(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-20
(45)【発行日】2024-10-01
(54)【発明の名称】通信方法、装置及びシステム
(51)【国際特許分類】
H04W 72/40 20230101AFI20240924BHJP
H04W 28/18 20090101ALI20240924BHJP
H04W 72/02 20090101ALI20240924BHJP
H04W 92/18 20090101ALI20240924BHJP
【FI】
H04W72/40
H04W28/18
H04W72/02
H04W92/18
(21)【出願番号】P 2023508586
(86)(22)【出願日】2020-08-07
(86)【国際出願番号】 CN2020107924
(87)【国際公開番号】W WO2022027629
(87)【国際公開日】2022-02-10
【審査請求日】2023-03-13
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133569
【氏名又は名称】野村 進
(72)【発明者】
【氏名】郭 文▲ティン▼
(72)【発明者】
【氏名】▲蘇▼ 宏家
(72)【発明者】
【氏名】董 蕾
(72)【発明者】
【氏名】▲盧▼ 磊
【審査官】吉倉 大智
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2020/0229171(US,A1)
【文献】国際公開第2020/011336(WO,A1)
【文献】国際公開第2020/143583(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の時間又は前記第1の時間よりも前に、
第2の端末装置によって、第1のリソースを表示する調整情報を第1の端末装置に送出するステップであって、前記第1の時間は第1の参照時間と第1の時間オフセットとに基づいて決定され、
前記第1のリソースは前記第2の端末装置によって取得される利用可能なリソース又は利用不能なリソースであり、前記第1のリソースは、前記第1の端末装置からのサイドリンク情報を受信するのに用いられる第2のリソースを決定するのに用いられるものであり、
前記第1の参照時間は第2の時間、第3の時間、第4の時間又は第5の時間を備え、
前記第2の時間は前記第1の端末装置からのトリガ情報が受信された時間を備え、前記トリガ情報は前記第1のリソースの決定を促すのに用いられるものであり、
前記第3の時間はリソース選択ウインドウの開始時間を備え、
前記第4の時間は前記リソース選択ウインドウの終了時間を備え、前記リソース選択ウインドウは前記第1の端末装置からの前記サイドリンク情報を受信するのに用いられる前記第2のリソースを決定するのに用いられるものであり、
前記第5の時間は時間ドメインにおける前記第1のリソースの開始時間を備える、ステップ
を備える、通信方法。
【請求項2】
前記第1の時間オフセットは前記第1の端末装置の能力に基づいて決定され、又は
前記第1の時間オフセットは既定の時間オフセットである、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記方法は、
前記第1の端末装置からの前記トリガ情報を受信するステップであって、前記トリガ情報は、前記リソース選択ウインドウの前記開始時間、前記リソース選択ウインドウの前記終了時間、前記第1の時間オフセット、前記第1の端末装置の
能力、第2の時間オフセット又は前記リソース選択ウインドウの時間幅という情報の少なくとも1つを備え、前記第2の時間オフセットは前記第1の端末装置からの前記トリガ情報が受信された前記時間と、前記リソース選択ウインドウの前記開始時間との間の時間オフセットであり、前記第2の時間オフセットは前記リソース選択ウインドウの前記開始時間を決定するのに用いられるものであり、前記第2の時間オフセットと、前記リソース選択ウインドウの前記時間幅とは前記リソース選択ウインドウの前記終了時間を決定するのに用いられるものである、ステップをさらに備える、請求項1
に記載の方法。
【請求項4】
前記リソース選択ウインドウは前記第1の端末装置用のリソース選択ウインドウである、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記方法は、
前記第1の端末装置からの制御情報、サイドリンクラジオリソースコントロールPC5-RRCシグナリング又は媒体アクセス制御コントロールエレメントMAC CEを受信するステップであって、前記制御情報、前記サイドリンクラジオリソースコントロールPC5-RRCシグナリング又は前記媒体アクセス制御コントロールエレメントMAC CEは前記第1の時間オフセット及び/又は前記第1の端末装置の
能力を表示する、ステップをさらに備える、請求項1
に記載の方法。
【請求項6】
前記方法は、
前記第1の端末装置からの前記サイドリンク情報を前記第2のリソースで受信するステップをさらに備える、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
時間ドメインにおける前記第1のリソースの前記開始時間は前記リソース選択ウインドウに入る、
請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記第1のリソースは前記第1の端末装置からの前記サイドリンク情報を受信するのに用いられるリソースを決定するのに用いられる少なくとも1つのリソースを備え、時間ドメインにおける前記第1のリソースの前記開始時間は前記少なくとも1つのリソースのうち時間ドメインにおいて先頭にあるリソースの時間ドメイン開始時間を備える、
請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の時間及び前記第1の時間オフセットはミリ秒又はスロットで測定される、
請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
第1の時間又は前記第1の時間よりも前に
、第1の端末装置によって、第2の端末装置からの調整情報を受信するステップであって、前記調整情報は第1のリソースを表示し、前記第1の時間は第1の参照時間と第1の時間オフセットとに基づいて決定され、
前記第1のリソースは前記第2の端末装置によって取得される利用可能なリソース又は利用不能なリソースであり、前記第1のリソースは前記第2の端末装置にサイドリンク情報を送出するのに用いられる第2のリソースを決定するのに用いられるものであり、
前記第1の参照時間は第2の時間、第3の時間、第4の時間又は第5の時間を備え、
前記第2の時間は前記第2の端末装置にトリガ情報を送出する時間を備え、前記トリガ情報は前記第1のリソースの決定を促すのに用いられるものであり、
前記第3の時間はリソース選択ウインドウの開始時間を備え、
前記第4の時間は前記リソース選択ウインドウの終了時間を備え、前記リソース選択ウインドウは前記第2の端末装置に前記サイドリンク情報を送出するのに用いられる前記第2のリソースを決定するのに用いられるものであり、
前記第5の時間は時間ドメインにおける前記第1のリソースの開始時間を備える、ステップ
を備える、通信方法。
【請求項11】
前記第1の時間オフセットは
前記第1の端末装置の能力に基づいて決定され、又は
前記第1の時間オフセットは既定の時間オフセットである、
請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記方法は、
前記第2の端末装置に前記トリガ情報を送出するステップであって、前記トリガ情報は、前記リソース選択ウインドウの前記開始時間、前記リソース選択ウインドウの前記終了時間、前記第1の時間オフセット、前記第1の端末装置の
能力、第2の時間オフセット又は前記リソース選択ウインドウの時間幅という情報の少なくとも1つを備え、前記第2の時間オフセットは前記第2の端末装置に前記トリガ情報が送出された時間と、前記リソース選択ウインドウの前記開始時間との間の時間オフセットであり、前記第2の時間オフセットは前記リソース選択ウインドウの前記開始時間を決定するのに用いられるものであり、前記第2の時間オフセットと、前記リソース選択ウインドウの前記時間幅とは前記リソース選択ウインドウの前記終了時間を決定するのに用いられるものである、ステップ
をさらに備える、請求項10
に記載の方法。
【請求項13】
前記リソース選択ウインドウは前記第1の端末装置用のリソース選択ウインドウである、請求項10から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記方法は、
前記第2の端末装置に制御情報、サイドリンクラジオリソースコントロールPC5-RRCシグナリング又は媒体アクセス制御コントロールエレメントMAC CEを送出するステップであって、前記制御情報、前記サイドリンクラジオリソースコントロールPC5-RRCシグナリング又は前記媒体アクセス制御コントロールエレメントMAC CEは前記第1の時間オフセット及び/又は前記第1の端末装置の
能力を表示する、ステップをさらに備える、請求項10
に記載の方法。
【請求項15】
前記方法は、
前記第2の端末装置に前記サイドリンク情報を前記第2のリソースで送出するステップをさらに備える、請求項10から14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
時間ドメインにおける前記第1のリソースの前記開始時間は前記リソース選択ウインドウに入る、
請求項10から15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記第1のリソースは前記第2の端末装置に前記サイドリンク情報を送出するのに用いられるリソースを決定するのに用いられる少なくとも1つのリソースを備え、時間ドメインにおける前記第1のリソースの前記開始時間は前記少なくとも1つのリソースのうち時間ドメインにおいて先頭にあるリソースの時間ドメイン開始時間を備える、
請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記第1の時間及び前記第1の時間オフセットはミリ秒又はスロットで測定される、
請求項10から17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
第1の時間又は前記第1の時間よりも前に、第1のリソースを表示する調整情報を第1の端末装置に送出するように構成されるトランシーバモジュールであって、前記第1の時間は第1の参照時間と第1の時間オフセットとに基づいて決定され、
前記第1のリソースは第2の端末装置によって取得される利用可能なリソース又は利用不能なリソースであり、前記第1のリソースは、前記第1の端末装置からのサイドリンク情報を受信するのに用いられる第2のリソースを決定するのに用いられるものであり、
前記第1の参照時間は第2の時間、第3の時間、第4の時間又は第5の時間を備え、
前記第2の時間は前記第1の端末装置からのトリガ情報が受信された時間を備え、前記トリガ情報は前記第1のリソースの決定を促すのに用いられるものであり、
前記第3の時間はリソース選択ウインドウの開始時間を備え、
前記第4の時間は前記リソース選択ウインドウの終了時間を備え、前記リソース選択ウインドウは前記第1の端末装置からの前記サイドリンク情報を受信するのに用いられる前記第2のリソースを決定するのに用いられるものであり、
前記第5の時間は時間ドメインにおける前記第1のリソースの開始時間を備えるトランシーバモジュール
を備える、第2の端末装置。
【請求項20】
前記第1の時間オフセットは前記第1の端末装置の能力に基づいて決定され、又は
前記第1の時間オフセットは既定の時間オフセットである、
請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記トランシーバモジュールは、前記第1の端末装置からの前記トリガ情報を受信し、前記トリガ情報は、前記リソース選択ウインドウの前記開始時間、前記リソース選択ウインドウの前記終了時間、前記第1の時間オフセット、前記第1の端末装置の
能力、第2の時間オフセット又は前記リソース選択ウインドウの時間幅という情報の少なくとも1つを備え、前記第2の時間オフセットは前記第1の端末装置からの前記トリガ情報が受信された前記時間と、前記リソース選択ウインドウの前記開始時間との間の時間オフセットであり、前記第2の時間オフセットは前記リソース選択ウインドウの前記開始時間を決定するのに用いられるものであり、前記第2の時間オフセットと、前記リソース選択ウインドウの前記時間幅とは前記リソース選択ウインドウの前記終了時間を決定するのに用いられるものである、ようにさらに構成される、
請求項19
に記載の装置。
【請求項22】
前記リソース選択ウインドウは前記第1の端末装置用のリソース選択ウインドウである、請求項19から21のいずれか一項に記載の装置。
【請求項23】
前記トランシーバモジュールは、前記第1の端末装置からの制御情報、サイドリンクラジオリソースコントロールPC5-RRCシグナリング又は媒体アクセス制御コントロールエレメントMAC CEを受信し、前記制御情報、前記サイドリンクラジオリソースコントロールPC5-RRCシグナリング又は前記媒体アクセス制御コントロールエレメントMAC CEは前記第1の時間オフセット及び/又は前記第1の端末装置の
能力を表示する、ようにさらに構成される、
請求項19
に記載の装置。
【請求項24】
前記トランシーバモジュールは、前記第1の端末装置からの前記サイドリンク情報を前記第2のリソースで受信するようにさらに構成される、
請求項19から23のいずれか一項に記載の装置。
【請求項25】
時間ドメインにおける前記第1のリソースの前記開始時間は前記リソース選択ウインドウに入る、
請求項19から24のいずれか一項に記載の装置。
【請求項26】
前記第1のリソースは前記第1の端末装置からの前記サイドリンク情報を受信するのに用いられるリソースを決定するのに用いられる少なくとも1つのリソースを備え、時間ドメインにおける前記第1のリソースの前記開始時間は前記少なくとも1つのリソースのうち時間ドメインにおいて先頭にあるリソースの時間ドメイン開始時間を備える、
請求項25に記載の装置。
【請求項27】
前記第1の時間オフセット及び前記第1の時間はミリ秒又はスロットで測定される、
