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特許7559343印刷システム、印刷方法、情報処理装置、及び、情報処理プログラム
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  • 特許-印刷システム、印刷方法、情報処理装置、及び、情報処理プログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-24
(45)【発行日】2024-10-02
(54)【発明の名称】印刷システム、印刷方法、情報処理装置、及び、情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20240925BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20240925BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20240925BHJP
【FI】
G06F3/12 373
G06F3/12 303
G06F3/12 371
H04N1/00 127A
B41J29/38
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020072283
(22)【出願日】2020-04-14
(65)【公開番号】P2021170167
(43)【公開日】2021-10-28
【審査請求日】2023-03-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096703
【弁理士】
【氏名又は名称】横井 俊之
(72)【発明者】
【氏名】世良 隆
【審査官】佐藤 実
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-219740(JP,A)
【文献】特開2002-342049(JP,A)
【文献】特開2003-114794(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/09 - 3/12
H04N 1/00
B41J 29/00 -29/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷装置、及び、該印刷装置とネットワークを介して接続された情報処理装置を含む印刷システムであって、
前記情報処理装置は、
ユーザーの音声による音声指示に含まれるキーワード、及び、識別された前記ユーザーに対応する情報を音声仲介装置から取得する情報取得部と、
前記音声指示が印刷を実行させる印刷指示でない場合に音声出力させるガイダンスメッセージを前記音声仲介装置に送信するガイダンス部と、
前記ガイダンスメッセージの出力に応じて前記情報取得部で取得された前記印刷指示に含まれるキーワードに基づいたコンテンツを使用した印刷データを生成し、該印刷データを前記印刷装置に送信する印刷データ送信部と、
前記印刷指示に対する前記ユーザーの習熟の程度を示す習熟度を決定する習熟度決定部と、を備え、
前記ガイダンス部は、前記音声指示が前記印刷指示でない場合に前記情報取得部で前記印刷指示に含まれるキーワードを取得するための前記ガイダンスメッセージを前記習熟度に基づいて生成し、
前記印刷装置は、前記印刷データを受信し、該印刷データに従って印刷を実行し、
前記情報処理装置は、前記印刷装置により実行された前記印刷の履歴を表す印刷履歴を、前記ユーザーに対応する識別情報が前記印刷の履歴に紐付けられた状態で記憶する履歴記憶部をさらに備え、
前記習熟度決定部は、前記履歴記憶部に記憶されている前記印刷履歴に基づいて所定期間内に前記識別情報に対応する前記ユーザーによる前記印刷が行われた回数を取得し、該回数に基づいて前記習熟度を決定し、
前記習熟度が第一レベルよりも高い第二レベルである場合の前記回数は、前記習熟度が前記第一レベルである場合の前記回数よりも多い、印刷システム。
【請求項2】
前記ガイダンス部は、前記習熟度が第一レベルである場合に前記ガイダンスメッセージとして第一メッセージを生成し、前記習熟度が前記第一レベルよりも高い第二レベルである場合に前記ガイダンスメッセージとして前記第一メッセージよりも短い第二メッセージを生成する、請求項1に記載の印刷システム。
【請求項3】
前記履歴記憶部は、複数の候補コンテンツを分類する複数のカテゴリーの中から選ばれたカテゴリーを示すカテゴリー情報が前記印刷の履歴に紐付けられた状態で前記印刷履歴を記憶し、
前記習熟度決定部は、前記複数のカテゴリーの中から選ばれたカテゴリーを示す前記カテゴリー情報に紐付けられた前記印刷の前記回数を取得し、該回数に基づいて前記習熟度を決定する、請求項1又は請求項2に記載の印刷システム。
【請求項4】
前記ガイダンス部は、前記複数の候補コンテンツが変更され、且つ、前記印刷履歴に前記ユーザーによる前記印刷の履歴が含まれる場合、前記複数の候補コンテンツが変更された旨を前記音声仲介装置に音声出力させる、請求項3に記載の印刷システム。
【請求項5】
前記習熟度決定部は、前記音声により前記習熟度を指示する習熟度指示キーワードを前記音声仲介装置から取得し、前記習熟度指示キーワードに基づいて前記習熟度を決定する、請求項1~請求項4のいずれか一項に記載の印刷システム。
【請求項6】
前記習熟度決定部は、前記習熟度の変更を問い合わせる問合せメッセージを前記音声仲介装置に音声出力させ、前記問合せメッセージに対する回答を指示する回答キーワードを前記音声仲介装置から取得し、前記回答キーワードに基づいて前記習熟度を決定する、請求項1~請求項5のいずれか一項に記載の印刷システム。
【請求項7】
印刷装置、及び、該印刷装置とネットワークを介して接続された情報処理装置を用いる印刷方法であって、
ユーザーの音声による音声指示に含まれるキーワード、及び、識別された前記ユーザーに対応する情報を前記情報処理装置において音声仲介装置から取得する情報取得工程と、
前記音声指示が印刷を実行させる印刷指示でない場合に音声出力させるガイダンスメッセージを前記情報処理装置から前記音声仲介装置に送信するガイダンス工程と、
前記ガイダンスメッセージの出力に応じて前記情報取得工程で取得された前記印刷指示に含まれるキーワードに基づいたコンテンツを使用した印刷データを前記情報処理装置において生成する印刷データ生成工程と、
生成された前記印刷データを前記情報処理装置から前記印刷装置に送信する印刷データ送信工程と、
送信された前記印刷データに従って前記印刷装置において印刷を実行する印刷工程と、
前記印刷指示に対する前記ユーザーの習熟の程度を示す習熟度を前記情報処理装置において決定する習熟度決定工程と、を含み、
前記ガイダンス工程では、前記音声指示が前記印刷指示でない場合に前記情報取得工程で前記印刷指示に含まれるキーワードを取得するための前記ガイダンスメッセージを前記習熟度に基づいて生成し、
前記習熟度決定工程では、前記印刷装置により実行された前記印刷の履歴を表す印刷履歴を、前記ユーザーに対応する識別情報が前記印刷の履歴に紐付けられた状態で記憶する履歴記憶部に記憶されている前記印刷履歴に基づいて所定期間内に前記識別情報に対応する前記ユーザーによる前記印刷が行われた回数を取得し、該回数に基づいて前記習熟度を決定し、
前記習熟度が第一レベルよりも高い第二レベルである場合の前記回数は、前記習熟度が前記第一レベルである場合の前記回数よりも多い、印刷方法。
【請求項8】
印刷データに従って印刷を実行する印刷装置とネットワークを介して接続された情報処理装置であって、
ユーザーの音声による音声指示に含まれるキーワード、及び、識別された前記ユーザーに対応する情報を音声仲介装置から取得する情報取得部と、
前記音声指示が印刷を実行させる印刷指示でない場合に音声出力させるガイダンスメッセージを前記音声仲介装置に送信するガイダンス部と、
前記ガイダンスメッセージの出力に応じて前記情報取得部で取得された前記印刷指示に含まれるキーワードに基づいたコンテンツを使用した印刷データを生成し、該印刷データを前記印刷装置に送信する印刷データ送信部と、
前記印刷指示に対する前記ユーザーの習熟の程度を示す習熟度を決定する習熟度決定部と、を備え、
前記ガイダンス部は、前記音声指示が前記印刷指示でない場合に前記情報取得部で前記印刷指示に含まれるキーワードを取得するための前記ガイダンスメッセージを前記習熟度に基づいて生成し、
前記情報処理装置は、前記印刷装置により実行された前記印刷の履歴を表す印刷履歴を、前記ユーザーに対応する識別情報が前記印刷の履歴に紐付けられた状態で記憶する履歴記憶部をさらに備え、
前記習熟度決定部は、前記履歴記憶部に記憶されている前記印刷履歴に基づいて所定期間内に前記識別情報に対応する前記ユーザーによる前記印刷が行われた回数を取得し、該回数に基づいて前記習熟度を決定し、
前記習熟度が第一レベルよりも高い第二レベルである場合の前記回数は、前記習熟度が前記第一レベルである場合の前記回数よりも多い、情報処理装置。
【請求項9】
印刷データに従って印刷を実行する印刷装置とネットワークを介して接続された情報処理装置のための情報処理プログラムであって、
ユーザーの音声による音声指示に含まれるキーワード、及び、識別された前記ユーザーに対応する情報を音声仲介装置から取得する情報取得機能と、
前記音声指示が印刷を実行させる印刷指示でない場合に音声出力させるガイダンスメッセージを前記音声仲介装置に送信するガイダンス機能と、
前記ガイダンスメッセージの出力に応じて前記情報取得機能で取得された前記印刷指示に含まれるキーワードに基づいたコンテンツを使用した印刷データを生成し、該印刷データを前記印刷装置に送信する印刷データ送信機能と、
前記印刷指示に対する前記ユーザーの習熟の程度を示す習熟度を決定する習熟度決定機能と、をコンピューターに実現させ、
前記ガイダンス機能は、前記音声指示が前記印刷指示でない場合に前記情報取得機能で前記印刷指示に含まれるキーワードを取得するための前記ガイダンスメッセージを前記習熟度に基づいて生成し、
前記習熟度決定機能は、前記印刷装置により実行された前記印刷の履歴を表す印刷履歴を、前記ユーザーに対応する識別情報が前記印刷の履歴に紐付けられた状態で記憶する履歴記憶部に記憶されている前記印刷履歴に基づいて所定期間内に前記識別情報に対応する前記ユーザーによる前記印刷が行われた回数を取得し、該回数に基づいて前記習熟度を決定し、
