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特許7559211リチウムイオン電池の正極リチウム補充添加剤及びその調製方法とリチウムイオン電池
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  • 特許-リチウムイオン電池の正極リチウム補充添加剤及びその調製方法とリチウムイオン電池 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-20
(45)【発行日】2024-10-01
(54)【発明の名称】リチウムイオン電池の正極リチウム補充添加剤及びその調製方法とリチウムイオン電池
(51)【国際特許分類】
   H01M 4/525 20100101AFI20240924BHJP
   H01M 4/62 20060101ALI20240924BHJP
   C01G 53/00 20060101ALI20240924BHJP
【FI】
H01M4/525
H01M4/62 Z
C01G53/00 A
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2023504719
(86)(22)【出願日】2020-10-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-10
(86)【国際出願番号】 CN2020119884
(87)【国際公開番号】W WO2022021608
(87)【国際公開日】2022-02-03
【審査請求日】2023-01-23
(31)【優先権主張番号】202010741703.5
(32)【優先日】2020-07-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】523024990
【氏名又は名称】深▲セン▼市研一新材料有限責任公司
(74)【代理人】
【識別番号】100135183
【弁理士】
【氏名又は名称】大窪 克之
(72)【発明者】
【氏名】岳敏
(72)【発明者】
【氏名】夏凡
(72)【発明者】
【氏名】陳俊奇
【審査官】渡部 朋也
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/096212(WO,A1)
【文献】特表2020-516039(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2008-0108723(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2010-0036896(KR,A)
【文献】中国特許出願公開第108987672(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 4/525
H01M 4/62
C01G 53/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リチウムイオン電池の正極リチウム補充添加剤であって、
Li2NiO2の純度>95%、残留アルカリの総量<3%、初回充電のグラム容量は420~465mAh/gであり、不可逆容量は260~340mAh/gであり、
前記初回充電のグラム容量および不可逆容量の測定条件は、
前記リチウムイオン電池の正極リチウム補充添加剤を正極材料として、リチウムシートを負極シートとして、CR2032ボタン電池を製造し、25℃の恒温を保持し、電圧範囲は3.0~4.3Vであり、0.05Cの定電流及び定電圧で充電し、前記CR2032ボタン電池の初回充電、初回放電のグラム容量を測定し、不可逆容量(初回充電容量-初回放電容量=不可逆容量)を算出することである、ことを特徴とするリチウムイオン電池の正極リチウム補充添加剤。
【請求項2】
リチウムイオン電池の正極リチウム補充添加剤の調製方法であって、以下のステップを含み、
ステップ1、複合リチウム塩の調製
室温で、リチウム原料を真空度<100pa、1~10℃/minの昇温速度で400~950℃まで昇温し、15~480min保温し、真空度を保持し、炉内で室温まで自然降温した後に取り出し、破砕して複合リチウム塩xLiOH・yLi2O・zLi2CO3・wH2Oを得て、ここで、x、y、zは質量分率であり、0<x<0.5、0.5≦y<1.0、0<z<0.5、x+y+z=1、wは結晶水含有量を表し、0≦w≦1であり、
前記リチウム原料は水酸化リチウム-酸化リチウム-炭酸リチウム複合体、水酸化リチウム-酸化リチウム-シュウ酸リチウム複合体、水酸化リチウム-過酸化リチウム-炭酸リチウム複合体、水酸化リチウム-過酸化リチウム-シュウ酸リチウム複合体、水素化リチウム-酸化リチウム-炭酸リチウム複合体、水素化リチウム-酸化リチウム-シュウ酸リチウム複合体、水素化リチウム-過酸化リチウム-炭酸リチウム複合体、水素化リチウム-過酸化リチウム-シュウ酸リチウム複合体の1種以上であり、
ステップ2、複合リチウム塩とニッケル源の混合
複合リチウム塩をリチウム源とニッケル源のモル比1.5~2.2:1.0で、アルゴン又は窒素保護雰囲気下で混合し、回転数500~1000rpmで、時間0.5~6.0hで、複合リチウム塩とニッケル源の混合粉体を得て、
前記ニッケル源は酸化ニッケル(II)、三酸化二ニッケル、二酸化ニッケル、水酸化ニッケル、オキシ水酸化ニッケル、炭酸ニッケル、シュウ酸ニッケル及び酢酸ニッケルの1種以上であり、
ステップ3、焼結
複合リチウム塩とニッケル源の混合粉体を保護雰囲気又は酸化雰囲気下、1~10℃/minの昇温速度で100~300℃まで昇温し、0.5~5.0h保温してから、1~10℃/minの昇温速度で600~800℃まで昇温し、5.0~20.0h保温し、炉内で室温まで自然降温し、焼結材料を得て、
ステップ4、破砕
焼結材料をアルゴン又は窒素保護雰囲気下、回転数800~1000rpmで15~30min分散させて粉砕し、350~400メッシュの篩にかけ、リチウムイオン電池の正極リチウム補充添加剤を得る、リチウムイオン電池の正極リチウム補充添加剤の調製方法。
【請求項3】
前記ステップ4の後に、磁性体含有量<50ppbになるように脱磁する、ことを特徴とする請求項2に記載のリチウムイオン電池の正極リチウム補充添加剤の調製方法。
【請求項4】
前記ステップ1における破砕は、直径が5mmのジルコニウム球を用いて、球とリチウム原料の質量比10~15:1、回転数700rpmで0.5hボールミルする、ことを特徴とする請求項2又は3に記載のリチウムイオン電池の正極リチウム補充添加剤の調製方法。
【請求項5】