請求項19から26のいずれか一項に記載の装置。
【請求項28】
第1の時間又は前記第1の時間よりも前に、第1のリソースを表示する調整情報を第2の端末装置から受信するように構成されるトランシーバモジュールであって、前記第1の時間は第1の参照時間と第1の時間オフセットとに基づいて決定され、
前記第1のリソースは前記第2の端末装置によって取得される利用可能なリソース又は利用不能なリソースであり、前記第1のリソースは前記第2の端末装置にサイドリンク情報を送出するのに用いられる第2のリソースを決定するのに用いられるものであり、
前記第1の参照時間は第2の時間、第3の時間、第4の時間又は第5の時間を備え、
前記第2の時間は前記第2の端末装置にトリガ情報を送出する時間を備え、前記トリガ情報は前記第1のリソースの決定を促すのに用いられるものであり、
前記第3の時間はリソース選択ウインドウの開始時間を備え、
前記第4の時間は前記リソース選択ウインドウの終了時間を備え、前記リソース選択ウインドウは前記第2の端末装置に前記サイドリンク情報を送出するのに用いられる前記第2のリソースを決定するのに用いられるものであり、
前記第5の時間は時間ドメインにおける前記第1のリソースの開始時間を備える、トランシーバモジュール
を備える、第1の端末装置。
【請求項29】
前記第1の時間オフセットは前記第1の端末装置の能力に基づいて決定され、又は
前記第1の時間オフセットは既定の時間オフセットである、
請求項28に記載の装置。
【請求項30】
前記トランシーバモジュールは、前記第2の端末装置に前記トリガ情報を送出し、前記トリガ情報は、前記リソース選択ウインドウの前記開始時間、前記リソース選択ウインドウの前記終了時間、前記第1の時間オフセット、前記第1の端末装置の
能力、第2の時間オフセット又は前記リソース選択ウインドウの時間幅という情報の少なくとも1つを備え、前記第2の時間オフセットは前記第2の端末装置に前記トリガ情報が送出された時間と、前記リソース選択ウインドウの前記開始時間との間の時間オフセットであり、前記第2の時間オフセットは前記リソース選択ウインドウの前記開始時間を決定するのに用いられるものであり、前記第2の時間オフセットと、前記リソース選択ウインドウの前記時間幅とは前記リソース選択ウインドウの前記終了時間を決定するのに用いられるものである、ようにさらに構成される、
請求項28
に記載の装置。
【請求項31】
前記リソース選択ウインドウは前記第1の端末装置用のリソース選択ウインドウである、請求項28から30のいずれか一項に記載の装置。
【請求項32】
前記トランシーバモジュールは、前記第2の端末装置に制御情報、サイドリンクラジオリソースコントロールPC5-RRCシグナリング又は媒体アクセス制御コントロールエレメントMAC CEを送出し、前記制御情報、前記サイドリンクラジオリソースコントロールPC5-RRCシグナリング又は前記媒体アクセス制御コントロールエレメントMAC CEは前記第1の時間オフセット及び/又は前記第1の端末装置の
能力を表示する、ようにさらに構成される、
請求項28
に記載の装置。
【請求項33】
前記トランシーバモジュールは、前記第2の端末装置に前記サイドリンク情報を前記第2のリソースで送出するようにさらに構成される、
請求項28から32のいずれか一項に記載の装置。
【請求項34】
時間ドメインにおける前記第1のリソースの前記開始時間は前記リソース選択ウインドウに入る、
請求項28から33のいずれか一項に記載の装置。
【請求項35】
前記第1のリソースは前記第2の端末装置に前記サイドリンク情報を送出するのに用いられるリソースを決定するのに用いられる少なくとも1つのリソースを備え、時間ドメインにおける前記第1のリソースの前記開始時間は前記少なくとも1つのリソースのうち時間ドメインにおいて先頭にあるリソースの時間ドメイン開始時間を備える、
請求項34に記載の装置。
【請求項36】
前記第1の時間及び前記第1の時間オフセットはミリ秒又はスロットで測定される、
請求項28から35のいずれか一項に記載の装置。
【請求項37】
プロセッサを備える端末装置であって、前記プロセッサは少なくとも1つのメモリに結合され、前記プロセッサは、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法を実行する
ために、前記少なくとも1つのメモリに記憶されているコンピュータプログラムを読み込むように構成される、端末装置。
【請求項38】
プロセッサを備える端末装置であって、前記プロセッサは少なくとも1つのメモリに結合され、前記プロセッサは、請求項10から18のいずれか一項に記載の方法を実行するために、前記少なくとも1つのメモリに記憶されているコンピュータプログラムを読み込むように構成される、端末装置。
【請求項39】
コンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータプログラムを記憶するように構成され、前記コンピュータプログラムがコンピュータで動かされるとき、前記コンピュータが請求項1から9のいずれか一項に記載の方法を実行することが可能にされる、
コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項40】
コンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータプログラムを記憶するように構成され、前記コンピュータプログラムがコンピュータで動かされるとき、前記コンピュータが請求項10から18のいずれか一項に記載の方法を実行することが可能にされる、コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項41】
プロセッサと通信インタフェイスとを備えるチップであって、前記プロセッサは、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法を実行する
ために、指示を読み込むように構成される、チップ。
【請求項42】
プロセッサと通信インタフェイスとを備えるチップであって、前記プロセッサは、請求項10から18のいずれか一項に記載の方法を実行するために、指示を読み込むように構成される、チップ。
【請求項43】
請求項19から27のいずれか一項に記載の
第2の端末装置
と、請求項28から36のいずれか一項に記載の
第1の端末装置
とを備える、通信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願はモバイル通信技術の分野に関し、特に、通信方法、装置及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
端末装置間の直接通信はサイドリンク通信と称される。サイドリンク通信プロセスでは、送信側の端末装置がサイドリンク制御情報(sidelink control information,SCI)とサイドリンクデータとを受信側の端末装置に送出する場合があり、受信側の端末装置はSCIを受信し、SCIに基づいてサイドリンクデータを受信して復号する。車両間/車両道路間(vehicle to everything,V2X)システムには、送信側の端末装置に用いられるモード1(Mode-1)及びモード2(Mode-2)という2つのリソース割当てモードがある。Mode-1では、基地局が送信側の端末装置にリソースを割り当てるが、このことは、Mode-1が、サイドリンク通信リソース割当てが基地局によるスケジューリングに基づいて実行されるモードであることを意味する。Mode-2では、送信側の端末装置が当該端末装置単体でリソースを選択し、このことは、Mode-2が、リソースを基地局がスケジューリングすることが要求されない一方で、その代わりに端末装置がサイドリンク通信に用いられるリソースを自律的に決定するモードであることを意味する。
【0003】
Mode-2では、送信側の端末装置がスロットnでリソース選択を開始させ、時間の単位としてのスロットを用いて定められるリソース検知ウインドウ(sensing window)での検知結果を取得する。送信側の端末装置は検知結果に基づいて時間の単位としてのスロットを用いて定められたリソース選択ウインドウ内で利用不能な時間周波数リソースを抽出し、すなわち、無線通信のために既に占有されている時間周波数リソースを抽出し、リソース選択ウインドウ内で利用可能な時間周波数リソースを取得した後、これらの利用可能な時間周波数リソースからサイドリンク通信に用いられる時間周波数リソースを決定し、サイドリンクデータを送出する。Mode-2では、サイドリンク通信に用いられる時間周波数リソースを決定するとき、送信側の端末装置が送信側の端末装置の検知結果のみを考え、すなわち、送信側の端末装置の周辺の無線リソースの占有のみを考える。この例では、場合によっては、送信側の端末装置が受信側の端末装置にサイドリンクデータを送出するときに、受信側の端末装置によるサイドリンクデータの受信が受信側の端末装置の周辺の無線通信による干渉を受ける。
【0004】
したがって、Mode-2を超える改善物としてモード2b(Mode-2b)が提供されている。Mode-2bでは、サイドリンク通信用いられる時間周波数リソースを決定するときに、送信側の端末装置が送信側の端末装置の検知結果と受信側の端末装置の検知結果との両方を考える。言い換えると、送信側の端末装置が送信側の端末装置の周辺の無線リソースの占有と、受信側の端末装置の周辺の無線リソースの占有との両方を考える必要がある。この場合、受信側の端末装置の検知結果を送信側の端末装置に対して表示する調整情報を受信側の端末装置が送信側の端末装置に送出する。しかし、従来の技術では、受信側の端末装置によって調整情報を送出する時期が制限されず、調整情報を受信するときに送信側の端末装置がサイドリンク情報を送出する時期を逸するおそれがあり、これにより、サイドリンク通信の信頼性が減少する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本出願の実施形態では、サイドリンク通信の信頼性を改善する通信方法、装置及びシステムを提供する。
【0006】
調整情報は、サイドリンク情報に用いられる送信リソースを第1の端末装置が決定するのを支援する情報であり、調整情報の時間有効性はきわめて重要である。V2X通信では、車両が付近の車両や歩行者についての情報をタイムリーに取得することができることを確実なものとするために、通常、サイドリンク情報がきわめてタイムリーに送信される必要がある。調整情報が第1の端末装置に送出されるときにサイドリンク情報を送出する時期を第1の端末装置が既に逸している場合、調整情報は実際上もはや役に立たず、これにより、サイドリンク通信の信頼性が減少する。したがって、本出願の実施形態では、第1の時間が決定され、調整情報を第1の時間及び第1の時間よりも前に送信することによって調整情報の時間有効性が確実なものされることが可能であり、これにより、サイドリンク通信の信頼性が改善される。
【0007】
第1の態様に係れば、第1の参照時間と第1の時間オフセットとに基づいて第1の時間を決定するステップと、第1の時間又は第1の時間よりも前に、第1のリソースを表示する調整情報を第1の端末装置に送出するステップとを含む通信方法が提供される。第1のリソースは、第1の端末装置からのサイドリンク情報を受信するのに用いられる第2のリソースを決定するのに用いられるものである。第1の参照時間は第2の時間、第3の時間、第4の時間又は第5の時間を含む。第2の時間は第1の端末装置からのトリガ情報が受信された時間を含み、トリガ情報は第1のリソースの決定を促すのに用いられるものである。第3の時間はリソース選択ウインドウの開始時間を含む。第4の時間はリソース選択ウインドウの終了時間を含み、リソース選択ウインドウは第1の端末装置からのサイドリンク情報を受信するのに用いられる第2のリソースを決定するのに用いられるものである。第5の時間は時間ドメインにおける第1のリソースの開始時間を含む。
【0008】
第2の端末装置が調整情報を第1の端末装置に第1の時間又は第1の時間よりも前に送出し、第1の時間が第1の参照時間と第1の時間オフセットとに基づいて決定され、すなわち、第2の端末装置が調整情報を第1の端末装置に送出する時間が制限される。これにより、第1の端末装置が調整情報を受信するとき、サイドリンク情報を送出するのに用いられる第2のリソースを決定するのに十分な時間を第1の端末装置が有することが確実なものとされ、これにより、サイドリンク通信の信頼性が改善される。
【0009】
可能な設計では、第1の時間オフセットは第1の端末装置の能力に基づいて決定され、又は第1の時間オフセットは既定の時間オフセットである。第1の時間オフセットが第1の端末装置の能力に基づいて決定される場合、第1の時間オフセットの目標がより絞られ、また、オフセットがより柔軟にセットされることが可能である。第2の時間オフセットが既定されている場合、システムの複雑さが減少する。
【0010】
可能な設計では、方法は第1の端末装置からのトリガ情報を受信するステップをさらに含む。トリガ情報は、リソース選択ウインドウの開始時間、リソース選択ウインドウの終了時間、第1の時間オフセット、第1の端末装置の能力、第2の時間オフセット又はリソース選択ウインドウの時間幅という情報の少なくとも1つを含む。第2の時間オフセットは、第1の端末装置からのトリガ情報が受信される時間と、リソース選択ウインドウの開始時間との間の時間オフセットである。第2の時間オフセットはリソース選択ウインドウの開始時間を決定するのに用いられる。第2の時間オフセットと、リソース選択ウインドウの時間幅とはリソース選択ウインドウの終了時間を決定するのに用いられるものである。
【0011】
可能な設計では、リソース選択ウインドウは第1の端末装置用のリソース選択ウインドウである。このようにして、第1の端末装置のサイドリンク情報送信リソースを決定するのに用いられるリソース選択ウインドウについてリソースをより目標が絞られた手法で第2の端末装置が選択することができ、これにより、調整情報の効率が改善される。
【0012】
可能な設計では、方法は、第1の端末装置からの制御情報、サイドリンクラジオリソースコントロールPC5-RRCシグナリング又は媒体アクセス制御コントロールエレメントMAC CEを受信するステップであって、制御情報、サイドリンクラジオリソースコントロールPC5-RRCシグナリング又は媒体アクセス制御コントロールエレメントMAC CEは第1の時間オフセット及び/又は第1の端末装置の能力を表示する、ステップをさらに含む。
