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特許7559268非空気入りタイヤのための硬化金型組立体並びにその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-20
(45)【発行日】2024-10-01
(54)【発明の名称】非空気入りタイヤのための硬化金型組立体並びにその製造方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 33/02 20060101AFI20240924BHJP
   B60C 7/00 20060101ALI20240924BHJP
   B29D 30/02 20060101ALI20240924BHJP
【FI】
B29C33/02
B60C7/00 H
B29D30/02
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2023577499
(86)(22)【出願日】2022-06-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-11
(86)【国際出願番号】 US2022072915
(87)【国際公開番号】W WO2022266612
(87)【国際公開日】2022-12-22
【審査請求日】2023-12-14
(31)【優先権主張番号】63/212,196
(32)【優先日】2021-06-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】515168916
【氏名又は名称】ブリヂストン アメリカズ タイヤ オペレーションズ、 エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ネスビット,アダム ケイ.
(72)【発明者】
【氏名】レインハルト,シャロン イー.
【審査官】正木 裕也
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0070448(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0034225(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0027606(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2021/0114312(US,A1)
【文献】特開2021-030542(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29D 30/02
B60C 7/00
B29C 33/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
非空気入りタイヤ組立体を製造する方法であって、
長手方向に延在する金型軸を含む第1の金型セクションを提供することと、
前記金型軸に対して半径方向にオフセットされた状態で、第1の硬化ブラダ組立体を前記第1の金型セクション上に支持することであって、前記第1の硬化ブラダ組立体が、エラストマー材料から少なくとも部分的に形成された第1のブラダ壁を含み、前記第1のブラダ壁が、第1のブラダチャンバを少なくとも部分的に画定しており、前記第1のブラダ壁が、
前記第1の金型セクションに沿って配設された第1の端壁部分及び前記第1の端壁部分から長手方向に離隔された第2の端壁部分と、
前記第1の端壁部分と前記第2の端壁部分との間に長手方向に延在する第1の縁壁部分、及び前記第1の縁壁部分に対して離隔された状態で前記第1の端壁部分と前記第2の端壁部分との間に長手方向に延在する第2の縁壁部分と、
前記第1の端壁部分と前記第2の端壁部分との間に長手方向に延在しており、かつ前記第1の縁壁部分と前記第2の縁壁部分との間に横方向に延在する第1及び第2の側壁部分と、を含み、前記第1の側壁部分が、凹状断面プロファイルを有する第1の外側面部分を含み、前記第2の側壁部分が、凸状断面プロファイルを有する第2の外側面部分を含み、
互いに対して周方向に離隔された状態で配設された複数の支持構造体と、互いに対して周方向に離隔された状態で配設された複数の空間であって、前記複数の空間のうちの1つが前記複数の支持構造体のうちの隣接する支持構造体間にある、複数の空間とを含む完全に硬化していない非空気入りタイヤ組立体を提供することと、
前記第1の硬化ブラダ組立体が、前記複数の空間のうちの1つの中に、かつ前記完全に硬化していない非空気入りタイヤ組立体の少なくとも一部分と軸方向に同じ範囲にわたって配設されるように、前記第1の金型セクションに沿って前記完全に硬化していない非空気入りタイヤ組立体を位置決めすることと、
前記第1の硬化ブラダ組立体を膨張させ、それによって、少なくとも前記第1の縁壁部分及び前記第2の縁壁部分を外向きに変位させて、前記完全に硬化していない非空気入りタイヤ組立体と係合させ、かつそれに圧力を加えることと、
前記非空気入りタイヤ組立体を硬化させることと、を含む、方法。
【請求項2】
前記第1の硬化ブラダ組立体を前記第1の金型セクション上に支持することが、前記金型軸の周りに互いに対して周方向に離隔された状態で、複数の硬化ブラダ組立体を前記第1の金型セクション上に支持することを含み、
前記完全に硬化していない非空気入りタイヤ組立体を前記第1の金型セクションに沿って位置決めすることは、前記複数の硬化ブラダ組立体の各々が前記複数の空間のうちの異なる空間の中に配設されるように、前記完全に硬化していない非空気入りタイヤ組立体を前記第1の金型セクションに沿って位置決めすることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の硬化ブラダ組立体を膨張させることが、前記複数の硬化ブラダ組立体をほぼ同時に膨張させ、これにより、前記複数の硬化ブラダ組立体の各々の前記第1の側壁部分が、前記完全に硬化していない非空気入りタイヤ組立体の前記複数の支持構造体のうちの異なる支持構造体と当接して係合し、前記複数の硬化ブラダ組立体の各々の前記第2の側壁部分が、前記複数の支持構造体のうちの異なる支持構造体と当接して係合し、それによって、前記複数の支持構造体の各々を前記複数の硬化ブラダ組立体のうちの隣接する硬化ブラダ組立体間で圧縮することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
非空気入りタイヤを硬化させるための金型組立体であって、
金型軸を有し、かつ関連する完全に硬化していない非空気入りタイヤ組立体を受容するように寸法設定された第1の金型セクションと、
前記金型軸に対して半径方向にオフセットされた状態で、前記第1の金型セクション上に支持された第1の硬化ブラダ組立体と、を備え、第1の硬化ブラダ組立体が、エラストマー材料から少なくとも部分的に形成された第1のブラダ壁を含み、前記第1のブラダ壁が、第1のブラダチャンバを少なくとも部分的に画定しており、かつ
前記第1の金型セクションに沿って配設された第1の端壁部分及び前記第1の端壁部分から長手方向に離隔された第2の端壁部分と、
前記第1の端壁部分と前記第2の端壁部分との間に長手方向に延在する第1の縁壁部分、及び第1の縁面部分に対して離隔された状態で前記第1の端壁部分と前記第2の端壁部分との間に長手方向に延在する第2の縁壁部分と、
前記第1の端壁部分と前記第2の端壁部分との間に長手方向に延在しており、かつ前記第1の縁壁部分と前記第2の縁壁部分との間に横方向に延在する第1及び第2の側壁部分と、を含み、前記第1の側壁部分が、凹状断面プロファイルを有する第1の外側面部分を含み、前記第2の側壁部分が、凸状断面プロファイルを有する第2の外側面部分を含む、金型組立体。
【請求項5】
