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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-20
(45)【発行日】2024-10-01
(54)【発明の名称】出来形計測システム
(51)【国際特許分類】
   G01C 15/00 20060101AFI20240924BHJP
   G01C 15/06 20060101ALI20240924BHJP
【FI】
G01C15/00 103E
G01C15/00 103A
G01C15/06 T
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2023218858
(22)【出願日】2023-12-26
【審査請求日】2023-12-26
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】508036743
【氏名又は名称】株式会社横河ブリッジ
(73)【特許権者】
【識別番号】599098127
【氏名又は名称】株式会社ソーキ
(74)【代理人】
【識別番号】100139114
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 貞嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100227455
【弁理士】
【氏名又は名称】莊司 英史
(72)【発明者】
【氏名】吉田 謙一郎
(72)【発明者】
【氏名】小島 孝仁
(72)【発明者】
【氏名】寺内 寛
(72)【発明者】
【氏名】瀬宮 慧佑
(72)【発明者】
【氏名】花房 郁弥
【審査官】國田 正久
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-229222(JP,A)
【文献】特開平11-325884(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0109509(US,A1)
【文献】特開2023-047025(JP,A)
【文献】特開2023-047024(JP,A)
【文献】特開2020-008406(JP,A)
【文献】特開2020-060018(JP,A)
【文献】特開2009-229350(JP,A)
【文献】登録実用新案第3128591(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2016/0138915(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2023/0184551(US,A1)
【文献】特開2019-179974(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 15/00
G01C 15/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
橋梁工事における上部工の出来形を計測する出来形計測システムであって、
ターゲットプリズムを自動追尾して、前記ターゲットプリズムの座標データを計測するトータルステーションと、
前記トータルステーションに対して計測を行うよう指令するリモートコントローラーと、
前記上部工の上の格点に対応した設計データを記憶し、前記トータルステーションに対して指令を行うと共に、前記トータルステーションから座標データを受信する情報処理装置と、
前記ターゲットプリズムと前記情報処理装置とを保持するポールと、
レベル計測器と、前記レベル計測器により読み込まれるバーコードスタッフと、を有し、
前記リモートコントローラーからのトリガー信号に基づいて、前記トータルステーションが計測した座標データを、実測データとして前記情報処理装置に取り込み、
前記情報処理装置は、レベル計測器から高さデータを受信し、前記情報処理装置が、実測データを高さデータに基づいて修正し、レベル修正実測データとして、前記情報処理装置に記憶される出来形計測システム。
【請求項2】
前記情報処理装置が、格点にポールを立てたとき、前記ポールが略垂直であるかを表示するユーザーインターフェイス画面を有する請求項1に記載の出来形計測システム。
【請求項3】
実測データに、設計データからの所定値以上の乖離があるとき、エラーを報知する請求項1に記載の出来形計測システム。
【請求項4】
前記情報処理装置が、実測データを高さデータで上書きして修正し、レベル修正実測データとして、前記情報処理装置に記憶される請求項1に記載の出来形計測システム。
【請求項5】
前記情報処理装置は、少なくとも温度の入力欄が存在するユーザーインターフェイス画面を有し、入力欄に入力された温度を温度データとして記憶し、
レベル修正実測データと、温度データとから、少なくとも支間長、全長、通り、そり、基準高、幅の各値が算出される請求項1に記載の出来形計測システム。
【請求項6】
前記情報処理装置は、前記各値を、他の情報処理装置に送信する請求項5に記載の出来形計測システム。
【請求項7】
前記情報処理装置は、前記各値を、スプレッドシートソフトウェアに出力する請求項5に記載の出来形計測システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、橋梁工事における上部工の出来形をトータルステーション等により計測し、計測したデータに基づいて帳票作成を可能とする出来形計測システムに関する。
【背景技術】
【0002】
