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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-20
(45)【発行日】2024-10-01
(54)【発明の名称】エレベータシステム
(51)【国際特許分類】
   B66B 1/18 20060101AFI20240924BHJP
【FI】
B66B1/18 G
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2023193019
(22)【出願日】2023-11-13
【審査請求日】2023-11-13
(73)【特許権者】
【識別番号】390025265
【氏名又は名称】東芝エレベータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】木村 紗由美
(72)【発明者】
【氏名】和田 勇也
【審査官】八板 直人
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-169150(JP,A)
【文献】特開2020-019649(JP,A)
【文献】特開平06-080319(JP,A)
【文献】特許第7309978(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 1/00-20/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗りかご内に設置されたカメラと、
前記乗りかごが呼びに応答した階の乗場で、前記カメラの画像に基づいて、特定利用者の積み残しを検知する検知手段と、
前記検知手段によって前記特定利用者の積み残しが検知された場合、前記乗りかごが反転したときのタイミングで専用運転に切り替えて、前記乗りかごを前記特定利用者の積み残し階に直行させる運転制御手段と
前記特定利用者の積み残しが検知された場合に、前記乗りかごに登録済みの呼びの情報に基づいて、前記乗りかごを含む複数台の乗りかごの中から前記専用運転の対象かごを選出する選出手段と
を具備し、
前記運転制御手段は、前記専用運転の対象かごとして選出された乗りかごを前記特定利用者の積み残し階に直行させる
エレベータシステム。
【請求項2】
前記検知手段は、
前記カメラから前記乗りかごが戸閉を開始したときの画像を取得し、前記画像から前記乗場に積み残された前記特定利用者を検知する
請求項1に記載のエレベータシステム。
【請求項3】
前記選出手段は、
前記乗りかごに登録済みの呼びの数が予め設定された閾値以下であった場合に、前記乗りかごを前記専用運転の対象かごとして選出する
請求項に記載のエレベータシステム。
【請求項4】
前記選出手段は、
前記乗りかごに登録済みの呼びの数が前記閾値より多かった場合に、前記乗りかごを除き、前記複数台の乗りかごの中から反転時に最も早く前記特定利用者の積み残し階に直行可能な乗りかごを前記専用運転の対象かごとして選出する
請求項に記載のエレベータシステム。
【請求項5】
前記選出手段は、
前記乗りかごを含む複数台の乗りかごの中から反転時に最も早く前記特定利用者の積み残し階に直行可能な乗りかごを前記専用運転の対象かごとして選出する
請求項に記載のエレベータシステム。
【請求項6】
前記運転制御手段は、
前記専用運転の対象かごとして選出された乗りかごが前記特定利用者の積み残し階に向かっている間に、他の特定利用者の積み残しが検知された場合、当該乗りかごを向かわせる階に前記他の特定利用者の積み残し階を含める
請求項に記載のエレベータシステム。
【請求項7】
前記選出手段は、
前記専用運転の対象かごとして選出された乗りかごが反転する階で、当該乗りかごに他の特定利用者が乗車した場合、当該乗りかごの前記専用運転を解除し、他の乗りかごを前記専用運転の対象かごとして選出し直す
請求項に記載のエレベータシステム。
【請求項8】
前記運転制御手段は、
前記乗りかごが前記特定利用者の積み残し階に到着したとき、前記乗りかごの前記専用運転を解除する
請求項1に記載のエレベータシステム。
【請求項9】
前記運転制御手段は、
前記乗りかごが前記特定利用者の積み残し階に到着後、前記特定利用者が前記乗りかごに乗車したときに、前記乗りかごの前記専用運転を解除する
請求項1に記載のエレベータシステム。
【請求項10】
前記運転制御手段は、
前記乗りかごが前記特定利用者の積み残し階に到着後、前記特定利用者が前記乗りかごに乗車するまで、前記乗りかごを出発させない
請求項1に記載のエレベータシステム。
【請求項11】
前記運転制御手段は、
前記専用運転に切り替えたとき、前記乗りかご内に設置された行先階ボタンの操作をロックする
請求項1に記載のエレベータシステム。
【請求項12】
前記専用運転に切り替えたとき、前記特定利用者を対象とした前記専用運転に切り替わる旨のアナウンスを行う通知手段を具備する
請求項1に記載のエレベータシステム。
【請求項13】
前記専用運転に切り替えたとき、前記特定利用者以外の利用者が乗車した場合、前記特定利用者以外の利用者に降車を促す旨のアナウンスを行う通知手段を具備する
請求項1に記載のエレベータシステム。
【請求項14】
前記運転制御手段は、
前記専用運転に切り替えたとき前記特定利用者以外の利用者が乗車した場合、前記特定利用者以外の利用者が降車するまでの間、前記乗りかごを出発させない
請求項1に記載のエレベータシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、エレベータシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
商業施設等では、多くの人がエレベータを利用するため、車椅子、ベビーカー、カート等の利用者(以下、特定利用者と表記)が乗りかごに乗車できないことがある。このような場合、一般の利用者であれば、階段やエスカレータを使用して目的の階へ移動することができるが、特定利用者は、次に来る乗りかごを待たなければならない。さらに、次に来る乗りかごの混雑状況によっては再び乗車できないこともある。
【0003】
このような状況に鑑みて、従来、各階の乗場に特定利用者を検出する機構を設けておき、特定利用者を検出したときに、乗りかごに乗車していたすべての利用者がそれぞれの行先階で降車した後に、当該乗りかごを専用運転に切り替えて、特定利用者の検出階に向かわせるシステムが考えられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2010-173825号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記システムは、各階の乗場に特定利用者を検出する機構を設置しておく必要があり、乗場設備が大がかりとなり、例えば階床数が多い高層ビルなどには適用しづらい。また、各階の乗場で特定利用者が検出される度に、乗りかごが専用運転(乗りかごを空状態にして特定利用者の検出階へ直行運転)に切り替わるため、運行効率が著しく低下する。
