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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-24
(45)【発行日】2024-10-02
(54)【発明の名称】振動アクチュエーター及び振動呈示装置
(51)【国際特許分類】
   B06B 1/04 20060101AFI20240925BHJP
【FI】
B06B1/04 S
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020164000
(22)【出願日】2020-09-29
(65)【公開番号】P2022056149
(43)【公開日】2022-04-08
【審査請求日】2023-09-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000114215
【氏名又は名称】ミネベアミツミ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高橋 勇樹
(72)【発明者】
【氏名】坂口 和隆
(72)【発明者】
【氏名】石谷 智也
【審査官】北川 大地
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-022355(JP,A)
【文献】特開2020-069447(JP,A)
【文献】特開2016-152685(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B06B 1/04
H02K 33/02
H02K 33/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状の可動体を固定体に対し振動方向で移動自在に前記振動方向の両側から弾性支持し、前記可動体を振動させて、接続された振動呈示部に振動を付与する振動アクチュエーターであって、
前記固定体は、非磁性体からなる面状のベース部、及び、コイルが巻回されたコアを備え、前記コイルへの通電により前記コアの一部が磁気吸引力発生する磁極として機能し
前記板状の可動体は、前記振動呈示部に接続可能な接続部、及び、前記コイルへの通電前記磁極により吸引される磁性材料からなる吸引部を備え、前記吸引部が前記磁極に対して前記ベース部の面に沿う前記振動方向でエアギャップを介して近接するように、前記ベース部上に配置される、
振動アクチュエーター。
【請求項2】
前記ベース部は開口部を有し、
前記コアは、前記ベース部に前記ベース部の底面側から固定され、
前記開口部内には、前記コイル及び前記磁極が配置されるとともに、前記吸引部が移動自在に配置されている、
請求項1に記載の振動アクチュエーター。
【請求項3】
前記可動体は、前記接続部を有する板状の可動体本体を有し、
前記吸引部は、前記可動体本体に固定され、且つ、前記磁極に対向する面を有する面状部材を含む、
請求項1または2に記載の振動アクチュエーター。
【請求項4】
前記可動体は、前記接続部を有する磁性体の板金からなる可動体本体を有し、
前記吸引部は、前記磁極に対向するように前記可動体本体の一部を屈曲して構成されている、
請求項1または2に記載の振動アクチュエーター。
【請求項5】
前記可動体には、前記振動呈示部からの荷重を検出する荷重センサが設けられている、
請求項1から4のいずれか一項に記載の振動アクチュエーター。
【請求項6】
前記荷重センサは、ひずみ検出センサである、
請求項5に記載の振動アクチュエーター。
【請求項7】
前記コアは、C型コアである、
請求項1から6のいずれか一項に記載の振動アクチュエーター。
【請求項8】
前記コアは、E型コアである、
請求項1から6のいずれか一項に記載の振動アクチュエーター。
【請求項9】
前記磁極は、C型コアにおける2箇所の先端、又は、E型コアにおける3箇所の先端であり、
前記コアは、前記2箇所の先端の端面又は前記3箇所の先端の端面が、平面視で、前記吸引部の平坦面に沿う一直線状となるように、配置される、
請求項7または8に記載の振動アクチュエーター。
【請求項10】
請求項1からのいずれか一項に記載の前記振動アクチュエーターを実装したタッチパネルを有する、
振動呈示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、振動アクチュエーター及びこれを備える振動呈示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、感知パネルであるタッチパネルの操作の際に、タッチパネルに表示された表示画面に接触した操作者の指腹等に対して、接触操作感(接触して操作する感覚)として振動アクチュエーターにより振動を付与する構成が知られている(特許文献1及び特許文献2参照)。
【0003】
特許文献1には、タッチパネルの裏面に、振動伝達部を介して振動アクチュエーターが取り付けられた携帯端末装置が開示されている。この振動アクチュエーターでは、振動伝達部に固定されるハウジング内に、タッチパネルに対して垂直な方向に延在するガイドシャフトが設けられ、可動体は、ガイドシャフトの延在方向に沿って往復移動可能に配置されている。この振動アクチュエーターでは、タッチパネルへの操作に対応して可動子をハウジングに衝突させることで、振動伝達部を介してタッチパネルに接触する指腹に振動を付与する。
【0004】
また、特許文献2では、タッチパネルへの操作に対応して振動を付与する振動呈示装置が開示されている。この振動呈示装置では、振動を呈示する振動部である振動パネルと振動パネルを支持する筐体との間に、振動を発生させるボイスコイルモータと、振動パネルと配置されて所定の力で圧縮される支持部と、振動部の振動に制動作用を付与するダンパと、支持部及びダンパに圧縮力を付与するばねと、が並行して介設されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2015-070729号公報
【文献】特開2016-163854号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上述したようなタッチパネルに接触した操作者の指腹等に対して接触操作感を付与する構造では、近年、小型化とともに、操作機器の用途や使用状況に応じた接触操作感となる振動を表現することが望まれている。これにより、接触操作感となる触感フィードバックとして、強いフィードバックを安定して発生しつつ、装置自体の低コスト化及び装置の薄型化が望まれている。
【0007】
本発明の目的は、低コスト化及び薄型化を図ることができるとともに、接触して操作する操作者への触感フィードバックに好適な振動を安定して効率良く出力できる振動アクチュエーター及び振動呈示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の振動アクチュエーターは、
板状の可動体を固定体に対し振動方向で移動自在に前記振動方向の両側から弾性支持し、前記可動体を振動させて、接続された振動呈示部に振動を付与する振動アクチュエーターであって、
前記固定体は、非磁性体からなる面状のベース部、及び、コイルが巻回されたコアを備え、前記コイルへの通電により前記コアの一部が磁気吸引力発生する磁極として機能し
前記板状の可動体は、前記振動呈示部に接続可能な接続部、及び、前記コイルへの通電前記磁極により吸引される磁性材料からなる吸引部を備え、前記吸引部が前記磁極に対して前記ベース部の面に沿う前記振動方向でエアギャップを介して近接するように、前記ベース部上に配置される構成を採る。
【0009】
本発明の振動呈示装置は、上記構成の振動アクチュエーターを実装したタッチパネルを有する構成を採る。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、低コスト化及び薄型化を図ることができるとともに、接触して操作する操作者への触感フィードバックに好適な振動を効率良く出力できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施の形態1に係る振動アクチュエーターの外観斜視図である。
図2】本発明の実施の形態1に係る振動アクチュエーターの平面図である。
図3】本発明の実施の形態1に係る振動アクチュエーターの正面図である。
図4】本発明の実施の形態1に係る振動アクチュエーターの背面図である。
図5】本発明の実施の形態1に係る振動アクチュエーターの右側面である。
図6】本発明の実施の形態1に係る振動アクチュエーターの分解斜視図である。
図7】弾性支持部を有する弾性支持部による支持構造を示すアクチュエーター本体の斜視図である。
図8】弾性支持部の斜視図である。
図9】コア組立体の一例を示す斜視図である。
図10図4のA-A線断面図である。
図11】本発明の実施の形態1に係る振動アクチュエーターの磁気回路構成を示す図である。
図12】コア組立体の変形例を示す斜視図である。
図13】コア組立体の変形例を適用した振動アクチュエーターの磁気回路構成を示す図である。
図14】本発明の実施の形態2に係る振動アクチュエーターの外観斜視図である。
図15】本発明の実施の形態2に係る振動アクチュエーターの分解斜視図である。
図16】本発明の実施の形態2に係る振動アクチュエーターの要部構成を示すアクチュエーター本体の斜視図である。
図17】本発明の実施の形態2に係る振動アクチュエーターの要部構成を示すアクチュエーター本体のコア組立体の断面図である。
図18】アクチュエーター本体のベース部の斜視図である。
図19】アクチュエーター本体の可動体本体の斜視図である。
図20】本発明の実施の形態3に係る振動アクチュエーターの要部構成を示すアクチュエーター本体の斜視図である。
図21】本発明の実施の形態3に係る振動アクチュエーターの要部構成を示すアクチュエーター本体のコア組立体の断面図である。
図22】アクチュエーター本体の可動体本体の斜視図である。
図23】本発明の実施の形態4に係る振動アクチュエーターの外観斜視図である。
図24】本発明の実施の形態4に係る振動アクチュエーターの要部構成を示すアクチュエーター本体の斜視図である。
図25】本発明の実施の形態4に係る振動アクチュエーターの弾性支持部の斜視図である。
図26】本発明の実施の形態5に係る振動アクチュエーターの外観斜視図である。