橋梁の工事現場においては、施工した上部工(橋梁架設工、床版工等)における各格点の座標に基づいて、橋梁の支間長、全長、通り、そり、基準高、幅などの値が算出され、出来形検査に供される。最近は、トータルステーションを用いて橋梁の出来形を計測するシステムが提案されている。
【0003】
例えば、引用文献1(特開2017-123061号公報)の段落番号[0031]には、出来形の3次元可視化データを生成する際の計測方法として、トータルステーションによる計測などの計測方法を用い得ることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-123061号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来、上部工における各格点の座標を、トータルステーションで計測する際には、複数の作業員が必要で、人手と手間を要する、という問題があった。また、トータルステーションで計測した各格点の座標に基づいて、橋梁の支間長、全長、通り、そり、基準高、幅などの各値の出来形の報告書(出来形帳票)を作成する際にも、帳票作成業務などに人手と手間を要する、という問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記のような問題を解決するために、本発明に係る出来形計測システムは、橋梁工事における上部工の出来形を計測する出来形計測システムであって、ターゲットプリズムを自動追尾して、前記ターゲットプリズムの座標データを計測するトータルステーションと、前記トータルステーションに対して計測を行うよう指令するリモートコントローラーと、前記上部工の上の格点に対応した設計データを記憶し、前記トータルステーションに対して指令を行うと共に、前記トータルステーションから座標データを受信する情報処理装置と、前記ターゲットプリズムと前記情報処理装置とを保持するポールと、レベル計測器と、前記レベル計測器により読み込まれるバーコードスタッフと、を有し、前記リモートコントローラーからのトリガー信号に基づいて、前記トータルステーションが計測した座標データを、実測データとして前記情報処理装置に取り込み、前記情報処理装置は、レベル計測器から高さデータを受信し、前記情報処理装置が、実測データを高さデータに基づいて修正し、レベル修正実測データとして、前記情報処理装置に記憶される。
【0007】
また、本発明に係る出来形計測システムは、前記情報処理装置が、格点にポールを立てたとき、前記ポールが略垂直であるかを表示するユーザーインターフェイス画面を有する。
【0009】
また、本発明に係る出来形計測システムは、実測データに、設計データからの所定値以上の乖離があるとき、エラーを報知する。
【0011】
また、本発明に係る出来形計測システムは、前記情報処理装置が、実測データを高さデータで上書きして修正し、レベル修正実測データとして、前記情報処理装置に記憶される。
【0012】
また、本発明に係る出来形計測システムは、前記情報処理装置は、少なくとも温度の入力欄が存在するユーザーインターフェイス画面を有し、入力欄に入力された温度を温度データとして記憶し、レベル修正実測データと、温度データとから、少なくとも支間長、全長、通り、そり、基準高、幅の各値が算出される。
【0013】
また、本発明に係る出来形計測システムは、前記情報処理装置は、前記各値を、他の情報処理装置に送信する。
【0014】
また、本発明に係る出来形計測システムは、前記情報処理装置は、前記各値を、スプレッドシートソフトウェアに出力する。
【発明の効果】
【0015】
本発明の出来形計測システムは、橋梁工事における上部工の出来形を計測する出来形計測システムであって、ターゲットプリズムを自動追尾して、前記ターゲットプリズムの座標データを計測するトータルステーションと、前記トータルステーションに対して計測を行うよう指令するリモートコントローラーと、前記上部工の上の所定位置に対応した設計データを記憶し、前記トータルステーションに対して指令を行うと共に、前記トータルステーションから座標データを受信する情報処理装置と、前記ターゲットプリズムと前記情報処理装置とを保持するポールとを有しており、このような本発明の出来形計測システムによれば、橋梁工事の現場での計測の際にはワンマンでのオペレーションが可能となり、さらに計測後においては、情報処理装置にて帳票を作成することができ、人手と手間を大幅に削減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施形態に係る出来形計測システム1の構成の概要を示す図である。
図2】本発明の実施形態に係る出来形計測システム1でトータルステーション30による計測が行われている橋梁工事現場の様子を示す図である。
図3】本発明の実施形態に係る出来形計測システム1でレベル計測器40による計測が行われている橋梁工事現場の様子を示す図である。
図4】タブレット型端末装置(情報処理装置)12の表示デバイスにおけるユーザーインターフェイス画面の一例を示す図である。
図5】タブレット型端末装置(情報処理装置)12による設計設定処理のフローチャートを示す図である。
図6】上部工の格点を示す平面図の一例である。
図7】タブレット型端末装置(情報処理装置)12によるトータルステーション30機械点設定処理のフローチャートを示す図である。
図8】タブレット型端末装置(情報処理装置)12の表示デバイスにおけるユーザーインターフェイス画面の一例を示す図である。
図9】タブレット型端末装置(情報処理装置)12によるレベル計測器40基準点設定処理のフローチャートを示す図である。
