(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-20
(45)【発行日】2024-10-01
(54)【発明の名称】配送プログラム、配送システム、情報処理装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/0834 20230101AFI20240924BHJP
【FI】
G06Q10/0834
(21)【出願番号】P 2023104621
(22)【出願日】2023-06-27
【審査請求日】2023-10-05
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和4年6月29日にhttps://apps.apple.com/jp/app/id1595997040?ign-mpt=uo%3D4、及びhttps://play.google.com/store/apps/details?id=jp.co.sevenandi.hd.sevennow.driverにて公開
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】508342998
【氏名又は名称】株式会社セブン&アイ・ホールディングス
(73)【特許権者】
【識別番号】591156788
【氏名又は名称】株式会社セブン-イレブン・ジャパン
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100139066
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】我妻 弘幸
(72)【発明者】
【氏名】角田 晃一
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 哲詩
(72)【発明者】
【氏名】尹 盛郁
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 昌寛
(72)【発明者】
【氏名】柴原 伸泰
(72)【発明者】
【氏名】芳野 さゆり
(72)【発明者】
【氏名】大甲 隼土
(72)【発明者】
【氏名】高島 望
(72)【発明者】
【氏名】沼田 篤彦
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 大志
(72)【発明者】
【氏名】本橋 暁
(72)【発明者】
【氏名】稲葉 宏明
(72)【発明者】
【氏名】稲垣 万帆
(72)【発明者】
【氏名】杉山 純也
(72)【発明者】
【氏名】新居 義典
(72)【発明者】
【氏名】安達 到
(72)【発明者】
【氏名】小寺 高載
【審査官】田上 隆一
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/031438(WO,A1)
【文献】特許第7203265(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
顧客により注文された商品が店舗内で確保された後に、配送員を
選定するための処理が開始された際に、前記商品を配送する配送員になることを希望する希望者が存在するか否かを判定する判定部と、
前記希望者が存在すると前記判定部により判定された場合、前記配送員への立候補を前記希望者から所定期間だけ受け付ける受付部と、
前記配送員に立候補した立候補者から前記配送員を選定する選定部と、
前記配送員として選定された前記立候補者に対して、前記配送員として選定されたことを通知する通知部と、
前記商品の配送を配送業者に依頼する配送依頼部と、として機能させ、
前記判定部は、
前記配送員を
選定するための処理が開始された際に、前記配送業者ではないユーザ
の端末装置により、前記配送員として選定されることを希望する意思表示の操作
が検出されている場合に、当該ユーザを前記希望者であると判断し、
前記配送員を
選定するための処理が開始された際に、前記ユーザ
の端末装置により前記意思表示の操作
が検出されていない場合に、当該ユーザを前記希望者ではないと判断し、
前記配送員を
選定するための処理が開始された際に、複数の前記ユーザの中に、前記希望者であると判断されたユーザが存在する場合、前記希望者が存在すると判定し、
前記配送依頼部は、
前記配送員を
選定するための処理が開始された際に、前記希望者が存在しないと前記判定部により判定された場合、前記商品の配送を配送業者に依頼し、
前記所定期間が経過した際に前記受付部により受け付けられた前記立候補者が存在しない場合、前記商品の配送を配送業者に依頼する
配送プログラム。
【請求項2】
前記通知部は、複数の前記立候補者の中に前記配送員として選定されていない者が存在する場合、前記配送員として選定されていない前記立候補者に対して、前記配送員として選定されなかったことを通知する
請求項1に記載の配送プログラム。
【請求項3】
前記選定部は、
前記立候補者が複数存在する場合、前記立候補者の位置情報に基づいて前記商品の配送先までの移動距離を複数の前記立候補者のそれぞれについて演算し、
複数の前記立候補者のそれぞれの移動距離に基づいて、複数の前記立候補者の中から、前記商品を所定条件で配送することが可能な立候補者を選別し、
選別された前記立候補者の中から前記配送員を選定する
請求項1に記載の配送プログラム。
【請求項4】
前記選定部は、
選別された前記立候補者が複数存在する場合、選別された前記立候補者のうち、前記移動距離が最も短い立候補者を前記配送員として選定する
請求項3に記載の配送プログラム。
【請求項5】
前記選定部は、
前記商品を前記所定条件で配送することが可能な前記立候補者が存在しない場合、複数の前記立候補者のうち、前記移動距離が最も短い立候補者を前記配送員として選定する
請求項3に記載の配送プログラム。
【請求項6】
前記コンピュータを、
端末装置の画面の表示制御を実行する表示制御部として更に機能させ、
前記表示制御部は、前記受付部により前記配送員の立候補を受け付けている前記所定期間を認知することが可能な画面を端末装置に表示する
請求項1に記載の配送プログラム。
【請求項7】
前記コンピュータを、
端末装置の画面の表示制御を実行する表示制御部として更に機能させ、