前記ステップ1におけるリチウム原料の質量純度>99%であり、前記ステップ2におけるアルゴン又は窒素の純度>99.995%、流量が6L/minであり、前記ステップ3における保護雰囲気はアルゴン又は窒素の1種以上であり、ガス純度>99.995%、流量が6L/minであり、酸化雰囲気が酸素含有量50~200ppmの保護雰囲気であり、前記ステップ4におけるアルゴン又は窒素の純度>99.995%、流量が6L/minである、ことを特徴とする請求項2又は3に記載のリチウムイオン電池の正極リチウム補充添加剤の調製方法。
【請求項6】
前記ステップ4では、350~400メッシュの篩にかけ、粒度D50が5.0~15.0μm、Dmax<25.0μmである、ことを特徴とする請求項2又は3に記載のリチウムイオン電池の正極リチウム補充添加剤の調製方法。
【請求項7】
正極が設けられ、正極の正極活物質にリチウム補充添加剤が加えられたリチウムイオン電池であって、
前記リチウム補充添加剤は請求項1に記載のリチウムイオン電池の正極リチウム補充添加剤を用いる、リチウムイオン電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はリチウムイオン電池材料及びその調製方法とリチウムイオン電池に関し、特にリチウムイオン電池の正極添加剤材料及びその調製方法とリチウムイオン電池に関する。
【背景技術】
【0002】
リチウムイオン電池(電池)は、高いエネルギー密度、長いサイクル使用寿命の特徴により、さまざまな電子製品に広く使用されている。電気自動車、電気機械、ドローンなどの大型モバイル電源の急速な発展に伴い、高エネルギーとハイパワーに対してより高い要求が出されている。
【0003】
高比エネルギー電池の設計要求を満たすための最も効果的な方法は、高比容量の正極と負極材料を選択し、例えば、シリコン、スズ、アルミニウム、酸化物を選択して新型負極材料とすることである。しかし、リチウム電池の初回の充電過程において、正極から放出されたリチウムの一部が負極の表面に不可逆的なリチウム含有パッシベーション膜SEIを形成し、活性リチウムの損失を引き起こし、これにより電池の利用可能なエネルギーが減少する。
【0004】
この部分のリチウム損失を補うための従来技術の方法は、正極又は負極にリチウムを事前に補充するものである。負極のリチウム補充は、一般に、金属リチウム粉末、箔、シートを負極材料と反応させるものである。しかし、この方法は、リチウム化試薬の化学的安定性が悪く、活性リチウム粉末に大きな安全上の懸念があるという問題がある。正極のリチウム補充は、一般に、リチウム補充材料を正極材料と比例して混合し、スラリー化した後に電池芯を作成し、初回の充電過程において、過剰なリチウムを放出し、負極表面でSEI膜を形成することで消費されたリチウムを補充することにより、リチウム補充を完了する。負極のリチウム補充と比較して、正極のリチウム補充は従来の電池製造プロセスを変更する必要がないため、コストが低く、簡単で、安全性が高いという特徴があり、より広い工業応用の見通しがある。しかしながら、従来の技術における正極リチウム補充材料の調製方法には、プロセス過程が複雑であるという問題があり、複数回の混合、破砕、焼結工程を経る必要があり、且つ得られた正極リチウム補充材料は純度が高くなく、工業化製造の要求を満たすことができない。
【0005】
公開号が108735526Aの中国特許に開示しているリチウム補充材料Li2NiO2の調製方法のように、該Li2NiO2を用いたリチウムイオンコンデンサは、Li2O、NiOを原料として、保護雰囲気下でボールミルした後に高温焼結してから、Al23を加えて保護雰囲気下でボールミルし続け、その後に高温焼結して目標物のLi2NiO2を得る。この方法は、Li2O、NiO及びAl23を原料として高温焼結により調製されたLi2NiO2ような合成が困難で、得られたLi2NiO2の不純物が多く、合成純度が向上し難いという不足が存在する。
【0006】
また、公開番号が109786746Aの中国特許に開示されている正極シート、リチウムイオン電池の正極リチウム補充材料及びその調製方法のように、エタノールを溶媒として正極リチウム補充材料マトリックスと炭素源を混合し、混合溶液を得て、混合溶液を揮発させて溶媒を除去した後に、不活性雰囲気下で焼成し、表面に炭素被覆を有するリチウムイオン電池の正極リチウム補充材料を得る。この方法は、Li2CO3を原料として純度>99.9%の酸化リチウムを調製するのが非常に困難で、再現性が非常に悪く、且つ残留したLi2CO3含有量が高く、リチウム源としてLi2NiO2を調製すると、炭酸イオン含有量が高くなり、電池の加工製造及び電池性能の両方に不良影響を及ぼす。
【0007】
また、公開番号が110218078Aの中国特許に開示されているリチウム補充材料Li2NiO2及びその調製方法と使用のように、該調製方法は、Li2O、Ni2CO3、Al(OH)3を原料として、アセトンを溶媒として、それらを混合した後に保護雰囲気下でボールミルを行うS1と、ボールミル生成物をベークし、粉体を得るS2と、粉体を保護雰囲気下で低温予備焼結するS3と、予備焼結生成物を保護雰囲気下でボールミルし、ボールミルされた生成物を取り出してシートにプレスするS4と、ステップS4で得られた生成物を高温焼結し、目標物のリチウム補充材料Li2NiO2を得るS5と、を含む。この方法は複数回の焼結により調製する必要があり、且つ有機物アセトンを用いて溶媒とすることに関し、プロセスが煩雑で大量生産を実行し難く、環境汚染を起こしやすい。
【発明の概要】
【0008】
本発明の目的は、リチウムイオン電池の正極リチウム補充添加剤及びその調製方法とリチウムイオン電池を提供することであり、解決しようとする問題はLi2NiO2の純度の向上と、コストの削減である。
【0009】
本発明は以下の技術案を採用する。リチウムイオン電池の正極リチウム補充添加剤であって、Li2NiO2の純度>95%、残留アルカリの総量<3%、初回充電のグラム容量は420~465mAh/gであり、不可逆容量は260~340mAh/gである。
【0010】
本発明のリチウムイオン電池の正極リチウム補充添加剤は、以下のステップを含む調製方法を用いて得られることを特徴とする。
ステップ1、複合リチウム塩の調製
室温で、リチウム原料を真空度<100pa、1~10℃/minの昇温速度で400~950℃まで昇温し、15~480min保温し、炉内で室温まで自然降温し、直径が5mmのジルコニウム球を用いて、球とリチウム原料の質量比10~15:1、回転数700rpmで0.5hボールミルし、複合リチウム塩xLiOH・yLi2O・zLi2CO3・wH2Oを得て、ここで、x、y、zは質量分率であり、0<x<0.5、0.5≦y<1.0、0<z<0.5、x+y+z=1、wは結晶水含有量を表し、0≦w≦1であり、
