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特許7559265非空気入りタイヤのための硬化金型アセンブリ及び製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-20
(45)【発行日】2024-10-01
(54)【発明の名称】非空気入りタイヤのための硬化金型アセンブリ及び製造方法
(51)【国際特許分類】
   B29D 30/02 20060101AFI20240924BHJP
   B29C 33/02 20060101ALI20240924BHJP
【FI】
B29D30/02
B29C33/02
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2023577288
(86)(22)【出願日】2022-06-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-02
(86)【国際出願番号】 US2022073000
(87)【国際公開番号】W WO2022266664
(87)【国際公開日】2022-12-22
【審査請求日】2024-01-02
(31)【優先権主張番号】63/212,201
(32)【優先日】2021-06-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】515168916
【氏名又は名称】ブリヂストン アメリカズ タイヤ オペレーションズ、 エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ロレンツ,ザカリー ジー.
(72)【発明者】
【氏名】ジェンキンス,スティーブン ジェイ.
【審査官】正木 裕也
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0070448(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0283500(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0107596(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0034225(US,A1)
【文献】特開2021-030542(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29D 30/02
B29C 33/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
非空気入りタイヤの製造方法であって、
長手方向に延在する金型軸を有する第1の金型セクション上に、第1の縁面部分と、前記第1の縁面部分の反対側の第2の縁面部分とを含む圧力部材壁を含む、第1の側方圧力部材を支持することと、
互いに周方向に離間した関係で配置された複数の支持構造体であって、複数の空間が互いに周方向に離間した関係で配置され、前記複数の空間のうちの1つが前記複数の支持構造体のうちの隣接する支持構造体の間にある、複数の支持構造体を含む、完全には硬化していない非空気入りタイヤを提供することと、
第1の硬化シューを前記複数の空間のうちの1つに挿入し、前記第1の硬化シューに対して横方向に離間した関係で前記複数の空間のうちの前記1つに第2の硬化シューを挿入することと、
前記第1の縁面部分が前記第1の硬化シューと少なくとも部分的に軸方向に同延であり、前記第2の縁面部分が前記第2の硬化シューと少なくとも部分的に軸方向に同延であり、前記第1の側方圧力部材が前記複数の空間のうちの前記1つの空間内に少なくとも部分的に配置されるように、前記完全には硬化していない非空気入りタイヤを前記第1の金型セクションに沿って位置決めすることと、
前記第1の縁面部分が前記第1の硬化シューに動作可能に係合し、前記第2の縁面部分が前記第2の硬化シューに動作可能に係合し、それによって前記第1の硬化シュー及び前記第2の硬化シューを互いから離れるように横方向に付勢して前記完全には硬化していない非空気入りタイヤに係合させ、圧力を印加するように、前記第1の側方圧力部材及び前記完全には硬化していない非空気入りタイヤを互いに対して変位させることと、
前記非空気入りタイヤを硬化させることと、を含む、方法。
【請求項2】
方法であって、
第2の金型セクション上に、第2の側方圧力部材であって、前記第2の側方圧力部材が、第1の縁面部分と、前記第1の縁面部分の反対側の第2の縁面部分とを含む、第2の側方圧力部材を支持することと、
前記第2の側方圧力部材の前記第1の縁面部分が前記第1の硬化シューの第2の端部と少なくとも部分的に軸方向に同延であり、前記第2の側方圧力部材の前記第2の縁面部分が前記第2の硬化シューの前記第2の端部と少なくとも部分的に軸方向に同延であり、前記第2の側方圧力部材が前記複数の空間のうちの前記1つの空間内に少なくとも部分的に配置されるように、前記第2の金型セクションを配置することと、
前記第2の側方圧力部材の前記第1の縁面部分が前記第1の硬化シューの前記第2の端部に動作可能に係合し、前記第2の側方圧力部材の前記第2の縁面部分が前記第2の硬化シューの前記第2の端部に動作可能に係合し、それによって、前記第1の硬化シュー及び第2の硬化シューの前記第2の端部を互いに横方向に離れるように付勢して前記完全には硬化していない非空気入りタイヤに係合させ、圧力を印加するように、前記第1の側方圧力部材及び/又は前記完全には硬化していない非空気入りタイヤに対して前記第2の側方圧力部材を変位させることと、
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の側方圧力部材を前記第1の金型セクション上に支持することが、前記圧力部材壁が圧力部材チャンバを少なくとも部分的に画定することを含み、前記完全には硬化していない非空気入りタイヤを硬化させることが、加熱流体を前記圧力部材チャンバ内に導入することを含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
非空気入りタイヤを硬化させるための金型アセンブリであって、前記金型アセンブリが、
第1の金型セクション及び第2の金型セクションであって、それらの間に長手方向に延在する金型軸を有し、前記第1の金型セクション及び前記第2の金型セクションが第1の軸方向位置と第2の軸方向位置との間で互いに対して軸方向に変位可能である、第1の金型セクション及び第2の金型セクションと、
第1の圧力部材軸を有し、前記第1の圧力部材軸が前記金型軸に対して半径方向にオフセットした関係で配置されるように前記第1の金型セクション上に支持された第1の側方圧力部材であって、第1の縁面部分と、前記第1の縁面部分の反対側の第2の縁面部分とを有する第1の圧力部材壁を含む、第1の側方圧力部材と、
第2の圧力部材軸を有し、前記圧力部材軸が前記金型軸に対して半径方向にオフセットした関係で、かつ前記第1の圧力部材軸とおおよそ同軸に位置合わせして配置されるように、前記第2の金型セクション上に支持された第2の側方圧力部材であって、第1の縁面部分と、前記第1の縁面部分の反対側の第2の縁面部分とを有する第2の圧力部材壁を含む、第2の側方圧力部材と、
前記第1の側方圧力部材及び関連付けられた完全には硬化していない非空気入りタイヤに協働して係合するように寸法決めされた第1の硬化シューと、
前記第2の側方圧力部材と前記関連付けられた完全には硬化していない非空気入りタイヤとに当接係合するように寸法決めされた第2の硬化シューと、を備える金型アセンブリ。
【請求項5】
前記第1の圧力部材壁が、第1の流体チャンバを少なくとも部分的に画定し、前記第2の圧力部材壁が、第2の流体チャンバを少なくとも部分的に画定し、前記第1の流体チャンバ及び前記第2の流体チャンバが、関連付けられた加熱流体源と流体連通して配置される、請求項4に記載の金型アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の主題は、広くは、車両タイヤ製造の技術に関し、より詳細には、非空気入りタイヤを硬化させるための金型アセンブリ、並びにそのような金型アセンブリを使用して非空気入りタイヤを製造する方法に関する。
【0002】
