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  • 特許-チラー 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-24
(45)【発行日】2024-10-02
(54)【発明の名称】チラー
(51)【国際特許分類】
   F25B 1/00 20060101AFI20240925BHJP
   F25B 5/02 20060101ALI20240925BHJP
【FI】
F25B1/00 399Y
F25B5/02 B
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020124650
(22)【出願日】2020-07-21
(65)【公開番号】P2022021191
(43)【公開日】2022-02-02
【審査請求日】2023-05-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000102511
【氏名又は名称】SMC株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100119404
【弁理士】
【氏名又は名称】林 直生樹
(74)【代理人】
【識別番号】100177769
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100188743
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 誠
(72)【発明者】
【氏名】藤井 邦英
(72)【発明者】
【氏名】戸辺 洋平
(72)【発明者】
【氏名】笹谷 俊貴
【審査官】関口 勇
(56)【参考文献】
【文献】実公平05-017535(JP,Y2)
【文献】国際公開第2020/100206(WO,A1)
【文献】特開昭61-186770(JP,A)
【文献】特開2017-207274(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25B 1/00
F25B 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
循環する冷却水によって複数の熱負荷の温度を制御するチラーであって、
前記複数の熱負荷に前記冷却水を別々に供給する複数の冷却水回路と、
前記冷却水の温度を制御する一次冷媒が流れる冷凍回路と、を有し、
前記冷凍回路は、前記冷却水回路と同数の熱交換流路部が互いに並列に接続することにより構成されていて、これら熱交換流路部の夫々に熱交換器が設けられ、
前記複数の冷却水回路の各々が、複数の前記熱交換流路部のうち対応する熱交換流路部の前記熱交換器に接続され、
前記複数の冷却水回路の各々は、前記冷却水が収容されるタンクと、前記タンク内の前記冷却水を複数の前記熱交換流路部のうち対応する熱交換流路部の前記熱交換器に供給する第1供給管路と、前記第1供給管路に設けられたポンプと、前記熱交換器により温度制御された前記冷却水を前記熱負荷に送出するための第2供給管路と、前記熱負荷から返戻された前記冷却水を前記タンクに導く戻り管路と、を有し、
更に、前記チラーは、前記複数の冷却水回路のうちいずれか1つの冷却水回路における前記第2供給管路から分岐して、残りの他の前記冷却水回路における前記戻り管路に接続される濾過管路を有し、
前記濾過管路には、前記冷却水を純水化するためのDIフィルターが設けられる
ことを特徴とするチラー。
【請求項2】
前記複数の冷却水回路の夫々に設けられた前記タンク間には、夫々の前記タンク内に貯留する前記冷却水の量を一定に保つための連通管路が接続されている
ことを特徴とする請求項1に記載のチラー。
【請求項3】
前記濾過管路から前記戻り管路を介して前記タンクに流入する前記冷却水の流量は、前記タンクから流出して前記連通管路を介して、前記第2供給管路に前記濾過管路が接続された前記冷却水回路に設けられた前記タンクに流入する前記冷却水の流量と同一である
ことを特徴とする請求項2に記載のチラー。
【請求項4】
前記チラー全体を制御する制御装置を有し、
前記濾過管路には、前記第2供給管路から前記濾過管路への前記冷却水の流入を許容又は遮断する電磁弁が設けられ、
前記戻り管路には、前記戻り管路内を流れる前記冷却水の電気伝導率を測定する伝導率センサーが設けられ、
前記制御装置は、前記伝導率センサーで測定される電気伝導率に応じて前記電磁弁の開閉を制御する
ことを特徴とする請求項2又は3に記載のチラー。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、温度制御された冷却水を熱負荷に供給することにより、熱負荷の温度を制御するためのチラーに関する。