図10】本発明の実施形態に係る出来形計測システム1のトータルステーション30による実測データの取得処理を示すフローチャートである。
図11】タブレット型端末装置(情報処理装置)12の表示デバイスにおけるユーザーインターフェイス画面の一例を示す図である。
図12】本発明の実施形態に係る出来形計測システム1のレベル計測器40による高さデータの取得処理を示すフローチャートである。
図13】本発明の実施形態に係る出来形計測システム1における出来形算出処理のフローチャートを示す図である。
図14】出来形の算出処理を説明する補助図である。
図15】本発明の実施形態に係る出来形計測システム1における帳票出力処理のフローチャートを示す図である。
図16】本発明の実施形態に係る出来形計測システム1によって生成される出来形帳票の一例を示す図である。
図17】情報処理装置900の一例を示すハードウエア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。図1は本発明の実施形態に係る出来形計測システム1の構成の概要を示す図である。本発明に係る出来形計測システム1は、橋梁工事で施工した上部工(橋梁架設工、床版工等)の出来形管理で、橋梁の支間長、全長、通り、そり、基準高、幅などの各値を求めるためのものである。本発明に係る出来形計測システム1においては、トータルステーション30、レベル計測器40で、橋梁の設計段階で設定されている上部工における格点の座標データを計測・取得して、座標データに基づいて前記各値の算出に供する。
【0018】
なお、本来はトータルステーション30で計測する座標データは、上部工における格点に垂直に立てられたターゲットプリズム20の位置座標であるが、本明細書では、ターゲットプリズム20が取り付けられているポール25の高さ分が差し引かれた上部工における格点の位置座標に係るデータであるものと定義する。また、レベル計測器40で計測する高さデータについても、上部工における格点その位置での高さに係るデータであるものと定義する。まとめると、トータルステーション30による計測データとは、上部工における格点の座標データ(X,Y,Z)であり、レベル計測器40による計測データとは、上部工における格点の高さデータ(Z)である。
【0019】
本発明に係る出来形計測システム1は、トータルステーション30、レベル計測器40を用いて、橋梁上部工現場での出来形計測のワンマン測量及び、出来形帳票の自動作成・出力を行うことを想定している。また、計測したその場で設計値(「設計データ」とも言う)と実測値(「実測データ」とも言う)の差分が確認できるように、また、桁全体の計測結果(橋梁の支間長、全長、通り、そり、基準高、幅)も確認できるように、タブレット型端末装置12等の情報処理装置が、トータルステーション30やレベル計測器40と併用して用いられる。また、例えば、トータルステーション30を用いた測量時は、ターゲットプリズム20の水平を保持しつつ測距操作を行うため、トータルステーション30の測距操作をボタンスイッチでの操作を実現するリモートコントローラー50が準備されている。
【0020】
本発明に係る出来形計測システム1においては、トータルステーション30やレベル計測器40は、タブレット型端末装置12、パーソナルコンピューター13などの情報処理装置とデータの送受信が可能なものが利用されることが前提となっている。
【0021】
本発明に係る出来形計測システム1は、ワンマン測量を行う作業員が携行するタブレット型端末装置12において、計測結果を表示したり、出来形帳票を作成・出力したりするよう設定することができるが、当該タブレット型端末装置12が保持するデータを、他の機器(図1の右端図示のタブレット型端末装置12、パーソナルコンピューター13などの情報処理装置)に送信して、他の機器で、計測結果を表示したり、出来形帳票を作成・出力したりするよう設定することもできる。
【0022】
このために、図1中における全てのタブレット型端末装置12、パーソナルコンピューター13を、通信回線15を介してデータ通信可能なように接続し、作業員が携行するタブレット型端末装置12で取得されたデータを、クラウドサーバー18で共有するように構成することができる。なお、タブレット型端末装置12を含め、本発明に係る出来形計測システム1を実行する情報処理装置を扱う人を、作業員を含めて「ユーザー」と称することがある。
【0023】
次に、以上のように構成される出来形計測システム1による計測の態様について説明していく。図2は本発明の実施形態に係る出来形計測システム1でトータルステーション30による測定が行われている橋梁工事現場の様子を示す図である。
【0024】
ポール25の一端側にはターゲットプリズム20が取り付けられている。ターゲットプリズム20は、トータルステーション30が自動追尾し、トータルステーション30がその位置座標を計測する対象となるものである。また、ポール25の他端側が、上部工5における格点の上に配されるように、作業員がポール25をホールドすることが想定されている。
【0025】
ポール25に対しては、取り付け部材26によりタブレット型端末装置12が取り付けられており、作業員はこのタブレット型端末装置12の表示デバイスを参照しながら、リモートコントローラー50の操作を行い得る。トータルステーション30が計測を行う際には、ポール25を格点に立てたとき、ポール25が垂直である(言い換えると、ターゲットプリズム20が水平である)ことで正確な計測が可能となる。作業員は、ターゲットプリズム20の水平を保持するようにポール25を持ちながら調整し、適切な瞬間にリモートコントローラー50の操作を行うことで、格点の座標データを、タブレット型端末装置12に取り込まれるようになっている。このための各処理については後述する。
