(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-24
(45)【発行日】2024-10-02
(54)【発明の名称】プログラムおよび印刷システム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/12 20060101AFI20240925BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20240925BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20240925BHJP
【FI】
G06F3/12 329
G06F3/12 303
G06F3/12 389
H04N1/00 127A
H04N1/00 002C
B41J29/38
(21)【出願番号】P 2019195212
(22)【出願日】2019-10-28
【審査請求日】2022-10-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000992
【氏名又は名称】弁理士法人ネクスト
(72)【発明者】
【氏名】川口 真史
【審査官】征矢 崇
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-187724(JP,A)
【文献】特開2007-179281(JP,A)
【文献】特開2018-199285(JP,A)
【文献】特開2002-092299(JP,A)
【文献】特開2015-232814(JP,A)
【文献】特開2018-007084(JP,A)
【文献】特開2013-11930(JP,A)
【文献】特開2011-28668(JP,A)
【文献】特開2007-30190(JP,A)
【文献】特開2006-243903(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F3/12
B41J29/00-29/70
H04N1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリンタ
及びサーバと通信可能な情報処理装置のコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記プリンタは、
着色剤を用いて用紙に印刷を実行する印刷部と、
前記印刷部による印刷を許可する印刷許可量を記憶するプリンタ記憶部と、
前記印刷部によって前記印刷が実行されたことに応じて、前記印刷に使用された前記用紙の枚数を前記印刷許可量から減算する減算部と、を備え、
前記サーバは、
前記プリンタ記憶部に記憶された前記印刷許可量を前記プリンタに対応付けて記憶するサーバ記憶部、を備え、
前記コンピュータに、
前記印刷部による印刷量をユーザに選択させるための選択画面を前記情報処理装置の表示部に表示させる第1表示処理と、
前記第1表示処理によって表示された前記選択画面から前記ユーザが所定の前記印刷量の選択をしたことに応じて、前記プリンタ記憶部に記憶された前記印刷許可量に、前記選択をされた前記印刷量を、前記プリンタに加算させる加算処理と、
前記加算処理によって前記印刷量の加算された前記印刷許可量で、前記サーバ記憶部に記憶された前記印刷許可量を更新する更新処理と、
を実行させるプログラム。
【請求項2】
請求項1に記載のプログラムであって、
前記第1表示処理は、前記印刷量を示す第1操作アイコンを、前記選択画面に配置して前記表示部に表示させ、
前記加算処理は、前記第1表示処理によって表示された前記第1操作アイコンが前記ユーザにより操作されたことに応じて、前記プリンタ記憶部に記憶された前記印刷許可量に、前記ユーザによって操作された前記第1操作アイコンに示される前記印刷量を、前記プリンタに加算させる、プログラム。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のプログラムであって、さらに、
前記印刷における前記印刷量の指定をし、印刷対象となる印刷データを前記プリンタに送信して、前記プリンタに前記印刷データの印刷を実行させる印刷処理、を実行させるプログラム。
【請求項4】
請求項3に記載のプログラムであって、
前記印刷処理は、前記プリンタ記憶部に記憶された前記印刷許可量が、前記指定をされた前記印刷量以上であることに応じて、前記プリンタに前記印刷を実行させる、プログラム。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載のプログラムであって、さらに、
前記プリンタは、印刷サービスによって交換を可能とされ、
前記交換の要求をするための第2操作アイコンを、前記表示部に表示させる第2表示処理と、
前記第2表示処理によって表示された前記第2操作アイコンが前記ユーザにより操作されたことに応じて、前記交換の要求を申請する交換申請処理と、を実行させるプログラム。
【請求項6】
請求項5に記載のプログラムであって、さらに、
前記着色剤の残量が所定残量以下であることに応じて、前記交換を促す旨の報知を行う報知処理、を実行させるプログラム。
【請求項7】
請求項5または請求項6に記載のプログラムであって、さらに、
前記交換が行われることに応じて、前記交換の対象となった被交換プリンタの前記プリンタ記憶部に記憶された前記印刷許可量を、前記被交換プリンタと交換される交換プリンタの前記プリンタ記憶部に移行して記憶させる移行処理、を実行させるプログラム。
【請求項8】
請求項5乃至請求項7の何れか1項に記載のプログラムであって、さらに、
前記プリンタ記憶部には、オン状態に設定された場合に前記印刷部による前記印刷の実行が許容され、オフ状態に設定された場合に前記印刷部による前記印刷の実行が規制されること示すアクティベーション情報が記憶され、
1つの前記印刷サービスに対応する前記プリンタのうち1つの前記プリンタに対してのみ、前記アクティベーション情報をオン状態に設定する設定処理、を実行させるプログラム。
【請求項9】
請求項8に記載のプログラムであって、
前
記サーバ記憶部に
は、前記印刷サービスを識別するサービス識別情報が前記プリンタに対応付けられて記憶され、
1つの前記印刷サービスに対応する前記プリンタには、同一の前記サービス識別情報が対応付けられ、
前記プリンタ記憶部に記憶された前記アクティベーション情報は、前記サーバ記憶部に前記プリンタおよび前記サービス識別情報と対応付けられて記憶され、
前記設定処理は、1つの前記サービス識別情報に対応する前記プリンタのうち1つの前記プリンタに対してのみ、前記アクティベーション情報をオン状態に設定する、プログラム。
【請求項10】
請求項9に記載のプログラムであって
、
前記プリンタ記憶部に記憶された前記印刷許可量が、前記サーバ記憶部に直近に記憶された前記印刷許可量より多いことに応じて、前記印刷の実行を規制する印刷規制処理と、を備えているプログラム。
【請求項11】
請求項5乃至請求項10の何れか1項に記載のプログラムであって、さらに、
前記プリンタ記憶部は、前記プリンタが交換されたか否かを示すプリンタ交換情報であって、既に交換された前記プリンタであるか、未だ交換されていない前記プリンタであるかを示す前記プリンタ交換情報を、前記プリンタに対応付けて記憶し、
前記プリンタ記憶部に記憶された前記プリンタ交換情報が既に交換された前記プリンタであることを示している場合に、前記交換の実行を規制する交換規制処理と、を備えているプログラム。
【請求項12】
プリンタと、
サーバと、
前記プリンタ
及び前記サーバと通信可能な情報処理装置と、を備え、
前記プリンタは、
着色剤を用いて用紙に印刷を実行する印刷部と、
前記印刷部による印刷を許可する印刷許可量を記憶するプリンタ記憶部と、
前記印刷部によって前記印刷が実行されたことに応じて、前記印刷に使用された前記用紙の枚数を前記印刷許可量から減算する減算部と、を備え、
前記サーバは、
前記プリンタ記憶部に記憶された前記印刷許可量を前記プリンタに対応付けて記憶するサーバ記憶部、を備え、
前記情報処理装置のコンピュータは、
前記印刷部による印刷量をユーザに選択させるための選択画面を前記情報処理装置の表示部に表示させる第1表示部と、
前記第1表示部によって表示された前記選択画面から前記ユーザが所定の前記印刷量の選択をしたことに応じて、前記プリンタ記憶部に記憶された前記印刷許可量に、前記選択をされた前記印刷量を、前記プリンタに加算させる加算部と、
前記加算部によって前記印刷量の加算された前記印刷許可量で、前記サーバ記憶部に記憶された前記印刷許可量を更新する更新部と、を備えている印刷システム。
【請求項13】
請求項12に記載の印刷システムであって、
前記プリンタは、印刷サービスによって交換を可能とされている、印刷システム。
【請求項14】
請求項13に記載の印刷システムであって
、
前記
サーバ記憶部は、前記印刷サービスを識別するサービス識別情報を、前記プリンタに対応付けて記憶
し、
前記交換の対象となった前記プリンタである被交換プリンタに対応する前記サービス識別情報と、前記被交換プリンタと交換される交換プリンタに対応する前記サービス識別情報とが同一となるように設定されている印刷システム。
【請求項15】
請求項12乃至請求項14の何れか1項に記載の印刷システムであって、
前記プリンタは、前記ユーザによって前記着色剤を補充不能に設けられている、印刷システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラムおよび印刷システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1および特許文献2には、所定の期間に対して一定の料金を支払うことで印刷サービスを継続して利用することができる印刷システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2004-272670号公報
【文献】特開2007-109159号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した印刷システムにおいては、所定の期間内において印刷に使用される用紙の枚数にバラツキが生じることによって、印刷に使用された一枚あたりの料金にバラツキが生じる。
【0005】
そこで、本明細書は、印刷にて使用される用紙の枚数に応じて、適切に印刷サービスを継続して利用することができるプログラムおよび印刷システムを開示する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書によって開示されるプログラムは、プリンタと通信可能な情報処理装置のコンピュータに実行させるプログラムであって、プリンタは、着色剤を用いて用紙に印刷を実行する印刷部と、印刷部による印刷を許可する印刷許可量を記憶するプリンタ記憶部と、印刷部によって印刷が実行されたことに応じて、印刷に使用された用紙の枚数を印刷許可量から減算する減算部と、を備え、コンピュータに、印刷部による印刷量をユーザに選択させるための選択画面を情報処理装置の表示部に表示させる第1表示処理と、第1表示処理によって表示された選択画面からユーザが所定の印刷量の選択をしたことに応じて、プリンタ記憶部に記憶された印刷許可量に、選択をされた印刷量を、プリンタに加算させる加算処理と、を実行させる。
【0007】
また、本明細書によって開示される印刷システムは、ベンダによって提供される印刷サービスに用いられる印刷システムであって、プリンタと、プリンタと通信可能な情報処理装置と、を備え、プリンタは、着色剤を用いて用紙に印刷を実行する印刷部と、印刷部による印刷を許可する印刷許可量を記憶するプリンタ記憶部と、印刷部によって印刷が実行されたことに応じて、印刷に使用された用紙の枚数を印刷許可量から減算する減算部と、を備え、情報処理装置のコンピュータは、印刷部による印刷量をユーザに選択させるための選択画面を情報処理装置の表示部に表示させる第1表示部と、第1表示部によって表示された選択画面からユーザが所定の印刷量の選択をしたことに応じて、プリンタ記憶部に記憶された印刷許可量に、選択をされた印刷量を、プリンタに加算させる加算部と、を備えている。
【発明の効果】
【0008】
