナポート上の基本的なNR物理リソースは、
図1に示す様な時間-周波数グリッドと見做すことができ、ここでは、14シンボルスロットのリソースブロック(RB)を示している。リソースブロックは、周波数領域において12個の連続するサブキャリアに対応する。周波数領域において、リソースブロックにはシステム帯域幅の一端から0で開始する番号が振られる。各リソース要素は、1つのOFDMシンボル期間中の1つのOFDMサブキャリアに対応する。
【0004】
NRでは、様々なサブキャリア間隔(SCS)値がサポートされる。サポートされるサブキャリア間隔値(異なるヌメロロジーとも呼ばれる)は、Δf=(15×2α)kHzで与えられ、ここで、α∈(0,1,2,3,4)である。Δf=15kHzは、LTEでも使用される基本(又は参照)サブキャリア間隔である。
【0005】
時間領域において、NRでのダウンリンク(ネットワークノードから無線デバイスへ)及びアップリンク(無線デバイスからネットワークノードへ)の送信は、LTEと同様に、それぞれが1msの同じサイズのサブフレームに編成され得る。サブフレームは、同じ期間の1つ以上のスロットにさらに分割される。サブキャリア間隔Δf=(15×2α)kHzのスロット長は、1/2αmsである。Δf=15kHzでは、サブフレーム毎に1つのスロットのみが存在し、スロットは14個のOFDMシンボルを含む。
【0006】
ダウンリンク送信は動的にスケジュールされる、つまり、各スロットにおいて、ネットワークノード(例えば、gNB)は、どのWDデータが送信され、現在のダウンリンクスロットのどのリソースブロックでデータが送信されるかについてのダウンリンク制御情報(DCI)を送信する。この制御情報は、通常、NRの各スロットの最初の1つ又は2つのOFDMシンボルで送信される。制御情報は物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)で搬送され、データは物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)で搬送される。WDは、最初にPDCCHを検出及び復号し、PDCCHを正常に復号すると、WDは、PDCCHの復号された制御情報に基づいて対応するPDSCHを復号する。
【0007】
PDCCH及びPDSCHに加えて、ダウンリンクで送信される他のチャネルと参照信号が存在する。
【0008】
物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)で搬送されるアップリンクデータ送信も、DCIを送信することにより、ネットワークノード(gNB等)によって動的にスケジュールされる。TDD動作の場合、ダウンリンク制御情報(DCI)(ダウンリンク(DL)領域で送信される)は、常に、スケジューリングオフセットを示し、その結果、PUSCHは、アップリンク(UL)領域のスロットで送信される。
【0009】
TDDネットワークの干渉保護
無線セルラネットワークはセルで構成され、各セルは無線基地局(BS)等のネットワークノードの特定のカバレッジエリアによって定義される。ネットワークノードは、ネットワーク内の端末/ユーザ装置(UE)等のWDと無線で通信する。通信は、ペア又は非ペアのスペクトラム内で実行される。ペアスペクトラムの場合、DL方向とUL方向は周波数で分離され、周波数分割複信(FDD)と呼ばれる。非ペアスペクトラムの場合、DLとULは、同じ周波数スペクトラムを使用し、時分割複信(TDD)と呼ばれる。名前が暗示する様に、DL及びULは、典型的には、それらの間のガード期間(GP)を使用して、時間領域で分割される。ガード期間には、幾つかの目的がある。最も本質的には、ネットワークノードとWDの処理回路は、送信と受信を切り替えるのに十分な時間を必要とするが、これは通常、高速な手順であり、GPサイズの要件に大きく影響しない。さらに、GPは、ULをスケジュールする(時間遅延された)DL許可をWDが受信し、ネットワークノードがフレームのUL領域でUL信号を受信する様に、適切なタイミングアドバンス(伝搬遅延を補正)でUL信号を送信することを可能にするために十分に大きくなければならない。したがって、GPはセルエッジのWDへの伝搬時間の2倍より大きくする必要があり、そうしないと、セル内のUL信号とDL信号が干渉する。このため、GPは、通常、セルサイズに応じて選択され、セルが大きいほど(つまり、サイト間の距離が大きいほど)GPが大きくなり、その逆も同様である。
【0010】
さらに、ガード期間は、第1ネットワークノードのDL送信が第2ネットワークノードのUL受信に入ることなく、セル間の特定の伝搬遅延を許可することにより、ネットワークノード間のDLからULへの干渉を減らすために使用される。一般的なマクロネットワークにおいて、DL送信電力はUL送信電力よりも20dB程度大きくなり得る。したがって、あるセルのULが他のセルのDLによって干渉を受けると、ULのパフォーマンスが大幅に低下する可能性があり、クロスリンク干渉と呼ばれる。ULとDLとの間の送信電力の不一致が大きいため、クロスリンク干渉は、同一チャネルの場合(DLが同じキャリアのULに干渉)だけでなく、隣接チャネルの場合(あるキャリアのDLが隣接キャリアのULに干渉)でもシステムパフォーマンスに悪影響を与え得る。このため、TDDマクロネットワークは、通常、シンボルタイミングが調整され、ネットワーク(NW)内の総てのセルで同じである半静的TDD UL/DLパターンが使用される同期方式で動作される。通常、隣接するTDDキャリアを持つオペレータは、隣接チャネルのクロスリンク干渉を回避するために、それらのTDD UL/DLパターンも同期する。
【0011】
ネットワークノード間のDLからULへの干渉を回避するためにGPを適用する原理を
図2に示し、ここでは、被害ネットワークノード1(V)が攻撃ネットワークノード2(A)による(少なくとも潜在的に)干渉を受けている。攻撃ネットワークノードは、そのセル内のWD3にDL信号を送信し、DL信号は、被害ネットワークノード1にも到達する(伝搬損失は、Aの信号から保護するのに十分ではない。)。DL信号は距離(d)を伝搬し、伝搬遅延のために、Vが経験するAのフレーム構造アラインメントは、伝搬距離dに比例してτ秒だけシフト/遅延する。
図2からわかる様に、攻撃ネットワークノード2(A)のDL部分は遅延しているものの、ガード期間が使用されているため、被害ネットワークノード1(V)のUL領域には入らない。この例では、システム設計によって干渉を回避できている。
【0012】
ここでは、被害と攻撃という用語は、典型的なTDDシステムがその様に設計されている理由を説明するためにのみ使用されていることに留意すべきである。ネットワークノード間にはチャネルの相互関係が存在するため、被害側は攻撃側として動作することもでき、その逆も可能である。
【0013】
TDDのアップリンク-ダウンリンク構成
TDDでは、一部のサブフレーム/スロットがアップリンク送信に割り当てられ、一部のサブフレーム/スロットがダウンリンク送信に割り当てられる。ダウンリンクとアップリンクの切り替え(スイッチ)は、所謂、特別サブフレーム(LTE)又はフレキシブルスロット(NR)で行われる。
【0014】
LTEでは、表1に示す様に、7つの異なるアップリンク-ダウンリンク構成が提供されている。
【0015】
【0016】
ガード期間のサイズ(及び、特別サブフレームのDwPTS(特別サブフレームでのダウンリンク送信)及びUpPTS(特別サブフレームでのアップリンク送信)のシンボル数)も、可能な選択セットから構成され得る。
【0017】
一方、NRでは、多くの異なるアップリンク-ダウンリンク構成が提供される。サブキャリア間隔に応じて、無線フレーム毎に10~320のスロットがある(各無線フレームは10msの期間を有する。)。スロット内のOFDMシンボルは、"ダウンリンク"("D"と表示)、"フレキシブル"("X"と表示)、又は、"アップリンク"("U"と表示)に分類される。半静的TDD UL-DL構成は、TDD構成が情報要素(IE)TDD-UL-DL-ConfigCommonを使用して構成された無線リソース制御(RRC)である場合に使用され得る。
【0018】
TDD-UL-DL-ConfigCommon::=SEQUENCE{
--UL-DLパターンの時間領域境界を決定するために使用される参照SCSであり、総てのサブキャリア固有で共通でなければならない。
--仮想キャリア、つまり、データ送信に使用する実際のサブキャリア間隔とは無関係。
--15又は30kHz(<6GHz)、60又は120kHz(>6GHz)の値のみが適用可能。
--L1パラメータ'reference-SCS'に対応(38.211、セクションFFS_Sectionを参照)。
referenceSubcarrierSpacing SubcarrierSpacing
OPTIONAL,
--DL-ULパターンの周期性。L1パラメータ'DL-UL-transmission-periodicity'に対応(38.211、セクションFFS_Sectionを参照)
dl-UL-TransmissionPeriodicity ENUMERATED{ms0p5,ms0p625,ms1,ms1p25,ms2,ms2p5,ms5,ms10} OPTIONAL,
--各DL-ULパターンの開始時の連続するフルDLスロット数。
--L1パラメータ'number-of-DL-slots'に対応(38.211、表4.3.2-1を参照)
nrofDownlinkSlots INTEGER(0..maxNrofSlots)
OPTIONAL,
--最後のフルDLスロットに続くスロットの先頭にある連続するDLシンボルの数(nrofDownlinkSlotsから導出)。
--フィールドが存在しない、又は、解放されている場合、部分的なダウンリンクスロットはない。
--L1パラメータ'number-of-DL-symbols-common'に対応(38.211、セクションFFS_Sectionを参照)
nrofDownlinkSymbols INTEGER(0..maxNrofSymbols-1)
OPTIONAL, --NeedR
--各DL-ULパターンの終了時の連続するフルULスロット数。
--L1パラメータ'number-of-UL-slots'に対応(38.211、表4.3.2-1を参照)
nrofDownlinkSlots INTEGER(0..maxNrofSlots)
OPTIONAL,
--最初のフルULスロットの前のスロットの終わりにある連続するULシンボルの数(nrofUplinkSlotsから導出)。
--フィールドが存在しない、又は、解放されている場合、部分的なアップリンクスロットはない。
--L1パラメータ'number-of-UL-symbols-common'に対応(38.211、セクションFFS_Sectionを参照)
nrofDownlinkSymbols INTEGER(0..maxNrofSymbols-1)
OPTIONAL, --NeedR
【0019】
つまり、PmsのTDD周期性が定義され、このTDD周期性に適合するDLスロットとULスロットの数、及び、GPのサイズを任意に指定できる。さらに、P1msとP2msの2つを連結した周期性を構成して、それぞれに個別の数のDL/ULスロットを設定し、P1+P2msの合計TDD周期性を生成することができまる。
【0020】
NRにおいて、SSブロック(SSB)の周期性は、可能な値である5、10、20、40、80、及び160ミリ秒に固定されている。そのため、初期アクセス手順のSSBは、20msのデフォルトの周期性を有し、総てのTDD周期性は、20msを均等に分割しなければならない。非連結のTDD周期性の場合、Pの値の範囲は{0.5,0.625,1,1.25,2,2.5,3,4,5,10}msであり、3ミリ秒(これは、連結されたTDD周期性の一部としてのみであり、非連結のTDD周期性に対して選択することはできない。)の値を除く総ては20msを均等に分割する。連結されたTDD周期性の場合、これにより、構成可能な周期性P1及びP2に制約が課せられる。
【0021】
あるいは、スロットフォーマットは、DCIフォーマット2_0で伝達されるスロットフォーマットインジケータ(SFI)で動的に示すことができる。動的又は半静的TDD構成がNRで使用されているかどうかに拘わらず、ULスロットとDLスロットの数、及び、ガード期間(フレキシブルスロット内のULシンボルとDLシンボルの数)は、TDD周期内でほぼ任意に構成できる。これにより、非常に柔軟なアップリンク-ダウンリンク構成が可能になる。
【0022】
大気ダクト
特定の気象条件及び世界の特定の地域では、大気中の無線信号にダクト現象が発生し得る。ダクトの発生は、たとえば温度と湿度に依存し、発生すると、信号を"チャネル化"して、ダクトが存在しない場合よりも大幅に長い距離を信号が伝搬するのを助ける。大気ダクトは、下層大気(対流圏)の内の屈折率が急激に低下している層である。この様にして、大気ダクトは、空間に放射する代わりに、ダクト層内の伝搬信号をトラップできる。したがって、信号エネルギーの大部分は、導波管として機能するダクト層を伝搬する。したがって、トラップされた信号は、見通し外の距離を比較的低いパス損失で伝搬でき、パス損失は、見通し内伝搬よりも低い場合もある。
