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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-20
(45)【発行日】2024-10-01
(54)【発明の名称】情報処理装置、制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04W 76/10 20180101AFI20240924BHJP
   H04W 84/12 20090101ALI20240924BHJP
   H04W 88/02 20090101ALI20240924BHJP
   H04W 92/08 20090101ALI20240924BHJP
   H04W 92/10 20090101ALI20240924BHJP
【FI】
H04W76/10
H04W84/12
H04W88/02 110
H04W92/08 110
H04W92/10
【請求項の数】 23
(21)【出願番号】P 2023090950
(22)【出願日】2023-06-01
(62)【分割の表示】P 2018219685の分割
【原出願日】2018-11-22
(65)【公開番号】P2023113775
(43)【公開日】2023-08-16
【審査請求日】2023-06-28
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100223941
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100159695
【弁理士】
【氏名又は名称】中辻 七朗
(74)【代理人】
【識別番号】100172476
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 一史
(74)【代理人】
【識別番号】100126974
【弁理士】
【氏名又は名称】大朋 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】関口 志帆
【審査官】齋藤 浩兵
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-146608(JP,A)
【文献】特開2013-162301(JP,A)
【文献】特開2018-026698(JP,A)
【文献】特開2013-055463(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第02747375(EP,A1)
【文献】Wi-Fiの便利帖 ,株式会社晋遊舎 沢井 竜太,2017年10月01日,35-37頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信装置と通信可能な情報処理装置のコンピュータに、
所定の操作をユーザから受け付ける受付ステップと、
前記所定の操作がユーザから受け付けられ且つ前記情報処理装置の外部且つ前記通信装置の外部のアクセスポイントと前記情報処理装置との間の所定の接続が確立していない場合には、AOSS(AirStation One-Touch Secure System)、らくらく無線スタート、及びWPS(Wi-Fi Protected Setup)のうち少なくとも1つの規格による接続処理によって前記通信装置と前記アクセスポイントとの間の接続を確立するための処理を、前記所定の接続が確立していないことに基づいて実行し、前記所定の操作がユーザから受け付けられ且つ前記所定の接続が確立している場合には、前記アクセスポイントに関する情報を前記情報処理装置から前記通信装置に送信するための処理を、前記所定の接続が確立していることに基づいて実行する実行ステップと、
を実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項2】
前記接続処理によって前記通信装置と前記アクセスポイントとの間の接続を確立するための処理は、前記接続処理に関する所定の画面を表示する処理を含む、ことを特徴とする請求項1に記載のプログラム
【請求項3】
前記所定の画面は、前記接続処理のための操作の詳細を説明するための画面であることを特徴とする請求項に記載のプログラム。
【請求項4】
前記所定の画面は、前記接続処理のための操作の詳細を説明する領域をWebブラウザによって表示するためのボタンを含むことを特徴とする請求項又はに記載のプログラム。
【請求項5】
前記所定の画面は、前記アクセスポイントが備える所定のボタンを押下するようユーザに通知するための領域を含むことを特徴とする請求項乃至のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項6】
前記接続処理によって前記通信装置と前記アクセスポイントとの間の接続を確立するための処理が実行された後に、前記アクセスポイントを介して前記通信装置を検索する処理が実行されることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項7】
前記アクセスポイントに関する情報を前記情報処理装置から前記通信装置に送信するための処理は、前記アクセスポイントに関する情報を前記通信装置と前記情報処理装置との間の接続を介して送信する処理であることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項8】
前記アクセスポイントに関する情報は、前記アクセスポイントのService Set Identifier(SSID)及びパスワードを含むことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項9】
前記アクセスポイントに関する情報を前記情報処理装置から前記通信装置に送信するための処理が実行された後に、前記アクセスポイントを介して前記通信装置を検索する処理が実行されることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項10】
前記通信装置を検索する処理によって前記通信装置が発見された場合、前記通信装置に対応するプリンタドライバを前記情報処理装置にインストールするための処理を実行する第2実行ステップをさらに実行させることを特徴とする請求項又はに記載のプログラム。
【請求項11】
前記通信装置を検索する処理によって前記通信装置が発見されなかった場合、前記通信装置が発見されなかったことに対応する画面を表示する処理を実行する第3実行ステップをさらに実行させることを特徴とする請求項10のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項12】
前記通信装置が発見されなかったことに対応する画面は、前記通信装置と前記情報処理装置との間の接続の確立を成功させるための方法を示す領域を含むことを特徴とする請求項乃至11のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項13】
前記通信装置が発見されなかったことに対応する画面は、前記通信装置と前記情報処理装置との間の接続の確立が失敗した原因を特定するため領域を含むことを特徴とする請求項乃至12のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項14】
前記通信装置を前記接続処理によって設定する方法と、前記通信装置をUniversal Serial Bus(USB)によって設定する方法とを含む複数の方法からいずれかを選択するための選択画面を表示する処理を実行する第4実行ステップをさらに実行させることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項15】
前記通信装置を前記接続処理によって設定する方法が前記選択画面において選択されたことに基づいて、前記接続処理によって前記通信装置と前記アクセスポイントとの間の接続を確立するための処理が実行されることを特徴とする請求項14に記載のプログラム。
【請求項16】
前記通信装置をUSBによって設定する方法が前記選択画面において選択されたことに基づいて、いずれかの前記アクセスポイントに関する情報をUSBによって前記通信装置に送信するための処理が実行されることを特徴とする請求項14又は15に記載のプログラム。
【請求項17】
前記接続処理によって前記通信装置と前記アクセスポイントとの間の接続を確立するための処理は、前記所定の接続を確立するための処理が実行されたにもかかわらず前記所定の接続が確立していないことに基づいて実行され、