本開示の主題は、車輪付き車両のための構成要素と併せて特定の用途及び使用を見出すことができ、それを参照して本明細書に示され、説明される。しかしながら、本開示の主題は、他の用途及び環境での使用にも適しており、本明細書で示され説明される特定の使用は単に例示的なものであることを理解されたい。
【0003】
従来の空気入りタイヤは、路面又は他の地面に係合するように構成されたトレッドがタイヤケーシングの外面上に又は外面に沿って形成されたタイヤケーシングを含む。タイヤケーシングは、複数の層又はプライ(例えば、放射状プライ、ベルトプライ)から形成された環状本体を含み、対向する側壁は、環状本体の肩部に沿って半径方向内側に延在し、側壁の半径方向内側の範囲を形成するビードまで延在する。環状本体の内面及び対向する側壁は、空気入りタイヤのタイヤチャンバを画定するインナーライナによって覆われている。
【0004】
従来のタイヤ製造プロセスでは、未硬化タイヤカーカス及びトレッドアセンブリが、タイヤ硬化プレス上の金型アセンブリ内に装填される。金型アセンブリは、トレッドパターンのセクションを含む内面部分を有する複数のダイセグメントを含む。金型アセンブリはタイヤ硬化プレスによって閉じられ、タイヤ硬化プレスはダイセグメントを未硬化タイヤアセンブリのトレッド材料と当接係合するように配置する。タイヤ硬化プレスはまた、未硬化タイヤアセンブリが硬化ブラダの膨張していない状態で硬化ブラダの外側に離間して配置されるように金型アセンブリの内側に配置された硬化ブラダを含む。硬化プロセス中、硬化ブラダは、硬化ブラダが未硬化タイヤアセンブリのタイヤチャンバ内に延在してインナーライナと当接係合するように膨張される。タイヤ硬化プレスは、金型アセンブリ及び膨張した硬化ブラダからの圧力下にある間に、未硬化タイヤアセンブリに熱を導入し、未硬化タイヤ材料を加硫又は架橋して完成タイヤを形成する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
既知のタイプ及び種類のタイヤ金型アセンブリ及び製造方法の幅広い使用及び全体的な成功にもかかわらず、既知のプロセスには、例えばいわゆる非空気入りタイヤなどの他の構想的構成を有するタイヤアセンブリの製造に関連してその適用性及び/又は使用を制限する可能性がある特定の欠点が存在することが認識されている。したがって、既知の技術の前述及び/又は他の問題及び/又は欠点を克服するのを助け得、及び/又は非空気入りタイヤの製造を別様に進歩させ得、金型アセンブリ及び製造方法を開発することが望ましいと考えられる。
【0006】
本開示の主題による非空気入りタイヤの製造方法の一例は、長手方向に延在する金型軸を有する第1の金型セクション上に第1の側方圧力部材を支持することを含むことができる。第1の側方圧力部材は、第1の縁面部分と、第1の縁面部分の反対側の第2の縁面部分とを含む圧力部材壁を含むことができる。本方法はまた、互いに周方向に離間した関係で配置された複数の支持構造体を含み、複数の空間が互いに周方向に離間した関係で配置され、複数の空間のうちの1つが複数の支持構造体のうちの隣接するものの間にある、完全には硬化していない非空気入りタイヤを提供することを含むことができる。本方法は、第1の硬化シューを複数の空間のうちの1つに挿入することと、第2の硬化シューを複数の空間のうちの同じ1つに、第1の硬化シューに対して横方向に離間した関係で挿入することとを更に含むことができる。本方法はまた、第1の縁面部分が第1の硬化シューと少なくとも部分的に軸方向に同延であり、第2の縁面部分が第2の硬化シューと少なくとも部分的に軸方向に同延であり、第1の側方圧力部材が複数の空間のうちの1つの空間内に少なくとも部分的に配置されるように、完全には硬化していない非空気入りタイヤを第1の金型セクションに沿って配置することを含むことができる。本方法は、第1の縁面部分が第1の硬化シューに動作可能に係合し、第2の縁面部分が第2の硬化シューに動作可能に係合し、それによって第1の硬化シュー及び第2の硬化シューを互いから横方向に離れるように付勢して完全には硬化していない非空気入りタイヤに係合させ、圧力を印加するように、第1の側方圧力部材及び完全には硬化していない非空気入りタイヤを互いに対して変位させることを更に含むことができる。本方法はまた、非空気入りタイヤを硬化させることを含むことができる。
【0007】
例えば、非空気入りタイヤを硬化させるのに適し得るような、本開示の主題による金型アセンブリの一例は、第1の金型セクション及び第2の金型セクションを含むことができ、金型軸はそれらの間に長手方向に延在する。第1の金型セクション及び第2の金型セクションは、第1の軸方向位置と第2の軸方向位置との間で互いに対して軸方向に変位可能であることができる。第1の側方圧力部材は、第1の圧力部材軸を有することができ、第1の圧力部材軸が金型軸に対して半径方向にオフセットした関係で配置されるように、第1の金型セクション上に支持することができる。第1の側方圧力部材は、第1の縁面部分と、第1の縁面部分の反対側の第2の縁面部分とを有する第1の圧力部材壁を含むことができる。第2の側方圧力部材は、第2の圧力部材軸を有することができ、圧力部材軸が金型軸に対して半径方向にオフセットした関係で、かつ第1の圧力部材軸とおおよそ位置合わせされて配置されるように、第2の金型セクション上に支持することができる。第2の側方圧力部材は、第1の縁面部分と、第1の縁面部分の反対側の第2の縁面部分とを有する第2の圧力部材壁を含むことができる。第1の硬化シューは、第1の側方圧力部材及び関連する完全には硬化していない非空気入りタイヤに協働して係合するように寸法決めすることができ、第2の硬化シューは、第2の側方圧力部材及び関連する完全には硬化していない非空気入りタイヤに当接係合するように寸法決めすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、組み立て前に示された例示的な完全には硬化していない非空気入りタイヤの構成要素の分解上面斜視図である。
図2図2は、組み立てられた状態にあり、硬化のために準備された例示的な完全には硬化していない非空気入りタイヤの底面斜視図である。
図3図3は、タイヤ硬化プレスの正面図であり、金型アセンブリが開状態にあり、例示的な完全には硬化していない非空気入りタイヤが装填されている状態を示す。
図4図4は、図3のタイヤ硬化プレスの正面図であり、金型アセンブリが閉鎖状態にあり、例示的な完全には硬化していない非空気入りタイヤが硬化のために装填されている状態を示す。
図5図5は、例示的な完全には硬化していない非空気入りタイヤを装填する前の例示的な間隙硬化システムを示す金型アセンブリの分解上面斜視図である。
図6図6は、図5の例示的な間隙硬化システムの分解底面斜視図である。
図7図7は、図4の線7-7に沿って切り取られた、図3図6の金型アセンブリ及び例示的な完全には硬化していない非空気入りタイヤの断面上面図である。
図8図8は、図7の詳細8として識別される、金型アセンブリ及び例示的な完全には硬化していない非空気入りタイヤの一部分の拡大図である。
図9図9は、図8の線9-9に沿って切り取られた、図1図8の金型アセンブリ及び例示的な完全には硬化していない非空気入りタイヤの側断面図である。
図10図10は、図5図9に示される例示的な側方圧力部材及び硬化シューの部分分解断面側面図である。
図11図11は、図5図10に示される例示的な側方圧力部材及び硬化シューの上面図である。
図12図12は、本開示の主題による製造方法の一例のグラフ表示である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
ここで図面を参照すると、図示は、本開示の主題の例を例示する目的であり、そのような例は限定することを意図するものではないことを理解されたい。加えて、図面は縮尺通りではなく、特定の特徴部及び/又は要素の部分は、明確にするため、及び理解を容易にするために誇張され得ることが理解されよう。
【0010】