上記の構成によると、プログラムおよび印刷システムは、印刷にて使用される用紙の枚数に応じて、適切に印刷サービスを継続して利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本明細書の実施例に係る印刷システムの構成図である。
【
図2】
図1に示す第1管理テーブルの説明図である。
【
図3】
図1に示す第2管理テーブルの説明図である。
【
図4】
図1に示す端末プログラムが実行する初期デバイス設定処理のフローチャートである。
【
図5】
図4に示す初期デバイス設定処理が実行された場合のシーケンス図である。
【
図6】
図1に示す端末プログラムが実行する印刷処理のフローチャートである。
【
図7】
図6に示す枚数チェック処理のフローチャートである。
【
図8】
図6に示す印刷処理が実行された場合におけるシーケンス図である。
【
図9】
図1に示す端末プログラムが実行するチャージ処理のフローチャートである。
【
図10】
図1に示すディスプレイに表示されるチャージ画面である。
【
図11】
図10に示すチャージ処理が実行された場合のシーケンス図である。
【
図12】
図1に示す端末プログラムが実行するデバイス交換依頼報知処理のフローチャートである。
【
図13】
図1に示す端末プログラムが実行するデバイス交換申請処理のフローチャートである。
【
図14】
図12に示すデバイス交換依頼報知処理および
図13に示すデバイス交換申請処理が実行された場合におけるシーケンス図である。
【
図15】
図1に示す端末プログラムが実行するデバイス交換処理のフローチャートである。
【
図16】
図15に示すデバイス交換処理が実行された場合におけるシーケンス図である。
【
図17】
図15に示すデバイス交換処理が実行される前における、旧デバイスおよび新デバイスの情報が記憶された第1管理テーブルおよび第2管理テーブルの説明図である。
【
図18】
図15に示すデバイス交換処理が実行された後における、旧デバイスおよび新デバイスの情報が記憶された第1管理テーブルおよび第2管理テーブルの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(印刷システム1の構成)
図1は、本明細書の実施例に係る印刷システム1の構成図である。印刷システム1は、ユーザに提供される印刷サービスに用いられるものである。印刷サービスは、プリンタ20によって印刷可能な用紙の枚数である印刷可能枚数に対してユーザが課金することにより、ユーザが印刷可能となるサービスである。ユーザがこの印刷サービスを申し込むときに初期費用を支払うことにより、ユーザに対して所定の印刷可能枚数(例えば2000枚)が付与される。本実施例においてプリンタ20は、インクジェットプリンタである。
【0011】
また、ベンダからユーザに送付されるプリンタ20には、ユーザに対して付与された所定の印刷可能枚数以上(例えば2000枚+α枚)の印刷をするために必要な量のインクが充填されている。このため、本印刷サービスでは、ユーザは、プリンタ20を入手した後、初期費用を支払うことにより付与された印刷可能枚数の印刷を行うまでの間に、プリンタ20にインクを充填したり、インクカートリッジを交換したりする手間が不要となる。したがって、本印刷サービスは、プリンタ20へのインクの補充作業が不要となり、ユーザにとっての利便性が高いサービスである。
【0012】
また、ユーザが初期費用の支払いにより付与された所定の印刷可能枚数を超えて印刷を行いたい場合は、追加の費用を支払う。そして、追加の印刷可能枚数を購入することにより、ユーザはプリンタ20を継続して利用可能である。ユーザが追加の印刷枚数の購入を繰り返したために、初期費用の支払いにより入手したプリンタ20のインク残量が少なくなった場合には、プリンタ20の交換をユーザが申請することによりプリンタ20が交換されることによって、印刷サービスが継続される。尚、上記α枚は印刷サービスを提供するベンダによって適宜設定される枚数である。
【0013】
印刷システム1は、携帯端末装置10、プリンタ20およびサーバ30を備えている。携帯端末装置10とプリンタ20とは、ルータ2を介して相互に通信可能に、有線または無線によって接続されている。また、携帯端末装置10とサーバ30とは、ルータ2及びインターネット3を介して相互に通信可能に接続されている。さらに、プリンタ20とサーバ30とは、ルータ2及びインターネット3を介して相互に通信可能に接続されている。なお、プリンタ20とサーバ30とは、相互に通信不能に設けられてもよい。
【0014】
(携帯端末装置10の構成)
携帯端末装置10は、プリンタ20およびサーバ30と通信可能に設けられ、用紙に対して画像の印刷をプリンタ20に実行させるものである。携帯端末装置10は、ユーザが所有する携帯電話(より具体的には、スマートフォン)である。携帯端末装置10は、端末CPU11、端末記憶部12、近距離通信部13、ディスプレイ14、入力インターフェース15、画像取得部16、および、外部通信部17を備えている。これらの構成要素は、バス18を介して互いに通信可能とされている。以下、インターフェースを「I/F」と記載する。
【0015】
端末CPU11は、端末記憶部12内の端末プログラム12aに従って処理を実行する。端末プログラム12aは、印刷処理等の各種処理を実行するプログラムである。
端末記憶部12は、RAM(Random Access Memoryの略)、ROM(Read Only Memoryの略)、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Driveの略)、端末CPU11が備えるバッファなどが組み合わされて構成されている。端末記憶部12には、ユーザID12bおよび印刷データ12cが記憶される。ユーザID12bは、ユーザを識別するものである。印刷データ12cは、印刷処理の対象となる対象画像をプリンタ20が解釈可能なデータ形式に変換されたものである。
【0016】
近距離通信部13は、プリンタ20と近距離にて無線通信するものである。近距離通信部13は、例えばNFC(Near Field Communicationの略)によって、後述するプリンタ20の近距離通信部13と双方向の無線通信を行う。ディスプレイ14は、各種画面を表示するものであり、LCD(Liquid Crystal Displayの略)、有機EL(Electro・Luminescenceの略)ディスプレイ14等が例示されるが、特にこれらに限定されない。入力I/F15は、ディスプレイ14と一体的に構成されているタッチパネルであってよく、ディスプレイ14に表示されたアイコン等へのユーザの操作を受け付ける。また、入力I/F15は、キーボード,マウス等でもよい。キーボードは、携帯端末装置10の各機能を実行するためのキーを備える。マウスは、ディスプレイ14に表示されたポインタ(図示省略)を操作する。
【0017】
画像取得部16は、対象画像を取得するものである。画像取得部16は、例えば携帯端末装置10が備えるカメラ(図示省略)によって撮影された画像を対象画像として取得する。また、画像取得部16は、外部装置に相当するHDD等と接続されて対象画像を取得してもよい。画像取得部16によって取得された対象画像は、印刷データ12cに変換されて端末記憶部12に記憶される。外部通信部17は、ネットワークを介して接続された外部装置(本実施例ではプリンタ20およびサーバ30)と相互に信号の送受信を行うものである。外部通信部17は、ルータ2を介してプリンタ20に接続されている。また、外部通信部17は、ルータ2およびインターネット3を介してサーバ30に接続されている。
【0018】
(プリンタ20の構成)
プリンタ20は、本実施例においてカラー印刷機である。プリンタ20は、近距離通信部21、外部通信部22、タンク部23、インク残量検出部24、印刷部25、および、プリンタ制御部26を備えている。
【0019】
近距離通信部21は、例えばNFCを用いて、携帯端末装置10と近距離にて無線通信を行うものである。外部通信部22は、ネットワークを介して接続された外部装置(本実施例では携帯端末装置10およびサーバ30)と相互に信号の送受信を行うものである。
【0020】
タンク部23は、インクを貯留するものである。本実施例においてインクは4種類あり(マゼンタM、シアンC、イエローYおよびブラックBK)、タンク部23は、インクの種類毎に複数設けられている。すなわち、プリンタ20は、複数のタンク部23を用いて4種類のインクそれぞれを独立させて貯留する。なお、本実施例において、ベンダからユーザにプリンタ20が供給される際には、複数のタンク部23それぞれには、単色カバレッジを5%とした場合において、所定枚数の用紙を印刷可能なインクの量が充填されている。所定枚数とは、印刷サービスを申し込んだユーザに付与される印刷可能枚数よりも多い枚数であり、印刷サービスを提供するベンダが適宜設定可能である。
【0021】
また、タンク部23は、ユーザがインクを充填不能に設けられている。具体的には、タンク部23は、ユーザによっては触れることができない位置に配置されている。また、タンク部23は、プリンタ20に着脱不能に固定されている。
【0022】
インク残量検出部24は、タンク部23に貯留されたインクの残量であるインク残量を検出するものである。インク残量検出部24は、タンク部23に配置され、インクの液面の高さを検出することにより、インクの残量を検出する光学センサである。インク残量検出部24は複数のタンク部23それぞれに配置され、複数のタンク部23それぞれのインク残量を検出する。
【0023】
印刷部25は、タンク部23に貯留されたインクを用いて印刷を実行するものである。印刷部25は、外部から取得したデータによって表現される画像を、既知のインクジェット方式で用紙に印刷するための処理を実行する。外部から取得したデータは、本実施例では、端末記憶部12に記憶された印刷データ12cである。
【0024】
プリンタ制御部26は、プリンタ20を統括制御するものである。プリンタ制御部26は、プリンタCPU26a、プリンタ記憶部26bを備えている。プリンタCPU26aは、プリンタ記憶部26b内のプリンタプログラム26b1に従って処理を実行する。プリンタプログラム26b1は、各種処理を実行するプログラムである。プリンタ記憶部26bは、RAM、ROM、フラッシュメモリ、HDD、および、プリンタCPU26aが備えるバッファなどが組み合わされて構成されている。また、プリンタ記憶部26bには、第1管理テーブルKT1が記憶されている。
【0025】
第1管理テーブルKT1は、印刷サービスの利用に関して、プリンタ20に関する情報が記憶されたテーブルである。第1管理テーブルKT1に記憶された情報は、後述する各種処理が実行される場合に適宜使用される。第1管理テーブルKT1には、
図2に示すように、デバイスID、印刷可能枚数、インク残量、交換申請情報、アクティベーション情報、デバイス交換情報、デバイス設定、および、枚数チェック日時が対応付けられて記憶されている。
【0026】
デバイスIDは、プリンタ20を識別するものである。印刷可能枚数は、プリンタ20によって印刷を実行可能な用紙の枚数を示すものである。ユーザは、第1管理テーブルKT1に記憶された印刷可能枚数だけ印刷することができる。印刷可能枚数は、ユーザによって課金されることにより、課金された額に応じた枚数が加算される。一方、印刷可能枚数は、プリンタ20の印刷によって使用された用紙の枚数が減算される。印刷可能枚数の加算および減算についての詳細は後述する。
【0027】
インク残量は、インク残量検出部24によって検出されたインク残量を示すものである。交換申請情報は、オン状態に設定された場合にプリンタ20の交換が既に申請された状態であることを示し、オフ状態である場合にプリンタ20の交換が未だ申請されていない状態であることを示すものである。なお、
図2に示す「〇」はオン状態に設定されていることを示し、「×」は、オフ状態に設定されていることを示している。
【0028】
アクティベーション情報は、オン状態に設定された場合に印刷部25による印刷の実行が許容され、オフ状態に設定された場合に印刷部25による印刷の実行が規制されることを示すものである。
【0029】
デバイス交換情報は、プリンタ20が交換されたか否かを示すものである。デバイス交換情報は、オン状態に設定された場合に既に交換されたプリンタであること、オフ状態に設定された場合に未だ交換されていないプリンタであることを示す。
