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  • 特許-シート積載装置及び後処理装置 図1
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  • 特許-シート積載装置及び後処理装置 図5A
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-24
(45)【発行日】2024-10-02
(54)【発明の名称】シート積載装置及び後処理装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 31/18 20060101AFI20240925BHJP
   B65H 31/36 20060101ALI20240925BHJP
【FI】
B65H31/18
B65H31/36
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020109351
(22)【出願日】2020-06-25
(65)【公開番号】P2022006840
(43)【公開日】2022-01-13
【審査請求日】2023-05-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111202
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 周彦
(72)【発明者】
【氏名】頴川 圭介
【審査官】羽鳥 公一
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-111511(JP,A)
【文献】特開2006-321050(JP,A)
【文献】特開2009-249110(JP,A)
【文献】特開2002-308507(JP,A)
【文献】特開平10-265116(JP,A)
【文献】米国特許第05318401(US,A)
【文献】韓国公開特許第2003-0035580(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 31/00-31/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の排出方向に沿ってシートが排出される排出口と、
前記排出口の下方に設けられ、底壁と、上下壁と、両側壁とで囲まれた凹部と、
前記凹部の前記底壁に設けられた、上下方向に沿って延びる整合壁と、
前記排出口から排出されたシートが積載され、前記整合壁に沿って昇降可能な排出トレイと、
前記排出トレイを、積載されたシートの高さに応じて昇降させる昇降部と、
前記整合壁に沿って上下方向に沿って掛け渡され、前記排出トレイに積載されたシートの前記排出方向の上流側の端縁が当接する外周面を有し、前記排出トレイと同期して該排出トレイと同じ速度で上下方向に沿って走行する一対の無端状の整合用ベルトと、
前記整合壁に固定され、前記整合用ベルトを内周面の側から支持し、前記整合用ベルトが摺動するガイド部と、を備え
前記昇降部は、
前記凹部よりも上方に配置された駆動軸と、
前記凹部よりも下方に配置された従動軸と、
前記凹部の両側において、前記駆動軸と前記従動軸間に掛け渡されて、前記排出トレイが支持される一対の無端状の昇降用ベルトと、を備え、
前記一対の整合用ベルトは、前記一対の昇降用ベルトの間に所定の間隔を開けて配置され、前記駆動軸に固定されたプーリーと前記従動軸に固定されたプーリーとに掛け渡されて前記凹部の前記上下壁に形成された開口を通って走行し、
前記排出トレイは、前記凹部の前記両側壁に形成された開口を通って、前記駆動軸と前記従動軸との間の前記凹部内を、前記整合用ベルトの範囲内を昇降することを特徴とするシート積載装置。
【請求項2】
前記ガイド部の、前記整合用ベルトの内周面に対向する面には、前記ガイド部よりも摺動性の高い摺動シートが貼付されていることを特徴とする請求項1に記載のシート積載装置。
【請求項3】
後処理が施されたシートが積載される請求項1又は2に記載のシート積載装置を備えることを特徴とする後処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートが積載される排出トレイを備えるシート積載装置及び後処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