前記第1の硬化ブラダ組立体が、前記金型軸の周りに互いに対して周方向に離隔された状態で、前記第1の金型セクション上に固定された複数の硬化ブラダ組立体のうちの1つである、請求項4に記載の金型組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の主題は、広義には、車両用タイヤの製造技術に関し、より具体的には、非空気入りタイヤを硬化させるための金型組立体、並びにかかる金型組立体を使用して非空気入りタイヤを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本開示の主題は、車両のための構成要素と併せて特定の用途及び使用を見出すことができ、それを参照して本明細書に示され、説明される。しかしながら、本開示の主題は、他の用途及び環境での使用にも適しており、本明細書で示され説明される特定の使用は単に例示的なものであることを理解されたい。
【0003】
従来の空気入りタイヤは、車道又は他の地面に係合するように構成されるその外部に又はその外部に沿って形成されたトレッドを有するタイヤケーシングを含む。タイヤケーシングは、複数の層又はプライ(例えば、ラジアルプライ、ベルトプライ)から形成された環状体を含み、環状体のショルダ部分からそれに沿って、側壁の半径方向内向きの範囲を形成するビードまで半径方向内向きに延在する対向する側壁を有する。環状体の内面及び対向する側壁は、空気入りタイヤのタイヤチャンバを画定するインナーライナによって覆われる。
【0004】
従来のタイヤ製造過程では、未硬化のタイヤカーカス及びトレッド組立体が、タイヤ硬化プレス上の金型組立体に装填される。金型組立体は、トレッドパターンのセクションを含む内面部分を有する複数のダイセグメントを含む。金型組立体は、タイヤ硬化プレスによって閉じられ、これは、ダイセグメントが未硬化のタイヤ組立体のトレッド材料と当接係合するように位置決めする。タイヤ硬化プレスはまた、硬化ブラダを含み、硬化ブラダは、その非膨張状態において、未硬化のタイヤ組立体が硬化ブラダの外側に離隔されるように金型組立体の内部に位置決めされる。硬化過程中には、硬化ブラダが未硬化のタイヤ組立体のタイヤチャンバ内へ延在してインナーライナと当接係合するように、硬化ブラダを膨張させる。金型組立体及び膨張した硬化ブラダからの圧力下にある間、タイヤ硬化プレスは、未硬化のタイヤ材料を加硫又は別様に架橋して、完成タイヤを形成する、未硬化のタイヤ組立体に熱を導入する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
既知のタイプ及び種類のタイヤ金型組立体及び製造方法の幅広い使用及び全体的な成功にも関わらず、既知の過程には、例えば、いわゆる非空気入りタイヤなどの他の構造的配置を有するタイヤ組立体の製造に関するその適用性及び/又は使用が制限され得るといった、特定の不利益が存在することが認められている。そのため、既知の技術の前述の問題及び/若しくは他の問題を克服するのを支援し得る、並びに/又は別様に非空気入りタイヤの製造を進歩させ得る、金型組立体及び製造方法を開発することが望ましいと考えられる。
【0006】
本開示の主題による非空気入りタイヤ組立体を製造する方法の一実施例は、長手方向に延在する金型軸を含む第1の金型セクションを提供することを含むことができる。本方法はまた、金型軸に対して半径方向にオフセットされた状態で、第1の硬化ブラダ組立体を第1の金型セクション上に支持することを含むことができる。第1の硬化ブラダ組立体は、エラストマー材料から少なくとも部分的に形成された第1のブラダ壁を含むことができる。第1のブラダ壁は、第1のブラダチャンバを少なくとも部分的に画定することができ、かつ第1の金型セクションに沿って配設された第1の端壁部分と、第1の端壁部分から長手方向に離隔された第2の端壁部分と、を含むことができる。第1のブラダ壁はまた、第1の端壁部分と第2の端壁部分との間に長手方向に延在する第1の縁壁部分と、第1の縁壁部分に対して離隔された状態で第1の端壁部分と第2の端壁部分との間に長手方向に延在する第2の縁壁部分と、を含むことができる。第1のブラダ壁は、第1の端壁部分と第2の端壁部分との間に長手方向に延在し、かつ第1の縁壁部分及び第2の縁壁部分の間に横方向に延在することができる、第1の側壁部分及び第2の側壁部分を更に含むことができる。第1の側壁部分は、凹状断面プロファイルを有する第1の外側面部分を含むことができる。第2の側壁部分は、凸状断面プロファイルを有する第2の外側面部分を含むことができる。本方法はまた、互いに対して周方向に離隔された状態で配設された複数の支持構造体と、互いに対して周方向に離隔された状態で配設された複数の空間であって、複数の空間のうちの1つが複数の支持構造体のうちの隣接した支持構造体の間にある、複数の空間と、を含む、完全に硬化していない非空気入りタイヤ組立体を提供することを含むことができる。本方法は、第1の硬化ブラダ組立体が、複数の空間のうちの1つに配設され、かつ完全に硬化していない非空気入りタイヤ組立体の少なくとも一部分と軸方向に同じ範囲にわたって配設されるように、完全に硬化していない非空気入りタイヤ組立体を第1の金型セクションに沿って位置決めすることを更に含むことができる。本方法はまた、第1の硬化ブラダ組立体を膨張させ、それによって、少なくとも第1の縁壁部分及び第2の縁壁部分を外向きに変位させて、完全に硬化していない非空気入りタイヤ組立体と係合させ、かつそれに圧力を加えることを含むことができる。本方法は、非空気入りタイヤ組立体を硬化させることを更に含むことができる。
【0007】
本開示の主題による金型組立体の一実施例は、金型軸を有し、かつ関連する完全に硬化していない非空気入りタイヤ組立体を受容するように寸法設定された、第1の金型セクションを含むことができる。金型組立体は、金型軸に対して半径方向にオフセットされた状態で、第1の金型セクション上に支持された第1の硬化ブラダ組立体を含むことができる。第1の硬化ブラダ組立体は、エラストマー材料から少なくとも部分的に形成された第1のブラダ壁を含むことができる。第1のブラダ壁は、第1のブラダチャンバを少なくとも部分的に画定することができる。第1のブラダ壁は、第1の金型セクションに沿って配設された第1の端壁部分と、第1の端壁部分から長手方向に離隔された第2の端壁部分と、を含むことができる。第1のブラダ壁はまた、第1の端壁部分と第2の端壁部分との間に長手方向に延在する第1の縁壁部分と、第1の縁面部分に対して離隔された状態で第1の端壁部分と第2の端壁部分との間に長手方向に延在する第2の縁壁部分と、を含むことができる。第1のブラダ壁は、第1の端壁部分及び第2の端壁部分の間に長手方向に延在し、かつ第1の縁壁部分及び第2の縁壁部分の間に横方向に延在する、第1の側壁部分及び第2の側壁部分を更に含むことができる。第1の側壁部分は、凹状断面プロファイルを有する第1の外側面部分を含むことができる。第2の側壁部分は、凸状断面プロファイルを有する第2の外側面部分を含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、組立前を示す、例示的な完全に硬化していない非空気入りタイヤの構成要素の分解上面斜視図である。
図2図2は、組立状態にあり、硬化の準備ができた、例示的な完全に硬化していない非空気入りタイヤの斜視底面図である。
図3図3は、金型組立体が開放状態にあり、例示的な完全に硬化していない非空気入りタイヤが装填されている状態を示す、タイヤ硬化プレスの正面図である。
図4図4は、金型組立体が閉鎖状態にあり、例示的な完全に硬化していない非空気入りタイヤが硬化のために装填された状態を示す、図3のタイヤ硬化プレスの正面図である。
図5図5は、図4の線5-5に沿って切断した金型組立体及び例示的な完全に硬化していない非空気入りタイヤの断面上面図である。