【0006】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、乗りかごに乗車できなかった特定利用者を簡易に検出し、効率的に運ぶことのできるエレベータシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態に係るエレベータシステムは、カメラと、検知手段と、運転制御手段と、選出手段とを具備する。前記カメラは、乗りかご内に設置される。前記検知手段は、前記乗りかごが呼びに応答した階の乗場で、前記カメラの画像に基づいて、特定利用者の積み残しを検知する。前記運転制御手段は、前記検知手段によって前記特定利用者の積み残しが検知された場合、前記乗りかごが反転したときのタイミングで専用運転に切り替えて、前記乗りかごを前記特定利用者の積み残し階に直行させる。前記選出手段は、前記特定利用者の積み残しが検知された場合に、前記乗りかごに登録済みの呼びの情報に基づいて、前記乗りかごを含む複数台の乗りかごの中から前記専用運転の対象かごを選出する。前記運転制御手段は、前記専用運転の対象かごとして選出された乗りかごを前記特定利用者の積み残し階に直行させる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、第1実施形態に係るエレベータシステムの概要構成例を示す図である。
図2図2は、第1実施形態に係る乗りかご内の出入口周辺部分の構成例を示す図である。
図3図3は、第1実施形態に係るカメラの撮影画像の一例を示す図である。
図4図4は、第1実施形態に係るエレベータシステムの概要を説明するための図である。
図5図5は、第1実施形態に係るエレベータシステムの概要を説明するための図である。
図6図6は、第1実施形態に係るエレベータシステムの処理の流れを示すフローチャートである。
図7図7は、第2実施形態に係るエレベータシステム全体の概略構成図である。
図8図8は、第2実施形態に係るエレベータシステムの機能構成の一例を示す図である。
図9図9は、第2実施形態に係る検知エリアの一例を示す図である。
図10図10は、第2実施形態に係るエレベータシステムの概要を説明するための図である。
図11図11は、第2実施形態に係るエレベータシステムの概要を説明するための図である。
図12図12は、第2実施形態に係るエレベータシステムの概要を説明するための図である。
図13図13は、第2実施形態に係るエレベータシステムの概要を説明するための図である。
図14図14は、第2実施形態に係るエレベータシステムの処理の流れを示すフローチャートである。
図15図15は、第2実施形態に係るエレベータシステムの処理の流れを示すフローチャートである。
図16図16は、第2実施形態の変形例に係るエレベータシステムの概要を説明するための図である。
図17図17は、第2実施形態の変形例に係るエレベータシステムの概要を説明するための図である。
図18図18は、第2実施形態の変形例に係るエレベータシステムの概要を説明するための図である。
図19図19は、第2実施形態の変形例に係るエレベータシステムの処理の流れを示すフローチャートである。
図20図20は、第2実施形態の変形例に係るエレベータシステムの処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、各実施形態について説明する。
なお、開示はあくまで一例にすぎず、以下の実施形態に記載した内容により発明が限定されるものではない。当業者が容易に相当し得る変形は、当然に開示の範囲に含まれる。説明をより明確にするため、図面において、各部分のサイズ、形状等を実際の実施形態に対して変更して模式的に表す場合もある。複数の図面において、対応する要素には同じ参照数字を付して、詳細な説明を省略する場合もある。
【0010】
(第1実施形態)
まず、本実施形態の第1実施形態について説明する。図1は、第1実施形態に係るエレベータシステムの概要構成例を示す図である。
【0011】
乗りかご11の出入口上部にカメラ12が設置されている。具体的には、カメラ12は、乗りかご11の出入口上部を覆う幕板16の中に、レンズ部分を直下方向、もしくは、乗場15側に所定の角度だけ傾けて設置される。
【0012】
カメラ12は、例えば車載カメラ等の小型の監視カメラであり、広角レンズ又は魚眼レンズを有し、乗場15の所定の範囲L1を撮影する。カメラ12は、1秒間に数コマ(例えば30コマ/秒)の画像を連続的に撮影可能である。
【0013】
乗りかご11の室内には、行先階ボタン、戸開ボタン、戸閉ボタンなどを含む各種操作ボタンを有するかご操作盤45が設置されている。これらのボタンの信号は、制御装置20に伝送される。
【0014】
各階の乗場15において、乗りかご11の到着口には乗場ドア14が開閉自在に設置されている。乗場ドア14は、乗りかご11の到着時にかごドア13に係合して開閉動作する。なお、動力源(ドアモータ)は乗りかご11側にあり、乗場ドア14はかごドア13に追従して開閉するだけである。以下の説明においては、かごドア13を戸開している時には乗場ドア14も戸開しており、かごドア13が戸閉しているときには乗場ドア14も戸閉しているものとする。また、かごドア13及び乗場ドア14は、2枚戸両開きのドアであることを想定するが、これに限定されず、かごドア13及び乗場ドア14は、他のタイプのドア(例えば、2枚戸片開きのドア等)であっても構わない。
【0015】
各階の乗場15には、乗場呼びボタン17が設置されている。乗場呼びボタン17は、上方向ボタン17-1と下方向ボタン17-2からなり、利用者の行先方向(上方向/下方向)に応じて、上方向ボタン17-1または下方向ボタン17-2を押下するように構成されている。これらのボタン17-1、17-2の信号は、制御装置20に伝送される。
【0016】
制御装置20は、乗りかご11を含むエレベータ全体を制御しており、記憶部21、検知部22、及び運転制御部23を備える。
記憶部21には、カメラ12によって撮影された画像が逐次保持される。なお、記憶部21には、撮影画像に対する前処理として、ゆがみ補正や拡大縮小、一部切り取り等の処理が施された画像が保存されるとしても良い。
【0017】
また、記憶部21には、利用者の乗場呼びやかご呼びの情報を管理する呼び管理テーブル211が記憶されている。「乗場呼び」とは、各階の乗場15に設置された乗場呼びボタン17の操作により登録される呼びの信号のことであり、登録階(当該乗場呼びが登録された階)と行先方向(上方向または下方向)の情報を含む。また、「かご呼び」とは、乗りかご11内に設けられたかご操作盤45上の行先階ボタンの操作により登録される呼びの信号のことであり、行先階の情報を含む。
【0018】
検知部22は、乗りかご11が乗場呼びに応答した階の乗場15において、特定利用者の積み残しを検知する。本実施形態において、「特定利用者」とは、階段やエスカレータを使用して他の階への移動が困難な利用者を示す。つまり、例えば車椅子利用者、ベビーカーやカートを使用している利用者など、他の階への移動にエレベータの使用が必要な利用者のことである。
【0019】