前記アクセスポイントに関する情報を前記情報処理装置から前記通信装置に送信するための処理は、前記所定の接続を確立するための処理が実行されたことで前記所定の接続が確立していることに基づいて実行されることを特徴とする請求項1乃至16のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項18】
前記所定の接続は、前記アクセスポイントのリストからユーザによって選択された前記アクセスポイントと前記情報処理装置との間の接続であることを特徴とする請求項1乃至17のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項19】
前記接続処理によって前記通信装置と前記アクセスポイントとの間の接続を確立するための処理は、前記接続処理を前記通信装置に実行させるための指示を前記通信装置に送信する処理を含むことを特徴とする請求項1乃至18のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項20】
前記接続処理によって前記通信装置と前記アクセスポイントとの間の接続を確立するための処理は、前記アクセスポイントに関する情報を前記情報処理装置から前記通信装置に送信するための処理が実行されることなく、前記所定の接続が確立していないことに基づいて実行され、
前記アクセスポイントに関する情報を前記情報処理装置から前記通信装置に送信するための処理は、前記接続処理によって前記通信装置と前記アクセスポイントとの間の接続を確立するための処理が実行されることなく、前記所定の接続が確立していることに基づいて実行されることを特徴とする請求項1乃至19のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項21】
前記通信装置は、プリンタであることを特徴とする請求項1乃至20のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項22】
通信装置と通信可能な情報処理装置の制御方法であって、
所定の操作をユーザから受け付ける受付ステップと、
前記所定の操作がユーザから受け付けられ且つ前記情報処理装置の外部且つ前記通信装置の外部のアクセスポイントと前記情報処理装置との間の所定の接続が確立していない場合には、AOSS(AirStation One-Touch Secure System)、らくらく無線スタート、及びWPS(Wi-Fi Protected Setup)のうち少なくとも1つの規格による接続処理によって前記通信装置と前記アクセスポイントとの間の接続を確立するための処理を、前記所定の接続が確立していないことに基づいて実行し、前記所定の操作がユーザから受け付けられ且つ前記所定の接続が確立している場合には、前記アクセスポイントに関する情報を前記情報処理装置から前記通信装置に送信するための処理を、前記所定の接続が確立していることに基づいて実行する実行ステップと、
を有することを特徴とする制御方法。
【請求項23】
通信装置と通信可能な情報処理装置であって、
所定の操作をユーザから受け付ける受付手段と、
前記所定の操作がユーザから受け付けられ且つ前記情報処理装置の外部且つ前記通信装置の外部のアクセスポイントと前記情報処理装置との間の所定の接続が確立していない場合には、AOSS(AirStation One-Touch Secure System)、らくらく無線スタート、及びWPS(Wi-Fi Protected Setup)のうち少なくとも1つの規格による接続処理によって前記通信装置と前記アクセスポイントとの間の接続を確立するための処理を、前記所定の接続が確立していないことに基づいて実行し、前記所定の操作がユーザから受け付けられ且つ前記所定の接続が確立している場合には、前記アクセスポイントに関する情報を前記情報処理装置から前記通信装置に送信するための処理を、前記所定の接続が確立していることに基づいて実行する実行手段と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
WPS(Wi-Fi Protected Setup)等の、パスワード等の接続情報の入力を受け付けることなく接続を確立するための規格に基づく接続処理(簡単接続処理)が知られている。
【0003】
特許文献1には、「WPS プッシュボタン方式」や、「WPS PINコード方式」によって、アクセスポイントと接続可能なプリンタが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-129770号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、簡単接続処理を実行可能なアクセスポイントが普及するにつれ、簡単接続処理による接続の確立の利便性を向上させることが求められている。
【0006】
そこで本発明は、簡単接続処理による接続の確立の利便性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のプログラムは、通信装置と通信可能な情報処理装置のコンピュータに、所定の操作をユーザから受け付ける受付ステップと、前記所定の操作がユーザから受け付けられ且つ前記情報処理装置の外部且つ前記通信装置の外部のアクセスポイントと前記情報処理装置との間の所定の接続が確立していない場合には、AOSS(AirStation One-Touch Secure System)、らくらく無線スタート、及びWPS(Wi-Fi Protected Setup)のうち少なくとも1つの規格による接続処理によって前記通信装置と前記アクセスポイントとの間の接続を確立するための処理を、前記所定の接続が確立していないことに基づいて実行し、前記所定の操作がユーザから受け付けられ且つ前記所定の接続が確立している場合には、前記アクセスポイントに関する情報を前記情報処理装置から前記通信装置に送信するための処理を、前記所定の接続が確立していることに基づいて実行する実行ステップと、を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、簡単接続処理による接続の確立の利便性を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態のシステム構成図である。
図2】本実施形態の情報処理装置と通信装置のハードウェア構成図である。
図3】本実施形態の情報処理装置が実行するネットワーク設定処理を示すフローチャートである。
図4】本実施形態の情報処理装置が実行するネットワーク再設定処理を示すフローチャートである。
図5】本実施形態の通信装置が実行するネットワーク設定処理を示すフローチャートである。
図6】本実施形態の通知画面である。
図7】本実施形態の接続成功画面及び接続失敗画面である。
図8】本実施形態のAP選択画面及びパスワード入力画面である。
図9】本実施形態の手動入力画面である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る本発明を限定するものでなく、また本実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。以降、機器とはプリンタを例に説明する。
【0011】
(第1実施形態)
本実施形態の端末装置及び通信装置について説明する。端末装置として、本実施形態ではパーソナルコンピュータ(PC)を例示している。なお、本発明を適用可能な端末装置は、PCに限定されず、後述の通信装置と通信可能な装置であれば良い。例えば、端末装置として、デジタルカメラ、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、PDA(Personal Digital Assistant)等を適用可能である。また、通信装置として、本実施形態では、複写サービス、FAXサービス、印刷サービスを提供可能なマルチファンクションプリンタ(以後、MFP)を例示しているが、これに限定されない。通信装置として、端末装置と通信を行うことが可能な装置であれば、種々のものを適用可能である。例えば、プリンタであれば、インクジェットプリンタ、フルカラーレーザービームプリンタ、モノクロプリンタ等を適用可能である。また、複写機やファクシミリ装置、スマートフォン、携帯電話、PC、タブレット端末、PDA、デジタルカメラ、音楽再生デバイス、ストレージ、プロジェクタ、スマートスピーカ等、印刷以外のサービスを提供可能な装置にも適用可能である。なお、スマートスピーカとは、ユーザが発する音声に従って、同一のネットワークに存在する機器に対して処理を指示したり、ユーザが発する音声に対応して、ネットワークを介して取得した情報をユーザに通知したりするための装置である。その他、単一の機能を備えるシングルファンクションプリンタ(以後、SFP)も適用可能である。