デバイス設定は、プリンタ20の機能(コピー、スキャン等)および各機能の設定(用紙サイズ、カラー、倍率等)を示すものである。
【0030】
枚数チェック日時は、後述する枚数チェック処理において、枚数チェックを行った日時を示すものである。枚数チェックは、第1管理テーブルKT1に記憶された印刷可能枚数を確認する処理である。枚数チェックの詳細は後述する。
【0031】
(サーバ30の構成)
サーバ30は、
図1に示すように、外部通信部31およびサーバ制御部32を備えている。外部通信部31は、ネットワークを介して接続された外部装置(本実施例では携帯端末装置10およびプリンタ20)と相互に信号の送受信を行うものである。
【0032】
サーバ制御部32は、サーバ30を統括制御するものである。サーバ制御部32は、サーバCPU32aおよびサーバ記憶部32bを備えている。サーバCPU32aは、サーバ記憶部32b内のサーバプログラム32b1に従って処理を実行する。サーバプログラム32b1は、各種処理を実行するプログラムである。
【0033】
サーバ記憶部32bは、RAM、ROM、フラッシュメモリ、HDD、および、サーバCPU32aが備えるバッファなどが組み合わされて構成されている。また、サーバ記憶部32bには、第2管理テーブルKT2が記憶されている(
図3)。第2管理テーブルKT2は、印刷サービスを利用するにあたって必要な情報が記憶されたテーブルである。第2管理テーブルKT2は、複数の印刷サービスに対応するデバイス(プリンタ等)がまとめて記憶されてベンダによって管理されている。第2管理テーブルKT2に記憶された情報は、後述する各種処理が実行される場合に適宜使用される。
【0034】
第2管理テーブルKT2には、
図3に示すように、デバイスID、サービスID、アクティベーション情報、枚数チェック日時、および、枚数チェック結果が対応付けられて記憶されている。
【0035】
デバイスID、アクティベーション情報および枚数チェック日時は、上述したものと同じであり、後述する各処理において、同じデバイスIDに対応する第1管理テーブルKT1のものと同じ情報が記憶される。
【0036】
サービスIDは、印刷サービスを識別するものである。なお、一つのサービスIDが複数のプリンタ等のデバイスに設定されている場合、複数のデバイスのうち1つのデバイスに対してのみ、上述したアクティベーション情報がオン状態に設定可能である。
図3に示す例においては、一つのサービスID「sv2」に対応するデバイスID「dv2」,「dv3」において、デバイスID「dv3」に対応するアクティベーション情報のみがオン状態になっている。
【0037】
枚数チェック結果は、後述する枚数チェック処理において、前回(直近)の枚数チェックが実行された時点のプリンタ20の印刷可能枚数に相当する(詳細は後述する)。
【0038】
(各処理の説明)
次に、端末CPU11が実行する各種処理について説明する。なお、各処理においては、プリンタ20の電源がオンされて、プリンタ20と携帯端末装置10とが通信可能に接続された状態にて行われる。また、各処理において、携帯端末装置10とサーバ30との接続は、データ授受等が必要になったことに応じて適宜行われる。なお、本実施例においては、各処理において、プリンタ20とサーバ30との情報の授受は行われない。
【0039】
(初期デバイス設定処理)
はじめに、初期デバイス設定処理について、
図4に示すフローチャートを用いて説明する。初期デバイス設定処理は、ユーザが印刷サービスを申し込んで、ベンダからユーザにプリンタ20が最初に送付されたときに、ユーザが印刷サービスの利用を開始するために行う処理である。なお、上述したように、プリンタ20が送付されたとき、ベンダによって、所定の印刷可能枚数(例えば2000枚)が付与されている。すなわち、第1管理テーブルKT1の印刷可能枚数として記憶された「pr1」は、所定の印刷枚数(2000枚)を示している(
図2)。
【0040】
S100にて、端末CPU11は、デバイス検索ボタン(図示省略)をディスプレイ14に表示する。デバイス検索ボタンは、デバイス検索処理を開始するためのアイコンである。続けて、S102にて、端末CPU11は、デバイス検索操作がされたか否かを判定する。デバイス検索操作は、デバイス検索ボタンへのユーザの操作である。ユーザがデバイス検索ボタンを操作しない場合、端末CPU11は、S102にてNOと判定し、S102を繰り返し実行する。一方、ユーザがデバイス検索ボタンを操作したことに応じて、端末CPU11は、S102にてYESと判定し、S104にてデバイス検索処理を行う。デバイス検索処理は、携帯端末装置10が所属するネットワークに接続されたプリンタを検索する処理である。
【0041】
続けて、S106にて、端末CPU11は、所定時間(例えば30秒)内にデバイス(プリンタ)から応答(後述する)があるか否かを判定する。プリンタがネットワークに接続されていない等により、プリンタから応答がない状態にて所定時間経過したことに応じて、端末CPU11は、S106にてNOと判定し、初期デバイス設定処理を終了する。一方、ネットワークに接続されたプリンタから所定時間内に応答があったことに応じて、端末CPU11は、S106にてYESと判定し、S108にてデバイス選択画面100をディスプレイ14に表示するデバイス選択画面表示処理を実行する(
図5)。
【0042】
デバイス選択画面100は、デバイス検索によって検索されたプリンタから任意のプリンタの選択を受け付ける画面である。デバイス選択画面100には、検索されたプリンタが、複数の表示欄110にデバイス毎に区分けされたリスト形式で表示される(
図5)。本実施例では、携帯端末装置10とルータ2を介して接続されているプリンタ20が検出される。
【0043】
続けて、S110にて、端末CPU11は、デバイス選択操作がされたか否かを判定する。デバイス選択操作は、デバイス選択画面100においてユーザによって任意のプリンタが選択される操作である。ユーザによってプリンタが選択されない場合、端末CPU11は、S110にてNOと判定し、S110を繰り返し実行する。
【0044】
一方、ユーザによってプリンタが選択されたことに応じて、端末CPU11は、S110にてYESと判定し、S112にて第1管理テーブル登録処理を行う。第1管理テーブル登録処理は、第1管理テーブルKT1の各項目が記憶される処理である(詳細は後述する)。続けて、端末CPU11は、S114にて第2管理テーブル登録処理を行う。第2管理テーブル登録処理は、第2管理テーブルKT2の各項目が記憶される処理である(詳細は後述する)。
【0045】
(初期デバイス設定処理における印刷システム1の動作)
(ケースA)
次に、上述した初期デバイス設定処理がケースAにて実行された場合における印刷システム1の動作について、
図5に示すシーケンス図を用いて説明する。ケースAは、プリンタ20がベンダからユーザに初めて送付された場合であって、初期デバイス設定処理の対象となるプリンタ20が未だ交換されていない場合である。この場合、第1管理テーブルKT1においては、印刷可能枚数「pr1」以外は、何も設定されていないブランクの状態である。
【0046】
T10では、携帯端末装置10は、デバイス検索ボタンを表示する(S100)。続けて、T12では、携帯端末装置10は、デバイス検索操作を受け付ける(S102でYES)。T14では、携帯端末装置10は、デバイス検索操作を受け付けたことに応じて、サーチ信号をネットワークに送信する。T16では、携帯端末装置10は、プリンタ20からサーチ信号に対する応答を受信する。この応答には、プリンタ20のプリンタ名を含む。T18では、携帯端末装置10は、所定時間内に応答を受信したことに応じて(S106にてYES)、デバイス選択画面表示処理によってデバイス選択画面100を表示する(S108)。デバイス選択画面100には、応答をしたプリンタ20のプリンタ名が表示される。本実施例では、デバイス選択画面100には、プリンタ20のみが表示される。
【0047】
T20では、携帯端末装置10は、デバイス選択操作を受け付ける(S110でYES)。T22では、携帯端末装置10は、デバイス選択操作を受け付けたことに応じて、デバイスを選択した旨を示すデバイス選択信号をプリンタ20に送信する。T24では、プリンタ20は、デバイス選択信号を受信したことに応じて、デバイスID「dv1」、インク残量「ink1」、デバイス設定「dc1」を携帯端末装置10に送信する。
【0048】
T26では、携帯端末装置10は、デバイスID等を受信したことに応じて、第1管理テーブル登録処理を実行する(S112)。第1管理テーブル登録処理において、携帯端末装置10は、第1管理テーブルKT1の各項目が記憶される第1管理テーブル登録を要求する第1管理テーブル登録要求をプリンタ20に送信する。
【0049】
T28では、プリンタ20は、第1管理テーブル登録要求を受け付けたことに応じて、デバイス交換情報確認を実行する。デバイス交換情報確認において、プリンタ20は、第1管理テーブルKT1において、デバイス交換情報がオン状態であるか否かを確認する。
【0050】
T30では、プリンタ20は、このデバイス交換情報がブランクであってオン状態でないことに応じて、第1管理テーブル登録を実行する。プリンタ20は、第1管理テーブル登録において、第1管理テーブルKT1に、デバイスID「dv1」と、インク残量「ink1」と、デバイス設定「dc1」とを対応付けて登録(記憶)する。また、プリンタ20は、交換申請情報およびデバイス交換情報のそれぞれをオフ状態に設定する。さらに、プリンタ20は、アクティベーション情報をオン状態に設定して、枚数チェック日時「cd1」を、現時点の日時に設定する。これにより、第1管理テーブル登録が完了する。
【0051】
T32では、プリンタ20は、第1管理テーブル登録が完了したことに応じて、その旨を示す第1管理テーブル登録完了通知を携帯端末装置10に送信する。この第1管理テーブル登録完了通知には、第1管理テーブルKT1に記憶された情報がすべて含まれている。なお、印刷可能枚数およびインク残量は、携帯端末装置10の端末記憶部12にも記憶され、必要に応じてディスプレイ14に表示される。
【0052】
T34では、携帯端末装置10は、第1管理テーブル登録完了通知を受け付けたことに応じて、第2管理テーブル登録処理を実行する(S114)。第2管理テーブル登録処理において、携帯端末装置10は、第2管理テーブルKT2の各項目が記憶される第2管理テーブル登録を要求する第2管理テーブル登録要求をサーバ30に送信する。この第2管理テーブル登録要求には、上述した第1管理テーブル登録完了通知に含まれているデバイスID、印刷可能枚数、アクティベーション情報、枚数チェック日時が含まれている。さらに、第2管理テーブル登録要求には、サービスIDが含まれている。サービスID「sv1」は、ユーザによって入力される。
【0053】
T36では、サーバ30は、第2管理テーブル登録要求を受け付けたことに応じて、サービスIDを確認する。なお、ユーザによって入力されたサービスIDが既に使用されている場合には、サービスIDを変更する必要がある旨の信号を携帯端末装置10に送信する。この場合、携帯端末装置10は、再度入力されたサービスIDにて登録要求を再度実行する。
【0054】
T38では、サーバ30は、第2管理テーブル登録を実行する。サーバ30は、第2管理テーブル登録において、第2管理テーブルKT2に対して、上述した第2管理テーブル登録要求に含まれていたデバイスID「dv1」、および枚数チェック日時「cd1」を登録し、アクティベーション情報をオン状態に設定する。サーバ30は、枚数チェック結果に、印刷可能枚数「pr1」と同じ値を登録する。さらに、サーバ30は、サービスID「sv1」を登録する。これにより、第2管理テーブル登録が完了する。T40では、サーバ30は、第2管理テーブル登録が完了したことに応じて、その旨を示す第2管理テーブル登録完了通知を携帯端末装置10に送信する。
【0055】
T42では、携帯端末装置10は、第2管理テーブル登録完了通知を受信したことに応じて、初期デバイス設定処理を終了し、メニュー画面200をディスプレイ14に表示する。メニュー画面200は、デバイス操作部210およびデバイス名表示部220を備えている。
【0056】
