(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-24
(45)【発行日】2024-10-02
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 21/16 20060101AFI20240925BHJP
G03G 15/01 20060101ALI20240925BHJP
【FI】
G03G21/16 147
G03G15/01 Z
(21)【出願番号】P 2020078742
(22)【出願日】2020-04-27
【審査請求日】2023-04-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103517
【氏名又は名称】岡本 寛之
(72)【発明者】
【氏名】石塚 大輔
【審査官】山下 清隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-078720(JP,A)
【文献】特開2013-152417(JP,A)
【文献】特開2014-029550(JP,A)
【文献】特開2017-037256(JP,A)
【文献】特開2007-057551(JP,A)
【文献】特開2006-350196(JP,A)
【文献】特開2007-094054(JP,A)
【文献】特開2018-067023(JP,A)
【文献】特開2019-179119(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0028589(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/16
G03G 15/01
G03G 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1マークを備え、第1感光ドラムに駆動力を伝達する第1ドラム駆動ギアと、
第2マークを備え、第2感光ドラムに駆動力を伝達する第2ドラム駆動ギアと、
第3マークを備え、第3感光ドラムに駆動力を伝達する第3ドラム駆動ギアと、
第4マークを備え、第4感光ドラムに駆動力を伝達する第4ドラム駆動ギアと、
第5マークを備え、前記第1ドラム駆動ギアおよび前記第2ドラム駆動ギアと噛み合う第1中間ギアと、
第6マークを備え、前記第2ドラム駆動ギアおよび前記第3ドラム駆動ギアと噛み合う第2中間ギアと、
第7マークを備え、前記第3ドラム駆動ギアおよび前記第4ドラム駆動ギアと噛み合う第3中間ギアと、
出力シャフトを有するモータと、
前記出力シャフトとともに回転可能な出力ギアと、
前記出力ギアと噛み合うギアと、
を備え、
前記第1ドラム駆動ギアの前記第1マークに対する偏心方向と、前記第2ドラム駆動ギアの前記第2マークに対する偏心方向と、前記第3ドラム駆動ギアの前記第3マークに対する偏心方向と、前記第4ドラム駆動ギアの前記第4マークに対する偏心方向とは、同じであり、
前記第1中間ギアの前記第5マークに対する偏心方向と、前記第2中間ギアの前記第6マークに対する偏心方向と、前記第3中間ギアの前記第7マークに対する偏心方向とは、同じであり、
前記第2中間ギアは、前記ギアと同じ軸について、前記ギアとともに回転可能であ
り、
前記第1中間ギア、前記第2中間ギアおよび前記第3中間ギアは、それぞれの回転軸が延びる軸方向に突出するリブを備えることを特徴とする、画像形成装置。
【請求項2】
前記第2中間ギアが備える前記リブは、前記第2中間ギアの回転方向において、前記ギアと係合する
ことを特徴とする、請求
項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第1ドラム駆動ギア、前記第2ドラム駆動ギア、前記第3ドラム駆動ギアおよび前記第4ドラム駆動ギアは、同じ第1成形金型を用いて成形された成形体であり、
前記第1中間ギア、前記第2中間ギアおよび前記第3中間ギアは、同じ第2成形金型を用いて成形された成形体である
ことを特徴とする、請求項1
または請求
項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第5マーク、前記第6マークおよび前記第7マークは、前記第1中間ギア、前記第2中間ギアおよび前記第3中間ギアを組み立てるときの基準となるマークである
ことを特徴とする、請求項1から請求
項3のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置は、第1ドラム駆動ギアと、第2ドラム駆動ギアと、第3ドラム駆動ギアと、第4ドラム駆動ギアと、第1中間ギアと、第2中間ギアと、第3中間ギアと、第4中間ギアと、第5中間ギアとを備える。第1中間ギアは、第1ドラム駆動ギアおよび第2ドラム駆動ギアと噛み合う。第2中間ギアは、第3ドラム駆動ギアおよび第4ドラム駆動ギアと噛み合う。第3中間ギアは、第1中間ギアと噛み合う。第4中間ギアは、第2中間ギアと噛み合う。第5中間ギアは、第3中間ギアおよび第4中間ギアと噛み合う(下記特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されるような画像形成装置において、さらなる小型化が望まれている。そこで、中間ギアの数を低減することが検討される。しかし、中間ギアの数を低減すると、シート上に互いに異なる色のトナー像を重ねて画像を形成するときに、それらトナー像の位置がずれる色ずれが生じる場合がある。