前記表示制御部は、前記配送員として選定されることを希望する意思を示すか否かを選択可能な選択部を端末装置の画面に表示する
請求項1に記載の配送プログラム。
【請求項8】
前記希望者は、前記店舗の従業員である
請求項1に記載の配送プログラム。
【請求項9】
顧客により注文された商品が店舗内で確保された後に、配送員を
選定するための処理が開始された際に、前記商品を配送する配送員になることを希望する希望者が存在するか否かを判定する判定部と、
前記希望者が存在すると前記判定部により判定された場合、前記配送員への立候補を前記希望者から所定期間だけ受け付ける受付部と、
前記配送員に立候補した立候補者から前記配送員を選定する選定部と、
前記配送員として選定された前記立候補者に対して、前記配送員として選定されたことを通知する通知部と、
前記商品の配送を配送業者に依頼する配送依頼部と、を備え、
前記判定部は、
前記配送員を
選定するための処理が開始された際に、前記配送業者ではないユーザ
の端末装置により、前記配送員として選定されることを希望する意思表示の操作
が検出されている場合に、当該ユーザを前記希望者として判断し、
前記配送員を
選定するための処理が開始された際に、前記ユーザ
の端末装置により前記意思表示の操作
が検出されていない場合に、当該ユーザを前記希望者ではないと判断し、
前記配送員を
選定するための処理が開始された際に、複数の前記ユーザの中に、前記希望者であると判断されたユーザが存在する場合、前記希望者が存在すると判定し、
前記配送依頼部は、
前記配送員を
選定するための処理が開始された際に、前記希望者が存在しないと前記判定部により判定された場合、前記商品の配送を配送業者に依頼し、
前記所定期間が経過した際に前記受付部により受け付けられた前記立候補者が存在しない場合、前記商品の配送を配送業者に依頼する
配送システム。
【請求項10】
顧客により注文された商品が店舗内で確保された後に、配送員を
選定するための処理が開始された際に、前記商品を配送する配送員になることを希望する希望者が存在するか否かを判定する判定部と、
前記希望者が存在すると前記判定部により判定された場合、前記配送員への立候補を前記希望者から所定期間だけ受け付ける受付部と、
前記配送員に立候補した立候補者から前記配送員を選定する選定部と、
前記配送員として選定された前記立候補者に対して、前記配送員として選定されたことを通知する通知部と、
前記商品の配送を配送業者に依頼する配送依頼部と、を備え、
前記判定部は、
前記配送員を
選定するための処理が開始された際に、前記配送業者ではないユーザ
の端末装置により、前記配送員として選定されることを希望する意思表示の操作
が検出されている場合に、当該ユーザを前記希望者として判断し、
前記配送員を
選定するための処理が開始された際に、前記ユーザ
の端末装置により前記意思表示の操作
が検出されていない場合に、当該ユーザを前記希望者ではないと判断し、
前記配送員を
選定するための処理が開始された際に、複数の前記ユーザの中に、前記希望者であると判断されたユーザが存在する場合、前記希望者が存在すると判定し、
前記配送依頼部は、
前記配送員を
選定するための処理が開始された際に、前記希望者が存在しないと前記判定部により判定された場合、前記商品の配送を配送業者に依頼し、
前記所定期間が経過した際に前記受付部により受け付けられた前記立候補者が存在しない場合、前記商品の配送を配送業者に依頼する
情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配送プログラム、配送システム、及び情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記の特許文献1には、コンビニエンスストア業界等で電子商取引を行う際に、リアルタイムに店舗の在庫を把握する技術が開示されている。この特許文献1に記載のシステムでは、顧客から注文を受け付けると、注文された商品を陳列棚等から取り出し、指定された住所の顧客に商品を配達している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、このような配送システムに関しては、商品を配送する配送員の選定に関して改善の余地がある。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、より効率的に配送員を選定することが可能な配送プログラム、配送システム、及び情報処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する配送プログラムは、コンピュータを、判定部と、受付部と、選定部と、通知部と、として機能させる。判定部は、顧客により注文された商品が店舗内で確保された後に、商品を配送する配送員になることを希望する希望者が存在するか否かを判定する。受付部は、希望者が存在すると判定部により判定された場合、配送員への立候補を希望者から所定期間だけ受け付ける。選定部は、配送員に立候補した立候補者から配送員を選定する。通知部は、配送員として選定された立候補者に対して、配送員として選定されたことを通知する。
【0006】
上記課題を解決する配送システムは、判定部と、受付部と、選定部と、通知部と、を備える。判定部は、顧客により注文された商品が店舗内で確保された後に、商品を配送する配送員になることを希望する希望者が存在するか否かを判定する。受付部は、希望者が存在すると判定部により判定された場合、配送員への立候補を希望者から所定期間だけ受け付ける。選定部は、配送員に立候補した立候補者から配送員を選定する。通知部は、配送員として選定された立候補者に対して、配送員として選定されたことを通知する。
【0007】
上記課題を解決する情報処理装置は、判定部と、受付部と、選定部と、通知部と、を備える。判定部は、顧客により注文された商品が店舗内で確保された後に、商品を配送する配送員になることを希望する希望者が存在するか否かを判定する。受付部は、希望者が存在すると判定部により判定された場合、配送員への立候補を希望者から所定期間だけ受け付ける。選定部は、配送員に立候補した立候補者から配送員を選定する。通知部は、配送員として選定された立候補者に対して、配送員として選定されたことを通知する。
【0008】
