(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-24
(45)【発行日】2024-10-02
(54)【発明の名称】ブース
(51)【国際特許分類】
E05B 49/00 20060101AFI20240925BHJP
E05B 65/00 20060101ALI20240925BHJP
G08B 21/24 20060101ALI20240925BHJP
H04Q 9/02 20060101ALI20240925BHJP
G06Q 10/02 20120101ALI20240925BHJP
G16Y 10/80 20200101ALI20240925BHJP
G16Y 40/30 20200101ALI20240925BHJP
【FI】
E05B49/00 J
E05B65/00 A
E05B49/00 R
G08B21/24
H04Q9/02 B
G06Q10/02
G16Y10/80
G16Y40/30
(21)【出願番号】P 2020129440
(22)【出願日】2020-07-30
【審査請求日】2023-06-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100113310
【氏名又は名称】水戸 洋介
(72)【発明者】
【氏名】得地 賢吾
【審査官】河本 明彦
(56)【参考文献】
【文献】実開平7-40945(JP,U)
【文献】特開2005-52459(JP,A)
【文献】特開2006-10720(JP,A)
【文献】特開2003-233740(JP,A)
【文献】特開2018-16995(JP,A)
【文献】特開2010-37876(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B 1/00 - 85/28
G08B 19/00 - 21/24
G06Q 10/02
H04Q 9/00 - 9/16
G16Y 10/80
G16Y 40/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開閉可能な扉と、
前記扉の施錠を行う施錠機構と、
を備え
るブースであり、
前記ブースは予約可能であり、
前記扉が閉じられた場合に、当該扉の施錠が行われるとともに、
前記ブースの予約時間内であるときに当該ブース内に人がいない状態で当該扉が閉じられた場合には、当該施錠が行われないブース
であって、
前記ブースの予約時間内であるときに前記ブース内に人がいない状態で前記扉が閉じられた場合であっても、当該扉が閉じられてから予め定められた時間が経過した場合には、当該扉の施錠が行われるブース。
【請求項2】
前記予約時間が終了した後、前記扉の施錠が行われる請求項
1に記載のブース。
【請求項3】
前記扉の施錠が行われない状態で前記ブースの予約終了時刻となったら、当該扉の施錠が行われる請求項1に記載のブース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブース、情報処理システム、および、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、予約確認手段において、再び予約確認がおこなわれたときに、利用者が予約した部屋の電気錠を解錠する解錠権限を有する共通鍵を再提供する電子キー再提供プログラムが開示されている。
特許文献2には、扉センサの作動中に、人感センサが個室内の人を設定時間以上感知したとき、又は設定時間以上感知しないときは、表示器に個室内の異常が表示される処理が開示されている。
特許文献3には、ドアノブの内部に無線通信回路とテンキーを内蔵し、住宅管理者が所有の錠管理サーバにドア開錠のための暗証番号を一時的にその暗証番号をテンキーで入力し、ドアノブから錠管理サーバへ送信することで開錠を可能にする構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-190198号公報
【文献】特開2015-219812号公報
【文献】特開2017-214702号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ユーザが出入りするブースでは、扉を設け、扉を通じてユーザがブースへ出入りする構成が考えられる。ここで、ブースの扉が自動で施錠される構成では、ユーザがブースの外に出た際に自動で施錠がなされ、ユーザがブースの内部に戻れなくなる事態が生じうる。
本発明の目的は、自動で扉の施錠を行う施錠機構が設けられたブースの出入りの利便性を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、開閉可能な扉と、前記扉の施錠を行う施錠機構と、を備えるブースであり、前記ブースは予約可能であり、前記扉が閉じられた場合に、当該扉の施錠が行われるとともに、前記ブースの予約時間内であるときに当該ブース内に人がいない状態で当該扉が閉じられた場合には、当該施錠が行われないブースであって、前記ブースの予約時間内であるときに前記ブース内に人がいない状態で前記扉が閉じられた場合であっても、当該扉が閉じられてから予め定められた時間が経過した場合には、当該扉の施錠が行われるブースである。
請求項2に記載の発明は、前記予約時間が終了した後、前記扉の施錠が行われる請求項1に記載のブースである。
請求項3に記載の発明は、前記扉の施錠が行われない状態で前記ブースの予約終了時刻となったら、当該扉の施錠が行われる請求項1に記載のブースである。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明によれば、自動で扉の施錠を行う施錠機構が設けられたブースの出入りの利便性を向上させることができる。
請求項2の発明によれば、扉の施錠が行われない場合に比べ、ブースの利用とは関係がない者がブースに入ることを抑制できる。
請求項3の発明によれば、扉の施錠が行われない場合に比べ、ブースの利用とは関係がない者がブースに入ることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】情報処理システムの全体構成を概略的に示す図である。
【
図4】空間管理サーバのハードウェア構成の一例を説明する図である。
【