【0005】
そこで、本開示の目的は、小型化を図ることができながら、色ずれを抑制できる画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本開示の画像形成装置は、第1ドラム駆動ギアと、第2ドラム駆動ギアと、第3ドラム駆動ギアと、第4ドラム駆動ギアと、第1中間ギアと、第2中間ギアと、第3中間ギアと、を備える。第1ドラム駆動ギアは、第1マークを備える。第1ドラム駆動ギアは、第1感光ドラムに駆動力を伝達する。第2ドラム駆動ギアは、第2マークを備える。第2ドラム駆動ギアは、第2感光ドラムに駆動力を伝達する。第3ドラム駆動ギアは、第3マークを備える。第3ドラム駆動ギアは、第3感光ドラムに駆動力を伝達する。第4ドラム駆動ギアは、第4マークを備える。第4ドラム駆動ギアは、第4感光ドラムに駆動力を伝達する。第1中間ギアは、第5マークを備える。第1中間ギアは、第1ドラム駆動ギアおよび第2ドラム駆動ギアと噛み合う。第2中間ギアは、第6マークを備える。第2中間ギアは、第2ドラム駆動ギアおよび第3ドラム駆動ギアと噛み合う。第3中間ギアは、第7マークを備える。第3中間ギアは、第3ドラム駆動ギアおよび第4ドラム駆動ギアと噛み合う。第1ドラム駆動ギアの第1マークに対する偏心方向と、第2ドラム駆動ギアの第2マークに対する偏心方向と、第3ドラム駆動ギアの第3マークに対する偏心方向と、第4ドラム駆動ギアの第4マークに対する偏心方向とは、同じである。第1中間ギアの第5マークに対する偏心方向と、第2中間ギアの第6マークに対する偏心方向と、第3中間ギアの第7マークに対する偏心方向とは、同じである。
【0007】
このような構成によれば、第1ドラム駆動ギア、第1中間ギア、第2ドラム駆動ギア、第2中間ギア、第3ドラム駆動ギア、第3中間ギアおよび第4ドラム駆動ギアが順に繋がっている。そのため、中間ギアの数の低減を図ることができ、画像形成装置の小型化を図ることができる。
【0008】
また、すべてのドラム駆動ギアのマークに対する偏心方向が同じであり、すべての中間ギアのマークに対する偏心方向が同じである。そのため、ドラム駆動ギアと中間ギアとを上記のように繋げても、色ずれを抑制することができる。
【0009】
(2)画像形成装置は、モータと、出力ギアと、ギアとをさらに備えてもよい。モータは、出力シャフトを有する。出力ギアは、出力シャフトとともに回転可能である。ギアは、出力ギアと噛み合う。第2中間ギアおよびギアは、同じ軸について回転可能であってもよい。
【0010】
(3)第2中間ギアは、ギアとともに回転可能であってもよい。
【0011】
このような構成によれば、1つのモータが、すべてのドラム駆動ギアを回転させることができる。また、第1ドラム駆動ギアと出力ギアとの間に位置するギアの数と第4ドラム駆動ギアと出力ギアとの間に位置するギアの数とを一致させることができながら、第2ドラム駆動ギアと出力ギアとの間に位置するギアの数と第3ドラム駆動ギアと出力ギアとの間に位置するギアの数とを一致させることができる。そのため、モータの数の低減を図ることができながら、色ずれを安定して抑制できる。
【0012】
(4)第1中間ギア、第2中間ギアおよび第3中間ギアは、リブを備えてもよい。リブは、回転軸が延びる軸方向に突出する。
【0013】
(5)第2中間ギアが備えるリブは、第2中間ギアの回転方向において、ギアと係合してもよい。
【0014】
(6)第1ドラム駆動ギア、第2ドラム駆動ギア、第3ドラム駆動ギアおよび第4ドラム駆動ギアは、同じ第1成形金型を用いて成形された成形体であってもよい。第1中間ギア、第2中間ギアおよび第3中間ギアは、同じ第2成形金型を用いて成形された成形体であってもよい。
【0015】
このような構成によれば、すべてのドラム駆動ギアのマークに対する偏心方向を確実に同じにできる。すべての中間ギアのマークに対する偏心方向を確実に同じにできる。
【0016】
(7)第5マーク、第6マークおよび第7マークは、第1中間ギア、第2中間ギアおよび第3中間ギアを組み立てるときの基準となるマークであってもよい。
【0017】
(8)画像形成装置は、第1ドラム駆動ギアと、第2ドラム駆動ギアと、第3ドラム駆動ギアと、第4ドラム駆動ギアと、第1中間ギアと、第2中間ギアと、第3中間ギアと、を備える。第1ドラム駆動ギアは、第1感光ドラムに駆動力を伝達する。第2ドラム駆動ギアは、第2感光ドラムに駆動力を伝達する。第3ドラム駆動ギアは、第3感光ドラムに駆動力を伝達する。第4ドラム駆動ギアは、第4感光ドラムに駆動力を伝達する。第1中間ギアは、第1ドラム駆動ギアおよび第2ドラム駆動ギアと噛み合う。第2中間ギアは、第2ドラム駆動ギアおよび第3ドラム駆動ギアと噛み合う。第3中間ギアは、第3ドラム駆動ギアおよび第4ドラム駆動ギアと噛み合う。第1ドラム駆動ギア、第2ドラム駆動ギア、第3ドラム駆動ギアおよび第4ドラム駆動ギアは、同じ第1成形金型を用いて成形された成形体である。第1中間ギア、第2中間ギアおよび第3中間ギアは、同じ第2成形金型を用いて成形された成形体である。
【0018】
このような構成によれば、画像形成装置の小型化を図ることができながら、色ずれを抑制できる。
【発明の効果】
【0019】