前記リチウム原料は水酸化リチウム-酸化リチウム-炭酸リチウム複合体、水酸化リチウム-酸化リチウム-シュウ酸リチウム複合体、水酸化リチウム-過酸化リチウム-炭酸リチウム複合体、水酸化リチウム-過酸化リチウム-シュウ酸リチウム複合体、水素化リチウム-酸化リチウム-炭酸リチウム複合体、水素化リチウム-酸化リチウム-シュウ酸リチウム複合体、水素化リチウム-過酸化リチウム-炭酸リチウム複合体、水素化リチウム-過酸化リチウム-シュウ酸リチウム複合体の1種以上であり、
ステップ2、複合リチウム塩とニッケル源の混合
複合リチウム塩をリチウム源とニッケル源のモル比1.5~2.2:1.0で、アルゴン又は窒素保護雰囲気下で混合し、回転数は500~1000rpm、時間は0.5~6.0hであり、複合リチウム塩とニッケル源の混合粉体を得て、
前記ニッケル源は酸化ニッケル(II)、三酸化二ニッケル、二酸化ニッケル、水酸化ニッケル、オキシ水酸化ニッケル、炭酸ニッケル、シュウ酸ニッケル及び酢酸ニッケルの1種以上であり、
ステップ3、焼結
複合リチウム塩とニッケル源の混合粉体を保護雰囲気又は酸化雰囲気下、1~10℃/minの昇温速度で100~300℃まで昇温し、0.5~5.0h保温してから、1~10℃/minの昇温速度で600~800℃まで昇温し、5.0~20.0h保温し、高温焼結し、炉内で室温まで自然降温し、焼結材料を得て、
ステップ4、破砕
焼結材料をアルゴン又は窒素保護雰囲気下、回転数800~1000rpmで15~30min分散させて粉砕し、350~400メッシュの篩にかけ、粒度D50は5.0~15.0μmであり、Dmax<25.0μm、粉砕材料を得て、
ステップ5、脱磁
磁性体含有量<50ppbになるように粉砕材料を脱磁し、リチウムイオン電池の正極リチウム補充添加剤を得る。
【0011】
前記ステップ1におけるリチウム原料の質量純度>99%であり、前記ステップ2におけるアルゴン又は窒素の純度>99.995%、流量が6L/minであり、前記ステップ3における保護雰囲気はアルゴン又は窒素の1種以上で、ガス純度>99.995%、流量が6L/minであり、酸化雰囲気が酸素含有量50~200ppmの保護雰囲気であり、前記ステップ4におけるアルゴン又は窒素の純度>99.995%、流量が6L/minである。
【0012】
前記ステップ4では、350~400メッシュの篩にかけ、粒度D50が5.0~15.0μm、Dmax<25.0μmである。
【0013】
リチウムイオン電池の正極リチウム補充添加剤の調製方法であって、以下のステップを含み、
ステップ1、複合リチウム塩の調製
室温で、リチウム原料を真空度<100pa、1~10℃/minの昇温速度で400~950℃まで昇温し、15~480min保温し、真空度を保持し、炉内で室温まで自然降温した後に取り出し、破砕して複合リチウム塩xLiOH・yLi2O・zLi2CO3・wH2Oを得て、ここで、x、y、zは質量分率であり、0<x<0.5、0.5≦y<1.0、0<z<0.5、x+y+z=1、wは結晶水含有量を表し、0≦w≦1であり、
前記リチウム原料は水酸化リチウム-酸化リチウム-炭酸リチウム複合体、水酸化リチウム-酸化リチウム-シュウ酸リチウム複合体、水酸化リチウム-過酸化リチウム-炭酸リチウム複合体、水酸化リチウム-過酸化リチウム-シュウ酸リチウム複合体、水素化リチウム-酸化リチウム-炭酸リチウム複合体、水素化リチウム-酸化リチウム-シュウ酸リチウム複合体、水素化リチウム-過酸化リチウム-炭酸リチウム複合体、水素化リチウム-過酸化リチウム-シュウ酸リチウム複合体の1種以上であり、
ステップ2、複合リチウム塩とニッケル源の混合
複合リチウム塩をリチウム源とニッケル源のモル比1.5~2.2:1.0で、アルゴン又は窒素保護雰囲気下で混合し、回転数は500~1000rpm、時間は0.5~6.0hであり、複合リチウム塩とニッケル源の混合粉体を得て、
前記ニッケル源は酸化ニッケル(II)、三酸化二ニッケル、二酸化ニッケル、水酸化ニッケル、オキシ水酸化ニッケル、炭酸ニッケル、シュウ酸ニッケル及び酢酸ニッケルの1種以上であり、
ステップ3、焼結
複合リチウム塩とニッケル源の混合粉体を保護雰囲気又は酸化雰囲気下、1~10℃/minの昇温速度で100~300℃まで昇温し、0.5~5.0h保温してから、1~10℃/minの昇温速度で600~800℃まで昇温し、5.0~20.0h保温し、炉内で室温まで自然降温し、焼結材料を得て、
ステップ4、破砕
焼結材料をアルゴン又は窒素保護雰囲気下、回転数800~1000rpmで15~30min分散させて粉砕し、350~400メッシュの篩にかけ、リチウムイオン電池の正極リチウム補充添加剤を得る。
【0014】
本発明の方法のステップ4の後に、磁性体含有量<50ppbになるように脱磁する。
【0015】
本発明の方法のステップ1における破砕は、直径が5mmのジルコニウム球を用いて、球とリチウム原料の質量比10~15:1、回転数700rpmで0.5hボールミルする。
【0016】
本発明の方法のステップ1におけるリチウム原料の質量純度>99%であり、前記ステップ2におけるアルゴン又は窒素の純度>99.995%、流量が6L/minであり、前記ステップ3における保護雰囲気はアルゴン又は窒素の1種以上で、ガス純度>99.995%、流量が6L/minであり、酸化雰囲気が酸素含有量50~200ppmの保護雰囲気であり、前記ステップ4におけるアルゴン又は窒素の純度>99.995%、流量は6L/minである。
【0017】
本発明の方法のステップ4では、350~400メッシュの篩にかけ、粒度D50は5.0~15.0μm、Dmax<25.0μmである。
【0018】
正極が設けられ、正極の正極活物質にリチウム補充添加剤が加えられたリチウムイオン電池であって、前記リチウム補充添加剤は本発明のリチウムイオン電池の正極リチウム補充添加剤を用いる。
【0019】
本発明は、従来の技術と比較して、リチウム原料が複合リチウム塩を用いて、混合、焼結及び破砕を含み、得られたLi2NiO2の純度>95%、残留アルカリの総量<3%、初回充電のグラム容量は420~465mAh/gであり、不可逆容量は260~340mAh/gであり、調製方法が簡単で、制御しやく、コストが低く、環境にやさしく、工業化製造に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の実施例1の複合リチウム塩のXRD図である。
図2】本発明の実施例1のリチウムイオン電池の正極リチウム補充添加剤のXRD図である。
図3】本発明の実施例1のリチウムイオン電池の正極リチウム補充添加剤のSEM図である。
図4】本発明の実施例1の充放電曲線図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面及び実施例を参照しながら本発明をさらに詳細に説明する。本発明のリチウムイオン電池の正極リチウム補充添加剤Li2NiO2の調製方法は以下のステップを含む。
【0022】
ステップ1、複合リチウム塩の調製