図5】ユーザ端末のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図6】ブースの利用者がブースの予約を行う際に、この利用者のユーザ端末に表示される表示画面の一例を示した図である。
【
図7】ユーザ端末に表示される表示画面の他の一例を示した図である。
【
図8】情報処理システムに設けられたブース、空間管理サーバ、ユーザ端末の各々が有する機能部を示した図である。
【
図9】空間管理サーバに設けられた情報DBに格納された情報を示した図である。
【
図16】本実施形態にて実行される処理の流れを示したフローチャートを示した図である。
【
図17】ブースの外部にいるユーザを示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本実施形態に係る情報処理システム1の全体構成を概略的に示す図である。
本実施形態では、利用者により予約されて使用される場所の一例である複数の空間2が設けられている。
本実施形態では、空間2の各々は、予約可能となっており、利用者は、空間2を予め予約したうえでこの空間2の利用を行えるようになっている。
【0009】
空間2は、ブース、宿泊施設等の客室、会社内等の会議室等を含む。これらは、壁や間仕切り等によって周囲から区切られている空間2の一例である。
また、本実施形態における空間2は、飲食店や理髪店等でサービスの提供を受けるテーブルや座席等を含む。これらは、周囲に開放された空間2の一例である。
【0010】
図1に示す情報処理システム1は、クラウドネットワーク3に接続された各種の端末で構成されている。
図1では、クラウドネットワーク3に接続される端末の例として、ユーザが操作するユーザ端末4、空間2を管理する空間管理サーバ5が示されている。
また、クラウドネットワーク3には、空間2が接続されている。より具体的には、空間2には各種の機器が設けられ、この機器が、クラウドネットワーク3に接続されている。
【0011】
本実施形態では、空間2の扉に電子錠が取り付けられており、空間2の各々は、施錠可能となっている。本実施形態では、空間2の解錠権限を有する者が、この空間2の利用を行えるようになっている。
空間2の解錠にあたっては、解錠を行う者が、自身のユーザ端末4を操作して、解錠の指示をする。この指示は、空間管理サーバ5へ送られ、空間管理サーバ5はこの指示を受信する。そして、空間管理サーバ5は、解錠の指示があった空間2の解錠の指示を行う。これにより、この空間2に設置された電子錠が作動し、空間2の解錠が行われる。
【0012】
言い換えると、本実施形態では、ユーザが携行する携行機器の一例であるユーザ端末4からの指示があった場合に、空間2の解錠が行われる。
本実施形態では、ユーザ端末4として、携帯可能なスマートフォンを想定する。もっとも、携帯可能なユーザ端末4は、いわゆるウェアラブル端末でもよいし、ノート型のコンピュータやゲーム端末でもよい。
【0013】
空間管理サーバ5は、空間2に関連する各種の情報を管理する。空間管理サーバ5には、情報DB(データベース)が設けられている。情報DBは、後述するハードディスクドライブ102などの情報記録装置により実現される。
情報DBには、空間2の予約に関する情報や、空間2の内部の状態を示す情報などの各種の情報が格納される。
【0014】
空間管理サーバ5は、例えば、利用者を特定する情報、予約の対象である空間2を特定する情報、予約の開始日時、予約の終了日時等を管理する。
利用者を特定する情報には、例えば利用者の氏名、性別、年齢、アカウント、ユーザID、パスワード、個人に付された管理用の情報が含まれる。また、利用の対象である空間2を特定する情報には、例えば住所又は所在の場所を特定する情報、管理用の名称や番号が含まれる。
【0015】
また、空間管理サーバ5は、制御装置としても機能し、空間2に設置された各種の機器の制御を行う。
なお、制御装置は、空間2の各々に対応させて各空間2に設置してもよい。この場合、各空間2に設置された制御装置が、各空間2に設置された各種の機器の制御を行う。
【0016】
<空間2の外観構成>
図2は、ブース80を示した図である。
図2に示す例では、ブース80の内部が、空間2となっており、本実施形態では、このブース80の内部の空間2の予約を行えるようになっている。
本実施形態のブース80は、例えば駅の構内、空港、オフィスビル、飲食店やデパート等の商業施設、銀行、図書館、美術館、博物館、公共機関や施設、連絡通路、公園等、室内外を問わずに配置される。
【0017】
図2に示すブース80は、天井が取り付けられている閉鎖型のブース80である。
ここで、「閉鎖型」とは、密閉の意味ではなく、実用的な防音性能を備えている状態を指す。
また、「ブース80」とは、空間2と空間2の周囲に位置する他の空間とを仕切る仕切りが存在する構造をいう。ここで、空間2の四方の全てに仕切りが存在することは必須ではなく、一部に仕切りが存在しない構造であっても、ブース80に該当する。
また、天井も必須ではなく、天井が無い構造であっても、ブース80に該当する。
【0018】
図2に示すブース80には、ブース80の主要部を構成する筐体81が設けられている。この筐体81は、直方体状に形成されている。
ブース80には、天井20Aと、床面20Bと、開閉可能な扉22が取り付けられている壁面20Cと、壁面20Cの両側に位置する2つの壁面20D及び20Eと、扉22の対面側に位置する壁面20Fとが設けられている。
本実施形態では、空間2が、壁面20C、扉22、壁面20D、壁面20E、壁面20Fにより囲まれており、この4つの壁面、扉22の内側に、空間2が設けられている。
言い換えると、本実施形態では、筐体81の内側に、空間2が設けられている。
【0019】
本実施形態では、扉22は、壁面20Cに沿って移動が可能な引き戸を想定する。
図2の場合、扉22は、一方向にスライドされる片引き扉であるが、2枚以上の部材を行き違わせて開閉する引き違い扉でも、2枚の部材を左右にスライドする引き分け扉でもよいし、開き戸や折り戸でもよい。
扉22には、開閉時にユーザが掴む取手22Aが取り付けられている。なお、この取手22Aは、扉22の内側にも設けられている。
また、扉22には、扉22の解錠および施錠を可能にする施錠機構、解錠機構の一例としての電子錠22Cが取り付けられている。電子錠22Cの一例としては、扉22をロックするデッドボルトやシリンダー・サムターンを電磁ロックでコントロールする。
