(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-24
(45)【発行日】2024-10-02
(54)【発明の名称】加香カートリッジを含むエアロゾル発生装置
(51)【国際特許分類】
A24F 40/42 20200101AFI20240925BHJP
A24F 40/20 20200101ALI20240925BHJP
A24F 40/46 20200101ALI20240925BHJP
A24F 40/40 20200101ALI20240925BHJP
【FI】
A24F40/42
A24F40/20
A24F40/46
A24F40/40
(21)【出願番号】P 2022575267
(86)(22)【出願日】2022-10-14
(86)【国際出願番号】 KR2022015562
(87)【国際公開番号】W WO2023075232
(87)【国際公開日】2023-05-04
【審査請求日】2023-02-22
(31)【優先権主張番号】10-2021-0145637
(32)【優先日】2021-10-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】519217032
【氏名又は名称】ケーティー アンド ジー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム、ドン ヒュン
(72)【発明者】
【氏名】リー、チャン グク
(72)【発明者】
【氏名】ジュン、キュン ビン
(72)【発明者】
【氏名】ソン、ホ リム
【審査官】木村 麻乃
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-509720(JP,A)
【文献】特開2021-078189(JP,A)
【文献】特開平11-089551(JP,A)
【文献】特開2020-127424(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0135506(US,A1)
【文献】欧州特許出願公開第02989912(EP,A1)
【文献】特表2018-504127(JP,A)
【文献】特開2020-031646(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00-47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生物品が収容される第1収容空間及びカートリッジが収容される第2収容空間を形成するハウジング、
前記第1収容空間よりエアロゾル発生装置の上流側に位置した第2収容空間に収容され、前記エアロゾル発生物品とは独立的に前記第1収容空間に供給されるエアロゾルを発生させるカートリッジ、及び
エアロゾル発生装置の駆動を制御する制御部を含み、
前記カートリッジは、板型基材、前記板型基材上に導入された
複数のヒーター
、前記
複数のヒーター上に導入された
複数のエアロゾル発生コーティング層、及び、それぞれのエアロゾル発生コーティング層を分離するために前記板型基材に垂直に配置された仕切りを含み、
前記仕切りは、前記エアロゾル発生コーティング層の高さよりもさらに高く設置される、
エアロゾル発生装置。
【請求項2】
前記複数のヒーターはそれぞれ独立的に駆動されるように制御部と連結されることができる回路と個別的に連結される、請求項1に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項3】
前記エアロゾル発生装置の第2収容空間において、カートリッジは、板型基材でヒーターが導入されていない面が第2収容空間の一面に近接するように配置され、板型基材でヒーターが導入された面上で第2収容空間から第1収容空間に続く流路が形成される、請求項1に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項4】
前記カートリッジは、エアロゾル発生装置と分離され交換が可能な、請求項1に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項5】
前記エアロゾル発生装置はスイッチをさらに含み、
前記スイッチは、前記複数のヒーターそれぞれの駆動に対する入力信号を発生させ、前記入力信号は制御部に伝達される、請求項2に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項6】
前記エアロゾル発生コーティング層は、エアロゾル発生物質を含む組成物を担持した多孔性基材からなる、請求項2に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項7】
前記複数のエアロゾル発生コーティング層のうち少なくとも1つは、前記組成物に添加剤を含み、
前記添加剤は、ニコチン、香料、風味剤、ビタミンまたはこれの組み合わせを含む、請求項6に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項8】
前記複数のエアロゾル発生コーティング層それぞれは、構成成分の種類及び含量において互いに異なる、請求項7に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項9】
前記複数のエアロゾル発生コーティング層のうち少なくとも1つは、大きさが異なる、請求項2に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項10】
