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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-20
(45)【発行日】2024-10-01
(54)【発明の名称】2次元多層厚測定
(51)【国際特許分類】
   A61B 3/10 20060101AFI20240924BHJP
【FI】
A61B3/10
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2023116948
(22)【出願日】2023-07-18
(62)【分割の表示】P 2022044873の分割
【原出願日】2020-06-26
(65)【公開番号】P2023126539
(43)【公開日】2023-09-07
【審査請求日】2023-08-16
(31)【優先権主張番号】62/868,568
(32)【優先日】2019-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/911,094
(32)【優先日】2020-06-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】000220343
【氏名又は名称】株式会社トプコン
(74)【代理人】
【識別番号】100124626
【弁理士】
【氏名又は名称】榎並 智和
(72)【発明者】
【氏名】カオ・ビン
(72)【発明者】
【氏名】ワング・ゼングォ
(72)【発明者】
【氏名】チャン・キンプイ
(72)【発明者】
【氏名】マオ・ザイシン
(72)【発明者】
【氏名】キム・ヨンシク
【審査官】増渕 俊仁
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-149284(JP,A)
【文献】特表2012-522594(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0141698(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0070813(US,A1)
【文献】米国特許第06236459(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 3/00-3/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ムチン-水層と油層とを含む人眼の涙液層の厚さを測定する方法であって、
前記涙液層の表面に対して垂直になるように入射される入射光を用いて前記涙液層の干渉縞画像を取得し、
前記干渉縞画像に基づいて前記ムチン-水層の厚さを求め、
前記干渉縞画像と前記涙液層の理論モデルとの比較に基づいて前記油層の厚さを求め、
求められる前記厚さは、前記干渉縞画像が取得された前記涙液層の位置における厚さである、
方法。
【請求項2】
前記干渉縞画像に基づいて前記ムチン-水層の前記厚さを求める工程は、
前記干渉縞画像を反射率情報に変換する工程と、
前記反射率情報に基づいて前記ムチン-水層の前記厚さを求める工程と
を含む、
請求項1の方法。
【請求項3】
前記反射率情報に基づいて前記ムチン-水層の前記厚さを求める前記工程は、
前記反射率情報の周波数解析を実行する工程と、
前記周波数解析に基づいて前記ムチン-水層の前記厚さを求める工程と
を含む、
請求項2の方法。
【請求項4】
前記周波数解析に基づいて前記ムチン-水層の前記厚さを求める前記工程は、
前記周波数解析に基づいて前記涙液層の全層厚を求める工程と、
前記全層厚に基づいて前記ムチン-水層の前記厚さを求める工程と
を含む、
請求項3の方法。
【請求項5】
前記干渉縞画像に基づいて前記ムチン-水層の前記厚さを求める工程は、
前記干渉縞画像に基づいて前記涙液層の全層厚を求める工程と、
前記全層厚に基づいて前記ムチン-水層の前記厚さを求める工程と
を含む、
請求項1の方法。
【請求項6】
前記比較に基づいて前記油層の前記厚さを求める工程は、
前記反射率情報と前記涙液層の理論モデルとの比較を実行する工程と、
前記反射率情報と前記理論モデルとの前記比較に基づいて前記油層の前記厚さを求める工程と
を含む、
請求項2の方法。
【請求項7】
前記比較に基づいて前記油層の前記厚さを求める工程は、
前記反射率情報の前記周波数解析と前記涙液層の理論モデルの周波数解析との比較を実行する工程と、
前記反射率情報の前記周波数解析と前記理論モデルの前記周波数解析との前記比較に基づいて前記油層の厚さを求める工程と
を含む、
請求項3の方法。
【請求項8】
前記入射光は、前記涙液層の表面に対して垂直になるようにレンズによって集光される、
請求項1~7のいずれかの方法。
【請求項9】