【0023】
ダクトイベントは通常一時的なものであり、数分から数時間の期間を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0024】
TDDシステム設計と大気ダクトの存在の知識を組み合わせると、攻撃ネットワークノード2が被害ネットワークノード1に干渉を与える可能性がある
図2の距離dが大幅に増加する。この現象は特定の条件下において、世界の特定の地域でのみ発生するため、通常、非ペアのスペクトラムを使用するセルラシステムの設計では考慮されていない。これは、
図3に示す様に、DL送信が干渉(I)として突然UL領域に入る可能性があることを意味する。
【0025】
この図は単一の無線リンクを示しているが、大気ダクトが発生すると、BSは数千のBSによって干渉され得る。攻撃ネットワークノード2が近いほど、伝搬遅延が短くなり、干渉が強くなる。したがって、被害ネットワークノード1が経験する干渉は、典型的には、
図4に示す様に、傾斜特性を有する。
【0026】
ネットワークノード間の干渉を検出する1つの方法は、被害ネットワークノード1(つまり、大気ダクトによって干渉されていることを検出したネットワークノード)が、攻撃ネットワークノード2で検出できる特定の参照信号を送信することである。この場合、攻撃ネットワークノード2は、干渉状況を回避するためにその送信を適応させることができる。攻撃ネットワークノード2が実行できるその様な適応の1つは、例えば、そのダウンリンク送信をブランクにし、ガード期間を効果的に増加させることである。
【0027】
チャネルの相互関係により、攻撃ネットワークノード2は、他のネットワークノード送信の被害ネットワークノード1でもある可能性が高いことに留意すべきである。
【0028】
RI緩和フレームワーク
無線干渉(RI)の存在下で堅牢性を提供するために、ネットワーク内のネットワークノード(gNB等)は、例えば、以下で説明し、かつ、
図6に示すフレームワークを使用して、適応型分散遠隔干渉管理(RIM)緩和スキームを適用できる。基本的に、被害ネットワークノード1は、RIの存在を検出すると、潜在的な攻撃側において検出できるRIM参照信号(RS)を送信する。RSを検出すると、攻撃ネットワークノード2は、GPを適応させる等のRIM緩和メカニズムを適用することができる。次に、攻撃ネットワークノード2は、例えば、バックフォール通信を介して、被害ネットワークに、RIM-RSを受信したことを通知する。次に、被害ネットワークノード1は、RIM-RSを送信し続け、ダクトチャネルの強度を調査し続ける。攻撃ネットワークノード2が被害ネットワークノード1によって送信されたRIM-RSを検出しなくなった後、攻撃ネットワークノード2は元のGP構成を復元し、被害ネットワーク1(gNB等)がそのRIM-RS送信を停止できる様に、バックフォールを介して被害ネットワークノード1(gNB等)に通知する。表2は、RIMフレームワークで実行されるステップを示している。
【0029】
【課題を解決するための手段】
【0030】
いくつかの実施形態は、遠隔干渉識別及び当該識別に基づく干渉軽減のための方法、システム及び装置を有利に提供する。
【0031】
本開示は、ネットワークノード(例えば、gNB)セットIDの割り当てと、参照信号送信フレームワーク構成と、に基づいて、RIM-RS送信機会及びRIM-RSシーケンスを柔軟に構成するためのフレームワークを提供する。
【0032】
本開示の一態様は、総ての可能なNRのTDD構成が20ミリ秒を超える整数周期を有することを利用し、したがって、2つの10ミリ秒無線フレームを含む無線フレームペアが、参照信号送信の時間機会をマッピングするための参照ポイントとして使用される。
【0033】
さらに、干渉問題は大気ダクトに起因すると説明されているが、配置において選択されたガード期間が短すぎるネットワークでも同じ状況が発生し得る。したがって、本開示の解決策は、典型的なシナリオとは見なされないが、この場合にも適用可能である。
【0034】
本開示の一態様によると、遠隔干渉識別のためのネットワークノードが提供される。ネットワークノードは、少なくとも1つの参照信号(RS)シーケンス及び少なくとも1つの時間機会に少なくとも部分的に基づいて、少なくとも1つのRSの送信を行わせる様に構成された処理回路を含み、ネットワークノードの識別子は、少なくとも1つのRSシーケンスと、少なくとも1つの時間機会と、にマッピングされる。
【0035】
本開示の1つ以上の実施形態によると、ネットワークノードは、別のネットワークノードのダウンリンク送信からの干渉を受ける被害ネットワークノードである。本開示の1つ以上の実施形態によると、識別子は、少なくとも1つのRSシーケンス及び少なくとも1つの時間機会から識別可能である。本開示の1つ以上の実施形態によると、処理回路は、さらに、別のネットワークノードからの遠隔干渉を検出する様に構成され、少なくとも1つの参照信号の送信は、検出された遠隔干渉に応答である。
【0036】
本開示の1つ以上の実施形態によると、処理回路はさらに、少なくとも1つのRSの送信後、遠隔干渉が依然検出されているかを判定し、遠隔干渉が依然検出されていると判定した場合、少なくとも1つのRSの少なくとも1つの追加送信を行わせ、遠隔干渉が検出されていないと判定した場合、少なくとも1つのRSの送信を停止する様に構成される。本開示の1つ以上の実施形態によると、少なくとも1つの時間機会は、少なくとも1つのRSが送信される無線フレームペアと、少なくとも1つのRS少なくとも1つの無線フレームペア内の異なる時間機会と、の内の少なくとも1つに対応する。本開示の1つ以上の実施形態によると、時間機会は、ダウンリンク送信とアップリンク送信との切り替えがある少なくとも1つのスロットと、スロット内の固定された時間位置と、の内の少なくとも1つに対応する。
【0037】
本開示の1つ以上の実施形態によると、少なくとも1つのRSシーケンスは、複数のRSシーケンスを含み、少なくとも1つの時間機会は、複数の時間機会を含む。本開示の1つ以上の実施形態によると、ネットワークノードの識別子は、複数のビットによって識別される。複数のビットの内の少なくとも第1ビットは、複数のRSシーケンスの内の第1RSシーケンスと、複数の時間機会の内の第1時間機会に対応する。複数のビットの内の少なくとも第2ビットは、複数のRSシーケンスの内の第2RSシーケンスと、複数の時間機会の内の第2時間機会と、に対応する。本開示の1つ以上の実施形態によると、少なくとも1つのRSシーケンスは、同じRSシーケンスであり、少なくとも1つの時間機会は、複数の時間機会を含む。
【0038】
本開示の別の実施形態によると、第1ネットワークノードが提供される。第1ネットワークノードは、遠隔干渉識別のための少なくとも1つの時間機会の間に、少なくとも1つの参照信号(RS)シーケンスを含む少なくとも1つのRSを受信し、少なくとも1つのRSシーケンス及び少なくとも1つの時間機会に少なくとも部分的に基づいて、第2ネットワークノードの識別子を判定する様に構成された処理回路を含み、第2ネットワークノードの識別子は、少なくとも1つのRSシーケンスと、少なくとも1つの時間機会と、にマッピングされている。
【0039】
本開示の1つ以上の実施形態によると、処理回路は、さらに、第2ネットワークノードの判定した識別子に少なくとも部分的に基づいて、少なくとも1つの遠隔干渉緩和アクションを実行する様に構成される。本開示の1つ以上の実施形態によると、処理回路は、少なくとも1つの遠隔干渉緩和アクションを実行した後、少なくとも1つのRS信号が検出されるかを判定し、少なくとも1つのRS信号が検出されていないと判定した場合、遠隔干渉緩和アクションを変更する様にさらに構成される。本開示の1つ以上の実施形態によると、第1ネットワークノードは、第2ネットワークノードでの干渉の原因である攻撃ネットワークノードである。
【0040】
本開示の1つ以上の実施形態によると、識別子は、少なくとも1つのRSシーケンス及び少なくとも1つの時間機会から識別可能である。本開示の1つ以上の実施形態によると、少なくとも1つの時間機会は、少なくとも1つのRSが送信される無線フレームペアと、少なくとも1つのRSの少なくとも1つの無線フレームペア内の異なる時間機会と、の内の少なくとも1つに対応する。本開示の1つ以上の実施形態によると、時間機会は、ダウンリンク送信とアップリンク送信との切り替えがある少なくとも1つのスロットと、スロット内の固定された時間位置と、の内の少なくとも1つに対応する。
【0041】
本開示の1つ以上の実施形態によると、少なくとも1つのRSシーケンスは、複数のRSシーケンスを含み、少なくとも1つの時間機会は、複数の時間機会を含む。本開示の1つ以上の実施形態によると、第2ネットワークノードの識別子は、複数のビットによって識別される。複数のビットの内の少なくとも第1ビットは、複数のRSシーケンス内の第1RSシーケンスと、複数の時間機会の内の第1時間機会と、に対応する。複数のビットの内の少なくとも第2ビットは、複数のRSシーケンスの内の第2RSシーケンスと、複数の時間機会の内の第2時間機会と、に対応する。本開示の1つ以上の実施形態によると、少なくとも1つのRSシーケンスは、同じRSシーケンスであり、少なくとも1つの時間機会は、複数の時間機会を含む。
【0042】
本開示の別の態様によると、遠隔干渉識別のためのネットワークノードで実行される方法が提供される。少なくとも1つの参照信号(RS)の送信は、少なくとも1つのRSシーケンス及び少なくとも1つの時間機会に少なくとも部分的に基づいて生じ、ネットワークノードの識別子は、少なくとも1つのRSシーケンスと、少なくとも1つの時間機会と、にマッピングされる。
【0043】
この態様の1つ以上の実施形態によると、ネットワークノードは、別のネットワークノードのダウンリンク送信からの干渉を受ける被害ネットワークノードである。この態様の1つ以上の実施形態によると、識別子は、少なくとも1つのRSシーケンス及び少なくとも1つの時間機会から識別可能である。この態様の1つ以上の実施形態によると、別のネットワークノードからの遠隔干渉が検出され、少なくとも1つの参照信号の送信は、検出された遠隔干渉の応答である。
【0044】
この態様の1つ以上の実施形態によると、少なくとも1つのRSの送信後、遠隔干渉が依然検出されているかを判定し、遠隔干渉が依然検出されていると判定した場合、少なくとも1つのRSの少なくとも1つの追加送信が生じ、遠隔干渉が検出されていないと判定した場合、少なくとも1つのRSの送信が停止される。この態様の1つ以上の実施形態によると、少なくとも1つの時間機会は、少なくとも1つのRSが送信される無線フレームペアと、少なくとも1つのRSの少なくとも1つのための無線フレームペア内の異なる時間機会と、の内の少なくとも1つに対応する。この態様の1つ以上の実施形態によると、時間機会は、ダウンリンク送信とアップリンク送信との切り替えがある少なくとも1つのスロットと、スロット内の固定された時間位置との内の少なくとも1つに対応する。
【0045】
この態様の1つ以上の実施形態によると、少なくとも1つのRSシーケンスは、複数のRSシーケンスを含み、少なくとも1つの時間機会は、複数の時間機会を含む。この態様の1つ以上の実施形態によると、ネットワークノードの識別子は、複数のビットによって識別される。複数のビットの内の少なくとも第1ビットは、複数のRSシーケンスの内の第1RSシーケンスと、複数の時間機会の内の第1時間機会と、に対応する。複数のビットの内の少なくとも第2ビットは、複数のRSシーケンスの内の第2RSシーケンスと、複数の時間機会の内の第2時間機会と、に対応する。この態様の1つ以上の実施形態によると、少なくとも1つのRSシーケンスは、同じRSシーケンスであり、少なくとも1つの時間機会は、複数の時間機会を含む。
【0046】
本開示の別の態様によると、第1ネットワークノードにより実行される方法が提供される。少なくとも1つの参照(RS)シーケンスを含む少なくとも1つのRSは、遠隔干渉識別のための少なくとも1つの時間機会の間に受信される。第2ネットワークノードの識別子は、少なくとも1つのRSシーケンス及び少なくとも1つの時間機会に少なくとも部分的に基づいて判定され、第2ネットワークノードの識別子は、少なくとも1つのRSシーケンスと、少なくとも1つの時間機会とにマッピングされる。
【0047】
この態様の1つ以上の実施形態によると、第2ネットワークノードの判定した識別子に少なくとも部分的に基づいて、少なくとも1つの遠隔緩和アクションが実行される。この態様の1つ以上の実施形態によると、少なくとも1つの遠隔干渉緩和アクションが実行された後、少なくとも1つのRS信号が検出されたかが判定され、少なくとも1つのRS信号が検出されていないと判定された場合、遠隔干渉緩和アクションが変更される。この態様の1つ以上の実施形態によると、第1ネットワークノードは、第2ネットワークノードでの干渉の原因である攻撃ネットワークノードである。
【0048】