【0026】
本発明に係る出来形計測システム1においては、ポール25に対してターゲットプリズム20に加えて、タブレット型端末装置12が取り付けられていることは、作業員がターゲットプリズム20の水平を保つために大きく貢献している。
【0027】
次に、出来形計測システム1のレベル計測器40による計測の態様について説明する。図3は本発明の実施形態に係る出来形計測システム1でレベル計測器40による計測が行われている橋梁工事現場の様子を示す図である。上部工5におけるそれぞれの格点には、図示するように、C4-G2といった格点の名称がそれぞれ付されている。図3に示す作業員は、C4-G2の位置の上に、バーコードスタッフ45が水平となるように保持して、タブレット型端末装置12やリモートコントローラー50を操作することで、格点C4-G2における格点の高さデータをタブレット型端末装置12に取り込む。
【0028】
ここで、上部工における格点の座標データ(X,Y,Z)はトータルステーション30によっても取得できるが、レベル計測器40によって取得される高さデータ(Z)の方が、精度が高いと考えられる場合があるので、本発明に係る出来形計測システム1においては、後者のデータが取得できた場合には、前者の座標データ(X,Y,Z)のZの値を、後者のデータで上書きするようにして修正している。
【0029】
次に、作業員が携行するタブレット型端末装置12の表示デバイスにおける表示を参考にしつつ、本発明に係る出来形計測システム1の処理・動作について説明する。図4はタブレット型端末装置(情報処理装置)12の表示デバイスにおけるユーザーインターフェイス画面の一例を示す図である。
【0030】
タブレット型端末装置12に用いられる表示デバイスは、通常タッチパネルディスプレイが採用されており、作業員は指でユーザーインターフェイス画面を接触して、入力操作を行うことができるようになっている。一般的に知られている「タップ」、「ダブルタップ」、「ロングタップ」、「フリック」、「スワイプ」、「ピンチ」と称される各入力操作は、本発明に係るシステムにおいても採用されている。
【0031】
図4に示すユーザーインターフェイス画面に対しても、例えば、作業員が表示されているボタンをタップすることで、当該ボタンに標記されているコマンドが実行される。本発明に係る出来形計測システム1では、ボタンUI1がタップされることで、タブレット型端末装置12において設計設定の処理が実行されるようになっている。
【0032】
図5はタブレット型端末装置12による設計設定処理のフローチャートを示す図である。ステップS1000で設計設定の処理が開始されると、続いて、ステップS1001に進む。
【0033】
このステップS1001で、ユーザーは設計対象となる上部工の設計に関する情報の入力を求められる。これに対応して、ユーザーは、上部工における計測格点名称に対応する設計データ(計測格点の座標データ(X,Y,Z)の設計値)を入力する。
【0034】
図6は上部工の格点を示す平面図の一例である。格点は、道路の進行方向に沿った線Gn、進行方向に対して垂直な方向に沿った線Sn、線Cn、線Pn(以上のnは全て自然数)の交点として規定され名称が付けられている。本ステップでは、このような格点の名称に対応した位置における設計上の(X,Y,Z)座標データが入力される。なお、SはSupport(端支点)の頭文字であり、GはGirder(桁)の頭文字であり、PはPier(中間支点)の頭文字であり、CはCross(横桁格点)の頭文字である。図6はトータルステーション30が、格点C4-G2に立てられたポール25装着のターゲットプリズム20を計測している様子を図示したものである。
【0035】
また、ステップS1001で、ユーザーは入力された格点のうち、実際に計測を行う格点の設定が求められるので、これに対応して、ユーザーは本ステップで、実測する格点を選択する。次に、ステップS1002に進み、処理を終了する。
【0036】
図4に戻り、ボタンUI2がタップされることで、タブレット型端末装置12において機械点設定の処理が実行される。図7はタブレット型端末装置(情報処理装置)12によるトータルステーション30機械点設定処理のフローチャートを示す図である。この機械点設定の処理は、トータルステーション30による計測を行う日毎に行うことが好ましい。
【0037】
ステップS1100で、トータルステーション30の機械点の設定処理が開始されると、続くステップS1101では、トータルステーション30に座標が既知である点を測定させることで、自己の機械点を決定し、これを記憶する。トータルステーション30自体の機械点を取得する方法としては、周知の手法を適宜採用することができる。
【0038】
続く、ステップS1102においては、トータルステーション30により計測を行う当日の温度データ等の入力がユーザーに対して促され、入力されたデータが記憶される処理が実行される。図8は、ステップS1102で、タブレット型端末装置12に表示されるユーザーインターフェイス画面の一例を示す図である。このような画面により、ユーザーは、天候・気温に係る情報、計測種別に係る情報、桁温度の係る情報の入力が促される。
【0039】
図8のユーザーインターフェイス画面のUI11に示されるように、本発明に係る出来形計測システム1では、特に、桁温度に係る情報が入力され、後述するようなデータの補正に利用される。なお、本例では、ユーザーが手動で桁温度を入力するよう構成されているが、ポール25の接地する箇所に温度センサ(不図示)を設けておき、このセンサで取得された桁温度を通信によって、タブレット型端末装置12に送信し、画面UI11の情報として活用するように構成することもできる。続く、ステップS1103で、処理を終了する。