前記入射光は、前記涙液層の表面に対して垂直になるように2つのレンズによって集光される、
請求項8の方法。
【請求項10】
更に、
前記涙液層の異なる位置から複数の干渉縞画像を取得し、
前記複数の干渉縞画像のそれぞれのぼけ値を求め、
求められた複数のぼけ値に基づいて測定信頼性指標を生成する、
請求項1~9のいずれかの方法。
【請求項11】
前記複数の干渉縞画像の大部分が低いぼけ値を有する場合、又は、前記複数の干渉縞画像の大部分が高品質であると他の方法によって確認された場合、高値の測定信頼性指標が生成される、
請求項10の方法。
【請求項12】
撮像システムを用いて前記干渉縞画像を取得し、
前記撮像システムのスペクトル応答のキャリブレーションに基づいて前記干渉縞画像を前記反射率情報に変換する、
請求項2~4、6及び7のいずれかの方法。
【請求項13】
前記涙液層の全層厚を前記ムチン-水層の厚さに設定し、
設定された前記ムチン-水層の前記厚さに基づいて前記反射率情報の前記周波数解析と前記涙液層の前記理論モデルの前記周波数解析との前記比較を実行する、
請求項7の方法。
【請求項14】
前記方法は、前記涙液層を撮像しながらリアルタイムで実行される、
請求項1~13のいずれかの方法。
【請求項15】
前記干渉縞画像は、離散的狭スペクトルバンドを用いた干渉撮像システムを用いて前記涙液層を撮像することによって取得される、
請求項1~14のいずれかの方法。
【請求項16】
更に、ムチン-水層のインデックスマップを生成し、及び/又は、ムチン-水層の散乱マップを生成する、
請求項1~15のいずれかの方法。
【請求項17】
更に、ムチン-水層のインデックスマップを生成し、及び/又は、ムチン-水層の散乱マップを生成し、
前記インデックスマップは、前記反射率情報の前記周波数解析と前記涙液層の前記理論モデルの前記周波数解析とにおける対応するピークの振幅の比に基づく、
請求項7又は13の方法。
【請求項18】
更に、ムチン-水層のインデックスマップを生成し、及び/又は、ムチン-水層の散乱マップを生成し、
前記インデックスマップは、前記反射率情報の前記周波数解析と前記涙液層の前記理論モデルの前記周波数解析とにおける対応するピークの振幅の差に基づく、
請求項7又は13の方法。
【請求項19】
更に、ムチン-水層のインデックスマップを生成し、及び/又は、ムチン-水層の散乱マップを生成し、
前記散乱マップは、前記反射率情報の前記周波数解析と前記涙液層の前記理論モデルの前記周波数解析とにおける対応するピークの半値全幅又は半値半幅の比に基づく、
請求項7又は13の方法。
【請求項20】
更に、ムチン-水層のインデックスマップを生成し、及び/又は、ムチン-水層の散乱マップを生成し、
前記散乱マップは、前記反射率情報の前記周波数解析と前記涙液層の前記理論モデルの前記周波数解析とにおける対応するピークの半値全幅又は半値半幅の差に基づく、
請求項7又は13の方法。
【請求項21】
更に、
ムチン-水層のインデックスマップを生成し、及び/又は、ムチン-水層の散乱マップを生成し、
前記ムチン-水層の前記インデックスマップ及び/又は前記ムチン-水層の前記散乱マップに基づいてスケール因子を求め、
前記干渉縞画像を前記スケール因子に基づき調整する、
請求項1~20のいずれかの方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
この出願は、2019年6月28日に出願された「2D MULTI-LAYER THICKNESS MEASUREMENT(2次元多層厚測定)」と題する米国仮特許出願第62/868,568号に基づく優先権を主張するものであり、その全体を参照により本明細書に援用する。
【背景技術】
【0002】
ドライアイは、眼科医を受診する最も一般的な原因の1つになっている。ドライアイは、涙液層に関連する眼表面の多因子性疾患である。図1に示すように、涙液層100は、眼の複数の外層を含み、これらの外層は、厚さが約0~200nmの油層102と、厚さが約2~10μmのムチン-水層104(本明細書では水層とも呼ばれる)と、このムチン-水層に続く厚さが約0.5mmの角膜106とを含む。図1ではムチン層及び水層はムチン-水層104としてまとめて示されているが、それらを別々の層とみなすこともできる。現状では、ドライアイ診断を客観的に支援するために涙液層100の複数の層を画像化及び解析する(例えば、層の厚さを決定する)ための技術はほとんど存在しない。
【0003】
干渉計技術は、現在利用可能な非侵襲的測定の1つである。これらのうちの1つのアプローチは、画像の色と油層の厚さとの間の相関に定量的又は定性的に依存している。理論的には、解析は2次元(2D)画像に基づいて行われ、典型的にはかなり大きな範囲における平均厚さのみが提示される。しかしながら、このアプローチは、通常、油層の厚さの相対的な推定に限定されるものであり、位相の曖昧性及び絶対的厚さ測定の不確実性の影響されやすいであろう。