この態様の1つ以上の実施形態によると、識別子は、少なくとも1つのRSシーケンス及び少なくとも1つの時間機会から識別可能である。この態様の1つ以上の実施形態によると、少なくとも1つの時間機会は、少なくとも1つのRSが送信される無線フレームペアと、少なくとも1つのRSの少なくとも1つのための無線フレームペア内の異なる時間機会と、の内の少なくとも1つに対応する。この態様の1つ以上の実施形態によると、時間機会は、ダウンリンク送信とアップリンク送信との切り替えがある少なくとも1つのスロットと、スロット内の固定された時間位置と、の内の少なくとも1つに対応する。
【0049】
この態様の1つ以上の実施形態によると、少なくとも1つのRSシーケンスは、複数のRSシーケンスを含み、少なくとも1つの時間機会は、複数の時間機会を含む。この態様の1つ以上の実施形態によると、第2ネットワークノードの識別子は、複数のビットによって識別される。複数のビットの内の少なくとも第1ビットは、複数のRSシーケンスの内の第1RSシーケンスと、複数の時間機会の内の第1時間機会と、に対応する。複数のビットの内の少なくとも第2ビットは、複数のRSシーケンスの内の第2RSシーケンスと、複数の時間機会の内の第2時間機会と、に対応する。この態様の1つ以上の実施形態によると、少なくとも1つのRSシーケンスは、同じRSシーケンスであり、少なくとも1つの時間機会は、複数の時間機会を含む。
【0050】
本実施形態と、それに付随する利点及び特徴のより完全な理解は、以下の詳細な説明を参照し、添付の図面と併せて考慮することによってより容易に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【
図3】アップリンク領域でのダウンリンク干渉を示す図。
【
図4】ダウンリンクからアップリンクへの干渉の場合の干渉特性を示す図。
【
図7】本開示の原理による、中間ネットワークを介してホストコンピュータに接続された通信システムを示す例示的なネットワークアーキテクチャの概略図。
【
図8】本開示の幾つかの実施形態によるネットワークノードのブロック図。
【
図9】本開示の幾つかの実施形態による、遠隔干渉識別のためのネットワークノードにおける例示的なプロセスのフローチャート。
【
図10】本開示の幾つかの実施形態による、遠隔干渉識別のためのネットワークノードにおける別の例示的なプロセスのフローチャート。
【
図11】本開示の幾つかの実施形態による、遠隔干渉識別及び緩和のためのネットワークノードにおける別の例示的なプロセスのフローチャート。
【
図12】本開示の幾つかの実施形態による、遠隔干渉識別及び緩和のためのネットワークノードにおける別の例示的なプロセスのフローチャート。
【
図13】各UL/DL切り替えポイントにおけるRIM RS送信可能性を示す図。
【
図14】無線フレームペア内のRIM RSグループへのRIM RS送信機会の分割を示す図。
【
図15】DL-UL送信周期内のダウンリンク及びアップリンク送信境界を示す図。
【
図16】各UL/DL切り替えポポイントにおけるRIM RS送信機会を示す図。
【
図17】無線フレームペア内のRIM RSグループへのRIM RS送信機会の分割を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0052】
図6に示される、説明したRIMフレームワークにおいて、攻撃ネットワークノード2(gNB等)が被害ネットワークノードへのバックホールリンクを確立するため、RIM-RS送信は、RSを送信した個々のネットワークノード(例えば、gNB)又はネットワークノード(例えば、gNB)のセットの識別子/IDを伝達する必要がある。ただし、既存のシステムは、検出されたRSに基づいて、そのようなIDを、どの様に伝達できるかを定義してはいない。
【0053】
本開示は、ネットワークノード(例えば、gNB)セットIDの割り当てと、参照信号送信フレームワーク構成と、に基づいて、RIM-RS送信機会及びRIM-RSシーケンスを柔軟に構成するためのフレームワークを提供することにより、既存のシステムの問題の少なくとも一部を解決する。1つ以上の実施形態において、本開示は、総ての可能なNRのTDD構成が20ミリ秒を超える整数周期を有することを利用し、2つの10ミリ秒無線フレームを含む無線フレームペアが、参照信号送信の時間機会をマッピングするための参照ポイントとして使用される。
【0054】
本開示の教示を使用して、ネットワークは、その必要性に従ってRS送信を柔軟に行い、ネットワークノード(例えば、gNB)の検出の複雑さ、検出確率、及びRS送信の遅延をトレードオフすることができる。
【0055】
使用されるTDDのUL/DL構成に拘わらず、許可されたシステムフレーム番号(SFN)で表される送信機会が、ネットワークノード(gNB等)のセットIDの一部にマッピングするために使用され得る。
【0056】
例示的な実施形態を詳細に説明する前に、実施形態は、主に、遠隔干渉識別及び当該識別に基づく干渉緩和の装置コンポーネント及び処理ステップの組み合わせにあることに留意されたい。したがって、構成要素は、図面における従来の記号により、本開示の実施形態を理解することに関連する特定の詳細のみを示し、本開示の利点を有する技術分野の当業者には容易に明らかとなる程度の詳細で本開示を曖昧にしない様に記載される。本開示を通じて、同様の参照符号は、同様の構成要素を示す。
【0057】
本明細書で使用されるとき、"第1"、"第2"、"上部"及び"下部"等の関係用語は、その様なエンティティ又は要素間の物理的又は論理的な関係や順序を暗示・必要とすることなく、あるエンティティ又は要素を別のエンティティ又は要素から区別するためにのみ使用される。本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的としており、本明細書で説明されている概念を限定することを意図していない。単数形式は、文脈が明らかに他の場合を示している場合を除き、複数形式を含むことが意図される。本明細書で使用されるとき、用語"含む"、"備える"及び/又は"有する"は、記載された特徴、整数、ステップ、動作、要素、及び/又は、構成要素の存在を特定するが、1つ以上の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、及び/又は、それらのグループの存在又は追加を排除しない。
【0058】
本明細書に記載の実施形態では、"~と通信する"等の用語は、物理的接触、誘導、電磁放射、無線信号、赤外線信号又は光信号によって達成され得る電気又はデータ通信を示すために使用され得る。当業者は、複数の構成要素が相互動作でき、電気的通信及びデータ通信を達成するための修正形態及び変形形態が可能であることを理解するであろう。
【0059】
幾つかの実施形態において、用語"結合"及び"接続"は、接続を示すために使用され、直接的である必要はなく、有線及び/又は無線接続を含み得る。
【0060】
本明細書で使用される時間リソースという用語は、時間の長さに関して表される任意のタイプの物理リソース又は無線リソースに対応し得る。タイムリソースの例は、シンボル、タイムスロット、サブフレーム、無線フレーム、TTI、インターリーブ時間等である。
【0061】
本明細書で使用される"ネットワークノード"という用語は、基地局(BS)、無線基地局、基地トランシーバ局(BTS)、基地局コントローラ(BSC)、無線ネットワークコントローラ(RNC)、gノードB(gNB)、発展型ノードB(eNB又はeNodeB)、ノードB、MSR BS等のマルチスタンダード無線(MSR)無線ノード、マルチセル/マルチキャスト調整エンティティ(MCE)、リレーノード、リレーを制御するドナーノード、無線アクセスポイント(AP)、送信ポイント、送信ノード、遠隔無線ユニット(RRU)、遠隔無線ヘッド(RRH)、コアネットワークノード(モバイル管理エンティティ(MME)、セルフオーオーガナイジングネットワーク(SON)ノード、調整ノード、測位ノード、MDTノード等)、外部ノード(たとえば、サードパーティノード、現在のネットワークの外部のノード)、分散アンテナシステム(DAS)のノード、スペクトルアクセスシステム(SAS)ノード、要素管理システム(EMS)等を含み得る、無線ネットワークに含まれる任意種別のネットワークノードであり得る。ネットワークノードは、テスト機器も含み得る。本明細書で使用される"無線ノード"という用語は、無線デバイス(WD)又は無線ネットワークノード等を示すためにも使用され得る。
【0062】
いくつかの実施形態において、非限定的な用語の無線デバイス(WD)又はユーザ機器(UE)は互換的に使用される。本明細書のWDは、無線信号を介してネットワークノード又は別のWDと通信することができる任意のタイプの無線デバイスであり得る。WDは、無線通信デバイス、ターゲットデバイス、デバイス間(D2D)WD、マシンタイプWD、又はマシン間通信(M2M)が可能なWD、低コスト及び/又は複雑さの低いWD、センサ装備WD、タブレット、モバイル端末、スマートフォン、ラップトップ組み込み機器(LEE)、ラップトップ搭載機器(LME)、USBドングル、顧客宅内機器(CPE)、IoT(モノのインターネット)デバイス、又は、狭帯域IoT(NB -IOT)デバイス等を含み得る。
【0063】
また、いくつかの実施形態において、"無線ネットワークノード"という一般的な用語が使用される。それは、基地局、無線基地局、基地トランシーバ局、基地局コントローラ、ネットワークコントローラ(RNC)、発展型ノードB(eNB)、ノードB、gNB、マルチセル/マルチキャスト調整エンティティ(MCE)、リレーノード、アクセスポイント、無線アクセスポイント、遠隔無線ユニット(RRU)、遠隔無線ヘッド(RRH)のいずれかを含み得る任意種別の無線ネットワークノードであり得る。
【0064】
セルラ通信については、例えば、ネットワークノード、特に基地局、gNB又はeNodeBによって提供され得るセルを介して及び/又は定義する、少なくとも1つのアップリンク(UL)接続及び/又はチャネル及び/又はキャリアと、少なくとも1つのダウンリンク(DL)接続及び/又はチャネル及び/又はキャリアが提供される。アップリンク方向は、端末からネットワークノード、例えば、基地局及び/又は中継局へのデータ転送方向を参照し得る。ダウンリンク方向は、ネットワークノード、例えば、基地局及び/又は中継局から端末へのデータ転送方向を参照し得る。UL及びDLは、異なる周波数リソース、例えば、キャリア及び/又はスペクトルバンドに関連付けられ得る。セルは、少なくとも1つのアップリンクキャリア及び少なくとも1つのダウンリンクキャリアを含み、これらは、異なる周波数帯域を有し得る。ネットワークノード、例えば、基地局、gNB又はeノードBは、1つ又は複数のセル、例えば、PCellを提供及び/又は定義及び/又は制御する様に適合され得る。
【0065】
例えば3GPP LTE及び/又はニューレディオ(NR)等の1つの特定の無線システムからの用語が本開示で使用され得るが、これは、本開示の範囲を前述のシステムのみに限定すると見なされるべきではないことに留意されたい。広帯域コード分割多元接続(WCDMA(登録商標))、WiMax(WorldwideInteroperabilityforMicrowaveAccess)、ウルトラモバイルブロードバンド(UMB)、及びGSM(GlobalSystemforMobileCommunications)を含むがこれらに限定されない他の無線システムも、本開示でカバーされるアイデアを活用することで利益を得ることができる。
【0066】
さらに、無線デバイス又はネットワークノードによって実行されるものとして本明細書で説明されている機能は、複数の無線デバイス及び/又はネットワークノードに渡り分散させることができることに留意されたい。言い換えると、本明細書に記載のネットワークノード及び無線デバイスの機能は、単一の物理デバイスによって実行されることに限定されず、実際、いくつかの物理デバイス間に分散され得る。
【0067】
他に定義されない限り、本明細書で使用される総ての用語(技術的及び科学的用語を含む)は、本開示が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。さらに、本明細書で使用される用語は、本明細書及び関連技術の文脈におけるそれらの意味と一致する意味を有すると解釈されるべきであり、本明細書で明確に定義されない限り理想的又は過度に形式的な意味で解釈されない。
【0068】
実施形態は、遠隔干渉識別及び当該識別に基づく干渉緩和を提供する。
【0069】
同様の要素が同様の参照符号により参照される図に戻ると、