【0040】
図4に戻り、ボタンUI3がタップされることで、タブレット型端末装置12において基準点設定の処理が実行される。図9はタブレット型端末装置(情報処理装置)12によるレベル計測器40の基準点設定処理のフローチャートを示す図である。
【0041】
ステップS1200で、レベル計測器40の基準点の設定処理が開始されると、続いてステップS1201に進み、レベル計測器40で既知のレベルを計測することで、自己のレベルを決定し、それを記憶する処理を実行する。ステップS1202では、トータルステーションの例と同様に、気象条件等の入力がユーザーに促され、ユーザーによって入力された情報が記憶される。ステップS1203に進み、処理が終了する。
【0042】
図4に戻り、ボタンUI4がタップされることで、タブレット型端末装置12において、トータルステーション30による実測データの計測処理が実行される。このトータルステーション30による実測データ取得の処理は、作業員が計測対象の格点(例えば、格点C4-G2)に、ターゲットプリズム20が取り付けられたポール25を持ち、ターゲットプリズム20の水平を確認しつつ行う処理である。また、実測データ取得の処理は、計測対象の格点毎に行われる。従って、ある点の格点の実測データの取得が行われると、作業員は次の格点に移動して、再びポール25を格点に立てて、実測データの取得を行う。
【0043】
図10は本発明の実施形態に係る出来形計測システム1のトータルステーション30による実測データの取得処理を示すフローチャートである。このフローチャートは、タブレット型端末装置12とトータルステーション30とリモートコントローラー50とによる協働処理を図示化したものである。また、このフローチャートは、計測対象の格点毎に実行されることが前提となるものである。
【0044】
図4のボタンUI4がタップされることで、タブレット型端末装置12においては、図11に示すようなユーザーインターフェイス画面が表示される。タブレット型端末装置12における処理では、ステップS1301で、計測対象となる格点名称に対応した設計データが取得される。この設計データは、先の設計設定処理で入力されたものである。また、計測対象となる格点名称は、作業員によって手動で入力されても良いし、実測完了毎に次の格点が自動で入力されても良い。図11におけるUI21には、計測対象格点がC4-G2であることを示している。また、この計測対象格点がC4-G2の設計データに基づいて、UI23に示すような破線の円が表示されるようになっている。この破線の円の中心は、設計データの(X,Y,Z)座標のうちの(X,Y)座標である。
【0045】
トータルステーション30においては、ステップS2001で、ターゲットプリズム20を自動で追尾しつつ、その座標を計測する。次のステップS2002では、計測した座標を、タブレット型端末装置12に対して送信する。トータルステーション30においては、ステップS2001と、ステップS2002とのループが繰り返されている。
【0046】
タブレット型端末装置12においては、ステップS1302で、トータルステーション30から受信した計測座標に基づいて、グラフィカルユーザーインターフェイス画面を生成する。この生成処理では、UI24に示すような実線の円の画面表示を行う。UI24に示す実線の円の中心は、トータルステーション30から送信された実測データの(X,Y,Z)座標のうちの(X,Y)座標である。作業員は、図11に示すユーザーインターフェイス画面において、破線の円と、実線の円とが重なることを、確認してリモートコントローラー50のスイッチ(不図示)を押下することが想定されている。破線の円と、実線の円とが重なることは、ポール25が垂直な状態であることを意味している。
【0047】
さて、リモートコントローラー50においては、ステップS4001で、不図示のスイッチの押下が検知されたか否かが判断される。この判断がNOであると、再びステップS4001で判断を行うようループするが、ステップS4001での判断がYESとなると、このループを抜け、ステップS4002に進み、トリガー信号を発生し、これをタブレット型端末装置12に対して送信する。なお、本例では、リモートコントローラー50のスイッチ(不図示)の押下によって、トリガー信号を発生させる例を示しているが、タブレット型端末装置12のユーザーインターフェイス画面におけるUI22(「計測」のボタン)を押下することで、トリガー信号を発生し、これを送信するようにも構成されている。
【0048】
タブレット型端末装置12においては、トリガー信号を受信すると、ステップS1303において、トータルステーション30からの計測座標データを、実測データとして取得する。続いて、ステップS1304では、(設計データ)と(実測データ)との間の距離の差分D1を算出する。
【0049】
ステップS1305では、算出したD1が所定値以上であるか否かが判定される。ステップS1305での判定がYESである場合には、(設計データ)と(実測データ)との乖離が大きく、意味のないデータを実測データとして取得した可能性があるので、ステップS1306に進み、エラーの報知を行う。タブレット型端末装置12によるエラー報知の方法は任意の方法で良いが、音声による報知であっても良いし、画面表示による報知であっても良いし、或いはタブレット型端末装置12を振動させるようなバイブレーションによる報知であっても良い。
【0050】