検知部22は、乗りかご11が任意の階の乗場呼びに応答して出発する際に、乗りかご11内に設置されたカメラ12の撮影画像を用いて、上述した特定利用者が乗りかご11に乗車できずに乗場15に残されてしまう状態(積み残し)を検知する。具体的には、検知部22は、乗りかご11が戸閉を開始したときの画像を記憶部21から取得し、その画像を解析処理することにより、乗場15の検知エリアE(図3参照)に存在する特定利用者を検知する。
【0020】
このときの検知方法として、予め定められた特定利用者のパターン画像(テンプレート画像)と検知エリアE内の利用者の画像との類似度から特定利用者を検知する方法(パターンマッチング法)がある。また、別の方法として、検知エリアE内の利用者の画像の特徴量を抽出し、その利用者の特徴量と予め特定利用者として学習された特徴量との一致性に基づいて特定利用者を検知する方法(特徴量抽出法)などもある。検知部22は、特定利用者の積み残し(戸閉を開始したときに検知エリアEに存在する特定利用者)を検知した階を「積み残し階」として記憶部21に記憶(設定)する。
【0021】
運転制御部23は、呼び管理テーブル211に記憶された呼び(かご呼びおよび乗場呼び)に基づいて、乗りかご11の運転を制御し、検知部22によって特定利用者の積み残しが検知された場合には、乗りかご11が反転したときのタイミングで専用運転に切り替えて、乗りかご11を積み残し階に直行させる。
【0022】
「乗りかご11が反転したときのタイミング」とは、乗りかご11が一方向の運転で現在登録済みのかご呼びのすべてに応答し、かつ、現在位置よりも先の階で乗場呼びが登録されていないときである。「専用運転」とは、特定利用者を乗車させるための運転のことである。このとき、乗りかご11は空の状態(無人)である。
なお、図示していないが、制御装置20には、かごドア13の開閉を制御する戸開閉制御部などが備えられている。
【0023】
図2は、第1実施形態に係る乗りかご11内の出入口周辺部分の構成例を示す図である。
乗りかご11の出入口にかごドア13が開閉自在に設けられている。図2の例では2枚戸両開きタイプのかごドア13が示されており、かごドア13を構成する2枚のドアパネル13a,13bが間口方向(水平方向)に沿って互いに逆方向に開閉動作する。なお、「間口」とは、乗りかご11の出入口と同じである。
【0024】
正面柱41a,41bの一方あるいは両方に表示器43や、行先階ボタン44などが配設されたかご操作盤45、スピーカ46が設置されている。図2の例では、正面柱41aにスピーカ46、正面柱41bに表示器43、かご操作盤45が設置されている。
【0025】
ここで、乗りかご11の出入口上部の幕板16の中央部に、魚眼レンズ等の広角レンズを有するカメラ12が設置されている。カメラ12は、乗りかご11の出入口付近の乗場15を含む所定の範囲L1(図1参照)を撮影できるように、幕板16の下部から下方向に向けて設置される。
【0026】
図3は、カメラ12の撮影画像の一例を示す図である。図3は、かごドア13(ドアパネル13a、13b)と乗場ドア14(ドアパネル14a、14b)とが全開した状態で、乗りかご11の出入口上部から下方向に撮影した場合を示している。図3において、上側は乗場15、下側は乗りかご11内を示している。
【0027】
ここで、画像上の乗場15の出入口付近の床面に検知エリアEが設定されている。検知エリアEは、図3に斜線で示すように、三方枠19a,19bの死角を除いて設定される。実空間において、検知エリアEは、出入口(間口)の中心から乗場方向に向かってL2の距離を有する(L2≦乗場側の撮影範囲L1)。検知エリアEの横幅W1は、出入口(間口)の横幅W0以上の距離に設定される。検知エリアEの距離L2や横幅W1は、乗場15の広さや間口の長さ等を考慮した値に設定される。このように検知エリアEを設定しておくことで、単に乗場15を通過しただけの利用者を除き、乗場15で乗りかご11を待っている利用者(特定利用者を含む)だけを検知できる。なお、検知エリアEの横方向(X軸方向)のサイズがかごドア13の開閉動作に合わせて変更される構成としても良い。
【0028】
次に、図4及び図5の具体例を参照して第1実施形態に係るエレベータシステムの概要を説明する。図中の1は特定利用者を示し、図中のU1、U2は一般の利用者を示す。「一般の利用者」とは、特定利用者以外の利用者、つまり、車椅子やカート等を使用していない利用者のことである。また、図中の矢印は乗りかご11の移動方向を示す。
【0029】
図4では、特定利用者1が5Fの乗場15-1で上方向ボタン17-1を押下したが、乗りかご11内に多数の利用者U1が乗車しているために乗車できず、5Fの乗場15-1に積み残された場合を想定している。特定利用者1は、各階への移動手段がエレベータに限られているため、次の乗りかご11を待たなければならない。さらに、次の乗りかご11内の混雑状況によっては再び乗車できないこともある。
【0030】
このような事態を避けるため、本実施形態では、カメラ12の画像を用いて、特定利用者1の積み残しを検知し、乗りかご11が反転したときのタイミングで専用運転に切り替えて、乗りかご11を積み残し階に直行させる。
【0031】
図4の例では、乗りかご11は、5Fの乗場15-1に特定利用者1を積み残した状態で出発し、かご呼びとして登録された行先階で利用者U1を降ろしながら、上方向に移動する。なお、5Fより上の階で乗場呼びが登録されていれば、乗りかご11は、その乗場呼びの登録階で停止し、新たな利用者を乗せて出発することになる。このときの新たな利用者とは、一般の利用者の場合もあれば、特定利用者の場合もある。
ここでは説明を簡単するため、乗りかご11に乗車していたすべての利用者U1が降車するまでの間、新たな利用者は乗車してこなかったものとする。
【0032】
図5に示すように、例えば8Fにおいて、乗りかご11内に乗車していた利用者U1が降車した時点で、乗りかご11が空状態になったとする(つまり、未応答のかご呼びがなくなった状態)。このとき、8Fよりも上方向の階で乗場呼びが登録されていない場合に、乗りかご11の運転方向が下方向に反転する。この反転したときのタイミングで、乗りかご11が専用運転に切り替わる。専用運転に切り替わると、例えば7Fにおいて、他の利用者U2が下方向ボタン17-2を押下した場合であっても、当該乗場呼びボタン17-2によって登録された乗場呼びには応答せず、空の状態を維持して、特定利用者1がいる積み残し階(ここでは、5F)に直行する。これにより、乗りかご11は空の状態で特定利用者1を迎えにいくことができ、積み残し階に到着したときに、特定利用者1は乗りかご11にスムーズに乗車することができる。
【0033】
なお、図5に示すように、積み残し階である5Fにおいて、上方向ボタン17-1の操作によって登録された乗場呼びは、特定利用者の積み残しが検知されてから乗りかご11が直行運転で再度5Fに来るまでの間、保持されている。また、乗場呼びが登録されていることを示す上方向ボタン17-1も点灯状態も続いている。したがって、特定利用者1は、上方向ボタン17-1を再度押下して乗場呼びを登録する必要はない。
【0034】