【背景技術】
【0002】
温度制御された冷却水を複数の熱負荷に供給して熱交換させることにより、複数の熱負荷の温度を制御するようにしたチラーは、特許文献1に記載されている。この特許文献1に記載のチラーは、複数の機器の夫々に冷却水を供給する複数の冷却液回路と、冷却水の温度を制御する1つの冷凍回路と、チラー全体を制御する制御装置とを有している。冷凍回路には二つの熱交換器が並列に接続され、これらの熱交換器の夫々が複数の冷却液回路の夫々に接続されている。このため、機器を冷却した冷却水は、冷凍回路の熱交換器により温度制御されて再び機器に供給される。
【0003】
また、特許文献1に記載の冷却液回路のうち、冷却液回路の熱交換器により熱交換された冷却水を機器に供給する供給管路から分岐して、機器に供給された冷却水をタンクに戻す戻り管路に接続された濾過管路には、冷却水中のイオン物質を除去するイオン除去フィルター(DIフィルター)が設けられている。このDIフィルターにより、冷却水中のイオン物質を除去して、より純度の高い純水を生成することができる。このDIフィルターを冷却液回路に接続することにより、金属の腐食を抑制することができ、また冷却水の電気絶縁性が高められて機器や金属配管等との間の漏電が抑制されて、機器やチラーの作動の安定性を高めることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】WO2020/100206号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に記載のチラーでは、2つの冷却液回路の一方のみに濾過管路及びDIフィルターが設けられている。よって、他方の冷却液回路においてもより高い純度の純水を必要とする場合には、この他方の冷却液回路にも、濾過管路、DIフィルター及び濾過管路の開閉を行う電磁弁等を設けることが考えられる。しかしながら、このように濾過管路、DIフィルター及び電磁弁を追加すると、チラー全体が大型化するとともにコスト及び消費エネルギの増大を避けることができない。その一方で、ユーザーにおいては、省スペース化、省エネルギ化、省コスト化に伴って、このようなチラーについても、より小型でエネルギ及びコストの増大が抑制できるチラーが望まれている。
【0006】
本発明の技術的課題は、複数の熱負荷の夫々の温度を制御する冷却水に含まれるイオン物質を除去可能なDIフィルターを備えるとともに、小型で消費エネルギ及びコストの増大が抑制可能なチラーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
課題を解決するため、本発明のチラーは、循環する冷却水によって複数の熱負荷の温度を制御するチラーであって、前記複数の熱負荷に前記冷却水を別々に供給する複数の冷却水回路と、前記冷却水の温度を制御する一次冷媒が流れる冷凍回路と、を有し、前記冷凍回路は、前記冷却水回路と同数の熱交換流路部が互いに並列に接続することにより構成されていて、これら熱交換流路部の夫々に熱交換器が設けられ、前記複数の冷却水回路の各々が、複数の前記熱交換流路部のうち対応する熱交換流路部の前記熱交換器に接続され、前記複数の冷却水回路の各々は、前記冷却水が収容されるタンクと、前記タンク内の前記冷却水を複数の前記熱交換流路部のうち対応する熱交換流路部の前記熱交換器に供給する第1供給管路と、前記第1供給管路に設けられたポンプと、前記熱交換器により温度制御された前記冷却水を前記熱負荷に送出するための第2供給管路と、前記熱負荷から返戻された前記冷却水を前記タンクに導く戻り管路と、を有し、更に、前記チラーは、前記複数の冷却水回路のうちいずれか1つの冷却水回路における前記第2供給管路から分岐して、残りの他の前記冷却水回路における前記戻り管路に接続される濾過管路を有し、前記濾過管路には、前記冷却水を純水化するためのDIフィルターが設けられる。
【0008】
この場合、好ましくは、前記複数の冷却水回路の夫々に設けられた前記タンク間には、夫々の前記タンク内に貯留する前記冷却水の量を一定に保つための連通管路が接続されている。また、前記濾過管路から前記戻り管路を介して前記タンクに流入する前記冷却水の流量は、前記タンクから流出して前記連通管路を介して、前記第2供給管路に前記濾過管路が接続された前記冷却水回路に設けられた前記タンクに流入する前記冷却水の流量と同一であることが好ましい。
【0009】
また、より好ましくは、前記チラー全体を制御する制御装置を有し、前記濾過管路には、前記第2供給管路から前記濾過管路への前記冷却水の流入を許容又は遮断する電磁弁が設けられ、前記戻り管路には、前記戻り管路内を流れる前記冷却水の電気伝導率を測定する伝導率センサーが設けられ、前記制御装置は、前記伝導率センサーで測定される電気伝導率に応じて前記電磁弁の開閉を制御する。