前記カートリッジは、流路とエアロゾル発生コーティング層を分離するためにエアロゾル発生コーティング層上に配置された多孔性覆いをさらに含む、請求項2に記載のエアロゾル発生装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加香カートリッジを含むエアロゾル発生装置に関する。具体的には、ヒーター上に導入されたエアロゾル発生コーティング層を含むカートリッジを含むエアロゾル発生装置に関する。
【0002】
本出願は、2021年10月28日付の韓国特許出願第10-2021-0145637号を基礎とする優先権の利益を主張し、該当韓国特許出願の文献に開示された全ての内容を本明細書の一部として含む。
【背景技術】
【0003】
近頃、伝統的な紙巻きタバコの短所を克服する代替品に関する需要が増加している。例えば、紙巻きタバコスティックを電気的に加熱することによりエアロゾルを発生させる装置(例えば、紙巻きタバコ型電子タバコ)に関する需要が増加している。それに伴い、電気加熱式エアロゾル発生装置とそれに適用される紙巻きタバコスティック(またはエアロゾル発生物品)に対する研究が活発に進められている。
【0004】
多様な消費者の好みに合わせるために、エアロゾル発生装置とエアロゾル発生物品も多様な形態に変化しており、消費者が喫煙時に多様な香りを感じることができるように、エアロゾル発生装置またはエアロゾル発生物品に多様な香りを導入することも、このような変化の一環として該当技術分野で多様に研究されている。エアロゾル発生装置またはエアロゾル発生物品に香りを導入しても、装置または物品の規格等の問題から1つの香りを一回性で導入する場合が多く、多様な香りを同時に適用するには限界があった。
【0005】
そこで本発明者は、上述した規格等の問題を解決でき、かつ消費者の好みに応じて多様な香りを同時に適用できるエアロゾル発生装置を研究した末に本発明を完成した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】大韓民国公開特許公報第10-2019-0112162号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
交換が可能な小型のカートリッジを介して使用者の好みに応じた多様な香りを同時に具現できるエアロゾル発生装置を提供しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1側面によれば、
本発明は、エアロゾル発生物品が収容される第1収容空間及びカートリッジが収容される第2収容空間を形成するハウジング、前記第1収容空間よりエアロゾル発生装置の上流側に位置した第2収容空間に収容され、前記エアロゾル発生物品とは独立的に前記第1収容空間に供給されるエアロゾルを発生させるカートリッジ、及び
エアロゾル発生装置の駆動を制御する制御部を含むエアロゾル発生装置を提供する。
【0009】
本発明の一具体例において、前記カートリッジは、板型基材、前記板型基材上に導入されたヒーター、及び前記ヒーター上に導入されたエアロゾル発生コーティング層を含む。
【0010】
本発明の一具体例において、前記カートリッジは、複数のヒーター、及び前記複数のヒーター上に導入された複数のエアロゾル発生コーティング層を含み、前記複数のヒーターはそれぞれ独立的に駆動されるように制御部と連結されることができる回路と個別的に連結される。
【0011】
本発明の一具体例において、前記エアロゾル発生装置の第2収容空間において、カートリッジは、板型基材でヒーターが導入されていない面が第2収容空間の一面に近接するように配置され、板型基材でヒーターが導入された面上で第2収容空間から第1収容空間に続く流路が形成される。
【0012】
本発明の一具体例において、前記カートリッジは、エアロゾル発生装置と分離され交換が可能である。
【0013】
本発明の一具体例において、前記エアロゾル発生装置はスイッチをさらに含み、前記スイッチは、前記複数のヒーターそれぞれの駆動に対する入力信号を発生させ、前記入力信号は制御部に伝達される。
【0014】
本発明の一具体例において、前記エアロゾル発生コーティング層は、エアロゾル発生物質を含む組成物を担持した多孔性基材からなる。
【0015】
本発明の一具体例において、前記複数のエアロゾル発生コーティング層のうち少なくとも1つは、前記組成物に添加剤を含み、前記添加剤は、ニコチン、香料、風味剤、ビタミンまたはこれの組み合わせを含む。
【0016】
本発明の一具体例において、前記複数のエアロゾル発生コーティング層それぞれは、構成成分の種類及び含量において互いに異なる。
【0017】
本発明の一具体例において、前記複数のエアロゾル発生コーティング層のうち少なくとも1つは大きさが異なる。
【0018】
本発明の一具体例において、前記カートリッジは、それぞれのエアロゾル発生コーティング層を分離するために板型基材に垂直に配置された仕切りをさらに含む。
【0019】
本発明の一具体例において、前記カートリッジは、流路とエアロゾル発生コーティング層を分離するためにエアロゾル発生コーティング層上に配置された多孔性覆いをさらに含む。
【発明の効果】
【0020】
本発明の一具体例によるエアロゾル発生装置は、交換が可能な小型のカートリッジを介して使用者の好みに応じた多様な香りを同時に具現することができる。
【0021】