図6図6は、図5において詳細6として識別される金型組立体及び例示的な完全に硬化していない非空気入りタイヤの一部分の拡大図である。
図7図7は、図6の線7-7に沿って切断した図1図6の金型組立体及び例示的な完全に硬化していない非空気入りタイヤの側断面図である。
図8図8は、図6の線8-8に沿って切断した図1図7の金型組立体及び例示的な完全に硬化していない非空気入りタイヤの側断面図である。
図9図9は、図7において詳細9として識別される金型組立体及び例示的な完全に硬化していない非空気入りタイヤの一部分の拡大図である。
図10図10は、図8において詳細10として識別される金型組立体及び例示的な完全に硬化していない非空気入りタイヤの一部分の拡大図である。
図11図11は、例えば、図6図10に示されるような、本開示の主題による硬化ブラダ組立体の一実施例の分解上面斜視図である。
図12図12は、本開示の主題による製造方法の一実施例のグラフィック表現である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
ここで図面を参照すると、図面は、本開示の主題の実施例を例解する目的で示されており、そのような実施例は、限定することを意図するものではないことを理解されたい。加えて、図面は縮尺通りではなく、特定の特徴及び/又は要素の部分が、明確にするために、及び理解を容易にするために誇張され得ることが認識されるであろう。
【0010】
図1及び図2は、本開示の主題による、及び/又は本開示の主題による製造方法を通じた、金型組立体において硬化させるように寸法設定された、及び/又は別様に構成された、完全に硬化していない非空気入りタイヤの一実施例を例解する。様々なタイプ、種類、及び/又は構造の非空気入りタイヤが開発されていること、及び/又は異なる用途及び/又は環境で使用されていることが認識されるであろう。1つの非限定的な例として、図1図5では、完全に硬化していない非空気入りタイヤ(又はタイヤ組立体)100は、長手方向軸AXを有しており、かつ端部102から端部102の反対側の端部104まで軸方向に延在することができるものとして示されている。完全に硬化していない非空気入りタイヤ100は、軸AXの周りに周方向に延在する環状リング106と、環状リング106の少なくとも一部分の外側に配設され、同じく軸AXの周りに周方向に延在する構造体108と、を含むことができる。完全に硬化していない非空気入りタイヤ100はまた、軸AXの周りに周方向に延在する環状リング110を含むことができ、環状リング110の少なくとも一部分が、環状リング106及び/又は構造体108の外側に配設されている。完全に硬化していない非空気入りタイヤ100は、軸AXの周りに周方向に延在するトレッド本体112を更に含むことができ、トレッド本体112の少なくとも一部分が、環状リング110の外側に配設されている。
【0011】
本開示の主題による金型組立体及び製造方法を使用して、完全に硬化していないエラストマー材料から形成された1つ以上の部分を有する非空気入りタイヤを、その全て又は実質的に全ての部分を実質的に全体的に架橋した、加硫した、及び/又は別様に硬化させた非空気入りタイヤへと移行させることが認識されるであろう。このように、非空気入りタイヤ100の前述の構成要素のうちのいずれか1つ以上が、完全に硬化していない状態から少なくとも実質的に全体的に硬化した状態へと移行されるエラストマー材料を含み得ること、及び本明細書に図示及び記載される非空気入りタイヤ100の配置が、単なる例示であり、限定することを意図していないことが認識及び理解されるであろう。
【0012】
環状リング106は、任意の好適なサイズ、形状、及び/又は構成とすることができ、かつ任意の好適な数の1つ以上の壁及び/又は壁部分を含み得ることが認識されるであろう。1つの非限定的な例として、環状リングは、参照符号VRMによって図1及び図2に表されるように、車両の車輪又はリムの外壁又は外側壁部分の一部であり得るか、又は別様にそれを少なくとも部分的に形成し得る。かかる例示的な配置では、環状リング106は、長手方向軸AXの周りに周方向に延在するリング壁(又はリング壁部分)114を含むことができる。任意選択的に、環状リング106は、リング壁部分114の内側に配設されたハブ壁(又はハブ壁部分)HUBを含むことができる。含まれている場合、ハブ壁部分HUBは、リング壁部分114に動作可能に接続することができる。加えて、含まれている場合、ハブ壁部分HUBは、任意選択で、例えばボルト孔BHLを通る関連する車両のアクスルなどの、関連する構成要素又はデバイス上に又はそれに沿って従来の様式で装着するように寸法設定すること及び/又は別様に適合させることができる。
【0013】
環状リング106のリング壁部分114は、端部102に向かって配設されたリング縁部116と、リング縁部116に対して軸方向に離隔された状態で端部104に向かって配設されたリング縁部118との間に軸方向に延在することができる。リング壁部分114は、半径方向外向きに面しており、長手方向軸AXの周りに周方向に、かつ端部102と端部104との間で軸方向に延在する外面部分120を含むことができる。場合によっては、リング壁部分114は、任意選択で、長手方向軸AXの周りに周方向に延在し、かつ端部102及び/又は端部104に沿って及び/又はそれらの間で半径方向内向きに軸方向に面する内面部分122を含むことができる。
【0014】
構造体108は、内側ラップ又は層124と、内側層124の半径方向外向きに配設された外側ラップ又は層126と、を含むことができる。内側層124及び外側層126は、端部102と端部104との間で軸方向に延在し、内側層124が縁部132と縁部134との間で軸方向に延在し、外側層126が縁部128と縁部130との間で軸方向に延在する。場合によっては、内側層124及び外側層126は、縁部128及び132が端部102に沿って互いに少なくともほぼ位置合わせされ、かつ縁部130及び134が端部104に沿って互いに少なくともほぼ位置合わせされるように、互いに実質的に同じ範囲にわたることができる。内側層124は、長手方向軸AXの周りに周方向に、かつ端部102と端部104との間で軸方向に延在する、構造体108の内面部分136を少なくとも部分的に画定することができる。外側層126は、長手方向軸AXの周りに周方向に、かつ端部102と端部104との間に軸方向に延在する、構造体108の外面部分138を少なくとも部分的に画定することができる。
【0015】
構造体108はまた、内側層124と外側層126との間に延在し、かつ動作可能に相互接続する複数の支持構造体140を含む。支持構造体140は、任意の好適な形状、構成、及び/又は配置とすることができ、かつ任意の好適な様式で内側層124及び外側層126に動作可能に接続され得ることが認識されるであろう。1つの非限定的な例として、支持構造体140は、端部102に向かって配設された縁部142から端部104に向かって配設された縁部144まで軸方向に延在することができる。支持構造体140はまた、内側層124に向かって配設された端部146と、端部146に対して離隔された状態で外側層126に向かって配設された端部148と、を含むことができる。支持構造体140は、長手方向軸AXを横断して平面に沿って湾曲した、又は別様に他の非直線のプロファイルを有するものとして本明細書に図示及び記載されている。支持構造体140は、長手方向軸AXの周りに一方の周方向に面している凹面部分150と、反対側の周方向に面している凸面部分152と、を有するものとして図示及び記載されている。しかしながら、かかる構成は、単なる例示であり、本開示の主題から逸脱することなく、他の形状及び/又はプロファイルを有する支持構造体が代替的に使用され得ることが認識されるであろう。
【0016】