【発明の効果】
【0010】
本発明のチラーは、複数の熱負荷の夫々の温度を制御する冷却水に含まれるイオン物質を除去可能なDIフィルターを備えるとともに、小型で消費エネルギ及びコストの増大が抑制可能なチラーを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態に係るチラーの回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明の一実施形態に係るチラーについて説明する。本実施形態では、冷却水は清水であり、熱負荷は、レーザー溶接装置におけるレーザー発振器及びレーザー光を照射するプローブを例に挙げて説明する。なお、レーザー発振器は低温の負荷であり、プローブはレーザー発振器よりも高温の負荷である。
【0013】
図1に示すチラー1は、2つの第1機器5(熱負荷)及び第2機器6(熱負荷)の温度を制御するものであり、2つの第1冷却水回路3(冷却水回路)及び第2冷却水回路4(冷却水回路)と、1つの冷凍回路2と、チラー1全体を制御する制御装置10とを有している。第1冷却水回路3は第1機器5に第1冷却水7を供給し、第2冷却水回路4は第2機器6に第2冷却水8を供給して、第1機器5及び第2機器6は別々に冷却される。
【0014】
一方、冷凍回路2は、第1冷却水回路3の第1冷却水7、及び第2冷却水回路4の第2冷却水8の夫々を温度制御するための一次冷媒を有して、一次冷媒が第1冷却水7及び第2冷却水8の夫々と熱交換することによって第1冷却水7及び第2冷却水8の温度を制御して、第1冷却水7及び第2冷却水8の温度を設定温度に制御するものである。なお、一次冷媒は、例えば、ハイドロフルオロカーボン(HFC)や自然冷媒(アンモニア、二酸化炭素等)を使用することができる。
【0015】
本実施形態では、第1機器5が、レーザー溶接装置におけるレーザー発振器であって、低温の機器であり、他方の第2機器6が、レーザー光を照射するプローブであって、高温の機器である。また、第1機器5を第1冷却水7により冷却するのが第1冷却水回路3であり、第2機器6を第2冷却水8により冷却するのが第2冷却水回路4である。
【0016】
この場合、例えば、第1機器5に供給される第1冷却水7としては清水が使用される。清水の温度は、10-30℃の範囲、好ましくは15-25℃の範囲で、最適の温度に設定される。清水の流量は、20-80L/minの範囲で最適の流量に設定される。
【0017】
一方、第2機器6に供給される第2冷却水8としては純水が使用され、純水の温度は、10-50℃の範囲、好ましくは20-40℃の範囲で、最適の温度に設定される。純水の流量は、2-10L/minの範囲で最適の流量に設定される。但し、第2冷却水8の設定温度は、第1冷却水7の設定温度と等しいか、又は第1冷却水7の設定温度より高いことが必要である。
【0018】
冷凍回路2と2つの第1冷却水回路3及び第2冷却水回路4とは、1つの筐体9の内部に収容され、2つの第1機器5及び第2機器6は、筐体9の外部に配設されている。筐体9の外側面には、第1機器5を第1冷却水回路3に接続するための2つの機器接続口11,12と、第2機器6を第2冷却水回路4に接続するための2つの機器接続口13,14とが、それぞれ設けられている。
【0019】
(冷凍回路)
冷凍回路2は、一次冷媒を圧縮して高温高圧のガス状にする圧縮機16と、圧縮機16から吐出される高温高圧のガス状の一次冷媒を冷却して低温高圧の液状にするコンデンサー17と、コンデンサー17から送られる低温高圧の一次冷媒を膨張させて低温低圧の液状にする第1主膨張弁18及び第2主膨張弁19と、第1主膨張弁18及び第2主膨張弁19から送られる低温低圧の液状の一次冷媒を2つの第1冷却水回路3及び第2冷却水回路4の第1冷却水7及び第2冷却水8との間で別々に熱交換させて低圧ガス状の一次冷媒にする第1熱交換器21及び第2熱交換器22とを、配管で順次直列かつループ状に接続して形成されている。
【0020】
第1主膨張弁18及び第1熱交換器21は、相互に直列に接続されて第1熱交換流路部23を形成し、第2主膨張弁19及び第2熱交換器22も、相互に直列に接続されて第2熱交換流路部24を形成する。これら第1熱交換流路部23及び第2熱交換流路部24は、コンデンサー17の出口17dから第1熱交換器21及び第2熱交換器22の吸入口21a、22aに至る流路の途中で分岐して、第1熱交換器21及び第2熱交換器22の出口21b、22bと圧縮機16の吸入口16aとの間の流路で互いに合流するように、相互に並列に接続されている。