この構成によれば、配送員になることを希望する希望者が複数存在する場合であっても、その中から配送員を、より効率的に選定することが可能となる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の配送プログラム、配送システム、及び情報処理装置によれば、より効率的に配送員を選定することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施形態の配送システムの概略構成を示すブロック図。
【
図2】実施形態の商品管理サーバ装置の概略構成を示すブロック図。
【
図3】実施形態の配送管理サーバ装置の概略構成を示すブロック図。
【
図4】実施形態の配送管理サーバ装置の制御部により実行される処理の手順を示すフローチャート。
【
図5】実施形態のユーザ端末の概略構成を示すブロック図。
【
図6】実施形態のユーザ端末に表示される画面例を示す図。
【
図7】実施形態のユーザ端末に表示される画面例を示す図。
【
図8】実施形態のユーザ端末に表示される画面例を示す図。
【
図9】実施形態のユーザ端末に表示される画面例を示す図。
【
図10】実施形態のユーザ端末に表示される画面例を示す図。
【
図11】実施形態のユーザ端末に表示される画面例を示す図。
【
図12】実施形態のユーザ端末に表示される画面例を示す図。
【
図13】実施形態の配送システムの動作例を示すシーケンスチャート。
【
図14】実施形態のコンピュータのハードウェア的な概略構成を示すブロック図。
【
図15】(A)~(B)は、実施形態の配送システムによる配送員の選定処理の一例を模式的に示す図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、配送プログラム、配送システム、及び情報処理装置の一実施形態について図面を参照しながら説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
<第1実施形態>
(配送システムの概要)
図1に示される本実施形態の配送システム10は、コンビニエンスストア等の店舗で販売されている商品を顧客の自宅等に配送するサービスを提供するものである。
【0012】
図1に示されるように、配送システム10は、顧客端末20と、ユーザ端末30と、店舗端末40と、商品管理サーバ装置50と、配送管理サーバ装置60と、配送業者システム70とを備えている。端末20,30,40は、スマートフォンやタブレッド等のスマートデバイスや、所定の場所に設置されたパーソナルコンピュータ等である。本実施形態では、端末20,30,40が端末装置に相当する。サーバ装置50,60及びシステム70はパーソナルコンピュータ等である。本実施形態では、端末20,30,40、サーバ装置50,60、及びシステム70が情報処理装置にも相当する。
【0013】
端末20,30、40、サーバ装置50,60、及びシステム70は通信ネットワーク11を介して互いに通信可能に接続されている。通信ネットワーク11は、例えばインターネット、LAN、専用線、電話回線、企業内ネットワーク、移動体通信網、ブルートゥース(登録商標)、WiFi(Wireless Fidelity)、その他の通信回線、及びそれらの組み合わせ等のいずれであってもよく、有線であるか無線であるかを問わない。
【0014】
次に、配送システム10の概略構成について説明する。
顧客端末20は顧客により所持される。なお、
図1では、顧客端末20が一つのみ図示されているが、顧客端末20は、本配送サービスを利用する複数の顧客によりそれぞれ所持されている。顧客端末20には、複数の店舗で販売されている商品を注文することが可能な専用の注文アプリケーションがインストールされている。顧客は、注文アプリケーションを操作することにより、例えば複数の店舗のうちのいずれかを選択して、その店舗で販売されている商品の配送を注文することができる。その際、顧客は、例えば商品の希望配送日時や配送先の場所を設定することができる。顧客が端末20を操作して店舗の商品を注文すると、顧客端末20は注文要求通知を商品管理サーバ装置50に送信する。
【0015】
商品管理サーバ装置50は、複数の店舗でそれぞれ販売されている商品を統括的に管理している。商品管理サーバ装置50は、顧客端末20から送信される注文要求通知を受信すると、店舗端末40に注文受付通知を送信する。注文受付通知には、注文毎に個別に付与される注文コード、注文された商品の識別コード、商品の個数、商品の配送先等が含まれている。
【0016】
店舗端末40は、複数の店舗のそれぞれに設けられており、各店舗の従業員により操作される。店舗端末40には、商品の注文に関連する各種操作を実行することが可能な専用の店舗用アプリケーションがインストールされている。店舗端末40は、商品管理サーバ装置50から送信される注文受付通知を受信すると、その通知に応じた商品やその個数等を店舗用アプリケーション上で画像や文字等を用いて表示する。店舗の従業員は、店舗端末40に表示される画像や文字等に基づいて、店舗の商品に対して注文があったこと、並びに注文された商品及びその個数を認識することができる。その後、店舗の従業員が、注文された商品を確保した後、それに対応した操作を店舗用アプリケーション上で行うと、その旨を示すピッキング完了通知が店舗端末40から商品管理サーバ装置50に通知される。
【0017】
商品管理サーバ装置50は、複数の店舗でそれぞれ販売されている商品を統括的に管理している。商品管理サーバ装置50は、店舗端末40から送信されるピッキング完了通知を受信すると、商品の配送を要求するための配送要求通知を配送管理サーバ装置60に送信する。
【0018】
配送管理サーバ装置60は商品の配送を統括的に管理している。配送管理サーバ装置60は、商品管理サーバ装置50から送信される配送要求通知を受信すると、商品の配送をユーザ又は配送業者に依頼する。
具体的には、配送管理サーバ装置60は、商品の配送を依頼する配送依頼通知をユーザ端末30に送信する。ユーザ端末30は、商品の配送が可能なユーザにより所持されるものである。ユーザは例えば各店舗の従業員である。ユーザ端末30には、商品の配送に関連する各種操作を実行することが可能な専用の配送アプリケーションがインストールされている。ユーザがユーザ端末30を操作して、今回の商品の配送員として立候補する操作を行うと、立候補したユーザのうちのいずれかが、今回の商品を実際に配送する配送員として選定される。この場合、選定されたユーザが店舗に赴いて商品を回収した後、その商品を顧客に配送する。