本開示の画像形成装置によれば、小型化を図ることができながら、色ずれを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図2】
図2は、
図1に示す画像形成装置が備えるギア列の側面図である。
【
図3】
図3は、
図2に示すドラム駆動ギアおよび中間ギアの拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
1.画像形成装置1
図1を参照して、画像形成装置1について説明する。
【0022】
図1に示すように、画像形成装置1は、筐体2と、シートカセット3と、4つの感光ドラム4Y、4M、4C、4Kと、4つの帯電装置5Y、5M、5C、5Kと、露光装置6と、4つの現像ユニット7Y、7M、7C、7Kと、転写装置8と、定着装置9とを備える。
【0023】
1.1 筐体2
筐体2は、4つの感光ドラム4Y、4M、4C、4Kと、4つの帯電装置5Y、5M、5C、5Kと、露光装置6と、4つの現像ユニット7Y、7M、7C、7Kと、転写装置8と、定着装置9とを収容する。
【0024】
1.2 シートカセット3
シートカセット3は、シートSを収容可能である。シートカセット3内のシートSは、感光ドラム4Yに向かって搬送される。
【0025】
1.3 4つの感光ドラム4Y、4M、4C、4K
4つの感光ドラム4Y、4M、4C、4Kは、搬送ベルト81によるシートSの搬送方向に並ぶ。搬送ベルト81については、後で説明する。4つの感光ドラム4Y、4M、4C、4Kは、搬送方向において、感光ドラム4Y、感光ドラム4M、感光ドラム4C、感光ドラム4Kの順に並ぶ。
【0026】
感光ドラム4Yは、第1方向に延びる。第1方向は、搬送方向と交差する。感光ドラム4Yは、円筒形状を有する。感光ドラム4Yは、軸について回転可能である。感光ドラム4Yの軸は、第1方向に延びる。なお、感光ドラム4M、4C、4Kは、感光ドラム4Yと同様に説明される。そのため、感光ドラム4M、4C、4Kについての説明は、省略される。
【0027】
1.4 4つの帯電装置5Y、5M、5C、5K
帯電装置5Yは、感光ドラム4Yの周面を帯電させる。帯電装置5Mは、感光ドラム4Mの周面を帯電させる。帯電装置5Cは、感光ドラム4Cの周面を帯電させる。帯電装置5Kは、感光ドラム4Kの周面を帯電させる。4つの帯電装置5Y、5M、5C、5Kのそれぞれは、具体的には、スコロトロン型の帯電器である。なお、4つの帯電装置5Y、5M、5C、5Kのそれぞれは、帯電ローラであってもよい。
【0028】
1.5 露光装置6
露光装置6は、感光ドラム4Yの表面を露光可能である。感光ドラム4Yの表面が帯電された状態で、露光装置6が感光ドラム4Yの表面を露光することにより、静電潜像が、感光ドラム4Yの表面に形成される。露光装置6は、具体的には、レーザースキャンユニットである。なお、露光装置6は、LEDアレイであってもよい。露光装置6は、感光ドラム4Yと同様に、感光ドラム4M、4C、4Kの表面も露光可能である。
【0029】
1.6 4つの現像ユニット7Y、7M、7C、7K
現像ユニット7Yは、トナーを収容可能である。現像ユニット7Yは、現像ローラ71Yを備える。現像ローラ71Yは、感光ドラム4Yにトナーを供給する。現像ユニット7Mは、トナーを収容可能である。現像ユニット7Mは、現像ローラ71Mを備える。現像ローラ71Mは、感光ドラム4Mにトナーを供給する。現像ユニット7Cは、トナーを収容可能である。現像ユニット7Cは、現像ローラ71Cを備える。現像ローラ71Cは、感光ドラム4Cにトナーを供給する。現像ユニット7Kは、トナーを収容可能である。現像ユニット7Kは、現像ローラ71Kを備える。現像ローラ71Kは、感光ドラム4Kにトナーを供給する。4つの現像ユニット7Y、7M、7C、7Kのそれぞれは、筐体2に着脱可能であってもよい。
【0030】
1.7 転写装置
転写装置8は、搬送ベルト81を備える。搬送ベルト81は、シートカセット3から供給されたシートSを定着装置9に向かって搬送する。搬送ベルト81によって搬送されるシートSは、転写装置8と4つの感光ドラム4Y、4M、4C、4Kとの間を通る。このとき、転写装置8は、4つの感光ドラム4Y、4M、4C、4K上のトナーをシートSに転写する。
【0031】
1.8 定着装置
定着装置9は、トナーが転写されたシートSを加熱および加圧して、シートSにトナーを定着させる。定着装置9を通過したシートSは、筐体2の上面に排紙される。
【0032】
2.画像形成装置の詳細
次に、
図2および
図3を参照して、画像形成装置1の詳細について説明する。
【0033】
画像形成装置1は、
図2に示すように、フレーム20と、モータ10と、出力ギア11と、ギア列24とを備える。
【0034】
2.1 フレーム20
フレーム20は、第1方向において、4つの感光ドラム4Y、4M、4C、4K(
図1参照)に対して間隔を空けて配置される。フレーム20は、第2方向および第3方向に延びる。第2方向は、第1方向と交差する。第3方向は、第1方向および第2方向と交差する。フレーム20は、モータ10と、ギア列24とを支持する。
【0035】
2.2 モータ10
モータ10は、具体的には、ブラシレスDCモータである。モータ10は、出力シャフト101を有する。出力シャフト101は、第1方向に延びる。出力シャフト101は、軸について回転可能である。出力シャフト101の軸は、第1方向に延びる。