図27】本発明の実施の形態5に係る振動アクチュエーターの要部構成を示すアクチュエーター本体の斜視図である。
図28】アクチュエーター本体の可動体本体の斜視図である。
図29】同アクチュエーター本体の駆動回路の一例を示す図である。
図30】歪み検出体の配線を示す図である。
図31】振動アクチュエーターを有する振動呈示装置を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0013】
本実施の形態では、直交座標系(X,Y,Z)を使用して説明する。後述する図においても共通の直交座標系(X,Y,Z)で示している。以下において、振動アクチュエーター10の奥行き、幅、高さ、は、それぞれ、X方向、Y方向、Z方向の長さとし、便宜上、特に、X方向(X方向プラスともいう)を先端側(一端側)とし、-X方向(X方向マイナスともいう)を基端側(他端側)とし、X方向及び-X方向を前後方向と称して説明する。
【0014】
振動アクチュエーター10は、例えば、振動呈示装置200(図31参照)に用いられ、プラスマイナスX方向に往復移動することにより、振動呈示部に触れた指等に触れた際の触覚となる振動としてプラスマイナスX方向の振動を付与する。
振動呈示部は、操作者が接触操作する操作機器等であり、例えば、タッチパネルである。振動呈示装置200では、操作者の操作機器への接触操作に対応して、操作機器に振動を付与する。つまり、操作機器を介して、操作機器を接触して操作する操作者に接触操作感(「触感」「力覚」ともいう)を付与する。
【0015】
(実施の形態1)
<振動アクチュエーター10の全体構成>
図1図6は、それぞれ、本発明の実施の形態1に係る振動アクチュエーターの外観斜視図、平面図、正面図、背面図、右側面及び分解斜視図である。
【0016】
振動アクチュエーター10は、扁平板状(カード状)の振動アクチュエーターであり、Z方向を厚み方向とすると、厚み方向と直交する方向で可動体を移動させることにより振動する。振動アクチュエーター10は、例えば、振動呈示部としてのタッチパネルに取り付ける場合、タッチパネルの裏面側に対向するように配置して、タッチパネル側からの押圧に応じて振動し、その振動を、タッチパネル側に触感フィードバックとして伝達する。
【0017】
振動アクチュエーター10は、アクチュエーター本体Aと、荷重検出モジュールKと、を有する。荷重検出モジュールKは、起歪部材80と、起歪部材80に設けられる歪み検出体70と、を有する。
【0018】
振動アクチュエーター10は、例えば、タッチパネル等の振動呈示部を有する装置(図31に示す振動呈示装置200等)に設けられる。この場合では、タッチパネルが押圧操作された際の起歪部材80の歪みを歪み検出体70で検出する。振動アクチュエーター10は、この歪み検出体70の検出結果に応じて振動し、タッチパネルに振動を付与する。これより、タッチパネルを操作した際に、タッチパネルを介して操作者に触感を付与する、つまり、触感フィードバックを実現する。
【0019】
<アクチュエーター本体A>
図7は、弾性支持部を有する弾性支持部による支持構造を示すアクチュエーター本体Aの斜視図であり、図8は、弾性支持部の拡大図である。
【0020】
図1図7に示すアクチュエーター本体Aは、本実施の形態では、例えば、制御部となるマイコン220とともに振動呈示装置(図31に示す電子機器)200に実装されて、操作機器の一例であるタッチパネルである触覚呈示部(振動呈示部)210の振動発生源として機能する。
【0021】
アクチュエーター本体Aは、コア24にコイル22(22-1、22-2)が巻回されてなるコア組立体20及びベース部32を有する固定体30と、磁性体の可動体本体42を有する可動体40と、弾性支持部50(51、52)と、を有する。
【0022】
アクチュエーター本体Aは、弾性支持部50で移動可能に支持される可動体40を一方向(例えば、X方向或いは-X方向)に駆動させる。この一方向とは、板状の振動アクチュエーター10の厚み方向と直交する方向の一つの向きである。
【0023】
アクチュエーター本体Aは、付勢力を発生する部材(弾性支持部50)の付勢力に抗して可動体40を一方向に移動させ、一方向に移動した可動体40を、付勢力より、一方向とは反対の方向に移動させる。これを繰り返すことにより、アクチュエーター本体Aは、可動体40を一方向で直線往復移動(振動)させる電磁駆動の電磁アクチュエーターとして機能する。
【0024】
アクチュエーター本体Aは、コア組立体20により、可動体40の可動体本体42を振動させる。具体的には、通電されるコイル22および通電されるコイル22により励磁されるコア24の吸引力と、弾性支持部50(51、52)による付勢力とにより、可動体40を振動させる。
【0025】
アクチュエーター本体Aは、扁平形状に構成されており、可動体40を、固定体30に対して、厚み方向としたZ方向と直交するX方向を振動方向として、振動させている。
【0026】
本実施の形態では、アクチュエーター本体Aは、歪み検出部としての歪み検出センサ74a~74dにより、押圧操作される触覚呈示部(タッチパネル)の変位を、起歪部材80の歪みとして検出し、この検出した歪みに対応して可動体40を可動して振動する。
【0027】
<固定体30>
固定体30では、固定体本体となる板状のベース部32にコア組立体20が固定されるとともに、可動体40に連結され、固定体30に対して、可動体40を振動方向に移動自在に支持する弾性支持部50(51、52)が固定されている。
【0028】
ベース部32は、扁平形状の部材であり、アクチュエーター本体Aの底面、言い換えると、振動アクチュエーター10の底面を形成する。
ベース部32には、開口部34が設けられ、開口部34内にコイル22-1、22-2が位置するように、ベース部32に、ねじ等の止着部材26を介してコア組立体20が固定されている。
【0029】
ベース部32には、コア組立体20を挟むように、ベース先端部30aとベース基端部30bに、弾性支持部50(51、52)の一端部50b、50bがそれぞれ固定されるばね接続部36(図6参照)が設けられている。
【0030】
ベース部32では、ベース先端部30aのばね接続部36と、コア組立体20の吸引力発生部との間隔と、ベース基端部30bのばね接続部36と吸引力発生部との間隔とが略同じとなるように形成されている。可動体本体42の前後方向(振動方向)において、ばね接続部36、36間の中央部に、吸引部45は配置される。吸引部45が、可動体本体42の前後方向(振動方向)において、ばね接続部36、36間の中央部に位置することとは、可動体本体42の前後方向(振動方向)における弾性支持部51、52間の中央、或いは中央近傍の位置を意味する。また、可動体本体42の前後方向(振動方向)における弾性支持部51、52間の中央、或いは中央近傍の位置とは、可動体本体42の前後方向(振動方向)における弾性支持部51、52の弾性変形部50c間、可動体側固定部50a間の中央、或いは中央近傍の位置であってもよい。
【0031】
吸引部45は、磁気吸引力発生部のコア24の磁極201a、201bに対して前後方向(振動方向)で、エアギャップAGを介して近接し、且つ、弾性支持部51、52より支持される可動体40の振動方向の中央部(中央或いは中央近傍)に配置されている。例えば、吸引部45は、図5に示すように、振動方向(X方向、-X方向)において、一方の弾性支持部51、52からの長さM1が、弾性支持部51、52間の長さMの1/2M或いは1/2M近傍となる位置に配置されている。また、弾性支持部51、52間の長さMは、弾性変形部50c間の長さ、可動体40において弾性支持部51、52で支持される部位(50b)間の長さであってもよい。
【0032】
また、ベース先端部30a、ベース基端部30bには、ベース部32を、基台部側(図示省略に固定するための固定孔38が設けられている。固定孔38はベース部32の四隅にそれぞれ設けれ、ベース部を基台部(図示省略)に確実に固定する。
【0033】
ベース部32は、例えば、板金を加工して、長手方向であるX方向を振動方向とし、この方向で離間する一辺部と他辺部を、ベース先端部30aとベース基端部30bとした矩形板状に形成されている。
【0034】
開口部34は、コア組立体20の形状に対応した形状である。開口部34は、幅方向(Y方向)に長い長方形状に形成され、コア組立体20の吸引力発生部を、ベース部32の中央部で、かつ、可動体の吸引部45に対して、振動方向(X方向)で離間して対向するように配置している。なお、開口部34は、内部に、コア組立体20のコイル22が配置され、吸引力発生部を吸引部45に対して振動方向で対向する構成であれば、どのように構成されてもよい。
【0035】
開口部34内には、コア組立体20のコイル22が、ベース部32の下面(可動体40と対向する面である上面とは逆側の面)側から固定されている。これにより、ベース部32上にコア組立体20が取り付けられる構成と比較して、振動アクチュエーター全体のZ方向の長さ(厚み)が薄くなっている。また、コア組立体20は、その一部、ここでは底面側の一部が開口部34内に嵌まり込んだ状態で、止着部材26としたねじにより固定されている。これにより、コア組立体20は、ベース部32に対して、ベース部32から外れにくい状態で強固に固定される。
【0036】
コア組立体20は、コイル22に通電されると、弾性支持部50(51、52)と吸引部45との協働により、可動体40の可動体本体42を振動(X方向に往復直線移動)する。
【0037】
図9は、コア組立体の一例を示す斜視図である。
図9に示すように、本実施の形態のコア組立体20は、U字状に形成された扁平のコア24において、互いに並行な辺部のそれぞれに、扁平のコイル22-1、22-2を外装して形成されている。
【0038】
コイル22(22-1、22-2)は、アクチュエーター本体Aの駆動時に通電されて、磁界を発生するソレノイドとして機能する。コイル22は、コア24、可動体40の吸引部45とともに、可動体40を吸い寄せて移動させる磁気回路(磁路)を構成する。
なお、コイル22には、基板23(アクチュエータードライバ230に相当)を介して、外部電源から電力供給される。例えば、アクチュエータードライバー230を介してマイコン220(図31参照)から駆動電流がアクチュエーター本体Aに供給されることでコイル22に電力を供給してアクチュエーター本体Aを駆動する。
【0039】