【0019】
一方、配送員に選定可能なユーザが存在しない場合、配送管理サーバ装置60は、配送依頼通知を配送業者システム70に送信する。配送業者システム70は、複数の配送業者の配送状況を統括的に管理している。配送業者システム70は、例えば各配送業者により商品を配送することが可能な時間帯や配送料金等に基づいて一つの配送業者を選定するとともに、その配送業者に配送依頼通知を送信する。この場合、選定された配送業者の配送員が店舗の商品を回収した後、その商品を顧客に配送する。
【0020】
(商品管理サーバ装置の構成)
図2に示されるように、商品管理サーバ装置50は、通信部51と、記憶部52と、制御部53とを備えている。
通信部51は通信ネットワーク11を介して各端末20,30,40及び配送管理サーバ装置60等と各種通信を行う。
【0021】
記憶部52には、商品管理サーバ装置50が有する各種情報が記憶されている。また、記憶部52には、商品管理サーバ装置50を動作させるための各種プログラムが記憶されている。
制御部53は商品管理サーバ装置50を制御する。制御部53は、記憶部52に記憶されているプログラムを実行することにより実現される機能的な構成として、注文管理部531と、ピッキング管理部532と、マッチング結果通知部533とを有している。
【0022】
注文管理部531は、顧客による商品の注文を管理する。例えば、注文管理部531は、顧客が商品を注文した際に顧客端末20から送信される注文要求通知を通信部51により受信すると、受信した注文要求通知に関する処理を実行する。具体的には、注文管理部531は、注文要求通知に含まれる店舗の識別コードを取得するとともに、取得した識別コードに対応した店舗端末40に注文受付通知を通信部51により送信する。店舗端末40は、注文受付通知を受信すると、その通知に応じた商品やその個数等を表示する。これにより、店舗の従業員は、顧客により注文された商品やその個数等を認知することができるため、その商品の確保を開始する。その際、従業員は、商品の確保を開始したことを示す操作を店舗端末40に対して行う。これにより、店舗端末40から商品管理サーバ装置50にピッキング開始通知が送信される。その後、従業員は、店舗内の商品を確保することができた場合には、それに対応した操作を店舗端末40に行う。このとき、店舗端末40から商品管理サーバ装置50にピッキング完了通知が送信される。
【0023】
ピッキング管理部532は、店舗における商品の確保状態を管理する。例えば、ピッキング管理部532は、店舗端末40に注文受付通知を送信した後に店舗端末40から送信されるピッキング開始通知を通信部51により受信した場合には、当該ピッキング開始通知を通信部51により配送管理サーバ装置60に送信する。ピッキング管理部532は、ピッキング開始通知を配送管理サーバ装置60に送信した後に店舗端末40から送信されるピッキング完了通知を通信部51により受信した場合には、配送員選定開始通知を通信部51により配送管理サーバ装置60に送信する。配送管理サーバ装置60は、配送員選定開始通知を受信すると、ユーザ又は配送業者により商品の配送が可能であるか否かを判断する。配送管理サーバ装置60は、ユーザ又は配送業者により商品の配送が可能である場合には、その旨を示す配送可能通知を商品管理サーバ装置50に送信する。
【0024】
マッチング結果通知部533は、配送管理サーバ装置60から送信される配送可能通知を通信部51により受信すると、商品の配送が確定したことを示す注文確定通知を顧客端末20に送信する。注文確定通知には商品の配送日時等の情報が含まれている。顧客端末20は、注文確定通知を受信すると、その通知基づいて、商品の配送が可能であること、及び商品の配送日時等を表示する。これにより、顧客は、商品が配送されることを認知することができる。
【0025】
(配送管理サーバ装置の構成)
図3に示されるように、配送管理サーバ装置60は、通信部61と、記憶部62と、制御部63とを備えている。
通信部61は通信ネットワーク11を介してユーザ端末30、配送管理サーバ装置60、及び配送業者システム70等と各種通信を行う。
【0026】
記憶部62には、配送管理サーバ装置60が有する各種情報が記憶されている。また、記憶部62には、配送管理サーバ装置60を動作させるための各種プログラムが記憶されている。
制御部63は配送管理サーバ装置60を制御する。制御部63は、例えば記憶部62に記憶されているプログラムを実行することにより実現される機能的な構成として、判定部631と、配送依頼部632と、受付部633と、選定部634と、通知部635とを有している。
図4は、判定部631、配送依頼部632、受付部633、選定部634、及び通知部635により実行される処理の手順を示したものである。なお、
図4に示される処理は、制御部63により所定の周期で繰り返し実行される。
【0027】
図4に示されるように、判定部631は、商品管理サーバ装置50から送信される配送員選定開始通知を受信したか否かを判定して(ステップS10)、配送員選定開始通知を受信していない場合には(ステップS10:NO)、
図4に示される処理を一旦終了する。
判定部631は、配送員選定開始通知を受信したと判定した場合には(ステップS10:YES)、配送希望者が存在するか否かを判定する(ステップS11)。配送希望者は、複数のユーザのうち、配送員として選定されることを希望しているユーザである。各ユーザは、ユーザ端末30の配送アプリケーションを操作することにより、配送員として選定されることを希望するか否かの意思を事前に選択することが可能である。したがって、配送希望者とは、現時点で配送員として選定されることを希望するといった意思表示のためのボタンを押す等の操作を配送アプリケーション内で行うことにより、配送員として実際にスタンバイしているユーザと言うこともできる。なお、本実施形態のユーザとは、配送アプリケーションがインストールされている端末30を所持している者を示す。よって、本実施形態のユーザは、端末30に配送アプリケーションをインストールしている点では配送員として働く意思は有していると考えられるものの、そのユーザの中には、現時点で配送員として選定されることを希望するといった意思表示のためのボタンを押す等の操作を行っている者と、そのような操作を行っていない者とが混在する、すなわち配送員としてスタンバイしているユーザと、配送員としてスタンバイしていないユーザとが混在することになる。