【0013】
可能な設計では、方法は、第1の端末装置からのサイドリンク情報を第2のリソースで受信するステップをさらに含む。
【0014】
可能な設計では、時間ドメインにおける第1のリソースの開始時間はリソース選択ウインドウに入る。
【0015】
可能な設計では、第1のリソースは第1の端末装置からのサイドリンク情報を受信するのに用いられるリソースを決定するのに用いられる少なくとも1つのリソースを含み、時間ドメインにおける第1のリソースの開始時間は少なくとも1つのリソースのうち時間ドメインにおいて先頭にあるリソースの時間ドメイン開始時間を含む。
【0016】
可能な設計では、第1の時間オフセット及び第1の時間はミリ秒又はスロットで測定される。
【0017】
第2の態様に係れば、第1の参照時間と第1の時間オフセットとに基づいて第1の時間を決定するステップと、第1の時間又は第1の時間よりも前に、第1のリソースを表示する第2の端末装置からの調整情報を受信するステップとを含む通信方法が提供される。第1のリソースは第2の端末装置にサイドリンク情報を送出するのに用いられる第2のリソースを決定するのに用いられるものである。第1の参照時間は第2の時間、第3の時間、第4の時間又は第5の時間を含む。第2の時間は第2の端末装置にトリガ情報を送出する時間を含み、トリガ情報は第1のリソースの決定を促すのに用いられるものである。第3の時間はリソース選択ウインドウの開始時間を含む。第4の時間はリソース選択ウインドウの終了時間を含み、リソース選択ウインドウは第2の端末装置にサイドリンク情報を送出するのに用いられる第2のリソースを決定するのに用いられるものである。第5の時間は時間ドメインにおける第1のリソースの開始時間を含む。
【0018】
第2の端末装置が調整情報を第1の端末装置に第1の時間又は第1の時間よりも前に送出し、第1の時間が第1の参照時間と第1の時間オフセットとに基づいて決定され、すなわち、第2の端末装置が調整情報を第1の端末装置に送出する時間が制限される。これにより、第1の端末装置が調整情報を受信するとき、サイドリンク情報を送出するのに用いられる第2のリソースを決定するのに十分な時間を第1の端末装置が有することが確実なものとされ、これにより、サイドリンク通信の信頼性が改善される。
【0019】
可能な設計では、第1の時間オフセットは第1の端末装置の能力に基づいて決定され、又は第1の時間オフセットは既定の時間オフセットである。
【0020】
第1の時間オフセットが第1の端末装置の能力に基づいて決定される場合、第1の時間オフセットの目標がより絞られ、また、オフセットがより柔軟にセットされることが可能である。第2の時間オフセットが既定されている場合、システムの複雑さが減少する。
【0021】
可能な設計では、方法は、第2の端末装置にトリガ情報を送出するステップをさらに含み、トリガ情報は、リソース選択ウインドウの開始時間、リソース選択ウインドウの終了時間、第1の時間オフセット、第1の端末装置の能力、第2の時間オフセット又はリソース選択ウインドウの時間幅という情報の少なくとも1つを含む。第2の時間オフセットは第2の端末装置にトリガ情報が送出された時間と、リソース選択ウインドウの開始時間との間の時間オフセットである。第2の時間オフセットはリソース選択ウインドウの開始時間を決定するのに用いられる。第2の時間オフセットと、リソース選択ウインドウの時間幅とはリソース選択ウインドウの終了時間を決定するのに用いられるものである。
【0022】
可能な設計では、リソース選択ウインドウは第1の端末装置用のリソース選択ウインドウである。
【0023】
このようにして、第1の端末装置のサイドリンク情報送信リソースを決定するのに用いられるリソース選択ウインドウについてリソースをより目標が絞られた手法で第2の端末装置が選択することができ、これにより、調整情報の効率が改善される。
【0024】
可能な設計では、方法は、第2の端末装置に制御情報、サイドリンクラジオリソースコントロールPC5-RRCシグナリング又は媒体アクセス制御コントロールエレメントMAC CEを送出するステップであって、制御情報、サイドリンクラジオリソースコントロールPC5-RRCシグナリング又は媒体アクセス制御コントロールエレメントMAC CEは第1の時間オフセット及び/又は第1の端末装置の能力を表示する、ステップをさらに含む。
【0025】
可能な設計では、方法は、第2の端末装置にサイドリンク情報を第2のリソースで送出するステップをさらに含む。
【0026】
可能な設計では、時間ドメインにおける第1のリソースの開始時間はリソース選択ウインドウに入る。
【0027】
可能な設計では、第1のリソースは第2の端末装置にサイドリンク情報を送出するのに用いられるリソースを決定するのに用いられる少なくとも1つのリソースを含み、時間ドメインにおける第1のリソースの開始時間は少なくとも1つのリソースのうち時間ドメインにおいて先頭にあるリソースの時間ドメイン開始時間を含む。
【0028】
可能な設計では、第1の時間オフセット及び第1の時間はミリ秒又はスロットで測定される。
【0029】
第3の態様に係れば、第1の参照時間と第1の時間オフセットとに基づいて第1の時間を決定するように構成される処理モジュールと、第1の時間又は第1の時間よりも前に、第1のリソースを表示する調整情報を第1の端末装置に送出するように構成されるトランシーバモジュールとを含む第2の端末装置が提供される。第1のリソースは、第1の端末装置からのサイドリンク情報を受信するのに用いられる第2のリソースを決定するのに用いられるものである。第1の参照時間は第2の時間、第3の時間、第4の時間又は第5の時間を含む。第2の時間は第1の端末装置からのトリガ情報が受信された時間を含み、トリガ情報は第1のリソースの決定を促すのに用いられるものである。第3の時間はリソース選択ウインドウの開始時間を含む。第4の時間はリソース選択ウインドウの終了時間を含み、リソース選択ウインドウは第1の端末装置からのサイドリンク情報を受信するのに用いられる第2のリソースを決定するのに用いられるものである。第5の時間は時間ドメインにおける第1のリソースの開始時間を含む。
【0030】
第2の端末装置が調整情報を第1の端末装置に第1の時間又は第1の時間よりも前に送出し、第1の時間が第1の参照時間と第1の時間オフセットとに基づいて決定され、すなわち、第2の端末装置が調整情報を第1の端末装置に送出する時間が制限される。これにより、第1の端末装置が調整情報を受信するとき、サイドリンク情報を送出するのに用いられる第2のリソースを決定するのに十分な時間を第1の端末装置が有することが確実なものとされ、これにより、サイドリンク通信の信頼性が改善される。
【0031】
可能な設計では、第1の時間オフセットは第1の端末装置の能力に基づいて決定され、又は第1の時間オフセットは既定の時間オフセットである。
【0032】
第1の時間オフセットが第1の端末装置の能力に基づいて決定される場合、第1の時間オフセットの目標がより絞られ、また、オフセットがより柔軟にセットされることが可能である。第2の時間オフセットが既定されている場合、システムの複雑さが減少する。
【0033】
可能な設計では、トランシーバモジュールは、第1の端末装置からのトリガ情報を受信し、トリガ情報は、リソース選択ウインドウの開始時間、リソース選択ウインドウの終了時間、第1の時間オフセット、第1の端末装置の能力、第2の時間オフセット又はリソース選択ウインドウの時間幅という情報の少なくとも1つを含む、ようにさらに構成される。第2の時間オフセットは、第1の端末装置からのトリガ情報が受信される時間と、リソース選択ウインドウの開始時間との間の時間オフセットである。第2の時間オフセットはリソース選択ウインドウの開始時間を決定するのに用いられる。第2の時間オフセットと、リソース選択ウインドウの時間幅とはリソース選択ウインドウの終了時間を決定するのに用いられるものである。
【0034】
可能な設計では、リソース選択ウインドウは第1の端末装置用のリソース選択ウインドウである。
【0035】
このようにして、第1の端末装置のサイドリンク情報送信リソースを決定するのに用いられるリソース選択ウインドウについてリソースをより目標が絞られた手法で第2の端末装置が選択することができ、これにより、調整情報の効率が改善される。
【0036】
可能な設計では、トランシーバモジュールは、第1の端末装置からの制御情報、サイドリンクラジオリソースコントロールPC5-RRCシグナリング又は媒体アクセス制御コントロールエレメントMAC CEを受信し、制御情報、サイドリンクラジオリソースコントロールPC5-RRCシグナリング又は媒体アクセス制御コントロールエレメントMAC CEは第1の時間オフセット及び/又は第1の端末装置の能力を表示する、ようにさらに構成される。
【0037】
可能な設計では、トランシーバモジュールは、第1の端末装置からのサイドリンク情報を第2のリソースで受信するようにさらに構成される。
【0038】
可能な設計では、時間ドメインにおける第1のリソースの開始時間はリソース選択ウインドウに入る。
【0039】
可能な設計では、第1のリソースは第1の端末装置からのサイドリンク情報を受信するのに用いられるリソースを決定するのに用いられる少なくとも1つのリソースを含み、時間ドメインにおける第1のリソースの開始時間は少なくとも1つのリソースのうち時間ドメインにおいて先頭にあるリソースの時間ドメイン開始時間を含む。
【0040】
可能な設計では、第1の時間オフセット及び第1の時間はミリ秒又はスロットで測定される。
【0041】
第4の態様に係れば、第1の参照時間と第1の時間オフセットとに基づいて第1の時間を決定するように構成される処理モジュールと、第1の時間又は第1の時間よりも前に、第1のリソースを表示する第2の端末装置からの調整情報を受信するように構成されるトランシーバモジュールとを含む第1の端末装置が提供される。第1のリソースは第2の端末装置にサイドリンク情報を送出するのに用いられる第2のリソースを決定するのに用いられるものである。第1の参照時間は第2の時間、第3の時間、第4の時間又は第5の時間を含む。第2の時間は第2の端末装置にトリガ情報を送出する時間を含み、トリガ情報は第1のリソースの決定を促すのに用いられるものである。第3の時間はリソース選択ウインドウの開始時間を含む。第4の時間はリソース選択ウインドウの終了時間を含み、リソース選択ウインドウは第2の端末装置にサイドリンク情報を送出するのに用いられる第2のリソースを決定するのに用いられるものである。第5の時間は時間ドメインにおける第1のリソースの開始時間を含む。
【0042】
第2の端末装置が調整情報を第1の端末装置に第1の時間又は第1の時間よりも前に送出し、第1の時間が第1の参照時間と第1の時間オフセットとに基づいて決定され、すなわち、第2の端末装置が調整情報を第1の端末装置に送出する時間が制限される。これにより、第1の端末装置が調整情報を受信するとき、サイドリンク情報を送出するのに用いられる第2のリソースを決定するのに十分な時間を第1の端末装置が有することが確実なものとされ、これにより、サイドリンク通信の信頼性が改善される。
【0043】
可能な設計では、第1の時間オフセットは第1の端末装置の能力に基づいて決定され、又は第1の時間オフセットは既定の時間オフセットである。
【0044】
第1の時間オフセットが第1の端末装置の能力に基づいて決定される場合、第1の時間オフセットの目標がより絞られ、また、オフセットがより柔軟にセットされることが可能である。第2の時間オフセットが既定されている場合、システムの複雑さが減少する。
【0045】
可能な設計では、トランシーバモジュールは、第2の端末装置にトリガ情報を送出し、トリガ情報は、リソース選択ウインドウの開始時間、リソース選択ウインドウの終了時間、第1の時間オフセット、第1の端末装置の能力、第2の時間オフセット又はリソース選択ウインドウの時間幅という情報の少なくとも1つを含む、ようにさらに構成される。第2の時間オフセットは第2の端末装置にトリガ情報が送出された時間と、リソース選択ウインドウの開始時間との間の時間オフセットである。第2の時間オフセットはリソース選択ウインドウの開始時間を決定するのに用いられる。第2の時間オフセットと、リソース選択ウインドウの時間幅とはリソース選択ウインドウの終了時間を決定するのに用いられるものである。
【0046】
可能な設計では、リソース選択ウインドウは第1の端末装置用のリソース選択ウインドウである。
【0047】
このようにして、第1の端末装置のサイドリンク情報送信リソースを決定するのに用いられるリソース選択ウインドウについてリソースをより目標が絞られた手法で第2の端末装置が選択することができ、これにより、調整情報の効率が改善される。
【0048】
可能な設計では、トランシーバモジュールは、第2の端末装置に制御情報、サイドリンクラジオリソースコントロールPC5-RRCシグナリング又は媒体アクセス制御コントロールエレメントMAC CEを送出し、制御情報、サイドリンクラジオリソースコントロールPC5-RRCシグナリング又は媒体アクセス制御コントロールエレメントMAC CEは第1の時間オフセット及び/又は第1の端末装置の能力を表示する、ようにさらに構成される。
【0049】
可能な設計では、トランシーバモジュールは、第2の端末装置にサイドリンク情報を第2のリソースで送出するようにさらに構成される。
【0050】
可能な設計では、時間ドメインにおける第1のリソースの開始時間はリソース選択ウインドウに入る。
【0051】
可能な設計では、第1のリソースは第2の端末装置にサイドリンク情報を送出するのに用いられるリソースを決定するのに用いられる少なくとも1つのリソースを含み、時間ドメインにおける第1のリソースの開始時間は少なくとも1つのリソースのうち時間ドメインにおいて先頭にあるリソースの時間ドメイン開始時間を含む。
【0052】
可能な設計では、第1の時間オフセット及び第1の時間はミリ秒又はスロットで測定される。
【0053】
第5の態様に係れば、プロセッサを含む端末装置が提供される。プロセッサは少なくとも1つのメモリに結合され、プロセッサは、少なくとも1つのメモリに記憶されているコンピュータプログラムを読み込んで、第1の態様のいずれかの実現例に係る方法を実行する、又は第2の態様のいずれかの実現例に係る方法を実行するように構成される。