【0036】
2.3 出力ギア11
出力ギア11は、出力シャフト101とともに回転可能である。出力ギア11は、出力シャフト101に取り付けられる。
【0037】
2.4 ギア列24
ギア列24は、第1ドラム駆動ギア12と、第2ドラム駆動ギア13と、第3ドラム駆動ギア14と、第4ドラム駆動ギア15と、第1中間ギア16と、第2中間ギア17と、第3中間ギア18と、ギア19とを備える。言い換えれば、画像形成装置1は、第1ドラム駆動ギア12と、第2ドラム駆動ギア13と、第3ドラム駆動ギア14と、第4ドラム駆動ギア15と、第1中間ギア16と、第2中間ギア17と、第3中間ギア18と、ギア19とを備える。ギア列24において、第1ドラム駆動ギア12と、第1中間ギア16と、第2ドラム駆動ギア13と、第2中間ギア17と、第3ドラム駆動ギア14と、第3中間ギア18と、第4ドラム駆動ギア15とが順に繋がっている。ギア列24は、例えば、コンピュータ解析により算出された組み立て位相に基づいて組み立てられる。
【0038】
2.4.1 第1ドラム駆動ギア12
第1ドラム駆動ギア12は、感光ドラム4Y(
図1参照)に駆動力を伝達する。第1ドラム駆動ギア12は、軸12Aについて回転可能である。軸12Aは、第1方向に延びる。第1ドラム駆動ギア12は、本体カップリングを有する。本体カップリングは、図示しない。本体カップリングは、第1ドラム駆動ギア12とともに回転可能である。本体カップリングは、第1方向に延びる。本体カップリングは、感光ドラム4Y(
図1参照)のドラムカップリングに嵌まる。ドラムカップリングは、図示しない。本体カップリングがドラムカップリングに嵌まった状態で、第1ドラム駆動ギア12は、感光ドラム4Yに駆動力を伝達できる。
【0039】
第1ドラム駆動ギア12は、第1マーク121を備える。第1マーク121は、ギア列24を組み立てるときの基準となるマークである。第1マーク121は、第1ドラム駆動ギア12の側面に位置する。第1マーク121は、第1ドラム駆動ギア12の径方向において、軸12Aから離れて位置する。第1マーク121は、頂点1211を有する。頂点1211は、第1マーク121において、軸12Aから最も離れて位置する。第1マーク121は、具体的には、三角形状を有する。なお、第1マーク121は、ギア列24を組み立てるときの目印にできれば特に制限されない。第1ドラム駆動ギア12の側面に位置するリブ122の形状を変えて、第1マーク121としてもよい。
【0040】
2.4.2 第2ドラム駆動ギア13
第2ドラム駆動ギア13は、感光ドラム4Mに駆動力を伝達する。第2ドラム駆動ギア13は、第2方向において、第1ドラム駆動ギア12から離れて位置する。第2ドラム駆動ギア13は、軸13Aについて回転可能である。軸13Aは、第1方向に延びる。第2ドラム駆動ギア13は、第1ドラム駆動ギア12と同様に説明される。そのため、第2ドラム駆動ギア13についての説明は、省略される。本体カップリングがドラムカップリングに嵌まった状態で、第2ドラム駆動ギア13は、感光ドラム4Mに駆動力を伝達できる。
【0041】
第2ドラム駆動ギア13は、第2マーク131を備える。第2マーク131は、第2ドラム駆動ギア13の側面に位置する。第2マーク131は、第1マーク121と同様に説明される。第2マーク131は、頂点1311を有する。頂点1311は、第2マーク131において、軸13Aから最も離れて位置する。なお、第2ドラム駆動ギア13の側面に位置するリブ132の形状を変えて、第2マーク131としてもよい。
【0042】
2.4.3 第3ドラム駆動ギア14
第3ドラム駆動ギア14は、感光ドラム4Cに駆動力を伝達する。第3ドラム駆動ギア14は、第2方向において、第2ドラム駆動ギア13に対して第1ドラム駆動ギア12の反対側に位置する。第3ドラム駆動ギア14は、第2方向において、第2ドラム駆動ギア13から離れて位置する。第3ドラム駆動ギア14は、軸14Aについて回転可能である。軸14Aは、第1方向に延びる。第3ドラム駆動ギア14は、第1ドラム駆動ギア12と同様に説明される。そのため、第3ドラム駆動ギア14についての説明は、省略される。本体カップリングがドラムカップリングに嵌まった状態で、第3ドラム駆動ギア14は、感光ドラム4Cに駆動力を伝達できる。
【0043】
第3ドラム駆動ギア14は、第3マーク141を備える。第3マーク141は、第3ドラム駆動ギア14の側面に位置する。第3マーク141は、第1マーク121と同様に説明される。第3マーク141は、頂点1411を有する。頂点1411は、第3マーク141において、軸14Aから最も離れて位置する。なお、第3ドラム駆動ギア14の側面に位置するリブ142の形状を変えて、第3マーク141としてもよい。
【0044】
2.4.5 第4ドラム駆動ギア15
第4ドラム駆動ギア15は、感光ドラム4Kに駆動力を伝達する。第4ドラム駆動ギア15は、第2方向において、第3ドラム駆動ギア14に対して第2ドラム駆動ギア13の反対側に位置する。第4ドラム駆動ギア15は、第2方向において、第3ドラム駆動ギア14から離れて位置する。第4ドラム駆動ギア15は、軸15Aについて回転可能である。軸15Aは、第1方向に延びる。第4ドラム駆動ギア15は、第1ドラム駆動ギア12と同様に説明される。そのため、第4ドラム駆動ギア15についての説明は、省略される。本体カップリングがドラムカップリングに嵌まった状態で、第4ドラム駆動ギア15は、感光ドラム4Kに駆動力を伝達できる。