デバイス操作部210は、メニュー画面200の上側に配置され、ユーザによるプリンタ20の操作を受け付ける部位である。デバイス操作部210には、デバイス設定に含まれるプリンタ20の機能に対応するアイコンが表示される。本実施例においては、コピー機能の実行に対応する第1アイコン211、スキャン機能の実行に対応する第2アイコン212、ファックス機能の実行に対応する第3アイコン213、各機能の設定の変更やインク残量の確認に対応する第4アイコン214、および、後述する印刷可能枚数の確認およびチャージ処理の実行に対応する第5アイコン215が、デバイス操作部210に表示される。デバイス名表示部220は、メニュー画面200の下側に配置され、現在選択されているデバイスのデバイス名(プリンタ名)が表示される。
【0057】
(ケースB)
次に、上述した初期デバイス設定処理がケースBにて実行された場合における印刷システム1の動作について説明する。ケースBは、既に交換済のプリンタ20に対して初期デバイス設定処理が実行される場合である。ケースBは、例えば、後述するデバイス交換処理によってプリンタの交換を実行した後に、ユーザが誤って、交換済のプリンタを選択した場合である。この場合、第1管理テーブルKT1において、デバイス交換情報がオン状態「〇」である。
【0058】
ケースBにおいても、上述したケースAと同様に、T10~T28と同様の処理が実行される。T28において、プリンタ20は、デバイス交換情報がオン状態であることに応じて、初期デバイス設定処理を中止する旨を示すデバイス設定中止通知を送信する。携帯端末装置10は、デバイス設定中止通知を受け付けたことに応じて、初期デバイス設定処理を終了する。この場合、携帯端末装置10は、初期デバイス設定処理を中止した旨の表示(図示省略)を行う。
【0059】
(印刷処理)
次に、端末CPU11が実行する印刷処理について、
図6に示すフローチャートを用いて説明する。印刷処理は、プリンタ20に印刷を実行させる処理である。
【0060】
S200において、端末CPU11は、印刷実行操作がされたか否かを確認する。印刷実行操作は、ユーザによるメニュー画面200の第1アイコン211への操作である。印刷実行操作がされたことに応じてディスプレイ14に表示される印刷実行画面(図示省略)において、印刷に使用される用紙の枚数などが指定される。以下、印刷実行画面において指定された用紙の枚数を印刷指定枚数と記載する。
【0061】
第1アイコン211が操作されない場合、端末CPU11は、S200にてNOと判定し、S200を繰り返し実行する。一方、第1アイコン211が操作されたことに応じて、端末CPU11は、S200にてYESと判定し、S202にて、プリンタ20から印刷可能枚数およびアクティベーション情報を取得する。
【0062】
続けて、S204において、端末CPU11は、印刷可能枚数が印刷指定枚数以上であるか否かを判定する。印刷可能枚数が印刷指定枚数より少ない場合、端末CPU11は、S204にてNOと判定し、S212にて印刷処理を中止する。この場合、後述する印刷可能枚数のチャージ処理を促す旨がディスプレイ14に表示される。一方、印刷可能枚数が印刷指定枚数以上である場合、端末CPU11は、S204にてYESと判定し、S206にてアクティベーション情報がオン状態であるか否かを確認する。
【0063】
アクティベーション情報がオフ状態であることに応じて、端末CPU11は、S206にてNOと判定し、S212にて印刷処理を中止する。この場合、アクティベーション情報がオフ状態であるため、初期デバイス設定処理を促す旨がディスプレイ14に表示される。一方、アクティベーション情報がオン状態であることに応じて、端末CPU11は、S206にてYESと判定し、S208にて後述する枚数チェック処理を実行する。
【0064】
続けて、S210において、端末CPU11は、枚数チェック処理による枚数チェックが問題なしか否かを確認する。枚数チェック処理においてチェック結果に問題ありと判定されたことに応じて、端末CPU11は、S210にてNOと判定し、S212にて印刷処理を中止する。この場合、例えば、プリンタ本体の確認をユーザに対して促す旨がディスプレイ14に表示される。
【0065】
一方、枚数チェック処理においてチェック結果に問題なしと判定されたことに応じて、端末CPU11は、S210にてYESと判定し、S214にて、端末CPU11は、印刷指示情報をプリンタ20に送信して、プリンタ20に印刷を実行させる。印刷指示情報は、ユーザによる印刷実行操作によって指定された印刷の設定に関する情報である。印刷指示情報は、具体的には、印刷データ12c、印刷指定枚数や色調などである。
【0066】
続けて、S216にて、端末CPU11は、印刷が完了したか否かを判定する。後述するように、プリンタ20にて印刷が実行されたことに応じて、第1管理テーブルKT1に記憶された印刷可能枚数が印刷に使用された用紙の枚数だけ減算され、印刷が完了した旨を示す印刷完了通知が携帯端末装置10に送信される。この印刷完了通知をプリンタ20から受信したことに応じて、端末CPU11は、S216にてYESと判定し、S218にて減算された印刷可能枚数をプリンタ20から取得して、端末記憶部12に記憶された印刷可能枚数を更新する。また、このとき、インク残量も取得して更新する。
【0067】
(枚数チェック処理)
次に、上述した印刷処理において実行される枚数チェック処理(
図6のS208)について
図7を用いて説明する。枚数チェック処理は、プリンタ20の印刷可能枚数を確認する枚数チェックを所定のタイミング毎に行う処理である。所定のタイミングは、前回の枚数チェックをした日時から後述する所定期間が経過した後に枚数チェック処理が行われるタイミングである。
【0068】
S300にて、携帯CPUは、プリンタ20から枚数チェック日時を取得する。続けて、S302にて、枚数チェック日時が現時点以前の日時であるか否かを判定する。取得した枚数チェック日時が現時点より後の日時であることに応じて、携帯CPUはS302にてNOと判定し、S304にてチェック結果に問題ありとする。
【0069】
一方、取得した枚数チェック日時が現時点以前の日時であることに応じて、端末CPU11はS302にてYESと判定し、S306にて現時点が枚数チェック日時から所定期間(例えば1か月)経過したか否かを判定する。現時点が枚数チェック日時から所定期間経過していないことに応じて、端末CPU11は、S306にてNOと判定し、S316にてチェック結果に問題なしとして、枚数チェック処理を終了する。
【0070】
一方、現時点が枚数チェック日時から所定期間経過したことに応じて、端末CPU11は、S306にてYESと判定し、S308において、端末CPU11は、サーバ30から枚数チェック結果を取得する。続けて、S310において、端末CPU11は、印刷可能枚数が枚数チェック結果以下であるか否かを確認する枚数チェックを行う。
【0071】
上述した初期デバイス設定処理において、印刷可能枚数と枚数チェック結果とが同じ値に設定される。その後、上述した印刷処理において、印刷可能枚数がその印刷に使用された用紙の枚数だけ減算されている。一方、サーバ30に記憶された枚数チェック結果は、印刷処理において印刷が実行されても減算されない。よって、所定期間内に印刷処理が実行された場合、印刷可能枚数が減算されているが枚数チェック結果が減算されていないため、印刷可能枚数は枚数チェック結果より少ない。また、所定期間内に印刷処理が実行されていない場合、印刷可能枚数および枚数チェック結果ともに減算されていないため、印刷可能枚数は枚数チェック結果と同じである。この場合、端末CPU11は、S310にてYESと判定し、プログラムをS312に進める。
【0072】
一方、S310において、印刷に使用された用紙の枚数だけ印刷可能枚数が減算されていない等によって、印刷可能枚数が正しい値に記憶されていないことにより、印刷可能枚数が枚数チェック結果より多いことに応じて、端末CPU11は、S310にてNOと判定し、S304にてチェック結果に問題ありとする。
【0073】
S312にて、端末CPU11は、プリンタ20およびサーバ30のそれぞれにチェック内容更新要求を送信する。チェック内容更新要求は、第1管理テーブルKT1および第2管理テーブルKT2に記憶されているチェック日時を現時点の日時に更新する要求である。また、チェック内容更新要求は、第2管理テーブルKT2に記憶されている枚数チェック結果を、上述した印刷処理のS202(
図6)にてプリンタ20から取得した印刷可能枚数にて更新する要求である。
【0074】
続けて、S314にて、端末CPU11は、チェック内容更新が完了したか否かを確認する。サーバ30においてチェック内容更新が完了したことに応じて、端末CPU11は、S314にてYESと判定し、S316にてチェック結果に問題なしとする。
【0075】
(印刷処理における印刷システム1の動作)
(ケースC)
次に、上述した印刷処理がケースCにて実行された場合における印刷システム1の動作について
図8を用いて説明する。ケースCは、印刷指定枚数に対して印刷可能枚数が十分にある状態であり、アクティベーション情報がオン状態である。また、ケースCは、第1管理テーブルKT1に記憶された枚数チェック日時が現時点以前の日時であり、現時点が枚数チェック日時から所定期間経過した状態である。さらに、ケースCは、所定期間内の印刷の実行によって印刷可能枚数が減算されていることにより、印刷可能枚数が枚数チェック結果より少ない状態である。
【0076】
T50では、携帯端末装置10は、ユーザによる印刷実行操作を受け付ける(S200でYES)。T52では、携帯端末装置10は、印刷実行操作を受け付けたことに応じて、印刷可能枚数を取得するための印刷可能枚数要求、および、アクティベーション情報を取得するためのアクティベーション情報要求をプリンタ20に送信する。
【0077】
T54では、プリンタ20は、携帯端末装置10の要求に応じて、第1管理テーブルKT1に記憶されている印刷可能枚数およびアクティベーション情報を送信する。この印刷可能枚数は、端末記憶部12に記憶される。T56では、携帯端末装置10は、プリンタ20から印刷可能枚数およびアクティベーション情報を取得したことに応じて(S202)、印刷可能枚数およびアクティベーション情報を確認する(S204,S206)。具体的には、印刷可能枚数が印刷実行操作にて指定された印刷指定枚数以上であること、および、アクティベーション情報がオン状態であることを確認する(S204およびS206でYES)。
【0078】
T58では、携帯端末装置10は、枚数チェック処理(S208)に基づいて枚数チェックを行うために、枚数チェック日時を取得するための枚数チェック要求をプリンタ20に送信する。T60にて、プリンタ20は、枚数チェック要求を取得したことに応じて、第1管理テーブルKT1に記憶されている枚数チェック日時を送信する。T62では、携帯端末装置10は、プリンタ20から枚数チェック日時を取得したことに応じて(S300)、枚数チェック日時を確認する(S302)。T64では、枚数チェック日時が現時点以前の日時であることに応じて(S302でYES)、携帯端末装置10は、枚数チェック日時から所定期間が経過していることを確認する(S306でYES)。
【0079】
続けて、T66では、枚数チェック日時を確認したことに応じて、プリンタ20のデバイスIDを含み、枚数チェック結果を要求する枚数チェック結果要求をサーバ30に送信する。T68では、サーバ30は、枚数チェック結果要求を取得したことに応じて、第2管理テーブルKT2におけるデバイスIDに対応する枚数チェック結果を携帯端末装置10に送信する。
【0080】
T70では、携帯端末装置10は、サーバ30から枚数チェック結果を取得したことに応じて(S308)、印刷可能枚数と枚数チェック結果との差を確認する枚数チェックを行う(S310)。T72では、携帯端末装置10は、印刷可能枚数が枚数チェック結果より少ないことに応じて(S310でYES)、サーバ30に枚数チェック日時および枚数チェック結果を更新させるチェック内容更新要求を送信する(S312)。このチェック内容更新要求には、T54にてプリンタ20から送信されて端末記憶部12に記憶された印刷可能枚数およびデバイスIDが含まれる。
【0081】
T74では、サーバ30は、このチェック内容更新要求を取得したことに応じて、第2管理テーブルKT2におけるデバイスIDに対応する枚数チェック日時を現時点の日時に、枚数チェック結果をチェック内容更新要求に含まれた印刷可能枚数に更新する。T76では、サーバ30は、この更新が完了したことにより、その旨を示す更新完了通知を携帯端末装置10に送信する。