複合リチウム塩は混合物xLiOH・yLi2O・zLi2CO3・wH2Oであり、ここで、x、y、zは質量分率であり、0<x<0.5、0.5≦y<1.0、0<z<0.5、x+y+z=1、wは結晶水含有量を表し、0≦w≦1である。
リチウム原料は水酸化リチウム-酸化リチウム-炭酸リチウム複合体、水酸化リチウム-酸化リチウム-シュウ酸リチウム複合体、水酸化リチウム-過酸化リチウム-炭酸リチウム複合体、水酸化リチウム-過酸化リチウム-シュウ酸リチウム複合体、水素化リチウム-酸化リチウム-炭酸リチウム複合体、水素化リチウム-酸化リチウム-シュウ酸リチウム複合体、水素化リチウム-過酸化リチウム-炭酸リチウム複合体、水素化リチウム-過酸化リチウム-シュウ酸リチウム複合体の1種以上であり、質量純度>99%である。複合体とは、機械的混合物を指す。本発明の実施例におけるリチウム原料は、Ganfeng Lithium Co.,Ltd.の電池グレードのリチウム原料を採用する。
室温(20℃)で、リチウム原料を真空度<100pa、1~10℃/minの昇温速度で400~950℃まで昇温し、15~480min保温し、真空度を保持し、炉内で室温まで自然降温した後に取り出し、取り出したサンプルはブロック状の固体であり、破砕で直径が5mmのジルコニウム球を用いて、球とリチウム原料の質量比10~15:1、回転数700rpmで0.5hボールミルし、複合リチウム塩xLiOH・yLi2O・zLi2CO3・wH2Oを得た。
保温の温度及び時間を制御することにより、リチウム原料を分解して比率要求を満たす酸化リチウム、水酸化リチウム、炭酸リチウムを含む複合リチウム塩(リチウム源)に変換し、ステップ3における焼結過程において、酸化リチウムとニッケル源の間のLi2O+NiO=Li2NiO2のような反応を最も容易に実現するようにし、これも焼結してリチウムイオン電池の正極リチウム補充添加剤を調製する鍵である。ステップ3の焼結で、温度>450℃のとき、水酸化リチウムが溶解して液体になり、混合した複合リチウム塩とニッケル源に一定の流動性をもたらし、複合リチウム塩の拡散につながり、複合リチウム塩とニッケル源の間の接触が増加し、これによりLi2O+NiO=Li2NiO2、LiOH+NiO=Li2NiO2+H2Oのような反応がより十分になり、微量の炭酸リチウムの存在が焼結過程における水酸化リチウム及び酸化リチウムの相乗拡散に寄与した。
【0023】
ステップ2、複合リチウム塩とニッケル源の混合
複合リチウム塩xLiOH・yLi2O・zLi2CO3・wH2Oをリチウム源とニッケル源のモル比1.5~2.2:1.0で、アルゴン又は窒素保護雰囲気下で混合し、混合回転数が500~1000rpm、混合時間が0.5~6.0hで、複合リチウム塩とニッケル源の混合粉体を得た。
ニッケル源は酸化ニッケル(II)、三酸化二ニッケル、二酸化ニッケル、水酸化ニッケル、オキシ水酸化ニッケル、炭酸ニッケル、シュウ酸ニッケル及び酢酸ニッケルの1種以上である。
アルゴン又は窒素の純度>99.995%、流量が6L/minである。
リチウム源とニッケル源を十分に混合してリチウムとニッケル成分の均一な分布が得られ、焼結過程においてリチウムとニッケルの間の拡散反応程度を向上させ、リチウムイオン電池の正極リチウム補充添加剤の純度を向上させることができた。
【0024】
ステップ3、焼結
混合粉体に残留した水分及び揮発物を除去し、残留アルカリを低減することを目的として、複合リチウム塩とニッケル源の混合粉体を保護雰囲気又は酸化雰囲気下、1~10℃/minの昇温速度で100~300℃まで昇温し、0.5~5.0h保温する。その後に1~10℃/minの昇温速度で600~800℃まで昇温し、5.0~20.0h保温し、高温焼結し、複合リチウム塩とニッケル源の十分な反応を確保し、保護雰囲気又は酸化雰囲気下、炉内で室温まで自然降温し続け、焼結材料を得た。
保護雰囲気はアルゴン又は窒素の1種以上であり、ガス純度>99.995%、流量が6L/minである。酸化雰囲気は酸素含有量50~200ppmの保護雰囲気である。
焼結過程において、温度>450℃のとき、水酸化リチウムが溶解して液体になり、混合粉体に一定の流動性をもたらし、リチウム源の拡散につながり、酸化リチウムとニッケル源の間の接触が増加し、これにより反応がより十分になり、微量の炭酸リチウムの存在が焼結過程における水酸化リチウム及び酸化リチウムの相乗拡散に寄与した。これに対して、ステップ1で複合リチウム塩を調製する必要がある原因は次のとおりである。(1)単純にLi2Oをリチウム源とすると、Li2Oは無機酸化物であるため、その融点は1567℃と高く、焼結過程全体においてすべて固相状態であり、提供されたリチウムは固相拡散のみでしか反応することができず、動力学的に反応が遅く、且つ反応程度が限定され、(2)単純にLiOHを原料とすると、焼結過程において大量の水分が放出され、最終製品のLi2NiO2のブロッキングが激しく加工し難く、最終製品のLi2NiO2の純度が大幅に低下し、残留アルカリ含有量が増加することにつながり、(3)焼結せずに直接原料のLi2O+LiOH+Li2CO3の簡単な混合をリチウム原料とすると、各原料のLi2O、LiOH、Li2CO3の間は依然として分離した物質であり、焼結過程に良好な相乗作用を奏することができず、LiOHが溶解された後の流動によるリチウム源拡散面が限定され、Li2Oにより提供されたリチウム源は依然として固相拡散状態である。
【0025】
ステップ4、破砕
焼結材料をアルゴン又は窒素保護雰囲気下、Wuxi Xinguang Powder Technology Co.,Ltd.の1000型高速ミキサーを用いて破砕し、回転数800~1000rpmで15~30min分散させ、アルゴン又は窒素保護雰囲気下、Yixing Jingxin Powder Machinery Equipment Co.,Ltd.の350型機械式粉砕機を用いて粉砕し、Xinxiang Weiliang Sieving Machinery Co.,Ltd.の振動篩分機を用いて350~400メッシュの篩にかけ、粒度D50が5.0~15.0μm、Dmax<25.0μmであり、粉砕材料を得た。
アルゴン又は窒素の純度>99.995%、流量が6L/minである。
【0026】
ステップ5、脱磁
脱磁機を用いて、磁性体含有量<50ppbになるように粉砕材料を脱磁し、脱磁した粉砕材料をアルミラミネート袋に入れて、真空シール機を用いて包装し、リチウムイオン電池の正極リチウム補充添加剤Li2NiO2を得た。
【0027】
本発明の方法で調製されたリチウムイオン電池の正極リチウム補充添加剤に対して、米国FEIinspectF50走査型電子顕微鏡測定SEMを用いてトポグラフィーを観察し、オランダPANalytical社のX’pertPro型X線回折計を用いてXRD図を得て相組成を測定してから、ツールGSASソフトウェアを用いて組成含有量を詳細化して定量的に分析し、製品の純度及び不純物含有率を算出し、メトラーG20S滴定装置を用いて材料の残留アルカリ含有量を測定し、シンパテック乾式粒度分析計を用いて材料の粒度を測定し、ICPテストで磁性体含有量を測定した。