図1及び図2は、本開示の主題による、及び/又は本開示の主題による製造方法によって、金型アセンブリ内で硬化するように寸法決めされ、及び/又は他の方法で構成された、完全には硬化していない非空気入りタイヤの一例を例示する。様々なタイプ、種類及び/又は構造の非空気入りタイヤが開発され、かつ/又は様々な用途及び/又は環境で使用されてきたことが理解されよう。1つの非限定的な例として、完全には硬化していない非空気入りタイヤ(又はタイヤアセンブリ)100は、長手方向軸AXを有するものとして図1図10に示されており、端部102から端部102の反対側の端部104まで軸方向に延在することができる。完全には硬化していない非空気入りタイヤ100は、軸AXを中心として周方向に延在する環状リング106と、環状リング106の少なくとも一部分の外側に配置され、軸AXを中心として周方向に延在する構造体108と、を含むことができる。完全には硬化していない非空気入りタイヤ100はまた、軸AXの周方向に延在する環状リング110を含むことができ、環状リング110の少なくとも一部分は、環状リング106及び/又は構造体108の外側に配置される。完全には硬化していない非空気入りタイヤ100は、軸AXの周りに周方向に延在するトレッド本体112を更に含むことができ、トレッド本体112の少なくとも一部分は、環状リング110の外側に配置される。
【0011】
本開示の主題による金型アセンブリ及び製造方法は、完全には硬化していないエラストマー材料から形成された1つ以上の部分を有する非空気入りタイヤを、その全て又は実質的に全ての部分が実質的に完全に架橋され、加硫され、かつ/又は他の方法で硬化された非空気入りタイヤに移行させるために使用されることが理解されよう。したがって、非空気入りタイヤ100の前述の構成要素のうちの任意の1つ以上は、完全には硬化していない状態から少なくとも実質的に完全に硬化された状態に移行されるエラストマー材料を含むことができ、本明細書に示され説明される非空気入りタイヤ100の構成は、単に例示的なものであり、限定することを意図するものではないことが認識及び理解されるであろう。
【0012】
環状リング106は、任意の好適なサイズ、形状、及び/又は構成であり得、任意の好適な数の1つ以上の壁及び/又は壁部分を含み得ることが理解されるであろう。1つの非限定的な例として、環状リングは、図1及び図2において参照符号VRMによって表されるように、車両ホイール又はリムの外壁又は外壁部分の一部分であってもよく、又はそうでなければ少なくとも部分的に形成してもよい。このような例示的な構成では、環状リング106は、長手方向軸AXの周りに周方向に延在するリング壁(又はリング壁部分)114を含むことができる。任意選択的に、環状リング106は、リング壁部分114の内側に配置されたハブ壁(又はハブ壁部分)HUBを含むことができる。含まれる場合、ハブ壁部分HUBは、リング壁部分114に動作可能に接続され得る。加えて、ハブ壁部分HUBは、含まれる場合、任意選択的に、例えば、ボルト穴BHLによって、関連する車両の車軸などの関連する構成要素又はデバイス上に又はそれに沿って従来の方法で取り付けるように寸法決め及び/又は他の方法で適合させることができる。
【0013】
環状リング106のリング壁部分114は、端部102に向かって配置されたリング縁部116と、リング縁部118に対して軸方向に離間した関係で端部104に向かって配置されたリング縁部116との間で軸方向に延在することができる。リング壁部分114は、半径方向外側に面し、長手方向軸AXを中心として周方向に、かつ端部102と104との間で軸方向に延在する、外面部分120を含むことができる。場合によっては、リング壁部分114は、長手方向軸AXを中心として周方向に延在し、端部102及び/又は端部104に沿って及び/又はそれらの間で軸方向に半径方向内側に面する内面部分122を任意選択的に含むことができる。
【0014】
構造体108は、内側ラップ又は内側層124と、内側層124の半径方向外側に配置された外側ラップ又は外側層126と、を含むことができる。内側層124及び外側層126は、端部102と104との間で軸方向に延在し、内側層124は、縁部128と130との間で軸方向に延在し、外側層126は、縁部132と134との間で軸方向に延在する。場合によっては、内側層124及び外側層126は、縁部128及び132が端部102に沿って互いに少なくともおおよそ位置合わせされ、縁部130及び134が端部104に沿って互いに少なくともおおよそ位置合わせされるように、互いに実質的に同延にすることができる。内側層124は、長手方向軸AXの周方向に、かつ端部102と104との間に軸方向に延在する構造体108の内面部分136を少なくとも部分的に画定することができる。外側層126は、長手方向軸AXの周方向に、かつ端部102と104との間に軸方向に延在する構造体108の外面部分138を少なくとも部分的に画定することができる。
【0015】
構造体108はまた、内側層124と外側層126との間に延在し、それらを動作可能に相互接続する複数の支持構造体140を含む。支持構造体140は、任意の好適な形状、構成、及び/又は配置であってもよく、任意の好適な方法で内側層124及び外側層126に動作可能に接続されてもよいことが理解されよう。1つの非限定的な例として、支持構造体140は、端部102に向かって配置された縁部142から端部104に向かって配置された縁部144まで軸方向に延在することができる。支持構造体140はまた、内側層124に向かって配置された端部146と、端部146に対して離間した関係で外側層126に向かって配置された端部148と、を含むことができる。支持構造体140は、長手方向軸AXに対して横方向に取られた平面に沿って湾曲した又は別様に非線形プロファイルを有するものとして本明細書に示され、説明されている。支持構造体140は、長手方向軸AXを中心として1つの周方向に面する凹面部分150と、反対側の周方向に面する凸面部分152とを有するものとして示され、説明される。しかしながら、そのような構成は単なる例示であり、本開示の主題から逸脱することなく、他の形状及び/又はプロファイルを有する支持構造体を交互に使用することができることが理解されよう。
【0016】
支持構造体140は、複数の空間154も長手方向軸の周りに互いに周方向に離間した関係で配置され、空間154のうちの1つが支持構造体140のうちの隣接するものの間に配置されるように、長手方向軸AXの周りに互いに周方向に離間した関係で配置される。そのような構成では、空間154は、弓形、湾曲、又はそうでなければほぼ三日月形の断面プロファイル又は構成を有することができ、1つの支持構造体140の凹面部分150及び隣接する支持構造体140の凸面部分152が、空間154の周方向に離間した側部を少なくとも部分的に画定する。場合によっては、支持構造体140は、内側層124及び/又は外側層126内に延在するか、又は別様に少なくとも部分的に埋め込まれ得る。そのような場合、内側層124の一部分156は、空間154の端面部分158を少なくとも部分的に画定することができ、例えば、湾曲した又は別様に非線形の断面形状及び/又は構成を有してもよい。追加的に又は代替的に、外側層126の一部分160は、空間154の端面部分162を少なくとも部分的に画定することができ、例えば、湾曲した又は別の方法で非線形の断面形状及び/又は構成を有し得る。
【0017】
環状リング110は、任意の好適なサイズ、形状、及び/又は構成であり得、任意の好適な数の1つ以上の壁及び/又は壁部分を含み得ることが理解されるであろう。1つの非限定的な例として、環状リング110は、長手方向軸AXの周りに周方向に延在するリング壁部分(又はリング壁部分)164を含むことができる。リング壁部分164は、端部102に向かって配置されたリング縁部166と、リング縁部166に対して軸方向に離間した関係で端部104に向かって配置されたリング縁部168との間で軸方向に延在することができる。リング壁部分164は、半径方向内側に面し、長手方向軸AXを中心として周方向に、かつ端部102及び104に沿って軸方向に、及び/又は別様にそれらの間に延在する、内面部分170を含むことができる。リング壁部分164はまた、長手方向軸AXを中心として周方向に延在し、端部102及び/又は端部104に沿って及び/又はそれらの間で軸方向に半径方向外側に面する外面部分172を含むことができる。
【0018】
トレッド本体112は、端部102と104との間で軸方向に延在することができ、トレッド縁部174は端部102に沿って配置され、トレッド縁部176は端部104に沿って配置される。トレッド本体112はまた、半径方向内側に面する内面部分178と、半径方向外側に面する外面部分180と、を含むことができる。1つ以上のトレッド構造182(例えば、溝、リブ、ラグ、サイプ)は、任意選択的に、完全には硬化していない非空気入りタイヤ100の外面部分180に沿ってトレッド本体112上に予め形成され得、又はそうでなければトレッド本体内に延在してもよく、そのようなトレッド構造は、硬化プロセス中に、硬化された非空気入りタイヤ上に地面係合トレッド(又はトレッドパターン)を少なくとも部分的に画定するように適合される。