【0054】
第6の態様に係れば、通信装置が提供される。通信装置はプロセッサと通信インタフェイスとを含み、通信インタフェイスは他の装置と通信するように構成されることが可能である。これとは別に、通信装置は、コンピュータ指示を記憶するように構成されるメモリをさらに含んでもよい。プロセッサとメモリとは互いに結合されて第1の態様又は第2の態様又は様々な可能な実現例に係る方法を実行する。これの代わりに、第1の通信装置はメモリを含まなくてもよく、メモリは通信装置の外部に配置されてもよい。プロセッサ、メモリ及び通信インタフェイスは互いに結合されて第1の態様又は第2の態様の様々な可能な実現例に係る方法を実行する。たとえば、プロセッサがメモリに記憶されているコンピュータ指示を実行するとき、第1の態様又は第2の態様のいずれかの可能な態様に係る方法を通信装置が実行することが可能にされる。たとえば、第1の通信装置は所定の通信装置、又は通信装置に配設されたチップ若しくはその他構成要素である。
【0055】
第7の態様に係れば、コンピュータ可読記憶媒体が提供される。コンピュータ可読記憶媒体はコンピュータプログラムを記憶するように構成され、コンピュータプログラムがコンピュータで動かされるとき、コンピュータが第1の態様のいずれかの態様に係る方法を実行することが可能にされる、又はコンピュータが第2の態様のいずれかの態様に係る方法を実行することが可能にされる。
【0056】
第8の態様に係れば、プロセッサと通信インタフェイスとを含むチップ又はシステムオンチップが提供される。プロセッサは、指示を読み込んで、第1の態様のいずれかの態様に係る方法を実行する、又は第2の態様のいずれかの態様に係る方法を実行するように構成される。
【0057】
チップ又はシステムオンチップはメモリをさらに含んでもよい。たとえば、プロセッサはメモリに記憶されているソフトウェアプログラムを読み込んで実行して第1の態様又は第2の態様の、いずれかの可能な設計に係る方法を実行することができる。これの代わりに、メモリはチップに含まれなくてもよく、チップの外部にある。これは、プロセッサが外部メモリに記憶されているソフトウェアプログラムを読み込んで実行して第1の態様又は第2の態様の、いずれかの可能な設計に係る方法を実行することができることに相当する。
【0058】
第9の態様に係れば、指示を含むコンピュータプログラムプロダクトが提供される。コンピュータプログラムプロダクトはコンピュータプログラムを記憶するように構成される。コンピュータプログラムがコンピュータで動かされるとき、コンピュータが第1の態様又は第2の態様の、いずれかの可能な設計に係る方法を実行することが可能にされる。
【0059】
第10の態様に係れば、第3の態様のいずれかの実現例に係る端末装置と、第4の態様のいずれかの実現例に係る端末装置とを含む通信システムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【
図1】V2Xのいくつかの適用場面の概略図である。
【
図2】本出願の実施形態に係るネットワークアーキテクチャの概略図である。
【
図3】Mode-2のサイドリンク情報送信リソース割当て手法の概略図である。
【
図4】本出願の実施形態に係るV2X通信場面の概略図である。
【
図5】本出願の実施形態に係るV2X通信場面の概略図である。
【
図6】本出願の実施形態に係る通信方法のフローチャートである。
【
図7】本出願の実施形態に係る第1の端末装置の概略ブロック図である。
【
図8】本出願の実施形態に係る第2の端末装置の概略ブロック図である。
【
図9】本出願の実施形態に係る第1の参照時間の概略図である。
【
図10】本出願の実施形態に係る通信方法の特定の例の概略図である。
【
図11】本出願の実施形態に係る端末装置の構造の簡略概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0061】
無線通信技術の発展にともない、高いデータ速度と優れたユーザエクスペリエンスとに対する人々の要求が高くなっている。通信技術は人々の日常生活での通信に適用可能であるだけでなく、様々な分野に適用されてきた。すべてのインターネット(Internet of Everything)が、特に車両のインターネット化(Internet of Vehicles)の分野ではトレンドになってきている。自動車分野では車両関連の通信に対する高い需要がある。このため、V2X通信技術が第三世代パートナーシッププロジェクト(the 3rd generation partnership project,3GPP)で提案されている。
【0062】
V2X技術は車両と外部との通信に用いられる技術であり、インテリジェント車両、自律運転や高度道路交通システムに用いられる、基礎となり鍵となる技術である。V2Xは、車両間(vehicle-to-vehicle,V2V)、車両設備間(vehicle-to-infrastructure,V2I)及び/又は車両歩行者間(vehicle-to-pedestrian,V2P)の直接通信などのいくつかの適用要求と車両ネットワーク間(vehicle-to-network,V2N)の通信のやり取りとを特に含む。
図1に示されているように、V2Vは車両間の通信を指し、V2Pは車両と人(歩行者、自転車通行者、運転者や同乗者を含む)との間の通信を指し、V2Iは車両とRSUなどの設備との間の通信を指す。V2NはV2Iに含まれる場合がある。V2Nは車両と基地局/ネットワークとの間の通信を指す。
【0063】
V2Pは路上の歩行者や動力を有さない車両に対する保安警告に用いられることができる。V2Iを通じて車両が道路と通信することができるし、交通信号やロードバリアなどの別の設備とでも通信することができ、交通信号の信号タイミングなどの道路管理情報を取得することができる。V2Vは車両間に情報交換や警告に用いられることができ、V2Vの最も典型的な適用例は車両間の衝突防止安全システムである。V2Nは現在最も広く用いられている車両のインターネット化の形態であり、V2Nの主要な機能は、車両がモバイルネットワークを通じてクラウドサーバに接続して、ナビゲーション、娯楽や盗難防止など、クラウドサーバによって提供されるアプリケーション機能を用いることを可能にすることである。
【0064】
本出願の実施形態では、V2X通信が説明のための例として用いられている。ただし、本出願の実施形態はデバイス間(Device to Device,D2D)通信、マシンタイプコミュニケーション(Machine Type Communication,MTC)、モノのインターネット(Internet of Things,IoT)通信などにも適用可能であってもよい。
図2は本出願の実施形態で用いられるネットワークアーキテクチャを示す。
【0065】
図2に示されているネットワークアーキテクチャはネットワーク装置と2つの端末装置、すなわち端末装置1及び端末装置2とを含む。2つの端末装置の両方がネットワーク装置のカバレッジ内にあってもよく、このようにならない場合には、2つの端末装置のうちの端末装置1のみがネットワーク装置のカバレッジ内にありかつ端末装置2がネットワーク装置のカバレッジ内になかったり、2つの端末装置のいずれもネットワーク装置のカバレッジ内になかったりする。2つの端末装置はsidelinkを通じて互いと通信することができる。
図2は、端末装置1がネットワーク装置カバレッジ内にあり、端末装置2がネットワーク装置カバレッジ内にない例を示している。当然、
図2の端末装置の個数は例にすぎない。実際に適用される際には、ネットワーク装置は複数の端末装置を担当する場合がある。
【0066】
図2のネットワーク装置はたとえば基地局などのアクセスネットワーク装置である。システムが異なる場合にはアクセスネットワーク装置は異なる装置に対応する。たとえば、gNBなどの5Gシステムではアクセスネットワーク装置は5Gアクセスネットワーク装置に対応するし、将来の世代の通信システムでは所定のアクセスネットワーク装置である。
図2の端末装置はたとえば車載端末装置や車両であるが、本出願の実施形態の端末装置はこれに限定されない。
【0067】
当業者の理解を容易にするために、以下、本出願の実施形態におけるいくつかの用語を説明する。
【0068】
(1)端末装置:端末装置は端末デバイスを含み、これ以外には、端末デバイスに内蔵されるユニット、モジュール、チップやチップシステムを含んでもよい。端末デバイスはたとえばユーザ端末、端末デバイス、携帯電話器や車両であってもよい。端末デバイスにはユニット、モジュール、チップやチップシステムが配置されてもよい。端末装置は無線アクセスネットワーク(radio access network,RAN)を通じてコアネットワークと通信してRANと音声及び/又はデータを交換することができる。たとえば、端末装置はユーザ端末(user equipment,UE)、無線端末装置、モバイル端末装置、デバイス間(device-to-device,D2D)通信端末装置、車両間/車両道路間(vehicle to everything,V2X)端末装置、マシン間/マシンタイプコミュニケーション(machine-to-machine/machine-type communications,M2M/MTC)端末装置、モノのインターネット(internet of things,IoT)端末装置などを含んでもよい。
【0069】
本出願の実施形態では、端末装置はウェアラブル装置でもあってもよい。ウェアラブル装置はウェアラブルインテリジェント装置又はインテリジェントウェアラブル装置とも称される場合があり、ウェアラブル技術に基づいて日常的に装着可能な物をインテリジェント化するように設計することによって開発されるウェアラブル装置、たとえば、眼鏡、手袋、腕時計、バンド、ヘルメット、宝飾品、衣類や靴の総称である。ウェアラブル装置は、身体に着用されたりユーザの衣類やアクセサリに一体化されたりするポータブル装置である。ウェアラブル装置は単なるハードウェア装置ではなく、ソフトウェアサポート、データのやり取りや、クラウドとのやり取りを通じて強力な機能を実施することができる。
【0070】
上述の端末装置は車両に位置する(たとえば、車両に置かれたり、車両に設置されたりする)場合には車載端末装置と考えられてもよい。車載端末装置はたとえば車載ユニット(on-board unit,OBU)とも称される。
【0071】
(2)ネットワーク装置:ネットワーク装置は無線アクセスネットワーク(radio access network,RAN)装置、たとえば基地局やアクセスポイントを含み、1つ以上のセルを通じて無線アクセスネットワークのエアインタフェイスを用いて端末装置と通信する装置であってもよい。別の例では、車両間/車両道路間(vehicle-to-everything,V2X)技術におけるネットワーク装置が路側機(road side unit,RSU)である。RSUはV2Xの適用をサポートする常設の設備体であってもよく、V2Xの適用をサポートする別のものとメッセージを交換してもよい。ネットワーク装置は第五世代(the 5th generation,5G)モバイル通信ニューラジオ(new radio,NR)システム(略称としてNRシステムとも称される)の次世代ノードB(next generation node B,gNB)を含んでもよいし、クラウド無線アクセスネットワーク(cloud radio access network,Cloud RAN)システムのセントラルユニット(centralized unit,CU)及びディストリビューテッドユニット(distributed unit,DU)を含んでもよい。
【0072】
ネットワーク装置はコアネットワーク装置も含んでもよい。コアネットワーク装置はたとえば、アクセスモビリティ管理機能(access and mobility management function,AMF)、ユーザプレーン機能(user plane function,UPF)などを含んでもよい。
【0073】
また、本出願の実施形態では、ネットワーク装置の機能を実行するように構成される装置が、機能を実行する際にネットワーク装置をサポートする装置、たとえばユニット、モジュール、チップやチップシステムであってもよい。当該ユニット、モジュール、チップやチップシステムはネットワーク装置に設置されてもよい。
【0074】
上記は本出願の実施形態で用いられているいくつかの用語を説明している。以下、本出願の実施形態で用いられているV2X通信技術を説明する。
【0075】
V2X通信プロセスには、サイドリンク情報を送信する送信側の端末装置によって用いられるリソースに用いられる2つのリソース割当てモード、すなわちMode-1及びMode-2がある。
【0076】
Mode-1のサイドリンク情報送信リソース割当て手法は以下の通りである。
【0077】
Mode-1はネットワークカバレッジとのV2X通信に主に適用され、ネットワーク装置がサイドリンク情報送信リソースを割り当てる。特に、Mode-1はダイナミックグラント(dynamic grant,DG)モードとコンフィグアドグラント(configured grant,CG)モードとをさらに含んでもよい。Mode-1のDGモードでは、基地局がダウンリンク制御情報(downlink control information,DCI)に基づいて、サイドリンク情報を受信側の端末装置に送出する送信側の端末装置によって用いられる送信リソースをスケジューリングする。Mode-1のCGモードでは、基地局がラジオリソースコントロール(radio resource control,RRC)シグナリングなどの高レベルのシグナリングを用いてサイドリンク情報の関連する送信リソースを設定する。
【0078】
Mode-2のサイドリンク情報送信リソース割当て手法は以下の通りである。
【0079】
Mode-2では、送信側の端末装置によるサイドリンク情報送信リソースの決定が基地局に頼らない。このモードはネットワークカバレッジに限定されない。ネットワークカバレッジがない場合、送信側の端末装置がこのモードを通信に用いることもできる。
【0080】
図3に示されているように、まず、Mode-2では、送信側の端末装置が無線リソースを絶え間なく監視する。送出されるサイドリンク情報があることを送信側の端末装置がスロットnで認識する場合、送信側の端末装置はリソース検知ウインドウ[n-t