【0012】
<システム構成>
図1(a)は本実施形態のシステム構成図である。情報処理装置102は、本実施形態の端末装置である。通信装置101は、本実施形態の通信装置である。アクセスポイント(AP)103は、情報処理装置102の外部且つ通信装置101の外部に存在する外部装置である。なお、外部装置は、アクセスポイント以外で通信を中継可能な装置であっても良い。AP103は、具体的には例えば、無線LANルーター等の機器である。
【0013】
情報処理装置102と通信装置101はAP103と接続可能である。そして、情報処理装置102は、通信装置101と、AP103を介して通信可能である。このようにAPを介して端末装置と通信装置が接続する方法を、一般的にインフラストラクチャー(以降インフラと称す)接続と呼ぶ。インフラ接続では、複数のデバイスと相互に通信可能なネットワーク環境を構築可能となる。一方、二台のデバイス間でのみ(すなわち、APを介さず)端末装置と通信装置が直接的に接続する方法をダイレクト接続と呼ぶ。
【0014】
本実施形態において、情報処理装置102と通信装置101との間のインフラ接続とダイレクト接続は、IEEE802.11シリーズの規格に基づく通信方式による接続であるものとする。IEEE802.11シリーズの規格に基づく通信方式とは、具体的には、Wi-Fi(Wireless Fidelity)(登録商標)である。なお、各接続に用いられる通信方式は、この形態に限定されず、例えば、Bluetooth(登録商標)や、Wi-Fi Aware等であっても良い。
【0015】
情報処理装置102と、通信装置101のハードウェア構成について図2のブロック図を参照して説明する。また、本実施形態では以下の構成を例に記載するが、特にこの図のとおりに機能を限定するものではない。
【0016】
図2を用いて、通信装置101と情報処理装置102のハードウェア構成図を説明する。
【0017】
情報処理装置102は入力I/F(インタフェース)202とCPU203、ROM204、RAM205、外部記憶装置206、出力I/F(インタフェース)207、表示部208、キーボード209、マウス210等を有する。CPU203や、ROM204、RAM205によって、情報処理装置102のコンピュータが形成される。さらに、情報処理装置は102、ネットワークインタフェース(第1通信部)211および、USBインタフェース(第2通信部)212等を有する。
【0018】
入力I/F(インタフェース)202は、マウス210やキーボード209が操作されることにより、ユーザからのデータ入力や動作指示を受け付けるためのインタフェースである。
【0019】
CPU203は、システム制御部であり、情報処理装置102の全体を制御するプロセッサーである。
【0020】
ROM204は、CPU203が実行する制御プログラムやデータテーブル、組み込みオペレーティングシステム(以下、OSという。)プログラム等の固定データを格納する。本実施形態では、ROM204に格納されている各制御プログラムは、ROM204に格納されている組み込みOSの管理下で、スケジューリングやタスクスイッチ、割り込み処理等のソフトウエア実行制御を行う。
【0021】
RAM205は、バックアップ電源を必要とするSRAM(Static Random Access Memory)等で構成される。なお、RAM205は、図示しないデータバックアップ用の1次電池によってデータが保持されているため、プログラム制御変数等の重要なデータを揮発させずに格納することができる。また、情報処理装置102の設定情報や情報処理装置102の管理データ等を格納するメモリエリアもRAM205に設けられている。また、RAM205は、CPU203の主メモリとワークメモリとしても用いられる。
【0022】
外部記憶装置206は、印刷実行機能を提供するアプリケーション、通信装置101が解釈可能な印刷ジョブを生成する印刷ジョブ生成プログラム等を保存している。また、外部記憶装置206は、ネットワークインタフェース211やUSBインタフェース212を介して接続している通信装置101との間で送受信する情報送受信制御プログラム等の各種プログラムや、これらのプログラムが使用する各種情報を保存している。なお、後述のセットアップ用プログラムも、外部記憶装置206に保存されているものとする。
【0023】
出力I/F(インタフェース)207は、表示部208がデータの表示や情報処理装置102の状態の通知を行うための制御を行うインタフェースである。
【0024】
表示部208は、LED(発光ダイオード)やLCD(液晶ディスプレイ)などから構成され、データの表示や情報処理装置102の状態の通知を行う。なお、表示部208上に、数値入力キー、モード設定キー、決定キー、取り消しキー、電源キー等の操作部を設置することで、表示部208を介してユーザからの入力を受け付けても良い。
【0025】
ネットワークインタフェース211は、無線経由の通信および有線LANケーブルを経由した通信処理を制御する。具体的にはネットワークインタフェース211は、通信装置101や、情報処理装置102の外部且つ通信装置101の外部に存在する外部装置と無線や有線LANによって接続して、データ通信を実行するための構成である。例えば、ネットワークインタフェース211は、通信装置101内のアクセスポイント(不図示)に接続可能である。ネットワークインタフェース211と通信装置101内のアクセスポイントが接続することで、情報処理装置102と通信装置101は相互に通信可能となる。なお、ネットワークインタフェース211は無線通信で通信装置101とダイレクトに通信しても良いし、情報処理装置102や通信装置101の外部に存在する外部装置を介して通信しても良い。なお、外部装置とは、外部アクセスポイントや、アクセスポイント以外で通信を中継可能な装置を含む。本実施形態では、IEEE 802.11シリーズの規格(Wi-Fi(WirelessFidelity))を用いることとするが、例えばBluetooth(登録商標)等が利用されても良い。無線通信方式としては、例えば、Wi-Fi(WirelessFidelity)(登録商標)やBluetooth(登録商標)等が挙げられる。また、外部アクセスポイントとしては、例えば、ルーター装置等の機器が挙げられる。なお、本実施形態において、情報処理装置102と通信装置101とが外部アクセスポイントを介さずにダイレクトに接続する方式をダイレクト接続方式という。また、情報処理装置102と通信装置101とが外部アクセスポイントを介して接続する方式をインフラストラクチャー接続方式という。なお、情報処理装置102は、複数の通信方式によって通信を行うために、ネットワークインタフェース211を複数有していても良い。具体的には、情報処理装置102は、Bluetooth Low Energy(BLE)や、Near Field Communication(NFC)、Wi-Fi Aware等の近距離無線通信方式で通信するインタフェースを有していても良い。また、情報処理装置102は、無線通信のためのネットワークインタフェース211を有していなくても良い。すなわち情報処理装置102は、他の装置と通信するためのインタフェースとして例えば有線通信のためのネットワークインタフェース211と後述のUSBインタフェース212のみ有していても良い。
【0026】
USBインタフェース212はUSB(Universal Serial Bus)ケーブルを経由したUSB接続を制御する。具体的にはUSBインタフェース212は、通信装置101や、外部アクセスポイント等の装置とUSBによって接続して、データ通信を実行するための構成である。
【0027】
通信装置101はネットワークI/F(インタフェース)(通信部)252とRAM253、プリントエンジン256、ROM254、CPU255、USBインタフェース257等を有する。CPU255やRAM253、ROM254によって、通信装置101のコンピュータが形成される。
【0028】