次に、図6のフローチャートを参照して、第1実施形態に係るエレベータシステムの処理の流れを説明する。
乗りかご11が任意の階で登録された乗場呼びに応答し、当該階の乗場15に到着すると(ステップS11のYES)、制御装置20は、乗りかご11を戸開して、乗場15で待っていた利用者を乗車させる(ステップS12)。予め設定された時間が経過すると(ステップS13のYES)、制御装置20は、乗りかご11を戸閉する(ステップS14)。
【0035】
ここで、乗りかご11が戸開してから戸閉するまでの間、乗りかご11内のカメラ12によって、乗りかご11の出入口付近の乗場15が撮影されており、その撮影画像が制御装置20に備えられた記憶部21に時系列順に記憶されている。
【0036】
検知部22は、戸閉が開始されたときのカメラ12の画像を記憶部21から取得し(ステップS15)、当該画像を用いて積み残し検知処理を実行する(ステップS16)。
【0037】
「積み残し検知処理」とは、乗りかご11に乗車できなかった利用者、つまり、乗場15に積み残された利用者を検知する処理のことである。本実施形態では、特定利用者を対象として積み残し検知処理が実行される。具体的には、戸閉が開始された直後の画像を解析処理し、上述したパターンマッチング法や特徴量抽出法などを用いて、乗場15に設定された検知エリアE(図3参照)に存在する特定利用者を検知する。
【0038】
なお、ここでは戸閉が開始された直後の画像を用いて積み残し検知処理を行うとしたが、戸閉が開始されてから全戸閉するまでの間、あるいは、戸開が開始されてから全戸閉するまでの間に得られた複数の画像を用いて積み残し検知処理を継続的に行う構成としても良い。
【0039】
積み残し検知処理によって、特定利用者の積み残しが検知された場合(ステップS17のYES)、検知部22は、現在の階を積み残し階として設定する(ステップS18)。運転制御部23は、乗りかご11の戸閉後、上記ステップS11で乗場呼びに応答したときの運転方向に出発させ(ステップS19)、呼び管理テーブル211に現在登録済みのかご呼びおよび乗場呼びの情報に基づいて乗りかご11の運転を制御し、各階で利用者を降車あるいは乗車させる(ステップS20)。
【0040】
例えば、図4に示したように、乗りかご11が上方向に運転中に5Fの乗場呼びに応答した場合には、戸閉後に上方向に出発し、かご呼びとして登録された行先階で利用者を降車させ、乗場呼びの登録階で利用者を乗車させながら、上方向に移動する。
【0041】
ここで、乗りかご11が運転方向を反転するときのタイミングで(ステップS21のYES)、運転制御部23は、乗りかご11を専用運転に切り替える(ステップS22)。図5の例では、8Fですべての呼びの応答を終えているので、8Fで乗りかご11の運転方向が反転し、専用運転に切り替えられる。
【0042】
なお、乗りかご11が反転する際(すなわち、専用運転に切り替えたとき)に、特定利用者を対象とした専用運転に切り替わる旨のアナウンスを、乗りかご11内のスピーカ46(図2参照)から出力することで、乗りかご11への乗車を禁止してもよい。さらに、乗りかご11内の行先階ボタン44をロックしてかご呼び(行先階)を登録できない状態にしてもよい。もしくは、乗りかご11に利用者(特定利用者を含む)が乗車した場合に、アナウンスにより降車を促し、当該利用者が降車するまでは、乗りかご11を出発させないように制御してもよい。乗りかご11内の利用者の有無は、カメラ12によって撮影された乗りかご11内の画像を解析処理することで検出できる。
【0043】
専用運転に切り替え後、運転制御部23は、乗りかご11を、各階で新たに登録された乗場呼びには応答させずに、上記ステップS18において設定した積み残し階に直行させる(ステップS23)。このとき、運転制御部23は、積み残し階で待つ特定利用者の待ち時間を短縮させるため、乗りかご11を通常時よりも速い運転速度で積み残し階に直行させてもよい。乗りかご11が積み残し階に到着すると、運転制御部23は、乗りかご11の専用運転を解除する(ステップS24)。図5の例では、8Fで乗りかご11が専用運転に切り替わり、特定利用者1が待つ5Fに直行する。
【0044】
なお、乗りかご11が専用運転に切り替わり、5F(積み残し階)に直行するときに、その旨を5Fの乗場15でアナウンスすることでもよい。このアナウンスにより、特定利用者1は乗りかご11が専用運転ですぐに来ることを把握でき、5Fで安心して待つことができる。乗りかご11が5Fに到着すると、専用運転は解除される。したがって、特定利用者1が乗りかご11に乗車した後、乗りかご11は、通常運転として、各階で新たに登録された乗場呼びに応答しながら、特定利用者1の行先階に向かうことになる。
【0045】
また、専用運転の解除は、乗りかご11が積み残し階に到着後、特定利用者が乗りかご11に乗車したときであってもよい。乗りかご11内に特定利用者が乗車したことは、カメラ12によって撮影された乗りかご11内の画像を解析処理することで検出できる。また、特定利用者が乗りかご11に乗車したことが検出されるまで、乗りかご11を出発させないようにしてもよい。
【0046】
一方、上記ステップS16において、特定利用者の積み残しが検知されなかった場合は(ステップS17のNO)、運転制御部23は、乗りかご11を戸閉出発させ(ステップS25)、呼び管理テーブル211に現在登録済みのかご呼びおよび乗場呼びに基づいて、乗りかご11の運転を制御する(ステップS26)。
【0047】
このように第1実施形態によれば、乗りかご11内に設置されたカメラ12を用いて、乗場15に積み残された特定利用者が検知される。特定利用者が検知されると、乗りかご11が反転したときのタイミングで専用運転に切り替えられ、積み残し階に直行する。このとき、乗りかご11は空の状態(無人)で積み残し階に到着するので、積み残し階の乗場15で待つ特定利用者を確実に乗車させることができる。この場合、特定利用者からすれば、乗りかご11を1回見送ることになっても、次に来る乗りかご11には確実に乗れるので、安心感を持って待つことができる。
【0048】
ここで、任意の階の乗場で特定利用者を検知して、専用運転に切り替える方式が知られている。このような方式では、特定利用者を検知する度に頻繁に専用運転に切り替わるので、他の一般利用者に対する運転サービスが損なわれてしまい、運行効率が著しく低下する。しかも、各階の乗場に特定利用者を検出する機構を必要とするため、設備が大がかりとなる。
【0049】
これに対し、本実施形態では、乗りかご11が乗場呼びの応答階に着いたときに、その応答階の乗場15に積み残された特定利用者を検知対象とし、当該乗りかご11が反転したときのタイミングで専用運転に切り替える構成である。したがって、他の一般利用者に対する運転サービスを損なわず、つまりは、運行効率の低下を抑えて、特定利用者を確実に乗車させることができる。また、乗りかご11内のカメラ12を利用して、特定利用者の積み残しを検知するので、大がかりな設備も必要としない。
【0050】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。