後処理装置において、排出されたシートが積載される排出トレイは、排出方向の下流側に向かって上向きに傾斜した姿勢に支持されている。このように排出トレイを傾斜させることで、排出されたシートをその自重によって排出トレイに沿って上流側にスライドさせ、シートの後端縁(排出方向の上流側の端縁)を立壁に当ててシートを整合することができる。また、排出トレイに排出されたシートに排出方向の上流側に引き込む外力が与えられる場合もある。
【0003】
大量(3000~4000枚)のシートを積載可能な排出トレイの場合、排出トレイはシートの積載高さに合わせて昇降される。すなわち、シートの排出口の高さは一定であるので、積載高さが高くなった場合には、排出トレイを下降させて最上のシートと排出口との間の距離を一定に保つようになっている。このように排出トレイが昇降すると、積載されたシートの後端縁(排出方向の上流側の端縁)が立壁と摩擦して、異音が発生したりシートの後端縁が削れて損傷したりするという問題がある。特に、シートに外力が与えられる場合には、立壁からシートの後端縁に加わる負荷がさらに大きくなる。
【0004】
そこで、特許文献1には、側壁(立壁)よりも外側(排出方向の下流側)に突出して、シートの後端が受け止められる受け部材を備えたシート排出装置が開示されている。受け部材は、積載トレイ(排出トレイ)と連動して昇降する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2009-249110号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に記載のシート排出装置では、積載トレイに積載されたシートの負荷が受け部材に加わるので、受け部材が内側(排出方向の上流側)に撓み、シートを正確に整合できないという問題がある。
【0007】
そこで、本発明は上記事情を考慮し、積載されたシートの後端縁の損傷や異音の発生を防ぎつつ、シートを正確に整合できるシート積載装置及び後処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明のシート積載装置は、所定の排出方向に沿ってシートが排出される排出口と、記排出口の下方に上下方向に沿って延びる整合壁と、前記排出口から排出されたシートが積載され、前記整合壁に沿って昇降可能な排出トレイと、前記排出トレイを、積載されたシートの高さに応じて昇降させる昇降部と、前記整合壁に上下方向に沿って掛け渡され、前記排出トレイに積載されたシートの前記排出方向の上流側の端縁が当接する外周面を有し、前記排出トレイと同期して該排出トレイと同じ速度で上下方向に沿って走行する一対の無端状の整合用ベルトと、前記整合壁に設けられ、前記整合用ベルトを内周面の側から支持し、前記整合用ベルトが摺動するガイド部(61)と、を備えていることを特徴とする。
【0009】
本発明のシート積載装置において、前記ガイド部の、前記整合用ベルトの内周面に対向する面には、前記ガイド板よりも摺動性の高い摺動シートが貼付されていることを特徴としてもよい。
【0010】
本発明のシート積載装置において、前記昇降部は、上下方向に離間して配置された駆動軸及び従動軸と、前記駆動軸と前記従動軸間に掛け渡された一対の無端状の昇降用ベルトと、を備え、前記一対の整合用ベルトは、前記一対の昇降用ベルトの間に所定の間隔を開けて配置され、前記駆動軸に固定されたプーリーと前記従動軸に固定されたプーリーとに掛け渡されていることを特徴としてもよい。
【0011】
本発明の後処理装置は、後処理が施されたシートが積載される前記シート積載装置を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、シートの積載高さが高くなってシートから整合用ベルトに加わる負荷が増えた場合でも、整合用ベルトを撓まずに走行させることができるので、シートの後端縁を整合用ベルトに当てることで、排出方向においてシートを確実に整合できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態に係る後処理装置を示す斜視図である。
図2】本発明の一実施形態に係るシート積載装置を示す斜視図である。
図3】本発明の一実施形態に係るシート積載装置を示す正面図である。
図4】本発明の一実施形態に係るシート積載装置を示す側面図である。
図5A】本発明の一実施形態に係る後処理装置において、積載高さが低い場合の排出トレイの位置を示す側面図である。
図5B】本発明の一実施形態に係る後処理装置において、積載高さが高い場合の排出トレイの位置を示す側面図である。
図6】本発明の一実施形態に係るシート積載装置において、戻し部材を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態に係る後処理装置及びシート積載装置について説明する。