ステップS1305での判定がNOである場合には、トータルステーション30からの計測座標データを、実測データとしてエラーのない正式な実測データとして記憶する。
【0051】
図4に戻り、ボタンUI5がタップされることで、タブレット型端末装置12において、レベル計測器40による実測データの計測処理が実行される。このレベル計測器40による実測データ取得の処理は、作業員が計測対象の格点(例えば、格点C4-G2)に、バーコードスタッフ45を立てて行う処理である。また、実測データ取得の処理は、計測対象の格点毎に行われる。従って、ある点の格点の実測データの取得が行われると、作業員は次の格点に移動して、再びバーコードスタッフ45を格点に立てて、実測データの取得を行う。
【0052】
図12は本発明の実施形態に係る出来形計測システム1のレベル計測器40による実測データの取得処理を示すフローチャートである。このフローチャートは、タブレット型端末装置12とレベル計測器40とリモートコントローラー50とによる協働処理を図示化したものである。また、このフローチャートは、計測対象の格点毎に実行されることが前提となるものである。
【0053】
タブレット型端末装置12における処理では、ステップS1401で、計測対象となる格点名称に対応したZ方向の設計データが取得される。この設計データは、先の設計設定処理で入力されたものである。既に、トータルステーション30で計測した実測データが存在する場合には、その実測データを使用するようにしてもよい。
【0054】
レベル計測器40においては、ステップS3101で、バーコードスタッフ45を計測する。次のステップS3102では、計測した高さデータを、タブレット型端末装置12に対して送信する。レベル計測器40においては、ステップS3101と、ステップS3102とのループが繰り返される。
【0055】
タブレット型端末装置12においては、ステップS1402で、レベル計測器40から高さデータを送信する。
【0056】
リモートコントローラー50においては、ステップS4101で、不図示のスイッチの押下が検知されたか否かが判断される。この判断がNOであると、再びステップS4101で判断を行うようループするが、ステップS4101での判断がYESとなると、このループを抜け、ステップS4102に進み、トリガー信号を発生し、これをタブレット型端末装置12に対して送信する。なお、本例では、リモートコントローラー50のスイッチ(不図示)の押下によって、トリガー信号を発生させる例を示しているが、タブレット型端末装置12のユーザーインターフェイス画面からの入力で、トリガー信号を発生し、これを送信するようにも構成されている。
【0057】
タブレット型端末装置12においては、トリガー信号を受信すると、ステップS1403において、レベル計測器40からの高さデータを、実測したデータとして取得する。続いて、ステップS1404では、(Z方向の設計データ)と(実測した高さデータ)との間の距離の差分D2を算出する。
【0058】
ステップS1405では、算出したD2が所定値以上であるか否かが判定される。ステップS1405での判定がYESである場合には、設計値の高さデータと、実測した高さデータとの乖離が大きく、意味のないデータを実測データとして取得した可能性があるので、ステップS1406に進み、エラーの報知を行う。タブレット型端末装置12によるエラー報知の方法は任意の方法で良いが、音声による報知であっても良いし、画面表示による報知であっても良いし、或いはタブレット型端末装置12を振動させるようなバイブレーションによる報知であっても良い。
【0059】
ステップS1405での判定がNOである場合には、レベル計測器40からの高さデータを、エラーのない正式な高さデータとして記憶する。
【0060】
次に、タブレット型端末装置12に取得・収集される上部工における格点での実測データに基づいて、出来形を算出する処理について説明する。このよう出来形の算出処理は、タブレット型端末装置12が本発明に係る出来形計測システム1を実行している間には、バックグラウンドで実行させると良い。
【0061】
ステップS1500で、出来形算出処理が開始されると、続く、ステップS1501で、各格点でのトータルステーション30で計測された実測データ、レベル計測器40で計測された実測高さデータ、入力された桁温度データが取得される。
【0062】
ステップS1502では、トータルステーション30による実測データ(X,Y,Z)における高さデータ(Z)を、レベル計測器40による実測高さデータで置き換えて、これを新たなデータとする。この新たなデータを、本明細書では、「レベル修正実測データ」と称することとする。レベル計測器40による高さデータの方がトータルステーション30による高さデータより、信頼度が高いためにこのような処理を本発明では採用している。
【0063】
続く、ステップS1303では、レベル修正実測データと、温度データとから、支間長、全長、通り、そり、基準高、幅の各値を算出する。以下、それぞれの算出方法について、図14を参照しつつ説明する。
●支間長について
図14(a)に示すような格点G1-S1と、格点G1-S2と間の支間長を例とする。この場合の支間長L1は、
L1={(X2-X1)2+(Y2-Y1)2+(Z2-Z1)21/2
によって、算出することができる。
●全長について
全長は連続する支間長の和で、図14(b)を例とすると、全長Lは
L=L1+L2+L3+・・・・
のように算出することができる。
●通りについて