支持構造体140は、空間154のうちの1つが支持構造体140のうちの隣接した支持構造体140の間に配設された状態で、複数の空間154もまた長手方向軸の周りに対して互いに周方向に離隔された状態で配置されるように、長手方向軸AXの周りに互いに対して周方向に離隔された状態で配置されている。そのような配置では、空間154は、円弧状の、湾曲した、又は別様にほぼ三日月形状の断面プロファイル又は構成を有することができ、1つの支持構造140の凹面部分150及び隣接する支持構造140の凸面部分152が、空間154の周方向に離隔した側面を少なくとも部分的に画定する。場合によっては、支持構造体140は、内側層124及び/又は外側層126に延在することができ、又は別様に少なくとも部分的に埋め込むことができる。そのような場合、内側層124の一部分156は、湾曲した又は別様に他の非直線の断面形状及び/又は構成を有し得るように、空間154の端面部分158を少なくとも部分的に画定することができる。追加的に又は代替的に、外側層126の一部分160は、湾曲した又は別様に非直線の断面形状及び/又は構成を有し得るように、空間154の端面部分162を少なくとも部分的に画定することができる。
【0017】
環状リング110は、任意の好適なサイズ、形状、及び/又は構成とすることができ、かつ任意の好適な数の1つ以上の壁及び/又は壁部分を含み得ることが理解されるであろう。1つの非限定的な例として、環状リング110は、長手方向軸AXの周りに周方向に延在するリング壁(又はリング壁部分)164を含むことができる。リング壁部分164は、端部102に向かって配設されたリング縁部166と、リング縁部166に対して軸方向に離隔された状態で端部104に向かって配設されたリング縁部168との間に軸方向に延在することができる。リング壁部分164は、半径方向内向きに面しており、長手方向軸AXの周りに周方向に、かつ端部102及び端部104に沿って及び又は別様にそれらの間で軸方向に延在する内面部分170を含むことができる。リング壁部分164はまた、長手方向軸AXの周りに周方向に延在し、かつ端部102及び/又は端部104に沿って及び/又はそれらの間で半径方向外向きに軸方向に面する外面部分172を含むことができる。
【0018】
トレッド本体112は、端部102と端部104との間に軸方向に延在することができ、トレッド縁部174が端部102に沿って配置され、かつトレッド縁部176が端部104に沿って配置される。トレッド本体112はまた、半径方向内向きに面する内面部分178と、半径方向外向きに面する外面部分180と、を含むことができる。1つ以上のトレッド構造体182(例えば、溝、リブ、ラグ、サイプ)は、任意選択で、完全に硬化していない非空気入りタイヤ100の外面部分180からそれに沿ってトレッド本体112上に予め形成することができ、又は別様にその中へ延在することができ、かかるトレッド構造体が、硬化過程中に、硬化した非空気入りタイヤ上に地面係合トレッド(又はトレッドパターン)を少なくとも部分的に画定するように適合される。
【0019】
上で考察されたように、非空気入りタイヤ100の1つ以上の壁及び/又は壁部分は、少なくともこれらの壁及び/又は壁部分が本開示の主題による金型組立体及び/又は製造方法を使用して硬化可能であるように、完全に硬化していない状態であるエラストマー材料から形成することができる。例えば、トレッド本体112は、完全に硬化していないエラストマー材料から少なくとも部分的に形成することができる。追加的に又は代替的に、構造体108の内側層124及び/又は外側層126のうちの1つ以上は、完全に硬化していないエラストマー材料から少なくとも部分的に形成することができる。更なる例として及び/又は別の代替として、支持構造体140は、任意選択で、完全に硬化していないエラストマー材料の1つ以上の層を含むことができる。かかる構造の非限定的な例として、支持構造体140は、場合によっては、比較的剛性の材料(例えば、金属、繊維強化複合材)のシートから少なくとも部分的に形成することができ、その端部146及び148は、それぞれ、構造体108の内側層124及び外側層126内に少なくとも部分的に埋め込むこと、又は別様に配設することができる。追加的に又は代替的に、完全に硬化していないエラストマー材料の層は、凹面部分150及び/又は凸面部分152に沿って延在することができ、及び/又は当該部分を少なくとも部分的に画定することができる。別の非限定的な例として、支持構造体140は、互いに隣接して配置されて、シート状の構造体を少なくとも部分的に形成する量の完全に硬化していないエラストマー材料が少なくとも部分的に埋め込まれた、複数の比較的剛性のワイヤ及び/又はフィラメントから少なくとも部分的に形成することができる。
【0020】
完全に硬化していない非空気入りタイヤ100は、例えば天然ゴム、合成ゴム、及び/又は熱可塑性エラストマーなどの、任意の好適なエラストマー材料又はエラストマー材料の組み合わせを含み得ることが認識されるであろう。加えて、場合によっては、様々な構成要素が共通の完全に硬化していないエラストマー材料から形成され得ることが認められ、認識されるであろう。しかしながら、他の場合では、2つ以上の組成物、化合物、及び/又はグレードの完全に硬化していないエラストマー材料を使用することができる。「完全に硬化していない」などの用語は、本明細書で使用される場合、熱、圧力、及び/又は化学化合物に晒されたときに、「完全に硬化した」若しくは「実質的に完全に硬化した」エラストマー材料と架橋された又は別様に接合されて、「完全に硬化していない」エラストマー材料とは実質的に異なる材料特性及び/又は機械的特性を呈するポリマー鎖を有する、エラストマー材料を指す。好適な硬化過程の1つの非限定的な例としては、天然及び合成ゴムエラストマーの加硫が挙げられる。
【0021】
1つ以上の完全に硬化していないエラストマー材料の任意の組み合わせが使用され得ること、又は別様に完全に硬化していない非空気入りタイヤ(例えば、非空気入りタイヤ100)に含まれ得ることが認識されるであろう。1つの非限定的な例として、完全に硬化していない非空気入りタイヤ100は、実質的にその全て又は各々が「グリーン」又は実質的に全体的に未硬化の条件である、1つ以上の量のエラストマー材料を含むことができる。別の非限定的な例として、完全に硬化していない非空気入りタイヤ100は、「グリーン」又は実質的に全体的に未硬化の状態である1つ以上の量のエラストマー材料、及び少なくとも部分的に硬化状態である1つ以上の量のエラストマー材料を含むことができる。更に非限定的な例として、完全に硬化していない非空気入りタイヤ100は、全体的ではなく部分的に硬化した状態である1つ以上の量のエラストマー材料を含むことができる。このように、完全に硬化していない非空気入りタイヤ100は、限定されないが、1つ以上の量の「グリーン」又は実質的に全体的に未硬化のエラストマー材料、又は1つ以上の量の完全ではなく部分的に硬化したエラストマー材料、又は1つ以上の量の「グリーン」若しくは実質的に全体的に未硬化のエラストマー材料及び1つ以上の量の完全ではなく部分的に硬化したエラストマー材料の両方、を含み得ることを認められ、認識されたい。
【0022】
図3及び図4は、ベース装着面BMSを有するプレスベースPRBを含む、他の従来のタイヤ硬化プレスTCPを概略的に例示する。タイヤ硬化プレスTCPはまた、ヘッド装着面HMSを有するプレスヘッドPRHを含む。プレスヘッドPRHは、従来の様式で、例えばリニアガイドロッドLGRなどに沿って、プレスベースPRBに対して移動可能である。プレスヘッドPRHは、第1の又は上昇位置に配置されているものとして図3に示されており、図4に示される第2の又は下降位置に移動可能であり、その運動は、図3において矢印MVTによって表されている。タイヤ硬化プレスTCPは、図3及び図4においてそれぞれ破線ボックスPFS、HFS、及びVCSによって概略的に表されているように、1つ以上の加圧された流体源、1つ以上の加熱された流体源、及び/又は1つ以上の真空源を含むことができ、かつ当技術分野でよく知られているように、プレスベースPRB及び/又はプレスヘッドPRH上に、それらに沿って、又は別様にそれらと動作可能に関連付けられた状態で含むことができる。