【0021】
第1熱交換器21のケース21cの内部には、一次冷媒が流れる一次冷媒流通部21dと、第1冷却水7が流れる冷却水流通部21eとが設けられ、一次冷媒流通部21d内を流れる一次冷媒と、冷却水流通部21e内を流れる第1冷却水7との間で、熱交換を行うようにしたものである。また、第2熱交換器22も同様に、ケース22cの内部には、一次冷媒が流れる一次冷媒流通部22dと、第2冷却水8が流れる冷却水流通部22eとが設けられ、一次冷媒流通部22d内を流れる一次冷媒と、冷却水流通部22e内を流れる第2冷却水8との間で、熱交換を行うようにしたものである。
【0022】
第1熱交換器21の一次冷媒流通部21d及び第2熱交換器22の一次冷媒流通部22dを流れる一次冷媒の流量は、第1主膨張弁18及び第2主膨張弁19の開度を増減させることによって増減し、それに伴い、第1熱交換器21及び第2熱交換器22の冷却能力が制御される。第1主膨張弁18及び第2主膨張弁19は、冷却用の膨張弁であり、低温の一次冷媒を第1熱交換器21及び第2熱交換器22に供給する。
【0023】
冷凍回路2のうち、圧縮機16の吐出口16bとコンデンサー17の入口17aとを接続する流路には、この流路から分岐して第1熱交換流路部23の第1熱交換器21と第1主膨張弁18との間に接続された第1分岐流路25と、流路から分岐して第2熱交換流路部24の第2熱交換器22と第2主膨張弁19との間に接続された第2分岐流路26とが設けられる。第1分岐流路25には第1副膨張弁27が接続され、第2分岐流路26には第2副膨張弁28が接続されている。
【0024】
第1分岐流路25及び第2分岐流路26は、圧縮機16から吐出された高温の一次冷媒の一部を、加熱用冷媒として第1熱交換流路部23及び第2熱交換流路部24に供給するものである。この加熱用冷媒の供給により、第1熱交換器21及び第2熱交換器22内を流れる冷却水の温度が制御される。
【0025】
加熱用冷媒の流量は、第1副膨張弁27及び第2副膨張弁28の開度を増減することにより増減し、それに伴い、第1熱交換器21及び第2熱交換器22に流れる冷却水の温度が制御される。従って、第1副膨張弁27及び第2副膨張弁28は、加熱用の膨張弁である。
【0026】
本実施形態では、第1主膨張弁18、第2主膨張弁19、第1副膨張弁27、及び第2副膨張弁28は、ステッピングモータによって開度を任意に制御可能な電子膨張弁であり、制御装置10に電気的に接続されて、制御装置10により各々の開度が制御される。
【0027】
コンデンサー17は、電動モータ17bで駆動されるファン17cによって一次冷媒を冷却する空冷式のコンデンサーである。ファン17cは、筐体9の側面に形成されたファン収容部9a内に配設され、ファン収容部9aには、外気をコンデンサー17に向けて冷却風として吸入する吸気口9cが設けられる。吸気口9cから吸入された冷却風は、コンデンサー17を通過する際に一次冷媒を冷却し、その後、筐体9の上部に開口する排気口9bから筐体9の外部に排出される。なお、コンデンサー17は、空冷式に限るものではなく水冷式であっても良い。
【0028】
筐体9内には、チラー1全体の作動を制御する制御装置10が設けられる。圧縮機16及びファン17cは、制御装置10に電気的に接続され、制御装置10によりインバーター制御されることによって各々の回転数や出力等が制御される。
【0029】
また、冷凍回路2には、圧縮機16の吐出口16bからコンデンサー17の入口17aに至るまでの流路に、圧縮機16から吐出された一次冷媒の温度を測定するため第1温度センサー31が接続される。また、コンデンサー17の出口17dから、第1熱交換流路部23及び第2熱交換流路部24に至る流路に、一次冷媒中の不純物を濾過するフィルター32と、一次冷媒の圧力を測定する第1圧力センサー33とが順次接続される。また、第1熱交換流路部23と圧縮機16の吸入口16aに至るまでの流路に、第1熱交換器21から流出する一次冷媒の温度を測定する第2温度センサー34が接続され、さらに、第2温度センサー34よりも流路の下流側に圧縮機16に吸入される一次冷媒の圧力を測定する第2圧力センサー35と、一次冷媒の温度を測定する第3温度センサー36が接続されている。これら第1温度センサー31、第2温度センサー34、第3温度センサー36及び第1圧力センサー33,第2圧力センサー35は、制御装置10に電気的に接続され、それらの測定結果に基づいて、制御装置10により、圧縮機16やコンデンサー17の電動モータ17bの回転数や出力等が制御される。
【0030】