【0004】
反射スペクトルのより厳密な数値解析は、フーリエ変換/最小二乗フィッティング技術を用いて物理モデルに基づき行うことができる。しかし、この方法は、通常、分光器を必要とするため、単一スポットでの測定が制限され、システム設計が複雑でより高価になる。
【0005】
光コヒーレンストモグラフィー(OCT)もまた、様々な層の厚さを決定するためにハイエンドの超高解像度OCTと複雑な統計的決定理論とを組み合わせることによって、涙液層の厚さ測定に利用されてきた。理論的には、適切な走査機構を用いて2次元測定を行うことが可能であるが、現実的には超高分解能OCTシステムは非常に高価である。
【0006】
最後に、空間的画像相関法によるゆらぎ解析も、角膜前涙液層の厚さを定量化するために適用されてきた。しかし、この手法はまだ油層の厚さを測定する能力を示すには至っていない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の1つの例によれば、厚さ測定方法は、湾曲した表面を有し厚い層と薄い層とを含む多層物体の厚さを測定する方法であって、前記湾曲した表面に対して垂直になるように入射される入射光を用いて前記物体の干渉縞画像を取得し、前記干渉縞画像を反射率情報に変換し、前記反射率情報の周波数解析を実行し、前記反射率情報の前記周波数解析に基づいて前記物体の全層厚を求め、求められた前記全層厚に基づいて前記厚い層の厚さを求め、前記反射率情報の前記周波数解析と前記物体の理論モデルの周波数解析との比較を実行し、前記比較に基づいて前記薄い層の厚さを求め、求められる前記厚さは、前記干渉縞画像が取得された前記物体の位置における厚さである。
【0008】
上記の例の様々な実施形態は、以下のいずれかを備える。前記入射光は、前記湾曲した表面に対して垂直になるようにレンズによって集光される。前記入射光は、前記湾曲した表面に対して垂直になるように2つのレンズによって集光される。前記厚さ測定方法は、更に、前記物体の異なる位置から複数の干渉縞画像を取得し、前記複数の干渉縞画像のそれぞれのぼけ値を求め、求められた複数のぼけ値に基づいて測定信頼性指標を生成する。前記複数の干渉縞画像の大部分が低いぼけ値を有する場合、又は、前記複数の干渉縞画像の大部分が高品質であると他の方法によって確認された場合、高値の測定信頼性指標が生成される。撮像システムを用いて前記干渉縞画像を取得し、前記撮像システムのスペクトル応答のキャリブレーションに基づいて前記干渉縞画像を前記反射率情報に変換する。前記全層厚を前記厚い層の厚さに設定し、設定された前記厚い層の前記厚さに基づいて前記反射率情報の前記周波数解析と前記物体の前記理論モデルの前記周波数解析との前記比較を実行する。前記厚さ測定方法は、更に、前記物体の複数の位置から求められた厚さに基づいて前記物体の厚さマップを生成する。前記周波数解析は、フーリエ変換である。前記周波数解析は、ハーモニック周波数変調を含む。前記物体は涙液層であり、前記薄い層は油層であり、前記厚い層は水層である。前記厚さ測定方法は、更に、ムチン-水層のインデックスマップを生成し、及び/又は、ムチン-水層の散乱マップを生成する。前記インデックスマップは、前記反射率情報の前記周波数解析と前記物体の前記理論モデルの前記周波数解析とにおける対応するピークの振幅の比に基づく。前記インデックスマップは、前記反射率情報の前記周波数解析と前記物体の前記理論モデルの前記周波数解析とにおける対応するピークの振幅の差に基づく。前記散乱マップは、前記反射率情報の前記周波数解析と前記物体の前記理論モデルの前記周波数解析とにおける対応するピークの半値全幅又は半値半幅の比に基づく。前記散乱マップは、前記反射率情報の前記周波数解析と前記物体の前記理論モデルの前記周波数解析とにおける対応するピークの半値全幅又は半値半幅の差に基づく。前記厚さ測定方法は、更に、生成された前記ムチン-水層の前記インデックスマップ及び/又は前記ムチン-水層の前記散乱マップに基づいてスケール因子を求め、取得された前記干渉縞画像を前記スケール因子に基づき調整する。前記厚さ測定方法は、前記物体を撮像しながらリアルタイムで実行される。前記干渉縞画像は、離散的狭スペクトルバンドを用いた干渉撮像システムを用いて前記物体を撮像することによって取得される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】眼の層及び涙液層を模式的に表現したものである。
【0010】
図2】涙液層を通過する入射光ビームの透過、屈折、及び反射を示す。
【0011】
図3】本開示による涙液層厚を求める方法の例のフローチャートを示す。
【0012】
図4】物体を撮像するための離散的狭スペクトルバンドの例を示す。
【0013】
図5】物体の撮像に用いられる光学系の例を示す。
【0014】