【0045】
第4ドラム駆動ギア15は、第4マーク151を備える。第4マーク151は、第4ドラム駆動ギア15の側面に位置する。第4マーク151は、第1マーク121と同様に説明される。第4マーク151は、頂点1511を有する。頂点1511は、第4マーク151において、軸15Aから最も離れて位置する。なお、第4ドラム駆動ギア15の側面に位置するリブ152の形状を変えて、第4マーク151としてもよい。
【0046】
2.4.6 4つのドラム駆動ギア12、13、14、15
第1ドラム駆動ギア12の第1マーク121に対する偏心方向と、第2ドラム駆動ギア13の第2マーク131に対する偏心方向と、第3ドラム駆動ギア14の第3マーク141に対する偏心方向と、第4ドラム駆動ギア15の第4マーク151に対する偏心方向とは、同じである。
【0047】
ギアは、通常射出成型に製造され、わずかに偏心している。言い換えると、ギアの回転軸中心は、理論位置からずれている。偏心方向とは、ギアの回転軸中心の理論位置から、ギアの実際の回転軸中心に向かう方向である。
【0048】
より具体的には、
図3に示すように、第2ドラム駆動ギア13を挙げて、ドラム駆動ギアの偏心方向について説明する。
【0049】
第2ドラム駆動ギア13の軸13Aは、第2ドラム駆動ギア13の回転軸中心の理論位置P1からずれている。第2ドラム駆動ギア13の偏心方向D1は、理論位置P1から軸13Aに向かう方向であり、理論位置P1と軸13Aとを通る。第2ドラム駆動ギア13の偏心方向D1は、第2マーク131の頂点1311および軸13Aを結ぶ第2マーク基準線L1に対して、角度θ1を形成する。角度θ1は、例えば、0°以上360°未満である。角度θ1が0°である場合、偏心方向D1は、第2マーク基準線L1に沿う。角度θ1が大きくなるにつれて、偏心方向D1は、第2ドラム駆動ギア13の回転方向R1において、第2マーク基準線L1から離れる。
【0050】
第1ドラム駆動ギア12の偏心方向と、第3ドラム駆動ギア14の偏心方向と、第4ドラム駆動ギア15の偏心方向とは、第2ドラム駆動ギア13の偏心方向と同様に説明される。そのため、第1ドラム駆動ギア12の偏心方向と、第3ドラム駆動ギア14の偏心方向と、第4ドラム駆動ギア15の偏心方向との説明は、省略される。
【0051】
第1マーク121の頂点1211および軸12Aを結ぶ第1マーク基準線に対する、第1ドラム駆動ギア12の偏心方向の角度は、第2マーク基準線L1に対する偏心方向D1の角度θ1に対して、例えば、±3°以下、好ましくは、±1°以下である。
【0052】
第3マーク141の頂点1411および軸14Aを結ぶ第3マーク基準線に対する、第3ドラム駆動ギア14の偏心方向の角度は、第2マーク基準線L1に対する偏心方向D1の角度θ1に対して、例えば、±3°以下、好ましくは、±1°以下である。
【0053】
第4マーク151の頂点1511および軸15Aを結ぶ第4マーク基準線に対する、第4ドラム駆動ギア15の偏心方向の角度は、第2マーク基準線L1に対する偏心方向D1の角度θ1に対して、例えば、±3°以下、好ましくは、±1°以下である。
【0054】
言い換えれば、第1マーク121に対する偏心方向と、第2マーク131に対する偏心方向と、第3マーク141に対する偏心方向と、第4マーク151に対する偏心方向とが同じであるとは、基準となるドラム駆動ギア13におけるマーク基準線L1と偏心方向D1とが形成する角度θ1に対して、他のドラム駆動ギア12、14、15におけるマーク基準線と偏心方向とが形成する角度が、上記の範囲内であることを意味する。なお、基準となるドラム駆動ギアは、4つのドラム駆動ギア12、13、14、15のいずれであってもよい。
【0055】
また、第1ドラム駆動ギア12の偏心量と、第2ドラム駆動ギア13の偏心量と、第3ドラム駆動ギア14の偏心量と、第4ドラム駆動ギア15の偏心量とは、同じである。偏心量とは、偏心方向におけるギアの回転軸中心の理論位置とギアの実際の回転軸中心との間の寸法である。
【0056】
第2ドラム駆動ギア13の偏心量は、偏心方向D1における理論位置P1と軸13Aとの間の寸法である。
【0057】
第1ドラム駆動ギア12の偏心量は、第2ドラム駆動ギア13の偏心量に対して、例えば、±3μm以下、好ましくは、±1μm以下である。
【0058】
第3ドラム駆動ギア14の偏心量は、第2ドラム駆動ギア13の偏心量に対して、例えば、±3μm以下、好ましくは、±1μm以下である。
【0059】
第4ドラム駆動ギア15の偏心量は、第2ドラム駆動ギア13の偏心量に対して、例えば、±3μm以下、好ましくは、±1μm以下である。
【0060】
言い換えれば、第1ドラム駆動ギア12の偏心量と、第2ドラム駆動ギア13の偏心量と、第3ドラム駆動ギア14の偏心量と、第4ドラム駆動ギア15の偏心量とが同じであるとは、基準となるドラム駆動ギア13の偏心量に対して、他のドラム駆動ギア12、14、15の偏心量が、上記の範囲内であることを意味する。
【0061】
なお、第1ドラム駆動ギア12の偏心量と、第2ドラム駆動ギア13の偏心量と、第3ドラム駆動ギア14の偏心量と、第4ドラム駆動ギア15の偏心量とが同じであると、第1ドラム駆動ギア12、第2ドラム駆動ギア13、第3ドラム駆動ギア14および第4ドラム駆動ギア15は、同じ回転速度ムラを有する。回転速度ムラとは、ギアの偏心方向および偏心量に起因して生じる角速度変動であって、エンコーダ、レーザードップラー測定器などにより測定できる。