コア24において、U字状の両端部は、コイル22を通電することにより励磁される磁極201a、201bであり、磁気吸引力発生部を構成する。磁極201a、201bは、ベース先端部30aとベース基端部30bのばね接続部36間の中間位置で、Y方向で直線状に並ぶように配置されている。
【0040】
また、磁極201a、201bは、X方向でギャップGをあけて、可動体40の吸引部45と対向して配置されている。磁極201a、201bは、それぞれ面状であることが好ましい。すなわち、コイル22の巻回軸は、前後方向、つまり、振動方向に向けて配置されており、ベース部32の先端部(「ベース先端部」とも称する)30a側から基端部30b側に、両磁極201a、201bが向くように固定されている。
【0041】
コア24は、軟磁性材料等からなる磁性体であり、例えば、ケイ素鋼板、パーマロイ、フェライト等により形成される。また、コア24は、電磁ステンレス、焼結材、MIM(メタルインジェクションモールド)材、積層鋼板、電気亜鉛メッキ鋼板(SECC)等により構成されてもよい。
【0042】
磁極201a、201bは、コイル22への通電により励磁されて、振動方向(X方向)で離間する可動体40の吸引部45を吸引し、移動させる。具体的には、磁極201a、201bは、発生する磁束により、吸引力発生部して機能し、ギャップGを介して対向配置された可動体40の吸引部45を吸引する。なお、ギャップGは、吸引力発生部と吸引部45のX方向で開く間隔であり、可動体40の可動領域を決定する間隔である。
【0043】
コア24は、コイル22の通電により磁化して、吸引力発生部となる磁極201a、201bと吸引部45とにより、吸引部45をX方向に移動させる磁気回路を構成するものであればどのように構成されてもよい。
【0044】
<可動体40>
可動体40は、ベース部32と重なるように、アクチュエーター本体Aの厚み方向に、厚み方向と直交する方向である振動方向、例えば、X方向に移動自在に配置される。
可動体40は、板状の可動体本体42と、可動体本体42に設けられ、磁極201a、201bに対向配置される吸引部45とを有する。
【0045】
可動体40は、振動方向で離間する弾性支持部50(51、52)を介して、ベース部32に対して振動方向(X方向)に移動可能に、吊られた状態で配置されている。
【0046】
可動体本体42は、電磁ステンレス、焼結材、MIM(メタルインジェクションモールド)材、積層鋼板、電気亜鉛メッキ鋼板(SECC)等の磁性体から構成される板状体であり、例えば、SECC板を加工して形成される。
【0047】
可動体本体42は、ベース部32のコア組立体20に対応して形成された開口部44を有する。開口部44内に、コイル22-1、22-2を内部に配置して、振動アクチュエーター全体としての厚みを薄くしている。すなわち、可動体本体42は開口部44を有する構成にすることより、開口部44が無い場合と比較して、アクチュエーター本体A、ひいては振動アクチュエーター10全体の厚みを薄くできる。また、開口部44内に、コア組立体20のコイル22を位置させるため、コイル22近傍に可動体本体42が配置されることがなく、コイル22から漏れる漏えい磁束による変換効率の低下を抑制でき、高出力を図ることができる。
【0048】
可動体本体42は、例えば、タッチパネル等の操作機器に取り付けるために、起歪部材80に固定される。
【0049】
可動体本体42は、開口部44を囲むように矩形枠板状に形成されている。
可動体本体42は、起歪部材80の一部に固定されている。可動体本体42は、本実施の形態では、移動規制部90のストッパ受け部92と、ストッパピン94との嵌合(本実施の形態では、螺合)により、可動体本体42は起歪部材80の一部に固定されている(図10参照)。
【0050】
具体的には、図6及び図10に示すように、移動規制部90は、固定体30と可動体40との間において、固定体30のベース部32に対して可動体本体42が、厚み方向(Z方向)、幅方向(Y方向)、或いは前後方向(X方向)への相対移動範囲を規制するものである。ここでは、前後方向の移動の規制は、ベース部32の貫通孔321の内径D1と、貫通孔321内に配置される可動体側部分(ここではストッパ受け部92)の外径との間の隙間により規定される。
【0051】
ストッパ受け部92は、ベース部32の貫通孔に挿入される筒状の挿入部92aと、挿入部92aの一端側に設けられたフランジ部92bとを有する。具体的には、ストッパ受け部92は、ねじ受け部であり、挿入部92aの内周面には雌ねじ部が設けられている。
【0052】
ストッパ受け部92は、ベース部32の下面側から、挿入部92aを挿入する。このとき、フランジ部92bは、ベース部32の下面と係合して、ストッパ受け部92がベース部32の上面側に抜けることを防止する。
【0053】
ストッパ受け部92には、起歪部材80側から挿入されたストッパピン94が挿入され固定されている。これらストッパ受け部92とストッパピン94とで抜け止め部を構成する。
【0054】
ストッパピン94は、起歪部材80の上面で係合するフランジ部94aと、フランジ部94aと連続するピン軸94bと、を有する。
ストッパピン94のピン軸94bは、起歪部材80の上面側から起歪部材80の貫通孔に挿入され、ワッシャ96を介して、可動体本体42も挿通している。ストッパピン94は、本実施の形態では、ねじ受けであるストッパ受け部92に螺合するねじであり、ピン軸94bの外周には、挿入部92aの雌ねじ部と螺合する雄ねじ部が設けられている。
【0055】
ピン軸94bをストッパ受け部92の挿入部92aに嵌合する、つまり、螺合することにより、挿入部92aの先端と、ストッパピン94のフランジ部94aとにより、ピン軸94bが挿通する起歪部材80と可動体本体42とがワッシャ96を介して挟持される。これにより、起歪部材80と可動体本体42とは移動規制部90により、ベース部32に対して、X方向、Z方向に所定範囲内で一体に相対移動するように規制する。
【0056】
可動体本体42は、起歪部材80の枠状部82に移動規制部90を介して一体的に固定されている。また、可動体本体42は、先端部40a及び基端部40bのそれぞれにおいて、弾性支持部50(51、52)と接合している。
【0057】
吸引部45は、コア組立体20において磁化された磁極201a、201bに吸引されるものであり、磁極201a、201bに対して振動方向で、対向するように配置されている。本実施の形態では、吸引部45は、可動体本体42の一部を垂下するように屈曲して形成されている。吸引部45は、磁性体の面状部材であり、コア組立体20とともに磁気回路を構成する。
【0058】
<弾性支持部50(51、52)>
弾性支持部50(51、52)は、固定体30に対して可動体40を可動自在に支持する。弾性支持部50(51、52)は、可動体40を、固定体30のベース部32上で吊るした状態で、ベース部32と可動体本体42とが重なる方向と直交する方向(厚み方向と直交する方向)のX方向に移動自在に支持する。なお、弾性支持部51、52は、可動体40の中心に対して点対称の形状を有し、本実施の形態では、同様に形成された部材である。図8は弾性支持部51を示す。
【0059】
弾性支持部50は、可動体本体42を、ベース部32に対して、吸引部45が固定体30のコア24の磁極201a、201bに対してギャップGを空けて対向するように、配置される。
【0060】
弾性支持部50は、板バネ(バネ板材)である。可動体本体42に固定される他端部50aと、ベース部32に固定される一端部50bと、一端部50bと他端部50aとを連結する弾性変形部50cとを有する。一端部50bと他端部50aとは、Y方向で離間するように配置されており、弾性変形部50cは、厚み方向をX方向として、Y方向、つまり振動方向と厚み方向の双方に直交する方向に延在するように配置されている。弾性変形部50cはその厚みを振動方向と同じ方向にしており、Y方向の長さでたわみ長を確保している。
【0061】
これにより弾性支持部50は、幅方向(Y方向)に沿って弾性変形部50cの長さを適宜設定して、両端の一端部50bと他端部50aとでベース部32と可動体本体42とを連結することができる。
【0062】
また、弾性変形部50cが、可動体40の先端部40a側と基端部40b側のそれぞれで、板厚方向をX方向、延在方向をY方向として固定されている。弾性支持部50は、実際に変形する弾性変形部50cの延在方向の設置スペースを、幅方向(Y方向)の長さ分だけ確保すればよい。これにより、弾性支持部50自体を小さくして、コスト低減と組立性の向上を図ることができ、振動アクチュエーター10においてばね定数を小さくしたい場合でも、容易に対応できる。
【0063】
尚、弾性変形部50cは、基本、可動体40を、固定体30に対して、厚み方向としたZ方向と直交するX方向を振動方向として、振動させるように変形するが、弾性変形部50cがベース部32に固定される一端部50bと可動体本体42に固定される他端部50aとを連結し、Y方向で離間するように配置することで、弾性変形部50cのX方向振動の共振点近傍にZ方向振動の共振点を配置することが容易となり、弾性変形部50cは、可動体40を、固定体30に対して、X方向とZ方向の両方を振動方向として振動するように変形させることが可能となる。
【0064】
図11は、本発明の実施の形態1に係る振動アクチュエーター10の磁気回路構成を示す図である。磁気回路は、図示しない部分も図示された部分と同様の磁束の流れJを有する。
【0065】
具体的には、コイル22を通電すると、コア24が励磁されて磁場が発生し、コア24の両端部が磁極201a、201b、つまり、磁気吸引力発生部となる。例えば、図11では、コア24において、磁極201aがN極となり、磁極201bがS極となっている。すると、コア組立体20と可動体本体42との間には、磁束の流れJで示す磁気回路が形成される。この磁気回路における磁束の流れJは、磁極201aから磁極201aに対向する可動体本体42の吸引部45に流れ、可動体本体42の吸引部45を通り、吸引部45において磁極201bに対向する部位から磁極201bに流れてコア24内に至る。
【0066】
これにより、電磁ソレノイドの原理により、コア組立体20の磁極201a、201bは、可動体本体42の吸引部45を吸着する吸引力(推力)Fを発生し、可動体本体42の吸引部45は、コア組立体20の磁極201a、201bの双方で引き寄せられる。可動体本体42を含む可動体40は、弾性支持部50の付勢力に抗して、吸引力Fの方向に移動する。