前記習熟度が第一レベルよりも高い第二レベルである場合の前記回数は、前記習熟度が前記第一レベルである場合の前記回数よりも多い、情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置と情報処理装置を含む印刷システム、印刷方法、情報処理装置、及び、情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、クラウド印刷サービスを提供するサーバーコンピューターを経由してプリンターに印刷を実行させることが行われている。
また、近年、クラウド上の音声認識サービスと連携したスマートスピーカーが市販されてきている。
【0003】
特許文献1には、音声制御デバイス、音声制御デバイス管理サーバ、中継サーバ、複合機、端末装置、及び、アクセスポイントを含む印刷システムが開示されている。中継サーバは、音声制御デバイスのスピーカーにより音声出力するためのメッセージのメッセージデータを生成する。ユーザーが次に行うことが可能な作業をガイダンスするメッセージは、例えば「プリンターでパズル、ぬりえ、・・・、チェックリストの印刷ができます。どれを印刷しますか?」のように印刷可能な印刷物の種類をユーザーに選択可能に問いかけるメッセージである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-219740号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した技術では、音声出力されるメッセージはメッセージデータにより予め決められており、同じ場面では同じメッセージが音声出力される。例えば、印刷可能な印刷物の種類をユーザーに選択可能に問いかけるメッセージは、常に「プリンターでパズル、ぬりえ、・・・、チェックリストの印刷ができます。どれを印刷しますか?」である。しかし、印刷作業に習熟したユーザーは、決まったメッセージをある程度聞いてから音声指示を発話することを煩わしく感じる。このように、ユーザーは、習熟するにつれ、メッセージの内容や長さによってはメッセージの内容を把握してから応答するのが煩わしく感じることがある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の印刷システムは、印刷装置、及び、該印刷装置とネットワークを介して接続された情報処理装置を含む印刷システムであって、
前記情報処理装置は、
ユーザーの音声による音声指示に含まれるキーワード、及び、識別された前記ユーザーに対応する情報を音声仲介装置から取得する情報取得部と、
前記音声指示が印刷を実行させる印刷指示でない場合に音声出力させるガイダンスメッセージを前記音声仲介装置に送信するガイダンス部と、
前記ガイダンスメッセージの出力に応じて前記情報取得部で取得された前記印刷指示に含まれるキーワードに基づいたコンテンツを使用した印刷データを生成し、該印刷データを前記印刷装置に送信する印刷データ送信部と、
前記印刷指示に対する前記ユーザーの習熟の程度を示す習熟度を決定する習熟度決定部と、を備え、
前記ガイダンス部は、前記音声指示が前記印刷指示でない場合に前記情報取得部で前記印刷指示に含まれるキーワードを取得するための前記ガイダンスメッセージを前記習熟度に基づいて生成し、
前記印刷装置は、前記印刷データを受信し、該印刷データに従って印刷を実行し、
前記情報処理装置は、前記印刷装置により実行された前記印刷の履歴を表す印刷履歴を、前記ユーザーに対応する識別情報が前記印刷の履歴に紐付けられた状態で記憶する履歴記憶部をさらに備え、
前記習熟度決定部は、前記履歴記憶部に記憶されている前記印刷履歴に基づいて所定期間内に前記識別情報に対応する前記ユーザーによる前記印刷が行われた回数を取得し、該回数に基づいて前記習熟度を決定し、
前記習熟度が第一レベルよりも高い第二レベルである場合の前記回数は、前記習熟度が前記第一レベルである場合の前記回数よりも多い、態様を有する。
【0007】
また、本発明の印刷方法は、印刷装置、及び、該印刷装置とネットワークを介して接続された情報処理装置を用いる印刷方法であって、
ユーザーの音声による音声指示に含まれるキーワード、及び、識別された前記ユーザーに対応する情報を前記情報処理装置において音声仲介装置から取得する情報取得工程と、
前記音声指示が印刷を実行させる印刷指示でない場合に音声出力させるガイダンスメッセージを前記情報処理装置から前記音声仲介装置に送信するガイダンス工程と、
前記ガイダンスメッセージの出力に応じて前記情報取得工程で取得された前記印刷指示に含まれるキーワードに基づいたコンテンツを使用した印刷データを前記情報処理装置において生成する印刷データ生成工程と、
生成された前記印刷データを前記情報処理装置から前記印刷装置に送信する印刷データ送信工程と、
送信された前記印刷データに従って前記印刷装置において印刷を実行する印刷工程と、
前記印刷指示に対する前記ユーザーの習熟の程度を示す習熟度を前記情報処理装置において決定する習熟度決定工程と、を含み、
前記ガイダンス工程では、前記音声指示が前記印刷指示でない場合に前記情報取得工程で前記印刷指示に含まれるキーワードを取得するための前記ガイダンスメッセージを前記習熟度に基づいて生成し、
前記習熟度決定工程では、前記印刷装置により実行された前記印刷の履歴を表す印刷履歴を、前記ユーザーに対応する識別情報が前記印刷の履歴に紐付けられた状態で記憶する履歴記憶部に記憶されている前記印刷履歴に基づいて所定期間内に前記識別情報に対応する前記ユーザーによる前記印刷が行われた回数を取得し、該回数に基づいて前記習熟度を決定し、
前記習熟度が第一レベルよりも高い第二レベルである場合の前記回数は、前記習熟度が前記第一レベルである場合の前記回数よりも多い、態様を有する。
【0008】
さらに、本発明の情報処理装置は、印刷データに従って印刷を実行する印刷装置とネットワークを介して接続された情報処理装置であって、
ユーザーの音声による音声指示に含まれるキーワード、及び、識別された前記ユーザーに対応する情報を音声仲介装置から取得する情報取得部と、
前記音声指示が印刷を実行させる印刷指示でない場合に音声出力させるガイダンスメッセージを前記音声仲介装置に送信するガイダンス部と、
前記ガイダンスメッセージの出力に応じて前記情報取得部で取得された前記印刷指示に含まれるキーワードに基づいたコンテンツを使用した印刷データを生成し、該印刷データを前記印刷装置に送信する印刷データ送信部と、
前記印刷指示に対する前記ユーザーの習熟の程度を示す習熟度を決定する習熟度決定部と、を備え、
前記ガイダンス部は、前記音声指示が前記印刷指示でない場合に前記情報取得部で前記印刷指示に含まれるキーワードを取得するための前記ガイダンスメッセージを前記習熟度に基づいて生成し、
前記情報処理装置は、前記印刷装置により実行された前記印刷の履歴を表す印刷履歴を、前記ユーザーに対応する識別情報が前記印刷の履歴に紐付けられた状態で記憶する履歴記憶部をさらに備え、
前記習熟度決定部は、前記履歴記憶部に記憶されている前記印刷履歴に基づいて所定期間内に前記識別情報に対応する前記ユーザーによる前記印刷が行われた回数を取得し、該回数に基づいて前記習熟度を決定し、
前記習熟度が第一レベルよりも高い第二レベルである場合の前記回数は、前記習熟度が前記第一レベルである場合の前記回数よりも多い、態様を有する。
【0009】
さらに、本発明の情報処理プログラムは、印刷データに従って印刷を実行する印刷装置とネットワークを介して接続された情報処理装置のための情報処理プログラムであって、
ユーザーの音声による音声指示に含まれるキーワード、及び、識別された前記ユーザーに対応する情報を音声仲介装置から取得する情報取得機能と、
前記音声指示が印刷を実行させる印刷指示でない場合に音声出力させるガイダンスメッセージを前記音声仲介装置に送信するガイダンス機能と、
前記ガイダンスメッセージの出力に応じて前記情報取得機能で取得された前記印刷指示に含まれるキーワードに基づいたコンテンツを使用した印刷データを生成し、該印刷データを前記印刷装置に送信する印刷データ送信機能と、
前記印刷指示に対する前記ユーザーの習熟の程度を示す習熟度を決定する習熟度決定機能と、をコンピューターに実現させ、
前記ガイダンス機能は、前記音声指示が前記印刷指示でない場合に前記情報取得機能で前記印刷指示に含まれるキーワードを取得するための前記ガイダンスメッセージを前記習熟度に基づいて生成し、
前記習熟度決定機能は、前記印刷装置により実行された前記印刷の履歴を表す印刷履歴を、前記ユーザーに対応する識別情報が前記印刷の履歴に紐付けられた状態で記憶する履歴記憶部に記憶されている前記印刷履歴に基づいて所定期間内に前記識別情報に対応する前記ユーザーによる前記印刷が行われた回数を取得し、該回数に基づいて前記習熟度を決定し、
前記習熟度が第一レベルよりも高い第二レベルである場合の前記回数は、前記習熟度が前記第一レベルである場合の前記回数よりも多い、態様を有する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】印刷システムを含むシステムの構成例を模式的に示すブロック図。
図2】情報処理装置の構成例を模式的に示すブロック図。
図3】印刷履歴の構造例を模式的に示す図。
図4】印刷装置の構成例を模式的に示すブロック図。
図5】音声入出力装置の構成例を模式的に示すブロック図。
図6】音声入力により印刷を実行するまでの処理の例を模式的に示す図。
図7】習熟度別ガイダンス処理の例を模式的に示すフローチャート。
図8】習熟度別ガイダンス処理の変形例を模式的に示すフローチャート。
図9】習熟度別ガイダンス処理の変形例を模式的に示すフローチャート。
図10】習熟度別ガイダンス処理の変形例を模式的に示すフローチャート。
図11】分岐処理の例を模式的に示すフローチャート。
図12】習熟度変更問合せ処理の例を模式的に示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を説明する。むろん、以下の実施形態は本発明を例示するものに過ぎず、実施形態に示す特徴の全てが発明の解決手段に必須になるとは限らない。
【0012】
(1)本発明に含まれる技術の概要:
まず、図1~12に示される例を参照して本発明に含まれる技術の概要を説明する。尚、本願の図は模式的に例を示す図であり、これらの図に示される各方向の拡大率は異なることがあり、各図は整合していないことがある。むろん、本技術の各要素は、符号で示される具体例に限定されない。「本発明に含まれる技術の概要」において、括弧内は直前の語の補足説明を意味する。
【0013】
態様1:
