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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-24
(45)【発行日】2024-10-02
(54)【発明の名称】送信装置
(51)【国際特許分類】
   H04L 27/12 20060101AFI20240925BHJP
   H04B 1/04 20060101ALI20240925BHJP
【FI】
H04L27/12
H04B1/04 G
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020116427
(22)【出願日】2020-07-06
(65)【公開番号】P2022014210
(43)【公開日】2022-01-19
【審査請求日】2023-03-31
(73)【特許権者】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】来嶋 信芳
【審査官】川口 貴裕
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第05241566(US,A)
【文献】米国特許第04688255(US,A)
【文献】米国特許第05222250(US,A)
【文献】特開2006-174484(JP,A)
【文献】特開昭63-042236(JP,A)
【文献】特開平08-307848(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 27/00
H04L 27/10 - 27/12
H04B 1/00 - 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力信号に含まれる基本波の周波数を少なくとも検出し、検出された周波数値を含む周波数情報を生成する周波数検出部と、
前記周波数情報に基づいて、前記入力信号に含まれる基本波の周波数と等しい周波数値の変調波信号を生成する信号生成部と、
前記変調波信号で搬送波を変調するSSB変調部と、
を備える、送信装置。
【請求項2】
前記入力信号の振幅を検出し、振幅情報を生成する振幅検出部と、
前記振幅情報に基づいて前記変調波信号の振幅を制御する振幅制御部と、を備える、
請求項1に記載の送信装置。
【請求項3】
入力信号に含まれる基本波の周波数を少なくとも検出し、検出された周波数値を含む周波数情報を生成する周波数検出部と、
前記周波数情報に含まれる基本波の周波数値に搬送波の周波数情報を加算して被変調波周波数情報を生成する加算部と、
前記被変調波周波数情報に基づいて被変調波信号を生成する信号生成部と、
を備える、送信装置。
【請求項4】
前記入力信号の振幅を検出し、振幅情報を生成する振幅検出部と、
前記振幅情報に基づいて前記被変調波信号の振幅を制御する振幅制御部と、を備える、
請求項3に記載の送信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタル無線通信において、FSK(Frequency Shift Keying)方式の送信装置が知られている。例えば、特許文献1には、FM(Frequency Modulation)変調方式のFSK送信装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平9-83583号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のFSK送信装置は、FM変調方式のため、周波数偏移の誤差はFM変調特性に依存する。特許文献1では、変調後のFSK信号を復調し、その結果に基づいて、適切な周波数偏移に調整している。
【0005】
ところで、SSB(Single Side Band)変調方式のAFSK(Audio Frequency Shift Keying)送信装置は、きわめて安定で高精度な低周波発信器の発振周波数で周波数偏移を管理できることから、周波数偏移に関しては誤差の少ないFSK信号を創出することができる。しかしながら、SSB変調方式のAFSK送信装置の場合、AFSK信号に高調波のひずみ成分が存在すると、ひずみ成分が変調され、FSK信号として出力されてしまう可能性がある。
【0006】