【0062】
第1ドラム駆動ギア12、第2ドラム駆動ギア13、第3ドラム駆動ギア14および第4ドラム駆動ギア15は、同じ第1成形金型を用いて成形された成形体であってもよい。言い換えれば、第1ドラム駆動ギア12、第2ドラム駆動ギア13、第3ドラム駆動ギア14および第4ドラム駆動ギア15のそれぞれは、1つの第1成形金型を用いて成形される成形体である。そのため、4つのドラム駆動ギア12、13、14、15のうち、1つのドラム駆動ギアが第1成形金型を用いて成形されて第1成形金型から脱型された後に、次のドラム駆動ギアが同じ第1成形金型を用いて成形される。これによって、第1ドラム駆動ギア12の第1マーク121に対する偏心方向と、第2ドラム駆動ギア13の第2マーク131に対する偏心方向と、第3ドラム駆動ギア14の第3マーク141に対する偏心方向と、第4ドラム駆動ギア15の第4マーク151に対する偏心方向とを同じにできる。また、第1ドラム駆動ギア12の偏心量と、第2ドラム駆動ギア13の偏心量と、第3ドラム駆動ギア14の偏心量と、第4ドラム駆動ギア15の偏心量とを同じにできる。
【0063】
2.4.7 第1中間ギア16
第1中間ギア16は、第1ドラム駆動ギア12および第2ドラム駆動ギア13と噛み合う。第1中間ギア16は、第2方向において、第1ドラム駆動ギア12の軸12Aと第2ドラム駆動ギア13の軸13Aとの間に位置する。第1中間ギア16の直径は、第1ドラム駆動ギア12の直径よりも小さい。第1中間ギア16は、軸16Aについて回転可能である。軸16Aは、第1方向に延びる。
【0064】
第1中間ギア16は、リブ21を備える。リブ21は、回転軸である軸16Aが延びる第1方向に突出する。リブ21は、第1中間ギア16からフレーム20に向かって突出する。リブ21は、第1中間ギア16の径方向において、軸16Aから離れて位置する。リブ21は、第1中間ギア16の径方向に延びる。
【0065】
第1中間ギア16は、第5マーク161を備える。第5マーク161は、ギア列24を組み立てるときの基準となるマークである。第5マーク161は、第1中間ギア16の側面に位置する。第5マーク161は、第1中間ギア16の径方向において、軸16Aから離れて位置する。第5マーク161は、頂点1611を有する。頂点1611は、第5マーク161において、軸16Aから最も離れて位置する。具体的には、第5マーク161は、三角形状を有する。なお、第5マーク161は、ギア列24を組み立てるときの目印にできれば特に制限されない。第1中間ギア16の側面に位置するリブ162の形状を変えて、第5マーク161としてもよい。
【0066】
2.4.8 第2中間ギア17
第2中間ギア17は、第2ドラム駆動ギア13および第3ドラム駆動ギア14と噛み合う。第2中間ギア17は、第2方向において、第2ドラム駆動ギア13の軸13Aと第3ドラム駆動ギア14の軸14Aとの間に位置する。第2中間ギア17は、軸17Aについて回転可能である。第2中間ギア17は、リブ21を備える。第2中間ギア17は、第1中間ギア16と同様に説明される。そのため、第2中間ギア17についての説明は、省略される。
【0067】
第2中間ギア17は、第6マーク171を備える。第6マーク171は、第2中間ギア17の側面に位置する。第6マーク171は、第5マーク161と同様に説明される。第6マーク171は、頂点1711を有する。頂点1711は、第6マーク171において、軸17Aから最も離れて位置する。なお、第2中間ギア17の側面に位置するリブ172の形状を変えて、第6マーク171としてもよい。
【0068】
2.4.9 第3中間ギア18
第3中間ギア18は、第3ドラム駆動ギア14および第4ドラム駆動ギア15と噛み合う。第3中間ギア18は、第2方向において、第3ドラム駆動ギア14の軸14Aと第4ドラム駆動ギア15の軸15Aとの間に位置する。第3中間ギア18は、軸18Aについて回転可能である。第3中間ギア18は、リブ21を備える。言い換えれば、第1中間ギア16、第2中間ギア17および第3中間ギア18のそれぞれは、リブ21を備える。第3中間ギア18は、第1中間ギア16と同様に説明される。そのため、第3中間ギア18についての説明は、省略される。
【0069】
第3中間ギア18は、第7マーク181を備える。第7マーク181は、第3中間ギア18の側面に位置する。第7マーク181は、第5マーク161と同様に説明される。第5マーク161、第6マーク171および第7マーク181は、第1中間ギア16、第2中間ギア17および第3中間ギア18を組み立てるときの基準となるマークである。第7マーク181は、頂点1811を有する。頂点1811は、第7マーク181において、軸18Aから最も離れて位置する。なお、第3中間ギア18の側面に位置するリブ182の形状を変えて、第7マーク181としてもよい。
【0070】
2.4.10 3つの中間ギア16、17、18
第1中間ギア16の第5マーク161に対する偏心方向と、第2中間ギア17の第6マーク171に対する偏心方向と、第3中間ギア18の第7マーク181に対する偏心方向とは同じである。
【0071】