【0067】
また、コイル22への通電を解除すると、磁界は消滅し、コア組立体20による可動体40の吸引力Fは無くなり、弾性支持部50の付勢力により、元の位置の方向に移動(-F方向に移動)する。
【0068】
これを繰り返すことで、アクチュエーター本体Aでは、可動体40が往復移動して振動方向(X方向)の振動を発生することができる。
【0069】
なお、可動体40の変位量の範囲は、例えば、操作機器であるタッチパネルの画面において、操作者が押圧した表示に対応する振動を付与できる範囲であることが好ましい。例えば、タッチパネルの画面において操作者の押圧対象となる表示が、機械式のボタン或いは各種スイッチである場合、これら機械式のボタン或いは各種スイッチを実際に押圧した際と同じ触感を付与できる振幅の範囲である。この範囲は、可動体40の振幅の変位が小さいと触感が不十分となったり、また、大きいと不快に感じたりすることに基づいて設定され、例えば、変位量は、0.03mm~0.3mmの範囲等としてもよい。
【0070】
アクチュエーター本体Aでは、コア組立体20の磁極201a、201bに、可動体本体42の吸引部45を近接した位置で、面で対向して配置することで、磁気回路効率を上げ、高出力を図ることができる。また、アクチュエーター本体Aでは、マグネットを用いずに駆動でき、低コストの構造となる。
【0071】
複数の弾性支持部50(51、52)において帯状の弾性変形部50cを、厚み方向を振動方向に向けて配置して可動体40を支持しているため、振動方向は可動領域を確保するだけでよく、コンパクトなアクチュエーターとなっている。
【0072】
コイル22が巻回されるコア24を有するコア組立体20が、固定体30のベース部32の開口部34内にコイル22が位置するように固定され、可動体40に対しては、ベース部32に重なるように配置される可動体本体42の開口部44内に配置されている。
【0073】
これにより、磁気を発生してX方向に可動体を駆動させるために固定体30及び可動体40のそれぞれに設ける部材をZ方向で重ねて配置(例えば、コイルとマグネットをZ方向で対向して配置)して形成する必要がないので、電磁アクチュエーターとしてのアクチュエーター本体AのZ方向の厚みを薄くできる。また、マグネットを用いることなく、可動体40を往復直線移動させることで、操作機器に、触覚フィーリングとしての振動を付与できる。このように、支持構造が単純であるため設計がシンプルになり、省スペース化を図ることができ、アクチュエーター本体Aの薄型化を図ることができる。
【0074】
以下に、アクチュエーター本体Aの駆動原理について簡単に説明する。アクチュエーター本体A、つまり、振動アクチュエーター10は、下記の運動方程式および回路方程式を用いてパルスを用いて共振現象を発生させて駆動することもできる。なお、動作としては共振駆動ではなく、操作機器としてのタッチパネルに表示される機械式スイッチの操作感を表現するものであり、アクチュエータードライバー230(図31参照)等を介して複数の電流パルスを入力することにより駆動する。
【0075】
なお、アクチュエーター本体Aにおける可動体40は、式(1)、(2)に基づいて往復運動を行う。
【0076】
【数1】
【0077】
【数2】
【0078】
すなわち、アクチュエーター本体Aにおける質量m[Kg]、変位x(t)[m]、推力定数K[N/A]、電流i(t)[A]、ばね定数Ksp[N/m]、減衰係数D[N/(m/s)]等は、式(1)を満たす範囲内で適宜変更できる。また、電圧e(t)[V]、抵抗R[Ω]、インダクタンスL[H]、逆起電力定数K[V/(rad/s)]は、式(2)を満たす範囲内で適宜変更できる。
【0079】
このように、アクチュエーター本体Aと、可動体40の質量mと、弾性支持部50としての金属ばね(弾性体、本実施の形態では板ばね)のばね定数Kspにより決まる。
【0080】
<荷重検出モジュールK>
図1図4及び図6を参照して荷重検出モジュールKについて説明する。
荷重検出モジュールKは、アクチュエーター本体Aの可動体40と、振動を付与する振動呈示部(例えば、タッチパネル)との間に介在し、可動体40とタッチパネルとに固定される。
【0081】
荷重検出モジュールKは、タッチパネルの押圧操作時に応じて起歪部材80で発生した歪みを歪み検出体70で検出する。検出した歪みは制御部(例えば図31に示すマイコン)に出力され、制御部は歪みに応じてアクチュエーター本体Aを駆動して振動を発生させる。
【0082】
<起歪部材80>
起歪部材80は、可動体40の可動体本体42に固定される枠状部82と、開口部84と、タッチパネル等の振動提示部に固定される呈示部用接続部86とを有する。
【0083】
起歪部材80は、振動提示部での押圧操作により外力が加わることで歪みを発生する起歪体として機能する。起歪部材80は、本実施の形態では、板金を加工することにより、矩形枠状の板状に形成されている。この形状は、面状である振動提示部に固定された際に、振動提示部において押圧操作される部位を振動提示部の裏面側で囲むように配置される形状である。
【0084】
起歪部材80では、平板矩形枠状の枠状部82の4隅から長手方向に延在して接続腕部85が長手方向に延びるように設けられている。起歪部材80は、接続腕部85の基端部が接続される枠状部82の部位にそれぞれ歪み検出センサ74a~74dが配置されている。
【0085】
接続腕部85には、呈示部用接続部86が設けられ、この呈示部用接続部86を介して起歪部材80は、振動呈示部に固定される。このように、起歪部材80は、接続腕部85の呈示部用接続部86を介して振動呈示部に固定され、枠状部82が可動体40の可動体本体42に固定されるため、起歪体としての機能は主に、接続腕部85で発揮する。
【0086】
<歪み検出体70>
歪み検出体70は、起歪部材80に一体的に設けられ、アクチュエーター本体Aを駆動させるために、起歪体としての起歪部材80に掛かる荷重により発生する歪みを検出する歪み検出部を有する。
【0087】
歪み検出体70は、例えば、歪み検出部としての歪み検出センサ74a~74dを複数実装し、複数の歪み検出センサ74a~74dを電気的に接続する回路が実装された基板72である。尚、基板72は、フレキシブルプリント基板(以下、FPC(Flexible printed circuits)と称することもある)等で構成されてもよい。
【0088】
歪み検出センサ(荷重センサ)74は、振動提示部が操作された際に、可動体40とともに変位する起歪部材80の押し込み量を振動提示部の押し込み量として検知する。
【0089】
歪み検出センサ74a~74dは、可動体本体42とともに、ベース部32側に押し込まれた際の弾性支持部50の変形に伴う起歪部材80の歪みを検出する。検出した歪みは、制御部等に出力されて、この歪みに対応した可動体40の移動量となるように、コイル22が通電され、可動体本体42を吸引して移動させる。
【0090】
例えば、図31に示す振動呈示装置において、マイコンなどの制御部が、歪み検出センサ74により検出される歪みを用いて、振動提示部の移動量を判定して、接触に対する振動フィードバックを実現する構成が考えられる。なお、制御部は、他に操作機器への操作者の接触が検出するセンサを用いて、実際の操作機器の移動量に対応した移動量で、弾性支持部50に対する押し込み量を検出するようにし、この検出結果を用いて、より自然な感触の表現を実現できるようにしてもよい。
【0091】
また、歪み検出センサ74a~74dを用いて、操作者の接触操作、つまり、可動体40の押し込み量を検出するセンサの検出結果に基づいて、制御部の電流パルス供給部による駆動電流パルスを供給した際の可動体40(操作機器である振動提示部も含めてもよい)の振動周期を調整してもよい。また、歪み検出センサ74とは別に、振動提示部において検知した操作者の接触位置の表示形態に連動して、その表示形態に対応する振動を発生するように、制御部に操作状態を示す操作信号を出力し、それに応じて制御部が制御するようにしてもよい。
【0092】
歪み検出体70は、起歪部材80において主に接続腕部85を起歪体とし、その歪みを検出し、検出した歪みを制御部に出力する。
【0093】
歪み検出体70は、具体的には、起歪部材80の枠状部82上に、枠状部82の四隅に渡って配置されたステープル状(U字状)に形成された基板72を有する。すなわち、基板72は、振動方向(X方向)である長手方向に延びる長手部の両側から長手部に対して垂直に短手部が幅方向(Y方向)に延出するように設けられ、これら長手部及び短手部によりU字状に形成されている。
【0094】
歪み検出体70では、歪み検出センサ74a~74dは、可動体本体42が固定される枠状部82と、振動呈示部に固定される呈示部用接続部86との間、つまり起歪体として機能する接続腕部85上に実装される。これにより、歪み検出体70は、起歪部材80の接続腕部85においてそれぞれ歪みを検出する。
【0095】
歪み検出体70は、可動体40に固定される起歪部材80に設けられるので、検出センサ74a~74dは、可動体40に配置された状態と同様の状態であり、操作時に荷重のかかる振動提示部直近での検出ができ、安定した検出が可能となり、スイッチの感触のようなリアルな触感表現をすぐに行うことができる。
【0096】
歪み検出センサ74a~74dは、荷重検出モジュールKにおいて、一か所に設けてもよいが複数個所に設けることが好ましい。振動アクチュエーター10が振動呈示部に取り付けられる場合、振動呈示部の操作面の中心に対して放射状に等間隔を空けて囲むように、少なくとも3か所以上に設けることが好ましい。これにより、振動アクチュエーター10は、押圧操作される振動提示部の変位を、面で受けて精度よく検出することができる。
【0097】
本実施の形態では、歪み検出センサ74a~74dは、振動呈示部との固定箇所である呈示部用接続部86の近傍の4か所に設けられ、振動呈示部の押圧操作領域の中心を囲む枠状の角部部分の歪みを検出する。よって、振動提示部のように、振動呈示部として矩形状のタッチパネルディスプレイを用いた場合、このディスプレイに荷重検出モジュールKを介してアクチュエーター本体Aをバランスよく取り付けることができる。これにより、起歪部材80の歪方向を面直方向に安定して一致させることができる。
【0098】
図30は、歪み検出体70の配線を示す図である。