【0023】
本開示の主題による金型組立体200は、タイヤ硬化プレスTCP内に又は別様にその上に又はそれに沿って動作可能に支持されるものとして、図2図10に示されている。金型組立体200は、プレスベースPRBのベース装着面BSM上に又はそれに沿って支持された金型セクション202と、プレスヘッドPRHのヘッド装着面HMS上に又はそれに沿って支持された金型セクション204と、を含む。金型セクション202は、例えば1つ以上の導管又は通路206などを経由して、加圧された流体及び/又は加熱された流体を金型セクションに及び/又はそこから移送するのに好適な任意の様式で、プレスベースPRBの加圧された流体源PFS、加熱された流体源HFS、及び/又は真空源VCSと流体連通して動作可能に接続することができる。追加的に又は代替的に、金型セクション204は、例えば1つ以上の導管又は通路208などを経由して、加圧された流体及び/又は加熱された流体を金型セクションに及び/又はそこから移送するのに好適な任意の様式で、プレスヘッドPRHの加圧された流体源PFS、加熱された流体源HFS、及び/又は真空源VCSと流体連通して動作可能に接続することができる。
【0024】
金型組立体200は、タイヤ硬化プレスTCPの運動MVTの方向に、又は別様にそれに沿って延在する金型軸MAXを含む。このように、金型セクション202及び204は、タイヤ硬化プレスの動作中に、互いに軸方向に変位可能であり、図3において離隔された状態で示されている金型セクション202及び204は、金型組立体の開放状態を表し、図4において同じ範囲にわたって互いに係合した状態で示されている金型セクション202及び204は、金型組立体の閉鎖状態を表す。金型セクション202は、間隙硬化システム210と、金型セクション202内に金型キャビティ214を少なくとも部分的に画定するように間隙硬化システム210の周りに周方向に配設された複数のトレッドダイセグメント212と、を含む。金型セクション204は、金型セクション内に金型キャビティ218を少なくとも部分的に画定する表面部分216を含む。金型キャビティ218は、金型組立体の閉鎖状態において金型セクション202の少なくとも一部分を受容するように寸法設定されている。場合によっては、トレッドダイセグメント212の外面部分220は、金型セクションが閉鎖状態に向かって移動したときに、金型セクション204の表面部分216と当接して係合することができる。
【0025】
例えば、図3において矢印LOAによって表され、図4及び図5に示されているように、完全に硬化していない非空気入りタイヤ100が金型キャビティ214内に少なくとも部分的に装填又は別様に位置決めされた状態で、トレッドダイセグメント212が半径方向内向きに変位して、完全に硬化していない非空気入りタイヤ100のトレッド本体112と係合する。かかる半径方向圧縮は、トレッド本体112の内面部分178を付勢して、環状リング110の外面部分172と係合させる。加えて、かかる半径方向圧縮は、環状リング110の内面部分170を付勢して、構造体108の外面部分138と係合させる。場合によっては、かかる半径方向圧縮はまた、構造体108の内面部分136を付勢して、環状リング106の外面部分120と係合させることができる。更に、トレッドダイセグメント212は、それに沿って形成された、表面部分220に概して対向する特徴部を含み、当該特徴部は、かかる半径方向圧縮下で、トレッド本体112の外面部分180から、それに沿ってレッド本体112と係合して延在して、非空気入りタイヤ100上に又はそれに沿って、地面に係合するトレッドパターン(例えば、溝、リブ、ラグ、サイプ)を少なくとも部分的に画定する。
【0026】
図2図4に示されるように、場合によっては、支持プレート222を、完全に硬化していない非空気入りタイヤ100の端部102に沿って配設することができる。追加的に又は代替的に、支持プレート224を、完全に硬化していない非空気入りタイヤ100の端部104に沿って配設することができる。支持プレート222及び/又は224は、それらが含まれている場合、例えば、タイヤ硬化プレスTCPへの輸送中に、非空気入りタイヤ100を金型組立体200(又はその金型セクション)に装填及び/若しくはそこから搬出する間に、並びに/又は支持構造体140及び/又は空間154を、金型組立体200の間隙硬化システム210及び/又は他の特徴部に対して、長手方向軸AXの周りに回転可能にインデックス又は別様に位置決めするために、環状リング106、構造体108、環状リング110、及び/又はトレッド体112を互いに所望の軸方向位置(例えば、ほぼ軸方向の位置合わせ)を維持するのを支援することができる。支持プレート222及び/又は224は、それぞれ、それらが含まれている場合、完全に硬化していない非空気入りタイヤ100の支持構造体140及び/又は空間154と相補的な形状、構成、及び/又は配置を有する(例えば、軸AXから半径方向にオフセットされて、共通の周縁間隔で配設された)、複数の開口部226及び228を含むことができる。このように、支持プレート222及び/又は224は、それらが含まれている場合、非空気入りタイヤ100と一緒に、金型キャビティ214内に位置決めすることができ、及び/又は間隙硬化システム210と同じ範囲にわたって動作可能に係合することができる。支持プレート222及び224はまた、好ましい配置で、(例えば、トレッド体112に直径方向にわたって)非空気入りタイヤ100のほぼ最外断面寸法以下である外側断面寸法を有する、外周縁部230を含む。加えて、場合によっては、支持プレート222及び224は、任意選択で、内側周辺縁部232を含むことができる。更に、場合によっては、支持プレート222及び224は、任意選択で、位置合わせリッジ234が軸方向に非空気入りタイヤの一部分と同じ範囲にわたるように、完全に硬化していない非空気入りタイヤ100の一部分(例えば、環状リング106の内面部分122)に動作可能に係合するように寸法設定された位置合わせリッジ234を含むことができる。
【0027】
図5図11に示されるように、間隙硬化システム210は、金型軸MAXから半径方向にオフセットされて位置決め又は別様に配設されて、金型軸の周りに互いに対して周方向に離隔された状態で配置された、図5において破線によって表される、複数の硬化ブラダ組立体236を含む。好ましい配置では、硬化ブラダ組立体236は、完全に硬化していない非空気入りタイヤ100が金型キャビティ214内に位置決めされたときに、硬化ブラダ組立体のうちの1つ以上が空間154のうちの1つの中に配設されるように配置される。かかる配置では、硬化ブラダ組立体236は、硬化ブラダ組立体が構造体108の1つ以上の壁及び/又は壁部分に対応して係合及び係合解除するように、選択的に作動又は停止させることができる。係合状態では、硬化ブラダ組立体は、表面圧力を加える及び/又は熱を構造体108に伝達することができ、例えば、完全に硬化していないエラストマー材料から形成された構造体の1つ以上の壁及び/又は壁部分を実質的に硬化したエラストマー材料に移行させるように動作し得る。
【0028】