【0020】
図10は、電子錠22Cの一例を示した図である。
この電子錠22Cには、サムターン601と、このサムターン601に連動して移動する鎌型のデッドボルト602が設けられている。また、筐体81(
図2参照)側には、デッドボルト602が入る穴部(不図示)が設けられている。
本実施形態では、この穴部に対してデッドボルト602が入ることで、施錠が行われる。より具体的には、扉22を開けようしても、デッドボルト602が筐体81に引っ掛かるようになり、扉22を開けられないようになる。
【0021】
さらに、この電子錠22Cには、サムターン601を回転させる回転機構603が設けられている。回転機構603内には、モータ(不図示)が設置され、さらに、回転機構603には、サムターン601が入れられる溝603Bが形成された回転体603Aが設けられている。本実施形態では、回転機構603によって、回転体603Aが回転することで、サムターン601が回り、解錠や施錠が行われる。
【0022】
回転体603Aには、内鍵603Cが設けられており、本実施形態では、ユーザがこの内鍵603Cを回すと、回転体603Aが回転し、解錠が行われる。本実施形態では、ユーザは、手動で、扉22の内側から、電子錠22Cの解錠を行えるようになっている。
さらに、本実施形態では、回転機構603の内部に、回転体603Aの回転を規制し内鍵603Cを操作できようにするロック機構603Eが設けられている。さらに、本実施形態では、回転体603Aうちのロック機構603Eに対向する部分に、回転体603Aの外周面から突出する突出部(不図示)が設けられている。
ロック機構603Eには、この突出部の移動経路上に突出する進退部材603Fが設けられている。本実施形態では、この進退部材603Fが、この移動経路上に突出することで、回転体603Aの回転が規制され、内鍵603Cの操作を行えないようになる。
また、進退部材603Fを、突出部の移動経路上から退避させることで、回転体603Aが回転可能となり、内鍵603Cの操作を行えるようになる。
【0023】
なお、電子錠22Cのうちの回転機構603の部分は、扉22に対して後付けで取り付けてもよいし、後付けではなく、電子錠22Cは、最初から、サムターン601と回転機構603の部分とを一体で構成するようにしてもよい。
なお、
図10では、いわゆる鎌型のデッドボルト602を例示したが、扉22が、本実施形態のように引き戸ではなく、例えば、開き戸である場合は、
図11(電子錠22Cの他の構成例を示した図)に示すように、直線状に進退するデッドボルト602を用いる。
また、デッドボルト602の形状は、特に制限されず、扉22の形状、扉22を開く際の方式に併せて、既存のものから選択すればよい。
【0024】
また、その他に、電子錠22Cは、
図12(電子錠22Cの他の構成例を示した図)に示す電子錠22Cを用いてもよい。この電子錠22Cには、扉22の外面221側に装着される本体部605と、扉22の内面222側に装着される駆動部606とが設けられている。
この電子錠22Cでは、ユーザが、本体部605に対して、パスワードの入力を行えるようになっており、この入力されたパスワードと、予め定められた登録されたパスワードと一致する場合、駆動部606に設けられたデッドボルト602が退避し、解錠される。
また、この電子錠22Cでは、ユーザの指紋の取得を行えるようになっており、取得した指紋と、予め定められた登録された指紋とが一致する場合も、デッドボルト602が退避し、解錠が行われる。
さらに、本実施形態では、
図2に示すように、扉22の開閉を検知する開閉センサS1が設けられている。
【0025】
ブース80の利用人数は、ブース80の容積によっておおよそ決まる。本実施の形態におけるブース80は、基本的に1人が使用する個室型を想定する。もっとも、ブース80は、多人数を収容可能な大型のブース80でもよい。
なお、個室型とは、1人しか利用できない意味ではなく、少人数、例えば2~3人の利用が可能な意味で使用する。
また、ブース80を構成する筐体81の形状や構造、提供される設備や性能は任意である。
【0026】
図3は、ブース80の内部を説明する図である。なお、この
図3では、ブース80を上方から見た場合の状態を示している。
本実施形態では、ブース80の内部に、机92と椅子91とが1つずつ配置されている。
また、ブース80内には、利用者が自身の荷物を置くための荷物用容器93が設置されている。付言すると、ブース80内には、利用者の荷物であって置かれた荷物を収容する荷物用容器93が設けられている。
【0027】
また、ブース80の内部には、備え付けの機器として、
図2、
図3に示すように、映像を映す表示装置であるモニタ32が設けられている。
また、本実施形態では、
図2、
図3に示すように、音を出力する音出力装置であるスピーカ30Aが設けられている。なお、スピーカ30Aを別途設けず、モニタ32に設けられたスピーカから音を出力するようにしてもよい。
【0028】
また、本実施形態では、
図3に示すように、ブース80の内部の撮影を行う撮影装置である内部撮影装置24が設けられている。また、本実施形態では、
図2に示すように、ブース80の外部の撮影を行う撮影装置である外部撮影装置38が設けられている。
内部撮影装置24、外部撮影装置38の各々には、CCDやCMOSなどの撮像素子が設けられ、内部撮影装置24や外部撮影装置38は、この撮像素子を用いて撮影を行う。
【0029】
また、
図2に示すように、ブース80には、ブース80の内部の利用者を検出する人感センサ25が設けられている。また、本実施形態では、ブース80の内部の温度を検出する温度センサ26が設けられている。
また、
図3に示すように、ブース80内には、ブース80の内部を明るくするための照明機器40が設けられている。
さらに、本実施形態では、
図2に示すように、扉22に、窓42が設置され、本実施形態では、この窓42を通じて、空間2の外部から、空間2の内部の視認を行えるようになっている。
【0030】
さらに、
図2に示すように、ブース80の外表面には、ブース80を利用する利用者の個々の情報を取得するための情報取得装置29が設けられている。
この情報取得装置29は、例えば、翳されるIDカードを読み取るリーダにより構成される。また、その他に、情報取得装置29は、利用者の指紋や静脈の配置などを読み取るリーダなどであってもよい。