本発明は、ひずみを小さくすることができる送信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る送信装置は、入力信号に含まれる基本波の周波数を少なくとも検出し、検出された周波数値を含む周波数情報を生成する周波数検出部と、前記周波数情報に基づいて、前記入力信号に含まれる基本波の周波数と等しい周波数値の変調波信号を生成する信号生成部と、前記変調波信号で搬送波を変調するSSB変調部と、を備える。
【0008】
本発明の一態様に係る送信装置は、入力信号に含まれる基本波の周波数を少なくとも検出し、検出された周波数値を含む周波数情報を生成する周波数検出部と、前記周波数情報に含まれる基本波の周波数値に搬送波の周波数情報を加算して被変調波周波数情報を生成する加算部と、前記被変調波周波数情報に基づいて被変調波信号を生成する信号生成部と、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ひずみを小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、比較例に係る送信装置の構成例を示す図である。
図2図2は、理想的なAFSK信号を説明するためのスペクトル図である。
図3図3は、AFSK信号の高調波を説明するためのスペクトル図である。
図4図4は、FSK信号を説明するためのスペクトル図である。
図5図5は、第1実施形態に係る送信装置の構成例を示す図である。
図6図6は、周波数検出部により検出されたAFSK信号を説明するための図である。
図7図7は、信号生成部により生成された変調波信号を説明するための図である。
図8図8は、SSB変調部により生成されたFSK信号を説明するための図である。
図9図9は、RTTY信号を説明するための信号である。
図10図10は、RTTY信号から生成されたFSK信号を説明するための図である。
図11図11は、第2実施形態に係る送信装置の構成例を示す図である。
図12図12は、振幅検出部により検出されたAFSK信号の振幅を説明するための図である。
図13図13は、第3実施形態に係る送信装置の構成例を示す図である。
図14図14は、第3実施形態に係るFSK信号を説明するための図である。
図15図15は、第4実施形態に係る送信装置の構成例を示す図である。
図16図16は、第4実施形態に係るFSK信号を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して、本発明に係る実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではなく、また、実施形態が複数ある場合には、各実施形態を組み合わせて構成するものも含む。また、以下の実施形態において、同一の部位には同一の符号を付することにより重複する説明を省略する。
【0012】
[比較例]
図1を用いて、比較例に係る送信装置の構成について説明する。図1は、比較例に係る送信装置の構成例を示す図である。
【0013】
図1に示すように、送信装置1は、BPF(Band Pass Filter)2と、SSB変調部3と、局発回路4とを備える。送信装置1は、AFSK信号をSSB変調してFSK信号を送信する、AFSK方式のFSK送信装置である。
【0014】
AFSK方式は、例えば異なる2つの可聴周波数の信号を排他的に切り替え、それぞれの周波数を「0」、「1」の2値のAFSK信号として情報を伝送する通信方式である。またAFSK信号は、2値だけでなく4つの可聴周波数を用いて4値、8つの可聴周波数を用いて8値等の多値の通信方式としてもよい。
【0015】
BPF2は、AFSK信号を受ける。BPF2は、AFSK信号のうち、所定の周波数帯域の信号を通過させて、SSB変調部3に出力する。所定の周波数帯域は、例えば、通常のSSB信号の通過帯域である300Hzから3kHzである。
【0016】
SSB変調部3は、BPF2から出力されたAFSK信号をSSB変調する。SSB変調部3は、局発回路4の周波数により所望のFSK信号を発生させて出力する。
【0017】
図2は、理想的なAFSK信号を説明するためのスペクトル図である。図2では、多値の信号の1つのみを示している。図2に示すグラフは、横軸は、周波数(kHz)を示す。縦軸は、振幅の大きさを示す。図2には、基本波S1が示されている。基本波S1は、例えば、周波数が1kHzのAFSK信号である。図2に示すように、BPF2から出力される理想的なAFSK信号には、基本波S1以外の成分は含まれていない。
【0018】