0,n-t
proc,0)で検知結果を取得する、すなわち、送信側の端末装置は検知ウインドウで無線リソースを監視することによってスロットnよりも前に送信側の端末装置によって取得された検知結果を取得する。検知結果はリソース占有状態を反映することができ、検知結果は測定された信号強度に基づいて決定されてもよいし、別の端末装置によって送出された検出されたサイドリンク制御情報を復号して別の端末装置のサイドリンク情報送信状態を取得することによって決定されてもよい。t
0はリソース検知ウインドウの境界値であり、たとえば、t
0は1100msや100msであってもよいし、別の値であってもよい。t
proc,0は送信側の端末装置が検知結果を処理する時間であり、t
proc,0の値は端末装置の能力によって変わる。t
proc,0≧0である。
【0081】
上記に加えて、送信側の端末装置が検知結果に基づいてリソース選択ウインドウ[n+t1,n+t2]内の利用不能な時間周波数リソース、すなわち、情報送信のために他の端末装置によって占有されている時間周波数リソースを抽出し、これにより、サイドリンク情報送信に用いられることができるリソースを送信側の端末装置が決定する。0≦t1≦tproc,1であり、tproc,1は端末装置が検知結果を処理する時間であり、端末装置の能力の影響をネットワークアーキテクチャの値が受ける。t2_min<t2≦残りパケットディレイバジェット(packet delay budget,PDB)である。PDBは、データパケットがサービスレイヤで生成される瞬間からデータパケットが送出されることが成功する瞬間までの最大遅延を表示する。たとえば、瞬間nでの残りPDBは、データパケットがサービスレイヤで生成される瞬間を起点として瞬間nよりも後に残っている遅延である。PDBはスロット、サブフレームやフレームで測定されてもよいし、絶対的な時間、たとえば、ミリ秒や秒を用いて測定されてもよい。
【0082】
送信側の端末装置の特定のリソース選択手法が以下の通りに説明されている。
【0083】
1.送信側の端末装置がリソース検知ウインドウ[n-t0,n-tproc,0)内のリソースプールで別の端末装置からのSCIを受信する。別の端末装置は送信側の端末装置の周辺の少なくとも1つの端末装置を含んでもよく、たとえば、端末装置1を含んでもよい。さらに、SCIが第1ステージSCI(1st-stage SCI)であり、フィジカルサイドリンクコントロールチャンネル(physical sidelink control channel,PSCCH)で送出される。SCIは別の端末装置によってサイドリンク情報を送信するのに用いられる時間周波数リソース情報、サイドリンク情報を送信するのに用いられる周期情報及び/又はサイドリンク情報の優先度情報を含む。検知ウインドウで別の端末装置のSCIを検出することによって、別の端末装置のサイドリンク情報を送信するために別の端末装置によって占有されるリソースを送信側の端末装置が認識することができることが分かる。リソースプール、すなわちサイドリンク通信リソースプールは、サイドリンク制御情報及び/又はデータ情報を送信するのに用いられる時間周波数リソース集合である。リソースプールは周波数ドメインにおいていくつかの連続するサブチャンネル又は連続しないサブチャンネルを含み、時間ドメインにおいていくつかの連続するスロット又は連続しないスロットを含む。サブチャンネルは周波数ドメインにおいていくつかの連続するフィジカルリソースブロックPRB(physical resource block)を含む。
【0084】
2.端末装置1から受信したSCIに基づいて、送出される端末装置1のサイドリンク情報に用いられる送信リソースが送信側の端末装置のリソース選択ウインドウ[n+t1,n+t2]に入ることを送信側の端末装置が認識する場合、送信側の端末装置はSCIに基づいて、リソース選択ウインドウ内のどのリソースが端末装置1によって確保されているのかを決定し、その後のリソース選択プロセスでリソースを抽出する。
【0085】
3.別の端末装置によって占有されているリソース選択ウインドウ内の時間周波数リソース、すなわち利用不能なリソースを抽出した後、送信側の端末装置が利用可能な時間周波数リソースとしてリソース選択ウインドウ内に残っているリソースを決定することができる。したがって、利用可能な時間周波数リソースから、サイドリンク情報を送信するのに用いられる時間周波数リソースが送信側の端末装置によって選択される。
【0086】
既存の機構では、データを送出するのに送信側の端末装置によって用いられる時間周波数リソースがリソース検知ウインドウ[n-t0,n-tproc,0)での送信側の端末装置の検知結果に基づいて決定される。しかし、送信側の端末装置は受信側の端末装置の周辺のチャンネル状態やリソース占有状態を認知しない。受信側の端末装置の周辺で別の端末装置が通信しているが、それが送信側の端末装置によって検知されない場合、受信側の端末装置は送信側の端末装置からのデータを受信するときに別の端末装置のサイドリンク通信から強い干渉を受ける場合があり、この結果、信号の受信品質が劣化するし、受信側の端末装置の受信障害が生じたりすることさえある。
【0087】
一例として
図4を参照することができる。UE1がUE1の検知結果に基づいて時間周波数リソースを選択してUE2にデータを送出する。UE1からUE3及びUE4が離れているので、UE1は検知の際にUE1の周辺でサイドリンク通信を実行する端末装置が他にないと決定し、その後、UE1はUE2にデータを送出する。しかし、実際にはUE3がUE4にデータを送出している。UE3とUE2とが互いに比較的近いので、UE2にデータを送出するのにUE1によって用いられるリソースがUE4にデータを送出するのにUE3によって用いられるリソースと重なったり同じであったりする場合に、UE3によってUE4にデータを送出することにより、UE2によるUE1からのデータの受信に対する強い干渉が生じる。この結果、UE1からのデータをUE2が正しく受信することができず、サイドリンク通信の信頼性が減少する。
【0088】
別の例として
図5を参照することができる。UE1が検知を実行し、UE3がUE4にデータを送出することをUE1が検知することができる。この場合、UE4にデータを送出するのにUE3によって用いられる時間周波数リソースを通じてUE2にデータが送出されることが可能ではないとUE1が考える。言い換えると、UE4にデータを送出するのにUE3によって用いられる時間周波数リソースが利用不能な時間周波数リソースであるとUE1が決定する。しかし、実際にはUE1がUE4から離れているので、UE4はUE1に対してほとんど干渉せず、UE4へのUE3によるデータの送出はUE2によるUE1からのデータの受信に影響を及ぼさない。UE1にとって、これはリソースが過剰に抽出される例であり、用いられることが可能であるいくつかのリソースが利用不能な時間周波数リソースとして決定される。この結果、UE1が利用可能な時間周波数リソースが減少する。
【0089】
上記の観点から、Mode-2のサイドリンク情報送信リソース割当て手法を超える改善物としてMode-2bのサイドリンク情報送信リソース割当て手法が提供されている。Mode-2bでは、サイドリンク情報送信リソースを決定するとき、送信側の端末装置が送信側の端末装置のリソース検知結果と受信側の端末装置のリソース検知結果との両方を考える必要がある。Mode-2bでは、受信側の端末装置が受信側の端末装置の周辺の端末装置の検知検出を実行する、すなわち、受信側の端末装置の周辺の端末装置によって送出されるSCIを検出する。SCIに応じて、受信側の端末装置に利用可能なサイドリンク情報送信リソース又は利用不能なサイドリンク情報送信リソースを受信側の端末装置が決定し、受信側の端末装置が送信側の端末装置に調整情報を送出して利用可能なサイドリンク情報送信リソース又は利用不能なサイドリンク情報送信リソースを受信側の端末装置に通知する。その後、受信側の端末装置は受信側の端末装置それ自体によって決定された利用可能なサイドリンク情報又は利用不能なサイドリンク情報と、受信側の端末装置によって決定された利用可能なサイドリンク情報又は利用不能なサイドリンク情報とに基づいて、受信側の端末装置にサイドリンク情報を送出するのに最終的に用いられるリソースを決定する。
【0090】
以下、第1の端末装置及び第2の端末装置を例として用いて特定の例を参照して本出願の実施形態をより詳細に説明する。
【0091】
図6は本出願の実施形態に係る通信方法を示す。特に、通信方法は調整情報送信方法であってもよく、第1の端末装置、第2の端末装置及びシステムがさらに提供される。以下、
図6の実施形態に関与する装置をまず説明する。
図7に示されているように、
図6の第1の端末装置は処理ユニット71とトランシーバユニット72とを含む。トランシーバユニット72は信号を送出する送出ユニットに置換されてもよく、トランシーバユニット72は信号を受信する受信ユニットに置換されてもよい。
図8に示されているように、
図6の第2の端末装置は処理ユニット81とトランシーバユニット82とを含む。トランシーバユニット82は信号を送出する送出ユニットに置換されてもよく、トランシーバユニット82は信号を受信する受信ユニットに置換されてもよい。
【0092】
第1の端末装置及び第2の端末装置が車載モジュール又はユーザ端末である場合、処理ユニット71及び処理ユニット81がプロセッサであってもよく、トランシーバユニット72又はトランシーバユニット82がトランシーバであってもよい。トランシーバユニット72又はトランシーバユニット82が送出ユニットに置換される場合、送出ユニットは送信器であってもよい。トランシーバユニット72又はトランシーバユニット82が受信ユニットに置換される場合、受信ユニットは受信器であってもよい。トランシーバ、送信器又は受信器が高周波回路であってもよい。第1の端末装置又は第2の端末装置が記憶ユニット又はコンピュータ可読記憶媒体をさらに含んでもよい。当然、記憶ユニット又はコンピュータ可読記憶媒体が第1の端末装置又は第2の端末装置の外部にも配置されてもよい。たとえば、記憶ユニット又はコンピュータ可読記憶媒体が車載モジュールの外部に配置され、第1の端末装置又は第2の端末装置と通信接続される。記憶ユニット又はコンピュータ可読記憶媒体はコンピュータ指示を記憶するように構成されている。プロセッサがメモリと通信接続され、メモリ又はコンピュータ可読記憶媒体に記憶されているコンピュータ指示がプロセッサによって実行されて、第1の端末装置及び第2の端末装置が
図6の実施形態の方法を実行することが可能になる。プロセッサは汎用中央処理装置(CPU)、マイクロプロセッサや特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit,ASIC)であってもよい。
【0093】
第1の端末装置及び第2の端末装置がチップやシステムオンチップである場合、処理ユニット71又は処理ユニット81がたとえばプロセッサであってもよく、トランシーバユニット72又はトランシーバユニット82が出力インタフェイス、ピンや回路などであってもよい。これの代わりに、トランシーバユニット72又はトランシーバユニット82が入力インタフェイス、ピンや回路などであってもよい。これの代わりに、トランシーバユニット72又はトランシーバユニット82が入力/出力インタフェイス、ピンや回路などであってもよい。処理ユニット71又は処理ユニット81によってコンピュータ指示を実行して、第1の端末装置又は第2の端末装置が
図6の方法を実行することを可能にしてもよい。これとは別に、コンピュータ指示が記憶ユニット又はコンピュータ可読記憶媒体に記憶される。記憶ユニット又はコンピュータ可読記憶媒体がチップの記憶ユニット、たとえばレジスタやキャッシュであってもよい。これの代わりに、記憶ユニット又はコンピュータ可読記憶媒体が端末デバイス、ユーザ端末や車両中のチップの外部にある記憶ユニットであってもよく、たとえば、リードオンリーメモリ(Read Only Memory,ROM)、静的な情報及び指示を記憶することができる別の種類の静的記憶デバイスや、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory,RAM)であってもよい。
【0094】
図6の実施形態の通信方法は以下のステップを含み、特に調整情報送信方法が以下のステップを含む。
【0095】
ステップS60:第1の端末装置のトランシーバユニット72が第2の端末装置にトリガ情報を送出し、第2の端末装置のトランシーバユニット82が第1の端末装置からのトリガ情報を受信する。トリガ情報は制御情報であり、第1のリソースを決定するように第2の端末装置に促すためのものである。第1のリソースは、第2の端末装置にサイドリンク情報を送出するのに用いられるリソースを決定するのに第1の端末装置によって用いられる。
【0096】
当然、ステップS60は不可欠のステップではない。Mode-2bでサイドリンク情報送信リソースを決定する手法はトリガ手法とトリガを用いない手法とを含む。トリガ手法では、第1の端末装置が第2の端末装置にトリガ情報を送出して、第1の端末装置に調整情報を送出するように第2の端末装置に促す。第2の端末装置はトリガ情報を受信した後、検知結果に基づいてリソース選択を実行する。さらにいえば、第2の端末装置は検知ウインドウでの検知結果と確保情報とに基づいてリソース選択ウインドウ内でリソース選択を実行して第1のリソースを決定する。リソース選択ウインドウは、リソース選択ウインドウ内でリソース選択を第1の端末装置が実行してサイドリンク情報送信に用いられるリソースを決定することになることを第2の端末装置に通知するために、第1の端末装置によって第2の端末装置に対して表示される第1の端末装置用のリソース選択ウインドウであってもよい。したがって、検知ウインドウでの第2の端末装置の検知結果と確保情報とに基づいて、サイドリンク情報を送出するのに第1の端末装置によって用いられるリソースを第1の端末装置が決定するのを支援するのに用いられる第1のリソースを第2の端末装置がリソース選択ウインドウ内で選択することができる。確保情報は第2の端末装置によって受信された別の端末装置のサイドリンク制御情報に搭載されたものであり、確保情報はどの別の端末装置がサイドリンク情報を周期的に送信するのかに基づいて周期情報を表示する。第2の端末装置のリソース選択結果、すなわち第1のリソースを第2の端末装置が調整情報に搭載する。その後、第1の端末装置のリソース選択結果と、調整情報に搭載された第2の端末装置のリソース選択結果とに基づいて、第2の端末装置にサイドリンク情報を送出するのに第1の端末装置によって用いられるリソースを第1の端末装置が決定する。