図14(c)に示すような、格点G1-S1と、格点G1-S2と間に存在する格点G1-C4を例示として説明する。この通りを算出する上で、図14(d)に示す座標変換を行う。この座標変換では、格点G1-S1を原点に移動させて、格点G1-S2と格点G1-C4とが通る直線がY軸となるようにθ回転を施している。このとき、通りは以下のように算出できる。
X2’=X2-X1
Y2’=Y2-Y1
θ= arctan(Y2’/X2’)×(-1)
X3’=X3-X1
Y3’=Y3-Y1
X3’ ’=Y3’×sinθ-X3’ ×cosθ
Y3’ ’=Y3’×cosθ-X3’ ×sinθ
(通り)=Y3’ ’ ×(通り符号)
ここで、(通り符号)=-1 :プラス方向の場合(図14(c)参照)
(通り符号)=+1 :マイナス方向の場合(図14(c)参照)
●そりについて(上部工が橋梁架設工の場合)
(そり)=(実測値のZ座標)-(設計値のZ座標)
●基準高について(上部工が床版工の場合)
(基準高)=(実測値のZ座標)-(設計値のZ座標)
●幅について
上部工の幅方向の2点の距離により算出する。
●桁温度(温度データ)による補正について
桁温度(温度データ)による補正は、支間長、全長について適用される。
【0064】
まず、温度変化量δは、
δ=α×(T-To)×L
によって、求めることができる。ここで、
α:熱膨張係数=1.22×10-5[mm/℃]
T:桁温度=(計測値)[℃]・・・ユーザーインターフェイス画面による入力されたもの
o:設計温度=20[℃]
L:桁長=設計値[mm]・・・設計データから取得されるもの。
である。
【0065】
例として、桁温度40.3℃、設計温度20℃、設計桁長50mの場合には、温度変化量δは、
δ=1.22×10-5×(40.3-20.0)×50000
=12.4[mm]となる。
【0066】
実測に基づいた支間長(又は、全長)の値がL’であるとき、桁温度(温度データ)により補正された実測値は、(L’-12.4)[mm]となる。
【0067】
さて、図4に戻り、ボタンUI6がタップされることで、タブレット型端末装置12において帳票出力の処理が実行される。図15は本発明の実施形態に係る出来形計測システム1における帳票出力処理のフローチャートを示す図である。
【0068】
ステップS1600で、帳票出力処理が開始されると、続いて、ステップS1601に進み、出来形算出処理で得られた支間長、全長、通り、そり、基準高、幅算出の算出値を取得する。次のステップS1602においては、これらの算出値(全ての算出値、いずれかの算出値、いずれかの算出値の組み合わせ)を含む形で、スプレッドシートソフトウエアのファイル形式に出力する。このような出来形帳票の一例を図16に示す。ステップS1603で、処理を終了する。
【0069】
以上、本発明の出来形計測システム1は、橋梁工事における上部工5の出来形を計測する出来形計測システム1であって、ターゲットプリズム20を自動追尾して、前記ターゲットプリズム20の座標データを計測するトータルステーション30と、前記トータルステーション30に対して計測を行うよう指令するリモートコントローラー50と、前記上部工5の上の所定位置に対応した設計データを記憶し、前記トータルステーションに対して指令を行うと共に、前記トータルステーションから座標データを受信する情報処理装置(タブレット型端末装置12)と、前記ターゲットプリズム20と前記情報処理装置(タブレット型端末装置12)とを保持するポール25と、を有しており、このような本発明の出来形計測システム1によれば、橋梁工事の現場での計測の際にはワンマンでのオペレーションが可能となり、さらに計測後においては、情報処理装置にて帳票を作成することができ、人手と手間を大幅に削減することが可能となる。
(情報処理装置のハードウエア構成)
図17は、情報処理装置900の一例を示すハードウエア構成図である。出来形計測システム1の各装置2~6は、汎用又は専用の情報処理装置900により構成される。
【0070】
情報処理装置900は、図に示すように、その主要な構成要素として、バス910、プロセッサ912、メモリ914、入力デバイス916、出力デバイス917、表示デバイス918、ストレージ装置920、通信I/F(インターフェース)部922、外部機器I/F部924、I/O(入出力)デバイスI/F部926、及び、メディア入出力部928を備える。なお、上記の構成要素は、情報処理装置900が使用される用途に応じて適宜省略されてもよい。
【0071】
プロセッサ912は、1つ又は複数の演算処理装置(CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro-processing unit)、DSP(digital signal processor)、GPU(Graphics Processing Unit)等)で構成され、情報処理装置900全体を統括する制御部として動作する。メモリ914は、各種のデータ及びプログラム930を記憶し、例えば、メインメモリとして機能する揮発性メモリ(DRAM、SRAM等)と、不揮発性メモリ(ROM)、フラッシュメモリ等とで構成される。
【0072】
入力デバイス916は、例えば、キーボード、マウス、テンキー、電子ペン等で構成され、入力部として機能する。出力デバイス917は、例えば、音(音声)出力装置、バイブレーション装置等で構成され、出力部として機能する。表示デバイス918は、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、電子ペーパー、プロジェクタ等で構成され、出力部として機能する。入力デバイス916及び表示デバイス918は、タッチパネルディスプレイのように、一体的に構成されていてもよい。ストレージ装置920は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等で構成され、記憶部として機能する。ストレージ装置920は、オペレーティングシステムやプログラム930の実行に必要な各種のデータを記憶する。