図7は、無線アクセスネットワーク等のアクセスネットワーク12及びコアネットワーク14を含む、LTE及び/又はNR(5G)等の標準をサポートし得る3GPPタイプのセルラネットワーク等の、実施形態による通信システム10を示している。アクセスネットワーク12は、NB、eNB、gNB又は他のタイプの無線アクセスポイント等の複数のネットワークノード16a、16b、16c(総称してネットワークノード16として参照する)を有し、それぞれが対応するカバレッジエリア18a、18b、18c(総称してカバレッジエリア18として参照する)を定義する。各ネットワークノード16a、16b、16cは、有線又は無線接続20を介してコアネットワーク14に接続可能である。カバレッジエリア18aに位置する第1無線デバイス(WD)22aは、対応するネットワークノード16cに無線で接続する、或いは、ページングされる様に構成される。カバレッジエリア18bの第2WD22bは、対応するネットワークノード16aに無線で接続可能である。複数のWD22a、22b(総称して無線デバイス22として参照する)がこの例に示されているが、開示する実施形態は、単一WDがカバレッジエリアにある状況、又は、単一WDが対応する無線ネットワークノード16に接続している状況に等しく適用可能である。便宜上、2つのWD22及び3つのネットワークノード16のみが示されているが、通信システムは、より多くのWD22及びネットワークノード16を含み得ることに留意されたい。
【0070】
また、WD22は、複数のネットワークノード16及び2つ以上のタイプのネットワークノード16と、同時に通信することができる、及び/又は、別々に通信する様に構成することができる。例えば、WD22は、LTEをサポートするネットワークノード16と、同じ又はNRをサポートする異なるネットワークノード16との二重接続を有することができる。一例として、WD22は、LTE/E-UTRANのeNB及びNR/NG-RANのgNBと通信することができる。
【0071】
通信システム10自体は、スタンドアロンサーバ、クラウド実装サーバ、分散サーバのハードウェア及び/又はソフトウェアにより、又は、サーバファームの処理リソースとして具現化され得るホストコンピュータに接続され得る。
【0072】
ネットワークノード16は、本開示の原理に従って、遠隔干渉識別のための少なくとも1つの参照信号(RS)を送信する様に構成された干渉ユニット24を含む様に構成される。ネットワークノード16は、ネットワークノードセット識別子に基づいて、干渉緩和アクション等の少なくとも1つのアクションを実行する様に構成された攻撃ユニット26を含む様に構成される。例えば、ネットワークノード16が被害ネットワークノード16aである場合、被害ネットワークノード16aは、本明細書で説明される様に、干渉ユニット24に関連する1つ又は複数の機能を実行する様に構成され得る。別の例において、ネットワークノード16が攻撃ネットワークノード16bである場合、攻撃ネットワークノード16bは、本明細書で説明される様に、攻撃ユニット26に関連する1つ又は複数の機能を実行する様に構成され得る。
【0073】
前述の段落で説明したネットワークノード16の実施形態に従う例示的な実装を、
図8を参照して説明する。通信システム10においては、ネットワークノード16が提供され、WD22及び他のネットワークノード16と通信することを可能にするハードウェア28を含む。ハードウェア28は、バックホールネットワークを介して別のネットワークノード16と通信する等、通信システム10の別の通信デバイスのインタフェースとの有線又は無線接続を設定及び維持するための通信インタフェース30と、少なくとも、無線ネットワークノード16がサービスを提供するカバレッジエリア18にあるWD22との無線接続を設定及び維持するための無線インタフェース32と、を含み得る。無線インタフェース32は、例えば、1つ以上のRF送信機、1つ以上のRF受信機、及び/又は、1つ以上のRFトランシーバとして形成され得る、或いは、それらを含み得る。通信インタフェース30は、通信システム10内の他のエンティティの中で、1つ又は複数のネットワークノード16とのバックフォール接続等の接続36を容易にする様に構成され得る。
【0074】
図示する実施形態において、ネットワークノード16のハードウェア28は、処理回路38をさらに含む。処理回路38は、プロセッサ40及びメモリ42を含み得る。特に、中央処理ユニットの様なプロセッサ及びメモリに加えて、或いは、代えて、処理回路38は、処理及び/又は制御のための集積回路、たとえば、命令を実行する様に適合された1つ以上のプロセッサ及び/又はプロセッサコア及び/又はFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)及び/又はASIC(特定用途向け集積回路)を含み得る。処理回路40は、メモリ42にアクセス(たとえばそこに書き込む、及び/又は、そこから読み取る)する様に構成され、たとえばキャッシュ、及び/又は、バッファメモリ、及び/又は、RAM(ランダムアクセスメモリ)、及び/又は、ROM(読み取り専用メモリ)、及び/又は、光メモリ、及び/又は、EPROM(消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ)といった、任意の種類の揮発性及び/又は不揮発性メモリを含み得る。
【0075】
この様に、ネットワークノード16はさらに、たとえばメモリ42の内部に格納されるか、又は外部接続を介してネットワークノード16によってアクセス可能な外部メモリ(たとえばデータベース、ストレージアレイ、ネットワークストレージデバイス)に格納されるソフトウェア44を有する。ソフトウェア44は、処理回路38により実行可能な命令を含み得る。処理回路68は、本明細書に記載の方法及び/又はプロセスのいずれかを制御し、及び/又は、そのような方法及び/又はプロセスを、たとえばネットワークノード16によって実行させる様に構成され得る。プロセッサ40は、本明細書で説明するネットワークノード16の機能を実行するための1つ以上のプロセッサ40に対応する。メモリ42は、データ、プログラムソフトウェアコード及び/又は本明細書に記載されている他の情報を格納する様に構成される。いくつかの実施形態において、ソフトウェア44は、プロセッサ40及び/又は処理回路38によって実行されると、プロセッサ40及び/又は処理回路38に、ネットワークノード16に関連して本明細書で説明したプロセスを実行させる命令を含み得る。例えば、ネットワークノード16の処理回路38は、本開示の原理に従って、遠隔干渉識別のために少なくとも1つの参照信号(RS)を送信する様に構成された干渉ユニット24を含み得る。処理回路38は、ネットワークノードセット識別子に基づいて干渉緩和アクション等の少なくとも1つのアクションを実行する様に構成された攻撃ユニット26を含み得る。1つ以上の実施形態において、被害ネットワークノード16は、攻撃ネットワークノード16に対してそれ自身を識別させるために干渉ユニット24を使用する様に構成され、攻撃ユニット26は、被害ネットワークノード16から省略され得る。1つ以上の実施形態において、攻撃ネットワークノード16は、被害ネットワークノード16に関連付けられたネットワークノードセット識別子を判定し、ネットワークノードセット識別子に基づいて少なくとも1つのアクションを実行するために攻撃ユニット26を使用する様に構成され、干渉ユニット24は、攻撃ネットワークノード16から省略され得る。
【0076】
通信システム10は、既に言及した1つ以上のWD22をさらに含む。WD22は、WD22が意図された通信機能を実行することを可能にするためのハードウェア及びソフトウェアを含み得る。そのようなハードウェア及びソフトウェアは、メモリ及びプロセッサ、無線インタフェース及び通信インタフェースを含む処理回路を含み得るが、これらに限定されない。特に、中央処理ユニットの様なプロセッサ及びメモリに加えて、或いは、代えて、処理回路38は、処理及び/又は制御のための集積回路、たとえば、命令を実行する様に適合された1つ以上のプロセッサ及び/又はプロセッサコア及び/又はFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)及び/又はASIC(特定用途向け集積回路)を含み得る。WDプロセッサは、WDメモリにアクセスする様に構成され(例えば、書き込み、及び/又は、読出し)、たとえばキャッシュ、及び/又は、バッファメモリ、及び/又は、RAM(ランダムアクセスメモリ)、及び/又は、ROM(読み取り専用メモリ)、及び/又は、光メモリ、及び/又は、EPROM(消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ)といった、任意の種類の揮発性及び/又は不揮発性メモリを含み得る。いくつかの実施形態において、ネットワークノード16の内部動作は、
図8に示されるとおりであり、独立して、周囲のネットワークトポロジは
図7に示す通りであり得る。
【0077】
図7及び
図8は、干渉ユニット24及び攻撃ユニット26等の様々な"ユニット"をそれぞれのプロセッサ内にあるものとして示しているが、これらのユニットは、ユニットの一部が処理回路内の対応するにメモリに格納される様に実装され得ることを意図している。言い換えると、ユニットは、処理回路内のハードウェア又はハードウェアとソフトウェアの組み合わせで実装され得る。
【0078】
図9は、遠隔干渉識別のための少なくとも1つの基準信号(RS)を送信するネットワークノード16a内の干渉ユニット24に関連する例示的な干渉プロセスのフローチャートである。例えば、干渉プロセスは、被害ネットワークノード16aによって実行され得る。処理回路38は、RS送信構成を取得する様に構成される(ブロックS100)。処理回路38は、RS送信構成に基づいて、少なくとも1つのRSの少なくとも1つのRSシーケンスを判定する様に構成される(ブロックS102)。処理回路38は、RS送信構成に基づいて、時間における少なくとも1つの送信機会を判定する様に構成され、ここで、少なくとも1つのRSシーケンス及び時間における少なくとも1つの送信機会は、ネットワークノードセット識別子に対応する(ブロックS104)。処理回路38は、ネットワークノードセット識別子に基づいて、遠隔干渉識別のための少なくとも1つのRSの送信を引き起こす様に構成され(ブロックS106)、ここで、少なくとも1つのRSは、判定された少なくとも1つのRSシーケンス及び少なくとも1つの時間における送信機会に従って送信される。
【0079】
1つ以上の実施形態において、時間における少なくとも1つの送信機会を判定することは、少なくとも1つのRSが送信される無線フレームペアを判定することと、少なくとも1つのRSそれぞれの判定された無線フレームペア内の異なる時間機会を判定することと、の内の少なくとも1つを含む。1つ以上の実施形態において、RS送信構成を取得することは、ネットワークノードセット識別子を取得することと、RS送信フレームワーク構成を取得することと、の内の少なくとも1つを含む。
【0080】
図10は、本開示の1つ以上の実施形態による、ネットワークノード16aによって実施される例示的な干渉プロセスのフローチャートである。例えば、
図10のプロセスは、被害ネットワークノード16aによって実行され得る。ネットワークノード16aによって実行される1つ以上のブロック及び/又は機能は、処理回路38の干渉ユニット24、プロセッサ40、無線インタフェース32等の、ネットワークノード16aの1つ以上の要素によって実行され得る。1つ以上の実施形態において、処理回路38、プロセッサ40、通信インタフェース30及び無線インタフェース32の内の1つ以上を介する等により、ネットワークノード16aは、少なくとも1つのRSシーケンス及び少なくとも1つの時間機会に少なくとも部分的に基づいて、少なくとも1つのRSの送信を生じさせ(ブロックS108)、ネットワークノード16aの識別子は、少なくとも1つのRSシーケンスと、少なくとも1つの時間機会と、にマッピングされる。言い換えると、少なくとも1つのRSシーケンス及び/又は少なくとも1つの時間機会によって、ネットワークノード16aの識別子が識別可能、又は、示される様に、ネットワークノード16aの識別子と、少なくとも1つのRSシーケンス及び/又は少なくとも1つの時間機会(すなわち、時間位置)との間のマッピングが存在し、これら両方は、ネットワークノード16aによって送信されるRSに関連付けられ得る。1つ以上の実施形態において、マッピングは、ネットワークノード16aによって実行される、ネットワークノード16aによって受信される、或いは、ネットワークノード16aに示される。
【0081】
1つ以上の実施形態によると、ネットワークノード16aは、別のネットワークノード16bのダウンリンク送信からの干渉を受ける被害ネットワークノード16aである。本開示の1つ以上の実施形態によると、識別子は、少なくとも1つのRSシーケンス及び少なくとも1つの時間機会から識別可能である。本開示の1つ以上の実施形態によると、処理回路38は、さらに、別のネットワークノード16bからの遠隔干渉を検出する様に構成され、少なくとも1つの参照信号の送信は、遠隔干渉の検出に応答して行われる。
【0082】
本開示の1つ以上の実施形態によると、処理回路38は、さらに、少なくとも1つのRSの送信後、遠隔干渉が依然検出されているかを判定し、遠隔干渉が依然検出されていると判定した場合、少なくとも1つのRSの少なくとも1つの追加送信を生じさせ、遠隔干渉が検出されていないと判定した場合、少なくとも1つのRSの送信を停止させる。本開示の1つ以上の実施形態によると、少なくとも1つの時間機会は、少なくとも1つのRSが送信される無線フレームペアと、少なくとも1つのRSの少なくとも1つのための無線フレームペア内の異なる時間機会と、の内の少なくとも1つに対応する。本開示の1つ以上の実施形態によると、時間機会は、ダウンリンク送信とアップリンク送信との切り替えがある少なくとも1つのスロットと、スロット内の固定された時間位置と、の内の少なくとも1つに対応する。