【0028】
それぞれ実施例で得られたリチウムイオン電池の正極リチウム補充添加剤と比較例のリチウム補充添加剤を正極材料として、リチウムシートを負極シートとして、CR2032ボタン電池を製造し、その初回充放電のグラム容量及びクーロン効率を測定した。クーロン効率が低いほど、不可逆容量が高くなり、リチウム補充に使用される効果がよくなることを示した。
【0029】
リチウムイオン電池の正極リチウム補充添加剤又はリチウム補充添加剤:導電剤SP:粘着剤PVDF=85:5:10の質量比で、固形分が30%のN-メチルピロリドンNMP溶液を調製し、均一に撹拌して正極スラリーを得て、アルミ箔に均一に塗布し、真空120℃で10h乾燥させ、直径10mmの円形シートに打ち抜いて正極シートとした。正極シート、負極シートの直径16mmの金属リチウムシート、セパレータCelgard2400微孔性ポリプロピレンフィルム、及びLiPF6/EC+DMCを体積比1:1である電解液1mo1/L、アルゴングローブボックス内でCR2032型ボタン電池に組み立てた。
【0030】
25℃の恒温を保持し、電圧範囲は3.0~4.3Vであり、0.05Cの定電流及び定電圧で充電し、CR2032型ボタン電池の充、放電のグラム容量を測定し、不可逆容量(初回充電容量-初回放電容量=不可逆容量)を算出し、初回クーロン効率を算出した。
【0031】
本発明のリチウムイオン電池の正極リチウム補充添加剤は、Li2NiO2質量純度>95%、残留アルカリ(残留リチウム)の総量<3%、初回充電のグラム容量は420~465mAh/gであり、不可逆容量は260~340mAh/gである。
【0032】
実施例1
ステップ1、複合リチウム塩の調製
リチウム原料の0.8LiOH-0.1Li2O-0.1Li2CO3を、真空度が30paの真空環境下、6℃/minの昇温速度で650℃まで昇温し、240min保温し、真空を保持して室温まで降温した後に取り出し、5mmのジルコニウム球を用いて、球とリチウム原料の比10:1、回転数700rpmで0.5hボールミル粉砕し、複合リチウム塩を得て、XRDテスト及びGSASソフトウェアによって複合リチウム塩の組成含有量を詳細化して定量的に分析し、純度を算出し、複合リチウム塩の比率は0.193LiOH・0.788Li2O・0.019Li2CO3である。
【0033】
図1に示すように、XRDテストによると、LiOH、Li2O及びLi2CO3の複合リチウム塩相が現れ、ここで、2θ=32.58°はLiOHの(101)面に対応し、2θ=33.61°はLi2Oの(111)面に対応し、2θ=31.94°はLi2CO3の(002)面に対応した。
【0034】
ステップ2、複合リチウム塩とニッケル源の混合
リチウム源とニッケル源のモル比2.0:1.0で、複合リチウム塩327.3gと酸化ニッケル(II)746.9gを秤量し、窒素保護雰囲気下で混合し、混合回転数が500rpm、混合時間が0.5hであり、複合リチウム塩とニッケル源の混合粉体を得た。
【0035】
ステップ3、焼結
複合リチウム塩とニッケル源の混合粉体を、窒素雰囲気下、1℃/minの昇温速度で100℃まで昇温し、0.5h保温してから、1℃/minの昇温速度で600℃まで昇温し、20.0h保温し、窒素雰囲気下、炉内で室温まで自然降温し続け、焼結材料を得た。
【0036】
ステップ4、破砕
焼結材料を窒素保護雰囲気下、回転数800rpmで15min分散させ、窒素保護雰囲気下で粉砕し、400メッシュの篩にかけ、粒度D50が8.0μm、Dmax=21.0μmであり、粉砕材料を得た。
【0037】
ステップ5、脱磁
脱磁機を用いて、磁性体総量が15ppbになるように粉砕材料を脱磁し、脱磁した粉砕材料をアルミラミネート袋に入れて、真空シール機を用いて包装し、リチウムイオン電池の正極リチウム補充添加剤Li2NiO2を得た。
【0038】
実施例1のリチウムイオン電池の正極リチウム補充添加剤Li2NiO2は、図2に示すように、XRDテストによると、主にLi2NiO2の回折ピークであり、ここで、2θ=25.75°はLi2NiO2の(101)面に対応し、2θ=43.38°はNiOの(200)面に対応する。ツールGSASソフトウェアを用いて組成含有量を詳細化して定量的に分析し、Li2NiO2成分の含有量は97.5%である。図3に示すように、トポグラフィーは単結晶の球状又は棒状の粒子であり、粒径は約8.0μmである。滴定装置によって残留アルカリの総含有量を1.055%として分析した。テスト結果を表1に示す。
【0039】
図4に示すように、テストによると、実施例1の初回充電のグラム容量は430mAh/g、初回放電のグラム容量は105mAh/g、利用可能な不可逆容量は325mAh/g、初回クーロン効率は24.4%である。テスト結果を表1に示す。
【0040】
実施例2
ステップ1、複合リチウム塩の調製
リチウム原料の0.8LiOH-0.1Li2O-0.1Li224を、真空度が90paの真空環境下、5℃/minの昇温速度で950℃まで昇温し、15min保温し、真空を保持して室温まで降温した後に取り出し、5mmのジルコニウム球を用いて、球とリチウム原料の比15:1、回転数700rpmで0.5hボールミル粉砕し、複合リチウム塩を得て、XRDテスト及びGSASソフトウェアによって複合リチウム塩の組成含有量を詳細化して定量的に分析し、純度を算出し、複合リチウム塩の比率は0.068LiOH・0.900Li2O・0.032Li2CO3である。
【0041】
ステップ2、複合リチウム塩とニッケル源の混合
リチウム源とニッケル源のモル比2.1:1.0で、複合リチウム塩335.7gと水酸化ニッケル926.9gを秤量し、アルゴン保護雰囲気下で混合し、混合回転数が1000rpm、混合時間が2.0hであり、複合リチウム塩とニッケル源の混合粉体を得た。
【0042】
ステップ3、焼結
複合リチウム塩とニッケル源の混合粉体を、アルゴン雰囲気下、5℃/minの昇温速度で300℃まで昇温し、2.0h保温してから、5℃/minの昇温速度で750℃まで昇温し、20.0h保温し、アルゴン雰囲気下、炉内で室温まで自然降温し続け、焼結材料を得た。
【0043】
ステップ4、破砕
焼結材料をアルゴン保護雰囲気下、回転数1000rpmで30min分散させ、アルゴン保護雰囲気下で粉砕し、350メッシュの篩にかけ、粒度D50=5.0μm、Dmax=20.0μmであり、粉砕材料を得た。
【0044】
ステップ5、脱磁
脱磁機を用いて、磁性体総量が20ppbになるように粉砕材料を脱磁し、脱磁した粉砕材料をアルミラミネート袋に入れて、真空シール機を用いて包装し、リチウムイオン電池の正極リチウム補充添加剤Li2NiO2を得た。