基板72上に実装される歪み検出センサ74a~74dは、起歪部材80上に配置されて、それぞれ同一平面上に位置する。
【0099】
歪み検出センサ74a~74dは、それぞれ複数の歪ゲージ部(R-A1~R-A4、R-B1~R-B4、R-C1~R-C4、R-D1~R-D4)を有し、フルブリッジ結線の歪み検出センサである。
【0100】
歪み検出センサ74a~74dは、基板72において、それぞれが並列で電源電圧Vcc、GNDに接続され互いに並列結線され、荷重が掛かることで変化する電気抵抗値の変化量を出力するように接続されている。これにより各歪み検出センサ74a~74dからの出力が平均化され、安定した挙動となる。また、出力値は各歪み検出センサ74a~74d毎で温度が概ね均一化し、温度安定性の向上を図ることができる。
【0101】
また、アクチュエーター本体Aでは、ベース部32と弾性支持部50との固定、及び、弾性支持部50と可動体40との固定には、止着部材としてのねじ53が用いられている。本実施の形態では、ねじ53とナット54により固定される。これにより、可動体40が駆動するために、固定体30及び可動体40に対して強固に固定する必要がある弾性支持部50を、つけ直し等を可能とした状態で機械的に強固に固定することができる。
【0102】
振動アクチュエーター10は、可動体本体42、ひいては起歪部材80と、ベース部32との間に、起歪部材80側に飛び出すことを防止する移動規制部90としてのストッパが配置されている。これにより、ベース部32に対する可動体本体42の、厚み方向(Z方向)、幅方向(Y方向)、或いは前後方向(X方向)への移動範囲が規制される。
【0103】
なお、本実施の形態では、コア組立体20をU字状のものとして説明したが、これに限らず、例えば、図12に示すように、E型のコア24AAを用いたコア組立体20AAとしてもよい。図12は、コア組立体の変形例としてのコア組立体20AAを示す斜視図であり、図13は、コア組立体20AAを適用した振動アクチュエーターの磁気回路構成を示す図である。
【0104】
図12及び図13に示すコア組立体20AAは、E型のコア24AAにおいて平行な3つの辺部のそれぞれにコイル22A(22A-1、22A-2、22A-3)を巻回して構成されている。これにより、磁気吸引力を増加でき、他のコア組立体を用いることなく低コストで高出力な振動アクチュエーターを実現できる。なお、コア組立体20AAは以下の実施の形態2~5の振動アクチュエーターにおけるコア組立体として適用してもよいことは勿論である。
【0105】
<効果>
本実施の形態の振動アクチュエーター10によれば、磁気吸引力発生部に吸引される吸引部45が、振動方向の前後の弾性支持部51、52の中央部に配置されているので、弾性材による保持機構の中心或いは中心近傍で吸引することができ、振動の伝達先である振動呈示部に加わる力が、バランスよく加わり、安定した振動を実現できる。よって、磁気回路効率が良く、高出力化を図ることができ、更にマグネットを使用しないため、低コスト化及び薄型化を図ることができるとともに、接触して操作する操作者への触感フィードバックに好適な振動を効率良く出力できる。これにより、低コスト化、薄型化及び高出力化のデバイスが要求されるタッチパネルの触感フィードバック構造に好適に安定して適用できる。
【0106】
また、振動アクチュエーター10では、図5に示すように、振動アクチュエーター10の厚み方向で、吸引部45よりも基端部側の領域にスペースを形成することができる。これにより、一層の薄型化を実現することができる。さらに、振動アクチュエーター10を組み込む装置においてその配置の自由度及びその装置における他部品の設置スペースの自由度を向上させることができる。
【0107】
また、振動アクチュエーター10によれば、吸引部45は、可動体本体42の一部を垂下するように屈曲して形成されている。これにより、吸引力発生部とともに構成する磁気回路を、複雑な部品で構成する必要がなく、低コスト化を図ることができる。また、可動体本体42及び吸引部45を板金で構成することにより、板金板厚により磁気飽和を抑制できるため、高出力な振動を実現できる。
【0108】
また、本実施の形態によれば、可動体本体42は、ベース部32に対し、移動規制部90を介して、互いの離間方向(厚み方向つまりZ方向)への移動が規制され、弾性支持部51、52の損傷を防止できる。
【0109】
具体的には、ストッパ受け部92とストッパピン94とで抜け止め部を構成し、ベース部32から可動体本体42が抜けることを防止する。これにより、互いの間のクリアランスの調整がしやすく、省スペースな移動規制部90を実現し、面方向にも移動規制をさせることが可能となる。
【0110】
(実施の形態2)
図14は、本発明の実施の形態2に係る振動アクチュエーターの外観斜視図であり、図15は、本発明の実施の形態2に係る振動アクチュエーターの分解斜視図であり、図16は、本発明の実施の形態2に係る振動アクチュエーターの要部構成を示すアクチュエーター本体の斜視図である。図17は、本発明の実施の形態2に係る振動アクチュエーターの要部構成を示すアクチュエーター本体のコア組立体の断面図である。
【0111】
実施の形態2の振動アクチュエーター10Aは、振動アクチュエーター10と比較して、弾性支持部350の構成と、吸引部45Aの構成のみ異なり、その他の構成機能は同様である。よって、同様の構成については振動アクチュエーター10における符号にAを付して、同様の図を用いて説明を省略する。
【0112】
振動アクチュエーター10Aは、振動アクチュエーター10の構成において、弾性支持部を固定体30側に一体に設けた点、具体的には、ベース部32Aと弾性支持部350とを一体にし、且つ吸引部45Aを可動体本体42Aと別体にした点で異なる。
すなわち、アクチュエーター本体A1は、アクチュエーター本体Aと同様の基本的構成を有する薄板状のアクチュエーターとして機能する。
【0113】
振動アクチュエーター10Aは、アクチュエーター本体A1と、荷重検出モジュールK1と、を有する。荷重検出モジュールK1は、荷重検出モジュールKと同様に、可動体40Aに一部が設けられる起歪部材80Aと、起歪部材80Aに設けられる歪み検出体70Aと、を有する。尚、本実施の形態での可動体40Aと起歪部材80Aとの固定は、ねじ94とナット54により行われる。起歪部材80Aは、可動体本体42Aと、呈示部側接続部86Aとの間に歪みを発生させ、その歪みは歪み検出体70Aにより検出される。
【0114】
図14図17に示すように、振動アクチュエーター10Aは、ベース部32A、コア組立体20Aを有する固定体30Aと、振動呈示部に接続される呈示部用接続部86A及び磁性材料からなる吸引部45Aを有する可動体40Aとを有する。コア組立体20Aは、コア組立体20と同様に、コイル22Aとコイル22Aが巻回されるコア24Aとにより構成される(図9参照)が、ここでは、コイル22Aは、ボビン25に巻回され、コア24A(コア24と同様)には、ボビン25を介して外装されている。
【0115】
図18は、アクチュエーター本体A1のベース部32Aの斜視図である。
固定体30Aは、矩形板状(カード状)のベース部32Aを有し、ベース部32Aには、コア組立体20Aが固定された際に、コイル22Aが内部に配置される開口部34Aが設けられている。
【0116】
図19は、アクチュエーター本体の可動体本体の斜視図である。
図16図19に示すように、可動体40Aは、ベース部32Aに対して、弾性支持部350(351、352)を介して、ベース部32A上で、振動方向(X方向)に移動可能に支持されている。弾性支持部351、352は、図16図18に示すように、それぞれベース部32Aの先端部32a、基端部32bに連続して、一体に設けられている。弾性支持部351、352がベース部32と一体に設けられているので、弾性支持部の組み付け、つまり、ばね組付けに際して、組立性、組立精度、低コスト化を図ることができる。
【0117】
弾性支持部351は、矩形状のベース部32Aの先端部32aにおいて先端部32aの幅方向(Y方向)で離間する両端部間に架設するように設けられている。弾性支持部352は、矩形状のベース部32Aの基端部32bにおいて基端部32bの幅方向(Y方向)で離間する両端部間に架設するように設けられている。弾性支持部351、352は、ベース部32Aとなる矩形状の板金において長手方向で離間する先端部32a及び基端部32bを立ちあがるように折曲することにより形成されている。
【0118】
弾性支持部351、352の両端部350b、350b間には、中央に可動体側接続部350aを有する弾性変形部350c、350cが架設されている。弾性支持部351、352は、それぞれ板厚方向、つまり前後方向で撓む。可動体側接続部350aは、可動体本体42Aの先端部40a、基端部40bにねじ等の止着部材53を介してそれぞれ固定されている。これにより、弾性支持部351、352は、可動体40Aに対して、可動体40Aの前後端部において振動方向(X方向)と直交する幅方向(Y方向)の中央部分(先端部40a及び基端部40b)に固定されている。
【0119】
弾性支持部351、352の可動体40A側の固定位置は可動体40Aの幅方向(Y方向)の中央部である。これにより、可動体40Aの振動方向(X方向でありY方向と直交する方向)の移動の規制が中央で行われる。このため、X方向へ直線性の高い駆動としやすく、可動体40Aの保持も中央となるため、ねじれにくく堅牢な構造となり、信頼性を高めることができる。また、弾性支持部351、352は、固定体30A、具体的にはベース部32Aに、幅方向(Y方向)の両端部で固定されている。両端部で固定されるので、可動体40Aの固定が安定しやすく、ばね定数を大きくしたい場合、設計自由度を高めることができる。
【0120】
可動体本体42Aには、コア組立体20Aのコイル22が配置される開口部44Aが形成されている。また、先端部40a及び基端部40bを含む先端側と基端側には、端部をそれぞれ下方に折曲して脚部46A、48Aが形成されている。脚部46A、48Aは、ベース部32Aから可動体本体42までの間隔を確保する。これにより、可動体40Aの可動体本体42Aの固定体30Aのベース部32Aに対する高さ位置を規定している。
【0121】
吸引部45Aは、本実施の形態では、可動体本体42Aとは別体である。吸引部45Aは、可動体本体42Aに固定される固定板部452と、コア組立体20Aの磁極201a、201bに対向して配置され面状部材に相当する面状部454とを有する。