すなわち、作動状態では、硬化ブラダ組立体236は、構造体108の内側層124と当接して係合し、それによって、それらに圧力を加えること、及び/又は熱を伝達することができる。かかる配置では、硬化ブラダ組立体による圧力を加えることは、内側層を環状リング106に向かって付勢する。追加的に又は代替的に、作動状態では、硬化ブラダ組立体236は、構造体108の外側層126と当接して係合し、それによって、それらに圧力を加えること、及び/又は熱を伝達することができる。かかる配置では、硬化ブラダ組立体による圧力を加えることは、外側層を環状リング110に向かって付勢する。更に、及び/又は別の代替として、作動状態では、硬化ブラダ組立体236は、隣接した硬化ブラダ組立体236がそれらの間に配設された支持構造体に圧力を加えること、及び/又は熱を伝達することによって、支持構造体140と当接して係合し、それによって、それらに圧力を加えること、及び/又は熱を伝達することができる。場合によっては、硬化ブラダ組立体236は、圧力及び/又は熱を支持構造体の端部146及び/又は148上に又はそれに沿って加え、それによって、端部146及び/又は148がそれぞれ、内側層124及び外側層126と埋め込み係合することを確実にすることができる。
【0029】
本開示の主題による硬化ブラダ組立体は、任意の好適なタイプ、種類、及び/又は構成であり得ること、並びに任意の好適な様式で金型セクション202及び/又は204上に及び/又はそれに沿って動作可能に接続され得ることが認識されるであろう。好適な構造の1つの非限定的な例として、硬化ブラダ組立体236は、金型セクション202及び204のうちの一方で支持され、かつ金型セクションの他方に向かって延在するブラダ238を含むことができる。場合によっては、硬化ブラダ組立体236の各々及びそのブラダ238は、金型セクション202上に又はそれに沿って支持することができる。他の場合では、硬化ブラダ組立体236の各々及びそのブラダ238は、金型セクション204上に又はそれに沿って支持することができる。更に他の場合では、硬化ブラダ組立体236うちの1つ以上及びそのブラダ238は、金型セクション202上に又はそれに沿って支持することができ、硬化ブラダ組立体236及びそのブラダ238の残りが、例えば交互配置又はインターリーブ配置などで、金型セクション204上に又はそれに沿って支持される。
【0030】
図6図11に示される配置では、ブラダ238は、ブラダチャンバ242を少なくとも部分的に画定するブラダ壁240を含む。ブラダ壁240は、完全に硬化した(例えば、加硫した)天然及び/又は合成ゴムなどのエラストマー材料から少なくとも部分的に形成されている。ブラダ壁240は、端壁部分244と、端壁部分244から軸方向に離隔して配置された及び端壁部分246と、を含む。上で考察されたように、ブラダ238の各1つの端壁部分244及び246は、金型セクション204上に若しくはそれに沿って、又は金型セクション202上に若しくはそれに沿って固定することができる。非限定的な例として、金型セクション202は、図7及び図9において破線248Mによって表されるように一緒に組み立てられている2つ以上のマニホールド壁又は壁部分などにより、導管206を少なくとも部分的に含むこと、及び/又は別様にそれと流体連通するように配設することができる、ベース壁部分248を含むことができる。端壁部分244は、ブラダチャンバ242が少なくとも部分的に端壁部分244と端壁部分246との間に配設されるように、軸方向に離隔された状態でベース壁部分及び端壁部分244で支持された端壁部分246によって、ベース壁部分248上に又はそれに沿って固定される。
【0031】
硬化ブラダ組立体236は、端壁部分244に沿って位置決めされたブラダチャンバ242内に配設されたクランププレート250を含む。クランププレート250は、端壁部分244の1つ以上の部分244Pがクランププレート250とベース壁部分248との間に捕捉されるように、ベース壁部分248に固定される。硬化ブラダ組立体236はまた、ブラダチャンバ242内に配設され、かつ端壁部分246に沿って位置決めされた、クランププレート252を含む。クランププレート254は、端壁部分246の1つ以上の部分246Pがクランププレート252とクランププレート254との間に捕捉されるように、端壁部分246に沿ってクランププレート252に対向するブラダチャンバの外側に位置決めされて固定される。
【0032】
端壁部分244及び246は、任意の好適な様式で、ベース壁部分上で又はそれに沿って互いに対して離隔された状態で支持され得ることが認識されるであろう。例えば、細長い接続部材256は、ベース壁部分248とクランププレート254との間に動作可能に固定することができる。細長い接続部材258は、クランププレート250とクランププレート252との間に所定の距離を確立して維持するように、それらの間に配設することができる。場合によっては、接続部材256及び258は、例えば図6図8図10、及び図11に示されるように、互いに軸方向に同じ範囲にわたり得、及び/又は同軸であり得る。場合によっては、接続部材256は、ベース壁部分248及びクランププレート254に向かってそれぞれ配設された端部260と端部262との間に軸方向に延在することができる。クランププレート250、252、及び254は、参照番号264、266、及び268によってそれぞれ識別されるような、そこを通って延在する1つ以上の固定孔を含むことができる。加えて、ベース壁部分248は、そこを通って延在する固定孔270を含むことができる。クランププレート250、252、及び254は、固定孔264、266、及び268が少なくともほぼ同軸で互いに位置合わせされるように位置決めされ、かつ接続部材256の端部260が少なくとも孔264及び270を通って延在し、端部262が少なくとも孔266及び268を通って延在するように、固定孔270によって位置決めされる。場合によっては、端部260及び/又は262のいずれか又は両方は、1つ以上の螺旋ねじ山を含むことができる。その場合、例えばねじ山付きナットなどの固定デバイス272を端部260及び/又は端部262に動作可能に固定することができる。
【0033】
場合によっては、端壁部分244は、そこを通って軸方向に延在する1つ以上の孔274を含むことができ、それを通して、接続部材の端部がクランププレート250及びベース壁部分248の貫通孔264及び270を貫通するときに、接続部材256の端部260が延在することができる。追加的に又は代替的に、端壁部分246は、そこを通って軸方向に延在する1つ以上の孔276を含むことができ、それを通して、接続部材の端部がクランププレート252及254の貫通孔266及び268を貫通するときに、接続部材256の端部262が延在することができる。シール278は、接続部材258とクランププレート250との間に動作可能に配設されて、ブラダチャンバ242を、クランププレート250の孔264及び/又は端壁部分244の孔274から流体的に隔離することができる。追加的に又は代替的に、シール280は、接続部材258とクランププレート252との間に動作可能に配設されて、ブラダチャンバ242を、クランププレート252の孔266及び/又は端壁部分246の孔276から流体的に隔離することができる。
【0034】
本明細書に図示及び記載される例示的な配置では、ブラダ壁240の端壁部分244は、クランププレートがベース壁部分に固定されるときに端壁部分244がベース壁部分とクランププレートとの間で圧縮されるように、ベース壁部分248とクランププレート250との間に位置決めされることが認められ、認識されるであろう。同様に、ブラダ壁240の端壁部分246は、クランププレートが一緒に固定されるときに端壁部分がクランププレートの間で圧縮されるように、クランププレート252とクランププレート254との間に位置決めされる。端壁部分244及び/又は端壁部分246の所望の圧縮を生成して維持するために、硬化ブラダ組立体236は、関連する端壁部分のおよその圧縮量又は制限を確立する長さを有する1つ以上の圧縮リストリクタを含むことができる。図8図10、及び図11に示されるように、硬化ブラダ組立体236は、端壁部分244の貫通孔274内に延在して、ベース壁部分248とクランププレート250との間に位置決めされた圧縮リストリクタ282を含むことができる。追加的に又は代替的に、硬化ブラダ組立体236は、端壁部分246の貫通孔276内に延在して、クランププレート252とクランププレート254との間に配設された圧縮リストリクタ284を含むことができる。