【0019】
上述したように、非空気入りタイヤ100の1つ以上の壁及び/又は壁部分は、少なくともこれらの壁及び/又は壁部分が本開示の主題による金型アセンブリ及び/又は製造方法を使用して硬化可能であるように、完全には硬化していない状態にあるエラストマー材料から形成することができる。例えば、トレッド本体112は、完全には硬化していないエラストマー材料から少なくとも部分的に形成することができる。追加的に又は代替的に、構造体108の内側層124及び/又は外側層126のうちの1つ以上は、完全には硬化していないエラストマー材料から少なくとも部分的に形成され得る。更なる例として、及び/又は別の代替として、支持構造体140は、任意選択的に、完全には硬化していないエラストマー材料の1つ以上の層を含むことができる。そのような構造の非限定的な例として、支持構造体140は、場合によっては、その端部146及び148がそれぞれ構造体108の内側層124及び外側層126内に少なくとも部分的に埋め込まれるか、又は他の方法で配置され得る比較的剛性の材料(例えば、金属、繊維強化複合材)のシートから少なくとも部分的に形成され得る。追加的に又は代替的に、完全には硬化していないエラストマー材料の層は、凹面部分150及び/又は凸面部分152に沿って延在し、及び/又は少なくとも部分的に画定することができる。別の非限定的な例として、支持構造体140は、互いに隣接して配置された複数の比較的剛性のワイヤ及び/又はフィラメントから少なくとも部分的に形成され、シート状構造体を少なくとも部分的に形成するために、完全には硬化していないエラストマー材料のある量で少なくとも部分的に埋め込まれ得る。
【0020】
完全には硬化していない非空気入りタイヤ100は、例えば、天然ゴム、合成ゴム及び/又は熱可塑性エラストマーなどの任意の好適なエラストマー材料又はエラストマー材料の組み合わせを含むことができることが理解されよう。更に、場合によっては、様々な構成要素が、一般的な完全には硬化していないエラストマー材料から形成され得ることが認識及び理解されるであろう。しかしながら、他の場合には、2つ以上の組成物、化合物及び/又はグレードの完全には硬化していないエラストマー材料を使用することができる。本明細書で使用される「完全硬化未満」などの用語は、「完全には硬化していない」エラストマー材料とは実質的に異なる材料及び/又は機械的特性を示す「完全に硬化された」又は「実質的に完全に硬化された」エラストマー材料を有する、熱、圧力及び/又は化学化合物にさらされたときに架橋又は他の方法で結合されるポリマー鎖を有するエラストマー材料を指す。好適な硬化プロセスの1つの非限定的な例には、天然ゴムエラストマー及び合成ゴムエラストマーの加硫が含まれる。
【0021】
1つ以上の完全には硬化していないエラストマー材料の任意の組み合わせが、完全には硬化していない非空気入りタイヤ例えば、(非空気入りタイヤ100)に使用され得るか、又は別様に含まれ得ることが理解されるであろう。1つの非限定的な例として、完全には硬化していない非空気入りタイヤ100は、1つ以上の量のエラストマー材料を含むことができ、その各々の実質的に全てが「未硬化」又は実質的に完全に未硬化の状態にある。別の非限定的な例として、完全には硬化していない非空気入りタイヤ100は、「未硬化」又は実質的に完全に未硬化の状態にある1つ以上の量のエラストマー材料と、少なくとも部分的に硬化された状態にある1つ以上の量のエラストマー材料と、を含むことができる。更なる非限定的な例として、完全には硬化していない非空気入りタイヤ100は、部分的に硬化されているが完全には硬化していない状態にある1つ以上の量のエラストマー材料を含むことができる。したがって、完全には硬化していない非空気入りタイヤ100は、1つ以上の量の「未硬化」又は実質的に完全に未硬化のエラストマー材料、又は、1つ以上の量の部分的に硬化されているが完全には硬化していないエラストマー材料、又は、1つ以上の量の「未硬化」又は実質的に完全に未硬化のエラストマー材料と、1つ以上の量の部分的に硬化しているが完全には硬化していないエラストマー材料との両方を含むことができるが、これらに限定されないことを認識及び理解されたい。
【0022】
図3及び図4は、ベース取付面BMSを有するプレスベースPRBを含む、他の点では従来のタイヤ硬化プレスTCPを概略的に例示する。タイヤ硬化プレスTCPはまた、ヘッド取付面HMSを有するプレスヘッドPRHを含む。プレスヘッドPRHは、例えば従来の方法で、線形ガイドロッドLGRに沿ってなど、プレスベースPRBに対して移動可能である。プレスヘッドPRHは、図4に示す第2の位置すなわち下降位置に移動可能な第1の位置すなわち上昇位置に配置されているものとして図3に示されており、この移動は図3において矢印MVTによって表されている。タイヤ硬化プレスTCPは、それぞれ破線ボックスPFS、HFS、及びVCSによって図3及び4に概略的に表されるような、1つ以上の加圧流体源、1つ以上の加熱流体源、及び/又は1つ以上の真空源を含むことができ、当技術分野で周知のように、プレスベースPRB及び/又はプレスヘッドPRH上に、それに沿って、又はそれと動作可能に関連付けられて含まれ得る。
【0023】
本開示の主題による金型アセンブリ200は、タイヤ硬化プレスTCP内に、或いはその上に、又はそれに沿って動作可能に支持されるものとして図3図9に示されている。金型アセンブリ200は、プレスベースPRBのベース取付面BSM上に又はそれに沿って支持される金型セクション202と、プレスヘッドPRHのヘッド取付面HMS上に又はそれに沿って支持される金型セクション204と、を含む。金型セクション202及び/又は204は、例えば、1つ以上の導管又は通路206などを経由して、加圧流体を金型セクションに及び/又は金型セクションから移送するために好適な任意の様式で、加圧流体源PFS及び/又は真空源VCSと流体連通して動作可能に接続されることができる。加えて、又は代替として、金型セクション202及び204は、例えば、導管又は通路208のうちの1つ以上を経由するなど、流体(加熱又は別様)を金型セクションに及び/又は金型セクションから移送するために好適な任意の様式で、加熱流体源HFS及び/又は真空源VCSと流体連通して動作可能に接続されることができる。
【0024】
金型アセンブリ200は、タイヤ硬化プレスTCPの移動方向MVTに、又はそうでなければそれに沿って延在する金型軸MAXを含む。したがって、金型セクション202及び204は、タイヤ硬化プレスの動作中に互いに対して軸方向に変位可能であり、金型セクション202及び204は、金型アセンブリの開状態を表す図3において離間して示されており、金型セクション202及び204は、金型アセンブリの閉鎖状態を表す図4において互いに同延に係合して示されている。金型セクション202は、間隙硬化システム210と、金型セクション202内に金型キャビティ214を少なくとも部分的に画定するように間隙硬化システム210を中心に周方向に配置された複数のトレッドダイセグメント212と、を含む。金型セクション204は、金型セクション内に金型キャビティ218を少なくとも部分的に画定する表面部分216を含む。金型キャビティ218は、金型アセンブリの閉鎖状態において金型セクション202の少なくとも一部分を受容するように寸法決めされる。場合によっては、トレッドダイセグメント212の外面部分220は、金型セクションが閉鎖状態に向かって移動する際に、金型セクション204の表面部分216に当接係合することができる。
【0025】
例えば、図3に矢印LOAで表され、図4に示されるように、完全には硬化していない非空気入りタイヤ100が金型キャビティ214内に装填されるか、又は少なくとも部分的に金型キャビティ内に配置された状態で、トレッドダイセグメント212は、完全には硬化していない非空気入りタイヤ100のトレッド本体112と係合するように半径方向内側に変位される。このような半径方向の圧縮は、トレッド本体112の内面部分178を環状リング110の外面部分172と係合させる。加えて、そのような半径方向の圧縮は、環状リング110の内面部分170を付勢して、構造体108の外面部分138と係合させる。場合によっては、そのような半径方向圧縮はまた、構造体108の内面部分136を環状リング106の外面部分120と係合するように付勢することができる。更に、トレッドダイセグメント212は、非空気入りタイヤ100上に又はそれに沿って地面係合トレッドパターン(例えば、溝、リブ、ラグ、サイプ)を少なくとも部分的に画定するために、そのような半径方向圧縮下でその外面部分180に沿ってトレッド本体112と係合するように延在する、概して反対側の表面部分220に沿って形成された特徴部を含む。