具体的には、前記カートリッジは複数のエアロゾル発生コーティング層を含むことができ、前記複数のエアロゾル発生コーティング層それぞれは、構成成分の種類及び含量だけでなく大きさ及び形態も互いに異なって製造されることができ、使用者は好みに応じてエアロゾルの香り等を調節することができる。
【0022】
本発明の一具体例によるエアロゾル発生装置は、前記カートリッジに含まれた複数のエアロゾル発生コーティング層をそれぞれ独立的に加熱することができ、喫煙中でも使用者は必要に応じてエアロゾルの香り等を変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の一具体例によりエアロゾル発生物品が適用されたエアロゾル発生装置を示した断面図である。
【
図2】本発明の一具体例により板型基材上にヒーター及び回路が導入されたカートリッジを示した斜視図である。
【
図3】本発明の一具体例により板型基材上にヒーター及び回路が導入され、前記ヒーター上にエアロゾル発生コーティング層が導入されたカートリッジを示した斜視図である。
【
図4a】本発明の一具体例により均一な大きさでエアロゾル発生コーティング層が導入されたカートリッジを示した平面図である。
【
図4b】本発明の一具体例により不均一な大きさでエアロゾル発生コーティング層が導入されたカートリッジを示した平面図である。
【
図5a】本発明の一具体例によりカートリッジが収容される前のエアロゾル発生装置を示した斜視図である。
【
図5b】本発明の一具体例によりカートリッジが収容された後のエアロゾル発生装置を示した斜視図である。
【
図6a】本発明の一具体例により仕切りを含むカートリッジを示した正面図である。
【
図6b】本発明の一具体例により仕切り及び多孔性覆いを含むカートリッジを示した正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、具体例を例示的な図面を介して詳細に説明する。各図面の構成要素に参照符号を付けるにおいて、同一の構成要素については、たとえ他の図面上に表示されても可能な限り同一の符号を持つようにしていることに留意しなければならない。また、具体例を説明するにおいて、関連する公知構成または機能についての具体的な説明が、具体例に対する理解を妨げると判断される場合には、その詳細な説明は省略する。
【0025】
また、具体例の構成要素を説明するにおいて、第1、第2、A、B、(a)、(b)等の用語を使用することができる。このような用語は、その構成要素を他の構成要素と区別するためのものであるだけで、その用語によって該当構成要素の本質や順番または順序等が限定されない。ある構成要素が他の構成要素に「連結」、「結合」または「接続」されると記載された場合、その構成要素はその他の構成要素に直接連結されるか接続されることができるが、各構成要素の間にまた他の構成要素が「連結」、「結合」または「接続」されることもできると理解されるべきものである。
【0026】
ある1つの具体例に含まれた構成要素と、共通の機能を含む構成要素は、他の具体例で同一の名称を使用して説明することとする。反対される記載がない以上、ある1つの具体例に記載した説明は、他の実施例にも適用されることができ、重複する範囲で具体的な説明は省略することとする。
【0027】
本明細書で、用語「エアロゾル発生装置」は、使用者の口を介して使用者の肺に直接的に吸入可能なエアロゾルを発生させるためにエアロゾル発生物品を適用してエアロゾルを発生させることができる装置を意味する。前記エアロゾル発生装置の例示的な構造は
図1等を参照する。本発明の一具体例によるエアロゾル発生装置は、
図1のように、カートリッジを収容しカートリッジからエアロゾルを発生させることもできる。
【0028】
本明細書で、用語「エアロゾル発生物品」は、タバコ(紙巻きタバコ)、シガー等のように、エアロゾルを発生させることができるものを意味する。前記エアロゾル発生物品は、エアロゾル形成剤及びエアロゾル形成基材のうち1つ以上を含むことができる。前記エアロゾル発生物品は、それぞれの機能性を有した数個のセグメントを含むことができる。一般的にエアロゾル発生物品は、直接火をつけて使用する燃焼式エアロゾル発生物品だけでなく、エアロゾル発生装置と共に使用される加熱式エアロゾル発生物品等があり、本発明ではエアロゾル発生装置と共に使用される加熱式エアロゾル発生物品が好ましく適用されることができる。
【0029】
本明細書で、用語「エアロゾル形成剤」は、可視的な煙(smoke)及び/またはエアロゾル(aerosol)の形成を容易にできる物質を意味する。前記エアロゾル形成剤の例としては、グリセリン(GLY)、プロピレングリコール(PG)、エチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、及びオレイルアルコールを挙げることができるが、これに限定されるものではない。該当技術分野において、エアロゾル形成剤は、保湿剤、湿潤制等のような用語だけでなくエアロゾル発生物質のような用語とも混用されて使用され得る。
【0030】
本明細書で、用語「エアロゾル形成基材」は、エアロゾル(aerosol)を形成できる物質を意味する。前記エアロゾルは、揮発性化合物を含み得る。前記エアロゾル形成基材は、固体または液状であり得る。
【0031】
例えば、固体のエアロゾル形成基材は、板状葉タバコ、刻みタバコ、再構成タバコ等のタバコ原料を元とする固体物質を含むことができ、液状のエアロゾル形成基材は、ニコチン、タバコ抽出物及び/または多様な香味剤を元とする液状組成物を含むことができる。しかし、必ずしもこれに限定されるものではない。前記エアロゾル形成基材は、可視的な煙及び/またはエアロゾルを安定的に形成するためにエアロゾル形成剤をさらに含むこともできる。