【0031】
図4は、空間管理サーバ5のハードウェア構成の一例を説明する図である。
情報処理装置の一例としての空間管理サーバ5は、装置全体の動作を制御する制御ユニット101と、管理データ等を記憶するハードディスクドライブ102と、LAN(=Local Area Network)ケーブル等を介した通信を実現するネットワークインターフェース103とを有している。
【0032】
制御ユニット101は、プロセッサの一例としてのCPU(=Central Processing Unit)111と、基本ソフトウェアやBIOS(=Basic Input Output System)等が記憶されたROM(=Read Only Memory)112と、ワークエリアとして用いられるRAM(=Random Access Memory)113とを有している。
CPU111はマルチコアでもよい。また、ROM112は、書き換え可能な不揮発性の半導体メモリでもよい。制御ユニット101は、いわゆるコンピュータである。
【0033】
ハードディスクドライブ102は、円盤状の基板表面に磁性体を塗布した不揮発性の記憶媒体にデータを読み書きする装置である。もっとも、不揮発性の記憶媒体は、半導体メモリや磁気テープでもよい。
この他、空間管理サーバ5は、必要に応じ、キーボード、マウス等の入力デバイス、液晶ディスプレイ等の表示デバイスも備える。
制御ユニット101と、ハードディスクドライブ102と、ネットワークインターフェース103は、バス104や不図示の信号線を通じて接続されている。
【0034】
ここで、CPU111によって実行されるプログラムは、磁気記録媒体(磁気テープ、磁気ディスクなど)、光記録媒体(光ディスクなど)、光磁気記録媒体、半導体メモリなどのコンピュータが読取可能な記録媒体に記憶した状態で、空間管理サーバ5へ提供しうる。また、CPU111によって実行されるプログラムは、インターネットなどの通信手段を用いて、空間管理サーバ5へ提供してもよい。
【0035】
なお、本実施形態において、プロセッサとは、広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU:Central Processing Unit、等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU: Graphics Processing Unit、ASIC: Application Specific Integrated Circuit、FPGA: Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス、等)を含むものである。
また、プロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は、本実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、変更してもよい。
【0036】
図5は、ユーザ端末4のハードウェア構成の一例を示す図である。
図5に示す構成は、ユーザ端末4がスマートフォンの場合を想定する。
ユーザ端末4は、装置全体の動作を制御する制御ユニット201と、各種のデータを記憶するメモリカード202と、無線通信の規格に準拠する各種の通信インターフェース203と、タッチセンサ等の入力デバイス204と、液晶ディスプレイや有機EL(=Electro Luminescence)ディスプレイ等の表示デバイス205と、GPS(=Global Positioning System)センサ206を有している。
【0037】
制御ユニット201は、CPU211と、ファームウェアやBIOS等が記憶されたROM212と、ワークエリアとして用いられるRAM213とを有している。CPU211はマルチコアでもよい。また、ROM212は、書き換え可能な不揮発性の半導体メモリでもよい。
【0038】
通信インターフェース203は、例えば移動通信システムとの接続に使用されるインターフェース、無線LANとの接続に使用されるインターフェースである。
GPSセンサ206は、GPS衛生からの電波を受信してユーザ端末4の位置を測定するセンサである。GPSセンサ206から出力される緯度、経度、高度の情報は、ユーザ端末4の現在位置を与える。なお、GPSセンサ206は、屋内用の測位システムに対応してもよい。
【0039】
図6は、ブース80の利用者がブース80の予約を行う際に、この利用者のユーザ端末4に表示される表示画面の一例を示した図である。
図6に示すこの表示画面では、地図の表示が行われるとともに、この地図上に、ブース80の設置箇所が複数表示されている。
本実施形態では、ブース80の利用者は、ブース80の予約を行う際、まず、表示されている複数の設置箇所の中から設置箇所を選択する。
なお、このような表示形態に限らず、例えば、リスト形式で、複数の設置箇所を表示し、利用者が、リストの中から設置箇所を選択するようにしてもよい。
【0040】
設置箇所が選択されると、
図7(ユーザ端末4に表示される表示画面の他の一例を示した図)に示すように、選択された設置箇所における空室の状況が、時間毎に表示される。
利用者は、この表示画面に対する操作を行って、ブース80の予約時間を指定する。そして、利用者は、確定ボタン(不図示)を押圧する。
【0041】
これにより、空間管理サーバ5が予約の確定処理を行う。
具体的には、空間管理サーバ5は、ブース80の設置箇所および予約時間についての情報を受け付けたうえで、この設置箇所、予約時間についての情報を情報DB(
図1参照)に登録し、予約の確定処理を行う。
そして、予約の確定結果が、ユーザ端末4へ送信され予約申込者に通知される。
【0042】
図8は、情報処理システム1に設けられたブース80、空間管理サーバ5、ユーザ端末4の各々が有する機能部を示した図である。なお、
図8では、ブース80に設けられた扉22の施錠に関する機能部のみを表示している。
本実施形態では、センサ部401が設けられている。より具体的には、本実施形態では、上記のように、ブース80に、内部撮影装置24、外部撮影装置38、開閉センサS1などが設けられ、これらにより、センサ部401が構成されている。また、本実施形態では、ユーザ端末4に設けられた入力デバイス204(