【0026】
図2図6、及び図9に示すように、場合によっては、支持プレート222は、完全には硬化していない非空気入りタイヤ100の端部102に沿って配置することができる。追加的に又は代替的に、支持プレート224は、完全には硬化していない非空気入りタイヤ100の端部104に沿って配置することができる。含まれる場合、支持プレート222及び/又は224は、タイヤ硬化プレスTCPへの搬送中、非空気入りタイヤ100の金型アセンブリ200(又はその金型セクション)への装填/取り外し中、並びに/或いは支持構造体140及び/又は空間154を間隙硬化システム210及び/又は金型アセンブリ200の他の特徴部に対して長手方向軸AXの周りに回転的に位置指定する間、そうでなければ配置する間など、環状リング106、構造体108、環状リング110及び/又はトレッド本体112を互いに対して所望の軸方向位置(例えば、おおよその軸方向の位置合わせ)に維持するのを助けることができる。含まれる場合、支持プレート222及び/又は224は、それぞれ、完全には硬化していない非空気入りタイヤ100の支持構造体140及び/又は空間154に相補的な形状、構成、及び/又は構成を有する複数の開口部226及び228を含むことができる(例えば、軸AXから半径方向にオフセットされ、共通の周辺間隔で配置される)。したがって、支持プレート222及び/又は224は、含まれる場合、非空気入りタイヤ100と共に、金型キャビティ214内に配置され得、及び/又は間隙硬化システム210と同延に動作可能に係合されることができる。支持プレート222及び224はまた、好ましい構成において、非空気入りタイヤ100の(例えば、トレッド本体112を直径方向に横切る)おおよそ最外断面寸法以下である外側断面寸法を有する外周縁部230を含む。加えて、場合によっては、支持プレート222及び224は、任意選択的に、内周縁部232を含むことができる。更に、場合によっては、支持プレート222及び224は、任意選択で、位置合わせ隆起部234が非空気入りタイヤの一部分と軸方向に同延に、完全には硬化していない非空気入りタイヤ100の一部分(例えば、環状リング106の内面部分122)に動作可能に係合するように寸法決めされた位置合わせ隆起部234を含むことができる。
【0027】
図5図11に示すように、間隙硬化システム210は、図7において破線で表される複数の硬化シューアセンブリ236を含み、これらは、金型軸MAXから半径方向にオフセットされ、金型軸の周りに互いに周方向に離間した関係で配置される。硬化シューアセンブリ236は、シューアセンブリ軸SAXを含むことができる。好ましい構成では、硬化シューアセンブリ236は、完全には硬化していない非空気入りタイヤ100が金型キャビティ214内に配置されたときに、硬化シューアセンブリのうちの1つ以上が空間154のうちの1つの中に配置されるように構成される。このような構成では、硬化シューアセンブリ236は、硬化シューが構造体108の1つ以上の壁及び/又は壁部分に対応して係合及び係合解除するように、選択的に作動及び作動停止(又は別様に解放)され得る。係合状態では、硬化シューアセンブリは、表面圧力を印加し、及び/又は熱を構造体108に伝達することができ、例えば、完全には硬化していないエラストマー材料から形成される構造体の1つ以上の壁及び/又は壁部分を実質的に硬化したエラストマー材料に移行させるように動作し得る。
【0028】
すなわち、作動状態では、硬化シューアセンブリ236は、当接係合し、それによって構造体108の内側層124に圧力を印加し、かつ/又は熱を伝達することができる。このような構成では、硬化シューアセンブリによる圧力の印加は、内側層を環状リング106に向かって付勢する。加えて、又は代替的に、硬化シューアセンブリ236は、作動状態において、当接係合し、それによって構造体108の外側層126に圧力を印加し、及び/又は熱を伝達することができる。そのような構成では、硬化シューアセンブリによる圧力の印加は、外側層を環状リング110に向かって付勢する。更に、及び/又は別の代替例として、硬化シューアセンブリ236は、作動状態において、当接係合し、それによって支持構造体140に圧力を印加し、及び/又は熱を伝達することができ、隣接する硬化シューアセンブリ236は、それらの間に配置された支持構造体に圧力を印加し、及び/又は熱を伝達する。場合によっては、硬化シューアセンブリ236は、圧力及び/又は熱を支持構造体の端部146及び/又は148沿って圧力及び/又は熱を印加することができ、それによって、端部146及び/又は148がそれぞれ内側層124及び外側層126と埋め込まれた係合状態にあることを確実にする。
【0029】
本開示の主題による硬化シューアセンブリは、任意の好適なタイプ、種類、及び/又は構成であり得、任意の好適な様式で金型セクション202及び/又は204上に、及び/又はそれに沿って動作可能に接続され得ることが理解されるであろう。場合によっては、硬化シューアセンブリ236の各々は、金型セクション202上に又はそれに沿って支持され得る。他の場合には、硬化シューアセンブリ236の各々は、金型セクション204上に又はそれに沿って支持され得る。更に他の場合では、硬化シューアセンブリ236のうちの1つ以上は、金型セクション202上に又はそれに沿って支持され得、硬化シューアセンブリ236の残りは、例えば、交互配置又はインターリーブ配置などで、金型セクション204上に又はそれに沿って支持され得る。
【0030】
間隙硬化システム210は、任意の好適な方法で、完全には硬化していない非空気入りタイヤ100と動作可能に係合することができることが理解されよう。1つの非限定的な例として、間隙硬化システムは、非空気入りタイヤの一方の端部(例えば、端部102)に沿って非空気入りタイヤと係合するように延在することができる。別の非限定的な例として、間隙硬化システムは、非空気入りタイヤの他方の端部(例えば、端部104)に沿って非空気入りタイヤと係合するように延在することができる。更なる非限定的な例として、間隙硬化システム210は、完全には硬化していない非空気入りタイヤ100とその端部102に沿って係合するように延在するように適合された硬化システム部分238と、非空気入りタイヤとその端部104に沿って係合するように適合された硬化システム部分240とを含むことができる。このような構成では、硬化システム部分238は、金型アセンブリ200の金型セクション202上に又はそれに沿って動作可能に支持することができ、硬化シューアセンブリ236のうちの1つ以上のいくつか又は全ての構成要素を含むことができる。追加的に又は代替的に、硬化システム部分240は、金型アセンブリの金型セクション204上に又はそれに沿って動作可能に支持することができ、硬化シューアセンブリ236のうちの1つ以上のいくつか又は全ての構成要素を含むことができる。このようにして、硬化システム部分238及び240は、金型軸MAXに沿って互いに向かって及び互いから離れるように移動させることができ、それにより、その任意の硬化シューアセンブリ236は、上述したように、タイヤ硬化プレスTCPの動作中に非空気入りタイヤ100と係合及び/又は係合解除するように移動させることができる。
【0031】
非限定的な例として、硬化シューアセンブリ236は、場合によっては、側方圧力部材242を含むことができる。追加的に又は代替的に、硬化シューアセンブリ236は、場合によっては、側方圧力部材244を含むことができる。図5図11に示す例示的な構成では、硬化システム部分238は、金型軸MAXを中心として互いに周方向に離間した関係で配置された複数の側方圧力部材242を含む。追加的に又は代替的に、硬化システム240は、金型軸を中心として互いに周方向に離間した関係で配置された複数の側方圧力部材244を含むことができる。場合によっては、側方圧力部材242及び244は、金型軸MAXを中心として共通の周辺間隔で、さもなければ互いにおおよそ位置合わせされて配置され、それにより、作動状態又は係合状態において、側方圧力部材242及び側方圧力部材244は、非空気入りタイヤ100のそれぞれ端部102及び104に沿ってから複数の空間154内に延在し、側方圧力部材242及び/又は244のうちの1つが空間154の各々にある。