【0032】
本明細書で、用語「上流」及び「下流」は、使用者がエアロゾル発生物品を使用して空気を吸引する方向を基準として、エアロゾル発生物品を構成するセグメントの相対的な位置を示すために使用された用語である。エアロゾル発生物品は、上流端部(すなわち、空気が入ってくる部分)及びこれに対向する下流端部(すなわち、空気が出る部分)を含む。エアロゾル発生物品の使用時、使用者はエアロゾル発生物品の下流端部をくわえることができる。下流端部は上流端部の下流に位置し、一方用語「端部」はまた「末端」と記述されることができる。該当方向を基準として、エアロゾル発生物品が適用されたエアロゾル発生装置でも各構成の相対的な位置を示すことができる。
【0033】
本明細書で、用語「パフ」(puff)は、使用者の吸入(inhalation)を意味し、吸入とは使用者の口や鼻を介して使用者の口腔内、鼻腔内または肺に引き込む状況を意味する。
【0034】
本明細書で、用語「長さ方向」(longitudinal direction)は、エアロゾル発生物品の長さ方向軸に相応する方向を意味する。
【0035】
本発明は、エアロゾル発生装置に関するものであり、交換が可能な小型のカートリッジを介して使用者の好みに応じた多様な香りを同時に具現できるエアロゾル発生装置を提供する。本明細書では、エアロゾル発生装置についての理解を助けるために、例示的なエアロゾル発生装置の断面を概略的に示した
図1を提供する。本発明の一具体例によれば、前記エアロゾル発生装置10は、ハウジング、カートリッジ11及び制御部12を含む。また、前記エアロゾル発生装置10は、ハウジングの収容空間に収容されたエアロゾル発生物品20を加熱するためのヒーター部13をさらに含むことができる。追加的に、前記エアロゾル発生装置10は、バッテリー11をさらに含むことができ、前記構成の他にも該当技術分野の通常の技術者の立場で汎用的な構成要素をさらに含むことができる。例えば、エアロゾル発生装置10は、使用者から命令等の入力を受けるための入力モジュール(例えば、ボタン、タッチ可能なディスプレイ等)や、装置の状態、喫煙情報等のような情報を出力するための出力モジュール(例えば、LED、ディスプレイ、振動モータ等)をさらに含むこともできる。以下では、エアロゾル発生装置10の各構成要素について具体的に説明する。
【0036】
前記ハウジングは、エアロゾル発生装置10の外観を形成する。前記エアロゾル発生装置10の外観を形成するとき、エアロゾル発生物品20を収容できる第1収容空間と、カートリッジ11を収容できる第2収容空間を形成する。前記第2収容空間は、第1収容空間よりエアロゾル発生装置の上流側に位置することができる。前記第2収容空間に収容されたカートリッジ11を介して発生するエアロゾルを第1収容空間に移動させるために、第1収容空間と第2収容空間の間は流路で連結される。本発明の一具体例によるエアロゾル発生装置を示した
図1では、前記第2収容空間と流路は破線で示される。前記流路は、
図1でのように、カートリッジ11を介して発生するエアロゾルがエアロゾル発生物品20内を通過できるように配置されることができる。前記ハウジングは、内部の構成要素を保護できる素材で具現されることが好ましい。
【0037】
前記カートリッジ11は、ハウジングにより形成された第2収容空間に収容される。前記カートリッジ11はエアロゾル発生物質を含んでいて、エアロゾル発生物品20とは独立的にエアロゾルを発生させることができる。前記カートリッジ11で発生したエアロゾルは、エアロゾル発生物品20が収容された第1収容空間に伝達されることができ、前記エアロゾル発生物品20で発生したエアロゾルと共に使用者が吸入することができる。
【0038】
本明細書ではカートリッジ11についての理解を助けるために、例示的なカートリッジ11を概略的に示した
図2及び
図3を提供する。本発明の一具体例によれば、前記カートリッジ11は、板型基材、板型基材上に導入されたヒーター11B、及び前記ヒーター上に導入されたエアロゾル発生コーティング層11Cを含む。前記カートリッジ11は板形状を有することにより、ヒーター11B及びエアロゾル発生コーティング層11Cを適用できる十分な面積を確保することができ、厚さも最小化することができて、エアロゾル発生装置10の小型化に寄与する。例えば、前記エアロゾル発生装置10の垂直断面が楕円形である場合、前記カートリッジは楕円の長軸と平行に並んで適用することにより、適用面積を最大限に活用することができる。
【0039】
本発明の一具体例によれば、前記カートリッジ11は、複数のヒーター11B、及び前記複数のヒーター上に導入された複数のエアロゾル発生コーティング層11Cを含み、前記複数のヒーターは、それぞれ独立的に駆動されるように制御部12と連結されることができる回路11Aと個別的に連結される。前記ヒーター11Bが駆動してエアロゾル発生コーティング層11Cを加熱させてエアロゾルを発生させるが、個別的に連結された回路11Aを介して前記ヒーター11Bを独立的に駆動が可能であるので、使用者の好みに合わせて多様な成分のエアロゾルを発生させることができる。例えば、使用者が1回の喫煙時にパフごとに異なる香りがするようにエアロゾル発生装置10を駆動できるだけでなく、互いに異なる2以上の香りが組み合わされるようにエアロゾル発生装置10を駆動することができる。
【0040】