ネットワークインタフェース252は、無線経由の通信および有線LANケーブルを経由した通信処理を制御する。具体的には、ネットワークインタフェース252は通信装置101内部のアクセスポイントとして、情報処理装置102等の装置と接続するためのアクセスポイントを有している。なお、該アクセスポイントは、情報処理装置102のネットワークインタフェース211に接続可能である。なお、ネットワークインタフェース252は無線通信で情報処理装置102とダイレクトに通信しても良いし、外部アクセスポイントを介して通信しても良い。すなわち、ネットワークインタフェース252は、自身がアクセスポイントとして動作するだけでなく、外部アクセスポイントと接続する子機として動作しても良い。本実施形態では、IEEE 802.11シリーズの規格(Wi-Fi)を用いることとするが、例えばBluetooth(登録商標)等が利用されても良い。また、ネットワークインタフェース252は、アクセスポイントとして機能するハードウェアを備えていてもよいし、アクセスポイントとして機能させるためのソフトウエアにより、アクセスポイントとして動作してもよい。なお、通信装置101は、複数の通信方式によって通信を行うために、ネットワークインタフェース252を複数有していても良い。具体的には例えば、通信装置101は、BLEや、NFC、WiFi Aware等の近距離無線通信方式によって通信するインタフェースをさらに有していても良い。
【0029】
RAM253は、バックアップ電源を必要とするSRAM等で構成される。なお、RAM253は、図示しないデータバックアップ用の1次電池によってデータが保持されているため、プログラム制御変数等の重要なデータを揮発させずに格納することができる。また、通信装置101の設定情報や通信装置101の管理データ等を格納するメモリエリアもRAM253に設けられている。また、RAM253は、CPU255の主メモリとワークメモリとしても用いられ、情報処理装置102等から受信した印刷情報を一旦保存するための受信バッファや各種の情報を保存する。
【0030】
ROM254は、CPU255が実行する制御プログラムやデータテーブル、OSプログラム等の固定データを格納する。本実施形態では、ROM254に格納されている各制御プログラムは、ROM254に格納されている組み込みOSの管理下で、スケジューリングやタスクスイッチ、割り込み処理等のソフトウエア実行制御を行う。
【0031】
CPU255は、システム制御部であり、通信装置101の全体を制御するプロセッサーである。
【0032】
プリントエンジン256は、RAM253に保存された情報や情報処理装置102等から受信した印刷ジョブに基づき、インク等の記録剤を紙等の記録媒体上に付加することで記録媒体上に画像を形成する画像形成処理を実行し、印刷結果を出力する。なお、印刷ジョブとは、画像形成処理を通信装置101に実行させるためのジョブである。
【0033】
なお、本実施形態では、通信装置101は、IEEE 802.11シリーズの規格に基づいて、2.4GHzと5GHzのうち少なくとも1つの周波数帯を無線接続に使用するものとする。通信装置101は、利用可能な周波数帯に対応する通信チャネルを有している。例えば、2.4GHzの周波数帯を利用可能であれば、通信装置101は、2.4GHzの周波数帯のうちの所定の周波数帯に割り当てられた14つの通信チャネルを有している。また、例えば、5GHzの周波数帯を利用可能であれば、通信装置101は、5GHzの周波数帯のうちの所定の周波数帯に割り当てられた19つの通信チャネルを有している。
【0034】
ここでは例として情報処理装置102と通信装置101の処理分担を上記のように示したが、この分担形態に限らず他の形態であっても構わない。
【0035】
本実施形態において、情報処理装置102は、通信装置101とAPを接続させるための処理(ネットワーク設定処理)を実行する。
【0036】
なお通信装置101とAPを接続させるための方法として、APと接続するための接続情報(特にパスワード)の入力をユーザから受け付けることなく、装置間のWi-Fi接続を簡便に確立させるための方法が知られている。このような方法を簡単接続処理という。簡単接続処理は、具体的には例えば、AOSS(AirStation One-Touch Secure System)、らくらく無線スタート、WPS(Wi-Fi Protected Setup)等の規格に基づく接続処理である。なお本実施形態では簡単接続処理としてWPSに基づく接続処理が用いられるものとする。
【0037】
簡単接続処理によって確立される接続における親機となる装置(AP)は、簡単接続処理を開始すると、簡単接続処理を実行中であることを報知するための、簡単接続処理の規格に基づく所定のビーコンをブロードキャストする。所定のビーコンは、簡単接続処理を実行中の相手装置(通信装置101)が受信可能なビーコンである。簡単接続処理がWPSに基づく接続処理である場合、APが簡単接続処理を実行している状態を、WPSモードという。一方、簡単接続処理によって確立される接続における子機となる相手装置(通信装置101)は、簡単接続処理を開始すると、簡単接続処理を実行中のAPを検索するために、簡単接続処理を実行中のAPが発する所定のビーコンを検索する。簡単接続処理を実行中である通信装置101によって所定のビーコンが受信された場合、APとの接続設定(AP情報の受け渡し等)が行われて、APと通信装置101がWi-Fi接続する。
【0038】
簡単接続処理を実行するための方式には、例えば、Push Button Configuration(PBC)方式や、PIN(Personal Identification Number)コード方式がある。なお、PBC方式は、所定のボタンの押下等の簡単接続処理用のユーザ操作を、所定の時間内に、通信装置101とAPそれぞれにおいて実行することで、簡単接続処理を開始する方式である。また、PINコード方式は、通信装置101に対してAPのPINコードを入力することで、簡単接続処理を開始する方式である。本実施形態では、通信装置101は、PBC方式とPINコード方式のうちいずれによって簡単接続処理を開始するかの入力を、通信装置101が表示する画面を介してユーザから受け付け、受け付けた方式によって簡単接続処理を開始することが可能である。
【0039】
しかしながら、PBC方式とPINコード方式はいずれも、通信装置101に対する直接的なユーザ操作が必要となる方式である。そのため、PBC方式やPINコード方式によって簡単接続処理を開始する形態は、ユーザにとって手間がかかることや、通信装置101とAPの両方を所定の時間内に迅速に操作できる位置に置く必要がある等の課題がある。
【0040】
そこで本実施形態において情報処理装置102は、通信装置101に対して簡単接続処理の実行指示を送信し、通信装置101に対するユーザ操作なしに、通信装置101に簡単接続処理を開始させる。これにより情報処理装置102は、通信装置101とAPとを簡単に接続させることができる。
【0041】
ところで、全ての機種のAPや通信装置101が、簡単接続処理に対応している(簡単接続処理を実行可能である)とは限らない。APや通信装置101が、簡単接続処理に対応していない場合、情報処理装置102は、通信装置101に対して簡単接続処理の実行指示を送信しても、当然、通信装置101とAPとを接続させることはできない。
【0042】
そこで本実施形態では、情報処理装置102が、APや通信装置101が簡単接続処理に対応しているか否かを確認する形態について説明する。
【0043】
また、簡単接続処理が実行されるためには、通信装置101に対して簡単接続処理の実行指示が送信されるだけでなく、APに対する簡単接続処理のためのユーザ操作が行われる必要がある。しかしながら、情報処理装置102を用いてネットワーク設定処理を行っているユーザは、APに対する簡単接続処理のためのユーザ操作を実行する必要があることを認識しにくい。
【0044】
そこで本実施形態では、情報処理装置102が、APに対して簡単接続処理を実行するための操作を行うことをユーザに対して通知するための通知処理を実行する形態について説明する。
【0045】
図3は、情報処理装置102が実行するネットワーク設定処理を示すフローチャートである。図3に示すフローチャートは、例えば、CPU203がROM204や外部記憶装置206等に格納されたプログラムをRAM205に読み出して実行することにより実現される。具体的には、図3に示すフローチャートが示す処理は、ネットワーク設定処理を実行するためのプログラムである、セットアップ用プログラムによって実現される。また、図3に示すフローチャートは、情報処理装置102がいずれかのAP(ここでは、AP103)と接続していることが検知された場合に開始される。
【0046】
S301にて、CPU203は、セットアップ用プログラムにより表示される画面を介してネットワーク設定処理のトリガーとなるユーザ操作(ネットワーク設定処理の実行指示)を受け付ける。
【0047】
S302にて、CPU203は、情報処理装置102が現在接続している(言い換えれば、ネットワーク設定処理の実行指示を受け付けた時に情報処理装置102が接続している)AP103に関するAP情報を保存する。AP情報には、APと接続するための接続情報(SSID(Service Set Identifier)、パスワード等)や、APとの接続に利用される周波数に関する情報等が含まれる。