図3は、AFSK信号の高調波を説明するためのスペクトル図である。図3に示すグラフは、横軸は、周波数(kHz)を示す。縦軸は、振幅の大きさを示す。図3に示すように、BPF2から出力されるAFSK信号には、第2次高調波S2と、第3次高調波S3とが含まれることがある、基本波S1の周波数が1kHzである場合、第2次高調波S2の周波数は2kHz、第3次高調波S3の周波数は3kHzである。
【0019】
図4は、送信装置1から送信されるFSK信号を説明するためのスペクトル図である。図4に示すグラフは、横軸は、周波数(MHz)を示す。縦軸は、振幅の大きさを示す。搬送波S4は、基本波S1をSSB変調した信号である。スプリアスS5は、第2次高調波S2をSSB変調した信号である。スプリアスS6は、第3次高調波S3をSSB変調した信号である。搬送波S4の周波数は、例えば、14.101MHzである。スプリアスS5の周波数は、例えば、14.102MHzである。スプリアスS6の周波数は、例えば、14.103MHzである。
【0020】
比較例に係る送信装置1では、AFSK信号に高調波のひずみ成分が存在すると、そのひずみ成分がSSB変調され、FSK信号として出力されてしまう。高調波のFSK信号は、基本波のFSK信号のスプリアス成分となり得る。また、AFSK信号そのものに高調波成分が含まれていることがあるだけでなく、AFSK信号の入力レベルが過多の場合には、低周波領域にひずみ成分が発生することもある。このように、AFSK方式のFSK送信装置では、スプリアスが発生する問題がある。
【0021】
本発明は、AFSK信号に含まれるひずみを小さくした後に、SSB変調を行うことで、FSK信号に含まれるスプリアスを除去することのできる送信装置を提供する。
【0022】
[第1実施形態]
図5を用いて、第1実施形態に係る送信装置の構成について説明する。図5は、第1実施形態に係る送信装置の構成例を示す図である。
【0023】
図5に示すように、送信装置10は、周波数検出部11と、信号生成部12と、SSB変調部13と、局発回路14と、を備える。
【0024】
周波数検出部11は、送信装置10に入力されたAFSK信号を検波する。周波数検出部11は、アークタンジェント検波により入力されたAFSK信号をFM検波する。周波数検出部11は、FM検波により、AFSK信号の周波数を検出して、周波数情報を生成する。周波数検出部11は、例えば、FM検波器で構成されている。周波数検出部11に入力されるAFSK信号は、入力信号とも呼ばれる。なお、送信装置10に入力されるAFSK信号の周波数は、300Hzから3000Hzのような音声周波数帯域内において任意である。送信装置10に入力されるAFSK信号の周波数は、送信装置10の構成及び通信状況などに応じて、変化してもよい。
【0025】
図6は、周波数検出部11により検出されたAFSK信号を説明するための図である。図6に示すグラフは、横軸は、周波数(kHz)を示す。縦軸は、振幅の大きさを示す。図6に示すように、周波数検出部11に入力されるAFSK信号には、基本波S11と、第2次高調波S12と、第3次高調波S13とが含まれているとする。周波数検出部11は、FM検波により、基本波S11、第2次高調波S12、および第3次高調波S13のそれぞれの周波数を検出する。図6に示す例では、周波数検出部11は、基本波S11の周波数が1kHz、第2次高調波S12の周波数が2kHz、および第3次高調波S13の周波数が3kHzであることを検出する。この場合、周波数検出部11は、入力されたAFSK信号には、周波数が1kHzの基本波S11と、周波数が2kHzの第2次高調波S12と、周波数が3kHzの第3次高調波S13とが含まれていることを示す、周波数情報を生成する。周波数検出部11は、生成した周波数情報を信号生成部12に出力する。
【0026】
図5に戻る。信号生成部12は、変調波信号を生成する。信号生成部12は、周波数検出部11から入力された周波数情報に基づいて、変調波信号を生成する。信号生成部12は、例えば、NCO(Numeric Controlled Oscillator)で構成されている。
【0027】
図7は、信号生成部12により生成された変調波信号を説明するための図である。図7に示すグラフは、横軸は、周波数(kHz)を示す。縦軸は、振幅の大きさを示す。図7に示すように、信号生成部12は、周波数検出部11から入力された周波数情報に基づいて、変調波信号S14を生成する。変調波信号S14は、周波数検出部11が検出した基本波S11に対応する変調波信号である。信号生成部12は、周波数検出部11に入力されたAFSK信号に含まれる基本波のみの変調波信号を生成する。言い換えれば、信号生成部12は、周波数検出部11に入力されたAFSK信号に含まれる高調波を除去するように、変調波信号を生成する。信号生成部12は、生成した変調波信号S14をSSB変調部13に出力する。