【0122】
吸引部45Aは、磁性材料により構成され、本実施の形態では、金属板をL字状に折曲して形成されている。面状部454は、固定板部452から垂下するように設けられている。固定板部452を可動体本体42Aの開口部44A近傍の下面に取り付けて、面状部454が、開口部44Aの1辺部から垂下された状態で、可動体本体42Aに設けられている。
【0123】
吸引部45Aは、可動体本体42Aとは別体であるので、コア組立体20Aの形状或いは、所望する出力量に応じて、磁極201a、201bに対向する面積の大きさを容易に変更することができる。
【0124】
磁気吸引力発生部(詳細には磁極201a、201b)が吸引力を発生するように、磁気吸引力発生部のコア24は磁極201a、201b)に対してベース部32Aに沿う振動方向でエアギャップAGを介して近接して配置されている。
【0125】
起歪部材80Aは、起歪部材80と同様の基本的構成を有し、可動体本体42Aに固定される。起歪部材80Aは、基本的構成に加えてストッパ部92Aを有する。
【0126】
ストッパ部92Aは、振動アクチュエーター10Aの表面を構成する起歪部材80Aの表面から、側面を囲み、振動アクチュエーター10Aの裏面を構成するベース部32Aの裏面まで延びて回り込むように配置されている。
【0127】
このストッパ部92Aにおいてベース部32Aの裏面側に配置される部位は、ストッパ部920である。ストッパ部920は、起歪部材80Aの本体部分に対向して所定間隔を空けて対向するように配置され、起歪部材80Aの本体部分とともに、厚み方向(Z方向)で、固定体30A、つまりベース部32Aを挟む。
【0128】
これにより、ストッパ部920は、固定体30Aのベース部32Aに対して可動体40Aの可動体本体42Aの厚み方向への移動を規制するストッパとして機能する。これにより、振動アクチュエーター10Aに衝撃時がある場合でも、破損から守り信頼性を向上させることできる。
【0129】
また、振動アクチュエーター10Aでは、弾性支持部350は、振動方向と直交する向きに配置され、その両端部の固定部側固定部350bで、ベース部32Aに接続され、中央部350aで可動体本体42Aに接合されている。
【0130】
このように、弾性支持部350は、可動体40の先端部40a及び基端部40bにおいて、振動方向及び厚み方向の双方に対して直交する方向で離間する両端部(固定部側固定部)350bで固定体30Aに固定し、中央部350aで可動体本体42Aを支持する。
【0131】
よって、弾性支持部350の固定体30A、可動体40Aの固定領域を変更して弾性変形部350cを適宜変更できるので、可動体40Aの固定が安定しやすいとともに、ばね定数を大きくしたい場合でも、設計自由度を高めることができる。すなわち、振動呈示装置として用いて、人の触感に優れた周波数と共振周波数を近づけることにより、より強い振動を提供する場合でも、可動体質量に合わせて、広い調整範囲でばね定数を調整して共振周波数を設定できる。
【0132】
また、弾性支持部350が、ベース部32Aと一体であるので、アクチュエーター本体A1及び振動アクチュエーター10Aの組立性、組立精度、低コスト化を実現することができる。
【0133】
また、弾性支持部350において、可動体40A側の固定位置が、可動体40の先端部40a及び基端部40bにおける中央部であるので、可動体40Aの移動における規制は、固定された中央部にかかる。すなわち、振動方向及び厚み方向と直交する方向(Y方向)の中央部に、移動する際の規制がかかるので、可動体40Aの駆動を、直線性の高い駆動としやすく、可動体40Aの保持も中央となるため、ねじれにくく堅牢な構造となり、信頼性を高めることができる。すなわち、捻れ方向の剛性低下は無く、耐衝撃、対振動特性に悪影響を及ぼすことがない。直線性の高い振動を実現することにより、可動体40Aの周辺部品の可動範囲内の隙間の設計が容易となる。
【0134】
(実施の形態3)
図20は、本発明の実施の形態3に係る振動アクチュエーターの要部構成を示すアクチュエーター本体の斜視図であり、図21は、発明の実施の形態3に係る振動アクチュエーターの要部構成を示すアクチュエーター本体のコア組立体の断面図である。図22は、アクチュエーター本体の可動体本体の斜視図である。
【0135】
実施の形態3の振動アクチュエーター10Bは、振動アクチュエーター10と比較して、弾性支持部350の構成と、コア組立体20Bの構成が異なり、その他の基本構成及び機能は同様である。なお、振動アクチュエーター10Bは、振動アクチュエーター10Aと比較した場合は、吸引部45Bの構成のみ異なる。
【0136】
よって、以下では、同様の構成については振動アクチュエーター10における符号にBを付して、同様の図を用いて説明を省略する。
【0137】
振動アクチュエーター10Bは、振動アクチュエーター10の構成において、弾性支持部350を介して可動体40Bを支持する構成を、可動体40Bの幅方向(Y方向であり振動方向と直交する方向)の中央部で接合している。
【0138】
振動アクチュエーター10Bは、振動アクチュエーター10の構成において、弾性支持部を固定体30側に一体に設けた構成、具体的には、ベース部32Bと弾性支持部350とを一体にした点で異なる。
【0139】
振動アクチュエーター10Bは、アクチュエーター本体A2と、荷重検出モジュールとを有する。荷重検出モジュールは、荷重検出モジュールK1と同様の構成であり、同様にアクチュエーター本体A2の可動体本体42Bに固定され、その機能も同様であるので、説明は省略する。
【0140】
アクチュエーター本体A2は、ベース部32B、コア組立体20Bを有する固定体30Bと、振動呈示部に接続可能な接続部49B及び磁性材料からなる吸引部45Bを備える可動体40Bと、を有する。
【0141】
コア組立体20Bは、コア組立体20のように、コイル22Bとコイル22Bが巻回されるコア(コア24Aと同様)とにより構成されるが、ここでは、コイル22Bは、ボビン25に巻回され、コア(コア24Aと同様)には、ボビン25を介して外装されている。
【0142】
吸引部45Bは、コア組立体20Bにおいて磁化された磁極(磁気吸引力発生部)201a、201bに吸引されるものであり、磁極201a、201bに対して振動方向で、対向するように配置されている。吸引部45Bは、可動体本体42Bの一部を垂下するように屈曲して形成されている。吸引部45Bは、磁性体の面状部材であり、コア組立体20Bとともに磁気回路を構成する。吸引部45Bは、磁極(磁気吸引力発生部)201a、201bが吸引力を発生するように、コア24の磁極(磁気吸引力発生部)201a、201bに対してベース部32Bに沿う振動方向でエアギャップAGを介して近接して配置されている。
【0143】
振動アクチュエーター10Bでは、可動体40Bは、ベース部32Bに対して、弾性支持部350(351、352)を介して、ベース部32B上で、振動方向(X方向)に移動可能に支持されている。
【0144】
弾性支持部351、352は、実施の形態1のベース部32Aのものと同様であるので、詳細な説明は省略する。弾性支持部351、352は、それぞれベース部32Bの先端部32a及び基端部32bのそれぞれに連続して一体に設けられている。
【0145】
弾性支持部350は、板金を加工してなるベース部32Bの前後端部を折曲して形成されている。弾性支持部351、352は、可動体40Bに対して、可動体40Bの前後端部において振動方向(X方向)と直交する幅方向(Y方向)の中央部分(先端部40a及び基端部40b)に固定されている。ベース部32Aの弾性支持部351、352と同様に、弾性支持部351、352がベース部32Bと一体に設けられているので、弾性支持部351,352の組み付け、つまり、ばね組付けに際して、組立性、組立精度、低コスト化を図ることができる。
【0146】
(実施の形態4)
図23は、本発明の実施の形態4に係る振動アクチュエーターの外観斜視図であり、図24は、本発明の実施の形態4に係る振動アクチュエーターの要部構成を示すアクチュエーター本体の斜視図である。また、図25は、本発明の実施の形態4に係る振動アクチュエーターの弾性支持部の斜視図である。
【0147】
振動アクチュエーター10Cは、振動アクチュエーター10(図1参照)と比較して、起歪部材80Cにストッパ部920が設けられている点と、弾性支持部50Cの形状が異なる点で異なる。また、振動アクチュエーター10Cは、振動アクチュエーター10A(図14参照)と比較すると、吸引部45Cの構成と弾性支持部50Cの構成とが異なり、その他の基本的構成は同様である。よって、異なる点のみ説明し同様の点については同名称と、同符号にCを付して適宜説明は省略する。
【0148】
振動アクチュエーター10Cは、アクチュエーター本体A3と、荷重検出モジュールK2と、を有する。荷重検出モジュールK2は、起歪部材80Cと、起歪部材80Cに設けられる歪み検出体70Cと、を有し、荷重検出モジュールK、K1と同様の機能を有する。本実施の形態では、荷重検出モジュールKと同様のものである。
【0149】
アクチュエーター本体A3は、ベース部32C及びコア組立体20Cを有する固定体30Cと、呈示部用接続部として機能する接続部49C(図24参照)及び磁性材料からなる吸引部45Cを有する可動体40Cと、弾性支持部50Cと、を有する。
【0150】
コア組立体20Cの磁気吸引力発生部(磁極201a、201b)と、可動体40Cの吸引部45Cとは、磁気吸引力発生部が吸引力を発生するように、互いに振動方向でエアギャップAGを介して近接して配置されている。
【0151】
弾性支持部50Cは、固定体30C及び可動体40Cとは別体に構成され、固定体30Cと可動体40Cとの間に、弾性変形可能に介設されることにより、固定体30Cに対して可動体40Cを振動方向に移動自在に弾性支持する。
【0152】
コア組立体20Cは、コア組立体20A(図15図17参照)と同様に、コイル22Cが巻回されたボビン25を、コア(図示省略)に外装することにより、コアにコイル22Cが巻回された状態として構成している。
【0153】
固定体30Cは、矩形板状のベース部32Cを有し、ベース部32Cには、コア組立体20Cが固定された際に、コイル22Cが開口内に配置される開口部34Cが設けられている。