【0045】
実施例2のリチウムイオン電池の正極リチウム補充添加剤Li2NiO2は、Li2NiO2成分の含有量が97.9%である。滴定装置によって残留アルカリの総含有量を2.119%として分析した。テスト結果を表1に示す。
【0046】
テストによると、実施例2の初回充電のグラム容量は435mAh/g、初回放電のグラム容量は150mAh/g、利用可能な不可逆容量は285mAh/g、初回クーロン効率は34.5%である。テスト結果を表1に示す。
【0047】
実施例3
ステップ1、複合リチウム塩の調製
リチウム原料の0.8LiOH-0.1Li22-0.1Li2CO3を、真空度が40paの真空環境下、3℃/min昇温速度で800℃まで昇温し、60min保温し、真空を保持して室温まで降温した後に取り出し、5mmのジルコニウム球を用いて、球とリチウム原料の比15:1、回転数700rpmで0.5hボールミル粉砕し、複合リチウム塩を得て、XRDテスト及びGSASソフトウェアによって複合リチウム塩の組成含有量を詳細化して定量的に分析し、純度を算出し、複合リチウム塩の比率は0.100LiOH・0.895Li2O・0.005Li2CO3である。
【0048】
ステップ2、複合リチウム塩とニッケル源の混合
リチウム源とニッケル源のモル比2.2:1.0で、複合リチウム塩341.6gと三酸化二ニッケル827.0gを秤量し、アルゴン保護雰囲気下で混合し、混合回転数が900rpm、混合時間が1.0hであり、複合リチウム塩とニッケル源の混合粉体を得た。
【0049】
ステップ3、焼結
複合リチウム塩とニッケル源の混合粉体を、アルゴン雰囲気下、2℃/minの昇温速度で200℃まで昇温し、1.0h保温してから、2℃/minの昇温速度で700℃まで昇温し、15.0h保温し、アルゴン雰囲気下、炉内で室温まで自然降温し続け、焼結材料を得た。
【0050】
ステップ4、破砕
焼結材料をアルゴン保護雰囲気下、回転数900rpmで20min分散させ、アルゴン保護雰囲気下で粉砕し、400メッシュの篩にかけ、粒度D50=13.0μm、Dmax=23.0μmであり、粉砕材料を得た。
【0051】
ステップ5、脱磁
脱磁機を用いて、磁性体総量が18ppbになるように粉砕材料を脱磁し、脱磁した粉砕材料をアルミラミネート袋に入れて、真空シール機を用いて包装し、リチウムイオン電池の正極リチウム補充添加剤Li2NiO2を得た。
【0052】
実施例3のリチウムイオン電池の正極リチウム補充添加剤Li2NiO2は、Li2NiO2成分の含有量が98.2%である。滴定装置によって残留アルカリの総含有量を1.786%として分析した。テスト結果を表1に示す。
【0053】
テストによると、実施例3の初回充電のグラム容量は465mAh/g、初回放電のグラム容量は125mAh/g、利用可能な不可逆容量は340mAh/g、初回クーロン効率は26.9%である。テスト結果を表1に示す。
【0054】
実施例4
ステップ1、複合リチウム塩の調製
リチウム原料の0.8LiOH-0.1Li2O-0.1Li224を、真空度が20paの真空環境下、10℃/minの昇温速度で700℃まで昇温し、120min保温し、真空を保持して室温まで降温した後に取り出し、5mmのジルコニウム球を用いて、球とリチウム原料の比11:1、回転数700rpmで0.5hボールミル粉砕し、複合リチウム塩を得て、XRDテスト及びGSASソフトウェアによって複合リチウム塩の組成含有量を詳細化して定量的に分析し、純度を算出し、複合リチウム塩の比率は0.116LiOH・0.852Li2O・0.032Li2CO3である。
【0055】
ステップ2、複合リチウム塩とニッケル源の混合
リチウム源とニッケル源のモル比1.5:1.0で、複合リチウム塩243.6gと二酸化ニッケル906.9gを秤量し、窒素保護雰囲気下で混合し、混合回転数が800rpm、混合時間が3.0hであり、複合リチウム塩とニッケル源の混合粉体を得た。
【0056】
ステップ3、焼結
複合リチウム塩とニッケル源の混合粉体を、窒素雰囲気下、10℃/minの昇温速度で150℃まで昇温し、3.0h保温してから、10℃/minの昇温速度で850℃まで昇温し、5.0h保温し、窒素雰囲気下、炉内で室温まで自然降温し続け、焼結材料を得た。
【0057】
ステップ4、破砕
焼結材料を窒素保護雰囲気下、回転数850rpmで20min分散させ、窒素保護雰囲気下で粉砕し、350メッシュの篩にかけ、D50=10.0μm、Dmax=24.0μmであり、粉砕材料を得た。
【0058】
ステップ5、脱磁
脱磁機を用いて、磁性体総量が30ppbになるように粉砕材料を脱磁し、脱磁した粉砕材料をアルミラミネート袋に入れて、真空シール機を用いて包装し、リチウムイオン電池の正極リチウム補充添加剤Li2NiO2を得た。
【0059】
実施例4のリチウムイオン電池の正極リチウム補充添加剤Li2NiO2は、Li2NiO2成分の含有量が96.3%である。滴定装置によって残留アルカリの総含有量を2.785%として分析した。テスト結果を表1に示す。
【0060】
テストによると、実施例4の初回充電のグラム容量は423mAh/g、初回放電のグラム容量は110mAh/g、利用可能な不可逆容量は313mAh/g、初回クーロン効率は26.0%である。テスト結果を表1に示す。
【0061】
実施例5
ステップ1、複合リチウム塩の調製
リチウム原料の0.4LiH-0.1Li2O-0.5Li2CO3を、真空度が10paの真空環境下、1℃/minの昇温速度で400℃まで昇温し、480min保温し、真空を保持して室温まで降温した後に取り出し、5mmのジルコニウム球を用いて、球とリチウム原料の比13:1、回転数700rpmで0.5hボールミル粉砕し、複合リチウム塩を得て、XRDテスト及びGSASソフトウェアによって複合リチウム塩の組成含有量を詳細化して定量的に分析し、純度を算出し、複合リチウム塩の比率は0.075LiOH・0.500Li2O・0.425Li2CO3・1H2Oである。
【0062】
ステップ2、複合リチウム塩とニッケル源の混合
リチウム源とニッケル源のモル比1.8:1.0で、複合リチウム塩450.1gとオキシ水酸化ニッケル916.9を秤量し、窒素保護雰囲気下で混合し、混合回転数が600rpm、混合時間が4.0hであり、複合リチウム塩とニッケル源の混合粉体を得た。
【0063】
ステップ3、焼結
複合リチウム塩とニッケル源の混合粉体を、窒素雰囲気下、3℃/minの昇温速度で250℃まで昇温し、4.0h保温してから、3℃/minの昇温速度で690℃まで昇温し、8.0h保温し、窒素雰囲気下、炉内で室温まで自然降温し続け、焼結材料を得た。
【0064】
ステップ4、破砕
焼結材料を窒素保護雰囲気下、回転数950rpmで15min分散させ、窒素保護雰囲気下で粉砕し、375メッシュの篩にかけ、D50=12.0μm、Dmax=20.0μmであり、粉砕材料を得た。