【0028】
配送希望者が存在していないと判定部631により判定された場合(ステップS11:NO)、配送依頼部632は、商品の配送を依頼する配送依頼通知を配送業者システム70に送信する(ステップS12)。配送依頼通知には、注文コード、顧客の情報、注文商品の識別コード、商品の注文が行われた店舗の識別コード、及び商品の希望配送日時等が含まれている。顧客の情報には、顧客の氏名や、商品の配送先の住所等が含まれている。これにより、配送業者システム70により選定された配送業者により商品の配送が行われる。
【0029】
配送希望者が存在していると判定部631により判定された場合には(ステップS11:YES)、受付部633は選択要求通知をユーザ端末30に送信する(ステップS13)。選択要求通知は、今回の商品の配送員として立候補するか否かの選択を配送希望者に要求するための通知である。選択要求通知が送信されるユーザ端末30は、配送希望者のユーザ端末30のみである。選択要求通知には、注文コード、店舗名、店舗の住所情報、商品の配送先の住所情報、商品の希望配送日時等の情報が含まれている。配送希望者のユーザ端末30では、今回の商品の配送員に立候補するか否かを選択する操作を配送アプリケーション上で行うことができる。各配送希望者のユーザ端末30は、今回の商品の配送員に立候補するか否かを選択する操作が行われると、その選択操作の結果を含む選択結果通知を配送管理サーバ装置60に送信する。
【0030】
受付部633は、選択要求通知を各配送希望者のユーザ端末30に送信した後、所定時間が経過したか否かを判断する(ステップS14)。所定時間は例えば1分や2分に設定される。選択要求通知を送信した時点から所定時間が経過するまでの期間は、各配送希望者のユーザ端末30からの選択結果通知の返信を受け付ける期間に相当する。以下では、この期間を「配送員受付期間」とも称する。本実施形態では、配送員受付期間が所定期間に相当する。
【0031】
受付部633は、所定時間が経過した場合には(ステップS14:YES)、すなわち配送員受付期間が終了した場合には、選択結果通知の受付を終了する(ステップS15)。選択結果通知の受付を終了した時点で、選択結果通知の返信がなかった配送希望者、すなわち今回の商品の配送員に立候補するか否かを選択する操作を行わなかった配送希望者に関しては、受付部633は、配送員に立候補しない者として扱う。受付部633は、ステップS15に続いて、受付終了通知をユーザ端末30に送信する(ステップS16)。受付終了通知には注文コード等の情報が含まれている。
【0032】
続いて、受付部633は、各配送希望者から返信された選択結果通知に基づいて、配送希望者の中に、配送員として立候補する立候補者が存在しているか否かを判断する(ステップS17)。配送希望者の中に立候補者が存在しないと受付部633により判定された場合(ステップS17:NO)、配送依頼部632が、商品の配送を依頼する配送依頼通知を配送業者システム70に送信する(ステップS12)。
【0033】
配送希望者の中に立候補者が存在すると受付部633により判断された場合(ステップS17:NO)、通知部635は、配送員のマッチングが完了したという情報を含むマッチング結果通知を商品管理サーバ装置50に送信する(ステップS18)。この場合、商品管理サーバ装置50は、マッチング結果通知を受信すると、商品の注文が確定したことを示す注文確定通知を顧客端末20に送信する。顧客端末20は、注文確定通知を受信すると、商品の注文が確定したことを示す通知を表示する。これにより、顧客は、自身の注文が確定したことを認知することができる。
【0034】
続いて、選定部634は、立候補者の中から配送員を選定する選定処理を実行する(ステップS19)。選定部634は、例えば立候補者が一人だけの場合、その立候補者を配送員として選定する。一方、選定部634は、立候補者が複数存在する場合には、複数の立候補者の中から配送員を選定する。例えば、選定部634は、ユーザ端末30により取得可能な立候補者の現在地、配送する商品が存在する店舗の住所情報、及び顧客により指定された配送先の住所情報等に基づいて各立候補者の移動距離を演算する。移動距離は、例えば立候補者が現在地から店舗を経由して配送先まで移動する距離である。選定部634は、演算された各立候補者の移動距離、及び顧客により指定された商品の希望配送日時等に基づいて、各立候補者が商品を遅滞なく配送することが可能な確率を数値化して演算する。選定部634は、演算された確率が所定値以上である立候補者は、遅滞なく配送できる可能性が高い立候補者であると判定する。選定部634は、遅滞なく配送できる可能性が高い立候補者が一人だけの場合、その立候補者を配送員として選定する。選定部634は、遅滞なく配送できる可能性が高い立候補者が複数存在する場合、複数の立候補者のうち、移動距離が最も短い立候補者を配送員として選定する。なお、選定部634は、遅滞なく配送できる可能性が高い立候補者が存在しない場合、複数の立候補者のうち、移動距離が最も短い立候補者を配送員として選定する。なお、このような選定処理は、人工知能(AI)を利用して行われてもよい。本実施形態では、商品を遅滞なく配送できるという条件が所定条件に相当する。
【0035】
このようにして選定部634により配送員が選定されると、通知部635は、配送員に選定された立候補者のユーザ端末30に当選通知を送信する(ステップS20)。この当選通知には、配送員に選定されたという情報、注文コード、商品を受け取る店舗の店舗名、その店舗の住所、その店舗の電話番号、配送先の住所、商品の希望配送日時等、商品を配送するために必要な各種情報が含まれている。ユーザ端末30は、当選通知を受信すると、その通知に含まれている各種情報を表示する。これにより、配送員に選定された立候補者は、自身が配送員に選定されたことを認知することができるとともに、配送に必要な情報を取得することができるため、商品の配送を開始することができる。