図7は、第2実施形態に係るエレベータシステム全体の概略構成図である。第2実施形態では、A,B,C号機で示される3台の乗りかご11a~11cを有し、これらの乗りかご11a~11cが群管理されている。なお、乗りかごの台数は3台に限らず、2台でも良いし、4台以上であってもよい。
【0051】
群管理制御装置30は、主制御装置として存在し、任意の乗場で登録された呼びを各号機の乗りかごのいずれかに割り当てるための割当制御など、群管理システム全体の制御を行う。A号機制御装置20aは、群管理制御装置30の制御の下で、乗りかご11aの運転を制御する。B号機制御装置20b、C号機制御装置20cも同様に、群管理制御装置30の下で、それぞれ対応する乗りかご11b、乗りかご11cの運転を制御する。群管理制御装置30、各号機制御装置20a~20c、乗りかご11a~11cの機能構成については、図8を用いて後述する。
【0052】
各階の乗場には、乗場呼びボタン17a~17cが設置されている。乗場呼びボタン17aは、上方向ボタン17-1aと下方向ボタン17-2aからなる。乗場呼びボタン17aの信号は、A号機制御装置20aを介して、群管理制御装置30に伝送される。乗場呼びボタン17b、17cも同様に、上方向ボタン17-1b(17-1c)と下方向ボタン17-2b(17-2c)からなり、それぞれ対応するB号機制御装置20b、C号機制御装置20cを介して、群管理制御装置30に伝送される。なお、図7の例では、各号機毎に乗場呼びボタン17a~17cが設置されているが、各階の乗場に少なくとも一つの乗場呼びボタンが設置されていればよい。また、乗場呼びボタン17a~17cの信号は、群管理制御装置30に直接伝送される構成であってもよい。
【0053】
図8は、第2実施形態に係るエレベータシステムの機能構成の一例を示す図である。
第1実施形態と同様に、カメラ12aは、乗りかご11aの出入口上部に設置され、乗場15の所定の範囲L1を撮影する。また、乗りかご11aの室内には、行先階ボタン、戸開ボタン、戸閉ボタンなどを含む各種操作ボタンを有するかご操作盤45aが設置される。かご操作盤45aのボタンの信号は、制御装置20を介して群管理制御装置30に伝送される。なお、図8では乗りかご11aのみを記載しているが、他の乗りかご11b、11cにおいても、乗りかご11aと同様に、カメラやかご操作盤を備えている。以下の説明では、乗りかご11b内に設置されたカメラをカメラ12b、乗りかご11c内に設置されたカメラをカメラ12cとする。
【0054】
A号機制御装置20aは、上述したように群管理制御装置30の下で、乗りかご11aの運転(昇降動作や、かごドア13の開閉等)を制御する。A号機制御装置20aは、記憶部21a、検知部22a、運転制御部23aを含む。記憶部21aには、カメラ12によって撮影された画像が逐次保持される。
【0055】
検知部22aは、第1実施形態の検知部22に対応し、特定利用者の積み残しを検知する。このとき、検知部22aは、乗りかご11aが戸閉を開始したときの画像を記憶部21aから取得し、検知エリアEa(図9参照)に存在する特定利用者を検知する。検知部22aは、特定利用者の積み残しが検知された場合、その旨及び積み残しが検知された現在の階(積み残し階)を、群管理制御装置30に送信(通知)する。
【0056】
運転制御部23aは、群管理制御装置30の制御に基づいて、乗りかご11aの運転を制御し、群管理制御装置30の選出部32によって、A号機が対象かごとして選出された場合には、乗りかご11aが反転したときのタイミングで専用運転に切り替えて、乗りかご11aを積み残し階に直行させる。
【0057】
B号機制御装置20b、C号機制御装置20cについても、A号機制御装置20aと同様であり、記憶部、検知部、運転制御部などが備えられている。なお、B号機では、B号機に対応した検知エリアEbで特定利用者の積み残しが検知され、C号機では、C機に対応した検知エリアEcで特定利用者の積み残しが検知される(図9参照)。
【0058】
群管理制御装置30は、記憶部31、選出部32を含む。
記憶部31には、各階で利用者によって登録された乗場呼びや、各号機の乗りかご11a~11c内で利用者の行先階として登録されたかご呼びの情報を管理するための呼び管理テーブル311が設けられている。この呼び管理テーブル311には、各階で登録された乗場呼びが乗りかご11a~11cのどの乗りかごに割り当てられたかを示す割当情報も含まれる。
【0059】
選出部32は、乗りかご11a~11cのいずれかの乗りかごにおいて、特定利用者の積み残しが検知された場合に、当該乗りかごに登録済みの呼びに基づいて、当該乗りかごを含む各乗りかご11a~11cの中から専用運転の対象かごを選出する。詳しくは、選出部32は、特定利用者を積み残した乗りかごの呼び登録数と予め設定された閾値とを比較し、その比較結果に応じて、当該乗りかごあるいは他の乗りかごを専用運転の対象かごとして選出する。
【0060】
ここで言う「呼び」とは、当該乗りかご内で行先階として登録されたかご呼びと、当該乗りかごに割り当てられている各階の乗場呼びの両方を含むが、少なくとも、かご呼びだけであってもよい。「専用運転の対象かご」とは、反転時に専用運転に切り替えて、積み残し階に直行させる乗りかごのことである。
【0061】
選出部32によって対象かごが選出されると、各号機制御装置20a~20cの中の上記対象かごに対応した号機制御装置によって、上記対象かごが反転したときのタイミングで、専用運転に切り替えられる。
【0062】
図9は、第2実施形態に係る検知エリアの一例を示す図である。
本実施形態では、各号機毎に得られるカメラ画像を用いて、それぞれに対応した検知エリアEa~Ecが設定される。検知エリアEaは、A号機を待つ利用者を検知するためのエリアであり、A号機の出入口(間口)の中心から乗場方向に向かってL2の距離を有する。また、検知エリアEaの横幅W1aは、A号機の出入口(間口)の横幅W0a以上の長さに設定される。
【0063】
検知エリアEbは、B号機を待つ利用者を検知するためのエリアであり、検知エリアEaと同様に、入口(間口)の中心から乗場方向に向かってL2の距離を有する。検知エリアEbの横幅W1bは、B号機の出入口(間口)の横幅W0b以上の長さに設定される。
【0064】
また、検知エリアEcは、C号機を待つ利用者を検知するためのエリアであり、検知エリアEa、Ebと同様に、入口(間口)の中心から乗場方向に向かってL2の距離を有する。検知エリアEcの横幅W1cは、C号機の出入口(間口)の横幅W0c以上の長さに設定される。
【0065】
なお、検知エリアEa~Ecは、重ならないように設定されていることが好ましい。これは、例えば検知エリアEaと検知エリアEbが重なっていると、乗場15でA号機またはB号機を待っている利用者の位置によっては、A号機とB号機の両方で積み残しを検知してしまう可能性があるからである。検知エリアEbと検知エリアEcが重なっている場合も同様である。
【0066】
次に、図10図13の具体例を参照して、第2実施形態に係るエレベータシステムの概要を説明する。図中の2は特定利用者を示し、図中のU3~U7は一般の利用者を示す。また、図中の矢印は乗りかご11a~11cの移動方向を示す。