本発明の一具体例によれば、前記エアロゾル発生装置10の第2収容空間において、カートリッジ11は、板型基材でヒーターが導入されていない面が第2収容空間の一面に近接するように配置される。前記配置により板型基材でヒーターが導入された面の上段に空気またはエアロゾル等の流体が移動できる流路を確保することができ、前記流路は第1収容空間まで続くことができる。ここで、近接するように配置されるというのは、カートリッジ11が収容空間に収容時に他面よりは収容空間の対向する一面に近く位置するということを意味し、収容空間の対向する一面に接することもできるが、交換の容易性を考慮して一般的に完全に接しないように収容される。
【0041】
本発明の一具体例によれば、前記カートリッジ11は、エアロゾル発生装置10と分離され交換が可能である。前記カートリッジ11は、エアロゾル発生物品20と同じくヒーター11Bの加熱によりヒーターに導入された物質が全て消尽した場合、それ以上機能性を有するのは難しいので、カートリッジ11を交換する必要がある。前記カートリッジ11内には複数のエアロゾル発生コーティング層11Cが存在するので、使用者の使用方式によって全て消尽したエアロゾル発生コーティング層11Cが発生する時期が異なり得て、1つのエアロゾル発生コーティング層11Cが全て消尽しても、他のエアロゾル発生コーティング層11Cが消尽した後にカートリッジ11を交換することができ、使用者によってカートリッジ11の交換時期は異なり得る。本発明の一具体例によれば、前記エアロゾル発生コーティング層11Cは、喫煙時に継続的にヒーターを駆動しても5つ以上のエアロゾル発生物品を吸煙することができる程度の量がカートリッジ11に含まれる。
【0042】
本発明の一具体例によれば、前記エアロゾル発生装置10は、カートリッジ11のヒーターを使用者が操作できるスイッチをさらに含む。前記スイッチは、カートリッジ11における複数のヒーターそれぞれの駆動に対する入力信号を発生させ、前記入力信号は制御部に伝達されてヒーターを駆動する。前記カートリッジ11が複数のヒーターを含む場合、使用者の選択により1つのヒーターだけでなく2つ以上のヒーターが同時に駆動されることができる。使用者は、特定のヒーターが特定の香りのエアロゾルを発生させるということを予め認知することにより、使用者は自分の好みに応じて自由にエアロゾルの香りを調節することができる。
【0043】
前記エアロゾル発生コーティング層11Cは、ヒーター11Bと同一の形の開口を有したフレームの開口にエアロゾル発生物質等を含む組成液を落とした後に乾燥させて製造する。本明細書では、前記組成液が乾燥した状態を組成物と表現する。前記組成液は、乾燥時に溶媒等が蒸発してコーティング層としての形態を維持することができるが、コーティング層がより容易に組成物を含有するために多孔性基材を含むことができる。本発明の一具体例によれば、前記エアロゾル発生コーティング層11Cは、エアロゾル発生物質を含む組成物を担持した多孔性基材からなる。ここで、担持とは多孔性基材の空隙が組成物を含んでいる状態を意味する。前記エアロゾル発生コーティング層は、基本的にエアロゾル発生物質を含むことにより、これとともに添加された物質をエアロゾル形態に移動させることができる。
【0044】
前記エアロゾル発生物質は、該当技術分野で一般的に使用されるエアロゾルの形成を容易にできる物質であれば制限なしに使用されることができる。前記エアロゾル発生物質は、例えば、グリセリン、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、オレイルアルコール、またはこれの組み合わせであり得る。前記多孔性基材は、該当技術分野でエアロゾル発生物質等を含む組成物を効果的に担持できる物質であれば制限なしに使用されることができる。前記多孔性基材は、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンテレフタルレート(PET)、ポリ乳酸(PLA)、セルロースアセテート(CA)、またはこれの組み合わせであり得る。
【0045】
前記エアロゾル発生コーティング層11Cは、組成物に添加剤を含むことができる。前記添加剤は、使用者の好みを考慮して、該当技術分野で適用され得る多様な物質が使用されることができる。前記添加剤は、例えば、ニコチン、香料、風味剤、ビタミン、またはこれの組み合わせであり得る。前記ニコチンは、基本的にエアロゾル発生物品20により供給されるが、エアロゾル発生物品20には既にニコチンの含量が固定されている。したがって、特定エアロゾル発生物品を適用する場合、ニコチンの含量を調節することは難しいが、カートリッジ11でニコチンを含むエアロゾル発生コーティング層11Cが存在する場合、エアロゾル発生物品のニコチン含量を超過してその含量を調節することができる。
【0046】
前記香料は、エアロゾルに香りを付加できる物質であり、該当技術分野で適用できる多様な物質が使用されることができる。例えば、前記香料は、メンソール、ペパーミント、スペアミントオイル、各種果物の香り成分等を含むことができるが、これに制限されない。前記風味剤は、香料のように直接的な香りを付加しないながらも既存成分の風味を上げることができる物質であり、該当技術分野で適用できる多様な物質が使用されることができる。例えば、前記風味剤は、ピルビン酸、安息香酸等を含むことができるが、これに制限されない。前記ビタミンは、エアロゾルに栄養成分としてビタミンを付加するもので、例えば、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC、ビタミンE等を含むことができるが、これに制限されない。