図6】ムチン-水層のインデックス及び散乱マップを生成する方法の例を示す。
【0015】
図7】ムチン-水層のインデックス及び散乱マップを生成するための、変換された反射率プロファイルの比較の例を示す。
【0016】
図8A】ムチン-水層のインデックスマップを示す。
図8B】ムチン-水層の散乱マップを示す。
【0017】
図9】油層及び水層の2次元厚さマップの例、並びに、マップにおける関心領域の厚さヒストグラム、分布、及び平均値の例を示す。
【0018】
図10】動的厚さ測定の結果の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
前述の欠点に基づいて、本開示は、「フリンジ(干渉縞)」画像が、涙液層の油層及びムチン-水層の双方の厚さ情報を持っているという認識に部分的に基づく、改良された厚さ測定技術に関するものである。対照的に、カラーの干渉縞は油層にのみ影響を受けると従来は理解されており、したがって、カラーの干渉縞を解釈する際にはムチン-水層は無視されてきた。この認識に鑑み、本開示は、2Dカラー/マルチスペクトル干渉縞画像から油層及びムチン-水層の双方の厚さを決定するための方法を記載している。
【0020】
最初に、「干渉縞」画像とは、画像化された物体に入射した光ビームの反射光線の干渉に起因する画像である。特に、媒体を通過する入射光ビーム(波長λを有する)が他の層との境界に到達すると、その光ビームの一部は反射され、別の部分はその障壁(境界)を透過して屈折する。透過した部分が他の媒体の障壁に到達すると、それもまた部分的に透過/屈折し、部分的に反射する。その結果、異なる経路長を進んだ複数の光線が、障壁から離れた元の媒体を透過して戻ってくる。反射光線間の経路長の差がλ/2の奇数倍である場合、それらのビームは互いに位相がずれており、弱め合う干渉を生じる。また、経路長の差がλ/2の偶数倍である場合、それらのビームは互いに位相が合っており、強め合う干渉を生じる。この干渉によって「干渉縞」画像が形成され、それにより、弱め合う干渉の領域は暗い干渉縞を形成し、強め合う干渉の領域は明るい干渉縞を形成する。
【0021】
これらの原理を基礎として、入射光の既知の波長及び屈折率インデックスが与えられた場合に、反射光の測定された強度に基づいて、それぞれの媒体障壁によって反射される光線の経路長を決定するための理論的な数学モデルを開発することができる。複数の測定によって、複数の経路長(及び、それらの相対的な差)が構造物(例えば、涙液層)の各層の厚さに関連している場合について、複数の経路長を求めることができる。幾つかの実施形態では、複数の狭スペクトルバンドからの入射光からそれらの測定値を導出してもよい。そのような技術は、2019年1月21日に出願された「2D MULTI-LAYER THICKNESS MEASUREMENT(2次元多層厚測定)」と題する米国特許出願第16/252,818号に記載されており、それは参照により本明細書に援用される。
【0022】
ここで、スケール因子(スケーリングファクター)の導入によって水-ムチン境界が光学的に十分に定義されていないこと、及び、散乱効果が定量化されるように水-ムチン境界で光が反射及び散乱されることを考慮するように、上述の理論モデルを変形してもよい。更に、涙液層の厚さを測定するための実験は、生体における(in vivo)涙膜層の厚さ測定のための実際の測定信号の強度が、理論モデルによって予測されたものよりも弱く見えることが更に示されている。加えて、測定結果は、例えばデフォーカスや横方向アライメントなどの光学的アライメントに対して非常に敏感であり得る。したがって、追加的な解析技術もまた本明細書に記載されている。
【0023】
より詳細には、涙液層に入射する光ビームの透過、反射、及び屈折の改訂モデルの例が図2に示されている。入射ビームから生じる反射光線は、光線A~D及びD’として識別されている。Dは、明確に定義された水-ムチン層からの反射であり、D’は、明確に定義されていない水-ムチン層204からの反射である。前述の米国特許出願第16/252,818号における記載と同様に、涙液層の干渉縞画像の各ピクセルの強度は、次式に示すように各層の厚さに関連している。
【数1】
ここで、α(λ)~10-2であり、β(λ)、γ(λ)~10-3であり、SF(λ)は、明確に定義されていない水-ムチン層を考慮したスケール因子であり、nは、それぞれの層の屈折率であり、dは、それぞれの層の厚さである。式1は、マクスウェルの方程式に基づくものであるが、強度を表す異なる方程式を層厚について解くように、異なる方法でこの特定のモデルを導出してもよい。
【0024】
強度を表すために使用される当該式にかかわらず、実際に測定される強度は、光源からの光の所定の帯域(例えば、離散的な狭いバンド)における入射波長ごとの強度の合計であってもよい。λとλとの間の波長を有するバンドに対して測定が行われる例では、測定される強度を次式のように総括することができる。