なお、冷凍回路2において、圧縮機16の吐出口16bからコンデンサー17を経て第1主膨張弁18及び第2主膨張弁19に至るまでの部分は、一次冷媒の圧力が高い高圧側部分であり、これに対し、第1主膨張弁18及び第2主膨張弁19の出口から第1熱交換器21及び第2熱交換器22を経て圧縮機16の吸入口16aに至るまでの部分は、一次冷媒の圧力が低い低圧側部分である。
【0031】
(第1冷却水回路)
第1冷却水回路3は、第1冷却水7を収容した第1タンク40と、第1タンク40の外側に設置された第1ポンプ41と、第1ポンプ41の吐出口41aと第1熱交換器21の冷却水流通部21eの入口とを接続する第1供給管路43と、冷却水流通部21eの出口と供給側の機器接続口11とを接続する第2供給管路44と、戻り側の機器接続口12と第1タンク40とを接続する戻り管路45と、第1タンク40から流出される第1冷却水7を第1ポンプ41の吸入口41bに導く戻り連通管路46と、を有する。供給側の機器接続口11及び戻り側の機器接続口12には、第1機器5の供給側の機器配管5aと戻り側の機器配管5bとが接続されている。
【0032】
これにより、第1冷却水回路3は、第1タンク40内の第1冷却水7を第1ポンプ41で第1熱交換器21の冷却水流通部21eに送り、この冷却水流通部21eで、第1冷却水7を一次冷媒流通部21d内に流れる一次冷媒と熱交換させて設定温度に制御したあとに、第2供給管路44を通じて直ちに第1機器5に送出するように構成されている。
【0033】
第1タンク40は、内部が中空な箱状に形成される。第1タンク40の上部には第1冷却水7を注入可能な注入口40aが設けられ、注入口40aには蓋部40bが着脱可能に設けられる。蓋部40bを注入口40aに装着すると、第1タンク40内の内部空間は外気と遮断される。第1タンク40内には、第1冷却水7の液位を検出するためのレベルスイッチ48が設けられる。また、第1タンク40には、筐体9の外面に設けられたドレン口49に連通するドレン管50が接続されている。
【0034】
また、第2供給管路44には、第1熱交換器21で温度制御されて第1機器5に向かう第1冷却水7の温度を測定する供給側温度センサー51と、第1冷却水7の圧力を測定する供給側圧力センサー52とが接続される。供給側温度センサー51及び供給側圧力センサー52は、制御装置10に電気的に接続され、第1冷却水7の測定された温度や圧力等に基づいて、制御装置10により、第1ポンプ41や冷凍回路2の各膨張弁18,19,27,28等が制御される。
【0035】
(第2冷却水回路)
第2冷却水回路4は、第2冷却水8を収容した第2タンク60と、第2タンク60の外部に設置された第2ポンプ61と、第2ポンプ61の吐出口61aと第2熱交換器22の冷却水流通部22eの入口とを接続する第1供給管路63と、冷却水流通部22eの出口と供給側の機器接続口13とを接続する第2供給管路64と、戻り側の機器接続口14と第2タンク60とを接続する戻り管路65とを有する。供給側の機器接続口13と戻り側の機器接続口14とに、第2機器6の供給側の機器配管6aと戻り側の機器配管6bとが接続されている。
【0036】
これにより第2冷却水回路4は、第2タンク60内の第2冷却水8を第2ポンプ61で第2熱交換器22の冷却水流通部22eに送り、この冷却水流通部22eで、一次冷媒流通部22d内を流れる一次冷媒と熱交換させて設定温度に制御したあと、第2供給管路64を通じて直ちに第2機器6に送出するように構成されている。
【0037】
第2タンク60は、第1タンク40と同様に、内部が中空な箱状に形成される。第2タンク60の上部には第2冷却水8を注入可能な注入口60aが設けられ、注入口60aには蓋部60bが着脱可能に装着される。蓋部60bを注入口60aに装着すると、第2タンク60内の内部空間は外気と遮断される。第2タンク60には、第2タンク60内に貯留する第2冷却水8の液位を検出するためのレベルスイッチ68が設けられ、また筐体9の外面に設けられドレン口69に連通するドレン管70が接続されている。
【0038】
また、第1供給管路63には、第2ポンプ61から第2熱交換器22に供給される第2冷却水8の温度を測定する温度センサー73が接続されている。第2供給管路64には、第2熱交換器22で温度制御されて第2機器6に向かう第2冷却水8の温度を測定する供給側温度センサー71と、第2冷却水8の圧力を測定する供給側圧力センサー72とが接続されている。供給側温度センサー71、温度センサー73、供給側圧力センサー72は、制御装置10に電気的に接続され、測定された第2冷却水8の温度や圧力等に基づいて、制御装置10により、第2ポンプ61や冷凍回路2の各膨張弁18,19,27,28等が制御される。
【0039】