図1,2に例示するように、本技術の一態様に係る印刷システムSY1は、印刷装置(例えばプリンター200)、及び、該印刷装置(200)とネットワークNE1を介して接続された情報処理装置100を含んでいる。前記情報処理装置100は、情報取得部111、ガイダンス部112、印刷データ送信部122、及び、習熟度決定部113を含んでいる。前記情報取得部111は、ユーザーUS0の音声による印刷指示PIに含まれるキーワードKE0を含む情報を音声仲介装置400から取得する。前記ガイダンス部112は、音声出力させるガイダンスメッセージGM1を前記音声仲介装置400に送信する。図2,6等に例示するように、前記印刷データ送信部122は、前記ガイダンスメッセージGM1の出力に応じて前記情報取得部111で取得された前記キーワードKE0に基づいたコンテンツCO1を使用した印刷データDA1を生成し、該印刷データDA1を前記印刷装置(200)に送信する。図2,6,7等に例示するように、前記習熟度決定部113は、前記印刷指示PIに対する前記ユーザーUS0の習熟の程度を示す習熟度PLを決定する。前記ガイダンス部112は、前記情報取得部111で前記キーワードKE0を取得するための前記ガイダンスメッセージGM1を前記習熟度PLに基づいて生成する。前記印刷装置(200)は、前記印刷データDA1を受信し、該印刷データDA1に従って印刷を実行する。
【0014】
上述した態様1では、ユーザーUS0の音声による印刷指示PIに含まれるキーワードKE0を取得するためのガイダンスメッセージGM1がユーザーUS0の習熟度PLに基づいて生成される。ユーザーUS0の習熟の程度に応じたガイダンスメッセージGM1の音声がユーザーUS0に出されるので、ユーザーUS0の煩わしさが軽減される。従って、本態様は、印刷システムの利便性を向上させることができる。
【0015】
ここで、情報処理装置は、1台のコンピューターでもよいし、互いに接続された複数台のコンピューターでもよい。
キーワードは、対象記録を特定する際にまとめて扱う言葉であればよく、単語に限定されず、句(phrase)や節(clause)等でもよい。
尚、上述した付言は、以下の態様においても適用される。
【0016】
態様2:
図7に例示するように、前記ガイダンス部112は、前記習熟度PLが第一レベル(例えば初心者レベルL1)である場合に前記ガイダンスメッセージGM1として第一メッセージ(例えば初心者向けメッセージMS1)を生成してもよく、前記習熟度PLが前記第一レベル(L1)よりも高い第二レベル(例えば中級者レベルL2)である場合に前記ガイダンスメッセージGM1として前記第一メッセージ(MS1)よりも短い第二メッセージ(例えば中級者向けメッセージMS2)を生成してもよい。本態様は、ユーザーUS0の習熟の程度が上がるとガイダンスメッセージGM1が短くなるので、ユーザーUS0の煩わしさがより好ましく軽減され、利便性がさらに向上する。
ここで、比較的短い第二メッセージは、比較的長い第一メッセージの一部が省略された文言でもよいし、第一メッセージとは異なる文言でもよい。この付言は、以下の態様においても適用される。
【0017】
態様3:
図2,3等に例示するように、本情報処理装置100は、前記印刷装置(200)により実行された前記印刷の履歴R0を表す印刷履歴600を記憶する履歴記憶部115をさらに備えていてもよい。図7等に例示するように、前記習熟度決定部113は、前記履歴記憶部115に記憶されている前記印刷履歴600に基づいて前記習熟度PLを決定してもよい。本態様は、ユーザーUS0の煩わしさを軽減させる好適な例を提供することができる。
【0018】
態様4:
図に例示するように、前記習熟度決定部113は、前記印刷履歴600に基づいて所定期間(例えばT1日)内に前記ユーザーUS0による前記印刷が行われた回数N1を取得してもよく、該回数N1に基づいて前記習熟度PLを決定してもよい。前記習熟度PLが第一レベル(L1)よりも高い第二レベル(L2)である場合の前記回数N1は、前記習熟度PLが前記第一レベル(L1)である場合の前記回数N1よりも多くてもよい。或る期間内にユーザーUS0による印刷が行われた回数N1が多いほどユーザーUS0の習熟の程度が高い傾向があるので、本態様は、ユーザーUS0の煩わしさがより好ましく軽減され、利便性がさらに向上する。
ここで、所定期間内にユーザーによる印刷が行われた回数は、0回でもよい。この付言は、以下の態様においても適用される。
【0019】
態様5:
図8に例示するように、前記習熟度決定部113は、前記印刷履歴600に示される前記ユーザーUS0による前記印刷の回数N1を取得してもよく、該回数N1に基づいて前記習熟度PLを決定してもよい。前記習熟度PLが第一レベル(L1)よりも高い第二レベル(L2)である場合の前記回数N1は、前記習熟度PLが前記第一レベル(L1)である場合の前記回数N1よりも多くてもよい。ユーザーUS0による印刷の回数N1が多くなるほどユーザーUS0の習熟の程度が上がる傾向があるので、本態様は、ユーザーUS0の煩わしさがより好ましく軽減され、利便性がさらに向上する。
【0020】
態様6:
前記履歴記憶部115は、図3に例示するように、複数の候補コンテンツCO2を分類する複数のカテゴリーの中から選ばれたカテゴリーを示すカテゴリー情報CA1が前記印刷の履歴R0に紐付けられた状態で前記印刷履歴600を記憶してもよい。図9に例示するように、前記習熟度決定部113は、前記複数のカテゴリーの中から選ばれたカテゴリーを示す前記カテゴリー情報CA1に紐付けられた前記印刷の前記回数N1を取得してもよく、該回数N1に基づいて前記習熟度PLを決定してもよい。本態様はコンテンツCO1のカテゴリー毎にユーザーUS0の習熟の程度に応じたガイダンスメッセージGM1が音声出力されるので、ユーザーの煩わしさを軽減させるさらに好適な例を提供することができる。
【0021】
態様7:
図10に例示するように、前記ガイダンス部112は、前記複数の候補コンテンツCO2が変更され、且つ、前記印刷履歴600に前記ユーザーUS0による前記印刷の履歴R0が含まれる場合、前記複数の候補コンテンツCO2が変更された旨を前記音声仲介装置400に音声出力させてもよい。本態様は、音声により印刷を実行させたユーザーUS0が候補コンテンツCO2の変更を知ることができるので、利便性がさらに向上する。
【0022】
態様8:
前記履歴記憶部115は、図3に例示するように、前記ユーザーUS0の識別情報UIDが前記印刷の履歴R0に紐付けられた状態で前記印刷履歴600を記憶してもよい。図6に例示するように、前記情報取得部111は、前記キーワードKE0に紐付けられた前記識別情報UIDを前記音声仲介装置400から取得してもよい。図7等に例示するように、前記習熟度決定部113は、前記印刷履歴600のうち取得された前記識別情報UIDに紐付けられた前記印刷の前記回数N1を取得してもよく、該回数N1に基づいて前記ユーザーUS0の前記習熟度PLを決定してもよい。本態様は、ユーザーUS0毎にユーザーUS0の習熟の程度に応じたガイダンスメッセージGM1が音声出力されるので、ユーザーの煩わしさを軽減させるさらに好適な例を提供することができる。
【0023】
態様9:
図11に例示するように、前記習熟度決定部113は、前記音声により前記習熟度PLを指示する習熟度指示キーワードKE1を前記音声仲介装置400から取得してもよく、前記習熟度指示キーワードKE1に基づいて前記習熟度PLを決定してもよい。本態様は、ユーザーUS0が自らの習熟の程度を決めることができるので、ユーザーの煩わしさを軽減させるさらに好適な例を提供することができる。
【0024】
態様10:
図12に例示するように、前記習熟度決定部113は、前記習熟度PLの変更を問い合わせる問合せメッセージIM1を前記音声仲介装置400に音声出力させてもよく、前記問合せメッセージIM1に対する回答を指示する回答キーワードKE2を前記音声仲介装置400から取得してもよく、前記回答キーワードKE2に基づいて前記習熟度PLを決定してもよい。本態様は、問合せに対する回答に応じて習熟度PLが変わるので、ユーザーの煩わしさを軽減させるさらに好適な例を提供することができる。
【0025】
態様11:
また、本技術の一態様に係る印刷方法は、印刷装置(200)、及び、該印刷装置(200)とネットワークNE1を介して接続された情報処理装置100を用いる印刷方法であって、情報取得工程ST1、ガイダンス工程ST2、印刷データ生成工程ST3、印刷データ送信工程ST4、印刷工程ST5、及び、習熟度決定工程ST6を含む。前記情報取得工程ST1では、ユーザーUS0の音声による印刷指示PIに含まれるキーワードKE0を含む情報を前記情報処理装置100において音声仲介装置400から取得する。前記ガイダンス工程ST2では、音声出力させるガイダンスメッセージGM1を前記情報処理装置100から前記音声仲介装置400に送信する。前記印刷データ生成工程ST3では、前記ガイダンスメッセージGM1の出力に応じて前記情報取得工程ST1で取得された前記キーワードKE0に基づいたコンテンツCO1を使用した印刷データDA1を前記情報処理装置100において生成する。前記印刷データ送信工程ST4では、生成された前記印刷データDA1を前記情報処理装置100から前記印刷装置(200)に送信する。前記印刷工程ST5では、送信された前記印刷データDA1に従って前記印刷装置(200)において印刷を実行する。前記習熟度決定工程ST6では、前記印刷指示PIに対する前記ユーザーUS0の習熟の程度を示す習熟度PLを前記情報処理装置100において取得する。前記ガイダンス工程ST2では、前記情報取得工程ST1で前記キーワードKE0を取得するための前記ガイダンスメッセージGM1を前記習熟度PLに基づいて生成する。従って、本態様は、利便性を向上させる印刷方法を提供することができる。
【0026】
態様12:
さらに、本技術の一態様に係る情報処理装置100は、印刷データDA1に従って印刷を実行する印刷装置(200)とネットワークNE1を介して接続された情報処理装置100であって、情報取得部111、ガイダンス部112、印刷データ送信部122、及び、習熟度決定部113を含んでいる。前記情報取得部111は、ユーザーUS0の音声による印刷指示PIに含まれるキーワードKE0を含む情報を音声仲介装置400から取得する。前記ガイダンス部112は、音声出力させるガイダンスメッセージGM1を前記音声仲介装置400に送信する。前記印刷データ送信部122は、前記ガイダンスメッセージGM1の出力に応じて前記情報取得部111で取得された前記キーワードKE0に基づいたコンテンツCO1を使用した印刷データDA1を生成し、該印刷データDA1を前記印刷装置(200)に送信する。前記習熟度決定部113は、前記印刷指示PIに対する前記ユーザーUS0の習熟の程度を示す習熟度PLを決定する。前記ガイダンス部112は、前記情報取得部111で前記キーワードKE0を取得するための前記ガイダンスメッセージGM1を前記習熟度PLに基づいて生成する。従って、本態様は、利便性を向上させる情報処理装置を提供することができる。