【0036】
一方、通知部635は、配送員に選定されなかった立候補者のユーザ端末30には落選通知を送信する(ステップS21)。落選通知には、配送員に選定されなかったという情報が含まれている。ユーザ端末30は、落選通知を受信すると、その通知に含まれている情報を表示する。これにより、配送員に選定されなかった立候補者は、自身が配送員に設定されなかったことを認知することができる。ステップS21の処理が実行されると、制御部63は
図4に示される処理を終了する。
【0037】
(ユーザ端末の構成)
図5に示されるように、ユーザ端末30は、表示部31と、入力部32と、通信部33と、記憶部34と、制御部35とを備えている。
表示部31は、各種画像を表示する機能を有するものであり、液晶ディスプレイ等である。
【0038】
入力部32は、ユーザの入力操作を受け付けるものであり、マウスやキーボード、操作ボタン等である。なお、表示部31及び入力部32は、それらの機能が一体化されたタッチパネル等により構成されていてもよい。
通信部33は通信ネットワーク11を介して配送管理サーバ装置60等と各種通信を行う。
【0039】
記憶部34には、ユーザ端末30が有する各種情報が記憶されている。また、記憶部34には、ユーザ端末30を動作させるための各種プログラムが記憶されている。
制御部35はユーザ端末30を制御する。制御部35は、記憶部34に記憶されているプログラムを実行することにより実現される機能的な構成として、表示制御部351を有している。
【0040】
表示制御部351は、表示部31を制御することにより各種画面を表示部31に表示する。次に、表示制御部351により表示部31に表示される画面の例について説明する。
表示制御部351は、配送アプリケーションの操作画面の一つとして、
図6に示されるような注文一覧画面90を表示部31に表示する。注文一覧画面90には、注文表示領域91と、切り替えボタン92とが設けられている。
【0041】
注文表示領域91には、現時点で配送員を募集している各商品の配送条件が商品毎に一覧で表示される。配送条件には、商品を受け取る店舗の店舗名、ユーザの現在地から店舗までの距離、注文コード、ユーザの店舗の到着予定日時、配達先の住所情報等が含まれている。表示制御部351は、
図4に示されるステップS13の処理により配送管理サーバ装置60から送信される選択要求通知が通信部33により受信されると、選択要求通知に含まれる情報に基づいて商品の配送条件を注文表示領域91に表示する。表示制御部351は、
図4に示されるステップS16の処理により配送管理サーバ装置60から送信される受付終了通知が通信部33により受信されると、受付終了通知に含まれている注文コードに対応した商品の配送条件の表示を消去する。
【0042】
図6に示される切り替えボタン92は、商品の配送希望者になるか否かを選択的に切り替えることが可能なボタンである。ユーザが切り替えボタン92をオン操作した場合、すなわちユーザが配送希望者になることを選択している場合、
図6に示されるように、現時点で配送員を募集している各商品の配送条件が注文表示領域91に表示される。ユーザが切り替えボタン92をオフ操作した場合、すなわちユーザが配送希望者にならないことを選択している場合、
図7に示されるように、現時点で配送員を募集している各商品の配送条件が注文表示領域91において非表示となる。本実施形態では、切り替えボタン92が、配送希望者になるか否かを選択可能な選択部に相当する。
【0043】
表示制御部351は、
図4に示されるステップS13の処理により配送管理サーバ装置60から送信される選択要求通知が通信部33により受信されると、
図8に示されるように、商品の配送の注文があったことを示す通知をプッシュ通知131によりホーム画面130等に表示する。ユーザがこのプッシュ通知131をタップ操作したとすると、表示制御部351は、
図9に示されるような注文受付画面100を表示部31に表示する。
【0044】
なお、表示制御部351は、
図6に示される注文一覧画面90において受付ボタン93が操作された場合にも、
図9に示されるような注文受付画面100を表示部31に表示する。
図6に示されるように、受付ボタン93は、注文表示領域91に表示される各注文に付属するように設けられている。
【0045】
図9に示される注文受付画面100は、
図8に示されるプッシュ通知131に対応した注文、又は
図6に示される注文表示領域91に表示されている注文に対応した商品の配送員に立候補するか否かを選択することが可能な画面である。注文受付画面100には、注文内容表示領域101と、受付時間表示領域102と、立候補ボタン103とが設けられている。
【0046】
注文内容表示領域101には、商品の配送に関する各種情報、具体的には商品を受け取る店舗の店舗名、店舗の住所、商品の希望配達日時等が表示される。
受付時間表示領域102には、配送員受付期間の残り時間が表示される。受付時間表示領域102に表示される残り時間は、
図4のステップS14の処理により所定時間が経過したと判定される時点までの残り時間に相当する。
【0047】
立候補ボタン103は、ユーザが配送員に立候補する際に操作するボタンである。ユーザが立候補ボタン103を操作すると、注文受付画面100が
図10に示されるような画面に遷移する。
図10に示される注文受付画面100には、受付時間表示領域102に変えて、メッセージ表示領域104が設けられている。メッセージ表示領域104には、選定結果を待つことを促すメッセージ等が表示される。これにより、ユーザの配送員への立候補が受け付けられた状態となる。
【0048】
図10に示される注文受付画面100には、取り消しボタン105が更に設けられている。取り消しボタン105は、配送員への立候補の受付を解除する際に操作するボタンである。
ユーザの配送員への立候補が受け付けられている状態で配送員受付期間が終了した後、配送員として選定されたユーザの端末30には、
図4に示されるステップS21の処理により配送管理サーバ装置60から当選通知が送信される。この当選通知がユーザ端末30の通信部33により受信されると、表示制御部351は、