【0073】
通信I/F部922は、インターネットやイントラネット等のネットワーク940(図1の通信回線15と同じであってもよい)に有線又は無線により接続され、所定の通信規格に従って他のコンピュータとの間でデータの送受信を行う通信部として機能する。外部機器I/F部924は、カメラ、プリンタ、スキャナ、リーダライタ等の外部機器950に有線又は無線により接続され、所定の通信規格に従って外部機器950との間でデータの送受信を行う通信部として機能する。I/OデバイスI/F部926は、各種のセンサ、アクチュエータ等のI/Oデバイス960に接続され、I/Oデバイス960との間で、例えば、センサによる検出信号やアクチュエータへの制御信号等の各種の信号やデータの送受信を行う通信部として機能する。メディア入出力部928は、例えば、DVD(Digital Versatile Disc)ドライブ、CD(Compact Disc)ドライブ等のドライブ装置、メモリカードスロット、USBコネクタで構成され、DVD、CD、メモリカード、USBメモリ等のメディア(非一時的な記憶媒体)970に対してデータの読み書きを行う。
【0074】
上記構成を有する情報処理装置900において、プロセッサ912は、ストレージ装置920に記憶されたプログラム930をメモリ914に呼び出して実行し、バス910を介して情報処理装置900の各部を制御する。なお、プログラム930は、ストレージ装置920に代えて、メモリ914に記憶されていてもよい。プログラム930は、インストール可能なファイル形式又は実行可能なファイル形式でメディア970に記録され、メディア入出力部928を介して情報処理装置900に提供されてもよい。プログラム930は、通信I/F部922を介してネットワーク940経由でダウンロードすることにより情報処理装置900に提供されてもよい。また、情報処理装置900は、プロセッサ912がプログラム930を実行することで実現する各種の機能を、例えば、FPGA、ASIC等のハードウエアで実現するものでもよい。
【0075】
情報処理装置900は、例えば、パーソナルコンピューター13やタブレット型端末装置12で構成され得る、任意の形態の電子機器である。情報処理装置900は、クライアント型コンピュータでもよいし、サーバ型コンピュータやクラウド型コンピュータでもよい。情報処理装置900は、各装置2~6以外の装置にも適用されてもよい。また、情報処理装置900がタブレット型端末装置である場合には、情報処理装置900は自機が所在する位置情報を取得する機能を有し、当該位置情報を種々のデータ処理に供する構成とされることが好ましい。
【0076】
本発明は、出来形計測システム1が備える各部としてコンピュータ900を機能させるプログラムや、出来形計測システム1が備える各工程をコンピュータ900に実行させるためのプログラムの態様でも提供することができる。
【0077】
以上では、本発明を実施の形態に基づき説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されない。本発明と同一及び均等の範囲内において、上記の実施の形態に対して種々の変更を加えることが可能である。
【0078】
本発明は上述した実施形態に制約されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することが可能である。そして、それらはすべて、本発明の技術思想に含まれるものである。
【0079】
また、以上に説明する実施形態は請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。また、それぞれの実施形態及び実施例は、本発明の技術的な意義を失わない範囲で、自由に組み合わせたり、適宜、変形、省略したりすることが可能である。
【符号の説明】
【0080】
1・・・出来形計測システム
5・・・上部工
12・・・タブレット型端末装置(情報処理装置)
13・・・パーソナルコンピューター(情報処理装置)
15・・・通信回線
18・・・クラウドサーバー
20・・・ターゲットプリズム
25・・・ポール
26・・・取り付け部材
30・・・トータルステーション
40・・・レベル計測器
45・・・バーコードスタッフ
50・・・リモートコントローラー
900・・・情報処理装置(ハードウエア例)
【要約】
【課題】橋梁工事の現場でのトータルステーション等による計測が省人化でき、出来形帳票の作成も簡便にできる出来形計測システムを提供する。
【解決手段】本発明の出来形計測システム1は、橋梁工事における上部工5の出来形を計測する出来形計測システムであって、ターゲットプリズム20を自動追尾して、前記ターゲットプリズム20の座標データを計測するトータルステーション30と、前記トータルステーション30に対して計測を行うよう指令するリモートコントローラー50と、前記上部工5の上の所定位置に対応した設計データを記憶し、前記トータルステーションに対して指令を行うと共に、前記トータルステーションから座標データを受信する情報処理装置(タブレット型端末装置12)と、前記ターゲットプリズム20と前記情報処理装置(タブレット型端末装置12)とを保持するポール25と、を有する。
【選択図】 図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17