【0028】
図5に戻る。SSB変調部13は、局発回路14から入力された搬送波を信号生成部12から入力された変調波信号S14でSSB変調を行う。SSB変調部13は、信号生成部12から入力された変調波信号の周波数と、局発回路14から入力された搬送波の周波数とを混合することによりSSB変調を行い、所望の周波数のFSK信号を生成する。
【0029】
図8は、SSB変調部13により生成されたFSK信号を説明するための図である。図8に示すグラフは、横軸は、周波数(MHz)を示す。縦軸は、振幅の大きさを示す。図8に示すように、SSB変調部13は、信号生成部12から入力された変調波信号S14の周波数と、局発回路14から入力された搬送波の周波数とを混合することによりSSB変調を行い、搬送波S15を生成する。変調波信号S14の周波数は、1kHzである。局発回路14から入力された信号の周波数は、14.100MHzである。このため、搬送波S15の周波数は、14.1003MHzから14.1030MHzである。SSB変調部13は、搬送波S15を出力する。これにより、送信装置10は、受信装置などに搬送波S15を送信する。
【0030】
上述のとおり、第1実施形態では、周波数検出部11で生成された周波数情報に基づいて、信号生成部12が基本波のみの変調波信号を生成する。第1実施形態は、信号生成部12で生成された基本波の変調波信号のみに対して、SSB変調を行う。これにより、第1実施形態は、ひずみ成分を小さくすることができ、FSK信号に含まれるスプリアスを除去することができる。
【0031】
[第1実施形態の変形例]
第1実施形態では、AFSK信号の基本波の周波数を1kHzとして説明したが、本発明は、これに限られない。実際には、AFSK信号は変調されているため、単一のスペクトルではなく、周波数偏移に応じて2値又はそれ以上に遷移した周波数となる。すなわち、本発明の基本波のスペクトルは、2つ又はそれ以上であってもよい。
【0032】
図9は、RTTY(Radio Tele Type)信号を説明するための信号である。図9に示すグラフは、横軸は、周波数(Hz)を示す。縦軸は、振幅の大きさを示す。図9には、マーク信号S16と、スペース信号S17とが示されている。マーク信号S16の周波数は、1275Hzである。スペース信号S17の周波数は、1445Hzである。図9に示す例では、SSB変調部13は、マーク信号S16およびスペース信号S17のそれぞれの信号に対してSSB変調を行う。
【0033】
図10は、RTTY信号から生成されたFSK信号を説明するための図である。図10に示すグラフは、横軸は、周波数(MHz)を示す。縦軸は、振幅の大きさを示す。図10には、搬送波S18と、搬送波S19とが示されている。搬送波S18は、マーク信号S16に対してSSB変調を行うことで生成されたFSK信号である。搬送波S19は、スペース信号S17に対してSSB変調を行うことで生成されたFSK信号である。搬送波S18の周波数は、14.101275MHzである。搬送波S19の周波数は、14.101445MHzである。図10に示すように、マーク信号S16、およびスペース信号S17のそれぞれのFSK信号が得られる。
【0034】
[第2実施形態]
図11を用いて、第2実施形態に係る送信装置の構成について説明する。図11は、第2実施形態に係る送信装置の構成例を示す図である。
【0035】
図11に示すように、送信装置10Aは、周波数検出部11と、信号生成部12と、SSB変調部13と、局発回路14と、振幅検出部15と、LPF(Low Pass Filter)16と、乗算部17とを備える。送信装置10Aは、通常のSSB送信装置のように変調波信号として入力された振幅情報と同様の振幅情報を持つFSK信号を出力することのできる送信装置である。第2実施形態では、送信装置10Aに入力されたAFSK信号は、周波数検出部11と、振幅検出部15とに入力される。
【0036】
周波数検出部11は、送信装置10Aに入力されたAFSK信号の周波数を検出し、検出した周波数に関する周波数情報を信号生成部12に出力する。信号生成部12は、周波数検出部11から入力された周波数情報に基づいて変調波信号を生成し、生成した変調波信号を乗算部17に出力する。