【0027】
態様13:
さらに、本技術の一態様に係る情報処理プログラムPR1は、印刷データDA1に従って印刷を実行する印刷装置(200)とネットワークNE1を介して接続された情報処理装置100のための情報処理プログラムPR1であって、情報取得機能FU1、ガイダンス機能FU2、印刷データ送信機能FU3、及び、習熟度決定機能FU4をコンピューター(情報処理装置100)に実現させる。前記情報取得機能FU1は、ユーザーUS0の音声による印刷指示PIに含まれるキーワードKE0を含む情報を音声仲介装置400から取得する。前記ガイダンス機能FU2は、音声出力させるガイダンスメッセージGM1を前記音声仲介装置400に送信する。前記印刷データ送信機能FU3は、前記ガイダンスメッセージGM1の出力に応じて前記情報取得機能FU1で取得された前記キーワードKE0に基づいたコンテンツCO1を使用した印刷データDA1を生成し、該印刷データDA1を前記印刷装置(200)に送信する。前記習熟度決定機能FU4は、前記印刷指示PIに対する前記ユーザーUS0の習熟の程度を示す習熟度PLを決定する。前記ガイダンス機能FU2は、前記情報取得機能FU1で前記キーワードKE0を取得するための前記ガイダンスメッセージGM1を前記習熟度PLに基づいて生成する。従って、本態様は、利便性を向上させる情報処理プログラムを提供することができる。
【0028】
さらに、本技術は、上述した印刷システムを含む複合システム、上述した情報処理装置を含む複合装置、上述した情報処理装置で実施される情報処理方法、上述した情報処理プログラムを記録したコンピューター読み取り可能な媒体、等に適用可能である。前述のいずれかの装置は、分散した複数の部分で構成されてもよい。
【0029】
(2)印刷システムの構成の具体例:
図1は、印刷システムSY1を含むシステムの構成の具体例を模式的に示している。図1に示すシステムは、情報処理装置100、プリンター200、スマートスピーカー300、音声仲介装置400、及び、端末500を含んでいる。印刷システムSY1は、情報処理装置100とプリンター200を含み、端末500をさらに含んでいてもよい。情報処理装置100、プリンター200、スマートスピーカー300、音声仲介装置400、及び、端末500は、インターネットを含むネットワークNE1に接続されている。インターネットを含むネットワークNE1は、LANを含んでいてもよい。ここで、LANは、Local Area Networkの略称である。ネットワークNE1への接続は、有線による接続でもよいし、無線による接続でもよいし、有線と無線の両方による接続でもよい。情報処理装置100は、クラウド印刷サービスという機能を提供するサーバーコンピューターであり、音声仲介装置400に音声UIという機能を開放している。ここで、UIは、ユーザーインターフェイスの略称である。情報処理装置100は、音声仲介装置400からのキーワードKE0に基づいた印刷データDA1をプリンター200に送信する。プリンター200は、情報処理装置100からの印刷データDA1に従って印刷画像を形成する印刷装置である。スマートスピーカー300は、音声仲介装置400による音声認識サービスという機能を利用する音声入出力装置である。音声仲介装置400は、AIを利用した音声認識サービスを提供するサーバーコンピューターである。ここで、AIは、人工知能の略称である。
【0030】
以下の説明において、「音声UI」は情報処理装置100のうち音声UIという機能を発揮する部分を意味し、「クラウド印刷サービス」は情報処理装置100のうちクラウド印刷サービスという機能を発揮する部分を意味するものとする。
【0031】
情報処理装置100は、音声UIを実現させる情報の記憶領域である音声UI領域110、及び、クラウド印刷サービスを実現させる情報の記憶領域である印刷サービス領域120を有している。音声UIは、クラウド印刷サービスの提供者が音声認識サービスのプラットフォーム上で構築したサービスである。音声UI領域110は、情報取得部111とガイダンス部112と習熟度決定部113を実現させる情報領域、及び、印刷履歴600を記憶している履歴記憶部115を含んでいる。ここで、図1に示すユーザーUS0は、ユーザーUS1,US2を総称している。印刷サービス領域120は、複数の候補コンテンツCO2を記憶しているコンテンツ記憶部121、及び、印刷データ送信部122を実現させる情報領域を含んでいる。むろん、音声UIとクラウド印刷サービスは、別々のコンピューターで構築されてもよい。また、音声UIは、音声認識サービスを提供するサーバーコンピューターに構築されてもよい。
【0032】
例えば、或るユーザーUS2が印刷システムSY1の愛称である「AAA」と発話すると、スマートスピーカー300はユーザーUS2からの音声をデジタル音声信号SG1に変換し、ネットワークNE1を介して音声信号SG1を音声仲介装置400に送信する。音声信号SG1を受信した音声仲介装置400は、音声信号SG1に基づいて音声を解析し、ユーザーUS2を識別し、印刷システムSY1が呼びかけられたことを音声UIに通知し、ユーザーUS2の識別情報UID、及び、「AAA」というキーワードKE0を音声UIに渡す。識別情報UIDとキーワードKE0とを受け取った音声UIは、識別情報UIDと印刷履歴600とに基づいて印刷指示PIに対するユーザーUS2の習熟度PLを決定し、この習熟度PLに基づいてガイダンスメッセージGM1を生成し、このガイダンスメッセージGM1を音声仲介装置400に送信する。ガイダンスメッセージGM1を受信した音声仲介装置400は、ガイダンスメッセージGM1をデジタル音声信号SG1に変換し、ネットワークNE1を介して音声信号SG1をスマートスピーカー300に送信する。音声信号SG1を受信したスマートスピーカー300は、音声信号SG1を音声に変換し、該音声を出力する。これにより、ユーザーUS2の習熟の程度に合ったガイダンスメッセージGM1が音声により読み上げられる。
【0033】
ガイダンスメッセージGM1を聞いたユーザーUS2が「ねこちゃんの塗り絵を印刷して」と発話すると、スマートスピーカー300はユーザーUS2からの音声をデジタル音声信号SG1に変換し、ネットワークNE1を介して音声信号SG1を音声仲介装置400に送信する。音声信号SG1を受信した音声仲介装置400は、音声信号SG1に基づいて音声を解析し、ユーザーUS2を識別し、音声に「を印刷して」という印刷要求キーワードが含まれる場合に音声UIに印刷を要求し、ユーザーUS2の識別情報UID、及び、音声に含まれる「ねこちゃんの塗り絵」といったキーワードKE0を音声UIに渡す。図1に示す「Request{userID}{coloring_cat}を印刷して」は、識別情報UIDとキーワードKE0とを含むリクエストの例を示している。「{userID}」は、ユーザーの識別情報を意味する。「{coloring_cat}」は、「ねこちゃんの塗り絵」といったキーワードを意味する。印刷要求キーワードとともに識別情報UIDとキーワードKE0とを受け取った音声UIは、識別情報UIDとキーワードKE0とで特定されるコンテンツCO1の印刷リクエストをクラウド印刷サービスに出す。印刷リクエストを受けたクラウド印刷サービスは、コンテンツCO1を使用した印刷データDA1を生成し、ネットワークNE1を介して印刷データDA1をプリンター200に送信する。コンテンツCO1は、コンテンツ記憶部121に記憶されている複数の候補コンテンツCO2の中から決定されてもよいし、図示しない外部のサーバーコンピューターに記憶されている1以上の候補コンテンツCO2からネットワークNE1を介して取得されてもよい。印刷データDA1を受信したプリンター200は、印刷データDA1に従って印刷を実行する。これにより、ユーザーUS2が発話した「ねこちゃんの塗り絵」のコンテンツCO1が印刷される。尚、キーワードKE0で印刷の対象のみならず「A社プリンターで、ねこちゃんの塗り絵を印刷して」等と発話することで、ユーザーUS2が出力先として想定しているプリンター200も指定してもよい。
【0034】
むろん、印刷要求キーワードは、「を印刷して」に限定されず、「の印刷をして」等、類似する様々なバリエーションが考えられる。そこで、これらのバリエーションを含む音声に対する処理も、印刷要求キーワード「を印刷して」を含む音声に対する処理に類似する処理を行うことにしておけばよい。
【0035】
図2は、情報処理装置100の構成を模式的に例示している。図2に示す情報処理装置100は音声UI領域110と印刷サービス領域120を有する一つのサーバーコンピューターであるが、情報処理装置は複数の互いに接続された複数のサーバーコンピューターで構成されてもよい。例えば、情報処理装置は、音声UI領域110を有するサーバーコンピューターと印刷サービス領域120を有するサーバーコンピューターとが別々に設けられた構成を有していてもよい。また、音声認識サービスを提供するサーバーコンピューターに音声UI領域110が構築されてもよく、この場合でも、音声UI領域110と印刷サービス領域120を含む情報処理装置100が構成される。
【0036】
図2に示す情報処理装置100は、プロセッサーであるCPU101、半導体メモリーであるROM102、半導体メモリーであるRAM103、記憶装置104、入力装置105、表示装置106、ネットワークI/F107、時計回路108、等を有している。これらの要素101~108等は、電気的に接続されていることにより互いに情報を入出力可能である。ここで、CPUはCentral Processing Unitの略称であり、ROMはRead Only Memoryの略称であり、RAMはRandom Access Memoryの略称であり、I/Fはインターフェイスの略称である。
【0037】
記憶装置104は、図示しないOS等を記憶しているとともに、上述した領域110,120を有している。ここで、OSは、オペレーティングシステムの略称である。音声UI領域110は、印刷履歴600を記憶している履歴記憶部115を有し、情報取得機能FU1、ガイダンス機能FU2、及び、習熟度決定機能FU4を情報処理装置100に実現させるプログラム等を記憶している。印刷サービス領域120は、複数の候補コンテンツCO2を記憶しているコンテンツ記憶部121を有し、印刷データ送信機能FU3を情報処理装置100に実現させるプログラム等を記憶している。情報処理プログラムPR1は、前述の機能FU1~FU4を情報処理装置100に実現させるプログラムを含む。記憶装置104に記憶されている情報は、適宜、RAM103に読み出され、プリンター200に印刷を実行させるための処理に使用される。記憶装置104には、ハードディスクといった磁気記憶装置、フラッシュメモリーといった不揮発性半導体メモリー、等を用いることができる。尚、情報処理プログラムPR1は、ユーザーUS0から見れば印刷アプリといえる。