【0082】
T78では、携帯端末装置10は、サーバ30からの更新完了通知を取得したことに応じて、プリンタ20にチェック内容更新要求を送信する(S312)。T80では、プリンタ20は、このチェック内容更新要求に応じて、第1管理テーブルKT1の枚数チェック日時を現時点の日時に更新する。これにより、枚数チェックを行った時点において、各管理テーブルKT1,KT2および端末記憶部12に記憶された印刷可能枚数が同じ値となる。また、この時点において、各管理テーブルKT1,KT2における枚数チェック日時が同じ日時となる。T82では、プリンタ20は、この更新が完了したことにより、その旨を示す更新完了通知を携帯端末装置10に送信する。
【0083】
T84では、携帯端末装置10は、プリンタ20からの更新完了通知を取得したことに応じて(S314でYES)、チェック結果に問題なしとし(S316,S210でYES)、印刷指示をプリンタ20に送信する(S214)。T86では、プリンタ20の印刷部25は、印刷を実行する。さらに、T88では、プリンタ20は、印刷を実行したことに応じて、印刷可能枚数を更新する。具体的には、プリンタ制御部26が、印刷の実行に使用された用紙の枚数だけ印刷可能枚数から減算する。続けて、T90では、プリンタ20は、印刷を完了したことに応じて、その旨を示す印刷完了通知を携帯端末装置10に送信する。
【0084】
T92では、携帯端末装置10は、印刷完了通知を取得したことに応じて(S216でYES)、プリンタ20に印刷可能枚数を要求する印刷可能枚数要求を送信する。なお、この印刷可能枚数要求には、インク残量の要求も含まれる。T94では、プリンタ20は、印刷可能枚数要求に応じて、印刷の実行に応じて減算された印刷可能枚数およびインク残量を、携帯端末装置10に送信する。
【0085】
T96では、携帯端末装置10は、プリンタ20からの印刷可能枚数およびインク残量を取得したことに応じて、端末記憶部12に記憶されている印刷可能枚数およびインク残量を更新して記憶する(S218)。これにより、印刷が実行された時点において、携帯端末装置10およびプリンタ20に記憶されている印刷可能枚数が同じ値となる。一方、サーバ30に記憶された枚数チェック結果は更新されないため、印刷の実行によってプリンタ20および携帯端末装置10の印刷可能枚数が正しく減算されている場合、印刷が実行された時点の印刷可能枚数は、枚数チェック結果より少ない。
【0086】
(ケースD:図示省略)
次に、上述した印刷処理がケースDにて実行された場合における印刷システム1の動作について説明する。ケースDは、ケースCに対して、プリンタ20において印刷可能枚数が正しく減算されていないこと等により、印刷可能枚数が枚数チェック結果より多くなっている状態である。
【0087】
ケースDにおいても、上述したケースCと同様に、T50~T70と同様の処理が実行される。しかしながら、ケースDにおいては、印刷可能枚数が枚数チェック結果より多いことに応じて(S310でNO)、携帯端末装置10は、チェック結果に問題ありとして(S304,S210でNO)、印刷処理を中止する(S212)。
【0088】
(チャージ処理)
次に、端末CPU11が実行するチャージ処理について
図9に示すフローチャートを用いて説明する。チャージ処理は、ユーザによって印刷可能枚数に対して課金されたことに応じて、印刷可能枚数を加算する処理である。チャージ処理は、
図10に示すチャージ画面300にて実行可能である。チャージ画面300は、印刷可能枚数表示部310およびチャージ枚数表示部320を備えている。
【0089】
印刷可能枚数表示部310は、チャージ画面300の上側に配置され、印刷可能枚数を表示する。この印刷可能枚数は、第1管理テーブルKT1から取得したものを用いてもよいし、端末記憶部12に記憶されたものを用いてもよい。チャージ枚数表示部320は、チャージ画面300の下側に配置され、複数のチャージアイコン321がリスト形式にて表示される。複数のチャージアイコン321のそれぞれは、互いに異なる用紙の枚数、および、用紙の枚数に応じた課金の額が表示さている。
【0090】
図10に戻ってチャージ処理について説明する。チャージ処理は、メニュー画面200(
図5)にて第5アイコン215が操作されることにより開始される。
S400において、端末CPU11は、チャージ画面表示処理を実行する。チャージ画面表示処理は、メニュー画面200にて第5アイコン215が操作されることにより、端末CPU11がチャージ画面300(
図10)をディスプレイ14に表示する処理である。
【0091】
続いて、S402にて、端末CPU11は、印刷可能枚数表示処理を実行する。印刷可能枚数表示処理は、第1管理テーブルKT1に記憶された印刷可能枚数を取得して、印刷可能枚数を印刷可能枚数表示部310に表示させる処理である。なお、第1管理テーブルKT1に記憶された印刷可能枚数を取得したことに応じて、端末記憶部12に印刷可能枚数が記憶される。
【0092】
続けてS404にて、端末CPU11は、チャージ操作されたか否かを判定する。チャージ操作は、ユーザによるチャージアイコン321への操作である。ユーザの所望する印刷可能枚数が表示されたチャージアイコン321をユーザが操作したことに応じて、端末CPU11は、S404にてYESと判定し、S406にて印刷可能枚数加算処理を実行する。
【0093】
印刷可能枚数加算処理は、プリンタ20に対して、ユーザによって操作されたチャージアイコン321に表示された用紙の枚数(以下、チャージ枚数と記載する。)を、第1管理テーブルKT1に記憶された印刷可能枚数に加算させる処理である。さらに、加算された印刷可能枚数は、端末記憶部12に記憶される。
【0094】
続けて、端末CPU11は、S408にて、プリンタ20およびサーバ30のそれぞれにチェック内容更新要求を送信する。チェック内容更新要求は、上述したS312と同様の要求である。
【0095】
(チャージ処理における印刷システム1の動作)
次に、上述したチャージ処理が実行された場合における印刷システム1の動作について、
図11に示すシーケンス図を用いて、メニュー画面200が表示されている状態から説明する。
【0096】
T100では、携帯端末装置10は、メニュー画面200にてチャージ画面表示操作を受け付ける。T102では、携帯端末装置10は、チャージ画面表示操作を受け付けたことに応じて、チャージ画面300を表示する(S400)。続けて、T104では、携帯端末装置10は、印刷可能枚数要求をプリンタ20に送信する。T106では、プリンタ20は、印刷可能枚数要求を取得したことに応じて、第1管理テーブルKT1に記憶されている印刷可能枚数を携帯端末装置10に送信する。T108では、携帯端末装置10は、印刷可能枚数を取得したことに応じて、印刷可能枚数表示部310に印刷可能枚数を表示する(S402)。
【0097】
T110では、携帯端末装置10は、チャージ画面300にてチャージ操作を受け付ける(S404)。T112では、携帯端末装置10は、ユーザによるチャージ操作を受け付けたことに応じて、チャージ操作されたチャージアイコン321に示されたチャージ枚数をプリンタ20に送信する(S406)。T114にて、プリンタ20は、チャージ枚数を取得したことに応じて、そのチャージ枚数を第1管理テーブルKT1に記憶された印刷可能枚数に加算する。
【0098】
T116では、プリンタ20は、加算した印刷可能枚数を携帯端末装置10に送信する。さらに、T118では、携帯端末装置10は、プリンタ20から送信された印刷可能枚数を、端末記憶部12に記憶する。これにより、携帯端末装置10においても印刷可能枚数が加算される。
【0099】
T120では、携帯端末装置10は、印刷可能枚数を記憶したことに応じて、サーバ30に、この印刷可能枚数およびデバイスIDを含むチェック内容更新要求を送信する(S408)。T122では、サーバ30は、このチェック内容更新要求に応じて、第2管理テーブルKT2におけるデバイスIDに対応する枚数チェック日時を現時点の日時に、枚数チェック結果を端末記憶部12に記憶された印刷可能枚数に更新する。T124では、サーバ30は、この更新が完了したことに応じて、その旨を示す更新完了通知を携帯端末装置10に送信する。
【0100】
T126では、携帯端末装置10は、サーバ30からの更新完了通知を取得したことに応じて、プリンタ20にチェック内容更新要求を送信する(S408)。T128では、プリンタ20は、このチェック内容更新要求に応じて、第1管理テーブルKT1の枚数チェック日時を現時点の日時に更新する。このように、チャージ操作が行われたことにより、各管理テーブルKT1,KT2および携帯端末装置10に記憶された印刷可能枚数にチャージ枚数が加算される。また、各管理テーブルKT1,KT2における枚数チェック日時が同じ日時となる。T130では、プリンタ20は、この更新が完了したことにより、その旨を示す更新完了通知を携帯端末装置10に送信する。
【0101】
(デバイス交換依頼報知処理)
次に、端末CPU11が実行するデバイス交換依頼報知処理について
図12に示すフローチャートを用いて説明する。デバイス交換依頼報知処理は、ユーザに対してプリンタ20の交換を促す旨の報知であるデバイス交換依頼報知を行う処理である。
【0102】
S500にて、端末CPU11は、インク残量不足通知を受信したか否かを判定する。インク残量不足通知は、第1管理テーブルKT1に記憶されたインク残量が所定残量以下となったことに応じて、プリンタ20から送信される通知である。所定残量は、ベンダからプリンタ20が供給された際に充填されているインクの量の例えば20%に相当する。インク残量不足通知は、複数のタンク部23のインク残量のうち、少なくとも一つのタンク部23のインク残量が所定残量以下となったことに応じて通知される。
【0103】
端末CPU11は、インク残量不足通知を受信したことに応じて、S500にてYESと判定し、S502にてデバイス交換申請済みか否かを確認する。具体的には、第1管理テーブルKT1に記憶された交換申請情報がオン状態か否か確認する。交換申請情報がオン状態であることにより、デバイス交換申請済みであることに応じて、端末CPU11は、S502にてYESと判定し、デバイス交換依頼報知処理を終了する。一方、交換申請情報がオフ状態であることにより、デバイス交換申請済みでない場合、端末CPU11は、S502にてNOと判定し、S504にてデバイス交換依頼報知処理を実行する。デバイス交換依頼報知処理によってデバイス(プリンタ20)の交換を促す旨(図示省略)がディスプレイ14に表示される。
【0104】
(デバイス交換申請処理)
次に、端末CPU11が実行するデバイス交換申請処理について
図13に示すフローチャートを用いて説明する。デバイス交換申請処理は、ベンダが本印刷システム1を管理するためのサーバ30であるベンダサーバ4に対してプリンタ20の交換を申請する処理である。
【0105】
S600において、端末CPU11は、デバイス交換申請操作がされたか否かを判定する。デバイス交換申請操作は、ユーザによるデバイス交換申請アイコン120への操作である。デバイス交換申請アイコン120は、デバイス選択画面100の下側に配置されている(
図5)。端末CPU11は、デバイス交換申請操作がされたことに応じて、S600にてYESと判定し、S602にて上述したS502と同様にデバイス交換申請済みか否かを確認する。
【0106】
デバイス交換申請済であることに応じて、端末CPU11は、S602にてYESと判定し、デバイス交換申請処理を終了する。一方、デバイス交換申請済でない場合、端末CPU11は、S602にてNOと判定し、S604にてデバイス交換申請処理を実行する。デバイス交換申請処理によって、新しいプリンタの送付先等の申請情報を入力可能な申請画面(図示省略)がディスプレイ14に表示される。
【0107】
ユーザによって申請画面に入力された申請情報は、現在設定されているプリンタ20のデバイスIDとともにベンダサーバ4に送信される。ベンダサーバ4は、新しいプリンタに対して後述する所定の設定を行って、新しいプリンタをユーザに送付する。
【0108】
(デバイス交換依頼報知処理およびデバイス交換申請処理における印刷システム1の動作)