更に、第1冷却水回路3及び第2冷却水回路4には、第1冷却水回路3の第2供給管路44から分岐して第2冷却水回路4の戻り管路65に接続された濾過管路76が設けられている。本実施形態では、濾過管路76の第2供給管路44に対する接続位置は、第2供給管路44に設けられた供給側圧力センサー52よりも上流側である。濾過管路76には、濾過管路76を開閉する電磁弁77と、第1冷却水7を純水化するためのDIフィルター78(Deionized Filter)とが接続されている。本実施形態では、電磁弁77は二方向電磁弁であり、開閉によって第2供給管路44と戻り管路65との間を連通又は遮断に切り替える。
【0040】
DIフィルター78は、第1冷却水7が通過可能なイオン交換樹脂フィルターを備える。イオン交換樹脂フィルターは、第1冷却水7が流れると、第1冷却水7中のイオン性物質を吸着して除去する機能を有する。このため、DIフィルター78に清水の第1冷却水7を流すと、清水を純水にすることができる。濾過管路76の戻り管路65に接続される合流部76aには、純水化された第1冷却水7中の電気伝導率を測定する伝導率センサー79が設けられる。電磁弁77及び伝導率センサー79は、制御装置10に電気的に接続され、測定された電気伝導率に基づいて、制御装置10により、電磁弁77が制御される。
【0041】
このように、濾過管路76は、第1冷却水7(清水)中のイオン性物質を除去して清水を純水にするための管路であり、通常は、電磁弁77が閉鎖されることによって濾過管路76が遮断されている。一方、第2冷却水8中のイオン性物質の量が増加して、第2冷却水8の電気伝導率が上昇したことを伝導率センサー79が検出すると、電磁弁77が開放されて、濾過管路76は、第供給管路44の第1冷却水7を、DIフィルター78に通じて濾過管路76及び戻り管路65を介して、第2タンク60に還流させる。そのとき、第1冷却水7中のイオン性物質がDIフィルター78で除去されて、第1冷却水7は純水になる。
【0042】
なお、図示した実施形態においては、DIフィルター78は筐体9の内部に配置されているが、DIフィルター78は筐体9の外部に配置されていても良い。この場合、DIフィルター78は濾過管路76に対して着脱可能に設けることで、DIフィルター78の交換を容易にすることができる。
【0043】
また、第1冷却水回路3及び第2冷却水回路4の夫々に設けられた第1タンク40及び第2タンク60間には、第1タンク40及び第2タンク60内に貯留する第1冷却水7及び第2冷却水8の液位(量)を一定に保つための連通管路80が接続されている。本実施形態では、連通管路80は、連通管路80の一端が第1タンク40内に貯留する第1冷却水7の液面よりも下方の位置に接続され、連通管路80の他端が第2タンク60内に貯留する第2冷却水8の液面よりも下方の位置に接続される。このため、第1タンク40及び第2タンク60は連通管路80を介して連通し、第2タンク60に濾過管路76から純水化された第1冷却水7が流入すると、第2タンク60の液位が上昇して、第2タンク60に貯留する第2冷却水8(純水)が連通管路80を介して第1タンク40に流入する。
【0044】
この場合、第1タンク40及び第2タンク60は、外気と連通するとともに、同じ高さの位置に設置されている。このため、濾過管路76を介して第1冷却水7が第2タンク60内に流れて第2タンク60内の液位が上昇すると、この液位が上昇した分の第2冷却水8が連通管路80を介して第1タンク40に流入する。即ち、第2タンク60内に流入した分だけの冷却水が第1タンク40に戻る。よって、第1タンク40及び第2タンク60の夫々の液位(量)を一定に保つことができる。
【0045】
また、第2タンク60に供給される純水化され第1冷却水7の量が増大することで、第2タンク60に貯留される第2冷却水8の電気伝導率を低減することができる。その結果、第2タンク60に連通する第1タンク40に貯留される第1冷却水7の電気伝導率も低減することができる。
【0046】
次に、チラー1によって第1機器5及び第2機器6の温度を制御する場合の動作について説明する。
冷凍回路2において、圧縮機16から吐出される高温高圧の一次冷媒は、コンデンサー17により冷却されて低温高圧の状態になったあと、第1熱交換流路部23と第2熱交換流路部24の夫々に流れる。第1熱交換流路部23に流入した一次冷媒は、第1主膨張弁18で低温低圧の状態にされたあと、第1熱交換器21において、第1冷却水回路3の第1冷却水7を冷却することにより昇温し、蒸発して低圧の状態になる。一方、第2熱交換流路部24に流入した一次冷媒は、第2主膨張弁19で低温低圧の状態にされたあと、第2熱交換器22において、第2冷却水回路4の第2冷却水8を冷却することにより昇温し、蒸発して低圧の状態になる。そして、第1熱交換器21及び第2熱交換器22から出た一次冷媒は、合流して圧縮機16の吸入口16aに流入する。