【数2】
ここで、I(λ)は、特定の波長λにおける測定強度を表す式であり、Eoptics(λ)は、入射光及び反射光を通過させるために使用される光学系のスペクトル応答であり、Esensor(λ)は、反射光を検出する光センサのスペクトル応答、換言すると、撮像センサ及びシステムの特性である。他の実施形態では、光学系及び/又はセンサのスペクトル応答を必ずしも考慮することなく、各バンド内の波長にわたる和を用いて各バンドの強度を決定することができる(各バンドの強度は、層厚を求めるために用いることができる)。
【0025】
上述したように、既知の入射光の波長及び屈折率が与えられると、反射光の検出強度について油層及び水層のそれぞれの距離dlipid及びdaqueousを決定することができる。たった2つの未知の変数dlipid及びdaqueousを用いる本例では、理論的に、これらの変数について解くためには2回の独立した強度測定が必要とされる。もちろん、実際には、2回より多くの測定を行うことが可能である。更に、式1及び式2と同様の形式の方程式を生成することによって、より多くの層について解くことができる。そして、上述したように、離散的な狭いスペクトルバンド(λとλとの間)において、入射光の波長についての式1の強度I(λ)及び/又は式2の強度Imeasure(λ,λ)の測定を行ってもよい。式1及び式2のモデルを用いて、異なる層厚を有する涙液層についての
理論的な干渉縞画像強度及び反射情報を導出することができ、後述する実験的に測定された干渉縞画像及び反射情報と比較することが可能である。
【0026】
水層及び油層の厚さを決定するためのプロセスの概略を図3に示す。まず、干渉縞画像(及びその基礎となるデータ)を生成するために、例えば前述の米国特許出願第16/252,818号に記載されているような離散的な狭スペクトルバンドを用いて、涙液層が画像化される(300)。そのような照明の例が図4及び図5に示されている。特に、図4は、撮像に使用され得る例示的な離散的な狭スペクトルバンドと、対応する反射率とを示している。この例は、おおよそ次のような5つのバンドを含んでいる:1)425~475nm、2)500~550nm、3)650~700nm、4)750~800nm、及び、5)950~1000nm。他の例によれば、各バンドは、400nm、500nm、600nm、700nm、及び800nmを中心としていてもよい。他の非限定的な例によれば、離散的な狭スペクトルバンドは、5nm~100nmの間の幅を有していてよく、例えば約40nmの幅であってよい。もちろん、5つを超える又は5つ未満の個数のバンドを用いてもよく、それらのバンドは異なる波長及び幅を有していてよい。
【0027】
図5は、物体の撮像に使用される光学系を示す。同図に示すように、入射光は、目の湾曲を考慮して、その入射点において垂直になるように、異なるレンズ(ガラス)502、504によって涙液層500上に集光される。
【0028】
撮像に続いて、撮像データに対する自動スクリーニング処理(自動データ選択処理)302を任意的に実行してもよい。このような処理は、更なる処理のために「良好」と判断されるデータを維持することを意図したものである。これは、例えば、涙液層を撮像する際に、一部の画像の品質が劣化して層厚の再構成/決定に使用できない場合があるからである。例えば、その画像が、焦点の合っていない画像である場合や、他の理由でぼけている場合に、このような事態が生じ得る。自動スクリーニング処理は、これらの画像/データを識別し、特定の品質閾値を満たす画像/データを選択する。一例では、自動スクリーニング処理は、各画像のぼけ値(blur score)を生成してもよい。ぼけ値は、測定信頼性の指標を構築するために更に使用されてもよい。例えば、関連する測定領域内の画像の大部分が低いぼけ値を有する場合(又は、関連する測定領域内の画像の大部分が高品質であると他の方法によって確認された場合)、それらの画像から得られる厚さ測定値は、高い測定信頼性指標を与えられ得る。
【0029】
スクリーニングに続いて、撮像システムのスペクトル応答のキャリブレーションに基づいて生干渉縞画像強度データを反射率情報304に変換することができる。キャリブレーションは、検出された全ての波長について、測定システムのスペクトル応答を等しくする。換言すると、キャリブレーションは、全ての撮像波長λについて、Eoptics(λ)Esensor(λ)(式2を参照)を等しくする。このようにして、測定された強度に対するスペクトル応答の影響を、実際の反射率情報から離れて、測定された強度Imeasuredについて説明し、それから分離することができる。このキャリブレーションは、例えば、システムによるキャリブレーション対象(例えば、涙液層と同等の曲率を有するBk7ガラス)からの測定強度に基づいて実施されてもよい。続いて、以下のように、眼からの測定強度を正規化するためにキャリブレーションからの測定強度を使用することができる。