【0037】
振幅検出部15は、送信装置10Aに入力されたAFSK信号の振幅を検出する。振幅検出部15は、検出した振幅の情報を含む振幅情報を生成する。
【0038】
図12は、振幅検出部15により検出されたAFSK信号の振幅を説明するための図である。図12に示すように、AFSK信号S21は、時間t1から時間t2までの間に、所定の値まで振幅が立ち上がる特性を有する。AFSK信号S21は、時間t2から時間t3までの間の振幅が一定の特性を有する。AFSK信号S21は、時間t3から時間t4までの間に、振幅が0まで立ち下がる特性を有する。図12に示す例では、振幅検出部15は、各時間におけるAFSK信号S21の振幅を検出する。振幅検出部15は、各時間におけるAFSK信号S21の振幅の情報を含む振幅情報を生成する。振幅検出部15は、生成した振幅情報をLPF16に出力する。
【0039】
図11に戻る。LPF16は、AFSK信号を成型して波形成型信号を生成する。LPF16は、送信装置10Aに入力されるAFSK信号の振幅の変化を伝送でき、かつ不要な雑音成分を除去する特性を持つように構成されている。具体的には、LPF16は、例えば、送信装置10Aに入力されたAFSK信号の振幅に見合ったFSK信号を生成できるような波形成型信号を生成する。LPF16は、生成した波形成型信号を乗算部17に出力する。
【0040】
乗算部17は、一方の入力端子に信号生成部12から周波数情報に基づいて生成された変調波信号が入力される。乗算部17は、他方の入力端子にLPF16から波形成型信号が入力される。乗算部17は、変調波信号に波形成型信号を乗算して、送信装置10Aに入力されたAFSK信号の振幅に見合った変調波信号を生成する。乗算部17は、生成した変調波信号をSSB変調部13に出力する。
【0041】
SSB変調部13は、乗算部17から入力された変調波信号の周波数と、局発回路14から入力された搬送波の周波数とを混合することによりSSB変調を行い、所望の周波数、かつ送信装置10Aに入力されたAFSK信号の振幅に見合ったFSK信号を生成する。これにより、送信装置10Aは、受信装置などに所望の周波数、かつ送信装置10Aに入力されたAFSK信号の振幅に見合ったFSK信号を送信する。
【0042】
上述のとおり、第2実施形態は、送信装置10Aに入力されたAFSK信号の振幅に見合ったFSK信号を出力する。これにより、第2実施形態では、送信装置10Aの使用者は、送信装置10Aに入力するASFK信号の振幅を任意に制御することで、出力するFSK信号の振幅を制御することができる。
【0043】
[第3実施形態]
図13を用いて、第3実施形態に係る送信装置の構成について説明する。図13は、第3実施形態に係る送信装置の構成例を示す図である。
【0044】
図13に示すように、送信装置10Bは、周波数検出部11と、信号生成部12と、加算部18とを備える。送信装置10Bは、SSB変調をすることなく、所望の周波数のFSK信号を直接生成する送信装置である。
【0045】
第3実施形態では、周波数検出部11は、送信装置10Bに入力されたAFSK信号の周波数を検出し、検出した周波数に関する周波数情報を加算部18に出力する。
【0046】
加算部18は、受信装置などに送信するFSK信号の所望の周波数に関する情報を予め記憶している。加算部18は、FSK信号の所望の周波数に関する情報を図示しない外部の制御装置などから取得する機能を有していてもよい。
【0047】
加算部18は、周波数検出部11から入力された周波数情報と、FSK信号の所望の周波数に関する情報とに基づいて、FSK信号の所望の周波数と、送信装置10Bに入力されたAFSK信号の差分を算出する。加算部18は、周波数検出部11から入力された周波数情報に含まれる周波数に算出した差分値を加算することで、周波数検出部11から入力された周波数情報を更新して被変調波周波数情報を生成する。具体的には、加算部18は、送信装置10Bから出力されるFSK信号の周波数が14.1003MHzから14.1030MHzまでの範囲に収まるように周波数情報を更新する。加算部18は、被変調波周波数情報を信号生成部12に出力する。
【0048】
信号生成部12は、被変調波周波数情報に基づいて、被変調波信号を生成する。信号生成部12は、生成した被変調波信号をFSK信号として出力する。
【0049】