【0048】
S303にて、CPU203は、ネットワーク設定処理の対象となる装置を特定する。具体的には、CPU203は、情報処理装置102が備えるOSのAPI(Application Program Interface)を用いて、情報処理装置102周辺の装置の情報を取得する。より具体的にはCPU203は、ネットワークインタフェース211によって(すなわち、Wi-Fiによって)検索される装置やUSBインタフェース212によって接続している装置の情報を取得する。そして、CPU203は、取得した情報を用いて、情報処理装置102が備えるインタフェースに接続している装置のリストを表示部208に表示する。ネットワークインタフェース211によって検索される装置は、例えば、アクセスポイントとして動作している装置や、情報処理装置102が属しているネットワークに属している装置である。なお、本実施形態では、ユーザは、通信装置101に対してネットワーク設定処理を実行する場合、通信装置101を、セットアップモードと呼ばれる所定のモードで動作させる。具体的には、ユーザは、通信装置101をセットアップモードとして動作させるための所定の操作を、通信装置101の表示部やハードボタンに対して実行することで、通信装置101を、セットアップモードで動作させる。なお通信装置101は、例えば、通信装置101の初期設定が完了していない状態(着荷状態)でユーザによって初めて通信装置101の電源が投入されたことに基づいて、セットアップモードとして動作しても良い。セットアップモードとは、通信装置101がネットワーク設定処理を受け付けることができるモードであり、通信装置101が所定のSSIDを有する所定のアクセスポイントとして動作するモードである。通信装置101がセットアップモードで動作している場合は、ネットワークインタフェース211による検索によって通信装置101が発見されるため、リストに通信装置101が表示される。なお、情報処理装置102が、無線通信のためのネットワークインタフェース211を有していなかったり、有線通信のためのネットワークインタフェース211がいずれの装置とも接続していなかったりする場合がある。その場合には、USBインタフェース212によって接続している装置のみ、リストに表示される。ユーザが、表示されたリストにおいて通信装置101を選択することで、CPU203は、ネットワーク設定処理の対象となる装置として、通信装置101を特定する。なおこのときリストには、Wi-Fiによって発見された装置とUSBによって発見された装置とが、区別されて表示されて良い。
【0049】
S304にて、CPU203は、ネットワーク設定処理の対象となる装置として特定した通信装置101と情報処理装置102とを接続させる。この時例えば、ネットワーク設定処理の対象となる装置として特定した装置が、セットアップモードとして動作している通信装置101である場合は、情報処理装置102は通信装置101とWi-Fiによってダイレクト接続する。そのため、CPU203は、情報処理装置102とAP103とが接続していた場合は、一旦当該接続を切断した後、情報処理装置102は通信装置101とWi-Fiによってダイレクト接続させる。
【0050】
S305にて、CPU203は、通信装置101から、通信装置101が接続可能なAPのリストを、ダイレクト接続を介して取得する。当該リストは、通信装置101が、セットアップモードへ移行する前にWi-Fiによる検索によって発見したAPのリストであり、発見されたAPに関するAP情報(SSID等)が含まれる。なおこのAP情報には、パスワードは含まれない。またこの時、通信装置101から、通信装置101が使用可能な周波数帯に関する周波数帯情報や、簡単接続処理に対応しているか否かに関する設定情報等も取得される。
【0051】
S306にて、CPU203は、S305にて取得したリストに、ネットワーク設定処理の実行指示を受け付けた時に情報処理装置102が接続していたAP(ここでは、AP103)が含まれるか否かを、S302で保存したAP情報に基づいて判定する。上述したように、S305にて取得したリストは、通信装置101が接続可能なアクセスポイントのリストである。そのため、本判定は、ネットワーク設定処理の実行指示を受け付けた時に情報処理装置102が接続していたAPと、通信装置101が接続可能か否かの判定ともみなせる。例えば、S305にて取得したリストにAP103が含まれない場合、AP103と通信装置101が接続可能でなく、S305にて取得したリストにAP103が含まれる場合、AP103と通信装置101が接続可能である。なお、S305にて取得したリストに、ネットワーク設定処理の実行指示を受け付けた時に接続していたAPが含まれないケースとは、以下に示すケースである。例えば、通信装置101が5GHz等の所定の周波数帯に対応しておらず、且つ、ネットワーク設定処理の実行指示を受け付けた時に情報処理装置102が接続していたAPが当該所定の周波数帯を用いるAPであるケースである。また例えば、ネットワーク設定処理の実行指示を受け付けた時に情報処理装置102が接続していたAPが、ステルスモードで動作しており、Wi-Fiによる検索によって発見されない状態であるケースである。CPU203は、YES判定である場合、S307に進み、NO判定である場合、S309に進む。
【0052】
S306においてYES判定がなされた場合は、S307にて、CPU203は、S302で保存したAP情報を、通信装置101に、通信装置101と情報処理装置102との間のダイレクト接続を介して送信する。
【0053】
S308にて、CPU203は、通信装置101と情報処理装置102との間のダイレクト接続を解除する。そして、CPU203は、ネットワーク設定処理の実行指示を受け付けた時に情報処理装置102が接続していたAP103と情報処理装置102との間の接続を、S302にて保存したAP情報に基づいて再度確立する。なおCPU203が、ネットワーク設定処理の実行指示を受け付けた時に情報処理装置102が接続していたAP103以外のAPに関するAP情報を、後述するS312において通信装置101に送信していたとする。その場合は、CPU203は、通信装置101に送信したAP情報を用いて、当該AP情報に対応するAPと情報処理装置102との間の接続を確立しても良い。その後、CPU203は、S320に進む。
【0054】
一方、S306においてNO判定がなされた場合は、S309にて、CPU203は、通信装置101と接続させるAPの選択を受け付ける。具体的にはCPU203は、S305にて取得したリストを含むAP選択画面801(図8(a))を表示部208に表示し、当該リストからのいずれかのAPの選択をユーザから受け付ける。AP選択画面には、S305にて取得したリストに含まれるAPのSSIDや暗号方式が表示される。なお、この形態に限定されず、例えばS305にて取得したリストに含まれるAPが無線接続に利用する周波数帯に関する情報等が表示されても良い。CPU203は、リストからいずれかのAPをユーザに選択させ、選択されたAPを通信装置101の接続先となるAPとして特定する。なお、このとき、CPU203は、ネットワーク設定処理をキャンセルするためのキャンセルボタン802も、リストとともに表示している。CPU203は、キャンセルボタン802が選択された場合、処理を終了する。一方、CPU203は、設定ボタン803が選択された場合、図8(b)のようなパスワード(パスフレーズ)入力画面804を表示部208に表示する。CPU203は、入力領域407に対する、選択したAPと接続するためのパスワードの入力をユーザから受け付ける。なおこのとき表示されるリストは、通信装置101が実行した検索により発見されたAPのリストではなく、情報処理装置102が実行した検索により発見されたAPのリストであっても良い。
【0055】
なお、S309では、CPU203は、S305にて取得したリストからAPを選択させなくとも良い。具体的には例えば、ユーザがAPに関する情報を手動で入力することでAPを選択するための手動入力画面900(図9)を表示部208に表示し、手動入力画面900からのいずれかのAPの選択をユーザから受け付けても良い。入力領域901~904は、通信装置101と接続させるAPに関する情報(SSID、暗号方式、パスワード、周波数情報等)の入力をユーザから受け付けるための領域である。手動入力画面900を介して入力された情報に基づくAPが、通信装置101の接続先となるAPとして特定される。なお、手動入力画面900は、AP選択画面801に含まれる特定のボタン(不図示)が押下された場合に表示される形態としても良い。