【0067】
図10に示すように、特定利用者2が5Fの乗場15-1で上方向ボタン17-1cを押下したが、C号機の乗りかご11c内に多数の利用者U3が乗車しているために乗車できず、5Fの乗場15-1に積み残された場合を想定する。この場合、乗りかご11c内に設けられたカメラ12cの画像を用いて、特定利用者2の積み残しが検知される。
【0068】
上記第1実施形態では、特定利用者2を積み残した乗りかご11cが反転時に専用運転に切り替わって、特定利用者2が待つ5Fに向かっていた。しかしながら、乗りかご11cではなく、他の乗りかご(乗りかご11aあるいは乗りかご11b)を5Fに向かわせた方が特定利用者2の待ち時間を短縮できることもある。そこで、第2実施形態では、特定利用者2を積み残した乗りかご11cの呼び(少なくともかご呼び)の登録数に応じて、乗りかご11cあるいは乗りかご11c以外の乗りかごを専用運転の対象かごとして選出し、5Fに向かわせる構成としている。
【0069】
具体的には、乗りかご11cの呼び登録数と予め定められた閾値とを比較する。乗りかご11cの呼び登録数が閾値以下であれば、乗りかご11cが反転するまでの間の停止階が少ないため、乗りかご11cは他の乗りかご11a,11bよりも早く積み残し階に直行できる可能性がある。したがって、乗りかご11cを専用運転の対象かごとして選出して、積み残し階に直行させる。
【0070】
一方、乗りかご11cの呼び登録数が閾値より多かった場合、乗りかご11cが反転するまでの間の停止階が多いため、乗りかご11cを向かわせるよりも、乗りかご11aまたは乗りかご11bを積み残し階に向かわせた方が早い場合がある。したがって、乗りかご11a、11bのうち、反転した時に最も早く積み残し階に直行可能な乗りかごを専用運転の対象かごとして選出して、積み残し階に直行させる。
【0071】
ここで、「閾値」は、建物の階床数に応じて任意に設定される。具体的には、全階床数の2割~5割の範囲内で閾値が設定される。
【0072】
閾値を高く設定すると、特定利用者2を積み残した乗りかご11cが専用運転の対象かごとして選出されて、積み残し階に向かう可能性が高くなる。この場合、C号機の前で待っていた特定利用者2は、現在の場所から移動せずに乗りかご11cに乗車することができる。一方、閾値を低く設定すると、運行効率が優先され、他号機の中で最も早く積み残し階に到着可能な乗りかご(乗りかご11aまたは乗りかご11b)が専用運転の対象かごと選出される確率が高くなる。この場合、特定利用者2の待ち時間は短縮されるが、特定利用者2は、他号機の乗り場所に移動しなければならない。したがって、閾値は、乗場における特定利用者の移動と待ち時間を考慮して最適な値に設定されることが好ましい。なお、この閾値は、図8に示した記憶部31に記憶され、専用運転の対象かごを選出する際に選出部32によって読み出される。
【0073】
図10は、乗りかご11cの呼び登録数が閾値以下であり、乗りかご11cが対象かごとして選出された場合を想定している。
【0074】
乗りかご11cは、5Fの乗場15-1に特定利用者2を積み残した状態で出発し、かご呼びとして登録された行先階で利用者U3を降ろしながら、上方向に移動する。そして、図11に示すように、例えば8Fにおいて、乗りかご11c内に乗車していた利用者U3が降車し、乗りかご11cの運転方向が下方向に反転したときのタイミングで、乗りかご11が専用運転に切り替わる。専用運転に切り替わると、例えば7Fにおいて、他の利用者U4が下方向ボタン17-2cを押下した場合であっても、乗りかご11cは、下方向ボタン17-2cによって登録された乗場呼びに応答せず、空の状態を維持して、特定利用者2がいる積み残し階(ここでは、5F)に直行する。この場合、乗りかご11cはC号機の乗り場所に到着するので、到着後、特定利用者2が他の場所に移動せずに、乗りかご11cに乗車できる。
【0075】
一方、図12は、乗りかご11cの呼び登録数が閾値よりも多く、乗りかご11aが専用運転の対象かごとして選出される場合を想定している。
【0076】
乗りかご11aは、かご呼びとして登録された行先階で利用者U5を降ろしながら、上方向に移動する。そして、図13に示すように、例えば8Fにおいて、乗りかご11a内に乗車していた利用者U5が降車し、乗りかご11aの運転方向が下方向に反転したときのタイミングで、乗りかご11aが専用運転に切り替わる。専用運転に切り替わると、例えば7Fにおいて、他の利用者U7が下方向ボタン17-1aを押下した場合であっても、乗りかご11aは、下方向ボタン17-1aによって登録された乗場呼びに応答せず、空の状態を維持して、特定利用者2がいる積み残し階(ここでは、5F)に直行する。乗りかご11aが積み残し階に到着すると、特定利用者2はA号機の乗り場所まで移動して乗りかご11aに乗車する。
【0077】
次に、図14及び図15のフローチャートを参照して、第2実施形態に係るエレベータシステムの処理の流れについて説明する。
いま、図10の例で、C号機の乗りかご11cに着目する。図14は、C号機制御装置20cの処理を示すフローチャートである。なお、A号機制御装置20a、B号機制御装置20bについても同様の処理を行っている。
【0078】
乗りかご11cが任意の階で登録された乗場呼びに応答し、当該階の乗場15に到着すると(ステップA11のYES)、C号機制御装置20cは、乗りかご11cを戸開して、乗場15で待っていた利用者を乗車させる(ステップA12)。予め設定された時間が経過すると(ステップA13のYES)、C号機制御装置20cは、乗りかご11cを戸閉する(ステップA14)。
【0079】
ここで、乗りかご11cが戸開してから戸閉するまでの間、乗りかご11c内のカメラ12cによって、乗りかご11cの出入口付近の乗場15が撮影されており、その撮影画像がC号機制御装置20c内の図示せぬ記憶部に時系列順に記憶されている。
【0080】
C号機制御装置20cに備えられた図示せぬ検知部は、戸閉が開始されたときの画像を上記記憶部から取得し(ステップA15)、当該画像を用いて積み残し検知処理を実行する(ステップA16)。この積み残し検知処理は、C号機に対応した検知エリアEc(図9参照)の画像を解析処理することによって行なわれる。
【0081】
ここで、上記検知エリアEc内で特定利用者の積み残しが検知された場合(ステップA17のYES)、C号機制御装置20cから群管理制御装置30に対して、当該階で特定利用者の積み残しがあったことを示す積み残し検知信号が送られる(ステップA18)。
【0082】
戸閉後、乗りかご11cは当該階から出発し(ステップA19)、登録済みの呼び(かご呼びと乗場呼び)に応答しながら移動する。
【0083】
図15は、群管理制御装置30の処理の流れを示すフローチャートである。
群管理制御装置30は、C号機制御装置20cから積み残し検知信号を受信すると(ステップA20のYES)、選出部32を通じて専用運転の対象かごを選出する。詳しくは、選出部32は、呼び管理テーブル311内C号機の乗りかご11cの呼び(未応答の呼び)の登録数を求め、これを予め設定された閾値と比較する(ステップA21)。上述したように、ここで言う「呼び」とは、かご呼びと乗場呼びのことであるが、少なくともかご呼びの登録数だけを求めることでもよい。