図5参照)もセンサ部401として機能する。
【0043】
本実施形態では、このセンサ部401によって、ブース80の内部や外部を撮影することにより得られた情報である撮影情報や、扉22の開閉についての情報である開閉情報などの各種の情報が得られる。また、このセンサ部401によって、ユーザ端末4を介してユーザが入力した情報である入力情報が得られる。
本実施形態では、得られたこれらの情報は、空間管理サーバ5に送信される。
【0044】
空間管理サーバ5は、情報管理部51、情報生成部52、通信部53を備える。
情報管理部51は、センサ部401により得られた情報を取得する。言い換えると、情報管理部51は、ブース80やユーザ端末4から送信されてきた情報を取得する。
情報生成部52は、ブース80やユーザ端末4の制御に用いられる制御情報を生成する。また、情報生成部52は、ブース80やユーザ端末4にて表示される画面の画面情報や、ブース80やユーザ端末4にて出力される音声の音声情報を生成する。
通信部53は、情報生成部52により生成された情報を、ユーザ端末4やブース80へ送信する。
【0045】
ここで、空間管理サーバ5が有するこれらの機能部は、プロセッサの一例としてのCPU111(
図4参照)が、ROM112やハードディスクドライブ102などに格納されたプログラムを実行することで実現される。
言い換えると、本実施形態では、空間管理サーバ5が実行する以下で説明する各処理は、CPU111により行われる。
【0046】
ユーザ端末4は、受信部45および情報出力部46を備える。
受信部45は、空間管理サーバ5から送信されてきた情報を受信する。情報出力部46は、受信部45により受信された情報を、表示デバイス205(
図5参照)やスピーカ(不図示)へ出力する。
これにより、本実施形態では、空間管理サーバ5から送信されてきた情報に基づく画面がユーザ端末4に表示される。また、空間管理サーバ5から送信されてきた情報に基づく音声が、ユーザ端末4から出力される。
ここで、ユーザ端末4が有する、この受信部45、情報出力部46は、ユーザ端末4に設けられたCPU211(
図5参照)が、ROM212などに格納されたプログラムを実行することで実現される。
【0047】
また、本実施形態では、
図8に示すように、ブース80に、受信部88、および、ブース制御部89が設けられている。
受信部88は、空間管理サーバ5から送信されてきた情報を受信する。ブース制御部89は、受信部88が受信した情報に基づき、ブース80の各部の制御を行う。
図示は省略するが、ブース80にも、CPU、ROM、RAMが設けられ、ブース80に設けられた受信部88、ブース制御部89は、CPUが、ROMなどに格納されたプログラムを実行することで実現される。
【0048】
情報処理システム1にて実行される処理を具体的に説明する。
本実施形態では、基本的な処理として、ブース80の扉22が閉じられた場合に、扉22の施錠が自動で行われるようになっている。より具体的には、本実施形態では、ブース80の扉22が閉じられたことが開閉センサS1により検知されると、電子錠22Cが作動し、自動で扉22が施錠されるようになっている。
また、本実施形態では、扉22が閉じられる方向に扉22を付勢する付勢機構(不図示)が設けられており、扉22が自動で閉じられる構成となっている。なお、この付勢機構は、公知の構成により実現すればよい。
【0049】
本実施形態では、上記の通り、基本的に、扉22が閉じられた場合に、扉22の施錠が自動で行われる。
その一方で、本実施形態では、扉22が閉じられた際に予め定められた条件が満たされている場合には、施錠が行われない。
具体的には、本実施形態では、例えば、ブース80の予約時間内であるときに扉22が閉じられた場合には、扉22の施錠が行われない。
【0050】
より具体的には、本実施形態では、空間管理サーバ5の情報生成部52が、扉22の施錠を指示する信号を出力するが、情報生成部52は、ブース80の予約時間内であるときに扉22が閉じられた場合には、扉22の施錠を指示するこの信号の出力を行わない。
本実施形態では、ブース80の扉22が閉じられたことが、開閉センサS1により検知されると、情報生成部52が、扉22の施錠を指示する信号を出力する。これにより、電子錠22Cが作動し、扉22が施錠される。
これに対し、本実施形態では、ブース80の予約時間内であるときに扉22が閉じられた場合、情報生成部52は、扉22の施錠を指示する信号を出力しない。
【0051】
これにより、本実施形態では、ブース80内のユーザがブース80の外部に出た後に扉22が閉じられても、この時が予約時間内である場合には、ブース80の施錠が行われない。
これにより、この場合、ユーザは、ユーザ端末4を携行しない状態でブース80の外部に出ても、ブース80内に戻れるようになる。
【0052】
本実施形態では、ユーザ端末4を用いて扉22の解錠を行うため、ユーザがユーザ端末4を携行しないでブース80の外部に出ると、解錠を行うことができず、ユーザはブース80内に戻れなくなる。
これに対し、本実施形態のように、ユーザがブース80の外部に出ても施錠が行われない場合、ユーザは、ユーザ端末4を携行せずにブース80の外部に出ても、ブース80の内部に戻れる。
【0053】
図9は、空間管理サーバ5に設けられた情報DBに格納された情報を示した図である。
本実施形態では、上記の通り、空間管理サーバ5に情報DBが設けられている。この情報DBには、ブース80の各々について、予約時間、ブース80の場所、ブース80へのユーザの入場の有無、ブース80内のユーザの有無、ブース80内におけるユーザ端末4の有無についての情報が登録される。
情報生成部52は、ブース80の扉22が閉じられた場合、その時の現在時刻を把握する。そして、情報生成部52は、この現在時刻が、予約時間内にある場合、扉22の施錠を指示する信号を出力しない。これにより、この場合、ブース80の施錠が行われないようになる。
【0054】
なお、このように施錠が行われない場合であっても、ブース80の予約時間が終了した後は、扉22の施錠が行われるようにすることが好ましい。
この場合、情報生成部52は、ブース80の予約時間が終了すると、ブース80の施錠を指示する制御信号を出力する。言い換えると、情報生成部52は、ブース80の予約終了時刻となると、ブース80の施錠を指示する制御信号を出力する。