【0065】
ステップ5、脱磁
脱磁機を用いて、磁性体総量が25ppbになるように粉砕材料を脱磁し、脱磁した粉砕材料をアルミラミネート袋に入れて、真空シール機を用いて包装し、リチウムイオン電池の正極リチウム補充添加剤Li2NiO2を得た。
【0066】
実施例5のリチウムイオン電池の正極リチウム補充添加剤Li2NiO2は、Li2NiO2成分の含有量が97.2%である。滴定装置によって残留アルカリの総含有量を1.901%として分析した。テスト結果を表1に示す。
【0067】
テストによると、実施例5の初回充電のグラム容量は429mAh/g、初回放電のグラム容量は125mAh/g、利用可能な不可逆容量は304mAh/g、初回クーロン効率は29.1%である。テスト結果を表1に示す。
【0068】
実施例6
ステップ1、複合リチウム塩の調製
リチウム原料の0.8LiH-0.1Li2O-0.1Li224を、真空度が70paの真空環境下、8℃/minの昇温速度で550℃まで昇温し、550min保温し、真空を保持して室温まで降温した後に取り出し、5mmのジルコニウム球を用いて、球とリチウム原料の比14:1、回転数700rpmで0.5hボールミル粉砕し、複合リチウム塩を得て、XRDテスト及びGSASソフトウェアによって複合リチウム塩の組成含有量を詳細化して定量的に分析し、純度を算出し、複合リチウム塩の比率は0.418LiOH・0.550Li2O・0.032Li2CO3・0.5H2Oである。
【0069】
ステップ2、複合リチウム塩とニッケル源の混合
リチウム源とニッケル源のモル比1.6:1.0で、複合リチウム塩291.3gと炭酸ニッケル1187.0gを秤量し、アルゴン保護雰囲気下で混合し、混合回転数が700rpm、混合時間が5.0hであり、複合リチウム塩とニッケル源の混合粉体を得た。
【0070】
ステップ3、焼結
複合リチウム塩とニッケル源の混合粉体を、アルゴン雰囲気下、4℃/minの昇温速度で280℃まで昇温し、5.0h保温してから、4℃/minの昇温速度で780℃まで昇温し、10.0h保温し、アルゴン雰囲気下、炉内で室温まで自然降温し続け、焼結材料を得た。
【0071】
ステップ4、破砕
焼結材料をアルゴン保護雰囲気下、回転数800rpmで20min分散させ、アルゴン保護雰囲気下で粉砕し、400メッシュの篩にかけ、D50=15.0μm、Dmax=20.0μmであり、粉砕材料を得た。
【0072】
ステップ5、脱磁
脱磁機を用いて、磁性体総量が45ppbになるように粉砕材料を脱磁し、脱磁した粉砕材料をアルミラミネート袋に入れて、真空シール機を用いて包装し、リチウムイオン電池の正極リチウム補充添加剤Li2NiO2を得た。
【0073】
実施例6のリチウムイオン電池の正極リチウム補充添加剤Li2NiO2は、Li2NiO2成分の含有量が98.1%である。滴定装置によって残留アルカリの総含有量を2.538%として分析した。テスト結果を表1に示す。
【0074】
テストによると、実施例6の初回充電のグラム容量は455mAh/g、初回放電のグラム容量は137mAh/g、利用可能な不可逆容量は318mAh/g、初回クーロン効率は30.1%である。テスト結果を表1に示す。
【0075】
実施例7
ステップ1、複合リチウム塩の調製
リチウム原料の0.8LiH-0.1Li22-0.1Li2CO3を、真空度が80paの真空環境下、4℃/minの昇温速度で780℃まで昇温し、150min保温し、真空を保持して室温まで降温した後に取り出し、5mmのジルコニウム球を用いて、球とリチウム原料の比10:1、回転数700rpmで0.5hボールミル粉砕し、複合リチウム塩を得て、XRDテスト及びGSASソフトウェアによって複合リチウム塩の組成含有量を詳細化して定量的に分析し、純度を算出し、複合リチウム塩の比率は0.120LiOH・0.875Li2O・0.005Li2CO3である。
【0076】
ステップ2、複合リチウム塩とニッケル源の混合
リチウム源とニッケル源のモル比1.7:1.0で、複合リチウム塩265.7gとシュウ酸ニッケル1467.1gを秤量し、窒素保護雰囲気下で混合し、混合回転数が650rpm、混合時間が6.0hであり、複合リチウム塩とニッケル源の混合粉体を得た。
【0077】
ステップ3、焼結
複合リチウム塩とニッケル源の混合粉体を、酸素雰囲気下、6℃/minの昇温速度で160℃まで昇温し、1.5h保温してから、6℃/minの昇温速度で660℃まで昇温し、12.0h保温し、酸素雰囲気下、炉内で室温まで自然降温し続け、焼結材料を得た。酸化雰囲気は酸素含有量が100ppmである。
【0078】
ステップ4、破砕
焼結材料を窒素保護雰囲気下、回転数1000rpmで30min分散させ、窒素保護雰囲気下で粉砕し、400メッシュの篩にかけ、D50=6.0μm、Dmax=21.0μmであり、粉砕材料を得た。
【0079】
ステップ5、脱磁
脱磁機を用いて、磁性体総量が35ppbになるように粉砕材料を脱磁し、脱磁した粉砕材料をアルミラミネート袋に入れて、真空シール機を用いて包装し、リチウムイオン電池の正極リチウム補充添加剤Li2NiO2を得た。
【0080】
実施例7のリチウムイオン電池の正極リチウム補充添加剤Li2NiO2は、Li2NiO2成分の含有量が95.9%である。滴定装置によって残留アルカリの総含有量を2.177%として分析した。テスト結果を表1に示す。
【0081】
テストによると、実施例7の初回充電のグラム容量は420mAh/g、初回放電のグラム容量は160mAh/g、利用可能な不可逆容量は260mAh/g、初回クーロン効率は38.1%である。テスト結果を表1に示す。
【0082】
実施例8
ステップ1、複合リチウム塩の調製
リチウム原料の0.8LiH-0.1Li2O-0.1Li224を、真空度が50paの真空環境下、2℃/minの昇温速度で900℃まで昇温し、30min保温し、真空を保持して室温まで降温した後に取り出し、5mmのジルコニウム球を用いて、球とリチウム原料の比15:1、回転数700rpmで0.5hボールミル粉砕し、複合リチウム塩を得て、XRDテスト及びGSASソフトウェアによって複合リチウム塩の組成含有量を詳細化して定量的に分析し、純度を算出し、複合リチウム塩の比率は0.048LiOH・0.950Li2O・0.002Li2CO3である。
【0083】
ステップ2、複合リチウム塩とニッケル源の混合
リチウム源とニッケル源のモル比1.9:1.0で、複合リチウム塩288.9gと酢酸ニッケル1768.4gを秤量し、窒素保護雰囲気下で混合し、混合回転数が850rpm、混合時間が2.5hであり、複合リチウム塩とニッケル源の混合粉体を得た。
【0084】
ステップ3、焼結