【0032】
側方圧力部材242及び/又は244と非空気入りタイヤ100の完全には硬化していないエラストマー材料との直接摺動係合は、側方圧力部材242及び/又は244が非空気入りタイヤと軸方向に同延である関係に入る及び/又は出るときの完全には硬化していないエラストマー材料の軸方向及び/又は半径方向の変形など、完全には硬化していないエラストマー材料の望ましくない変形をもたらす可能性があることが認識され、理解されるであろう。したがって、硬化シューアセンブリ236は、非空気入りタイヤ100の完全には硬化していないエラストマー材料と当接係合して配置された1つ以上の硬化シュー及び/又は硬化シューセグメントを含むことができる。そのような場合、1つ以上の硬化シュー及び/又は硬化シューセグメントは、非空気入りタイヤと軸方向に同延に配置され、側方圧力部材242及び/又は244が非空気入りタイヤ及びそれに沿って配置された硬化シュー及び/又は硬化シューセグメントと軸方向に同延である関係になるように及び/又はそれから出るように移動されるとき、非空気入りタイヤに対して少なくともおおよその軸方向位置に保持される。
【0033】
硬化シュー及び/又は硬化シューセグメントは、側方圧力部材242及び/又は244に協働的に係合するように寸法決めされ、側方圧力部材の軸方向変位及び/又は側方圧力部材に印加される軸方向力が、硬化シュー及び/又は硬化シューセグメントの側方変位を生成し、それによって、上で詳細に説明したように、非空気入りタイヤ100の完全には硬化していないエラストマー材料に側方(例えば、圧縮)圧力を印加する。1つの非限定的な例として、側方圧力部材の表面部分は、硬化シュー及び/又は硬化シューセグメントの対応する表面部分に摺動可能に係合することができ、摺動作用の方向は、側方圧力部材の軸方向変位が硬化シュー及び/又は硬化シューセグメントの側方変位を生成するように、金型軸MAXに対して鋭角に配置される。このような構成では、硬化シュー及び/又は硬化シューセグメントは、側方圧力部材を硬化シュー(又はそのセグメント)と係合及び/又は係合解除するように軸方向に移動させることによって、本開示の主題による製造プロセス中に作動及び/又は作動停止(又は他の方法で解放又は後退)させることができる。
【0034】
1つの非限定的な例として、硬化シューアセンブリ236は、硬化シュー246及び248を含むものとして図5図11に示されており、これらは、壁、壁部分、表面及び/又は表面部分の任意の組み合わせを含むことができる。場合によっては、硬化シュー246及び/又は248は、硬化シュー246の硬化シューセグメント246A及び246B並びに硬化シュー248の硬化シューセグメント248A及び248Bとして識別されるような、2つ以上の硬化シューセグメントを含むことができる。場合によっては、硬化シューセグメントは、互いに別個に提供することができる。他の場合には、硬化シューセグメント246A及び246Bは、少なくとも部分的に硬化シュー246を形成するように互いに固定され得、及び/又は硬化シューセグメント248A及び248Bは、少なくとも部分的に硬化シュー248を形成するように互いに固定され得る。複数の硬化シュー246及び/又は複数の硬化シューセグメント246A及び/又は246Bは、図5において矢印250によって表されるように、非空気入りタイヤ100の端部102及び/又は端部104に沿って開口部154のうちの対応するものの中に挿入されるか、又は別様に配置され得る。追加的に又は代替的に、複数の硬化シュー248及び/又は複数の硬化シューセグメント248A及び/又は248Bは、図5において矢印252によって表されるように、非空気入りタイヤ100の端部102及び/又は端部104に沿って開口部154のうちの対応する開口部内に挿入されるか、又は別様に配置され得る。
【0035】
硬化シュー246及び248(又はそれらの任意のセグメント)は、完全には硬化していない非空気入りタイヤ100の硬化性特徴及び/又はエラストマー材料に対応し得るような、任意の好適な様式及び/又は任意の好適な配向で、非空気入りタイヤ100上で又はそれに沿って、互いに対して支持され得ることが理解されよう。場合によっては、硬化シュー246及び/又は248(及び/又はその任意のセグメント)は、非空気入りタイヤの対応する表面部分(例えば、構造体108の表面部分158及び/又は162)に当接係合する外面部分を含むことができ、それにより、硬化シュー(又はその任意のセグメント)は、少なくとも部分的に自己保持する。追加的に又は代替的に、硬化シュー246及び/又は248(又はその任意のセグメント)は、支持プレート222及び/又は224によって開口部154内の軸方向位置に保持され得る。
【0036】
側方圧力部材242及び/又は244が、図10に矢印AR1によって表されるように、軸方向に変位して硬化シュー246及び/又は248(又はその任意のセグメント)と係合すると、硬化シュー246及び248は、図11に示される後退位置(すなわち、作動停止状態)と、図8及び図9に示され、図11の破線EXTによって表される伸長位置(すなわち、作動状態)との間で横方向に変位する。後退位置(すなわち、非作動状態)は、非空気入りタイヤ100を金型アセンブリ200に装填及び取り外しをするのに好適であり、伸長位置(すなわち、作動状態)は、非空気入りタイヤを硬化させる本製造プロセスを実行するのに好適であることが認識され、理解されるであろう。図9の矢印AR2によって表される作動中、硬化シュー246及び248は、硬化シューが完全に又は部分的に(例えば、鈍角の夾角で作用して)反作用力(例えば、硬化シュー248から層124への半径方向内側の圧力及び硬化シュー246から層126への半径方向外側の圧力)を生成するように、対向する方向に変位される。
【0037】
上述したように、硬化シュー246及び/又は248(又はその任意のセグメント)は、任意の好適な数の壁、壁部分、表面及び/又は表面部分を含むことができる。場合によっては、硬化シュー(又はその任意のセグメント)は、共通の形状及び/又は構成を有することができる。他の場合には、硬化シュー246及び248(又はそれらのいずれか若しくは両方の任意のセグメント)は、完全には硬化していない非空気入りタイヤ100の硬化性特徴及び/又はエラストマー材料の対応する形状及び/又は構成を補完し得るような、異なる形状及び/又は構成を有することができる。非限定的な例として、硬化シュー246及び248(又はその任意のセグメント)は、端部256と端部258との間で軸方向に延在するシュー壁254を含むことができる。硬化シューが2つ以上の硬化シューセグメントから形成される場合、隣接する硬化シューセグメントは、接合線260で交わることができ、この接合線で、又はこの接合線に沿って、2つの隣接する硬化シューセグメントが互いに当接することができるか、又は例えば流動材料接合部(番号なし)などによって互いに取り付けることができる。
【0038】
場合によっては、シュー壁254は、軸方向から見たときにほぼU字形又はV字形の断面プロファイルを有する。例えば、シュー壁254は、縁部壁部分262、並びに縁部壁部分262に沿って硬化シューに沿って軸方向に延在するシュー縁部268及び270に向かって延在する側壁部分264及び266を含むことができる。場合によっては、縁部壁部分262は、側壁部分264及び266と共に、シュー壁254の外面部分272及び内面部分274を少なくとも部分的に形成することができる。そのような場合では、外面部分272は、構造体108の内側層124の端面部分158及び/又は外側層126の端面部分162に相補的な又は別様に対応するプロファイル又は形状を有することができる。場合によっては、外面部分272は、側壁部分264に沿って凸状のプロファイル又は形状を有し、側壁部分266に沿って凹状のプロファイル又は形状を有することができる。しかしながら、本開示の主題から逸脱することなく、他の構成及び/又は配置が交互に使用され得ることが理解されよう。
【0039】