次に、上述したデバイス交換依頼報知処理およびデバイス交換申請処理が実行された場合における印刷システム1の動作について、インク残量が所定残量以下であり、かつ、交換申請情報がオフ状態である場合を、
図14を用いて説明する。
【0109】
T130では、プリンタ20は、第1管理テーブルKT1に記憶されたインク残量が所定残量以下となったか否かを判定するインク残量判定を実行する。プリンタ20のインク残量は、第4アイコン214への操作に基づいて表示されるインク残量表示画面400にて示されるように、ブラックBKが所定残量以下となっている。
【0110】
T132では、プリンタ20は、インク残量判定によってインク残量が所定残量以下であることに応じて、インク残量不足通知を携帯端末装置10に送信する。T134では、携帯端末装置10は、インク残量不足通知を受信したことに応じて(S500でYES)、プリンタ20の交換申請情報を取得するための交換申請情報要求をプリンタ20に送信する。
【0111】
T136では、プリンタ20は、交換申請情報要求を受信したことに応じて、交換申請情報を示す信号を、携帯端末装置10に送信する。T138では、携帯端末装置10は、交換申請情報がオフ状態であることに応じて(S502でYES)、デバイス交換依頼報知をディスプレイ14に表示する(S504)。
【0112】
T140では、携帯端末装置10は、デバイス交換申請操作を受け付ける(S600でYES)。T142,T144では、携帯端末装置10は、上述したT134,T136と同様の処理を行う(S602)。T146では、携帯端末装置10は、交換申請情報を受信したことに応じて、上述した申請画面を表示する(S604)。T148では、ユーザが申請画面に申請情報として所定の情報を入力する。
【0113】
T150では、携帯端末装置10は、申請情報およびデバイスIDを示す信号をベンダサーバ4に送信する。T152では、携帯端末装置10は、交換申請情報を更新させる交換申請情報更新要求をプリンタ20に送信する。T154では、プリンタ20は、交換申請情報更新要求を受信したことに応じて、第1管理テーブルKT1に記憶された交換申請情報をオフ状態からオン状態に更新する。
【0114】
(デバイス交換処理)
次に、端末CPU11が実行するデバイス交換処理について、
図15に示すフローチャートを用いて、
図17および
図18に示す旧デバイス40から新デバイス50に交換する場合を説明する。
図17に示す各管理テーブルKT1,KT2の情報は、デバイス交換処理が実行される前の状態を示す。また、
図18に示す各管理テーブルKT1,KT2の情報は、デバイス交換処理が実行された後の状態を示す。旧デバイス40は、上述した初期デバイス設定処理によって選択されて、今まで使用をしていたプリンタであって、上述したデバイス交換申請処理によって交換を申請したプリンタである。
【0115】
図17に示すように、デバイス交換処理が実行される前における旧デバイス40については、具体的には、第1管理テーブルKT1において、デバイスIDが「dv4」であり、インク残量「ink4」は、所定残量以下となっている。交換申請情報は、上述した交換の申請が行われたことによりオン状態「〇」になっている。さらに、アクティベーション情報は、初期デバイス設定処理によりオン状態「〇」に設定されている。また、デバイス交換情報は、未だ交換されていないためオフ状態「×」である。なお、デバイス設定は「dc4」に設定され、枚数チェック日時は、「cd4」にて記憶されている。
【0116】
また、第2管理テーブルKT2において、旧デバイス40に対応するデバイスID、アクティベーション情報および枚数チェック日時は、上述した初期デバイス設定処理または印刷処理によって第1管理テーブルKT1と同様に記憶されている。サービスIDは、初期デバイス設定処理にて設定された「sv3」であり、枚数チェック日時は、「cr4」にて記憶されている。
【0117】
一方、新デバイス50は、旧デバイス40におけるデバイス交換申請処理によって、ベンダからユーザに送付されたプリンタである。新デバイス50については、所定の設定がベンダサーバ4によって行われている。具体的には、新デバイス50については、各管理テーブルKT1,KT2におけるデバイスIDが「dv5」である。第2管理テーブルKT2のサービスIDは、旧デバイス40のサービスIDと同一の「sv3」が設定される。これは、デバイス交換申請処理において、旧デバイス40のデバイスID「dv4」ベンダサーバ4に送信されることにより、ベンダサーバ4によって旧デバイス40のデバイスID「dv4」に対応するサービスID「sv3」が検索されて、このサービスIDが新デバイス50のサービスID「sv3」に設定される。
【0118】
新デバイス50において、第1管理テーブルKT1におけるインク残量「ink5」は、上述した所定の印刷可能枚数を印刷可能なインク残量に相当する。交換申請情報、アクティベーション情報、およびデバイス交換情報は、オフ状態「×」に設定されている。デバイス設定は「dc5」に設定されている。また、第2管理テーブルKT2における新デバイス50に対応するアクティベーション情報は、第1管理テーブルKT1と同様にオフ状態に設定され、枚数チェック日時および枚数チェック結果は、ブランク「-」に設定されている。
【0119】
図15に戻ってデバイス交換処理について、デバイス検索によって旧デバイス40と新デバイス50とが検索されて、デバイス選択画面100に両デバイスが表示されている状態(
図5)から説明を続ける。
【0120】
S700にて、端末CPU11は、デバイス交換操作がされたか否かを判定する。デバイス交換操作は、ユーザによるデバイス交換アイコン(図示省略)への操作である。デバイス交換アイコンは、例えば、デバイス選択画面100の下側に配置されている。デバイス交換操作がされたことに応じて、端末CPU11は、S700にてYESと判定し、S702にて新デバイス選択操作がされたか否かを判定する。新デバイス選択操作は、ユーザが新デバイス50を選択する操作であり、デバイス選択画面100における新デバイス50が表示された表示欄110への操作である。
【0121】
端末CPU11は、新デバイス選択操作がされたことに応じて、S702にてYESと判定し、S704にて新デバイス50のデバイス交換情報およびアクティベーション情報を取得する。端末CPU11は、これらの情報を新デバイス50の第1管理テーブルKT1から取得する。続けて、S706にて、端末CPU11は、デバイス交換情報がオフ状態であるか否かを確認する。ユーザが誤って交換済のプリンタを新デバイス50に選択した場合、新デバイス50のプリンタ交換情報がオン状態である。この場合、プリンタ交換情報がオン状態であることに応じて、端末CPU11は、S706にてNOと判定し、S722にてデバイス交換を中止する。
【0122】
一方、新デバイス50に選択されたプリンタに対応するデバイス交換情報がオフ状態である場合、プリンタ交換情報がオフ状態であることに応じて、端末CPU11は、S706にてYESと判定し、S708にて新デバイス50のアクティベーション情報がオフ状態であるか否かを確認する。ユーザが誤って現在使用中で交換予定のないプリンタや旧デバイス40を新デバイス50に選択した場合、新デバイス50のアクティベーション情報がオン状態である。この場合、アクティベーション情報がオン状態であることに応じて、端末CPU11は、S708にてNOと判定し、S722にてデバイス交換を中止する。
【0123】
一方、新デバイス50に選択されたプリンタに対応するアクティベーション情報がオフ状態である場合、アクティベーション情報がオフ状態であることに応じて、端末CPU11は、S708にてYESと判定し、S710にてデバイス交換(プリンタの交換)を実行するか否かを確認する。端末CPU11は、具体的には、ユーザに対してデバイス交換を実行するか否かを確認するダイアログボックスを表示する。端末CPU11は、デバイス交換実行操作がされたことに応じて、S710にてYESと判定し、プログラムをS712に進める。デバイス交換実行操作は、上述したダイアログボックスに対するデバイス交換を実行させるユーザによる操作である。
【0124】
S712にて、端末CPU11は、旧デバイス40のデバイス交換情報およびアクティベーション情報を更新する。端末CPU11は、具体的には、サーバ30に、第2管理テーブルKT2における旧デバイス40のデバイスID「dv4」に対応するアクティベーション情報をオン状態からオフ状態に更新させる。さらに、端末CPU11は、旧デバイス40に、第1管理テーブルKT1のアクティベーション情報をオン状態からオフ状態に更新させ、かつ、デバイス交換情報をオフ状態からオン状態に更新させる。このように、サーバ30に記憶された情報の更新が、プリンタ20に記憶された情報の更新よりも先に行われる。
【0125】
さらに、S714にて、端末CPU11は、新デバイス50のアクティベーション情報を更新する。端末CPU11は、具体的には、サーバ30に、第2管理テーブルKT2における新デバイス50のデバイスID「dv5」に対応するアクティベーション情報をオフ状態からオン状態に更新させる。このとき、サーバ30は、第2管理テーブルKT2にサービスID「sv3」に対応するデバイスが複数存在する場合において、新デバイス50以外のデバイスのアクティベーション情報がオン状態であるとき、新デバイス50のアクティベーション情報をオフ状態のままとし、オン状態に更新しない。一方、サーバ30は、第2管理テーブルKT2におけるサービスID「sv3」に対応するデバイスのアクティベーション情報がすべてオフ状態である場合、新デバイス50のアクティベーション情報をオフ状態からオン状態に更新する。
【0126】
S716にて、端末CPU11は、新デバイス50のアクティベーション情報が更新されたか否かを判定する。端末CPU11は、新デバイス50のアクティベーション情報が更新されていないことに応じて、S716にてNOと判定し、S722にてデバイス交換を中止する。一方、端末CPU11は、新デバイス50のアクティベーション情報が更新されたことに応じて、S716にてYESと判定し、S718にて移行処理を実行する。移行処理は、旧デバイス40の印刷可能枚数を新デバイス50に移行させる処理である。
【0127】
移行処理によって、旧デバイス40の印刷可能枚数が消去されることにより「pr4」から「-(ブランク)」にされ、かつ、新デバイス50に印刷可能枚数が「-(ブランク)」から「pr4」に更新される。このデバイス交換処理によって、旧デバイス40の使用ができなくなるとともに、新デバイス50の使用が可能となる。
【0128】
S720にて、端末CPU11は、枚数チェック日時および枚数チェック結果を設定する。具体的には、端末CPU11は、新デバイス50の第1管理テーブルKT1における枚数チェック日時を現時点の日時に設定する。続けて、端末CPU11は、サーバ30の第2管理テーブルKT2における新デバイス50に対応する枚数チェック日時を現時点の日時に設定し、枚数チェック結果を、旧デバイス40に印刷可能枚数「pr4」と同じ値に設定する。これにより、各管理テーブルKT1,KT2における枚数チェック日時「cd4」,「cd5」が設定され、第2管理テーブルKT2における新デバイス50に対応する枚数チェック結果「cr5」が設定される。これらにより、各管理テーブルKT1,KT2の情報が
図17に示す状態から
図18に示す状態に更新される。
【0129】
(デバイス交換処理における印刷システム1の動作)
次に、上述したデバイス交換処理が実行された場合における印刷システム1の動作について、
図16に示すシーケンス図を用いて、旧デバイス40から新デバイス50に交換する場合を説明する。
【0130】
はじめに、上述したT10~T18と同様の処理が実行され、デバイス選択画面100がディスプレイ14に表示される(
図5)。このデバイス選択画面100の表示欄110には、旧デバイス40および新デバイス50が表示されている。T160では、携帯端末装置10は、ユーザによってデバイス交換アイコンが操作されたことに応じて、デバイス交換操作を受け付ける(S700でYES)。T162では、携帯端末装置10は、ユーザによってデバイス選択画面100における新デバイス50の表示欄110が操作されたことに応じて、新デバイス選択操作を受け付ける(S702でYES)。