【0084】
乗りかご11cの呼び登録数が閾値以下であった場合(ステップA21のYES)、選出部32は、乗りかご11cが反転するまでの間の停止階が少なく、早めに積み残し階に向かうことができるものと判断し、乗りかご11cを専用運転の対象かごとして選出する(ステップA22)。一方、呼び登録数が閾値よりも多かった場合(ステップA21のNO)、選出部32は、乗りかご11c以外の乗りかごの方が早めに積み残し階に向かうことができるものと判断し、乗りかご11aまたは乗りかご11bを専用運転の対象かごとして選出する(ステップA23)。この場合、選出部32は、乗りかご11a,11bの現在位置、運転方向や呼び登録数を考慮し、最も早く積み残し階に直行可能な乗りかごを専用運転の対象かごとして選出する。
【0085】
このように、第2実施形態によれば、複数台の乗りかご11a~11cを有する群管理システムにおいて、各乗りかご11a~11c毎に特定利用者の積み残しが検知される。各乗りかご11a~11cの中の任意の乗りかごで特定利用者の積み残しが検知された場合、当該乗りかごを含む各乗りかご11a~11cの中から専用運転の対象かごが選出されて、反転時に積み残し階に直行する。したがって、特定利用者は、乗場で待っていれば、いずれかの乗りかごに乗車して目的階まで移動することができる。
【0086】
ここで、専用運転の対象かごは、特定利用者を積み残した乗りかごの呼び登録数に応じて選出される。当該乗りかごの呼び登録数が少なく(閾値以下の場合)、早めに積み残し階に向かうことができれば、当該乗りかごが専用運転の対象かごとして選出される。この場合、当該乗りかごは特定利用者が待っている場所に到着するので、特定利用者は現在の場所から移動せずに乗りかごに乗車することができる。
【0087】
一方、当該乗りかごの呼び登録数が多く(閾値より多い場合)、他の乗りかごを積み残し階に向かわせた方が効率的であれば、当該乗りかごを除く他の乗りかごの中で最も早く積み残し階に到着可能な乗りかごが専用運転の対象かごとして選出される。この場合、乗りかごの到着時に、特定利用者は、乗り場所を移動しなければならないが、当該乗りかごを待つよりは、待ち時間が少なくて済む。
【0088】
なお、上記第2実施形態では、特定利用者を積み残した乗りかごの呼び登録数が多かった場合に、当該乗りかごを除く他の乗りかごの中から専用運転の対象かごを選出したが、当該乗りかごを含めて専用運転の対象かごを選出する構成としてもよい。この場合も、最も早く積み残し階に到着可能な乗りかごを専用運転の対象かごを選出することで、特定利用者をできるだけ待たせずに、乗車させることができる。
【0089】
また、専用運転の対象かごとして選出された乗りかごが反転するまでの間は、当該乗りかごに対する新たな乗場呼びの割り当てを禁止していてよい。もしくは、当該乗りかごにすでに割り当てられている乗場呼びを、別の乗りかごに割当変更することでもよい。このようにすれば、専用運転の対象かごとして選出された乗りかごはすでに登録されているかご呼びにのみ応答してから反転できるので、より早く積み残し階に向かうことができる。
【0090】
さらに、第1実施形態と同様に、専用運転の対象かごとして選出された乗りかごが反転する際に、特定利用者を対象とした専用運転に切り替わる旨のアナウンスを、乗りかご内のスピーカ46(図2参照)から出力することで、他の利用者が当該乗りかごへ乗車することを禁止してもよい。
【0091】
なお、例えば乗りかごの運転方向が反転する階(反転階)で、他の特定利用者が待っていた場合、上記アナウンスを聞いて、当該乗りかご乗車してしまう可能性がある。そこで、他の特定利用者が乗車した場合には、当該乗りかごとは別の乗りかごを専用運転の対象かごとして選出して、積み残し階に向かうわせることでもよい。
【0092】
具体的には、専用運転の対象かごとなった乗りかご(例えば、乗りかご11a)が反転する際に、A号機制御装置20aがカメラ12aの撮影画像に基づいて、反転階で待っていた他の特定利用者が乗りかご11aに乗車したことを検知したとき、群管理制御装置30に対してその旨を通知する。当該通知を受信した群管理制御装置30は、乗りかご11aの専用運転を解除し、他の乗りかご11b,11cの運転状態に基づいて、最も早く積み残し階に到着可能な乗りかごを専用運転の対象かごとして選出しなおす。これにより、反転階で乗りかご11aに乗車してしまった他の特定利用者を降車させずに運ぶことができ、積み残し階で待っていた特定利用者を他の乗りかごに乗車させて運ぶことができる。
【0093】
(変形例)
次に、第2実施形態の変形例に係るエレベータシステムについて説明する。
まず、図16図18を用いて、第2実施形態の変形例に係るエレベータシステムの概要を説明する。図中の3、4は特定利用者を示し、図中のU3~U5は一般の利用者を示す。また、図中の矢印は各乗りかご11a~11cの移動方向を示す。
【0094】
図16は、5Fの乗場15-1において、乗りかご11cが特定利用者3を積み残した状態を示している。このとき、乗りかご11cの呼び登録数が予め定められた閾値よりも多く、乗りかご11c以外の乗りかごとして、乗りかご11aが専用運転の対象かごとして選出されたものとする。図17に示すように、例えば8Fにおいて、乗りかご11aの運転方向が下方向に反転したときのタイミングで、乗りかご11aが専用運転に切り替わり、空の状態で特定利用者3がいる積み残し階(5F)に直行する。
【0095】
ここで、乗りかご11aが専用運転に切り替わってから、積み残し階(5F)に到着するまでの間に、乗りかご11cが、3Fの乗場15-2で特定利用者4を積み残したとする。このような場合、特定利用者4に対して、新たに専用運転の対象かごが選出されるため、2台の乗りかごが専用運転となる可能性がある。しかし、最初に専用運転となった乗りかご11aは下方向に移動中であり、5Fで待つ特定利用者3も3Fで待つ特定利用者4も、同じ下方向の乗場呼びを登録しているため、新たに専用運転の対象かごをせずに、乗りかご11aだけで対応した方が、運行効率が良い。
【0096】
そこで、図18に示すように、まず、乗りかご11aを5F(特定利用者3の積み残し階)に直行させ、特定利用者3を乗車させた後、3F(特定利用者4の積み残し階)に直行させる。
【0097】
乗りかご11aが5Fで特定利用者3を乗せて出発したとき、例えば4Fで他の利用者によって下方向の乗場呼びが登録されていても、その乗場呼びには応答させずに、3Fに直行させる。ただし、例えば特定利用者3の行先階が4Fであった場合には、4Fで特定利用者3を降車させてから、特定利用者4の積み残し階(3F)に直行させる。このとき、
4Fから他の利用者が乗りかご11aに乗車しないように、専用運転中である旨をアナウンスすることが好ましい。
【0098】
また、別の例として、8Fで乗りかご11aが専用運転に切り替わった後、6Fで特定利用者の積み残しが検知されたとする。このような場合は、乗りかご11aを先に6Fで停止させて特定利用者を乗せてから、特定利用者3の積み残し階(5F)に直行させる。