【0083】
本開示の1つ以上の実施形態によると、少なくとも1つのRSシーケンスは、複数のRSシーケンスを含み、少なくとも1つの時間機会は、複数の時間機会を含む。本開示の1つ以上の実施形態によると、ネットワークノード16aの識別子は、複数のビットによって識別される。複数のビットの内の少なくとも第1ビットは、複数のRSシーケンスの内の第1RSシーケンスと、複数の時間機会の内の第1時間機会と、に対応する。複数のビットの内の少なくとも第2ビットは、複数のRSシーケンスの内の第2RSシーケンスと、複数の時間機会の内の第2時間機会と、に対応する。本開示の1つ以上の実施形態によると、少なくとも1つのRSシーケンスは、同じRSシーケンスであり、少なくとも1つの時間機会は、複数の時間機会を含む。同じRSシーケンスが、複数の時間機会の間のRS送信において使用され得る。
【0084】
1つ以上の実施形態によると、ネットワークノード16aの識別子は、RSの送信に明示的に含まれず、ネットワークノード16aの識別子は、本明細書で説明されるマッピングから導出される必要があり得る。例えば、ネットワークノード16aの識別子"ID"は、RSの送信に含まれず、IDは、少なくとも1つのRSシーケンス及び/又は少なくとも1つの時間機会に基づいて導出/判定され得る。
【0085】
図11は、本開示の幾つかの実施形態による、遠隔干渉識別のための少なくとも1つの参照信号(RS)を受信するネットワークノード16a内の攻撃ユニット26に関連する例示的な攻撃プロセスのフローチャートである。例えば、攻撃プロセスは、攻撃ネットワークノード16bによって実行され得る。処理回路38は、遠隔干渉識別のための少なくとも1つのRSを受信する様に構成され(ブロックS112)、ここで、少なくとも1つのRSは、少なくとも1つのRSシーケンス及び少なくとも1つの時間における送信機会に基づくネットワークノードセット識別子に対応する。処理回路38は、受信した少なくとも1つのRSに基づいて、ネットワークノードセット識別子を判定する様に構成される(ブロックS114)。例えば、1つ以上の実施形態において、ネットワークノード16aの識別子の判定は、本明細書で説明されるマッピングに少なくとも部分的に基づいて実行される。処理回路38は、ネットワークノードセット識別子に基づいて、少なくとも1つのアクションを実行する様に構成される(ブロックS116)。
【0086】
1つ以上の実施形態において、少なくとも1つの時間における送信機会は、少なくとも1つのRSが送信される無線フレームペアと、少なくとも1つのRSの少なくとも1つ、又は、少なくとも1つのRSそれぞれについて判定された無線フレームペア内の異なる時間機会と、の内の少なくとも1つに基づく。1つ以上の実施形態において、RS送信構成は、ネットワークノードセット識別子と、RS送信フレームワーク構成と、の内の少なくとも1つに基づく。1つ以上の実施形態において、少なくとも1つのアクションは、別のネットワークノード16とのバックフォール通信を確立することを含む。
【0087】
図12は、本開示の幾つかの実施形態による、遠隔干渉識別のための少なくとも1つの参照信号(RS)を受信するネットワークノード16b内の攻撃ユニット26に関連する例示的な攻撃プロセスのフローチャートである。例えば、
図12のプロセスは、攻撃ネットワークノード16bによって実行され得る。ネットワークノード16bによって実行される1つ以上のブロック及び/又は機能は、処理回路38の攻撃ユニット26、プロセッサ40、無線インタフェース32等による、ネットワークノード16bの1つ以上要素によって実行され得る。1つ以上の実施形態において、ネットワークノード16bは、処理回路38、プロセッサ40、通信インタフェース30、攻撃ユニット26及び無線インタフェース32の内の1つ以上を介して、少なくとも1つの時間機会において、遠隔干渉識別のための少なくとも1つのRSを受信し(ブロックS118)、ここで、少なくとも1つのRSは、本明細書に記載されている様に、少なくとも1つのRSシーケンスを含む。1つ以上の実施形態において、ネットワークノード16bは、例えば、処理回路38、プロセッサ40、通信インタフェース30、攻撃ユニット26及び無線インタフェース32の内の1つ以上を介して、少なくとも1つのRSシーケンスと、少なくとも1つの時間機会と、に少なくとも部分的に基づいて、第2ネットワークノード16a(例えば、被害ネットワークノード16a)の識別子を判定する様に構成され(ブロックS120)、第2ネットワークノード16aの識別子は、本明細書に記載されている様に、少なくとも1つのRSシーケンスと、少なくとも1つの時間機会と、にマッピングされる。例えば、1つ以上の実施形態において、第2ネットワークノード16aの識別子の判定は、本明細書で説明されるマッピングに少なくとも部分的に基づいて実行される。
【0088】
本開示の別の実施形態によると、第1ネットワークノード16bが提供される。第1ネットワークノード16bは、少なくとも1つの時間機会の間、遠隔干渉識別のための少なくとも1つの参照信号(RS)シーケンスを含む少なくとも1つのRSを受信し、少なくとも1つのRSシーケンスと、少なくとも1つの時間機会と、に少なくとも部分的に基づいて、第2ネットワークノードの識別子を判定する様に構成された処理回路38を含み、第2ネットワークノード16aの識別子は、少なくとも1つのRSシーケンスと、少なくとも1つの時間機会と、にマッピングされている。
【0089】
本開示の1つ以上の実施形態によると、処理回路38は、さらに、第2ネットワークノード16aの判定した識別子に少なくとも部分的に基づいて、少なくとも1つの遠隔干渉緩和アクションを実行する様に構成される。本開示の1つ以上の実施形態によると、処理回路38は、少なくとも1つの遠隔干渉緩和アクションを実行した後、少なくとも1つのRS信号が検出されるかを判定し、少なくとも1つのRS信号が検出されていないと判定した場合、遠隔干渉緩和アクションを変更する様にさらに構成される。本開示の1つ以上の実施形態によると、第1ネットワークノード16bは、第2ネットワークノード16aでの干渉の原因である攻撃ネットワークノード16bである。
【0090】
本開示の1つ以上の実施形態によると、識別子は、少なくとも1つのRSシーケンスと、少なくとも1つの時間機会と、から識別可能又は導出可能である。本開示の1つ以上の実施形態によると、少なくとも1つの時間機会は、少なくとも1つのRSが送信される無線フレームペアと、少なくとも1つのRSの少なくとも1つの無線フレームペア内の異なる時間機会と、の内の少なくとも1つに対応する。本開示の1つ以上の実施形態によると、時間機会は、ダウンリンク送信とアップリンク送信との切り替えがある少なくとも1つのスロットと、スロット内の固定された時間位置と、の内の少なくとも1つに対応する。
【0091】
本開示の1つ以上の実施形態によると、少なくとも1つのRSシーケンスは、複数のRSシーケンスを含み、少なくとも1つの時間機会は、複数の時間機会を含む。本開示の1つ以上の実施形態によると、第2ネットワークノード16aの識別子は、複数のビットによって識別される。複数のビットの内の少なくとも第1ビットは、複数のRSシーケンスの内の第1RSシーケンスと、複数の時間機会の内の第1時間機会と、に対応する。複数のビットの内の少なくとも第2ビットは、複数のRSシーケンスの内の第2RSシーケンスと、複数の時間機会の内の第2時間機会と、に対応する。本開示の1つ以上の実施形態によると、少なくとも1つのRSシーケンスは、同じRSシーケンスであり、少なくとも1つの時間機会は、複数の時間機会を含む。同じRSシーケンスが、複数の時間機会の間のRS送信において受信され得る。
【0092】
被害ネットワークノード16及び攻撃ネットワークノード16での遠隔干渉識別のための配置を一般的に説明してきたが、これらの配置、機能及びプロセスの詳細が以下の様に提供され、1つ以上のネットワークノード16、例えば、16a、16b等によって実行され得る。
【0093】
実施形態は、遠隔干渉識別のためのRS構成及び送信を提供する。細かい時間周波数同期又はコヒーレントチャネル推定を必要とすることなく、通信チャネルを介して情報を伝達するための1つのアプローチは、利用可能な伝送リソースを、時間、周波数、及び/又はコード分割多重化パラメータを使用して、可能な(疑似)直交伝送位置のセットに分割することである。
【0094】
特定のメッセージを伝達するために、送信機は送信位置の1つで信号を送信し、受信機は総ての可能な送信位置で信号の検出を試みる。受信機が送信信号を検出した送信位置に基づいて、特定のメッセージが伝達される。したがって、この方法で送信できる情報量は、lоg2Nビットであり、ここで、Nは時間/周波数/コードの送信位置の数である。本開示は、そのようなスキームを提供するが、ネットワークノード16a(例えば、gNB)セットIDをRIM-RS送信自体に符号化に柔軟に使用される様に修正される。すなわち、ネットワークノードセットIDは、RIMーRSに符号化され得る。例えば、1つ以上の実施形態において、ネットワークノードの識別子又は識別子に関連付けられた情報はRSの送信で伝達され、ここで、送信位置は時間/周波数/コード位置、すなわち無線リソースである。1つ以上の実施形態において、ネットワークノードの識別子と、RSが送信されるリソースとの間にはマッピングが存在する。1つ以上の実施形態において、ネットワークノードの識別子は、RSシーケンス及び/又はRSが送信されるリソースにマッピングされる。
【0095】
1つ以上の実施形態において、RS送信のための1つ以上の方法が提供される。被害ネットワークノード16a等の送信ネットワークノード16は、ネットワークノードセットID及び参照信号送信フレームワーク構成から構成される参照信号構成を取得し得る。参照信号送信フレームワーク構成に基づいて、ネットワークノード16aは、ネットワークノードセットIDを、RSシーケンス及びRI軽減のためのRSが送信され得るRS送信機会と、にマッピングするための情報を取得する(例えば、前述のRIMフレームワークによる)。逆に、RS検出のための方法において、受信ネットワークノード16b、例えば、gNBは、検出されたRSのシーケンス及び時間機会に基づいて、送信機のネットワークノードセットIDを推測するために使用され得る参照信号送信フレームワーク構成を取得し得る。
【0096】
本開示は、ネットワークが、RS送信機会及びシーケンスをネットワークノード16に割り当てるための柔軟な方法を提供する。例えば、そのトポロジー及び適用されるRI緩和スキームに応じて、特定のネットワーク実装は、より多くのネットワークノード16をセットにグループ化し、セット内の総てのネットワークノード16に対して同じRIM-RS構成を使用する一方、他のネットワーク実装は、個々のRIM-RS構成を個々のネットワークノード16に割り当て得る。所望の効果は、本明細書に記載の実施形態によって達成され、RS送信機会及びシーケンスは、ネットワークノードセットID及び参照信号送信構成によってのみ明確に判定されるため、ネットワークノードセットID及び参照信号送信構成を取得することは、ネットワークノード16aが、ネットワークからその様な構成を受信することを含む。したがって、ネットワークは、1つ以上のネットワーク要素を介して、同じネットワークノードセットIDを複数のネットワークノード16に柔軟に割り当てることができる、或いは、ネットワークは、異なるネットワークノードセットIDを個々のネットワークノード16に割り当てることができる。
【0097】
1つ以上の実施形態において、RIM-RS機会は、各"特別スロット"、すなわち、DL/ULスイッチが発生するスロットとして定義され得る。或いは、1つ以上の実施形態において、例えば、1つおきのDL/ULスイッチ毎の様に、DL/ULスイッチのサブセットのみがRIM-RS機会を定義する。これは、非連結TDD構成の場合、RIM-RSが各PmsのTDD周期内で送信され得る、1つの可能な時間機会があることを意味する。2つの連結されたTDD構成(P1+P2ms)の場合、TDD構成の1つがDLのみ(又はULのみ)のシンボルを含むかどうかに応じて、1つ又は2つのDL/ULスイッチポイントが存在し得る。
【0098】
被害ネットワークノード16aと攻撃ネットワークノード16bとの間の伝播遅延を推定するために、被害ネットワークノード16aは、スロット内の固定位置でRSを送信し得る。この固定位置は、一部のOFDMシンボルにあり、事前定義、又は、ネットワークによって構成され得る。
【0099】