【0097】
トリガを用いない手法では、トリガ情報を第1の端末装置が第2の端末装置に送出しない。この場合、第2の端末装置がリソース検知を周期的又は不定期に実行し、検知結果と確保情報とに基づいてリソース選択ウインドウでリソース選択を実行し、リソース選択結果を調整情報を通じて第1の端末装置に通知する。リソース選択ウインドウは第2の端末装置用のリソース選択ウインドウであってもよいし、既定のリソース選択ウインドウであってもよい。トリガを用いない手法では、ステップS60は不可欠ではない。
【0098】
ステップS61:第1の端末装置の処理ユニット71が第1の参照時間と第1の時間オフセットとに基づいて第1の時間を決定し、第2の端末装置の処理ユニット81も第1の参照時間と第1の時間オフセットとに基づいて第1の時間を決定する。ステップ61で第1の端末装置と第2の端末装置との両方が第1の時間を決定するが、第1の端末装置による第1の時間の決定と第2の端末装置による第1の時間の決定との間で時間順序に対する制限はない。第1の時間は、調整情報を第2の端末装置が第1の端末装置に送出する送出時間を決定するのに後に用いられる時間である。
【0099】
第1の参照時間は時間参照点であり、すなわち、調整情報の送出に用いられる時間境界すなわち第1の時間は時間参照点と第1の時間オフセットとに基づいて決定されるといえる。時間境界は遅延境界とも称される場合がある。第1の参照時間及び第1の時間オフセットは秒やミリ秒で測定されてもよいし、当然、スロットやシンボルであってもよい。従来の技術では、第2の端末装置が第1の端末装置に調整情報を送出する時間は指定されない。この結果、第1の端末装置は調整情報を受信するときにはサイドリンク情報を送出する時期を既に逸している場合があり、信頼性が減少する。第1の時間を限界として用いて、第1の時間又は第1の時間よりも前に第2の端末装置が第1の端末装置に調整情報を送出する必要があり、これにより、信頼性が改善される。
【0100】
ステップ61で、第1の参照時間及び第1の時間オフセットという2つの要因に基づいて第1の時間が決定される必要がある。
【0101】
図9に示されているように、第1の参照時間は第2の時間、第3の時間、第4の時間及び第5の時間という4種類の参照時間を含んでもよい。
【0102】
第2の時間は第1の端末装置からのトリガ情報が受信された時間を含み、トリガ情報は第1のリソースを決定することを促すための情報である。すなわち、第2の時間は、ステップS60でトリガ情報を第1の端末装置が第2の端末装置に送出する時間であり、また、第1の端末装置からのトリガ情報を第2の端末装置が受信する時間でもある。この場合、第1の端末装置又は第2の端末装置が第1の時間オフセットと、第2の時間、すなわち、トリガ情報が送出されたり受信されたりする時間に基づいて第1の時間を決定する。
図9から、この場合、第1の時間オフセットが第2の時間と第1の時間との時間差であり、すなわち、第1の時間オフセット分だけ参照時点としてのトリガ情報の送信時間をオフセットすることによって、第2の端末装置が調整情報を送出する第1の時間が取得されることが分かる。したがって、第2の端末装置はトリガ情報を受信した後、第2の時間を認識し、第1の時間オフセットに基づいて、調整情報をフィードバックする最も遅い時間、すなわち遅延境界を決定する。この場合、調整情報をフィードバックする遅延境界は調整情報の促しに対するオフセットである。処理プロセスが単純になり、システムの複雑さが減少する。
【0103】
第3の時間はリソース選択ウインドウの開始時間を含み、リソース選択ウインドウは、第1の端末装置からのサイドリンク情報を受信するのに用いられる第2のリソースを決定するのに用いられるウインドウであり、すなわち、リソース選択ウインドウは、第1の端末装置によって第2の端末装置にサイドリンク情報を送出するのに用いられる第2のリソースを決定するのに用いられる。リソース選択ウインドウは第1の端末装置用のリソース選択ウインドウである。さらにいえば、サイドリンク情報を送信するのに用いられるリソースを第1の端末装置がリソース選択ウインドウ内で決定する。リソース選択ウインドウは第1の端末装置によって第2の端末装置に対して表示され、これにより、第2の端末装置はリソース選択ウインドウ内で第1のリソースを決定する。第2の端末装置によって第1の端末装置に送出される調整情報を通じて第1のリソースが第1の端末装置に対して表示される。
図9から、この場合、第1の時間オフセットは第3の時間と第1の時間との時間差であり、すなわち、第1の時間は第1の時間オフセット分だけ参照時点としてのリソース選択ウインドウの開始時間をオフセットすることによって取得されることが分かる。したがって、所望される第1の時間オフセットにリソース選択ウインドウの開始時間が第1の端末装置及び第2の端末装置によって関連づけられ、第1の時間が決定される。第1の参照時間として第3の時間を用いて最終的に決定される第1の時間は多くの場合に時間ドメインにおいて第3の時間に近い。これにより、第1の時間オフセットを送信するのに用いられるビット数を減少させることができ、上記はトリガの場面とトリガを用いない場面とで調整情報の送出の遅延境界を定めることに適用可能である。リソース選択ウインドウが存在するのであれば、第3の時間が時間参照点として用いられることが可能であり、高い実施可能性が提供される。
【0104】
第4の時間はリソース選択ウインドウの終了時間を含む。当該リソース選択ウインドウは、第3の時間が第1の参照時間として用いられている例で説明されているリソース選択ウインドウと矛盾しない。本説明では重ねて詳細を説明しない。
図9から、この場合、第1の時間オフセットが第4の時間と第1の時間との時間差であり、すなわち、第1の時間オフセット分だけ参照時点としてのリソース選択ウインドウの終了時間をオフセットすることによって、第2の端末装置が調整情報を送出する第1の時間が取得されることが分かる。したがって、所望される第1の時間オフセットにリソース選択ウインドウの終了時間が第1の端末装置及び第2の端末装置によって関連づけられる。これにより、第1の時間オフセットが常に正の数になり、実施の複雑さが減少することを確実なものとすることができ、上記はトリガを用いる場面とトリガを用いない場面とで調整情報の送出の遅延境界を定めることに適用可能である。リソース選択ウインドウが存在するのであれば、第4の時間が時間参照点として用いられることが可能である。
【0105】
リソース選択ウインドウは第1の端末装置用のリソース選択ウインドウであってもよく、すなわち、サイドリンク情報送信リソースを選択するのに用いられ、送信されるサイドリンクデータの遅延要求に基づいて第1の端末装置によって決定される期間であってもよい。送信されるサイドリンク情報を送信するのに用いられる送信リソースをリソース選択ウインドウ内で第1の端末装置が決定する。
【0106】
第1の参照時間が第2の時間である例は、Mode-2bでサイドリンク情報送信リソースを決定するトリガ手法に対応することができ、第1の参照時間が第3の時間又は第4の時間である例は、Mode-2bでサイドリンク情報送信リソースを決定するトリガ手法又はトリガを用いない手法に対応することができる。サイドリンク情報送信リソースを決定するトリガ手法では、ステップS60で、トリガ情報がいくつかの情報を含み、この情報は、リソース選択ウインドウの開始時間、リソース選択ウインドウの終了時間、第1の時間オフセット、第1の端末装置又は第2の端末装置の能力、第2の時間オフセット又はリソース選択ウインドウの時間幅という情報の少なくとも1つを含む。第2の時間オフセットは、第1の端末装置からのトリガ情報が受信される時間と、リソース選択ウインドウの開始時間との間の時間オフセットである。第2の時間オフセットはリソース選択ウインドウの開始時間を決定するのに用いられるものであり、第2の時間オフセットとリソース選択ウインドウの時間幅とがリソース選択ウインドウの終了時間を決定するのに用いられるものである。トリガ情報が第2の時間オフセットとリソース選択ウインドウの時間幅とを含む場合、第1の端末装置からのトリガ情報を第2の端末装置が受信する時間と、第2の時間オフセットとに基づいてリソース選択ウインドウの開始時間が決定されることができる。第1の端末装置からのトリガ情報を第2の端末装置が受信する時間と、第2の時間オフセットと、リソース選択ウインドウの時間幅とに基づいてリソース選択ウインドウの終了時間が決定されることができる。これとは別に、上述のいくつかの情報がネットワーク装置によって制御情報を通じて第1の端末装置及び/又は第2の端末装置に対して表示されてもよい。
【0107】
上記とは別に、第1の端末装置のトランシーバユニット72が第2の端末装置に制御情報、サイドリンクPC5ラジオリソースコントロール(PC5-Radio Resource Control,PC5-RRC)シグナリング又は媒体アクセス制御コントロールエレメント(Media Access Control Control Element,MAC CE)をさらに送出してもよく、第2の端末装置のトランシーバユニット82が第1の端末装置からの制御情報、PC5-RRCシグナリング又はMAC CEを受信する。制御情報、PC5-RRCシグナリング又はMAC CEはリソース選択ウインドウの開始時間、リソース選択ウインドウの終了時間、第1の時間オフセット、第1の端末装置又は第2の端末装置の能力、第2の時間オフセット又はリソース選択ウインドウの時間幅という情報の少なくとも1つを表示する。
【0108】
第5の時間は時間ドメインにおける第1のリソースの開始時間を含む。第1の参照時間が第5の時間である例は、Mode-2bでサイドリンク情報送信リソースを決定するトリガ手法又はトリガを用いない手法に対応することができる。
【0109】
トリガの例に対応する場合、ステップS60で第2の端末装置がトリガ情報を受信した後、第2の端末装置は第2の端末装置の周辺のチャンネル環境を検知する。たとえば、第2の端末装置は第2の端末装置の周辺の端末装置によって送出されたサイドリンク制御情報を受信して、第2の端末装置の周辺の端末装置がサイドリンク情報を送信するのに用いられるリソースを認識してもよいし、第2の端末装置は無線リソースの信号強度を測定してもよい。したがって、第2の端末装置は第2の端末装置の周辺のどのリソースが利用可能又は利用不能であるのかを決定し、利用可能なリソース又は利用不能なリソースを第1の端末装置に調整情報を通じて通知することができる。第2の端末装置によって取得される利用可能なリソース又は利用不能なリソースが第1のリソースである。トリガを用いない例に対応する場合において、第1の端末装置のトリガ情報を受信しないとき、第2の端末装置はこの例でも第2の端末装置の周辺のチャンネル環境を周期的又は不定期に検知する。たとえば、第2の端末装置は第2の端末装置の周辺の端末装置によって送出されたサイドリンク制御情報を受信して、第2の端末装置の周辺の端末装置がサイドリンク情報を送信するのに用いられるリソースを認識してもよいし、第2の端末装置は無線リソースの信号強度を測定してもよい。したがって、第2の端末装置は第2の端末装置の周辺のどのリソースが利用可能又は利用不能であるのかを決定し、利用可能なリソース又は利用不能なリソースを第1の端末装置に調整情報を通じて通知することができる。第2の端末装置によって取得される利用可能なリソース又は利用不能なリソースが第1のリソースである。これとは別に、第1のリソースがリソース選択ウインドウに位置する。
【0110】
第2の時間から第5の時間のいずれかが第1の参照時間であるのかを第1の端末装置が第2の端末装置に対してトリガ情報又は他のサイドリンク制御情報を通じてさらに表示してもよい。言い換えると、可能な複数の時間から第1の参照時間が選択される場合、第1の参照時間として用いられる特定の参照時間を第1の端末装置が第2の端末装置にトリガ情報又は他のサイドリンク制御情報を介して通知してもよい。
【0111】
第1のリソースは第1の端末装置からのサイドリンク情報を受信するのに用いられるリソースを決定するのに用いられる少なくとも1つのリソースを含み、時間ドメインにおける第1のリソースの開始時間は当該少なくとも1つのリソースのうち時間ドメインにおいて先頭にあるリソースの時間ドメイン開始時間を含む。
図9では、第1のリソースは時間ドメインにおいて連続するリソースを含むブロックである。実際には上記とは異なり第1のリソースは複数のリソースの集合であってもよく、すなわち、第1のリソースは時間ドメインにおいて連続しない複数のリソースを含む。第5の時間は、時間ドメインにおいて第2の端末装置によって決定される利用可能なリソース又は利用不能なリソースの最初期の瞬間すなわち開始時間である。
図9から、この場合、第1の時間オフセットが第5の時間と第1の時間との時間差であり、すなわち、第1の時間オフセット分だけ参照時点としての時間ドメインにおける第1のリソースの開始時間をオフセットすることによって、第2の端末装置が調整情報を送出する第1の時間が取得されることが分かる。
【0112】
第1の時間オフセットは第1の端末装置又は第2の端末装置の能力に基づいて決定されてもよい。言い換えると、第2の端末装置が調整情報を送出する第1の時間のために第1の端末装置又は第2の端末装置の能力が考えられる必要がある。たとえば、第1の端末装置又は第2の端末装置の能力が高い場合、すなわち、処理速度又は計算速度が高い場合、第1の時間オフセットの値が小さくなり得る。第1の端末装置又は第2の端末装置の能力がトリガ情報に搭載されてもよく、これにより、第1の時間を決定する際の柔軟性が改善される。したがって、調整情報を受信した後、第1の端末装置がスケジューリングを実行し、サイドリンク情報を符号化して送出するのに十分な時間を有することが確実なものとされ、これにより、第1の端末装置の不十分な能力によって引き起こされる調整情報の浪費が回避され、第1の端末装置のサイドリンク情報がタイムリーに送出されることが可能であることが確実なものとされる。
【0113】
上記の代わりに、第1の時間オフセットが以下の時間の少なくとも1つに基づいて決定されてもよい。