【0099】
次に、図19及び図20のフローチャートを参照して、変形例としてエレベータシステムの処理の流れの一例を説明する。なお、各号機制御装置20a~20cの処理については、図14と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0100】
図19は、群管理制御装置30の処理の流れを示すフローチャートである。
群管理制御装置30は、各号機制御装置20a~20cの何れかから任意の階で特定利用者の積み残しが検知されたことを示す積み残し検知信号を受信すると(ステップB11のYES)、現在専用運転中の乗りかごがあるか否かを判定する(ステップB12)。ここでは、C号機制御装置20cから積み残し検知信号を受けたものとする。
【0101】
現在、専用運転中の乗りかごがある場合(ステップB12のYES)、群管理制御装置30に備えられた選出部32は、以下のような条件に従って、当該乗りかごに上記ステップB11で検知された積み残し階を設定する。
・専用運転中の乗りかごに設定されている積み残し階(以下、第1の積み残し階と表記)で待つ特定利用者の行先方向と、専用運転中に検知された別の積み残し階(以下、第2の積み残し階と表記)で待つ特定利用者の行先方向と、専用運転中の乗りかごの運転方向とが同一である。
・専用運転中の乗りかごの運転方向の先に第2の積み残し階がある。
【0102】
つまり、専用運転中の乗りかごが第1の積み残し階、もしくは第2の積み残し階に到着した後に、反転することなく、残りの積み残し階に到着できるか否かを判定する(ステップB13)。
【0103】
ステップB13の条件を満たす場合(ステップB13のYES)、選出部32は、専用運転中の乗りかごに第2の積み残し階を設定する(ステップB14)。
【0104】
なお、専用運転中の乗りかごがない場合(ステップB12のNO)や、ステップB13の条件を満たさない場合(ステップB13のNO)には、新たに専用運転の対象かごが選出される(ステップB15)。具体的には、図15を用いて説明した第2実施形態と同様に、特定利用者を積み残した乗りかごの呼び登録数に基づいて、専用運転の対象かごが選出される。
【0105】
図20は、乗りかご11aが専用運転の対象かごとして選出された場合におけるA号機制御装置20aの処理の流れを示すフローチャートである。このフローチャートの処理は、群管理制御装置30から乗りかご11aが専用運転の対象かごとして選出された旨の通知を受けたときに実行される。なお、乗りかご11b、11cが専用運転の対象かごとして選出された場合は、B号機制御装置20b、C号機制御装置20cでも、同様の処理が行われる。
【0106】
A号機制御装置20aは、乗場呼びやかご呼びに基づいて乗りかご11aを運転し(ステップB20)、乗りかご11aが反転したときのタイミングで(ステップB21のYES)、専用運転に切り替える(ステップB22)。
【0107】
ここで、乗りかご11aが専用運転に切り替えられてから、第1の積み残し階に到着するまでの間に、他の階において特定利用者の積み残しが検知されたとする。このとき、乗りかご11aは、図19のステップB13の条件を満たしており、群管理制御装置30によって第2の積み残し階が設定されたものとする。なお、第1の積み残し階と第2の積み残し階に関する情報は、A号機制御装置20aの記憶部21aに記憶される。
【0108】
運転制御部23aは、第1の積み残し階及び第2の積み残し階のうち、乗りかご11aの現在位置に近い積み残し階に、乗りかご11aを直行させる(ステップB23)。ここでは、第1の積み残し階が、第2の積み残し階よりも乗りかご11aに近かったものとする。
【0109】
運転制御部23aは、乗りかご11aが第1の積み残し階に到着して特定利用者を乗車させると、第2の積み残し階の乗場呼びに応答したか否かを判定する(ステップB24)。第2の積み残し階の乗場呼びに応答していない場合(ステップB24のNO)、運転制御部23aは、第1の積み残し階から乗車した特定利用者の行先階と第2の積み残し階とを比べて、乗りかご11aの現在位置に近い階に乗りかご11aを直行させる(ステップB25)。
【0110】
この場合、第1の積み残し階から乗車した特定利用者の行先階が乗りかご11aに近ければ、運転制御部23は、乗りかご11aをその特定利用者の行先階に直行させた後、専用運転を維持した状態で、第2の積み残し階に向かわせる(ステップB24~ステップB25)。逆に、第2の積み残し階が乗りかご11aに近ければ、運転制御部23は、乗りかご11aを第2の積み残し階に直行させた後、専用運転を解除して、第1の積み残し階から乗車した特定利用者の行先階に向かわせる(ステップB26)。
【0111】
なお、上述した例では、第1の積み残し階と第2の積み残し階が存在した場合に、乗りかごに近い積み残し階から順に当該乗りかごを応答させたが、特定利用者が検知された順に当該乗りかごを応答させることでもよい。これにより、先に検知された特定利用者があとに検知された特定利用者よりも長く待たされる事態を防ぐことできる。
【0112】
このように第2実施形態の変形例によれば、特定利用者の積み残しを検知したときに、専用運転中の乗りかごがある場合、所定の条件で、専用運転中の乗りかごにさらに積み残し階が追加される。専用運転中の乗りかごが複数の積み残し階の乗場呼びに応答することで、特定利用者を効率よく運ぶことができ、運行効率の低下を防ぐことができる。
【0113】
以上述べた少なくとも1つの実施形態によれば、乗りかごに乗車できなかった特定利用者を簡易に検出し、効率的に運ぶことのできるエレベータシステムを提供することができる。
【0114】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0115】
11…乗りかご、12…カメラ、13…かごドア、14…乗場ドア、15…乗場、16…幕板、17…乗場呼びボタン、17-1…上方向ボタン、17-2…下方向ボタン、20…制御装置、20a…A号機制御装置、20b…B号機制御装置、20c…C号機制御装置、21…記憶部、22…検知部、23…運転制御部、30…群管理制御装置、31…記憶部、32…選出部、43…表示器、44…行先階ボタン、45…かご操作盤、46…スピーカ、211,311…呼び管理テーブル。
【要約】
【課題】乗りかごに乗車できなかった特定利用者を簡易に検出し、効率的に運ぶ。
【解決手段】一実施形態に係るエレベータシステムは、カメラと、検知手段と、運転制御手段とを具備する。前記カメラは、乗りかご内に設置される。前記検知手段は、前記乗りかごが呼びに応答した階の乗場で、前記カメラの画像に基づいて、特定利用者の積み残しを検知する。前記運転制御手段は、前記検知手段によって前記特定利用者の積み残しが検知された場合、前記乗りかごが反転したときのタイミングで専用運転に切り替えて、前記乗りかごを前記特定利用者の積み残し階に直行させる。
【選択図】図1
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