【0047】
また、圧縮機16から吐出された高温高圧の一次冷媒の一部は、第1分岐流路25及び第2分岐流路26を通じて、第1熱交換流路部23及び第2熱交換流路部24に加熱用冷媒として供給される。この加熱用冷媒の供給により、第1熱交換器21及び第2熱交換器22に向かう第1冷却水7及び第2冷却水8の温度が制御され、その結果、第1熱交換器21及び第2熱交換器22の冷却能力が制御される。
【0048】
一方、第1冷却水回路3においては、第1タンク40内の第1冷却水7が、第1ポンプ41から第1供給管路43を通じて第1熱交換器21の冷却水流通部21eに送出され、第1熱交換器21により冷凍回路2の一次冷媒と熱交換することにより設定温度に制御されたあと、第2供給管路44から供給側の機器接続口11を通じて第1機器5に送られ、第1機器5を冷却する。第1機器5を冷却することにより昇温した第1冷却水7は、戻り側の機器接続口12から戻り管路45を通じて第1タンク40に返戻される。
【0049】
第1冷却水7の温度は、供給側温度センサー51により常時測定され、測定された第1冷却水7の温度に基づいて冷凍回路2の第1主膨張弁18及び第1副膨張弁27の開度が制御されることにより、第1冷却水7の温度が細かく制御されて設定温度に保たれる。
【0050】
例えば、供給側温度センサー51により測定された第1冷却水7の温度が設定温度より高い場合には、第1熱交換器21の冷却能力を高めて第1冷却水7の温度を下げる必要があるため、冷凍回路2における第1主膨張弁18の開度を拡大して第1熱交換流路部23を流れる低温の一次冷媒の流量を増大させると共に、第1副膨張弁27の開度を減少して第1分岐流路25から第1熱交換流路部23に流入する高温の加熱用冷媒の流量を減少する。その結果、第1熱交換器21に流入する一次冷媒の温度が低下して第1熱交換器21の冷却能力が上昇するため、第1冷却水7は冷却され、その温度が低下して設定温度に制御される。
【0051】
その逆に、第1冷却水7の温度が設定温度より低い場合には、第1熱交換器21で第1冷却水7を加熱して温度を上げる必要があるため、第1主膨張弁18の開度を減少して第1熱交換流路部23を流れる低温の一次冷媒の流量を減少させると共に、第1副膨張弁27の開度を増大して第1分岐流路25から第1熱交換流路部23に流入する高温の加熱用冷媒の流量を増大する。その結果、第1熱交換器21に流入する一次冷媒の温度は上昇し、昇温した一次冷媒によって第1冷却水7が加熱されるため、第1冷却水7の温度は上昇して設定温度に制御される。
【0052】
また、第2冷却水回路4においては、第2タンク60内の第2冷却水8が、第2ポンプ61から第1供給管路63を通じて第2熱交換器22の冷却水流通部22eに送られ、第2熱交換器22で冷凍回路2の一次冷媒と熱交換することにより設定温度に制御されたあと、第2供給管路64から供給側の機器接続口13を通じて第2機器6に送られて、第2機器6を冷却する。第2機器6を冷却することにより昇温した第2冷却水8は、戻り側の機器接続口14から戻り管路65を通じて第2タンク60に返戻される。
【0053】
第2冷却水8の温度は、供給側温度センサー71及び温度センサー73により常時測定され、測定された第2冷却水8の温度に基づいて冷凍回路2の第2主膨張弁19及び第2副膨張弁28の開度が制御されることにより、第2冷却水8の温度が細かく制御されて設定温度に制御される。
【0054】
例えば、供給側温度センサー71により測定された第2冷却水8の温度が設定温度より高い場合には、第2熱交換器22の冷却能力を高めて第2冷却水8の温度を下げる必要があるため、冷凍回路2における第2主膨張弁19の開度を拡大して第2熱交換流路部24を流れる低温の冷媒の流量を増大させると共に、第2副膨張弁28の開度を減少して第2分岐流路26から第2熱交換流路部24に流入する高温の加熱用冷媒の流量を減少する。その結果、第2熱交換器22に流入する一次冷媒の温度が低下して第2熱交換器22の冷却能力が上昇するため、第2冷却水8は冷却され、その温度が低下して設定温度に制御される。
【0055】
その逆に、第2冷却水8の温度が設定温度より低い場合には、第2熱交換器22で第2冷却水8を加熱して温度を上げる必要があるため、第2主膨張弁19の開度を減少して第2熱交換流路部24を流れる低温の一次冷媒の流量を減少させると共に、第2副膨張弁28の開度を増大して第2分岐流路26から第2熱交換流路部24に流入する高温の加熱用冷媒の流量を増大させる。その結果、第2熱交換器22に流入する一次冷媒の温度が上昇し、昇温した一次冷媒によって第2冷却水8が加熱されるため、第2冷却水8の温度は上昇して設定温度に制御される。
【0056】