【0038】
入力装置105には、ポインティングデバイス、キーボードを含むハードキー、表示パネルの表面に貼り付けられたタッチパネル、等を用いることができる。表示装置106には、液晶表示パネル等を用いることができる。ネットワークI/F107は、ネットワークNE1に接続され、このネットワークNE1に繋がっている相手装置と所定の通信規格に従って通信を行う。時計回路108は、現在日時を出力可能である。
【0039】
CPU101は、記憶装置104からRAM103に読み出した情報処理プログラムPR1を実行することにより、情報取得機能FU1に対応する情報取得処理、ガイダンス機能FU2に対応するガイダンス処理、印刷データ送信機能FU3に対応する印刷データ送信処理、及び、習熟度決定機能FU4に対応する習熟度決定処理を行う。情報処理プログラムPR1は、コンピューターである情報処理装置100を、情報取得機能FU1に対応する情報取得部111、ガイダンス機能FU2に対応するガイダンス部112、印刷データ送信機能FU3に対応する印刷データ送信部122、及び、習熟度決定機能FU4に対応する習熟度決定部113として機能させる。情報処理プログラムPR1を実行する情報処理装置100は、図6に示すように、情報取得工程ST1、ガイダンス工程ST2、印刷データ生成工程ST3、印刷データ送信工程ST4、印刷工程ST5、及び、習熟度決定工程ST6を実施する。情報処理プログラムPR1を記憶したコンピューター読み取り可能な媒体は、記憶装置104に限定されず、情報処理装置100の外部にある記録媒体でもよい。
【0040】
図3は、履歴記憶部115に記憶されている印刷履歴600の構造を模式的に例示している。印刷履歴600は、プリンター200により実行された印刷の履歴R0を表している。履歴R0は、印刷が1回行われる毎に生成される。各履歴R0は、ユーザーUS0の識別情報UIDを示すユーザーID、コンテンツCO1のカテゴリーを示すカテゴリー情報CA1、印刷されたコンテンツCO1の識別情報を示すコンテンツID、及び、印刷日時を含んでいる。すなわち、ユーザーID、カテゴリー情報CA1、及び、コンテンツIDは、個別の履歴R0を特定可能な印刷日時に対応付けられている。尚、IDは、識別情報の略称である。図3に示す例では、ユーザーUS1の識別情報UIDが「UID1」であり、ユーザーUS2の識別情報UIDが「UID2」であり、第三のユーザーの識別情報UIDが「UID3」である。各履歴R0にユーザーIDが含まれていることにより、各履歴R0に識別情報UIDが紐付けられ、各履歴R0にユーザーUS0が紐付けられている。図3に示す例において、複数の履歴R0の内、ユーザーUS1に紐付けられた履歴を履歴R1と呼ぶことにする。カテゴリー情報CA1は、複数の候補コンテンツCO2を分類する複数のカテゴリーの中から選ばれたカテゴリーを示す情報である。例えば、カテゴリー「塗り絵」は、コンテンツID「001」及び「002」のコンテンツを包含している。コンテンツIDは、コンテンツ記憶部121及び外部のサーバーコンピューターに記憶されている複数の候補コンテンツCO2の中から決定されたコンテンツCO1を識別するための情報である。
【0041】
図4は、プリンター200の構成を模式的に例示している。図4に示すプリンター200は、ネットワークNE1を経由して受信した印刷データDA1に従って印刷を実行可能な印刷装置である。印刷システムSY1に使用可能なプリンター200は、インクジェットプリンター、レーザープリンターといった電子写真式プリンター、等、特に限定されない。むろん、プリンター200は、複写機、ファクシミリ、これらの機能を備えた複合機、等でもよい。図4は、インクジェットプリンターである場合のプリンター200の構成を示している。
【0042】
図4に示すプリンター200は、コントローラー210、操作パネル220、ネットワークI/F230、及び、印刷部240を有している。
コントローラー210は、CPU211、ROM212、RAM213、記憶装置214、等を有している。これらの要素211~214等は、電気的に接続されていることにより互いに情報を入出力可能である。すなわち、プリンター200は、コンピューターの一種でもある。記憶装置214は、コンピューターをプリンター200として機能させるファームウェアFW1、プリンター200を個々に識別するためのプリンター識別情報200id、等を記憶している。プリンター識別情報200idには、メールアドレス、IPアドレス、シリアルナンバー、等を用いることができる。ここで、IPアドレスは、Internet Protocol Addressの略称である。記憶装置214には、フラッシュメモリーといった不揮発性半導体メモリー、ハードディスクといった磁気記憶装置、等を用いることができる。
【0043】
操作パネル220は、表示部、操作入力部、等を有し、ユーザーによる操作を受け付ける。表示部は、例えば、液晶パネルで構成され、プリンター200の状態を示す情報、ユーザーによる指示を示す情報、等を表示する。操作入力部は、例えば、カーソルキーや決定キーを含む複数の操作キーで構成される。また、操作入力部は、表示画面への操作を受け付けるタッチパネル等でもよい。
ネットワークI/F230は、ネットワークNE1に接続され、このネットワークNE1に繋がっている相手装置と所定の通信規格に従って通信を行う。
【0044】
印刷部240は、インク滴といった液滴Drを被印刷物(print substrate)に吐出する記録ヘッド241、及び、被印刷物ME1を搬送する紙送り部245を有している。記録ヘッド241は、液滴Drが吐出される複数のノズル242、及び、各ノズル242から液滴Drを噴射させる駆動回路243を有している。駆動回路243には、各ノズル242に連通する圧力室の液体に圧力を加える圧電素子を駆動する回路、各圧力室の液体に対して熱により気泡を発生させるサーマル素子を駆動する回路、等を用いることができる。紙送り部245により搬送された被印刷物ME1に液滴Drが着弾することにより、情報処理装置100からの印刷データDA1に対応する印刷画像が被印刷物ME1に形成される。
尚、被印刷物(print substrate)は、印刷画像を保持する素材のことである。被印刷物には、紙、樹脂、金属、等を用いることができる。被印刷物の形状は、長方形又はロール状が一般的であるが、光ディスクのような略円形、長方形以外の多角形、立体形状、等でもよい。
【0045】
図5は、音声仲介装置400による音声認識サービスを利用するスマートスピーカー300の構成を模式的に例示している。図5に示すスマートスピーカー300は、CPU301、ROM302、RAM303、記憶装置304、音声入力装置305、音声出力装置306、ネットワークI/F307、表示部350、等を有している。これらの要素301~307,350等は、電気的に接続されていることにより互いに情報を入出力可能である。すなわち、スマートスピーカー300は、コンピューターの一種でもある。記憶装置304は、コンピューターをスマートスピーカー300として機能させる音声入出力プログラム310、スマートスピーカー300を個々に識別するためのスマートスピーカー識別情報300id、表示部350の表示を制御する表示プログラム360、等を記憶している。記憶装置304には、フラッシュメモリーといった不揮発性半導体メモリー、ハードディスクといった磁気記憶装置、等を用いることができる。表示部350は、例えば、液晶パネルで構成され、スマートスピーカー300の状態を示す情報等を表示する。
尚、表示部350を備えるスマートスピーカー300の代わりに、表示部を備えていないスマートスピーカーを使用してもよい。
【0046】
音声入力装置305は、マイクロフォンを有し、外部から入った音声をマイクロフォンでアナログ電気信号に変換し、この電気信号をデジタル音声信号SG1に変換する。スマートスピーカー300に設けられる音声入力装置305の数は、一つでもよいし、2以上でもよい。音声出力装置306は、電気信号を音に変換する狭義のスピーカーを有し、デジタル音声信号SG1をアナログ電気信号に変換し、この電気信号をスピーカーで音声に変換し、音声を外部へ出力する。スマートスピーカー300に設けられる音声出力装置306の数は、一つでもよいし、2以上でもよい。ネットワークI/F307は、ネットワークNE1に接続され、このネットワークNE1に繋がっている相手装置と所定の通信規格に従って通信を行う。
【0047】
図1に示す音声仲介装置400は、サーバーコンピューターであり、例えば、CPU、ROM、RAM、記憶装置、入力装置、表示装置、ネットワークI/F、等を有している。
図1に示す端末500には、スマートフォンやタブレット端末といった携帯端末、パーソナルコンピューター、等を用いることができる。
【0048】
(3)システムの処理の具体例:
図6は、印刷システムSY1を含むシステムにおいて音声入力により印刷を実行するまでの処理を模式的に例示している。図7は、図6のステップS110~S112で行われる習熟度別ガイダンス処理を模式的に例示している。上述したように、「音声UI」は情報処理装置100のうち音声UIという機能を発揮する部分を意味し、「クラウド印刷サービス」は情報処理装置100のうちクラウド印刷サービスという機能を発揮する部分を意味する。ここで、ステップS108,S124は、情報取得工程ST1、情報取得部111、及び、情報取得機能FU1に対応している。ステップS110,S202~S206は、習熟度決定工程ST6、習熟度決定部113、及び、習熟度決定機能FU4に対応している。ステップS112,S208~S214は、ガイダンス工程ST2、ガイダンス部112、及び、ガイダンス機能FU2に対応している。ステップS128は、印刷データ生成工程ST3に対応している。ステップS130~S132は、印刷データ送信工程ST4に対応している。ステップS128~S132は、印刷データ送信部122、及び、印刷データ送信機能FU3に対応している。ステップS134は、印刷工程ST5に対応している。以下、「ステップ」の記載を省略し、括弧内に各ステップの符号を示す。
【0049】