したがって、RIM-RS送信機会ごとに、単一RS(RIM-RS設計の結果に応じて複数のOFDMシンボルに跨り得る)が、ネットワークノード16aによって送信され、RSシーケンスセットのどのRSシーケンスが送信されたかの情報が符号化され得る。1つ以上の実施形態において、可能なNseq個のRIM-RSシーケンスの内の1つが送信され、これは、lоg2Nseqビットの情報を伝達できる。Nseq個の異なるシーケンスは、例えば、異なるシーケンス初期化シードを有するゴールドシーケンス、異なるグループ及びシーケンス番号を有するZadoff-Chuシーケンス、又は、一般に、任意の事前定義されたシーケンスのセットから選択され得る。
【0100】
ネットワークノードセットIDのID空間の要件、及び、特定のネットワークノードセットIDの2回の送信機会間の時間要件(ネットワークが遠隔干渉イベントにどれだけ迅速に適応できるかを決定する)に応じて、ネットワークノード16aに、後続のRS送信機会において複数のRSを送信させることによって、より多くの情報ビットを伝達する必要があり、送信機会に送信される各RSは、ネットワークノードセットIDの情報ビットの特定の部分を伝達する。これらの送信機会のそれぞれで送信されるRSシーケンスは、この送信機会にマッピングされた情報ビットに基づいて選択される、すなわち、これらの後続のRS送信機会でのRS送信のために異なるRSシーケンスが選択され得る。
【0101】
一実施形態において、異なる送信機会は、ネットワークノードセットIDの情報ビットの異なる部分を搬送する。1つ以上の実施形態において、異なる送信機会は、また、ネットワークノードセットIDの情報ビットの同じ部分を搬送できる、すなわち、ネットワークノードセットID情報は、構成に応じて、送信機会に渡ってある程度繰り返される。
【0102】
1つ以上の実施形態において、数N(group)
RSの連続するRIM-RS送信の機会がRIM-RSグループを形成する。次に、ネットワークノード16bは、RIを検出すると、隣接するRIM-RS送信機会にN(group)
RSの後続RIM-RSを送信し、それぞれに別個のRSシーケンス選択を使用する。すなわち、送信機会に選択されるRSシーケンスは、このRS送信で搬送される情報ビットの対応する部分の値に依存する(各送信機会によってネットワークノードセットIDの情報ビットの異なる部分を使用する場合を例にするとき)。ネットワークノードセットIDを復号するために、受信ネットワークノード16bは、N(group)
RS個の送信されたRSのそれぞれを正しく検出する必要があり、したがって、情報のN(group)
RS×lоg2Nseqビットが、RIM-RSグループによって伝達され得る。
【0103】
代替の実施形態において、RIM-RSグループ内のN(group)
RS個のRIM-RS機会は、のN(group)
RS/Nrep個の反復セットにさらにサブグループ化され、各反復セットは、同じRSシーケンスを使用して送信されるNrep個のRIM-RSを含む。つまり、特定のシーケンスがNrep回だけ繰り返されるため、RIM-RSグループの送信によって、N(group)
RS/Nrep個の異なるRSシーケンスが伝達され得る。言い換えると、同じRSシーケンスが、複数の時間機会、例えば、繰り返しセットのそれぞれにおいて繰り返される。これにより、受信機は特定のRSシーケンスが後続の幾つかの時間機会で繰り返されることを利用できるため、より高い検出信頼性を実現できる。
【0104】
したがって、1つ以上の実施形態において、ネットワークノードセットIDの一部は、RIM-RSグループ内の送信されるRSのRSシーケンスの選択において符号化される一方、ネットワークノードセットIDの残りの部分は、RIM-RSグループの時間位置において符号化される。したがって、gNBセットIDの一部と送信機会との間のマッピングが必要であるが、NRのTDD構成は非常に柔軟であるため、これをどの様に行い得るかが明らかではない。例えば、NRでは、30kHzのSCSを使用してサポートされる基本的なTDD周期は{0.5,1,2,2.5,3,4,5,10}msである。これらのサブセットは、以下でさらに説明する様に、非連結及び連結TDD周期性に対して選択され得る。
【0105】
30kHzのSCSを使用して許可される非連結TDD周期性は、P∈{0.5,1,2,2.5,4,5,10}msであるが、許可される連結TDD周期性は、P1+P2∈{1,2,2.5,4,5,10,20}msである。初期アクセス中にSSBが存在するというWDの仮定に準拠するために、P1+P2は、20msを均等に分割する必要があるため、P1とP2の総ての組み合わせが許可されるわけではない。さらに、同じTDD構成の周期性を与える複数のTDD構成が存在し得る。例えば、5ミリ秒のTDD構成周期性は、5ミリ秒の周期性を持つ非連結TDDパターンと、P1=2ms及びP2=3ms、P1=2.5ms及びP2=2.5ms、又は、P1=1ms及びP2=4msの2つの連結TDDパターンによって構成され得る。したがって、連結TDD構成を使用できるので、特定の期間に使用可能なDL/UL切替ポイントの数を決定することは非常に複雑になる可能性がある。ただし、TDD構成に拘わらず、総ての周期性は20ミリ秒を超えて"リセット"される。したがって、20ms間隔、つまり2つの10ms無線フレームが参照ポイントとして使用され得る。
【0106】
これを考慮して、一実施形態では、2つの続く10msの無線フレームを有する20msの無線フレームペア(RFP)が参照ポイントとして使用される。無線フレームペア内で、ネットワークは、Ngroup個のRIM-RSグループを割り当てることができる様に構成され得る(ここで、各RIM-RSグループは、異なるネットワークノードセットIDに対応する)。実際に使用されるTDD構成、及び、RIM-RSグループ内のRIM-RSの数に応じて、Ngroupの可能な最大値が存在する。例えば、5msのTDD周期性を持つ非連結TDD構成を想定し、N(group)
RS=2,Ngroupが1又は2のいずれかであると想定すると、1msのTDD周期性を有し、N(group)
RS=1の非連結TDD構成の場合、Ngroupの値は1~20の範囲になる。
【0107】
他の実施形態において、RS機会が発生する間隔の構成は、構成パラメータによって決定され、複数のTDD周期性で発生する様に構成される。別の実施形態において、構成は、特定の期間に渡って発生する様に構成される。
【0108】
開示されたRIM RS送信フレームワークの例示的な実施形態が、
図13及び
図14に示されている。
【0109】
次に、ネットワークノードセットID空間は、RIM-RS送信のデューティサイクル、つまり、同じネットワークノードセットIDの2つのRIM-RSグループ送信機会の間に発生するRFPの数によって決定され得る。したがって、RIM-RSデューティサイクルは、Tduty=NRFP×20×10-3sとして定義される、つまり、NRFP個の無線フレームペアで構成される。
【0110】
次に、パラメータ(N
seq,N
(group)
RS,N
group,N
RFP)がRIM-RS送信フレームワークを定義し、異なるRIM-RSグループに、N
groupN
RFP個の送信機会があるが、RIM-RSグループには、
【数1】
個の異なる可能なRSシーケンスの組み合わせがある。これにより、
【数2】
個のネットワークノードセットID、つまり、
【数3】
が可能になる。
【0111】
パラメータ(Nseq,N(group)
RS,Ngroup,NRFP)は、幾つかの実施形態においては、参照信号送信フレームワーク構成を構成し、RIM-RS送受信のためにネットワークによってネットワークノード16に構成され得る。
【0112】
本明細書で説明する様に既存のシステムを修正することによって、シーケンス及び送信機会をネットワークノードセットIDにどの様に符号化することができるかの例を以下に示す。
【0113】
例示的な符号化
-無線フレームペアインデックスi
RFP∈{0,・・・,N
RFP-1}は、RIM-RS送信用に割り当てられた無線フレームに、
【数4】
としてマッピングされる。つまり、続くシステムフレーム番号(SFN)を有する2つの隣接する無線フレームは、2N
RFP個の無線フレーム毎に割り当てられる。
-グループインデックスi
group∈{0,・・・,N
group-1}は、無線フレームペア内で割り当てられたRIM-RSグループを定義する。
-RIM-RSシーケンスID
【数5】
のセットは、RIM-RSグループ内の各RIM-RS送信機会に割り当てられたRIM-RSシーケンスを定義し、ここで、i
(k)
seq={0,・・・,N
seq-1},k=0,・・・,N
(group)
RS-1である。
-上記のインデックスは、ネットワークノードセットIDに、
【数6】
として、又は、インデックス
【数7】
をネットワークノードセットIDの様々な情報ビットに直接マッピングすることにより、マッピングされる。
【0114】
ネットワークノードセットIDの特定の最大ID空間が与えられると、設計パラメータは、コード、周波数及び時間領域の間で送信位置を分割する方法に対応する。ネットワークノード16aの識別子は、1つ以上のRSシーケンス及び/又は1つ以上の時間機会等の1つ以上のパラメータによって定義される構成にマッピングされ得る。言い換えると、これは、本明細書で説明する様に、ネットワークノード16aの識別子と、1つ以上のRSシーケンス及び少なくとも1つのRSの送受信に使用される無線リソースとの間のマッピングである。
【0115】
RS機会の全体的なセット及びその物理的リソースへのマッピングを決定するための上記のパラメータのそれぞれは、仕様で事前に定義され得るか、ネットワークノード16aごとに構成可能であることに留意されたい。さらに、仕様において、最終的に総てのパラメータが使用されるとは限らない。例えば、Ngroupが常に1に設定されていると仮定すると、このパラメータを仕様に記述する必要はない。これは、上記のパラメータのいずれにも当てはまる可能性がある。
【0116】
幾つかの実施形態において、より多くのコード領域ロケーションが割り当てられ、これにより、特定のネットワークノード16aの可能な送信機会が時間的に軽く又は密になり、したがって、ネットワーク内の総てのネットワークノード16を構成するのにかかる時間が短くなり、特にRIM-RSのマルチショット検出が必要な場合、攻撃ネットワークノード16bに適用されるRIM緩和メカニズムの遅延を低減させ得る。
【0117】
別の実施形態において、ネットワークノード16aは、送信機会ごとにより少ないシーケンスを検出することを試みる必要があるので(さらに、検出確率が増加する)、検出の複雑さを軽減するために、より多くの時間領域位置が割り当てられる。
【0118】
別の実施形態において、2つ以上のRSシーケンスが同じ時間領域機会に送信され、全送信帯域幅の重複しない部分を占め、これは、RIM緩和メカニズムの反応時間を短縮し得る。
【0119】
2つ以上のRSシーケンスが同じ時間領域機会に送信され、全送信帯域幅の重複しない部分を占める他の実施形態において、周波数領域における送信機会の位置は、情報の追加ビットを伝達することを可能にし、ここで、伝達されるビットの総数はN(group)
RS×lоg2Nseq×lоg2Nbwpである。Nbwpは、合計送信帯域幅が分割される部分の数であり、ここで、各帯域幅部分(BWP)は、1つのRSシーケンスの送信に割り当てられる。
【0120】
別の実施形態において、被害ネットワークノード16が所属するコアネットワークノードのID等、被害ネットワークノード16への追加の識別子又は参照を伝達するために、より多くの時間、周波数、及び、コード領域の位置が割り当てられる。これらの追加IDの知識により、RIM緩和メカニズムの反応時間が短縮され得る。
【0121】
幾つかの例
例1.遠隔干渉識別のための1つ以上の参照信号(RS)を送信するネットワークノード16aによって実行される方法であって、
a)RS送信構成を取得することと、
b)RS送信構成に基づいて、1つ以上のRSそれぞれのRSシーケンスを判定することと、
c)RS送信構成に基づいて、1つ以上のRSそれぞれの時間における送信機会を判定することと、
d)判定した送信機会において、判定したRSシーケンスを使用して1つ以上のRSを送信することと、
を含む方法。
【0122】
例2.例1に記載の方法であって、時間における送信機会を判定することは、無線フレームペアを判定することを含み、1つ以上の参照信号の総てが送信される、方法。
【0123】
例3.例2に記載の方法であって、時間における送信機会を判定することは、1つ以上のRSそれぞれの判定した無線フレームペア内の異なる時間機会を判定することを追加的に含む、方法。
【0124】
例4.例1に記載の方法であって、RS送信構成を取得することは、ネットワークノード(gNB)セット識別子を取得することを含む、方法。
【0125】
例5.例4に記載の方法であって、RS送信構成を取得することは、RS送信フレームワーク構成を取得することを追加的に含む、方法。
【0126】
例A1.遠隔干渉識別のための少なくとも1つの参照信号(RS)を送信するネットワークノード16aであって、
RS送信構成を取得し、
RS送信構成に基づいて、少なくとも1つのRSの少なくとも1つのRSシーケンスを判定し、
RS送信構成に基づいて、少なくとも1つの時間における送信機会を判定し、ここで、少なくとも1つのRSシーケンス及び少なくとも1つの時間における送信機会は、ネットワークノードセット識別子に対応し、