図14は、第3実施形態に係るFSK信号を説明するための図である。図14に示すグラフは、横軸は、周波数(MHz)を示す。縦軸は、振幅の大きさを示す。図14に示すように、第3実施形態に係るFSK信号には、送信装置10Bに入力されたAFSK信号の基本波に対応する、搬送波S31のみが示されている。すなわち、第3実施形態に係るFSK信号には、AFSK信号の高調波が原因のスプリアスが含まれていない。
【0050】
上述のとおり、第3実施形態は、加算部18を用いることにより、所望の周波数の搬送波のみを含むFKS信号を生成する。これにより、第3実施形態は、FSK信号に含まれるスプリアスを除去することができる。
【0051】
[第4実施形態]
図15を用いて、第4実施形態に係る送信装置の構成について説明する。図15は、第4実施形態に係る送信装置の構成例を示す図である。
【0052】
図15に示すように、送信装置10Cは、周波数検出部11と、信号生成部12と、振幅検出部15と、LPF16と、乗算部17と、加算部18とを備える。送信装置10Cは、加算部18を備える点と、SSB変調部13及び局発回路14を備えていない点で、図11に図示の送信装置10Aとは異なっている。
【0053】
送信装置10Cは、加算部18を用いて、通常のSSB送信装置のように変調波信号として入力された振幅情報と同様の振幅情報を持つFSK信号を出力することのできる送信装置である。第4実施形態では、送信装置10Cに入力されたAFSK信号は、周波数検出部11と、振幅検出部15とに入力される。
【0054】
周波数検出部11は、送信装置10Cに入力されたAFSK信号の周波数を検出し、検出した周波数に関する周波数情報を加算部18に出力する。加算部18は、周波数検出部11から入力された周波数情報と、FSK信号の所望の周波数に関する情報とに基づいて周波数情報を更新し、被変調波周波数情報を信号生成部12に出力する。信号生成部12は、被変調波周波数情報に基づいて、被変調波信号を生成し、生成した被変調波信号を乗算部17に出力する。
【0055】
振幅検出部15は、送信装置10Aに入力されたAFSK信号の振幅を検出し、検出した振幅に関する振幅情報を乗算部17に出力する。LPF16は、AFSK信号を成型して波形成型信号を生成し、生成した波形成型信号を乗算部17に出力する。
【0056】
乗算部17は、一方の入力端子に信号生成部12から加算部18によって被変調波周波数情報に基づいて生成された被変調波信号が入力される。乗算部17は、他方の入力端子にLPF16から波形成型信号が入力される。乗算部17は、被変調波信号に波形成型信号を乗算して、送信装置10Cに入力されたAFSK信号の振幅に見合った被変調波信号を生成する。すなわち、乗算部17は、被変調波信号の振幅を制御する。乗算部17は、振幅を制御した被変調波信号をFSK信号として出力する。
【0057】
図16は、第4実施形態に係るFSK信号を説明するための図である。図16に示すグラフは、横軸は、周波数(MHz)を示す。縦軸は、振幅の大きさを示す。図16に示すように、第4実施形態に係るFSK信号には、送信装置10Bに入力されたAFSK信号の基本波に対応する、搬送波S41のみが示されている。すなわち、第3実施形態に係るFSK信号には、AFSK信号の高調波が原因のスプリアスが含まれていない。
【0058】
上述のとおり、第4実施形態は、加算部18を用いることにより、所望の周波数のFKS信号を生成する。これにより、第4実施形態は、FSK信号に含まれるスプリアスを除去することができる。
【0059】
また、第4実施形態は、加算部18を用いた構成で、送信装置10Cに入力されたAFSK信号の振幅に見合ったFSK信号を出力する。これにより、第4実施形態では、送信装置10Cの使用者は、送信装置10Cに入力するASFK信号の振幅を任意に制御することで、出力するFSK信号の振幅を制御することができる。
【0060】
以上、本発明の実施形態を説明したが、これら実施形態の内容により本発明が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、前述した実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【符号の説明】
【0061】
1,10,10A,10B,10C 送信装置
2 BPF
3,13 SSB変調部
4,14 局発回路
11 周波数検出部
12 信号生成部
15 振幅検出部
16 LPF
17 乗算部
18 加算部
図1
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