図11に示される配送画面110を表示部31に表示する。したがって、ユーザは、
図11に示される配送画面110が表示部31に表示されることにより、自身が配送員に選定されたことを認知することができる。
図11に示されるように、配送画面110には、商品の配送に関する各種情報、具体的には商品を受け取る店舗の店舗名、配達先の詳細な住所、商品の希望配達日時等が表示される。
【0049】
ユーザの配送員への立候補が受け付けられている状態で配送員受付期間が終了した後、配送員として選定されなかったユーザの端末30には、
図4に示されるステップS22の処理により配送管理サーバ装置60から落選通知が送信される。この落選通知がユーザ端末30の通信部33により受信されると、表示制御部351は、
図12に示される落選画面120を表示部31に表示する。落選画面120には、落選したことをメッセージ等でユーザに通知する通知領域121が設けられている。ユーザは、
図12に示される落選画面120が表示部31に表示されることにより、自身が配送員として選定されなかったことを認知することができる。
【0050】
(配送システムの動作例)
次に、本実施形態の配送システムの動作例について説明する。
図13に示されるように、本実施形態の配送システム10では、まず、顧客が端末20を操作して、所定の店舗に存在する商品を注文したとすると、その注文内容等を含む注文要求通知が顧客端末20から商品管理サーバ装置50に送信される(ステップS30)。商品管理サーバ装置50は、顧客端末20から送信される注文要求通知を受信すると(ステップS40)、注文された商品が存在する店舗の端末40に注文受付通知を送信する(ステップS41)。これにより、店舗端末40に、顧客からの注文に基づいて確保すべき商品の情報が表示される。その表示に基づいて店舗の従業員が商品の確保を開始する。このとき、従業員が、商品の確保を開始したことを示す操作を店舗端末40に対して行うと、店舗端末40がピッキング開始通知を商品管理サーバ装置50に送信する。これにより、商品管理サーバ装置50はピッキング開始通知を受信する(ステップS42)。その後、従業員が商品の確保を完了すると、店舗端末40がピッキング完了通知を商品管理サーバ装置50に送信する。これにより、商品管理サーバ装置50はピッキング完了通知を更に受信すると(ステップS43)、配送員選定開始通知を配送管理サーバ装置60に送信する(ステップS44)。
【0051】
配送管理サーバ装置60は、配送管理サーバ装置60から送信される配送員選定開始通知を受信すると(ステップS50)、配送員として選定されることを希望するユーザの中から今回の商品の配送員を選定する処理を実行する。具体的には、配送管理サーバ装置60は、
図6に示される切り替えボタン92をオン操作しているユーザ、すなわち配送希望者が存在している場合には、その配送希望者のユーザ端末30に選択要求通知を送信する(ステップS51)。なお、
図13では、配送希望者のユーザ端末30として端末30a,30bが存在している場合が例示されている。
【0052】
ユーザ端末30a,30bは、配送管理サーバ装置60から送信される選択要求通知を受信すると(ステップS60,S70)、
図8に示されるようなプッシュ通知131を表示部31に表示する(ステップS61,S71)。このプッシュ通知131に基づいて、ユーザ端末30a,30bのそれぞれのユーザが、
図9に示される注文受付画面100の立候補ボタン103を操作すると、配送員として立候補したことが各ユーザ端末30a,30bから配送管理サーバ装置60に送信される(ステップS62,S72)。
【0053】
その後、配送管理サーバ装置60は、配送受付期間が終了したと判断すると、ユーザからの配送員の立候補を締め切るとともに(ステップS52)、配送員に立候補したユーザの中から今回の配送員を選定する選定処理を実行する(ステップS53)。
このとき、例えば端末30aのユーザが配送員に選定されたとすると、配送管理サーバ装置60はユーザ端末30aに当選通知を送信する(ステップS54)。ユーザ端末30aは、当選通知を受信すると(ステップS63)、
図11に示される配送画面110を表示する(ステップS64)。これにより、端末30aを所持しているユーザは、自身が配送員として選定されたことを認知できるとともに、配送画面110に表示されている内容に基づいて商品の配送を行うことができる。
【0054】
一方、例えば端末30bのユーザが配送員に選定されなかったとすると、配送管理サーバ装置60はユーザ端末30bに落選通知を送信する(ステップS55)。ユーザ端末30bは、落選通知を受信すると(ステップS73)、
図12に示される落選画面120を表示する(ステップS74)。これにより、端末30bを所持しているユーザは、自身が配送員として選定されなかったことを認知できる。
【0055】
(配送システムのハードウェア的な構成)
次に、
図14を参照して、コンピュータ140により端末20,30,40、サーバ装置50,60、及び配送業者システム70を実現する場合のコンピュータ140のハードウェア構成の一例について説明する。
【0056】
図14に示されるように、コンピュータ140は、プロセッサ141、記憶装置142、通信装置143、入力装置144、及び出力装置145等を有している。プロセッサ141はCPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphical Processing Unit)等である。記憶装置142は、例えばメモリ、HDD(Hard Disk Drive)、及びSSD(Solid State Drive)の少なくとも一つにより構成される。通信装置143は有線通信又は無線通信を行う。入力装置144は、入力操作を受け付ける装置であり、例えばキーボード、タッチパネル、マウス、マイクの少なくとも一つにより構成される。出力装置145は、情報の出力を行う装置であり、例えばディスプレイ、タッチパネル、及びスピーカの少なくとも一つにより構成される。
【0057】
(本実施形態の配送システムの作用及び効果)