【0154】
ベース部32Cは、ベース部32A(図18参照)の構造において弾性支持部350を取り外し可能にした形状を有する。
【0155】
図24に示すアクチュエーター本体A3では、ベース部32Cの先端部32a及び基端部32bに、弾性支持部50Cの両端部(固定体側端部500b)を固定するための屈曲片部322が設けられている。この屈曲片部322に、弾性支持部50Cの両端部(500b)が止着部材53を介して止着される。
【0156】
弾性支持部50Cは、振動アクチュエーター10Cの側面で、短手方向、つまりY方向に向けて配置されている。弾性支持部50Cは、図25に示すように、振動アクチュエーター10Cの先端部32a及び基端部32bのそれぞれにおいて、短手方向で離間する屈曲片部322間に架設される細長帯状に形成されている。
【0157】
弾性支持部50Cは、両端部に設けられた固定体側端部500bと、中央部に設けられた可動体側端部500aと、固定体側端部500b及び可動体側端部500a間に架設された弾性変形部500cを有する。
【0158】
固定体側端部500bは、ベース部32Cの先端部32a及び基端部32bのそれぞれにおける屈曲片部322に固定される。可動体側端部500aは、可動体本体42Cの先端部40a及び基端部40bのそれぞれに固定される。弾性変形部500cは、振動方向と直交する向きに配置され、弾性変形部500cの板厚方向(振動方向であるX方向)に変形し、固定体側端部500bと可動体側端部500aとを、弾性変形部500cの厚み方向に相対的に変位する。
【0159】
弾性支持部50Cは、可動体40C側の固定位置は可動体40Cの幅方向(Y方向)の中央部である。これにより、可動体40Cの振動方向(X方向でありY方向と直交する方向)の移動の規制が中央で行われる。このため、X方向へ直線性の高い駆動としやすく、可動体40Cの保持も中央となるため、ねじれにくく堅牢な構造となり、信頼性を高めることができる。
【0160】
また、弾性支持部50Cは、固定体30C、具体的にはベース部32Cに、幅方向(Y方向)の両端部で固定されている。両端部で固定されるので、可動体40Cの固定が安定しやすく、ばね定数を大きくしたい場合、設計自由度を高めることができる。
【0161】
よって、実施の形態3の振動アクチュエーター10Bの弾性支持部350と同様に、可動体を安定しやすいとともに、ばね定数を大きくしたい場合でも、設計自由度を高めることができる。すなわち、振動呈示装置として用いて、人の触感に優れた周波数と共振周波数を近づけることにより、より強い振動を提供する場合でも、可動体質量に合わせて、広い調整範囲でばね定数を調整して共振周波数を設定できる。
【0162】
(実施の形態5)
図26は、本発明の実施の形態5に係る振動アクチュエーターの外観斜視図であり、図27は、同振動アクチュエーターの要部構成を示すアクチュエーター本体の斜視図であり、図28は、同アクチュエーター本体の可動体本体の斜視図である。
【0163】
図26から図28に示す振動アクチュエーター10Dは、振動アクチュエーター10Aから10Cの基本的構成と比較して、主に、弾性支持部450を可動体40D側に設けている点が異なる。
【0164】
振動アクチュエーター10Dは、アクチュエーター本体A4と、荷重検出モジュールK2とを有する。アクチュエーター本体A4では、固定体30Dは、ベース部32Dとコア組立体20Dとを有する。なお、固定体30Dの基本的な構成は、他の実施の形態の振動アクチュエーター10、10A~10Dと略同様であり、同様の機能を有する。例えば、ベース部32Dは、ベース部32Cと同様である。
【0165】
ベース部32Dは、コア組立体20Dのコイル22Dが配置される開口部44Dを有する矩形板状に構成されている。ベース部32Dの先端部32a及び基端部32bには、弾性支持部450と接合する屈曲片部322がそれぞれ設けられている。また、コア組立体20Dも、コア組立体20A~20Cと同様に、コイル22Dが巻回されたボビン25を、コア(図示省略)に外装することにより、コア(図示省略)にコイル22Dが巻回された状態として構成している。
【0166】
これに対して、可動体40Dでは、図27及び図28に示すように、可動体本体42Dは、磁性材料からなる吸引部45Dを有する構成に加えて、弾性支持部450が形成されている。なお、可動体本体42Dには、荷重検出モジュールK2に接続して、呈示部用接続部86Dを可動体40Dの一部とする接続部49Dと、可動体本体42Dの本体部位から垂下する脚部46D、48Dとが設けられている。
【0167】
可動体40Dは、固定体30Dに対して、厚み方向と直交する一方向(X方向)に往復移動自在に設けられている。
【0168】
なお、矩形板状の可動体本体42Dでは、先端部40aよりに開口部44Dが形成されており、先端部40a及び基端部40bに弾性支持部450(451、452)が形成されている。
【0169】
弾性支持部450は、可動体本体42Dの本体部分のそれぞれ先端部40a及び基端部40bから下方に垂下し、且つ、振動方向(X方向)及び厚み方向(Z方向)に直交する方向(Y方向であり幅方向)に延びるように設けられている。弾性支持部450は、帯状でありその高さ(Z方向の長さ)は、可動体40Dの厚みとなる。
【0170】
弾性支持部450は、幅方向の中央で可動体本体42Dに接続する中央連絡部450aと、両端の固定体側固定部450bと、中央連絡部450a及び固定体側固定部450bを連絡する弾性変形部450cと、を有する。弾性支持部450は、ベース部32Dに対して、可動体40Dを、前後側の双方の端部において振動方向と直交する幅方向の中央部分(先端部40a及び基端部40b)で弾性支持した状態となる。これにより、実施の形態2の弾性支持部351、352の作用効果と同様の作用効果を得ることができる。
【0171】
可動体本体42Dがベース部32Dに対して振動方向に移動すると弾性変形部450cが撓み、可動体本体42Dに対して振動方向への付勢力を発生する。なお、本実施の形態の吸引部45Dは、可動体本体42Dの一部を加工して可動体本体42Dに対して垂直に折曲することにより形成しているが、これに限らず、吸引部45Aのように、可動体本体42Dと別部材に形成して一体的に取り付けるようにしてもよい。
【0172】
振動アクチュエーター10Dでは、弾性支持部450は、可動体40D側に一体に設けられるため、弾性支持部を固定体側に一体に設けた振動アクチュエーター10A、10Bの構成と同様に、組立性及び組立精度の向上を図ることができ、さらに低コスト化を実現できる。
【0173】
<振動アクチュエーターの制御>
アクチュエーター本体は、制御部により制御され、弾性振動可能に支持された操作機器をその振動方向の一方向に駆動する。
【0174】
振動アクチュエーター10には、操作機器の接触操作に応じて駆動電流が供給されて、磁界を発生させ、弾性振動可能な可動体40を、固定体30に対して一方向、ここではX方向プラス側に移動する。これにより、操作者に操作機器に接触した際に、振動を触感として付与する。本実施の形態では、接触操作は、歪み検出センサ74で検出した信号であるが、これに加えて、例えば、振動提示部から入力される接触状態を示す信号を用いてもよい。
【0175】
振動アクチュエーター10には、制御部により、振動アクチュエーター10を駆動するアクチュエーター駆動信号としての単数の電流パルスないし複数の電流パルスが、コイル22に供給される。本実施の形態では、アクチュエーター駆動信号は、複数の電流パルスの列により構成している。
【0176】
電流パルスがコイル22に供給されることにより、可動体40は、弾性支持部50の付勢力に抗して、磁気吸引力により、コイル22側、つまり、X方向プラス側に引き込まれて変位する。これに追従して、可動体40に固定される触覚呈示部(例えば、タッチパネル)も、固定体30が固定される基台(図示省略)に対してX方向プラス側に移動する。
【0177】
また、コイル22への駆動電流の供給を停止することにより、付勢力は開放されて、可動体40は、基準位置に対するX方向プラス側での位置での保持状態が解除される。これにより、可動体40は、弾性支持部50の付勢力により、X方向プラス側での最大変位位置から、引き込まれた方向(X方向プラス側)と逆方向(X方向マイナス側)に付勢されて移動し、振動をフィードバックする。
【0178】
アクチュエーター駆動信号は、単数の電流パルス或いは複数の電流パルスの列におけるそれぞれのパルスの振幅、それぞれの波長、それぞれの供給タイミング等により、様々な種類の振動形態で生成されて、アクチュエーター本体Aに供給可能である。これにより、アクチュエーター本体Aの振動は、操作者に体感として付与される。
【0179】
例えば、制御部は、電流パルス供給部、電圧パルス印加部を有する。
電流パルス供給部は、操作機器(振動提示部)の接触操作に応じて、操作機器を駆動する駆動電流として、複数の駆動電流パルスを振動アクチュエーター10のコイル22に供給する。
【0180】
電圧パルス印加部は、アクチュエーター駆動信号を構成する単数の電流パルスないし複数の電流パルスの列をそれぞれ発生させる複数の制御電圧パルスを、断続的に電流パルス供給部に印加する。
【0181】
図29は、アクチュエーター本体の駆動回路の一例を示す図である。
【0182】
図29に示す駆動回路は、制御部に含まれ、MOSFET(metal-oxide-semiconductor field-effect transistor)により構成される電流パルス供給部としてのスイッチング素子12、電圧パルス印加部としての信号発生部(Signal generation)14、抵抗R1、R2、SBD(Schottky Barrier Diodes:ショットキーバリアダイオード)を有する。
【0183】
制御部では、電源電圧Vccに接続された信号発生部14は、スイッチング素子12のゲートに接続されている。スイッチング素子12は、放電切換スイッチである。スイッチング素子12は、アクチュエーター本体A(図29では[Actuator]で示す)、SBDに接続されるとともに、電源部Vactから電圧が供給される振動アクチュエーター、具体的には、アクチュエーター本体Aに接続される。なお、アクチュエーター本体Aは、アクチュエーター本体A1~A4のいずれかに変えてもよい。
【0184】