【0035】
上で考察されたように、端壁部分244の1つ以上の部分244Pは、場合によっては、ベース壁部分248とクランププレート250との間に捕捉されて、例えば、それらと共に実質的に流体密封シールを形成すること、及び/又は端壁部分の部分244Pの横方向の(すなわち、金型軸MAXに対する横方向における)伸長及び回復を実質的に抑制することができる。追加的に又は代替的に、端壁部分246の1つ以上の部分246Pは、場合によっては、クランププレート252とクランププレート254との間に捕捉して、例えば、それらと共に実質的に流体密封シールを形成すること、及び/又は端壁部分の部分246Pの横方向の(すなわち、金型軸MAXに対する横方向における)伸長及び回復を実質的に抑制することができる。場合によっては、ベース壁部分248は、クランププレート250に向かって軸方向外向きに延在する1つ以上の突起286を含むことができる。他の場合では、クランププレート250は、ベース壁部分248に向かう方向に、そこから軸方向外向きに延在する1つ以上の突起288を含むことができる。場合によっては、突起286及び突起288はどちらも、端壁部分244の一部分がそれらの間で捕捉又は別様にクランプされるように使用して、互いにほぼ位置合わせして配設することができる。追加的に又は代替的に、クランププレート252は、場合によっては、クランププレート254に向かう方向に、そこから軸方向外向きに延在する1つ以上の突起290を含むことができる。他の場合では、クランププレート254は、クランププレート252に向かう方向に、そこから軸方向外向きに延在する1つ以上の突起292を含むことができる。場合によっては、突起290及び突起292はどちらも、端壁部分246の一部分がそれらの間で捕捉又は別様にクランプされるように使用して、互いにほぼ位置合わせして配設することができる。
【0036】
ブラダ238は、例えば内側層124、外側層126、支持構造体140、及び/又は空間156などの、構造体108の壁、壁部分、及び空間の構成及び/又は配置と協働的である、任意の好適なサイズ、形状、及び/又は構成であり得ることが認識されるであろう。ブラダ壁240はまた、縁壁部分294と、縁壁部分294から半径方向外向きにオフセットされた縁壁部分296と、を含むことができる。縁壁部分294及び296は、端壁部分244に沿ってそこから端壁部分246に向かって軸方向に延在し、かつ金型軸MAXを横断して湾曲した断面プロファイルを有する。縁壁部分294は、凸形状を有する外面部分298と、凹形状を有する内面部分300と、を含む。縁壁部分296は、凸形状を有する外面部分302と、凹形状を有する内面部分304と、を含む。内面部分300及び304は、ブラダチャンバ242を少なくとも部分的に画定する。好ましい配置では、縁壁部分294及び296は、作動中に膨張又は別様に拡張して、内側層の一部分156の端面部分158及び外側層の一部分160の端面部分162に実質的に適合する。
【0037】
ブラダ壁240は、側壁部分306と、側壁部分306から横方向に離隔された側壁部分308と、を更に含むことができる。側壁部分306及び308は、端壁部分244に沿ってそこからから端壁部分246に向かって軸方向に延在する。側壁部分306及び308はまた、縁壁部分294と縁壁部分296との間に横方向に延在し、かつ金型軸MAXを横断して湾曲した断面プロファイルを有することができる。側壁部分306は、凸形状を有する外面部分310と、ブラダチャンバ242を少なくとも部分的に画定する凹形状を有する内面部分312と、を含む。側壁部分308は、凹形状を有する外面部分314と、ブラダチャンバ242を少なくとも部分的に画定する凹形状を有する内面部分316と、を含む。このように、ブラダ238は、場合によっては、金型軸MAXを横断して三日月形状の断面構成を有することができる。
【0038】
上で考察されたように、硬化ブラダ組立体236は、例えば導管206を経由して、加圧された流体源PFS及び/又は加熱された流体源HFSなどから、加圧された流体及び/又は加熱された流体をブラダ238のブラダチャンバ242内へ導入することによって作動させる。金型組立体200、間隙硬化システム210、及び/又は硬化ブラダ組立体236は、加圧された流体及び/又は加熱された流体のブラダチャンバ242内へ及び/又はそこから移送するのを容易にするように動作可能な特徴部及び/又は構成要素の任意の組み合わせを含み得ることが認識されるであろう。非限定的な例として、硬化ブラダ組立体236は、ベース壁部分248及び/又はクランププレート250に固定された端部320から、ブラダチャンバ242内に配設された端部322まで、クランププレート252に向かって長手方向に延在する、移送チューブ318を含むことができる。移送チューブ318は、端部320に沿った導管206A及び端部322に沿ったブラダチャンバ242と流体連通するように配設されたチューブ通路326を少なくとも部分的に画定する、チューブ壁324を含むことができる。場合によっては、チューブ壁324は、その端面部分330からチューブ壁内へと延在するノッチ又は他の端部リリーフ特徴部328を含むことができ、例えば、図7において矢印FCMによって表されるように、端面部分330がクランププレート250の近くに、又はそれと当接係合して配設された場合に、ブラダチャンバ242とチューブ通路326との間の流体連通を確実にするのに好適であり得る。
【0039】
硬化ブラダ組立体236を作動状態に移行する際に、加圧された流体及び/又は加熱された流体332は、例えば導管206などを経由して、ブラダチャンバ242に移送される。流体332のブラダチャンバ内への迅速な及び/又は完全な移送を容易にするために、例えば図7の流体レベルFLVを超えるように示されている、ブラダチャンバ内に含まれる既存の流体334(例えば、空気、蒸気)は、ブラダチャンバ242から、例えば導管206Aなどを経由して、真空源VCS及び/又は別の流体移送システムと流体連通するように配設することができるチューブ通路326を通してほぼ同時に排出することができる。
【0040】
加圧された流体及び/又は加熱された流体332がブラダチャンバ242に移送されると、ブラダ238が拡張し、これにより、外面部分298、302、310、及び314が、例えば内側層124、外側層126、及び/又は支持構造体140などの、構造体108の壁及び/又は壁部分に圧力を加える。図7及び図8において破線ACTによって表されるかかる作動状態又は別様に加圧状態において、熱は、ブラダ壁240及び/又は他の熱伝導壁及び/又は金型セクション202及び/又は204の壁部分を経由して、所定の期間にわたって、少なくとも構造体108及び/又はトレッド体112の完全に硬化していないエラストマー材料内へ移送することができる。所定の硬化時間に到達して、非空気入りタイヤの完全に硬化していない材料が完全に又は別様に実質的に全体的に硬化した時点で、加圧された流体及び/又は加熱された流体の少なくともいくらかをブラダチャンバ242から取り除く又は別様に引き出すことができる。場合によっては、硬化ブラダ組立体236を停止することは、加圧された流体源PFS、加熱された流体源HFS、及び/又は真空源VCSがブラダチャンバ242内に減圧状態を生成することを含むことができ、それによって、ブラダ壁240を膨張していない又は少なくともより完全に膨張していない状態に戻すこと、及び/又は例えば図7及び図8において破線DEAによって表されるように、ブラダ壁240を収縮状態へと引き込むことを可能にし、また、非空気入りタイヤ100を装填及び/又は搬出することを容易にし得る。
【0041】