【0114】
(1)リソースを組み合せるために要求される期間。第2の端末装置の調整情報を受信することに加えて、少なくとも1つの他の端末装置によって送出される調整情報を第1の端末装置がさらに受信してもよい。この場合、第1の端末装置は、第2の端末装置によって送出された調整情報と、少なくとも1つの他の端末装置によって送出された調整情報とで表示され、第1の端末装置によってサイドリンク情報を送出するのに用いられるリソースを決定するのに用いられるものである少なくとも1つのリソースを組み合せる必要がある。リソースの組合せには所定の期間がかかる。したがって、第1の時間オフセットはリソースを組み合せるために要求される時間に基づいて決定されてもよい。
【0115】
(2)(1)でのリソースの組合せの結果を媒体アクセス制御(Media Access Control,MAC)レイヤに報告するために要求される処理や送信の期間。
【0116】
(3)MACレイヤが最終的なリソース選択結果を決定する期間。さらにいえば、MACレイヤが(2)のリソースの組合せの結果を受信する場合、MACレイヤはリソースの組合せの結果から、サイドリンク情報を送出するのに第1の端末装置によって最終的に用いられるリソースを決定する。このプロセスには所定の期間がかかる。したがって、MACレイヤが最終的なリソース選択結果を決定する時間に基づいて第1の時間オフセットが決定されてもよい。
【0117】
(4)サイドリンク情報を送出するのに第1の端末装置によって最終的に用いられることになり、(3)で決定されるリソースをMACレイヤが第1の端末装置の物理レイヤに対して表示するために要求される期間。
【0118】
(5)サイドリンク情報を送出する準備期間。サイドリンク情報を送信するのに用いられることになるリソースを決定したり取得したりした後、送出されるサイドリンク情報に対する符号化やマッピングなどの動作を第1の端末装置が実行する必要がある。このような動作を完遂させる時間がサイドリンク情報を送出する準備時間である。したがって、サイドリンク情報を送出する準備時間に基づいて第1の時間オフセットが決定されてもよい。
【0119】
この場合、上記の時間の少なくとも1つがトリガ情報に搭載されてもよく、これにより、第1の時間を決定する際に柔軟性が改善される。
【0120】
上記の代わりに、第1の時間オフセットが既定の時間オフセットであってもよい。さらにいえば、第1の時間オフセットの特定の値がプロトコルで指定される。この場合、第1の時間オフセットの特定の値が第1の端末装置又は第2の端末装置のメモリに記憶されてもよく、第1の時間が決定される必要があるときに第1の端末装置又は第2の端末装置によって呼び出される。第1の時間オフセットの特定の値がプロトコルで指定されれば、システムの複雑さが減少する。
【0121】
第1の時間オフセットの値はnであってもよく、nは負の整数、ゼロ又は正の整数である。第1の時間オフセットの測定単位は秒であってもミリ秒であってもよいし、当然、スロットやシンボルであってもよい。
【0122】
ステップS62:第2の端末装置のトランシーバユニット82が調整情報を第1の端末装置に第1の時間又は第1の時間よりも前に送出し、第1の端末装置からの調整情報を第1の端末装置のトランシーバユニット72が第1の時間以前に受信する。調整情報は第1のリソースを表示し、第1のリソースは、第1の端末装置からのサイドリンク情報を受信するのに用いられる第2のリソースを決定するのに用いられるものである。調整情報はビットマップ(bit map)を含んでもよく、ビットマップは第1のリソースを表示する。たとえば、ビットマップの所定のビット列の所定のビットが1である場合、このことは当該ビットに対応するリソースがサイドリンク情報を送信するのに用いられることができることを表示する。第1の端末装置が様々な理由のために無線リソースや別の端末装置を検知することができず、第1の端末装置が第2の端末装置に比較的近い場面が可能な場面である。この場合、第1の端末装置の代わりに検知を実行するように第2の端末装置を第1の端末装置によって用いることができる。トリガ手法では、第1の端末装置がトリガ情報を第2の端末装置に送出して、第1の端末装置の代わりに検知を実行するように第2の端末装置に促し、第2の端末装置によって送出された調整情報を受信してもよい。トリガを用いない手法では、第2の端末装置によって周期的又は不定期に送出される調整情報を第1の端末装置が受信する。この場合、第2の端末装置又は第3の端末装置にサイドリンク情報を送出するのに第1の端末装置によって用いられる送信リソース(たとえば第3のリソース)を決定するのに第1の端末装置によって第1のリソースがさらに用いられることができる。第3の端末装置は第1の端末装置及び第2の端末装置とは異なる端末装置である。
【0123】
ステップS63:第1の端末装置の処理ユニット71が第1のリソースに基づいて第2のリソースを決定し、第2のリソースはサイドリンク情報を第2の端末装置に送出するのに第1の端末装置のトランシーバユニット72によって用いられる。上記とは別に、第1の端末装置の処理ユニット71が第1のリソースに基づいて第3のリソースを決定し、第3のリソースはサイドリンク情報を第3の端末装置に送出するのに第1の端末装置のトランシーバユニット72によって用いられる。
【0124】
ステップS64:第1の端末装置のトランシーバユニット72が第2のリソースでサイドリンク情報を第2の端末装置に送出し、第2の端末装置のトランシーバユニット82が第2のリソースで第1の端末装置からのサイドリンク情報を受信する。サイドリンク情報はサイドリンク制御情報、サイドリンクデータ及びサイドリンクフィードバック情報の少なくとも1つを含む。第1の端末装置のトランシーバユニット72が第3のリソースでサイドリンク情報を第3の端末装置に送出する。
【0125】
図6の実施形態は1つの第2の端末装置を例として用いるのに限って説明されている。実際の場面では、複数の第2の端末装置によって送出された調整情報を第1の端末装置が受信してもよく、複数の第2の端末装置の各第2の端末装置によって送出された調整情報は調整情報を送った第2の端末装置の検知結果を表示する。したがって、第1の端末装置は複数の第2の端末装置の複数の検知結果に基づいて、サイドリンク情報を送出するのに用いられる送信リソースを決定することができる。
【0126】
本出願の実施形態を通じて、第2の端末装置が調整情報を第1の端末装置に第1の時間又は第1の時間よりも前に送出し、第1の時間は第1の参照時間と第1の時間オフセットとに基づいて決定され、すなわち、第2の端末装置が調整情報を第1の端末装置に送出する時間が制限され、第1の端末装置が調整情報を受信するときに、サイドリンク情報を送出するのに用いられる第2のリソースを決定するのに第1の端末装置が十分な時間を有することが確実なものとされ、これにより、サイドリンク通信の信頼性が改善される。
【0127】
図10は
図6の実施形態の通信方法を説明する特定の例を提供する。
【0128】
第1のステップでは、第1の端末装置が第2の端末装置に送出される、送出されるサイドリンクデータを有する。Mode-2bのサイドリンクリソース決定手法では、第1の端末装置がトリガ情報を第2の端末装置に時間nに送出する。トリガ情報は付近の端末装置やリソースを検知するように第2の端末装置に促すのに用いられるものである。トリガ情報には少なくとも第2の時間オフセットS、リソース選択ウインドウの時間幅L及び第1の時間オフセットy1が搭載される。第2の時間オフセットはリソース選択ウインドウの開始時間を決定するのに用いられるものである。第2の時間オフセット及びリソース選択ウインドウの時間幅はリソース選択ウインドウの終了時間を決定するのに用いられるものである。第1の端末装置又は第2の端末装置が瞬間n、S及びLに基づいて、第1の端末装置用のリソース選択ウインドウの開始時間がt1であり、第1の端末装置用のリソース選択ウインドウの終了時間がt2であると決定することができる。
【0129】
図10では、第1の参照時間が第3の時間、すなわち、第1の端末装置用のリソース選択ウインドウの開始時間t
1である例を用いて第1の時間の決定が説明されている。第1の端末装置がt
1と第1の時間オフセットy1とに基づいて第1の時間n+s-y1を決定し、第2の端末装置が調整情報を第1の端末装置に第1の時間n+s-y1又は第1の時間n+s-y1よりも前に送出する必要がある。
【0130】
第2のステップでは、第2の端末装置がトリガ情報を受信した後、リソース選択をたとえば時間mに実行し、すなわち、第2の端末装置の周辺の端末装置やリソースを検知する。
【0131】
第2のステップでは、調整情報を送出するのに用いられるリソースを第2の端末装置がまず決定する。その際、第2の端末装置が時間mに基づいて検知ウインドウ(m)とリソース選択ウインドウ(m)とを決定する。検知ウインドウ(m)及びリソース選択ウインドウ(m)は調整情報を第1の端末装置に送出するのに第2の端末装置によって用いられるリソースを決定するのに用いられるものである。検知ウインドウ(m)の時間範囲はm-T
0からm-T
proc,0であり、リソース選択ウインドウ(m)の時間範囲はm+T
1からm+T
2であり、T
0は、リソースプールのために設定されている検知ウインドウの開始時間オフセットであり、T
proc,0は、検知を実行する際のサブキャリア間隔に関する端末装置の既定の基本的能力であり、T
1は、デバイス能力に基づいて端末装置によって決定されるリソース選択ウインドウの開始時間オフセットであって、0≦T
1≦T
proc,1を満たす必要があり、T
proc,1は、サイドリンク情報を符号化して送出する際のサブキャリア間隔に関する端末装置の既定の基本的能力であり、T
2はデバイス能力に基づいて端末デバイスによって決定されるリソース選択ウインドウの終了時間オフセットであって、T
1<T2≦PDBを満たし、パケットディレイバジェット(packet delay budget,PDB)はサイドリンク情報の生存時間(time to live)を表示し、すなわち、サイドリンク情報はPDBよりも前に送出される必要がある。多くの場合、第2の端末装置が付近の端末装置やチャンネルリソースを絶え間なく検知して検知結果をキャッシングする。第2の端末装置が検知ウインドウ(m)を決定すると、第2の端末装置はキャッシュから、検知ウインドウ(m)に対応する時間範囲m-T
0からm-T
proc,0で検知結果を取得する。その後、調整情報を送出するのに第2の端末装置によって用いられるリソースが、検知結果及び/又は付近の端末装置のリソース確保状態に基づいてリソース選択ウインドウ(m)内で決定される。
図10に示されているように、当該リソースの時間ドメインリソースは時間zである。さらにいえば、時間zで、第1のリソースを表示する調整情報を第2の端末装置が第1の端末装置に送出し、第1のリソースは、第2の端末装置にサイドリンク情報を送出するのに用いられる送信リソースを決定するのに第1の端末装置によって用いられることができる。これに加えて、リソース選択ウインドウ(m)の終了時間m+T
2が第1の時間n+s-y1よりも前にあるか、リソース選択ウインドウ(m)の終了時間m+T
2が第1の時間n+s-y1と同じである、すなわち、m+T
2<=n+s-y1である。この場合、調整情報を送出するのに用いられるリソースであって、リソース選択ウインドウ(m)の時間範囲m+T
1からm+T
2内で決定されるリソースの時間ドメインリソース、すなわち時間zが、第1の時間n+s-y1以前である必要がある。
【0132】
第3のステップでは、時間zで調整情報を第2の端末装置が第1の端末装置に送出するので、時間kで第2の端末装置がリソース選択を実行する必要がある。時間kと時間zとの間の時間間隔はy2以上である。y2は、調整情報を第2の端末装置が送出するのに不可欠な準備時間であり、準備時間については、第2の端末装置が検知ウインドウ(k)での検知結果を処理するのに不可欠な時間、及び/又は第2の端末装置が調整情報を生成し、調整情報に検知結果を搭載し、サイドリンク情報を符号化して送出するために要求される時間を考える必要がある。
【0133】
第4のステップでは、第2の端末装置が時間kに基づいて検知ウインドウ(k)とリソース選択ウインドウ(k)とを決定する。検知ウインドウ(k)は、調整情報を第1の端末装置に送出するのに第2の端末装置によって用いられるリソースを決定するのに用いられるものである。リソース選択ウインドウ(k)はサイドリンク情報を送出するための第2の端末装置用の送信リソースを決定するのに第2の端末装置によって用いられるリソース選択ウインドウであるが、サイドリンク情報を送出するための第1の端末装置用の送信リソースを決定するのに第1の端末装置によって用いられるリソース選択ウインドウではないので、リソース選択ウインドウ(k)はこの場合は重要ではない。当然、リソース選択ウインドウ(k)は時間ドメインにおいて第1の端末装置用のリソース選択ウインドウに重なってもよく、検知ウインドウ(k)の時間範囲はk-T0からk-Tproc,0であり、リソース選択ウインドウ(k)の時間範囲はk+T1からk+T2である。
【0134】
第5のステップでは、第2の端末装置が第2の端末装置によってキャッシングされている検知結果から検知ウインドウ(k)の時間範囲内で検知結果を抜き出して第1のリソースを決定し、第2の端末装置が調整情報を第1の端末装置に時間zで送出する。調整情報は第1のリソースを表示する。
【0135】
第6のステップでは、第1の端末装置が第2の端末装置からの調整情報を受信した後、第2の端末装置によって決定された第2の端末装置の周辺の利用可能なリソース又は利用不能なリソース、すなわち第1のリソースを取得する。その後、第1の端末装置が第1のリソースと、第1の端末装置の検知ウインドウで第1の端末装置によって決定された利用可能なリソース又は利用不能なリソースとに基づいて第2のリソースを決定する。
【0136】
第7のステップでは、第1の端末装置が第2のリソースでサイドリンク情報を第2の端末装置に送出する。
【0137】
第2の端末装置が調整情報を送出する時間は第1の時間n+s-y1より前か第1の時間n+s-y1と同じである必要があり、すなわち、第2の端末装置が調整情報を送出する最も遅い時間が制限され、これにより、調整情報の適時性が改善され、第1の端末装置が調整情報を受信した後にサイドリンク情報送信リソースを決定するのに十分な時間を有し、サイドリンク通信の信頼性が改善する。