【数3】
ここで、Reye(λ)は、波長λにおける眼からの反射率であり、RBk7(λ)は、Bk7ガラス(又は他のキャリブレーション対象)からの理論的な反射率であり、Ieye(λ)は、センサによる眼からの測定強度であり、IBk7(λ)は、センサによるBk7ガラス(又は他のキャリブレーション対象)からの測定強度である。
【0030】
一つの例において、変換304は、まず、上述したようなキャリブレーション及び強度の正規化による反射率演算を含み、次いで、反射率演算を3次多項式にフィッティングすることによって反射率演算から直流(DC)成分を減算する。これにより、(撮像に使用される狭いバンドだけでなく)広いスペクトルにわたって涙液層からの反射率信号の変動情報を抽出することが可能になる。
【0031】
続いて、変換されたデータの周波数解析(例えば、フーリエ変換及び/又はハーモニック(高調波)周波数変調)によって涙液層の全層厚が求められる(306)。周波数解析によってムチン-水層の境界特性を求めることもできる(306)。周波数解析は、フーリエ変換に続くハン窓の適用を含んでいてもよい。変換信号のピークにおける周波数に基づいて、厚さを決定することができる。例えば、変換された信号と厚さとの関係は、次式のように表現することができる。
【数4】
ここで、fpeakは、ドメインからの信号のフーリエ変換のピーク周波数である。そして、式3からnlipidlipid+naqueousaqueous=πfpeakとなるため、フーリエ変換のピーク周波数から、涙液層の全層の光学的厚さnlipidlipid+naqueousaqueousを算出することができる。
【0032】
他の実施形態では、ハーモニック周波数変調技術を変換データに適用してもよい。例示的なハーモニック周波数変調技術は、2020年3月25日に出願された「METHOD AND APPARATUS FOR MEASURING TEAR FILM THICKNESS USING OPTICAL INTERFERENCE(光干渉を用いて涙液層の厚さを測定する方法及び装置)」と題する米国特許出願第16/829,673号において提供されており、それは参照により本明細書に援用される。一つの実施例では、全層厚は、反射率情報の周波数スペクトルの第2のピークの振幅に基づいている。
【0033】
最後に、水層の厚さは、涙液層の全層厚から求めることができ(308)、油層の厚さは、モデル化された/既知の涙液層の厚さプロファイルに基づく反射率プロファイルの理論モデルに反射率情報を照合/比較することによって求めることができる(310)。油層は水層に比べて比較的薄いため、水層の厚さは涙液層の全層厚に等しいと仮定することができる。例えば、式3を参照すると、油層の厚さdlipidは、水層の厚さdaqueousに比べて非常に小さいため、涙液層の全層の光学的厚さは水層の光学的厚さと考えることができる。
【数5】
【数6】
【0034】
水層の厚さに基づいて、ルックアップテーブル又はカーブフィッティング技術を適用して、実験的に得られた反射率プロファイルに対応する油層の厚さを決定することができる(310)。2次元領域内の位置において求められた厚さを用いて、各層(及び/又は、涙液層全体)の厚さマップをその領域について生成することができる。油層及び水層についての例示的な厚さマップを図9に示す。
【0035】
上記の方法を実行する際には、ナイキストの定理に基づき、検出された反射光のスペクトルバンドの個数と、入射光/反射光の波長範囲とによって、最大厚さの測定が制限されることに留意する必要がある。
【数7】
ここで、λ及びλは、スペクトルバンドの開始波長及び終了波長であり、dmaxは薄膜の最大厚さである。同様に、最小厚さの測定は、潜在的に全スペクトルバンド幅によって制限される。
【数8】
ここで、Cは、スペクトル形状に関係する定数であり、λは、スペクトルの中心波長であり、Δλは、全スペクトルバンド幅である。しかしながら、例えば前述の米国特許出願第16/829,673号に記載されているようなハーモニック周波数変調技術を用いることにより、dminを更に低減することが可能である。
【0036】
涙液層の厚さ測定のために本明細書に記載された方法の特定の用途(ここで、油層は0~200nmであり、水層は0~10μmである)について、全スペクトルバンド幅及びサンプリング分解能は、好ましくは次式によって制限される。
【数9】
ここで、n及びnは、それぞれ油層及び水層の屈折率であり、d及びdは、それぞれ油層及び水層の厚さである。更に、サンプリング点は、好ましくは、干渉信号のピーク及び谷に配置される。
【0037】