これにより、ブース制御部89が、電子錠22C(
図2参照)を作動させ、扉22の施錠が行われる。
【0055】
また、その他の処理として、例えば、ブース80内に人がいない状態で扉22が閉じられた場合には、扉22の施錠が行われないようにしてもよい。
より具体的には、この場合、情報生成部52は、扉22が閉じられた際に、人感センサ25(
図2参照)による人の検知が行われていない場合、扉22の施錠を指示する制御信号を出力しないようにする。
これによっても、ユーザが、ユーザ端末4を携行せずにブース80の外部に出ても、このユーザは、ブース80内に戻れる。
また、その他の処理として、ブース80内に人がいない状態で、ブース80の予約時間外に扉22が閉じられた場合には、扉22の施錠が行われるようにしてもよい。
【0056】
また、その他の処理として、ブース80の予約時間内であったとしても、ユーザがブース80の外部に出てから予め定められた時間が経過した場合には、扉22の施錠が行われるようにしてもよい。
本実施形態では、上記の通り、ブース80の予約時間内であるときに扉22が閉じられた場合には、基本的には、扉22の施錠を行わない。その一方で、予約時間内であったとしても、ブース80内に人がいない状態で、扉22が閉じられてから予め定められた時間が経過した場合には、扉22の施錠が行われるようにしてもよい。
また、その他の処理として、ブース80内に人がいない状態でブース80の予約終了時刻となった場合に、扉22の施錠が行われるようにしてもよい。
【0057】
また、その他に、
図13(ブース80内の状態の一例を示した図)に示すように、ブース80を利用する利用者の所持品がブース80内にある状態で、扉22が閉じられた場合にも、扉22の施錠が行われないようにしてもよい。ここで、この例では、ブース80を利用する利用者の鞄90が、ブース80内に設置された荷物用容器93に収容されている状態で扉22が閉じられた場合を例示しており、この場合、扉22の施錠が行われないようにしてもよい。
具体的には、この場合、情報生成部52は、内部撮影装置24により取得された映像を解析し、ブース80を利用する利用者の所持品がブース80内にあるか否かを判断する。
【0058】
より具体的には、情報生成部52は、例えば、予約時間となる前に内部撮影装置24が取得した映像と、予約時間となった後に内部撮影装置24が取得した映像とを比較して、ブース80を利用する利用者の所持品がブース80内にあるか否かを判断する。
そして、情報生成部52は、ブース80内に所持品がある状態で扉22が閉じられた場合、扉22の施錠を指示する制御信号を生成しないようにする。これにより、この場合も、ブース80の外部に一旦出たユーザが、ブース80内に戻れる。
【0059】
また、その他に、情報生成部52は、利用者の所持品がブース80内にある場合であっても、利用者がブース80内にいる状態で扉22が閉じられた場合には、扉22の施錠が行われるようにしてもよい。
本実施形態では、上記の通り、基本的な処理として、扉22が閉じられたら自動で施錠が行われるようになっている。
情報生成部52は、利用者の所持品がブース80内にある場合であっても、利用者がブース80内にいる場合には、この基本的な処理を実行し、扉22の施錠が行われるようにしてもよい。
【0060】
また、その他に、情報生成部52は、ユーザ端末4を携行していない利用者がブース80の外にいる状態で、開けられた扉22が閉じられた場合も、扉22の施錠が行われないようにしてもよい。
より具体的には、情報生成部52は、例えば、ユーザ端末4がブース80内にあり、さらに、ブース80内にユーザがいない状態で、開けられた扉22が閉じられた場合、扉22の施錠が行われないようにする制御情報を生成してブース80に出力してもよい。
【0061】
情報生成部52は、この場合、例えば、内部撮影装置24が取得した映像を解析することで、ユーザ端末4がブース80内にあるか否かを判断する。
また、情報生成部52は、この場合、例えば、内部撮影装置24が取得した映像を解析することで、又は、人感センサ25による検知結果を得ることで、ブース80内にユーザがいるか否かを判断する。
【0062】
そして、情報生成部52は、
図14(ブース内の状態の一例を示した図)に示すように、ユーザ端末4がブース80内にあり且つブース80内にユーザがいない状態で扉22が閉じられた場合、施錠を行わないとの決定を行う。そして、この場合、情報生成部52は、扉22の施錠が行われないようにする制御情報を生成してブース80に出力する。
これにより、この場合も、ユーザが、ユーザ端末4を携行しないでブース80の外部に出ても、ユーザは、ブース80内に戻れるようになる。
【0063】
本実施形態では、ユーザ端末4がブース80内にある場合、情報生成部52は、
図9の符号10Aで示すように、情報DBに、ブース80内にユーザ端末4があることを示す情報を登録する。
情報生成部52は、ブース80内にユーザ端末4があることを示す情報が情報DBに登録され、且つ、ブース80内にユーザがいない状態で扉22が閉じられた場合、施錠を行わないとの決定を行う。そして、この場合、情報生成部52は、扉22の施錠が行われないようにする制御情報を生成してブース80に出力する。
【0064】
また、その他の処理として、情報生成部52は、ブース80の内側から開けられた扉22が閉じられた場合に、扉22の施錠が行われないようにする制御情報を生成してブース80に出力してもよい。
これにより、この場合も、ユーザがブース80から一旦出てブース80に戻る場合であっても、扉22の施錠が行われないようになり、ユーザは、ブース80内に戻れる。
【0065】
ここで、ブース80の内側から扉22が開けられたか否かは、例えば、電子錠22Cがユーザによりブース80の内側から操作されたか否かを検出することで判断する。
より具体的には、本実施形態では、電子錠22Cに、
図10に示したように、ユーザが手動で操作する内鍵603Cが設けられており、この内鍵603Cが操作されたうえで扉22が開けられた場合、情報生成部52は、ブース80の内側から扉22が開けられたと判断する。
なお、その他に、例えば、内部撮影装置24により得られた映像を解析して、ブース80の内側から扉22が開けられたか否かを判断してもよい。