ユーザーUS0が愛称「AAA」といった印刷に関する発話をスマートスピーカー300に向かって行うと、スマートスピーカー300は、ユーザーUS0からの音声を音声信号SG1に変換し、ネットワークNE1を介して音声信号SG1を音声仲介装置400に送信する(S102)。音声信号SG1を受信した音声仲介装置400は、音声信号SG1に基づいて音声を解析し、ユーザーUS0を識別し、識別したユーザーUS0に対応する識別情報UIDを取得する(S104)。また、音声仲介装置400は、音声の解析結果からキーワードKE0を抽出し、キーワードKE0、及び、該キーワードKE0に紐付けられた識別情報UIDを音声UIに渡し、音声UIに処理を要求する(S106)。
【0050】
音声仲介装置400は、ユーザー毎に識別情報UIDを記憶装置に記憶しており、ユーザー毎に音声の特徴を表す情報を識別情報UIDに対応付けて記憶装置に記憶している。ユーザーを識別する音声の特徴は、例えば、音声の周波数分布により表すことができる。そこで、音声仲介装置400は、音声信号SG1に基づいて音声の周波数分布を求め、この周波数分布に最も近い周波数分布に対応付けられた識別情報UIDを記憶装置から取得し、この識別情報UIDを音声UIに渡せばよい。また、スマートスピーカー300がユーザーUS0の名前の音声入力を受け付け、音声仲介装置400が音声信号SG1に基づいてユーザーUS0の名前を抽出することにより該名前に対応付けられている識別情報UIDを記憶装置から取得し、この識別情報UIDを音声UIに渡してもよい。
【0051】
音声UIは、音声指示に含まれるキーワードKE0、及び、該キーワードKE0に紐付けられた識別情報UIDを音声仲介装置400から取得する(S108)。次に、音声UIは、図7にも示すように、印刷指示PIに対するユーザーUS0の習熟の程度を示す習熟度PLを決定する(S110)。さらに、音声UIは、図7にも示すように、キーワードKE0を取得するためのガイダンスメッセージGM1を習熟度PLに基づいて生成し、このガイダンスメッセージGM1を音声仲介装置400に送信する(S112)。
【0052】
図7は、S110~S112の処理をまとめて示している。
図7に示す習熟度別ガイダンス処理が開始されると、音声UIは、識別情報UIDに対応するユーザーUS0が現在から所定のT1日以内に印刷アプリを使用した回数N1を取得する(S202)。S202において、音声UIは、図3に示す印刷履歴600に基づいて、T1日内にユーザーUS0による印刷が行われた回数N1を取得する。例えば、所定期間T1を7日とする。2020年3月24日において、識別情報UID1のユーザーUS1がスマートスピーカー300に発話した場合、音声UIは、識別情報UID1に紐付けられている履歴R1のうち2020年3月18日以降の履歴の数6を回数N1として取得する。また、2020年3月24日において、識別情報UID2のユーザーUS2がスマートスピーカー300に発話した場合、音声UIは、識別情報UID2に紐付けられている履歴のうち2020年3月18日以降の履歴の数2を回数N1として取得する。
【0053】
回数N1の取得後、音声UIは、回数N1に応じて処理を分岐させる(S204~S206)。ここで、所定期間T1に対する閾値TH1は、2以上の整数とする。
識別情報UIDに対応するユーザーUS0がT1日内に印刷アプリを使用していない場合、ユーザーUS0により印刷が行われた回数N1は0回である。N1=0である場合、音声UIは、ユーザーUS0の習熟度PLを初心者レベルL1と決定し、比較的長い初心者向けメッセージMS1を生成する(S208)。図7には、初心者向けメッセージMS1として、「カレンダーやスクラップブッキング、…の印刷が可能です。何を印刷しますか?」を生成することが示されている。本具体例において、初心者レベルL1は習熟度PLの第一レベルの例であり、初心者向けメッセージMS1は第一メッセージの例である。
【0054】
識別情報UIDに対応するユーザーUS0がT1日内に印刷アプリを使用しているがTH1回未満しか使用していない場合、ユーザーUS0により印刷が行われた回数N1は1≦N1<TH1である。この場合、音声UIは、ユーザーUS0の習熟度PLを初心者レベルL1よりも高い中級者レベルL2と決定し、初心者向けメッセージMS1よりも短い中級者向けメッセージMS2を生成する(S210)。すなわち、習熟度PLが中級者レベルL2である場合の印刷回数N1は、習熟度PLが初心者レベルL1である場合の印刷回数N1よりも多い。図7には、中級者向けメッセージMS2として、「様々なコンテンツの印刷が可能です。何を印刷しますか?」を生成することが示されている。この場合、「何を印刷しますか?」は両メッセージMS1,MS2に共通であるが、「様々なコンテンツの印刷が可能です。」は初心者向けメッセージMS1に無い文言である。例えば、T1=7であってTH1=3である場合、図3に示す識別情報UID2のユーザーUS2による印刷が7日以内に行われた回数N1はTH1回よりも少ない2回であるので、中級者向けメッセージMS2が生成される。本具体例において、中級者レベルL2は第一レベルよりも高い第二レベルの例であり、中級者向けメッセージMS2は第一メッセージよりも短い第二メッセージの例である。
【0055】
識別情報UIDに対応するユーザーUS0がT1日内に印刷アプリをTH1回以上使用した場合、ユーザーUS0により印刷が行われた回数N1はN1≧TH1である。この場合、音声UIは、ユーザーUS0の習熟度PLを中級者レベルL2よりも高い熟練者レベルL3と決定し、中級者向けメッセージMS2よりも短い熟練者向けメッセージMS3を生成する(S212)。すなわち、習熟度PLが熟練者レベルL3である場合の印刷回数N1は、習熟度PLが中級者レベルL2である場合の印刷回数N1よりも多い。図7には、熟練者向けメッセージMS3として、「何を印刷しますか?」を生成することが示されている。例えば、T1=7であってTH1=3である場合、図3に示す識別情報UID1のユーザーUS1による印刷が7日以内に行われた回数N1はTH1回よりも多い6回であるので、熟練者向けメッセージMS3が生成される。尚、第一レベルと第二レベルは相対的に決まるため、中級者レベルL2を第一レベルに当てはめると熟練者レベルL3が第二レベルに当てはまる。また、第一メッセージと第二メッセージも相対的に決まるため、中級者向けメッセージMS2を第一メッセージに当てはめると熟練者向けメッセージMS3が第二メッセージに当てはまる。
【0056】
上述した処理において、変数としての熟練度PLには、初心者レベルL1を示す数値1、中級者レベルL2を示す数値2、及び、熟練者レベルL3を示す数値3が代入されてもよい。
S202~S206の処理により、所定期間T1内にユーザーUS0による印刷が行われた回数N1に基づいて習熟度PLが決定される。S208~S212の処理により、キーワードKE0を取得するためのガイダンスメッセージGM1が習熟度PLに基づいて生成される。従って、例えば、「カレンダーやスクラップブッキング、…」のように印刷対象を選択する特定の場面において、予め決められた同じガイダンスメッセージが通知される訳ではなく、初心者には長い初心者向けメッセージMS1が通知され、中級者にはより短い中級者向けメッセージMS2が通知され、熟練者にはさらに短い熟練者向けメッセージMS3が通知される。本具体例は、同じ特定の場面においてユーザーUS0の習熟の程度に応じて異なるガイダンスメッセージGM1が通知されるという特徴を有する。
【0057】
S208,S210,S212の処理後、音声UIは、音声出力させるガイダンスメッセージGM1を音声仲介装置400に送信し(S214)、習熟度別ガイダンス処理を終了させる。ガイダンスメッセージGM1を受信した音声仲介装置400は、ガイダンスメッセージGM1を音声信号SG1に変換し、ネットワークNE1を介して音声信号SG1をスマートスピーカー300に送信する(S114)。音声信号SG1を受信したスマートスピーカー300は、音声信号SG1を音声に変換し、この音声を出力する(S116)。これにより、ユーザーUS0には、自らの習熟の程度に合ったガイダンスメッセージGM1が音声により読み上げられる。音声を聞いたユーザーUS0は、「…を印刷して」といった印刷指示PIの音声を発話すれば、S118以降の処理が行われる。
【0058】
ユーザーUS0が印刷指示PIの発話をスマートスピーカー300に向かって行うと、スマートスピーカー300は、ユーザーUS0からの音声を音声信号SG1に変換し、この音声信号SG1を音声仲介装置400に送信する(S118)。音声信号SG1を受信した音声仲介装置400は、音声信号SG1に基づいて音声を解析し、ユーザーUS0を識別し、識別したユーザーUS0に対応する識別情報UIDを取得する(S120)。また、音声仲介装置400は、音声の解析結果からキーワードKE0を抽出し、キーワードKE0、及び、該キーワードKE0に紐付けられた識別情報UIDを音声UIに渡し、音声UIに処理を要求する(S122)。音声の解析結果に印刷要求キーワードが含まれる場合、図1に示すように識別情報UIDとキーワードKE0とを含む印刷リクエストが音声仲介装置400から音声UIに渡される。キーワードKE0は、音声による印刷指示に含まれるキーワードである。印刷指示には、プリンター200を特定するキーワードが含まれてもよい。
【0059】
音声UIは、音声指示に含まれるキーワードKE0、及び、該キーワードKE0に紐付けられた識別情報UIDを音声仲介装置400から取得する(S124)。音声UIは、音声仲介装置400から印刷リクエストを受け取ったか否かに応じて処理を分岐させる(S126)。音声UIは、印刷リクエストを受け取っていない場合、処理をS112に戻す。これにより、場面に応じたガイダンスメッセージGM1が生成され、ユーザーUS0に通知される。音声UIは、印刷リクエストを受け取った場合、キーワードKE0と識別情報UIDを含む印刷リクエストをクラウド印刷サービスに渡す。該印刷リクエストを受け取ったクラウド印刷サービスは、印刷リクエストに含まれるキーワードKE0に基づいたコンテンツCO1を使用した印刷データDA1を生成する(S128)。図1,2に示すコンテンツ記憶部121に記憶されている複数の候補コンテンツCO2の中に該当のコンテンツCO1が有る場合、キーワードKE0に基づいて複数の候補コンテンツCO2の中から選ばれたコンテンツCO1を使用することにより印刷データDA1が生成される。該当のコンテンツCO1がネットワークNE1に接続されているサーバーコンピューターに有る場合、ネットワークNE1を介して前述のサーバーコンピューターから受信したコンテンツCO1を使用することにより印刷データDA1が生成される。
以上により、ガイダンスメッセージGM1の出力に応じて音声UIで取得されたキーワードKE0に基づいたコンテンツCO1を使用した印刷データDA1が生成される。
【0060】