【0056】
そしてS310にて、CPU203は、S309で選択されたAPと情報処理装置102との間でWi-Fi接続が可能か否かの確認(接続確認処理)を行う。具体的にはまず、CPU203は、通信装置101と情報処理装置102との間のダイレクト接続を一旦解除する。そしてCPU203は、S309で入力された情報(SSIDやパスワード等)を用いて、S309で選択されたAPと情報処理装置102とをWi-Fi接続させるための処理を実行する。S309で入力された情報が正しければ、S309で選択されたAPと情報処理装置102とのWi-Fi接続が成功するが、S309で入力された情報が誤っていれば、S309で選択されたAPと情報処理装置102とのWi-Fi接続が失敗する。CPU203は、S309で選択されたAPと情報処理装置102との間の接続の成否を特定したら、通信装置101と情報処理装置102との間のダイレクト接続を再び確立する。
【0057】
なおS309において、手動入力画面900を介してAPが選択された場合、S309で選択されたAPが用いる周波数帯が通信装置101が使用可能な周波数帯に対応しない場合がある。そのため手動入力画面900を介してAPが選択された場合、S310にてCPU203は、S309で選択されたAPが用いる周波数帯が通信装置101が使用可能な周波数帯に対応するか否かを、S305で取得した周波数帯情報に基づいて判定しても良い。そしてCPU203は、YES判定である場合に、接続確認処理を実行し、接続確認処理の結果に基づいて後段の処理を実行しても良い。またCPU203は、NO判定である場合に、S309で選択されたAPと情報処理装置102との間の接続が失敗したものとして後段の処理を実行しても良い。
【0058】
S311では、CPU203は、309で選択されたAPと情報処理装置102との間の接続が成功したか否かを判定する。CPU203は、YES判定である場合、S312に進み、NO判定である場合、S313に進む。
【0059】
S311においてYES判定がなされた場合は、S312にて、CPU203は、S309で選択されたAPに関するAP情報(SSID、パスワード等)を、通信装置101と情報処理装置102との間のダイレクト接続を介して送信する。その後、CPU203は、S308に進む。
【0060】
一方、S311においてNO判定がなされた場合は、S313にて、CPU203は、通信装置101が、簡単接続処理に対応しているか否かを、S305で取得した設定情報に基づいて判定する。CPU203は、YES判定である場合、S314に進み、NO判定である場合、通信装置101とAPを接続させることができないため、処理を終了する。
【0061】
S314にて、CPU203は、S309で選択されたAPが、簡単接続処理に対応しているか否かを判定する。具体的にはまずCPU203は、S309で選択されたAPに対して、S309で選択されたAPのSSIDを指定して問い合わせ(Probe Requestの送信)を行う。そして、CPU203は、Probe Requestに対する応答であるProbe ResponseをAPから受信する。Probe Responseには、WPS等の簡単接続処理に対応しているか否かを示す情報が含まれている。そしてCPU203は、取得した情報に基づいて、上記判定を行う。なお本判定を実行するのは、全ての機種のAPが簡単接続処理に対応しているとは限らないためである。また、簡単接続処理の機能の有効/無効を設定可能な機種のAPも存在している。本判定を実行するのは、そのようなAPにおいて簡単接続処理の機能が無効に設定されている場合は、当該APは、ユーザから簡単接続処理を実行するための操作を受け付けても簡単接続処理を実行できないためである。CPU203は、YES判定である場合、S315に進み、NO判定である場合、通信装置101とAPを接続させることができないため、処理を終了する。
【0062】
S315にて、CPU203は、通信装置101に簡単接続処理を実行させるための実行指示(簡単接続処理の実行指示)を、通信装置101と情報処理装置102との間のダイレクト接続を介して通信装置101に送信する。
【0063】
S316にて、CPU203は、通信装置101と情報処理装置102との間のダイレクト接続を解除する。そして、CPU203は、ネットワーク設定処理の実行指示を受け付けた時に情報処理装置102が接続していたAP103と情報処理装置102との間の接続を、S303にて保存したAP情報に基づいて再度確立する。なおこのとき、CPU203は、S309で選択されたAPと情報処理装置102との間の接続を確立しても良い。
【0064】
S317にて、CPU203は、S309で選択されたAPに対して、簡単接続処理を実行するための操作(例えば、APが備えるWPSボタンの押下)を行うことをユーザに対して通知するための通知処理を実行する。具体的にはCPU203は、通知処理として、図6に示すような通知画面500を、表示部208に表示する。なお、通知画面において例えば、S309で選択されたAPの識別情報(SSID等)を表示しても良い。また、通知画面には例えば、簡単接続処理を実行するための操作の詳細を説明するための領域や、当該領域を新たに表示するためのボタン等が含まれていても良い。当該ボタンが押下された場合は、例えば当該領域は、インターネットコンテンツとしてWebブラウザ等によって表示される。これは情報処理装置102は、S316にてAPとの接続を再度確立しているため、インターネットによる通信を実行することが可能となっているためである。
【0065】
S318にて、CPU203は、S309で選択されたAPが、簡単接続処理を実行しているかどうかを監視する処理を開始する。具体的には、CPU203は、S309で選択されたAPに対して、Probe Requestの送信を開始する。そして、CPU203は、Probe Requestに対する応答であるProbe ResponseをAPから受信する。
【0066】
S319にて、CPU203は、S309で選択されたAPが、簡単接続処理を実行しているかどうかを、Probe Responseに含まれる情報に基づいて判定する。なおProbe Responseには、簡単接続処理を実行しており、所定のビーコンをブロードキャストしている状態(例えばWPSモードで動作している状態)か否かを示す情報が含まれている。CPU203は、S315にて、簡単接続処理の実行指示を通信装置101に送信しているため、本判定がYESであれば、通信装置101とS309で選択されたAPとの間で簡単接続処理が実行される。そして、通信装置101とS309で選択されたAPとの間でWi-Fiによる接続が確立されている。CPU203は、YES判定である場合、S320に進み、NO判定である場合、YES判定となるまで、処理を繰り返す。
【0067】
S320にて、CPU203は、情報処理装置102が現在接続しているAP(ここではAP103)と情報処理装置102との間のWi-Fiによる接続を介して通信装置101を検索する処理を所定の時間実行する。S307あるいはS312にて送信されたAP情報に基づいて、通信装置101もAP103と接続していれば、S320における検索により、通信装置101が発見される。また、AP103が、2つの周波数帯(2.4GHzと5GHz等)に対応しており、S309で選択されたAPも情報処理装置102が再接続したAPもAP103である場合がある。すなわち、それぞれ異なる周波数帯を用いて、情報処理装置102と通信装置101とが同じAPに接続している場合がある。この場合も、S320における検索により、通信装置101が発見される。また、例えば、S309で選択されたAPと、AP103が異なるが、それぞれのAPが互いに接続しており、情報処理装置102と通信装置101とが2つのAPを介して接続している場合がある。この場合も、S320における検索により、通信装置101が発見される。一方で、S309で選択されたAPとAP103が異なるがそれぞれが互いに接続していない場合や、S309で選択されたAPとAP103が同じだがAP103がプライバシーセパレータ機能を有効にしている場合等は、通信装置101が発見されない。
【0068】
S321にて、CPU203は、S320における検索により、通信装置101が発見されたか否かを判定する。なお、本判定がYESであれば、情報処理装置102と通信装置101との間のインフラ接続の確立が成功したことになり、本判定がNOであれば、情報処理装置102と通信装置101との間のインフラ接続の確立が失敗したことになる。CPU203は、YES判定である場合、S322に進み、NO判定である場合、S324に進む。