【0131】
T164では、携帯端末装置10は、新デバイス選択操作を受け付けたことに応じて、デバイス交換において新デバイス50が選択された旨を示す新デバイス選択信号を新デバイス50に送信する。T166では、新デバイス50は、新デバイス選択信号を受信したことに応じて、デバイス交換情報およびアクティベーション情報を含む情報であって、デバイスID「dv5」およびデバイス設定「dc5」少なくとも含む第1管理テーブルKT1の情報を携帯端末装置10に送信する。
【0132】
T168では、携帯端末装置10は、新デバイス50のデバイス交換情報およびアクティベーション情報を取得したことに応じて(S704)、新デバイス50のデバイス交換情報がオフ状態であること、および、アクティベーション情報がオフ状態であることを確認する(S706,S708)。T170では、携帯端末装置10は、新デバイス50のデバイス交換情報がオフ状態であること、および、アクティベーション情報がオフ状態であることに応じて(S706でYES,S708でYES)、デバイス交換を実行させるダイアログボックスを表示する。
【0133】
T172では、携帯端末装置10は、ユーザがダイアログボックスに対して操作したことに応じて、デバイス交換実行操作を受け付ける。T174では、ユーザによってデバイス交換実行操作がされたことに応じて(S710でYES)、サーバ30に旧デバイス40の情報更新要求を送信する(S712)。この情報更新要求は、第2管理テーブルKT2における旧デバイス40に対応するアクティベーション情報を更新させる要求であり、旧デバイス40のデバイスID「dv4」を含む。
【0134】
T176では、サーバ30は、旧デバイス40の情報更新要求を取得したことに応じて、第2管理テーブルKT2における旧デバイス40のデバイスID「dv4」に対応するアクティベーション情報をオン状態からオフ状態に更新する。T178では、サーバ30は、旧デバイス40に対応するアクティベーション情報を更新したことに応じて、その旨を示す更新完了通知を携帯端末装置10に送信する。
【0135】
T180では、携帯端末装置10は、サーバ30から更新完了通知を取得したことに応じて、旧デバイス40に情報更新要求を送信する(S712)。この情報更新要求は、旧デバイス40の第1管理テーブルKT1におけるデバイス交換情報およびアクティベーション情報を更新させる要求である。
【0136】
T182では、旧デバイス40は、情報更新要求を取得したことに応じて、デバイス交換情報をオフ状態からオン状態に更新し、さらに、アクティベーション情報をオン状態からオフ状態に更新する。T184では、旧デバイス40は、各情報の更新が完了したことに応じて、その旨を示す更新完了通知を携帯端末装置10に送信する。
【0137】
T186では、携帯端末装置10は、旧デバイス40から更新完了通知を取得したことに応じて、サーバ30に新デバイス50の情報更新要求を送信する(S714)。この情報更新要求は、第2管理テーブルKT2における新デバイス50に対応するアクティベーション情報を更新させる要求であり、新デバイス50のデバイスID「dv5」を含む。
【0138】
T188では、サーバ30は、新デバイス50の情報更新要求を取得したことに応じて、第2管理テーブルKT2における新デバイス50のデバイスID「dv5」に対応するサービスID「sv3」が登録された新デバイス50以外のすべてのデバイス(本実施例では旧デバイス40のみ)に対応するアクティベーション情報がオフ状態であることを確認し、デバイスID「dv5」に対応するアクティベーション情報をオフ状態からオン状態に更新する。T190では、サーバ30は、新デバイス50のアクティベーション情報を更新したことに応じて、その旨を示す更新完了通知を携帯端末装置10に送信する。
【0139】
T192では、携帯端末装置10は、サーバ30から更新完了通知を取得したことに応じて、新デバイス50に情報更新要求を送信する(S714)。この情報更新要求は、新デバイス50の第1管理テーブルKT1におけるアクティベーション情報を更新させる要求である。
【0140】
T194では、新デバイス50は、情報更新要求を取得したことに応じて、アクティベーション情報をオフ状態からオン状態に更新する。T196では、新デバイス50は、アクティベーション情報の更新を完了したことに応じて、その旨を示す更新完了通知を携帯端末装置10に送信する。
【0141】
T198では、携帯端末装置10は、新デバイス50から更新完了通知を取得したことに応じて(S716でYES)、旧デバイス40の印刷可能枚数を新デバイス50に移行するために、旧デバイス40に印刷可能枚数要求を送信する(S718)。T200では、旧デバイス40は、印刷可能枚数要求を取得したことに応じて、印刷可能枚数「pr4」を携帯端末装置10に送信する。
【0142】
T202では、携帯端末装置10は、印刷可能枚数を取得したことに応じて、旧デバイス40に対して、印刷可能枚数の記憶の消去を要求する印刷可能枚数消去要求を送信する。T204では、旧デバイス40は、印刷可能枚数消去要求を取得したことに応じて、第1管理テーブルKT1に記憶された印刷可能枚数の情報を消去する。これにより、旧デバイス40の第1管理テーブルKT1における印刷可能枚数は、「-(ブランク)」となる。T206では、旧デバイス40は、印刷可能枚数の情報を消去したことに応じて、その旨を示す消去完了通知を携帯端末装置10に送信する。
【0143】
T208では、携帯端末装置10は、旧デバイス40から消去完了通知を取得したことに応じて、新デバイス50に印刷可能枚数更新要求を送信する。この印刷可能枚数更新要求は、旧デバイス40の印刷可能枚数「pr4」を含み、新デバイス50の印刷可能枚数を、旧デバイス40の印刷可能枚数に更新させる要求である。T210では、新デバイス50は、印刷可能枚数更新要求を取得したことに応じて、第1管理テーブルKT1の印刷可能枚数を、旧デバイス40の印刷可能枚数「pr4」に更新する。
【0144】
T212では、新デバイス50は、印刷可能枚数の更新を完了したことに応じて、その示す更新完了通知を携帯端末装置10に送信する。T214では、携帯端末装置10は、新デバイス50から更新完了通知を取得したことに応じて、チェック内容設定要求を新デバイス50に送信する(S720)。このチェック内容設定要求は、新デバイス50の第1管理テーブルKT1における枚数チェック日時を設定させる要求である。T216では、新デバイス50は、チェック内容設定要求を取得したことに応じて、第1管理テーブルKT1の枚数チェック日時を現時点の日時に設定する。T218では、新デバイス50は、枚数チェック日時の設定が完了したことに応じて、その旨を示す設定完了通知を携帯端末装置10に送信する。
【0145】
T220では、携帯端末装置10は、新デバイス50から設定完了通知を取得したことに応じて、チェック内容設定要求をサーバ30に送信する。このチェック内容設定要求は、新デバイス50のデバイスID「dv5」および旧デバイス40の印刷可能枚数「pr4」を含み、サーバ30の第2管理テーブルKT2における新デバイス50に対応する枚数チェック日時および枚数チェック結果を設定させる要求である。
【0146】
T222では、サーバ30は、チェック内容設定要求を取得したことに応じて、第2管理テーブルKT2における新デバイス50のデバイスID「dv5」に対応する枚数チェック日時を現時点の日時に設定し、かつ、枚数チェック結果を旧デバイス40の印刷可能枚数「pr4」と同じ値に設定する。T224では、サーバ30は、枚数チェック日時及び枚数チェック結果の設定が完了したことに応じて、その旨を示す設定完了通知を携帯端末装置10に送信する。
【0147】
これにより、各管理テーブルKT1,KT2における枚数チェック日時「cd4」,「cd5」が設定され、第2管理テーブルKT2における枚数チェック結果「cr5」が設定される。これらによって、各管理テーブルKT1,KT2の情報は、
図17に示す状態から
図18に示す状態となり、デバイス交換処理が完了する。
【0148】
(効果)
上述した端末プログラム12aは、プリンタ20と通信可能な携帯端末装置10の端末CPU11に実行させるプログラムである。プリンタ20は、インクを用いて用紙に印刷を実行する印刷部25と、印刷部25による印刷を許可する印刷可能枚数を記憶するプリンタ記憶部26bと、印刷部25によって印刷が実行されたことに応じて、印刷に使用された用紙の枚数を印刷可能枚数から減算するプリンタ制御部26と、を備えている。端末プログラム12aは、端末CPU11に、印刷部25による印刷量(印刷枚数)をユーザに選択させるためのチャージ画面300を携帯端末装置10のディスプレイ14に表示させるチャージ画面表示処理(S400)と、チャージ画面表示処理によって表示されたチャージ画面300からユーザが所定の印刷量の選択をしたことに応じて、プリンタ記憶部26bに記憶された印刷可能枚数に、選択をされた印刷量に相当するチャージ枚数を、プリンタ20に加算させる印刷可能枚数加算処理(S406)と、を実行させる。
これによれば、印刷にて使用される用紙の枚数に応じて、適切に印刷サービスを継続して利用することができる。
また、印刷可能枚数が課金されることによって、ユーザがプリンタ20による印刷が可能になり、インク残量が少なくなったプリンタ20が交換される。よって、印刷システム1は、ユーザに適切に課金させることができる。
【0149】
また、チャージ画面表示処理は、印刷量を示すチャージアイコン321を、チャージ画面300に配置してディスプレイ14に表示させる。印刷可能枚数加算処理は、チャージ画面表示処理によって表示されたチャージアイコン321がユーザにより操作されたことに応じて、プリンタ記憶部26bに記憶された印刷可能枚数に、ユーザによって操作されたチャージアイコン321に示される印刷量を、プリンタ20に加算させる。
これによれば、ユーザは、チャージ画面300に表示されたチャージアイコン321を操作することにより、印刷可能枚数を簡便に追加させることができる。
【0150】
また、端末プログラム12aは、印刷における印刷量の指定をし、印刷対象となる印刷データをプリンタ20に送信して、プリンタ20に印刷データの印刷を実行させる印刷処理、を端末CPU11に実行させる。
これによれば、ユーザによって携帯端末装置10にて用紙の枚数が指定されて印刷が指示されるため、携帯端末装置10によって適切に印刷を行うことができる。
【0151】
また、印刷処理は、プリンタ記憶部26bに記憶された印刷可能枚数が、印刷指定枚数以上であることに応じて、プリンタ20に印刷を実行させる。
これによれば、ユーザが印刷を行う場合に印刷指定枚数を印刷可能枚数以上にすることが規制されるため、印刷が適切な枚数にて行われる。
【0152】
また、プリンタ20は、印刷サービスによって交換を可能とされ、端末プログラム12aは、プリンタの交換の要求をするためのデバイス交換申請アイコンを、ディスプレイ14に表示させるデバイス選択画面表示処理(S108)と、デバイス選択画面表示処理によって表示されたデバイス交換申請アイコン120がユーザにより操作されたことに応じて、交換の要求を申請するデバイス交換申請処理と、を端末CPU11に実行させる。
これによれば、プリンタを交換の要求するためのデバイス交換申請アイコン120が操作可能に表示されるため、ユーザは、所望のタイミングで適切にプリンタの交換を要求できる。
【0153】
また、端末プログラム12aは、インクの残量が所定残量以下であることに応じて、プリンタの交換を促す旨の報知を行うデバイス交換依頼報知処理、を端末CPU11に実行させる。
これによれば、インク残量が所定残量以下となったことに応じて、プリンタ20の交換が促されるため、プリンタ20が適切に交換される。
【0154】
また、端末プログラム12aは、プリンタの交換が行われることに応じて、交換対象となった旧デバイス40のプリンタ記憶部26bに記憶された印刷可能枚数を、旧デバイス40と交換される新デバイス50のプリンタ記憶部26bに移行して記憶させる移行処理(S718)、を端末CPU11に実行させる。
これによれば、プリンタ20の交換が行われた場合に、旧デバイス40の印刷可能枚数を、新デバイス50の印刷可能枚数に簡便に引き継ぐことができる。
【0155】