そして、この処理では、ブース80の内側から扉22が開けられたと判断された場合、この扉22が閉じられても施錠が行われないようになる。
【0066】
なお、この場合も、上記と同様、内側から開けられた扉22が閉じられてから予め定められた時間が経過したら、あるいは、ブース80の予約終了時刻となったら、施錠が行われるようにしてもよい。
【0067】
また、逆に、情報生成部52は、ブース80の外側から開けられた扉22が閉じられた場合には、扉22の施錠が行われるようにする制御情報を生成して出力してもよい。
ブース80の外側から開けられた扉22が閉じられた場合には、ユーザがブース80の内部に入ることが想定され、この場合、施錠を行っても、ユーザがブース80の内部に戻れなくなるなどの不具合は生じにくい。
【0068】
ここで、ブース80の外側から扉22が開けられたか否かは、例えば、取手22A(
図2参照)にユーザが触れたことを検出するサンセを設け、このセンサによる検出結果に基づき判断する。
情報生成部52は、取手22Aにユーザの手が触れた状態で扉22が開けられた場合、ブース80の外側から扉22が開けられたと判断する。
【0069】
そして、この場合、情報生成部52は、扉22の施錠が行われるようにする制御情報を生成してブース80に出力する。これにより、扉22が閉じられると、施錠が行われるようになる。
なお、ブース80の外側から扉22が開けられたか否かは、その他に、外部撮影装置38(
図2参照)により得られた映像を解析することで判断してもよい。
【0070】
また、その他に、上記でも説明したが、情報生成部52は、扉22の施錠が行われない状態でブース80の予約終了時刻となったり、扉22の施錠が行われない状態が予め定められた時間を超えて継続したら、扉22の施錠が行われるようにする制御情報を生成して出力してもよい。
本実施形態では、ブース80の内側から開けられた扉22が閉じられた場合などに、扉22の施錠が行われないようになり、無施錠の状態となることが起こりうる。
これに対し、上記のように、扉22の施錠が行われるようにする制御情報を生成して出力すると、無施錠の状態が長期に亘って続くことが抑制される。
【0071】
〔第2の実施形態〕
次に、第2の実施形態について説明する。
第2の実施形態では、情報生成部52は、ブース80内のユーザが携行機器の一例であるユーザ端末4を携行せずにブース80の外部に出ようとした場合に、予め定められた情報を出力する。
具体的には、情報生成部52は、ブース80内のユーザがユーザ端末4を携行せずにブース80の外部に出ようとした場合、ユーザがユーザ端末4を携行するようにするための情報を生成して出力する。
【0072】
より具体的には、情報生成部52は、ユーザがユーザ端末4を携行するようにするための情報として、例えば、扉22が開かないようにするための制御情報を生成して出力する。
情報生成部52が、この制御情報を出力すると、ユーザがブース80の外部に出ようとしても、ブース80の外部に出られないようになる。
【0073】
より具体的には、情報生成部52が、この制御情報を出力すると、ブース制御部89が、電子錠22C(
図10参照)に対して信号を出力して、電子錠22Cに設けられた内鍵603Cを動かないようにする。より具体的には、ブース制御部89は、電子錠22Cに設けられたロック機構603Eを作動させて、電子錠22Cに設けられた内鍵603Cを動かないようにする。
これにより、ユーザは、施錠を解除できないようになり、ブース80の外部に出られないようになる。
【0074】
この場合、ブース80内のユーザがブース80の外部に自由に出られる場合に比べ、ユーザが、ユーザ端末4を所持していないことに気づく可能性が高まる。
なお、上記では、電子錠22Cに設けられた内鍵603Cを動かないようにして扉22が開かないようにしたが、その他に、ブース制御部89は、例えば、電子錠22Cとは別に設けられた他の電子錠を作動させて、扉22が開かないようにしてもよい。
【0075】
また、その他の例として、情報生成部52は、ユーザがユーザ端末4を携行するようにするための情報として、ユーザ端末4の携行をユーザに指示するための情報を生成して出力してもよい。
本実施形態では、ユーザ端末4の携行をユーザに指示するためのこの情報が出力されると、ブース制御部89が、モニタ32やスピーカ30Aの制御を行う。
これにより、例えば、
図15(モニタ32における表示例を示した図)に示すように、モニタ32に、ユーザ端末4の携行をユーザに指示するための情報が表示される。また、例えば、スピーカ30Aから、ユーザ端末4の携行をユーザに指示するための音声が出力される。
【0076】
これにより、この場合も、ユーザが、ユーザ端末4を携行する可能性が高まる。
なお、ユーザ端末4の携行をユーザに指示するための情報は、ユーザ端末4に出力するようにし、ユーザ端末4に設けられた表示デバイス205(
図5参照)やスピーカから、ユーザ端末4の携行をユーザに指示するためのこの情報が出力されるようにしてもよい。
【0077】
〔第3の実施形態〕
本実施形態では、上記の通り、ブース80の外部にいるユーザがブース80の解錠を行う際、このユーザは、ユーザ端末4を操作して解錠の指示を行い、扉22の解錠を行う。
言い換えると、本実施形態では、ユーザが携行するユーザ端末4からの解錠の指示という1つの条件が満たされた場合に、扉22の解錠が行われる。
【0078】
これに対し、この第3の実施形態では、予め定められたこの第1の条件が満たされ扉22の解錠が行われた後は、この第1の条件とは異なる第2の条件が満たされた場合でも扉22の解錠を行えるようになる。
【0079】
この第3の実施形態では、ユーザが携行するユーザ端末4からの解錠の指示があった場合が第1の条件が満たされた場合であり、ユーザ端末4からの解錠の指示が有り、この第1の条件が満たされると、扉22の解錠が行われる。
そして、この第3の実施形態では、この第1の条件が満たされ、扉22の解錠が行われた後は、ユーザ端末4からの解錠の指示というこの第1の条件以外の条件である第2の条件が満たされた場合でも、扉22の解錠を行えるようになる。
言い換えると、この第3の実施形態では、1回目の扉22の解錠が行われた後は、ユーザ端末4からの解錠の指示という条件以外の他の条件が満たされた場合であっても、扉22の解錠を行えるようになる。
【0080】