より具体的には、第2中間ギア17を挙げて、中間ギアの偏心方向について説明する。
【0072】
第2中間ギア17の軸17Aは、第2中間ギア17の回転軸中心の理論位置P2からずれている。第2中間ギア17の偏心方向D2は、理論位置P2から軸17Aに向かう方向であり、理論位置P2と軸17Aとを通る。第2中間ギア17の偏心方向D2は、第6マーク171の頂点1711および軸17Aを結ぶ第6マーク基準線L2に対して、角度θ2を形成する。角度θ2は、例えば、0°以上360°未満である。角度θ2が0°である場合、偏心方向D2は、第6マーク基準線L2に沿う。角度θ2が大きくなるにつれて、偏心方向D2は、第2中間ギア17の回転方向R2において、第6マーク基準線L2から離れる。
【0073】
第1中間ギア16の偏心方向と、第3中間ギア18の偏心方向とは、第2中間ギア17の偏心方向と同様に説明される。そのため、第1中間ギア16の偏心方向と、第3中間ギア18の偏心方向との説明は、省略される。
【0074】
第5マーク161の頂点1611および軸16Aを結ぶ第5マーク基準線に対する、第1中間ギア16の偏心方向の角度は、第6マーク基準線L2に対する偏心方向D2の角度θ2に対して、例えば、±3°以下、好ましくは、±1°以下である。
【0075】
第7マーク181の頂点1811および軸18Aを結ぶ第7マーク基準線に対する、第3中間ギア18の偏心方向の角度は、第6マーク基準線L2に対する偏心方向D2の角度θ2に対して、例えば、±3°以下、好ましくは、±1°以下である。
【0076】
言い換えれば、第5マーク161に対する偏心方向と、第6マーク171に対する偏心方向と、第7マーク181に対する偏心方向とが、同じであるとは、基準となる中間ギア17におけるマーク基準線L2と偏心方向D2とが形成する角度θ2に対して、他の中間ギア16、17におけるマーク基準線と偏心方向とが形成する角度が、上記の範囲内であることを意味する。
【0077】
また、第1中間ギア16の偏心量と、第2中間ギア17の偏心量と、第3中間ギア18の偏心量とは、同じである。
【0078】
第2中間ギア17の偏心量は、偏心方向D2における理論位置P2と軸17Aとの間の寸法である。
【0079】
第1中間ギア16の偏心量は、第2中間ギア17の偏心量に対して、例えば、±3μm以下、好ましくは、±1μm以下である。
【0080】
第3中間ギア18の偏心量は、第2中間ギア17の偏心量に対して、例えば、±3μm以下、好ましくは、±1μm以下である。
【0081】
言い換えれば、第1中間ギア16の偏心量と、第2中間ギア17の偏心量と、第3中間ギア18の偏心量とが同じであるとは、基準となる中間ギア17の偏心量に対して、他の中間ギア16、18の偏心量が、上記の範囲内であることを意味する。
【0082】
なお、第1中間ギア16の偏心量と、第2中間ギア17の偏心量と、第3中間ギア18の偏心量とが同じであると、第1中間ギア16、第2中間ギア17および第3中間ギア18は、同じ回転速度ムラを有する。
【0083】
第1中間ギア16、第2中間ギア17および第3中間ギア18は、同じ第2成形金型を用いて成形された成形体であってもよい。第2成形金型は、第1成形金型とは異なる。言い換えれば、第1中間ギア16、第2中間ギア17および第3中間ギア18のそれぞれは、1つの第2成形金型を用いて成形される成形体である。そのため、3つの中間ギア16、17、18のうち、1つの中間ギアが第2成形金型を用いて成形されて第2成形金型から脱型された後に、次の中間ギアが同じ第2成形金型を用いて成形される。これによって、第1中間ギア16の第5マーク161に対する偏心方向と、第2中間ギア17の第6マーク171に対する偏心方向と、第3中間ギア18の第7マーク181に対する偏心方向とを同じにできる。また、第1中間ギア16の偏心量と、第2中間ギア17の偏心量と、第3中間ギア18の偏心量とを同じにできる。
【0084】
2.4.11 ギア19
ギア19は、第1方向において、第2中間ギア17とフレーム20との間に位置する。ギア19は、出力ギア11と噛み合う。そのため、モータ10は、ギア19に駆動力を入力可能である。第2中間ギア17およびギア19は、同じ軸17Aについて回転可能である。第2中間ギア17は、ギア19とともに回転可能である。これによって、1つのモータ10が、すべてのドラム駆動ギア12、13、14、15を回転させることができる。詳しくは、モータ10がギア19に駆動力を入力すると、ギア19とともに第2中間ギア17が回転する。すると、第2ドラム駆動ギア13および第3ドラム駆動ギア14が、第2中間ギア17から駆動力が伝達されて回転する。そして、第1中間ギア16が、第2ドラム駆動ギア13から駆動力が伝達されて回転するとともに、第3中間ギア18が、第3ドラム駆動ギア14から駆動力が伝達されて回転する。次いで、第1ドラム駆動ギア12が、第1中間ギア16から駆動力が伝達されて回転するとともに、第4ドラム駆動ギア15が、第3中間ギア18から駆動力が伝達されて回転する。
【0085】