【0047】
本発明の一具体例によれば、前記複数のエアロゾル発生コーティング層11Cそれぞれは、構成成分の種類及び含量において互いに異なることができる。したがって、使用者は、基本的にエアロゾル発生コーティング層の個数だけ多様な香りのエアロゾルを吸入できるだけでなく、2つ以上のヒーター11Bを同時に駆動する場合に発生させることができるエアロゾルは、はるかに多様であり得る。
【0048】
前記エアロゾル発生コーティング層11Cは、多様な大きさと形態で製造されることができる。前記エアロゾル発生コーティング層11Cは、下部に位置したヒーターと同一の大きさで製造され、本明細書では、エアロゾル発生コーティング層11Cとヒーター11Bが接した面積がエアロゾル発生コーティング層11Cの大きさを意味する。前記カートリッジ11が複数のエアロゾル発生コーティング層11Cを含む場合、それぞれのエアロゾル発生コーティング層11Cが必ずしも同一の大きさを有する必要はない。本明細書では、カートリッジ11のエアロゾル発生コーティング層11Cの大きさ、形態、配置等についての理解を助けるために、例示的なカートリッジ11を概略的に示した
図4a及び
図4bを提供する。
図4aのように、それぞれのエアロゾル発生コーティング層11Cは均一に同一の大きさで製造されて規則的に配置されることができ、
図4bのように、一部のエアロゾル発生コーティング層11Cは不均一に異なる大きさで製造されて不規則に配置されることもできる。
図4a及び
図4bでは、曲線からなる円または楕円の形態を例示しているが、三角形、四角形、五角形等の多角形でも製造されることができ、カートリッジ11でエアロゾル発生コーティング層11Cが効率的に配置されることができれば、その形態は特に制限されない。
【0049】
本発明の一具体例によれば、前記複数のエアロゾル発生コーティング層11Cのうち少なくとも1つは大きさが異なることができる。例示的に、使用者の需要を考慮してカートリッジ11でメインとなる成分を含むエアロゾル発生コーティング層をより大きく製造することができる。他の例示として、各エアロゾル発生コーティング層の均衡的な消耗を考慮してヒーターにより早く消耗するエアロゾル発生コーティング層をより大きく製造することができる。添加剤に比べエアロゾル発生物質は加熱によりエアロゾルを容易に形成できるので、エアロゾル発生物質が多量含有されたエアロゾル発生コーティング層をより大きく製造することができる。前記エアロゾル発生コーティング層の大きさが大きい場合、ヒーターとエアロゾル発生コーティング層が接する面積が大きいので、ヒーターの駆動時、他のエアロゾル発生コーティング層より多量のエアロゾルが発生し得る。これを考慮して、各エアロゾル発生コーティング層で同一か類似の程度のエアロゾルの量が発生できるように、ヒーターの加熱温度はエアロゾル発生コーティング層の大きさに応じて調節されることができる。
【0050】
前記エアロゾル発生装置10で、カートリッジ11は外部からエアロゾル発生装置10に導入されることもでき、カートリッジ11のエアロゾル発生コーティング層11Cが消尽した場合には分離して交換されることができる。本明細書では、外部からのカートリッジ11の導入についての理解を助けるために、例示的なカートリッジ11とエアロゾル発生装置10の位置関係を概略的に示した
図5a及び
図5bを提供する。
図5aで示されたように、前記エアロゾル発生装置10でカートリッジ11を収容するための第2収容空間は、エアロゾル発生装置10の一側端部に位置し、外部のカートリッジ11がエアロゾル発生装置10の長さ方向と水平な方向に移動することにより、エアロゾル発生装置10の第2収容空間に収容されることができる。
【0051】
前記第2収容空間にカートリッジ11が収容された後、カートリッジ11のエアロゾル発生コーティング層11Cで発生するエアロゾルは、前記カートリッジ11の上部に位置した流路でのエアロゾル発生装置10の長さ方向と水平的な流れにより第1収容空間に移動することができる。このような水平的な流れにエアロゾル発生コーティング層11Cがそのまま露出する場合、ヒーター11Bが加熱されないエアロゾル発生コーティング層からも成分が流出することがあり得、エアロゾルに使用者が意図しながった香りが混合し得る。このような問題点を解決するために、カートリッジ11は、板型基材に垂直に配置された仕切り11Dをさらに含むことができる。本明細書では、仕切り11Dが適用されたカートリッジ11についての理解を助けるために、例示的なカートリッジ11を概略的に示した
図6aを提供する。前記仕切り11Dによりそれぞれのエアロゾル発生コーティング層11Cは空間的に分離されることができる。前記仕切り11Dは機能性を確保するために、
図6aのように、エアロゾル発生コーティング層11Cの高さよりさらに高く設置されることができる。本発明の一具体例によれば、前記仕切り11Dは板型基材と同一の素材からなることができる。
【0052】
前記仕切り11Dと同様に、エアロゾルに使用者が意図しなかった香りが混合する問題点を解決するために、カートリッジ11は、エアロゾル発生コーティング層上に配置された多孔性覆い11Eをさらに含むことができる。本明細書では、多孔性覆い11Eが適用されたカートリッジ11についての理解を助けるために、例示的なカートリッジ11を概略的に示した
図6bを提供する。