例として、油層の厚さをd=200nm、水層の厚さをd=5μm、油層、水層、及びムチン層の屈折率をそれぞれn=1.5、n=1.334、及びn=1.376、並びに、広帯域光源の波長を460nm~640nmとする。油層及び水層の厚さの合計を再構成するためには、スペクトルバンドの個数は、少なくとも16個であることが好ましく、それら16個のスペクトルバンドは、460nm~640nmの合計スペクトル範囲内において実質的に均等に分布していることがより好ましい。そして、検出可能な最小の厚さは、フーリエ変換に基づく簡単な解析から~1μmであろう。
【0038】
上記に加えて、ムチン-水境界は、散乱を考慮し、且つ、明確に定義されていない光学境界のスケール因子を適用するために定量化されてもよい。この定量化は、ムチン-水層のインデックスマップ及び散乱マップを用いて行うことができる。ここで、ムチン-水インデックスマップは、理論的反射率及び実験反射率のフーリエ変換の振幅の比及び/又は差に基づくものであり、ムチン-水散乱マップは、理論的反射率及び実験反射率のフーリエ変換の半値全幅(FWHM)又は半値半幅(HWHM)の比及び/又は差に基づくものである。結果として得られるムチン-水層のインデックス(指数)は、上述のスケール因子であってよく、又は、スケール因子を生成するために使用されてもよい。
【0039】
これらのマップを得るための例示的な方法を図6に示す。同図に示す方法によれば、油層及び水層の厚さマップの生成(600)の後に、理論的な反射率プロファイルを求め(602)、次いで、3次多項式フィッティング(604)を行ってそのDC成分を取得する。続いて、このDC成分を反射率プロファイルから減算し(606)、この減算の結果にフーリエ変換を適用する(608)。最後に、理論的に決定された反射率プロファイルと実験的に決定された反射率プロファイルとの振幅並びにFWHM値及び/又はHWHM値の比較を行う(610)。この比較の結果から、水層のインデックスマップ及び散乱マップを生成することができる。
【0040】
この概念について更に図7に示す。同図において、理論的曲線(理論的な反射率信号のフーリエ変換)及び実験的曲線(実験的に得られた反射率信号のフーリエ変換)の第2ピークの位置(周波数)は、全厚情報を含んでいる。ムチン-水のインデックスマップは、このピークにおける対応する振幅AtheoとAexpとの間の比及び/又は差に基づいて生成され、ムチン-水の散乱マップは、半値全幅HWHMtheoとHWHMexp(又は、FWHM)の間の比及び/又は差に基づいて生成される。理論的反射率と実験的反射率との間の比に基づく例示的なマップが、図8A及び図8Bに示されている。図8A及び8Bに示すこれらのマップは、関心領域における涙液層の各位置について得られた値を集合的に表現するために2次元で示されている。ここで、図7に示すスペクトルは、個々の位置を代表するものである。図8A及び8Bのマップは、カラーで提示されてもよい。
【0041】
これらのムチン-水層のインデックスマップ及び散乱マップは、検出された反射率に層厚を関連付けるために使用される理論的なルックアップテーブルを修正するために使用することができる。この修正されたルックアップテーブルは、厚さ再構成の正確度を向上させることができる。所望の正確度が達成されるまでこのプロセスを繰り返し実行することができる。
【0042】
更に、ムチン-水のインデックス及び散乱マップは、ムチン層の粗さを示し、これは臨床医が涙液層の健康状態を評価するために利用することができる。散乱マップはまた、角膜上皮の表面上の微絨毛の構造を表すことができ、ドライアイ症候群または他の眼の炎症を示すことができる。
【0043】
動的測定(例えば、リアルタイム測定)もまた、本開示の範囲内で行われてもよい。動的測定では、層厚及びムチン-水境界特性がリアルタイムで決定されてもよい。更に、これらの特性の量は、動的に(リアルタイムで)決定され、解析されてもよい(例えば、決定された厚さの変化率)。本明細書で使用されているように、「リアルタイム」は、物体の撮像中に行われることを意味すると理解され、好ましくは限定された遅延のみを伴い又は意図的な遅延を伴わず、上述の方法を実行することは実用上幾らかの処理時間を有することを認識している。
【0044】
図9及び図10は、本明細書の記載に従った涙液層のための例示的な厚さ測定結果を示す。特に、図9は、油層及び水層の2次元厚さマップ、並びに、各層の2次元マップ上の枠で識別された領域における厚さのヒストグラム、分布、及び平均値を示す。これらの結果は、生体について画像化されたヒト被検者の涙液層から得られたものである。同図に示されるように、厚さマップ内の関心領域の油層の平均厚さは37nmであり、同じ関心領域の水層の平均厚さは2.81μmである。白黒で示されているが、これらのマップはカラーで生成されてもよい。
【0045】