第2中間ギア17が備えるリブ21は、第2中間ギア17の回転方向R2において、ギア19と係合する。ギア19は、2つの突起22、23を有する。突起22は、第1方向において、第2中間ギア17に向かって突出する。突起22は、ギア19の径方向において、軸17Aから離れて位置する。突起22は、ギア19の径方向に延びる。突起23は、回転方向R2において、突起22と離れて位置する。突起23は、突起22と同様に説明される。そのため、突起23についての説明は、省略される。第2中間ギア17のリブ21は、突起22および突起23の間に嵌る。これによって、第2中間ギア17が回転したときに、第2中間ギア17のリブ21は、回転方向R2において突起22と係合する。
【0086】
3.作用効果
(1)
図2に示すように、画像形成装置1では、第1ドラム駆動ギア12、第1中間ギア16、第2ドラム駆動ギア13、第2中間ギア17、第3ドラム駆動ギア14、第3中間ギア18および第4ドラム駆動ギア15が順に繋がっている。そのため、中間ギアの数の低減を図ることができ、画像形成装置1の小型化を図ることができる。
【0087】
また、すべてのドラム駆動ギアのマークに対する偏心方向が同じであり、すべての中間ギアのマークに対する偏心方向が同じである。そのため、ギア列24の組み立て位相に基づいて、ドラム駆動ギア12、13、14、15と中間ギア16、17、18とを上記のように繋げても、色ずれを抑制することができる。
【0088】
(2)また、画像形成装置1では、1つのモータ10が、すべてのドラム駆動ギア12、13、14、15を回転させることができる。また、第1ドラム駆動ギア12と出力ギア11との間に位置するギアの数と第4ドラム駆動ギア15と出力ギア11との間に位置するギアの数とを一致させることができながら、第2ドラム駆動ギア13と出力ギア11との間に位置するギアの数と第3ドラム駆動ギア14と出力ギア11との間に位置するギアの数とを一致させることができる。そのため、モータ10の数の低減を図ることができながら、色ずれを安定して抑制できる。
【0089】
4.参考例
次に、参考実施例1および参考比較例1を示し、上記した画像形成装置1の構成による効果について説明する。
【0090】
4.1 参考実施例1
第1ドラム駆動ギア、第2ドラム駆動ギア、第3ドラム駆動ギアおよび第4ドラム駆動ギアと、第1中間ギア、第2中間ギアおよび第3中間ギアとを用いた画像形成装置による色ずれ量を、解析により、下記のように算出した。
【0091】
第1ドラム駆動ギアの第1マークに対する偏心方向と、第2ドラム駆動ギアの第2マークに対する偏心方向と、第3ドラム駆動ギアの第3マークに対する偏心方向と、第4ドラム駆動ギアの第4マークに対する偏心方向とを、同じに設定した。詳しくは、ドラム駆動ギアにおけるマーク基準線に対する偏心方向の角度を、0°に設定した。
【0092】
また、第1中間ギアの第5マークに対する偏心方向と、第2中間ギアの第6マークに対する偏心方向と、第3中間ギアの第7マークに対する偏心方向とを、同じに設定した。詳しくは、中間ギアにおけるマーク基準線に対する偏心方向の角度を、0°に設定した。
【0093】
また、ドラム駆動ギアの偏心量と、中間ギアの偏心量とを、10.0μmに設定した。
【0094】
次いで、色ずれ値が最小となるドラム駆動ギアと中間ギアとの組み立て位相を算出した。
【0095】
次いで、ドラム駆動ギアと中間ギアとの組み立て位相を維持した状態で、ドラム駆動ギアにおけるマーク基準線に対する偏心方向の角度を1.0°ずつ変化させ、中間ギアにおけるマーク基準線に対する偏心方向の角度を1.0°ずつ変化させた。
【0096】
そして、ドラム駆動ギアにおけるマーク基準線に対する偏心方向の角度と、中間ギアにおけるマーク基準線に対する偏心方向の角度とのすべての組み合わせについて、最大色ずれ量を算出した。次いで、すべての組み合わせに対する最大色ずれ値の応答曲線を作成し、応答曲線における最大色ずれ値および平均色ずれ値を評価した。その結果を表1に示す。
【0097】
4.2 参考比較例1
第2中間ギアにおけるマーク基準線に対する偏心方向の角度を、第1中間ギアのマーク基準線に対する偏心方向の角度と異なる値に設定した。なお、第3中間ギアのマーク基準線に対する偏心方向の角度は、第1中間ギアのマーク基準線に対する偏心方向の角度と同じに設定した。そして、参考実施例1と同様にして、ドラム駆動ギアにおけるマーク基準線に対する偏心方向の角度と、第2中間ギアにおけるマーク基準線に対する偏心方向の角度と、第1中間ギアおよび第3中間ギアのマーク基準線に対する偏心方向の角度とのすべての組み合わせについて、最大色ずれ量を算出した。次いで、すべての組み合わせに対する最大色ずれ値の応答曲線を作成し、応答曲線における最大色ずれ値および平均色ずれ値を評価した。その結果を表1に示す。
【0098】
4.3 考察
すべてのドラム駆動ギアにおけるマークに対する偏心方向が同じであり、すべての中間ギアにおけるマークに対する偏心方向が同じであると、第2中間ギアにおけるマークに対する偏心方向が第1中間ギアにおけるマークに対する偏心方向と異なる場合と比較して、色ずれの最大値および平均値が低減できることが確認された。
【0099】
【符号の説明】
【0100】
1 画像形成装置
4 感光ドラム
10 モータ
101 出力シャフト
11 出力ギア
12 第1ドラム駆動ギア
121 第1マーク
13 第2ドラム駆動ギア
131 第2マーク
14 第3ドラム駆動ギア
141 第3マーク
15 第4ドラム駆動ギア
151 第4マーク
16 第1中間ギア
161 第5マーク
17 第2中間ギア
171 第6マーク
18 第3中間ギア
181 第7マーク
19 ギア
21 リブ