ネットワークノードセット識別子に基づいて、遠隔干渉識別のために少なくとも1つのRSを送信し、ここで、少なくとも1つのRSは、判定された少なくとも1つのRSシーケンス及び少なくとも1つの時間における送信機会に従って送信される、様に構成されているネットワークノード、及び/又は、その様に構成されている無線インタフェース32及び/又は処理回路38を含む、ネットワークノード。
【0127】
例A2.例A1に記載のネットワークノード16aであって、少なくとも1つの時間における送信機会を判定することは、
少なくとも1つのRSが送信される無線フレームペアを判定することと、
少なくとも1つのRSそれぞれの判定した無線フレームペア内の異なる時間機会を判定することと、
の内の少なくとも1つを含むネットワークノード。
【0128】
例A3.例A1に記載のネットワークノード16aであって、RS送信構成を取得することは、
ネットワークノードセット識別子を取得することと、
RS送信フレームワーク構成を取得することと、
の内の少なくとも1つを含むネットワークノード。
【0129】
例B1.遠隔干渉識別のための少なくとも1つの参照信号(RS)を送信するネットワークノード16aによって実行される方法であって、
RS送信構成を取得することと、
RS送信構成に基づいて、少なくとも1つのRSの少なくとも1つのRSシーケンスを判定することと、
RS送信構成に基づいて、少なくとも1つの時間における送信機会を判定することであって、少なくとも1つのRSシーケンス及び少なくとも1つの時間における送信機会は、ネットワークノードセット識別子に対応する、判定することと、
ネットワークノードセット識別子に基づいて遠隔干渉識別のための少なくとも1つのRSを送信することであって、少なくとも1つのRSは、判定された少なくとも1つのRSシーケンス及び少なくとも1つの時間における送信機会に従って送信される、送信することと、
を含む方法。
【0130】
例B2.例B1に記載の方法であって、少なくとも1つの時間における送信機会を判定することは、
少なくとも1つのRSが送信される無線フレームペアを判定することと、
少なくとも1つのRSそれぞれの判定した無線フレームペア内の異なる時間機会を判定することと、
の内の少なくとも1つを含む方法。
【0131】
例B3.例B1に記載の方法であって、RS送信構成を取得することは、
ネットワークノードセット識別子を取得することと、
RS送信フレームワーク構成を取得することと、
の内の少なくとも1つを含む方法。
【0132】
例C1.遠隔干渉識別のための少なくとも1つの参照信号(RS)を受信するネットワークノード16bであって、
少なくとも1つのRSシーケンス及び少なくとも1つの時間における送信機会に基づくネットワークノードセット識別子に対応する、遠隔干渉識別のための少なくとも1つのRSを受信し、
受信した少なくとも1つのRSに基づいて、ネットワークノードセット識別子を判定し、
ネットワークノードセット識別子に基づいて、少なくとも1つのアクションを実行する様に構成されているネットワークノード、及び/又は、その様に構成されている無線インタフェース32及び/又は処理回路38を含む、ネットワークノード。
【0133】
例C2. 例C1に記載のネットワークノード16aであって、少なくとも1つの時間における送信機会は、
少なくとも1つのRSが送信される無線フレームペアと、
少なくとも1つのRSそれぞれの判定した無線フレームペア内の異なる時間機会を判定することと、
の内の少なくとも1つに基づく、方法。
【0134】
例C3.例C1に記載のネットワークノード16aであって、RS送信構成は、
ネットワークノードセット識別子と、
RS送信フレームワーク構成と、
の内の少なくとも1つに基づく、方法。
【0135】
例C4.例C1に記載のネットワークノード16aであって、少なくとも1つのアクションは、別のネットワークノード16bとのバックフォール通信を確立することを含む。方法。
【0136】
例D1.遠隔干渉識別のための少なくとも1つの参照信号(RS)を受信するネットワークノード16bによって実行される方法であって、
少なくとも1つのRSシーケンス及び少なくとも1つの時間における送信機会に基づくネットワークノードセット識別子に対応する、遠隔干渉識別のための少なくとも1つのRSを受信することと、
受信した少なくとも1つのRSに基づいて、ネットワークノードセット識別子を判定することと、
ネットワークノードセット識別子に基づいて、少なくとも1つのアクションを実行することと、
を含む方法。
【0137】
例D2.例D1に記載の方法であって、少なくとも1つの時間における送信機会は、
少なくとも1つのRSが送信される無線フレームペアと、
少なくとも1つのRSそれぞれの判定した無線フレームペア内の異なる時間機会を判定することと、
の内の少なくとも1つに基づく、方法。
【0138】
例D3.例D1に記載の方法であって、RS送信構成は、
ネットワークノードセット識別子と、
RS送信フレームワーク構成と、
の内の少なくとも1つに基づく、方法。
【0139】
例D4.例D1に記載の方法であって、少なくとも1つのアクションは、別のネットワークノード16bとのバックフォール通信を確立することを含む、方法。
【0140】
提案した解決策の標準化
以下の付録は、提案した解決策の特定の側面が、特定の通信規格のフレームワーク内でどの様に実装されるかについての非限定的な例を提供する。特に、この付録は、3GPPTSG RAN標準のフレームワーク内で提案した解決策がどの様に実装され得るかについての非限定的な例を提供する。付録に記載された変更は、単に、提案した解決策が特定の規格においてどの様に実装され得るかを示すことを意図するものである。しかしながら、提案した解決策は、3GPP仕様及び他の仕様又は規格の両方において、他の適切な方法で実装され得る。
【0141】
付録
前書き
RAN1#94議長ノートにおいて、スウェーデン、ヨーテボリでのRAN1#94では、RIMフレームワークに関して議論が行われ、3GPP TR38.866で4つの異なるフレームワークをキャプチャすることが合意された。これらのフレームワークはすべて、被害gNBが、RIの検出により、被害側にRIを引き起こしていることを攻撃gNBに通知するために、RIM-RS送信を実行することに依存している。これらのフレームワークのうちの2つ、フレームワーク2-1及び2-2は、送信されたRIM-RSが受信されたことを被害側に通知するための、攻撃側から被害側へのバックホールシグナリングに依存している。したがって、これらのフレームワークの場合、RIM-RS送信は、バックホールリンク確立のために被害gNBの識別情報を搬送しなければならない。複数の被害gNBが同じRIM-RSを共有するgNBのセットを形成する可能性があるため、RIM-RS送信はgNBセットIDを伝達しなければならない。
【0142】
さらに、RAN1#94では、DL-UL送信周期内の最大DL送信境界及び最大UL受信境界のネットワーク内での共通の理解を想定できることも合意された。
【0143】
合意:
図15(a)~(c)に示す様に、RIMの調査では、同期されたマクロセルを備えたネットワーク全体が、DL送信の終了境界を示すDL送信境界(第1参照ポイントとして示される)と、DL-UL送信周期内で最初に許可されたUL受信の開始境界を示すUL受信境界(第2参照ポイントとして示される)について共通の理解を有することが想定されている。
・境界がRS設計に考慮され得る。
・第1参照ポイントは、第2参照ポイントの前に位置する。
【0144】
議論
細かい時間周波数同期又はコヒーレントチャネル推定を必要とすることなく、通信チャネルを介して情報を伝達するための最も堅牢なアプローチは、時間、周波数及び/又はコード分割多重化を使用して、利用可能な伝送リソースを可能な(疑似)直交伝送位置のセットに分割することである。特定のメッセージを伝達するために、送信機は送信位置の1つで信号を送信し、受信機は総ての可能な送信位置で信号の検出を試みる。受信機が送信信号を検出した送信位置に基づいて、特定のメッセージが伝達される。したがって、この方法で送信できる情報量は、lоg2Nビットであり、ここで、Nは時間/周波数/コードの送信位置の数である。このようなスキームを使用して、gNBセットIDをRS送信自体に符号化することができる。
【0145】
ネットワークがRS送信機会及びシーケンスをgNBに割り当てるための柔軟な方法が望まれている。そのため、RAN1#94で、RS送信は、gNB ID、セルID又はそれらに等価なものではなく"gNBセットID"を搬送し得ると決定された。例えば、そのトポロジー及び適用されるRIM緩和スキームに応じて、特定のネットワーク実装は、より多くのgNBをセットにグループ化し、セット内の総てのgNBに対して同じRIM-RS構成を使用する一方、他のネットワーク実装は、個々のRIM-RS構成を個々のgNBに割り当てることが望ましいことが分かった。ただし、ネットワーク構成によるgNBのグループ化は、個々のgNBに対して透過的である必要があり、RIM-RS送信構成は、たとえばコアネットワークによってgNBに構成できるgNBセットIDのみに依存する必要がある。
【0146】
提案1:RIM-RS送信構成は、"gNBセットID"のみに依存する。
【0147】
gNBセットIDの特定の最大ID空間が与えられると、次の疑問は、送信位置を、コード、周波数及び時間領域の間でどの様に分割するかである。より多くの時間領域位置が割り当てられている場合、特定のgNBの可能な送信機会は時間的にまばらになり、したがって、ネットワーク内の総てのgNBをサウンドするのにかかる時間が長くなり、特に、RIM-RSのマルチショット検出が必要な場合、RIM緩和メカニズムが攻撃側に適用されるまでの遅延を増加させる。一方、より多くのコード領域位置が割り当てられている場合、gNBは、送信機会ごとにより多くのシーケンスを検出することを試みる必要があるので検出の複雑さが増加する(さらに、検出確率が低減する)。したがって、gNBセットIDのRIM-RS送信構成への固定マッピングを使用できるかどうかは明らかではない。代わりに、RIM-RS送信を各ネットワーク実装のニーズに合わせて調整できる様に、いくつかの構成可能性を導入することが有益である。
【0148】
提案2:RIM-RS送信は、様々なネットワーク実装に合わせて調整できる様に構成可能にすべきである。
【0149】
提案するRIM-RS送信フレームワーク
RAN1#94での議論に基づくと、RIM-RSは"特別なスロット"、つまりDL/UL切替が発生するところで送信されるべきことが共通の理解となっている様に思われる。被害gNBと攻撃gNBとの間の伝播遅延を推定するために、被害側は、スロット内の固定位置でRSを送信すべきである。この固定位置は、以前に合意された第1参照ポイントの直前のOFDMシンボル、つまり、ネットワーク内の共通の理解は、DL/UL切替が発生する"特別なスロット"でDLを搬送できる最後のOFDMシンボルである。
【0150】
提案3:RIM-RSは、第1参照ポイント(DL送信境界)の直前のOFDMシンボルで送信される。
【0151】
これは、非連結TDD構成の場合、RIM-RSが各PmsのTDD周期内で送信され得る、1つの可能な時間機会があることを意味する。2つの連結されたTDD構成(P1+P2ms)の場合、TDD構成の1つが、DLのみ(又はULのみ)のシンボルを含むかどうかに応じて、1つ又は2つのDL/ULl切替ポイントが存在し得る。
【0152】
提案4:Pms又はP1+P2msTDD周期内の各DL/UL切替ポイントは、時間における可能なRIM-RS送信機会を構成する。
【0153】
RIM-RS送信機会ごとに、単一RS(RIM-RS設計の結果に応じて複数のOFDMシンボルに跨り得る)が、gNBによって送信され、どのRSシーケンスが送信されるかの情報が符号化され得る。Nseq個の可能なRIM-RSシーケンスの内の1つが送信され、これは、lоg2Nseqビットの情報を伝達できることが想定され得る。Nseqの値は、ネットワークで構成可能であるべきである。
【0154】
提案5:RIM-RS送信機会において、Nseq個のRIM-RSシーケンスの内の1つを送信でき、ここで、Nseqは、ネットワークによって構成可能である。
【0155】
gNBセットIDのID空間の要件、及び、特定のgNBセットの2回の送信機会間の時間要件(ネットワークが遠隔干渉イベントにどれだけ迅速に適応できるかを決定する)に応じて、gNBに、後続のRS送信機会に、各RSが異なるシーケンスを使用する複数のRSを送信させることによって、より多くの情報ビットを伝達する必要がある。よって、N(group)
RS個の連続するRIM-RS送信機会がRIM-RSグループを形成することを提案する。次に、gNBは、RIの検出時に、それぞれが別個のRSシーケンスを使用して、隣接するRIM-RS送信の機会にN(group)
RS個の続くRIM-RSを送信する。gNB IDを復号するために、受信gNBは、N(group)
RS個の送信されたRSのそれぞれを首尾よく検出する必要があり、したがって、N(group)