印刷データDA1の生成後、クラウド印刷サービスは、ネットワークNE1を介して印刷データDA1をプリンター200に送信する(S130)。プリンター200は、ネットワークNE1を介して印刷データDA1を受信する(S132)。その後、プリンター200は、印刷データDA1に従って印刷を実行する(S134)。これにより、ユーザーUS0の発話に応じたコンテンツCO1が印刷される。
【0061】
また、印刷データDA1を送信したクラウド印刷サービスは、該当のコンテンツCO1の印刷を完了した通知を音声UIに出す(S136)。この通知は、例えば、該当のコンテンツCO1の名称とともに「を印刷しました」といった旨の音声をスマートスピーカー300に出力させる通知とすることができる。印刷完了の通知を受けた音声UIは、印刷完了の通知を音声仲介装置400に出す(S138)。印刷完了の通知を受け取った音声仲介装置400は、通知に応じた音声信号SG1を生成し、この音声信号SG1をスマートスピーカー300に送信する(S140)。音声信号SG1を受信したスマートスピーカー300は、音声信号SG1を音声に変換し、この音声を出力する(S142)。これにより、ユーザーUS0は、コンテンツCO1を印刷した旨の音声を聞くことができる。
【0062】
所定期間T1内に行った印刷の回数N1が多くなると、印刷指示PIに対するユーザーUS0の習熟の程度が上がる傾向がある。本具体例では、印刷指示PIに対するユーザーUS0の習熟の程度を示す習熟度PLに基づいて生成されたガイダンスメッセージGM1の音声がユーザーUS0に出されるので、熟練者が判り切った長いガイダンスメッセージを聞いたり、初心者が判らない短いガイダンスメッセージを聞いたりするような煩わしさが軽減される。従って、本具体例の印刷システムSY1は、煩わしさが少なく、使い勝手がよい。
【0063】
(4)変形例:
本発明は、種々の変形例が考えられる。
本技術を適用可能な音声入出力装置は、スマートスピーカーに限定されず、スマートフォンやタブレットといった端末、パーソナルコンピューター、等でもよい。
上述した処理は、順番を入れ替える等、適宜、変更可能である。例えば、図7の習熟度別ガイダンス処理において、S204の判断処理とS206の判断処理とを入れ替えることが可能である。この場合、まず、S206においてN1<TH1でなければS212の熟練者向けメッセージ生成処理を行い、N1<TH1であればS204の判断処理を行い、N1=0であればS208の初心者向けメッセージ生成処理を行い、N1=0でなかればS210の中級者向けメッセージ生成処理を行えばよい。また、図7の習熟度別ガイダンス処理からS206,S212の処理を無くしてもよく、図7の習熟度別ガイダンス処理からS204,S208の処理を無くしてもよい。
上述した習熟度PLのレベルは3段階であったが、習熟度PLのレベルは、2段階でもよいし、4段階以上でもよい。
また、上述した具体例では、情報処理装置100が、ユーザーUS0を識別する識別情報UIDをコンテンツ記憶部121に記憶し、クラウド印刷サービスが、音声仲介装置400と連携しながら、ユーザー毎に異なる識別情報UIDを管理しているが、これに限定されない。例えば、情報処理装置100と音声仲介装置400との間で、識別情報UIDではなく、OAuth2のような仕組みを利用して、アクセストークンというユーザーを識別する文字列を送ることも可能である。
【0064】
図8に例示するように、熟練度PLを決定するための印刷の回数N1は、期間を限定しない回数でもよい。図8は、習熟度別ガイダンス処理の変形例を模式的に示している。図8に示す処理は、図7に示す処理のS202がS222に置き換わっている。
図8に示す習熟度別ガイダンス処理が開始されると、音声UIは、識別情報UIDに対応するユーザーUS0が印刷アプリを使用した通算の回数N1を取得する(S222)。S222において、音声UIは、図3に示す印刷履歴600に示されるユーザーUS0による印刷の回数N1を取得する。例えば、図3に示す印刷履歴600が2020年3月10日から開始しているとする。識別情報UID1のユーザーUS1がスマートスピーカー300に発話した場合、音声UIは、識別情報UID1に紐付けられている履歴R1の数7を回数N1として取得する。また、識別情報UID2のユーザーUS2がスマートスピーカー300に発話した場合、音声UIは、識別情報UID2に紐付けられている履歴の数2を回数N1として取得する。
【0065】
その後、音声UIは、回数N1に基づいて習熟度PLを決定し(S204~S206)、図6のS124でキーワードKE0を取得するためのガイダンスメッセージGM1を習熟度PLに基づいて生成する(S208~S212)。上述したように、習熟度PLが中級者レベルL2である場合の回数N1は、習熟度PLが初心者レベルL1である場合の回数N1よりも多い。また、習熟度PLが熟練者レベルL3である場合の回数N1は、習熟度PLが中級者レベルL2である場合の回数N1よりも多い。最後に、音声UIは、音声出力させるガイダンスメッセージGM1を音声仲介装置400に送信し(S214)、習熟度別ガイダンス処理を終了させる。
【0066】
ユーザーUS0による印刷の回数N1が多くなるほど、ユーザーUS0の習熟の程度が上がる傾向がある。図8に示す例でも、習熟度PLに基づいて生成されたガイダンスメッセージGM1の音声がユーザーUS0に出されるので、ユーザーUS0の煩わしさが軽減され、利便性がさらに向上する。
【0067】
図9に例示するように、熟練度PLを決定するための印刷の回数N1は、カテゴリー別の回数でもよい。図9は、習熟度別ガイダンス処理の変形例を模式的に示している。この習熟度別ガイダンス処理が行われる前提として、ガイダンスメッセージGM1に従ってカレンダー、スクラップブッキング、塗り絵、ノート、等のカテゴリーの中から一のカテゴリーがユーザーUS0により選ばれている。図9のフロー中には、カテゴリーとして塗り絵が選ばれた場合のガイダンスメッセージGM1の例が示されている。
【0068】
図9に示す習熟度別ガイダンス処理が開始されると、音声UIは、識別情報UIDに対応するユーザーUS0により選ばれたカテゴリーの印刷アプリを使用した回数N1を取得する(S302)。S302において、音声UIは、図3に示す印刷履歴600に基づいて、複数のカテゴリーの中から選ばれたカテゴリーを示すカテゴリー情報CA1に紐付けられた印刷の回数N1を取得する。例えば、識別情報UID1のユーザーUS1がスマートスピーカー300に発話した場合、音声UIは、識別情報UID1に紐付けられている履歴R1のうちカテゴリー情報CA1が塗り絵である履歴の数5を回数N1として取得する。また、識別情報UID2のユーザーUS2がスマートスピーカー300に発話した場合、音声UIは、識別情報UID2に紐付けられている履歴のうちカテゴリー情報CA1が塗り絵である履歴の数1を回数N1として取得する。
【0069】
回数N1の取得後、音声UIは、回数N1に応じて処理を分岐させる(S304~S306)。音声UIは、S304においてN1=0であるか否かを判断し、S306においてN1<TH1であるか否かを判断する。N1=0である場合、音声UIは、ユーザーUS0の習熟度PLを初心者レベルL1と決定し、比較的長い初心者向けメッセージMS1を生成する(S308)。図9には、初心者向けメッセージMS1として、「ねこちゃん、わんちゃん、…の印刷が可能です。何を印刷しますか?」を生成することが示されている。1≦N1<TH1である場合、音声UIは、ユーザーUS0の習熟度PLを中級者レベルL2と決定し、中級者向けメッセージMS2を生成する(S310)。図9には、中級者向けメッセージMS2として、「様々なコンテンツの印刷が可能です。何を印刷しますか?」を生成することが示されている。N1≧TH1である場合、音声UIは、ユーザーUS0の習熟度PLを熟練者レベルL3と決定し、熟練者向けメッセージMS3を生成する(S312)。図9には、熟練者向けメッセージMS3として、「何を印刷しますか?」を生成することが示されている。最後に、音声UIは、音声出力させるガイダンスメッセージGM1を音声仲介装置400に送信し(S314)、習熟度別ガイダンス処理を終了させる。
【0070】
図9に示す例は、コンテンツCO1のカテゴリー毎にユーザーUS0の習熟の程度に応じたガイダンスメッセージGM1が音声出力されるので、或るカテゴリーでは熟練者であるユーザーUS0が判り切った長いガイダンスメッセージを聞いたり、別のカテゴリーでは初心者であるユーザーUS0が判らない短いガイダンスメッセージを聞いたりするような煩わしさが軽減される。従って、図9に示す例は、ユーザーUS0の煩わしさがさらに軽減され、利便性がさらに向上する。
【0071】
図1,2に示す複数の候補コンテンツCO2は、適宜、更新される。従って、候補コンテンツCO2が更新されたことをユーザーUS0が知ることができると、好適である。一方、ユーザーUS0が既に候補コンテンツCO2の更新を知っている場合、候補コンテンツCO2の更新を通知することはユーザーUS0にとって煩わしいことがある。また、初心者にとっては、そもそも候補コンテンツCO2が更新されたことを聞いても意味が無いことがある。そこで、必要と考えられるユーザーUS0に限定して候補コンテンツCO2の更新を通知することができると、好適である。
【0072】
図10は、場面を限定して候補コンテンツCO2の更新を通知する習熟度別ガイダンス処理を模式的に例示している。図10に示す処理には、図9に示す処理にS322~S328の処理が加えられている。図10において、図9に示すS306,S310,S312の図示は省略されている。図10に示す習熟度別ガイダンス処理が行われる前提として、塗り絵のカテゴリーに「ねこちゃん」と「わんちゃん」の候補コンテンツが最近になって追加され、ガイダンスメッセージGM1に従って一のカテゴリーがユーザーUS0により選ばれている。図10のフロー中には、カテゴリーとして塗り絵が選ばれた場合のガイダンスメッセージGM1の例が示されている。
【0073】
図10に示す習熟度別ガイダンス処理が開始されると、音声UIは、識別情報UIDに対応するユーザーUS0により選ばれたカテゴリーの印刷アプリを使用した回数N1を取得する(S302)。S302において、音声UIは、図3に示す印刷履歴600に基づいて、複数のカテゴリーの中から選ばれたカテゴリーを示すカテゴリー情報CA1に紐付けられた印刷の回数N1を取得する。回数N1の取得後、音声UIは、N1=0であるか否かに応じて処理を分岐させる(S304)。N1=0である場合、音声UIは、ユーザーUS0の習熟度PLを初心者レベルL1と決定し、比較的長い初心者向けメッセージMS1を生成する(S308)。初心者向けメッセージMS1には、候補コンテンツCO2が更新された旨が含まれていない。