【0015】
図1を参照して、シート積載装置を備えた後処理装置の全体の構成を説明する。図1は後処理装置を示す斜視図である。各図のFr、Rr、L、Rは後処理装置1の前側、後側、左側、右側をそれぞれ示す。後処理装置1は、例えば、画像形成装置101に隣接して配置され、画像形成装置101で画像が形成されたシートに対して後処理を施す。
【0016】
後処理装置1の本体部3の一方の側板(右側板)には、シートの受入口(図示省略)が形成されている。受入口は、画像形成装置101の排出口(図示省略)に連結している。本体部3の天板3aには、上排出口5と固定排出トレイ7とが形成されている。本体部3の他方の側板3b(左側板)には、下排出口9と凹部11とが形成されている。下排出口9は、他方の側板の上部に形成されている、凹部11は、下排出口9の下方に上下方向に沿って形成されて、整合壁としての底壁11aと両側壁11bと上下の壁11c、11dとで囲まれている。凹部11には、シート積載装置13が昇降可能に支持されている。
【0017】
本体部3の内部には、受入口から本体部の内部に向かう略水平な搬送方向に沿ってシートが搬送される搬送経路(図示省略)が設けられている。搬送経路は、途中の分岐部で上排出口と下排出口とに向かう経路に分岐している。搬送経路の途中には、シートに後処理を施すパンチ装置やステープル装置(いずれも図示省略)が備えられている。これらの装置で後処理が施されたシート又はシート束は上排出口5又は下排出口9から排出されて、固定排出トレイ7又はシート積載装置13に積載される。下排出口9からシート又はシート束が排出される方向を排出方向とする。
【0018】
次に、シート積載装置13について、図1と、図2図4を参照して説明する。図2はシート積載装置を示す斜視図、図3はシート積載装置を示す正面図、図4はシート積載装置を示す断面図である。
【0019】
シート積載装置13は、下排出口9(図1参照)から排出されたシートが積載される排出トレイ21と、排出トレイ21の昇降部23と、2本の整合用ベルト25と、を備えている。
【0020】
排出トレイ21は、排出方向Xの下流側(図2の左側)に向かって上方に傾斜するシート積載面21aを有している。排出トレイ21の前後の側面には、排出方向Xの上流側(図2の右側)の端部から外方向に屈曲する前後のブラケット29が固定されている。
【0021】
昇降部23は、駆動軸31及び従動軸33と、両軸31及び33間に掛け渡された前後の昇降用ベルト35と、を備えている。
【0022】
図3及び図4に示されるように、駆動軸31は、本体部3の凹部11の上方に配置されて、両端部が本体部3に回転可能に支持されている。駆動軸31の一方の端部(後端部)には昇降用モーター39が接続されている。昇降用モーター39は、制御部41で制御されて駆動する。従動軸33は、凹部11の下方に配置されて、両端部が本体部3に回動可能に支持されている。
【0023】
前後の昇降用ベルト35は、それぞれ、内周面に歯が形成された歯付きの無端状のベルトである。前後の昇降用ベルト35は、凹部11の前側と後側に配置されて、駆動軸31に固定されたスプロケット43と、従動軸33に固定されたスプロケット45との間に掛け渡されている。駆動軸31が昇降用モーター39で駆動されて回転すると、前後の昇降用ベルト35は同期して同じ方向に循環走行する。
【0024】
前後の昇降用ベルト35の外周面には、排出トレイ21の前後のブラケット29が固定されている。前後のブラケット29は、凹部11の前後の側壁11bに形成された開口12bを通して前後の昇降用ベルト35の外周面に固定されている。前後の昇降用ベルト35が循環走行することで、排出トレイ21は凹部11内を昇降する。また、前後のブラケット29は開口12bに沿って移動する。
【0025】
2本の整合用ベルト25は、所定の幅を有し、内周面に歯が形成されていない無端状のベルトである。2本の整合用ベルト25は、凹部11の中央部に、前後方向に所定の間隔を開けて配置されて、駆動軸31に固定されたプーリー51と、従動軸33に固定されたプーリー53との間に掛け渡されている。両プーリー51、53の径は、昇降用ベルト35の2つのスプロケット43、45の径と等しい。
【0026】