【0138】
本出願の実施形態では通信装置を提供する。通信装置は第1の端末装置であっても第2の端末装置であってもよく、通信装置は端末デバイスであってもよいし、チップであっても回路であってもよい。通信装置は、本出願の上記の実施形態の第1の端末装置又は第2の端末装置によって実行される作用を実行するように構成されてもよい。
【0139】
通信装置が端末装置である場合において、
図11は端末装置の構造の簡略概略図である。端末装置は車両、車載モジュール、ハンドヘルドデバイス、携帯電話器などであってもよい。
図11に示されているように、端末装置はプロセッサ、メモリ、高周波回路、アンテナ及び入力/出力装置を含む。プロセッサは通信プロトコルと通信データとを処理し、端末装置を制御し、ソフトウェアプログラムを実行し、ソフトウェアプログラムのデータを処理するなどを主に行なうように構成されている。メモリは、ソフトウェアプログラムとデータとを記憶することを主に行なうように構成されている。高周波回路は、ベースバンド信号と高周波信号との変換を実行し、高周波信号を処理することを主に行なうように構成されている。アンテナは、電磁波の形態の高周波信号の受信及び送出を主に行なうように構成されている。入力/出力装置、たとえばタッチ画面、ディスプレイやキーボードは、ユーザによって入れられたデータを受け取り、ユーザにデータを出力することを主に行なうように構成されている。いくつかの種類の端末装置が入力/出力装置を有さなくてもよく、いくつかの種類の端末装置、たとえば車載モジュールがプロセッサ、メモリ、高周波回路、アンテナ及び入力/出力装置の少なくとも1つのみを含み、他の部分が端末装置の外部に配置され、端末装置と通信接続されてもよい点に留意するべきである。
【0140】
データを送出する必要があるとき、送出されるデータに対してベースバンド処理を実行した後に、プロセッサがベースバンド信号を高周波回路に出力し、高周波回路はベースバンド信号に対して高周波処理を実行し、高周波信号をアンテナを通じて電磁波の形態で外部に送出する。データが端末装置に送出されると、高周波信号をアンテナを通じて高周波回路が受信し、高周波信号をベースバンド信号に変換し、ベースバンド信号をプロセッサに出力する。プロセッサはベースバンド信号をデータに変換してデータを処理する。説明を容易にするために、
図11には1つのメモリと1つのプロセッサしか示されていない。実際の端末装置製品では、1つ以上のプロセッサと1つ以上のメモリがあってもよい。メモリは記憶媒体、記憶装置などとも称される場合がある。メモリはプロセッサとは独立させられて配置されてもよいし、プロセッサと一体化させられてもよい。本出願の本実施形態ではこれは限定されない。
【0141】
本出願の本実施形態では、アンテナと、受信及び送出機能を有する高周波回路とが端末装置のトランシーバユニットと考えられることができ(この場合、トランシーバユニットが1つの機能ユニットであってもよく、機能ユニットが送出機能及び受信機能を実施することができ、又はトランシーバユニットが2つの機能ユニット、すなわち、受信機能を実施することができる受信ユニットと、送出機能を実施することができる送出ユニットとを含んでもよい)、処理機能を有するプロセッサが端末装置の処理ユニットと考えられることができる。
図11に示されているように、端末装置はトランシーバユニット1110と処理ユニット1120とを含む。トランシーバユニットはトランシーバ、トランシーバマシン、トランシーバ装置などとも称される場合がある。処理ユニットはプロセッサ、処理ボード、処理モジュール、処理装置などとも称される場合がある。上記とは別に、トランシーバユニット1110中にあり、受信機能を実施するように構成される構成要素が受信ユニットと考えられてもよく、トランシーバユニット1110中にあり、送出機能を実施するように構成される構成要素が送出ユニットと考えられてもよい。すなわち、トランシーバユニット1110は受信ユニットと送出ユニットとを含む。トランシーバユニットは場合によってはトランシーバマシン、トランシーバ、トランシーバ回路などとも称される場合がある。受信ユニットは場合によっては受信器マシン、受信器、受信器回路などとも称される場合がある。送出ユニットは場合によっては送信マシン、送信器、送信回路などとも称される場合がある。
【0142】
トランシーバユニット1110が上記の方法実施形態の第1の端末装置又は第2の端末装置の送出ステップ又は受信動作を実行するように構成されており、処理ユニット1120が上記の方法実施形態の送出及び受信動作以外の動作を実行するように構成されていることが当然分かる。
【0143】
通信装置がチップ装置や回路である場合、当該装置はトランシーバユニットと処理ユニットとを含んでもよい。トランシーバユニットは入力/出力回路及び/又は通信インタフェイスであってもよい。処理ユニットは集積プロセッサ、マイクロプロセッサや集積回路である。
【0144】
本出願の実施形態では通信システムを提供する。通信システムは
図6に示されている実施形態の第1の端末装置と第2の端末装置とを含んでもよい。
【0145】
本出願の実施形態ではコンピュータ可読記憶媒体をさらに提供する。コンピュータ可読記憶媒体はコンピュータプログラムを記憶する。コンピュータプログラムがコンピュータによって実行されると、コンピュータは上記の方法実施形態に係る
図6の実施形態の第1の端末装置又は第2の端末装置に関するプロセスを実施することができる。
【0146】
本出願の実施形態ではコンピュータプログラムプロダクトをさらに提供する。コンピュータプログラムプロダクトはコンピュータプログラムを記憶するように構成される。コンピュータプログラムがコンピュータによって実行されると、コンピュータは上記の方法実施形態に係る
図6の実施形態の第1の端末装置又は第2の端末装置に関するプロセスを実施することができる。
【0147】
本出願の実施形態に記載されているプロセッサがCPUであってもよいし、別の汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(digital signal processor,DSP)、特定用途向け集積回路(application specific integrated circuit,ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(field programmable gate array,FPGA)や別のプログラム可能な論理デバイス、ディスクリートゲート、トランジスタ論理デバイス、ディスクリート・ハードウェア・コンポネントなどであってもよいことが当然分かる。汎用プロセッサはマイクロプロセッサであってよいし、プロセッサが任意の従来のプロセッサなどであってよい。
【0148】
本出願の実施形態に記載されているメモリが揮発メモリであっても不揮発メモリであってもよいし、揮発メモリと不揮発メモリとを含んでもよいことも分かる。不揮発メモリはリードオンリーメモリ(read-only memory,ROM)、プログラマブル・リード・オンリー・メモリ(programmable ROM,PROM)、消去可能プログラマブル・リード・オンリー・メモリ(erasable PROM,EPROM)、電気的消去可能プログラマブル・リード・オンリー・メモリ(electrically EPROM,EEPROM)やフラッシュメモリであってもよい。揮発メモリはランダムアクセスメモリ(random access memory,RAM)であってもよく、外部キャッシュとして用いられる。限定ではなく例として、多くの形態のRAMが用いられてもよく、たとえば、スタティック・ランダム・アクセス・メモリ(static RAM,SRAM)、ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(dynamic RAM,DRAM)、同期型ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(synchronous DRAM,SDRAM)、ダブルデータレート同期型ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(double data rate SDRAM,DDR SDRAM)、拡張同期型ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(enhanced SDRAM,ESDRAM)、synchlinkダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(synchlink DRAM,SLDRAM)やダイレクトrambusランダムアクセスメモリ(direct rambus RAM,DR RAM)が用いられてもよい。
【0149】
プロセッサが汎用プロセッサ、DSP、ASIC、FPGAや、別のプログラム可能な論理デバイス、ディスクリートゲートやトランジスタ論理デバイスや、ディスクリート・ハードウェア・コンポネントである場合、メモリ(記憶モジュール)がプロセッサに集積される点に留意するべきある。
【0150】
本明細書で説明されているメモリが上記のメモリと、別の適切な種類の任意のメモリとを含むが、これに限定されないことが意図されている点に留意するべきである。
【0151】
上記のプロセスの順序番号は本出願の様々な実施形態で実行順序を意味しないことが当然分かる。プロセスの実行順序はプロセスの機能と内部ロジックとにしたがって当然決定され、本出願の実施形態の実施プロセスに対するいかなる限定としても当然解釈されない。
【0152】
本明細書で開示されている実施形態で説明されている例と考え合せて、電子ハードウェアや、コンピュータソフトウェアと電子ハードウェアとの組合せによってユニット及びアルゴリズムステップを実施することができることに当業者は想到することができる。機能がハードウェアによって実行されるのかソフトウェアによって実行されるのかは技術的解決手段の具体的な用途及び設計制約条件に依存する。当業者は特定の用途毎に、説明されている機能を実施するのに異なる方法を用いることができるが、この実施が本出願の範囲を越えるとは当然考えられない。
【0153】
説明を簡便かつ簡潔にするために、上記のシステム、装置及びユニットの特定の動作プロセスについては、上記の方法実施形態の対応するプロセスを参照することができることを当業者は明確に理解することができ、本説明では重ねて詳細を説明しない。
【0154】
本出願で提供されているいくつかの実施形態では、開示されているシステム、装置及び方法は別の仕方で実施されてもよいことが当然分かる。たとえば、説明されている装置実施形態は例にすぎない。たとえば、ユニットへの分割は論理的機能の分割にすぎず、実際の実現例では他の分割であってもよい。たとえば、複数のユニットや構成要素が別のシステムに組み入れらたり組み込まれたりしてもよいし、いくつかの特徴が無視されたり実行されなかったりしてもよい。これに加えて、示されたり説明されたりしている相互接続や直接接続や通信接続がいくつかのインタフェイスを通じて実施されてもよい。装置間やユニット間の間接接続や通信接続が電子的形態、機械的形態や他の形態で実施されてもよい。
【0155】
分離されている部分として説明されているユニットが物理的に分離されてもよいし、物理的に分離されなくてもよく、ユニットとして表わされている部分が物理的ユニットであってもよいし、物理的ユニットでなくてもよいし、1つの位置に位置してもよいし、複数のネットワークユニットに分散してもよい。実施形態の解決手段の目的を達成するように実際の要求に基づいてユニットの一部又は全部が選択されてもよい。
【0156】
上記に加えて、本出願の実施形態の機能ユニットが一体化されて1つの処理ユニットにされてもよいし、ユニットの各々が物理的に単独で存在してもよいし、あるいは、2つ以上のユニットが一体化されて1つのユニットにされる。
【0157】
機能がソフトウェア機能ユニットの形態で実施され、独立した製品として販売されたり使用されたりする場合、機能がコンピュータ可読記憶媒体に記憶されてもよい。このような理解に基づけば、ソフトウェア製品の形態で、本出願の技術的解決手段が必須なものとして実施されてもよし、従来の技術に貢献する部分が実施されてもよいし、技術的解決手段の一部が実施されてもよい。コンピュータソフトウェア製品は記憶媒体に記憶され、本出願の実施形態で説明されている方法のステップの全部又は一部を実行するようにコンピュータ装置(パーソナルコンピュータ、サーバやネットワーク装置であってもよい)に指示するためのいくつかの指示を含む。上記のコンピュータ可読記憶媒体はコンピュータによってアクセスされることが可能である任意の利用可能な媒体でもあってもよい。限定ではなく例として、コンピュータ可読媒体はランダムアクセスメモリ(random access memory,RAM)、リードオンリーメモリ(read-only memory,ROM)、消去可能プログラマブル・リード・オンリー・メモリ(electrically erasable programmable read only memory,EEPROM)、コンパクト・ディスク・リード・オンリー・メモリ(compact disc read-only memory,CD-ROM)、ユニバーサル・シリアル・バス・フラッシュ・ディスク(universal serial bus flash disk)、リムーバブルハードディスクや別のコンパクトディスクストレージ、磁気ディスク記憶媒体や別の磁気記憶装置や、所望されるプログラムコードを指示やデータ構造の形態で搭載したり記憶したりするのに用いられるものであることが可能であり、コンピュータによってアクセスされることが可能であるその他一切の媒体を含んでもよい。
【0158】
上記の説明は本出願の特定の実現例にすぎず、本出願の実施形態の保護範囲を限定することは意図されていない。本出願の実施形態に開示されている技術的範囲の当業者によって容易に想到されるあらゆる変形や置換が本出願の実施形態の保護範囲に含まれる。したがって、本出願の実施形態の保護範囲は請求項の保護範囲にしたがうものである。
【符号の説明】
【0159】
1 端末装置
2 端末装置
71 処理ユニット
72 トランシーバユニット
81 処理ユニット
82 トランシーバユニット
1110 トランシーバユニット
1120 処理ユニット