また、プリンタ記憶部26bには、オン状態に設定された場合に印刷部25による印刷の実行が許容され、オフ状態に設定された場合に印刷部25による印刷の実行が規制されること示すアクティベーション情報が記憶されている。端末プログラム12aは、1つの印刷サービスに対応するプリンタのうち1つのプリンタに対してのみ、アクティベーション情報をオン状態に設定する処理(S712,S714)、を端末CPU11に実行させる。
これによれば、アクティベーション情報は、1つの印刷サービスに対して、1つのプリンタのみがオン状態に設定可能であるため、ベンダサーバ4がプリンタ20の供給量を適切に管理できる。
【0156】
また、携帯端末装置10と通信可能なサーバ30に設けられたサーバ記憶部32bに、印刷サービスを識別するサービスIDがプリンタに対応付けられて記憶されている。1つの印刷サービスに対応するプリンタには、同一のサービスIDが対応付けられている。プリンタ記憶部26bに記憶されたアクティベーション情報は、サーバ記憶部32bにプリンタ20およびサービスIDと対応付けられて記憶されている。処理(S712,S714)は、1つのサービスIDに対応するプリンタのうち1つのプリンタに対してのみ、アクティベーション情報をオン状態に設定する。
これによれば、サーバ30に記憶されたサービスIDによって、1つの印刷サービスに対して、1つのプリンタ20のみに対応するアクティベーション情報をオン状態に確実に設定できる。
また、プリンタ20とサーバ30とが通信不能である場合においても、携帯端末装置10とサーバ30とが通信可能であれば、サービスIDに基づいて、印刷サービスが適切に管理される。
【0157】
また、サーバ記憶部32bには、印刷可能枚数加算処理によって印刷可能枚数が加算されたことに応じて、および、所定のタイミング毎に、プリンタ記憶部26bに記憶された印刷可能枚数がプリンタ20に対応付けて記憶される。端末プログラム12aは、プリンタ記憶部26bに記憶された印刷可能枚数が、サーバ記憶部32bに直近に記憶された印刷可能枚数より多いことに応じて、印刷の実行を規制する処理(S212)と、を備えている。
これによれば、プリンタ20の第1管理テーブルKT1に記憶されている印刷可能枚数が、正しく減算または加算されていることを、サーバ30の第2管理テーブルKT2に記憶された枚数チェック結果に基づいて判定することができる。
【0158】
また、プリンタ記憶部26bは、プリンタ20が交換されたか否かを示すプリンタ交換情報であって、既に交換されたプリンタであるか、未だ交換されていないプリンタであるかを示すプリンタ交換情報を、プリンタ20に対応付けて記憶する。端末プログラム12aは、プリンタ記憶部26bに記憶されたプリンタ交換情報が既に交換されたプリンタ20であることを示している場合に、プリンタの交換の実行を規制する処理(S722)と、を備えている。
また、プリンタ交換情報がオン状態であるプリンタ20に対してプリンタの交換が規制されるため、交換済のプリンタ20の転用が抑制される。
【0159】
上述した印刷システム1は、プリンタ20と、プリンタ20と通信可能な携帯端末装置10と、を備えている。プリンタ20は、インクを用いて用紙に印刷を実行する印刷部25と、印刷部25による印刷を許可する印刷可能枚数を記憶するプリンタ記憶部26bと、印刷部25によって印刷が実行されたことに応じて、印刷に使用された用紙の枚数を印刷可能枚数から減算するプリンタ制御部26と、を備えている。携帯端末装置10の端末CPU11は、印刷部25による印刷量をユーザに選択させるためのチャージ画面300を携帯端末装置10のディスプレイ14に表示させる表示部(S400)と、表示部によって表示されたチャージ画面300からユーザが所定の印刷量の選択をしたことに応じて、プリンタ記憶部26bに記憶された印刷可能枚数に、チャージ枚数を、プリンタ20に加算させる加算部(S406)と、を備えている。
これによれば、印刷にて使用される用紙の枚数に応じて、適切に印刷サービスを継続して利用することができる。
【0160】
また、印刷システム1において、プリンタ20は、印刷サービスによって交換を可能とされている。
これによれば、例えばインク残量が所定残量以下となったことに応じてプリンタ20ごと交換される。そのため、インクの補充といった煩雑な作業をユーザが行う必要がない。
また、プリンタ20には、印刷サービスを申し込んだユーザに付与される印刷可能枚数(2000枚)よりも多く印刷できるだけのインク(2000枚+α)が充填されている。そのため、ユーザは、少なくとも印刷サービスを申し込んだ時点で付与される印刷可能枚数を印刷し終わるまでは、インクをプリンタ20に補充したり、プリンタ20を交換したりすることなく印刷サービスを利用することができる。
【0161】
また、印刷システム1は、携帯端末装置10と通信可能なサーバ30、を備えている。サーバ30は、印刷サービスを識別するサービスIDを、プリンタ20に対応付けて記憶するサーバ記憶部32bを備えている。プリンタの交換の対象となったプリンタである旧デバイス40に対応するサービスIDと、旧デバイス40と交換される新デバイス50に対応するサービスIDとが同一となるように設定されている。
これによれば、印刷システム1は、プリンタ20が交換された場合においても、サービスIDに基づいて、印刷サービスを適切に提供することができる。
また、印刷システム1では、初期デバイス設定処理、印刷処理、チャージ処理、デバイス交換依頼報知処理、デバイス交換申請処理、デバイス交換処理などの各種処理を、端末プログラム12aを介して行うことができる。これにより、ユーザは、簡便に本印刷システム1を利用することができる。
【0162】
また、プリンタ20は、ユーザによってインクを補充不能に設けられている。
これによれば、印刷サービスにおいて、プリンタ20のインクが少なくなってきた場合においても、プリンタの交換が適切に行われる。
【0163】
(対応関係)
携帯端末装置10が「情報処理装置」の一例である。端末CPU11が「コンピュータ」の一例である。端末プログラム12aが「プログラム」の一例である。インクが「着色剤」の一例である。印刷可能枚数が「印刷許可量」の一例である。チャージ枚数が「選択をされた印刷量」の一例である。チャージ画面300が「選択画面」の一例である。チャージアイコン321が「第1操作アイコン」の一例である。印刷指定枚数が「指定をされた印刷量」の一例である。チャージ画面表示処理(S400)が「第1表示処理」および「第1表示部」の一例である。サービスIDが「サービス識別情報」の一例である。
【0164】
旧デバイス40が「被交換プリンタ」の一例である。新デバイス50が「交換プリンタ」の一例である。印刷可能枚数加算処理(S406)が「加算処理」および「加算部」の一例である。デバイス交換依頼報知処理が「報知処理」の一例である。デバイス交換申請アイコン120が「第2操作アイコン」の一例である。デバイス選択画面表示処理(S108)が「第2表示処理」の一例である。デバイス交換申請処理が「交換申請処理」の一例である。ディスプレイ14が「表示部」の一例である。プリンタ制御部26が「減算部」の一例である。デバイス交換処理のS712およびS714が「設定処理」の一例である。印刷処理のS212が「印刷規制処理」の一例である。デバイス交換処理のS722が「交換規制処理」の一例である。インクが「着色剤」の一例である。
【0165】
(変形例)
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。上記の実施例の変形例を以下に列挙する。
【0166】
上記の実施例において、携帯端末装置10は、スマートフォンである。しかし、それに代えて、携帯端末装置10を、ユーザが使用するデスクトップPC、ノートPC、タブレットPC等の端末としても良い。
【0167】
また、上記の実施例において、プリンタ20は、インクジェットプリンタである。しかし、それに代えて、プリンタ20を、レーザープリンタ、サーマルプリンタとしても良い。
【0168】
上記の実施例において、インク残量検出部24は、光学センサを用いてインク残量を検出している。しかし、それに代えて、インク残量を、印刷時にインクが吐出されるインクヘッドの動作回数に基づいて検出しても良い。また、インク残量を、印刷に使用されたインクの消費量に基づいて検出しても良い。インクの消費量は、例えば印刷データ12cから算出されるドットの数に基づいて導出される。
【0169】
上記の実施例において、プリンタの交換は、インク残量に基づいて実行される。しかし、それに代えて、プリンタの交換を、プリンタ20の故障が発生した場合や、現在使用しているプリンタ20と異なるプリンタをユーザが所望した場合に実行してもよい。
【0170】
上記の実施例において、ユーザは、ベンダから送付されることでプリンタ20を入手する。しかし、それに代えて、ユーザは、小売店等の実店舗や、インターネット3上に開設されたECサイト等の仮想店舗からプリンタ20を入手してもよい。
【0171】
上記の実施例において、
図4のデバイス選択操作(S102)または
図15の新デバイス選択操作(S702)は、デバイス選択画面100において任意のプリンタが選択される操作である。しかし、それに代えて、デバイス選択操作を、ユーザが携帯端末装置10を選択の対象となるプリンタ20に近づける行為としても良い。具体的には、プリンタ20の近距離通信部21に携帯端末装置10の近距離通信部13を近づけることにより、プリンタ20と携帯端末装置10とが近距離にて無線通信によって接続されたことに応じて、携帯端末装置10がデバイス選択操作を受け付ける。
【0172】
上記の実施例において、ユーザは、ディスプレイ14に表示されたチャージ画面300から所望のチャージアイコン321を選択することで、選択したチャージアイコン321に対応するチャージ枚数が印刷可能枚数にチャージ(加算)される。しかし、それに代えて、ユーザが所望のチャージ枚数を入力できるように構成して、ユーザによって入力されたチャージ枚数を印刷可能枚数にチャージし、入力されたチャージ枚数に応じた課金額をベンダがユーザに請求するようにしてもよい。また、用紙をチャージする構成に限らず、ポイントをチャージしたり、インク量をチャージしたりするような印刷システム1としてもよい。この場合、例えば片面印刷か両面印刷か、あるいは印刷データで使用するインク量などに応じて、印刷1回あたりのポイントやインク量を算出し、チャージされたポイントやインク量からカウントするようにすればよい。
【0173】
上記の実施例において、枚数チェック処理の枚数チェック(S310)は、前回の枚数チェック日時から所定期間が経過したタイミングにて行われる。これに代えて、前回の枚数チェック日時から所定期間内に、印刷が実行されたか否かを判定した結果、印刷が実行されたと判定したことに応じて、枚数チェックを行うようにしてもよい。また、枚数チェックを、印刷が所定回数だけ実施されたことに応じて行われてもよい。これらの場合、枚数チェック(S310)は、印刷可能枚数が枚数チェック結果より少ないか否かを判定する。
【0174】
また、上記の実施例において、枚数チェック(S310)は、印刷可能枚数を判定の対象にしているが、これに代えて、インク残量を判定の対象としてもよい。すなわち、印刷処理が実行されたことに応じてインク残量が少なくなることに鑑みて、第2管理テーブルKT2の枚数チェック結果には、S312にてその時点のインク残量を記憶させ、枚数チェック(S310)において、その時点のインク残量と、枚数チェック結果に記憶されたインク残量と比較する。枚数チェックにおいて、その時点のインク残量が枚数チェック結果に記憶されたインク残量以下であれば、問題なしと判定される。
【0175】
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0176】
1:印刷システム、10:携帯端末装置、11:端末CPU、12a:端末プログラム、14:ディスプレイ、20:プリンタ、24:インク残量検出部、25:印刷部、26:プリンタ制御部、26b:プリンタ記憶部、30:サーバ、32b:サーバ記憶部、40:旧デバイス、50:新デバイス、100:デバイス選択画面、120:デバイス交換申請アイコン、300:チャージ画面、310:印刷可能枚数表示部、320:チャージ枚数表示部、321:チャージアイコン、KT1:第1管理テーブル、KT2:第2管理テーブル。