図6bでのように、前記多孔性覆い11Eは、仕切り11Dとともに適用されることもできるが、仕切り11Dが導入されない状態でも単独で適用されて機能性を確保することができる。前記多孔性覆い11Eは、流路とエアロゾル発生コーティング層を分離できるように配置されれば十分であり、必ずしもエアロゾル発生コーティング層と接して位置する必要はない。前記多孔性覆い11Eは、エアロゾル発生コーティング層11Cで発生したエアロゾルが、エアロゾル発生装置10の長さ方向と垂直な方向に移動して流路に合流すること妨げす、かつ流路での流体の流れがエアロゾル発生コーティング層11Cに当たらないようにすることができる。上述した機能性を有するならば、多孔性覆い11Eの素材や形態は特に制限されない。前記多孔性覆い11Eは、エアロゾル発生コーティング層11Cに含まれた多孔性基材と同一または類似の素材からなることもできるが、素材に関係なく多数の開口を有するメッシュを介しても上述した機能性を確保することができる。
【0053】
前記エアロゾル発生装置10は、カートリッジ11に含まれたヒーターとは別個に、ハウジングの第1収容空間に収容されたエアロゾル発生物品20を加熱するためのヒーター13をさらに含むことができる。前記エアロゾル発生物品20がエアロゾル発生装置10の収容空間内に収容されると、ヒーター13は、バッテリー11から供給された電力によりエアロゾル発生物品20を加熱することができる。
【0054】
前記カートリッジ11内のヒーター11Bとともに、ハウジング内のヒーター13は多様な形態及び/または方式で構成されることができる。
【0055】
前記ヒーター13は、例えば電気抵抗性の加熱要素を含むように構成されることができる。たとえば、前記ヒーター13は、電気絶縁性の基質(例えば、ポリイミド(polyimide)で形成された基質)及び電気導電性トラック(track)を含み、電気伝導性トラックに電流が流れるに伴って発熱する加熱要素を含むことができる。しかし、これに制限されるものではなく、加熱要素は希望温度まで加熱され得るものであれば制限なしに該当することができる。ここで、希望温度は、エアロゾル発生装置10に既に設定(例えば、温度プロファイルが予め保存されている場合)されていることもでき、使用者により望む温度に設定されることもできる。
【0056】
前記ヒーター13は、他の例として、誘導加熱方式で動作する加熱要素を含むように構成されることができる。具体的には、前記ヒーター13は、エアロゾル発生物品20を誘導加熱方式で加熱するためのインダクタ(inductor;例えば、誘導コイル)とインダクタにより誘導加熱されるサセプタ(susceptor)を含むことができる。前記サセプタは、エアロゾル発生物品20の内部または外部に位置することができる。
【0057】
前記ヒーター部13は、他の例として、エアロゾル発生物品20を内部で加熱する加熱要素(以下、「内部加熱要素」と略す)、外部で加熱する加熱要素(以下、「外部加熱要素」と略す)またはこれらの組み合わせを含むように構成されることができる。前記内部加熱要素は、例えば、管型、針型または棒型等の形態からなり、エアロゾル発生物品20の少なくとも一部を貫通するように配置されることができる。前記外部加熱要素は、板型、円筒形等の形態からなり、エアロゾル発生物品20の少なくとも一部は囲む形態で配置されることができる。ただし、本開示の範囲がこれに限定されるものではなく、加熱要素の形状、個数、配置形態等は多様に設計されることができる。
【0058】
前記バッテリーは、エアロゾル発生装置10が動作するのに用いられる電力を供給する。前記バッテリーは、例えば、ヒーター11B及び13がエアロゾル発生物品20を加熱できるように電力を供給することができ、制御部12が動作するのに必要な電力を供給することができる。また、前記バッテリーは、エアロゾル発生装置10に設置されたディスプレイ、センサ、モータ等の電気的構成要素が動作するのに必要な電力を供給することができる。
【0059】
前記制御部12は、エアロゾル発生装置10の駆動を全般的に制御することができる。前記制御部12は、例えば、ヒーター11B及び13及びバッテリーの駆動を制御することができ、エアロゾル発生装置10に含まれた他の構成要素の駆動も制御することができる。前記制御部12は、バッテリーが供給する電力を制御することができ、ヒーター11B及び13の加熱温度等も制御することができる。上述したように、前記ヒーター11Bが複数のヒーターで構成される場合、前記制御部12は、それぞれのヒーター11Bの温度を個別的に調節するように制御することができる。また、前記制御部12は、エアロゾル発生装置10の構成それぞれの状態を確認して、エアロゾル発生装置10が駆動可能な状態か否かを判断することもできる。
【0060】
前記制御部12は、少なくとも1つの制御部(processor)により具現されることができる。前記制御部は、多数の論理ゲートのアレイで具現されることもでき、汎用的なマイクロ制御部と、そのマイクロ制御部で実行できるプログラムが保存されたメモリの組み合わせで具現されることもできる。また、該当技術分野で通常の技術者であれば、制御部12が異なる形態のハードウェアでも具現され得ることを自明に理解することができる。
【0061】
前記エアロゾル発生装置10に適用されるエアロゾル発生物品20は、一般的な燃焼型紙巻きタバコと類似の構造を有することができる。前記エアロゾル発生物品20は、例えば、タバコ物質(またはエアロゾル形成基材)を含む第1部分(例えば、タバコロッド)とフィルタ等を含む第2部分(例えば、フィルタロッド)に区分されることができる。前記エアロゾル発生装置10の内部には第1部分の全体が挿入され、第2部分は外部に露出することができる。または、前記エアロゾル発生装置10の内部に第1部分の一部だけが挿入されることもでき、第1部分の全体及び第2部分の一部が挿入されることもできる。使用者は、第2部分を口でくわえた状態で喫煙を行うことができる。エアロゾル発生装置10に適用される例示的なエアロゾル発生物品20の構造は、