追加的に又は代替的に、内面部分274は、後述するように、側方圧力部材242及び/又は244の表面又は表面部分に相補的な又は対応するプロファイル又は形状を有することができる。例えば、内面部分274は、基準寸法AG1によって図10に表されるように、シューアセンブリ軸SAXに対して鋭角の夾角で配置される断面プロファイル又は形状を伴う、第1のセクションを有することができる。追加的に又は代替的に、内面部分274は、図10において基準寸法AG2によって表されるように、シューアセンブリ軸SAXに対して鋭角の夾角で配置される断面プロファイル又は形状を伴う、第2のセクションを有することができる。場合によっては、夾角AG1は、硬化シューセグメントのうちの1つ(例えば、セグメント246A及び/又は248A)上に、又はそれに沿って配置され得、夾角AG2は、硬化シューセグメントのうちの別の1つ(例えば、セグメント246B及び/又は248B)上に、又はそれに沿って配置され得る。しかしながら、本開示の主題から逸脱することなく、他の構成及び/又は配置が交互に使用され得ることが理解されよう。
【0040】
場合によっては、側方圧力部材は、異なる形状及び/又は構成を有することができる。他の場合には、側方圧力部材242及び244は、共通の形状及び/又は構成を有することができ、或いは互いに実質的に同様であってもよい。したがって、側方圧力部材は、任意の好適な数の壁、壁部分、表面及び/又は表面部分を含むことができることが理解されよう。例えば、側方圧力部材242及び/又は244は、端部276から端部278に向かって延在することができ、側方圧力部材内に圧力部材チャンバ282を少なくとも部分的に画定する部材壁280を含むことができる。部材壁280は、端部276上に又はそれに沿って配置された端部壁部分284と、端部278上に又はそれに沿って配置された端部壁部分286とを含むことができる。端部壁部分284及び286は、シューアセンブリ軸SAXに対して概ね横方向に配向されているものとして示されている。端部壁部分284は、圧力部材チャンバ282と流体連通して端部壁部分を通って延在する開口部又は通路288を含む。端部壁部分284は、表面部分292が端部278から離れる方向に面し、表面部分294が端部278に向かって面する状態で、外周縁部分290まで外側に延在する。
【0041】
部材壁280はまた、圧力部材チャンバ282がそれらの間に少なくとも部分的に画定されるように、互いに離間した関係で端部壁部分284と286との間に軸方向に延在する側壁部分296及び298を含む。側壁部分296及び298は、側方圧力部材242及び/又は244の縁部分300及び302の間で横方向に延在し、及び/又はそうでなければ少なくとも部分的に画定する。縁部分300に隣接する少なくとも側壁部分296及び298の表面部分304は、図10において基準寸法AG3によって表されるように、シューアセンブリ軸SAXに対して鋭角の夾角で配置されたプロファイルを有する。追加的に又は代替的に、縁部分302に隣接する少なくとも側壁部分296及び298の表面部分306は、図10において基準寸法AG4によって表されるように、シューアセンブリ軸SAXに対して鋭角の夾角で配置されたプロファイルを有する。場合によっては、鋭角の夾角AG1及びAG3は、互いにほぼ等しくてもよい。追加的に又は代替的に、鋭角の夾角AG2及びAG4は、互いにほぼ等しくすることができる。
【0042】
上述したように、硬化シューアセンブリ236は、1つ以上の力アプリケータの任意の好適な組み合わせによって作動及び/又は作動停止され得る。例えば、金型アセンブリ200及び/又はその間隙硬化システム210は、例えば、加圧流体源PFSと連通可能に連結され得る。そのような場合、加圧流体源PFSからの加圧流体(例えば、空気、蒸気、水、油)は、硬化シューアセンブリの作動状態及び作動停止状態にそれぞれ対応し得るように、伸長位置と後退位置との間で選択的に変位されるため、硬化シューアセンブリへの力の印加を印加、平衡化、及び/又は別様に制御することができる。加圧流体源PFSによって印加され、平衡化され、及び/又は別様に制御される力は、任意の好適な方法で硬化シューアセンブリ236に選択的に印加され、平衡化され、及び/又は別様に伝達され得ることが理解されよう。
【0043】
1つの非限定的な例として、金型アセンブリ200は、加圧流体源PFSのうちの1つ以上と流体連通して配置された1つ以上の流体圧力移送(又は分配)システムを含むことができる。本明細書に示され説明される構成では、金型セクション202は、硬化システム部分238と動作可能に関連付けられた流体圧力移送(又は分配)システム308を含む。追加的に又は代替的に、金型セクション204は、硬化システム部分240と動作可能に関連付けられた流体圧力移送(又は分配)システム310を含むことができる。流体圧力分配システム308及び310は、互いに実質的に同様であるものとして、並びに金型セクション202及び204上に又はそれに沿って支持され、通路206が少なくとも加圧流体源PFSと流体連通して延在することができるベースプレート312を含むものとして示されている。流体圧力分配システム308及び/又は310はまた、ベースプレート312上に直接的又は間接的に支持された内側側壁314及び外側側壁316を含むことができ、外側側壁は内側側壁の半径方向外側に離間している。支持プレート318は、流体チャンバ320がそれらの間に少なくとも部分的に画定されるように、内側側壁314及び外側側壁316上に、又はそれらに沿って固定される。流体チャンバ320は、例えば導管206によってなど、任意の好適な方法で加圧流体源PFSと流体連通して配置することができる。
【0044】
側方圧力部材242及び244は、任意の好適な方法で支持プレート318上に又はそれに沿って支持され得ることが理解されよう。1つの非限定的な例として、支持プレート318は、それを通って延在する複数の開口部又は通路322を含むことができる。側方圧力部材242及び244は、端部276が流体チャンバ320内に配置され、端部278が流体チャンバの外側に配置されるように、開口部322を通して延在する。開口部322は、金型軸MAXを中心として互いに周方向に離間した関係で配置される。好ましい構成では、開口部266は、例えば、支持プレート222及び224に関連して上述したように、側方支持部材及び/又は支持構造体140及び/又は完全には硬化していない非空気入りタイヤ100の空間154に対して相補的な形状、構成及び/又は構成を有することができる(例えば、軸AXから半径方向にオフセットされ、共通の周辺間隔で配置される)。このような構成では、流体圧力分配システム308及び/又は310の流体チャンバ320のうちの共通の1つと流体連通して配置された側方圧力部材242及び/又は244の表面部分292に、ほぼ均一な流体圧力及び/又は他の方法で均衡のとれた流体圧力が印加される。
【0045】
使用及び動作中、硬化シュー246及び/又は248は、側方圧力部材242及び/又は244とは別個に提供され、完全には硬化していない非空気入りタイヤ100の空間154内に配置される。非空気入りタイヤは、金型アセンブリ200と共に配置され、金型セクション202及び204は、完全には硬化していない非空気入りタイヤ100が、間隙硬化システム210と動作可能に係合して金型キャビティ214及び/又は218内に捕捉されるように、互いに向かって移動される。そのような配置では、完全には硬化していない非空気入りタイヤ100並びに硬化シュー246及び/又は248は、側方圧力部材242及び/又は244とおおよそ位置合わせされて配置される。流体チャンバ320内には、ある量の流体324(例えば、空気、蒸気、水、油)が配置され、側方圧力部材242及び/又は244の表面部分292上又はそれに沿って、ほぼ均一又は別様に均衡のとれた流体圧力を印加し、それによって、側方圧力部材242及び244が、ほぼ均一及び/又は別様に均衡のとれた力で互いに向かって変位することを可能にし、それによって、非空気入りタイヤ100の完全には硬化していないエラストマー材料の対応するほぼ均一及び/又は別様に均衡のとれた圧縮を生成する。
【0046】