図4に示されるように、2本の整合用ベルト25は、凹部11の上壁11cと下壁11dとに開けられた開口12c、12dを通って、駆動軸31と従動軸33とに掛け渡される。つまり、2本の整合用ベルト25は、凹部11の底壁11aの外側(左側、排出方向の下流側)と内側(右側、排出方向の上流側)との間に掛け渡されている。底壁11aの外側において、2本の整合用ベルト25と底壁11aとの間には、所定の間隔が開いている。すなわち、2本の整合用ベルト25は、底壁11aから所定の間隔だけ外側(左側、排出方向の下流側)に離間している。なお、整合用ベルト25は、開口12c、12dの外側に切込みを設け、図4の紙面上の手前側から切込みを通して底壁11aの両側に掛け渡し、各プーリーに装着することができる。
【0027】
駆動軸31が昇降用モーター39で駆動されて回転すると、2本の整合用ベルト25は前後の昇降用ベルト35と同期して循環走行する。言い換えると、2本の整合用ベルト25は、排出トレイ21と同期して同じ速度で循環走行する。
【0028】
2本の整合用ベルト25の内周面と底壁11aとの間には、ガイド部としてのガイド板61が配置されている。ガイド板61は、平らな面を有する平板状の部材であり、排出トレイ21の昇降範囲と同等の高さと、2本の整合用ベルト25間の距離よりもやや長い幅を有している。ガイド板61は、平らな面が外側(2本の整合用ベルト25の側)となる姿勢で、底壁11aに固定されている。ガイド板61の外面は、2本の整合用ベルト25の内周面に接触しており、2本の整合用ベルト25の循環走行時、各ベルト25の内周面は、ガイド板61の外面に対して摺動する。なお、ガイド板61は、凹部11の前後の側壁11b間に固定されてもよい。また、底壁11aにガイド部を一体に形成して、底壁11aにガイド部の機能を持たせてもよい。
【0029】
さらに、本体部3の凹部11には、排出トレイ21のシート積載面21aに積載されるシートの高さを検知する高さ検知センサー63(図3参照)が備えられている。
【0030】
高さ検知センサー63は光センサーであり、所定の高さにおいて、下排出口9の下方の空間を横切るように配置された発光部と受光部と、を有している。高さ検知センサー63は、発光部から出射された光が受光部で受光された場合はオフ信号を出力し、発光部から出射された光が受光部で受光されない場合はオン信号を制御部41に出力する。つまり、シート積載面21aに積載されたシート又はシート束の上面の高さが所定の高さよりも低い場合、発光部から出射された光は、シート又はシート束で遮られることなく受光部で受光されるので、高さ検知センサー63はオフ信号を制御部41に出力する。一方、シート積載面21aに積載されたシート又はシート束の上面の高さが所定の高さよりも高い場合、発光部から出射された光は、シート又はシート束で遮られて受光部で受光されないので、高さ検知センサー63はオン信号を制御部41に出力する。
【0031】
次に、上記構成を有するシート積載装置におけるシート排出時の動作について、図2図4図5A及び図5Bを参照して説明する。図5A及び図5Bは、積載高さに応じた排出トレイの位置を示す正面図である。初期状態において、シート積載装置13の排出トレイ21は、下排出口9の下方の最高位置で待機している。
【0032】
下排出口9から排出されたシートは、シート積載装置13の排出トレイ21のシート積載面21aに積載される。積載されたシートは、シート積載面21aの傾斜方向(右下方向、排出方向の上流側へ向かう斜め下方向)に沿って下降する。そして、図4に示されるように、シートSの後端縁(排出方向の上流側の端縁)は、2本の整合用ベルト25の外周面に当接し、排出方向に沿って整合される。つまり、2本の整合用ベルト25の外周面は、凹部11の底壁11aよりも外側(排出方向の下流側)に離間しているので、シートSの後端縁は底壁11aではなく整合用ベルト25に当接する。
【0033】
シート積載面21aに積載されたシートSの高さは、高さ検知センサー63(図3参照)で検知される。検知された高さが所定の高さよりも高くなると、高さ検知センサー63の発光部から出射された光がシートSで遮られて受光部で受光されなくなり、高さ検知センサー63はオン信号を制御部41に出力する。制御部41は、シート積載面21aにシートが積載されていると判定する。
【0034】
制御部41は、所定の枚数のシートが排出される度に、高さ検知センサー63の出力をチェックする。シート積載面21aに所定の枚数のシートが積載されると、積載されたシートSの上面の高さが所定の高さよりも高くなり、高さ検知センサー63の出力がオフ信号からオン信号に切り替わる。すると、制御部41は昇降用モーター39を制御して、高さ検知センサー63がオフ信号を出力するまで排出トレイ21を下降させる(図5A図5B参照)。排出トレイ21が下降して停止した後、高さ検知センサー63がオン信号を出力するまで排出トレイ21を上昇させる。制御部41は、シートが排出されている間、上記の排出トレイ21の昇降動作を繰り返す。このように、積載枚数が増えると、排出トレイ21は、シート積載面21aに積載された最上のシートの位置(高さ)を所定の高さに維持したまま下降する。