本実施形態の配送システム10では、配送管理サーバ装置60の制御部63を、判定部631と、受付部633と、選定部634と、通知部635と、として機能させる。判定部631は、顧客により注文された商品が店舗内で確保された後、商品を配送する配送員になることを希望する配送希望者が存在するか否かを判定する。受付部633は、配送希望者が存在すると判定部631により判定された場合、配送員への立候補を配送希望者から所定時間だけ受け付ける。選定部634は、配送員に立候補した立候補者から配送員を選定する。通知部635は、配送員として選定された立候補者に対して、配送員として選定されたことを通知する。
【0058】
この構成によれば、例えば
図15(A)に示されるように、4人のユーザU1,U2,U4が配送希望者であるとすると、そのユーザU1,U2,U4からの配送員への立候補が、所定時間が経過するまでの期間、すなわち配送員受付期間が終了するまで受け付けられる。なお、
図15(A)において、ユーザU3は、配送希望者でないユーザ、換言すれば切り替えボタン92をオフ操作しているユーザである。ユーザU1,U2,U4は、
図6に示される切り替えボタン92をオン操作しているユーザである。この状態で配送員受付期間中にユーザU2,U4が配送員に立候補し、且つユーザU1が配送員に立候補しなかったとすると、配送員受付期間が終了した後に、ユーザU2,U4から実際の配送員が選定される。例えばユーザU2が実際の配送員に選定されたとすると、ユーザU2に、配送員として選定されたことが通知される。このように、本実施形態の配送システム10によれば、複数のユーザの中から、より効率的に配送員を選定することが可能となる。
【0059】
配送管理サーバ装置60の制御部63は配送依頼部632を更に備える。配送依頼部632は、
図15(B)に示されるように、ユーザU1~U4の中にそもそも配送希望者が存在しない場合、商品の配送を配送業者に依頼する。また、配送依頼部632は、
図15(C)に示されるように、ユーザU1,U2,U4が配送員受付期間中に配送員に立候補しなかった場合にも、商品の配送を配送業者に依頼する。
この構成によれば、複数のユーザの中に配送員として選定可能なユーザが存在しない場合であっても、商品を的確に配送することができる。
【0060】
通知部635は、複数の立候補者の中に配送員として選定されていない者が存在する場合、配送員として選定されていない立候補者に対して、配送員として選定されなかったことを通知する。
この構成によれば、例えば
図15(A)のユーザU4に、配送員として選定されなかったことが通知されるため、そのことをユーザU4が認知することが可能となる。
【0061】
選定部634は、立候補者が複数存在する場合、立候補者の位置情報に基づいて商品の配送先までの移動距離を複数の立候補者のそれぞれについて演算する。選定部634は、複数の立候補者のそれぞれの移動距離に基づいて、複数の立候補者の中から、商品を遅滞なく配送することが可能な立候補者を選別し、選別された立候補者の中から配送員を選定する。具体的には、選定部634は、選別された立候補者が複数存在する場合、選別された立候補者のうち、移動距離が最も短い立候補者を配送員として選定する。
この構成によれば、配送員に立候補したユーザの中から、より適切な配送員を選定することが可能となる。
【0062】
本実施形態の配送システム10では、ユーザ端末30の制御部35を表示制御部351として機能させる。表示制御部351は、ユーザ端末30の画面の表示制御を実行する。表示制御部351は、配送希望者になるか否かを選択可能な切り替えボタン92をユーザ端末30に表示する。
この構成によれば、配送希望者になるか否かをユーザが容易に切り替えることが可能となる。
【0063】
<他の実施形態>
本発明は上記の具体例に限定されるものではない。
例えば、配送員に立候補したユーザが複数存在する場合、その複数のユーザの中から実際の配送員を複数選定してもよい。
判定部631により行われる、配送希望者が存在するか否かを判定する処理としては、
図6に示される切り替えボタン92をオン操作しているユーザが存在しているか否かを判定する処理に限らず、適宜の処理を採用することができる。例えば配送可能な曜日及び時間帯を複数のユーザが予め登録できるようにした上で、判定部631は、各ユーザの配送可能な曜日及び時間帯の登録情報に基づいて、複数のユーザの中に、今回の商品を配送可能なユーザが存在するか否かを判定してもよい。
【0064】
ユーザ端末30、商品管理サーバ装置50、及び配送管理サーバ装置60がそれぞれ有する機能的な構成は、ユーザ端末30のみ、商品管理サーバ装置50のみ、配送管理サーバ装置60のみ、あるいはユーザ端末30、商品管理サーバ装置50、及び配送管理サーバ装置60のそれぞれに設けられていてもよい。
【0065】
上記の具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本開示の特徴を備えている限り、本開示の範囲に包含される。前述した各具体例が備える各要素、及びその配置、条件、形状等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。前述した各具体例が備える各要素は、技術的な矛盾が生じない限り、適宜組み合わせを変えることができる。
【符号の説明】
【0066】
10:配送システム、20:顧客端末(情報処理装置)、30:ユーザ端末(端末装置,情報処理装置)、40:店舗端末(情報処理装置)、50:商品管理サーバ装置(情報処理装置)、60:配送管理サーバ装置(情報処理装置)、70:配送業者システム(情報処理装置)、351:表示制御部、631:判定部、632:配送依頼部、633:受付部、634:選定部、635:通知部。
【要約】
【課題】より効率的に配送員を選定することが可能な配送プログラムを提供する。
【解決手段】配送プログラムは、制御部63を、判定部631と、受付部633と、選定部634と、通知部635と、として機能させる。判定部631は、顧客により注文された商品が店舗内で確保された後に、商品を配送する配送員になることを希望する希望者が存在するか否かを判定する。受付部633は、希望者が存在すると判定部631により判定された場合、配送員への立候補を希望者から所定期間だけ受け付ける。選定部634は、配送員に立候補した立候補者から配送員を選定する。通知部635は、配送員として選定された立候補者に対して、配送員として選定されたことを通知する。
【選択図】
図3