RS×lоg2Nseqビットの情報が伝達され得る。
【0156】
提案6:N(group)
RS個の連続するRIM-RS送信機会がRIM-RSグループを構成する。gNBセットは、機会ごとに個別のシーケンスを使用し、RIM-RSグループの総ての機会にRIM-RSを送信する。
【0157】
したがって、gNBセットIDの一部は、RIM-RSグループ内の送信されたRSのRSシーケンスの選択において符号化される一方、gNBセットIDの残りの部分は、RIM-RSグループの時間位置において符号化され得る。したがって、gNBセットIDの一部と送信機会との間のマッピングが必要であるが、NRのTDD構成は非常に柔軟であるため、これをどの様に行い得るかは明らかではない。
【0158】
一例として、30kHzのSCSを使用して許可される非連結TDD周期性は、P∈{0.5,1,2,2.5,5,10}msであるが、許可される連結TDD周期性は、P1+P2∈{1,2,2.5,4,5,10,20}msである。初期アクセス中にSSBが存在するというUEの仮定に準拠するために、P1+P2は、20msを均等に分割する必要があるため、P1とP2の総ての組み合わせが許可されるわけではない。したがって、特に、連結TDD構成を使用できることにより、特定の期間に使用可能なDL/Ul切替ポイントの数を決定することは非常に複雑になり得る。ただし、TDD構成に拘わらず、総ての周期性は20ミリ秒を超えて"リセット"される。したがって、20ms間隔、つまり2つの10ms無線フレームが参照ポイントとして使用され得る。
【0159】
観察1:総てのNRのTDD周期性は20ミリ秒を均等に分割する必要があるため、TDD構成に拘わらず、可能なRIM-RS送信機会を導出するために、20ミリ秒の時間間隔が参照ポイントとして使用され得る。
【0160】
よって、2つの続く10ミリ秒無線フレームで構成される20ミリ秒の無線フレームペア(RFP)を参照ポイントとして使用することを提案する。無線フレームペア内で、ネットワークは、Ngroup個のRIM-RSグループを割り当てることができる様に構成され得る(ここで、各RIM-RSグループは異なるgNBセットに対応する)。使用される実際のTDD構成、及び、RIM-RSグループ内のRIM-RSの数に応じて、Ngroupの可能な最大値が存在する。たとえば、5ミリ秒のTDD周期性が使用され、N(group)
RS=2の場合、Ngroupは1又は2のいずれかであるが、1ミリ秒のTDD周期性及びN(group)
RS=1の場合、Ngroupの値は1から20の範囲になる。
【0161】
提案7:無線フレームペアを2つの連続する無線フレームとして定義する。各無線フレームペアは、ネットワークによって構成可能なNgroup個の連続したRIM-RSグループを含む。
【0162】
提案するRIMRS送信フレームワークを
図16及び
図17に示す。
【0163】
この場合、N(group)
RS=2及びNgroup=3である。
【0164】
次に、gNBセットID空間は、RIM-RS送信のデューティサイクル、つまり、同じgNBセットの2つのRIM-RS送信機会の間に発生するRFPの数によって決定され得る。
【0165】
提案8:RIM-RSデューティサイクルを、Tduty=NRFP×20×10-3sとして定義、つまり、NRFP個の無線フレームペアで構成されると定義する。
【0166】
この様に、パラメータ(N
seq,N
(group)
RS,N
group,N
RFP)がRIM-RS送信フレームワークを定義し、RIM-RSグループに、N
groupN
RFPの送信機会があるが、RIM-RSグループには、
【数8】
個の異なる可能なRSシーケンスの組み合わせがある。これにより、
【数9】
個のgNBセットID、つまり、
【数10】
が可能になる。
【0167】
提案9:パラメータ(Nseq,N(group)
RS,Ngroup,NRFP)は、RIM-RSフレームワーク構成を構成し、RIM-RS送受信のためにネットワークによってgNBに構成される。
【0168】
このフレームワークを使用して、シーケンス及び送信機会をgNBセットIDにどの様に符号化することができるかの例を以下に示す。
【0169】
例示的な符号化:
・無線フレームペアインデックスi
RFP∈{0,・・・,N
RFP-1}は、RIM-RS送信用に割り当てられた無線フレームに、
【数11】
としてマッピングされる。つまり、続くシステムフレーム番号(SFN)を有する2つの隣接する無線フレームは、2N
RFP個の無線フレーム毎に割り当てられる。
・グループインデックスi
group∈{0,・・・,N
group-1}は、無線フレームペア内で割り当てられたRIM-RSグループを定義する。
・RIM-RSシーケンスID
【数12】
のセットは、RIM-RSバースト内の各RIM-RS送信機会に割り当てられたRIM-RSシーケンスを定義し、ここで、i
(k)
seq={0,・・・,N
seq-1},k=0,・・・,N
(group)
RS-1である。
・上記のインデックスは、gNBセットIDに
【数13】
として、又はインデックス
【数14】
をgNBセットIDの様々なビットに直接マッピングすることにより、マッピングされる。
【0170】
ID空間の例:
-TDD周期性=2.5ms
-TDD周期毎に1つの切り替えポイント
-これにより、1つのRFP内で8回のRIM-RS送信が発生し、それらは分割されて実行される。
-N
group=3
-N
(group)
RS=2
-RSシーケンスの数はN
seq=8であると想定。
-RSの周期性は30sと想定されているため、N
RFP=1500である。
-これにより、
【数15】
のgNBセットID(19ビットで搬送あれる)が発生する。
【0171】
結論
上記セクションにおいて、以下の観察が行われた。
【0172】
観察1:総てのNR TDD周期性は20ミリ秒を均等に分割する必要があるため、TDD構成に拘わらず、可能なRIM-RS送信機会を導出するために、20ミリ秒の時間間隔が参照ポイントとして使用され得る。
【0173】
上記セクションでの議論に基づいて、以下を提案する。
提案1:RIM-RS送信構成は、"gNBセットID"のみに依存する。
提案2:RIM-RS送信は、様々なネットワーク実装に合わせて調整できる様に構成可能にすべきである。
提案3:RIM-RSは、第1参照ポイント(DL送信境界)の直前のOFDMシンボルで送信される。
提案4:Pms又はP1+P2msのTDD周期内の各DL/UL切替ポイントは、時間における可能なRIM-RS送信機会を構成する。
提案5:RIM-RS送信の機会において、Nseq個のRIM-RSシーケンスのうちの1つを送信でき、ここで、Nseqは、ネットワークによって構成可能である。
提案6:NRS(グループ)個の連続するRIM-RS送信機会がRIM-RSグループを構成する。gNBセットは、機会ごとに個別のシーケンスを使用し、RIM-RSグループの総ての機会にRIM-RSを送信する。
提案7:無線フレームペアを2つの連続する無線フレームとして定義する。各無線フレームペアは、ネットワークによって構成可能なNgroup個の連続したRIM-RSグループを含む。
提案8:RIM-RSデューティサイクルを、Tduty=NRFP×20×10-3sとして定義、つまり、NRFP個の無線フレームペアで構成されると定義する。
提案9:パラメータ、(Nseq,NRS(group),Ngroup,NRFP)は、RIM-RSフレームワーク構成を構成し、RIM-RS送受信のためにネットワークによってgNBに構成される。
【0174】
当業者には理解される様に、本明細書に記載の概念は、方法、データ処理システム、コンピュータプログラム製品及び/又は実行可能なコンピュータプログラムを含むコンピュータ格納媒体として具現化することができる。したがって、本明細書で説明される概念は、完全にハードウェアの実施形態、完全にソフトウェアの実施形態、又は、本明細書で一般に"回路"又は"モジュール"として参照しているソフトウェア及びハードウェアの態様を組み合わせた実施形態の形を取り得る。本明細書に記載の任意のプロセス、ステップ、アクション、及び/又は機能は、ソフトウェア及び/又はファームウェア及び/又はハードウェアに実装され得る対応するモジュールによって実行され、及び/又は関連付けられ得る。さらに、本開示は、コンピュータによって実行され得る、媒体内に具現化されたコンピュータプログラムコードを有する有形のコンピュータ使用可能記憶媒体上のコンピュータプログラム製品の形をとることができる。ハードディスク、CD-ROM、電子記憶デバイス、光記憶デバイス、又は、磁気記憶デバイスを含む任意の適切な有形のコンピュータ可読記憶媒体を利用することができる。
【0175】
幾つかの実施形態は、方法、システム及びコンピュータプログラム製品のフローチャート図及び/又はブロック図を参照して本明細書で説明される。フローチャート図及び/又はブロック図の各ブロック、ならびにフローチャート図及び/又はブロック図内のブロックの組み合わせは、コンピュータプログラム命令によって実施できることが理解されよう。これらのコンピュータプログラム命令は、汎用コンピュータ(それによって専用コンピュータを作成する)、専用コンピュータ、又は、他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサに提供されて、コンピュータ又は他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサを介して命令を実行することで、フローチャート及び/又はブロック図に特定された機能/動作を実施するための手段を作成する。
【0176】
これらのコンピュータプログラム命令は、また、コンピュータ可読メモリ又は可読媒体に格納され、コンピュータ又は他のプログラム可能なデータ処理装置に特定の方法で機能する様に指示することができ、コンピュータ可読メモリに格納された命令は、フローチャート及び/又はブロック図において特定された機能/動作を実施する命令手段を含む製造品を作り出す。
【0177】
また、コンピュータプログラム命令は、コンピュータ又は他のプログラム可能なデータ処理装置にロードされて、コンピュータ又は他のプログラム可能な装置上で実行される一連の動作ステップによって、コンピュータ上で実行される命令が実行され、コンピュータ又は他のプログラム可能な装置が実行する命令は、フローチャート及び/又はブロック図で特定された機能/動作を実施するためのステップを提供する。
【0178】
ブロックに示されている機能/動作は、動作説明図に示されている順序とは異なる順序で行われてもよいことを理解されたい。例えば、関連する機能/動作に応じて、連続して示されている2つのブロックが実際には実質的に同時に実行されてもよく、あるいはブロックが逆の順序で実行されてもよい。図のいくつかは、通信の主方向を示すために通信経路上に矢印を含むが、通信は、描かれた矢印と反対方向に起こり得ることを理解されたい。
【0179】
本明細書に記載の概念の動作を実行するためのコンピュータプログラムコードは、Java(登録商標)又はC++等のオブジェクト指向プログラミング言語で書くことができる。しかしながら、本開示の動作を実行するためのコンピュータプログラムコードは、"C"プログラミング言語等の従来の手続き型プログラミング言語で書かれてもよい。プログラムコードは、完全にユーザのコンピュータ上、部分的にユーザのコンピュータ上、単独のソフトウェアパッケージとして、部分的にユーザのコンピュータ上、そして部分的に遠隔コンピュータ上で、又は全体的に遠隔コンピュータ上で実行することができる。後者のシナリオでは、遠隔コンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)又はワイドエリアネットワーク(WAN)を介してユーザのコンピュータに接続することができ、又は(例えば、インターネットサービスプロバイダの使用によるインターネットを介して)接続することができる。
【0180】
上記の説明及び図面に関連して、多くの異なる実施形態が本明細書に開示されている。これらの実施形態のあらゆる組み合わせ及び部分的な組み合わせを文字通りに説明及び例示することは、過度に反復的で分かりにくくなることが理解されよう。したがって、総ての実施形態は任意の方法及び/又は組み合わせで組み合わせることができ、図面を含む本明細書は、本明細書に記載の実施形態の総ての組み合わせ及びサブコンビネーションならびに方法及びプロセスの完全な書面による説明を構成すると解釈され、そしてそれらを作成し使用することの可能性があり、そのような組み合わせ又はサブコンビネーションに対する主張を裏付けるものとする。
【0181】
本明細書に記載の実施形態は、本明細書の上記に特に示され記載されたものに限定されないことが当業者によって理解されるであろう。さらに、そうでないことが上記で言及されていない限り、添付の図面のすべてが一定の縮尺ではないことに留意されたい。添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、上記の教示に照らして様々な修正形態及び変形形態が可能である。