硬化シューアセンブリ236によって、完全には硬化していない非空気入りタイヤ100に圧力が印加されると、本発明の主題による方法は、完全には硬化していない非空気入りタイヤに熱を印加することも含むことができる。熱は、任意の好適な様式で、並びに/又は熱伝達機構及び/若しくはプロセスの任意の好適な組み合わせを通して、完全には硬化していない非空気入りタイヤ100に伝達され得ることが理解されるであろう。一例として、金型アセンブリ200は、加熱流体源HFSと連通可能に連結することができる。そのような場合、加熱流体(例えば、空気、蒸気、水)は、金型アセンブリ200及び/又は非空気入りタイヤアセンブリ100の通路及び/又はチャンバの任意の好適な組み合わせの中に循環され得る。例えば、金型アセンブリ200及び/又は間隙硬化システム210は、1つ以上の加熱流体移送(又は分配)システムを含むことができる。本明細書に示され説明される構成において、金型セクション202は、硬化システム部分238と動作可能に関連付けられた加熱流体移送(又は分配)システム326を含む。追加的に又は代替的に、金型セクション204は、硬化システム部分240と動作可能に関連付けられた加熱流体移送(又は分配)システム328を含むことができる。加熱流体分配システム326及び328は、互いに実質的に同様であるものとして、並びに金型セクション202及び/又は204上に又はそれに沿って直接的又は間接的に支持されるマニホールドプレート330を含むものとして示されている。加熱流体分配システム326及び/又は328はまた、マニホールドプレート330上に又はそれに沿って支持された端部プレート332を含むことができ、それにより、加熱流体源HFSと流体連通して配置され得るような1つ以上の通路208が提供される。
【0047】
通路208は、任意の好適な方法で側方圧力部材242及び/又は244の圧力部材チャンバ282と流体連通して配置することができる。非限定的な一例として、ピックアップチューブ334は、その遠位端336が複数の側方圧力部材の圧力部材チャンバ282内に配置された状態で、マニホールドプレート330及び/又は端部プレート332上に又はそれに沿って支持され得る。このようにして、ある量の加熱流体336(例えば、空気、蒸気、水、油)が、例えば、ピックアップチューブ334及び/又は導管208によって、圧力部材チャンバ282の内外に移送され得る。加熱流体336は、側方圧力部材242及び244の部材壁280の中へ、及びそれを通して、並びに硬化シュー246及び/又は248のシュー壁254を通して、非空気入りタイヤ100の完全には硬化していないエラストマー材料の中へ熱を伝達する。好ましい構成では、ピックアップチューブ334は、部材壁280の端部壁部分284と密封係合される一方で、硬化シューアセンブリ236の使用及び動作中に、ピックアップチューブが通路288の中へ、通路から外へ、及び/又は通路に沿って並進することを可能にする。
【0048】
図12に示される非空気入りタイヤを製造する本開示の主題による製造方法400は、例えば、参照番号402によって図12に表されるように、金型セクション202及び204のうちの1つなどの金型軸MAXを有する金型セクションを提供することを含むことができる。方法400はまた、例えば、硬化シューアセンブリ236などの1つ以上の硬化シューアセンブリを、図12において参照番号404によって表されるように、金型軸MAXに対して半径方向にオフセットされた関係で金型セクション上に支持することを含むことができる。好ましい構成では、複数の硬化シューアセンブリ236が、少なくとも部分的に間隙硬化システム210を形成するように、金型軸MAXを中心として互いに離間した関係で配置される。方法400は、参照番号406及び408によってそれぞれ示されるように、完全には硬化していない非空気入りタイヤ100を提供することと、完全には硬化していない非空気入りタイヤ内に1つ以上の硬化シューを軸方向に同延に配置することとを更に含むことができる。方法400は、完全には硬化していない非空気入りタイヤ100を提供することと、完全には硬化していない非空気入りタイヤを、図12にそれぞれ参照番号410で表されるように、1つ以上の硬化ブラダアセンブリと軸方向に同延の構成で金型セクション上又は金型セクションに沿って配置することとを更に含むことができる。方法400は、参照番号412及び414によってそれぞれ図12に表されるように、1つ以上の硬化シューアセンブリを作動させ、次いで、非空気入りタイヤを硬化させることを更に含むことができる。方法400はまた、参照番号416によって図12に表されるように、非空気入りタイヤ100を金型アセンブリ200から取り外した後に、硬化された非空気入りタイヤから硬化シューを取り外すことを含むことができる。
【0049】
特定の特徴部、要素、構成要素、及び/又は構造に関連して本明細書で使用されるとき、序数(例えば、第1、第2、第3、第4など)は、複数の異なる単数を示す、ないしは別の方法で特定の特徴部、要素、構成要素及び/又は構造を識別するために使用されてよく、請求項の用語によって具体的に規定されない限りは、いずれの順序又はシーケンスも示唆しない。更に、「横断」などの用語は、広く解釈されるべきである。したがって、「横断方向」などの用語は、ほぼ垂直な角度方向を含むがこれに限定されない、広範囲の相対的な角度方向を含むことができる。加えて、用語「周方向の」、「周方向に」などは広義に解釈されるべきであり、円形の形状及び/又は構成を含み得るが、これらに限定されない。これに関連して、用語「周方向の」、「周方向に」などは、「周縁の」、「周方向に」などの用語と同義であり得る。
【0050】
更に、「流動材料接合部」などの語句は、本明細書で使用される場合、液体又は他の流動性材料(例えば、溶融金属又は溶融金属の組み合わせ)が隣接する構成部品間に堆積又は他の方法で提示され、それらの間に固定された実質的に流体密封の接続を形成するように動作する任意の接合部又は接続を含むと解釈されるべきである。そのような流動材料接合部を形成するために使用することができるプロセスの例には、溶接プロセス、ろう付けプロセス、及びはんだ付けプロセスが含まれるが、これらに限定されない。そのような場合、構成部品自体からの任意の材料に加えて、1つ以上の金属材料及び/又は合金を使用して、そのような流動材料接合部を形成することができる。流動材料接合部を形成するために使用することができるプロセスの別の例は、隣接する構成部品間に固定された実質的に流体密封の接続を形成するように動作可能である接着剤を隣接する構成部品間に塗布すること、堆積させること、又は他の方法で提供することを含む。そのような場合、例えば、一液型及び/又は二液型エポキシなど、任意の好適な接着剤料又は材料の組み合わせを使用することができることが理解されよう。
【0051】
多数の異なる特徴部及び/又は構成要素が、本明細書に示され、記載される実施形態に示されているが、いずれの実施形態も全てのかかる特徴部及び構成要素を含むものとして具体的に示され、記載されていないことが認められよう。したがって、本開示の主題は、本明細書において示され、記載される、異なる特徴部及び構成要素の任意、かつ全ての組み合わせを包含することを意図しており、制限なく、任意の組み合わせで、特徴部及び構成要素の任意の好適な配置を使用できることが理解されるべきである。したがって、機構及び/又は構成要素の任意のかかる組み合わせを目的とする請求項は、本明細書に具体的に表現されているかどうかにかかわらず、本開示において根拠を見出すことを意図することが明確に理解されるべきである。本明細書に添付された特許請求の範囲を解釈する際に、特許庁及び本出願及び結果として得られる特許の読者を支援するために、出願人は、「のための手段(means for)」又は「のためのステップ(step for)」という単語が特定の請求項において明示的に使用されない限り、添付の請求項のいずれか又はいずれかの請求項要素が35 U.S.C.112(f)を行使することを意図しない。
【0052】
本開示の主題は前述の実施形態を参照して記載されており、構造及び開示された実施形態の構成部品間の構造上の相互関係がかなり強調されてきたが、他の実施形態を考案することができ、本明細書に記載の原則から逸脱することなく、例示され、記載された実施形態に多数の変更を加え得ることが理解されよう。明らかに、前述の「発明を実施するための形態」を読み、理解すると、他についての修正及び変更を思い付くであろう。したがって、前述の説明的事項は、本開示の主題の単なる説明であり、制限ではないと解釈されるべきであることが明確に理解されるべきである。したがって、本開示の主題は、そのような修正及び変更を全て含むものとして解釈されることが意図される。
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