【0069】
S321においてYES判定がなされた場合は、S322にて、CPU203は、図7(a)に示すような、情報処理装置102と通信装置101との間のインフラ接続の確立が成功したことを示す接続成功画面700を表示する。
【0070】
S323にて、CPU203は、発見された通信装置101から、通信装置101の機種に関する情報を取得する。そして、通信装置101に対応するプリンタドライバを情報処理装置102にインストールするための処理を、当該情報に基づいて実行する。その後、処理を終了する。
【0071】
一方S321においてNO判定がなされた場合は、S324にて、CPU203は、図7(b)に示すような、情報処理装置102と通信装置101との間のインフラ接続の確立が失敗したことを示す接続失敗画面710を表示する。接続失敗画面710には、例えば、当該インフラ接続の確立が失敗した原因を特定するための方法や、当該インフラ接続の確立を成功させるための方法を示す領域や、当該領域を新たに表示するためのボタン等が含まれていても良い。
【0072】
S325にて、CPU203は、後述のネットワーク再設定処理を実行する。その後、処理を終了する。
【0073】
図4は、情報処理装置102が実行するネットワーク再設定処理(S325)を示すフローチャートである。図4に示すフローチャートは、例えば、CPU203がROM204や外部記憶装置206等に格納されたプログラムをRAM205に読み出して実行することにより実現される。
【0074】
まずS401にて、CPU203は、ネットワーク再設定処理において用いる設定方法の選択をユーザから受け付ける。具体的には例えば、CPU203は、USBによって設定する方法と、簡単接続処理によって設定する方法のいずれかの選択を、ユーザから受け付けるための画面を表示して、当該画面を介して選択を受け付ける。
【0075】
S402にて、CPU203は、S401において、簡単接続処理によって設定する方法が選択されたか否かを判定する。CPU203は、YES判定である場合、S404に進み、NO判定である場合、S403に進む。
【0076】
S402においてNO判定がなされた場合は、S403にて、CPU203は、USBを用いて、通信装置101にAP情報を送信する。このとき送信されるAP情報は、通信装置101が接続しているAPに関するAP情報であっても良いし、通信装置101から取得したAPリストに含まれるいずれかのAPに関するAP情報であっても良い。その後、S416の処理を実行する。
【0077】
一方、S402においてYES判定がなされた場合は、S404にて、CPU203は、通信装置101をセットアップモードに移行させることをユーザに通知するための画面を表示部208に表示する。
【0078】
S405にて、CPU203は、情報処理装置102が現在接続しているAP(ここではAP103)に関するAP情報を保存する。本処理は、S302の処理と同様である。
【0079】
S406にて、CPU203は、ネットワーク設定処理の対象となる装置を特定する。本処理は、S303の処理と同様である。
【0080】
S407にて、CPU203は、ネットワーク設定処理の対象となる装置として特定した通信装置101と情報処理装置102とを接続させる。本処理は、S304の処理と同様である。
【0081】
S408にて、CPU203は、通信装置101から、通信装置101が使用可能な周波数帯に関する周波数帯情報や、簡単接続処理に対応しているか否かに関する設定情報を取得する。
【0082】
S409にて、CPU203は、通信装置101が、簡単接続処理に対応しているか否かを、S408で取得した設定情報に基づいて判定する。CPU203は、YES判定である場合、S410に進み、NO判定である場合、通信装置101とAPを接続させることができないため、処理を終了する。
【0083】
S410にて、CPU203は、S405で保存したAP情報に対応するAP103が、簡単接続処理に対応しているか否かを判定する。本処理は、S314の処理と同様である。なお、例えば、AP103のSSIDと同名のSSIDを持つAPが他にも存在する場合は、CPU203は、当該他のAPからもProbe Responseを受信する。この場合、CPU203は、受信した複数のProbe Responseから、AP103のBasic Service Set Identifier(BSSID)を含むProbe Responseを特定する。そして、CPU203は、特定されたprobe Responseに基づいて本判定を行う。CPU203は、YES判定である場合、S411に進み、NO判定である場合、通信装置101とAPを接続させることができないため、処理を終了する。
【0084】
S411にて、CPU203は、簡単接続処理の実行指示を、通信装置101と情報処理装置102との間のダイレクト接続を介して通信装置101に送信する。
【0085】
S412にて、CPU203は、通信装置101と情報処理装置102との間のダイレクト接続を解除する。そして、CPU203は、AP103と情報処理装置102との間の接続を、S303にて保存したAP情報に基づいて再度確立する。
【0086】
S413にて、CPU203は、AP103に対して、簡単接続処理を実行するための操作を行うことをユーザに対して通知するための通知処理を実行する。本処理は、S317の処理と同様である。
【0087】
S414にて、CPU203は、AP103が、簡単接続処理を実行しているかどうかを監視する処理を開始する。本処理は、S318の処理と同様である。
【0088】
S415にて、CPU203は、AP103が、簡単接続処理を実行しているかどうかを、Probe Responseに含まれる情報に基づいて判定する。本処理は、S319の処理と同様である。CPU203は、YES判定である場合、S416に進み、NO判定である場合、YES判定となるまで、処理を繰り返す。
【0089】
S416にて、CPU203は、AP103と情報処理装置102との間のWi-Fiによる接続を介して通信装置101を検索する処理を所定の時間実行する。本処理は、S320の処理と同様である。
【0090】
S417にて、CPU203は、S416における検索により、通信装置101が発見されたか否かを判定する。本処理は、S321の処理と同様である。CPU203は、YES判定である場合、S418に進み、NO判定である場合、S420に進む。
【0091】
S417においてYES判定がなされた場合は、S418にて、CPU203は、図7(a)に示すような、情報処理装置102と通信装置101との間のインフラ接続の確立が成功したことを示す接続成功画面700を表示する。
【0092】
S418にて、CPU203は、発見された通信装置101から、通信装置101の機種に関する情報を取得する。そして、通信装置101に対応するプリンタドライバを情報処理装置102にインストールするための処理を、当該情報に基づいて実行する。その後、処理を終了する。
【0093】
一方S417においてNO判定がなされた場合は、S420にて、CPU203は、図7(b)に示すような、情報処理装置102と通信装置101との間のインフラ接続の確立が失敗したことを示す接続失敗画面710を表示する。本処理は、S324の処理と同様である。その後、処理を終了する。なお、CPU203は、接続失敗画面710を表示した後、S301やS401から、再びネットワーク設定処理を実行しても良い。
【0094】
このようにCPU203は、例えばネットワーク設定処理で簡単接続処理の実行指示を送信したにもかかわらずインフラ接続の確立が失敗した場合、ネットワーク再設定処理で簡単接続処理の実行指示を再送信する。これによりCPU203は、ネットワーク設定処理でインフラ接続の確立が失敗したとしても、ネットワーク再設定処理でインフラ接続の確立を成功させることができる。
【0095】
なお上述の設定処理により、情報処理装置102と通信装置101との間のインフラ接続が確立された後は、情報処理装置102は、例えばプリンタドライバを用いて生成した印刷ジョブを、当該インフラ接続を介して通信装置101に送信することができる。
【0096】
図5は、通信装置101が実行するネットワーク設定処理を示すフローチャートである。図5に示すフローチャートは、例えば、CPU255がROM254等に格納されたプログラムをRAM253に読み出して実行することにより実現される。
【0097】