図1を参照することができる。
【0062】
本発明の一具体例によれば、前記第1部分は、第1エアロゾル発生部21及び第2エアロゾル発生部22を含む。前記第1エアロゾル発生部21は、エアロゾル発生物品20で最も上流に位置して、エアロゾル発生物品の上流端部側から入ってくる空気は一番先に第1エアロゾル発生部を通る。前記第2エアロゾル発生部22は第1エアロゾル発生部21の一側に配置され、第2エアロゾル発生部が配置されない他側は、自然とエアロゾル発生物品20の上流端部となる。
【0063】
前記第1エアロゾル発生部21は、セルロースアセテート等のような多孔性基材を含み、前記第2エアロゾル発生部22は、刻みタバコを含み、前記第1エアロゾル発生部21と第2エアロゾル発生部22は構成的に差別化される。前記刻みタバコは、タバコシート(または板状葉シート)を細かく切断することで生成されることができる。前記第1エアロゾル発生部21における多孔性基材と、第2エアロゾル発生部22における刻みタバコは、全てエアロゾル発生用組成物を含浸しており、加熱等の手段によりエアロゾルを発生させることができる。前記第2エアロゾル発生部22は、第1エアロゾル発生部21と異なりニコチン移行を主目的とするので、エアロゾル発生組成物を多量に含むよりはニコチン含量を高めて、第1エアロゾル発生部21で発生したエアロゾルに十分な量のニコチンが移行できるようにすることが重要である。このような機能性を考慮して、第2エアロゾル発生部22に使用できる板状葉シートは、製紙式工法による製紙式板状葉シートよりは、スラリー式工法によるスラリー式板状葉シートが好ましく使用されることができる。前記スラリー式板状葉シートを使用する際、ニコチンの含量を高めるためにタバコの処理、取扱及び配送中に形成されたタバコ粉、タバコ微粉及びその他微粒子タバコ副産物のうち1つ以上が添加されることができる。
【0064】
前記エアロゾル発生物品20で第1部分は、刻みタバコでないタバコ顆粒を含むことができる。この場合、前記エアロゾル発生物品20は、第1フィルタセグメント、第2フィルタセグメント及び、キャビティセグメントを含むことができる。前記キャビティセグメントは、第1フィルタセグメント及び第2フィルタセグメントにより形成される。前記第1フィルタセグメント、第2フィルタセグメント及びキャビティセグメントは、上述した第1部分(またはタバコロッド)に含まれる構成であり、前記第1部分が加熱されることによりニコチンのようなタバコ成分(または喫味成分)を供給することができる。前記第1部分におけるタバコ成分と関連しては、キャビティセグメントに顆粒形態のタバコ物質であるタバコ顆粒が充填されることができる。前記第1フィルタセグメント及び第2フィルタセグメントは、基本的にフィルタとしての機能性を有しもするが、キャビティセグメントにタバコ顆粒が充填される場合、タバコ顆粒が流出せず、保有され得る区画を指定する機能性を有しもする。第1フィルタセグメント、第2フィルタセグメント及びキャビティセグメントを含む第1部分は、ラッパーでラッピングされることができる。
【0065】
本発明の一具体例によるエアロゾル発生物品20は、第1フィルタ部23及び第2フィルタ部24をさらに含むことができる。前記第1フィルタ部23は、第2エアロゾル発生部22の一側(下流側)に配置され、前記第2フィルタ部24は第1フィルタ23の一側(下流側)に配置される。前記エアロゾル発生物品20が、
図1のように、第1エアロゾル発生部21、第2エアロゾル発生部22、第1フィルタ部23及び第2フィルタ部24で構成される場合、後述するエアロゾル発生装置10が、第1エアロゾル発生部21及び第2エアロゾル発生部22の少なくとも一部を加熱してエアロゾルを生成し、生成されたエアロゾルは第1フィルタ部23及び第2フィルタ部24を順に通過して使用者に伝達されることができる。
【0066】
本発明によるエアロゾル発生装置10に適用されるエアロゾル発生物品20は、該当技術分野で加熱式エアロゾル発生物品として使用されるものであれば、特に制限されない。前記エアロゾル発生装置10でヒーターは、エアロゾル発生物品20におけるエアロゾル発生部を効果的に加熱することができるように適切な形態に変形され適用されることができる。
【0067】
以上のとおり、具体例が限定された具体例と図面により説明されはしたが、該当技術分野で通常の知識を有する者であれば、前記の記載から多様な修正及び変形が可能である。例えば、説明された技術が説明された方法と異なる順序で行われたり、及び/または説明されたシステム、構造、装置、回路等の構成要素が説明された方法と異なる形態で結合または組み合わされたり、他の構成要素または均等物により対置されたり置換されても、適切な結果が達成されることができる。
【符号の説明】
【0068】
10:エアロゾル発生装置
11:カートリッジ
11A:回路
11B:(カートリッジ内)ヒーター
11C:エアロゾル発生コーティング層
11D:仕切り
11E:多孔性覆い
12:制御部
13:(ハウジング内)ヒーター
20:エアロゾル発生物品
21:第1エアロゾル発生部
22:第2エアロゾル発生部
23:第1フィルタ部
24:第2フィルタ部