また、第2冷却水8中のイオン性物質の量が増加すると、伝導率センサー79で測定される第2冷却水8の電気伝導率が上昇するため、電磁弁77が開放されて濾過管路76が連通し、濾過管路76に第1冷却水7が流れることにより、第1冷却水7中のイオン性物質がDIフィルター78で除去されて、第1冷却水7が純水となって第2タンク60に供給される。これと同時に、第2タンク60に貯留して純水化された第2冷却水8の一部が連通管路80を通って第1タンク40に流入する。このため、第2冷却水回路4を流れる第2冷却水8の電気伝導率を低下させることができるとともに、第1冷却水回路3を流れる第1冷却水7の電気伝導率を低下させることができる。
【0057】
また、伝導率センサー79による第2冷却水8の測定に基づいて電磁弁77の開閉を行うことで、第2タンク60に流入する第1冷却水7(純水)の量を増減することができるので、第2冷却水8及び第1冷却水7の電気伝導率を所定の低い状態に制御することができる。したがって、第1冷却水7及び第2冷却水8の流通による第1機器5及び第2機器6の温度制御時に、例えば漏電が生じて第1機器5及び第2機器6の作動が不安定になる虞を防止することができる。
【0058】
以上に説明したように、第1冷却水回路3の第2供給管路44から分岐して第2冷却水回路4の戻り管路65に接続される濾過管路76を設け、この濾過管路76に、流路を開閉する電磁弁77と冷却水を純水化するためのDIフィルター78を設けることで、第1冷却水回路3及び第2冷却水回路4において、濾過管路76、電磁弁77及びDIフィルター78を共通に使用することができる。このため、第1冷却水回路3及び第2冷却水回路4の夫々に、濾過管路76、DIフィルター78、電磁弁77を設ける場合と比較して、チラー1全体を小型化するとともに、省コスト及び省エネルギを実現可能なチラー1を提供することができる。
【0059】
また、前述した実施形態では、第1冷却水回路3及び第2冷却水回路4の2つの冷却水回路を設けた場合を示したが、冷却水回路を3つ設けることもできる。この場合には、冷凍回路2においては、第1主膨張弁18及び第1熱交換器21を有する第1熱交換流路部23と、第2主膨張弁19及び第2熱交換器22を有する第2熱交換流路部24と、第1副膨張弁27を有する第1分岐流路25と、第2副膨張弁28を有する第2分岐流路26とが、冷却水回路と同数の3つ設けられる。
【0060】
また、冷却水回路を3つ設けた場合、濾過管路76は、3つの冷却水回路のいずれか1つの第2供給管路から分岐して他の2つの冷却水回路の戻り管路のいずれか1つに接続される。また、連通管路80は、3つのタンクの夫々の下部に連通して接続される。
【0061】
さらに、第1冷却水7及び第2冷却水8の電気伝導率を低下させる(電気抵抗率を上げる)ため、第1冷却水7及び第2冷却水8にエチレングリコールを添加してもよい。
【符号の説明】
【0062】
1 チラー
2 冷凍回路
3 第1冷却水回路(冷却水回路)
4 第2冷却水回路(冷却水回路)
5 第1機器(熱負荷)
5a、6a 供給側の機器配管
5b、6b 戻り側の機器配管
6 第2機器(熱負荷)
7 第1冷却水(冷却水)
8 第2冷却水(冷却水)
9 筐体
9a ファン収容部
9b 排気口
9c 吸気口
10 制御装置
11,13 供給側の機器接続口
12,14 戻り側の機器接続口
16 圧縮機
16a,21a、22a、41b 吸入口
16b,41a、61a 吐出口
17 コンデンサー
17a 入口
17b 電動モータ
17c ファン
17d、21b、22b 出口
18 第1主膨張弁
19 第2主膨張弁
21 第1熱交換器(熱交換器)
21c、22c ケース
21d、22d 一次冷媒流通部
21e、22e 冷却水流通部
22 第2熱交換器(熱交換器)
23 第1熱交換流路部(熱交換流路部)
24 第2熱交換流路部(熱交換流路部)
25 第1分岐流路
26 第2分岐流路
27 第1副膨張弁
28 第2副膨張弁
31 第1温度センサー
32 フィルター
33 第1圧力センサー
34 第2温度センサー
35 第2圧力センサー
36 第3温度センサー
40 第1タンク(タンク)
40a、60a 注入口
40b、60b 蓋部
41 第1ポンプ(ポンプ)
43 第1供給管路
44 第2供給管路
45、65 戻り管路
46 戻り連通管路
48、68 レベルスイッチ
49、69 ドレン口
50、70 ドレン管
51、71 供給側温度センサー
52、72 供給側圧力センサー
60 第2タンク(タンク)
61 第2ポンプ(ポンプ)
63 第1供給管路
64 第2供給管路
73 温度センサー
76 濾過管路
76a 合流部
77 電磁弁
78 DIフィルター
79 伝導率センサー
80 連通管路
図1