まずS501にて、CPU255は、通信装置101が有する不図示の操作部を介して、ネットワーク設定処理のトリガーとなるユーザ操作(ネットワーク設定処理の実行指示)を受け付ける。ネットワーク設定処理の実行指示は、例えば、通信装置101の表示部やハードボタンに対する、通信装置101をセットアップモードとして動作させるための操作である。またネットワーク設定処理の実行指示は、例えば、通信装置101が着荷状態での電源の投入操作である。
【0098】
S502にて、CPU255は、通信装置101がWi-Fi接続可能なAPを検索する。通信装置101がWi-Fi接続可能なAPとは、すなわち、通信装置101の周囲に存在し、通信装置101が使用可能な周波数帯を使用しているAPである。
【0099】
S503にて、CPU255は、通信装置101をセットアップモードで動作させる。すなわち、通信装置101を、所定のSSIDを有する所定のアクセスポイントとして動作させる。
【0100】
S504にて、CPU255は、情報処理装置102からの接続要求を受け付け、通信装置101と情報処理装置102とWi-Fiによってダイレクト接続させる。
【0101】
S505にて、CPU255は、S502における検索によって取得された、通信装置101が接続可能なAPのリストを、ダイレクト接続を介して情報処理装置102に送信する。
【0102】
S506にて、CPU255は、ダイレクト接続を介して情報処理装置102から情報を受信したか否かを判定する。CPU203は、YES判定である場合、S507に進み、NO判定である場合、情報を受信するまでS506の処理を繰り返す。
【0103】
S507にて、CPU255は、情報処理装置102から受信した情報が、AP情報か否かを判定する。なお、情報処理装置102から受信した情報が、AP情報でなければ、情報処理装置102から受信した情報は、簡単接続処理の実行指示である。CPU203は、YES判定である場合、S508に進み、NO判定である場合、S509に進む。
【0104】
S507においてYES判定がなされた場合は、S508にて、まずCPU255は、セットアップモードを解除し、通信装置101と情報処理装置102との間のダイレクト接続を解除する。そしてCPU255は、情報処理装置102から受信したAP情報に基づいて、当該AP情報に対応するAPと通信装置101とをWi-Fiによって接続させる。
【0105】
一方S507においてNO判定がなされた場合は、S509にて、まずCPU255は、セットアップモードを解除し、通信装置101と情報処理装置102との間のダイレクト接続を解除する。そしてCPU255は、情報処理装置102から受信した簡単接続処理の実行指示に基づいて、簡単接続処理を実行する。具体的にはCPU255は、簡単接続処理を実行中のAPが発する所定のビーコンを検索し、当該所定のビーコンを発するAPとの接続設定を行うことで、APと通信装置101とをWi-Fiによって接続させる。なおこのとき、CPU255は、簡単接続処理を実行するための操作をAPに対して行うことをユーザに対して通知するための画面を表示する等の通知処理を実行しても良い。
【0106】
S510にて、CPU255は、APと通信装置101との接続が成功したか否かを判定する。CPU203は、YES判定である場合、S511に進み、NO判定である場合、S512に進む。
【0107】
S511においてYES判定がなされた場合は、S512にて、CPU255は、APと通信装置101との接続が成功したことを示す画面を表示する。
【0108】
一方S511においてNO判定がなされた場合は、S513にて、CPU255は、APと通信装置101との接続が失敗したことを示す画面を表示する。
【0109】
このように、本実施形態では、情報処理装置102が送信したAP情報により、通信装置101がAPと接続できない場合は、情報処理装置102は、通信装置101とAPが簡単接続処理に対応しているかどうかを確認する。そして、情報処理装置102は、通信装置101とAPが簡単接続処理に対応していることが確認できた場合、通信装置101に、簡単接続処理の実行指示を送信する。これにより、通信装置101とAPとの間の接続をより確実且つ簡便に確立できる。さらに、通信装置101に対する直接的なユーザ操作なしに、通信装置101が簡単接続処理を開始できるため、ユーザの利便性が向上する。
【0110】
また、情報処理装置102が送信したAP情報により、通信装置101がAPと接続できない場合は、さらに情報処理装置102は、簡単接続処理を実行するためのAPに対する操作を行うことをユーザに対して通知するための通知処理を実行する。これにより、ユーザは、通信装置101とAPとの間で簡単接続処理を行わせるに当たり、自身が実行すべき操作について認識することができるため、ユーザの利便性が向上する。
【0111】
(その他の実施形態)
上述では、AP情報や実行指示の送信に用いる通信方式と、インフラ接続に用いる通信方式がどちらもWi-Fiである形態について説明したが、この形態に限定されない。すなわち例えば、AP情報や実行指示の送信に用いる通信方式と、インフラ接続に用いる通信方式がそれぞれ異なっていても良い。具体的には例えば、AP情報や実行指示の送信に用いる通信方式がBluetooth ClassicやBLEであり、インフラ接続に用いる通信方式がWi-Fiであっても良い。なお、AP情報や実行指示の送信に用いる通信方式と、インフラ接続に用いる通信方式がそれぞれ異なる場合、情報処理装置102は、AP情報の送信の前に、APとの接続を切断する必要は無い。すなわち、情報処理装置102は、S308において、現在接続中のAPに関するAP情報を通信装置101に送信しても良い。また、AP情報や実行指示の送信に用いる通信方式と、インフラ接続に用いる通信方式がそれぞれ異なる場合、情報処理装置102は、AP情報や実行指示の送信後に、当該送信に用いた通信方式による通信装置101との接続を切断する必要はない。そして情報処理装置102は、AP情報や実行指示の送信後に、AP情報や実行指示に基づいてAPとの接続が成功したか否かを示す情報を受信し、当該情報を表示しても良い。
【0112】
上述では例えば、S308やS312において、情報処理装置102は、AP情報を通信装置101に送信していたが、この形態に限定されない。S308やS312において、情報処理装置102は、簡単接続処理の実行指示を送信しても良い。また、情報処理装置102は、簡単接続処理の実行指示の送信の前に、APと通信装置101がそれぞれ簡単接続処理に対応しているか否かを判定しても良い。また、情報処理装置102は、簡単接続処理の実行指示の送信の後に、簡単接続処理を実行するための操作を行うことをユーザに対して通知するための通知処理を実行しても良い。
【0113】
上述では例えば、S315において、情報処理装置102は、簡単接続処理の実行指示の送信の後に、簡単接続処理を実行するための操作を行うことをユーザに対して通知するための通知処理を実行していたが、この形態に限定されない。例えば、情報処理装置102は、通信装置101に対してだけでなく、簡単接続処理を実行させるべきAPに対しても簡単接続処理の実行指示を送信しても良い。この形態とすることで、簡単接続処理の実行において、APに対しても通信装置101に対しても、直接的なユーザ操作を行う必要がなくなる。
【0114】
APが簡単接続処理に対応しているか否かを判定する処理を、通信装置101が実行しても良い。そしてその判定結果を、通信装置101が情報処理装置102に送信して、情報処理装置102は、受信した判定結果に基づいて処理を実行しても良い。
【0115】
上述では、通信装置101とアクセスポイントとの間の接続を確立させるために、通知処理を実行する形態を説明したが、この形態に限定されない。例えば、情報処理装置102とアクセスポイントとの間の接続を確立させるために、通知処理を実行する形態であっても良い。その場合、通信装置101に簡単接続処理を実行させるのではなく、情報処理装置102自体が簡単接続処理を実行する。
【0116】
本発明の目的は、以下の形態によっても達成される。前述した実施形態の機能を実現するソフトウエアのプログラムを記録した記録媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(CPUやMPUを含む)が記録媒体に格納されたプログラムを読み出し実行する形態である。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラム自体が前述した実施形態の機能を実現することとなり、そのプログラムを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
図1
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図9