【0074】
N1=0でない場合、音声UIは、ユーザーUS0により選ばれたカテゴリーについて候補コンテンツCO2の変更後に印刷が行われたか否かに応じて処理を分岐させる(S322)。S322において、音声UIは、印刷履歴600に基づいて、ユーザーUS0により選ばれたカテゴリーについて候補コンテンツCO2の更新後にユーザーUS0による印刷が行われた否かを判断すればよい。候補コンテンツCO2の変更後に印刷が行われた場合、音声UIは、処理を図9に示すS306に進める。この場合、図9に示す中級者向けメッセージMS2又は熟練者向けメッセージMS3が生成される。これらのメッセージMS2,MS3には、候補コンテンツCO2が更新された旨が含まれていない。
【0075】
候補コンテンツCO2の変更後に印刷が行われなかった場合、音声UIは、N1<TH1であるか否かに応じて処理を分岐させる(S324)。N1<TH1である場合、音声UIは、ユーザーUS0の習熟度PLを中級者レベルL2と決定し、中級者向けメッセージMS2を生成する(S326)。図10には、中級者向けメッセージMS2として、「ねこちゃんとわんちゃんのコンテンツが増えました。何を印刷しますか?」を生成することが示されている。中級者向けメッセージMS2に含まれる「ねこちゃんとわんちゃんのコンテンツが増えました。」は、複数の候補コンテンツCO2が変更された旨の例である。N1≧TH1である場合、音声UIは、ユーザーUS0の習熟度PLを熟練者レベルL3と決定し、熟練者向けメッセージMS3を生成する(S328)。図10には、熟練者向けメッセージMS3として、「ねこちゃんとわんちゃんが増えました。何を印刷しますか?」を生成することが示されている。熟練者向けメッセージMS3に含まれる「ねこちゃんとわんちゃんが増えました。」は、複数の候補コンテンツCO2が変更された旨の例である。最後に、音声UIは、音声出力させるガイダンスメッセージGM1を音声仲介装置400に送信し(S314)、習熟度別ガイダンス処理を終了させる。
【0076】
図10に示す例は、音声により印刷を実行させたユーザーUS0が候補コンテンツCO2の変更後に初めて音声による印刷指示を出す時に候補コンテンツCO2の変更を知ることができるので、利便性がさらに向上する。
尚、複数の候補コンテンツCO2が変更された旨は、ガイダンスメッセージGM1とは別にユーザーUS0に音声仲介装置400を介して通知されてもよい。また、ユーザーUS0により選ばれたカテゴリーに関わらず、複数の候補コンテンツCO2が変更された場合であって印刷履歴600にユーザーUS0による印刷の履歴R0が含まれる場合に、複数の候補コンテンツCO2が変更された旨が音声仲介装置400を介してユーザーUS0に通知されてもよい。
【0077】
ところで、ユーザーUS0によっては習熟の程度が速かったり遅かったりする。従って、印刷システムSY1がユーザーUS0を初心者と判断しても、習熟の程度が速いユーザーUS0は、長い初心者向けメッセージMS1を聞くのは煩わしいと感じる。また、印刷システムSY1がユーザーUS0を中級者と判断しても、習熟の程度が遅いユーザーUS0は、判らない短い中級者向けメッセージMS2を聞くのは煩わしいと感じる。そこで、ユーザーUS0が習熟度PLを指定することができると、好適である。
【0078】
図11は、図6に示すS126の代わりに行われる分岐処理を模式的に例示している。S402~S404は、習熟度決定工程ST6、習熟度決定部113、及び、習熟度決定機能FU4に対応している。
図6に示すS124においてキーワードKE0と識別情報UIDが取得されると、図11に示す分岐処理が開始する。音声UIは、まず、音声仲介装置400から印刷リクエストを受け取ったか否かに応じて処理を分岐させる(S126)。音声UIは、印刷リクエストを受け取った場合、印刷リクエストをクラウド印刷サービスに渡す。該印刷リクエストを受け取ったクラウド印刷サービスは、印刷データDA1を生成する(図6のS128)。音声UIは、印刷リクエストを受け取っていない場合、音声により習熟度PLを指示する習熟度指示キーワードKE1を音声仲介装置400から取得したか否かに応じて処理を分岐させる(S402)。音声UIは、習熟度指示キーワードKE1を取得していない場合、処理を図6のS112に戻す。
【0079】
音声UIは、習熟度指示キーワードKE1を取得した場合、習熟度指示キーワードKE1の種類に応じた処理を行い(S404)、処理を図6のS112に戻す。
例えば、習熟度指示キーワードKE1が「メッセージを短くして」である場合、音声UIは、変数である習熟度PLを1増やす処理を行う。例えば、習熟度PLが1すなわち初心者レベルL1である場合、音声UIは、習熟度PLを2すなわち中級者レベルL2に上げる。習熟度PLが2である場合、音声UIは、習熟度PLを3すなわち熟練者レベルL3に上げる。尚、習熟度PLが3である場合、音声UIは、習熟度PLを3のままにすればよい。
【0080】
また、習熟度指示キーワードKE1が「メッセージを長くして」である場合、音声UIは、習熟度PLを1減らす処理を行う。例えば、習熟度PLが3すなわち熟練者レベルL3である場合、音声UIは、習熟度PLを2すなわち中級者レベルL2に下げる。習熟度PLが2である場合、音声UIは、習熟度PLを1すなわち初心者レベルL1に下げる。尚、習熟度PLが1である場合、音声UIは、習熟度PLを1のままにすればよい。
さらに、習熟度指示キーワードKE1が「私は初心者です」である場合、音声UIは、習熟度PLを1にする処理を行う。図示していないが、習熟度指示キーワードKE1に「私は中級者です」や「私は熟練者です」等があってもよい。
【0081】
以上の処理により、ユーザーUS0は、発話に応じて自らの習熟の程度を決めることができる。従って、図11に示す例は、ユーザーUS0の煩わしさをさらに軽減させることができる。
【0082】
また、図12に例示するように、習熟度PLの変更を問い合わせる問合せメッセージIM1に対する回答キーワードKE2に基づいて習熟度PLを決定することも可能である。図12は、図6のS136の印刷完了通知処理の後に行われる習熟度変更問合せ処理を例示している。この処理は、習熟度決定工程ST6、習熟度決定部113、及び、習熟度決定機能FU4に対応している。
図12に示す習熟度変更問合せ処理が開始されると、音声UIは、習熟度PLの変更を問い合わせる問合せメッセージIM1を音声仲介装置400に送信し、問合せメッセージIM1を音声仲介装置400に音声出力させる(S502)。問合せメッセージIM1には、「次はメッセージを簡略化しますか」、「次はメッセージを短くしますか」、等が含まれる。問合せメッセージIM1を受信した音声仲介装置400は、問合せメッセージIM1を音声信号SG1に変換し、ネットワークNE1を介して音声信号SG1をスマートスピーカー300に送信する。音声信号を受信したスマートスピーカー300は、音声信号SG1を音声に変換し、この音声を出力する。これにより、ユーザーUS0には、問合せメッセージIM1が音声により読み上げられる。
【0083】
問合せメッセージIM1の送信後、音声UIは、問合せメッセージIM1に対する回答を指示する回答キーワードKE2を音声仲介装置400から取得したか否かに応じて処理を分岐させる(S504)。回答キーワードKE2には、「はい」、「お願い」、等が含まれる。キーワードKE0に回答キーワードKE2が無い場合、音声UIは、S506の処理を行わず、習熟度変更問合せ処理を終了させる。
【0084】
キーワードKE0に回答キーワードKE2が有る場合、音声UIは、回答キーワードKE2に基づいて習熟度PLを決定する(S506)。例えば、音声UIは、変数である習熟度PLを1増やす処理を行う。これにより、問合せメッセージIM1送信時の習熟度PLが1すなわち初心者レベルL1である場合、音声UIは、習熟度PLを2すなわち中級者レベルL2に上げる。習熟度PLが2である場合、音声UIは、習熟度PLを3すなわち熟練者レベルL3に上げる。その後、音声UIは、習熟度変更問合せ処理を終了させる。
尚、回答キーワードKE2は、「メッセージを長くして」といった習熟度PLを下げる内容でもよい。この場合、音声UIは、習熟度PLを1減らす処理を行ってもよい。
【0085】
以上の処理により、ユーザーUS0は、印刷完了後に、問合せメッセージIM1に対して習熟度PLを上げる回答を発話することにより習熟度PLを上げることができる。従って、ユーザーUS0は、次回以降の印刷指示時に高くなった習熟度PLに基づく比較的短いガイダンスメッセージGM1に従って音声により印刷を指示することができる。また、問合せメッセージIM1に対して習熟度PLを下げる回答を発話することにより習熟度PLを下げることも可能である。従って、図12に示す例は、ユーザーUS0の煩わしさをさらに軽減させることができる。
【0086】
(5)結び:
以上説明したように、本発明によると、種々の態様により、印刷システムの利便性を向上させる技術等を提供することができる。むろん、独立請求項に係る構成要件のみからなる技術でも、上述した基本的な作用、効果が得られる。
また、上述した例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、公知技術及び上述した例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、等も実施可能である。本発明は、これらの構成等も含まれる。
【符号の説明】
【0087】
100…情報処理装置、108…時計回路、110…音声UI領域、111…情報取得部、112…ガイダンス部、113…習熟度決定部、115…履歴記憶部、120…印刷サービス領域、121…コンテンツ記憶部、122…印刷データ送信部、200…プリンター、300…スマートスピーカー、400…音声仲介装置、600…印刷履歴、CA1…カテゴリー情報、CO1…コンテンツ、CO2…候補コンテンツ、DA1…印刷データ、GM1…ガイダンスメッセージ、IM1…問合せメッセージ、KE0…キーワード、KE1…習熟度指示キーワード、KE2…回答キーワード、L1…初心者レベル、L2…中級者レベル、L3…熟練者レベル、MS1…初心者向けメッセージ、MS2…中級者向けメッセージ、MS3…熟練者向けメッセージ、N1…回数、NE1…ネットワーク、PI…印刷指示、PR1…情報処理プログラム、PL…習熟度、R0,R1…履歴、SG1…音声信号、SY1…印刷システム、UID…識別情報、US0,US1,US2…ユーザー。
図1
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