複合リチウム塩とニッケル源の混合粉体を、窒素雰囲気下、8℃/minの昇温速度で230℃まで昇温し、2.5h保温してから、8℃/minの昇温速度で730℃まで昇温し、18.0h保温し、窒素雰囲気下、炉内で室温まで自然降温し続け、焼結材料を得た。
【0085】
ステップ4、破砕
焼結材料を窒素保護雰囲気下、回転数95000rpmで25min分散させ、窒素保護雰囲気下で粉砕し、400メッシュの篩にかけ、D50=7.0μm、Dmax=22.0μmであり、粉砕材料を得た。
【0086】
ステップ5、脱磁
脱磁機を用いて、磁性体総量が42ppbになるように粉砕材料を脱磁し、脱磁した粉砕材料をアルミラミネート袋に入れて、真空シール機を用いて包装し、リチウムイオン電池の正極リチウム補充添加剤Li2NiO2を得た。
【0087】
実施例8のリチウムイオン電池の正極リチウム補充添加剤Li2NiO2は、Li2NiO2成分の含有量が96.7%である。滴定装置によって残留アルカリの総含有量を1.393%として分析した。テスト結果を表1に示す。
【0088】
テストによると、実施例8の初回充電のグラム容量は428mAh/g、初回放電のグラム容量は157mAh/g、利用可能な不可逆容量は271mAh/g、初回クーロン効率は36.7%である。テスト結果を表1に示す。
【0089】
比較例1
純度が99.9%の電池グレードの酸化リチウムをリチウム原料として、酸化リチウム50.27gと酸化ニッケル(II)228.47gを取り、粉末を混合し、窒素雰囲気下、2℃/minの昇温速度で200℃まで昇温し、1時間保温してから、2℃/minの昇温速度で750℃まで昇温して10h保温し、保温終了後に室温まで冷却して比較例1のリチウム補充添加剤を得た。
【0090】
比較例1のリチウム補充添加剤は、Li2NiO2成分の含有量が85.6%であり、滴定装置によって残留アルカリの総含有量を9.019%として分析した。テスト結果を表1に示す。
【0091】
テストによると、比較例1のリチウム補充添加剤の初回充電のグラム容量は350mAh/g、初回放電のグラム容量は130mAh/g、利用可能な不可逆容量は220mAh/g、初回クーロン効率は37.1%である。テスト結果を表1に示す。
【0092】
比較例2
純度が99.9%の電池グレードの水酸化リチウムをリチウム原料として、水酸化リチウム240.38gと酸化ニッケル(II)357.13gを取り、粉末を混合し、窒素雰囲気下、3℃/minの昇温速度で100℃まで昇温し、1.5h保温してから、2℃/minの昇温速度で680℃まで昇温して10h保温し、保温終了後に室温まで冷却して比較例2のリチウム補充添加剤を得た。
【0093】
比較例2のリチウム補充添加剤は、Li2NiO2成分の含有量が62.3%であり、滴定装置によって残留アルカリの総含有量を12.846%として分析した。テスト結果を表1に示す。
【0094】
テストによると、比較例2のリチウム補充添加剤の初回充電のグラム容量は290mAh/g、初回放電のグラム容量は120mAh/g、利用可能な不可逆容量は170mAh/g、初回クーロン効率は41.4%である。テスト結果を表1に示す。
【0095】
試験例1
実施例1のリチウムイオン電池の正極リチウム補充添加剤Li2NiO2を選択してリチウム補充添加剤として、NCM811を選択して正極活物質として、リチウム補充添加剤の添加量を正極活物質質量の3wt%にし、正極に添加し、全体を複合正極活物質として、露点-10℃の低湿室内で、複合正極活物質:導電剤SP:粘着剤PVDF=97.2:1.5:1.3の質量比で、固形分が70%のN-メチルピロリドンNMP溶液を調製し、均一に撹拌して正極スラリーを得て、アルミ箔に塗布し、真空120℃で10h乾燥させ、スリットしてプレスして正極シートを得た。負極活物質(一酸化ケイ素、容量が500mAh/g、初回効率が90%):SP:CMC:SBR=96:1:1:2の質量比で、固形分が45%の水系溶液を調製し、均一に撹拌して負極スラリーを得て、銅箔に塗布し、真空120℃で10乾燥させ、,スリットしてプレスして負極シートを得た。正極シート、負極シート、セパレータCelgard2400微孔性ポリプロピレンフィルム及びLiPF6/EC+DMCを体積比1:1である電解液1mo1/L、巻き取り、シール、ベーク、液体注入、予シール、エージング、化成、二次シール、容量分取の工程により、ソフトパックリチウムイオン電池を製造して得て、テストして初回充放電のグラム容量をそれぞれ208、160mAh/g、初回効率を76.9%として取得した。テスト結果を表2に示す。実施例で得られたリチウムイオン電池の正極リチウム補充添加剤Li2NiO2の残留アルカリ含有量は低く、LiOHとLi2CO3の含有量が低く、調製された正極スラリーの流動性がよく、ゲル化し難く、ソフトパック電池のガス発生量が少ない。
【0096】
試験例2
実施例4のリチウムイオン電池の正極リチウム補充添加剤Li2NiO2を選択してリチウム補充添加剤として、試験例1と同じ方法を用いてソフトパックリチウムイオン電池を製造し、テストして初回充放電のグラム容量をそれぞれ206、158mAh/g、初回効率を76.7%として取得した。テスト結果を表2に示す。実施例で得られたリチウムイオン電池の正極リチウム補充添加剤Li2NiO2の残留アルカリ含有量は低く、LiOHとLi2CO3の含有量が低く、調製された正極スラリーの流動性がよく、ゲル化し難く、ソフトパック電池のガス発生量が少ない。
【0097】
試験例3
比較例1のリチウム補充添加剤を選択してリチウム補充添加剤として、試験例1と同じ方法を用いてソフトパックリチウムイオン電池を製造し、テストして初回充放電のグラム容量をそれぞれ195、169mAh/g、初回効率を86.7%として取得した。テスト結果を表2に示す。比較例のリチウム補充添加剤の残留アルカリ含有量が実施例よりも高く、LiOHとLi2CO3の含有量が高く、調製された正極スラリーの流動性は普通で、ゲル化しやすい。
【0098】
【表1】
【0099】
表1のデータ比較から、本発明のリチウムイオン電池の正極リチウム補充添加剤Li2NiO2を用いると、比較例の調製方法と比較して、リチウムイオン電池の正極リチウム補充添加剤Li2NiO2の純度が著しく向上し、残留アルカリ含有量が大幅に低減し、リチウムイオン電池の初回充電のグラム容量が大幅に向上することが分かった。
【0100】
【表2】
【0101】
表2のデータ比較から、本発明のリチウムイオン電池の正極リチウム補充添加剤Li2NiO2をソフトパックリチウムイオン電池に使用し、初回充電のグラム容量を比較例のリチウム補充添加剤と比較すると、初回充電のグラム容量は大幅に向上するものの、初回放電のグラム容量は同じレベルを保持したため、利用可能な不可逆容量がより多いことが分かった。リチウム補充添加剤による初回効率の損失が多いほど、負極材料に補充可能なリチウムが多くなり、リチウム補充効果がよくなる。
図1
図2
図3
図4