図10は、動的な厚さ測定中に得られた結果を示す。すなわち、涙液層の特定の位置についてのリアルタイムの厚さ測定である。図10の画像は、測定中の或る時点で得られた涙液層の強度画像であり、その測定位置は画像の枠で囲まれた領域で示されている。その位置で測定された油層及び水層の厚さは時間に関するグラフとして表されており、油層の平均厚さの測定値35nmと、水層の平均厚さの測定値2.52μmとを示している。
【0046】
上述の手法を実行するためのシステムもまた、本開示の範囲内において考えられる。そのようなシステムはコンピュータを含み、このコンピュータは、当該手法を実行するための1つ以上のプロセッサ(例えば、集積回路、ディスクリート回路構成など)、記憶装置(例えば、ハードディスク、メモリ、RAMなど)、及び、入出力インタフェース(例えば、ディスプレイ、キーボード、マウスなど)を有する。当該手法の実行は、記載された機能(例えば、フィルタリング)を実行することが可能な離散的な構成要素の配置によって、及び/又は、非一時的なコンピュータ読み取り可能な媒体に格納された命令として具現化されたソフトウェアによって実現され得る。記憶装置は、コンピュータとともにローカルに設置されてもよいし、及び/又は、例えば集中データベースのようにリモートに配置されてもよい。また、記憶装置は、画像及びボリュームデータセット、解析結果、シャドウ低減法を実行するためのソフトウェアなどを記憶するために使用されてもよい。また、システムは、画像をキャプチャするために使用されるシステムと統合されていてもよいし、分離されていてもよい。例えば、コンピュータは、OCTシステムを制御するために使用されるコンピュータと同じであってもよい。更に、本明細書に記載された方法の干渉縞画像は、そのようなOCT撮像システム(又は、同様の干渉撮像システム)を用いて取得されてもよい。
【0047】
上記した事項を考慮すると、単独で、又は上記態様のいずれかとの組み合わせにおいて、薄膜層厚測定は、周波数解析と理論モデル技術との組み合わせに基づくものであってよい。ここで、周波数解析は、薄膜構造体における比較的(相対的に)厚い層の厚さを決定するために使用することができ、理論モデル解析は、構造体の比較的(相対的に)薄い層の厚さを決定するために使用することができる。単独で、又は上記態様のいずれかとの組み合わせにおいて、これらの層は、構造体が涙液層である場合における水層及び油層に対応していてよい。単独で、又は上記態様のいずれかとの組み合わせにおいて、周波数解析は、フーリエ変換及び反射ハーモニック周波数変調を含んでもよい。ここで、ハーモニック周波数変調は、比較的(相対的に)厚い層の測定可能な最小厚さを更に小さくすることができる。単独で、又は上記態様のいずれかとの組み合わせにおいて、ぼけ検出は、データスクリーニングのために使用することができ、また、測定信頼性の潜在的な指標として役立てることができる。
【0048】
更に、単独で、又は上記態様のいずれかとの組み合わせにおいて、涙液層測定のために、2次元のムチン-水層インデックスマップ及びムチン-水層散乱マップにおいて、ムチン-水層の特性を特徴付けることができる。単独で、又は上記態様のいずれかとの組み合わせにおいて、ヒストグラムは、例えば、ヒストグラムに基づくガウシアンフィッティング又は二重ガウスフィッティング(double Gaussian fitting)が涙液層の厚さを定量化できるように、厚さ測定を表すために使用されてもよい。単独で、又は上記態様のいずれかとの組み合わせにおいて、インデックスマップ及び散乱マップを生成する際に、理論的反射率及び実験的反射率を関連付けるために、比、差(減算)、及び他の数学的関係が使用されてもよい。
【0049】
更に、単独で、又は上記態様のいずれかとの組み合わせにおいて、涙液層の厚さ(例えば、油層、水層、及びムチン-水層境界特性)の動的測定(例えば、リアルタイム)は、1次元又は2次元のいずれかで行われてもよい。単独で、又は上記態様のいずれかとの組み合わせにおいて、特性の動的変化を定量化してもよく、例えば、油層、水層、及びムチン-水層境界特性の変化率を定量化してもよい。単独で、又は上記態様のいずれかとの組み合わせにおいて、追加的に、或る期間における測定値の比較を行ってもよく、例えば、治療前及び治療後、並びに治療中の異なる時点における効果及び変化を求めるために、治療(例えば、目薬)のフォローアップ測定及びモニタリングを介して比較を行うことができる。
【0050】
様々な特徴が上記に示されているが、特徴は単独で又はそれらの任意の組み合わせとして使用され得ると理解されるべきである。更に、クレームされた例が属する技術分野の通常の知識を有する者(当業者)にとって変形や変更を施し得ることが理解されるべきである。同様に、上記開示は、主に眼の涙液層のイメージングに関するものであるが、本開示は、他の任意の多層構造の層厚のイメージング及び決定にも適用され得る。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9
図10