【0035】
排出トレイ21が下降すると、前述のように、排出トレイ21に連動して整合用ベルト25も下降する。つまり、シートSの後端縁が整合用ベルト25の同じ位置に接触したままで、排出トレイ21と整合用ベルト25とが下降する。このように、排出トレイ21に積載されたシートSの後端縁は、整合用ベルト25に対して摺動しないので、異音の発生やシートSの後端縁の損傷を防止できる。また、シートSの積載高さが高くなると、シートSから整合用ベルト25に加わる負荷が増える。しかし、整合用ベルト25は、内周面の側からガイド板61で支持されて、上下方向に沿って案内されるので、整合用ベルト25を撓まずに走行させることができる。
【0036】
上記説明したように、本発明のシート積載装置13によれば、シートの積載高さが高くなってシートから整合用ベルト25に加わる負荷が増えた場合でも、整合用ベルト25はガイド板61によって上下方向に沿って案内されるので、整合用ベルト25を撓まずに走行させることができる。このように、整合用ベルト25を上下方向に沿った姿勢に維持できるので、シートSの後端縁を整合用ベルト25に当てることで、排出方向においてシートSを確実に整合できる。
【0037】
また、ガイド板61の外面に、ガイド板61よりも摺動性の高い摺動シート71(例えば、超高分子ポリエチレンシート)を貼り付けることが好ましい。排出トレイ21の昇降時に整合用ベルト25が走行すると、整合用ベルト25はガイド板61に対して摺動する。この際、ガイド板61に摺動シート71を貼り付けることで、整合用ベルト25とガイド板61との摩擦を減らすことができるので、整合用ベルト25を安定して走行させることができる。
【0038】
また、上記の実施形態において、シート積載面に積載されたシートを、排出方向の上流側に引き込む戻し部材81が備えられていることが好ましい。戻し部材について、図6を参照して説明する。説明を簡略化するために、図6は整合用ベルト25が図示省略されている。
【0039】
戻し部材81は、回転軸83と、回転軸83に固定されたパドル85と、を有している。回転軸83は、モーター(図示省略)で駆動されて図6の時計回り方向に回転する。パドル85は、シートに対する摩擦抵抗の大きい弾性材料で形成されている。戻し部材81は、凹部11の底壁11aの上端部に形成された開口87の内側に配置されている。
【0040】
回転軸83がモーターで駆動されて回転すると、パドル85は開口87から外側に突出して、排出トレイ21のシート積載面21aに接触しながら回転し、再度開口87を通って内側に入り込む。シート積載面21aにシート又はシート束が積載されている場合、パドル85がシート積載面21aに接触しながら開口を通って内側に入り込む際に、シート又はシート束にパドル85が接触して、シート又はシート束を開口87の側、すなわち、凹部11の底壁11a側に引き込み、シート又はシート束の後端を整合用ベルト25に当接させる。これにより、シート又はシート束の後端が揃えられる。
【0041】
上記の実施形態では、ガイド板61は一枚の平板状の部材で構成されていたが、水平方向に長い複数個の長板状の部材で構成してもよい。この場合、ガイド板61と整合用ベルト25との接触面積を狭くできるので、積載高さが高くなって整合用ベルト25に加わる負荷が増えた場合も、排出トレイ21の昇降時に整合用ベルト25とガイド板61との摩擦を低減することができる。さらに摩擦を低減するために、ガイド板61に、複数個の半球状の突起や、整合用ベルト25と接して回転するコロを設けてもよい。この場合、整合面に影響を及ぼさない程度にできるだけ整合面から突き出さないように配置することが好ましい。
【0042】
本発明は特定の実施形態について記載されてきたが、本発明は上記実施形態に限定されない。本発明の範囲及び主旨を逸脱しない限りにおいて、当業者は上記実施形態を改変可能である。
【符号の説明】
【0043】
1 後処理装置
9 排出口
11a 整合壁
13 シート積載装置
21 排出トレイ
23 昇降部
25 整合用ベルト
31 駆動軸
33 従動軸
35 昇降用ベルト
51 プーリー
53 プーリー
61 ガイド板
71 摺動シート
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6