ここで、第2の条件としては、ブース80の外部にいるユーザから得た情報であるユーザ情報が予め定められた条件を満たす場合が一例に挙げられる。
この場合、第1の条件が満たされ扉22の解錠が行われた後は、ユーザから得たユーザ情報が予め定められた条件を満たす場合でも、扉22の解錠を行える。
【0081】
ここで、ユーザ情報としては、ブース80の外部にいるユーザの身体から得た情報が一例として挙げられる。
この場合、第1の条件が満たされ扉22の解錠が行われた後は、ブース80の外部にいるユーザの身体から得た情報が予め定められた条件を満たす場合でも、扉22の解錠を行える。
言い換えると、第1の条件が満たされ扉22の解錠が行われた後は、第1の条件が再び満たされた場合だけでなく、ブース80の外部にいるユーザの身体から得た情報が予め定められた条件を満たす場合でも、扉22の解錠を行える。
【0082】
ここで、ブース80の外部にいるユーザの身体から得る情報としては、例えば、このユーザの顔を撮影することにより得られた、このユーザの顔についての情報(以下、「第1顔情報」と称する)が一例に挙げられる。
そして、本実施形態では、この第1顔情報が、予め定められた条件を満たす場合、扉22の解錠が行われる。
具体的には、本実施形態では、この第1顔情報が、ユーザがブース80内にいる際に得られた顔情報(以下、「第2顔情報」)と一致する場合に、扉22の解錠が行われる。
【0083】
より具体的には、この第3の実施形態では、第1の条件が満たされ扉22の解錠が行われた後、ユーザがブース80内に入るが、ユーザがブース80内に入った後に、第2顔情報の取得が行われる。
より具体的には、内部撮影装置24(
図3参照)によるユーザの撮影が行われ、ブース80内のユーザの第2顔情報が得られる。
【0084】
そして、本実施形態では、その後にブース80の外に出たユーザから得られた第1顔情報と、この第2顔情報とが一致する場合、解錠が行われる。
より具体的には、ブース80の外部にいるユーザを外部撮影装置38(
図2参照)により撮影することにより得られた第1顔情報と、上記の第2顔情報とが一致する場合、解錠が行われる。
この場合も、ユーザが、ユーザ端末4を携行せずにブース80の外部に出たとしても、このユーザは、ブース80内に戻れる。
【0085】
より具体的には、この第3の実施形態では、
図16(本実施形態にて実行される処理の流れを示したフローチャートを示した図)に示す一連の処理が実行される。
まず、この実施形態では、第1の条件が満たされて扉22の解錠が行わる(ステップS101)。次いで、本実施形態では、内部撮影装置24によるユーザの撮影が行われ、ブース80内のユーザの第2顔情報が取得される(ステップS102)。
その後、本実施形態では、
図17(ブースの外部にいるユーザを示した図)に示すように、ブース80の外に出たユーザがブース80内に戻ろうとする際に、このユーザの顔情報である第1顔情報が取得される(ステップS103)。
そして、本実施形態では、第1顔情報と第2顔情報とが一致するか否かが判断され(ステップS104)、第1顔情報と第2顔情報とが一致する場合、解錠が行われる(ステップS105)。一方、第1顔情報と第2顔情報とが一致しない場合は、解錠は行われない(ステップS106)。
【0086】
本実施形態では、第1の条件が満たされ扉22の解錠が行われた後に、第2の条件を構成する要素となる第2顔情報が得られるようになる。
言い換えると、本実施形態では、第1の条件が満たされる前には、第2の条件を構成する要素となる第2顔情報を得ることができない。この場合、本実施形態では、第1の条件が満たされる前には、第2の条件が満たされないことになる。
【0087】
ここで、第2顔情報については、ユーザが、自身のユーザ端末4などを用いて自身の顔を予め撮影することによっても得ることが可能である。
ところでこの場合は、顔情報が実際に使用されるか否かに関わらず、第2顔情報が、空間管理サーバ5等に多数登録される形となり、実際に使用されるか否かに関わらず、多数の個人情報が空間管理サーバ5等に蓄積されることになる。個人情報の保護という観点からは、このように多数の個人情報を蓄積しておくことは好ましくない。
【0088】
これに対し、上記のように、第1の条件が満たされ扉22の解錠が行われた場合に、第2の条件を構成する要素となる第2顔情報が得られるようにすると、個人情報の蓄積を抑えつつ、外部に出たユーザのブース80内への戻りが実現されるようになる。
【0089】
なお、上記では、ユーザ情報として、顔情報を取得する場合を説明したが、これに限られず、ユーザ情報としては、その他に、例えば、ユーザの静脈の配置についての情報である静脈情報や、ユーザの指紋についての情報である指紋情報を取得してもよい。
この場合は、例えば、ブース80内に、ユーザの静脈の配置を読み取る読み取り機器や、指紋を読み取る読み取り機器を設置する。そして、ブース80内にユーザがいる際に、このユーザから、静脈情報や指紋情報を取得し、さらに、取得したこの静脈情報や指紋情報を登録する。
【0090】
そして、外部に一旦出たユーザがブース80に入る際には、情報取得装置29(
図2参照)を用い、ユーザから静脈情報や指紋情報を取得する。そして、登録してある静脈情報や指紋情報と、取得した静脈情報や指紋情報とが一致した場合、扉22の解錠を行う。
【0091】
また、その他に、ブース80の外部にいるユーザから得る情報であるユーザ情報としては、ユーザが入力したパスワードなどの入力情報も一例に挙げられる。
この場合は、例えば、ブース80内にユーザがいる際に、このユーザに対して、パスワードなどの情報を提示し、この情報をユーザに覚えてもらうようにする。具体的には、例えば、
図18(モニタ32における表示例を示した図)に示すように、モニタ32に、ブース80に戻る際に必要となるパスワードを表示するようにする。
【0092】
そして、この場合、ブース80の外に一旦出たユーザがブース80の内部に戻ろうとする際に、ユーザ端末4やブース80に設置された情報入力装置(不図示)を介して、提示した情報をユーザに入力してもらうようにする。
そして、この場合、ブース80の外にいるユーザが入力した情報と、ブース80内にて提示した情報とが一致する場合に、解錠が行われる。
【符号の説明】
【0093】
1…情報処理システム、4…ユーザ端末、5…空間管理サーバ、22…扉、22C…電子錠、80…ブース、111…CPU