なお、制御部は、図示しないが、振動呈示装置の構成要素の動作を制御するためのCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を備えてもよい。CPUは、ROMから処理内容に応じたプログラムを読み出してRAMに展開し、展開したプログラムと協働して、振動アクチュエーター10を含む振動呈示装置の構成要素の動作を制御する。このとき、記憶部(図示略)に格納されている各種の振動減衰期間発生パターンを含む各種データが参照される。記憶部(図示略)は、例えば不揮発性の半導体メモリ(いわゆるフラッシュメモリ)等で構成されてもよい。例えば、記憶部、ROM或いはRAM等に、複数のパルス列の様々な複数のパターンのパルス波形データを格納する。ROMには、アクチュエーター本体Aを駆動して振動を呈示する振動呈示プログラムを含み振動呈示装置を制御する各種のプログラムが格納されている。振動呈示プログラムとしては、例えば、歪み検出センサ74a~74dから接触状態を示す情報が入力された際に、接触情報に対応する振動を発生するアクチュエーター駆動信号を生成するためのパルス波形データを読み出すプログラム等である。
【0185】
また、振動呈示プログラムとしては、例えば、読み出したデータを組み合わせて接触情報に対応するアクチュエーター駆動信号として生成するプログラム、生成したアクチュエーター駆動信号をコイルに供給するプログラム等である。アクチュエーター駆動信号は、複数の電流パルスの組みあわせとして、アクチュエーター本体Aを駆動するドライバを介してコイル22に印加される。CPUは、これらプログラム及びデータを用いて振動呈示装置の構成要素の動作を制御してもよく、電流パルス供給部及び電圧パルス印加部を制御するようにしてもよい。例えば、歪み検出センサ74a~74dからの信号は、増幅部で増幅され、変換部でアナログデジタル変換されて、CPUに出力されて、図29に示す駆動回路により振動アクチュエーター10を振動させる。
【0186】
制御部は、電流パルスをコイル22に供給して可動体40を振動方向の一方向に駆動する。コイル22へ電流パルスを供給することにより可動体40は、弾性支持部50の付勢力に抗して、振動方向の一方向に変位する。電流パルスの供給中は、可動体40の振動方向の一方向への変位は継続される。電流パルスの供給を停止する、つまり、コイル22への電流パルスの入力をオフにすることにより、可動体40の振動方向の一方向(X方向)へ変位させる力は解放される。電流パルスの入力のオフは、当該電流パルスを生成する電圧がオフになったタイミングを意味する。電圧がオフになった時点では、電流パルスは完全にオフではなく減衰している状態である。
【0187】
可動体40は、引き込み方向(X方向プラス側)の最大変位可能位置で蓄積された弾性支持部50の付勢力により、振動方向のうちの他方向(X方向マイナス側)へ移動して変位する。操作機器側である他方向側へ移動した可動体40を介して操作機器に強い振動が伝播され、操作者に触感が付与される。
【0188】
制御部は、歪み検出センサ74からの情報に基づいて、操作者によるタッチパネルの画面への接触に応じて、コイル22に、一つ以上の電流パルスを供給する。制御部は、可動体40の振動において、一つ目のパルスを供給し、加えて、その後に供給するパルスによって、一つ目のパルスの供給の停止後も残って継続する振動等を調整する。
【0189】
<振動呈示装置200>
図31は、振動アクチュエーターを有する振動呈示装置を模式的に示す図である。
振動呈示装置200は、例えば、タッチパネルの画面上における操作者による接触操作に対応して、振動を操作者に伝達して体感させることで、振動呈示部を触れた操作者に直感的な操作を可能とする装置である。
【0190】
振動呈示装置200は、タッチパネル等の触覚呈示部210、振動アクチュエーターの歪みセンサ74(74a~74d)、増幅部(アンプ)250、AD変換部(ADC)260、マイコン220、アクチュエータードライバー230、アクチュエーター本体240を有する。
【0191】
例えば、触覚呈示部210としてのタッチパネルは、タッチパネル上における操作者による接触操作を受け付けて、その接触位置を出力する接触位置出力部(図示省略)を有するものとする。接触位置出力部(図示省略)からの信号はマイコン220あるいは装置全体の制御部に出力される。歪みセンサ74は、触覚呈示部210が押圧されることにより、荷重検出モジュールKにおいて起歪部材80の歪みを検出し、検出された信号は、増幅部250、ADC260を介して制御部が含むマイコン220に入力される。
【0192】
マイコン220は、入力された信号に信号、つまり、接触位置出力部からの接触位置情報、駆動タイミング、及び、歪み信号に対応して、接触操作に対応する振動が発生するように、アクチュエータードライバー230を制御する。つまり、マイコン220は、アクチュエータードライバー230を介して、アクチュエーター(アクチュエーター本体A)に、アクチュエーター駆動信号を出力して駆動電流を供給する。
【0193】
アクチュエータードライバー230から供給される駆動電流を受けたアクチュエーター本体Aは、触覚呈示部210に振動を伝達して振動させることにより、触覚呈示部210から出力された接触位置に対応した振動を触覚呈示部210で呈示させる。
このように、タッチパネル等の触覚呈示部210で受けた操作者の操作を受け付けて、それに対応してアクチュエーター本体Aは駆動する。
【0194】
アクチュエーター本体Aは、アクチュエーター駆動信号が入力されることにより、磁気吸引力により、可動体40を付勢力に抗して一方向として、例えば、X方向プラス側に移動させる。
【0195】
また、このアクチュエーター本体Aへのアクチュエーター駆動信号の入力が停止されることにより、アクチュエーター本体Aは、付勢力を開放し、可動体40を、付勢力により他方向側(X方向マイナス側)に移動させる。アクチュエーター本体Aは、アクチュエーター駆動信号の入力と停止により可動体40及び操作機器を振動させる。アクチュエーター本体Aは、マグネットを用いずに可動体40を駆動して、操作機器を振動させている。
【0196】
なお、アクチュエーター駆動信号は、実施の形態では、可動体及び操作機器を駆動する駆動電流としてコイル22に供給される複数の駆動電流パルス(「電流パルス」とも称する)列に相当する。アクチュエーター本体Aでは、電流パルスがコイル22に供給されると、可動体は一方向に移動する。これを繰り返すことにより可動体は振動する。各実施形態1~5の振動アクチュエーター10A~10Dにおいても同様であり同様に可動体は振動する。
【0197】
また、各実施の形態の振動アクチュエーター10、10A~10Dにおいて、同名称を付した同様の形状を有する同様の構成を有し、その構成の作用効果は、それぞれ同様に有していることは勿論である。
【0198】
以上、本発明の実施の形態について説明した。なお、以上の説明は本発明の好適な実施の形態の例証であり、本発明の範囲はこれに限定されない。つまり、上記装置の構成や各部分の形状についての説明は一例であり、本発明の範囲においてこれらの例に対する様々な変更や追加が可能であることは明らかである。
【産業上の利用可能性】
【0199】
本発明に係る振動アクチュエーターは、様々な接触操作感に応じた振動を付与可能であり、容易に組み立てることができる効果を有し、例えば、車載製品や産業機器において、画面上の画像に指等を接触させることにより操作を入力する操作機器、例えば、画像に表示した機械式スイッチ等の様々な画像に触れた際の操作感と同様の操作感をフィードバックできるタッチパネル装置が搭載されるタッチディスプレイ装置等の振動呈示装置に有用なものである。
【符号の説明】
【0200】
1 制御部
10、10A、10B、10C、10D 振動アクチュエーター
12 スイッチング素子
14 信号発生部
20、20A、20B、20C、20D コア組立体
22、22-1、22-2、22A、22A-1、22A-2、22A-3、22B、22C、22D コイル
23 基板
24、24A コア
25 ボビン
26、53 止着部材(ねじ)
30、30A、30B、30C、30D 固定体
30a ベース先端部
30b ベース基端部
32、32A、32B、32C、32D ベース部
32a 先端部
32b 基端部
34、34A、34C 開口部
36 接続部
38 固定孔
40、40A、40B、40C、40D 可動体
40a 先端部
40b 基端部
42 可動体本体
42A、42B、42C、42D 可動体本体
44、44A、44D 開口部
45、45A、45B、45C、45D 吸引部
46A、46D、48A、48D 脚部
49B、49C、49D 接続部
50、51、52、350、351、352、450 弾性支持部
50a 他端部
50b 一端部
50c 弾性変形部
50C 弾性支持部
54 ナット
70、70A、70C 歪み検出体
72 基板
74、74a、74b、74c、74d 検出センサ(荷重センサ)
80、80A、80C 起歪部材
82 枠状部
84 開口部
85 接続腕部
86、86A、86D 呈示部用接続部(接続部)
90 移動規制部(抜け止め部)
92 ストッパ受け部(ねじ受け部)
92A ストッパ部
92a 挿入部
92b フランジ部
94 ストッパピン(ねじ)
94a フランジ部
94b ピン軸
96 ワッシャ
200 振動呈示装置
201a、201b 磁極(磁気吸引力発生部)
210 触覚呈示部(振動呈示部)
210 触覚呈示部
220 マイコン
230 アクチュエータードライバー
240、A1、A2、A3、A4 アクチュエーター本体
250 増幅部
321 貫通孔
322 屈曲片部
350 弾性支持部
350a 可動体側接続部
350b 両端部
350c 弾性変形部
450a 中央連絡部
450b 固定体側固定部
450c 弾性変形部
452 固定板部
454 面状部
500a 可動体側端部
500b 固定体側端部
500c 弾性変形部
920 ストッパ部
250 増幅部(アンプ)
260 AD変換部
K、K1、K2、K3、K4 荷重検出モジュール
R-A1、R-A2、R-A3、R-A4、R-B1、R-B2、R-B3、R-B4、R-C1、R-C2、R-C3、R-C4、R-D1、R-D2、R-D3、R-D4 歪ゲージ部
SBD 抵抗
G ギャップ
AG エアギャップ
図1
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図31