加圧された流体及び/又は加熱された流体332が、ブラダチャンバ242に移送され得ること、並びにそこからの既存の流体334、加圧された流体及び/又は加熱された流体332、及び/又はあらゆる凝縮物が、任意の好適な様式でブラダチャンバ242から移送され得ることが認識されるであろう。1つの非限定的な例として、ブラダ壁240の端壁部分244は、金型セクション202のベース壁部分248の導管206及び/又は206Aと流体連通する、そこを通って延在する1つ以上の通路336を含むことができる。かかる配置では、クランププレート250は、ブラダ壁の端壁部分の通路336との流体連通する、そこを通って延在する1つ以上の通路338を含むことができる。場合によっては、通路336及び/又は338は、ブラダチャンバ242と直接流体連通するように配置することができる。他の場合では、1つ以上の通路336及び/又は338は、チューブ通路326と流体連通するように配置することができる。このように、本開示の主題から逸脱することなく、任意の好適な構成及び/又は配置が使用され得ることが認識されるであろう。
【0042】
上で説明したように、部分244P及び/又は246Pの外部にある、又は別様にそこから離隔されたブラダ壁240の端壁部分244及び/又は246の残りの部分は、ブラダ238を作動及び停止させたときに拡張及び回復することが認識されるであろう。このように、クランププレート250及び/又はクランププレート252は、それぞれ、図8及び図10において参照番号340及び/又は342によって識別される、1つ以上のオフセット面部分を含むことができる。オフセット面部分340は、図8において参照寸法GP1によって表されるように、軸方向の空間又は間隙が端壁部分244とオフセット面部分340との間に形成されるように、端壁部分244に面してクランププレート250上に又はそれに沿って配設することができる。追加的に又は代替的に、オフセット面部分342は、図10において参照寸法GP2によって表されるように、軸方向の空間又は間隙が端壁部分246とオフセット面部分342との間に形成されるように、端壁部分246に面してクランププレート252上に又はそれに沿って配設することができる。ブラダ壁240はまた、端壁部分244及び246のうちの1つに沿って開口部344を含むことができ、それを通して、ブラダ組立体236のクランププレート250及び/又は252並びに他の構成要素をブラダチャンバ242に挿入することができる。
【0043】
図12に示される、非空気入りタイヤを製造する本開示の主題による製造方法400は、図12において参照番号402によって表されるように、例えば金型セクション202及び204のうちの1つなどの、金型軸MAXを有する金型セクションを提供することを含むことができる。方法400はまた、図12において参照番号404によって表されるように、金型軸MAXに対して半径方向にオフセットされた状態で、例えば硬化ブラダ組立体236などの1つ以上の硬化ブラダ組立体を、金型セクション上に支持することを含むことができる。好ましい配置では、複数の硬化ブラダ組立体236は、互いに対して離隔された状態で、間隙硬化システム210を少なくとも部分的に形成するように金型軸MAXの周りに配設されている。方法400は、例えば図12においてそれぞれ、参照番号406及び408によって表されるように、完全に硬化していない非空気入りタイヤ100を提供して、1つ以上の硬化ブラダ組立体と軸方向に同じ範囲にわたる配置で金型セクション上に又はそれに沿って、完全に硬化していない非空気入りタイヤを位置決めすることを更に含むことができる。方法400は、例えば図12においてそれぞれ、参照番号410及び412によって表されるように、1つ以上の硬化ブラダ組立体を作動させ、次いで、非空気入りタイヤを硬化させることを含むことができる。
【0044】
特定の特徴部、要素、構成要素、及び/又は構造に関連して本明細書で使用されるとき、序数(例えば、第1、第2、第3、第4など)は、複数の異なる単数を示す、ないしは別の方法で特定の特徴部、要素、構成要素及び/又は構造を識別するために使用されてよく、請求項の用語によって具体的に規定されない限りは、いずれの順序又はシーケンスも示唆しない。加えて、「横断」などの用語は、広く解釈されるべきである。したがって、「横断方向」などの用語は、ほぼ垂直な角度方向を含むがこれに限定されない、広範囲の相対的な角度方向を含むことができる。また、用語「周方向の」、「周方向に」などは広義に解釈されるべきであり、円形の形状及び/又は構成を含み得るが、これらに限定されない。これに関連して、用語「周方向の」、「周方向に」などは、「周縁の」、「周方向に」などの用語と同義であり得る。
【0045】
更に、「流動性材料継手」などの語句は、本明細書で使用される場合、液体又は他の流動性材料(例えば、溶融金属又は溶融金属の組み合わせ)が、隣接した構成部品の間に堆積して、又は別様に存在して、当該隣接した構成部品の間に固定された実質的に流体密封接続部を形成するように機能する、任意の継手又は接続部を含むものと解釈されたい。かかる流動性材料継手を形成するために使用することができる過程の例としては、溶接過程、ろう付け過程、及びはんだ付け過程が挙げられるが、これらに限定されない。かかる場合、構成部品自体からの任意の材料に加えて、1つ以上の金属材料及び/又は合金を使用して、かかる流動性材料継手を形成することができる。流動性材料継手を形成するために使用することができる過程の別の例としては、隣接した構成部品の間に固定された実質的に流体密封接続部を形成するように機能する接着剤を、隣接した構成部品の間に塗布すること、堆積させること、又は別様に存在させることが挙げられる。かかる場合、例えば1液型及び/又は2液型エポキシなどの、任意の好適な接着材料又は材料の組み合わせが使用され得ることが認識されるであろう。
【0046】
多数の異なる特徴部及び/又は構成要素が、本明細書に示され、記載される実施形態に提示されているが、いずれの実施形態も全てのかかる特徴部及び構成要素を含むものとして具体的に示され、記載されていないことが認識されるであろう。したがって、本開示の主題は、本明細書において示され、記載される、異なる特徴部及び構成要素のありとあらゆる組み合わせを包含することを意図しており、制限なく、任意の組み合わせで、特徴部及び構成要素の任意の好適な配置を使用することができることが理解されるべきである。したがって、特徴部及び/又は構成要素の任意のかかる組み合わせを目的とする特許請求の範囲は、本明細書に具体的に表現されているかどうかにかかわらず、本開示において根拠を見出すことを意図することが明確に理解されるべきである。本明細書に添付された特許請求の範囲を解釈する際に、特許庁及び本出願及び任意の結果として得られる特許の読者を支援するために、出願人は、「のための手段(means for)」又は「のためのステップ(step for)」という単語が特定の請求項において明示的に使用されない限り、添付の特許請求の範囲のいずれも又はいずれの請求項要素も米国特許法第112条(f)を行使することを意図しない。
【0047】
本開示の主題は前述の実施形態を参照して記載されており、開示された実施形態の構造及び構成部分同士の構造上の相互関係がかなり強調されているが、本明細書の原則から逸脱することなく、他の実施形態が作製され得ること、及び、例示及び記載された実施形態に多数の変更が行われ得ることが理解されるであろう。明らかに、前述の「発明を実施するための形態」を読み、理解すると、他についての修正及び変更を思い付くであろう。したがって、前述の説明的事項は、本開示の主題の単なる説明であり、制限ではないと解釈されるべきであることが明確に理解されるべきである。したがって、本開示の主題は、そのような修正及び変更を全て含むものとして解釈されることが意図される。
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図12